説明

基板処理装置、基板処理方法及び記憶媒体

【課題】基板処理装置において占有床面積を小さくすることができる技術を提供すること。
【解決手段】キャリアブロックの背面側に設けられ、基板の処理の順番が前後する複数の階層部分を積層した構造を備えると共に各階層ごとに基板搬送機構及び基板を処理する処理モジュールが設けられた処理ブロックと、各々対応する階層の前記基板搬送機構により基板の受け渡しが行われる基板載置部を積層したタワー部と、キャリア載置部上のキャリアと前記タワー部の基板載置部との間、及び前記タワー部の基板載置部の間で基板の移載を行う基板移載機構と、を備え、基板移載機構は、キャリアと基板載置部との間で基板の移載を行うときに専用に用いられる第1の基板保持部材と、タワー部の基板載置部の間で基板の移載を行うときに専用に用いられる第2の基板保持部材と、を備えるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアから基板を取り出して処理を行う基板処理装置、基板処理方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の一つであるフォトレジスト工程は、複数枚の半導体ウエハ(以下ウエハと記載する)を格納したキャリアを搬入するためのキャリアブロックと、キャリアブロックから受け渡されたウエハを処理する処理ブロックとを備えた基板処理装置により行われる。
【0003】
前記処理ブロックは、レジストなどの各種の薬液の塗布処理を行う塗布処理用の単位ブロック、現像処理を行う現像処理用の単位ブロックのうちの複数個を上下に積層して構成される場合がある。この場合、キャリアブロックに設けられたウエハの移載機構の移動路の背面側(処理ブロック側)に各単位ブロックにウエハを受け渡すための積層されたステージ群が設けられる。例えば、特許文献1には塗布、現像装置として構成された、そのような基板処理装置について記載されている。
【0004】
ところで、前記基板処理装置については上記のように単位ブロックを積層することにより、基板処理装置が設置されるクリーンルームの床面積に対して、当該基板処理装置が占める床面積の割合を小さくすることが図られているが、この割合をさらに小さくすることが求められている。また、この基板処理装置においては、スループットを高くすることが検討されている他、前記キャリアブロックのウエハの移載機構にトラブルが発生した場合においてもスループットの低下を防ぐことが求められている。
【0005】
なお、特許文献2には2つの移載機構が設けられたキャリアブロックと、積層された2つの単位ブロックからなる処理ブロックとを備えた基板処理装置について記載されている。移載機構は、各単位ブロックの入り口に設けられるステージに各々アクセスして、当該ステージを介してウエハがキャリアブロックと単位ブロックとの間で搬送されるが、1つの移載機構のアクセスするステージは、1つの単位ブロックのステージに限られており、上記の問題を解決できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−278027
【特許文献2】特開2009−2600878(図12及び段落0085〜段落0087)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、基板処理装置の占有床面積を小さくすることができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の基板処理装置は、複数の基板を収納する搬送容器であるキャリアが載置されるキャリア載置部を上下方向に複数備えたキャリアブロックと、
基板を処理するために前記キャリアブロックの背面側に設けられ、基板の処理の順番が前後する複数の階層部分を積層した構造を備えると共に各階層ごとに基板搬送機構及び基板を処理する処理モジュールが設けられた処理ブロックと、
各々対応する階層の前記基板搬送機構により基板の受け渡しが行われる高さ位置に配置された複数の基板載置部を積層したタワー部と、
前記各キャリア載置部上のキャリアと前記タワー部の基板載置部との間、及び前記タワー部の基板載置部の間で基板の移載を行う進退、昇降自在な基板移載機構と、を備え、
前記基板移載機構は、キャリアと基板載置部との間で基板の移載を行うときに専用に用いられる第1の基板保持部材と、タワー部の基板載置部の間で基板の移載を行うときに専用に用いられる第2の基板保持部材と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の具体的な態様としては例えば下記の通りである。
(1)前記第1の基板保持部材は、基板の下面の周縁部よりも中央寄りの部位を保持するように構成され、
前記第2の基板保持部材は、基板の周囲を囲むように設けられた支持部と、この支持部の内周縁に設けられ、基板の下面の周縁部を保持する保持爪と、を備え、
前記第2の基板保持部材により基板の受け渡しが行われる基板載置部は、基板を載置するための載置プレートと、この載置プレートの外周に形成され、前記保持爪が通過できる切り欠き部と、を備える。
(2)前記第1の基板保持部材により基板の受け渡しが行われる基板載置部は、当該基板保持部材と平面的に干渉しない位置にて、基板載置部と基板保持部材との間で基板の移し替えができるように、基板を昇降させるための昇降部材が設けられている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、キャリア載置部上のキャリアと処理ブロックの各階層に対応して設けられた基板載置部を備えるタワー部との間で基板を移載する基板移載機構を設け、前記基板移載機構は、キャリアと基板載置部との間で基板の移載を行うときに専用に用いられる第1の基板保持部材と、タワー部の基板載置部の間で基板の移載を行うときに専用に用いられる第2の基板保持部材と、を備える。従って、基板移載機構の小型化を図ることができ、それによって基板移載機構の配置のレイアウトの自由度が高くなる。また、基板載置部の構成の自由度も高くなる。従って、装置の占有床面積を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の基板処理装置に係る塗布、現像装置の平面図である。
【図2】前記塗布、現像装置の斜視図である。
【図3】前記塗布、現像装置の縦断側面図である。
【図4】前記塗布、現像装置のキャリアブロックに設けられるウエハ移載機構の斜視図である。
【図5】前記キャリアブロックに設けられる受け渡しモジュールの斜視図である。
【図6】前記受け渡しモジュールによるウエハの受け渡しを説明するための説明図である。
【図7】前記受け渡しモジュールによるウエハの受け渡しを説明するための説明図である。
【図8】前記キャリアブロックを構成する基板移載機構ブロックを引き出した状態のキャリアブロックの正面図である。
【図9】前記キャリアブロックの平面図である。
【図10】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図11】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図12】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図13】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図14】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図15】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図16】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図17】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図18】第2の実施形態のキャリアブロックを示す正面図である。
【図19】前記キャリアブロックに設けられるキャリア移動機構を示す平面図である。
【図20】前記キャリアブロックに設けられるキャリア移動機構を示す平面図である。
【図21】前記キャリアブロックに設けられるキャリア移動機構を示す平面図である。
【図22】第3の実施形態のキャリアブロックの正面図である。
【図23】前記キャリアブロックの横断平面図である。
【図24】第4の実施形態のキャリアブロックの正面図である。
【図25】前記キャリアブロックの横断平面図である。
【図26】ウエハ移載機構の他の構成を示す正面図である。
【図27】第5の実施形態の塗布装置の概略側面図である。
【図28】前記塗布装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図29】前記塗布装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図30】前記塗布装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図31】第6の実施形態の塗布、現像装置の概略側面図である。
【図32】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図33】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図34】第7の実施形態の塗布、現像装置の概略側面図である。
【図35】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路の概略図である。
【図36】第8の実施形態の塗布、現像装置の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
本発明の基板処理装置の第1の実施形態である塗布、現像装置1に露光装置を接続したレジストパターン形成システムについて説明する。図1は、前記レジストパターン形成システムの平面図、図2は同概略斜視図、図3は同概略側面図である。塗布、現像装置1は、キャリアブロックA1と、処理ブロックA2と、インターフェイスブロックA3と、を直線状に接続して構成されている。インターフェイスブロックA3にはさらに処理ブロックA2の反対側に露光装置A4が接続されている。この例では露光装置A4は、露光用のレンズと基板であるウエハWとの間が気相の状態で当該ウエハWに露光を行う。塗布、現像装置1はこのような露光装置A4に対応した処理モジュールを備えている。なお、ウエハWの載置される場所をモジュールと記載し、ウエハWに液処理や加熱処理などの各種の処理を行うモジュールを処理モジュールとする。
【0013】
以降の説明ではブロックA1〜A4の配列方向を前後方向とし、キャリアブロックA1側を前面側、露光装置A4側を背面側とする。先ず、処理ブロックA2の概略を説明する。処理ブロックA2は積層された6つの単位ブロックB1〜B6が番号順に下から積層されており、図3に示すように各単位ブロックB1〜B6には、単位ブロック用の基板搬送機構である主ウエハ搬送機構51〜56が各々設けられている。主ウエハ搬送機構51〜56は、互いに独立且つ並行して各単位ブロックに設けられている処理モジュール間においてウエハWを搬送できるように構成されている。
【0014】
単位ブロックB1及びB2ではウエハWに反射防止膜形成処理及びレジスト膜の形成処理行われる。単位ブロックB3、B4では前記レジスト膜の上層に積層される反射防止膜の形成処理が行われる。単位ブロックB5、B6では露光装置A4で露光後のウエハWの現像処理が行われる。
【0015】
続いて、キャリアブロックA1について説明する。キャリアブロックA1は複数枚のウエハWが格納されたFOUPと呼ばれる搬送容器であるキャリアCを、図2に示す天井搬送機構21との間で受け渡す。また、キャリアブロックA1は、キャリアCと処理ブロックA2との間でウエハWを受け渡す役割と、異なる単位ブロックB間でウエハWを受け渡すことができるようにウエハWを昇降搬送する役割とを有する。
【0016】
キャリアブロックA1は角型の筐体11を備え、筐体11の前面には筐体11内に連通する4つのウエハWの搬送口12A〜12Dが形成されている。搬送口12A、12Bは筐体11の下段側に、左右に間隔をおいて同じ高さに形成されており、搬送口12C、12Dは夫々搬送口12A、12Bの上方に同じ高さに形成されている。これらの搬送口12A〜12Dは、開閉部13により塞がれている。開閉部13はキャリアCの前面に設けられる蓋体C1を取り外し、取り外した蓋体C1を保持した状態で図3に示すように搬送口12A〜12Dからの後退及び下降動作を行い、キャリアC内と筐体11内との間でウエハWを搬送可能にする。
【0017】
筐体11の前面において搬送口12A、12Bの下方は、前方側に突出する支持台14として形成されており、それによって筐体11は側面視L字に構成されている。この支持台14の上面にはキャリア載置部15A、15Bが左右に互いに離れて設けられている。これらのキャリア載置部15A、15Bは、各々搬送口12A、12Bの前方側に設けられ、支持台14の手前側におけるキャリアCの受け渡しを行うためのアンロード位置と、支持台14の奥側において、載置されたキャリアCからウエハWの払い出しを行うためのロード位置と、の間で前後方向に移動する。図中16は各キャリア載置部15A、15Bから上方に突出するピンであり、キャリアCの底面に切られた溝C3(この実施形態では図示を省略している)に嵌合する。それによって、キャリアCのキャリア載置部15に対する位置が規制される。
【0018】
支持台14上面のキャリア載置部15A、15B間は、キャリア仮置き部17A、17Bとして構成されている。各キャリア仮置き部17A、17Bは、天井搬送機構21とキャリア載置部15A、15Bとの間でキャリアCを受け渡すために、当該キャリアCが一時的に載置される領域であり、キャリア仮置き部17Aはキャリア載置部15A側に、キャリア仮置き部17Bはキャリア載置部15B側に設けられている。
【0019】
ここで天井搬送機構21について簡単に説明すると、図2中22はガイドレールであり、塗布、現像装置1が設置されるクリーンルーム内の天井を引き回されている。23はガイドレール22に沿って移動する駆動機構である。24は駆動機構23に接続される接続部であり、駆動機構23により下方に伸長自在に構成されている。25は把持部であり、接続部24の下端に設けられ、キャリアCの上部に設けられる被把持部C2を把持する。
【0020】
支持台14の左右には夫々キャリア移動機構26A、26Bが設けられており、各キャリア仮置き部17A、17Bと、キャリア載置部15A、15Bとの間で夫々キャリアCを受け渡す。なお、図2では、図を見やすくするためキャリア移動機構26Bを省略している。図2を参照しながらキャリア移動機構26Aについて説明すると、キャリア移動機構26Aは、把持部27、把持部27から横方向に伸びるロッド28及びロッド28を横方向に移動させるロッド移動機構29、ロッド移動機構29を昇降させる昇降機構30を備えている。前記把持部27は、その間隔を変更自在な爪部27a、27aを備えており、キャリアCの被把持部C2の把持及び開放を自在に行うことができる。キャリア移動機構26Bについては、キャリア移動機構26Aと同様に構成されているため詳細な説明を省略する。
【0021】
搬送口12C、12Dの下方且つ搬送口12A、12Bの上方には、筐体11から前方へ突出するように上方支持台31C、31Dが夫々設けられており、上方支持台31C、31Dの上面にはキャリア載置部15C、15Dが夫々設けられている。このキャリア載置部15C、15Dは、キャリア載置部15A、15Bと同様に構成される。これらのキャリア載置部15C、15Dと天井搬送機構21との間では、上記の仮置き部17A、17Bを介さずに直接キャリアCの受け渡しが行われる。上方支持台31C、31Dは互いに間隔をおいて形成されており、この間隔を利用して、既述のキャリア仮置き部17A、17Bと天井搬送機構21との間でキャリアCの受け渡しが行われる。つまり、上方支持台31C、31Dはキャリア仮置き部17A、17Bに重ならないように配置されている。
【0022】
図1に示すように筐体11内の左右の中央部には上下に延びるタワー部31が設けられており、このタワー部31には各単位ブロックBへのウエハWの搬入及び各単位ブロックBからのウエハWの搬出を行うために、ウエハWが一旦載置される受け渡しモジュールが複数積層されて設けられている。筐体11内において、このタワー部31を左右から挟むように第1のウエハ移載ユニット41及び第2のウエハ移載ユニット42が設けられている。第1のウエハ移載ユニット41は、キャリア載置部15A、15Cに臨む位置に設けられ、これらキャリア載置部15A、15Cに各々載置されたキャリアCとタワー部31に設けられたモジュールとの間でウエハWを搬送する。第2のウエハ移載ユニット42は、キャリア載置部15B、15Dに臨む位置に設けられ、これらキャリア載置部15A、15Cに各々載置されたキャリアCとタワー部31に設けられたモジュールとの間でウエハWを搬送する。キャリア載置部に臨む位置とは、ウエハ移載ユニットに設けられる後述の移載部本体40がこのキャリア載置部に載置されたキャリアCに対してウエハWの受け渡しを行うことができる位置である。
【0023】
図4も参照しながら第1のウエハ移載ユニット41について説明すると、第1のウエハ移載ユニット41は、ガイドレール43と、支持枠44と、移載部本体40とを備えている。ガイドレール43は、筐体11の底部に左右方向に向かって敷設されており、支持枠44は上下方向に伸びるように形成され、ガイドレール43に沿って移動自在に構成される。移載部本体40は、昇降基台45、回転台46、第1の保持アーム47及び第2の保持アーム48により構成される。昇降基台45は支持枠44内を昇降自在に構成される。回転台46は昇降基台45上に設けられ、鉛直軸回りに回転自在に構成される。
【0024】
基板保持部材である第1の保持アーム47は、基部47aと、当該基部47aから二股に分かれて水平に延び出した先端部47b、47bとを有する細長且つ平型のフォーク形状に構成されており、その長さ方向に沿って回転台46上を進退自在に構成されている。この第1の保持アーム47の伸長方向を前後方向とした場合、第1の保持アーム47はこのように構成されることで、ウエハWの下面の左右の周縁部よりも中央よりの部位を保持する。そして、蓋体C1が開かれたキャリアC内に進入自在に構成され、キャリアCとの間でウエハWの受け渡しを行うことができる。
【0025】
基板保持部材である第2の保持アーム48は回転台46上にて、第1の保持アーム47の下方に当該第1の保持アーム47に重なるように設けられ、第1の保持アーム47と同じ方向に進退自在に構成されている。この進退動作は第1の保持アーム47とは独立して行うことができる。第2の保持アーム48は、基部48aと、基部48aから第2の保持アーム48の前進方向へ向けてウエハWの側周を囲むように2股に分かれて延び出した支持部48b、48bと、各支持部48b、48bの下方の内周縁に設けられた3つの保持爪48cとを備えている。一方の先端部48bは他方の支持部48bよりも長く、基部48a及び先端部48b、48bは平面で見て概ねC字状に構成されている。保持爪48cは間隔をおいて配置され、ウエハWの裏面周縁部を保持する。
【0026】
続いてタワー部31に設けられる基板載置部である受け渡しモジュールCPLと受け渡しモジュールSCPLとについて、図5を参照しながら説明する。受け渡しモジュールCPLは複数枚例えば4枚の互いに間隔をおいて積層された円板形状のウエハ載置部32を備えており、各々の載置部32にウエハを載置することができる。ウエハ載置部32の裏面には市水の流路が形成され、ウエハ載置部32に載置されたウエハWが前記水の温度に調整される。
【0027】
ウエハ載置部32の円周の一部は外側に引き出され、ウエハ載置部32を支持するための支持部33を構成している。また、載置部32の周囲には内側に向かう複数の切り欠き34が形成されている。各ウエハ移載ユニット41、42の第2の保持アーム48がウエハ載置部32に対して上下に移動するときに載置部32の外周を通過することができる。このときに、図6に示すように保持アーム48の保持爪48cが切り欠き34を通過する。それによって載置部32と各保持アーム48との間でウエハWの受け渡しを行うことができる。
【0028】
ここで処理ブロックA2の主ウエハ搬送機構51〜56について説明する。主ウエハ搬送機構51〜56は互いに同様に構成され、第2の保持アーム48と略同様に構成された保持アーム57を備えている。保持アーム57における保持アーム48との差異点としては2つの先端部48b、48bが同じ長さに形成されていること及び保持爪48cが4つ設けられることである。保持アーム57がウエハ載置部32の上下に移動するとき、第2の保持アーム48と同様に保持アーム57はウエハ載置部32の外周を通過することができ、このときに保持アーム57の保持爪48cは切り欠き34を通過する。それによって受け渡しモジュールCPLと保持アーム57との間でウエハWの受け渡しを行うことができる。
【0029】
図5に戻って、受け渡しモジュールSCPLについて説明する。受け渡しモジュールSCPLは、扁平な円形のウエハWの載置部35を備えている。このウエハ載置部35の内部には図示しない冷却水の流路が形成されており、ウエハ載置部35に載置されたウエハWの温度が、前記冷却水の温度に調整される。この冷却水はチラーにより温度調整された水であり、従って受け渡しモジュールSCPLは、受け渡しモジュールCPLよりも載置されたウエハWを所定の温度に精度高く調整することができる。なお、このように冷却水を供給する代わりに、ウエハ載置部35の表面の温度を制御できる例えばペルチェ素子などにより構成されるサーモユニットをウエハ載置部35に組み込んでもよい。
【0030】
ウエハ載置部35は3本の昇降部材である昇降ピン36を備えている。昇降ピン36はウエハ載置部35の表面に開口した3つの孔37を介して当該表面において突没自在に構成されている。図7に示すようにこの昇降ピン36は、ウエハ載置部35上に移動した第1の保持アーム47、第2の保持アーム48、主ウエハ搬送機構の保持アーム57の股部を通過できるように配置され、それによって、これらの保持アーム47、48、58と載置部35との間でウエハWの受け渡しを行うことができる。従って、受け渡しモジュールSCPL、CPLを介して第1のウエハ移載ユニット41と、第2のウエハ移載ユニット42と、当該受け渡しモジュールCPL、SCPLが位置する高さの単位ブロックに設けられる主搬送機構との間でウエハWの受け渡しを行うことができる。
【0031】
図3に示すようにタワー部31において、単位ブロックB1〜B4の主ウエハ搬送機構51〜54がアクセスできる各高さ位置に受け渡しモジュールCPL及びSCPLが設けられており、夫々CPL1〜CPL4及びSCPL1〜SCPL4として示している。また、単位ブロックB5及びB6の各主ウエハ搬送機構55、56がアクセスできる高さ位置に受け渡しモジュールSCPLが設けられており、各々SCPL5、SCPL6として示している。
【0032】
さらに、タワー部31において主ウエハ搬送機構55、56がアクセスできる高さ位置にはバッファモジュールBU1、BU2が設けられている。これらバッファモジュールBU1、BU2は、受け渡しモジュールCPLと略同様に構成され、複数枚のウエハWを上下に載置して滞留させることができる。キャリアCにウエハWを戻せない場合にウエハWはこれらバッファモジュールBU1、BU2に搬送される。例えばバッファモジュールBU1、BU2で、合計15枚のウエハWを滞留させることができるように構成されている。
【0033】
キャリアブロックA1の筐体11は分割されており、複数の分割部により構成されている。第1のウエハ移載ユニット41が移動する領域を構成する底面部、天井面部及びタワー部31と対向する側面部により一つの分割部が構成され、この分割部と第1のウエハ移載ユニット41をウエハ移載ユニットブロック61Aとする。また、第2のウエハ移載ユニット42が移動する領域を構成する底面部、天井面部及びタワー部31と対向する側面部により一つの分割部が構成され、この分割部と第2のウエハ移載ユニット42をウエハ移載ユニットブロック61Bとする。キャリアブロックA1を正面から見て、ウエハ移載ユニットブロック61A、61Bは、タワー部31から離れるように夫々左方向、右方向へと引き出すことができる。図8、図9はウエハ移載ユニットブロック61Aを引き出した状態を示している。
【0034】
図8中62は左右方向に向かって形成されたガイドレールである。図8中63はウエハ移載ユニットブロック61A、61Bの外側に各々設けられた接続部である。接続部63はガイドレール62に沿ってスライド自在に構成され、それによって上記のようにウエハ移載ユニットブロック61A、61Bを引き出すことができる。このような構成とすることで、ウエハ移載ユニット41、42のメンテナンスを容易に行うことができる。またウエハ移載ユニット41、42のうちいずれか一方が動作中であっても他方をメンテナンスすることができ、それによってスループットの低下を防ぐことができる。なお、図2ではガイドレール62及び接続部63の図示を省略している。
【0035】
続いて処理ブロックA2の各単位ブロックについて、図1に示す第1の単位ブロックB1を代表して説明する。処理ブロックA2を手前側から背面側へ向かって見ると、左右の中央部にはタワー部31からインターフェイスブロックA3へ向かう搬送領域R1が形成されている。この搬送領域R1は主ウエハ搬送機構51の移動路であり、主ウエハ搬送機構51はこの搬送領域R1を移動して、第1の単位ブロックB1に設けられる各モジュールと、既述のタワー部31及び後述のインターフェイスタワー部75にて第1の単位ブロックB1と同じ高さに配置されるモジュールとにアクセスすることができる。搬送領域R1の左側には棚ユニットU1〜U6が前後方向に配置され、搬送領域R1の右側には棚ユニットU1〜U6に対向して液処理ユニット71が配置されている。
【0036】
液処理ユニット71には、反射防止膜形成モジュールBCTと、レジスト膜形成モジュールCOTとが前後方向に設けられている。反射防止膜形成モジュールBCTは夫々ウエハWを処理するための2つのカップ72と、カップ72内でウエハWの裏面を支持すると共にウエハWを鉛直軸回りに回転させるスピンチャック73と、2つのカップ72で共用の薬液供給ノズル74とを備え、スピンコーティングにより反射防止膜形成用の薬液をウエハWに塗布する。レジスト膜形成モジュールCOTは、前記薬液がレジストである他は反射防止膜形成モジュールBCTと同様に構成されている。棚ユニットU1〜U5は、ウエハWの加熱処理を行う加熱モジュールが例えば2段に積層されて構成されている。棚ユニットU6は、例えば互いに積層された2基の周縁露光モジュールにより構成される。
【0037】
他の単位ブロックB2〜B6について説明する。単位ブロックB2は単位ブロックB1と同様に構成される。単位ブロックB3、B4は周縁露光モジュールの代わりに加熱モジュールが設けられることと、反射防止膜形成モジュールBCT及びレジスト膜形成モジュールCOTの代わりにこれらのモジュールとは供給する薬液が異なるモジュールTCTを備えることを除けば、単位ブロックB1、B2と同様の構成である。前記モジュールTCTがウエハWに供給する薬液は、この例ではレジスト膜の上層に反射防止膜もしくは後述のレジスト保護膜を形成するための薬液である。単位ブロックB5、B6は、液処理ユニット71のモジュールが現像液を供給する現像モジュールDEVとして構成されることを除き、単位ブロックB3、B4と同様に構成される。
【0038】
続いて、インターフェイスブロックA3について説明する。インターフェイスブロックA3の左右の中心部には上下方向に伸びるインターフェイスタワー部75が設けられている。インターフェイスタワー部75の単位ブロックB3〜B6に対応する位置には受け渡しモジュールTRSが設けられており、図3中TRS13〜TRS16として示している。各TRSと符号を付した受け渡しモジュールは、冷却水が通流されない他は上記のCPLと同様である。また、単位ブロックB5、B6に対応する位置には各々受け渡しモジュールSCPL及びバッファモジュールBUが設けられている。各受け渡しモジュールSCPLは、SCPL15、SCPL16として示しており、バッファモジュールBUは、BU11、BU12として示している。
【0039】
また、バッファモジュールBU11、BU12の下方にもバッファモジュールBU13、BU14が設けられている。このインターフェイスブロックA3の各バッファモジュールBUは、露光前、露光後にウエハWを一時的に滞留させる役割を有しており、バッファモジュールBU11、BU12は、それに加えて上記のタワー部31のバッファモジュールBU1、BU2と同様に、キャリアCにウエハWを戻せない場合にウエハWを滞留させる役割も有している。例えばバッファモジュールBU11、BU12には、夫々25枚のウエハWを滞留させることができる。その他にインターフェイスタワー部75には、その下方側に受け渡しモジュールSCPL10、TRS10が設けられている。
【0040】
また、インターフェイスブロックA3にはインターフェイスアーム76、77が、インターフェイスタワー部75を左右から挟むように設けられており、インターフェイスタワー部75の各モジュール間でウエハWを搬送する。インターフェイスアーム76の下方にはインターフェイスアーム78が設けられ、露光装置A4と受け渡しモジュールSCPL10、TRS10間でウエハWの搬送を行う。
【0041】
塗布、現像装置1には例えばコンピュータからなる制御部70が設けられている。制御部70はプログラム、メモリ、CPUからなるデータ処理部などを備えており、前記プログラムには制御部70から塗布、現像装置1の各部に制御信号を送り、後述のウエハWの搬送及び処理モジュールでの各処理工程を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれている。また、例えばメモリには処理温度、処理時間、各薬液の供給量または電力値などの処理パラメータの値が書き込まれる領域を備えており、CPUがプログラムの各命令を実行する際これらの処理パラメータが読み出され、そのパラメータ値に応じた制御信号がこの塗布、現像装置1の各部位に送られることになる。このプログラム(処理パラメータの入力操作や表示に関するプログラムも含む)は、コンピュータ記憶媒体例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)メモリーカードなどの記憶媒体に格納されて制御部70にインストールされる。
【0042】
このレジストパターン形成システムのキャリアCの受け渡し及びキャリアCから払い出されたウエハWの搬送経路について説明する。天井搬送機構21からキャリアCが、アンロード位置にあるキャリア載置部15C、15D及びキャリア仮置き部17A、17Bに順次受け渡される。キャリア仮置き部17A、17Bに搬送されたキャリアCは、キャリア移動機構26A、26Bにより夫々キャリア載置部15A、15Bに受け渡される。キャリアCが載置されたキャリア載置部15A〜15Dはロード位置へ前進し、キャリアCの前面がキャリアブロックA1の筐体11の前面に押し付けられ、開閉部13がキャリアCの蓋体C1を取り外すと共に搬送口12A〜12Dが開放される。
【0043】
図10、11はこのシステムにおいて、第1のウエハ移載ユニット41及び第2のウエハ移載ユニット42が使用可能な通常時におけるウエハWの搬送経路を概略的に示している。また、図10、図11ではこの搬送経路において、ウエハ移載ユニット41、42が使用する保持アームを示している。図10に示すように、この例ではキャリア載置部15A、15Cに載置されたキャリアCから払い出されたウエハWは、単位ブロックB1→B3→露光装置A4→単位ブロックB5を通過して処理される。そして、キャリア載置部15B、15Dに載置されたキャリアCから払い出されたウエハWは、単位ブロックB2→B4→露光装置A4→単位ブロックB6を通過して処理される。そして、図11に示すように単位ブロックB5、B6で処理された各ウエハWは、当該ウエハWが払い出されたキャリアCに戻される。これらキャリア載置部15A、15CのキャリアCから払い出されるウエハWの搬送と、キャリア載置部15B、15DのキャリアCから払い出されるウエハWの搬送とは互いに並行して独立して行われる。
【0044】
キャリアブロックA1の第1のウエハ移載ユニット41は第1の保持アーム47により、キャリア載置部15A、15CのキャリアCのうち、先に蓋体C1が開放されたキャリアCからウエハWを順次、受け渡しモジュールSCPL1へ搬送する。そして、当該キャリアCのウエハWをすべて払い出した後、後続のキャリアCのウエハWを同様に第1の保持アーム47により順次、受け渡しモジュールSCPL1に払い出す。
【0045】
受け渡しモジュールSCPL1で温度調整されたウエハWは、主ウエハ搬送機構51により第1の単位ブロックB1に取り込まれ、反射防止膜形成モジュールBCT→加熱モジュール→レジスト塗布モジュールCOT→加熱モジュール→周縁露光モジュールの順で搬送され、ウエハWの表面に反射防止膜、レジスト膜が順に形成されて積層された後、キャリアブロックA1に戻され、受け渡しモジュールCPL1に搬入される。
【0046】
第1のウエハ移載ユニット41は、受け渡しモジュールCPL1のウエハWを第2の保持アーム48により受け取り、受け渡しモジュールSCPL3に受け渡す。受け渡しモジュールSCPL3で温度調整されたウエハWは、主ウエハ搬送機構53により第3の単位ブロックB3に取り込まれ、主ウエハ搬送機構53により、上層側反射防止膜形成モジュールTCT→加熱モジュール→受け渡しモジュールTRS13の順に搬送される。これによってレジスト膜の上層に反射防止膜が形成され、ウエハWがインターフェイスブロックA3へと搬入される。
【0047】
前記ウエハWは、インターフェイスアーム76→受け渡しモジュールBU11〜BU14→インターフェイスアーム77→受け渡しモジュールSCPL10→インターフェイスアーム78→露光装置S4の順で搬送され、露光処理を受ける。露光済みのウエハWは、インターフェイスアーム78→受け渡しモジュールTRS10→インターフェイスアーム77→バッファモジュールBU11〜BU14→インターフェイスアーム76→受け渡しモジュールTRS15の順に搬送される。
【0048】
前記ウエハWは、主ウエハ搬送機構55により第5の単位ブロックB5に取り込まれ、加熱モジュール→受け渡しモジュールSCPL15→現像モジュールDEV→加熱モジュール→受け渡しモジュールSCPL5の順で搬送され、レジスト膜が現像されてキャリアブロックA1に戻される。受け渡しモジュールSCPL5のウエハWは、第1のウエハ移載ユニット41の第1の保持アーム47により当該ウエハWが格納されていたキャリアCに戻される。
【0049】
キャリア載置部15B、15DのキャリアCから払い出されるウエハWは、通過する単位ブロックが異なること、当該単位ブロックに対応する高さの受け渡しモジュールCPL、SCPLに搬送されること及び第1のウエハ移載ユニット41の代わりに第2のウエハ移載ユニット42により搬送されることを除いて、キャリア載置部15A、15CのキャリアCから払い出されるウエハWと同様に搬送されて処理される。簡単に説明すると、第2のウエハ移載ユニット42の第1の保持アーム47によりキャリア載置部15B、15DのキャリアCのウエハWは、受け渡しモジュールSCPL2に搬送された後、第2の単位ブロックB2の主ウエハ搬送機構52により反射防止膜形成モジュールBCT→加熱モジュール→レジスト塗布モジュールCOT→加熱モジュール→周縁露光モジュール→受け渡しモジュールCPL2の順で搬送される。
【0050】
然る後、第2のウエハ移載ユニット42の第2の保持アーム48により、前記ウエハWは受け渡しモジュールCPL2から受け渡しモジュールSCPL4に搬送され、第4の単位ブロックB4の主ウエハ搬送機構54により上層側反射防止膜形成モジュールTCT→加熱モジュール→受け渡しモジュールTRS14の順に搬送される。このウエハWは、インターフェイスアーム76〜78により、キャリア載置部15A、15CのキャリアCから払い出されたウエハWと同様に搬送され、露光処理後、バッファモジュールBUを介して受け渡しモジュールTRS16に搬送される。続いてウエハWは、第6の単位ブロックB6の主ウエハ搬送機構56により、加熱モジュール→受け渡しモジュールSCPL16→現像モジュールDEV→加熱モジュール→受け渡しモジュールSCPL6の順で搬送された後、第2のウエハ移載ユニット42の第1の保持アーム47により、当該ウエハWが格納されていたキャリアCに戻される。
【0051】
すべてのウエハWが戻されたキャリアCは、開閉部13によりその蓋体C1が閉じられ、当該キャリアCが面する搬送口12が閉じられる。当該キャリアCが載置されるキャリア載置部15はアンロード位置へ後退する。キャリア載置部15C,15Dに載置されたキャリアCは直接、天井搬送機構21に受け渡され、キャリア載置部15A、15Bに載置されたキャリアCは、キャリア移動機構26A、26Bにより一旦仮置き部17A、17Bに移載された後、天井搬送機構21に受け渡される。そのようにキャリアCを天井搬送機構21に受け渡したキャリア載置部15には、天井搬送機構21から後続のキャリアCが受け渡される。このようにして、レジストパターン形成システムにて、連続してウエハWの処理が行われる。
【0052】
続いて、ウエハWの搬送中に第1のウエハ移載ユニット41が使用不可になった場合のウエハWの搬送経路について説明する。図12、図13はこのときのウエハWの搬送経路を示す概略図である。キャリア載置部15B、15Dに載置されたキャリアCのウエハWの搬送は通常時と同様に行われる。図12に示すようにキャリア載置部15A及び15CのキャリアCからのウエハWの搬出及び前記キャリアCへのウエハWの搬入は停止する。
【0053】
単位ブロックB1、B3、B5では既に各々の単位ブロックに搬入されているウエハWについては単位ブロックB5の各処理モジュールでの処理を終えるまで通常時とほぼ同様に搬送される。通常時の搬送との差異点としては、第1の単位ブロックB1で処理されて、受け渡しモジュールCPL1に払い出されたウエハWが、図12に示すように第2のウエハ移載ユニット42の第2の保持アーム48により受け渡しモジュールSCPL3に搬送され、第3の単位ブロックB3に取り込まれることが挙げられる。そして、単位ブロックB5での各処理が行われたウエハWは、主ウエハ搬送機構55によって、図13に示すようにキャリアブロックA1のバッファモジュールBU1、BU2またはインターフェイスブロックA3のバッファモジュールBU11、BU12に搬送されて、滞留される。
【0054】
第2のウエハ移載ユニット42が使用不可になった場合においては、第1のウエハ移載ユニット41が使用不可になった場合と同様に、単位ブロックB6で処理を終えたウエハWについては、バッファモジュールBUに滞留される。そして、第2の単位ブロックB2で処理されて、受け渡しモジュールCPL2に払い出されたウエハWの受け渡しモジュールSCPL4への搬送は、第1のウエハ移載ユニット41の第2の保持アーム48により行われて、当該ウエハWが第4の単位ブロックB4へ搬入される。そして、このウエハWに通常時と同様の処理が行われる。バッファモジュールBU11、12のウエハWについては、装置の稼働を停止させた後でユーザが回収してもよいし、使用不可のウエハ移載ユニット41、42が使用可能になった後に、当該ウエハ移載ユニット41、42によりキャリアCに戻してもよい。
【0055】
また、この塗布、現像装置1ではウエハ移載ユニット41、42が使用可能な通常時において、キャリア載置部15A〜15Dのうちいずれかのキャリア載置部15のキャリアCから払い出された処理前のウエハWを、処理後に他のキャリア載置部15に置かれたキャリアCに搬送するように搬送モードを切り替えることができる。以降、このようにウエハWを搬送する場合、処理前のウエハWを格納するキャリアCをセンダーキャリアSC、処理後のウエハWを格納するキャリアCをレシーバキャリアRCと記載する。
【0056】
図14、図15を用いて、このセンダーキャリアSC及びレシーバキャリアRC間の搬送を説明する。ここでは塗布、現像装置1内のウエハWがすべて払い出された状態で、キャリア載置部15A、15CにセンダーキャリアSCが載置され、キャリア載置部15B、15DにレシーバキャリアRCが載置されるものとする。
【0057】
キャリア載置部15AのセンダーキャリアSC、キャリア載置部15CのセンダーキャリアSCの各ウエハWは、第1のウエハ移載ユニット41により、受け渡しモジュールSCPL1、SCPL2へ夫々搬入され、図14に示すように第1の単位ブロックB1、第2の単位ブロックB2に取り込まれる。このように単位ブロックB1、B2に夫々搬送されたウエハWは、図15に示すように既述の通常時の搬送と同様に搬送され、単位ブロックB5、B6で処理されて受け渡しモジュールSCPL5、SCPL6に搬送される。
【0058】
受け渡しモジュールSCPL5、SCPL6に搬送されたウエハWは、第2のウエハ移載ユニット42の第1の保持アーム47によりキャリア載置部15B、15DのレシーバキャリアRCに戻される。つまり、キャリア載置部15AのセンダーキャリアSCから払い出されたウエハWは単位ブロックB1、B3、B5で処理されてキャリア載置部15BのレシーバキャリアRCに搬送され、キャリア載置部15CのセンダーキャリアSCから払い出されたウエハWは単位ブロックB2、B4、B6で処理されてキャリア載置部15DのレシーバキャリアRCに搬送される。
【0059】
このような搬送が行われるときのウエハ移載ユニット41、42の動作を図16、図17を用いて詳しく説明する。図16は、上記の搬送においてセンダーキャリアSCから払い出された先頭のウエハWが受け渡しモジュールSCPL5またはSCPL6に搬送されるまでのウエハWの搬送経路と、経路中で使用されるウエハ移載ユニット41、42とを概略的に示している。第1のウエハ移載ユニット41が第1の保持アーム47によりセンダーキャリアSCからのウエハWの払い出しを行う一方で、受け渡しモジュールCPL1,CPL2から受け渡しモジュールSCPL3、SCPL4へのウエハWの搬送は、第2のウエハ移載ユニット42が単独で行う。
【0060】
前記先頭のウエハWが受け渡しモジュールSCPL5、SCPL6に搬送されると、第2のウエハ移載ユニット42の保持アーム47により、これらSCPL5及びSCPL6からレシーバキャリアRCへの搬送が開始される。そして、図17に示すように例えば受け渡しモジュールCPL1からSCPL3への搬送は第1のウエハ移載ユニット41の保持アーム48により行われるようになる。つまり、第1のウエハ移載ユニット41は、センダーキャリアSCから受け渡しモジュールSCPL1、SCPL2への搬送を引き続き担当し、それに加えて受け渡しモジュールCPL1からSCPL3への搬送を担当するようになる。第2のウエハ移載ユニット42は、受け渡しモジュールCPL2から受け渡しモジュールSCPL4への搬送を引き続き担当し、それに加えて受け渡しモジュールSCPL5、SCPL6からレシーバキャリアRCへの搬送を担当するようになる。
【0061】
この塗布、現像装置1によれば、キャリア載置部15A及び15Cに載置されたキャリアCにウエハWを受け渡し可能な第1のウエハ移載ユニット41と、キャリア載置部15B及び15Dに載置されたキャリアCにウエハWを受け渡し可能な第2のウエハ移載ユニット42と、が各単位ブロックに対応する高さに設けられた受け渡しモジュールを多数備えるタワー部を左右に挟んで設けられている。従って塗布、現像装置1の占有床面積を抑えることができると共に、各ウエハ移載ユニット41、42により複数のキャリアCに対して並行してウエハWを受け渡すことができるため、スループットを高くすることができる。
【0062】
そして、ウエハ移載ユニット41、42は、各々キャリアCと受け渡しモジュールとの間でウエハWを移載するときに専用に用いられる第1の保持アーム47と、異なる高さの受け渡しモジュール間でウエハWを受け渡すために専用に用いられる第2の保持アーム48とを備えているので、これら保持アームのうちの一つを備えた搬送機構を複数設ける場合に比べて塗布、現像装置1の規模を抑えることができる。また、後に他の実施形態として示すように、ウエハ移載ユニット41、42の構成、配置のレイアウトの自由度を高くすることができる。また、タワー部31の受け渡しモジュールについても、例えばすべての受け渡しモジュールに昇降ピンを備えるように構成するような必要が無く、即ち受け渡しモジュールの構成の自由度を高くすることができるので、例えば横に受け渡しモジュールを並べて配置する必要もないため、従って、前記占有床面積を抑え、装置の大型化を抑えることができる。
【0063】
また、上記のように第1のウエハ移載ユニット41及び第2のウエハ移載ユニット42のうちの一方のウエハ移載ユニットが使用不可になった場合に、他方のウエハ移載ユニットが、通常時に一方のウエハ移載ユニットが行う受け渡しモジュールCPL1、CPL2から受け渡しモジュールSCPL3、SCPL4への搬送を代行する。従って、スループットの低下をより確実に抑えることができる。
【0064】
また、上記したようにセンダーキャリアSCとレシーバキャリアRCとの間でウエハWを搬送する場合、受け渡しモジュールSCPL5、SCPL6からレシーバキャリアRCへのウエハWの搬送を行う必要が無く、第2のウエハ移載ユニット42の負荷が少ない間、第1のウエハ移載ユニット41をセンダーキャリアSCからのウエハWの払い出し専用とし、第2のウエハ移載ユニット42を受け渡しモジュール間の受け渡し専用とすることで、前記払い出しと受け渡しモジュール間の搬送を速やかに行うことができる。そして、受け渡しモジュールSCPL5、SCPL6にウエハWが搬入された後は、第1のウエハ移載ユニット41が第2のウエハ移載ユニット42により行われていた受け渡しモジュール間の搬送の一部を行うことにより、ウエハ移載ユニット41、42の負荷の偏りを抑えることができる。従って、スループットの向上を図ることができる。
【0065】
上記の同一に構成した単位ブロックにおいて、互いに異なる処理条件でウエハWに処理を行うように設定してもよい。つまり、キャリア載置部15A、15Cに載置されたキャリアCのウエハWと、キャリア載置部15B、15Dに載置されたキャリアCのウエハWとについて夫々各モジュールでの薬液の供給量や加熱温度などの設定を変えて処理を行い、各膜の膜厚が互いに異なるように処理を行うことができる。また、例えば同一に構成した単位ブロックBを互いに同じ処理条件でウエハWに処理を行うように設定し、同じキャリアCのウエハWを交互に単位ブロックB1、B3、B5を通過する経路と、単位ブロックB2、B4、B6を通過する経路とに振り分けて搬送することもできる。
【0066】
また、上記の搬送で単位ブロックB1、B2へウエハWを搬入するための受け渡しモジュールと、単位ブロックB1、B2から搬出されたウエハWを受け渡す受け渡しモジュールとは同一であってもよい。具体的には、例えば受け渡しモジュールSCPL1によりウエハWを単位ブロックB1に搬入して、単位ブロックB1からウエハWを搬出するときには、前記受け渡しモジュールSCPL1にウエハWを搬送し、以降ウエハ移載ユニット41の第1の保持アーム47または第2の保持アーム48により受け渡しモジュールSCPL3へウエハWを搬送してもよい。
【0067】
上記の搬送でセンダーキャリアSC及びレシーバキャリアRCの配置は上記の例に限られず、例えば上側のキャリア載置部15C及び15D、下側のキャリア載置部15A及び15Bの一方側にセンダーキャリアSCを配置し、他方側にレシーバキャリアRCを配置してもよい。
【0068】
上記の露光装置A4が、露光レンズとウエハWとの間を液相にして露光を行う液浸露光を行う場合にも上記の塗布、現像装置1を適用することができる。その場合、例えば単位ブロックB1、B2の各棚ユニットU1に設けられる2基の加熱モジュールを2基の疎水化処理モジュールとして構成し、ウエハWに疎水化処理用のガスを供給して疎水化処理を行うことが有効である。その場合、例えばタワー部31に、この疎水化処理後にウエハWを温調するための受け渡しモジュールSCPLを追加して配置し、受け渡しモジュールSCPL1、2→疎水化処理モジュール→受け渡しモジュールSCPL→反射防止膜形成モジュールBCTに搬送して処理を行う。
【0069】
また、例えば液処理モジュールTCTを撥水性の保護膜形成用の薬液を塗布するモジュールとして構成し、レジスト膜の上層に反射防止膜を形成する代わりに前記保護膜を形成して液浸露光時に使用する液がレジスト膜へ浸透することを防いでも良い。また、インターフェイスアーム76、77がアクセスできる範囲に露光前に単位ブロックB3、B4で処理後のウエハWの裏面をブラシにより洗浄する裏面洗浄モジュール、露光後単位ブロックB5、B6への搬入前にウエハWの表面を洗浄する露光後洗浄モジュールを設けてもよい。
【0070】
(第2の実施形態)
これ以降、第1の実施形態との差異点を中心に他の実施形態について説明する。図18は、第2の実施形態のキャリアブロックA5の正面図である。このキャリアブロックA5は、キャリア移動機構26A、26Bの代わりにキャリア移動機構81A、81Bを備えている。支持台14には、上記の仮置き部17A、17Bに相当する箇所から夫々キャリア載置部15A、15Bに向かう溝部82、82が形成されており、この溝部82、82に各々キャリア移動機構81A、81Bを構成するキャリア底面支持部83が設けられている。
【0071】
キャリア移動機構81A、81Bは互いに同様に構成されているので、ここでは代表してキャリア移動機構81Aについて、その平面を示した図19も参照しながら説明する。キャリア底面支持部83は溝部82に沿って左右方向に移動自在に構成されると共に溝部82内と溝部82の上方とを昇降自在に構成されている。図中84は駆動機構であり、そのようにキャリア底面支持部83を昇降させると共に左右方向に移動させる。図中85は駆動機構84を左右方向にガイドするためのガイドレールである。図中84aは、駆動機構84とキャリア底面支持部83とを接続する接続部85が通過するためのスリットである。キャリア底面支持部83には上方へ向かうピン83aが設けられている。図19に示すように、各ピン83aはキャリアCの底面に設けられた3つの溝C3に嵌合し、その位置を規制する。
【0072】
この例ではキャリア載置部15A、15Bは、平面視コ字型に形成されており、図20に示すようにキャリア底面支持部83はこのコ字型に囲まれる領域内に進入することで、搬送口12Aの手前に位置することができる。図18中86は、キャリア載置部15Aを前後方向に移動させる駆動機構であり、図19中86aはスリットであり、駆動機構88とキャリア載置部15Aとを接続する接続部87が通過する。
【0073】
キャリア移動機構81AによるキャリアCの受け渡しについて説明する。図18及び図19に示すように上方支持台31Cに重ならない待機位置に移動したキャリア底面支持部83に天井搬送機構21からキャリアCが受け渡され、キャリアCの溝C3にピン83aが嵌合する。このときキャリアCの底面の位置が、キャリア載置部15Aのピン16よりも高くなるように溝部82の上方でキャリア底面支持部83はキャリアCを受け取る。そして、キャリア底面支持部83は搬送口12Aの手前に移動した後、下降し、溝C3にキャリア載置部15Aのピン16が進入して嵌合し、キャリアCがキャリア載置部15Aに載置されると共にその位置が固定される。キャリア底面支持部83は更に溝部82内を下降してピン83aが溝C3から出され、キャリア底面支持部83と溝部82との嵌合が解除される。そして、キャリア底面支持部83は水平に移動した後に上昇して前記待機位置に戻る。
【0074】
そして、図21に示すようにキャリアCを受け取ったキャリア載置部15Aは前進した後、既述のようにウエハWが払い出される。天井搬送機構21にキャリアCを受け渡すときにはキャリア載置部15A及びキャリア底面支持部83は逆の動作を行い、キャリア底面支持部83にキャリアCが受け渡され、キャリア底面支持部83から天井搬送機構21が当該キャリアCを受け取る。
【0075】
(第3の実施形態)
図22、図23は、第3の実施形態であるキャリアブロックA6の正面図、縦断平面図である。キャリアブロックA1との差異点を説明すると、このキャリアブロックA6には、上方支持台31C、31Dが設けられておらず、支持台14はキャリアブロックA6の前面側から側面側に跨って形成されている。このキャリアブロックA6の両側面にウエハWの搬送口12C、12Dが形成されており、搬送口12A〜12Dは例えば同じ高さに設けられている。搬送口12C、12Dに対応してキャリア載置部15C、15Dが設けられており、キャリアブロックA6を正面から見て、アンロード位置とロード位置との間で左右に移動できるように構成されている。そして、この例では支持台14の各角部が仮置き部17A、17Bとして構成されている。
【0076】
天井搬送機構21から仮置き部17A、17B、キャリア載置部15A、15Bに対して蓋体C1が装置の背面側(後方側)を向くようにキャリアCが受け渡される。仮置き部17A、17Bに載置されたキャリアCは、キャリア移動機構91A、91Bにより蓋体C1が搬送口12C、12Dを向くように向きを変えられて、キャリア載置部15C、15Dに載置される。キャリア移動機構91A、91Bは第1の実施形態のキャリア移動機構26A、26Bと略同様に構成されており、差異点としてはロッド28の先端側には回動部93を介して把持部27が設けられていること、ロッド28の基端側が前後移動機構94を介して昇降機構に接続されていることが挙げられる。回動部93により把持部27がキャリアCの被把持部C2を把持した状態で鉛直軸回りに回動自在に構成され、前後移動機構94により把持部27を前後方向に移動させることができる。
【0077】
また、このキャリアブロックA6では、ガイドレール43が設けられず、第1のウエハ移載ユニット41及び第2のウエハ移載ユニット42の支持枠44が左右方向に移動しない。第1のウエハ移載ユニット41の移載部本体40は、昇降、回転及び第1の保持アーム47の進退動作によってキャリア載置部15A及び15Cの各キャリアCとタワー部31との間でウエハWを受け渡し、同様に第2のウエハ移載ユニット42の移載部本体40は、昇降、回転及び第1の保持アーム47の進退動作によってキャリア載置部15B及び15Dの各キャリアCとタワー部31との間でウエハWを受け渡す。このようなキャリアブロックA6を用いて装置を構成しても第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、このキャリアブロックA6のレイアウトではウエハ移載ユニット41、42が左右方向に移動する必要が無いので、キャリアCとタワー部31との間でより速やかにウエハWを搬送することができる。従って、より確実にスループットの向上を図ることができる。また、ウエハ移載ユニット41、42が左右方向に移動しないため、装置の占有床面積のより一層の縮小化を図ることができる。
【0078】
ところで、第1のウエハ移載ユニット41及び第2のウエハ移載ユニット42が各々キャリアCにアクセスすることができれば、各キャリア載置部15は既述したレイアウトに限られることはなく、例えば横方向に一列に配置してもよいし、すべて異なる高さには位置してもよい。また、配置数も4つに限られず例えば2つだけ配置してもよいし、上下2段に配置することにも限られず、3段以上の段数に構成してもよい。
【0079】
(第4の実施形態)
図24、図25は、第4の実施形態であるキャリアブロックA7の正面図、縦断平面図である。このキャリアブロックA7ではキャリアブロックA6同様にガイドレール43が設けられず、ウエハ移載ユニット41、42の支持枠44が左右方向に移動しない。このキャリアブロックA7の筐体11の前面側において、第1のウエハ移載ユニット41、第2のウエハ移載ユニット42に向かい合う部分が前方側へ突き出ており、この筐体11の前面側は図25に示すように平面で見て2つの山が並んだ形状となっている。そして、そのように平面視山型に形成された筐体11の前記山の各斜面に各々搬送口12A〜12Dが形成されており、図24に示すように、1つの山の各傾斜面に形成された搬送口12の各高さ位置は互いに異なっている。
【0080】
キャリアブロックA1と同様に搬送口12A、15Bは下方側に、搬送口12C、15Dは上方側に形成されている。各キャリア載置部15A〜15Dは各搬送口12の開口方向に進退し、各キャリア載置部15へのキャリアCの受け渡し及びキャリアCからウエハWの払い出しが行えるように構成されている。第1の実施形態同様に第1のウエハ移載ユニット41は搬送口12A、12Cを介してウエハWを搬送し、第2のウエハ移載ユニット42は搬送口12B、12Dを介してウエハWを搬送する。
【0081】
このキャリアブロックA7にはキャリア交換機構101が設けられている。このキャリア交換機構101は、昇降軸102と昇降軸102に沿って昇降自在に構成されると共に左右方向に伸びる水平軸103と、その基端側が水平軸103に沿って水平移動自在な多間接アーム104とを備えている。多間接アーム104の先端側には把持部105が設けられ、キャリアCの被把持部C2を把持することができる。このように構成されることで、キャリア交換機構101は、キャリア載置部15A〜15D間でキャリアCの移載を自在に行うことができる。
【0082】
天井搬送機構21とキャリア載置部15A、15B、15Dとの間では直接キャリアCが受け渡される。キャリア載置部15Cの上方にキャリア載置部15Bが位置しているため、キャリア載置部15BにキャリアCを受け渡す場合には、天井搬送機構21はキャリア載置部15A、15B、15Dのうちいずれかに一旦キャリアCを載置し、キャリア交換機構101が当該キャリアCをキャリア載置部15Bへ搬送する。キャリア載置部15Bから天井搬送機構21にキャリアCを受け渡す場合にはこれと逆の動作が行われる。このようにキャリアブロックを構成しても第3の実施形態と同様の効果が得られる。
【0083】
ところで、このキャリア交換機構101は他の各実施形態に設けてもよい。例えばキャリアブロックA1にキャリア交換機構101を設けることができる。このように構成されたキャリアブロックA1において、上記の15A〜15Dの他にキャリアの載置部を複数設けておき、上記のように第1のウエハ移載ユニット41を使用しない場合に、キャリア交換機構101の把持部105により、この載置部とキャリア載置部15A〜15Dとの間でキャリアCを入れ替えてもよい。前記15A〜15D以外にキャリアブロックに設けられるキャリアの載置部は、キャリア交換機構101がアクセスできる範囲に設けられ、例えば複数段の棚状に構成されている。即ち、棚の各段にキャリアCを載置することができる。
【0084】
この場合のキャリアブロックA1のキャリアCの搬送について一例を具体的に説明すると、キャリア載置部15B、15Dが空くまで、前記キャリア載置部15A、15CでウエハWを払い出したキャリアCをキャリア交換機構101により前記棚に移して待機させ、キャリア載置部15B、15Dが空くと、棚のキャリアCをキャリア載置部15B、15Dに移載する。そして、第2のウエハ移載ユニット42により、バッファモジュールBUに溜められたウエハWを前記キャリアCに受け渡して回収する。つまり、ウエハWは当該ウエハWを払い出さしたキャリアCに戻される。載置されていたキャリアCが棚に移された後のキャリア載置部15A、15Cには後続のキャリアCを移載し、ウエハWを払い出す。同様に第2のウエハ移載ユニット42を使用しない場合、キャリア載置部15B、15DでウエハWを払い出したキャリアCをキャリア交換機構101により、前記棚に移して待機させた後に、キャリア載置部15A、15Cに移載する。そして、第1のウエハ移載ユニット41により、ウエハWをキャリア載置部15A、15Cに移載した前記キャリアCに回収する。これによって、バッファモジュールBUからユーザがウエハWを回収する手間を省くことができる。
【0085】
キャリア交換機構101を使ってこのように左右のキャリア載置部15の間でキャリアCを搬送する他に、上下のキャリア載置部15間でキャリアCを受け渡してもよい。例えば第1の実施形態にキャリア交換機構101及び前記棚を設けた装置において、下段側のキャリア載置部15A、15Bに載置されたキャリアCからウエハWを払い出す。前記各キャリアCはキャリア交換機構101により、前記棚を介してキャリア載置部15C、15Dに移載される。そして、ウエハ移載ユニット41、42により処理済みの前記ウエハWは例えば当該ウエハWを払い出したキャリアCに戻される。キャリアCが棚に移された後のキャリア載置部15A、15Bには後続のキャリアCが搬送され、ウエハWの装置内への搬入が続けられる。これとは逆に、キャリア載置部15C、15DのキャリアCからウエハWを払い出し、払い出したキャリアCをキャリア載置部15A、15Bに夫々移載して、ウエハWを払い出したキャリアCに処理済みのウエハWを戻してもよい。
【0086】
キャリアブロックA1、A5、A7のようにキャリア載置部15が上下方向に配置されている場合、図26に示すように一つの支持枠44に移載部本体40を上下に配置してもよい。上側の移載部本体は上側のキャリア載置部15に載置されたキャリアCにアクセスし、下側の移載部本体は下側のキャリア載置部15に載置されたキャリアCにアクセスする。つまり、機能的に見て、基板移載機構であるウエハ移載ユニット41、42を夫々上下に分割した構成とする。第1のウエハ移載ユニット41において、上側の移載部本体を40C、下側の移載部本体を40Aとする。第2のウエハ移載ユニット42において、上側の移載部本体を40D、下側の移載部本体を40Bとする。
【0087】
このように移載部本体40A、40Cを備えた第1のウエハ移載ユニット41の構成について簡単に説明する。図26中、111、111はガイドレールであり、支持枠44の上下に伸びる二本の柱部分に夫々設けられ、移載部本体40A、40Cを夫々上下にガイドする。図中112、112はプーリである。図中113、113はベルトであり、移載部本体40A、40Cの各昇降基台45が夫々係止されている。図中114、114はモータであり、プーリ112、112に対応して夫々設けられている。モータ114、114によりベルト113、113が各々独立して駆動され、各昇降基台45がガイドレール111、111に沿って互いに独立して昇降する。第2のウエハ移載ユニット42については第1のウエハ移載ユニット41と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0088】
(第5の実施形態)
移載部本体40A〜40Dを備えるように構成したキャリアブロックS7が適用される装置の構成例と前記装置におけるウエハWの搬送例とについて説明する。図27はこのキャリアブロックA8と処理ブロックA9とを接続した塗布装置121を示している。キャリアブロックA8は、そのように移載部本体40A〜40Dが設けられること、タワー部31の受け渡しモジュールが処理ブロック9に対応した配置になっていることを除いてキャリアブロックA7と同様に構成される。なお、図27では便宜上タワー部31とウエハ移載ユニット41、42を前後にずらして示している。
【0089】
処理ブロックA9は上記の単位ブロックB1〜B6により構成されるが、液処理ユニット71に設けられる液処理モジュールは第1の実施形態と異なっており、単位ブロックB1、B4には反射防止膜形成モジュールBCTが搭載され、単位ブロックB2、B5にはレジスト塗布モジュールCOTが搭載され、単位ブロックB3、B6には上層側反射防止膜形成モジュールTCTが搭載されている。キャリアブロックのタワー部31には各単位ブロックB1〜B6への搬入用の受け渡しモジュールとしてSCPL21〜26が夫々設けられている。また、単位ブロックB1、B2、B4、B5からの搬出用受け渡しモジュールとしてCPL21、CPL22、CPL24、CPL25が夫々設けられ、単位ブロックB3、B6からの搬出用受け渡しモジュールとしてSCPL27、SCPL28が設けられている。
【0090】
図28、29は塗布装置121におけるウエハWの搬送経路を示しており、この例ではウエハWを搬出したキャリアCに当該ウエハWを戻す。キャリア載置部15A、15Bに載置されたキャリアCと単位ブロックB1〜B3との間でウエハWが搬送され、キャリア載置部15C、15Dに載置されたキャリアCと単位ブロックB4〜B6との間でウエハWが搬送される。第1の実施形態と同様に、これらの2つの経路の搬送は互いに並行して行われる。
【0091】
キャリアブロックA8の各移載部本体40A、40Bは第1の保持アーム47によりキャリア載置部15A、15Bの各キャリアCから夫々ウエハWを受け渡しモジュールSCPL21に受け渡す。また、移載部本体40A、40Bは第2の保持アーム48により、単位ブロックB1で反射防止膜が形成され、受け渡しモジュールCPL21に搬送されたウエハWを受け渡しモジュールSCPL22に搬送し、さらに単位ブロックB2でレジスト膜が形成され、受け渡しモジュールCPL22に搬送されたウエハWを受け渡しモジュールSCPL23に搬送する(図28)。そして、移載部本体40A、40Bは、第1の保持アーム47により単位ブロックB3で上層側反射防止膜が形成されたウエハWを、キャリア載置部15A、15Bに載置されたキャリアCに戻す(図29)。
【0092】
キャリアブロックA8の上側の移載部本体40C、40Dは、アクセスするキャリアCが夫々キャリア載置部15C、15DのキャリアCであること、単位ブロックB4〜B6に対応する高さの受け渡しモジュールCPL、SCPLにアクセスすることを除いて移載部本体40A、40Bと同様に動作し、前記キャリアCから払い出されたウエハWは、図28に示すように単位ブロックB4、B5、B6を順番に搬送されて各膜が形成された後、図29に示すように前記キャリアCに戻される。
【0093】
塗布装置121の他の搬送例について図30を用いて説明する。この例ではキャリア載置部15A、15Cに上記のセンダーキャリアSCを載置し、キャリア載置部15B、15DにレシーバキャリアRCを載置して搬送を行う。キャリア載置部15AのセンダーキャリアSCから払い出されたウエハWは、上記のように単位ブロックB1〜B3を搬送され、各膜が形成された後にキャリア載置部15BのレシーバキャリアRCに搬入される。また、キャリア載置部15CのセンダーキャリアSCから払い出されたウエハWは、上記のように単位ブロックB4〜B6を搬送され、各膜が形成された後にキャリア載置部15DのレシーバキャリアRCに搬入される。なお、キャリア載置部15A、15CにレシーバキャリアRCを、キャリア載置部15B、15DにセンダーキャリアSCを夫々載置して搬送を行ってもよい。このようにキャリアブロック及び処理ブロックを塗布装置として構成した場合も、塗布、現像装置として構成した場合と同様にスループットの向上及び占有床面積の低減化の効果が得られる。
【0094】
(第6の実施形態)
単位ブロックB1〜B3間、単位ブロックB4〜B6間で夫々並行してウエハWを搬送して塗布、現像処理が行えるように装置を構成してもよい。図31は、そのように構成された塗布、現像装置131を示している。塗布装置121との差異点として、処理ブロックA10を構成する単位ブロックB2、B4は、レジスト塗布モジュールCOT及び上層側反射防止膜形成モジュールTCTを備えており、単位ブロックB3、B6は現像モジュールDEVを備えていることが挙げられる。この実施形態のキャリアブロックA8は、タワー部31の受け渡しモジュールが処理ブロックに対応した配置になっていることを除いて第5の実施形態と同様である。インターフェイスタワー部75には単位ブロックB2、B4で処理済みのウエハWを露光装置に搬送し、露光済みのウエハWを単位ブロックB3、B6に搬送できるように受け渡しモジュールTRSが配置されている。
【0095】
この塗布、現像装置131においては、塗布装置121と略同様にウエハWの搬送が行われる。図32、33を参照しながら差異点を中心に説明すると、キャリアブロックA8の移載部本体40A、40Bは、第1の保持アーム47によりキャリア載置部15A、15Bの各キャリアCからウエハWを、受け渡しモジュールSCPLを介して単位ブロックB1へ払い出し、その後、移載部本体40A、40Bの第2の保持アーム48を介して単位ブロックB2へ搬送されたウエハWはレジスト膜形成後に上層側反射防止膜が形成される。然る後、前記ウエハWはインターフェイスブロックA3を介して露光装置A4に搬入された後、単位ブロックB3へ搬入されて現像処理を受ける(図32)。そして、移載部本体40A、40Bの第1の保持アーム47により前記キャリアCに戻される(図33)。
【0096】
キャリア載置部15C、15Dの各キャリアCのウエハWは、移載部本体40A、40Bの代わりに移載部本体40C、40Dが搬送に用いられること、単位ブロックB4〜B6で処理を受けること、これら単位ブロックB4〜B6に対応する高さの受け渡しモジュールに搬送されることを除いてキャリア載置部15A、15Bの各キャリアCから払い出されたウエハWと同様に搬送される。
また、塗布装置121と同様に塗布、現像装置131においても、キャリア載置部15A、15Bのいずれか一方にセンダーキャリアSC、他方にレシーバキャリアRCを載置してウエハWの搬送を行ってもよいし、キャリア載置部15C、15Dのいずれか一方にセンダーキャリアSC、他方にレシーバキャリアRCを載置してウエハWの搬送を行ってもよい。このような塗布、現像装置131も塗布、現像装置1と同様の効果を奏する。
【0097】
(第7の実施形態)
図34に塗布、現像装置141を示している。塗布、現像装置131との差異点として、処理ブロックA11を構成する単位ブロックB1、B2が、反射防止膜形成モジュールBCTを備え、単位ブロックB3、B4は、レジスト塗布モジュールCOT及び上層側反射防止膜形成モジュールTCTを備え、単位ブロックB5、B6が現像モジュールDEVを備えていることが挙げられる。
【0098】
図35は、塗布、現像装置141におけるウエハWの搬送経路を示している。この例では、キャリア載置部15A、15BにセンダーキャリアSCを載置し、キャリア載置部15C、15DにレシーバキャリアRCを載置する。そして、キャリア載置部15AのセンダーキャリアSCのウエハWを単位ブロックB1、B3、B5で順次処理してキャリア載置部15CのレシーバキャリアRCに受け渡し、キャリア載置部15BのセンダーキャリアSCのウエハWを単位ブロックB2、B4、B6で順次処理してキャリア載置部15DのレシーバキャリアRCに受け渡す。
【0099】
前記キャリア載置部15AのセンダーキャリアSCから搬送されるウエハWの経路について、さらに説明する。当該ウエハWは、移載部本体40Aの第1の保持アーム47により、タワー部31の受け渡しモジュールSCPLに搬送されて単位ブロックB1で処理された後、移載部本体40Aまたは40Bの第2の保持アーム48により受け渡しモジュールSCPLに搬送されて、単位ブロックB3に搬送される。それによって、表面に各種の膜が形成された後、ウエハWは塗布、現像装置131と同様に露光装置A4に搬送されて露光され、然る後、単位ブロックB5に搬送されて現像処理された後、受け渡しモジュールSCPLに搬送され、移載部本体40Cの第1の保持アーム47によりキャリア載置部15CのレシーバキャリアRCに受け渡される。
【0100】
キャリア載置部15BのセンダーキャリアSCから払い出されるウエハWは、当該キャリアSCから払い出されるときに移載部本体40Aの代わりに移載部本体40Bが用いられること、単位ブロックB2、B4、B6で処理を受けること、これら単位ブロックB2、B4、B6に対応する高さの受け渡しモジュールに搬送されること、レシーバキャリアRCに搬送されるときに移載部本体40Cの代わりに移載部本体40Dが用いられることを除いて、キャリア載置部15AのセンダーキャリアSCのウエハWと同様に搬送される。なお、この例では移載部本体40C、40Dの第2の保持アーム48は使用されずに搬送が行われる。
【0101】
ところで、既述した各実施形態においても第1の実施形態と同様に、同じキャリアCから払い出したウエハWを異なる単位ブロックに振り分けて搬送してもよいし、同一に構成された単位ブロックで異なる処理条件でウエハWを処理してもよい。また、センダーキャリアSCとレシーバキャリアRCとの間で搬送を行う場合は、ウエハWがタワー部31のレシーバキャリアRCへの搬入を行うための受け渡しモジュールに搬入されるまで、各移載本体部をウエハWの払い出し用、ウエハWの昇降搬送用とに役割を分けて使用してもよい。
【0102】
(第8の実施形態)
処理ブロックの構成としては、同一に構成した単位ブロックを2つずつ設けることに限られない。例えば図36の塗布、現像装置151の処理ブロックA12では、単位ブロックB1、B2、B3が反射防止膜形成モジュールBCT、レジスト膜形成モジュールCOT、上層側反射防止膜形成モジュールTCTを夫々備え、単位ブロックB4〜B6が現像モジュールDEVを備えている。キャリア載置部15A、15BのセンダーキャリアSCから払い出されたウエハWは、移載部本体40A、40Bの第1の保持アーム47→受け渡しモジュールSCPL→単位ブロックB1→受け渡しモジュールCPL→移載部本体40A、40Bの第2の保持アーム48→受け渡しモジュールSCPL→単位ブロックB2→受け渡しモジュールCPL→移載部本体40A、40Bの第2の保持アーム48→単位ブロックB3→露光装置S4の順に搬送される。その後、単位ブロックB4〜B6のいずれかに搬送されたのち移載部本体40C、40Dの第1の保持アーム47によりキャリア載置部15C、15DのレシーバキャリアRCに受け渡される。
【0103】
この塗布、現像装置151についても同じキャリアCから払い出したウエハWを単位ブロックB4〜B6のうち同一の単位ブロックに受け渡してもよく、例えば同じキャリアCから払い出した順に単位ブロックB4〜B6に振り分けて搬送してもよい。また、塗布、現像装置141、151において、キャリア載置部15A、15BにおいてウエハWがすべて払い出されたキャリアCを、キャリア交換機構101によりキャリア載置部15C、15Dに移動させ、この移動したキャリアCに処理済みのウエハWを格納してもよい。また、単位ブロックの積層数としては複数であればよく6つに限られない。また、処理ブロックA2は、現像用の単位ブロックだけを積層して構成してもよい。また、第5〜第8の実施形態ではキャリアブロックA8を用いることに限られず、キャリアブロックA1など既述の他の構成のキャリアブロックに上下の移載本体部を適用した構成のキャリアブロックを用いて装置を構成してもよい。
【符号の説明】
【0104】
C キャリア
W ウエハ
CPL、SCPL 受け渡しモジュール
BU バッファモジュール
A1 キャリアブロック
A2 処理ブロック
A3 インターフェイスブロック
A4 露光装置
40 移載部本体
41 第1のウエハ移載ユニット
42 第2のウエハ移載ユニット
47 第1の保持アーム
48 第2の保持アーム
51〜56 主ウエハ搬送機構
70 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を収納する搬送容器であるキャリアが載置されるキャリア載置部を上下方向に複数備えたキャリアブロックと、
基板を処理するために前記キャリアブロックの背面側に設けられ、基板の処理の順番が前後する複数の階層部分を積層した構造を備えると共に各階層ごとに基板搬送機構及び基板を処理する処理モジュールが設けられた処理ブロックと、
各々対応する階層の前記基板搬送機構により基板の受け渡しが行われる高さ位置に配置された複数の基板載置部を積層したタワー部と、
前記各キャリア載置部上のキャリアと前記タワー部の基板載置部との間、及び前記タワー部の基板載置部の間で基板の移載を行う進退、昇降自在な基板移載機構と、を備え、
前記基板移載機構は、キャリアと基板載置部との間で基板の移載を行うときに専用に用いられる第1の基板保持部材と、タワー部の基板載置部の間で基板の移載を行うときに専用に用いられる第2の基板保持部材と、を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記第1の基板保持部材は、基板の下面の周縁部よりも中央寄りの部位を保持するように構成され、
前記第2の基板保持部材は、基板の周囲を囲むように設けられた支持部と、この支持部の内周縁に設けられ、基板の下面の周縁部を保持する保持爪と、を備え、
前記第2の基板保持部材により基板の受け渡しが行われる基板載置部は、基板を載置するための載置プレートと、この載置プレートの外周に形成され、前記保持爪が通過できる切り欠き部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1の基板保持部材により基板の受け渡しが行われる基板載置部は、当該基板保持部材と平面的に干渉しない位置にて、基板載置部と基板保持部材との間で基板の移し替えができるように、基板を昇降させるための昇降部材が設けられていることを特徴とする請求項2記載の基板処理装置。
【請求項4】
複数の基板を収納する搬送容器であるキャリアが載置されるキャリア載置部を上下方向に複数備えたキャリアブロックと、
基板を処理するために前記キャリアブロックの背面側に設けられ、基板の処理の順番が前後する複数の階層部分を積層した構造を備えると共に各階層ごとに基板搬送機構及び基板を処理する処理モジュールが設けられた処理ブロックと、
各々対応する階層の前記基板搬送機構により基板の受け渡しが行われる高さ位置に配置された複数の基板載置部を積層したタワー部と、を用い、
前記各キャリア載置部上のキャリアから、基板移載機構の第1の保持部材により基板を取り出して前記タワー部の基板載置部に移載する工程と、
次いで前記処理ブロックにおける対応する基板搬送機構が前記基板載置部上の基板を受け取って処理モジュールに搬送する工程と、
前記処理モジュールにて処理された基板を前記基板搬送機構により前記タワー部の基板載置部に搬送する工程と、
この工程で基板載置部に載置された基板を、前記基板移載機構における第1の保持部材とは異なる第2の保持部材により受け取って、次の処理が行われる階層に対応する前記タワー部の他の基板載置部に移載する工程と、
前記次の処理が行われる階層の基板搬送機構により、前記他の基板載置部上の基板を受け取って処理モジュールに搬送し、当該処理モジュールにて基板を処理する工程と、を含むことを特徴とする基板処理方法。
【請求項5】
前記第1の基板保持部材は、基板の下面の周縁部よりも中央寄りの部位を保持するように構成され、
前記第2の基板保持部材は、基板の周囲を囲むように設けられた支持部と、この支持部の内周縁に設けられ、基板の下面の周縁部を保持する保持爪と、を備え、
前記第2の基板保持部材により基板の受け渡しが行われる基板載置部は、基板を載置するための載置プレートと、この載置プレートの外周に形成され、前記保持爪が通過できる切り欠き部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記第1の基板保持部材により基板の受け渡しが行われる基板載置部は、当該基板保持部材と平面的に干渉しない位置にて、基板載置部と基板保持部材との間で基板の移し替えができるように、基板を昇降させるための昇降部材が設けられていることを特徴とする請求項5記載の基板処理方法。
【請求項7】
複数の基板を収納する搬送容器であるキャリアが配置されるキャリアブロックと、基板の処理の順番が前後する複数の階層部分を積層した構造を備えると共に各階層ごとに基板搬送機構及び基板を処理する処理モジュールが設けられた処理ブロックと、各々対応する階層の前記基板搬送機構により基板の受け渡しが行われる高さ位置に配置された複数の基板載置部を積層したタワー部と、を備えた基板処理装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項4ないし6のいずれか一項に記載された基板処理方法を実行するように構成されたステップ群を備えていることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2013−69917(P2013−69917A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208100(P2011−208100)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】