説明

基板処理装置及び半導体装置の製造方法

【課題】圧力差によって基板保持具を支持する支持部が傾斜するのを抑制することができる基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、ロードロック室と、ロードロック室内の雰囲気を制御するガス供給部及びガス排気部と、ロードロック室内でウエハを保持するボートと、ボートを支持するシャフト及び固定台56と、これらシャフト及び固定台56を昇降する昇降装置と、固定台56に固定され昇降装置と面で接続する接続部材60と、を有し、ロードロック室は、大気圧雰囲気下でウエハを搬送するEFEM、及びウエハを処理する処理室に隣接し大気圧より圧力の低い真空雰囲気下でウエハを搬送する搬送室これらに隣接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置には、ロードロック室を有するものがあり、このロードロック室は、室内の雰囲気を大気状態と真空状態とに入れ替える機能を有している。このため、一般的にロードロック室は、真空状態に対応可能な構造となっている。
ロードロック室においては、室内の雰囲気を迅速に大気圧化あるいは真空化することで、スループットの向上を図っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ロードロック室の室内を迅速に真空化する場合、以下のような問題が挙げられる。ロードロック室の筺体自体は急激な圧力変動に対応し得るものの、周囲に付随して設けられた装置(例えば、基板保持部材の移動機構等)は、真空化に伴う圧力差によりその装置を構成する部品が変形したり、移動したりする場合がある。さらには、部品の変形等により、破損が発生したり異物が生じたりする。
【0004】
本発明の目的は、ロードロック室内において圧力差によって基板保持具を支持する支持部が傾斜するのを抑制することができる基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の特徴とするところは、ロードロック室と、前記ロードロック室内の雰囲気を制御する雰囲気制御手段と、前記ロードロック室内で基板を保持する基板保持具と、前記基板保持具を支持する支持部と、前記支持部を昇降する昇降装置と、前記支持部に固定され、前記昇降装置と面で接続する接続部と、を有し、前記ロードロック室は、大気圧雰囲気下で基板を搬送する大気搬送室、及び基板を処理する処理室に隣接し大気圧より圧力の低い真空雰囲気下で基板を搬送する真空搬送室これらに隣接する基板処理装置にある。
【0006】
本発明の第2の特徴とするところは、ロードロック室と、前記ロードロック室内の雰囲気を制御する雰囲気制御手段と、前記ロードロック室内で基板を保持する基板保持具と、前記基板保持具を支持する支持部と、前記支持部を昇降する昇降装置と、前記支持部に固定され、前記昇降装置と面で接続する接続部と、を有し、前記ロードロック室は、大気圧雰囲気下で基板を搬送する大気搬送室、及び基板を処理する処理室に隣接し大気圧より圧力の低い真空雰囲気下で基板を搬送する真空搬送室これらに隣接する基板処理装置を用いた半導体装置の製造方法であって、前記雰囲気制御手段により前記ロードロック室を真空雰囲気にする工程と、前記ロードロック室から前記真空搬送室を経由して前記処理室に基板を搬送する工程と、前記処理室で基板を処理する工程と、前記処理室から前記真空搬送室を経由して前記ロードロック室に基板を搬送する工程と、前記雰囲気制御手段により前記ロードロック室を大気圧雰囲気にする工程と、前記ロードロック室から前記大気搬送室に基板を搬送する工程と、を有する半導体装置の製造方法にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ロードロック室内において圧力差によって基板保持具を支持する支持部が傾斜するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態で用いられる基板処理装置の概略横断図である。
【図2】本発明の第一の実施形態で用いられる基板処理装置の概略縦断図である。
【図3】本発明の実施形態で用いられる昇降装置の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態で用いられる接続部材と昇降部材との接続部分を説明する説明図である。
【図5】本発明の実施形態で用いられる接続部材及びその周辺構造の概略図である。
【図6】本発明の実施形態で用いられる基板処理装置の搬送動作のフローである。
【図7】第2実施形態で用いられる接続部材と昇降部材との接続部分を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、基板処理装置10の概略横断図を示し、図2は、基板処理装置10の概略縦断図を示す。
基板処理装置10は、フロントモジュールとしてのEFEM(Equipment Front End Module)12と、圧力制御される予備室としてのロードロック室14a、14bと、搬送室16と、例えばウエハ2等の基板にアッシング処理をする処理室18a、18bとを備えている。処理室18aと処理室18bとの間は、境界壁20によって遮られている。
【0011】
ロードロック室14a、14bはそれぞれ同様の構成となっているため、「ロードロック室14」と総称する場合がある。処理室18a、18b及びこれらに付随する構成についても、同様とする。
ロードロック室14、搬送室16、及び処理室18を、例えばアルミニウム等により一つの部材として形成するようにしてもよい。これにより、本構成を有さない場合と比較して、省スペース化、低コスト化される。
【0012】
ロードロック室14、搬送室16、及び処理室18それぞれの間には、隣り合う室を連通する第1の連通部22、第2の連通部24が形成されている。第1の連通部22は、第1のゲートバルブ26によって開閉され、第2の連通部24は、第2のゲートバルブ28によって開閉される。
【0013】
EFEM12は、ウエハ2を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)を複数台(例えば3台)載置できるように構成されている。
EFEM12には、大気中にて同時に複数枚(例えば5枚)のウエハ2を搬送する大気搬送装置(非図示)が設けられている。ウエハ2は、大気搬送装置によってFOUPとロードロック室14との間を搬送される。
【0014】
ロードロック室14には、基板保持具としてのボート32が設けられている。
ボート32は、複数枚(例えば25枚)のウエハ2を縦方向に一定間隔を隔てて水平に収容する。ボート32は、例えば炭化珪素やアルミニウムで構成され、上部板34と下部板36とが複数(例えば3つ)の支柱38によって接続された構造となっている。支柱38の長手方向内側には、ウエハ2を保持する複数(例えば25個)の保持溝40がそれぞれ平行に形成されている。
【0015】
ロードロック室14には、このロードロック室14内に例えば窒素(N2)等の不活性ガスを供給するガス供給部42、及びロードロック室14内を排気するガス排気部44が設けられている。
【0016】
ガス供給部42は、バルブ42a及びMFC(マスフローコントローラ)42bを有し、これらバルブ42a及びMFC42bによってロードロック室14へ供給する不活性ガスの供給量を調節する。
ガス排気部44は、バルブ44a及び排気ポンプ44bを有し、これらバルブ44a及び排気ポンプ44bによってロードロック室14から排気するガスの排気量を調節する。
このように、ガス供給部42及びガス排気部44によって、ロードロック室14内の圧力等の雰囲気が調整される構成となっている。
【0017】
ロードロック室14の下面46には、このロードロック室14の内外を連通する開口部48が形成されている。ロードロック室14の下方には、開口部48を介してボート32を昇降及び回転させる駆動機構50が設けられている。
【0018】
駆動機構50は、ボート32を支持する支持軸としてのシャフト52と、このシャフト52を囲うように設けられた伸縮自在なベローズ54と、これらシャフト52及びベローズ54の下端が固定される固定台56と、シャフト52を介してボート32を昇降させる昇降装置58と、この昇降装置58と固定台56とを接続する接続部材60と、ボート32を回転させる回転装置(非図示)と、により構成される。
シャフト52及び固定台56によって、ボート32を支持する支持部が構成される。
【0019】
シャフト52は、その内部に例えば冷却液巡回炉等の冷却機構(非図示)を備える。冷却機構によって、ボート32に保持されたウエハ2(特に処理後、熱をもったウエハ2)が冷却されるようになっている。
【0020】
ベローズ54の上端は、ロードロック室14の下面46に形成された開口部48の周囲に固定されている。このため、シャフト52の昇降動作に関わらず、このシャフト52が存在する空間を含めて、ロードロック室14は密閉された状態が維持される。
【0021】
固定台56は、シャフト52の直径(太さ)よりも大きい面でシャフト52を下方から支持するようにして設けられている。なお、固定台56は、シャフト52と一体に形成されるようにしてもよい。すなわち、例えば、シャフト52の下端をフランジ状に形成するようにしてもよい。
【0022】
搬送室16には、ロードロック室14と処理室18との間でウエハ2を搬送する搬送装置70が設けられている。搬送装置70は、ウエハ2を支持して搬送する基板搬送部72と、この基板搬送部72を昇降及び回転させる搬送駆動部74とにより構成される。
【0023】
基板搬送部72には、2つのアーム部76が積層するようにして設けられている。アーム部76はそれぞれ、上側フィンガ78a及び下側フィンガ78bを備える。上側フィンガ78a及び下側フィンガ78bは、上下方向に所定の距離を隔てて配置され、略水平方向に伸縮自在に構成されている。
アーム部76はそれぞれ、独立して動作可能に構成されている。ウエハ2を搬送する際は、いずれか一方のアーム部76によってウエハ2を支持し、2枚ずつ搬送する。
【0024】
ロードロック室14から処理室18へのウエハ2の移動は、搬送装置70によって、ボート32に保持されたウエハ2を第1の連通部22を介して搬送室16内に移動させ、続いて、第2の連通部24を介して処理室18内へ移動させることにより行われる。
また、処理室18からロードロック室14へのウエハ2の移動は、搬送装置70によって、処理室18内のウエハ2を第2の連通部24を介して搬送室16内に移動させ、続いて、第1の連通部22を介してボート32に保持させることにより行われる。
【0025】
処理室18には、第1の処理部80と、この第1の処理部80よりも搬送室16から遠い位置に配置された第2の処理部82と、この第2の処理部82と搬送装置70との間でウエハ2を搬送する基板移動部84と、が設けられている。
【0026】
第1の処理部80は、ウエハ2を載置する第1の載置台92と、この第1の載置台92を加熱する第1のヒータ94とを備える。
第2の処理部82は、ウエハ2を載置する第2の載置台96と、この第2の載置台96を加熱する第2のヒータ98とを備える。
第1の載置台92及び第2の載置台96は、例えばアルミニウムによって形成される。第1の処理部80及び第2の処理部82は、ウエハ2を同様に処理できるように構成されている。
【0027】
基板移動部84は、ウエハ2を支持する移動部材86と、境界壁20近傍に設けられた移動軸88とにより構成される。移動部材86は、移動軸88を軸として回転及び昇降自在に設けられている。
基板移動部84は、移動部材86を第1の処理部80側へ回転させることで、この第1の処理部80側において搬送装置70との間でウエハ2を授受する。
このようにして、基板移動部84は、搬送装置70によって搬送された2枚のウエハ2のうち1枚を第2の処理部82の第2の載置台96に移動させ、また、第2の載置台96に載置されたウエハ2を搬送装置70へ移動させる。
【0028】
移動軸88を境界壁20側に配置することで、処理室18の外側を円形状に形成することが可能となる。これにより、基板処理装置10の外郭10aを斜め形状とすることが可能となり、この外郭10aを斜め形状としない場合と比較して、外部のスペース(例えば、保守者が立ち入るメンテナンススペース等)が大きく確保される。
仮に、移動軸88を境界壁20側と反対側である処理室18外壁側に配置した場合、外郭10aを斜め形状とすることができず、外部のスペースを大きく確保することが困難となる。
【0029】
処理室18aと処理室18bとは、境界壁20に対して対照に構成されている。すなわち、処理室18それぞれの基板移動部84は互いに、境界壁20を挟んで近づくように配置されている。
このため、処理室18それぞれの基板移動部84を制御する配線を、処理室18の下部であって水平方向に対して略中央、すなわち境界壁20近傍に、集中して配設することが可能となる。これにより、本構成を有さない場合と比較して、基板移動部84を制御する配線が効率的に配設される。
【0030】
制御部としてのコントローラ100は、第1のゲートバルブ26や、第2のゲートバルブ28、ガス供給部42におけるバルブ42a、MFC42b、ガス排気部44におけるバルブ44a、排気ポンプ44b、昇降装置58、搬送装置70、基板移動部84、第1のヒータ94、第2のヒータ98等に接続されている。
【0031】
コントローラ100は、第1のゲートバルブ26及び第2のゲートバルブ28の開閉動作、バルブ42a、MFC42b、バルブ44a、及び排気ポンプ44bの流量・圧力調節動作、昇降装置58の昇降動作、搬送装置70及び基板移動部84の搬送動作、第1のヒータ94、第2のヒータ9898の温度調整動作等を制御する。
【0032】
次に、駆動機構50の詳細について説明する。
【0033】
図3は、駆動機構50の昇降装置58の斜視図を示す。
駆動機構50の昇降装置58は、枠体110を有する。枠体110は、天板部112と、底板部114と、これら天板部112及び底板部114に固定されシャフト52に対向する面が開口している側板部116とにより構成される。側板部116は、「コ」の字状に形成されている。
【0034】
枠体110の内部には、昇降軸118と、この昇降軸118が上下方向で貫通するように取り付けられた昇降部材120とが設けられている。昇降部材120は、対向面120aで接続部材60と対向するようになっている。
枠体110の下方には、昇降軸118を回転させる回転駆動部122が設けられている。
【0035】
このため、昇降装置58は、回転駆動部122が昇降軸118を回転させることで、昇降部材120が側板部116に沿って昇降する構成となっている。具体的には、例えば、昇降軸118が正回転した場合に、昇降部材120が上昇し、昇降軸118が逆回転した場合に、昇降部材120が下降する。
【0036】
図4は、接続部材60と昇降部材120との接続部分を説明する説明図を示す。図5は、接続部材60及びその周辺構造の概略図を示す。なお、図5においては、簡略化のためベローズ54の図示を省略する。
【0037】
接続部材60は、昇降装置58に対向する対向壁132と横方向に対して両側に設けられた台形状の側壁134とが一体に形成されるようにして構成されている。ここで横方向とは、ロードロック室14、搬送室16、処理室18が並ぶ方向(以下、「搬送方向」と称する場合がある)と、鉛直方向と、に垂直な方向(図1における上下方向)を示す。
対向壁132及び側壁134で三方向を囲まれた位置に、シャフト52が配置される。
【0038】
対向壁132は、昇降装置58の昇降部材120と面同士で接続している。すなわち、昇降部材120は、対向面120a全体で対向壁132と接続するように構成されている。
【0039】
対向壁132は、この対向壁132の底面132aが固定台56に固定されている。
側壁134は横方向に所定の厚さを有し、この側壁134の底面134aが固定台56に固定されている。
すなわち、接続部材60は底面全体が固定台56に固定された構成となっている。
【0040】
接続部材60には、昇降装置58の側板部116を横方向に対して外側から挟むようにして配置された規制部140が設けられている。接続部材60は、規制部140によって側板部116に沿うように案内されて昇降する構成となっている。このため、接続部材60は、規制部140によって横方向へのずれが規制される。
【0041】
このように、駆動機構50は、本構成を有さない場合と比較して、接続部材60によって昇降部材120と固定台56が強固に接続された構成となっている。すなわち、昇降装置58及びシャフト52は、接続部材60によって強固に接続されている。
このため、シャフト52及びボート32が搬送方向に対して傾斜することが抑制される。
【0042】
次に、基板処理装置10におけるウエハ2の搬送動作(S10)について説明する。
図6は、搬送動作(S10)のフローを示す。なお、搬送動作(S10)において、基板処理装置10の各構成部はコントローラ100によって制御される。
【0043】
ステップ102(S102)において、基板処理装置10外の搬送装置(非図示)によって、EFEM12にFOUPが搬送される。
【0044】
ステップ104(S104)において、ロードロック室14内を大気圧化する。
具体的には、ガス供給部42のバルブ42aを開きMFC42bで流量を調節しながら、不活性ガスとしてN2をロードロック室14内へ供給する。このようにして、ロードロック室14内を大気雰囲気(例えば1.0×105 Pa)とする。
【0045】
ステップ106(S106)において、ロードロック室14内にウエハ2を搬入する。
具体的には、大気搬送装置によって、EFEM12に載置されたFOUPからウエハ2をロードロック室14内のボート32に搬送する。ボート32は、保持溝40にウエハ2を載置することで、このウエハ2を保持する。
【0046】
ステップ108(S108)において、ロードロック室14内を真空化する。
具体的には、ボート32が所定枚数のウエハ2を保持した後、ガス排気部44のバルブ44aを開き排気ポンプ44bによって、ロードロック室14内を排気する。このようにして、ロードロック室14内を真空雰囲気(例えば、1.0×102 Pa以下)とする。
なお、この際、搬送室16、処理室18は真空雰囲気となっている。
【0047】
ステップ110(S110)において、ウエハ2をロードロック室14から処理室18へ搬送する。
具体的には、まず、第1のゲートバルブ26を開く。この際、昇降装置58は、ボート32の最下層にあるウエハ2が搬送装置70の高さに合うようにこのボート32を昇降させる。回転装置は、ボート32のウエハ取り出し口が搬送室16側を向くように、このボート32を回転させる。
【0048】
搬送装置70は、アーム部76の上側フィンガ78a及び下側フィンガ78b(以下、これらを「フィンガ78」と総称する場合がある)をボート32方向へ延伸し、これらフィンガ78にウエハ2を載置する。フィンガ78を収縮した後、アーム部76を処理室18側に向くよう回転させる。次いで、フィンガ78を延伸し、第2のゲートバルブ28が開かれた第2の連通部24を介して、ウエハ2を処理室18内へ搬入する。
【0049】
処理室18において、下側フィンガ78bに載置されたウエハ2は、第1の処理部80の第1の載置台92に載置される。
上側フィンガ78aに載置されたウエハ2は、第1の処理部80側で待機する移動部材86に受け渡される。移動部材86は、ウエハ2を受け取った後、第2の処理部82側へ回転して第2の載置台96にこのウエハ2を載置する。
【0050】
ステップ112(S112)において、ウエハ2に例えばアッシング処理等の所定の処理を行う。
【0051】
ステップ114(S114)において、処理後のウエハ2を処理室18からロードロック室14へ搬送する。処理室18からロードロック室14へのウエハ2の搬送は、処理室18に搬入させた動作とは逆の手順で行われる。
この際、ロードロック室14内は、ステップ108(S108)の状態を維持したまま真空雰囲気となっている。
【0052】
ステップ116(S116)において、ロードロック室14内を大気圧化する。
具体的には、ステップ104(S104)と同様に、ガス供給部42のバルブ42aを開きMFC42bで流量を調節しながら、不活性ガスとしてN2をロードロック室14内へ供給する。このようにして、ロードロック室14内を大気雰囲気とする。
【0053】
ステップ118(S118)において、ロードロック室14からEFEM12にウエア2を搬出する。
具体的には、大気搬送装置によって、ボート32に保持されたウエハ2をEFEM12に載置されたFOUPに搬送する。
このようにして、ウエハ2の搬送動作を完了する。
【0054】
なお、上記実施形態においては、ステップ104(S104)において、ロードロック室14内を大気雰囲気とする工程を行う動作について説明したが、このロードロック室14内が既に大気雰囲気にある場合は、このステップ104(S104)を省略するようにしてもよい。
例えば、搬送動作(S10)が繰り返し行われる場合、前回の搬送動作(S10)におけるステップ116(S116)を経ることで、ロードロック室14内が既に大気雰囲気となっている状況がある。
【0055】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
図7は、接続部材60と昇降部材120との接続部分を説明する説明図を示す。
第2実施形態において、昇降装置58には、第1の昇降部材150及び第2の昇降部材152が設けられている。この点で、第2実施形態は、第1実施形態の構成と異なる。
【0056】
本実施形態において、昇降装置58の枠体110の内部には、昇降軸118と、この昇降軸118が上下方向で貫通するように取り付けられた第1の昇降部材150と、この第1の昇降部材150の下方で昇降軸118が上下方向で貫通するように取り付けられた第2の昇降部材152と、が設けられている。
第1の昇降部材150は、対向面150aで接続部材60と対向し、第2の昇降部材152は、対向面152aで接続部材60と対向するようになっている。
【0057】
接続部材60の対向壁132は、第1の昇降部材150及び第2の昇降部材152と面同士で接続している。すなわち、第1の昇降部材150は、対向面150a全体で対向壁132と接続し、第2の昇降部材152は、対向面152a全体で対向壁132と接続するように構成されている。
第1の昇降部材150は、対向壁132の上端部を支持するようにこの対向壁132と接続している。
【0058】
このように、本実施形態においては、接続部材60が上下2か所で昇降装置58と接続した構成となっている。このため、本構成を有さない場合と比較して、接続部材60がより安定した状態で昇降装置58に接続される。すなわち、シャフト52が昇降装置58により安定した状態で接続される。
【符号の説明】
【0059】
2 ウエハ
10 基板処理装置
14 ロードロック室
16 搬送室
18 処理室
32 ボート
42 ガス供給部
44 ガス排気部
50 駆動機構
52 シャフト
54 ベローズ
56 固定台
58 昇降装置
60 接続部材
70 搬送装置
72 基板搬送部
80 第1の処理部
82 第2の処理部
84 基板移動部
100 コントローラ
110 枠体
118 昇降軸
120 昇降部材
122 回転駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードロック室と、
前記ロードロック室内の雰囲気を制御する雰囲気制御手段と、
前記ロードロック室内で基板を保持する基板保持具と、
前記基板保持具を支持する支持部と、
前記支持部を昇降する昇降装置と、
前記支持部に固定され、前記昇降装置と面で接続する接続部と、
を有し、
前記ロードロック室は、大気圧雰囲気下で基板を搬送する大気搬送室、及び基板を処理する処理室に隣接し大気圧より圧力の低い真空雰囲気下で基板を搬送する真空搬送室これらに隣接する基板処理装置。
【請求項2】
ロードロック室と、
前記ロードロック室内の雰囲気を制御する雰囲気制御手段と、
前記ロードロック室内で基板を保持する基板保持具と、
前記基板保持具を支持する支持部と、
前記支持部を昇降する昇降装置と、
前記支持部に固定され、前記昇降装置と面で接続する接続部と、
を有し、
前記ロードロック室は、大気圧雰囲気下で基板を搬送する大気搬送室、及び基板を処理する処理室に隣接し大気圧より圧力の低い真空雰囲気下で基板を搬送する真空搬送室これらに隣接する基板処理装置を用いた半導体装置の製造方法であって、
前記雰囲気制御手段により前記ロードロック室を真空雰囲気にする工程と、
前記ロードロック室から前記真空搬送室を経由して前記処理室に基板を搬送する工程と、
前記処理室で基板を処理する工程と、
前記処理室から前記真空搬送室を経由して前記ロードロック室に基板を搬送する工程と、
前記雰囲気制御手段により前記ロードロック室を大気圧雰囲気にする工程と、
前記ロードロック室から前記大気搬送室に基板を搬送する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−99711(P2012−99711A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247333(P2010−247333)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】