基板処理装置
【課題】 基板の搬送処理を良好に実行できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】 制御部25、45は、それぞれ基板搬送ユニット20、40により実行される搬送処理を制御する。制御部30、50は、それぞれ処理ユニットC00〜C08、および処理ユニットC09〜C15で実行される基板処理を制御する。制御部25、45は、基板の受け渡しと略同期して受け渡された基板情報データ60の処理フローデータに基づいて、次に搬送すべき処理ユニットC00〜C15を決定する。
【解決手段】 制御部25、45は、それぞれ基板搬送ユニット20、40により実行される搬送処理を制御する。制御部30、50は、それぞれ処理ユニットC00〜C08、および処理ユニットC09〜C15で実行される基板処理を制御する。制御部25、45は、基板の受け渡しと略同期して受け渡された基板情報データ60の処理フローデータに基づいて、次に搬送すべき処理ユニットC00〜C15を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)に処理を施す基板処理装置に関するもので、特に、基板の搬送処理の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板搬送手順に関する情報を、(1)基本的なフロー情報と、(2)不使用予定の処理ユニットを示すオプション情報と、を組み合わせたデータ構造により表現するとともに、この基板搬送手順に関する情報に基づいて特定の処理ユニットを使用するか否かを決定する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、搬送順序を決定する情報に処理スキップ設定用の情報(フラグ)を付随させ、このフラグの値にしたがって対応する処理をスキップするか否かを判断する技術についても、従来より知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−312323号公報
【特許文献2】特開2005−123249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1および2の基板処理装置において、各処理ユニットによる基板の処理手順、および基板搬送ユニットによる基板の搬送手順は、レシピデータ(基板の処理手順および処理条件に関する情報)に基づいて決定される。以下では、洗浄処理に続いて加熱処理を実行する旨が規定されているレシピデータを例に説明する。
【0006】
このレシピデータに基づいて、既に洗浄ユニットにて洗浄処理が開始されている場合、制御部は、この洗浄処理が完了したか否かの確認処理を実行する。この確認処理は、例えば、洗浄ユニットからの洗浄完了制御信号の有無を調べることにより実行される。
【0007】
次に、洗浄処理が完了したことが確認されると、制御部は、基板搬送ユニットに対して、洗浄ユニットから基板を搬出させる。続いて、制御部は、基板搬送ユニットに対して、受け取った基板を加熱ユニットに搬入させる。そして、制御部は、加熱ユニットに対して、基板を加熱する処理を実行させる。
【0008】
このように、同一の制御部により基板処理および搬送処理が実行される場合、制御部は、レシピデータに格納されている各基板の処理手順を確認することによって、基板の搬送手順を決定することができる。
【0009】
しかしながら、同一の制御部により管理される処理ユニットの台数が増加すると、場合によっては、その台数が制御部の処理能力を超え、単一の制御部により基板処理および搬送処理を制御することが困難になるという問題が生ずる。特に、基板搬送ユニットの周囲に処理ユニットを積層配置する場合、この問題が顕著となる。
【0010】
そこで、本発明では、基板の搬送処理を良好に実行できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、基板処理装置であって、各々が、基板に対して処理を施す複数の処理ユニットと、前記複数の処理ユニットのそれぞれとの間で、基板の受け渡しを行う基板搬送ユニットと、前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つの処理ユニットで実行される基板処理を制御する第1制御部と、前記基板搬送ユニットにより実行される搬送処理を制御する第2制御部とを備え、前記複数の処理ユニットのうち、前記第1制御部により基板処理が制御される第1処理ユニットと、前記基板搬送ユニットと、の間で基板が受け渡される場合において、前記第1および第2制御部のうち受け渡し側のユニットに対応する制御部は、受け取り側のユニットに対応する制御部に、受け渡される基板に関する基板情報データを受け渡し、前記基板情報データは、各基板処理の条件に関するレシピ関連データと、各基板の処理手順を特定するための処理フローデータとを有しており、前記処理フローデータは、各々が、前記複数の処理ユニットと一対一に対応しており、対応する処理ユニットで実行される基板処理の順序を示す複数の順序データと、各々が、前記複数の処理ユニットと一対一に対応しており、対応する処理ユニットにおける基板の処理状況を示す複数の処理状況データとを有しており、前記第2制御部は、前記処理フローデータに含まれる前記複数の順序データおよび前記複数の処理状況データに基づいて、基板の搬送先となる処理ユニットを決定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記第2制御部は、各順序データの大小関係に基づいて、各処理ユニットに基板が搬送される順序を決定するとともに、着目する順序データが非処理定数と同一値となる場合、該順序データに対応する処理ユニットを基板の搬送先から除外し、着目する2以上の順序データのそれぞれが非処理定数以外の値となり、かつ、該2以上の順序データが互いに同一となる場合、該2以上の順序データに対応する処理ユニットのうちのいずれか1つに、基板を搬送させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記第2制御部は、予め定められた処理ユニットの処理順序と、各順序データの値と、に基づいて、各処理ユニットに基板が搬送される順序を決定するとともに、着目する順序データが非処理定数と同一値となる場合、該順序データに対応する処理ユニットを搬送先から除外し、着目する順序データが単独処理定数と同一値となる場合、該順序データに対応する処理ユニットに基板を搬送し、着目する2以上の順序データのそれぞれが非処理定数および前記単独処理定数以外の値となり、かつ、該2以上の順序データが互いに同一となる場合、該2以上の順序データに対応する処理ユニットのうちのいずれか1つに、基板を搬送させることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、前記処理フローデータは、前記複数の処理状況データを、前記複数の処理ユニットに基づいた順番に連続して配置する第1データ列と、前記複数の順序データを、前記複数の処理ユニットに基づいた順番に連続して配置する第2データ列とを有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、前記処理フローデータは、対応する処理状況データおよび順序データを単位データとする場合、各単位データを、前記複数の処理ユニットに基づいた順番に連続して配置したものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1ないし請求項5に記載の発明によれば、第2制御部は、基板とともに受け渡される基板情報データの処理フローデータを参照することによって、各処理ユニットで実行される基板処理の順序、および、各処理ユニットにおける基板の処理状況、を把握することができる。
【0017】
これにより、第2制御部は、複数の処理ユニットで実行される各基板処理の履歴を管理することなく、各処理ユニットに基板を搬送する順序(基板搬送手順)を決定することができる。そのため、基板搬送手順を決定するための演算を簡略化することができ、演算コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1ないし第3の実施の形態における基板処理装置の構成の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1ないし第3の実施の形態における基板情報データのデータ構造の一例を示す図である。
【図3】レシピテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態における処理フローデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図5】図4における各処理状況データおよび順序データの値を示す図である。
【図6】第1の実施の形態における処理フローデータのデータ構造の他の一例を示す図である。
【図7】図6における各処理状況データおよび順序データの値を示す図である。
【図8】第1の実施の形態における処理フローデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図9】図8における各処理状況データおよび順序データの値を示す図である。
【図10】第2の実施の形態における処理フローデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図11】図10における各処理状況データおよび順序データの値を示す図である。
【図12】第3の実施の形態における処理フローデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図13】図12における各処理状況データおよび順序データの値を示す図である。
【図14】第3の実施の形態における処理フローデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図15】図14における各処理状況データおよび順序データの値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
<1.第1の実施の形態>
<1.1.基板処理装置のハードウェア構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態における基板処理装置1のハードウェア構成の一例を示す斜視図である。基板処理装置1は、レジスト塗布処理、熱処理(加熱または冷却処理)、および現像処理等の基板処理を実行する装置である。図1に示すように、基板処理装置1は、主として、ローダ10と、基板搬送ユニット20、40と、複数の制御部25、30、45、50と、アンローダ90と、複数の処理ユニットC00〜C15と、を備えている。
【0021】
ここで、本実施の形態において基板処理部5とは、図1中の一点鎖線で示すように、複数の処理ユニットC00〜C15と、基板搬送ユニット20、40と、から構成される処理ユニット群を指すものとする。
【0022】
ローダ10は、図1に示すように、基板処理部5(より具体的には、処理ユニットC00)と並設されている。ローダ10は、カセット(不図示)から取り出された未処理の基板を1枚ずつ取り出すとともに、取り出された未処理基板を基板処理部5の処理ユニットC00に受け渡す。なお、未処理基板が収納されたカセットは、基板処理装置1外の搬送機構(例えば、AGV(Automatic Guided Vehicle):図示省略)によって、ローダ10に搬入されてもよい。
【0023】
基板搬送ユニット20は、いわゆる搬送ロボットであり、不図示の搬送アームを、(1)上下方向(略Z軸方向)に延びる旋回軸周りに回動させ、(2)上下方向に昇降させ、(3)水平面内(XY平面と略平行な面内)で伸縮させることができる。これにより、基板搬送ユニット20は、搬送アームに保持された基板を、各処理ユニットC00〜C08に受け渡し、各処理ユニットC00〜C08から受け取ることができる。
【0024】
処理ユニットC00〜C08は、露光前処理として種々の基板処理を実行する。図1に示すように、各処理ユニットC00〜C08は、基板搬送ユニット20の周囲(より具体的には、ローダ10からアンローダ90に向かって(以下、単に、「基板搬送の下流側に向かって」とも称する)、基板搬送ユニット20の前後(略Y軸方向)および左右(略X軸方向))に配置されている。
【0025】
処理ユニットC00は、いわゆる洗浄ユニットであり、基板処理部5に投入された基板を薬液およびリンス液(純水)により洗浄する。図1に示すように、処理ユニットC00は、基板搬送の下流側に向かって、基板搬送ユニット20の後方に配置されている。処理ユニットC00としては、受け渡された基板を1枚ずつ洗浄する洗浄ユニットが採用されてもよいし、受け渡された複数の基板をコンベア搬送しつつ同時に洗浄する洗浄ユニットが採用されてもよい。
【0026】
処理ユニットC01、C02のそれぞれは、基板を加熱する加熱ユニットであり、互いに同様なハードウェア構成を有している。処理ユニットC00で洗浄された基板が、処理ユニットC01、C02のいずれかに搬入され、かつ、加熱されると、基板に付着するリンス液は蒸発し、基板は加熱乾燥される。処理ユニットC03は、基板を冷却する冷却ユニットである。例えば、処理ユニットC03は、処理ユニットC01、C02で昇温された基板を冷却する。図1に示すように、処理ユニットC01〜C03は、基板搬送の下流側に向かって基板搬送ユニット20の左側に配置され、かつ、上からこの順番に積層されている。
【0027】
処理ユニットC04は、基板にレジストを供給することによって、基板上にレジスト膜を形成する塗布ユニットである。また、処理ユニットC05は、いわゆる減圧乾燥ユニットであり、処理ユニットC04で基板表面に形成されたレジスト膜を予備乾燥する。図1に示すように、処理ユニットC04、C05は、基板搬送の下流側に向かって基板搬送ユニット20の右側に配置され、かつ、上からこの順番に積層されている。
【0028】
処理ユニットC06、C07のそれぞれは、基板を加熱する加熱ユニットであり、互いに同様なハードウェア構成を有している。レジスト塗布された基板が、処理ユニットC06、C07に搬入され、露光前の焼き締め処理(プリベーク処理)が実行されると、基板上に形成されたレジスト膜は固化する。処理ユニットC08は、基板を冷却する冷却ユニットである。例えば、処理ユニットC08は、処理ユニットC06、C07で加熱された基板を冷却する。図1に示すように、処理ユニットC06〜C08は、基板搬送の下流側に向かって基板搬送ユニット20の前方に配置され、かつ、上からこの順番に積層されている。
【0029】
制御部25(第2制御部)は、基板搬送ユニット20と電気的に接続されており、例えば、基板搬送ユニット20により実行される搬送処理を制御する。図1に示すように、制御部25は、主として、RAM(Random Access Memory)26と、ROM(Read Only Memory)27と、CPU(Central Processing Unit)29と、を有している。
【0030】
RAM26は、例えば揮発性の記憶部により構成されており、CPU29の演算処理で使用されるデータを記憶する。基板搬送ユニット20と各処理ユニットC00〜C08との間で基板が受け渡されるとき、RAM26には、基板の受け渡しと略同期し、制御部25および制御部30の間で受け渡される基板情報データ60が、記憶される(図1参照)。また、基板搬送ユニット20により複数の基板が保持されている場合、RAM26には、複数の基板情報データ60が記憶されることになる。
【0031】
ROM27は、いわゆる不揮発性の記憶部により構成されている。図1に示すように、ROM27には、例えばプログラム27aが記憶されている。なお、ROM27としては、読み書き自在の不揮発性メモリであるフラッシュメモリが採用されてもよい。
【0032】
CPU29は、ROM27のプログラム27aに従った動作制御やデータ演算を、所定のタイミングで実行する。例えば、CPU29は、各基板に対応する基板情報データ60に基づいて、各基板を次に搬送すべき処理ユニットを決定する。
【0033】
制御部30(第1制御部)は、各処理ユニットC00〜C08と電気的に接続されており、例えば、各処理ユニットC00〜C08で実行される基板処理を制御する。図1に示すように、制御部30は、主として、RAM31と、ROM32と、CPU34と、を有している。
【0034】
RAM31は、RAM26と同様なハードウェア構成を有しており、CPU34の演算処理で使用されるデータを記憶する。例えば、処理ユニットC00〜C08と基板搬送ユニット20との間で基板が受け渡されるとき、RAM31には、基板の受け渡しと略同期し、制御部30および制御部25の間で受け渡される基板情報データ60が、記憶される(図1参照)。また、処理ユニットC00〜C08に複数の基板が滞在している場合、RAM31には、複数の基板情報データ60が記憶されることになる。
【0035】
ここで、「処理ユニットC00〜C08に複数の基板が滞在している」とは、例えば、(1)処理ユニットC00〜C08のうちの2つの処理ユニットのそれぞれに、1枚ずつ基板が滞在している場合であっても良いし、(2)処理ユニットC00〜C08のうちの1つの処理ユニットに、2枚以上の基板が滞在している場合であっても良い。
【0036】
また、図1に示すように、RAM31には、複数のレシピを格納したレシピテーブル64aが、記憶されている。ここで、レシピとは、各処理ユニットC00〜C15で実行される各基板処理の条件(プロセスID)が格納されたデータであり、レシピテーブル64a の各レコード(行)に対応する。なお、レシピテーブル64aは、例えば、制御部30が起動する毎に、いわゆる大容量記憶部(例えば、ハードディスクドライブ:図示省略)からRAM31に転送されても良い。
【0037】
ROM32は、ROM27と同様に、いわゆる不揮発性の記憶部により構成されている。図1に示すように、ROM32には、例えばプログラム32aが記憶されている。なお、ROM32としては、ROM27と同様に、読み書き自在の不揮発性メモリであるフラッシュメモリが採用されてもよい。
【0038】
CPU34は、ROM32のプログラム32aに従った動作制御やデータ演算を実行する。例えば、CPU34は、処理ユニットC04のレジスト塗布処理において実行されるレジストの液温制御や吐出制御を、所定のタイミングで実行する。
【0039】
基板搬送ユニット40は、基板搬送ユニット20と同様なハードウェア構成を有する搬送ロボットであり、不図示の搬送アームを、(1)上下方向に延びる旋回軸周りに回動させ、(2)上下方向に昇降させ、(3)水平面内で伸縮させることができる。これにより、基板搬送ユニット40は、搬送アームに保持された基板を、複数の処理ユニットC09〜C15のそれぞれとの間で、受け渡すことができる。
【0040】
処理ユニットC09は、露光前処理が完了した基板上のレジスト膜に対して、配線等の微細パターンを露光する露光ユニットである。図1に示すように、処理ユニットC09は、処理ユニットC00〜C08の後工程に位置する。また、図1に示すように、処理ユニットC09は、基板搬送の下流側に向かって、処理ユニットC08の前方、かつ、処理ユニットC10の後方に、配置されている。ここで、処理ユニットC08から処理ユニットC09へ基板を受け渡す動作は、処理ユニットC09の搬送ロボット(図示省略)により実行されてもよい。
【0041】
処理ユニットC10〜C15は、露光後処理として種々の基板処理を実行する。図1に示すように、各処理ユニットC10〜C15は、基板搬送ユニット40の周囲(より具体的には、基板搬送の下流側に向かって、基板搬送ユニット40の前後および左右)に配置されている。
【0042】
処理ユニットC10は、露光処理が完了した基板上のレジスト膜に対し、現像液を供給することによって、露光されたパターンを現像する現像ユニットである。また、処理ユニットC10は、基板にリンス液(純水)を供給することによって、基板に付着する現像液を洗い流す。図1に示すように、処理ユニットC10は、基板搬送の下流側に向かって、基板搬送ユニット40の後方に配置されている。
【0043】
処理ユニットC11、C12のそれぞれは、基板を加熱する加熱ユニットであり、互いに同様なハードウェア構成を有している。処理ユニットC10で現像および洗浄された基板が、処理ユニットC11、C12のいずれかに搬入され、加熱処理(ポストベーク処理)が実行されると、レジスト中の溶剤および水分が除去され、レジスト膜と基板との密着性が高められる。処理ユニットC13は、基板を冷却する冷却ユニットであり、例えば、処理ユニットC11、C12で昇温された基板を冷却する。図1に示すように、処理ユニットC11〜C13は、基板搬送の下流側に向かって基板搬送ユニット40の左側に配置され、かつ、上からこの順番に積層されている。
【0044】
処理ユニットC14は、基板表面に紫外線を照射することによって、基板に付着する有機物(例えば、現像処理後に基板に付着するレジスト残渣)を除去する除去ユニットである。図1に示すように、処理ユニットC14は、基板搬送の下流側に向かって、基板搬送ユニット40の左側に配置されている。
【0045】
処理ユニットC15は、処理ユニットC00〜C14のうち、少なくとも1つの処理ユニットで実行された基板処理の良否を確認する検査ユニットである。図1に示すように、処理ユニットC15は、基板搬送の下流側に向かって、基板搬送ユニット40の前方に配置されている。
【0046】
制御部45(第2制御部)は、基板搬送ユニット40と電気的に接続されており、例えば、基板搬送ユニット40により実行される搬送処理を制御する。図1に示すように、制御部45は、主として、RAM46と、ROM47と、CPU49と、を有している。
【0047】
RAM46は、RAM26と同様なハードウェア構成を有しており、CPU49の演算処理で使用されるデータを記憶する。例えば、基板搬送ユニット40と各処理ユニットC09〜C15との間で基板が受け渡されるとき、RAM46には、基板の受け渡しと略同期し、制御部50および制御部45の間で受け渡される基板情報データ60が、記憶される(図1参照)。また、基板搬送ユニット40により複数の基板が保持されている場合、RAM46には、複数の基板情報データ60が記憶されることになる。
【0048】
ROM47は、ROM27と同様に、いわゆる不揮発性の記憶部により構成されている。図1に示すように、ROM47には、例えばプログラム47aが記憶されている。なお、ROM47としては、ROM27と同様に、読み書き自在の不揮発性メモリであるフラッシュメモリが採用されてもよい。
【0049】
CPU49は、ROM47のプログラム47aに従った動作制御やデータ演算を所定のタイミングで実行する。例えば、CPU49は、各基板に対応する基板情報データ60に基づいて、各基板を次に搬送すべき処理ユニットを決定する。
【0050】
制御部50(第1制御部)は、各処理ユニットC09〜C15と電気的に接続されており、例えば、各処理ユニットC09〜C15で実行される基板処理を制御する。図1に示すように、制御部50は、主として、RAM51と、ROM52と、CPU54と、を有している。
【0051】
RAM51は、RAM26と同様なハードウェア構成を有しており、CPU54の演算処理で使用されるデータを記憶する。例えば、各処理ユニットC09〜C15と基板搬送ユニット40との間で基板が受け渡されるとき、RAM51には、基板の受け渡しと略同期し、制御部50および制御部45の間で受け渡される基板情報データ60が、記憶される(図1参照)。また、処理ユニットC09〜C15に複数の基板が滞在している場合、RAM51には、複数の基板情報データ60が記憶されることになる。
【0052】
また、図1に示すように、RAM51には、RAM31と同様に、複数のレシピを格納したレシピテーブル64aが、記憶されている。なお、レシピテーブル64aは、例えば、制御部50が起動する毎に、いわゆる大容量記憶部(例えば、ハードディスクドライブ:図示省略)からRAM51に転送されても良い。
【0053】
ROM52は、ROM27と同様に、いわゆる不揮発性の記憶部により構成されている。図1に示すように、ROM52には、例えばプログラム52aが記憶されている。なお、ROM52としては、ROM27と同様に、読み書き自在の不揮発性メモリであるフラッシュメモリが採用されてもよい。
【0054】
CPU54は、ROM52のプログラム52aに従った動作制御やデータ演算を実行する。例えば、CPU54は、処理ユニットC10の現像処理において実行される現像液の液温制御や吐出制御を、所定のタイミングで実行する。
【0055】
アンローダ90は、図1に示すように、基板処理部5(より具体的には、処理ユニットC15)と並設されている。アンローダ90は、基板処理部5で処理された処理済み基板を受け取る。そして、受け取られた基板は、カセット(不図示)内の対応するスロットに収納される。
【0056】
<1.2.基板情報データのデータ構造>
図2は、本実施の形態における基板情報データ60のデータ構造の一例を示す図である。図3は、レシピテーブル64aのデータ構造の一例を示す図である。ここでは、制御部25、30、45、50に記憶される基板情報データ60と、制御部30、50に記憶されるレシピテーブル64aと、のデータ構造について説明する。
【0057】
基板情報データ60は、処理ユニットC00〜C15と、基板搬送ユニット20、40と、の間で受け渡される基板に関する情報であり、各基板毎に生成される。また、基板情報データ60は、基板の受け渡しと略同期し、基板の受け渡し側のユニットに対応する制御部から、受け取り側のユニットに対応する制御部に、受け渡される。
【0058】
例えば、処理ユニットC00から基板搬送ユニット20に基板が受け渡される場合、対応する基板情報データ60は、受け渡し側の処理ユニットC00を制御する制御部30から、受け取り側の基板搬送ユニット20を制御する制御部25に、受け渡される。
【0059】
図2に示すように、基板情報データ60は、複数の特性データ(例えば、「基板ID」、「カセットNO」、「スロットNO」、「レシピID」、および「処理フローデータ」等)を有している。また、図2に示すように、各特性データは、対応する格納部61〜65に格納されている。
【0060】
すなわち、基板ID格納部61には、各基板を一意に識別するためのデータ(基板識別データ)として「基板ID」(数値や文字列等により構成)が格納されている。また、カセットNO格納部62には、対応する基板が収納されていたカセットを特定するためのデータとして、「カセットNO」が格納されている。また、スロットNO格納部63には、カセット内における基板の収納場所(スロット)を特定するためのデータとして、「スロットNO」が格納されている。
【0061】
また、レシピID格納部64には、各基板処理の条件(レシピ)に関するレシピ関連データとして、「レシピID」が格納されている。ここで、「レシピID」は、レシピテーブル64aに格納されている各レシピを識別するために使用される。なお、レシピテーブル64aのデータ構造については、後述する。
【0062】
さらに、処理フロー格納部65には、各基板の処理手順を特定するためのデータとして、「処理フローデータ」が格納されている。なお、「処理フローデータ」のデータ構造については、後述する。
【0063】
<1.3.レシピテーブルのデータ構造>
図3は、レシピテーブル64aのデータ構造の一例を示す図である。レシピテーブル64aは、複数のレシピを格納するデータベースであり、レシピテーブル64aの各行(レコード)がレシピに対応する。図3に示すように、レシピテーブル64aは、主として、「レシピID」、「洗浄処理」、「塗布処理」、「プリベーク」、「露光処理」、「現像処理」、および「ポストベーク」の各フィールド(列)を有している。なお、図示の都合上、図3のレシピテーブル64aには、一部の処理ユニット(処理ユニットC00、C04、C06、C07、C09〜C12)の基板処理の条件が記載されている。
【0064】
「レシピID」フィールドには、レシピテーブル64aに含まれる各レコードを一意に識別するための値(数値や文字列等)が格納されている。基板情報データ60のレシピID格納部64には、各レコードの「レシピID」の値のうち、いずれかが格納されている。
【0065】
「洗浄処理」フィールドには、処理ユニットC00で実行される洗浄処理の条件を特定するプロセスID(数値)が、格納されている。また、「塗布処理」フィールドには、処理ユニットC04で実行されるレジスト塗布処理の条件を特定するプロセスIDが、格納されている。また、「プリベーク」フィールドには、処理ユニットC06、C07のいずれかで実行されるプリベーク処理(加熱処理)の条件を特定するプロセスIDが、格納されている。
【0066】
また、「露光処理」フィールドには、処理ユニットC09で実行される露光処理の条件を特定するプロセスIDが、格納されている。また、「現像処理」フィールドには、処理ユニットC10で実行される現像処理の条件を特定するプロセスIDが、格納されている。さらに、「ポストベーク」フィールドには、処理ユニットC11、C12のいずれかで実行されるポストベーク処理(加熱処理)の条件を特定するプロセスIDが、格納されている。
【0067】
ここで、「洗浄処理」、「塗布処理」、「プリベーク」、「露光処理」、「現像処理」、および「ポストベーク」の各フィールドに格納されるプロセスIDとは、対応する基板処理の条件が格納されたデータ(プロセスデータ)を一意に識別するための値である。各プロセスIDおよび各プロセスデータは、一対一に対応付けられている。したがって、制御部30、50は、プロセスIDを用いた検索処理を実行することによって、対応するプロセスデータを抽出し、対応する処理ユニットC00〜C15に対して所望の処理を実行させることができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、同種の基板処理、および異なった基板処理に関わらず、処理条件毎に異なったプロセスIDが割り当てられている。したがって、あるフィールドのプロセスIDは、他のフィールドに格納されることがない。例えば、「洗浄処理」=「1」となるプロセスIDが存在するため、他のフィールドには、プロセスIDが「1」となるものが存在しない。
【0069】
ただし、同種の基板処理において各処理条件が識別できれば十分なため、異なったフィールドで同一のプロセスIDが使用されてもよい。例えば、各フィールド毎に、「1」〜「30」までのいずれかのプロセスIDが格納されてもよい。
【0070】
<1.4.処理フローデータのデータ構造>
図4は、本実施の形態における処理フローデータ66aのデータ構造の一例を示す図である。また、図5は、処理フローデータ66aに格納されている処理状況データおよび順序データの値を、各処理ユニットC00〜C15毎に表形式(テーブル状)にまとめた図である。
【0071】
ここで、処理フローデータ66aは、複数の処理状況データと、複数の順序データと、を有している。基板搬送ユニット20、40の搬送処理を制御する制御部25、45は、処理フローデータ66aに基づいて、各処理ユニットC00〜C15の搬送順序を決定する。
【0072】
また、図4に示すように、処理フローデータ66aは、複数のワードデータW00〜W04から構成されている。本実施の形態において、各ワードデータW00〜W04は、データ容量が16ビットのデータ列として構成されている。したがって、処理フローデータ66aは、80ビットのデータを格納することができる。
【0073】
なお、各ワードデータW00〜W04について、最下位のビット位置が符号D00に、最上位のビット位置が符号D15に、それぞれ対応している。また、以降の説明では、処理フローデータ66a、および後述する処理フローデータ66b、66c(図6ないし図9参照)を総称して、処理フローデータ66とも呼ぶ。
【0074】
ワードデータW00は、各処理ユニットC00〜C15の処理状況データ(処理状況フラグ)を格納している。すなわち、ワードデータW00の各ビット位置D00〜D15には、各処理ユニットC00〜C15と一対一に対応しており、対応する処理ユニットにおける基板の処理状況(「処理済み」または「未処理」)を示す処理状況データ(1ビットデータ)が、格納されている。
【0075】
ここで、処理状況データの値が「1」および「0」の場合、それぞれ対応する処理ユニットで実行される基板処理が「処理済み」および「未処理」であることを示す。したがって、ビット位置D00の値(=「1」)は、処理ユニットC00で基板処理(洗浄処理)が「処理済み」であることを示す。一方、ビット位置D13の値(=「0」)は、処理ユニットC13での基板処理(冷却処理)が「未処理」であることを示す。
【0076】
なお、対応する処理ユニットC00〜C15での処理が完了すると、制御部30、50は、対応する処理状況データに「1」を格納する。例えば、図4および図5において、処理ユニットC13での基板処理が完了すると、処理ユニットC13に対応(すなわち、処理ユニットC13を制御)する制御部30は、ワードデータW00のビット位置D13に「1」を格納する。
【0077】
ワードデータW01〜W04は、複数(本実施の形態では、16個)の順序データを格納している。ここで、複数の順序データのそれぞれは、各処理ユニットC00〜C15と一対一に対応しており、対応する処理ユニットに搬送される順序(その結果、対応する処理ユニットで実行される基板処理の順序)を示す。
【0078】
図4に示すように、ワードデータW01において、(1)ビット位置D00〜D03、(2)ビット位置D04〜D07、(3)ビット位置D08〜D11、および(4)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータには、それぞれ処理ユニットC00〜C03の順序データが格納されている。
【0079】
また、ワードデータW02において、(5)ビット位置D00〜D03、(6)ビット位置D04〜D07、(7)ビット位置D08〜D11、および(8)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータには、それぞれ処理ユニットC04〜C07の順序データが格納されている。
【0080】
また、ワードデータW03において、(9)ビット位置D00〜D03、(10)ビット位置D04〜D07、(11)ビット位置D08〜D11、および(12)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータには、それぞれ処理ユニットC08〜C11の順序データが格納されている。
【0081】
また、ワードデータW04において、(13)ビット位置D00〜D03、(14)ビット位置D04〜D07、(15)ビット位置D08〜D11、および(16)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータには、それぞれ処理ユニットC12〜C15の順序データが格納されている。
【0082】
例えば、ワードデータW04のビット位置D04〜D07で示される値は、「11」である(図4参照)。したがって、処理フローデータ66aからは、処理ユニットC13の基板処理(冷却処理)の順序が第11番目であるということが、把握される。
【0083】
このように、本実施の形態の処理フローデータ66は、図4に示すように、
(1)複数の処理状況データ(1ビットデータ)を、各処理ユニットC00〜C15に基づいた順番(例えば、各処理ユニットに付与された符号の順番)に連続して配置するワードデータW00(第1データ列)と、
(2)複数の順序データを、各処理ユニットC00〜C15に基づいた順番に連続して配置するワードデータW01〜W04(第2データ列)と、
を有している。
【0084】
<1.5.処理フローデータによる基板の搬送手順>
図6は、処理フローデータ66bのデータ構造を示す図である。図7は、処理フローデータ66bにおける処理状況データおよび順序データの値を、各処理ユニットC00〜C15毎に表形式にまとめた図である。図8は、処理フローデータ66cのデータ構造を示す図である。図9は、処理フローデータ66cにおける処理状況データおよび順序データの値を、各処理ユニットC00〜C15毎に表形式にまとめた図である。
【0085】
ここで、本実施の形態において、基板搬送ユニット20、40の搬送処理を制御する制御部25、45は、受け渡された各基板の処理フローデータ66(66a〜66c)に、以下の規則A1〜A4を適用することによって、搬送先の処理ユニットC00〜C15を決定する。そこで、以下では、これら規則A1〜A4を説明するとともに、制御部25、45により実行される基板の搬送手順を説明する。
【0086】
なお、処理フローデータ66b、66cは、規則A1〜A4の説明の便宜のために作成されたデータである。したがって、処理フローデータ66b、66cにより実行される処理手順は、実際の基板に施される処理手順と相違する場合がある。
【0087】
<1.5.1.規則A1>
制御部25、45は、各順序データの大小関係に基づいて、各処理ユニットC00〜C15に基板が搬送される順序を決定する。ここで、順序データの小さい順(昇順)に、基板が搬送される場合について検討する。基板は、順序データが最小値(=「1」)となる処理ユニットC00に、最初に搬送される。また、処理フローデータ66a(図4および図5参照)において、順序データの値が「5」となる処理ユニットC05の搬送順序は、処理ユニットC04(順序データ=「4」)の次となる。
【0088】
<1.5.2.規則A2>
また、着目する順序データの値が「0」となる場合、制御部25、45は、この順序データに対応する処理ユニットC00〜C15が搬送除外ユニットであると判断し、この搬送除外ユニットは基板の搬送先から除外される。例えば、処理フローデータ66b(図6および図7参照)において、処理ユニットC03の順序データには、「0」が格納されている。したがって、処理ユニットC03には基板が搬送されず、基板に対して処理(冷却処理)が施されない。
【0089】
<1.5.3.規則A3>
また、着目する2以上の順序データの値が、「0」以外の値となり、かつ、この2以上の順序データの値が互いに同一となる場合、制御部25、45は、これら順序データに対応する処理ユニットC00〜C15のうちのいずれか1つに、基板を搬送させる。
【0090】
例えば、処理フローデータ66a(図4および図5参照)において、処理ユニットC01、C02は、その順序データの値が互いに同一(いずれも「2」)である。したがって、制御部25は、処理ユニットC01、C02のうち、受け入れ可能なユニットに、基板を搬送させる。このように、同種の基板処理を実行可能な処理ユニットC01、C02は、搬送先として、いずれか1つを選択することができ、これら処理ユニットC01、C02のそれぞれは、択一的に選択可能な処理ユニット(以下、単に、「択一選択ユニット」とも呼ぶ)として使用される。
【0091】
また、処理フローデータ66aに示すように、処理ユニットC06、C07のそれぞれ、および処理ユニットC11、C12のそれぞれも、択一選択ユニットとして使用可能である。
【0092】
なお、同種の基板処理を実行可能な複数の択一選択ユニットのうち、一部(1または2以上)の処理ユニットが、搬送先として明示的に設定される場合、対応する各順序データには、以下の値が設定される。すなわち、複数の択一選択ユニットのうち、搬送先から除外される(1または2以上の)処理ユニットの順序データには、「0」が格納される。一方、搬送先とされる(1または2以上の)処理ユニットの順序データには、「0」以外の同一値(すなわち、「1」〜「15」のうちのいずれかの値)が格納される。これにより、複数の択一選択ユニットのうち、順序データに「0」以外の同一値が格納された処理ユニットのみが、搬送先とされる。
【0093】
例えば、処理フローデータ66b(図6および図7参照)に示すように、同種のポストベーク処理を実行可能な処理ユニット(択一選択ユニット)C11、C12について、処理ユニットC11の順序データには「0」が、処理ユニットC12の順序データには「7」が、それぞれ格納されている。そのため、択一選択ユニットC11、C12のうちの処理ユニットC12のみが、搬送先として選択される。
【0094】
<1.5.4.規則A4>
さらに、制御部25、45は、処理状況データの値が「0」以外となる処理ユニットC00〜C15のうち、最も優先順位の高いものを、搬送先とする。例えば、処理フローデータ66bに示すように、処理ユニットC10での基板処理が完了し、制御部50によりワードデータW00のビット位置D10に「1」が格納されるとともに、制御部50から制御部45に対応する基板情報データ60が受け渡されると、基板搬送ユニット40の制御部45は、処理ユニットC12を次の搬送先に設定する。
【0095】
また同様に、処理フローデータ66aの場合には処理ユニットC11、C12のいずれかが、処理フローデータ66c(図8および図9参照)の場合には処理ユニットC13が、次の搬送先に設定される。
【0096】
<1.5.5.規則A1〜A4による基板の搬送手順>
上述の規則A1〜A4が、処理フローデータ66aに適用されると、制御部25、45は、基板搬送ユニット20、40に対して、次の搬送処理を実行させる。
【0097】
すなわち、基板搬送ユニット20による基板搬送に先立って、基板は、ローダ10側から処理ユニットC00に搬入され、処理ユニットC00で洗浄処理が実行される。処理ユニットC00で洗浄処理が完了し、処理ユニットC00から基板搬送ユニット20に基板が受け渡されると、基板搬送ユニット20は、受け取った基板を、処理ユニットC01、C02のいずれかに搬送した後、処理ユニットC03、C04、C05の順に搬送する。続いて、基板搬送ユニット20は、処理ユニットC05から受け取った基板を、処理ユニットC06、C07のいずれかに搬送した後、処理ユニットC08に搬送する。
【0098】
一方、基板搬送ユニット40は、処理ユニットC08〜C10での基板処理が完了し、処理ユニットC10から受け取った基板を、処理ユニットC11、C12のいずれかに搬送した後、処理ユニットC13に搬送する。そして、処理ユニットC13での基板処理が完了すると、基板は、アンローダ90側に搬出される。
【0099】
また、上述の規則A1〜A4が、処理フローデータ66bに適用されると、制御部25、45は、基板搬送ユニット20、40に対して、次の搬送処理を実行させる。
【0100】
ここで、図6および図7に示すように、処理ユニットC01〜C03の順序データには、いずれも「0」が格納されており、処理ユニットC01〜C03は、基板の搬送先から除外されている。したがって、処理ユニットC00で洗浄処理が完了し、処理ユニットC00から基板搬送ユニット20に基板が受け渡されると、基板搬送ユニット20は、受け取った基板を処理ユニットC04に搬送する。
【0101】
続いて、基板搬送ユニット20は、処理ユニットC04から受け取った基板を、処理ユニットC05を経由させず、処理ユニットC06、C07のいずれかに搬送した後、処理ユニットC08に搬送する。
【0102】
ここで、処理フローデータ66bにおいて、択一選択ユニットとして使用可能な処理ユニットC11、C12のうちの処理ユニットC11の「順序データ」のみが「0」とされている。すなわち、処理フローデータ66bに基づいた処理手順では、択一選択ユニットC11、C12のうちの1つの処理ユニットC12が常に選択され、処理ユニットC11は基板の搬送先から除外されている。
【0103】
したがって、基板搬送ユニット40は、処理ユニットC08〜C10での基板処理が完了し、処理ユニットC10から受け取った基板を、処理ユニットC12に搬送する。そして、処理ユニットC12での基板処理が完了すると、基板は、アンローダ90側に搬出される。
【0104】
なお、択一選択ユニットの台数が3以上となる場合において、少なくとも1つの処理ユニットの「順序データ」の値が「0」となるように処理フローデータ66が設定されてもよい。この場合、択一選択ユニットのうちの一部(一または複数)の処理ユニットが、選択される。
【0105】
さらに、上述の規則A1〜A4が、処理フローデータ66cに適用されると、制御部25、45は、基板搬送ユニット20、40に対して、次の搬送処理を実行させる。
【0106】
ここで、図8および図9に示すように、処理ユニットC01、C02の順序データには「0」以外の同一値(=「3」)が格納されている。また、処理ユニットC03、C04、C05の順序データには、それぞれ「2」、「5」、「4」が格納されている。すなわち、処理ユニットC01〜C03において、各処理ユニットに基板が搬送される順番は、対応する符号の昇順(C01またはC02→C03)でなく、降順(C03→C01またはC02)となる。
【0107】
このように、本実施の形態の処理フローデータ66が使用され、基板搬送が実行される場合、基板搬送ユニット20、40は、予め各処理ユニットに割り付けられた搬送順序に限定されず、ランダムな順序で各処理ユニットに基板を搬送することができる。
【0108】
したがって、処理ユニットC00で洗浄処理が完了し、処理ユニットC00から基板搬送ユニット20に基板が受け渡されると、基板搬送ユニット20は、受け取った基板を、処理ユニットC03に搬送した後、処理ユニットC01、C02のいずれかに搬送する。また、基板搬送ユニット20は、処理ユニットC01、C02のいずれかより受け取った基板を、処理ユニットC05、C04の順に搬送する。そして、基板搬送ユニット20は、処理ユニットC06、C07のいずれかに搬送した後、処理ユニットC08に搬送する。
【0109】
一方、基板搬送ユニット40は、処理フローデータ66aの場合と同様に、処理ユニットC08〜C10での基板処理が完了し、処理ユニットC10から受け取った基板を、処理ユニットC11、C12のいずれかに搬送した後、処理ユニットC13に搬送する。そして、処理ユニットC13での基板処理が完了すると、基板は、アンローダ90側に搬出される。
【0110】
<1.6.第1の実施の形態の基板処理装置の利点>
以上のように、第1の実施の形態の制御部25、45(第2制御部)は、基板とともに受け渡される基板情報データ60の処理フローデータ66を参照することによって、各処理ユニットC00〜C15で実行される基板処理の順序、および、各処理ユニットC00〜C15における基板の処理状況(未処理または処理済み)、を把握することができる。
【0111】
すなわち、制御部25、45は、ワードデータW00に格納されている複数の処理状況データと、ワードデータW01〜W04に格納されている複数の順序データと、に基づいて、基板の搬送先となる処理ユニットC00〜C15を決定することができる。
【0112】
これにより、制御部25、45は、複数の処理ユニットC00〜C15で実行される各基板処理の履歴を管理することなく、処理フローデータ66に基づいて、各処理ユニットに基板を搬送する手順を決定することができる。そのため、第1の実施の形態の基板処理装置1は、基板搬送手順を決定するための演算を簡略化することができ、演算コストを低減することができる。
【0113】
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の板処理装置100は、第1の実施の形態の基板処理装置1と比較して、各制御部間で受け渡される基板情報データ(さらに言うと、処理フローデータ)のデータ構造が相違する点を除いては、第1の実施の形態と同様である。そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。
【0114】
なお、以下の説明において、第1の実施の形態の基板処理装置1における構成要素と同様な構成要素については同一符号を付している。これら同一符号の構成要素は、第1の実施の形態において説明済みであるため、本実施形態では説明を省略する。
【0115】
<2.1.処理フローデータのデータ構造>
図10は、本実施の形態における処理フローデータ166aのデータ構造の一例を示す図である。処理フローデータ166(166a)は、処理フローデータ66と同様に、各基板の処理手順を特定するデータである。図10に示すように、処理フローデータ166aは、複数のワードデータW11〜W14から構成されている。
【0116】
ここで、各ワードデータW11〜W14は、第1の実施の形態の各ワードデータW00〜W04と同様に、データ容量が16ビットのデータ列として構成されている。したがって、処理フローデータ166aは、64ビットのデータを格納することができる。
【0117】
また、各ワードデータW11〜W14は、第1の実施の形態の各ワードデータW00〜W04と同様に、最下位のビット位置が符号D00に、最上位のビット位置が符号D15に、それぞれ対応する。
【0118】
ワードデータW11は、4つの単位データから構成されている。図10に示すように、ワードデータW11において、(1)ビット位置D00〜D03、(2)ビット位置D04〜D07、(3)ビット位置D08〜D11、および(4)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータが、それぞれ処理ユニットC00、C01、C02、C03の単位データに対応する。
【0119】
また、ワードデータW11において、処理ユニットC00〜C03の各単位データは、1ビットの処理状況データと、3ビットの順序データと、から構成されている。例えば、処理ユニットC00の単位データは、ビット位置D00の処理状況データと、ビット位置D01〜D03の順序データと、から構成されている。このように、単位データを構成する処理状況データおよび順序データは、互いに同一の処理ユニットに対応している。
【0120】
また同様に、処理ユニットC01の単位データはビット位置D04の処理状況データとビット位置D05〜D07の順序データとから、処理ユニットC02の単位データはビット位置D08の処理状況データとビット位置D09〜D11の順序データとから、処理ユニットC03の単位データはビット位置D12の処理状況データとビット位置D13〜D15の順序データとから、それぞれ構成されている。
【0121】
また、ワードデータW12は、ワードデータW11と同様に、4つの単位データから構成されている。図10に示すように、ワードデータW12において、(1)ビット位置D00〜D03、(2)ビット位置D04〜D07、(3)ビット位置D08〜D11、および(4)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータが、それぞれ処理ユニットC04、C05、C06、C07の単位データに対応する。
【0122】
また、ワードデータW12において、処理ユニットC04の単位データはビット位置D00の処理状況データとビット位置D01〜D03の順序データとから、処理ユニットC05の単位データはビット位置D04の処理状況データとビット位置D05〜D07の順序データとから、処理ユニットC06の単位データはビット位置D08の処理状況データとビット位置D09〜D11の順序データとから、処理ユニットC07の単位データはビット位置D12の処理状況データとビット位置D13〜D15の順序データとから、それぞれ構成されている。
【0123】
また、ワードデータW13は、ワードデータW11、W12と同様に、4つの単位データから構成されている。図10に示すように、ワードデータW13において、(1)ビット位置D00〜D03、(2)ビット位置D04〜D07、(3)ビット位置D08〜D11、および(4)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータが、それぞれ処理ユニットC08、C09、C10、C11の単位データに対応する。
【0124】
また、ワードデータW13において、処理ユニットC08の単位データはビット位置D00の処理状況データとビット位置D01〜D03の順序データとから、処理ユニットC09の単位データはビット位置D04の処理状況データとビット位置D05〜D07の順序データとから、処理ユニットC10の単位データはビット位置D08の処理状況データとビット位置D09〜D11の順序データとから、処理ユニットC11の単位データはビット位置D12の処理状況データとビット位置D13〜D15の順序データとから、それぞれ構成されている。
【0125】
さらに、ワードデータW14は、ワードデータW11、W12、W13と同様に、4つの単位データから構成されている。図10に示すように、ワードデータW14において、(1)ビット位置D00〜D03、(2)ビット位置D04〜D07、(3)ビット位置D08〜D11、および(4)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータが、それぞれ処理ユニットC12、C13、C14、C15の単位データに対応する。
【0126】
また、ワードデータW14において、処理ユニットC08の単位データはビット位置D00の処理状況データとビット位置D01〜D03の順序データとから、処理ユニットC09の単位データはビット位置D04の処理状況データとビット位置D05〜D07の順序データとから、処理ユニットC10の単位データはビット位置D08の処理状況データとビット位置D09〜D11の順序データとから、処理ユニットC11の単位データはビット位置D12の処理状況データとビット位置D13〜D15の順序データとから、それぞれ構成されている。
【0127】
このように、本実施の形態の処理フローデータ166aは、図10に示すように、各単位データを、各処理ユニットC00〜C15の符号の順(符号の昇順)に連続して配置したものである。
【0128】
ここで、本実施の形態の処理フローデータ166aと、第1の実施の形態の処理フローデータ66bと、を比較する。図11は、処理フローデータ166aにおける処理状況データおよび順序データの値を、各処理ユニットC00〜C15毎に表形式(テーブル状)にまとめた図である。図6、図7、図10、および図11に示すように、処理フローデータ166aのデータ構造は、処理フローデータ66bのものと相違する。一方、両処理フローデータ66b、166aに格納されている各処理状況データおよび順序データの値は同一である。したがって、両処理フローデータ66b、166aに上述の規則A1〜A4が適用されると、両処理フローデータ66b、166aからは、同一の基板搬送手順が実行される。
【0129】
また、処理フローデータ166a(総データ容量:64ビット)のデータサイズは、処理フローデータ66(総データ容量:80ビット)のデータサイズより小さい。そのため、各制御部25、30、45、50間のデータ通信(送受信)量が低減され、各制御部25、30、45、50間で実行されるデータ通信の処理負荷が低減できる。
【0130】
なお、上述のように、処理フローデータ166aにより実行される基板の搬送手順は、処理フローデータ66bにより実行される基板の搬送手順と同様なものとなり、第1の実施の形態で説明済みであるため、ここでは、説明を省略する。
【0131】
<2.2.第2の実施の形態の基板処理装置の利点>
以上のように、第2の実施の形態の基板処理装置100は、処理フローデータ166(166a)に基づいて、各処理ユニットC00〜C15に基板を搬送する手順を決定することができる。そのため、第2の実施の形態の基板処理装置100は、第1の実施の形態の基板処理装置1と同様に、基板搬送手順を決定するための演算を簡略化することができ、演算コストを低減することができる。
【0132】
また、第2の実施の形態で使用される処理フローデータ166のデータサイズは、第1の実施の形態で使用される処理フローデータ66のデータサイズより小さい。そのため、各制御部25、30、45、50間で実行されるデータ通信の処理負荷が低減される。
【0133】
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態の基板処理装置200は、第2の実施の形態の基板処理装置100と比較して、基板情報データ260の処理フローデータ266に格納される値と、搬送先の処理ユニットC00〜C15を決定する規則と、が異なる点を除いては、第2の実施の形態と同様である。そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。
【0134】
なお、以下の説明において、第1および第2の実施の形態の基板処理装置1、100における構成要素と同様な構成要素については同一符号を付している。これら同一符号の構成要素は、第1および第2の実施の形態において説明済みであるため、本実施形態では説明を省略する。
【0135】
<3.1.処理フローデータによる基板の搬送手順>
図12は、本実施の形態における処理フローデータ266aのデータ構造を示す図である。図13は、処理フローデータ266aにおける処理状況データおよび順序データの値を、各処理ユニットC00〜C15毎に表形式にまとめた図である。
【0136】
また、図14は、本実施の形態における処理フローデータ266bのデータ構造を示す図である。図15は、処理フローデータ266bにおける処理状況データおよび順序データの値を、各処理ユニットC00〜C15毎に表形式にまとめた図である。
【0137】
ここで、本実施の形態において、基板搬送ユニット20、40の搬送処理を制御する制御部25、45は、受け渡された各基板の処理フローデータ266(266a、266b)に、以下の規則B1〜B5を適用することによって、搬送先の処理ユニットC00〜C15を決定する。そこで、以下では、これら規則B1〜B5を説明するとともに、制御部25、45により実行される基板の搬送手順を説明する。
【0138】
なお、図12および図14に示すように、処理フローデータ266は、第2の実施の形態の処理フローデータ166aと同様に、複数のワードデータW11〜W14から構成されている。また、処理フローデータ266は、第2の実施の形態の処理フローデータ166aと同様に、各単位データを各処理ユニットC00〜C15の符号の順(符号の昇順)に連続して配置したものである。
【0139】
<3.1.1.規則B1>
制御部25、45は、原則、予め定められた処理ユニットC00〜C15の処理順序に基づいて、各処理ユニットC00〜C15に基板を搬送させる。本実施の形態において、各処理ユニットC00〜C15には、付与された符号C00〜C15の順(例えば、符号の昇順)に、基板が搬送される。また、制御部25、45は、以下の規則B2〜B5に基づいて、予め定められた処理順序を修正し、各処理ユニットに基板が搬送される順序を決定する。
【0140】
<3.1.2.規則B2>
着目する順序データの値が「0」となる場合、制御部25、45は、この順序データに対応する処理ユニットC00〜C15が搬送除外ユニットであると判断し、この搬送除外ユニットは基板の搬送先から除外される。例えば、処理フローデータ266b(図14および図15参照)において、処理ユニットC01〜C03の順序データには、いずれも「0」が格納されている。したがって、処理ユニットC00で基板処理された基板は、処理ユニットC01〜C03に搬送されず、処理ユニットC04に搬送される。
【0141】
<3.1.3.規則B3>
また、着目する順序データの値が「1」となる場合、制御部25、45は、この順序データに対応する処理ユニットC00〜C15が常に基板の搬送対象となる必須処理ユニットであると判断し、この必須処理ユニットに基板を搬送させる。
【0142】
例えば、処理フローデータ266a(図12および図13参照)において、各処理ユニットC03〜C05の順序データには、いずれも「1」が格納されており、これら処理ユニットC03〜C05は、いずれも搬送対象となる。したがって、処理ユニットC03、C04、C05の搬送順序は、対応する符号の昇順(C03→C04→C05)となる。
【0143】
<3.1.4.規則B4>
また、着目する2以上の順序データの値が、「0」および「1」以外の値となり、かつ、この2以上の順序データの値が互いに同一となる場合、制御部25、45は、これら順序データに対応する択一選択ユニットのうちのいずれか1つに、基板を搬送させる。
【0144】
例えば、処理フローデータ266a(図12および図13参照)において、処理ユニット(択一選択ユニット)C01、C02は、その順序データの値が互いに同一(いずれも「2」)である。したがって、制御部25は、処理ユニットC01、C02のうち受け入れ可能なユニットに、基板を搬送させる。
【0145】
また、処理フローデータ266aに示すように、処理ユニットC06、C07のそれぞれ、および処理ユニットC11、C12のそれぞれも、択一選択ユニットとして使用可能である。
【0146】
なお、複数の択一選択ユニットのうち、一部(1または2以上)の処理ユニットが、搬送先として明示的に設定される場合、対応する各順序データに、以下の値が設定される。すなわち、複数の択一選択ユニットのうち、搬送先から除外される(1または2以上の)処理ユニットの順序データには、「0」が格納される。一方、搬送先とされる(1または2以上の)処理ユニットの順序データには、「0」および「1」以外の同一値(すなわち、「2」〜「7」のうちのいずれかの値)が格納される。これにより、複数の択一選択ユニットのうち、順序データに「0」および「1」以外の同一値が格納された処理ユニットのみが、搬送先とされる。
【0147】
例えば、処理フローデータ266b(図14および図15参照)に示すように、同一のポストベーク処理を実行可能な処理ユニット(択一選択ユニット)C11、C12について、処理ユニットC11の順序データには「0」が、処理ユニットC12の順序データには「3」が、それぞれ格納されている。そのため、択一選択ユニットC11、C12のうちの処理ユニットC12のみが、搬送先として選択される。
【0148】
<3.1.5.規則B5>
さらに、制御部25、45は、処理状況データの値が「0」となる処理ユニットC00〜C15のうち、最も優先順位の高いものを、搬送先とする。例えば、処理フローデータ266bに示すように、処理ユニットC10での基板処理が完了し、制御部50によりワードデータW13のビット位置D08に「1」が格納されるとともに、制御部50から制御部45に対応する基板情報データ60が受け渡されると、基板搬送ユニット40の制御部45は、処理ユニットC12を次の搬送先として設定する。
【0149】
また同様に、処理フローデータ266aの場合には処理ユニットC11、C12のいずれかが、次の搬送先として設定される。
【0150】
<3.1.6.規則B1〜B5による基板の搬送手順>
上述の規則B1〜B5が、処理フローデータ266aに適用されると、制御部25、45は、基板搬送ユニット20、40に対して、次の搬送処理を実行させる。
【0151】
すなわち、基板搬送ユニット20による基板搬送に先立って、基板は、ローダ10側から処理ユニットC00に搬入され、処理ユニットC00で洗浄処理が実行される。処理ユニットC00で洗浄処理が完了し、処理ユニットC00から基板搬送ユニット20に基板が受け渡されると、基板搬送ユニット20は、受け取った基板を、処理ユニットC01、C02のいずれかに搬送した後、処理ユニットC03、C04、C05の順に搬送する。続いて、基板搬送ユニット20は、処理ユニットC05から受け取った基板を、処理ユニットC06、C07のいずれかに搬送した後、処理ユニットC08に搬送する。
【0152】
一方、基板搬送ユニット40は、処理ユニットC08〜C10での基板処理が完了し、処理ユニットC10から受け取った基板を、処理ユニットC11、C12のいずれかに搬送した後、処理ユニットC13に搬送する。そして、処理ユニットC13での基板処理が完了すると、基板は、アンローダ90側に搬出される。
【0153】
このように、処理フローデータ266aに上述の規則B1〜B5が適用されて実行される基板搬送手順と、第1の実施の形態の処理フローデータ66aに上述の規則A1〜A4が適用されて実行される基板搬送手順と、は、同一のものとなる。
【0154】
また、上述の規則B1〜B5が、処理フローデータ266bに適用されると、制御部25、45は、基板搬送ユニット20、40に対して、次の搬送処理を実行させる。
【0155】
ここで、図14および図15に示すように、処理ユニットC01〜C03の順序データには、いずれも「0」が格納されており、処理ユニットC01〜C03は、基板の搬送先から除外されている。したがって、処理ユニットC00で洗浄処理が完了し、処理ユニットC00から基板搬送ユニット20に基板が受け渡されると、基板搬送ユニット20は、受け取った基板を処理ユニットC04に搬送する。
【0156】
続いて、基板搬送ユニット20は、処理ユニットC04から受け取った基板を、処理ユニットC05を経由させず、処理ユニットC06、C07のいずれかに搬送した後、処理ユニットC08に搬送する。
【0157】
このように、処理フローデータ266bに上述の規則B1〜B5が適用されて実行される基板搬送手順と、第1の実施の形態の処理フローデータ66bに上述の規則A1〜A4が適用されて実行される基板搬送手順と、は、同一のものとなる。
【0158】
ここで、処理フローデータ266bにおいて、択一選択ユニットとして使用可能な処理ユニットC11、C12のうちの処理ユニットC11の「順序データ」のみが「0」とされている。すなわち、処理フローデータ266bに基づいた処理手順では、択一選択ユニットC11、C12のうち処理ユニットC12が常に選択され、処理ユニットC11は基板の搬送先から除外されている。
【0159】
したがって、基板搬送ユニット40は、処理ユニットC08〜C10での基板処理が完了し、処理ユニットC10から受け取った基板を、処理ユニットC12に搬送する。そして、処理ユニットC12での基板処理が完了すると、基板は、アンローダ90側に搬出される。
【0160】
なお、択一選択ユニットの台数が3以上となる場合において、少なくとも1つの処理ユニットの「順序データ」の値が「0」となるように処理フローデータ266が設定されてもよい。この場合、択一選択ユニットのうちの一部(一または複数)の処理ユニットが、選択される。
【0161】
<3.2.第3の実施の形態の基板処理装置の利点>
以上のように、第3の実施の形態の基板処理装置200は、処理フローデータ266(266a、266b)に基づいて、各処理ユニットC01〜C15に基板を搬送する手順を決定することができる。そのため、第3の実施の形態の基板処理装置200は、第1および第2の実施の形態の基板処理装置1、100と同様に、基板搬送手順を決定するための演算を簡略化することができ、演算コストを低減することができる。
【0162】
また、第3の実施の形態で使用される処理フローデータ266のデータサイズ(64ビット)は、第1の実施の形態で使用される処理フローデータ66のデータサイズ(80ビット)より小さい。そのため、各制御部25、30、45、50間で実行されるデータ通信の処理負荷が低減される。
【0163】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0164】
(1)本実施の形態において、処理ユニットC00〜C08は制御部30により、処理ユニットC09〜C15は制御部50により、それぞれ制御されるものとして説明したがこれに限定されるものでない。例えば、処理ユニットC00〜C08が2以上の制御部30により制御されてもよいし、処理ユニットC09〜C15が2以上の制御部50により制御されてもよい。また、各処理ユニットC00〜C15毎に、専用の制御部30、50が設けられても良い。この場合、制御部30、50の総数は16台となる。
【0165】
このように、2以上の制御部30が使用される場合、各制御部30は処理ユニットC00〜C08のうちの少なくとも1つの処理ユニットで実行される基板処理を、各制御部50は処理ユニットC09〜C15のうちの少なくとも1つの処理ユニットを、それぞれ制御できればよい。
【0166】
(2)また、第1ないし第3の実施の形態において、搬送除外ユニットの順序データは「0」であるものとして説明したが、搬送先除外を示す順序データの値は、これに限定されるものでない。
【0167】
例えば、順序データとして表すことができる値の範囲(第1の実施の形態の場合は「0」〜「15」の範囲、第2および第3の実施の形態の場合は「0」〜「7」の範囲(但し、順序データが符号なし変数であるものとする))のうち所定の値を非処理定数として予め定義する。そして、着目する順序データが非処理定数と同一値となる場合、この順序データに対応する処理ユニットC00〜C15が搬送先から除外されるようにしてもよい。すなわち、非処理定数の値は、「0」に限定されない。
【0168】
(3)また、第3の実施の形態において、必須処理ユニットの順序データは「1」であるものとして説明したが、必ず搬送対象となることを示す順序データの値は、これに限定されるものでない。
【0169】
例えば、順序データとして表すことができる値の範囲のうち、非処理定数以外の所定の値を単独処理定数として予め定義する。そして、着目する順序データが単独処理定数と同一値となる場合、この順序データに対応する処理ユニットC00〜C15が必ず基板の搬送対象とされるようにしてもよい。すなわち、単独処理定数の値は、「1」に限定されない。
【0170】
(4)また、第1および第2の実施の形態では、基板搬送ユニット20側の処理ユニットC00〜C08から、基板搬送ユニット40側の処理ユニットC09〜C15に、搬送された基板は、再度、基板搬送ユニット20側に搬送されないものとして説明したが、これに限定されるものでない。基板搬送ユニット40側に搬送された基板が再度、基板搬送ユニット20側に搬送されるように、各処理ユニットC00〜C15が構成され、かつ、このような基板搬送手順を実行できるように、処理フローデータ66、166の各順序データが設定されてもよい。
【0171】
この場合、基板搬送ユニット20は、例えば、基板搬送ユニット40側の処理ユニットC11で処理された基板を、基板搬送ユニット20側の処理ユニットC03に搬送することができる。すなわち、基板搬送ユニット20、40は、各処理ユニットC00〜C15の配置によらず、ランダムの順序で基板を搬送することができる。
【0172】
(5)さらに、第1、第2、および第3の実施の形態における順序データのデータサイズは、それぞれ4ビット、3ビット、および3ビットであるものとして説明したが、順序データのデータサイズは、これに限定されるものでなく、総処理ユニット数や択一選択ユニットの個数に応じて定められてもよい。
【符号の説明】
【0173】
1、100、200 基板処理装置
20、40 基板搬送ユニット
25、45 制御部(第2制御部)
30、50 制御部(第1制御部)
60、160、260 基板情報データ
66(66a〜66c)、166a、266(266a、266b) 処理フローデータ
C00〜C15 処理ユニット
W00〜W04、W11〜W14 ワードデータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)に処理を施す基板処理装置に関するもので、特に、基板の搬送処理の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板搬送手順に関する情報を、(1)基本的なフロー情報と、(2)不使用予定の処理ユニットを示すオプション情報と、を組み合わせたデータ構造により表現するとともに、この基板搬送手順に関する情報に基づいて特定の処理ユニットを使用するか否かを決定する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、搬送順序を決定する情報に処理スキップ設定用の情報(フラグ)を付随させ、このフラグの値にしたがって対応する処理をスキップするか否かを判断する技術についても、従来より知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−312323号公報
【特許文献2】特開2005−123249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1および2の基板処理装置において、各処理ユニットによる基板の処理手順、および基板搬送ユニットによる基板の搬送手順は、レシピデータ(基板の処理手順および処理条件に関する情報)に基づいて決定される。以下では、洗浄処理に続いて加熱処理を実行する旨が規定されているレシピデータを例に説明する。
【0006】
このレシピデータに基づいて、既に洗浄ユニットにて洗浄処理が開始されている場合、制御部は、この洗浄処理が完了したか否かの確認処理を実行する。この確認処理は、例えば、洗浄ユニットからの洗浄完了制御信号の有無を調べることにより実行される。
【0007】
次に、洗浄処理が完了したことが確認されると、制御部は、基板搬送ユニットに対して、洗浄ユニットから基板を搬出させる。続いて、制御部は、基板搬送ユニットに対して、受け取った基板を加熱ユニットに搬入させる。そして、制御部は、加熱ユニットに対して、基板を加熱する処理を実行させる。
【0008】
このように、同一の制御部により基板処理および搬送処理が実行される場合、制御部は、レシピデータに格納されている各基板の処理手順を確認することによって、基板の搬送手順を決定することができる。
【0009】
しかしながら、同一の制御部により管理される処理ユニットの台数が増加すると、場合によっては、その台数が制御部の処理能力を超え、単一の制御部により基板処理および搬送処理を制御することが困難になるという問題が生ずる。特に、基板搬送ユニットの周囲に処理ユニットを積層配置する場合、この問題が顕著となる。
【0010】
そこで、本発明では、基板の搬送処理を良好に実行できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、基板処理装置であって、各々が、基板に対して処理を施す複数の処理ユニットと、前記複数の処理ユニットのそれぞれとの間で、基板の受け渡しを行う基板搬送ユニットと、前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つの処理ユニットで実行される基板処理を制御する第1制御部と、前記基板搬送ユニットにより実行される搬送処理を制御する第2制御部とを備え、前記複数の処理ユニットのうち、前記第1制御部により基板処理が制御される第1処理ユニットと、前記基板搬送ユニットと、の間で基板が受け渡される場合において、前記第1および第2制御部のうち受け渡し側のユニットに対応する制御部は、受け取り側のユニットに対応する制御部に、受け渡される基板に関する基板情報データを受け渡し、前記基板情報データは、各基板処理の条件に関するレシピ関連データと、各基板の処理手順を特定するための処理フローデータとを有しており、前記処理フローデータは、各々が、前記複数の処理ユニットと一対一に対応しており、対応する処理ユニットで実行される基板処理の順序を示す複数の順序データと、各々が、前記複数の処理ユニットと一対一に対応しており、対応する処理ユニットにおける基板の処理状況を示す複数の処理状況データとを有しており、前記第2制御部は、前記処理フローデータに含まれる前記複数の順序データおよび前記複数の処理状況データに基づいて、基板の搬送先となる処理ユニットを決定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記第2制御部は、各順序データの大小関係に基づいて、各処理ユニットに基板が搬送される順序を決定するとともに、着目する順序データが非処理定数と同一値となる場合、該順序データに対応する処理ユニットを基板の搬送先から除外し、着目する2以上の順序データのそれぞれが非処理定数以外の値となり、かつ、該2以上の順序データが互いに同一となる場合、該2以上の順序データに対応する処理ユニットのうちのいずれか1つに、基板を搬送させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記第2制御部は、予め定められた処理ユニットの処理順序と、各順序データの値と、に基づいて、各処理ユニットに基板が搬送される順序を決定するとともに、着目する順序データが非処理定数と同一値となる場合、該順序データに対応する処理ユニットを搬送先から除外し、着目する順序データが単独処理定数と同一値となる場合、該順序データに対応する処理ユニットに基板を搬送し、着目する2以上の順序データのそれぞれが非処理定数および前記単独処理定数以外の値となり、かつ、該2以上の順序データが互いに同一となる場合、該2以上の順序データに対応する処理ユニットのうちのいずれか1つに、基板を搬送させることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、前記処理フローデータは、前記複数の処理状況データを、前記複数の処理ユニットに基づいた順番に連続して配置する第1データ列と、前記複数の順序データを、前記複数の処理ユニットに基づいた順番に連続して配置する第2データ列とを有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、前記処理フローデータは、対応する処理状況データおよび順序データを単位データとする場合、各単位データを、前記複数の処理ユニットに基づいた順番に連続して配置したものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1ないし請求項5に記載の発明によれば、第2制御部は、基板とともに受け渡される基板情報データの処理フローデータを参照することによって、各処理ユニットで実行される基板処理の順序、および、各処理ユニットにおける基板の処理状況、を把握することができる。
【0017】
これにより、第2制御部は、複数の処理ユニットで実行される各基板処理の履歴を管理することなく、各処理ユニットに基板を搬送する順序(基板搬送手順)を決定することができる。そのため、基板搬送手順を決定するための演算を簡略化することができ、演算コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1ないし第3の実施の形態における基板処理装置の構成の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1ないし第3の実施の形態における基板情報データのデータ構造の一例を示す図である。
【図3】レシピテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態における処理フローデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図5】図4における各処理状況データおよび順序データの値を示す図である。
【図6】第1の実施の形態における処理フローデータのデータ構造の他の一例を示す図である。
【図7】図6における各処理状況データおよび順序データの値を示す図である。
【図8】第1の実施の形態における処理フローデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図9】図8における各処理状況データおよび順序データの値を示す図である。
【図10】第2の実施の形態における処理フローデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図11】図10における各処理状況データおよび順序データの値を示す図である。
【図12】第3の実施の形態における処理フローデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図13】図12における各処理状況データおよび順序データの値を示す図である。
【図14】第3の実施の形態における処理フローデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図15】図14における各処理状況データおよび順序データの値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
<1.第1の実施の形態>
<1.1.基板処理装置のハードウェア構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態における基板処理装置1のハードウェア構成の一例を示す斜視図である。基板処理装置1は、レジスト塗布処理、熱処理(加熱または冷却処理)、および現像処理等の基板処理を実行する装置である。図1に示すように、基板処理装置1は、主として、ローダ10と、基板搬送ユニット20、40と、複数の制御部25、30、45、50と、アンローダ90と、複数の処理ユニットC00〜C15と、を備えている。
【0021】
ここで、本実施の形態において基板処理部5とは、図1中の一点鎖線で示すように、複数の処理ユニットC00〜C15と、基板搬送ユニット20、40と、から構成される処理ユニット群を指すものとする。
【0022】
ローダ10は、図1に示すように、基板処理部5(より具体的には、処理ユニットC00)と並設されている。ローダ10は、カセット(不図示)から取り出された未処理の基板を1枚ずつ取り出すとともに、取り出された未処理基板を基板処理部5の処理ユニットC00に受け渡す。なお、未処理基板が収納されたカセットは、基板処理装置1外の搬送機構(例えば、AGV(Automatic Guided Vehicle):図示省略)によって、ローダ10に搬入されてもよい。
【0023】
基板搬送ユニット20は、いわゆる搬送ロボットであり、不図示の搬送アームを、(1)上下方向(略Z軸方向)に延びる旋回軸周りに回動させ、(2)上下方向に昇降させ、(3)水平面内(XY平面と略平行な面内)で伸縮させることができる。これにより、基板搬送ユニット20は、搬送アームに保持された基板を、各処理ユニットC00〜C08に受け渡し、各処理ユニットC00〜C08から受け取ることができる。
【0024】
処理ユニットC00〜C08は、露光前処理として種々の基板処理を実行する。図1に示すように、各処理ユニットC00〜C08は、基板搬送ユニット20の周囲(より具体的には、ローダ10からアンローダ90に向かって(以下、単に、「基板搬送の下流側に向かって」とも称する)、基板搬送ユニット20の前後(略Y軸方向)および左右(略X軸方向))に配置されている。
【0025】
処理ユニットC00は、いわゆる洗浄ユニットであり、基板処理部5に投入された基板を薬液およびリンス液(純水)により洗浄する。図1に示すように、処理ユニットC00は、基板搬送の下流側に向かって、基板搬送ユニット20の後方に配置されている。処理ユニットC00としては、受け渡された基板を1枚ずつ洗浄する洗浄ユニットが採用されてもよいし、受け渡された複数の基板をコンベア搬送しつつ同時に洗浄する洗浄ユニットが採用されてもよい。
【0026】
処理ユニットC01、C02のそれぞれは、基板を加熱する加熱ユニットであり、互いに同様なハードウェア構成を有している。処理ユニットC00で洗浄された基板が、処理ユニットC01、C02のいずれかに搬入され、かつ、加熱されると、基板に付着するリンス液は蒸発し、基板は加熱乾燥される。処理ユニットC03は、基板を冷却する冷却ユニットである。例えば、処理ユニットC03は、処理ユニットC01、C02で昇温された基板を冷却する。図1に示すように、処理ユニットC01〜C03は、基板搬送の下流側に向かって基板搬送ユニット20の左側に配置され、かつ、上からこの順番に積層されている。
【0027】
処理ユニットC04は、基板にレジストを供給することによって、基板上にレジスト膜を形成する塗布ユニットである。また、処理ユニットC05は、いわゆる減圧乾燥ユニットであり、処理ユニットC04で基板表面に形成されたレジスト膜を予備乾燥する。図1に示すように、処理ユニットC04、C05は、基板搬送の下流側に向かって基板搬送ユニット20の右側に配置され、かつ、上からこの順番に積層されている。
【0028】
処理ユニットC06、C07のそれぞれは、基板を加熱する加熱ユニットであり、互いに同様なハードウェア構成を有している。レジスト塗布された基板が、処理ユニットC06、C07に搬入され、露光前の焼き締め処理(プリベーク処理)が実行されると、基板上に形成されたレジスト膜は固化する。処理ユニットC08は、基板を冷却する冷却ユニットである。例えば、処理ユニットC08は、処理ユニットC06、C07で加熱された基板を冷却する。図1に示すように、処理ユニットC06〜C08は、基板搬送の下流側に向かって基板搬送ユニット20の前方に配置され、かつ、上からこの順番に積層されている。
【0029】
制御部25(第2制御部)は、基板搬送ユニット20と電気的に接続されており、例えば、基板搬送ユニット20により実行される搬送処理を制御する。図1に示すように、制御部25は、主として、RAM(Random Access Memory)26と、ROM(Read Only Memory)27と、CPU(Central Processing Unit)29と、を有している。
【0030】
RAM26は、例えば揮発性の記憶部により構成されており、CPU29の演算処理で使用されるデータを記憶する。基板搬送ユニット20と各処理ユニットC00〜C08との間で基板が受け渡されるとき、RAM26には、基板の受け渡しと略同期し、制御部25および制御部30の間で受け渡される基板情報データ60が、記憶される(図1参照)。また、基板搬送ユニット20により複数の基板が保持されている場合、RAM26には、複数の基板情報データ60が記憶されることになる。
【0031】
ROM27は、いわゆる不揮発性の記憶部により構成されている。図1に示すように、ROM27には、例えばプログラム27aが記憶されている。なお、ROM27としては、読み書き自在の不揮発性メモリであるフラッシュメモリが採用されてもよい。
【0032】
CPU29は、ROM27のプログラム27aに従った動作制御やデータ演算を、所定のタイミングで実行する。例えば、CPU29は、各基板に対応する基板情報データ60に基づいて、各基板を次に搬送すべき処理ユニットを決定する。
【0033】
制御部30(第1制御部)は、各処理ユニットC00〜C08と電気的に接続されており、例えば、各処理ユニットC00〜C08で実行される基板処理を制御する。図1に示すように、制御部30は、主として、RAM31と、ROM32と、CPU34と、を有している。
【0034】
RAM31は、RAM26と同様なハードウェア構成を有しており、CPU34の演算処理で使用されるデータを記憶する。例えば、処理ユニットC00〜C08と基板搬送ユニット20との間で基板が受け渡されるとき、RAM31には、基板の受け渡しと略同期し、制御部30および制御部25の間で受け渡される基板情報データ60が、記憶される(図1参照)。また、処理ユニットC00〜C08に複数の基板が滞在している場合、RAM31には、複数の基板情報データ60が記憶されることになる。
【0035】
ここで、「処理ユニットC00〜C08に複数の基板が滞在している」とは、例えば、(1)処理ユニットC00〜C08のうちの2つの処理ユニットのそれぞれに、1枚ずつ基板が滞在している場合であっても良いし、(2)処理ユニットC00〜C08のうちの1つの処理ユニットに、2枚以上の基板が滞在している場合であっても良い。
【0036】
また、図1に示すように、RAM31には、複数のレシピを格納したレシピテーブル64aが、記憶されている。ここで、レシピとは、各処理ユニットC00〜C15で実行される各基板処理の条件(プロセスID)が格納されたデータであり、レシピテーブル64a の各レコード(行)に対応する。なお、レシピテーブル64aは、例えば、制御部30が起動する毎に、いわゆる大容量記憶部(例えば、ハードディスクドライブ:図示省略)からRAM31に転送されても良い。
【0037】
ROM32は、ROM27と同様に、いわゆる不揮発性の記憶部により構成されている。図1に示すように、ROM32には、例えばプログラム32aが記憶されている。なお、ROM32としては、ROM27と同様に、読み書き自在の不揮発性メモリであるフラッシュメモリが採用されてもよい。
【0038】
CPU34は、ROM32のプログラム32aに従った動作制御やデータ演算を実行する。例えば、CPU34は、処理ユニットC04のレジスト塗布処理において実行されるレジストの液温制御や吐出制御を、所定のタイミングで実行する。
【0039】
基板搬送ユニット40は、基板搬送ユニット20と同様なハードウェア構成を有する搬送ロボットであり、不図示の搬送アームを、(1)上下方向に延びる旋回軸周りに回動させ、(2)上下方向に昇降させ、(3)水平面内で伸縮させることができる。これにより、基板搬送ユニット40は、搬送アームに保持された基板を、複数の処理ユニットC09〜C15のそれぞれとの間で、受け渡すことができる。
【0040】
処理ユニットC09は、露光前処理が完了した基板上のレジスト膜に対して、配線等の微細パターンを露光する露光ユニットである。図1に示すように、処理ユニットC09は、処理ユニットC00〜C08の後工程に位置する。また、図1に示すように、処理ユニットC09は、基板搬送の下流側に向かって、処理ユニットC08の前方、かつ、処理ユニットC10の後方に、配置されている。ここで、処理ユニットC08から処理ユニットC09へ基板を受け渡す動作は、処理ユニットC09の搬送ロボット(図示省略)により実行されてもよい。
【0041】
処理ユニットC10〜C15は、露光後処理として種々の基板処理を実行する。図1に示すように、各処理ユニットC10〜C15は、基板搬送ユニット40の周囲(より具体的には、基板搬送の下流側に向かって、基板搬送ユニット40の前後および左右)に配置されている。
【0042】
処理ユニットC10は、露光処理が完了した基板上のレジスト膜に対し、現像液を供給することによって、露光されたパターンを現像する現像ユニットである。また、処理ユニットC10は、基板にリンス液(純水)を供給することによって、基板に付着する現像液を洗い流す。図1に示すように、処理ユニットC10は、基板搬送の下流側に向かって、基板搬送ユニット40の後方に配置されている。
【0043】
処理ユニットC11、C12のそれぞれは、基板を加熱する加熱ユニットであり、互いに同様なハードウェア構成を有している。処理ユニットC10で現像および洗浄された基板が、処理ユニットC11、C12のいずれかに搬入され、加熱処理(ポストベーク処理)が実行されると、レジスト中の溶剤および水分が除去され、レジスト膜と基板との密着性が高められる。処理ユニットC13は、基板を冷却する冷却ユニットであり、例えば、処理ユニットC11、C12で昇温された基板を冷却する。図1に示すように、処理ユニットC11〜C13は、基板搬送の下流側に向かって基板搬送ユニット40の左側に配置され、かつ、上からこの順番に積層されている。
【0044】
処理ユニットC14は、基板表面に紫外線を照射することによって、基板に付着する有機物(例えば、現像処理後に基板に付着するレジスト残渣)を除去する除去ユニットである。図1に示すように、処理ユニットC14は、基板搬送の下流側に向かって、基板搬送ユニット40の左側に配置されている。
【0045】
処理ユニットC15は、処理ユニットC00〜C14のうち、少なくとも1つの処理ユニットで実行された基板処理の良否を確認する検査ユニットである。図1に示すように、処理ユニットC15は、基板搬送の下流側に向かって、基板搬送ユニット40の前方に配置されている。
【0046】
制御部45(第2制御部)は、基板搬送ユニット40と電気的に接続されており、例えば、基板搬送ユニット40により実行される搬送処理を制御する。図1に示すように、制御部45は、主として、RAM46と、ROM47と、CPU49と、を有している。
【0047】
RAM46は、RAM26と同様なハードウェア構成を有しており、CPU49の演算処理で使用されるデータを記憶する。例えば、基板搬送ユニット40と各処理ユニットC09〜C15との間で基板が受け渡されるとき、RAM46には、基板の受け渡しと略同期し、制御部50および制御部45の間で受け渡される基板情報データ60が、記憶される(図1参照)。また、基板搬送ユニット40により複数の基板が保持されている場合、RAM46には、複数の基板情報データ60が記憶されることになる。
【0048】
ROM47は、ROM27と同様に、いわゆる不揮発性の記憶部により構成されている。図1に示すように、ROM47には、例えばプログラム47aが記憶されている。なお、ROM47としては、ROM27と同様に、読み書き自在の不揮発性メモリであるフラッシュメモリが採用されてもよい。
【0049】
CPU49は、ROM47のプログラム47aに従った動作制御やデータ演算を所定のタイミングで実行する。例えば、CPU49は、各基板に対応する基板情報データ60に基づいて、各基板を次に搬送すべき処理ユニットを決定する。
【0050】
制御部50(第1制御部)は、各処理ユニットC09〜C15と電気的に接続されており、例えば、各処理ユニットC09〜C15で実行される基板処理を制御する。図1に示すように、制御部50は、主として、RAM51と、ROM52と、CPU54と、を有している。
【0051】
RAM51は、RAM26と同様なハードウェア構成を有しており、CPU54の演算処理で使用されるデータを記憶する。例えば、各処理ユニットC09〜C15と基板搬送ユニット40との間で基板が受け渡されるとき、RAM51には、基板の受け渡しと略同期し、制御部50および制御部45の間で受け渡される基板情報データ60が、記憶される(図1参照)。また、処理ユニットC09〜C15に複数の基板が滞在している場合、RAM51には、複数の基板情報データ60が記憶されることになる。
【0052】
また、図1に示すように、RAM51には、RAM31と同様に、複数のレシピを格納したレシピテーブル64aが、記憶されている。なお、レシピテーブル64aは、例えば、制御部50が起動する毎に、いわゆる大容量記憶部(例えば、ハードディスクドライブ:図示省略)からRAM51に転送されても良い。
【0053】
ROM52は、ROM27と同様に、いわゆる不揮発性の記憶部により構成されている。図1に示すように、ROM52には、例えばプログラム52aが記憶されている。なお、ROM52としては、ROM27と同様に、読み書き自在の不揮発性メモリであるフラッシュメモリが採用されてもよい。
【0054】
CPU54は、ROM52のプログラム52aに従った動作制御やデータ演算を実行する。例えば、CPU54は、処理ユニットC10の現像処理において実行される現像液の液温制御や吐出制御を、所定のタイミングで実行する。
【0055】
アンローダ90は、図1に示すように、基板処理部5(より具体的には、処理ユニットC15)と並設されている。アンローダ90は、基板処理部5で処理された処理済み基板を受け取る。そして、受け取られた基板は、カセット(不図示)内の対応するスロットに収納される。
【0056】
<1.2.基板情報データのデータ構造>
図2は、本実施の形態における基板情報データ60のデータ構造の一例を示す図である。図3は、レシピテーブル64aのデータ構造の一例を示す図である。ここでは、制御部25、30、45、50に記憶される基板情報データ60と、制御部30、50に記憶されるレシピテーブル64aと、のデータ構造について説明する。
【0057】
基板情報データ60は、処理ユニットC00〜C15と、基板搬送ユニット20、40と、の間で受け渡される基板に関する情報であり、各基板毎に生成される。また、基板情報データ60は、基板の受け渡しと略同期し、基板の受け渡し側のユニットに対応する制御部から、受け取り側のユニットに対応する制御部に、受け渡される。
【0058】
例えば、処理ユニットC00から基板搬送ユニット20に基板が受け渡される場合、対応する基板情報データ60は、受け渡し側の処理ユニットC00を制御する制御部30から、受け取り側の基板搬送ユニット20を制御する制御部25に、受け渡される。
【0059】
図2に示すように、基板情報データ60は、複数の特性データ(例えば、「基板ID」、「カセットNO」、「スロットNO」、「レシピID」、および「処理フローデータ」等)を有している。また、図2に示すように、各特性データは、対応する格納部61〜65に格納されている。
【0060】
すなわち、基板ID格納部61には、各基板を一意に識別するためのデータ(基板識別データ)として「基板ID」(数値や文字列等により構成)が格納されている。また、カセットNO格納部62には、対応する基板が収納されていたカセットを特定するためのデータとして、「カセットNO」が格納されている。また、スロットNO格納部63には、カセット内における基板の収納場所(スロット)を特定するためのデータとして、「スロットNO」が格納されている。
【0061】
また、レシピID格納部64には、各基板処理の条件(レシピ)に関するレシピ関連データとして、「レシピID」が格納されている。ここで、「レシピID」は、レシピテーブル64aに格納されている各レシピを識別するために使用される。なお、レシピテーブル64aのデータ構造については、後述する。
【0062】
さらに、処理フロー格納部65には、各基板の処理手順を特定するためのデータとして、「処理フローデータ」が格納されている。なお、「処理フローデータ」のデータ構造については、後述する。
【0063】
<1.3.レシピテーブルのデータ構造>
図3は、レシピテーブル64aのデータ構造の一例を示す図である。レシピテーブル64aは、複数のレシピを格納するデータベースであり、レシピテーブル64aの各行(レコード)がレシピに対応する。図3に示すように、レシピテーブル64aは、主として、「レシピID」、「洗浄処理」、「塗布処理」、「プリベーク」、「露光処理」、「現像処理」、および「ポストベーク」の各フィールド(列)を有している。なお、図示の都合上、図3のレシピテーブル64aには、一部の処理ユニット(処理ユニットC00、C04、C06、C07、C09〜C12)の基板処理の条件が記載されている。
【0064】
「レシピID」フィールドには、レシピテーブル64aに含まれる各レコードを一意に識別するための値(数値や文字列等)が格納されている。基板情報データ60のレシピID格納部64には、各レコードの「レシピID」の値のうち、いずれかが格納されている。
【0065】
「洗浄処理」フィールドには、処理ユニットC00で実行される洗浄処理の条件を特定するプロセスID(数値)が、格納されている。また、「塗布処理」フィールドには、処理ユニットC04で実行されるレジスト塗布処理の条件を特定するプロセスIDが、格納されている。また、「プリベーク」フィールドには、処理ユニットC06、C07のいずれかで実行されるプリベーク処理(加熱処理)の条件を特定するプロセスIDが、格納されている。
【0066】
また、「露光処理」フィールドには、処理ユニットC09で実行される露光処理の条件を特定するプロセスIDが、格納されている。また、「現像処理」フィールドには、処理ユニットC10で実行される現像処理の条件を特定するプロセスIDが、格納されている。さらに、「ポストベーク」フィールドには、処理ユニットC11、C12のいずれかで実行されるポストベーク処理(加熱処理)の条件を特定するプロセスIDが、格納されている。
【0067】
ここで、「洗浄処理」、「塗布処理」、「プリベーク」、「露光処理」、「現像処理」、および「ポストベーク」の各フィールドに格納されるプロセスIDとは、対応する基板処理の条件が格納されたデータ(プロセスデータ)を一意に識別するための値である。各プロセスIDおよび各プロセスデータは、一対一に対応付けられている。したがって、制御部30、50は、プロセスIDを用いた検索処理を実行することによって、対応するプロセスデータを抽出し、対応する処理ユニットC00〜C15に対して所望の処理を実行させることができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、同種の基板処理、および異なった基板処理に関わらず、処理条件毎に異なったプロセスIDが割り当てられている。したがって、あるフィールドのプロセスIDは、他のフィールドに格納されることがない。例えば、「洗浄処理」=「1」となるプロセスIDが存在するため、他のフィールドには、プロセスIDが「1」となるものが存在しない。
【0069】
ただし、同種の基板処理において各処理条件が識別できれば十分なため、異なったフィールドで同一のプロセスIDが使用されてもよい。例えば、各フィールド毎に、「1」〜「30」までのいずれかのプロセスIDが格納されてもよい。
【0070】
<1.4.処理フローデータのデータ構造>
図4は、本実施の形態における処理フローデータ66aのデータ構造の一例を示す図である。また、図5は、処理フローデータ66aに格納されている処理状況データおよび順序データの値を、各処理ユニットC00〜C15毎に表形式(テーブル状)にまとめた図である。
【0071】
ここで、処理フローデータ66aは、複数の処理状況データと、複数の順序データと、を有している。基板搬送ユニット20、40の搬送処理を制御する制御部25、45は、処理フローデータ66aに基づいて、各処理ユニットC00〜C15の搬送順序を決定する。
【0072】
また、図4に示すように、処理フローデータ66aは、複数のワードデータW00〜W04から構成されている。本実施の形態において、各ワードデータW00〜W04は、データ容量が16ビットのデータ列として構成されている。したがって、処理フローデータ66aは、80ビットのデータを格納することができる。
【0073】
なお、各ワードデータW00〜W04について、最下位のビット位置が符号D00に、最上位のビット位置が符号D15に、それぞれ対応している。また、以降の説明では、処理フローデータ66a、および後述する処理フローデータ66b、66c(図6ないし図9参照)を総称して、処理フローデータ66とも呼ぶ。
【0074】
ワードデータW00は、各処理ユニットC00〜C15の処理状況データ(処理状況フラグ)を格納している。すなわち、ワードデータW00の各ビット位置D00〜D15には、各処理ユニットC00〜C15と一対一に対応しており、対応する処理ユニットにおける基板の処理状況(「処理済み」または「未処理」)を示す処理状況データ(1ビットデータ)が、格納されている。
【0075】
ここで、処理状況データの値が「1」および「0」の場合、それぞれ対応する処理ユニットで実行される基板処理が「処理済み」および「未処理」であることを示す。したがって、ビット位置D00の値(=「1」)は、処理ユニットC00で基板処理(洗浄処理)が「処理済み」であることを示す。一方、ビット位置D13の値(=「0」)は、処理ユニットC13での基板処理(冷却処理)が「未処理」であることを示す。
【0076】
なお、対応する処理ユニットC00〜C15での処理が完了すると、制御部30、50は、対応する処理状況データに「1」を格納する。例えば、図4および図5において、処理ユニットC13での基板処理が完了すると、処理ユニットC13に対応(すなわち、処理ユニットC13を制御)する制御部30は、ワードデータW00のビット位置D13に「1」を格納する。
【0077】
ワードデータW01〜W04は、複数(本実施の形態では、16個)の順序データを格納している。ここで、複数の順序データのそれぞれは、各処理ユニットC00〜C15と一対一に対応しており、対応する処理ユニットに搬送される順序(その結果、対応する処理ユニットで実行される基板処理の順序)を示す。
【0078】
図4に示すように、ワードデータW01において、(1)ビット位置D00〜D03、(2)ビット位置D04〜D07、(3)ビット位置D08〜D11、および(4)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータには、それぞれ処理ユニットC00〜C03の順序データが格納されている。
【0079】
また、ワードデータW02において、(5)ビット位置D00〜D03、(6)ビット位置D04〜D07、(7)ビット位置D08〜D11、および(8)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータには、それぞれ処理ユニットC04〜C07の順序データが格納されている。
【0080】
また、ワードデータW03において、(9)ビット位置D00〜D03、(10)ビット位置D04〜D07、(11)ビット位置D08〜D11、および(12)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータには、それぞれ処理ユニットC08〜C11の順序データが格納されている。
【0081】
また、ワードデータW04において、(13)ビット位置D00〜D03、(14)ビット位置D04〜D07、(15)ビット位置D08〜D11、および(16)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータには、それぞれ処理ユニットC12〜C15の順序データが格納されている。
【0082】
例えば、ワードデータW04のビット位置D04〜D07で示される値は、「11」である(図4参照)。したがって、処理フローデータ66aからは、処理ユニットC13の基板処理(冷却処理)の順序が第11番目であるということが、把握される。
【0083】
このように、本実施の形態の処理フローデータ66は、図4に示すように、
(1)複数の処理状況データ(1ビットデータ)を、各処理ユニットC00〜C15に基づいた順番(例えば、各処理ユニットに付与された符号の順番)に連続して配置するワードデータW00(第1データ列)と、
(2)複数の順序データを、各処理ユニットC00〜C15に基づいた順番に連続して配置するワードデータW01〜W04(第2データ列)と、
を有している。
【0084】
<1.5.処理フローデータによる基板の搬送手順>
図6は、処理フローデータ66bのデータ構造を示す図である。図7は、処理フローデータ66bにおける処理状況データおよび順序データの値を、各処理ユニットC00〜C15毎に表形式にまとめた図である。図8は、処理フローデータ66cのデータ構造を示す図である。図9は、処理フローデータ66cにおける処理状況データおよび順序データの値を、各処理ユニットC00〜C15毎に表形式にまとめた図である。
【0085】
ここで、本実施の形態において、基板搬送ユニット20、40の搬送処理を制御する制御部25、45は、受け渡された各基板の処理フローデータ66(66a〜66c)に、以下の規則A1〜A4を適用することによって、搬送先の処理ユニットC00〜C15を決定する。そこで、以下では、これら規則A1〜A4を説明するとともに、制御部25、45により実行される基板の搬送手順を説明する。
【0086】
なお、処理フローデータ66b、66cは、規則A1〜A4の説明の便宜のために作成されたデータである。したがって、処理フローデータ66b、66cにより実行される処理手順は、実際の基板に施される処理手順と相違する場合がある。
【0087】
<1.5.1.規則A1>
制御部25、45は、各順序データの大小関係に基づいて、各処理ユニットC00〜C15に基板が搬送される順序を決定する。ここで、順序データの小さい順(昇順)に、基板が搬送される場合について検討する。基板は、順序データが最小値(=「1」)となる処理ユニットC00に、最初に搬送される。また、処理フローデータ66a(図4および図5参照)において、順序データの値が「5」となる処理ユニットC05の搬送順序は、処理ユニットC04(順序データ=「4」)の次となる。
【0088】
<1.5.2.規則A2>
また、着目する順序データの値が「0」となる場合、制御部25、45は、この順序データに対応する処理ユニットC00〜C15が搬送除外ユニットであると判断し、この搬送除外ユニットは基板の搬送先から除外される。例えば、処理フローデータ66b(図6および図7参照)において、処理ユニットC03の順序データには、「0」が格納されている。したがって、処理ユニットC03には基板が搬送されず、基板に対して処理(冷却処理)が施されない。
【0089】
<1.5.3.規則A3>
また、着目する2以上の順序データの値が、「0」以外の値となり、かつ、この2以上の順序データの値が互いに同一となる場合、制御部25、45は、これら順序データに対応する処理ユニットC00〜C15のうちのいずれか1つに、基板を搬送させる。
【0090】
例えば、処理フローデータ66a(図4および図5参照)において、処理ユニットC01、C02は、その順序データの値が互いに同一(いずれも「2」)である。したがって、制御部25は、処理ユニットC01、C02のうち、受け入れ可能なユニットに、基板を搬送させる。このように、同種の基板処理を実行可能な処理ユニットC01、C02は、搬送先として、いずれか1つを選択することができ、これら処理ユニットC01、C02のそれぞれは、択一的に選択可能な処理ユニット(以下、単に、「択一選択ユニット」とも呼ぶ)として使用される。
【0091】
また、処理フローデータ66aに示すように、処理ユニットC06、C07のそれぞれ、および処理ユニットC11、C12のそれぞれも、択一選択ユニットとして使用可能である。
【0092】
なお、同種の基板処理を実行可能な複数の択一選択ユニットのうち、一部(1または2以上)の処理ユニットが、搬送先として明示的に設定される場合、対応する各順序データには、以下の値が設定される。すなわち、複数の択一選択ユニットのうち、搬送先から除外される(1または2以上の)処理ユニットの順序データには、「0」が格納される。一方、搬送先とされる(1または2以上の)処理ユニットの順序データには、「0」以外の同一値(すなわち、「1」〜「15」のうちのいずれかの値)が格納される。これにより、複数の択一選択ユニットのうち、順序データに「0」以外の同一値が格納された処理ユニットのみが、搬送先とされる。
【0093】
例えば、処理フローデータ66b(図6および図7参照)に示すように、同種のポストベーク処理を実行可能な処理ユニット(択一選択ユニット)C11、C12について、処理ユニットC11の順序データには「0」が、処理ユニットC12の順序データには「7」が、それぞれ格納されている。そのため、択一選択ユニットC11、C12のうちの処理ユニットC12のみが、搬送先として選択される。
【0094】
<1.5.4.規則A4>
さらに、制御部25、45は、処理状況データの値が「0」以外となる処理ユニットC00〜C15のうち、最も優先順位の高いものを、搬送先とする。例えば、処理フローデータ66bに示すように、処理ユニットC10での基板処理が完了し、制御部50によりワードデータW00のビット位置D10に「1」が格納されるとともに、制御部50から制御部45に対応する基板情報データ60が受け渡されると、基板搬送ユニット40の制御部45は、処理ユニットC12を次の搬送先に設定する。
【0095】
また同様に、処理フローデータ66aの場合には処理ユニットC11、C12のいずれかが、処理フローデータ66c(図8および図9参照)の場合には処理ユニットC13が、次の搬送先に設定される。
【0096】
<1.5.5.規則A1〜A4による基板の搬送手順>
上述の規則A1〜A4が、処理フローデータ66aに適用されると、制御部25、45は、基板搬送ユニット20、40に対して、次の搬送処理を実行させる。
【0097】
すなわち、基板搬送ユニット20による基板搬送に先立って、基板は、ローダ10側から処理ユニットC00に搬入され、処理ユニットC00で洗浄処理が実行される。処理ユニットC00で洗浄処理が完了し、処理ユニットC00から基板搬送ユニット20に基板が受け渡されると、基板搬送ユニット20は、受け取った基板を、処理ユニットC01、C02のいずれかに搬送した後、処理ユニットC03、C04、C05の順に搬送する。続いて、基板搬送ユニット20は、処理ユニットC05から受け取った基板を、処理ユニットC06、C07のいずれかに搬送した後、処理ユニットC08に搬送する。
【0098】
一方、基板搬送ユニット40は、処理ユニットC08〜C10での基板処理が完了し、処理ユニットC10から受け取った基板を、処理ユニットC11、C12のいずれかに搬送した後、処理ユニットC13に搬送する。そして、処理ユニットC13での基板処理が完了すると、基板は、アンローダ90側に搬出される。
【0099】
また、上述の規則A1〜A4が、処理フローデータ66bに適用されると、制御部25、45は、基板搬送ユニット20、40に対して、次の搬送処理を実行させる。
【0100】
ここで、図6および図7に示すように、処理ユニットC01〜C03の順序データには、いずれも「0」が格納されており、処理ユニットC01〜C03は、基板の搬送先から除外されている。したがって、処理ユニットC00で洗浄処理が完了し、処理ユニットC00から基板搬送ユニット20に基板が受け渡されると、基板搬送ユニット20は、受け取った基板を処理ユニットC04に搬送する。
【0101】
続いて、基板搬送ユニット20は、処理ユニットC04から受け取った基板を、処理ユニットC05を経由させず、処理ユニットC06、C07のいずれかに搬送した後、処理ユニットC08に搬送する。
【0102】
ここで、処理フローデータ66bにおいて、択一選択ユニットとして使用可能な処理ユニットC11、C12のうちの処理ユニットC11の「順序データ」のみが「0」とされている。すなわち、処理フローデータ66bに基づいた処理手順では、択一選択ユニットC11、C12のうちの1つの処理ユニットC12が常に選択され、処理ユニットC11は基板の搬送先から除外されている。
【0103】
したがって、基板搬送ユニット40は、処理ユニットC08〜C10での基板処理が完了し、処理ユニットC10から受け取った基板を、処理ユニットC12に搬送する。そして、処理ユニットC12での基板処理が完了すると、基板は、アンローダ90側に搬出される。
【0104】
なお、択一選択ユニットの台数が3以上となる場合において、少なくとも1つの処理ユニットの「順序データ」の値が「0」となるように処理フローデータ66が設定されてもよい。この場合、択一選択ユニットのうちの一部(一または複数)の処理ユニットが、選択される。
【0105】
さらに、上述の規則A1〜A4が、処理フローデータ66cに適用されると、制御部25、45は、基板搬送ユニット20、40に対して、次の搬送処理を実行させる。
【0106】
ここで、図8および図9に示すように、処理ユニットC01、C02の順序データには「0」以外の同一値(=「3」)が格納されている。また、処理ユニットC03、C04、C05の順序データには、それぞれ「2」、「5」、「4」が格納されている。すなわち、処理ユニットC01〜C03において、各処理ユニットに基板が搬送される順番は、対応する符号の昇順(C01またはC02→C03)でなく、降順(C03→C01またはC02)となる。
【0107】
このように、本実施の形態の処理フローデータ66が使用され、基板搬送が実行される場合、基板搬送ユニット20、40は、予め各処理ユニットに割り付けられた搬送順序に限定されず、ランダムな順序で各処理ユニットに基板を搬送することができる。
【0108】
したがって、処理ユニットC00で洗浄処理が完了し、処理ユニットC00から基板搬送ユニット20に基板が受け渡されると、基板搬送ユニット20は、受け取った基板を、処理ユニットC03に搬送した後、処理ユニットC01、C02のいずれかに搬送する。また、基板搬送ユニット20は、処理ユニットC01、C02のいずれかより受け取った基板を、処理ユニットC05、C04の順に搬送する。そして、基板搬送ユニット20は、処理ユニットC06、C07のいずれかに搬送した後、処理ユニットC08に搬送する。
【0109】
一方、基板搬送ユニット40は、処理フローデータ66aの場合と同様に、処理ユニットC08〜C10での基板処理が完了し、処理ユニットC10から受け取った基板を、処理ユニットC11、C12のいずれかに搬送した後、処理ユニットC13に搬送する。そして、処理ユニットC13での基板処理が完了すると、基板は、アンローダ90側に搬出される。
【0110】
<1.6.第1の実施の形態の基板処理装置の利点>
以上のように、第1の実施の形態の制御部25、45(第2制御部)は、基板とともに受け渡される基板情報データ60の処理フローデータ66を参照することによって、各処理ユニットC00〜C15で実行される基板処理の順序、および、各処理ユニットC00〜C15における基板の処理状況(未処理または処理済み)、を把握することができる。
【0111】
すなわち、制御部25、45は、ワードデータW00に格納されている複数の処理状況データと、ワードデータW01〜W04に格納されている複数の順序データと、に基づいて、基板の搬送先となる処理ユニットC00〜C15を決定することができる。
【0112】
これにより、制御部25、45は、複数の処理ユニットC00〜C15で実行される各基板処理の履歴を管理することなく、処理フローデータ66に基づいて、各処理ユニットに基板を搬送する手順を決定することができる。そのため、第1の実施の形態の基板処理装置1は、基板搬送手順を決定するための演算を簡略化することができ、演算コストを低減することができる。
【0113】
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の板処理装置100は、第1の実施の形態の基板処理装置1と比較して、各制御部間で受け渡される基板情報データ(さらに言うと、処理フローデータ)のデータ構造が相違する点を除いては、第1の実施の形態と同様である。そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。
【0114】
なお、以下の説明において、第1の実施の形態の基板処理装置1における構成要素と同様な構成要素については同一符号を付している。これら同一符号の構成要素は、第1の実施の形態において説明済みであるため、本実施形態では説明を省略する。
【0115】
<2.1.処理フローデータのデータ構造>
図10は、本実施の形態における処理フローデータ166aのデータ構造の一例を示す図である。処理フローデータ166(166a)は、処理フローデータ66と同様に、各基板の処理手順を特定するデータである。図10に示すように、処理フローデータ166aは、複数のワードデータW11〜W14から構成されている。
【0116】
ここで、各ワードデータW11〜W14は、第1の実施の形態の各ワードデータW00〜W04と同様に、データ容量が16ビットのデータ列として構成されている。したがって、処理フローデータ166aは、64ビットのデータを格納することができる。
【0117】
また、各ワードデータW11〜W14は、第1の実施の形態の各ワードデータW00〜W04と同様に、最下位のビット位置が符号D00に、最上位のビット位置が符号D15に、それぞれ対応する。
【0118】
ワードデータW11は、4つの単位データから構成されている。図10に示すように、ワードデータW11において、(1)ビット位置D00〜D03、(2)ビット位置D04〜D07、(3)ビット位置D08〜D11、および(4)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータが、それぞれ処理ユニットC00、C01、C02、C03の単位データに対応する。
【0119】
また、ワードデータW11において、処理ユニットC00〜C03の各単位データは、1ビットの処理状況データと、3ビットの順序データと、から構成されている。例えば、処理ユニットC00の単位データは、ビット位置D00の処理状況データと、ビット位置D01〜D03の順序データと、から構成されている。このように、単位データを構成する処理状況データおよび順序データは、互いに同一の処理ユニットに対応している。
【0120】
また同様に、処理ユニットC01の単位データはビット位置D04の処理状況データとビット位置D05〜D07の順序データとから、処理ユニットC02の単位データはビット位置D08の処理状況データとビット位置D09〜D11の順序データとから、処理ユニットC03の単位データはビット位置D12の処理状況データとビット位置D13〜D15の順序データとから、それぞれ構成されている。
【0121】
また、ワードデータW12は、ワードデータW11と同様に、4つの単位データから構成されている。図10に示すように、ワードデータW12において、(1)ビット位置D00〜D03、(2)ビット位置D04〜D07、(3)ビット位置D08〜D11、および(4)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータが、それぞれ処理ユニットC04、C05、C06、C07の単位データに対応する。
【0122】
また、ワードデータW12において、処理ユニットC04の単位データはビット位置D00の処理状況データとビット位置D01〜D03の順序データとから、処理ユニットC05の単位データはビット位置D04の処理状況データとビット位置D05〜D07の順序データとから、処理ユニットC06の単位データはビット位置D08の処理状況データとビット位置D09〜D11の順序データとから、処理ユニットC07の単位データはビット位置D12の処理状況データとビット位置D13〜D15の順序データとから、それぞれ構成されている。
【0123】
また、ワードデータW13は、ワードデータW11、W12と同様に、4つの単位データから構成されている。図10に示すように、ワードデータW13において、(1)ビット位置D00〜D03、(2)ビット位置D04〜D07、(3)ビット位置D08〜D11、および(4)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータが、それぞれ処理ユニットC08、C09、C10、C11の単位データに対応する。
【0124】
また、ワードデータW13において、処理ユニットC08の単位データはビット位置D00の処理状況データとビット位置D01〜D03の順序データとから、処理ユニットC09の単位データはビット位置D04の処理状況データとビット位置D05〜D07の順序データとから、処理ユニットC10の単位データはビット位置D08の処理状況データとビット位置D09〜D11の順序データとから、処理ユニットC11の単位データはビット位置D12の処理状況データとビット位置D13〜D15の順序データとから、それぞれ構成されている。
【0125】
さらに、ワードデータW14は、ワードデータW11、W12、W13と同様に、4つの単位データから構成されている。図10に示すように、ワードデータW14において、(1)ビット位置D00〜D03、(2)ビット位置D04〜D07、(3)ビット位置D08〜D11、および(4)ビット位置D12〜D15で表される各4ビットデータが、それぞれ処理ユニットC12、C13、C14、C15の単位データに対応する。
【0126】
また、ワードデータW14において、処理ユニットC08の単位データはビット位置D00の処理状況データとビット位置D01〜D03の順序データとから、処理ユニットC09の単位データはビット位置D04の処理状況データとビット位置D05〜D07の順序データとから、処理ユニットC10の単位データはビット位置D08の処理状況データとビット位置D09〜D11の順序データとから、処理ユニットC11の単位データはビット位置D12の処理状況データとビット位置D13〜D15の順序データとから、それぞれ構成されている。
【0127】
このように、本実施の形態の処理フローデータ166aは、図10に示すように、各単位データを、各処理ユニットC00〜C15の符号の順(符号の昇順)に連続して配置したものである。
【0128】
ここで、本実施の形態の処理フローデータ166aと、第1の実施の形態の処理フローデータ66bと、を比較する。図11は、処理フローデータ166aにおける処理状況データおよび順序データの値を、各処理ユニットC00〜C15毎に表形式(テーブル状)にまとめた図である。図6、図7、図10、および図11に示すように、処理フローデータ166aのデータ構造は、処理フローデータ66bのものと相違する。一方、両処理フローデータ66b、166aに格納されている各処理状況データおよび順序データの値は同一である。したがって、両処理フローデータ66b、166aに上述の規則A1〜A4が適用されると、両処理フローデータ66b、166aからは、同一の基板搬送手順が実行される。
【0129】
また、処理フローデータ166a(総データ容量:64ビット)のデータサイズは、処理フローデータ66(総データ容量:80ビット)のデータサイズより小さい。そのため、各制御部25、30、45、50間のデータ通信(送受信)量が低減され、各制御部25、30、45、50間で実行されるデータ通信の処理負荷が低減できる。
【0130】
なお、上述のように、処理フローデータ166aにより実行される基板の搬送手順は、処理フローデータ66bにより実行される基板の搬送手順と同様なものとなり、第1の実施の形態で説明済みであるため、ここでは、説明を省略する。
【0131】
<2.2.第2の実施の形態の基板処理装置の利点>
以上のように、第2の実施の形態の基板処理装置100は、処理フローデータ166(166a)に基づいて、各処理ユニットC00〜C15に基板を搬送する手順を決定することができる。そのため、第2の実施の形態の基板処理装置100は、第1の実施の形態の基板処理装置1と同様に、基板搬送手順を決定するための演算を簡略化することができ、演算コストを低減することができる。
【0132】
また、第2の実施の形態で使用される処理フローデータ166のデータサイズは、第1の実施の形態で使用される処理フローデータ66のデータサイズより小さい。そのため、各制御部25、30、45、50間で実行されるデータ通信の処理負荷が低減される。
【0133】
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態の基板処理装置200は、第2の実施の形態の基板処理装置100と比較して、基板情報データ260の処理フローデータ266に格納される値と、搬送先の処理ユニットC00〜C15を決定する規則と、が異なる点を除いては、第2の実施の形態と同様である。そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。
【0134】
なお、以下の説明において、第1および第2の実施の形態の基板処理装置1、100における構成要素と同様な構成要素については同一符号を付している。これら同一符号の構成要素は、第1および第2の実施の形態において説明済みであるため、本実施形態では説明を省略する。
【0135】
<3.1.処理フローデータによる基板の搬送手順>
図12は、本実施の形態における処理フローデータ266aのデータ構造を示す図である。図13は、処理フローデータ266aにおける処理状況データおよび順序データの値を、各処理ユニットC00〜C15毎に表形式にまとめた図である。
【0136】
また、図14は、本実施の形態における処理フローデータ266bのデータ構造を示す図である。図15は、処理フローデータ266bにおける処理状況データおよび順序データの値を、各処理ユニットC00〜C15毎に表形式にまとめた図である。
【0137】
ここで、本実施の形態において、基板搬送ユニット20、40の搬送処理を制御する制御部25、45は、受け渡された各基板の処理フローデータ266(266a、266b)に、以下の規則B1〜B5を適用することによって、搬送先の処理ユニットC00〜C15を決定する。そこで、以下では、これら規則B1〜B5を説明するとともに、制御部25、45により実行される基板の搬送手順を説明する。
【0138】
なお、図12および図14に示すように、処理フローデータ266は、第2の実施の形態の処理フローデータ166aと同様に、複数のワードデータW11〜W14から構成されている。また、処理フローデータ266は、第2の実施の形態の処理フローデータ166aと同様に、各単位データを各処理ユニットC00〜C15の符号の順(符号の昇順)に連続して配置したものである。
【0139】
<3.1.1.規則B1>
制御部25、45は、原則、予め定められた処理ユニットC00〜C15の処理順序に基づいて、各処理ユニットC00〜C15に基板を搬送させる。本実施の形態において、各処理ユニットC00〜C15には、付与された符号C00〜C15の順(例えば、符号の昇順)に、基板が搬送される。また、制御部25、45は、以下の規則B2〜B5に基づいて、予め定められた処理順序を修正し、各処理ユニットに基板が搬送される順序を決定する。
【0140】
<3.1.2.規則B2>
着目する順序データの値が「0」となる場合、制御部25、45は、この順序データに対応する処理ユニットC00〜C15が搬送除外ユニットであると判断し、この搬送除外ユニットは基板の搬送先から除外される。例えば、処理フローデータ266b(図14および図15参照)において、処理ユニットC01〜C03の順序データには、いずれも「0」が格納されている。したがって、処理ユニットC00で基板処理された基板は、処理ユニットC01〜C03に搬送されず、処理ユニットC04に搬送される。
【0141】
<3.1.3.規則B3>
また、着目する順序データの値が「1」となる場合、制御部25、45は、この順序データに対応する処理ユニットC00〜C15が常に基板の搬送対象となる必須処理ユニットであると判断し、この必須処理ユニットに基板を搬送させる。
【0142】
例えば、処理フローデータ266a(図12および図13参照)において、各処理ユニットC03〜C05の順序データには、いずれも「1」が格納されており、これら処理ユニットC03〜C05は、いずれも搬送対象となる。したがって、処理ユニットC03、C04、C05の搬送順序は、対応する符号の昇順(C03→C04→C05)となる。
【0143】
<3.1.4.規則B4>
また、着目する2以上の順序データの値が、「0」および「1」以外の値となり、かつ、この2以上の順序データの値が互いに同一となる場合、制御部25、45は、これら順序データに対応する択一選択ユニットのうちのいずれか1つに、基板を搬送させる。
【0144】
例えば、処理フローデータ266a(図12および図13参照)において、処理ユニット(択一選択ユニット)C01、C02は、その順序データの値が互いに同一(いずれも「2」)である。したがって、制御部25は、処理ユニットC01、C02のうち受け入れ可能なユニットに、基板を搬送させる。
【0145】
また、処理フローデータ266aに示すように、処理ユニットC06、C07のそれぞれ、および処理ユニットC11、C12のそれぞれも、択一選択ユニットとして使用可能である。
【0146】
なお、複数の択一選択ユニットのうち、一部(1または2以上)の処理ユニットが、搬送先として明示的に設定される場合、対応する各順序データに、以下の値が設定される。すなわち、複数の択一選択ユニットのうち、搬送先から除外される(1または2以上の)処理ユニットの順序データには、「0」が格納される。一方、搬送先とされる(1または2以上の)処理ユニットの順序データには、「0」および「1」以外の同一値(すなわち、「2」〜「7」のうちのいずれかの値)が格納される。これにより、複数の択一選択ユニットのうち、順序データに「0」および「1」以外の同一値が格納された処理ユニットのみが、搬送先とされる。
【0147】
例えば、処理フローデータ266b(図14および図15参照)に示すように、同一のポストベーク処理を実行可能な処理ユニット(択一選択ユニット)C11、C12について、処理ユニットC11の順序データには「0」が、処理ユニットC12の順序データには「3」が、それぞれ格納されている。そのため、択一選択ユニットC11、C12のうちの処理ユニットC12のみが、搬送先として選択される。
【0148】
<3.1.5.規則B5>
さらに、制御部25、45は、処理状況データの値が「0」となる処理ユニットC00〜C15のうち、最も優先順位の高いものを、搬送先とする。例えば、処理フローデータ266bに示すように、処理ユニットC10での基板処理が完了し、制御部50によりワードデータW13のビット位置D08に「1」が格納されるとともに、制御部50から制御部45に対応する基板情報データ60が受け渡されると、基板搬送ユニット40の制御部45は、処理ユニットC12を次の搬送先として設定する。
【0149】
また同様に、処理フローデータ266aの場合には処理ユニットC11、C12のいずれかが、次の搬送先として設定される。
【0150】
<3.1.6.規則B1〜B5による基板の搬送手順>
上述の規則B1〜B5が、処理フローデータ266aに適用されると、制御部25、45は、基板搬送ユニット20、40に対して、次の搬送処理を実行させる。
【0151】
すなわち、基板搬送ユニット20による基板搬送に先立って、基板は、ローダ10側から処理ユニットC00に搬入され、処理ユニットC00で洗浄処理が実行される。処理ユニットC00で洗浄処理が完了し、処理ユニットC00から基板搬送ユニット20に基板が受け渡されると、基板搬送ユニット20は、受け取った基板を、処理ユニットC01、C02のいずれかに搬送した後、処理ユニットC03、C04、C05の順に搬送する。続いて、基板搬送ユニット20は、処理ユニットC05から受け取った基板を、処理ユニットC06、C07のいずれかに搬送した後、処理ユニットC08に搬送する。
【0152】
一方、基板搬送ユニット40は、処理ユニットC08〜C10での基板処理が完了し、処理ユニットC10から受け取った基板を、処理ユニットC11、C12のいずれかに搬送した後、処理ユニットC13に搬送する。そして、処理ユニットC13での基板処理が完了すると、基板は、アンローダ90側に搬出される。
【0153】
このように、処理フローデータ266aに上述の規則B1〜B5が適用されて実行される基板搬送手順と、第1の実施の形態の処理フローデータ66aに上述の規則A1〜A4が適用されて実行される基板搬送手順と、は、同一のものとなる。
【0154】
また、上述の規則B1〜B5が、処理フローデータ266bに適用されると、制御部25、45は、基板搬送ユニット20、40に対して、次の搬送処理を実行させる。
【0155】
ここで、図14および図15に示すように、処理ユニットC01〜C03の順序データには、いずれも「0」が格納されており、処理ユニットC01〜C03は、基板の搬送先から除外されている。したがって、処理ユニットC00で洗浄処理が完了し、処理ユニットC00から基板搬送ユニット20に基板が受け渡されると、基板搬送ユニット20は、受け取った基板を処理ユニットC04に搬送する。
【0156】
続いて、基板搬送ユニット20は、処理ユニットC04から受け取った基板を、処理ユニットC05を経由させず、処理ユニットC06、C07のいずれかに搬送した後、処理ユニットC08に搬送する。
【0157】
このように、処理フローデータ266bに上述の規則B1〜B5が適用されて実行される基板搬送手順と、第1の実施の形態の処理フローデータ66bに上述の規則A1〜A4が適用されて実行される基板搬送手順と、は、同一のものとなる。
【0158】
ここで、処理フローデータ266bにおいて、択一選択ユニットとして使用可能な処理ユニットC11、C12のうちの処理ユニットC11の「順序データ」のみが「0」とされている。すなわち、処理フローデータ266bに基づいた処理手順では、択一選択ユニットC11、C12のうち処理ユニットC12が常に選択され、処理ユニットC11は基板の搬送先から除外されている。
【0159】
したがって、基板搬送ユニット40は、処理ユニットC08〜C10での基板処理が完了し、処理ユニットC10から受け取った基板を、処理ユニットC12に搬送する。そして、処理ユニットC12での基板処理が完了すると、基板は、アンローダ90側に搬出される。
【0160】
なお、択一選択ユニットの台数が3以上となる場合において、少なくとも1つの処理ユニットの「順序データ」の値が「0」となるように処理フローデータ266が設定されてもよい。この場合、択一選択ユニットのうちの一部(一または複数)の処理ユニットが、選択される。
【0161】
<3.2.第3の実施の形態の基板処理装置の利点>
以上のように、第3の実施の形態の基板処理装置200は、処理フローデータ266(266a、266b)に基づいて、各処理ユニットC01〜C15に基板を搬送する手順を決定することができる。そのため、第3の実施の形態の基板処理装置200は、第1および第2の実施の形態の基板処理装置1、100と同様に、基板搬送手順を決定するための演算を簡略化することができ、演算コストを低減することができる。
【0162】
また、第3の実施の形態で使用される処理フローデータ266のデータサイズ(64ビット)は、第1の実施の形態で使用される処理フローデータ66のデータサイズ(80ビット)より小さい。そのため、各制御部25、30、45、50間で実行されるデータ通信の処理負荷が低減される。
【0163】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0164】
(1)本実施の形態において、処理ユニットC00〜C08は制御部30により、処理ユニットC09〜C15は制御部50により、それぞれ制御されるものとして説明したがこれに限定されるものでない。例えば、処理ユニットC00〜C08が2以上の制御部30により制御されてもよいし、処理ユニットC09〜C15が2以上の制御部50により制御されてもよい。また、各処理ユニットC00〜C15毎に、専用の制御部30、50が設けられても良い。この場合、制御部30、50の総数は16台となる。
【0165】
このように、2以上の制御部30が使用される場合、各制御部30は処理ユニットC00〜C08のうちの少なくとも1つの処理ユニットで実行される基板処理を、各制御部50は処理ユニットC09〜C15のうちの少なくとも1つの処理ユニットを、それぞれ制御できればよい。
【0166】
(2)また、第1ないし第3の実施の形態において、搬送除外ユニットの順序データは「0」であるものとして説明したが、搬送先除外を示す順序データの値は、これに限定されるものでない。
【0167】
例えば、順序データとして表すことができる値の範囲(第1の実施の形態の場合は「0」〜「15」の範囲、第2および第3の実施の形態の場合は「0」〜「7」の範囲(但し、順序データが符号なし変数であるものとする))のうち所定の値を非処理定数として予め定義する。そして、着目する順序データが非処理定数と同一値となる場合、この順序データに対応する処理ユニットC00〜C15が搬送先から除外されるようにしてもよい。すなわち、非処理定数の値は、「0」に限定されない。
【0168】
(3)また、第3の実施の形態において、必須処理ユニットの順序データは「1」であるものとして説明したが、必ず搬送対象となることを示す順序データの値は、これに限定されるものでない。
【0169】
例えば、順序データとして表すことができる値の範囲のうち、非処理定数以外の所定の値を単独処理定数として予め定義する。そして、着目する順序データが単独処理定数と同一値となる場合、この順序データに対応する処理ユニットC00〜C15が必ず基板の搬送対象とされるようにしてもよい。すなわち、単独処理定数の値は、「1」に限定されない。
【0170】
(4)また、第1および第2の実施の形態では、基板搬送ユニット20側の処理ユニットC00〜C08から、基板搬送ユニット40側の処理ユニットC09〜C15に、搬送された基板は、再度、基板搬送ユニット20側に搬送されないものとして説明したが、これに限定されるものでない。基板搬送ユニット40側に搬送された基板が再度、基板搬送ユニット20側に搬送されるように、各処理ユニットC00〜C15が構成され、かつ、このような基板搬送手順を実行できるように、処理フローデータ66、166の各順序データが設定されてもよい。
【0171】
この場合、基板搬送ユニット20は、例えば、基板搬送ユニット40側の処理ユニットC11で処理された基板を、基板搬送ユニット20側の処理ユニットC03に搬送することができる。すなわち、基板搬送ユニット20、40は、各処理ユニットC00〜C15の配置によらず、ランダムの順序で基板を搬送することができる。
【0172】
(5)さらに、第1、第2、および第3の実施の形態における順序データのデータサイズは、それぞれ4ビット、3ビット、および3ビットであるものとして説明したが、順序データのデータサイズは、これに限定されるものでなく、総処理ユニット数や択一選択ユニットの個数に応じて定められてもよい。
【符号の説明】
【0173】
1、100、200 基板処理装置
20、40 基板搬送ユニット
25、45 制御部(第2制御部)
30、50 制御部(第1制御部)
60、160、260 基板情報データ
66(66a〜66c)、166a、266(266a、266b) 処理フローデータ
C00〜C15 処理ユニット
W00〜W04、W11〜W14 ワードデータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
(a) 各々が、基板に対して処理を施す複数の処理ユニットと、
(b) 前記複数の処理ユニットのそれぞれとの間で、基板の受け渡しを行う基板搬送ユニットと、
(c) 前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つの処理ユニットで実行される基板処理を制御する第1制御部と、
(d) 前記基板搬送ユニットにより実行される搬送処理を制御する第2制御部と、
を備え、
前記複数の処理ユニットのうち、前記第1制御部により基板処理が制御される第1処理ユニットと、前記基板搬送ユニットと、の間で基板が受け渡される場合において、前記第1および第2制御部のうち受け渡し側のユニットに対応する制御部は、受け取り側のユニットに対応する制御部に、受け渡される基板に関する基板情報データを受け渡し、
前記基板情報データは、
各基板処理の条件に関するレシピ関連データと、
各基板の処理手順を特定するための処理フローデータと
を有しており、
前記処理フローデータは、
各々が、前記複数の処理ユニットと一対一に対応しており、対応する処理ユニットで実行される基板処理の順序を示す複数の順序データと、
各々が、前記複数の処理ユニットと一対一に対応しており、対応する処理ユニットにおける基板の処理状況を示す複数の処理状況データと、
を有しており、
前記第2制御部は、前記処理フローデータに含まれる前記複数の順序データおよび前記複数の処理状況データに基づいて、基板の搬送先となる処理ユニットを決定することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記第2制御部は、
i) 各順序データの大小関係に基づいて、各処理ユニットに基板が搬送される順序を決定するとともに、
ii) 着目する順序データが非処理定数と同一値となる場合、該順序データに対応する処理ユニットを基板の搬送先から除外し、
iii) 着目する2以上の順序データのそれぞれが非処理定数以外の値となり、かつ、該2以上の順序データが互いに同一となる場合、該2以上の順序データに対応する処理ユニットのうちのいずれか1つに、基板を搬送させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記第2制御部は、
i) 予め定められた処理ユニットの処理順序と、各順序データの値と、に基づいて、各処理ユニットに基板が搬送される順序を決定するとともに、
ii) 着目する順序データが非処理定数と同一値となる場合、該順序データに対応する処理ユニットを搬送先から除外し、
iii) 着目する順序データが単独処理定数と同一値となる場合、該順序データに対応する処理ユニットに基板を搬送し、
iv) 着目する2以上の順序データのそれぞれが非処理定数および前記単独処理定数以外の値となり、かつ、該2以上の順序データが互いに同一となる場合、該2以上の順序データに対応する処理ユニットのうちのいずれか1つに、基板を搬送させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記処理フローデータは、
前記複数の処理状況データを、前記複数の処理ユニットに基づいた順番に連続して配置する第1データ列と、
前記複数の順序データを、前記複数の処理ユニットに基づいた順番に連続して配置する第2データ列と、
を有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記処理フローデータは、
対応する処理状況データおよび順序データを単位データとする場合、
各単位データを、前記複数の処理ユニットに基づいた順番に連続して配置したものであることを特徴とする基板処理装置。
【請求項1】
基板処理装置であって、
(a) 各々が、基板に対して処理を施す複数の処理ユニットと、
(b) 前記複数の処理ユニットのそれぞれとの間で、基板の受け渡しを行う基板搬送ユニットと、
(c) 前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つの処理ユニットで実行される基板処理を制御する第1制御部と、
(d) 前記基板搬送ユニットにより実行される搬送処理を制御する第2制御部と、
を備え、
前記複数の処理ユニットのうち、前記第1制御部により基板処理が制御される第1処理ユニットと、前記基板搬送ユニットと、の間で基板が受け渡される場合において、前記第1および第2制御部のうち受け渡し側のユニットに対応する制御部は、受け取り側のユニットに対応する制御部に、受け渡される基板に関する基板情報データを受け渡し、
前記基板情報データは、
各基板処理の条件に関するレシピ関連データと、
各基板の処理手順を特定するための処理フローデータと
を有しており、
前記処理フローデータは、
各々が、前記複数の処理ユニットと一対一に対応しており、対応する処理ユニットで実行される基板処理の順序を示す複数の順序データと、
各々が、前記複数の処理ユニットと一対一に対応しており、対応する処理ユニットにおける基板の処理状況を示す複数の処理状況データと、
を有しており、
前記第2制御部は、前記処理フローデータに含まれる前記複数の順序データおよび前記複数の処理状況データに基づいて、基板の搬送先となる処理ユニットを決定することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記第2制御部は、
i) 各順序データの大小関係に基づいて、各処理ユニットに基板が搬送される順序を決定するとともに、
ii) 着目する順序データが非処理定数と同一値となる場合、該順序データに対応する処理ユニットを基板の搬送先から除外し、
iii) 着目する2以上の順序データのそれぞれが非処理定数以外の値となり、かつ、該2以上の順序データが互いに同一となる場合、該2以上の順序データに対応する処理ユニットのうちのいずれか1つに、基板を搬送させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記第2制御部は、
i) 予め定められた処理ユニットの処理順序と、各順序データの値と、に基づいて、各処理ユニットに基板が搬送される順序を決定するとともに、
ii) 着目する順序データが非処理定数と同一値となる場合、該順序データに対応する処理ユニットを搬送先から除外し、
iii) 着目する順序データが単独処理定数と同一値となる場合、該順序データに対応する処理ユニットに基板を搬送し、
iv) 着目する2以上の順序データのそれぞれが非処理定数および前記単独処理定数以外の値となり、かつ、該2以上の順序データが互いに同一となる場合、該2以上の順序データに対応する処理ユニットのうちのいずれか1つに、基板を搬送させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記処理フローデータは、
前記複数の処理状況データを、前記複数の処理ユニットに基づいた順番に連続して配置する第1データ列と、
前記複数の順序データを、前記複数の処理ユニットに基づいた順番に連続して配置する第2データ列と、
を有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記処理フローデータは、
対応する処理状況データおよび順序データを単位データとする場合、
各単位データを、前記複数の処理ユニットに基づいた順番に連続して配置したものであることを特徴とする基板処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−238682(P2010−238682A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81659(P2009−81659)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
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