説明

基板搬送ロボット

【課題】 位置決め精度を向上するとともに、外部の物体との干渉を防ぐことができる基板搬送ロボットを提供する。
【解決手段】 第1および第2アーム部36,37は、互いに相対的に旋回可能に設けられる。第1および第2アーム部36,37間の関節には、第2旋回駆動手段42が設けられる。第2旋回駆動手段42は、第2モータ76と、第2動力伝達部77とを有する。第2モータ76は、第1アーム部36に固定される固定部78と、固定部78に対して、第1アーム部36の延在方向に略平行な回転軸線L22まわりに回転する回転部79とを有する。第2動力伝達部77は、第2モータ76と第2アーム部37との間に介在し、第2モータ76の動力を、第2モータ76の回転部79から第2アーム部37に伝達する。このような第2旋回駆動手段42によって、第1および第2アーム部36,37が互いに相対的に旋回駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハなどの基板を搬送するための基板搬送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理設備である半導体処理設備は、基板である半導体ウェハ(以下、単に「ウェハ」という)を処理する基板処理装置であるウェハ処理装置と、ウェハを収容する容器であるフープとウェハ処理装置との間でウェハを搬送する基板搬送装置であるウェハ搬送装置とを含む。フープには、処理前または処理後のウェハが収容される。ウェハに対する処理としては、熱処理、不純物導入処理、薄膜形成処理、リソグラフィー処理、洗浄処理および平坦化処理などのプロセス処理が想定される。
【0003】
ウェハ搬送装置は、準備空間が形成される準備空間形成部と、フープオープナと、基板搬送ロボットとを含む。準備空間は、清浄度の高い雰囲気気体で満たされる。フープオープナは、フープおよび準備空間形成部に設けられる各ドアを開閉する。基板搬送ロボットは、準備空間に配置され、フープとウェハ処理装置とにわたってウェハを搬送する。
【0004】
図13は、第1の従来技術である基板搬送ロボット1の構成を簡略化して示す図である。この従来技術に類似する技術は、特許文献1に開示される。基板搬送ロボット1は、スカラ形の水平多関節ロボットによって実現される。基板搬送ロボット1は、ロボットアーム2と、ロボットアーム2の基端部が連結される基台3と、ロボットアーム2の先端部が連結され、ウェハを把持するロボットハンド4とを含む。ロボットアーム2は、第1および第2アーム部5,6を有する。
【0005】
基台3には、第1アーム部5が第1旋回軸線L1まわりに旋回可能に設けられ、第1アーム部5には、第2アーム部6が第2旋回軸線L2まわりに旋回可能に設けられ、第2アーム部6には、ロボットハンド4が第3旋回軸線L3まわりに旋回可能に設けられる。第2アーム部6は、第1モータ7によって旋回駆動される。第1アーム部5およびロボットハンド4は、第2モータ8によって旋回駆動される。第1および第2モータ7,8は、基台3に設けられる。
【0006】
第2アーム部6と第1モータ7との間には、ベルト9などを有する動力伝達部10が介在し、動力伝達部10を介して、第1モータ7の動力がロボットハンド4に伝達され、これによって第2アーム部6が旋回駆動される。またロボットハンド4と第2モータ8との間には、他のベルト11などを有する他の動力伝達部12が介在し、他の動力伝達部12を介して、第2モータ8の動力がロボットハンド4に伝達され、これによってロボットハンド4が旋回駆動される。ベルト9および他のベルト11に代えて、多数の歯車が用いられる場合もある。
【0007】
このような基板搬送ロボット1では、第1および第2アーム部5,6間の関節から第1モータ7までの距離が長くなり、したがって動力伝達部10の部品点数が多くなり、動力伝達部10における誤差の累積が大きくなる。これによってロボットアーム2の先端部の位置決め精度が低下し、ひいてはロボットハンド4の位置決め精度が低下するという問題が生じる。また第2アーム部6およびロボットハンド4間の関節から第2モータ8までの距離が長くなり、したがって他の動力伝達部12の部品点数が多くなり、他の動力伝達部12における誤差の累積が大きくなる。これによってロボットハンド4の姿勢の精度が低下するという問題が生じる。
【0008】
図14は、第2の従来技術である基板搬送ロボット16の構成を簡略化して示す図である。この基板搬送ロボット16は、前述の基板搬送ロボット1に類似するので、対応する部分には同一の符号を付し、異なる点についてだけ説明する。
【0009】
第1アーム部5は、第1モータ17によって旋回駆動される。第1モータ17は、基台3に設けられる。第2アーム部6は、第2モータ18によって旋回駆動される。第2モータ18は、第1アーム部5に設けられる。ロボットハンド4は、第3モータ19によって旋回駆動される。第3モータ19は、第2アーム部6に設けられる。
【0010】
第1モータ17は、基台3に固定される固定部と、固定部に対して、第1旋回軸線L1に平行な回転軸線L5まわりに回転する回転部とを有する。第1アーム部5と第1モータ17との間には、減速ユニットとなる第1動力伝達部20が介在し、第1動力伝達部20を介して、第1モータ17の動力が、第1アーム部5に伝達され、これによって第1アーム部5が旋回駆動される。
【0011】
第2モータ18は、第1アーム部5に固定される固定部と、固定部に対して、第2旋回軸線L2に平行な回転軸線L6まわりに回転する回転部とを有する。第2アーム部6と第2モータ18との間には、減速ユニットとなる第2動力伝達部21が介在し、第2動力伝達部21を介して、第2モータ18の動力が、第2アーム部6に伝達され、これによって第2アーム部6が旋回駆動される。
【0012】
第3モータ19は、第2アーム部6に固定される固定部と、固定部に対して、第3旋回軸線L3に平行な回転軸線L7まわりに回転する回転部とを有する。ロボットハンド4と第3モータ19との間には、減速ユニットとなる第3動力伝達部22が介在し、第3動力伝達部22を介して、第3モータ19の動力が、ロボットハンド4に伝達され、これによってロボットハンド4が旋回駆動される。
【0013】
このような基板搬送ロボット16では、第2モータ18は、回転部が、第2旋回軸線L2に平行な回転軸線L6まわりに回転するように、配置されるので、第2モータ18の配置空間を確保するために、第1アーム部5の一部をその延在方向に突出させる必要がある。したがって第1アーム部5が大形化し、これによって第1アーム部5と外部の物体との干渉の問題が生じる。また第3モータ19は、回転部が、第3旋回軸線L3に平行な回転軸線L7まわりに回転するように、配置されるので、第3モータ19の配置空間を確保するために、第2アーム部6の一部をその延在方向に突出させる必要がある。したがって第2アーム部6が大形化し、これによって第2アーム部6と外部の物体との干渉の問題が生じる。
【0014】
第3の従来技術として、特許文献2には、産業用ロボットの手首機構に関する技術が開示される。この従来技術の手首機構では、回動アームの先端には、手首が傾動可能に連結され、この手首は、傾動用モータによって傾動される。傾動用モータは、回動アームの内部に、アームの軸心に対して平行に設置され、これによって傾動用モータから手首までの距離を短くすることができる。
このような従来技術は、手首の駆動におけるイナーシャの低下および剛性の向上を目的としており、前記第1および第2の従来技術で生じる各問題については考慮されていない。
【0015】
【特許文献1】特開平11−10576号公報
【特許文献2】特開平1−92087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、位置決め精度を向上するとともに、外部の物体との干渉を防ぐことができる基板搬送ロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、基台と、
基板を把持するロボットハンドと、
延在して形成される中空状の複数のアーム部を有し、各アーム部は一連に連結され、一端のアーム部は基台に連結され、他端のアーム部はロボットハンドに連結され、互い連結される2つのアーム部は互いに相対的に旋回可能に設けられるロボットアームと、
互いに連結される2つのアーム部間の関節毎に設けられ、互いに連結される2つのアーム部を互いに相対的に旋回駆動する旋回駆動手段とを含み、
旋回駆動手段は、
互いに連結される2つのアーム部の一方に固定される固定部と、固定部に対して、前記一方のアーム部の延在方向に略平行な回転軸線まわりに回転する回転部とを有し、前記一方のアーム部の内部空間に収容されるモータと、
前記一方のアーム部の内部空間に収容され、モータと前記互いに連結される2つのアーム部の他方との間に介在し、モータの動力を、モータの回転部から前記他方のアーム部に伝達する動力伝達部とを含むことを特徴とする基板搬送ロボットである。
【0018】
また本発明は、前記一方のアーム部は、基台側のアーム部であることを特徴とする。
また本発明は、動力伝達部は、モータの動力を、複数の歯車によって、モータの回転部から前記他方のアーム部に伝達することを特徴とする。
【0019】
また本発明は、動力伝達部は、
モータの回転部に、回転部の回転軸線と同軸に固定される第1歯車と、
前記他方のアーム部に、前記一方および他方のアーム部の旋回軸線と同軸に固定される第2歯車と、
第1および第2歯車間に介在する複数の中間歯車と、
前記一方のアーム部に固定され、各中間歯車が、各中間歯車の回転軸線まわりに回転可能な状態で収容される歯車収容箱とを有することを特徴とする。
【0020】
また本発明は、ロボットハンドが前記一端のアーム部に対して相対的に旋回可能に設けられる基板搬送ロボットであって、
ロボットハンドを前記一端のアーム部に対して相対的に旋回駆動する他の旋回駆動手段を含み、
他の旋回駆動手段は、
前記一端のアーム部に設けられる固定部と、固定部に対して、前記一端のアーム部の延在方向に略平行な回転軸線まわりに回転する回転部とを有し、前記一端のアーム部の内部空間に収容される他のモータと、
前記一端のアーム部の内部空間に収容され、他のモータとロボットハンドとの間に介在し、他のモータの動力を、他のモータの回転部からロボットハンドに伝達する他の動力伝達部とを含むことを特徴とする。
【0021】
また本発明は、基板として半導体ウェハを搬送する基板搬送ロボットであって、
半導体ウェハが収容される容器と半導体ウェハを処理する処置装置との間で、半導体ウェハを搬送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ロボットアームは、複数のアーム部が一連に連結されて、構成される。各アーム部は、中空状であり、延在して形成される。一端のアーム部は基台に連結され、他端のアーム部はロボットハンドに連結される。互いに連結される2つのアーム部は、互いに相対的に旋回可能に設けられる。互いに連結される2つのアーム部間の関節には、旋回駆動手段が設けられる。旋回駆動手段は、前記関節毎に設けられる。旋回駆動手段は、互いに連結される2つのアーム部を互いに相対的に旋回駆動する。これによってロボットハンドが移動され、ロボットハンドによって把持される基板が移動される。
【0023】
旋回駆動手段は、モータと、動力伝達部とを含む。モータは、一方のアーム部に固定される固定部と、固定部に対して回転する回転部とを有する。動力伝達部は、モータと他方のアーム部との間に介在し、モータの動力を、モータの回転部から他方のアーム部に伝達する。これによって一方および他方のアーム部が互いに相対的に旋回駆動される。
【0024】
モータは、一方のアーム部に設けられるので、基台に設けられる場合に比べて、一方および他方のアーム部間の関節からモータまでの距離が短くなる。したがって動力伝達部の構成を簡素化して、動力伝達部における誤差の累積を防ぐことができる。これによってロボットアームの先端部の位置決め精度を向上し、ひいてはロボットハンドの位置決め精度を向上することができる。
【0025】
モータは、回転部の回転軸線に平行な方向に関する寸法が回転部の回転軸線に垂直な方向に関する寸法よりも大きい。この点が考慮されて、モータは、回転部が、一方のアーム部の延在方向に略平行な回転軸線まわりに回転するように、配置される。このようにモータが配置されるので、モータの配置空間を確保するために、一方のアーム部の一部をその延在方向に垂直な方向に突出させる必要がない。したがって一方のアーム部の大形化を防ぐことができ、これによって一方のアーム部と外部の物体との干渉を防ぐことができる。
【0026】
また本発明によれば、一方のアーム部は、基台側のアーム部であり、したがって基台側のアーム部にモータが設けられる。したがってロボットハンド側のアーム部にモータが設けられる場合に比べて、ロボットハンド側のアーム部の質量を小さくすることができる。これによって小さな力で、基台側のアーム部に対してロボットハンド側のアーム部を旋回駆動することができる。
【0027】
また本発明によれば、モータの動力は、複数の歯車によって、モータの回転部から他方のアーム部に伝達される。したがって動力の伝達のためにベルトが用いられる場合に比べて、ロボットアームの先端部の位置決め精度を向上することができる。
【0028】
また本発明によれば、モータの回転部には、第1歯車が、回転部の回転軸線と同軸に固定され、他方のアーム部には、第2歯車が、一方および他方のアーム部の旋回軸線と同軸に固定され、第1および第2歯車間には、複数の中間歯車が介在する。これによってモータの動力が、モータの回転部から他方のアーム部に伝達される。
【0029】
各中間歯車は、各中間歯車の回転軸線まわりに回転可能な状態で、歯車収容箱に収容される。この歯車収容箱が、一方のアーム部に固定される。したがって各中間歯車を個別に位置合わせして一方のアーム部に取り付ける場合に比べて、取付け作業を容易化することができる。
【0030】
また本発明によれば、ロボットハンドは、一端のアーム部に対して相対的に旋回可能に設けられる。他の旋回駆動手段は、ロボットハンドを一端のアーム部に対して相対的に旋回駆動する。これによってロボットハンドの姿勢を変化させることができる。
【0031】
他の旋回駆動手段は、他のモータと、他の動力伝達部とを含む。他のモータは、一端のアーム部に固定される固定部と、固定部に対して回転する回転部とを有する。他の動力伝達部は、他のモータとロボットハンドとの間に介在し、他のモータの動力を、他のモータの回転部からロボットハンドに伝達する。これによってロボットハンドが一端のアーム部に対して相対的に旋回駆動される。
【0032】
他のモータは、一端のアーム部に設けられるので、基台に設けられる場合に比べて、一端のアーム部およびロボットハンド間の関節から他のモータまでの距離が短くなる。したがって他の動力伝達部の構成を簡素化して、他の動力伝達部における誤差の累積を防ぐことができる。これによってロボットハンドの姿勢の精度を向上することができる。
【0033】
他のモータは、回転部の回転軸線に平行な方向に関する寸法が回転部の回転軸線に垂直な方向に関する寸法よりも大きい。この点が考慮されて、他のモータは、回転部が、一端のアーム部の延在方向に略平行な回転軸線まわりに回転するように、配置される。このように他のモータが配置されるので、他のモータの配置空間を確保するために、一端のアーム部の一部をその延在方向に垂直な方向に突出させる必要ない。したがって一端のアーム部の大形化を防ぐことができ、これによって一端のアーム部と外部の物体との干渉を防ぐことができる。
【0034】
また本発明によれば、基板は、半導体ウェハであり、基板搬送ロボットは、半導体ウェハが収容される容器と半導体ウェハを処理する処置装置との間で、半導体ウェハを搬送する。この場合、基板搬送ロボットは、所定の清浄度に保たれる空間に配置される。この空間は、所定の清浄度を容易に実現するために、できるだけ小さくされるので、半導体ウェハの搬送にあたって干渉の問題が生じやすい。基板搬送ロボットは、前述のように干渉が防がれるので、半導体ウェハの搬送に好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、本発明の実施の第1形態である基板搬送ロボット31の構成を簡略化して示す断面図である。図2は、図1の上方から見た基板搬送ロボット31の平面図である。本実施の形態の基板搬送ロボット31は、基板である半導体ウェハ(以下、単に「ウェハ」という)32を搬送するために用いられる。
【0036】
基板搬送ロボット31は、スカラ(Selective Compliance Assembly Robot Arm、略称SCARA)形の水平多関節ロボットによって実現される。基板搬送ロボット31は、ロボットアーム33と、ロボットアーム33の基端部33aが連結される基台34と、ロボットアーム33の先端部33bが連結され、ウェハ32を把持するロボットハンド35とを含む。
【0037】
ロボットアーム33は、第1および第2アーム部36,37を有する。第1および第2アーム部36,37は、中空状である。第1および第2アーム部36,37は、延在して形成され、換言すれば長手状に形成される。このような第1および第2アーム部36,37は、一連に連結される。連結方向一端のアーム部である第1アーム部36は、基台34に連結され、連結方向他端のアーム部である第2アーム部37は、ロボットハンド35に連結される。
【0038】
ロボットハンド35は、ウェハ32を把持可能な構造を有する。ウェハ32を把持するとは、ウェハ32を保持または把握することを意味し、保持としては、吸着、受けおよびつり下げなどの形態があり、把握としては、つまみ、はさみおよびにぎりなどの形態がある。本実施の形態では、ロボットハンド35は、受けによってウェハ32を把持する。ロボットハンド35は、板状に形成され、その厚み方向から見た形状が大略的にY字状である。ロボットハンド35は、その厚み方向から見た形状が大略的にU字状であるハンド本体38と、ハンド本体38に連なり、延在して形成される延在部39とを有する。
【0039】
第1および第2アーム部36,37ならびにロボットハンド35は、水平に設けられる。基台34および第1アーム部36は、互いに相対的に旋回可能に設けられ、詳しくは、基台34の上部34aには、第1アーム部36の延在方向一端部36aが、上下方向Zに延びる第1旋回軸線L11まわりに旋回可能に設けられる。第1および第2アーム部36,37は、互いに相対的に旋回可能に設けられ、詳しくは、第1アーム部36の延在方向他端部36bには、第2アーム部37の延在方向一端部37aが、第1旋回軸線L11に平行な第2旋回軸線L12まわりに旋回可能に設けられる。第2アーム部37およびロボットハンド35は、互いに相対的に旋回可能に設けられ、詳しくは、第2アーム部37の延在方向他端部37bには、ロボットハンド35の延在部39においてハンド本体38に連なる側とは反対側となる延在方向一端部39aが、第1および第2旋回軸線L11,L12に平行な第3旋回軸線L13まわりに旋回可能に設けられる。旋回とは、2つの部材間において各部材の軸方向を相対的に変化させる動きをいう。
【0040】
第1および第2アーム部36,37ならびにロボットハンド35は、互いに上下方向Zにずれて設けられる。第2アーム部37は、第1アーム部36よりも上方に配置される。これによって第1アーム部36と第2アーム部37とが干渉することが防がれ、したがって第2アーム部37は、第1アーム部36に対して上下方向Zに重なる位置に移動可能となる。またロボットハンド35は、第2アーム部37よりも上方に配置される。これによって第2アーム部37とロボットハンド35とが干渉することが防がれ、したがってロボットハンド35は、第2アーム部37に対して上下方向Zに重なる位置に移動可能となる。
【0041】
基台34および第1アーム部36間の関節には、第1旋回駆動手段41が設けられる。第1旋回駆動手段41は、基台34および第1アーム部36を互いに相対的に旋回駆動し、詳しくは、基台34に対して、第1アーム部36を第1旋回軸線L11まわりに相対的に旋回駆動する。
【0042】
第1および第2アーム部36,37間の関節には、旋回駆動手段である第2旋回駆動手段42が設けられる。第2旋回駆動手段42は、第1および第2アーム部36,37を互いに相対的に旋回駆動し、詳しくは、第1アーム部36に対して、第2アーム部37を第2旋回軸線L12まわりに相対的に旋回駆動する。
【0043】
第2アーム部37およびロボットハンド35間の関節には、他の旋回駆動手段である第3旋回駆動手段43が設けられる。第3旋回駆動手段43は、第2アーム部37およびロボットハンド35を互いに相対的に旋回駆動し、詳しくは、第2アーム部37に対して、ロボットハンド35を第3旋回軸線L13まわりに相対的に旋回駆動する。
【0044】
第1および第2旋回駆動手段41,42によって第1および第2アーム部36,37が旋回駆動され、これによってロボットアーム33の先端部33bの位置が水平な仮想一平面内で変化し、ひいてはロボットハンド35の位置が水平な仮想一平面内で変化する。また第3旋回駆動手段43によってロボットハンド35が旋回駆動され、これによってロボットハンド35の姿勢が変化する。
【0045】
基台34は、予め定める設置面45に固定される基部46と、基部46に対して上下方向Zに変位可能に設けられる可動部47と、基部46に対して可動部47を上下方向Zに変位駆動する昇降駆動手段48とを有する(図5参照)。可動部47は、円筒状に形成され、その軸線が上下方向Zに延びるように設けられる。可動部47の上部は、前記基台34の上部34aとなる。昇降駆動手段48によって可動部47が変位駆動され、これによってロボットアーム33の先端部33bの位置が上下に変化し、ひいてはロボットハンド35の位置が上下に変化する。
【0046】
第1アーム部36の延在方向一端部36a寄りの部分には、第1アーム部36の内部空間51に連通する円筒状の一端側連通孔52が形成される。一端側連通孔52の軸線は、第1アーム部36の延在方向に垂直な方向に延びる。第1アーム部36の延在方向他端部36b寄りの部分には、第1アーム部36の内部空間51に連通する円筒状の他端側連通孔53が形成される。他端側連通孔53の軸線は、一端側連通孔52の軸線と平行である。他端側連通孔53は、一端側連通孔52とは反対側に臨んで開放される。
【0047】
第2アーム部37の延在方向一端部37a寄りの部分には、第2アーム部37の内部空間54に連通する円筒状の一端側連通孔55が形成され、また外方に突出する円筒状の突出部56が形成される。一端側連通孔55の軸線は、第2アーム部37の延在方向に垂直な方向に延びる。突出部56の内孔57は、一端側連通孔55と同軸であり、一端側連通孔55を介して、第2アーム部37の内部空間54に連通する。第2アーム部37の延在方向他端部37b寄りの部分には、第2アーム部37の内部空間54に連通する円筒状の他端側連通孔58が形成される。他端側連通孔58の軸線は、一端側連通孔55の軸線と平行である。他端側連通孔58は、一端側連通孔55とは反対側に臨んで開放される。
【0048】
ロボットハンド35の延在部39は、中空状である。延在部39の延在方向一端部39a寄りの部分には、延在部39の内部空間61に連通する円筒状の一端側連通孔62が形成され、また外方に突出する円筒状の突出部63が形成される。一端側連通孔62の軸線は、ロボットハンド35の厚み方向に平行な方向に延びる。突出部63の内孔64は、一端側連通孔62と同軸であり、一端側連通孔62を介して、延在部39の内部空間61に連通する。
【0049】
第1アーム部36の一端側連通孔52には、基台34の上部34aである可動部47の上部が同軸に緩やかに挿通され、これによって基台34および第1アーム部36が、第1旋回軸線L11まわりに互いに相対的に旋回可能に連結される。一端側連通孔52および可動部47の各軸線は、第1旋回軸線L11と共通な一直線を成す。基台34の上部34aと第1アーム部36の一端側連通孔52の形成部52aとの間には、軸受手段が介在し、これによって基台34に対する第1アーム部36の旋回を円滑にすることができる。
【0050】
第1アーム部36の他端側連通孔53には、第2アーム部37の突出部56が同軸に緩やかに挿通され、これによって第1および第2アーム部36,37が、第2旋回軸線L12まわりに互いに相対的に旋回可能に連結される。他端側連通孔53および突出部56の各軸線は、第2旋回軸線L12と共通な一直線を成す。第2アーム部37の突出部56と第1アーム部36の他端側連通孔53の形成部53aとの間には、軸受手段が介在し、これによって第1アーム部36に対する第2アーム部37の旋回を円滑にすることができる。
【0051】
第2アーム部37の他端側連通孔58には、ロボットハンド35の延在部39の突出部63が同軸に緩やかに挿通され、これによって第2アーム部37およびロボットハンド35が、第3旋回軸線L13まわりに互いに相対的に旋回可能に連結される。他端側連通孔58および突出部63の各軸線は、第3旋回軸線L13と共通な一直線を成す。ロボットハンド35の延在部39の突出部63と第2アーム部37の他端側連通孔58の形成部58aとの間には、軸受手段が介在し、これによって第2アーム部37に対するロボットハンド35の旋回を円滑にすることができる。
【0052】
第1旋回駆動手段41は、第1モータ71と、第1動力伝達部72とを有する。第1モータ71および第1動力伝達部72は、第1アーム部36の内部空間51に収容される。したがって第1モータ71および第1動力伝達部72から塵埃が発生しても、この塵埃が基板搬送ロボット31の周囲に拡散することを防ぐことができ、これによって基板搬送ロボット31の周囲の清浄度が低下することを防ぐことができる。
【0053】
第1モータ71は、第1アーム部36に固定される固定部73と、固定部73に対して、第1アーム部36の延在方向に略平行な回転軸線L21まわりに回転する回転部74とを有する。第1モータ71は、電動モータ、具体的にはサーボモータによって実現される。第1モータ71には、固定部73に対する回転部74の回転量を検出する第1エンコーダ75が設けられる。第1動力伝達部72は、第1モータ71と基台34との間に介在し、第1モータ71の動力を、第1モータ71の回転部74から基台34に伝達する。このような第1旋回駆動手段41によって、基台34および第1アーム部36が互いに相対的に旋回駆動される。
【0054】
第2旋回駆動手段42は、モータである第2モータ76と、動力伝達部である第2動力伝達部77とを有する。第2モータ76および第2動力伝達部77は、第1アーム部36の内部空間51に収容される。したがって第2モータ76および第2動力伝達部77から塵埃が発生しても、この塵埃が基板搬送ロボット31の周囲に拡散することを防ぐことができ、これによって基板搬送ロボット31の周囲の清浄度が低下することを防ぐことができる。
【0055】
第2モータ76は、第1アーム部36に固定される固定部78と、固定部78に対して、第1アーム部36の延在方向に略平行な回転軸線L22まわりに回転する回転部79とを有する。第2モータ76は、電動モータ、具体的にはサーボモータによって実現される。第2モータ76には、固定部78に対する回転部79の回転量を検出する第2エンコーダ80が設けられる。第2動力伝達部77は、第2モータ76と第2アーム部37との間に介在し、第2モータ76の動力を、第2モータ76の回転部79から第2アーム部37に伝達する。このような第2旋回駆動手段42によって、第1および第2アーム部36,37が互いに相対的に旋回駆動される。
【0056】
第3旋回駆動手段43は、他のモータである第3モータ81と、他の動力伝達部である第3動力伝達部82とを有する。第3モータ81および第3動力伝達部82は、第2アーム部37の内部空間54に収容される。したがって第3モータ81および第3動力伝達部82から塵埃が発生しても、この塵埃が基板搬送ロボット31の周囲に拡散することを防ぐことができ、これによって基板搬送ロボット31の周囲の清浄度が低下することを防ぐことができる。
【0057】
第3モータ81は、第2アーム部37に固定される固定部83と、固定部83に対して、第2アーム部37の延在方向に略平行な回転軸線L23まわりに回転する回転部84とを有する。第3モータ81は、電動モータ、具体的にはサーボモータによって実現される。第3モータ81には、固定部83に対する回転部84の回転量を検出する第3エンコーダ85が設けられる。第3動力伝達部82は、第3モータ81とロボットハンド35との間に介在し、第3モータ81の動力を、第3モータ81の回転部84からロボットハンド35に伝達する。このような第3旋回駆動手段43によって、第2アーム部37およびロボットハンド35が互いに相対的に旋回駆動される。
【0058】
昇降駆動手段48は、第4モータと、第4動力伝達部とを有する。第4モータは、基台34の基部46に固定される固定部と、固定部に対して回転する回転部とを有する。第4モータは、電動モータ、具体的にはサーボモータによって実現される。第4モータには、固定部に対する回転部の回転量を検出する第4エンコーダが設けられる。第4動力伝達部は、第4モータと基台34の可動部47との間に介在し、第4モータの動力を、第4モータの回転部から基台34の可動部47に伝達する。第4動力伝達部は、第4モータの回転部の回転運動を上下方向Zの直線運動に変換する。
【0059】
第1〜第4動力伝達部72,77,82は、減速機としても機能する。したがって減速機を別途、設ける必要がなく、これによって部品点数を削減することができる。
【0060】
図3は、第2動力伝達部77の構成を示す断面図である。この図3では、煩雑になるのを防ぐために、第2動力伝達部77の構成を簡略化して示している。第1〜第3動力伝達部72,77,82の構成は類似するので、第2動力伝達部77の構成だけを説明し、第1および第3動力伝達部72,82については重複を避けるために説明を省略する。
【0061】
第2動力伝達部77は、第2モータ76の動力を、複数の歯車91,92,93によって、第2モータ76の回転部79から第2アーム部37の突出部56に伝達する。したがって動力の伝達のためにベルトが用いられる場合に比べて、ロボットアーム33の先端部33bの位置決め精度を向上することができる。またベルトのような変形がないので、急停止による振動が防がれ、これによってロボットアーム33の動作の高速化を図ることができる。
【0062】
詳しくは、第2動力伝達部77は、第2モータ76の回転部79に、回転部79の回転軸線L22と同軸に固定される第1歯車91と、第2アーム部37の突出部56に、第2旋回軸線L12と同軸に固定される第2歯車92と、第1および第2歯車91,92間に介在する複数の中間歯車93と、第1アーム部36に固定され、各中間歯車93が、各中間歯車93の回転軸線まわりに回転可能な状態で収容される歯車収容箱であるギアボックス94とを有する。
【0063】
このように第2モータ76の回転部79には、第1歯車91が、回転部79の回転軸線L22と同軸に固定され、第2アーム部37の突出部56には、第2歯車92が、第2旋回軸線L12と同軸に固定され、第1および第2歯車91,92間には、複数の中間歯車93が介在する。これによって第2モータ76の動力が、第2モータ76の回転部79から第2アーム部37の突出部56に伝達される。
【0064】
各中間歯車93は、各中間歯車93の回転軸線まわりに回転可能な状態で、ギアボックス94に収容される。このギアボックス94が、第1アーム部36に固定される。したがって各中間歯車93を個別に位置合わせして第1アーム部36に取り付ける場合に比べて、取付け作業を容易化することができる。
【0065】
複数の歯車91〜93のうち互いに噛合する2つの歯車は、かさ歯車によって実現される。したがって第2モータ76の回転部79の回転軸線L22またはこの回転軸線L22に平行な回転軸線まわりの回転を、第2旋回軸線L12またはこの第2旋回軸線L12に平行な回転軸線まわりの回転に変換することができ、これによって第2モータ76の動力を、第2モータ76の回転部79から第2アーム部37の突出部56に伝達することができる。本実施の形態では、第1歯車91と、各中間歯車93のうち第1歯車91に噛合する中間歯車93aとが、かさ歯車によって実現される。
【0066】
図4は、基板搬送ロボット31を備える半導体処理設備101の一部を示す平面図である。図5は、半導体処理設備101の一部を切断して示す断面図である。図4および図5には、基板搬送ロボット31について、動作状態の一例を実線で示し、動作状態の他の例を二点鎖線で示す。半導体処理設備101は、ウェハ32を処理するための設備である。
【0067】
半導体処理設備101は、たとえばSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格によって、予め規定される。この場合、後述のフープ102およびフープオープナ118は、SEMI規格のE47.1,E15.1,E57,E62,E63,E84などの仕様に従う。半導体処理設備101の構成は、SEMI規格外の構成であってもよい。
【0068】
処理前および処理後のウェハ32は、フープ102(Front Opening Unified Pod、略称FOUP)と呼ばれる容器(以下、「フープ」という)102に収容される。フープ102は、極所クリーン化技術に関し、クリーン環境におけるミニエンバイロメント用基板容器である。フープ102には、複数のウェハ32が収容される。フープ102に収容される各ウェハ32は、水平な状態で、上下方向Zに等間隔をあけて配置される。
【0069】
フープ102は、容器本体であるフープ本体103と、フープ本体103に対して着脱可能に設けられる容器側ドアであるフープ側ドア104とを有する。フープ本体103は、略箱状に形成され、ウェハ収容空間であるフープ内空間105が形成される。フープ内空間105は、一方に開放される。フープ本体103にフープ側ドア104が装着されることによって、フープ内空間105が閉鎖され、またフープ本体103からフープ側ドア104が離脱されることによって、フープ内空間105が開放される。
【0070】
半導体処理設備101は、ウェハ32を処理するウェハ処理装置106と、フープ102およびウェハ処理装置106間でウェハ32を搬送するフロントエンドモジュール装置(Equipment Front End Module、略称EFEM)であるウェハ搬送装置107とを含む。ウェハ32に対する処理としては、熱処理、不純物導入処理、薄膜形成処理、リソグラフィー処理、洗浄処理および平坦化処理などのプロセス処理が想定される。ウェハ処理装置106では、前述の各処理以外の処理が行われてもよい。
【0071】
ウェハ処理装置106は、処理空間111が形成される処理空間形成部112と、処理空間111に配置され、処理空間111内でウェハ32を処理する処理装置本体と、処理空間111に満たされる雰囲気気体を調整する処理空間調整装置とを含む。処理空間調整装置は、ファンフィルタユニットなどによって実現される。
【0072】
ウェハ搬送装置107は、準備空間116が形成される準備空間形成部117と、準備空間116に配置される前記基板搬送ロボット31と、フープ102を開閉する開閉装置であるフープオープナ(FOUP Opener)118と、準備空間116に配置され、ウェハ32の向きを調整するアライナ119と、準備空間116に満たされる雰囲気気体を調整する準備空間調整装置120とを含む。準備空間調整装置120は、ファンフィルタユニットなどによって実現される。
【0073】
処理空間111および準備空間116は、清浄度の高い雰囲気気体で満たされる。処理空間111および準備空間116は、コンタミネーションコントロールが行われる空間であって、空気中における浮遊微小粒子が限定された清浄度レベル以下に管理され、必要に応じて、温度、湿度および圧力などの環境条件についても管理が行われる空間である。本実施の形態では、処理空間111および準備空間116は、ウェハ32の処理に悪影響を与えないような清浄度に保たれる。清浄度として、たとえば国際標準化機構( International Organization for Standardization、略称ISO)に規定されるCLASS1が採用される。
【0074】
処理空間形成部112および準備空間形成部117は、上下方向Zに直交する前後方向Xに並んで配置される。以下、前後方向Xのうち、処理空間形成部112から準備空間形成部117に向かう方向を前方X1といい、その反対方向を後方X2という。また上下方向Zおよび前後方向Xに直交する方向を、左右方向Yという。
【0075】
準備空間形成部117は、直方体箱状に形成され、直方体形状の準備空間116が形成される。準備空間形成部117は、正面壁121および背面壁122を有する。正面壁121および背面壁122は、前後方向Xに間隔をあけて配置される。背面壁122は、正面壁121よりも後方X2に配置され、準備空間116と処理空間111とを仕切る。
【0076】
正面壁121には、この正面壁121の厚み方向である前後方向Xに貫通する正面側開口131が形成される。正面側開口131は、ウェハ32が通過可能に形成される。このような正面側開口131を介して、フープ内空間105から準備空間116に、または、準備空間116からフープ内空間105に、ウェハ32が移動される。本実施の形態では、正面側開口131は、4つ設けられる。各正面側開口131は、左右方向Yに等間隔をあけて配置される。
【0077】
背面壁122には、この背面壁122の厚み方向である前後方向Xに貫通する背面側開口132が形成される。背面側開口132は、ウェハ32が通過可能に形成される。このような背面側開口132を介して、準備空間116から処理空間111に、または、処理空間111から準備空間116に、ウェハ32が移動される。本実施の形態では、背面側開口132は、2つ設けられる。各背面側開口132は、左右方向Yに間隔をあけて配置される。
【0078】
フープオープナ118は、準備空間形成部117の前方X1側に配置される。フープオープナ118は、準備空間形成部117の正面壁121の一部を構成し、前記正面側開口131が形成される正面プレート141と、正面プレート141に対して着脱可能に設けられるオープナ側ドア142と、準備空間116よりも前方X1に配置され、フープ102を下方から支持するフープ支持部143と、オープナ側ドア142およびフープ側ドア104を開閉するドア開閉機構144とを有する。正面プレート141にオープナ側ドア142が装着されることによって、正面側開口131が閉鎖され、正面プレート141からオープナ側ドア142が離脱されることによって、正面側開口131が開放される。
【0079】
フープ支持部143には、フープ102が位置決めされて設置される。フープ102がフープ支持部143に設置された設置状態では、フープ本体103の開口部103aと正面プレート141の開口部141aとが、全周にわたって接する。したがって設置状態では、オープナ側ドア142およびフープ側ドア104が各開口部141a,103aからそれぞれ離脱されても、フープ内空間105および準備空間116に外気が侵入することが防がれる。
【0080】
ドア開閉機構144は、オープナ側ドア142およびフープ側ドア104を、直接または間接的に把持する。ドア開閉機構144は、各ドア142,104を、装着位置と開放位置とにわたって移動させる。装着位置では、各ドア142,104が各開口部141a,103aにそれぞれ装着され、これによってフープ内空間105と準備空間116との連通が阻止される。開放位置では、各ドア142,104が各開口部141a,103aから離脱され、これによってフープ内空間105と準備空間116とが連通される。この開放位置では、各ドア142,104が、各開口部141a,103aに対して、準備空間116内で、後方X2かつ下方Z2に配置される。準備空間116には、各ドア142,104を装着位置と開放位置とにわたって移動させるための可動領域145が設定される。
【0081】
本実施の形態では、フープオープナ118は、4つ設けられる。各フープオープナ118は、左右方向Yに等間隔をあけて配置される。各フープオープナ118は、個別に動作可能にそれぞれ構成される。図4では、正面側開口131のうち左端に位置する正面側開口が開放され、正面側開口131のうち前記左端に位置する正面側開口を除く残余の正面側開口が閉鎖された状態を示す。
【0082】
準備空間形成部117は、底壁部126をさらに有する。底壁部126には、正面壁121および背面壁122の各下端部が連なる。このような底壁部126には、アライナ119および基板搬送ロボット31が固定される。アライナ119および基板搬送ロボット31は、左右方向Yに間隔をあけて配置される。
【0083】
アライナ119は、ウェハ32を保持する保持部を有する。アライナ119は、保持部によって保持されるウェハ32を回転させ、これによって前記ウェハ32に形成されるノッチまたはオリエンテーションフラットが予め定める方向に向くように、前記ウェハ32の向きを調整する。
【0084】
基板搬送ロボット31は、準備空間116のうちで、背面壁122寄りに配置される。また基板搬送ロボット31は、左右方向Yに関して、左右方向一端位置のフープオープナ118と左右方向他端位置のフープオープナ118との間の中央位置に配置される。基板搬送ロボット31は、基台34の基部46が、準備空間形成部117の底壁部126に固定される。底壁部126の上面は、前記予め定める設置面45となる。
【0085】
基板搬送ロボット31は、コントローラ151をさらに含む。コントローラ151は、予め定められる動作プログラムまたはユーザから入力される移動指令と、第1〜第4エンコーダ75,80,85からの検出結果とに基づいて、第1〜第3旋回駆動手段41〜43および昇降駆動手段48を制御し、ロボットハンド35を移動させる。コントローラ151は、予め定めるプログラムが記憶される記憶回路と、記憶回路に記憶されるプログラムを演算する演算回路と、演算回路の演算結果を示す信号を、第1〜第3旋回駆動手段41〜43および昇降駆動手段48に与える出力手段とを有する。記憶回路は、RAM( Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などによって実現され、演算回路は、CPU(Central Processing Unit)によって実現される。
【0086】
基板搬送ロボット31では、第1〜第3旋回駆動手段41〜43および昇降駆動手段48がコントローラ151によって制御され、これによってロボットハンド35が、可動範囲内で、前後方向X、左右方向Yおよび上下方向Zの任意の位置に移動される。このようにロボットハンド35が移動されることによって、ロボットハンド35によって把持されるウェハ32を移動させることができる。
【0087】
このような半導体処理設備101において、基板搬送ロボット31は、主に準備空間116でウェハ32を移動させる。基板搬送ロボット31は、正面側開口131を介してフープ内空間105からウェハ32を取り出し、また正面側開口131を介してフープ内空間105にウェハ32を差し入れる。また基板搬送ロボット31は、背面側開口132を介して処理空間111からウェハ32を取り出し、また背面側開口132を介して処理空間111にウェハ32を差し入れる。
【0088】
基板搬送ロボット31は、フープ102からウェハ処理装置106にウェハ32を搬送するにあたって、まず、ロボットハンド35を、正面側開口131を介してフープ内空間105に進入させる。そして、フープ内空間105内のウェハ収容位置に載置されるウェハ32を、ロボットハンド35によって把持する。次に、ロボットハンド35によってウェハ32を把持した状態で、ロボットハンド35を、準備空間116を経由し、さらに背面側開口132を介して、処理空間111に進入させる。そして、ロボットハンド35によって把持されているウェハ32を、処理空間111内のウェハ載置位置156に載置する。
【0089】
また基板搬送ロボット31は、ウェハ処理装置106からフープ102にウェハ32を搬送するにあたって、まず、ロボットハンド35を、背面側開口132を介して処理空間111に進入させる。そして、処理空間111内のウェハ載置位置156に載置されるウェハ32を、ロボットハンド35によって把持する。次に、ロボットハンド35によってウェハ32を把持した状態で、ロボットハンド35を、準備空間116を経由し、さらに正面側開口131を介して、フープ内空間105に進入させる。そして、ロボットハンド35によって把持されているウェハ32を、フープ内空間105内のウェハ収容位置に載置する。
【0090】
フープ102からウェハ処理装置106にウェハ32を搬送する場合、基板搬送ロボット31は、フープ102から取り出したウェハ32を一旦、アライナ119に搬送する。アライナ119に搬送されたウェハ32は、アライナ119によって、向きが調整される。したがってウェハ処理装置106には、ウェハ32を、向きを調整して差し入れることができ、これによってウェハ処理装置106による処理に際して、各ウェハ32の向きを同一にすることができる。
【0091】
以上のような本実施の形態によれば、第1モータ71は、回転部74が、第1アーム部36の延在方向に略平行な回転軸線L21まわりに回転するように、配置される。第1モータ71は、回転部74の回転軸線L21に平行な方向に関する寸法が回転部74の回転軸線L21に垂直な方向に関する寸法よりも大きいという点が考慮されて、前述のように第1モータ71が配置されるので、第1モータ71の配置空間を確保するために、第1アーム部36の一部をその延在方向に垂直な方向に突出させる必要がない。したがって第1アーム部36の大形化を防ぐことができ、これによって第1アーム部36と外部の物体との干渉を防ぐことができる。
【0092】
また第2モータ76は、回転部79が、第1アーム部36の延在方向に略平行な回転軸線L22まわりに回転するように、配置される。第2モータ76は、回転部79の回転軸線L22に平行な方向に関する寸法が回転部79の回転軸線L22に垂直な方向に関する寸法よりも大きいという点が考慮されて、前述のように第2モータ76が配置されるので、第2モータ76の配置空間を確保するために、第1アーム部36の一部をその延在方向に垂直な方向に突出させる必要がない。したがって第1アーム部36の大形化を防ぐことができ、これによって第1アーム部36と外部の物体との干渉を防ぐことができる。
【0093】
さらに第3モータ81は、回転部84が、第2アーム部37の延在方向に略平行な回転軸線L23まわりに回転するように、配置される。第3モータ81は、回転部84の回転軸線L23に平行な方向に関する寸法が回転部84の回転軸線L23に垂直な方向に関する寸法よりも大きいという点が考慮されて、前述のように第3モータ81が配置されるので、第3モータ81の配置空間を確保するために、第2アーム部37の一部をその延在方向に垂直な方向に突出させる必要がない。したがって第2アーム部37の大形化を防ぐことができ、これによって第2アーム部37と外部の物体との干渉を防ぐことができる。
【0094】
本実施の形態では、基板搬送ロボット31は、前述のような半導体処理設備101に用いられる。この場合、外部の物体としては、正面壁121および背面壁122などが挙げられ、またフープオープナ118も挙げられる。準備空間116は、所定の清浄度を容易に実現するために、できるだけ小さくされるので、ウェハ32の搬送にあたって干渉の問題が生じやすい。本実施の形態の基板搬送ロボット31は、前述のように干渉が防がれるので、半導体処理設備101でのウェハ32の搬送に好適に用いることができる。
【0095】
また本実施の形態によれば、第2モータ76は、第1アーム部36に設けられるので、基台34に設けられる場合に比べて、第1および第2アーム部36,37間の関節から第2モータ76までの距離が短くなる。したがって第2動力伝達部77の構成を簡素化して、第2動力伝達部77における誤差の累積を防ぐことができる。これによってロボットアーム33の先端部33bの位置決め精度を向上し、ひいてはロボットハンド35の位置決め精度を向上することができる。またヒステリシスを小さくすることができる。
【0096】
また第3モータ81は、第2アーム部37に設けられるので、基台34に設けられる場合に比べて、第2アーム部37およびロボットハンド35間の関節から第3モータ81までの距離が短くなる。したがって第3動力伝達部82の構成を簡素化して、第3動力伝達部82における誤差の累積を防ぐことができる。これによってロボットハンド35の姿勢の精度を向上することができる。またヒステリシスを小さくすることができる。
【0097】
本実施の形態では、基板搬送ロボット31は、前述のような半導体処理設備101に用いられ、フープ102とウェハ処理装置106との間にわたってウェハ32を搬送する。この場合、ロボットハンド35の位置決め精度および姿勢の精度を高くする必要がある。たとえばフープ102にロボットハンド35を進入させる際には、フープ102内のウェハ32にロボットハンド35が不所望に接触してウェハ32を破損させてしまわないようにする必要がある。本実施の形態の基板搬送ロボット31は、前述のようにロボットハンド35の位置決め精度および姿勢の精度が向上されるので、半導体処理設備101でのウェハ31の搬送に好適に用いることができる。
【0098】
また本実施の形態によれば、第1および第2アーム部36,37のうち、基台34側のアーム部である第1アーム部36に、第2モータ76が設けられる。したがってロボットハンド35側のアーム部である第2アーム部37に第2モータ76が設けられる場合に比べて、第2アーム部37の質量を小さくすることができる。これによって小さな力で、第1アーム部36に対して第2アーム部37を旋回駆動することができる。
【0099】
図6は、本発明の実施の第2形態である基板搬送ロボット161の構成を簡略化して示す断面図である。図7は、図6の上方から見た基板搬送ロボット161の平面図である。本実施の形態の基板搬送ロボット161は、前述の第1形態の基板搬送ロボット31に類似するので、対応する部分には同一の符号を付し、異なる点についてだけ説明する。
【0100】
第1アーム部36の延在方向他端部36b寄りの部分には、第1アーム部36の内部空間51に連通する円筒状の他端側連通孔162が形成され、また外方に突出する円筒状の突出部163が形成される。他端側連通孔162の軸線は、第1アーム部36の一端側連通孔52の軸線と平行である。突出部163の内孔164は、他端側連通孔162と同軸であり、他端側連通孔162を介して、第1アーム部36の内部空間51に連通する。
【0101】
第2アーム部37の延在方向一端部37a寄りの部分には、第2アーム部37の内部空間54に連通する円筒状の一端側連通孔165が形成される。一端側連通孔165の軸線は、第2アーム部37の延在方向に垂直な方向に延びる。
【0102】
第2アーム部37の一端側連通孔165には、第1アーム部36の突出部163が同軸に緩やかに挿通され、これによって第1および第2アーム部36,37が、第2旋回軸線L12まわりに互いに相対的に旋回可能に連結される。一端側連通孔165および突出部163の各軸線は、第2旋回軸線L12と共通な一直線を成す。第1アーム部36の突出部163と第2アーム部37の一端側連通孔165の形成部165aとの間には、軸受手段が介在し、これによって第1アーム部36に対する第2アーム部37の旋回を円滑にすることができる。
【0103】
第2モータ76は、固定部78が第2アーム部37に固定され、回転部79が、固定部78に対して、第2アーム部37の延在方向に略平行な回転軸線L22まわりに回転する。第2動力伝達部77は、第2モータ76と第1アーム部36との間に介在し、第2モータ76の動力を、第2モータ76の回転部79から第1アーム部36に伝達する。このような第2モータ76および第2動力伝達部77を含んで、第2旋回駆動手段166が構成される。このような第2旋回駆動手段166によって、第1および第2アーム部36,37が互いに相対的に旋回駆動される。
【0104】
第2モータ76および第2動力伝達部77は、第2アーム部37の内部空間54に収容される。この場合でも、前述の第1形態と同様に、基板搬送ロボット161の周囲の清浄度が低下することを防ぐことができる。
【0105】
本実施の形態によれば、第2モータ76は、回転部79が、第2アーム部37の延在方向に略平行な回転軸線L22まわりに回転するように、配置されるので、第2モータ76の配置空間を確保するために、第2アーム部37の一部をその延在方向に垂直な方向に突出させる必要がない。したがって第2アーム部37の大形化を防ぐことができ、これによって第2アーム部37と外部の物体との干渉を防ぐことができる。
【0106】
また本実施の形態によれば、第2モータ76は、第2アーム部37に設けられるので、基台34に設けられる場合に比べて、第1および第2アーム部36,37間の関節から第2モータ76までの距離が短くなる。したがって第2動力伝達部77の構成を簡素化して、第2動力伝達部77における誤差の累積を防ぐことができる。これによって、前述の第1形態と同様に、ロボットアーム33の先端部33bの位置決め精度を向上し、ひいてはロボットハンド35の位置決め精度を向上することができる。またヒステリシスを小さくすることができる。
【0107】
図8は、本発明の実施の第3形態である基板搬送ロボット171の構成を簡略化して示す断面図である。図9は、図8の上方から見た基板搬送ロボット171の平面図である。本実施の形態の基板搬送ロボット171は、前述の第1形態の基板搬送ロボット31に類似するので、対応する部分には同一の符号を付し、異なる点についてだけ説明する。
【0108】
第1アーム部36の延在方向一端部36a寄りの部分には、第1アーム部36の内部空間51に連通する円筒状の一端側連通孔172が形成され、また外方に突出する円筒状の突出部173が形成される。一端側連通孔172の軸線は、第1アーム部36の延在方向に垂直である。突出部173の内孔174は、一端側連通孔172と同軸であり、一端側連通孔172を介して、第1アーム部36の内部空間51に連通する。
【0109】
基台34の上部34aである可動部47の上部には、可動部47の内孔175に連通する円筒状の連通孔176が形成される。連通孔176は、可動部47の内孔175と同軸である。連通孔176は、上方に臨んで開放される。
【0110】
可動部47の連通孔176には、第1アーム部36の突出部173が同軸に緩やかに挿通され、これによって基台34および第1アーム部36が、第1旋回軸線L11まわりに互いに相対的に旋回可能に連結される。連通孔176および突出部173の各軸線は、第1旋回軸線L11と共通な一直線を成す。第1アーム部36の突出部173と可動部47の連通孔176の形成部176aとの間には、軸受手段が介在し、これによって基台34に対する第1アーム部36の旋回を円滑にすることができる。
【0111】
第1モータ71は、固定部73が基台34の可動部47に固定され、回転部74が、固定部73に対して、第1旋回軸線L11に平行な回転軸線L21まわりに回転する。第1動力伝達部72は、第1モータ71と第1アーム部36との間に介在し、第1モータ71の動力を、第1モータ71の回転部74から第1アーム部36に伝達する。このような第1モータ71および第1動力伝達部72とを含んで、第1旋回駆動手段177が構成される。このような第1旋回駆動手段177によって、基台34および第1アーム部36が互いに相対的に旋回駆動される。
【0112】
第1モータ71および第1動力伝達部72は、基台34の可動部47の内孔175に収容される。この場合でも、前述の第1形態と同様に、基板搬送ロボット171の周囲の清浄度が低下することを防ぐことができる。
【0113】
図10は、本発明の実施の第4形態である基板搬送ロボット181の構成を簡略化して示す断面図である。図11は、図10の上方から見た基板搬送ロボット181の平面図である。本実施の形態の基板搬送ロボット181は、前述の第1〜第3形態の基板搬送ロボット31に類似するので、対応する部分には同一の符号を付し、異なる点についてだけ説明する。
【0114】
本実施の形態の基板搬送ロボット181は、基本的には前述の第1形態の基板搬送ロボット31と同様の構成を有し、第1および第2アーム部36,37間の関節に関しては、前述の第2形態の基板搬送ロボット161と同様の構成を有し、また基台34および第1アーム部36間の関節に関しては、前述の第3形態の基板搬送ロボット171と同様の構成を有する。
【0115】
図12は、本発明の実施の第5形態である基板搬送ロボットにおける第2動力伝達部186の構成を示す断面図である。この図12では、煩雑になるのを防ぐために、第2動力伝達部186の構成を簡略化して示している。本実施の形態の基板搬送ロボットは、前述の第1形態の基板搬送ロボット31に類似するので、対応する部分には同一の符号を付し、異なる点についてだけ説明する。
【0116】
本実施の形態では、第2歯車92と、各中間歯車93のうち第2歯車92に噛合する中間歯車93bとが、かさ歯車によって実現される。このような本実施の形態でも、前述の第1形態と同様に、第2モータ76の動力を、第2モータ76の回転部79から第2アーム部37の突出部56に伝達することができる。
【0117】
本実施の形態では、第2歯車92と、各中間歯車93のうち第2歯車92に噛合する中間歯車93bとが、かさ歯車によって実現されるけれども、これに代えて、各中間歯車93のうち互いに噛合する2つの中間歯車が、かさ歯車によって実現されてもよい。この場合でも、第2モータ76の動力を、第2モータ76の回転部79から第2アーム部37の突出部56に伝達することができる。
【0118】
前述の実施の各形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば、ロボットアーム33は、複数のアーム部によって構成すればよく、したがってアーム部は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。この場合、互いに連結される2つのアーム部は、互いに相対的に旋回可能に設けられ、旋回駆動手段は、互いに連結される2つのアーム部間の関節毎に設けられる。
【0119】
第2動力伝達部77は、複数の歯車91〜93のうち互いに噛合する2つの歯車が、かさ歯車に代えて、ウォームギアによって実現されてもよい。
【0120】
第2動力伝達部77は、第2モータ76の動力を、ベルトを介して、第2モータ76の回転部79から第2アーム部37の突出部56に伝達してもよい。この場合、ベルトによって、第2モータ76の回転部79の回転軸線L22またはこの回転軸線L22に平行な回転軸線まわりの回転を、第2旋回軸線L12またはこの第2旋回軸線L12に平行な回転軸線まわりの回転に変換するように構成してもよい。
【0121】
第2アーム部37には、複数のロボットハンドが設けられてもよい。この場合、一度に搬送可能なウェハ32の枚数を増やすことができ、作業効率を向上することができる。各ロボットハンドは、第2アーム部37に対して相対的に旋回可能に設けられる。他の旋回駆動手段は、ロボットハンド毎に設けられ、各ロボットハンドは、各他の旋回駆動手段によって個別に旋回駆動される。各ロボットハンドは、上下方向Zにずれて設けられ、これによって各ロボットハンドが個別に旋回駆動されても、各ロボットハンドが互いに干渉することが防がれる。
【0122】
基板搬送ロボットは、ウェハ32以外の基板を処理するための基板処理設備にも用いることができる。基板搬送ロボットは、基板収容容器から、雰囲気気体が調整された準備空間を経由して、基板処理装置に基板を搬送するとともに、基板処理装置から、前記準備空間を経由して、基板収容容器に基板を搬送する。基板としては、半導体基板のほか、液晶表示装置などに用いられるガラス基板であってもよい。基板搬送ロボットは、クリーンルーム内で好適に用いられる。
本発明において、略平行は、平行を含む。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の実施の第1形態である基板搬送ロボット31の構成を簡略化して示す断面図である。
【図2】図1の上方から見た基板搬送ロボット31の平面図である。
【図3】第2動力伝達部77の構成を示す断面図である。
【図4】基板搬送ロボット31を備える半導体処理設備101の一部を示す平面図である。
【図5】半導体処理設備101の一部を切断して示す断面図である。
【図6】本発明の実施の第2形態である基板搬送ロボット161の構成を簡略化して示す断面図である。
【図7】図6の上方から見た基板搬送ロボット161の平面図である。
【図8】本発明の実施の第3形態である基板搬送ロボット171の構成を簡略化して示す断面図である。
【図9】図8の上方から見た基板搬送ロボット171の平面図である。
【図10】本発明の実施の第4形態である基板搬送ロボット181の構成を簡略化して示す断面図である。
【図11】図10の上方から見た基板搬送ロボット181の平面図である。
【図12】本発明の実施の第5形態である基板搬送ロボットにおける第2動力伝達部186の構成を示す断面図である。
【図13】第1の従来技術である基板搬送ロボット1の構成を簡略化して示す図である。
【図14】第2の従来技術である基板搬送ロボット16の構成を簡略化して示す図である。
【符号の説明】
【0124】
31,161,171,181 基板搬送ロボット
33 半導体ウェハ
34 基台
35 ロボットハンド
36 第1アーム部
37 第2アーム部
41,177 第1旋回駆動手段
42,166 第2旋回駆動手段
43 第3旋回駆動手段
71 第1モータ
72 第1動力伝達部
76 第2モータ
77,186 第2動力伝達部
81 第3モータ
82 第3動力伝達部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
基板を把持するロボットハンドと、
延在して形成される中空状の複数のアーム部を有し、各アーム部は一連に連結され、一端のアーム部は基台に連結され、他端のアーム部はロボットハンドに連結され、互い連結される2つのアーム部は互いに相対的に旋回可能に設けられるロボットアームと、
互いに連結される2つのアーム部間の関節毎に設けられ、互いに連結される2つのアーム部を互いに相対的に旋回駆動する旋回駆動手段とを含み、
旋回駆動手段は、
互いに連結される2つのアーム部の一方に固定される固定部と、固定部に対して、前記一方のアーム部の延在方向に略平行な回転軸線まわりに回転する回転部とを有し、前記一方のアーム部の内部空間に収容されるモータと、
前記一方のアーム部の内部空間に収容され、モータと前記互いに連結される2つのアーム部の他方との間に介在し、モータの動力を、モータの回転部から前記他方のアーム部に伝達する動力伝達部とを含むことを特徴とする基板搬送ロボット。
【請求項2】
前記一方のアーム部は、基台側のアーム部であることを特徴とする請求項1記載の基板搬送ロボット。
【請求項3】
動力伝達部は、モータの動力を、複数の歯車によって、モータの回転部から前記他方のアーム部に伝達することを特徴とする請求項1または2記載の基板搬送ロボット。
【請求項4】
動力伝達部は、
モータの回転部に、回転部の回転軸線と同軸に固定される第1歯車と、
前記他方のアーム部に、前記一方および他方のアーム部の旋回軸線と同軸に固定される第2歯車と、
第1および第2歯車間に介在する複数の中間歯車と、
前記一方のアーム部に固定され、各中間歯車が、各中間歯車の回転軸線まわりに回転可能な状態で収容される歯車収容箱とを有することを特徴とする請求項3記載の基板搬送ロボット。
【請求項5】
ロボットハンドが前記一端のアーム部に対して相対的に旋回可能に設けられる基板搬送ロボットであって、
ロボットハンドを前記一端のアーム部に対して相対的に旋回駆動する他の旋回駆動手段を含み、
他の旋回駆動手段は、
前記一端のアーム部に設けられる固定部と、固定部に対して、前記一端のアーム部の延在方向に略平行な回転軸線まわりに回転する回転部とを有し、前記一端のアーム部の内部空間に収容される他のモータと、
前記一端のアーム部の内部空間に収容され、他のモータとロボットハンドとの間に介在し、他のモータの動力を、他のモータの回転部からロボットハンドに伝達する他の動力伝達部とを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の基板搬送ロボット。
【請求項6】
基板として半導体ウェハを搬送する基板搬送ロボットであって、
半導体ウェハが収容される容器と半導体ウェハを処理する処置装置との間で、半導体ウェハを搬送することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の基板搬送ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−264980(P2008−264980A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114742(P2007−114742)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】