塗工検査方法および塗工検査装置および塗工装置
【課題】本発明は、透明ないしは半透明の基材に塗液を薄く塗工するような場合にも適用可能であり、なおかつ塗工量や塗工むらの監視も可能な、インライン塗工検査方法ならびに塗工検査装置を提供するものである
【解決手段】透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査方法であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視することを特徴とする塗工検査方法。
【解決手段】透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査方法であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視することを特徴とする塗工検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗膜の検査方法および検査装置に関し、特に透明ないしは半透明の透光性を有する基材に塗料やインキを塗工する際の塗膜の状態を塗工中に検査するインライン塗工検査方法並びに塗工検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷もしくはコーティング分野における塗布不良の検査は、主に塗布後、乾燥工程を経た後に行なわれている。しかし、近年塗布膜厚は極めて薄くなっていることから、乾燥工程後に塗工ムラや塗工ヌケ等の塗工不良部分を発見することが、光学式の検知方式では困難となり、不良品の検知が有効に行なわれないという問題がある。
【0003】
特に、基材が透明ないしは半透明であって、塗工剤も同様に透明ないしは透明に近いものである場合、塗工された塗膜の欠陥を発見することには、より一層の困難が伴う。
【0004】
さらに、近年塗工速度は極めて高速となり、塗布状態の異常発見が遅れることで基材や塗工液といった材料のロス発生量が甚大となる問題がある。特に、高機能性フィルムの加工では、基材や塗工液は高価であることが多く、さらに、多層塗工の場合には塗布部異常の発見遅延は致命的である。
【0005】
上記問題点を解決する手段として、特許文献1に示された塗膜の検査方法は、シートまたはフィルムに透明又は白色の塗工液を塗工する際に、該塗工液中に蛍光増白剤を包含させ、塗工中又は塗工後、塗工面に紫外線を照射して塗工面を肉眼で観察することを特徴とする塗膜の検査方法である。
【0006】
この塗膜検査方法によると、通常の目視では発見しにくい透明または白色の塗膜における塗膜欠陥を効率的に発見することが可能となるが、この検査方法においては、塗工液中に蛍光増白剤を包含させることが必須であるため、塗工液が蛍光増白剤に対して反応を起こす材料を含む場合には適用できない。また、塗布不良部の確認方法として、塗工面に紫外線を照射する必要があるため、紫外線に反応するシートや塗工液を使用する場合には適用できないなど、実施に当っての制約が大きいという問題がある。
【0007】
特許文献2に示された検査装置は、枚葉式ダイコートに付設する検査装置であって、コーティングヘッドと基材のギャップに形成されるビードにテスト光を照射して、ビードを透過する光をカメラで受光し、このカメラの撮像した画像からビードが切れ目なく形成されているかどうかを検査し、ビード切れが生じていることを検知した時は、コーティングヘッドに塗布液を供給するポンプの出力弁を閉じる信号を送出する判定処理部を有することを特徴とする検査装置である。
【0008】
この検査装置によると、塗工中に発生するビード切れを常に監視することが可能となるので、ビード切れが発生した場合の不良品の発生と塗布液の浪費を防ぐことができる。しかしながら、この検査方法が適用できるのは、コーティングヘッドと基材のギャップが十分に広い枚様式ダイコートに限られ、連続したウェブ基材に連続的にコーティングするダイコートに多く見られるように、コーティングヘッドと基材のギャップが極めて狭い場合には、適用が困難である。また狭いギャップ部分に光を透過させて検知するためには、基材の厚みが常に一定である必要があり、厚みのばらつきが比較的大きいフィルムに適用することは困難である。また、この検査装置は、ビード切れをビードそのものを透過する光によって検知するので、ビード切れが生じないまでもビードの厚さに変化が生じたような場合には適切に検知できないという基本的な問題がある
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5-157706号公報
【特許文献2】特開2004-74028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑み、透明ないしは半透明の基材に塗液を薄く塗工するような場合にも適用可能であり、なおかつ塗工量や塗工むらの監視も可能な、インライン塗工検査方法ならびに塗工検査装置および塗工装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための手段として請求項1に記載の発明は、透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査方法であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視することを特徴とする塗工検査方法である。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、前記ビードの幅寸法を監視することを特徴とする請求項1に記載の塗工検査方法である。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、前記ビードの輪郭線形状を監視することを特徴とする請求項1または2に記載の塗工検査方法である。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査装置であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視する撮像手段と、前記ビードを照明する照明手段とを有することを特徴とする塗工検査装置である。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、前記撮像手段によって得られた画像データからビードの幅寸法を算出し、基準値と比較するデータ解析手段を有することを特徴とする請求項4に記載の塗工検査装置である。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、前記撮像手段によって得られた画像データからビードの輪郭線形状を抽出し、その均一性を基準値と比較するデータ解析手段を有することを特徴とする請求項4または5に記載の塗工検査装置である。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、前記照明手段が、前記基材の塗液塗工面とは反対の面の側から前記ビードを照明するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の塗工検査装置である。
【0018】
また、請求項8に記載の発明は、前記照明手段が、前記基材の塗工面側から前記ビードを照明するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の塗工検査装置である。
【0019】
また、請求項9に記載の発明は、前記撮像手段を、基材の幅方向に複数台配列したことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の塗工検査装置である。
【0020】
また、請求項10に記載の発明は、前記撮像手段と前記照明手段を備えた撮像系を、基材の幅方向に走査させることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の塗工検査装置である。
【0021】
また、請求項11に記載の発明は、請求項5〜8のいずれかに記載の塗工検査装置において、前記撮像手段により得られた画像データからデータ解析手段がビードの幅または均一性が基準値から外れていると判断した場合に、ビードの幅または均一性が基準値に近くなるよう塗工を制御する塗工制御手段を備えることを特徴とする塗工装置である。
【0022】
また、請求項12に記載の発明は、請求項5〜8のいずれかに記載の塗工検査装置において、前記撮像手段により得られた画像データからデータ解析手段がビードの幅または均一性が基準値から外れていると判断した場合には、塗工を中止する塗工中止手段を備えることを特徴とする塗工装置である。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置は、下記の如き効果を有するものである。
即ち、本発明に係る塗工検査方法は、透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査方法であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視することを特徴とする塗工検査方法であるから、塗工中のビードの状態を常に、監視することにより、塗工された塗膜の状態を常に把握することが可能である。従って乾燥工程後に塗工ムラや塗工ヌケ等の塗工不良部分を発見することが、光学式の検知方式では困難な製品に対しても、本発明に係る塗工検査方法によれば、基材に塗料やインキを塗工する際の塗布不良をインラインで検知することができる。また、高速塗工や多層塗工時の不良検知遅延によるロスを解消できる。また、本発明の検査方法は、広く利用されている塗工方式に対応し、また、基材や塗工液に対する制約がほとんど無い。
【0024】
本発明に係る塗工検査方法において、ビードの幅寸法を監視することを特徴とした場合には、ビードの幅寸法の評価という簡単な検査内容によって、基材の幅方向の塗布量の均一性や塗布量の時間的変化を知ることが可能であり、最も基本的な検査方法として有益なものとなる。
【0025】
また、前記ビードの輪郭線形状を監視することを特徴とした塗工検査方法によれば、前記塗布量の変化に加えて、基材幅方向の塗布量の均一性や、局部的な塗布量の変化すなわち、すじ状の塗布量不足または過剰などを検知することが可能となる。
【0026】
また、本発明に係る検査装置は、透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査装置であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視する撮像手段と、前記ビードを照明する照明手段とを有することを特徴とする塗工検査装置であるから、前記塗工検査方法による効果に加えて、さらに塗工検査の省力化、省人化、自動化が可能となるとともに、塗工検査の数値化、精密化等も可能となる。また人の目視では監視できないような狭い場所での監視も可能となる。
【0027】
また、前記撮像手段によって得られた画像データからビードの幅寸法を算出し、基準値と比較するデータ解析手段を有することを特徴とする塗工検査装置によれば、目視による判定に比較して、より正確なビード幅寸法を把握することが可能となるため、人による目視塗工検査に比較してより精密な塗工検査が可能となる。
【0028】
また、前記撮像手段によって得られた画像データからビードの輪郭線形状を抽出し、その均一性を基準値と比較するデータ解析手段を有することを特徴とする塗工検査装置によれば、従来人の感覚に依存していた検査内容について、常時人が監視する必要がなくなり、塗工検査の省力化、省人化、あるいは無人化が可能となる。
【0029】
また、前記撮像手段によって得られた画像データからビードの幅寸法やビードの輪郭線形状が、基準値から逸脱していると判断した場合には、版の回転比や塗液供給量を調整して基準の範囲内に入るよう制御する塗工制御手段を有する塗工装置とすることで、品質基準から外れたものを製造してしまうことを回避でき、生産性を向上させることができる。
【0030】
また、前記撮像手段によって得られた画像データからビードの幅寸法やビードの輪郭線形状が、基準値から逸脱していたりビードが切れたりしていると判断した場合には、塗工を中止する塗工中止手段を有する塗工装置とすることで、品質基準から外れたものを製造してしまうことを回避することができる。
【0031】
また、前記照明手段が、前記基材の塗液塗工面とは反対の面の側から前記ビードを照明するものであることを特徴とする塗工検査装置である場合には、撮像手段と照明手段とが基材の同じ側に存在するので、撮像系の設計が容易であり、コンパクトな検査装置が実現できる。
【0032】
また、前記照明手段が、前記基材の塗工面側から前記ビードを照明するものである場合には、照明手段から照射された光が基材を透過した後に、撮像手段によって観察されるため、反射光学系ではビードの輪郭が明確に認識できないような場合であっても、ビードの輪郭が明確に捕えられる場合がある。
【0033】
また、前記撮像手段を、基材の幅方向に複数台配列したことを特徴とする塗工検査装置の場合には、1台の撮像手段が受持つ観察範囲が狭くて済むため、より精密な監視が可能となる。
【0034】
また、前記撮像手段と前記照明手段を備えた撮像系を、基材の幅方向に走査させることを特徴とする塗工検査装置である場合には、高価な撮像手段を複数設けることなく、精密な監視が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置におけるビードの模式説明図。
【図2】本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置におけるビードの模式説明図。
【図3】ビードの幅寸法についての模式説明図。
【図4】ビードの輪郭線形状についての模式説明図。
【図5】ビードの輪郭線形状についての模式説明図。
【図6】本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置の2層コーティングラインにおける実施態様を示す模式図。
【図7】本発明に係る塗工検査装置における撮像手段と照明手段の位置関係の一例を示す模式図。
【図8】本発明に係る塗工検査装置における撮像手段と照明手段の位置関係の他の例を示す模式図。
【図9】本発明に係る塗工検査装置における撮像手段と照明手段の位置関係の他の例を示す模式図。
【図10】本発明に係る塗工検査装置における撮像手段と照明手段の位置関係の他の例を示す模式図。
【図11】本発明に係る塗工検査装置における撮像手段と照明手段の位置関係の他の例を示す模式図。
【図12】本発明に係る塗工検査装置における撮像手段と照明手段の位置関係の他の例を示す模式図。
【図13】本発明に係る塗工検査装置の他の実施態様を示す模式図。
【図14】本発明に係る塗工検査装置の他の実施態様を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置においては、ウェブもしくは基板に塗液を塗布する際に塗液によって形成されるビードを、ウェブもしくは基板越しにインラインで監視することで、上記課題を解決する。ビードとは、図1に示すように、塗布対象であるウェブもしくは基板等の基材1と、塗液供給手段2との間に、塗工液の表面張力により形成される液溜まりのことである。ビード3の幅は、基材1と塗液供給手段2とのギャップの大きさや、塗液供給量、さらに塗工液の表面張力や粘度等の物性により変化する。
【0037】
塗布中のビード幅が小さくなった場合には塗工量が減少していることを表し、逆にビード幅が広くなった場合には塗工量の増加を表している。また、ビードが切れた場合には、その箇所では塗工抜けが発生していることになる。このように、ビードの状態を監視することで、塗布状態をインラインで、塗布部にて検査することが可能である。また、乾燥後での塗布不良検知が困難であるような薄膜加工や、ウェブと塗工膜の屈折率が近く、光学的な不良検知が困難である場合にも、この方式によれば検知可能である。
【0038】
以下、図面に従って、本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置におけるビードの模式説明図である。
ビード3とは、塗工対象である基材1と塗液供給手段2との間に形成された塗液溜りのことをいう。基材1としては、透光性を有することが必要であり、透明なフィルム、ガラス板等、透明な材料の他、半透明のものや、薄紙などある程度光を透過するものであれば、検査対象物となりうる。4は、基材1の塗工面を示している。
【0039】
塗液供給手段2は、図1ではリバースグラビアキスコーターにおけるグラビアロールを示しているが、この他一般のキスコーターにおけるファウンテンロール、フリースパンダイコーターにおけるスリットダイ、小径キスグラビアコーターにおける小径グラビアロール等、各種塗工方式における塗液供給手段を指している。
上に挙げたような塗工方式は、いずれも塗液供給手段に対向する部分にロール等が存在しないため、基材の、塗工面とは反対の面側からビードを観察することが可能である。
【0040】
図2は、同様にしてビードの模式説明図であり、ビード3を基材1の塗液塗工面とは反対の面の側から見た状態を示している。ビード3は図に示したようにある程度の幅をもったものであり、このビードの幅寸法Wを監視することによって、塗工された塗膜の状態を推定することができる。ビード3は、透明な基材に透明な塗工剤を塗布したような場合であっても照明の角度によっては、明確に視認することが可能である。
一般にビード3の幅寸法Wが狭い場合は、塗布量が少ないことを示しており、ビードの幅寸法Wが広い場合は、塗布量が多いことを示している。
【0041】
ビードの輪郭線形状5が、図2のように不規則に変化しながらもほぼ同じ幅の矩形を示している場合には、良好な塗工が行われていることを示している。図3は、ビードの幅寸法についての模式説明図であるが、この例では左側のビードの幅寸法W1と右側のビードの幅寸法W2とが大きく異なっており、左側から右側に向って塗布量の勾配があり右側に近づくにつれて塗布量が多くなっていることを示している。
【0042】
図4は、ビードの輪郭線形状についての模式説明図である。
この例では、ビード3の輪郭線形状5に不均一な部分があり、輪郭線が凹んでいる部分では、塗布量不足のすじ6が発生していることを示しており、輪郭線が突出している部分では、塗布量過多のすじ7が発生していることを示している。
【0043】
図5は、同様にしてビードの輪郭線形状についての模式説明図である。
この例では、ビード3の輪郭線形状5に大きなうねりがあり、形成された塗膜には、基材の幅方向になだらかなすじ状の塗布量むらが発生していることが分る。
以上説明したように、本発明に係る塗工検査方法においては、ビード3を監視することによって塗膜の状態をインラインで確認することが可能であるため、塗膜の検査方法として優れた方法である。
本発明に係る塗工検査方法は、人の目視によっても十分監視することが可能であるが、以下に説明するように本発明に係る塗工検査装置によれば、監視がより容易にかつ精密に行われる。
【0044】
図6は、本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置の2層コーティングラインにおける実施態様を示す模式図である。
この2層コーティングラインは、塗工方式がリバースキスグラビア方式であり、ウェブ状の基材1の塗工面4に2層の塗膜を連続して設けることができるものである。
基材1の塗工面4に、1層目コーティングロールによって1層目の塗膜が形成され、直ちに第一乾燥炉13によって乾燥され、冷却ロール14によって冷却される。次に2層目コーティングロール17によって2層目の塗膜が形成され、第二乾燥炉18によって乾燥される。
【0045】
1層目塗工部には、1層目コーティングロール12によって形成されるビードを監視する1層目塗工部撮像カメラ11と1層目塗工部撮像カメラ用照明10が設置されており、2層目塗工部には、2層目コーティングロール17によって形成されるビードを監視する2層目塗工部撮像カメラ16と2層目塗工部撮像カメラ用照明15が設置されている。
この例では、照明手段10、15が、撮像手段11、16に対して、基材1の同じ側に設けられ、基材1の上流側から照明して下流側から撮像する形態をとっている。
【0046】
撮像手段としては、CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサーを使用したビデオカメラ等のデジタル撮像機器が使用できる。
本実施例においては、ビードを観察可能な場所が狭く、人による目視監視が不可能であるため、撮像カメラ10、16を使用した塗工検査装置が有効に機能している。
本図には示されていないが、撮像カメラ10、16によって撮影された画像は、モニターに映し出され、これをオペレーターが監視することができるようになっている。
【0047】
照明手段としては、撮像手段が監視する部分を均一に照明することができるものであれば、特に限定されるものではないが、広い面積を均一に照明することができる照明器具として、蛍光灯を用いた照明器具は最も一般的に使用される。
但し、ビードの形状によっては、点光源から発光された光を反射鏡やレンズによって平行光線としたものや、レーザー光なども有効に利用できる場合がある。
【0048】
ビード3の輪郭線形状5を明確に検知するためには、ビードのエッジを明確に検出することが重要であり、照明手段9および撮像手段8の設置位置については、基材1や塗工液の屈折率や、塗工膜厚により最適な配置を決定する。また、光源の選定についても、同様に決定する。
【0049】
図7〜12は、本発明に係る塗工検査装置のいくつかの実施態様における撮像手段と照明手段の位置関係の例を示す模式図である。
図7に示された例では、撮像手段8が、基材1の塗工面4の反対側の塗布部下流にあってビード3を斜め上方から観察するように設置されており、照明手段9が塗工面4の反対側の塗布部上流にあってビード3を斜め上方から照射するように設置されている。
図7に示された例は、撮像手段8と照明手段9の最も一般的な設置方法である。
【0050】
図8に示された例では、撮像手段8が、基材1の塗工面4の反対側の塗布部上流にあってビード3を斜め上方から観察するように設置されており、照明手段9も同様に塗工面4の反対側の塗布部上流にあってビード3を斜め上方から照射するように設置されている。
図8の例では、撮像手段と照明手段とが接近しているので、共通の筐体に収納することも可能であり、装置がコンパクトになる特徴がある。
【0051】
図9に示された例では、撮像手段8が、基材1の塗工面4の反対側の塗布部上流にあってビード3を斜め上方から観察するように設置されており、照明手段9が塗工面4の反対側の塗布部下流にあってビード3を斜め上方から照射するように設置されている。
【0052】
図10に示された例では、撮像手段8が、基材1の塗工面4の反対側の塗布部上方にあってビード3を上方から垂直に観察するように設置されており、照明手段9は塗工面4の反対側の塗布部上流および下流にあってビード3を斜め上方から照射するように設置されている。
【0053】
図11に示された例では、撮像手段8が、基材1の塗工面4の反対側の塗布部上方にあってビード3を上方から垂直に観察するように設置されており、照明手段9は塗工面4の側の塗布部上流および下流にあってビード3を斜め下方から照射するように設置されている。この例では、塗工方式がダイコーターであって塗液供給手段2が幅の狭いスリットダイであるから、ダイ先端と基材1の接触部分が狭いため、ビード3を下方から照明可能である。
【0054】
図12に示された例は、板状の基材1に対してスリットダイコーターによって塗工を行う場合の例であり、撮像手段8が、基材1の塗工面4の反対側の塗布部下方にあってビード3を下方から垂直に観察するように設置されており、照明手段9は塗工面4の反対側の塗布部上流および下流にあってビード3を斜め下方から照射するように設置されている。
【0055】
撮像手段8と照明手段9とをどのように配置するかについては、塗工設備の構造や基材、塗工剤の材質、塗工条件等によってビード3を最もよく観察できる位置関係を選定することが重要である。
【0056】
図13は、本発明に係る塗工検査装置の他の実施態様を示す模式図である。
この実施態様においては、ビード3を5台のCCDカメラからなる撮像手段8によって分割して監視するようになっている。このため1台のカメラが担当する範囲が狭くて済み、1台のカメラでビードの全域を監視する場合に比較して、より精密な監視が可能となる。
【0057】
図14は、本発明に係る塗工検査装置の他の実施態様を示す模式図である。
この実施態様においては、撮像手段8と照明手段9を備えた撮像系19を、基材1の幅方向に走査させることを特徴としている。
撮像手段8と照明手段9とは、共通のブラケット20に固定されて撮像系19を形成しており、この撮像系19がスライドレール21によってビード3の上をビード3と平行に移動する。このようにすることにより、図13の例と同様にカメラの担当する範囲が狭く、従って精密な監視をカメラ1台で実現することができるため、装置のコストが低く抑えられる。但しこの方法が用いられるのは、ビード3の変化する速度が撮像系の走査速度に対して十分遅い場合に限られる。
【0058】
次に撮像手段8によって得られたビード3の画像データを解析する手段について説明する。撮像手段8によって得られた画像データから、ビードの幅寸法Wを算出し、基準値と比較するデータ解析手段あるいは、撮像手段8によって得られた画像データからビードの輪郭線形状5を抽出し、その均一性を基準値と比較するデータ解析手段としては、コンピューターを利用して公知の画像解析ソフトウェアによって達成することができる。例えば、画像データを二値化処理することによりエッジを強調する方法や、デジタルフィルターを介することで画像データ中のエッジを検出することができる。光学フィルターを用いて更にシャープにエッジを検出することも可能である。
ビード3のエッジを検出することが出来れば、ビードの輪郭線形状5を抽出したり、ビードの幅寸法Wを知ることが可能となる。またビードの幅寸法Wをビードの長手方向に走査することにより、ビードの幅寸法Wのばらつきを知ることができる。
【0059】
塗工部における正常時のビード幅寸法Wを、撮像手段8により撮影し、プリセットしておくことにより、塗工中に何らかの要因によりビード幅寸法Wが変動した場合には、プリセット値との比較により、塗工抜けや、塗工膜厚の変動を検知することができる。このとき、検知した信号を塗工機の制御盤に入力し、ビード幅寸法Wが増減している場合には塗液供給手段2の回転比を調整したり、ビードが切れた場合には塗工を中止する等の制御プログラムも有用である。
【0060】
ビード3の監視方法として、撮像手段8によって撮影された正常時のビード形状を画像として保存しておき、塗工時のビード形状画像と比較する方法もある。このようなプログラムを併用することにより、予め想定していなかった異常も検出することが可能となり、人の目視による官能検査に近い検査が実現できる。
【符号の説明】
【0061】
1・・・・基材
2・・・・塗液供給手段
3・・・・ビード
4・・・・塗工面
5・・・・ビードの輪郭線形状
6・・・・すじ(塗布量不足)
7・・・・すじ(塗布量過多)
W・・・・ビードの幅寸法
W1・・・ビードの幅寸法(左側)
W2・・・ビードの幅寸法(右側)
8・・・・撮像手段
9・・・・照明手段
10・・・1層目塗工部撮像カメラ用照明
11・・・1層目塗工部撮像カメラ
12・・・1層目コーティングロール
13・・・第一乾燥炉
14・・・冷却ロール
15・・・2層目塗工部撮像カメラ用照明
16・・・2層目塗工部撮像カメラ
17・・・2層目コーティングロール
18・・・第二乾燥炉
19・・・撮像系
20・・・ブラケット
21・・・スライドレール
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗膜の検査方法および検査装置に関し、特に透明ないしは半透明の透光性を有する基材に塗料やインキを塗工する際の塗膜の状態を塗工中に検査するインライン塗工検査方法並びに塗工検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷もしくはコーティング分野における塗布不良の検査は、主に塗布後、乾燥工程を経た後に行なわれている。しかし、近年塗布膜厚は極めて薄くなっていることから、乾燥工程後に塗工ムラや塗工ヌケ等の塗工不良部分を発見することが、光学式の検知方式では困難となり、不良品の検知が有効に行なわれないという問題がある。
【0003】
特に、基材が透明ないしは半透明であって、塗工剤も同様に透明ないしは透明に近いものである場合、塗工された塗膜の欠陥を発見することには、より一層の困難が伴う。
【0004】
さらに、近年塗工速度は極めて高速となり、塗布状態の異常発見が遅れることで基材や塗工液といった材料のロス発生量が甚大となる問題がある。特に、高機能性フィルムの加工では、基材や塗工液は高価であることが多く、さらに、多層塗工の場合には塗布部異常の発見遅延は致命的である。
【0005】
上記問題点を解決する手段として、特許文献1に示された塗膜の検査方法は、シートまたはフィルムに透明又は白色の塗工液を塗工する際に、該塗工液中に蛍光増白剤を包含させ、塗工中又は塗工後、塗工面に紫外線を照射して塗工面を肉眼で観察することを特徴とする塗膜の検査方法である。
【0006】
この塗膜検査方法によると、通常の目視では発見しにくい透明または白色の塗膜における塗膜欠陥を効率的に発見することが可能となるが、この検査方法においては、塗工液中に蛍光増白剤を包含させることが必須であるため、塗工液が蛍光増白剤に対して反応を起こす材料を含む場合には適用できない。また、塗布不良部の確認方法として、塗工面に紫外線を照射する必要があるため、紫外線に反応するシートや塗工液を使用する場合には適用できないなど、実施に当っての制約が大きいという問題がある。
【0007】
特許文献2に示された検査装置は、枚葉式ダイコートに付設する検査装置であって、コーティングヘッドと基材のギャップに形成されるビードにテスト光を照射して、ビードを透過する光をカメラで受光し、このカメラの撮像した画像からビードが切れ目なく形成されているかどうかを検査し、ビード切れが生じていることを検知した時は、コーティングヘッドに塗布液を供給するポンプの出力弁を閉じる信号を送出する判定処理部を有することを特徴とする検査装置である。
【0008】
この検査装置によると、塗工中に発生するビード切れを常に監視することが可能となるので、ビード切れが発生した場合の不良品の発生と塗布液の浪費を防ぐことができる。しかしながら、この検査方法が適用できるのは、コーティングヘッドと基材のギャップが十分に広い枚様式ダイコートに限られ、連続したウェブ基材に連続的にコーティングするダイコートに多く見られるように、コーティングヘッドと基材のギャップが極めて狭い場合には、適用が困難である。また狭いギャップ部分に光を透過させて検知するためには、基材の厚みが常に一定である必要があり、厚みのばらつきが比較的大きいフィルムに適用することは困難である。また、この検査装置は、ビード切れをビードそのものを透過する光によって検知するので、ビード切れが生じないまでもビードの厚さに変化が生じたような場合には適切に検知できないという基本的な問題がある
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5-157706号公報
【特許文献2】特開2004-74028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑み、透明ないしは半透明の基材に塗液を薄く塗工するような場合にも適用可能であり、なおかつ塗工量や塗工むらの監視も可能な、インライン塗工検査方法ならびに塗工検査装置および塗工装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための手段として請求項1に記載の発明は、透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査方法であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視することを特徴とする塗工検査方法である。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、前記ビードの幅寸法を監視することを特徴とする請求項1に記載の塗工検査方法である。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、前記ビードの輪郭線形状を監視することを特徴とする請求項1または2に記載の塗工検査方法である。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査装置であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視する撮像手段と、前記ビードを照明する照明手段とを有することを特徴とする塗工検査装置である。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、前記撮像手段によって得られた画像データからビードの幅寸法を算出し、基準値と比較するデータ解析手段を有することを特徴とする請求項4に記載の塗工検査装置である。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、前記撮像手段によって得られた画像データからビードの輪郭線形状を抽出し、その均一性を基準値と比較するデータ解析手段を有することを特徴とする請求項4または5に記載の塗工検査装置である。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、前記照明手段が、前記基材の塗液塗工面とは反対の面の側から前記ビードを照明するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の塗工検査装置である。
【0018】
また、請求項8に記載の発明は、前記照明手段が、前記基材の塗工面側から前記ビードを照明するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の塗工検査装置である。
【0019】
また、請求項9に記載の発明は、前記撮像手段を、基材の幅方向に複数台配列したことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の塗工検査装置である。
【0020】
また、請求項10に記載の発明は、前記撮像手段と前記照明手段を備えた撮像系を、基材の幅方向に走査させることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の塗工検査装置である。
【0021】
また、請求項11に記載の発明は、請求項5〜8のいずれかに記載の塗工検査装置において、前記撮像手段により得られた画像データからデータ解析手段がビードの幅または均一性が基準値から外れていると判断した場合に、ビードの幅または均一性が基準値に近くなるよう塗工を制御する塗工制御手段を備えることを特徴とする塗工装置である。
【0022】
また、請求項12に記載の発明は、請求項5〜8のいずれかに記載の塗工検査装置において、前記撮像手段により得られた画像データからデータ解析手段がビードの幅または均一性が基準値から外れていると判断した場合には、塗工を中止する塗工中止手段を備えることを特徴とする塗工装置である。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置は、下記の如き効果を有するものである。
即ち、本発明に係る塗工検査方法は、透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査方法であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視することを特徴とする塗工検査方法であるから、塗工中のビードの状態を常に、監視することにより、塗工された塗膜の状態を常に把握することが可能である。従って乾燥工程後に塗工ムラや塗工ヌケ等の塗工不良部分を発見することが、光学式の検知方式では困難な製品に対しても、本発明に係る塗工検査方法によれば、基材に塗料やインキを塗工する際の塗布不良をインラインで検知することができる。また、高速塗工や多層塗工時の不良検知遅延によるロスを解消できる。また、本発明の検査方法は、広く利用されている塗工方式に対応し、また、基材や塗工液に対する制約がほとんど無い。
【0024】
本発明に係る塗工検査方法において、ビードの幅寸法を監視することを特徴とした場合には、ビードの幅寸法の評価という簡単な検査内容によって、基材の幅方向の塗布量の均一性や塗布量の時間的変化を知ることが可能であり、最も基本的な検査方法として有益なものとなる。
【0025】
また、前記ビードの輪郭線形状を監視することを特徴とした塗工検査方法によれば、前記塗布量の変化に加えて、基材幅方向の塗布量の均一性や、局部的な塗布量の変化すなわち、すじ状の塗布量不足または過剰などを検知することが可能となる。
【0026】
また、本発明に係る検査装置は、透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査装置であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視する撮像手段と、前記ビードを照明する照明手段とを有することを特徴とする塗工検査装置であるから、前記塗工検査方法による効果に加えて、さらに塗工検査の省力化、省人化、自動化が可能となるとともに、塗工検査の数値化、精密化等も可能となる。また人の目視では監視できないような狭い場所での監視も可能となる。
【0027】
また、前記撮像手段によって得られた画像データからビードの幅寸法を算出し、基準値と比較するデータ解析手段を有することを特徴とする塗工検査装置によれば、目視による判定に比較して、より正確なビード幅寸法を把握することが可能となるため、人による目視塗工検査に比較してより精密な塗工検査が可能となる。
【0028】
また、前記撮像手段によって得られた画像データからビードの輪郭線形状を抽出し、その均一性を基準値と比較するデータ解析手段を有することを特徴とする塗工検査装置によれば、従来人の感覚に依存していた検査内容について、常時人が監視する必要がなくなり、塗工検査の省力化、省人化、あるいは無人化が可能となる。
【0029】
また、前記撮像手段によって得られた画像データからビードの幅寸法やビードの輪郭線形状が、基準値から逸脱していると判断した場合には、版の回転比や塗液供給量を調整して基準の範囲内に入るよう制御する塗工制御手段を有する塗工装置とすることで、品質基準から外れたものを製造してしまうことを回避でき、生産性を向上させることができる。
【0030】
また、前記撮像手段によって得られた画像データからビードの幅寸法やビードの輪郭線形状が、基準値から逸脱していたりビードが切れたりしていると判断した場合には、塗工を中止する塗工中止手段を有する塗工装置とすることで、品質基準から外れたものを製造してしまうことを回避することができる。
【0031】
また、前記照明手段が、前記基材の塗液塗工面とは反対の面の側から前記ビードを照明するものであることを特徴とする塗工検査装置である場合には、撮像手段と照明手段とが基材の同じ側に存在するので、撮像系の設計が容易であり、コンパクトな検査装置が実現できる。
【0032】
また、前記照明手段が、前記基材の塗工面側から前記ビードを照明するものである場合には、照明手段から照射された光が基材を透過した後に、撮像手段によって観察されるため、反射光学系ではビードの輪郭が明確に認識できないような場合であっても、ビードの輪郭が明確に捕えられる場合がある。
【0033】
また、前記撮像手段を、基材の幅方向に複数台配列したことを特徴とする塗工検査装置の場合には、1台の撮像手段が受持つ観察範囲が狭くて済むため、より精密な監視が可能となる。
【0034】
また、前記撮像手段と前記照明手段を備えた撮像系を、基材の幅方向に走査させることを特徴とする塗工検査装置である場合には、高価な撮像手段を複数設けることなく、精密な監視が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置におけるビードの模式説明図。
【図2】本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置におけるビードの模式説明図。
【図3】ビードの幅寸法についての模式説明図。
【図4】ビードの輪郭線形状についての模式説明図。
【図5】ビードの輪郭線形状についての模式説明図。
【図6】本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置の2層コーティングラインにおける実施態様を示す模式図。
【図7】本発明に係る塗工検査装置における撮像手段と照明手段の位置関係の一例を示す模式図。
【図8】本発明に係る塗工検査装置における撮像手段と照明手段の位置関係の他の例を示す模式図。
【図9】本発明に係る塗工検査装置における撮像手段と照明手段の位置関係の他の例を示す模式図。
【図10】本発明に係る塗工検査装置における撮像手段と照明手段の位置関係の他の例を示す模式図。
【図11】本発明に係る塗工検査装置における撮像手段と照明手段の位置関係の他の例を示す模式図。
【図12】本発明に係る塗工検査装置における撮像手段と照明手段の位置関係の他の例を示す模式図。
【図13】本発明に係る塗工検査装置の他の実施態様を示す模式図。
【図14】本発明に係る塗工検査装置の他の実施態様を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置においては、ウェブもしくは基板に塗液を塗布する際に塗液によって形成されるビードを、ウェブもしくは基板越しにインラインで監視することで、上記課題を解決する。ビードとは、図1に示すように、塗布対象であるウェブもしくは基板等の基材1と、塗液供給手段2との間に、塗工液の表面張力により形成される液溜まりのことである。ビード3の幅は、基材1と塗液供給手段2とのギャップの大きさや、塗液供給量、さらに塗工液の表面張力や粘度等の物性により変化する。
【0037】
塗布中のビード幅が小さくなった場合には塗工量が減少していることを表し、逆にビード幅が広くなった場合には塗工量の増加を表している。また、ビードが切れた場合には、その箇所では塗工抜けが発生していることになる。このように、ビードの状態を監視することで、塗布状態をインラインで、塗布部にて検査することが可能である。また、乾燥後での塗布不良検知が困難であるような薄膜加工や、ウェブと塗工膜の屈折率が近く、光学的な不良検知が困難である場合にも、この方式によれば検知可能である。
【0038】
以下、図面に従って、本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置におけるビードの模式説明図である。
ビード3とは、塗工対象である基材1と塗液供給手段2との間に形成された塗液溜りのことをいう。基材1としては、透光性を有することが必要であり、透明なフィルム、ガラス板等、透明な材料の他、半透明のものや、薄紙などある程度光を透過するものであれば、検査対象物となりうる。4は、基材1の塗工面を示している。
【0039】
塗液供給手段2は、図1ではリバースグラビアキスコーターにおけるグラビアロールを示しているが、この他一般のキスコーターにおけるファウンテンロール、フリースパンダイコーターにおけるスリットダイ、小径キスグラビアコーターにおける小径グラビアロール等、各種塗工方式における塗液供給手段を指している。
上に挙げたような塗工方式は、いずれも塗液供給手段に対向する部分にロール等が存在しないため、基材の、塗工面とは反対の面側からビードを観察することが可能である。
【0040】
図2は、同様にしてビードの模式説明図であり、ビード3を基材1の塗液塗工面とは反対の面の側から見た状態を示している。ビード3は図に示したようにある程度の幅をもったものであり、このビードの幅寸法Wを監視することによって、塗工された塗膜の状態を推定することができる。ビード3は、透明な基材に透明な塗工剤を塗布したような場合であっても照明の角度によっては、明確に視認することが可能である。
一般にビード3の幅寸法Wが狭い場合は、塗布量が少ないことを示しており、ビードの幅寸法Wが広い場合は、塗布量が多いことを示している。
【0041】
ビードの輪郭線形状5が、図2のように不規則に変化しながらもほぼ同じ幅の矩形を示している場合には、良好な塗工が行われていることを示している。図3は、ビードの幅寸法についての模式説明図であるが、この例では左側のビードの幅寸法W1と右側のビードの幅寸法W2とが大きく異なっており、左側から右側に向って塗布量の勾配があり右側に近づくにつれて塗布量が多くなっていることを示している。
【0042】
図4は、ビードの輪郭線形状についての模式説明図である。
この例では、ビード3の輪郭線形状5に不均一な部分があり、輪郭線が凹んでいる部分では、塗布量不足のすじ6が発生していることを示しており、輪郭線が突出している部分では、塗布量過多のすじ7が発生していることを示している。
【0043】
図5は、同様にしてビードの輪郭線形状についての模式説明図である。
この例では、ビード3の輪郭線形状5に大きなうねりがあり、形成された塗膜には、基材の幅方向になだらかなすじ状の塗布量むらが発生していることが分る。
以上説明したように、本発明に係る塗工検査方法においては、ビード3を監視することによって塗膜の状態をインラインで確認することが可能であるため、塗膜の検査方法として優れた方法である。
本発明に係る塗工検査方法は、人の目視によっても十分監視することが可能であるが、以下に説明するように本発明に係る塗工検査装置によれば、監視がより容易にかつ精密に行われる。
【0044】
図6は、本発明に係る塗工検査方法および塗工検査装置の2層コーティングラインにおける実施態様を示す模式図である。
この2層コーティングラインは、塗工方式がリバースキスグラビア方式であり、ウェブ状の基材1の塗工面4に2層の塗膜を連続して設けることができるものである。
基材1の塗工面4に、1層目コーティングロールによって1層目の塗膜が形成され、直ちに第一乾燥炉13によって乾燥され、冷却ロール14によって冷却される。次に2層目コーティングロール17によって2層目の塗膜が形成され、第二乾燥炉18によって乾燥される。
【0045】
1層目塗工部には、1層目コーティングロール12によって形成されるビードを監視する1層目塗工部撮像カメラ11と1層目塗工部撮像カメラ用照明10が設置されており、2層目塗工部には、2層目コーティングロール17によって形成されるビードを監視する2層目塗工部撮像カメラ16と2層目塗工部撮像カメラ用照明15が設置されている。
この例では、照明手段10、15が、撮像手段11、16に対して、基材1の同じ側に設けられ、基材1の上流側から照明して下流側から撮像する形態をとっている。
【0046】
撮像手段としては、CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサーを使用したビデオカメラ等のデジタル撮像機器が使用できる。
本実施例においては、ビードを観察可能な場所が狭く、人による目視監視が不可能であるため、撮像カメラ10、16を使用した塗工検査装置が有効に機能している。
本図には示されていないが、撮像カメラ10、16によって撮影された画像は、モニターに映し出され、これをオペレーターが監視することができるようになっている。
【0047】
照明手段としては、撮像手段が監視する部分を均一に照明することができるものであれば、特に限定されるものではないが、広い面積を均一に照明することができる照明器具として、蛍光灯を用いた照明器具は最も一般的に使用される。
但し、ビードの形状によっては、点光源から発光された光を反射鏡やレンズによって平行光線としたものや、レーザー光なども有効に利用できる場合がある。
【0048】
ビード3の輪郭線形状5を明確に検知するためには、ビードのエッジを明確に検出することが重要であり、照明手段9および撮像手段8の設置位置については、基材1や塗工液の屈折率や、塗工膜厚により最適な配置を決定する。また、光源の選定についても、同様に決定する。
【0049】
図7〜12は、本発明に係る塗工検査装置のいくつかの実施態様における撮像手段と照明手段の位置関係の例を示す模式図である。
図7に示された例では、撮像手段8が、基材1の塗工面4の反対側の塗布部下流にあってビード3を斜め上方から観察するように設置されており、照明手段9が塗工面4の反対側の塗布部上流にあってビード3を斜め上方から照射するように設置されている。
図7に示された例は、撮像手段8と照明手段9の最も一般的な設置方法である。
【0050】
図8に示された例では、撮像手段8が、基材1の塗工面4の反対側の塗布部上流にあってビード3を斜め上方から観察するように設置されており、照明手段9も同様に塗工面4の反対側の塗布部上流にあってビード3を斜め上方から照射するように設置されている。
図8の例では、撮像手段と照明手段とが接近しているので、共通の筐体に収納することも可能であり、装置がコンパクトになる特徴がある。
【0051】
図9に示された例では、撮像手段8が、基材1の塗工面4の反対側の塗布部上流にあってビード3を斜め上方から観察するように設置されており、照明手段9が塗工面4の反対側の塗布部下流にあってビード3を斜め上方から照射するように設置されている。
【0052】
図10に示された例では、撮像手段8が、基材1の塗工面4の反対側の塗布部上方にあってビード3を上方から垂直に観察するように設置されており、照明手段9は塗工面4の反対側の塗布部上流および下流にあってビード3を斜め上方から照射するように設置されている。
【0053】
図11に示された例では、撮像手段8が、基材1の塗工面4の反対側の塗布部上方にあってビード3を上方から垂直に観察するように設置されており、照明手段9は塗工面4の側の塗布部上流および下流にあってビード3を斜め下方から照射するように設置されている。この例では、塗工方式がダイコーターであって塗液供給手段2が幅の狭いスリットダイであるから、ダイ先端と基材1の接触部分が狭いため、ビード3を下方から照明可能である。
【0054】
図12に示された例は、板状の基材1に対してスリットダイコーターによって塗工を行う場合の例であり、撮像手段8が、基材1の塗工面4の反対側の塗布部下方にあってビード3を下方から垂直に観察するように設置されており、照明手段9は塗工面4の反対側の塗布部上流および下流にあってビード3を斜め下方から照射するように設置されている。
【0055】
撮像手段8と照明手段9とをどのように配置するかについては、塗工設備の構造や基材、塗工剤の材質、塗工条件等によってビード3を最もよく観察できる位置関係を選定することが重要である。
【0056】
図13は、本発明に係る塗工検査装置の他の実施態様を示す模式図である。
この実施態様においては、ビード3を5台のCCDカメラからなる撮像手段8によって分割して監視するようになっている。このため1台のカメラが担当する範囲が狭くて済み、1台のカメラでビードの全域を監視する場合に比較して、より精密な監視が可能となる。
【0057】
図14は、本発明に係る塗工検査装置の他の実施態様を示す模式図である。
この実施態様においては、撮像手段8と照明手段9を備えた撮像系19を、基材1の幅方向に走査させることを特徴としている。
撮像手段8と照明手段9とは、共通のブラケット20に固定されて撮像系19を形成しており、この撮像系19がスライドレール21によってビード3の上をビード3と平行に移動する。このようにすることにより、図13の例と同様にカメラの担当する範囲が狭く、従って精密な監視をカメラ1台で実現することができるため、装置のコストが低く抑えられる。但しこの方法が用いられるのは、ビード3の変化する速度が撮像系の走査速度に対して十分遅い場合に限られる。
【0058】
次に撮像手段8によって得られたビード3の画像データを解析する手段について説明する。撮像手段8によって得られた画像データから、ビードの幅寸法Wを算出し、基準値と比較するデータ解析手段あるいは、撮像手段8によって得られた画像データからビードの輪郭線形状5を抽出し、その均一性を基準値と比較するデータ解析手段としては、コンピューターを利用して公知の画像解析ソフトウェアによって達成することができる。例えば、画像データを二値化処理することによりエッジを強調する方法や、デジタルフィルターを介することで画像データ中のエッジを検出することができる。光学フィルターを用いて更にシャープにエッジを検出することも可能である。
ビード3のエッジを検出することが出来れば、ビードの輪郭線形状5を抽出したり、ビードの幅寸法Wを知ることが可能となる。またビードの幅寸法Wをビードの長手方向に走査することにより、ビードの幅寸法Wのばらつきを知ることができる。
【0059】
塗工部における正常時のビード幅寸法Wを、撮像手段8により撮影し、プリセットしておくことにより、塗工中に何らかの要因によりビード幅寸法Wが変動した場合には、プリセット値との比較により、塗工抜けや、塗工膜厚の変動を検知することができる。このとき、検知した信号を塗工機の制御盤に入力し、ビード幅寸法Wが増減している場合には塗液供給手段2の回転比を調整したり、ビードが切れた場合には塗工を中止する等の制御プログラムも有用である。
【0060】
ビード3の監視方法として、撮像手段8によって撮影された正常時のビード形状を画像として保存しておき、塗工時のビード形状画像と比較する方法もある。このようなプログラムを併用することにより、予め想定していなかった異常も検出することが可能となり、人の目視による官能検査に近い検査が実現できる。
【符号の説明】
【0061】
1・・・・基材
2・・・・塗液供給手段
3・・・・ビード
4・・・・塗工面
5・・・・ビードの輪郭線形状
6・・・・すじ(塗布量不足)
7・・・・すじ(塗布量過多)
W・・・・ビードの幅寸法
W1・・・ビードの幅寸法(左側)
W2・・・ビードの幅寸法(右側)
8・・・・撮像手段
9・・・・照明手段
10・・・1層目塗工部撮像カメラ用照明
11・・・1層目塗工部撮像カメラ
12・・・1層目コーティングロール
13・・・第一乾燥炉
14・・・冷却ロール
15・・・2層目塗工部撮像カメラ用照明
16・・・2層目塗工部撮像カメラ
17・・・2層目コーティングロール
18・・・第二乾燥炉
19・・・撮像系
20・・・ブラケット
21・・・スライドレール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査方法であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視することを特徴とする塗工検査方法。
【請求項2】
前記ビードの幅寸法を監視することを特徴とする請求項1に記載の塗工検査方法。
【請求項3】
前記ビードの輪郭線形状を監視することを特徴とする請求項1または2に記載の塗工検査方法。
【請求項4】
透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査装置であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視する撮像手段と、前記ビードを照明する照明手段とを有することを特徴とする塗工検査装置。
【請求項5】
前記撮像手段によって得られた画像データからビードの幅寸法を算出し、基準値と比較するデータ解析手段を有することを特徴とする請求項4に記載の塗工検査装置。
【請求項6】
前記撮像手段によって得られた画像データからビードの輪郭線形状を抽出し、その均一性を基準値と比較するデータ解析手段を有することを特徴とする請求項4または5に記載の塗工検査装置。
【請求項7】
前記照明手段が、前記基材の塗液塗工面とは反対の面の側から前記ビードを照明するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の塗工検査装置。
【請求項8】
前記照明手段が、前記基材の塗工面側から前記ビードを照明するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の塗工検査装置。
【請求項9】
前記撮像手段を、基材の幅方向に複数台配列したことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の塗工検査装置。
【請求項10】
前記撮像手段と前記照明手段を備えた撮像系を、基材の幅方向に走査させることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の塗工検査装置。
【請求項11】
請求項5〜8のいずれかに記載の塗工検査装置において、前記撮像手段により得られた画像データからデータ解析手段がビードの幅または均一性が基準値から外れていると判断した場合に、ビードの幅または均一性が基準値に近くなるよう塗工を制御する塗工制御手段を備えることを特徴とする塗工装置。
【請求項12】
請求項5〜8のいずれかに記載の塗工検査装置において、前記撮像手段により得られた画像データからデータ解析手段がビードの幅または均一性が基準値から外れていると判断した場合には、塗工を中止する塗工中止手段を備えることを特徴とする塗工装置。
【請求項1】
透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査方法であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視することを特徴とする塗工検査方法。
【請求項2】
前記ビードの幅寸法を監視することを特徴とする請求項1に記載の塗工検査方法。
【請求項3】
前記ビードの輪郭線形状を監視することを特徴とする請求項1または2に記載の塗工検査方法。
【請求項4】
透光性を有する基材の片方の面に塗工された塗膜の検査装置であって、前記基材と塗液供給手段との間に形成された塗液溜まりであるビードを、塗液塗工面とは反対の面の側から監視する撮像手段と、前記ビードを照明する照明手段とを有することを特徴とする塗工検査装置。
【請求項5】
前記撮像手段によって得られた画像データからビードの幅寸法を算出し、基準値と比較するデータ解析手段を有することを特徴とする請求項4に記載の塗工検査装置。
【請求項6】
前記撮像手段によって得られた画像データからビードの輪郭線形状を抽出し、その均一性を基準値と比較するデータ解析手段を有することを特徴とする請求項4または5に記載の塗工検査装置。
【請求項7】
前記照明手段が、前記基材の塗液塗工面とは反対の面の側から前記ビードを照明するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の塗工検査装置。
【請求項8】
前記照明手段が、前記基材の塗工面側から前記ビードを照明するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の塗工検査装置。
【請求項9】
前記撮像手段を、基材の幅方向に複数台配列したことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の塗工検査装置。
【請求項10】
前記撮像手段と前記照明手段を備えた撮像系を、基材の幅方向に走査させることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の塗工検査装置。
【請求項11】
請求項5〜8のいずれかに記載の塗工検査装置において、前記撮像手段により得られた画像データからデータ解析手段がビードの幅または均一性が基準値から外れていると判断した場合に、ビードの幅または均一性が基準値に近くなるよう塗工を制御する塗工制御手段を備えることを特徴とする塗工装置。
【請求項12】
請求項5〜8のいずれかに記載の塗工検査装置において、前記撮像手段により得られた画像データからデータ解析手段がビードの幅または均一性が基準値から外れていると判断した場合には、塗工を中止する塗工中止手段を備えることを特徴とする塗工装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−44049(P2010−44049A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64233(P2009−64233)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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