説明

売上データ処理システム及びプログラム

【課題】店舗の売上データ処理装置で登録された売上データをユーザの端末装置に安全にダウンロードできるようにする。
【解決手段】センタサーバ10のCPU11は、ユーザにより売上データのダウンロード用に指定されたクライアントPCのMacアドレスが入力部12から入力されると、クライアントPCを認証するためのログインID及びパスワードを生成し、当該生成したログインID及びパスワードをクライアントPCのユーザの識別情報に対応付けて記憶部15に記憶させる。また、入力されたMacアドレスを暗号鍵としてログインID及びパスワードを暗号化し、この暗号化されたログインID及びパスワードを含む制御ファイルFを作成してクライアントPCに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売上データ処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流通小売業界等では、販売時点において1品単位で情報を収集し、コンピュータにより管理するPOS(Point Of Sales)システムが利用されている。
【0003】
POSシステムを利用したシステムとして、例えば特許文献1には、POSシステムから送信された顧客の購買商品についての商品データをもとにASP事業者においてレシートデータを編集作成し、作成されたレシートデータを顧客が登録したメールアドレスのフォルダに送信するシステムが記載されている。当該システムにおいて、顧客は登録したメールアドレスのフォルダにPCからアクセスしてレシートデータをダウンロードする。
【0004】
また、近年、店舗に設置されたECR(Electronic Cash Resister)等の売上データ処理装置で登録された売上データをサーバに収集し、収集された売上データをユーザ(店舗を管理する会社)の端末装置でダウンロードするシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−346245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
店舗の売上データ処理装置で登録された売上データをユーザの端末装置に提供するシステムにおいても、ユーザの端末装置のみに、ユーザが希望するときに、安全に売上データをダウンロードすることのできるしくみが必要である。
【0007】
本発明の課題は、店舗の売上データ処理装置で登録された売上データをユーザの端末装置に安全にダウンロードできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
店舗に設置された売上データ処理装置から送信された売上データを記憶する記憶手段を備えるサーバ装置と、前記売上データをダウンロードするための端末装置と、が通信ネットワークを介して通信接続される売上データ処理システムであって、
前記サーバ装置は、
前記端末装置が前記売上データをダウンロードする際に使用するMacアドレスを入力するための入力手段と、
前記端末装置を認証するためのログインID及びパスワードを生成し、当該生成したログインID及びパスワードを前記端末装置のユーザの識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶させるとともに、前記入力されたMacアドレスを暗号鍵として前記生成したログインID及びパスワードを暗号化し、この暗号化されたログインID及びパスワードを含む制御ファイルを作成して前記端末装置に送信する第1制御手段と、を備え、
前記端末装置は、
前記サーバ装置から受信された前記制御ファイルに格納されたログインID及びパスワードを前記Macアドレスを用いて復号し、前記復号されたログインID及びパスワードを用いて前記売上データのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する第2制御手段を備え、
前記第1制御手段は、前記端末装置から受信されたログインID及びパスワードが前記記憶手段に記憶されているログインID及びパスワードと一致する場合に、前記端末装置から要求された売上データを前記端末装置に送信する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記入力手段は、更に、前記売上データの種類毎に前記端末装置のユーザにより指定されたダウンロードのタイミングを入力可能に構成され、
前記第1制御手段は、前記暗号化されたログインID及びパスワード、並びに前記入力手段により入力された売上データの種類毎のダウンロードのタイミングを含む制御ファイルを作成して前記端末装置に送信し、
前記第2制御手段は、前記サーバ装置から受信された前記制御ファイルに格納されたログインID及びパスワードを前記Macアドレスを用いて復号し、前記復号されたログインID及びパスワードを用いて、前記制御ファイルにより指定されたダウンロードのタイミングに前記制御ファイルにより指定された種類の売上データのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記第1制御手段は、前記端末装置が前記制御ファイルをダウンロードするための仮ログインID及び仮パスワードを生成して出力手段により出力するとともに、前記制御ファイルに対応付けて前記記憶手段に記憶し、
前記端末装置は、前記仮ログインID及び仮パスワードを入力するための第2入力手段を備え、
前記第2制御手段は、前記第2入力手段により出力された仮ログインID及び仮パスワードを用いて前記サーバ装置に前記制御ファイルのダウンロード要求を送信し、
前記第1制御手段は、前記端末装置から受信された仮ログインID及び仮パスワードが前記記憶手段に記憶されている仮ログインID及び仮パスワードと一致する場合に、前記記憶手段において前記仮ログインID及び仮パスワードに対応付けて記憶されている制御ファイルを前記要求元の端末装置に送信する。
【0011】
請求項4に記載の発明のプログラムは、
店舗に設置された売上データ処理装置から送信された売上データを記憶する記憶手段を備え、前記売上データをダウンロードするための端末装置に通信ネットワークを介して通信接続されるサーバ装置に用いられるコンピュータを、
前記端末装置が前記売上データをダウンロードする際に使用するMacアドレスを入力するための入力手段、
前記端末装置を認証するためのログインID及びパスワードを生成し、当該生成したログインID及びパスワードを前記端末装置のユーザの識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶させるとともに、前記入力されたMacアドレスを暗号鍵として前記生成したログインID及びパスワードを暗号化し、この暗号化されたログインID及びパスワードを含む制御ファイルを作成して前記端末装置に送信する手段、
前記端末装置から送信されたログインID及びパスワードが前記記憶手段に記憶されているログインID及びパスワードと一致する場合に、前記端末装置に要求された売上データを送信する手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、店舗の売上データ処理装置で登録された売上データをユーザの端末装置に安全にダウンロードすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態における売上データ処理システムの全体構成例を示す図である。
【図2A】図1のセンタサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図2B】図2Aの記憶部のデータ格納例を示す図である。
【図3】図1のECRの機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図1のクライアントPCの機能的構成を示すブロック図である。
【図5A】ECRから送信された売上データをセンタサーバで収集して出力ファイルに変換する処理の概要を示す図である。
【図5B】センタサーバにおいて、出力ファイルに変換された売上データをさらにユーザ仕様に変換して会社別の配信フォルダに格納する処理の概要を示す図である。
【図6】図1のECRからセンタサーバに送信される売上データのデータ構成例を示す図である。
【図7】図2の記憶部に記憶されるレジ認証マスターのデータ構成例を示す図である。
【図8】図2の記憶部に記憶される宛先マスターのデータ構成例を示す図である。
【図9A】図2の記憶部に記憶されるレコード出力仕様のデータ構成例を示す図である。
【図9B】図2の記憶部に記憶されるレコード出力仕様のデータ構成例を示す図である。
【図10A】出力ファイルを構成する主なファイルのデータ構成例を示す図である。
【図10B】出力ファイルを構成する主なファイルのデータ構成例を示す図である。
【図11】図2の記憶部に記憶される変換マスターのデータ構成例を示す図である
【図12】図2のCPUにより実行されるMacアドレス登録処理を示すフローチャートである。
【図13A】図2の記憶部に記憶されるPC認証マスターのデータ格納例を示す図である。
【図13B】図2の記憶部に記憶されるダウンロード情報DBのデータ格納例を示す図である。
【図14】図2の記憶部に記憶されるデータIDテーブルのデータ格納例を示す図である。
【図15】図12のMacアドレス登録処理において作成される制御ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図16】図4のCPUにより実行されるインストール処理を示すフローチャートである。
【図17】図16のインストール処理で作成されるローカルファイルのデータ構成例を示す図である。
【図18】図4のCPUにより実行されるデータダウンロード処理を示すフローチャートである。
【図19】図2のCPUにより実行されるデータアップロード処理を示すフローチャートである。
【図20】図4のCPUにより実行される自動ダウンロード処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明に係る好適な実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0015】
(売上データ処理システム1の構成)
まず、図1を参照して、本実施の形態の売上データ処理システム1の構成について説明する。
図1に示すように、売上データ処理システム1は、サーバ装置としてのセンタサーバ10と、売上データ処理装置としてのECR20A,20Bと、端末装置としてのクライアントPC30A,30Bと、を備えて構成される。
【0016】
センタサーバ10は、インターネット等の通信ネットワークNを介してECR20A,20Bと通信接続されている。ECR20A,20Bは、商品を販売する各店舗内に設置され、ECR20A,20Bを操作する操作者による売上登録(販売された商品、個数、金額、支払い方法等の入力)に基づいて売上データの処理を行う。なお、ECRの台数は図1の例に限定されない。
【0017】
また、センタサーバ10は、インターネット等の通信ネットワークNを介してクライアントPC30A,30Bと通信接続されている。クライアントPC30A,30Bは、ユーザ(ECR20A,20Bを設置している店舗を管理する会社)に設置された端末装置である。
【0018】
(センタサーバ10の構成)
次に、図2Aを参照して、センタサーバ10の内部構成を説明する。図2Aに示すように、センタサーバ10は、第1制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、入力部12と、RAM13(Random Access Memory)と、表示部14と、記憶手段としての記憶部15と、通信部16と、計時部17と、出力手段としての印刷部18を備え、各部はバス19を介して接続されている。
【0019】
CPU11は、センタサーバ10の各部を集中制御する。CPU11は、記憶部15に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM13に展開し、RAM13に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。例えば、CPU11は、プログラムとの協働により後述する変換1処理、変換2処理、Macアドレス登録処理、データアップロード処理等を実行する。
【0020】
入力部12は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キーなどを備えたキーボードを含む構成とし、操作者により各キーが押下された操作信号をCPU11に出力する。また、入力部12は、マウス等のポインティングデバイスを含み、位置入力信号を受け付けてCPU11に送信する。
【0021】
RAM13は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。
【0022】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(Electro Luminescent Display)等で構成され、CPU11からの表示制御信号に従って各種表示を行う。
【0023】
記憶部15は、磁気記録媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)等により構成され、各種プログラム及び各種データを記録媒体から読み出し及び書き込み可能に記憶する。各種プログラムには、CPU11に後述する変換1処理、変換2処理、Macアドレス登録処理、データアップロード処理等を実行するためのプログラムが含まれる。
また、記憶部15は、図2Bに示すように、宛先マスター61、レジ認証マスター62、レコード出力仕様71、出力ファイル91、変換スペックファイル101、変換マスター102、ユーザ仕様ファイル103、PC認証マスター151、ダウンロードDB(Data Base)152、データIDテーブル153、制御ファイルF等を記憶する。出力ファイル91は、会社別のフォルダ(図5A参照)に記憶される。ユーザ仕様ファイル103、制御ファイルFは、会社別の配信フォルダ(図5B参照)に記憶される。
【0024】
通信部16は、モデム、TA(Terminal Adapter)、ルータ、ネットワークカード等により構成される。通信部16は、接続される通信ネットワークN上のECR20A,20Bと情報を送受信する。また、通信部16は、クライアントPC30A,30Bと情報を送受信する。
【0025】
計時部17は、計時回路を内蔵し、現在時刻(システム時刻)及び現在日付(システム日時)を計時して出力する。
印刷部18は、電子写真式、インクジェット式等のプリンタで構成され、CPU11から入力される印刷指示に応じて、各種印刷情報を用紙に印刷出力する。
【0026】
(ECR20A、20Bの構成)
次に、ECR20A,20Bの構成を説明する。図3は、ECR20A,20Bの内部構成を示す図である。以下の説明では、ECR20Aを代表して説明するが、ECR20Bも同様である。
【0027】
図3に示すように、ECR20Aは、CPU21と、入力部22と、RAM23と、表示部24と、記憶部25と、通信部26と、ドロア27と、プリント部28と、計時部29と、を備えて構成され、各部はバス29aを介して接続されている。
【0028】
CPU21、RAM23、通信部26、計時部29については、それぞれ、センタサーバ10のCPU11、RAM13、通信部16、計時部17の構成と同様であり、異なる部分を主として説明する。
【0029】
CPU21は、ECR20Aの各部を集中制御する。CPU21は、記憶部25に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM23に展開し、RAM23に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。例えば、CPU21は、プログラムとの協働により、入力部22の操作に応じて売上データ51を生成し、通信部26によりセンタサーバ10へ送信する。
【0030】
入力部22は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キーなどを備えたレジ用のキーボードを含む構成とし、操作者により各キーが押下された操作信号をCPU21に出力する。入力部22は、表示部24と一体的にタッチパネルを構成することとしてもよい。また、入力部22は、商品に設けられたバーコードを読み取るバーコードリーダやバーコードスキャナ等を備える。
【0031】
本実施形態において、入力部22は、機能キーとして部門キー、PLU(Price Look Up)キー、小計キー、現金キー、貸しキー等を備えて構成されている。これらの各機能キーの押下をはじめとする各種操作には、その操作により実行される機能を示すファンクションコードが予め対応付けられている。例えば、部門キーにはファンクションコード=0051が、PLUキーにはファンクションコード=0063が、小計キーにはファンクションコード=0075が、現金キーにはファンクションコード=0001が対応付けられている。各種操作とファンクションコードとの対応関係は、記憶部25に記憶されている。
【0032】
表示部24は、LCD、ELD等で構成され、CPU21からの表示制御信号に従って画面表示を行う。
【0033】
記憶部25は、ROM(Read Only Memory)等により構成される。記憶部25は、各種プログラム及び各種データを、ROMから読み出し可能に記憶する。また、記憶部25は、HDD等により構成してもよい。
通信部26は、通信ネットワークN上のセンタサーバ10と情報を送受信する。
【0034】
ドロア27は、硬貨や紙幣等の現金を収納する引出しである。ドロア27は、例えば、CPU21の指示により、引出しを開ける。
【0035】
プリント部28は、例えば、サーマルプリンタであり、レシート用、ジャーナル用のロール紙を有し、CPU21から入力される指示に従って、各ロール紙に対して金額等のデータをプリントアウトする。
【0036】
(クライアントPC30A、30Bの構成)
次に、クライアントPC30A,30Bの構成を説明する。図4に、クライアントPC30A,30Bの内部構成を示す。以下の説明では、クライアントPC30Aを代表して説明するが、PC30Bも同様である。
【0037】
図4に示すように、クライアントPC30Aは、第2制御手段としてのCPU31と、第2入力手段としての入力部32と、RAM33と、表示部34と、記憶部35と、通信部36と、計時部37と、メディアドライブ38と、を備えて構成され、各部はバス39を介して接続されている。
【0038】
CPU31、入力部32、RAM33、表示部34、記憶部35、通信部36、計時部37は、それぞれ、センタサーバ10のCPU11、入力部12、RAM13、表示部14、記憶部15、通信部16、計時部17の構成と同様であり、異なる部分を主として説明する。
【0039】
CPU31は、センタサーバ10の各部を集中制御する。CPU31は、記憶部35に記憶されている(又はメディアドライブ38から読み込まれた)システムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM33に展開し、RAM33に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。例えば、CPU31は、プログラムとの協働により後述するインストール処理、自動ダウンロード処理等を実行する。
【0040】
記憶部35は、磁気記録媒体を有するHDD等により構成される。記憶部35には、CPU31で実行されるシステムプログラムや各種アプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。また、本実施の形態において、記憶部35には、後述する制御ファイルF、ローカルファイルF1、エラーログファイルF2、自動ダウンロードソフトP等が記憶される。
【0041】
通信部36は、通信ネットワークN上のセンタサーバ10等の外部機器と通信を行う。
メディアドライブ38は、CPU31からの制御信号に基づき、記録メディアMに各種データを書き込む。また、メディアドライブ38は、CPU31からの制御信号に基づき、記録メディアMに記録されているデータを読み出す。
【0042】
次に、売上データ処理システム1の動作について説明する。
【0043】
(センタサーバ10における売上データ収集)
次に、図5A〜図5Bを参照して、ECR20A、20Bから送信された売上データ51をセンタサーバ10で収集して変換し、会社別(即ち、ユーザ別)の配信フォルダに格納する処理の概要について説明する。以下、ECR20Aから送信された売上データ51をセンタサーバ10に収集する場合を例として説明するが、ECR20B等の他のECRから送信された売上データ51についても同様である。なお、ECR20Aにおける処理は、CPU21とプログラムとの協働により実行される。センタサーバ10における処理は、CPU11とプログラムとの協働により実行される。
【0044】
ECR20Aにおいて操作者により入力部22の各種機能キーやテンキー、バーコードスキャナ等が操作され、売上登録が行われると、売上データ51が生成され、図5Aに示すように通信部26によりセンタサーバ10に送信される。
【0045】
ここで、図6を参照して、売上データ51のデータ構成例を示す。売上データ51は、一の商品取引単位(レシート単位)に生成される。売上データ51は、図6に示すように、例えば、第一レコードと、TYPE1レコードと、TYPE2レコードと、TYPE7レコードと、TYPE9レコードと、ENDレコードと、を有する。
【0046】
第一レコード及びENDコードは、売上データ51に必ず含まれるレコードである。第一レコードは、売上データ51を識別するための情報を格納したレコードである。ENDレコードは、売上データ51の最後に付加されるレコードである。TYPE1レコード、TYPE2レコード、TYPE7レコード、TYPE9レコードは、ECR20Aの操作者により売上登録された情報を格納するレコードであり、売上登録に際して行われた操作に対応するファンクションコードに応じて予め定められたTYPEのレコードが作成される。
【0047】
センタサーバ10においては、通信部16によりECR20Aからの売上データ51が受信されると、第一レコードに含まれるレジコードに基づいて、レジ認証が行われる。具体的には、第一レコードに含まれるレジコードと一致するレジコードが記憶部15に記憶されているレジ認証マスター62に存在するか否かが判断され、第一レコードに含まれるレジコードと一致するレジコードがレジ認証マスター62に存在すると判断されると、レジ認証がOKであると判断される。
【0048】
図7は、レジ認証マスター62のデータ構成例を示す図である。レジ認証マスター62は、センタサーバ10がレジ(ECR)を認証するための情報を格納するマスターファイルである。レジ認証マスター62はユーザ登録時に生成され、記憶部15に記憶される。図7に示すように、レジ認証マスター62は、レジコードと、ECRが設置される店舗の会社の種類を分類するためのグループコードと、ユーザである会社を識別するための会社コードと、ECRが設置される店舗を識別するための店舗コードと、を有する。
【0049】
レジ認証がOKであると判断されると、図5Aに示すようにセンタサーバ10において変換1処理が実行される。変更1処理は、記憶部15に予め記憶されているレコード出力仕様71及び宛先マスター61に基づいて、売上データ51をユーザが有効に使用できる汎用フォーマット(出力ファイル91:合計ファイル、営業明細ファイル、会計明細ファイル、・・・。図10A〜図10Bに一例を示す)に変換する処理である。具体的には、変換1処理は、出力ファイル91を格納するための会社別のフォルダ(A社フォルダ、B社フォルダ、C社フォルダ、・・・)の宛先フォルダーパスを記憶部15に記憶されている宛先マスター61から取得し、当該取得した宛先フォルダーパスに存在する出力ファイル91のうち、レコード出力仕様71で指定されたファイルに売上データ51を出力する処理である。
【0050】
図8は、宛先マスター61のデータ構成例を示す図である。図8に示すように、宛先マスター61は、ECRを識別するためのレジコードと、ユーザ(会社)を識別する会社コードと、ユーザの会社名と、出力ファイル91を格納するフォルダのフォルダーパスを示す宛先フォルダーパスと、を有する。
【0051】
図9A〜図9Bは、レコード出力仕様71のデータ構成例を示す図である。レコード出力仕様71は、売上データ51を出力する出力ファイル91を定めた一覧表である。図9A〜図9Bに示すように、レコード出力仕様71は、売上データ部72と、出力ファイル部73と、を有する。売上データ部72は、レコードタイプ、ファンクションコード、キー名称等の項目を有する。出力ファイル部73は、合計データ、会計明細、営業明細、出退店、汎用、レコード出力例外等の項目を有する。レコード出力仕様71は、ECR20A,20Bから受信した売上データ51に売上データ部72のレコードタイプ及びファンクションコードと一致するレコードが存在した場合に、その売上データ部72に対応する出力ファイル部73においてフラグ(図9A〜図9Bにおいては黒丸で示す)の立っているファイルに売上データ51を出力することを示している。ここで、図9A〜図9Bの出力ファイル部73において、合計データは出力ファイル91の合計ファイルを示し、会計明細は出力ファイル91の会計明細ファイルを示し、営業明細は出力ファイル91の営業明細ファイルを示し、出退店は出力ファイル91の出退店ファイルを示す。
【0052】
図10A〜図10Bは、出力ファイル91を構成する主なファイルのデータ構成例を示す図である。出力ファイル91は、合計ファイル、営業明細ファイル、会計明細ファイル、出退店ファイル、を始めとする各種ファイルにより構成されている。合計ファイルは、商品の合計金額等に関するデータを格納するファイルである。営業明細ファイルは、販売商品に関するデータを格納するファイルである。会計明細ファイルは、商品の会計に関するデータを格納するファイルである。出退店ファイルは、ECRの操作者の出退勤に関するデータを格納するファイルである。
【0053】
例えば、ECR20Aにおいて、「100円の商品A」及び「190円の商品B」が「290円の現金」で精算された取引があったとする。この場合、(1)「第一レコード」、(2)「TYPE1レコード 商品A 100円(ファンクションコード=0063)」、(3)「TYPE1レコード 商品B 190円(ファンクションコード=0063)」、(4)「TYPE1レコード 現金 290円(ファンクションコード=00001)」、(5)「ENDレコード」の順に売上データ51がECR20Aからセンタサーバ10に送信される。そして、センタサーバ10において変換1処理が実行され、レコード出力仕様71が参照され、(2)「TYPE1レコード 商品A 100円(ファンクションコード=0063)」及び(3)「TYPE1レコード 商品B 190円(ファンクションコード=0063)」が営業明細ファイルに、(4)「TYPE1レコード 現金 290円(ファンクションコード=0001)」が会計明細ファイルに、(5)「ENDレコード」が合計ファイルに出力される。
【0054】
変換1処理が終了すると、図5Bに示すように、センタサーバ10においては変換2処理が実行される。変換2処理は、記憶部15に記憶されている変換スペックファイル101及び変換マスター102を参照し、変換1処理で変換された出力ファイル91(合計ファイル、営業明細ファイル、会計明細ファイル、出退店ファイル、・・・)を各社の変換スペックファイル101に定義された専用フォーマット(ユーザ仕様ファイル103:ユーザ仕様合計ファイル、ユーザ仕様営業明細ファイル、ユーザ仕様会計明細ファイル、ユーザ仕様出退店ファイル、・・・)に変換する処理である。
具体的には、変換2処理は、変換マスター102に登録されている入力フォルダーパスを示すフォルダに存在する出力ファイル91をfilter(データ変換プログラム)でユーザ仕様ファイル103に変換し、変換したユーザ仕様ファイル103を変換マスター102に登録されている出力フォルダーパスを有する会社別の配信フォルダ(A社配信フォルダ、B社配信フォルダ、C社配信フォルダ)に出力する処理である。ここで、filterによる変換は、変換スペックファイル101に定義された内容に基づいて行われる。また、filterによる変換は、変換マスター102に登録されている変換タイミング(実行時刻)に従って行われる。
【0055】
図11は、変換マスター102のデータ構成例を示す図である。変換マスター102は、会社コードと、出力ファイル91が存在するフォルダのフォルダーパスを示す入力フォルダーパスと、ユーザ仕様ファイル103を出力するフォルダ(配信フォルダ)のフォルダーパスを示す出力フォルダーパスと、filterによる変換を時間間隔で実行するか、指定した時刻に実行するかを区別する実行区分と、変換処理の実行時刻を示す実行時刻と、変換処理が前回実行された日時を示す前回実行日時と、を有する。
【0056】
以上の変換1処理及び変換2処理により、ECR20Aや20B等から収集された売上データ51は、ユーザ仕様ファイル103の形式に変換され、センタサーバ10の会社別の配信フォルダに格納される。
【0057】
(クライアントPCにおける売上データのダウンロード)
次に、センタサーバ10においてユーザ仕様ファイル103に変換された売上データをクライアントPC30A,30B等にダウンロードするための処理について説明する。
【0058】
〈Macアドレス登録処理〉
まず、ユーザが店舗の売上データをダウンロードする端末装置として指定したクライアントPCのMacアドレスをセンタサーバ10に登録するための処理について説明する。
【0059】
図12は、センタサーバ10のCPU11により実行されるMacアドレス登録処理を示すフローチャートである。Macアドレス登録処理は、センタサーバ10の操作者により入力部12を介してMacアドレスの登録指示が入力された際に、CPU11と記憶部15に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0060】
まず、表示部14に登録画面(図示せず)が表示される(ステップS1)。ステップS1で表示される登録画面は、ユーザを識別するための会社コード、センタサーバ10に収集された売上データのファイル(ユーザ仕様ファイル103)をダウンロードする際に使用するものとしてユーザに指定されたMacアドレス、ダウンロードする売上データの種類(データID)、データID毎のダウンロードのタイミング、等を登録するための画面である。即ち、登録画面には、会社コード、Macアドレス、データID、ダウンロードを所定時間間隔で実行するか所定時刻に実行するかを示す実行区分(0=間隔指定、1=時刻指定)、ダウンロードを何分間隔又は何時何分に行うかを示す受信タイミング等を入力する入力欄や、入力された内容での登録を指示するための登録ボタン、登録を行わずに終了することを指示するための終了ボタン等が表示されている。
【0061】
次いで、入力部12により終了ボタンが押下されたか否かが判断される(ステップS2)。入力部12により終了ボタンが押下されていないと判断されると(ステップS2;NO)、入力部12により会社コードが入力されたか否かが判断される(ステップS3)。入力部12により会社コードが入力されていないと判断されると(ステップS3;NO)、処理はステップS2に戻る。
【0062】
ステップS3において、入力部12により会社コードが入力されたと判断されると(ステップS3;YES)、入力された会社コードで記憶部15のPC認証マスター151が検索される(ステップS4)。
【0063】
PC認証マスター151は、ユーザが売上データのダウンロードに使用するクライアントPCの認証情報を格納するためのデータベースである。PC認証マスター151には、図13Aに示すように、会社コード、Macアドレス、仮ログインID、仮パスワード、ログインID、パスワード、の項目を有する。Macアドレスの項目には、ユーザ(会社)により指定された売上データダウンロード用のMacアドレスが格納される。仮ログインIDの項目には、クライアントPCに制御ファイルF(詳細後述)をインストールする際に使用されるログインIDが格納される。仮パスワードの項目には、クライアントPCに制御ファイルFをインストールする際に使用されるパスワードが格納される。ログインIDの項目には、実際に売上データをダウンロードする際に使用されるログインIDが格納される。パスワードの項目には、実際に売上データをダウンロードする際に使用されるパスワードが格納される。
【0064】
検索の結果、入力された会社コードがすでにPC認証マスター151に存在していると判断されると(ステップS5;YES)、エラーメッセージが表示部14に表示され(ステップS6)、処理はステップS2に戻る。
【0065】
検索の結果、入力された会社コードがPC認証マスター151に存在しないと判断されると(ステップS5;NO)、入力部12によるMacアドレスの入力が終了したか否かが判断される(ステップS7)。入力部12によるMacアドレスの入力が終了したと判断されると(ステップS7;YES)、入力部12によるデータID、実行区分、受信タイミングの入力が終了したか否かが判断される(ステップS8)。
【0066】
ここで、登録画面においては、ユーザがダウンロードを希望する売上データの種類毎、即ちデータID毎に、実行区分(0=間隔指定、1=時刻指定)、受信タイミング(hh=時、mm=分とすると、間隔指定の場合=00mm、時刻指定の場合=hhmm)を入力できるようになっている。売上データの種類とデータIDとの対応関係は、記憶部15のデータIDテーブル153に格納されている。図14に、データIDテーブル153のデータ格納例を示す。図14に示すように、データIDテーブル153には、データID毎に、データ名、デフォルト実行区分、デフォルト受信タイミング、の各項目のデータが格納されている。データ名は、売上データ処理システム1でユーザに提供することのできる売上データの種類の名称であり、合計ファイル(ユーザ仕様合計ファイル)、会計明細ファイル(ユーザ仕様会計明細ファイル)、営業明細ファイル(ユーザ仕様営業明細ファイル)等が含まれる。
【0067】
入力部12によるデータID、実行区分、受信タイミングの入力が終了したと判断されると(ステップS8;YES)、入力部12により登録ボタンが押下されたか否かが判断される(ステップS9)。
【0068】
入力部12により登録ボタンが押下されたと判断されると(ステップS9;YES)、乱数により仮ログインID及び仮パスワード、ログインID及びパスワードが生成される(ステップS10)。次いで、登録画面から入力された各項目の値、生成された仮ログインID及び仮パスワード、ログインID及びパスワードがPC認証マスター151又はダウンロード情報DB152に登録(格納)される(ステップS11)。
【0069】
ここで、ダウンロード情報DB152は、会社毎にダウンロードする売上データの種類及びダウンロードするタイミングを示す情報等を格納するためのデータベースである。図13Bに、ダウンロード情報DB152のデータ格納例を示す。図13Bに示すように、ダウンロード情報DB152は、会社コード、データID、実行区分、受信タイミング、の項目を有しており、登録画面から入力された会社コード、データID、実行区分、受信タイミングの情報を格納する。
【0070】
次いで、登録されたMacアドレスを暗号鍵として、生成されたログインID及びパスワードがDES3により暗号化され(ステップS12)、暗号化されたログインID及びパスワード、並びにステップS11でダウンロード情報DB152に登録した各項目の値に基づいて、制御ファイルFが作成される(ステップS13)。
【0071】
制御ファイルFとは、ユーザにより指定された種類の売上データを指定されたタイミングで指定されたMacアドレスのクライアントPCに自動的にダウンロードするために必要な制御情報が格納されたファイルである。図15に、制御ファイルFのデータ構成例を示す。図15に示すように、制御ファイルFは、暗号化ログインID、暗号化パスワード、ダウンロード情報1〜ダウンロード情報nの項目を有する。暗号化ログインID、暗号化パスワードの項目には、ステップS12で暗号化されたログインID及びパスワードが格納される。ダウンロード情報1〜nには、それぞれステップS11でダウンロード情報DB152に登録された1番目のレコード〜n番目のレコードのデータID(データID_1〜データID_n)、実行区分(実行区分_1〜実行区分_n)、受信タイミング(受信タイミング_1〜受信タイミング_n)が格納される他、クライアントPCでデータID_1〜データID_nの売上データを前回ダウンロードした日時をそれぞれ格納するための前回受信日時_1〜前回受信日時_nを格納する領域が設けられている。
【0072】
作成された制御ファイルFは、記憶部15の会社別の配信フォルダに格納される(ステップS14)。具体的には、図11に示す変換マスター102が参照され、ステップS5で入力された会社コードに対応する出力フォルダーパスが取得される。そして、出力フォルダーパスにより特定される配信フォルダに制御ファイルFが格納される。
【0073】
そして、仮ログインID及び仮パスワードが印刷部18により用紙に出力され(ステップS15)、Macアドレス登録処理は終了する。
【0074】
Macアドレス登録処理が終了すると、クライアントPC30A等において売上データを自動的にダウンロードするためのソフトウエア(自動ダウンロードソフトPと呼ぶ)をインストールするためのインストーラ、自動ダウンロードソフトP、ダウンロードに必要なデータ等が格納されたCD−ROM等の記録メディアMと、ステップS15において仮ログインID及び仮パスワードが出力された用紙とが郵送等によりユーザに渡される。
【0075】
〈クライアントPCにおけるインストール処理〉
次に、クライアントPC30A,30B等の登録された端末装置に自動ダウンロードソフトPをインストールするためのインストール処理について説明する。ここではクライアントPC30Aに自動ダウンロードソフトをインストールする場合を例にとり説明するが、クライアントPC30B等の他の端末装置でも同様である。
【0076】
図16は、CPU31により実行されるインストール処理を示すフローチャートである。インストール処理は、記録メディアMがメディアドライブ38に装着された際に、CPU31と記録メディアMから読み出されたインストーラとの協働により実行される。
【0077】
まず、記録メディアMから、自動ダウンロードソフトP及び必要なデータが記憶部35にインストールされる(ステップS21)。
【0078】
次いで、表示部34に仮ログイン画面が表示される(ステップS22)。仮ログイン画面は、仮ログインID及び仮パスワードを入力するための画面である。
【0079】
次いで、入力部32による仮ログインID及びパスワードの入力が終了したか否かが判断され、終了したと判断されると(ステップS23;YES)、クライアントPC30Aに設置されているLANボードのLANボード番号及びMacアドレスの一覧が作成され、表示部34にMacアドレス一覧画面(図示せず)が表示される(ステップS24)。Macアドレス一覧画面は、クライアントPC30Aに設置されているLANボードのLANボード番号及びMacアドレスの一覧と、「サービス契約時に指定したダウンロード用のMacアドレスを選択してください」等のメッセージとが表示された画面である。
【0080】
次いで、入力部32によりMacアドレス一覧画面からMacアドレスが選択されたか否かが判断され、Macアドレスが選択されたと判断されると(ステップS25;YES)、選択されたMacアドレスのLANボード番号を格納したローカルファイルF1が作成される(ステップS26)。図17に、ローカルファイルF1のデータ構成例を示す。
【0081】
次いで、データダウンロード処理が実行され、制御ファイルFがダウンロードされる(ステップS27)。
図18は、データダウンロード処理を示すフローチャートである。
図18に示すように、データダウンロード処理においては、まず、センタサーバ10からデータをダウンロードするためのダウンロード用コマンドに引数がセットされる(ステップS201)。ここで、ダウンロード用コマンドにセットすべき引数としては、ログインID、パスワード、ダウンロードするファイルのデータID、センタサーバ10への接続URLがある。ステップS27では、ログインIDとしてステップS23で入力された仮ログインIDが、パスワードとしてステップS23で入力された仮パスワードがセットされる。また、データIDとしては、予め制御ファイルFを示すデータIDとして定められているID(CTL001)がセットされる。センタサーバ10への接続URLは、予め定められた接続URLがセットされる。
【0082】
次いで、引数がセットされたダウンロード用コマンドが通信部36によりセンタサーバ10に送信され、データ(図16のステップS27においては、制御ファイルF)のダウンロード要求が行われる(ステップS202)。そして、センタサーバ10から送信されたデータ(図16のステップS27においては、制御ファイルF又はエラー通知)が通信部36により受信され(ステップS203)、処理は図16のステップS28に移行する。
【0083】
図16のステップS28においては、センタサーバ10から受信されたデータがエラー通知であるか否かが判断され、エラー通知であると判断されると(ステップS28;YES)、表示部34にエラーメッセージが表示され(ステップS29)、インストール処理は終了する。センタサーバ10から受信されたデータがエラー通知ではない(即ち、制御ファイルFである)と判断されると(ステップS28;NO)、制御ファイルFが記憶部35に記憶されるとともに自動ダウンロードソフトPが起動され(ステップS30)、インストール処理は終了する。
【0084】
自動ダウンロードソフトPは、常駐型プログラムであり、後述する自動ダウンロード処理を実行する。
【0085】
〈センタサーバ10からクライアントPCへのデータアップロード処理〉
センタサーバ10においては、OSの起動時には常駐型のデータアップロード処理プログラムが起動されており、通信部16によりクライアントPC30A等からダウンロード要求(ダウンロード用コマンド)が受信されると、PC認証を行い、要求されたデータIDのファイルを要求元のクライアントPCにアップロードする。
【0086】
図19は、センタサーバ10において実行されるデータアップロード処理を示すフローチャートである。データアップロード処理は、CPU11と記憶部15に記憶されているデータアップロード処理プログラムとの協働により実行される。
【0087】
まず、入力部12により電源OFFの指示が入力されたか否かが判断され、電源OFFの指示が入力されていないと判断されると(ステップS301;NO)、通信部16によりクライアントPC30A等からのダウンロード要求が受信されたか否かが判断される(ステップS302)。通信部16によりダウンロード要求が受信されていないと判断されると(ステップS302;NO)、処理はステップS301に戻る。
【0088】
ステップS302において、通信部16によりダウンロード要求が受信されたと判断されると(ステップS302;YES)、ダウンロード用コマンドに含まれるログインID及びパスワードが正当であるか否かが判断される(ステップS303)。具体的には、ダウンロード用コマンドに含まれるログインID及びパスワードと一致するログインID及びパスワード(又は仮ログインID及び仮パスワード)がPC認証マスター151に存在するか否かが判断され、存在すると判断されると、ダウンロード用コマンドに含まれるログインID及びパスワードは正当であると判断される。
【0089】
ダウンロード用コマンドに含まれるログインID及びパスワードが正当ではないと判断されると(ステップS303;NO)、エラー通知が通信部16により要求元のクライアントPCに送信され(ステップS304)、処理はステップS301に戻る。
【0090】
ダウンロード用コマンドに含まれるログインID及びパスワードが正当であると判断されると(ステップS303;YES)、記憶部15において、ダウンロード用コマンドに含まれるログインIDに対応する会社の配信フォルダに、データIDで特定されている種類のファイルが記憶されているか否かが判断される(ステップS305)。具体的には、ダウンロード用コマンドに含まれるログインIDに対応する会社コードがPC認証マスター151から取得され、取得された会社コードに対応する出力フォルダーパスが変換マスター102から取得される。そして、取得された出力フォルダーパスに、ダウンロード用コマンドに含まれるデータIDで特定される種類のファイルが存在するか否かが判断される。
【0091】
記憶部15において、ダウンロード用コマンドに含まれるログインIDに対応する会社の配信フォルダにデータIDで特定されている種類のファイルが記憶されていないと判断されると(ステップS305;NO)該当ファイルなしを示す通知が通信部16により要求元のクライアントPCに送信され(ステップS306)、処理はステップS301に戻る。
記憶部15において、ダウンロード用コマンドに含まれるログインIDに対応する会社の配信フォルダにデータIDで特定されている種類のファイルが記憶されていると判断されると(ステップS305;YES)、該当ファイルが通信部16により要求元のクライアントPCに送信(アップロード)された後、エラー無しを示す通知が送信される(ステップS307)。送信後、該当ファイルは配信フォルダから削除され(ステップS308)、処理はステップS301に戻る。
ステップS301において、入力部12により電源OFFの指示が入力されたと判断されると(ステップS301;YES)、データアップロード処理は終了する。
【0092】
〈クライアントPCにおける自動ダウンロード処理〉
次に、クライアントPCにおいて自動ダウンロードソフトに従って実行される自動ダウンロード処理について説明する。ここではクライアントPC30Aに自動ダウンロードソフトPをインストールする場合を例にとり説明するが、クライアントPC30Bでも同様である。
【0093】
図20は、CPU31により実行される自動ダウンロード処理を示すフローチャートである。自動ダウンロード処理は、電源がONされ、OSが起動された際に、CPU31と自動ダウンロードソフトとの協働により実行される。
【0094】
まず、記憶部35からローカルファイルF1が読み出され、ローカルファイルF1に格納されているLANボード番号が取得される(ステップS41)。次いで、LANボード番号に対応するMacアドレスが取得される(ステップS42)。
【0095】
次いで、制御ファイルFが記憶部35から読み出され、暗号化されたログインID及び暗号化されたパスワードが取得され(ステップS43)、ステップS42で取得されたMacアドレスによりログインID及びパスワードが復号される(ステップS44)。
【0096】
次いで、カウンタ変数iに0がセットされ(ステップS45)、入力部32によりOSの終了が指示されたか否かが判断される(ステップS46)。入力部32によりOSの終了が指示されていないと判断されると(ステップS46;NO)、カウンタ変数iがインクリメントされ(ステップS47)、制御ファイルFからのデータID_iの検索が行われる(ステップS48)。
【0097】
検索の結果、制御ファイルFにデータID_iのデータが存在しないと判断されると(ステップS49;NO)、カウンタ変数iに0がセットされ(ステップS50)、処理はステップS46に戻る。制御ファイルFにデータID_iのデータが存在すると判断されると(ステップS49;YES)、制御ファイルFの実行区分_i=0であるか否か、即ち、間隔指定であるか否かが判断される(ステップS51)。実行区分_i=0であると判断されると(ステップS51;YES)、(システム日時−前回受信日時_i)>(システム日付+受信タイミング_i)であるか否かが判断される(ステップS52)。ここで、システム日時=YYYYMMDDhhmmであり、システム日付=YYYYMMDDである(YYYY=西暦年、MM=月、DD=日、hh=時、mm=分)。
【0098】
(システム日時−前回受信日時_i)>(システム日付+受信タイミング_i)であると判断されると(ステップS52;YES)、処理はステップS55に移行する。(システム日時−前回受信日時_i)>(システム日付+受信タイミング_i)ではないと判断されると(ステップS52;NO)、処理はステップS46に戻る。
【0099】
一方、制御ファイルFの実行区分_i=0ではないと判断されると(ステップS51;NO)、実行区分_i=1であるか否かが判断される(ステップS53)。実行区分_i=1ではないと判断されると(ステップS53;NO)、処理はステップS46に戻る。実行区分_i=1であると判断されると(ステップS53;YES)、(システム日時>システム日付+受信タイミング_i)、かつ、(システム日付≠前回受信日時_iの上8桁)であるか否かが判断される(ステップS54)。(システム日時>システム日付+受信タイミング_i)、かつ、(システム日付≠前回受信日時_iの上8桁)、ではないと判断されると(ステップS54;NO)、処理はステップS46に戻る。(システム日時>システム日付+実行時刻_i)、かつ、(システム日付≠前回受信日時_iの上8桁)であると判断されると(ステップS54;YES)、処理はステップS55に移行する。
【0100】
ステップS55においては、図18に示すデータダウンロード処理が実行され、データID_iの売上データのファイルがセンタサーバ10からダウンロードされる(ステップS55)。ここで、ダウンロード用コマンドにセットすべき引数として、ステップS55では、ログインID及びパスワードとしてステップS44でMacアドレスを用いて復号されたログインID及びパスワードがセットされる。また、データIDとしてはデータID_iがセットされる。センタサーバ10への接続URLとしては、予め定められた接続URLがセットされる。センタサーバ10においては、図19に示すデータアップロード処理が実行され、ダウンロード要求されたデータID_iのファイルが要求元のクライアントPC(ここではクライアントPC30A)にアップロードされる。
【0101】
データダウンロード処理が終了すると、センタサーバ10からエラー通知が受信されたか否かが判断され、エラー通知が受信されたと判断されると(ステップS56;YES)、記憶部35のエラーログファイルF2にエラー内容が出力され(ステップS57)、処理はステップS58に移行する。センタサーバ10からエラー通知が受信されていないと判断されると(ステップS56;NO)、処理はステップS58に移行する。
【0102】
ステップS58においては、システム日時が制御ファイルFの前回受信日時_iにセットされて制御ファイルFが更新され(ステップS58)、処理はステップS46に戻る。ステップS46において、OSの終了が指示されたと判断されると(ステップS46;YES)、自動ダウンロード処理は終了する。
【0103】
以上説明したように、本実施の形態の売上データ処理システム1によれば、センタサーバ10のCPU11は、ユーザにより売上データのダウンロード用に指定されたクライアントPCのMacアドレスが入力部12から入力されると、クライアントPCを認証するためのログインID及びパスワードを生成し、当該生成したログインID及びパスワードをクライアントPCのユーザの識別情報である会社コードに対応付けて記憶部15に記憶させる。また、入力されたMacアドレスを暗号鍵としてログインID及びパスワードを暗号化し、この暗号化されたログインID及びパスワードを含む制御ファイルFを作成してクライアントPCに送信する。クライアントPCにおいて、制御ファイルFに格納されたログインID及びパスワードが上記指定されたMacアドレスを用いて復号され、この復号されたログインID及びパスワードを用いてECRからの売上データのダウンロード要求がセンタサーバ10に送信されると、センタサーバ10のCPU11は、クライアントPCから受信されたログインID及びパスワードの認証を行い、受信されたログインID及びパスワードが記憶部15に記憶されているログインID及びパスワードと一致する場合に、要求された種類の売上データをクライアントPCに送信する。
【0104】
従って、ユーザの指定したMacアドレスのクライアントPCのみが正しいログインID及びパスワードを取得してセンタサーバ10に売上データのダウンロード要求を行うことができる。即ち、ユーザが管理する店舗のECRで登録された売上データをユーザのクライアントPCに安全にダウンロードすることが可能となる。
【0105】
また、センタサーバ10においては、入力部12により、更に、売上データの種類毎にユーザにより指定されたダウンロードのタイミングを入力可能に構成されており、CPU11は、暗号化されたログインID及びパスワード、並びに入力部12により入力された売上データの種類毎のダウンロードのタイミングを含む制御ファイルFを作成してクライアントPCに送信する。クライアントPCのCPU31は、制御ファイルFに格納されたログインID及びパスワードを上記指定されたMacアドレスを用いて復号し、復号されたログインID及びパスワードを用いて、制御ファイルFにより指定されたダウンロードのタイミングに制御ファイルFにより指定された種類の売上データのダウンロード要求をセンタサーバ10に送信する。従って、ユーザが指定した種類の売上データをユーザが指定したタイミングで自動的にクライアントPCにダウンロードすることが可能となる。
【0106】
また、センタサーバ10のCPU11は、クライアントPCが制御ファイルFをダウンロードするための仮ログインID及び仮パスワードを生成して印刷部18により出力するとともに、この仮ログインID及び仮パスワードを制御ファイルFに対応付けて記憶部15に記憶する。クライアントPCのCPU31は、出力された仮ログインID及び仮パスワードが入力部32から入力されると、この仮ログインID及び仮パスワードを用いてセンタサーバ10に制御ファイルFのダウンロード要求を送信する。センタサーバ10のCPU11は、クライアントPCから受信された仮ログインID及び仮パスワードが記憶部15に記憶されている仮ログインID及び仮パスワードと一致する場合に、制御ファイルFを要求元のクライアントPCに送信する。従って、売上データをダウンロードするためのログインID及びパスワードが格納された制御ファイルFをクライアントPCに安全にダウンロードすることが可能となる。
【0107】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明に係る売上データ処理システム1の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0108】
例えば、上記実施の形態に示した売上データの種類やデータ構成は一例であり、これに限定されるものではない。
【0109】
その他、売上データ処理システム1を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 売上データ処理システム
10 センタサーバ
11 CPU
12 入力部
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
61 宛先マスター
62 レジ認証マスター
71 レコード出力仕様
91 出力ファイル
101 変換スペックファイル
102 変換マスター
103 ユーザ仕様ファイル
151 PC認証マスター
152 ダウンロード情報DB
153 データIDテーブル
F 制御ファイル
16 通信部
17 計時部
18 印刷部
19 バス
20A ECR
20B ECR
21 CPU
22 入力部
23 RAM
24 表示部
25 記憶部
26 通信部
27 ドロア
28 プリント部
29 計時部
29a バス
30A クライアントPC
30B クライアントPC
31 CPU
32 入力部
33 RAM
34 表示部
35 記憶部
F1 ローカルファイル
P 自動ダウンロードソフト
F2 エラーログファイル
36 通信部
37 計時部
38 メディアドライブ
39 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置された売上データ処理装置から送信された売上データを記憶する記憶手段を備えるサーバ装置と、前記売上データをダウンロードするための端末装置と、が通信ネットワークを介して通信接続される売上データ処理システムであって、
前記サーバ装置は、
前記端末装置が前記売上データをダウンロードする際に使用するMacアドレスを入力するための入力手段と、
前記端末装置を認証するためのログインID及びパスワードを生成し、当該生成したログインID及びパスワードを前記端末装置のユーザの識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶させるとともに、前記入力されたMacアドレスを暗号鍵として前記生成したログインID及びパスワードを暗号化し、この暗号化されたログインID及びパスワードを含む制御ファイルを作成して前記端末装置に送信する第1制御手段と、を備え、
前記端末装置は、
前記サーバ装置から受信された前記制御ファイルに格納されたログインID及びパスワードを前記Macアドレスを用いて復号し、前記復号されたログインID及びパスワードを用いて前記売上データのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する第2制御手段を備え、
前記第1制御手段は、前記端末装置から受信されたログインID及びパスワードが前記記憶手段に記憶されているログインID及びパスワードと一致する場合に、前記端末装置から要求された売上データを前記端末装置に送信する、
売上データ処理システム。
【請求項2】
前記入力手段は、更に、前記売上データの種類毎に前記端末装置のユーザにより指定されたダウンロードのタイミングを入力可能に構成され、
前記第1制御手段は、前記暗号化されたログインID及びパスワード、並びに前記入力手段により入力された売上データの種類毎のダウンロードのタイミングを含む制御ファイルを作成して前記端末装置に送信し、
前記第2制御手段は、前記サーバ装置から受信された前記制御ファイルに格納されたログインID及びパスワードを前記Macアドレスを用いて復号し、前記復号されたログインID及びパスワードを用いて、前記制御ファイルにより指定されたダウンロードのタイミングに前記制御ファイルにより指定された種類の売上データのダウンロード要求を前記サーバ装置に送信する、請求項1に記載の売上データ処理システム。
【請求項3】
前記第1制御手段は、前記端末装置が前記制御ファイルをダウンロードするための仮ログインID及び仮パスワードを生成して出力手段により出力するとともに、前記制御ファイルに対応付けて前記記憶手段に記憶し、
前記端末装置は、前記仮ログインID及び仮パスワードを入力するための第2入力手段を備え、
前記第2制御手段は、前記第2入力手段により出力された仮ログインID及び仮パスワードを用いて前記サーバ装置に前記制御ファイルのダウンロード要求を送信し、
前記第1制御手段は、前記端末装置から受信された仮ログインID及び仮パスワードが前記記憶手段に記憶されている仮ログインID及び仮パスワードと一致する場合に、前記記憶手段において前記仮ログインID及び仮パスワードに対応付けて記憶されている制御ファイルを前記要求元の端末装置に送信する、請求項1又は2に記載の売上データ処理システム。
【請求項4】
店舗に設置された売上データ処理装置から送信された売上データを記憶する記憶手段を備え、前記売上データをダウンロードするための端末装置に通信ネットワークを介して通信接続されるサーバ装置に用いられるコンピュータを、
前記端末装置が前記売上データをダウンロードする際に使用するMacアドレスを入力するための入力手段、
前記端末装置を認証するためのログインID及びパスワードを生成し、当該生成したログインID及びパスワードを前記端末装置のユーザの識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶させるとともに、前記入力されたMacアドレスを暗号鍵として前記生成したログインID及びパスワードを暗号化し、この暗号化されたログインID及びパスワードを含む制御ファイルを作成して前記端末装置に送信する手段、
前記端末装置から送信されたログインID及びパスワードが前記記憶手段に記憶されているログインID及びパスワードと一致する場合に、前記端末装置に要求された売上データを送信する手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2011−123685(P2011−123685A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281097(P2009−281097)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】