説明

多層構造機構を利用するイチゴ及び小型葉菜類の栽培装置及び方法

本発明は、イチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物の多収穫または多量栽培を可能にするために、水及び/または栄養液の通路である複数の孔18が形成された下敷板19を備え、下敷板の上部にはイチゴ及び小型葉菜類を植えて栽培することができる複数の孔12が所定間隔及び大きさに形成されている本体11が位置し、本体には側面に植えた作物が根を通じて水と栄養液が供給されることができるように、ピ−トモス、粗砂、炭、籾殻混合物、粉炭、パーライト、有機質混合上土及び黄土の中の一つまたは二つ以上が混合された用土を入れ、本体の中央には作物がよく育つように水及び/または栄養液を注入して本体内部の用土を通じて作物に水と栄養液を供給するための配管またはホースが設置され、本体に形成された孔にポット育苗箱で育った苗を本体に形成された孔に植えて作物を栽培することができるように設計製作された多層構造機構を利用したイチゴ及び小型葉菜類の栽培装置及び方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物を狭い空間で大量に栽培するための装置及びその方法で、より具体的には、本体の内部には、側面に植えた作物が根を通じて水及び/または栄養液が供給されることができるように、ピ−トモス、粗砂、炭、籾殻混合物、粉炭、パーライト、有機質混合上土及び黄土中の一つまたは二つ以上が混合された用土を入れ、本体内部の用土を通じて作物に水及び/または栄養液を供給するために、配管またはホースが設置された多層構造機構を利用したイチゴ及び小型葉菜類の栽培装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、イチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物のビニールハウス栽培は、主に平面栽培で行われるため単位面積当たり栽培できる施設面積の限界に逢着して単位面積当たり生産量を増加させることが難しいことから、密植栽培や多量の化学肥料を撒布して生産量を増大させるなどの問題点があった。
【0003】
また、作物栽培や収穫の時に労働力が多く必要なイチゴ及び小型葉菜類の場合には、複数の労働力を確保しなければならないが、腰を下げて働く過酷な作業環境によって作業を敬遠することから労働力の確保が簡単ではないという問題点がある。
【0004】
通常、ビニールハウスで栽培される作物の場合には、高温多湿で密閉された環境の中で各種疾病(灰色かび病など)が発生する場合に、用土や空間を通じて細菌が急速に増殖して、栽培作物に農薬を多量撒布しても所定の成果を収めることができず、これにより農薬過多撒布によってイチゴ及び小型葉菜類の残留農薬成分がたまに危険水位に近付いてこれを摂取する消費者の健康を害し、農薬撒布の時に栽培農民が農薬に中毒されるなどの問題がある。
【0005】
また他の従来技術は、蔓の果物の栽培に対して耕作面積を水平的概念から垂直的概念に転換させて、円筒柱の表面を利用して面積を拡大する方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、水と栄養液を效率的に供給することができる別途の配管を設置していなくて效率的に栽培できない問題点、果物支持台に果物が位置するため、果物が支持台に付いている土や埃及び細菌によって汚染される問題点、種蒔き具が果物支持台の高さより低く形成されて種蒔きが容易でない問題点、栽培容器の内部には、通常土と堆肥からなるため、重量が重くて扱いにくい問題点があり、またポット育苗箱で育った苗を利用しないで、種子を直接種蒔き具に播種するので、生存可能性を予測しにくいという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録実用新案公報第20−0352715号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の技術的課題は多層構造機構でイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などを栽培することができるように設計製作するので、生産量を平面栽培より数倍から15倍以上得ることができ、下部に水受けトレーを設置して家庭用または教育用としてイチゴや野菜を生産することができ、公園、建物のロビー、大通りの道端、イベントホール及びイベント場所などに植木鉢の代わりに、多層に花や特定植物を栽培したり飾って立体的に展示したりすることができるようにすることを目的とする。
【0008】
本発明のまた他の技術的課題は、多層構造機構で約180cmの高さで栽培するので作業が楽で、作業者の腰を保護するなど作業環境を改善することを目的とする。
【0009】
本発明のまた他の技術的課題は、多層構造に栽培されるイチゴ及び小型葉菜類などで各種疾病が発生しても、発生した層を容易に除いて農薬を撒布するので、疾病が広がることを容易に防止し、撒布される農薬の量を最小化して、作業者及び需要者を農薬から安全に守ることを目的とする。
【0010】
本発明が解決しようとするまた他の課題は、多層構造機構で栽培されるイチゴ及び小型葉菜類などは通路や底部などに実や葉が触れる虞がないので、収穫された実が清潔な状態で収穫でき、本体外部には紫外線及び可視光線の確保のために、アルミニウムなどの反射物質をコーティングするか付着して、それぞれの本体で反射される紫外線によって作物の均一な成長を誘導して、収穫される実が均一に熟することができるようにして、高品質の実を収穫することを目的とする。
【0011】
本発明が解決しようとするまた他の課題は、多層構造機構の最下端に回転部を設置して作業者が一つの場所で必要な作業及び収穫ができるようにして、速かに作業が行われるようにし、紫外線と可視光線を均一に作物に供給して均一に成長するようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の課題解決手段は、イチゴ、人参、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物の多収穫または多量栽培を可能にするために、水及び/または栄養液の通路である複数の孔が形成された下敷板を備え、下敷板の上部にはイチゴ及び小型葉菜類を植えて栽培することができる複数の孔が所定間隔及び大きさに形成されている本体が位置し、本体内部には側面に植えた作物が根を通じて水と栄養液が供給されることができるように、ピ−トモス、粗砂、炭、籾殻混合物、粉炭、パーライト、有機質混合上土及び黄土の中の一つまたは二つ以上が混合された用土を入れ、本体の中央には作物がよく育つように水及び/または栄養液を注入して本体内部の用土を通じて作物に水と栄養液を供給するための配管またはホースが設置され、本体に形成された孔にポット育苗箱で育った苗を本体に形成された孔に植えて作物を栽培することができるように設計製作された多層構造機構を利用したイチゴ及び小型葉菜類の栽培装置及び方法を提供する。
【0013】
本発明のまた他の課題解決手段は、多層構造機構で栽培されるイチゴ及び小型葉菜類などで各種疾病(灰色かび病など)が発生しても発生した層のみを除いて農薬を撒布することができるように、本体と支持台を分離して構成し、支持台には本体の交替または除去が容易になるように取っ手兼用底部固定用突出部を二つ以上形成して製作された多層構造機構を利用したイチゴ及び小型葉菜類の栽培装置を提供する。
【0014】
本発明のまた他の課題解決手段は、それぞれの本体で反射される紫外線及び可視光線によって作物の均一な成長を誘導して、収穫される実が最大限に均一に熟することができるように、紫外線及び可視光線を最大限に確保するために、アルミニウムなどの反射物質で本体の外部にコーティングしたり、反射フィルムが付着された多層構造機構を利用したイチゴ及び小型葉菜類の栽培装置を提供する。
【0015】
本発明のまた他の課題解決手段は、本体及び支持台の一側に多段に容易に組み立てるために、組み立てる時の基準となる基準溝が形成されて、組み立て製作が容易なイチゴ及び小型葉菜類の多収穫栽培装置を提供する。
【0016】
本発明のまた他の課題解決手段は、作業者が一つの場所で必要な作業及び収穫ができるようにして、速かに作業が行われるようにしたり、紫外線と可視光線を均一に作物に供給するために、多層構造機構の最下端に回転部が設置され、組み立てが容易なイチゴ及び小型葉菜類の多収穫栽培装置を提供する。
【0017】
本発明のまた他の課題解決手段は、多層構造機構で設計製作されたイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などの栽培装置を設計製作する段階と、最大直径が約3cmの漏斗形状の育苗箱のポットにイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などを植えて育苗する段階と、栽培装置の本体に所定間隔と所定高さでイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などを植えることができるように形成された複数の孔に、育苗箱で育ったイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物のポットを取り除いた後、複数の孔に入れて植える段階と、本体に形成された孔に植えて育つように、水及び/または栄養液を供給する段階とからなる多層構造機構を利用したイチゴ及び小型葉菜類の栽培方法を提供する。
【0018】
本発明のまた他の課題解決手段は、下部に水受けトレーを設置して、家庭用または教育用としてイチゴや野菜を生産することができ、公園、建物のロビー、大通りの道端、イベントホール及びイベント場所などに植木鉢の代わりに多層に花や特定植物を栽培したり、飾り用として立体的に展示することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は多層構造機構でイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などを栽培することができるように設計製作するので、生産量を平面栽培より数倍〜15倍以上に向上させることができ、下部に水受けトレーを設置して家庭用または教育用としてイチゴや野菜を生産することができて、公園、建物のロビー、大通りの道端、イベントホール及びイベント場所に植木鉢などの代わりに多層に花や特定植物を栽培したり、飾り用として立体的に展示することができるという作用效果を奏する。
【0020】
本発明のまた他の效果は、3層乃至6層からなる多層構造で、約100cm乃至180cmの高さで垂直に栽培するので、作業を楽にさせ、作業者の腰を保護するなど作業環境を改善する。
【0021】
本発明のまた他の效果は、多層構造で栽培されるイチゴ及び小型葉菜類などで各種疾病が発生しても発生した層を除いて農薬を撒布するので、疾病が広がることを容易に防止することができ、撒布される農薬の量を最小化し、且つ作業者及び需要者を農薬から安全に守る。
【0022】
本発明のまた他の效果は、多層構造機構で栽培されるイチゴ及び小型葉菜類などが通路や底部などに実や葉の触れる虞がないので、収穫された実が清潔な状態で収穫可能で、本体外部には紫外線及び可視光線の確保のために反射物質でコーティングしたり、反射フィルムを付着してそれぞれの本体で反射される紫外線によって作物の均一な成長を誘導して、収穫される実が均一に熟することができるようにして、高品質の実を収穫して所得を向上させる。
【0023】
本発明のまた他の效果は、多層構造機構の最下端に回転部を設置して、作業者が一つの場所で必要な作業及び収穫ができるようにして、速かに作業が行われるようにしたり、紫外線と可視光線を均一に供給して作物が均一に熟して成長するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による多層構造機構を利用したイチゴ及び小型葉菜類の栽培装置本体の平面図及び正面図である。
【図2】本発明による多層構造機構の下敷板の平面図である。
【図3】作物に水及び栄養液を供給するための配管の形態である。
【図4】本発明によるイチゴ及び小型葉菜類の多収穫栽培のための多層構造機構(2層)を分解した斜視図である。
【図5】多収穫栽培のための多層構造機構の多様な形状である。
【図6】多収穫栽培のための多層構造機構の多様な形状である。
【図7】多収穫栽培のための多層構造機構の多様な形状である。
【図8】多層構造機構を回転する回転部の構造の一つの例である。
【図9】多層構造機構を回転する回転部の構造のまた他の一つの例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を実施するための好ましい形態を説明すると、図1で、本体11の中央には、作物がよく育つように、水及び/または栄養液を注入して、前記本体11内部の用土を通じて作物に水及び/または栄養液を供給するために、微細な孔22が形成された配管21が設置されたり、それぞれの層ごとに、水及び/または栄養液を供給するためのホースまたは配管が下敷板14中央に形成された孔15を貫通して設置され、本体11内部には、複数の孔に植えた作物が根を通じて水及び/または栄養液を供給することができるように、ピ−トモス、粗砂、炭、籾殻混合物、粉炭、パーライト、有機質混合上土及び黄土中の一つまたは二つ以上が混合された用土を入れる。
【0026】
本体11に形成された複数の孔12のそれぞれは、直径が約3cmであり、イチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物を直径3cm前後のポット育苗箱で育てた後、ポットで育った苗を本体11に形成した孔12にポットを除去して入れて作物を植え込む。本体11の厚さは0.5cm〜1cmで、横40cm×高さ50cmの円筒状に設計製作され、本体の側面には所定間隔を置いて上下に約24個の作物を植えることができる孔12が形成されている。
【0027】
実施形態1
図1は多層構造機構を利用したイチゴ及び小型葉菜類栽培装置の本体11を示す。本体11の各上部面と下部面には作業者が多層構造機構を容易に組み立てるように基準溝13、23が形成されており、図2の下敷板上にも本体に形成された上部面と下部面の基準溝13、23に合わせて基準溝19が形成されている。本体及び下敷板に形成された基準溝13、23、19は、層と層との間を堅固に締結するために、針金または長い釘などを利用して溝に挿入して締結することもできる。
図4は多層構造機構を利用したイチゴ及び小型葉菜類の栽培装置を2層に形成した斜視図であり、より具体的に説明すると、図4の多層構造機構の栽培装置の下部下敷板14は底部にボルト20で堅固に固定され、支持台14の上部には支持台に形成された基準溝に合わせて本体11を位置させ、中央には水及び/または栄養液を供給するための微細な孔22が形成された配管21を設置したり、図3bのように、中央に複数の細い配管またはホースをそれぞれの層の本体中央上部に水及び/または栄養液を噴射または注入して供給するように製作することができる。
【0028】
本体11の形状を表す数値は、イチゴまたは小型葉菜類と類似する作物を栽培する時使用可能な形状及び大きさを具体的に記述した一つの実施形態であり、本体11の大きさ、本体11に形成した孔12の大きさ及び孔12の間の間隔は、用途及び作物の種類などを考慮して上記数値より小さくまたは大きく多様に形成して設計製作することができる。
【0029】
図1の本体11の材質はプラスチック、合成樹脂、スタイロフォーム、FRP、ステンレス材質、アルミニウム、硝子、陶磁器及び圧搾パルプの中で一つを選択して製作することもでき、円筒状の本体直径の大きさ及び高さは各作物によって多様な大きさに設計して製作することができる。
【0030】
図1〜図4の実施形態では、本体の形状を円筒状に製作したことについて説明したが、本発明は図1〜図4に基づいて、円錐状、楕円形及び正多角形を含む多様な多角形形状に変形して設計製作することができる。
【0031】
本体の外部表面は反射によって紫外線及び可視光線を最大限に確保するために、日差しやLEDなどで発生する紫外線及び可視光線を反射するアルミニウムなどの反射物質などをコーティングするか反射フィルムを付着して、各本体11に付着またはコーティングされた反射物質によって反射された紫外線及び可視光線によって光線を補って作物の均一な成長及び実が均一に熟することができるように構成されている。
【0032】
図2の下敷板14は本体11内部に多様な種類の栽培用土が入ったものを支え、下敷板14には直径が約1cmである3〜8つの孔18が形成されて、水及び/または栄養液が灌水される時、重力によって自然に下へ流れて、水及び/または栄養液が排水されるようになっている。
【0033】
下敷板の四つの角には取っ手兼用底部固定用突出部17が形成されて、取っ手兼用底部固定用突出部17には、下敷板が最も下部に位置する時、底部に釘またはボルトなどを使って堅固に固定することができるように固定用溝16が形成され、多層に組立てる時、上層に位置する下敷板14の場合には、疾病(灰色かび病など)の発生または本体の損傷などによって対応する本体11のみ取り出したり交換する時、作業者の作業を容易にする取っ手の役割を果たすことができるように製作されている。
【0034】
図3は栄養液及び灌水用配管21で、配管21は本体11及び下敷板14の中心を貫通するように設計製作され、配管21の表面は微細な孔22が形成されている。配管21の最下端は水及び/または栄養液が配管21下部に真っすぐ排出されないで、圧力によって配管の側面に形成された微細な孔22を通じて多層の本体内部の用土の中に自然に噴射または滲み込むようにして、水及び/または栄養液が下部へ流れることを止める閉鎖膜24(図3)が形成されている。
【0035】
水及び/または栄養液を供給する配管は、図3bのように、支持台の中央に形成された孔に係止されてこれ以上下がらないように丸くまたは二つ以上の突出する係止突起25(図3)を形成して設計製作することができる。栄養液及び灌水用配管21は最下端を閉鎖した構造で、本体11と下敷板14の高さを考慮して、一層単位で組み立てて設置することができるように設計製作された構造、2層を一つの単位にして組み立て締結するように設計して製作された構造及び多層を一つに使うように設計して製作された構造など多様な構造で設計製作することができる。
【0036】
また、他の水及び/または栄養液を供給する構造は、最上層に水及び/または栄養液を噴射または注入供給して下部層へ重力によって孔を通じて移動しながら漸進的に供給するように製作することができる。
【0037】
また、他の水及び/または栄養液を供給する構造は、図3dのように、外部に細いホースまたは配管を設置し、それぞれの層の上部に前記細いホースまたは配管を挿入する孔を本体の上部に形成し、ホースまたは配管を形成した孔に挿入して層別に水及び/または栄養液を噴射または注入して供給したり、図3cのように、本体内部に複数の配管またはホースを本体の中央上部に設置し、設置されたホースまたは配管を通じて各層別に水及び/または栄養液を噴射または注入して供給することができるように製作することができる。
【0038】
水及び/または栄養液を供給するための微細な孔が形成された配管の上部には、水及び/または栄養液を供給するための貯蔵タンクと配管が設置され、配管の一側には水及び/または栄養液の供給を制御する電子制御バルブまたは手動制御バルブを設置して、所定時間を置いて自動に供給されるように製作したり、手動で制御することができるように構成することができる。水及び/または栄養液を供給するための貯蔵タンクは、高い位置に設置して自然に流れ出るように製作したり、配管の一側に別途の注入ポンプを設置して供給することもできる。
【0039】
水と栄養液を供給するための貯蔵タンクは、水と栄養液を混合して一つの配管を通じて作物に供給したり、水または栄養液を供給するタンク、配管及び制御バルブを別途に設置し、これら二つの配管それぞれに別途の制御バルブを設置して、制御バルブが位置した下部で前記二つの配管が一つに結合されるように製作して、水と栄養液を別途に作物に供給したり、同時に作物に供給することができるように構成することができる。
【0040】
図4は本体11及び下敷板14を利用して多層に連続結合した構造であり、半円形または軒型などの多様な形状のビニールハウスの高さ及び作業者の作業效率などを考慮して、2段、3段、4段、5段、6段及び7段の中で選択して多様な層に組立てることができ、ビニールハウス室内を最大限に效率的に活用し、作業者の作業效率などを考慮して単位面積当たり生産性を極大化させることができるように設計製作される。
【0041】
一つの本体または多層構造機構に互いに異なる種類の作物または植物を植えることもできる。
【0042】
実施形態2
実施形態2は、図5乃至図7のように、多様な形状に設計製作して、イチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物を栽培するための多層構造機構のまた他の実施形態である。
【0043】
図5及び/または図6は、実施形態1で下敷板と本体を一体型に形成しているが、図5は取っ手兼用下部固定用突出部を本体の下部に形成しており、図6は取っ手を本体の上部に一体に形成して設計製作したのである。
【0044】
実施形態1における下敷板と本体を一つに形成した図5及び図6の多層構造機構は、平らな底部に一つを位置させ、中央には表面に微細な孔が形成されて、水及び/または栄養液を噴射または注入して、作物を效率的に栽培することができるように配管またはホースが設置されている。配管の最下端は閉鎖された構造に設計製作して、水及び/または栄養液が重力によって微細な孔を通じて用土の内部に自然に噴射または滲み込むように形成されている。
【0045】
実施形態2でも実施形態1と同様に、図3cと図3dと同じ構造または上部から噴射または注入して水及び/または栄養液を供給することができる。
【0046】
図5及び図6は本体及び下敷板が一体に成形製作されて多層に組立てることができる多層構造機構で、多層(3層)に連続結合した構造であり、多様な形状のビニールハウスの高さ及び作業者の作業效率などを考慮して、2段、3段、4段、5段、6段及び7段の中で選択して多様な層に組み立てて単位面積当たり生産性を最大限に向上させることができるように設計製作することができる。
【0047】
本体及び下敷板が一体に成形製作されたイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などを栽培することができる多層構造機構の外部には、紫外線を反射するアルミニウムなどの反射物質をコーティングするか、反射フィルムを付着して作物の均一な成長及び実が均一に熟するようにするなどの構成は実施形態1と同じである。
【0048】
図7は図6の構造で下部に係止突起を形成して内部に別途の下敷板を挿入することができるように設計製作した図であり、本発明のまた他の実施形態である。
【0049】
本発明は平面栽培ではない多様な形状の垂直多層構造機構を設計製作して、機構物の上には育苗箱のポットで育った幼い作物を植えることができる孔と、機構の内部または中央に水及び/または栄養液を供給することができように微細な孔とが形成された配管を設置して、イチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などを栽培して、単位面積当たり生産量を平面栽培より数倍〜15倍以上の収穫を得ることができるように形成されたものであれば、これは本発明の多層構造機構を利用した作物の栽培装置を単純に設計変更したもので、本発明の保護範囲に属する。
【0050】
実施形態3
本発明による実施形態3は、実施形態1及び実施形態2で設計製作された多層構造機構の栽培装置を利用して、イチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などの栽培方法に関する。
【0051】
実施形態3による発明は、実施形態1及び実施形態2のように、イチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などを栽培することができる多層構造機構を設計製作する段階を経る。最大直径が約3cmの漏斗形状の育苗箱のポットにイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などを植えて育苗する段階を経る。
【0052】
多層構造機構の作物栽培装置の本体に所定間隔と所定高さで、イチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などを植えることができるように形成された孔に、ポット育苗箱で育ったイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物からポットを取り除いた後、栽培装置に形成された複数の孔に入れて植える段階を経る。
【0053】
本体に形成された孔に植えられた作物が、本体にピ−トモス、粗砂、炭、籾殻混合物、粉炭、パーライト、有機質混合上土及び黄土の中の一つまたは二つ以上を混合して入れた用土に根を下ろしてイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物が育つように、水及び/または栄養液を供給する段階からなるイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などの栽培方法を提供する。
【0054】
実施形態3によるイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物などの栽培方法は、実施形態1と実施形態2で多様に設計製作された栽培装置を利用して作物または植物の栽培を行う。
【0055】
実施形態1乃至実施形態3で設計製作された多層構造機構の最下端部に、図8のように設計製作された回転部を別途に設置して作業者が一つの場所で作業したり収穫でき、紫外線及び可視光線を均一に受けて均一に成長及び実が熟することができるように、周期的に所定角度回転できるように構成することができる。回転部は、図8のように、ボールベアリング33を上部回転盤31と下部固定盤32との間に挿入して設計製作されている。
【0056】
上部回転盤31の下部にはボールベアリング33が離脱しないで回転することができるように、三角形または多様な形状のボールベアリング案内溝36が中心から同じ距離に丸く形成されており、上部回転盤31の上部には作業者が容易に組み立てるように、下敷板14に形成された基準溝19と同じ位置に基準溝34が形成されている。
【0057】
下部固定盤の上部には複数のボールベアリング33が離脱しないで一つの場所で回転することができるように、中心から同じ距離にボールベアリング挿入溝35が形成されている。
【0058】
上部回転盤31と下部固定盤32は、内部の空いた空間に設計製作されたり、平板に設計製作されることができ、材質は錆の発生しない堅固な金属材質やプラスチックなどの合成樹脂で成形製作することができる。
【0059】
また、他の回転方法は、図9のように、ベアリングを使用しないで、上部回転盤31と下部固定盤32が当接する部分に摩擦力を減らすための円滑油またはグリースを注入して上部回転盤31を回転することができるように設計製作することができる。
【0060】
下部に回転部が設置されて回転する場合には、水及び/または栄養液を供給するラインの上部に多層構造機構の回転を収容することができるように、回転可能で且つ水が漏れない多様な構造(一つの例として、回転可能に設置された洗面台の蛇口など)で締結することができる。
【0061】
回転部には、回転モーターを設置して周期的に左右または一方向に回転するように設計製作し、自動に所定時間単位に回転して、均一な成長を促進するように構成したり、作業者がスィッチを作動させて手動で所定角度回転できるように構成することができる。
【0062】
本発明による実施形態1乃至実施形態3の栽培装置及び方法を、家庭用または教育用で、イチゴや野菜を栽培したり生産するための栽培装置の下部に水受けトレーを設置することができ、公園、建物のロビー、大通りの道端、各種イベントホール及びイベント場所に植木鉢の代わりに多層に花や特定植物を栽培したり、飾りとして立体的に展示してイベントホールを派手に飾ることもできる。
【0063】
本発明による栽培装置及び方法は、ポット育苗箱で育った苗をポットを取り除いた後本体に形成された孔に植えて作物を栽培できるように、作物及び植物であれば全て適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明はイチゴ、小型葉菜類などの球根作物及び観賞植物の多収穫または多量栽培を可能にするために、多層構造機構を利用したイチゴ及び小型葉菜類の栽培装置及び方法を提供して、単位面積当たり生産性を大きく向上させ、清潔な栽培が可能で、且つ農薬の使用を減らすことができるので産業上の利用可能性が非常に高い。
【符号の説明】
【0065】
11:本体
12:作物を植えるための孔
13:上部面基準溝(本体)
14:支持台
15:配管通孔
16:突出部に形成された孔
17:取っ手兼用下部固定用突出部
18:水と栄養液が通過する孔
19:基準溝(下敷板)
20:底部固定用ボルト
21:水及び/または栄養液供給配管
22:水及び/または栄養液供給孔
23:下部面基準溝(本体)
24:閉鎖膜
25:係止突起
31:上部回転盤
32:下部固定盤
33:ボールベアリング
34:基準溝
35:ボールベアリング挿入溝(下部固定盤)
36:ボールベアリング回転案内溝(上部回転盤)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イチゴ、小型葉菜類、球根作物及び観賞植物の栽培装置において、
水及び/または栄養液を供給する場合に、重力によって下へ流れるように複数の孔が形成された下敷板と、
前記下敷板の上部に位置し、側面にはイチゴ及び小型葉菜類を植えて栽培することができる複数の孔が形成され、内部には植えた作物に水及び/または栄養液を供給できるようにピ−トモス、粗砂、炭、籾殻混合物、粉炭、パーライト、有機質混合上土及び黄土中の一つまたは二つ以上が混合された用土を入れた本体と、
前記本体の中央に設置され、作物がよく育つように水及び/または栄養液を注入または噴射して前記本体内部の用土を通じて作物に水及び/または栄養液を供給するための配管またはホースと、
前記下敷板、本体及び配管が2層以上に組み立てられて製作されたことを特徴とする多層構造機構を利用した栽培装置。
【請求項2】
イチゴ、小型葉菜類、球根作物及び観賞植物の栽培装置において、
底面には、水及び/または栄養液を供給する場合に、重力によって下へ流れるように複数の孔が形成され、作物を植えて栽培することができる複数の孔が側面に形成され、内部には植えた作物に水及び/または栄養液を供給できるようにピ−トモス、粗砂、炭、籾殻混合物、粉炭、パーライト、有機質混合上土及び黄土中の一つまたは二つ以上が混合された用土を入れた本体と、
前記本体の中央に設置され、作物がよく育つように水及び/または栄養液を注入または噴射して、前記本体内部の用土を通じて作物に水及び/または栄養液を供給するための配管またはホースと、
前記本体及び配管が2層以上に組み立てられて製作されたことを特徴とする多層構造機構を利用した栽培装置。
【請求項3】
イチゴ、小型葉菜類、球根作物及び観賞植物の栽培装置において、
水及び/または栄養液を供給する場合に、重力によって下へ流れるように複数の孔が形成された下敷板と、
前記下敷板の上部に位置し、側面にはイチゴ及び小型葉菜類を植えて栽培することができる複数の孔が形成され、内部には植えた作物に水及び/または栄養液を供給できるようにピ−トモス、粗砂、炭、籾殻混合物、粉炭、パーライト、有機質混合上土及び黄土中の一つまたは二つ以上が混合された用土を入れた本体、
前記本体の上部一側に配管またはホースを挿入することができる挿入溝が形成され、本体の外側を通じて前記挿入溝に配管またはホースを設置し、設置された作物がよく育つように水及び/または栄養液を注入または噴射して前記本体内部の用土を通じて作物に水及び/または栄養液を供給するための配管またはホースと、
前記下敷板、本体及び配管が2層以上に組み立てられて製作されたことを特徴とする多層構造機構を利用した栽培装置。
【請求項4】
前記複数の孔が形成された下敷板には組み立て及び分離作業の時に取っ手として用い、最下端に位置する場合に、底部に堅固に固定するための孔が形成された二つ以上の取っ手兼用底部固定用突出部を備えることを特徴とする請求項1または3に記載の多層構造機構を利用した栽培装置。
【請求項5】
前記下敷板と本体の上部面及び下部面には、支持台と本体を組立てる時容易に組み立てるようにし、針金または長い釘を利用して堅固に締結することができるように基準溝がさらに形成されることを特徴とする請求項1または3に記載の多層構造機構を利用した栽培装置。
【請求項6】
前記本体の外部表面には作物が均一に成長し、実が均一に熟することができるように、紫外線及び可視光線を反射する反射フィルムを付着するか、アルミニウムなどの反射物質でコーティングすることを特徴とする請求項1乃至3の中の何れか一項に記載の多層構造機構を利用した栽培装置。
【請求項7】
前記本体の上部または下部には、組み立てまたは分離作業者が容易に作業できるように、二つ以上の取っ手が設置されたことを特徴とする請求項2に記載の多層構造機構を利用した栽培装置。
【請求項8】
前記水及び/または栄養液を供給するために、配管またはホースの上部は、水及び/または栄養液を供給するための水及び/または栄養液を貯蔵する貯蔵タンクが設置され、
前記貯蔵タンクと配管またはホースとの間には、水及び/または栄養液を供給するための配管またはホースが連結設置され、
前記配管の一側には、水及び/または栄養液の供給を制御する制御バルブがさらに設置されることを特徴とする請求項1乃至3の中の何れか一項に記載の多層構造機構を利用した栽培装置。
【請求項9】
前記水及び/または栄養液を供給するための配管またはホースの下部には、供給される水/または栄養液が下へ排出されないように閉鎖膜が設置され、水及び/または栄養液の供給のための配管は、各層別に組み立て可能に雄及び雌締結構造で構成したり、2層以上に長く形成することを特徴とする請求項1に記載の多層構造機構を利用した栽培装置。
【請求項10】
前記栽培装置の最下端に多層構造機構を回転するために、下部にボールベアリングを案内する案内溝が形成された上部回転盤と、
前記ボールベアリングが移動しないで一つの場所で回転することができるように、ボールベアリング挿入溝が形成された下部固定盤と、
前記下部固定盤に形成された挿入溝にボールベアリングが挿入され、
水及び/または栄養液を供給する配管の上部には、栽培装置の回転を収容することができる締結構造をさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至3の中の何れか一項に記載の多層構造機構を利用した栽培装置。
【請求項11】
前記多層構造機構を利用した栽培装置を教育用、公園、建物のロビー、大通りの道端、各種イベントホール及びイベント場所に容易に設置することができるように、下部に水受けトレーをさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至3の中の何れか一項に記載の多層構造機構を利用した栽培装置。
【請求項12】
イチゴ、小型葉菜類、球根作物及び観賞植物の栽培方法において、
水及び/または栄養液を供給する配管またはホースが設置され、作物を植えることができる孔が側面に複数形成された多層構造機構に製作されて、イチゴ、小型葉菜類、球根作物及び観賞植物を栽培することができる栽培装置を設計製作する段階と、
漏斗形状の育苗箱のポットに、イチゴ、小型葉菜類、球根作物及び観賞植物を植えて育苗する段階と、
前記設計製作された栽培装置に、イチゴ、小型葉菜類、球根作物及び観賞植物を植えることができるように形成された孔に、前記育苗箱で育ったイチゴ、小型葉菜類、球根作物及び観賞植物をポットを取り除いて孔に植える段階と、
前記本体に形成された孔に植えられて、本体にピ−トモス、粗砂、炭、籾殻混合物、粉炭、パーライト、有機質混合上土及び黄土中の一つまたは二つ以上を混合して入れた用土にイチゴ、小型葉菜類、球根作物及び観賞植物が根を下ろして育つように水及び/または栄養液を供給する段階と、を含むことを特徴とする多層構造機構を利用した栽培方法。
【請求項13】
前記栽培装置を設計及び製作する段階において、栽培装置の側面の外部表面には作物が均一に生長し、且つ実が均一に熟することができるように、紫外線及び可視光線を反射する反射フィルムを付着するか反射物質をコーティングすることを特徴とする請求項12に記載の多層構造機構を利用した栽培方法。
【請求項14】
前記栽培装置を設計及び製作する段階において、多層構造機構を利用した栽培装置の最下端に栽培装置を回転することができる回転部がさらに設けられることを特徴とする請求項12に記載の多層構造機構を利用した栽培方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2012−516151(P2012−516151A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547744(P2011−547744)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【国際出願番号】PCT/KR2009/001465
【国際公開番号】WO2010/087543
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(511185346)
【氏名又は名称原語表記】KANG, Hyuk
【Fターム(参考)】