説明

多機能ダイ接着フィルム及びこれを用いた半導体素子パッケージング方法

半導体素子パッケージング工程に使用されるダイ接着フィルムは、半導体素子が集積され、ソルダーバンプパターンが形成されたウエハーの表面に付着され、第1接着力を有する第1ダイ接着フィルムと、前記第1ダイ接着フィルム上に付着され、ウエハー、チップ、PCB、フレキシブル基板に対する第2接着力を有する第2ダイ接着フィルムとを含み、半導体素子パッケージング工程でバックグラインディングテープとしての機能を行うことができ、バックグラインディング作業を終了した後、これを除去せずに再び接続部材にダイチップを接着するのに使用することができる。また、半導体素子パッケージング工程において、ダイチップを接続部材に接着させるダイ接着フィルムをバックグラインディング工程でバックグラインディングテープとして使用することができ、ダイシング工程時にウエハーを保護する手段として活用することで、ウエハーの表面上にソーイングバー、スクラッチ及びクラックなどが発生することを防止することができる。また、バックグラインディング工程を終了した後、バックグラインディングテープを除去しなければならない煩雑さをなくすことができる。また、ダイ接着フィルムをバックグラインディングテープとアンダーフィル素材として使用することで、半導体素子パッケージングの費用を節減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能ダイ接着フィルムに関するもので、より詳細には、半導体素子パッケージング工程でバックグラインディングテープとしての機能を行うことができ、バックグラインディング作業を終了した後、これを除去せずに、再び接続部材にダイチップを接着するために使用することができる多機能ダイ接着フィルム及びこれを用いた半導体素子パッケージング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体チップ製造工程には、所定厚さの半導体ウエハーに微細回路パターンを形成する工程と、ウエハーの背面をバックグラインディングする工程と、ウエハーを一定素子の規格に合わせて切断し、ダイチップを製造した後、それぞれのダイチップを半導体素子にパッケージングする工程とがある。
【0003】
上記の各工程のうちウエハーの背面をバックグラインディングする工程では、微細回路パターンが形成されたウエハーの表面にバックグラインディングテープを付着した後、バックグラインディングテープのある側を研磨チャックに吸着させ、ウエハーの背面を研磨ダイに緊密に接触させた後、スラリーを投入しながら150〜200μmの厚さになるまでウエハーを研磨する。このような研磨過程でウエハーに大きな圧力または機械的な衝撃が加えられるが、このとき、バックグラインディングテープがウエハーの損傷を防止する機能を行うようになる。
【0004】
しかしながら、従来には、半導体ウエハーのバックグラインディング工程を終了した後、ウエハーの上部からバックグラインディングテープを除去すべきであるという煩雑さがあった。そして、バックグラインディングテープの除去は、研磨工程の完了後、ウエハーの背面にダイシングフィルムを付着し、ダイシングフィルムを用いてウエハーをソーイングダイに定着させた状態で行われるが、この過程で、バックグラインディングテープが付着された反対側のダイシングテープの接着力がバックグラインディングテープの接着力より弱い場合、ウエハーがひっくり返される現象が発生するという問題点があった。
【0005】
一方、半導体ウエハーのダイシング工程時、半導体素子が集積されたウエハーの表面にソーイングバー(sawing bur)、スクラッチ及びクラックなどの不良が誘発されるにもかかわらず、従来には、何らの保護手段も講じることなくダイシング工程を進行している実情である。そして、ダイシング工程の終了後、それぞれのダイチップをパッケージング対象体(例えば、リードフレーム)に実装するためにダイチップをピックアップする過程で、薄い厚さのダイチップを持ち上げるとき、ピックアップピンによって持ち上げる方向にダイチップが反ることがあり、このとき、ダイチップが過度に反る場合、ダイチップに予期せぬ欠点が誘発され、半導体素子の信頼性を低下させるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、半導体素子パッケージング工程において、ダイチップを接続部材に接着するダイ接着フィルムのみならず、ダイ接着工程以前のバックグラインディング工程でバックグラインディングテープとしての役割も行う多機能ダイ接着フィルム及びこれを用いた半導体素子パッケージング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような目的を達成するための本発明に係る多機能ダイ接着フィルムは、 半導体素子パッケージング工程に使用されるダイ接着フィルムにおいて、半導体素子が集積され、ソルダーバンプパターンが形成されたウエハーの表面に付着され、第1接着力を有する第1ダイ接着フィルムと、前記第1ダイ接着フィルム上に付着され、第2接着力を有する第2ダイ接着フィルムとを含み、半導体素子パッケージング工程でバックグラインディングテープとしての機能を行うことができ、バックグラインディング作業の終了後、これを除去せずに、再び接続部材にダイチップを接着するのに使用することを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記第1及び第2ダイ接着フィルムは、透明または半透明材質からなる。
【0009】
本発明において、前記多機能ダイ接着フィルムは、前記第1ダイ接着フィルムと前記第2ダイ接着フィルムが互いにラミネートされた積層構造を有し、前記第1及び第2ダイ接着フィルムは、エポキシ系、アクリル系、シリコン系、ゴム系、ウレタン系及びエラストマー系から選択された一つの樹脂材である。
【0010】
好ましくは、前記第1接着力は、シリコンウエハー表面付着を基準にして25℃で10〜2000gf/cmであり、前記第2接着力は、AUS308表面付着を基準にして25℃で10〜2000gf/cmである。
【0011】
好ましくは、前記第1及び第2ダイ接着フィルムは、7日間の85℃/60%湿度の耐湿性試験(Moisture Resistance Test;JL2)を基準にして0〜2%wtの水分吸湿率を有する。
【0012】
好ましくは、前記第1及び第2ダイ接着フィルムは、50℃で10〜1010Paの貯蔵弾性率を有し、より好ましくは、前記第2ダイ接着フィルムは、50℃で10〜10Paの貯蔵弾性率を有する。
【0013】
好ましくは、前記第1ダイ接着フィルムまたは前記第2ダイ接着フィルムのうち少なくとも何れか一つのフィルムに導電性フィラーを含み、この導電性フィラーは、樹脂材の体積に対比して0.5〜70体積%で含まれる。
【0014】
また、前記導電性フィラーが含まれるフィルムと、前記導電性フィラーが含まれないフィルムとの厚さ比は、10:1〜0.1:1であり、より好ましくは、4:1〜0.5:1である。
【0015】
本発明において、前記導電性フィラーは、金、銀、銅及びニッケルから選択された一つの導電性金属、または前記導電性金属がコーティングされたコアシェル構造の有機物からなる。
【0016】
本発明において、前記導電性フィラーの粒子直径は0.05〜50μmである。
【0017】
好ましくは、前記第1及び第2ダイ接着フィルムの間にポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ炭酸エステル、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン及びエチレン―ビニルアルコール共重合体から選択された一つまたは二つ以上の物質からなる中間層が介在された多層構造からなる。
【0018】
上記のような目的を達成するための本発明の一側面に係る多機能ダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法は、(a)半導体素子が集積され、ソルダーバンプパターンが形成されたウエハーの表面に、前記ダイ接着フィルムの第1ダイ接着フィルム面を対面させてダイ接着フィルムを接着する段階と、(b)前記ウエハーの後面をバックグラインディングした後、ダイシングフィルムを接着する段階と、(c)前記ダイ接着フィルムが付着された状態で前記ウエハーをそれぞれのダイチップに切断する段階と、(d)前記ダイチップからダイシングフィルムを除去した後、前記ダイ接着フィルムの第2ダイ接着フィルム面を接続部材に対向させた状態でソルダーバンプを用いたフリップチップ工程によってダイチップと接続部材とを電気的に結合する段階とを含むことを特徴とする。
【0019】
上記のような目的を達成するための本発明の他の側面に係る多機能ダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法は、(a)半導体素子が集積され、ソルダーバンプパターンが形成されたウエハーの表面に、前記ダイ接着フィルムの第1ダイ接着フィルム面を対面させてダイ接着フィルムを接着する段階と、(b)前記ウエハーの後面をバックグラインディングした後、ダイシングフィルムを接着する段階と、(c)前記ダイ接着フィルムが付着された状態で前記ウエハーをそれぞれのダイチップに切断する段階と、(d)前記ダイチップからダイシングダイ接着フィルムのダイシングフィルム層を除去した後、接続部材に付着した後、前記ダイ接着フィルム面に再び他のダイチップを対向させた状態でソルダーバンプを用いたフリップチップ工程によって前記ダイチップと他のダイチップとを電気的に結合する段階とを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明において、前記接続部材は、PCB、リードフレーム及びダイチップから選択された一つである。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明によると、半導体素子パッケージング工程において、ダイチップを接続部材に接着させるダイ接着フィルムをバックグラインディング工程でバックグラインディングテープとして使用することができ、ダイシング工程時にウエハーを保護する手段として活用することで、ウエハーの表面上にソーイングバー、スクラッチ及びクラックなどが発生することを防止することができる。また、バックグラインディング工程を終了した後、バックグラインディングテープを除去しなければならない煩雑さをなくすことができる。また、ダイ接着フィルムをバックグラインディングテープとアンダーフィル素材として使用することで、半導体素子パッケージング費用を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の好適な実施例に係るダイ接着フィルムを示した断面図である。
【図2】本発明の好適な実施例に係る半導体素子パッケージング方法を説明する工程フローチャートである。
【図3】本発明の好適な実施例に係る半導体素子パッケージング過程を示した工程断面図である。
【図4】本発明の好適な実施例に係る半導体素子パッケージング過程を示した工程断面図である。
【図5】本発明の好適な実施例に係る半導体素子パッケージング過程を示した工程断面図である。
【図6】本発明の好適な実施例に係る半導体素子パッケージング過程を示した工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の好適な実施例に係るダイ接着フィルムを示した断面図である。
【0025】
図1を参照すると、本発明に係るダイ接着フィルム100は、半導体素子が集積され、ソルダーバンプパターン50が形成されたウエハー30の表面に付着される第1ダイ接着フィルム10と、前記第1ダイ接着フィルム10上に付着された第2ダイ接着フィルム20と、前記ダイ接着フィルム100の両面に付着され、ダイ接着フィルム100を保護する保護フィルム11とを含む。
【0026】
図1に示すように、前記保護フィルム11は、ダイ接着フィルム100の接着面を異質物などから保護するもので、ポリエチレンまたはポリエチレンテレフタレート(PET)などを使用することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0027】
前記ダイ接着フィルム100は、前記第1ダイ接着フィルム10と前記第2ダイ接着フィルム20とが互いにラミネートされた積層構造を有する。
【0028】
ここで、第1ダイ接着フィルム10は、半導体素子が集積され、ソルダーバンプパターン50が形成されたウエハー30の表面に第1接着力で付着され、ウエハー30の切断片であるダイとの高い接着力が要求される物質層である。そして、前記第2ダイ接着フィルム20は、第1ダイ接着フィルム10上に付着され、バックグラインディング工程時にウエハー30を固定する研磨チャックに付着される物質層である。このような点を勘案して、前記第1接着力は、シリコンウエハー表面付着を基準にして25℃で10〜2000gf/cmの接着力を有し、前記第2接着力は、AUS308表面付着を基準にして25℃で10〜2000gf/cmの接着力を有する。
【0029】
また、半導体素子パッケージング工程中、ウエハー30を切断するダイシング工程でウエハー30に高い熱が発生し、これを冷却するために冷却水が使用される。したがって、ダイ接着フィルム100は、耐湿性を有するので、水分の含湿率が低くなるべきである。このような点を勘案して、ダイ接着フィルム100は、7日間の85℃/60%湿度の耐湿性試験(Moisture Resistance Test;JL2)を基準にして0〜2%wtの水分吸湿率を有する。
【0030】
一方、半導体素子パッケージング工程中、ダイチップのピックアップ工程時には、薄い厚さのチップを持ち上げるとき、ピックアップピンによって持ち上げる方向に反りが発生し、ダイをリードフレームに接着させるとき、チップマウントヘッド部分のサクションツールによって反りが発生する憂いがある。このような問題を防止するために、ダイ接着フィルム100は、50℃で10〜1010Paの貯蔵弾性率を有し、より好ましくは、前記第2ダイ接着フィルムは、50℃で10〜10Paの貯蔵弾性率を有する。
【0031】
また、前記ダイ接着フィルム100は、バックグラインディングテープとしての機能を行うことができ、バックグラインディング作業後、これを除去せずに、ダイ接着フィルム100が付着された状態でダイシング工程に引き続く。したがって、ダイ接着フィルム100は、ダイシング工程時、半導体素子が集積されたウエハーの表面が見えるように透明または半透明材質からなる。
【0032】
前記第1及び第2ダイ接着フィルム10,20を構成する樹脂材は、エポキシ系、アクリル系、シリコン系、ゴム系、ウレタン系、エラストマー系などを使用することができる。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0033】
また、第1及び第2ダイ接着フィルム10,20の間にポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ炭酸エステル、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン、エチレン―ビニルアルコール共重合体などの物質からなる中間層が介在された多層構造のダイ接着フィルム100が使用される。しかし、本発明がこれに限定されることはない。
【0034】
また、ダイ接着フィルム100の第1または第2ダイ接着フィルム10,20のうち少なくとも何れか一つには、ダイチップと接続部材とのフリップチップボンディング時、ダイチップと接続部材との電気的結合性能を良好にするために導電性フィラー21が含まれる。例えば、導電性フィラー21は、金、銀、銅、ニッケルなどの導電性金属または導電性金属がコーティングされたコアシェル構造の有機物から選択された何れか一つの物質からなる。しかし、本発明がこれに限定されることはない。また、導電性フィラー21は、前記第2ダイ接着フィルム20の樹脂材の体積に対比して0.5〜70体積%で含まれており、0.05μm〜50μmの粒子直径を有する。
【0035】
図2は、本発明の好適な実施例に係る半導体素子パッケージング方法を説明する工程フローチャートで、図3乃至図6は、本発明の好適な実施例に係る半導体素子パッケージング過程を示した工程断面図である。
【0036】
各図面を参照すると、本発明の好適な実施例に係る半導体素子パッケージング方法は、まず、図3に示すように、ダイ接着フィルム100から保護フィルム11を除去し、半導体素子が集積され、ソルダーバンプパターン50が形成されたウエハー30の表面に第1ダイ接着フィルム10面を対面させて接着する(S100)。
【0037】
次いで、前記ウエハー30が付着された第1ダイ接着フィルム10上に備わった第2ダイ接着フィルム20面を、ウエハー30を固定するバックグラインディング研磨チャックに付着し、バックグラインディングを実施する(S200)。
【0038】
その次に、図4に示すように、ダイ接着フィルム100が付着されたウエハー30のバックグラインディングされた背面にダイシングフィルム40を接着する(S300)。
【0039】
その後、図5に示すように、前記ウエハー30の背面に付着されたダイシングフィルム40をダイシングテーブルに付着して固定した後、ウエハー30をダイシングソー70でそれぞれのダイチップ110に切断する(S400)。
【0040】
その後、前記ダイチップ110をピックアップし、ダイチップ110からダイシングフィルム40を除去する。その次に、図6に示すように、ダイチップ110をひっくり返し、導電性フィラー21を含む第2ダイ接着フィルム20を接続部材60に対向させた状態で、ソルダーバンプ55を用いたフリップチップ工程によってダイチップ110と接続部材60とを電気的に結合してフリップチップボンディングを実施する(S500)。このとき、導電性フィラー21は、ダイチップ110と接続部材60とが緊密に電気的に連結されるように助ける。
【0041】
ここで、前記接続部材60は、PCB、リードフレーム及びダイチップのうち何れか一つであるもので、ダイチップと電気的に結合可能な部材である。しかし、本発明が接続部材60の種類によって限定されることはない。
【0042】
上述したように、本発明に係るダイ接着フィルム100は、ダイチップ110を接続部材60に接着するダイ接着フィルム100としての本来の機能だけでなく、バックグラインディング工程時にバックグラインディングテープとしての機能を行い、フリップチップ工程でダイチップ110と接続部材60との間でアンダーフィルとしての役割を同時に行う。
【0043】
一方、上述した本発明の実施例以外にも、前記S300段階でウエハー30の背面に付着されたダイシングフィルム40の代わりにダイシングダイ接着フィルム(図示せず)を付着し、ダイチップ110のダイシングダイ接着フィルム(図示せず)面を接続部材60に接着し、ダイチップ110のダイ接着フィルム100面には他のダイチップ(図示せず)を付着し、互いに異なる2個のダイチップを電気的に接続することもできる。
【0044】
以上、本発明は、限定された実施例及び図面によって説明されたが、これによって限定されることなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって本発明の技術思想及び下記に記載される特許請求の範囲の均等な範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは当然である。
【符号の説明】
【0045】
100 ダイ接着フィルム、10 第1ダイ接着フィルム、
11 保護フィルム、20 第2ダイ接着フィルム、
21 導電性フィラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子パッケージング工程に使用されるダイ接着フィルムにおいて、
半導体素子が集積され、ソルダーバンプパターンが形成されたウエハーの表面に付着され、第1接着力を有する第1ダイ接着フィルムと、
前記第1ダイ接着フィルム上に付着され、第2接着力を有する第2ダイ接着フィルムと、を含み、
半導体素子パッケージング工程でバックグラインディングテープとしての機能を行い、バックグラインディング作業の終了後、これを除去せずに、再び接続部材にダイチップを接着するのに使用することを特徴とする多機能ダイ接着フィルム。
【請求項2】
前記第1及び第2ダイ接着フィルムは、透明または半透明材質からなることを特徴とする、請求項1に記載の多機能ダイ接着フィルム。
【請求項3】
前記多機能ダイ接着フィルムは、前記第1ダイ接着フィルムと前記第2ダイ接着フィルムが互いにラミネートされた積層構造を有し、前記第1及び第2ダイ接着フィルムは、エポキシ系、アクリル系、シリコン系、ゴム系、ウレタン系及びエラストマー系から選択された一つの樹脂材からなることを特徴とする、請求項1に記載の多機能ダイ接着フィルム。
【請求項4】
前記第1接着力は、シリコンウエハー表面付着を基準にして25℃で10〜2000gf/cmであり、前記第2接着力は、AUS308表面付着を基準にして25℃で10〜2000gf/cmであることを特徴とする、請求項1に記載の多機能ダイ接着フィルム。
【請求項5】
前記第1及び第2ダイ接着フィルムは、7日間の85℃/60%湿度の耐湿性試験(Moisture Resistance Test;JL2)を基準にして0〜2%wtの水分吸湿率を有することを特徴とする、請求項1に記載の多機能ダイ接着フィルム。
【請求項6】
前記第1及び第2ダイ接着フィルムは、50℃で10〜1010Paの貯蔵弾性率を有することを特徴とする、請求項1に記載の多機能ダイ接着フィルム。
【請求項7】
前記第2ダイ接着フィルムは、50℃で10〜10Paの貯蔵弾性率を有することを特徴とする、請求項6に記載の多機能ダイ接着フィルム。
【請求項8】
前記第1ダイ接着フィルムまたは前記第2ダイ接着フィルムのうち少なくとも何れか一つのフィルムに導電性フィラーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の多機能ダイ接着フィルム。
【請求項9】
前記導電性フィラーは、樹脂材の体積に対比して0.5〜70体積%で第1ダイ接着フィルムまたは第2接着フィルムのうち何れか一つに含まれることを特徴とする、請求項8に記載の多機能ダイ接着フィルム。
【請求項10】
前記導電性フィラーが含まれるフィルムと、前記導電性フィラーが含まれないフィルムとの厚さ比は、10:1〜0.1:1であり、より好ましくは、4:1〜0.5:1であることを特徴とする、請求項8に記載の多機能ダイ接着フィルム。
【請求項11】
前記導電性フィラーは、金、銀、銅及びニッケルから選択された一つの導電性金属、または前記導電性金属がコーティングされたコアシェル構造の有機物からなることを特徴とする、請求項8に記載の多機能ダイ接着フィルム。
【請求項12】
前記導電性フィラーの粒子直径は0.05〜50μmであることを特徴とする、請求項8に記載の多機能ダイ接着フィルム。
【請求項13】
前記第1及び第2ダイ接着フィルムの間にポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ炭酸エステル、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン及びエチレン―ビニルアルコール共重合体から選択された一つまたは二つ以上の物質からなる中間層が介在された多層構造からなることを特徴とする、請求項1乃至12のうち何れか一つの項に記載の多機能ダイ接着フィルム。
【請求項14】
請求項1乃至12のうち何れか一つの項によるダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法において、
(a)半導体素子が集積され、ソルダーバンプパターンが形成されたウエハーの表面に、前記ダイ接着フィルムの第1ダイ接着フィルム面を対面させてダイ接着フィルムを接着する段階と、
(b)前記ウエハーの後面をバックグラインディングした後、ダイシングフィルムを接着する段階と、
(c)前記ダイ接着フィルムが付着された状態で前記ウエハーをそれぞれのダイチップに切断する段階と、
(d)前記ダイチップからダイシングフィルムを除去した後、前記ダイ接着フィルムの第2ダイ接着フィルム面を接続部材に対向させた状態でソルダーバンプを用いたフリップチップボンディング工程によってダイチップと接続部材とを電気的に結合する段階と、を含むことを特徴とする多機能ダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法。
【請求項15】
前記接続部材は、PCB、リードフレーム及びダイチップから選択された一つであることを特徴とする、請求項14に記載の多機能ダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法。
【請求項16】
請求項13によるダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法において、
(a)半導体素子が集積され、ソルダーバンプパターンが形成されたウエハーの表面に、前記ダイ接着フィルムの第1ダイ接着フィルム面を対面させてダイ接着フィルムを接着する段階と、
(b)前記ウエハーの後面をバックグラインディングした後、ダイシングフィルムを接着する段階と、
(c)前記ダイ接着フィルムが付着された状態で前記ウエハーをそれぞれのダイチップに切断する段階と、
(d)前記ダイチップからダイシングフィルムを除去した後、前記ダイ接着フィルムの第2ダイ接着フィルム面を接続部材に対向させた状態でソルダーバンプを用いたフリップチップ工程によってダイチップと接続部材とを電気的に結合する段階と、を含むことを特徴とする多機能ダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法。
【請求項17】
前記接続部材は、PCB、リードフレーム及びダイチップから選択された一つであることを特徴とする、請求項16に記載の多機能ダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法。
【請求項18】
請求項1乃至12から選択された一つの項によるダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法において、
(a)半導体素子が集積され、ソルダーバンプパターンが形成されたウエハーの表面に、前記ダイ接着フィルムの第1ダイ接着フィルム面を対面させてダイ接着フィルムを接着する段階と、
(b)前記ウエハーの後面をバックグラインディングした後、ダイシングダイ接着フィルムを接着する段階と、
(c)前記ダイ接着フィルムが付着された状態で前記ウエハーをそれぞれのダイチップに切断する段階と、
(d)前記ダイチップからダイシングダイ接着フィルムのダイシングフィルム層を除去した後、接続部材に付着した後、前記ダイ接着フィルム面に再び他のダイチップを対向させた状態でソルダーバンプを用いたフリップチップ工程によって前記ダイチップと他のダイチップとを電気的に結合する段階と、を含むことを特徴とする多機能ダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法。
【請求項19】
前記接続部材は、PCB、リードフレーム及びダイチップから選択された一つであることを特徴とする、請求項18に記載の多機能ダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法。
【請求項20】
請求項13によるダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法において、
(a)半導体素子が集積され、ソルダーバンプパターンが形成されたウエハーの表面に、前記ダイ接着フィルムの第1ダイ接着フィルム面を対面させてダイ接着フィルムを接着する段階と、
(b)前記ウエハーの後面をバックグラインディングした後、ダイシングダイ接着フィルムを接着する段階と、
(c)前記ダイ接着フィルムが付着された状態で前記ウエハーをそれぞれのダイチップに切断する段階と、
(d)前記ダイチップからダイシングダイ接着フィルムのダイシングフィルム層を除去した後、接続部材に付着した後、前記ダイ接着フィルム面に再び他のダイチップを対向させた状態でソルダーバンプを用いたフリップチップ工程によって前記ダイチップと他のダイチップとを電気的に結合する段階と、を含むことを特徴とする多機能ダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法。
【請求項21】
前記接続部材は、PCB、リードフレーム及びダイチップから選択された一つであることを特徴とする、請求項20に記載の多機能ダイ接着フィルムを用いた半導体素子パッケージング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−528450(P2010−528450A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548981(P2009−548981)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003748
【国際公開番号】WO2008/096943
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(504181731)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (56)
【Fターム(参考)】