太陽集光装置用の大型ディッシュ反射器を製造する方法
太陽エネルギーシステムにおいて太陽光を集光するための一体ガラス反射器を製造する方法を開示する。製造方法は、太陽エネルギーシステムの総システム費用において有意な費用節約を実現するために、大型一体ガラス反射器がフロートガラスから作られることを可能にする。製造方法は、ガラスの板が金型の形状に一致するようにたわみ、伸展するまで、凹面金型を覆って位置付けられるフロートガラスの板を加熱するステップを含む。皿型ガラスの縁は、周囲の構造補強のために巻かれる。次いで、皿型ガラスは、太陽放射を焦点に反射させる皿型鏡を作成するように、銀めっきされる。フロートガラスに接触する金型の表面は、好ましくは、複数の尖頭および凹面くぼみを備える、溝付きの表面外形を有する。この溝付きの外形は、接触面積および鏡面反射ガラス面の損傷を最小限化し、金型への寄生熱伝達を低減し、金型の寿命を増加させる。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
気候の変化は、多大な注目を受けている重要な問題として認識されている。化石燃料からのエネルギーの世界的生成の結果として、大量の温室効果ガスが大気中に蓄積している。多くの専門家らは、この蓄積を減速させるか、または無効にするために、すぐに何かが行われなければ、気候および我々が暮らす世界が破滅的結末を被ると考えている。専門家らは、わずか数度の地球の温度の上昇が極氷を融解させ、多くの沿岸都市を水中に沈めるほどの海面の上昇をもたらすと予測している。植物および動物の多くの種の絶滅も、数人の科学者らによって予測されている。エネルギーを生成するために化石燃料を燃やすことによる、これらおよび他の有意な悪影響を考慮すると、有意な温室効果ガスを生成することなく費用効率的な方式でエネルギーを生成することができる、方法および装置の有意な必要性がある。
【0002】
本発明は、強力に集光された太陽エネルギーを必要とするか、または集光された太陽光によって、より効率的またはより費用効率的になる、工程によって、有用な電気または化学エネルギーへの太陽エネルギーの変換を促進することを対象とする。具体的には、本発明は、光起電または熱工程を通した電気生成のための装置を対象とする。それはまた、熱または熱化学反応によって太陽エネルギーを化学エネルギーに変換するために使用されてもよい。
【0003】
熱変換の効率は、高変換効率のために、高温、したがって高度に集光された光を必要とする、熱力学の第2法則によって制限される。光起電力変換効率も、高度に集光された光で改善されてもよい。したがって、過去には、高集光度で太陽エネルギーを変換することの問題に、有意な取り組みおよび注意が向けられてきたが、結果は全く満足できるものではなかった。高度に集光された光において、より効率的に動作する太陽光変換デバイスの可用性にもかかわらず、高集光太陽エネルギーシステムは、まだ地球規模の太陽電気生産における主要な要因になっていない。高集光システムにおける従来の試行の有意な欠点は、太陽光変換デバイスに高度に集光された光を提供するために必要とされる、光学機械システムの高い費用であった。従来の取り組みは、部分的には、光学集光器の不利な規模サイズのため、費用競争力がなかった。これらの従来の試行はしばしば、電力の非常に低いレベルまたは非常に高いレベルのいずれか一方で集光された太陽光の入力を必要とする、特定の変換デバイスの使用を伴い、そのような電力要件は、大部分で、太陽光集光器の非常に小さい、または非常に大きい光学的開口をもたらした。この設計アプローチは、生成された電気(または他の形態のエネルギー)の単位あたりの費用を適切に最小限化できなかった。
【0004】
過去には、小さいユニットサイズが、ほとんどの光起電力変換器に好まれた。これは、非効率および高い費用をもたらした。小型光学集光器を伴う多数の小型ユニットのアレイは、広い面積にわたって配列された、多くの小型光学および電気および熱的構成要素を伴って、大型であるとともに複雑であるため、製造し、組み立て、輸送するのが高価であった。また、小型ユニットのアレイは、大規模で剛性をほとんど与えず、2軸太陽光トラッカー上の重荷として携行される。構造部材の形での多大な追加重量は、重力および風の屈曲を制御するため、およびトラッキング台との接続を行うために必要とされた。この設計アプローチは、そのようなシステムで使用されるトラッカーの費用を有意に増加させ、生成された電気(または他の形態のエネルギー)の単位あたりの適切に最小限化された費用を達成できなかった。
【0005】
過去には、非常に大きいユニットサイズが、高集光度で非常に高い太陽光電力入力を必要とする太陽熱システムに好まれた。これらの要件を満たすように2次元で集光する大型光学部は、非効率をもたらした。いくつかのシステムでは、熱変換器ユニットが、単一の大型ディッシュの焦点に載置され、ディッシュエンジンアセンブリが、2軸トラッカーによって携行された。他のシステムでは、熱変換器ユニットが、タワーの上に固定され、ヘリオスタット上にある典型的には数千もの平面鏡のフィールドによって、その上に太陽光が集光された。これらの設計アプローチの両方は、送達されたワットあたりの集光器システム費用を最小限化する点で準最適であり、生成された電気(または他の形態のエネルギー)の単位あたりの費用を適切に最小限化できなかった。
【0006】
大型単一ディッシュについて、構造の複雑性ならびに単位面積あたりの質量および費用は全て、ディッシュの面積とともに上昇する。過去には、多くの小型湾曲反射器セグメントとから組み立てられた大型反射器を使用するために、試行が行われた。多数の湾曲反射器セグメントから作られた大型反射器では、各個別セグメントは、放物面バックアップトラス構造上で整列させられなければならない。この方式で組み立てられた複合大型反射器は、重く、製造し、組み立てるのが高価になる傾向がある。多くの場合において、大型円形ディッシュは、2軸トラッカー上に個別に載置され、大型ソーラーファームに設定された。そのような大型円形ディッシュは、早朝および夕方前の有意な自己遮蔽を回避するように、十分離間しなければならず、土地の準最適利用をもたらす。大型円形ディッシュのさらなる不利点は、単位面積あたりの比較的高い風荷重であり、それは、風荷重に抵抗するために、より重く高価な支持構造を必要とした。
【0007】
過去には、非常に高い電力の集積が、ヘリオスタットのフィールドを使用することによって試行された。このアプローチの有意な不利点は、所与の反射器面積を持つトラッカーの不十分な使用であった。ヘリオスタット鏡の多くに入射する太陽光が、通常の入射とは程遠い角度にあるため、この非効率性が生じ、したがって、発電塔に送達された太陽光電力の毎日の平均は、太陽に対面するように各鏡を追跡することができた場合に捕捉することができたもののわずかにすぎなかった。別の不利点は、ヘリオスタット用の多くの小型2軸トラッカーの機械的複雑性であった。
【0008】
多くの従来の太陽集光器システムにおけるさらなる困難は、それらの2軸トラッカー上に置かされた空間的要求であった。垂直台座上のコンパクトな高度対方位角の台が使用されてきた。典型的な設計が仰角軸に関して平衡を保たれ、したがって、典型的には高い集中駆動荷重を被り、その結果として、重い駆動機構を必要とした。当然ながら、重い駆動機構は、そのようなシステムの費用を増加させ、太陽エネルギーシステムにおいて、費用は、成功を失敗から分離する重要な要因である。熱的変換のための大型高集光ディッシュはしばしば、アームが、流体加熱器、エンジンまたはタービン、および電磁発電機を焦点において支持するために、大型放射状開口部によって機械的構造が特に損なわれた。
【0009】
集光された太陽光を使用するための従来のシステムは、有意な改良の余地を残している。太陽エネルギーシステムは、化石燃料を燃やすことによって生成される電気に対抗する費用で太陽エネルギーを使用して、電気を生成することができるまで、大気中の温室効果ガスの削減に有意な影響を及ぼす可能性が低い。費用は、太陽エネルギーシステムにとって重要である。実際に、費用は、非常に重要であるので費用だけで成功と失敗との違いを生み出すため、強調し過ぎることはない。太陽光発電による電気が、化石燃料を燃やすことによって生成される電気よりも費用がかかる限り、太陽光電力が大気中の温室効果ガスの削減に有意な影響を及ぼす可能性はほとんどない。低い総システム費用を有し、化石燃料を燃やすことによって生成される電気に対抗する費用で電気を生成することができる、太陽光変換システムのための装置および製造方法の長年にわたる必要性がある。
【0010】
発明の目的および特徴
本発明の中心的な目的は、低費用で電気または他の形態の太陽光電力を生成するための製造方法および装置を提供することを含む。費用は決定的に重要であり、そうでなければ、太陽光変換システムは、化石燃料を燃やすことによって発電する従来の発電所の大部分に取って代わる可能性が低い。本発明は、太陽光変換のための低い総システム費用を促進する、製造方法を含む。
【0011】
本発明は、単位電力あたり最低費用で、高度に集光された太陽放射を高効率変換ユニットに送達する装置を伴う。この目標を達成するために、設計最適化工程において、太陽光変換システムにおける各個別ユニットに送達された全太陽放射は、可変パラメータとして見なされ、単位光収集システムおよび関連機械構造の開口は、生成された電気のワットあたりの最小費用を見出すように変動された。ワットあたりの最小費用で電力レベルを確立することによって、この電力レベルで極めて効率的な変換ユニットを再び最適化することができ、効率の損失または単位電力あたりの変換費用の増加がほとんどないか、または全くなかった。例えば、本発明に従って使用される集光太陽電池の場合、約50W以上の単位レベルに集積される入力電力が、能動冷却とともに複数の高密度に密集した電池を組み込み、全ての電池の平等な照射を提供する、変換ユニットに収容されてもよい。太陽電池を採用するシステムで有用であることに加えて、本発明には、最適化された熱および化学変換ユニットのための低費用入力電力を提供する利点もある。
【0012】
大気中の温室効果ガスによって引き起こされる気候の変化の最小限化に識別できる影響を及ぼすために、本発明による太陽光変換システムで使用されるガラス反射器を経済的に作るための製造方法が必要とされる。本発明の目的は、そのようなガラス反射器用の低費用フロートガラスの使用を可能にする製造方法を提供することである。本発明の別の目的は、高速度および高生産速度に対応できる製造方法を提供することである。本発明は、低費用で、かつ連続製造工程において従来のフロートガラス工場生産ラインの全出力に適応するほど速い速度で、フロートガラスから作られたガラス反射器を生産することができる経済的な製造方法を含む。
【0013】
本発明の1つの特徴は、ワットあたりの費用を最小限化する電力レベルが、以前の太陽光集光システムによって辛うじて届いた範囲である、約1kWから約20kWの中間範囲で達成可能なことである。
【0014】
本発明による太陽放射の集光は、2軸トラッカーによって太陽に実質的に直接向けられた、中間サイズディッシュ反射器の厳格に相互整列させられたアレイによって行われる。各中間サイズディッシュ反射器は、反射器の焦点におけるコンパクトな変換器に電力供給する。本発明の利点は、複数の比較的単純であるが本質的に大型のエネルギー収集要素から、コンパクトなエネルギー変換ユニットを明確に分離することである。このようにして、3つの主要構成要素、すなわち、反射器ディッシュ、トラッカー、および変換ユニットの大量生産、輸送、組み立て、性能向上、および保守の側面を、別々に最適化することができる。本発明によれば、ユニットに電力供給するために必要な反射器ディッシュの面積よりも断面積がはるかに小さい変換ユニットを使用することによって、光学スループットが最大限化される。
【0015】
日中、太陽は東に昇り、空を横断して移動し、西に沈む。太陽が空を横断して移動するとき、太陽の方向を指すように、反射器の配向を調整する必要性がある。費用競争力がある太陽光発電システムを作るために、太陽を追跡するために使用される支持機械構造の費用を最小限化することが重要である。これは、複数の反射器および変換器ユニットを剛体の軽量空間フレームで支持することによって、本発明に従って達成される。本発明による空間フレームは、収集された光の単位面積あたりの質量を最小限化しながら剛性を最大限化する、剛体で軽量の開放トラス構造である。開放トラス構造は、3つの次元で延在して、重力および風による屈曲に対する高い剛性と、時折の非常に激しい風を乗り切る高い強度との両方を達成する。2つの次元は、収集される太陽光の面積を横断して延在し、第3の次元は、下側の反射器ユニットおよび上側の変換器ユニットを連結する光軸に沿って、垂直方向に延在する。
【0016】
本発明によれば、反射器およびトラッカーの費用は、ガラスおよび鋼鉄等の安価な材料の使用によって、さらに最小限化される。本発明の特徴は、個々の反射器が、離散隣接セグメントのアレイとは対照的に、大型ガラスモノリスの形を成すことである。一体構造は、ガラス反射器の製造および統合を単純化し、単位面積(面積密度)あたりの所与のガラスの厚さおよび質量に対する、単位面積あたりの支持点の数を最小限化する。
【0017】
本発明の1つの特徴は、主要なディッシュ光学部が、太陽面の直径によって設定される集光限度において中程度の劣化しかもたらさない光学的品質を有し、短焦点比の略放物面反射器の直接焦点において、好ましくは10,000倍の高集光度で太陽放射を送達できることである。そのような高集光度は、実際の変換の時点で常に必要とされるわけではないが、剛体空間フレーム構造の正確な追跡とともに、この集光レベルは、太陽光集光の利点を活用するように、変換ユニットの設計の最大融通性を提供する。
【0018】
各2軸トラッカーによって携行される反射器のアレイのアスペクト比が幅広く、かつ低いことが、本発明の別の特徴である。この好ましい設計で提供される水平延長は、複数のユニットのフィールドにおける隣接ユニットによる、低い太陽高度における遮蔽を最小限化し、したがって、土地利用を最大限化する。この好ましい設計はまた、風荷重も最小限化する。
【0019】
本発明の特徴は、駆動部が、駆動モータからの寄生荷重を有利に最小限化する高い機械的利益を有することである。本発明の付加的な特徴は、駆動要素が大きい半径で適用され、それが駆動構成要素の駆動力および質量を有利に最小限化することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本開示は、1)変換ユニットによる電気エネルギーの生産のために集光された太陽光を送達する装置と、2)そのような装置を作製する際に使用するために好適な銀めっきされたガラス反射器の製造方法とを含む。
【0021】
本発明による装置は、各反射器ディッシュより上側にコンパクトな太陽光変換ユニットを担持するための措置とともに、剛体アレイに相互整列させられる複数の大型ディッシュ反射器を組み込む。反射器および変換器ユニット用の支持構造は、3次元空間フレームとして作製され、反射器を変換ユニットに連結する部材が構造に奥行きを提供し、したがって、高い全体的剛性を与える働きもする。空間フレームは、仰角軸受および駆動部とともに、方位角軸受および駆動部を伴う2軸の仰角対方位角トラッカー用の仰角構造を提供する。太陽に対面するよう反射器アレイが配向されるように、トラッカーが位置付けられると、強力に集光された太陽光は、変換ユニットまたは変換器ユニットに送達される。本発明は、光起電または熱工程を通して発電する変換ユニット、または熱あるいは光化学反応によって太陽エネルギーを化学エネルギーとして貯蔵する変換ユニットを含む、種々の変換ユニットとともに有利に使用されてもよい。
【0022】
好ましくは、装置とともに使用される変換器ユニットは、反射器ディッシュを有意に遮蔽しないよう小型である。一式の変換器および適切な熱交換器を含む、本発明による装置は、内蔵型太陽光電力変換システムを形成する。本発明は特に、大量生産されてもよい、複数のそのような内蔵型太陽光電力変換システムを採用することによって、大規模で太陽エネルギー変換を提供するように適合される。太陽光電力変換システムの大規模アレイは、米国の南西部の砂漠等の強力な直射日光を有する場所で、有利に配置または配備されてもよい。
【0023】
本発明による、単一の2軸トラッカー上の複数の最適なサイズの反射器ディッシュを使用することから、有意な便益および利点が実現される。この構成は、(集光された太陽光の単位電力あたりの質量に関して)材料の効率的な使用を可能にする。好ましくは、アレイは、風および重力による力およびモーメントを最小限化するように、仰角軸受の周囲で平衡を保たれる。反射器は、好ましくは、剛体空間フレームの中に配列され、空間フレームは、全体的な剛性を最大限化する一方で、同時に、個々の反射器ディッシュ、変換器ユニット、ならびに仰角軸受および駆動部用の載置点を担持するように最適に配置される結節点を提供するように、3つの次元全てに1次支柱を有する。本発明の最も好ましい実施形態では、空間フレームは、大部分が、対角ブレイスを伴う鋼鉄支柱の長方形の枠組みから成る。空間フレームの各大型セルは、下側にディッシュ反射器を、上側にその関連変換ユニットを収納する。
【0024】
ディッシュ反射器は、好ましくは、裏面が銀めっきされた低鉄フロートガラスの大型モノリスとして作製され、各ディッシュ反射器が開放トラス構造によって支持されている。ガラスの上方保護および構造機能、および銀の非常に高い反射率により、裏面が銀めっきされたガラス反射器がこの発明に好まれる。ガラスは、広範囲の空間規模で反射器の実体を保つ、その剛性ならびに化学および寸法安定性によっても、好まれる。大型反射器は、より小さいセグメントのアレイよりもむしろモノリスとして作製された時に、構造的により効率的であるため、ガラスの一体構造が好まれ、大型ガラスモノリスは、本明細書で開示される製造の方法によれば、低費用で非常に大量に製造されてもよい。銀が好ましい反射材料であるが、アルミニウム等の他の材料が、ある程度の性能の劣化を伴う銀に代替される場合がある。裏面が銀めっきされたガラス反射器の寿命および安定性は、屋外気象条件に暴露された太陽光用途における良好な耐久特性を提供する。その低い太陽エネルギー吸収度により、低鉄ソーダ石灰シリケートガラスが好ましい材料である。しかしながら、当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、他の材料が代替されてもよいことを理解するであろう。「ガラス」という言葉が以下の説明で使用されるが、特に記述がない限り、低鉄ソーダ石灰フロートガラスが本発明に好まれることを理解されたい。
【0025】
好ましくは、ディッシュ反射器は、軸対称凹面形態と、実質的に正方形または六角形の周囲とを有する。反射器は、間隙およびエネルギー損失を最小限化するよう、サイズおよび形状が合致した支持空間フレームの隣接したセルの中に配列される。反射器は、好ましくは、単位面積あたり最小費用で製造および費用の両方を促進するように、比較的大きい最適サイズであるとともに一体である。設計の重要な特徴は、剛性を増加させて支持点の数を削減し、したがって、各ガラスモノリスの製造および設置の費用を削減するように、一体反射器ディッシュに巻かれた縁が提供されることである。巻かれた縁は、構造的利点を提供し、以前は太陽光ガラス反射ディッシュの成形で活用されていなかった。反射器は、好ましくは厚さ約4mmのガラスで作られており、好ましくは約50センチごとに離間したパッドによって、開放トラス上で支持される。反射器は、好ましくは、柔軟接着剤で支持パッドに接着される。ディッシュは、焦点付近で使用するために選択される発電機または変換器ユニットの設計に従って最適化される、放物面形状または別の凹面形態を有する。
【0026】
反射器およびそのアセンブリの単位面積あたりの費用を最小限化するために、個々の一体ガラス反射器ディッシュは、ある費用便益トレードオフを使用してサイズが最適化され、好ましくは、他の重要な検討事項と一致して実用的であるくらいに大型に作製される。本発明は、ガラス反射器ディッシュが、概して強く好まれる約3.3mである、フロートガラス生産の完全標準幅で作製されることを可能にすることによって、有意な費用節約を有利に提供する。各大型正方形または六角形反射器は、好ましくは、剛体で軽量の鋼鉄トラス支持材に取り付けられる。1つの好ましい実施例では、トラスは、その上面に、厚さ約4mmの実質的に正方形のモノリスの取付のために、4×4グリッド中の16点のクレードルを提供し、トラスは、長方形の仰角空間フレームの単位セルの下隅に付着するように、下側に延在して正方形の中に4つの結節点を形成する。幅3.3mのガラスから形成された好ましい正方形の反射器について、活動面積は約9平方メートルであり、したがって、各ディッシュ焦点に送達される、集積された太陽光電力は、(1平方メートルの日射あたり1000ワットおよび90%以上の平均反射率に対して)典型的には約8kWである。本発明のこの好ましい実施例とともに使用するために最も適切な変換ユニットは、ユニットあたり約8.5kWの入力電力で効率的に動作することができるものである。
【0027】
上記の制約を総合すると、実質的に正方形の皿状反射器用の単位反射器セルは、好ましくは、正方形の断面を伴う直角柱の形を成す。反射器の好ましい実施形態は、単位セルの正方形の下端の隅から支持され、コンパクトな変換器または発電機は、好ましくは張力を受けて、薄い対角要素によって反対の上端の隅から支持される。単位セルは、変換器面だけでなく6面全てを横断する対角部材を有し、3つ全てのたわみ方向および3つ全てのねじり方向で極めて堅くなる。複数のそのような単位反射器セルは、深い剛体仰角空間フレームを形成するようにアレイの中で連結される。2軸トラッカーの仰角構造は、好ましくは、剛体空間フレームを形成するように構成される、セルのn×mアレイを備える。この空間フレームは、ユニットの横列の間にオフセットを組み込んで、機械的性能を改善してもよい。いずれにしても、ほとんどの構造部材は、関連反射器との厳格な整列でユニット変換器を局所的に担持するとともに、非常に堅い空間フレームを全体的に提供するように作用する。低費用と性能との間の最適なトレードオフを達成するために、トラス支柱の断面は、好ましくは、最大動作荷重下のたわみが、異なるディッシュ軸の曲げの不整合に対する量に近い一方で、最大存続風荷重において、応力が破壊限界に近いように選択される。本発明による空間フレームおよび支持構造の構成は、低費用での有意な構造的完全性を達成するように設計されており、これは太陽光電気を生成するための実用的な競合システムにおける決定的な検討事項となり得る。本発明による空間フレーム構造は、単位電力あたり最小質量で必要な性能を生じ、削減された全体的費用という有意な利点を達成する。
【0028】
高度対方位角の構成を両方とも採用する、装置の2つの好ましい実施形態を以下で説明する。第1の大型の説明された実施形態は、単位セルが共通光軸に対して垂直な同一平面アレイの中にあり、方位角軸受が地面に固着された水平トラック上で旋回する、構成を例証する。第1の例証された実施形態は、水平面部位上に構築された、より大規模のユニットにより好適である。本発明の例証された大型実施形態は、通常の3×9要素空間フレームの中に27個の単位セルを有する。剛体仰角構造は、その重心付近で仮想枢軸を形成する、2つのブレイス付きCリングを伴う空間フレームを含む。Cリングからの荷重は、4隅台車を伴うスクワット方位角プラットフォームを介して、地上の円形方位角トラックにほぼ直接運ばれる。各台車は、Cリングを支持する上向きの車輪と、方位角トラックに乗る、真下にある下向きの車輪とを有する。
【0029】
高度対方位角の構成を採用する、装置の第2の説明された実施形態では、仰角構造は、単位セルの2つの交互列を備え、上列が後に設定され、下列が前方にある。最上列の前底縁は、最上列の後底縁と一致して、枠組みの全長に延在し、かつその重心を通過する共通構造部材を形成し、したがって、仰角軸受の支持のための非常に堅い中心部材を提供する。この実施形態の重要な特徴は、完全かつ非常に堅い空間フレームおよび仰角構造を形成するために、2列のセルに加えて、少しの構造しか必要とされないことである。この例証された実施形態では、反射器セルの各列は、仰角軸軸受を収容するように中心の狭いセルも含む。方位角運動は、仰角軸より下側で中心に置かれた台座に関する。この台座は、好ましくは、砕石または収集された地面の粗石がある地面の穴の中に設定された、鋼鉄トラスの形を成す柱の上で枢動し、好ましくは、費用を最小限化するために、アセンブリ全体でのコンクリートの使用を回避する。
【0030】
上記の実施形態で使用するためであり、かつ他の代替的実施形態で有用性がある、太陽光集光器に組み込むための銀めっきされたガラス反射器は、フロートガラスを使用する低費用方法に従って製造されてもよい。この製造方法は、太陽光電力システムの全体的費用を有意に削減することに貢献する。
【0031】
本発明によれば、反射器製造工程の開始点は、フロートガラスである。フロートガラスは、その高品質および低費用により、強く好まれる。フロートガラスはまた、極めて大量にガラス反射器の生産を可能にすることができる成熟した技術も採用する。大気中の温室効果ガスおよび炭酸ガス汚染の低減に有意な影響を及ぼすために、非常に高い電力レベルの電気の生成のためのシステムの大量生産を促進するように、十分に低費用で、かつ十分に大量に太陽エネルギー変換システム用のガラス反射器を製造する方法を有することが望ましい。ここで説明される工程は、フロートガラス生産ラインからの新たに形成された高温ガラスを、焼鈍または冷却する前に成形することができるように、フロートガラス生産ラインに有利に統合されてもよい。本発明による製造工程は、1つの連続工程または生産ラインで作製されるガラス太陽光反射器を生産するために、フロートガラス工場の生産量全体を利用する能力を提供する。したがって、製造工程は、非常に高速で稼働するように設計され、例えば、新しいガラス反射器が10秒ごとに作製されることを可能にし、厚さ4mmの3.3平方メートル板のために、フロートガラス工場の典型的な生産速度に適応することが可能である。製造工程は、代替として、所望であれば、より遅い速度にてオフラインで行われてもよいが、開示された製造方法による高い生産速度の能力は、本発明によって提供される重要な利点である。
【0032】
製造工程における第1のステップは、新たに形成され、依然として高温であるが剛体のフロートガラスリボンを、反射器サイズの断片に切断するステップを含む。この後に、完全体金型より上側に各反射器サイズのガラス片を位置付けるステップが続く。次いで、各反射器サイズのガラス片は、その角が横方向運動に対して拘束されている間に加熱される。反射器サイズのガラス片が加熱環境中で軟化するにつれて、ガラスは、たわんで伸展し、金型の周囲に触れて一致し、そうでなければ、皿状反射器の近似形状を成すように自由に降下する一方で、その平滑な鏡面仕上げを保つ。角の拘束は、ガラスがたわむ際にどこにでも伸展させることによって、しわを防止するように提供される。ディッシュの所望の形状は、反射器サイズのガラス片が金型の完全本体に到達し、それを横断して軽く触れると、反射器サイズのガラス片によって獲得される。この方法は、ガラスの前面または裏面のいずれか一方の光学平滑性を有意に低下させることなく、反射器サイズのガラス片の正確な成形の目標を達成する。金型との接触によって損なわれるガラス面積の割合を十分1%以下に保つという利点を提供しながら形態を正確に画定するよう、ステンレス鋼金型が、好ましくは、それに機械加工された尖頭溝とともに使用される。反射器サイズのガラス片が依然として柔らかく、凹面ディッシュが成形されている間に、ガラスを押し戻して、金型の丸みを帯びた縁に対して巻かれた縁を形成するために、形成ツールがガラスの縁で使用される。成形が完成するとすぐに、反射器サイズのガラス片は、有意な歪曲を伴わずに金型から除去することができる時点まで硬化するように、急速に冷却されてもよい。連続生産ラインでは、金型は、生産ラインの始めに戻され、次の反射器を成形するように再利用されてもよい。熱サイクリングが金型の寿命を短縮し得るため、金型の熱サイクリングを最小限化することが望ましい。開示された製造方法は、成形されているガラス片に対応する金型の動作面の尖頭溝を使用することによって、金型の熱サイクリングを最小限化するという望ましい結果を達成し、溝は、ガラスから金型への熱伝導を最小限化する。好ましい製造方法によれば、金型の熱サイクリングは、加熱および冷却中に経験される熱放射束に対して極めて反射性となるよう、成形されているガラス片に近接する動作金型表面を被覆することによって、さらに低減される。
【0033】
放射熱伝達は、望ましい高い生産速度を達成するために、成形されているフロートガラス片を加熱および冷却する好ましい方法である。好ましくは、例えば、生産ラインにおいて、フロートガラスの板の典型的な工場生産速度に対応するように構成される、多くの金型が同時に使用される。好ましい製造工程による金型サイクルは、反射器サイズのガラス板を、金型との対応する関係に位置付けるステップと、ガラス板を軟化させるように、急速放射加熱によってガラス板を加熱するステップと、金型を横断してガラス板をたわませ、伸展させ、定着させることによって、ガラス板が反射器に成形されるまでガラス板を加熱環境中で維持するステップと、ガラス板の縁を成形するステップと、急速放射冷却によってガラス板を冷却するステップと、焼鈍および冷却するために成形されたガラス反射器を除去するステップと、再装填するために金型を戻すステップとを含む。開示された製造工程は、ガラス反射器の迅速な生産が可能であり、これらのステップの完了のために、約3分の推定処理時間を達成するように適合される。開示された製造工程によって提供される生産速度の利点は、本発明に従って生産ラインで20個以上の金型を使用することによって、約10秒ごとに新しいガラス板が成形されたガラス反射器に加工されてもよいことを考慮することによって、より明白となる。20個の金型を使用する、そのような生産ラインでは、約100メートルの生産ラインの長さが、金型間の分離の約20倍以上である生産ラインの長さに基づいて、金型が戻される前に数分の熱処理を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】2軸追跡システムを伴う可動支持材上に載置され、分散型太陽光変換器ユニットを有する、反射器のアレイの斜視図である。
【図2】2軸追跡システムの仰角軸に沿って見られた、図1による実施形態の側面図を示す。
【図3】太陽の方向から見たような、光軸に沿って見られた図1による実施形態の上面図を示す。
【図4】放物面反射器、およびボールレンズを有する特に好ましい変換器ユニットを示す、図1による実施形態の拡大斜視図(部分)である。
【図5】明確にするために支持構造の全てが除去されている、本発明による太陽光変換器ユニットの焦点において使用するためであって、ガラスボールレンズに対して適切に位置付けられた2次集光反射器の特に好ましいアレイを示す、特に好ましいガラスボールレンズの斜視図である。
【図6】ソーラーファームに好適な構成である、図1に示された好ましい実施形態による反射器の複数のアレイの平面図である。
【図7】2軸追跡システムを伴う可動支持材上に載置された代替的実施形態の斜視図である。
【図8】仰角軸に沿って見られた、低仰角で設置された2軸追跡システムを伴う図7による実施形態の側面図を示す。
【図9】仰角軸に沿って見られた、45°仰角で設置された2軸追跡システムを伴う図7による実施形態の側面図を示す。
【図10】仰角軸に沿って見られた、高仰角で設置された2軸追跡システムを伴う図7による実施形態の側面図を示す。
【図11】方位角軸受および台座土台の詳細を示す、光軸に沿って見られた、水平に向いた時の図7による実施形態を示す。
【図12】方位角軸受および台座土台の詳細を示す、光軸に沿って見られた、水平に向いた代替的実施形態を示す。
【図13】仰角および方位角駆動部の詳細を示す、図7による実施形態の斜視図である。
【図14】方位角チェーン駆動部の詳細を示す、図7による実施形態の斜視図である。
【図15】図7による実施形態に対する仰角軸受の詳細を示す、斜視図である。
【図16】ソーラーファームに好適な構成である、図12に示された実施形態による反射器の複数のアレイの平面図である。
【図17】ソーラーファームに好適な構成である、図12に示された実施形態による反射器の複数のアレイの斜視図である。
【図18】ソーラーファームに好適な構成である、図12に示された実施形態による反射器の複数のアレイの太陽の方向からの図である。
【図19】正方形の反射器より上側で変換器ユニットを支持する構造の詳細を示す、単一の太陽光変換ユニットの実施形態の斜視図である。
【図20】六角形の反射器より上側で変換器ユニットを支持する代替的構造の詳細を示す、単一の太陽光変換ユニットの代替的実施形態の斜視図である。
【図21】ガラス反射器およびその支持構造を示す、本発明の一実施形態による太陽光変換ユニットで使用するための反射器ユニットの好ましい実施形態の斜視図である。
【図22】ガラス反射器が除去されている、支持支柱および結節点を示す、図21に図示された実施形態による一体ガラス反射器用の支持構造の斜視図である。
【図23】支持点のクレードルならびに図22に示された最上支持支柱および結節点の詳細を示す、図21に図示された実施形態による一体ガラス反射器用の支持構造の平面図である。
【図24】荷重傾斜偏差によって引き起こされる、ガラス反射器の表面にわたる傾斜角の変化を示す、厚さ4mmに対する軸方向の1g重力荷重を受けた、計算されたたわみの等高線図の斜視図である。
【図25】図1および図7に図示された実施形態で使用するための反射器に成形される、平坦ガラス片の断面図である。
【図26】金型上に配置された、図25によるガラス片の断面図である。
【図27】ガラス片が放射伝達熱によって軟化され、部分的に金型に成形されている、図26に示されたステップ後のガラス片の断面図である。
【図28】ガラス片が金型形状に完全に一致している、図27に示されたステップ後のガラス片の断面図である。
【図29】ガラス片が放射伝達によって冷却されている、図28に示されたステップ後の成形されたガラス片の断面図である。
【図30】成形されたガラス片が金型から除去されている、図29による成形されたガラス片の断面図である。
【図31】平坦なガラス板が金型より上側に担持されている、正方形の金型を示す斜視図である。
【図32】部分的に湾曲したガラス板が金型より上側に懸垂されている、正方形の金型を示す斜視図である。
【図33】角支持材が依然として定位置にあり、完全に形成されたガラス板が金型上に静置している、正方形の金型を示す斜視図である。
【図34】完全に形成されたガラス板が金型上に静置し、角支持材が除去されている、正方形の金型を示す斜視図である。
【図35】下層の支持枠組みおよび角支持材を示す、正方形の金型の部分切断平面図である。
【図36】角支持材およびいくつかの取り付けられたフロントパネルを示す、正方形の金型の部分切断斜視図である。
【図37】成形する前に平坦なガラス板を担持する、角支持材の断面詳細図である。
【図38】部分的に形成されたガラス板を担持する、角支持材の断面詳細図である。
【図39】角支持材が依然として定位置にある、金型上に静置している皿状ガラス板を担持する、角支持材の断面詳細図である。
【図40】角支持材が除去されている、金型上に静置している皿状ガラス板の断面詳細図である。
【図41】形成ツールが金型より上側に位置付けられている、金型の縁における一部を詳細に示す、部分切断斜視図である。
【図42】部分的に成形されたガラスが定位置にある、金型の縁における一部を詳細に示す、部分切断斜視図である。
【図43】ガラスが定位置にあり、成形ツールによって巻かれた縁に形成されている、金型の縁における一部を詳細に示す、部分切断斜視図である。
【図44】本発明による成形工程による、巻かれた縁を伴って湾曲および成形されたガラスの一部を詳細に示す、部分切断斜視図である。
【図45】溝および尖頭を伴う金型表面の一部の切断図を示す、概略図である。
【図46】成形されたガラスが尖頭に触れている、金型の一部の切断図を示す概略図である。
【図47】成形の完了後に尖頭上に静置している、成形されたガラスを詳細に示す、尖頭金型の断面図である。
【図48】フロートガラス生産ラインの生産率に対応する速度でガラス反射器を製造するように適合された生産ラインでガラス反射器を成形するための複数の金型を図示する、概略図である。
【図49】2軸太陽光トラッカー用の電気制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1、図2、および図3は、剛体枠組み100の中で同軸上に担持された大型放物面反射器1を伴う、複数の単位反射器セル34を備える、本発明の現在好ましい実施形態を図示する。図示された実施形態では、27個の単位反射器セル34のアレイが、3つの横列×9つの縦列である長方形のグリッドの中に示されているが、他の構成および配設が、種々の他の構成で配設された複数の集光器とともに使用されてもよい。太陽が日中に空を横断して移動するにつれて、反射器1のアレイを太陽に向ける能力を有することが望ましい。これを達成するために、反射器1の共通軸が、2軸トラッカー107によって太陽に配向される。この例示的実施形態では、平坦な台車101が地上の円形トラック102の上で旋回して、放物面反射器1を支持する枠組み100の方位角回転を提供する。仰角運動は、台車の車輪105より上側にあり、かつ隣接する上車輪104の上の仮想軸110の周囲で旋回する、剛体枠組み100に取り付けられた2つのCリング103によって提供される。仰角リング109用の対角支持材および構造48における斜材が、剛性を提供する。この好ましい実施形態では、単位反射器セル34のアレイ全体によって遮断された太陽光のほぼ全てが、反射器1のそれぞれの各放物面焦点28に送達されるように、放物面反射器1は、そうでなければ失われる反射面積を最小限化するために、角106が切り取られているほぼ正方形または実質的に正方形であり、正方形または長方形の対称の剛体枠組み100の中に配列される。
【0036】
図4および図5は、光起電性発電機4および放物面反射器1の形の変換器を伴う単位反射器セル34の斜視図である。システムに進入する太陽光は、鏡1によって反射される、入射太陽放射または光線2として進入する。鏡1は、この説明図ではボールレンズ5を含む、光起電性発電機4が位置する焦点28に向かって、反射した太陽放射または光線3が方向付けられるように成形される。鏡1は、好ましくは、太陽光2の多くを可能な限り反射し、それを発電機4の場所で集光する、実質的に放物面の反射面を有する。鏡1は、好ましくは、低鉄ガラスの裏面に薄い銀被覆を伴って造形される。しかしながら、好ましくはないが、前面被覆された鏡が代替案として提供されてもよく、代替的な反射被覆が、他の金属または誘電体被覆によってガラス上に使用されてもよい。加えて、鏡は、それでもなお発電機4に向かって太陽光の所望の反射を提供する、代替的材料から加工されてもよい。反射器1は、好ましくは、構成が実質的に放物面であるが、ある程度の性能の劣化を伴う他の曲面が同様に採用されてもよい。平行な入射光線2を焦点28に反射するため、放物面状反射器1が好まれる。入射太陽放射は正確には平行光線2の形ではないため、発電機4が位置する焦点28に光線3を反射させるために、反射面1の代替的形状が利用されてもよい。しかしながら、本明細書で説明される好ましい実施形態の鏡1を備える要素の組み合わせは、費用と性能との間の最適なトレードオフを提供すると考えられる。反射器1が実質的に放物面である、好ましい実施形態では、所望の放物面形状からの反射面の形状の偏差は、1次放物面鏡1の反射面における表面傾斜誤差として特徴付けられてもよく、本発明を十分に活用する任意の変換器は、そのような誤差に対する何らかの許容範囲ならびにトラッカー指向誤差に対する許容範囲を提供するべきである。これは、製造および操作において、ある程度の費用対効果を達成する際に望ましい特徴である。
【0037】
放物面鏡1の焦点28において使用するための光起電性発電機4の形の変換器の実施例が、図5の斜視図に示されている。発電機4は、ボール対物レンズ5を備え、ボール対物レンズ5の周囲で同心円状に位置する複数の2次反射器45を有し、複数の2次反射器45は、図5に示されるように、複数の集光器太陽電池15の上に集光された光を方向付ける。太陽電池15は、太陽放射から直接発電する。図5の発電機、またはこの種類の他の光起電性発電機の構造、機能、および動作は、その開示全体が参照することにより本明細書に組み込まれる、Roger P. Angelによる「Photovoltaic Generator with a Spherical Imaging Lens for Use with a Paraboloidal Solar Reflector」と題された、本願と同時期に出願された出願第12/463,016号でより詳細に説明されている。
【0038】
ボールレンズ5を通過する集光された太陽光3は、2次反射器45が球面レンズ5と同心円状の位置に位置している凹面球状面9上に、1次放物面反射器1の像を形成する。図5は、ボールレンズ5と、バイパスダイオード30と、ほぼ正方形の入力を伴う鏡面フレームの形の2次反射器45のすぐ後に配置された、多数の正方形の太陽電池15とを示すのみである。全ての他の構造は、明確にするために省略されている。複数の太陽電池15は、各電池15によって生産された電力を発電機4からの電気の全体出力に組み入れるように、直列で電気的に一緒に接続される。発電機4は、空気に対する対流冷却のために、ラジエータに送出される水によって電池15を能動的に冷却するシステム(図示せず)を含む。
【0039】
発電機4の重要な側面は、1次放物面鏡1の反射面における表面傾斜誤差に耐える設計のために、全ての太陽電池15にわたる太陽放射3の強度が、トラッカー107の指向誤差に対してボールレンズ5によって安定させられることである。たとえトラッカー107が太陽に直接向けられていなくても、プリズム反射器45への進入時にボールレンズ5によって形成される像の光強度は、比較的一定のままであり、指向誤差の有意な範囲にわたって電池15の全ての平等な照射を提供する。発電機4の別の重要な側面は、誤指向に対する許容範囲をさらに改善し、隣接する電池15の間にかなりの間隙を開ける際の2次反射器45の作用である。隣接する電池15の間に提供される間隙は、光入力または電気および熱出力のいずれか一方を妨害することなく、電池15にごく接近して、バイパスダイオード30の配置および相互接続配線を可能にする。したがって、図5の発電機4は、直列に接続された多くの電池15から高い電力出力を確保するよう、光束安定化によるとともに、強く照射された電池15の接近アレイから廃熱を除去するように、明確な熱経路によっても、本発明の集光器から高い太陽光電力入力を提供する。
【0040】
図2は、図面の平面に対して垂直であり、Cリング103の弧の中心を通過する仰角軸110の方向に沿って見られた図で、図1による剛体枠組み100の仰角支持材および駆動部を図示する。この仰角軸110の周囲での回転は、軸110上の任意の物理的軸受によってではなく、支持車輪104上のCリング103の運動によって画定される。Cリング103は、剛体枠組み100の中の単位反射器セル34の結節点11に連結する、面内支柱109によって固定される。図3は、光軸の方向に沿って見たような、図1による剛体枠組み100を図示し、仰角空間フレーム100に入射する太陽光2の大部分を捕捉するように、実質的に正方形のディッシュ反射器1がどのように剛体枠組みまたは空間フレーム100の中に効率的に密集するかを示す。
【0041】
図4は、発電機4からの廃熱の受動除去のための熱サイフォンの好ましい実施形態を図示する。発電機4における熱は、作動流体を沸騰させ、対角支持ブレイス38の上四半分に位置する空気冷却を伴う対流構造24への熱サイフォン管39に蒸気を上昇させる。図示された好ましい実施形態では、対流構造24は、凝縮された流体が重力によって発電機4に戻るように、仰角軸110の実践で検討される仰角の範囲全体にわたって発電機4より上側の配向のままである。これは、ポンプの追加費用および保守を追加することなく、熱サイフォン管39および対流構造24の中の冷却液の循環のための費用効率的設計を提供する。
【0042】
図6は、衝突の可能性がない完全方位角回転に対する離間距離を可能にするようにサイズ決定された正三角形のグリッドの中に配置された、この実施形態の複数のトラッカーユニット107の好ましい配置を定量的に図示する。突出した高さに対する、突出した水平長さの3の好ましい比は、早朝および夕方前の低い太陽高度における自己遮蔽を最小限化し、また風荷重も最小限化するため、この図示された実施形態で示されるように有利である。南北方向に配向された列を考慮すると、太陽光が真東または真西から来ている時には、tan−1(1/3)=18.4°以上の太陽光仰角で自己遮蔽損失がなく、単位セルの1/3のみが12.3°の太陽光仰角で遮蔽される。図示された配置のための土地面積に対する反射器面積の比は、約25%である。この好ましい実施形態では、全ての反射器1が同一平面上にあり、開放トラス構造100の中にあるため、非常に激しい風の中で、反射器面が水平である天頂に向いた位置にトラッカー107を収容することによって、風荷重が最小限化されてもよい。保守道路112が、1つの方向に2列ごとに配置されて示されている。したがって、好適な方位角および仰角回転によって、前面または裏面の点検のための即時アクセスが、全てのトラッカー107に提供される。
【0043】
本発明の第2の現在好ましい実施形態が、図7に示されている。この代替的実施形態は、剛体枠組み50の中で同軸上に担持された複数の大型放物面反射器1を備えるが、2つの横列51および52ならびに4つの縦列の構成である、8個の単位セル34のより小さいアレイを伴う。反射器1のアレイを太陽に向けるために、反射器1の共通軸が、高度対方位角の軸受を伴う2軸トラッカーによって太陽に配向される。図11に示されるように、方位角運動が、台座マウント67上に設定された垂直軸軸受78および79によって提供される。反射器アレイは、方位角軸受78および79より上側に設定された水平軸仰角軸受58によって仰角で旋回される。
【0044】
図7に示された代替的実施形態では、反射器1は、好ましくは、角が切り取られた略正方形または実質的に正方形であり、各反射器1は、焦点28付近で単位発電機4を支持する措置とともに、正方形の基底の直角柱の形を成す、単位反射器セル34に収納される。(光軸に沿った図である)図11でより明確に示されるように、仰角空間フレーム50は、太陽から見たような輪郭が長方形であり、アレイ全体によって遮断される太陽光のほぼ全てが複数の反射器1の焦点28に方向付けられるように構成される。
【0045】
2つの交互列51および52の前方/後方変位が、図8、図9、および図10に示された仰角軸に沿った図で最も明確に図示されている。図8では、仰角が低く、図9では、仰角が45°であり、図10では、仰角が高い。上列51の前下縁が下列52の後上縁に一致し、共通構造部材53が枠組み50の中に提供されるように、セルの上列51は前方に設定され、下列52は後に位置付けられる。この共通構造部材53は、仰角軸と一致させられ、図7で詳細に示されるように、仰角構造全体の重心の近くを通る。それぞれ、セルの上列52と下列51との間で、前および後補強部材56および57に加えて、仰角空間フレーム50が完成される。前補強部材56は、セルの2つの列51および52の上側前角14を連結し、後補強部材57は、下側後角11を連結する。
【0046】
図7を参照すると、セル34の2つの列51と52とをずらすことによって、空間フレーム50が仰角軸に関して自然に平衡を保たれ、したがって、中心台座67によって効率的に支持される。さらに、仰角で剛体枠組み50を移動または回転させるために必要な力が最小限化される。セル34の交互列51および52の第2の利点は、周囲補強支柱56および57を含む、結果として生じる空間フレーム50の列51および52に対して垂直である断面が、2次元で最大限化されることである。これは、仰角がどのようであっても、中心軸受58の周囲の屈曲に対して高い剛性をもたらす。この実施形態における構造は、上列52に4つの反射器ユニット34と、下列51に4つの反射器ユニット34とを有するが、所与の敷地に所望され、かつ適切な存続風力に応じて、かつ一般的な製造費用に応じて、異なる長さ、例えば、2つまたは6つの交互列が、実践において良好な結果を提供する場合があることも、本開示の便益を有した後に当業者にとって明白になるであろう。例えば、図12は、図7および図11に示されたものと同様である代替的実施形態を図示するが、2つの交互列51および52のそれぞれに6つの反射器ユニット34を伴う。
【0047】
図7および図11に示された実施形態を参照すると、この実施形態における仰角軸軸受58は、中心構造軸上の2つの結節点を介して仰角空間フレーム50に接続し、その詳細は、図11を参照するとより良く説明することができる。軸受58のための空間は、4つの単位反射器セル34の下列51に狭い中心セル59を含むことによって、かつ上列52に狭い中心セル60を含むことによって作成される。図15は、仰角軸受58の端を支持する堅い仰角結節点61および62が、反射器1を支持および連結する剛体空間フレーム50の固有部品として形成されるため、高い構造的効率が達成される方法を示す。明確にするために、図11は、仰角軸受58を支持する支柱のうちのいくつかのみを示す。図15は、仰角軸受58の2つの端が、4つの内側単位反射器セル34の角支柱の交差点において形成される、2つの非常に堅い仰角結節点61および62において支持される方法を詳細に示す。この支持材61および62を強化するために、または仰角軸受58を重心に配置するために、追加鋼鉄部材は必要とされない。例えば図9に示された、連結部材56および57は、2列のセルを強化して、中心台座67上の仰角軸受58の周囲で旋回する、完全仰角構造を完成させる。
【0048】
仰角駆動弧63が図13に示されている。仰角駆動弧63は、2つの下結節点64および65(図9に示される)から狭い中心セル59および60(図7に示される)の一側面に固定して取り付けられ、図8、図9、および図10を比較することによって示されるように、天頂から水平まで90°の範囲にわたって運動を提供する。図示された実施形態では、駆動弧63は、図示された実施形態と同じである、単位セル34の幅および奥行きに等しい半径を有する。
【0049】
図7および図11に示された実施形態の方位角軸受は、固定垂直シャフト66の周囲で旋回する中心台座67の形を成す。軸荷重は、中心台座67の上部分の中、またはシャフト66の最上部に位置付けられた、スラスト軸受78によって受け持たれる。横荷重は、好ましくは、1つはシャフト66の最上部にあり、もう1つは底部にある、2つのプラスチックジャーナル軸受78および79によって受け持たれる。方位角駆動部は、中心台座67の下端に取り付けられた大型360°駆動車輪68を通して作用する。図示された実施形態では、仰角駆動部と同じ大きい半径を伴う駆動車輪68が示されている。しかしながら、本発明は、そのように限定されず、当業者であれば、駆動車輪68の他の半径を使用できることを理解するであろう。
【0050】
図13を参照すると、現在好ましい実施形態における方位角運動のための好ましい駆動部は、図14でより詳細に示される、電気駆動チェーン70によるものである。方位角シャフト66の周囲で空間フレーム50を回転させるために、方位角車輪68の周囲で伸展させられ、それに固定して取り付けられる方位角駆動チェーン70を通して、駆動力が作用する。駆動チェーン70の所望の張力を調整または維持するために、ライダースプロケット車輪74が使用されてもよい。図14に示された、図示された実施形態では、方位角車輪68は、スポーク76によって支持される。仰角駆動弧63(図13に示される)および方位角駆動車輪68は、好ましくは、図14に示されるような湾曲構造チャネル77から、単純に、かつ低費用で構築される。
【0051】
図示された実施形態における仰角運動のための好ましい駆動部は、図13に示されるような、電気駆動チェーン69によるものである。仰角駆動に使用される駆動チェーン69は、図14に示された方位角駆動に使用される駆動チェーン70と同様であってもよい。仰角駆動では、仰角軸受58の周囲で空間フレーム50を回転させるために、仰角弧63の端に取り付けられる仰角駆動チェーン69を通して、駆動力が作用する。仰角チェーン69は、弧63の端に固定して取り付けられる。駆動力は、方位角駆動部について図14に示されたスプロケット車輪71ならびに電気モータおよび歯車箱73と同様に、電気モータおよび歯車箱を通して旋回させられるスプロケット車輪によって、仰角駆動チェーン69に印加される。仰角弧63は、小型トラス75によって支持される。
【0052】
図14に示されるように、電気モータおよび歯車箱73を通して旋回させられるスプロケット車輪71によって、駆動モーメントが方位角駆動チェーン70に印加される。チェーン70の張力を最小限化し、全体的な歯車比を増加させるために、方位角駆動車輪68の半径は大きく作られる。駆動スプロケット71上のチェーン70の係合が120度よりも大きくなるように、少なくとも1つの遊動スプロケット74がチェーン駆動部で必要とされる。このようにして、高トルクにおけるチェーン70上の摩耗、およびチェーン70が駆動スプロケット71の歯の上を滑動する可能性が、両方とも低減される。太陽エネルギー用途では、太陽の移動を追跡するために方位角駆動部および仰角駆動部が動かされる速度が比較的遅く、駆動機構は、高い機械比率低減を利用することができ、より低費用の駆動モータ73の使用を可能にする。スプロケットを伴う従来のチェーン駆動部よりもほぼ1桁大きい、約100対1の好ましい機械比率低減を実践で実現することができる。好ましくは、遊動輪74またはチェーン70の端が、バネ巻き取り機構によって引っ張られる。詳細に示されていないが、当業者であれば、仰角駆動チェーン69が同様の配設によって駆動され、方位角駆動車輪68の半径に大きい半径が提供されるのと同じ理由で、仰角駆動弧63の半径が大きく作られることを理解するであろう。仰角駆動チェーン69は、好ましくは、チェーン69の端に取り付けられたバネ巻き取り機構によって引っ張られる。
【0053】
総合すると、必要な駆動力を低減するための方位角駆動車輪68および仰角駆動弧63の大きい弧半径の使用は、多くのスプロケット歯71と係合するチェーン駆動部とともに、方位角駆動要素および仰角駆動要素の両方の削減された費用、複雑性、およびサイズをもたらす。
【0054】
動作中、剛体枠組み100が入射する太陽放射2の方向に向けられるように、東から西へ太陽の移動を追跡することが望ましい。図49の概略図を参照すると、枠組み100に堅く取り付けられる、光学太陽追跡センサ121から導出される仰角および方位角誤差信号に合わせて、トラッカー107がサーボ作動させられた場合に、正確な太陽光指向が達成されてもよい。好ましい形態の太陽追跡センサ121は、シリコンクアッドセルより上側のピンホールに太陽光を通過させることによって照射される、シリコンクアッドセルを備える。好ましくは、配向は、太陽光を必要としない重力および磁界センサ122によっても感知される。図49は、コンピュータ120に接続されたセンサ121および122からの信号を概略的に図示する。コンピュータ120からの駆動制御信号は、インターフェース125によって駆動力に変換され、電力は、方位角ケーブル124によって方位角駆動モータ73に、仰角ケーブル123によって仰角駆動モータ73に運ばれる。
【0055】
好ましくは、太陽に向かった枠組み100の配向は、重力および磁界を読み取るトランスデューサ122から絶対指向データを提供するセンサを参照することによって、曇天条件下で維持され、したがって、台座土台40の定着、チェーン69または70の伸展、または強い定常風による屈曲からの誤差を回避する。代替として、各個別トラッカー107のGPS座標に基づき、かつコンピュータ120に提供される正確な時間および日付の情報を利用して、太陽の位置を計算するために、従来の望遠鏡駆動アルゴリズムが採用されてもよい。精度は、必要であれば、太陽光が利用可能である時に太陽追跡センサ121によって位置が示されている状態で、太陽の計算された位置を同期化することによって改善することができ、そのような同期化は、台座土台40の定着、チェーン69または70の伸展、または強い定常風による屈曲からの誤差に効果的に対処することができる。コンピュータ120に方位角情報および仰角情報を提供するエンコーダを含む、従来の望遠鏡GOTOシステムと同様である従来のコンピュータ制御された駆動システムが、正しい方向に剛体枠組み100を向けるため、および太陽の移動を追跡するために使用されてもよい。図49に示された説明図は概略的であるにすぎず、駆動電気機器は枠組み100または別の場所に取り付けられてもよいことを理解されたい。好ましくは、方位角および仰角駆動モータ73ならびに能動冷却システム(もしあれば)に対する電力は、無停電電源によって与えられる。好適な電源は、蓄電池と併せて使用されてもよい、上列の狭い中心セル60の太陽に対面する側面を覆って光起電性変換器を提供することによって得られてもよい。
【0056】
この実施形態の方位角軸受を支持する好ましい台座が、図11および図12の断面図で示されている。台座は、例えば、従来の台車搭載オーガによって地面42に穿設されてもよい、穴41の中に延在する、溶接された三角形の鋼鉄トラス40の形を成す。代替として、穴は、当業者に公知の多数の従来の手段によって掘削されてもよい。トラスまたは柱40の挿入後、穴41は、好ましくは、セメント結合剤を使用せずに、砕石または採掘からの表土等の安価な乾燥材料43を使用して埋め戻される。穴およびトラスの寸法は、強風の中での存続を確実にするよう、乾燥材料がトラス40から相対集中荷重を受け持ち、はるかに広い面積の土壌42にそれを伝達するようにサイズ決定される。そのはるかに低い費用および二酸化炭素排出量により、コンクリートの代わりに非接着石が好まれる。当然ながら、当業者であれば、コンクリートの典型的により高い費用が、特定の用途において許容することができれば、そのような材料を使用できることを理解するであろう。トラッカー駆動部111が、剛体枠組み100を位置付けるために、太陽光トラッカー121と、加速度計および/または頻繁に再較正または同期されるセンサ等の絶対センサとを使用するため、台座40のある程度のわずかな定着運動が容認可能であり、台座40の初期配置の低い精度が許容されてもよい。代替として、当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他のトラス土台設計が使用されてもよいことを理解するであろう。
【0057】
図16、図17、および図18は、図12に図示されるディッシュアレイ111の実施形態の好ましい配置を示す。図16は、図6に図示されたレイアウトと同様である、衝突の可能性がない完全方位角回転の離間距離を可能にする、正三角形のグリッドを平面図で示す。比較的小型の柱載置ユニットは、整地または敷地造成をほとんど必要としない。これらは、傾斜地ならびに平地の上、または不整形区画の中での設置のために、有利に好適である。
【0058】
好ましい寸法
好ましい実施形態の設計における重要な検討事項は、特に費用が重要な要素であるため、1次放物面反射器1のサイズおよび製造である。本発明は、反射器1のサイズの最適化を含む。裏面が銀めっきされた構造ガラスで作られた反射器1については、約3メートル(3m)のサイズが、略最適サイズとして好まれる。このサイズは、従来のフロート工程によって製造される平面ガラスの単一モノリスから作製することができる、最大の船積み可能なサイズであるため、好まれる。このサイズにおける一体反射器1は、本発明による追跡反射器システムの単位面積あたりの最低費用を提供してもよい。
【0059】
動作中、好ましくは、単位面積あたりの最低総費用を得るように、約3mサイズの複数のディッシュ発電機ユニット34が各トラッカー107上に載置される。各正方形反射器1は、約9m2の反射面積を有する。1000W/m2の公称太陽束および94%の反射率について、各変換器ユニット4に送達される公称太陽光電力は、約8.5kWである。
【0060】
厚さ4mmのガラスの3mガラス反射器1を有する、最適な2軸トラッカー107の好ましい実施形態用の鋼鉄の支持構造100は、実践において満足できる性能を提供するべきである。27個の反射器1の実施形態について、固定トラックを含む全システム用の鋼鉄の質量は、収集面積の1平方メートルあたり34kgであり、たわみは、天頂を指す時に最大0.1°である。8個の反射器1の実施形態について、固定台座を含む全マウント107用の鋼鉄の質量は、収集面積の1平方メートルあたり25kgであり、天頂を指す時の最大たわみは、0.06°である。
【0061】
単位反射器/変換器セルの好ましい構造設計の詳細
本発明の好ましい実施形態は、構成要素として、複数の単位反射器セル34を使用する。単位反射器セル34は、焦点領域28にエネルギーを方向付ける反射ディッシュ1と、ディッシュ1を支持し、焦点領域28付近で精密な配列で変換器ユニット4を担持する、機械構造とを備える。機械構造の主要な要素は、断面および端面が、好ましくは、図19および図20に図示されるように正方形または六角形である、直角柱の形のトラスである。図19は、上記で説明される好ましい実施形態で採用されるような、正方形の断面を伴う単位セル34を示し、図20は、六角形の断面を有する代替的な単位セル34を示す。実質的に正方形(図19)または六角形(図20)の皿状鏡1は、以下で説明される、ディッシュ支持構造によって、下プリズム面の角11から支持される。ディッシュ軸7は、ディッシュの中心または頂点6を通過する。1次コレクタのわずかのみを覆い隠す、コンパクトな変換器4は、上側に位置し、ディッシュ軸7上に中心があり、部材13によって上プリズム面の上角14から支持される。上面は、部材10によって形成されるものと同じサイズであり、それに並行している。上面および下面の両方は、ディッシュ軸7上に位置する。変換器4は、ディッシュ軸7上に中心があり、好ましくは、中心軸方向変換器支持部材18の下端で支持される。変換器支持部材18は、好ましくは、上角14から対角張力要素17によって支持される。4つ(図19)または6つ(図20)の垂直要素16が、上下の正方形を連結する。好ましくは、プリズムの側面は、対角要素48によって固定される。ガラス支持トラス12は、構造の底部側を閉鎖し、ならびに1次放物面反射器1を支持する。
【0062】
変換器支持材18の同心円状配置は、熱サイフォン24によって受動的よりもむしろ、能動的に送出された冷却液によって廃熱が除去される、実施形態に適切である。能動冷却システムでは、図19または図20の発電機4の真上、または対角支持材17および18に沿ったパイプが到達する、入射太陽光を覆い隠さない別の場所に位置してもよい、熱交換器を通して、冷却液が循環させられる。
【0063】
反射器ディッシュ1の最も好ましい実施形態は、開放鋼鉄トラスに取り付けられる、フロートガラスの単一の沈下し、裏面が銀めっきされた反射器である。トラスの十分に離間した上結節点のクレードルは、接着パッドを通して、重力および風力に対して大空間規模でガラス反射器1の形状を保つ。下結節点は、主要仰角枠組み100の単位セル34の下角11に荷重を伝達する。
【0064】
銀めっきされたガラス反射器1を角支持材11に連結するガラス支持トラス12は、任意の所与の実施形態におけるガラス反射器1のサイズ、形状、および厚さに従って最適化される。ガラス1の厚さは、雹害に抵抗する必要性によって、大型サイズに決定される。トラフ熱システムで使用される、4つの支持パッド上の厚さ4mmの裏面が銀めっきされたメートルサイズのパネルは、実践で満足できる結果を出している。本発明のより大型の反射器ディッシュ1について、約4mmの厚さを有するガラス反射器1は、重力および風力下の屈曲が光像を有意に劣化させないように最適に分布した、より多数の支持材を必要とする。好ましくは、大型の深い開放トラスの一部である支持点が、ガラス反射器1に使用され、最小質量および材料費で最大全体剛性を提供する。
【0065】
図21に示された、好ましい統合反射器設計は、実質的に正方形で裏面が銀めっきされたガラス反射器1と、支持反射器枠組みとを備える。図22は、ガラス反射器1を載せる16個の反射器支持点86、87、および88を明示する、ガラス反射器1が除去されている反射器枠組みまたはトラス95を示す詳細斜視図である。平面図の図23では、これらは、4×4パターンでほぼ正方形のデカルトグリッドを形成する。反射器トラス95は、その基部96における、単位反射器セル34の4つの下角点11への取付のために設計される。単位セル34の4つの基部支柱10は、基部平面に4つの三角形を形成するように、基部中心81で交わる2つの基部斜材80と結合する。3つの角度付き支柱82は、上結節点83がガラス反射器1用のクレードルを形成する主要結節点である、4つの4面体を形成するように、各該三角形の角から立ち上げられている。5つの他の主要上結節点84および85は、基部斜材80から上方に延在し、基部平面に対して垂直である81と84とを接続する中心部材97を共有する、2つの平面枠組みの角において形成される。これらの直交枠組みは、基部中心81を上結節点85に接続する、4つの対角部材98によって固定される。図23は、台車ビームならびに鏡支持部86、87、および88の上部構造のみを詳細に示す、平面図である。16個のクレードル支持点は、4つの内側支持部86と、8つの中間支持部87と、4つの外側角支持材88とを備える。内側の4つおよび外側の4つのクレードル点86および88はそれぞれ、結節点84、85、および90を通って延在するクレードル支柱89上に位置する。支柱91の端における結節点83および90は、中間支持材87を支える。
【0066】
図24は、有限要素分析によって計算されるような、図21、図22、および図23に図示された好ましい枠組みによって支持されたガラス反射器1のたわみを示す。たわみは、1.7mの焦点距離を伴う3.3mの正方形の放物面反射器1について計算された。ガラス1は、厚さ4mmであり、縁が25mmの半径で90度まで巻き戻されている。支持トラスは、0.6mの中心深さでモデル化され、支柱が2インチの直径および0.015インチの壁厚さの丸い鋼鉄管から作製された。断面積および慣性モーメントが同様であれば、他の断面も同様に機能し得る。図24を参照すると、計算された実施例のトラス重量は、平均して、支持されるガラスの1平方メートルあたり3.5kgとなる。この鋼鉄の面密度は、4mmの厚さで10.1kg/m2のガラス面密度よりも有意に小さい。したがって、完成した3mの反射器アセンブリの重量は、厚さ4mmのガラスで13.6kg/m2である。この実施例について計算された軸方向重力荷重(または同等に30mphの公称風荷重)下のたわみは、図24に図示されている。表面にわたる等高線図は、荷重によって引き起こされたたわみ角の変化を示す。図24は、0.05ラジアンのたわみ角偏差を有する等高線92を示す。大部分が支持パッドの近くの剪断たわみによって引き起こされる、たわみ角の偏差は、表面の大部分にわたって、等高線Bによって印付けられたレベルである0.1ミリラジアン未満に達する。等高線Aは、0.05ラジアンのたわみ角偏差に対応する。表面全体にわたって平均すると、ディッシュによって反射された平行光線の90%が、直径0.2度の像の範囲内に収まる一方で、全ての光は、0.4度の直径内に位置する。
【0067】
大型の一体深皿状ガラス反射器の好ましい製造方法
最初は平坦なガラス板を成形することによって凹面一体反射器1を生産する、好ましい工程動作の順序は、図25、図26、図27、図28、図29、および図30で順序通り概略的に図示されている。工程動作はまた、図31、図32、図33、および図34の順序でも斜視図で図示されている。図25は、工程の開始時に平坦である、ガラス板200を示す。図26および図31は、金型201より上側に配置した後の平坦な板200を示す。金型201は、実質的に凹面の表面204と、巻かれた縁203とを有する。ガラス板200は最初に、ヒンジ連結されたL字形支持材202によって一時的に把持される、その角から、金型201より上側で支持される。図27および図32は、軟化および伸展ステップの始めを図示する。ガラス板214の温度は、好ましくは、ガラス板214より上側の熱面207からの放射加熱によって上昇させられる。好ましくは、放射面207は、実質的に連続的であり、高い放射率を有する。好ましくは、ガラス214が受ける放射温度は、低い熱慣性の可変温度ラジエータ207を使用することによって、または異なる温度の金型201と放射面207との間に相対運動を提供することによって、急速に上昇または低下させることができる。好ましくは、温度はまた、金型201を横断する空間位置の機能として変動させることもでき、例えば、ガラス板214の縁211をガラス板214の中心よりも柔らかくするために、放射面207の中心領域の温度と比較して、より高い温度が放射面207の縁208の周囲に提供される。凹面ディッシュ212へのガラス板200の成形を駆動するために、重力が独占的に使用されてもよいが、金型201の形状212にガラス板200を一致させる工程は、圧力によって、例えば、上側から方向付けられる高温ガス噴射によって、または真空ポンプ等の別の様式で生成される圧力差によって加速されてもよい。
【0068】
ガラス板212は、図33で示されるように、金型201の縁または側面203に沿って広範囲に接触するほどたわみ、ガラス212が、図28に図示された形状を有すると、角支持材202は、図34に示されるように除去されてもよい。この段階で、図28に示されるように、ガラス縁211を所望の巻き形状に圧迫し、湾曲させるように、縁成形ツール210が、ガラス板212の外縁211と機械的に接触させられてもよい。また、図27に示されるように、いったんガラス板214が金型201の湾曲周囲203に対して一致し、密閉すると、金型201より下側の空気圧を低減することによって、皿形212へのたわんだガラス板214の成形を加速させるか、あるいは制御することが望ましくてもよい。この目的で、図27に示されるように、下側に真空マニホールド205を伴い、かつマニホールド205と流体連通している表面の穴206を有する、金型201が構築されてもよい。次いで、成形工程は、穴206を通して空気を引き下ろし、ポンプ機能によって通気口209を通して空気を引き出すことにより、マニホールド205の中の空気を低減することによって加速されてもよい。
【0069】
いったんガラス212が金型201の本体およびその縁203にわたって接触し、したがって、金型の形状を帯びると、急速冷却が開始される。図29は、ガラス212の上面から、ガラス212の表面よりもはるかに低温の吸収性黒色表面213への放射によって達成される、工程を図示する。ガラス212の表面にわたる冷気の強制対流もまた、冷却ステップを加速するために使用されてもよい。いったんガラス212が短期処理のために十分堅くなるように十分冷却されると、好ましくは、焼鈍および冷却し、成形される次のガラス片200のために金型201を空にするために、図30に示されるように金型201から除去される。次いで、ガラス片212は、強制空気対流によって、加速した速度で室温に冷却されてもよい。
【0070】
金型201は、図36の斜視切断図で示されるような成形面を作る、精密機械加工プレートのモザイクオーバーレイがある、図35の平面図に示された下層構造枠組みを伴って構築されてもよい。金型201の好ましい材料は、AISI 304ステンレス鋼である。図35に示された正方形の金型201用のエッグクレート型構造枠組み215が、強度および剛性のために接合結節点で一緒に溶接される、同一形状のプレート215のスロット付き相互係止配列から作られる。その上方でガラス板200の縁が巻かれる、金型周囲203は、好ましくは、丸い管から作られ、構造枠組み215に溶接される。管の半径は、成形される巻かれた縁211の半径となるように選択される。周囲管203は、図4に示されるようなガラス反射器1を生産するように、示されるような正方形の角または切り取られた角を有してもよい。図35および図36を参照すると、オーバーレイ成形面217は、支持エッグクレート構造215に堅く取り付けられる、複数の別個に機械加工され、ひずみが緩和されたセグメント217から組み立てられてもよい。代替として、金型面は、単一部品として機械加工される、スピンまたはハイドロフォーム加工された一体ディッシュから1部品で形成されてもよい。この部品は、図35に示されたもののように支持枠組み215上に載置する前に、必要に応じて、ひずみが緩和され、再機械加工されてもよい。金型ディッシュのセグメント217または一体単一部品は、位置付けデバイス(図示せず)の形を成す支持材によって枠組み215に取り付けられてもよい。これらのデバイスは、図示されていないレーザトラッカー等の計測デバイスを用いて、セグメントを整列させるために使用される。
【0071】
図37、図38、図39、および図40は共に、下方に揺れ動くことができるが、半径方向内向きに動かないように、反射器軸に対して垂直な水平軸236の周囲でヒンジ連結される、角支持材202の作用を図示する。この拘束方法は、ガラス板214が軟化してたわむにつれて、ガラス214が伸展することを確実にし、したがって、深いディッシュ212の中へたわんだ時に、圧縮フープ座屈ひずみによって単純に支持された板200にしわが寄る傾向を回避する。角支持材202およびそれらの動作の詳細は、図37、図38、図39、および図40を参照して説明されてもよく、その全ては、支持材を通る対角線に沿って得られた垂直断面を示す。図37は、ガラス板200の軟化の前の角支持材202を示す。支持材は、金型201に取り付けられるブラケットと、ガラス200の角を把持し、かつヒンジ236の周囲で旋回する、ヒンジ連結されたL字形部品238とを備える。図37は、ヒンジ連結された部品238の中で適所にある、実質的に平坦なガラス板200を示す。図38は、ガラス214が部分的にたわみ、伸展された時の支持材202を図示する。図39は、支持材202が依然として適所にある状態で、完全にたわんで伸展され、金型201の本体全体に触れている時のガラス212を示す。図40は、支持材202の把持L字形部品238の除去後の適合しているガラス212を示す。ガラス212の軟化した縁219は、金型201の湾曲縁203を覆って屈曲し始めている。
【0072】
縁巻きツール210の動作は、図41、図42、図43、および図44の順序で斜視図に示されている。図41は、その管周囲203を有する金型プレートセグメント217の一部の切断図、および金型201より上側に構えられている縁巻きツール210の切断図である。図40および図42は、部分的に沈下した縁219がそれ自体の重量でたわむことによって形成される、依然として高温で柔らかい、沈下ガラス板212の切り抜きを示す。図43は、巻かれた縁211を形成するためにガラス212と密接に圧迫接触する、縁ツール210を示す。図44は、ガラス212の出来上がった巻かれた縁211を示す。巻かれたガラス縁211の鏡面反射質は重要ではないため、成形ツールは、従来の平滑な機械加工仕上げを有してもよい。
【0073】
図45に図示された、1つの好ましい実装では、金型201は、金型表面との接触によるガラス212の鏡面反射裏面の損傷を最小限化するために、溝付き表面外形218を伴って作製される。成形プレート217の表面は、尖頭221において交差する隣接凹面溝220を作成するように、ボールエンドミルツールの通過によって最終機械加工される。尖頭表面外形222は、ガラス212が採用する形状を画定する。典型的には、金型201は、反射器1の局所形状の+/−10ミクロン以内に機械加工される。成形中、図46に示されるように、軟化したガラス板212は、尖頭221の線に接触し、それらの間に架橋し、尖頭の頂点における表面形状によって画定されるような全体形状を成す。複製の天然忠実度が優れているため、沈下ガラス212は、溝の間隔よりも大きい空間規模で金型201の形状を採用し、より小規模で最初のフロートガラス200の天然平滑性および鏡面反射を保存する。
【0074】
図47に示された、ガラスと金型との接触の詳細図では、ガラス212が尖頭221の間でわずかに下垂し224、その場合、下垂深度は、接触滞留時間および沈下温度におけるガラスの粘度に依存する。成形工程は、ガラス212が金型211の尖頭に軽く触れて、尖頭上に静置する前に、自由に伸展し、たわむことによって、皿形状212が大部分は形成されるように最適化される。金型201にわたって接触が行われるとすぐに、尖頭の間の継続的な下垂を防止する急速冷却が開始される。このようにして、ガラス212の損傷が尖頭221に沿った小さいくぼみの狭い線に限局され、金型201の摩耗が最小限化される。この工程で、尖頭221における接触損傷およびガラス212の結果として生じるくぼみによる表面傾斜誤差から散乱する、失われた正味の収集面積は、平均して全ガラス表面積のわずか0.25%となることが分かっており、実践では、1〜3センチメートルの範囲の間隔を有する溝221の間で下垂するためのたわみ角は、典型的に0.1度rms未満である。
【0075】
本発明の尖頭金型表面218のさらなる利点は、接触線221の面積が極めて小さいため、成形の熱サイクル中に金型201からガラス212への直接熱伝導が最小限化されることである。金型201の最小限の加熱は、温度勾配によって引き起こされる形状の反りが最小限化されることを確実にする。別の利点は、凹面のくぼみ220も、微粒子汚染物を収集する領域220を提供し、沈下中に微粒子が尖頭221と同一平面にならないようにし、それにより、そうでなければ金型201の表面220上の突出粒子によって引き起こされたかもしれないガラス212のくぼみを低減する。
【0076】
接触損傷を最小限化する第2の好ましい代替案では、ガラス212と金型201との間の直接接触を防止するために、エアクッションが使用される。好ましい実装は、金型表面より下側に二重マニホールドを有する。一方のマニホールドが加圧される一方で、他方のマニホールドは真空にされる。加圧されたマニホールドがエアクッションに空気を供給する一方で、真空マニホールドは、加圧空気を運び去り、全体的な下方への圧力を確保する。この代替的実施形態では、クッションは、間に排出穴を伴って、1〜4センチメートル離間している。
【0077】
沈下金型201への熱伝達は、好ましくは、熱サイクリングを最小限化するように、かつAISI 304ステンレス鋼の温度サイクリングの間、800℃の臨界酸化物スケール限度を十分下回って金型201上の温度を保つように、ガラス成形熱サイクル中に最小限化される。成形プレートセグメントの内側および金型201にわたる内部温度勾配は、好ましくは、適正かつ一貫した形状を有するガラス212を複製するよう、反り傾向を低減するように最小限化される。金型201は、好ましくは、吸収を最小限化するために、ガラス212によって伝達および放出される熱放射に対する高い反射率のために被覆される。金型の面板または面シートの残余弓状変形は、剛体枠組みを横断して位置する締結具によって抑制される。ガラス板200が所望のディッシュ構成212に成形された後、金型面は、次のガラス板200を成形するために使用される前に、強制空気対流によって熱平衡状態にされ、好ましい開始温度に戻される。下層構造は、成形のわずかな放射被曝中に、効果的に無熱のままであり、有意な熱歪曲を受けない。
【0078】
金型の反射率を増加させるための好ましい方法は、最大で400℃の温度で数ヶ月使用した後に高い反射率を維持する、10〜50ミクロンの対摩耗性、高反射性で、均一に厚く、頑強で高密度の金属膜で表面を被覆することである。電解または無電解めっき、スパッタリング、プラズマおよび溶射、蒸着、およびこれらの方法の組み合わせ等の、被覆方法が好まれる。好ましいめっき金属は、クロム、ニッケル、および金、白金、ロジウム等の貴金属、ならびにニッケル・クロム、ニッケルをドープしたリン、プラチナ・ロジウム、およびプラチナ・イリジウム等の耐熱合金を含む。
【0079】
可能な限り最低の費用で非常に多数のガラス反射器1を供給するために、上記で説明されるガラス成形および裏面銀めっき工程は、好ましくは、ガラス生産量全体が太陽光反射器1の形となる、フロートガラス工場に組み込まれる。フロートガラス工場に統合するために必要とされる速度での成形工程を提供する、本発明による自動連続工程が、図48で概略的に示されている。フロートガラス231は、溶解炉およびスズフロート槽230から引き出され、そこでガラスは、コンベヤシステム232上に約600℃のリボン231として出現する。ここで、フロートガラス231は、依然として高温である間に正方形の板200に切断される。生産ラインにおける成形ステップの前に高温ガラス231を板200に切断する、1つの好ましい方法は、全ての切断方法の中で最も古く、最も安価である、スコーリングおよび破断によるものである。これは、切断される領域中で全体的または局所的のいずれかで、ガラス231が約350℃を下回る脆化温度に冷却されることを要求する。切断するためだけにガラス231を冷却する必要性を回避する、代替的な好ましい方法は、レーザ切断である。高温ガラスリボン231の高速切断のための好適な高エネルギーレーザシステムは、Chuiの米国特許第3,885,943号、Chuiの米国特許第3,930,825号、およびFrenchの米国特許第3,934,995号で開示されており、その全ては参照することにより本明細書に組込まれる。
【0080】
切断装置233(例えば、レーザ切断デバイスまたはスコーリングおよび破断デバイス)を使用してガラスリボン231から切断される、実質的に平坦な切断された板200は、角クランプ202による角からの取扱を可能にする剛性まで冷却される。いったんクランプ202によって把持されると、板200は、沈下金型201より上側に位置付けられる。次いで、金型201および板200は、成形トンネル207に進入し、そこで、800℃から1200℃の範囲の温度の拡張黒体からの強力な放射エネルギーがガラス200の頂面に衝打し、たわんだガラス板214をもたらす下垂温度まで急速に引き上げる。上記ですでに説明されているステップによる、高温ガラスの成形は、高温トンネル内で行われる。ガラスを形状212にたわませ、伸展させ、成形するステップは、重力によって迅速に達成され、所望であれば、圧力の印加によって加速される。縁成形ツール210は、板の角クランプ202の除去後の角における縁を含む、巻かれた縁211を形成する。成形が完了した後、ガラス212は冷却トンネル213に進入し、そこで、対流および熱の放射の両方によって、放射を吸収する低温表面まで迅速に冷却される。その形状を保つのに十分な剛性を回復するほど冷却されると、形成されたガラス212は、その金型201から除去され、焼鈍および冷却のためにガラス212を移動させるコンベヤライン213に移送される。金型201は、循環させられ235、生産ラインに再導入される。
【0081】
生産ライン234のはるか下流の端では、好ましくは、低放出建築用窓の製造においてフロートガラス上に銀および誘電体層を堆積させるために使用されるものと同様である、真空プラズマ支援工程によって、銀が塗布される。従来の鏡の加工の実践後、ガラス212の銀表面および前縁が、好ましくは、同様にプラズマ堆積によって、銅フィルム酸化障壁で上塗りされる。最後に、銅フィルムおよび鏡の縁は、耐候性ポリマーシールで粉体塗装される。出来上がったガラス反射器1は、積層可能であり、トラッカー107およびエネルギー変換器4と統合するため、およびソーラーファーム敷地に設置するために積層され、出荷されてもよい。
【0082】
フロートガラスの代替的実施形態では、ガラスリボン231は、切断装置233によって切断された後、1つの生産ラインが故障した、または動作が減速した場合に、継続的な生産を確実にするように、2つ以上の成形ラインに投入される。加えて、全ての成形ラインが故障した場合に、平坦なガラス板200を冷却し、包装するように、別個の分岐が提供されてもよい。ガラス板200は、オフラインで成形するために保管されてもよい。
【0083】
フロートガラス工場で対応可能な全生産率で連続生産を支援するために必要とされる、金型201の数および生産ラインの長さは、各金型201のサイクル時間に依存する。例えば、このサイクル時間が200秒であり、処理される新しい板200が10秒ごとにスズフロート槽230から出現する工程では、20個の金型201が一度に使用されていなければならない。本発明の製造工程は、金型のサイクル時間を最小限化し、したがって、生産ライン上で使用中の金型201の数および設備のサイズを最小限化するように設計される。金型のサイクル時間は、大部分は熱平衡および熱伝達係数によって設定される。例えば、ガラス214を加熱し、軟化させるステップに関与する、熱平衡および熱伝達時間、ならびに、伸展し、熱平衡し、金型201から解放することができるようにガラス212を剛体にするよう冷却するために必要とされる時間が、金型のサイクル時間に影響を及ぼす因子となる。
【0084】
ガラス板200を成形するために到達される温度は、比較的短い時間でたわみおよび伸展を達成する必要性によって決定される。重力下でガラスが皿形状212に伸展する速度を決定するために、たわみとともに失われる重力ポテンシャルエネルギーは、粘性のあるガラスを伸展させることによって消散したエネルギーと等しい。例えば、その角202で締め付けられ、ガラスの膜型伸展によって、それ自体の重量でたわんでいる正方形の板200について、ほぼ以下のように、中心におけるたわみ深度「s」が時間「t」および粘度「η」の立方根とともに増加することを示す。
【0085】
s=(cgρx4t/η)1/3 (1)
式中、「c」は、定数(約0.044)であり、「g」は、重力による加速度であり、「ρ」は、ガラス密度であり、「x」は、金型支持材の間の平均径間長であり、「η」は、剪断粘度である。500〜750℃の温度範囲の典型的な市販のソーダ石灰ガラスの剪断粘度は、η=ηoexp(B/T)として絶対温度Tとともに変動し、式中、ηo=1.6×10−18ポアズおよびB=5.8×104Kである。650℃から750℃の間の好ましい成形温度範囲については、粘度は、4.3×109ポアズ(650℃)から9×106ポアズ(750℃)に低下する。
【0086】
3.1平方メートルの好ましい反射器の具体的な寸法の例として、上記の方程式から中心で好ましい深度s=0.795mまでたわむ時間は、710℃で約20秒であり、10度ずつの温度変化について2の因数だけ変動する。したがって、工程の上側温度は、710℃の領域中となる。極端な場合には、1分間の取扱における歪曲は、500℃未満の温度でごくわずかなレベルまで低減される。
【0087】
本発明で説明される工程では、これらの温度の間の加熱および冷却は、大部分が放射伝達によって達成される。加熱のためには、これらの温度における熱放射が大部分はガラスによって吸収されるため、800〜1200℃の実質的に連続的な黒体からの放射が好まれる。したがって、厚さ4mmのガラス板200は、片側で900℃の黒体から放射によって50秒間、1200℃の黒体から20秒間、室温から710℃の平均温度まで加熱されてもよい。ガラス200は、加熱の開始時により熱く、より少ない時間が必要とされる。
【0088】
急速放射加熱後、ガラス214は、はるかに熱く、したがって、加熱側で粘度が低い。ソーダ石灰ガラス板にわたる伝導による平衡のための時定数は、3mmの厚さに対して約19秒、4mmの厚さに対して約34秒、5mmの厚さに対して約53秒である。ガラス212が金型形状を帯び、縁211が巻かれる際に、ある程度の平衡が好まれる。成形が完了すると、ガラス212は、4mmの板については約50秒かけて、低温吸収面213への放射によって約710℃から500℃に冷却され、その後、除去前に平衡のために500℃で約30秒続く。
【0089】
順序通りに行われる上記の操作による、4mmの厚さのガラスを成形するための金型サイクルは、例えば、900℃の放射による加熱のための約50秒、たわませるための20秒、平衡、金型への定着、および縁の成形のための30秒、放射冷却のための50秒、除去前の平衡のための30秒、および再装填のために金型201を戻すのに60秒といった、合計で240秒を含んでもよい。10秒のガラスサイクル時間にわたって、24個の金型が一度に使用中であり、熱処理部分である、高温成形および冷却は、180秒かかる。4メートルの金型間の分離、したがって、0.4m/秒のライン速度について、成形ラインの長さは、約72メートルとなる。
【0090】
上記の大量工程の進展中、ガラス反射器1は、積み重ねられた低温ガラス板200から、より遅い速度にてオフラインで製造されてもよい。初期段階は異なり、低温ガラス板200が安全に取り扱われ、破損を伴わずに沈下金型201に運ばれることを要求する。低温板200は、低応力状態において数mm以内でガラス200をすべてにおいて平坦に保つ、多重カップ真空揚力固定具を伴う垂直積層から選ばれる。次いで、板200は、水平に旋回させられ、処理フレーム上の角グリップ202を使用して角から把持される。真空処理固定具は、板200を取り外すように解放され、ガラスは、その把持状態でわずかに弛緩する。板装填手順および非平行移動角グリップ202は、最大引張応力を3.5MPaの安全限度以下に保つ。
【0091】
このようにして処理フレームに装填されるガラス板200は、約500℃のピーク温度までの従来の予熱トンネルを通して搬送される。そこから、その処理フレームを使用するガラス板200は、図26のように、成形金型201と噛合され、工程は、前述のように継続する。
【0092】
当業者であれば、本開示の便益を有した後に、本明細書で説明される実施形態に修正および変更が行われてもよいことを理解するであろう。全て本発明の範囲および説明から逸脱することなく、変更が製造工程のステップに行われてもよく、追加ステップが追加されてもよく、異なる材料が置換されてもよく、同等の特徴が使用されてもよい。本開示は、ある現在好ましい実施形態および実施例のみを記載しており、本発明の範囲内に包含される全ての変化例および実施形態を説明する試行は行われていない。したがって、本発明の範囲は、本明細書に添付の請求項によって定義され、上記の説明で記載される具体的実施例に限定されない。
(項目1)
太陽エネルギーシステムで一体反射器ディッシュとして使用するためのガラス反射器を製造する方法であって、
金型を覆って位置付けられるフロートガラスの板を加熱するステップと、
前記金型に実質的に一致するように、前記フロートガラスを湾曲した皿形状に形成するステップと、
前記皿型フロートガラスの周囲に構造補強穴縁を作成するように、前記フロートガラスの縁を巻くステップと、
使用可能なエネルギーへの太陽エネルギーの変換のために前記太陽エネルギーを焦点に反射させるように動作する、一体反射器ディッシュを形成するように、前記皿型フロートガラス上に反射面を作成するステップと
を含む、方法。
【背景技術】
【0001】
気候の変化は、多大な注目を受けている重要な問題として認識されている。化石燃料からのエネルギーの世界的生成の結果として、大量の温室効果ガスが大気中に蓄積している。多くの専門家らは、この蓄積を減速させるか、または無効にするために、すぐに何かが行われなければ、気候および我々が暮らす世界が破滅的結末を被ると考えている。専門家らは、わずか数度の地球の温度の上昇が極氷を融解させ、多くの沿岸都市を水中に沈めるほどの海面の上昇をもたらすと予測している。植物および動物の多くの種の絶滅も、数人の科学者らによって予測されている。エネルギーを生成するために化石燃料を燃やすことによる、これらおよび他の有意な悪影響を考慮すると、有意な温室効果ガスを生成することなく費用効率的な方式でエネルギーを生成することができる、方法および装置の有意な必要性がある。
【0002】
本発明は、強力に集光された太陽エネルギーを必要とするか、または集光された太陽光によって、より効率的またはより費用効率的になる、工程によって、有用な電気または化学エネルギーへの太陽エネルギーの変換を促進することを対象とする。具体的には、本発明は、光起電または熱工程を通した電気生成のための装置を対象とする。それはまた、熱または熱化学反応によって太陽エネルギーを化学エネルギーに変換するために使用されてもよい。
【0003】
熱変換の効率は、高変換効率のために、高温、したがって高度に集光された光を必要とする、熱力学の第2法則によって制限される。光起電力変換効率も、高度に集光された光で改善されてもよい。したがって、過去には、高集光度で太陽エネルギーを変換することの問題に、有意な取り組みおよび注意が向けられてきたが、結果は全く満足できるものではなかった。高度に集光された光において、より効率的に動作する太陽光変換デバイスの可用性にもかかわらず、高集光太陽エネルギーシステムは、まだ地球規模の太陽電気生産における主要な要因になっていない。高集光システムにおける従来の試行の有意な欠点は、太陽光変換デバイスに高度に集光された光を提供するために必要とされる、光学機械システムの高い費用であった。従来の取り組みは、部分的には、光学集光器の不利な規模サイズのため、費用競争力がなかった。これらの従来の試行はしばしば、電力の非常に低いレベルまたは非常に高いレベルのいずれか一方で集光された太陽光の入力を必要とする、特定の変換デバイスの使用を伴い、そのような電力要件は、大部分で、太陽光集光器の非常に小さい、または非常に大きい光学的開口をもたらした。この設計アプローチは、生成された電気(または他の形態のエネルギー)の単位あたりの費用を適切に最小限化できなかった。
【0004】
過去には、小さいユニットサイズが、ほとんどの光起電力変換器に好まれた。これは、非効率および高い費用をもたらした。小型光学集光器を伴う多数の小型ユニットのアレイは、広い面積にわたって配列された、多くの小型光学および電気および熱的構成要素を伴って、大型であるとともに複雑であるため、製造し、組み立て、輸送するのが高価であった。また、小型ユニットのアレイは、大規模で剛性をほとんど与えず、2軸太陽光トラッカー上の重荷として携行される。構造部材の形での多大な追加重量は、重力および風の屈曲を制御するため、およびトラッキング台との接続を行うために必要とされた。この設計アプローチは、そのようなシステムで使用されるトラッカーの費用を有意に増加させ、生成された電気(または他の形態のエネルギー)の単位あたりの適切に最小限化された費用を達成できなかった。
【0005】
過去には、非常に大きいユニットサイズが、高集光度で非常に高い太陽光電力入力を必要とする太陽熱システムに好まれた。これらの要件を満たすように2次元で集光する大型光学部は、非効率をもたらした。いくつかのシステムでは、熱変換器ユニットが、単一の大型ディッシュの焦点に載置され、ディッシュエンジンアセンブリが、2軸トラッカーによって携行された。他のシステムでは、熱変換器ユニットが、タワーの上に固定され、ヘリオスタット上にある典型的には数千もの平面鏡のフィールドによって、その上に太陽光が集光された。これらの設計アプローチの両方は、送達されたワットあたりの集光器システム費用を最小限化する点で準最適であり、生成された電気(または他の形態のエネルギー)の単位あたりの費用を適切に最小限化できなかった。
【0006】
大型単一ディッシュについて、構造の複雑性ならびに単位面積あたりの質量および費用は全て、ディッシュの面積とともに上昇する。過去には、多くの小型湾曲反射器セグメントとから組み立てられた大型反射器を使用するために、試行が行われた。多数の湾曲反射器セグメントから作られた大型反射器では、各個別セグメントは、放物面バックアップトラス構造上で整列させられなければならない。この方式で組み立てられた複合大型反射器は、重く、製造し、組み立てるのが高価になる傾向がある。多くの場合において、大型円形ディッシュは、2軸トラッカー上に個別に載置され、大型ソーラーファームに設定された。そのような大型円形ディッシュは、早朝および夕方前の有意な自己遮蔽を回避するように、十分離間しなければならず、土地の準最適利用をもたらす。大型円形ディッシュのさらなる不利点は、単位面積あたりの比較的高い風荷重であり、それは、風荷重に抵抗するために、より重く高価な支持構造を必要とした。
【0007】
過去には、非常に高い電力の集積が、ヘリオスタットのフィールドを使用することによって試行された。このアプローチの有意な不利点は、所与の反射器面積を持つトラッカーの不十分な使用であった。ヘリオスタット鏡の多くに入射する太陽光が、通常の入射とは程遠い角度にあるため、この非効率性が生じ、したがって、発電塔に送達された太陽光電力の毎日の平均は、太陽に対面するように各鏡を追跡することができた場合に捕捉することができたもののわずかにすぎなかった。別の不利点は、ヘリオスタット用の多くの小型2軸トラッカーの機械的複雑性であった。
【0008】
多くの従来の太陽集光器システムにおけるさらなる困難は、それらの2軸トラッカー上に置かされた空間的要求であった。垂直台座上のコンパクトな高度対方位角の台が使用されてきた。典型的な設計が仰角軸に関して平衡を保たれ、したがって、典型的には高い集中駆動荷重を被り、その結果として、重い駆動機構を必要とした。当然ながら、重い駆動機構は、そのようなシステムの費用を増加させ、太陽エネルギーシステムにおいて、費用は、成功を失敗から分離する重要な要因である。熱的変換のための大型高集光ディッシュはしばしば、アームが、流体加熱器、エンジンまたはタービン、および電磁発電機を焦点において支持するために、大型放射状開口部によって機械的構造が特に損なわれた。
【0009】
集光された太陽光を使用するための従来のシステムは、有意な改良の余地を残している。太陽エネルギーシステムは、化石燃料を燃やすことによって生成される電気に対抗する費用で太陽エネルギーを使用して、電気を生成することができるまで、大気中の温室効果ガスの削減に有意な影響を及ぼす可能性が低い。費用は、太陽エネルギーシステムにとって重要である。実際に、費用は、非常に重要であるので費用だけで成功と失敗との違いを生み出すため、強調し過ぎることはない。太陽光発電による電気が、化石燃料を燃やすことによって生成される電気よりも費用がかかる限り、太陽光電力が大気中の温室効果ガスの削減に有意な影響を及ぼす可能性はほとんどない。低い総システム費用を有し、化石燃料を燃やすことによって生成される電気に対抗する費用で電気を生成することができる、太陽光変換システムのための装置および製造方法の長年にわたる必要性がある。
【0010】
発明の目的および特徴
本発明の中心的な目的は、低費用で電気または他の形態の太陽光電力を生成するための製造方法および装置を提供することを含む。費用は決定的に重要であり、そうでなければ、太陽光変換システムは、化石燃料を燃やすことによって発電する従来の発電所の大部分に取って代わる可能性が低い。本発明は、太陽光変換のための低い総システム費用を促進する、製造方法を含む。
【0011】
本発明は、単位電力あたり最低費用で、高度に集光された太陽放射を高効率変換ユニットに送達する装置を伴う。この目標を達成するために、設計最適化工程において、太陽光変換システムにおける各個別ユニットに送達された全太陽放射は、可変パラメータとして見なされ、単位光収集システムおよび関連機械構造の開口は、生成された電気のワットあたりの最小費用を見出すように変動された。ワットあたりの最小費用で電力レベルを確立することによって、この電力レベルで極めて効率的な変換ユニットを再び最適化することができ、効率の損失または単位電力あたりの変換費用の増加がほとんどないか、または全くなかった。例えば、本発明に従って使用される集光太陽電池の場合、約50W以上の単位レベルに集積される入力電力が、能動冷却とともに複数の高密度に密集した電池を組み込み、全ての電池の平等な照射を提供する、変換ユニットに収容されてもよい。太陽電池を採用するシステムで有用であることに加えて、本発明には、最適化された熱および化学変換ユニットのための低費用入力電力を提供する利点もある。
【0012】
大気中の温室効果ガスによって引き起こされる気候の変化の最小限化に識別できる影響を及ぼすために、本発明による太陽光変換システムで使用されるガラス反射器を経済的に作るための製造方法が必要とされる。本発明の目的は、そのようなガラス反射器用の低費用フロートガラスの使用を可能にする製造方法を提供することである。本発明の別の目的は、高速度および高生産速度に対応できる製造方法を提供することである。本発明は、低費用で、かつ連続製造工程において従来のフロートガラス工場生産ラインの全出力に適応するほど速い速度で、フロートガラスから作られたガラス反射器を生産することができる経済的な製造方法を含む。
【0013】
本発明の1つの特徴は、ワットあたりの費用を最小限化する電力レベルが、以前の太陽光集光システムによって辛うじて届いた範囲である、約1kWから約20kWの中間範囲で達成可能なことである。
【0014】
本発明による太陽放射の集光は、2軸トラッカーによって太陽に実質的に直接向けられた、中間サイズディッシュ反射器の厳格に相互整列させられたアレイによって行われる。各中間サイズディッシュ反射器は、反射器の焦点におけるコンパクトな変換器に電力供給する。本発明の利点は、複数の比較的単純であるが本質的に大型のエネルギー収集要素から、コンパクトなエネルギー変換ユニットを明確に分離することである。このようにして、3つの主要構成要素、すなわち、反射器ディッシュ、トラッカー、および変換ユニットの大量生産、輸送、組み立て、性能向上、および保守の側面を、別々に最適化することができる。本発明によれば、ユニットに電力供給するために必要な反射器ディッシュの面積よりも断面積がはるかに小さい変換ユニットを使用することによって、光学スループットが最大限化される。
【0015】
日中、太陽は東に昇り、空を横断して移動し、西に沈む。太陽が空を横断して移動するとき、太陽の方向を指すように、反射器の配向を調整する必要性がある。費用競争力がある太陽光発電システムを作るために、太陽を追跡するために使用される支持機械構造の費用を最小限化することが重要である。これは、複数の反射器および変換器ユニットを剛体の軽量空間フレームで支持することによって、本発明に従って達成される。本発明による空間フレームは、収集された光の単位面積あたりの質量を最小限化しながら剛性を最大限化する、剛体で軽量の開放トラス構造である。開放トラス構造は、3つの次元で延在して、重力および風による屈曲に対する高い剛性と、時折の非常に激しい風を乗り切る高い強度との両方を達成する。2つの次元は、収集される太陽光の面積を横断して延在し、第3の次元は、下側の反射器ユニットおよび上側の変換器ユニットを連結する光軸に沿って、垂直方向に延在する。
【0016】
本発明によれば、反射器およびトラッカーの費用は、ガラスおよび鋼鉄等の安価な材料の使用によって、さらに最小限化される。本発明の特徴は、個々の反射器が、離散隣接セグメントのアレイとは対照的に、大型ガラスモノリスの形を成すことである。一体構造は、ガラス反射器の製造および統合を単純化し、単位面積(面積密度)あたりの所与のガラスの厚さおよび質量に対する、単位面積あたりの支持点の数を最小限化する。
【0017】
本発明の1つの特徴は、主要なディッシュ光学部が、太陽面の直径によって設定される集光限度において中程度の劣化しかもたらさない光学的品質を有し、短焦点比の略放物面反射器の直接焦点において、好ましくは10,000倍の高集光度で太陽放射を送達できることである。そのような高集光度は、実際の変換の時点で常に必要とされるわけではないが、剛体空間フレーム構造の正確な追跡とともに、この集光レベルは、太陽光集光の利点を活用するように、変換ユニットの設計の最大融通性を提供する。
【0018】
各2軸トラッカーによって携行される反射器のアレイのアスペクト比が幅広く、かつ低いことが、本発明の別の特徴である。この好ましい設計で提供される水平延長は、複数のユニットのフィールドにおける隣接ユニットによる、低い太陽高度における遮蔽を最小限化し、したがって、土地利用を最大限化する。この好ましい設計はまた、風荷重も最小限化する。
【0019】
本発明の特徴は、駆動部が、駆動モータからの寄生荷重を有利に最小限化する高い機械的利益を有することである。本発明の付加的な特徴は、駆動要素が大きい半径で適用され、それが駆動構成要素の駆動力および質量を有利に最小限化することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本開示は、1)変換ユニットによる電気エネルギーの生産のために集光された太陽光を送達する装置と、2)そのような装置を作製する際に使用するために好適な銀めっきされたガラス反射器の製造方法とを含む。
【0021】
本発明による装置は、各反射器ディッシュより上側にコンパクトな太陽光変換ユニットを担持するための措置とともに、剛体アレイに相互整列させられる複数の大型ディッシュ反射器を組み込む。反射器および変換器ユニット用の支持構造は、3次元空間フレームとして作製され、反射器を変換ユニットに連結する部材が構造に奥行きを提供し、したがって、高い全体的剛性を与える働きもする。空間フレームは、仰角軸受および駆動部とともに、方位角軸受および駆動部を伴う2軸の仰角対方位角トラッカー用の仰角構造を提供する。太陽に対面するよう反射器アレイが配向されるように、トラッカーが位置付けられると、強力に集光された太陽光は、変換ユニットまたは変換器ユニットに送達される。本発明は、光起電または熱工程を通して発電する変換ユニット、または熱あるいは光化学反応によって太陽エネルギーを化学エネルギーとして貯蔵する変換ユニットを含む、種々の変換ユニットとともに有利に使用されてもよい。
【0022】
好ましくは、装置とともに使用される変換器ユニットは、反射器ディッシュを有意に遮蔽しないよう小型である。一式の変換器および適切な熱交換器を含む、本発明による装置は、内蔵型太陽光電力変換システムを形成する。本発明は特に、大量生産されてもよい、複数のそのような内蔵型太陽光電力変換システムを採用することによって、大規模で太陽エネルギー変換を提供するように適合される。太陽光電力変換システムの大規模アレイは、米国の南西部の砂漠等の強力な直射日光を有する場所で、有利に配置または配備されてもよい。
【0023】
本発明による、単一の2軸トラッカー上の複数の最適なサイズの反射器ディッシュを使用することから、有意な便益および利点が実現される。この構成は、(集光された太陽光の単位電力あたりの質量に関して)材料の効率的な使用を可能にする。好ましくは、アレイは、風および重力による力およびモーメントを最小限化するように、仰角軸受の周囲で平衡を保たれる。反射器は、好ましくは、剛体空間フレームの中に配列され、空間フレームは、全体的な剛性を最大限化する一方で、同時に、個々の反射器ディッシュ、変換器ユニット、ならびに仰角軸受および駆動部用の載置点を担持するように最適に配置される結節点を提供するように、3つの次元全てに1次支柱を有する。本発明の最も好ましい実施形態では、空間フレームは、大部分が、対角ブレイスを伴う鋼鉄支柱の長方形の枠組みから成る。空間フレームの各大型セルは、下側にディッシュ反射器を、上側にその関連変換ユニットを収納する。
【0024】
ディッシュ反射器は、好ましくは、裏面が銀めっきされた低鉄フロートガラスの大型モノリスとして作製され、各ディッシュ反射器が開放トラス構造によって支持されている。ガラスの上方保護および構造機能、および銀の非常に高い反射率により、裏面が銀めっきされたガラス反射器がこの発明に好まれる。ガラスは、広範囲の空間規模で反射器の実体を保つ、その剛性ならびに化学および寸法安定性によっても、好まれる。大型反射器は、より小さいセグメントのアレイよりもむしろモノリスとして作製された時に、構造的により効率的であるため、ガラスの一体構造が好まれ、大型ガラスモノリスは、本明細書で開示される製造の方法によれば、低費用で非常に大量に製造されてもよい。銀が好ましい反射材料であるが、アルミニウム等の他の材料が、ある程度の性能の劣化を伴う銀に代替される場合がある。裏面が銀めっきされたガラス反射器の寿命および安定性は、屋外気象条件に暴露された太陽光用途における良好な耐久特性を提供する。その低い太陽エネルギー吸収度により、低鉄ソーダ石灰シリケートガラスが好ましい材料である。しかしながら、当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、他の材料が代替されてもよいことを理解するであろう。「ガラス」という言葉が以下の説明で使用されるが、特に記述がない限り、低鉄ソーダ石灰フロートガラスが本発明に好まれることを理解されたい。
【0025】
好ましくは、ディッシュ反射器は、軸対称凹面形態と、実質的に正方形または六角形の周囲とを有する。反射器は、間隙およびエネルギー損失を最小限化するよう、サイズおよび形状が合致した支持空間フレームの隣接したセルの中に配列される。反射器は、好ましくは、単位面積あたり最小費用で製造および費用の両方を促進するように、比較的大きい最適サイズであるとともに一体である。設計の重要な特徴は、剛性を増加させて支持点の数を削減し、したがって、各ガラスモノリスの製造および設置の費用を削減するように、一体反射器ディッシュに巻かれた縁が提供されることである。巻かれた縁は、構造的利点を提供し、以前は太陽光ガラス反射ディッシュの成形で活用されていなかった。反射器は、好ましくは厚さ約4mmのガラスで作られており、好ましくは約50センチごとに離間したパッドによって、開放トラス上で支持される。反射器は、好ましくは、柔軟接着剤で支持パッドに接着される。ディッシュは、焦点付近で使用するために選択される発電機または変換器ユニットの設計に従って最適化される、放物面形状または別の凹面形態を有する。
【0026】
反射器およびそのアセンブリの単位面積あたりの費用を最小限化するために、個々の一体ガラス反射器ディッシュは、ある費用便益トレードオフを使用してサイズが最適化され、好ましくは、他の重要な検討事項と一致して実用的であるくらいに大型に作製される。本発明は、ガラス反射器ディッシュが、概して強く好まれる約3.3mである、フロートガラス生産の完全標準幅で作製されることを可能にすることによって、有意な費用節約を有利に提供する。各大型正方形または六角形反射器は、好ましくは、剛体で軽量の鋼鉄トラス支持材に取り付けられる。1つの好ましい実施例では、トラスは、その上面に、厚さ約4mmの実質的に正方形のモノリスの取付のために、4×4グリッド中の16点のクレードルを提供し、トラスは、長方形の仰角空間フレームの単位セルの下隅に付着するように、下側に延在して正方形の中に4つの結節点を形成する。幅3.3mのガラスから形成された好ましい正方形の反射器について、活動面積は約9平方メートルであり、したがって、各ディッシュ焦点に送達される、集積された太陽光電力は、(1平方メートルの日射あたり1000ワットおよび90%以上の平均反射率に対して)典型的には約8kWである。本発明のこの好ましい実施例とともに使用するために最も適切な変換ユニットは、ユニットあたり約8.5kWの入力電力で効率的に動作することができるものである。
【0027】
上記の制約を総合すると、実質的に正方形の皿状反射器用の単位反射器セルは、好ましくは、正方形の断面を伴う直角柱の形を成す。反射器の好ましい実施形態は、単位セルの正方形の下端の隅から支持され、コンパクトな変換器または発電機は、好ましくは張力を受けて、薄い対角要素によって反対の上端の隅から支持される。単位セルは、変換器面だけでなく6面全てを横断する対角部材を有し、3つ全てのたわみ方向および3つ全てのねじり方向で極めて堅くなる。複数のそのような単位反射器セルは、深い剛体仰角空間フレームを形成するようにアレイの中で連結される。2軸トラッカーの仰角構造は、好ましくは、剛体空間フレームを形成するように構成される、セルのn×mアレイを備える。この空間フレームは、ユニットの横列の間にオフセットを組み込んで、機械的性能を改善してもよい。いずれにしても、ほとんどの構造部材は、関連反射器との厳格な整列でユニット変換器を局所的に担持するとともに、非常に堅い空間フレームを全体的に提供するように作用する。低費用と性能との間の最適なトレードオフを達成するために、トラス支柱の断面は、好ましくは、最大動作荷重下のたわみが、異なるディッシュ軸の曲げの不整合に対する量に近い一方で、最大存続風荷重において、応力が破壊限界に近いように選択される。本発明による空間フレームおよび支持構造の構成は、低費用での有意な構造的完全性を達成するように設計されており、これは太陽光電気を生成するための実用的な競合システムにおける決定的な検討事項となり得る。本発明による空間フレーム構造は、単位電力あたり最小質量で必要な性能を生じ、削減された全体的費用という有意な利点を達成する。
【0028】
高度対方位角の構成を両方とも採用する、装置の2つの好ましい実施形態を以下で説明する。第1の大型の説明された実施形態は、単位セルが共通光軸に対して垂直な同一平面アレイの中にあり、方位角軸受が地面に固着された水平トラック上で旋回する、構成を例証する。第1の例証された実施形態は、水平面部位上に構築された、より大規模のユニットにより好適である。本発明の例証された大型実施形態は、通常の3×9要素空間フレームの中に27個の単位セルを有する。剛体仰角構造は、その重心付近で仮想枢軸を形成する、2つのブレイス付きCリングを伴う空間フレームを含む。Cリングからの荷重は、4隅台車を伴うスクワット方位角プラットフォームを介して、地上の円形方位角トラックにほぼ直接運ばれる。各台車は、Cリングを支持する上向きの車輪と、方位角トラックに乗る、真下にある下向きの車輪とを有する。
【0029】
高度対方位角の構成を採用する、装置の第2の説明された実施形態では、仰角構造は、単位セルの2つの交互列を備え、上列が後に設定され、下列が前方にある。最上列の前底縁は、最上列の後底縁と一致して、枠組みの全長に延在し、かつその重心を通過する共通構造部材を形成し、したがって、仰角軸受の支持のための非常に堅い中心部材を提供する。この実施形態の重要な特徴は、完全かつ非常に堅い空間フレームおよび仰角構造を形成するために、2列のセルに加えて、少しの構造しか必要とされないことである。この例証された実施形態では、反射器セルの各列は、仰角軸軸受を収容するように中心の狭いセルも含む。方位角運動は、仰角軸より下側で中心に置かれた台座に関する。この台座は、好ましくは、砕石または収集された地面の粗石がある地面の穴の中に設定された、鋼鉄トラスの形を成す柱の上で枢動し、好ましくは、費用を最小限化するために、アセンブリ全体でのコンクリートの使用を回避する。
【0030】
上記の実施形態で使用するためであり、かつ他の代替的実施形態で有用性がある、太陽光集光器に組み込むための銀めっきされたガラス反射器は、フロートガラスを使用する低費用方法に従って製造されてもよい。この製造方法は、太陽光電力システムの全体的費用を有意に削減することに貢献する。
【0031】
本発明によれば、反射器製造工程の開始点は、フロートガラスである。フロートガラスは、その高品質および低費用により、強く好まれる。フロートガラスはまた、極めて大量にガラス反射器の生産を可能にすることができる成熟した技術も採用する。大気中の温室効果ガスおよび炭酸ガス汚染の低減に有意な影響を及ぼすために、非常に高い電力レベルの電気の生成のためのシステムの大量生産を促進するように、十分に低費用で、かつ十分に大量に太陽エネルギー変換システム用のガラス反射器を製造する方法を有することが望ましい。ここで説明される工程は、フロートガラス生産ラインからの新たに形成された高温ガラスを、焼鈍または冷却する前に成形することができるように、フロートガラス生産ラインに有利に統合されてもよい。本発明による製造工程は、1つの連続工程または生産ラインで作製されるガラス太陽光反射器を生産するために、フロートガラス工場の生産量全体を利用する能力を提供する。したがって、製造工程は、非常に高速で稼働するように設計され、例えば、新しいガラス反射器が10秒ごとに作製されることを可能にし、厚さ4mmの3.3平方メートル板のために、フロートガラス工場の典型的な生産速度に適応することが可能である。製造工程は、代替として、所望であれば、より遅い速度にてオフラインで行われてもよいが、開示された製造方法による高い生産速度の能力は、本発明によって提供される重要な利点である。
【0032】
製造工程における第1のステップは、新たに形成され、依然として高温であるが剛体のフロートガラスリボンを、反射器サイズの断片に切断するステップを含む。この後に、完全体金型より上側に各反射器サイズのガラス片を位置付けるステップが続く。次いで、各反射器サイズのガラス片は、その角が横方向運動に対して拘束されている間に加熱される。反射器サイズのガラス片が加熱環境中で軟化するにつれて、ガラスは、たわんで伸展し、金型の周囲に触れて一致し、そうでなければ、皿状反射器の近似形状を成すように自由に降下する一方で、その平滑な鏡面仕上げを保つ。角の拘束は、ガラスがたわむ際にどこにでも伸展させることによって、しわを防止するように提供される。ディッシュの所望の形状は、反射器サイズのガラス片が金型の完全本体に到達し、それを横断して軽く触れると、反射器サイズのガラス片によって獲得される。この方法は、ガラスの前面または裏面のいずれか一方の光学平滑性を有意に低下させることなく、反射器サイズのガラス片の正確な成形の目標を達成する。金型との接触によって損なわれるガラス面積の割合を十分1%以下に保つという利点を提供しながら形態を正確に画定するよう、ステンレス鋼金型が、好ましくは、それに機械加工された尖頭溝とともに使用される。反射器サイズのガラス片が依然として柔らかく、凹面ディッシュが成形されている間に、ガラスを押し戻して、金型の丸みを帯びた縁に対して巻かれた縁を形成するために、形成ツールがガラスの縁で使用される。成形が完成するとすぐに、反射器サイズのガラス片は、有意な歪曲を伴わずに金型から除去することができる時点まで硬化するように、急速に冷却されてもよい。連続生産ラインでは、金型は、生産ラインの始めに戻され、次の反射器を成形するように再利用されてもよい。熱サイクリングが金型の寿命を短縮し得るため、金型の熱サイクリングを最小限化することが望ましい。開示された製造方法は、成形されているガラス片に対応する金型の動作面の尖頭溝を使用することによって、金型の熱サイクリングを最小限化するという望ましい結果を達成し、溝は、ガラスから金型への熱伝導を最小限化する。好ましい製造方法によれば、金型の熱サイクリングは、加熱および冷却中に経験される熱放射束に対して極めて反射性となるよう、成形されているガラス片に近接する動作金型表面を被覆することによって、さらに低減される。
【0033】
放射熱伝達は、望ましい高い生産速度を達成するために、成形されているフロートガラス片を加熱および冷却する好ましい方法である。好ましくは、例えば、生産ラインにおいて、フロートガラスの板の典型的な工場生産速度に対応するように構成される、多くの金型が同時に使用される。好ましい製造工程による金型サイクルは、反射器サイズのガラス板を、金型との対応する関係に位置付けるステップと、ガラス板を軟化させるように、急速放射加熱によってガラス板を加熱するステップと、金型を横断してガラス板をたわませ、伸展させ、定着させることによって、ガラス板が反射器に成形されるまでガラス板を加熱環境中で維持するステップと、ガラス板の縁を成形するステップと、急速放射冷却によってガラス板を冷却するステップと、焼鈍および冷却するために成形されたガラス反射器を除去するステップと、再装填するために金型を戻すステップとを含む。開示された製造工程は、ガラス反射器の迅速な生産が可能であり、これらのステップの完了のために、約3分の推定処理時間を達成するように適合される。開示された製造工程によって提供される生産速度の利点は、本発明に従って生産ラインで20個以上の金型を使用することによって、約10秒ごとに新しいガラス板が成形されたガラス反射器に加工されてもよいことを考慮することによって、より明白となる。20個の金型を使用する、そのような生産ラインでは、約100メートルの生産ラインの長さが、金型間の分離の約20倍以上である生産ラインの長さに基づいて、金型が戻される前に数分の熱処理を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】2軸追跡システムを伴う可動支持材上に載置され、分散型太陽光変換器ユニットを有する、反射器のアレイの斜視図である。
【図2】2軸追跡システムの仰角軸に沿って見られた、図1による実施形態の側面図を示す。
【図3】太陽の方向から見たような、光軸に沿って見られた図1による実施形態の上面図を示す。
【図4】放物面反射器、およびボールレンズを有する特に好ましい変換器ユニットを示す、図1による実施形態の拡大斜視図(部分)である。
【図5】明確にするために支持構造の全てが除去されている、本発明による太陽光変換器ユニットの焦点において使用するためであって、ガラスボールレンズに対して適切に位置付けられた2次集光反射器の特に好ましいアレイを示す、特に好ましいガラスボールレンズの斜視図である。
【図6】ソーラーファームに好適な構成である、図1に示された好ましい実施形態による反射器の複数のアレイの平面図である。
【図7】2軸追跡システムを伴う可動支持材上に載置された代替的実施形態の斜視図である。
【図8】仰角軸に沿って見られた、低仰角で設置された2軸追跡システムを伴う図7による実施形態の側面図を示す。
【図9】仰角軸に沿って見られた、45°仰角で設置された2軸追跡システムを伴う図7による実施形態の側面図を示す。
【図10】仰角軸に沿って見られた、高仰角で設置された2軸追跡システムを伴う図7による実施形態の側面図を示す。
【図11】方位角軸受および台座土台の詳細を示す、光軸に沿って見られた、水平に向いた時の図7による実施形態を示す。
【図12】方位角軸受および台座土台の詳細を示す、光軸に沿って見られた、水平に向いた代替的実施形態を示す。
【図13】仰角および方位角駆動部の詳細を示す、図7による実施形態の斜視図である。
【図14】方位角チェーン駆動部の詳細を示す、図7による実施形態の斜視図である。
【図15】図7による実施形態に対する仰角軸受の詳細を示す、斜視図である。
【図16】ソーラーファームに好適な構成である、図12に示された実施形態による反射器の複数のアレイの平面図である。
【図17】ソーラーファームに好適な構成である、図12に示された実施形態による反射器の複数のアレイの斜視図である。
【図18】ソーラーファームに好適な構成である、図12に示された実施形態による反射器の複数のアレイの太陽の方向からの図である。
【図19】正方形の反射器より上側で変換器ユニットを支持する構造の詳細を示す、単一の太陽光変換ユニットの実施形態の斜視図である。
【図20】六角形の反射器より上側で変換器ユニットを支持する代替的構造の詳細を示す、単一の太陽光変換ユニットの代替的実施形態の斜視図である。
【図21】ガラス反射器およびその支持構造を示す、本発明の一実施形態による太陽光変換ユニットで使用するための反射器ユニットの好ましい実施形態の斜視図である。
【図22】ガラス反射器が除去されている、支持支柱および結節点を示す、図21に図示された実施形態による一体ガラス反射器用の支持構造の斜視図である。
【図23】支持点のクレードルならびに図22に示された最上支持支柱および結節点の詳細を示す、図21に図示された実施形態による一体ガラス反射器用の支持構造の平面図である。
【図24】荷重傾斜偏差によって引き起こされる、ガラス反射器の表面にわたる傾斜角の変化を示す、厚さ4mmに対する軸方向の1g重力荷重を受けた、計算されたたわみの等高線図の斜視図である。
【図25】図1および図7に図示された実施形態で使用するための反射器に成形される、平坦ガラス片の断面図である。
【図26】金型上に配置された、図25によるガラス片の断面図である。
【図27】ガラス片が放射伝達熱によって軟化され、部分的に金型に成形されている、図26に示されたステップ後のガラス片の断面図である。
【図28】ガラス片が金型形状に完全に一致している、図27に示されたステップ後のガラス片の断面図である。
【図29】ガラス片が放射伝達によって冷却されている、図28に示されたステップ後の成形されたガラス片の断面図である。
【図30】成形されたガラス片が金型から除去されている、図29による成形されたガラス片の断面図である。
【図31】平坦なガラス板が金型より上側に担持されている、正方形の金型を示す斜視図である。
【図32】部分的に湾曲したガラス板が金型より上側に懸垂されている、正方形の金型を示す斜視図である。
【図33】角支持材が依然として定位置にあり、完全に形成されたガラス板が金型上に静置している、正方形の金型を示す斜視図である。
【図34】完全に形成されたガラス板が金型上に静置し、角支持材が除去されている、正方形の金型を示す斜視図である。
【図35】下層の支持枠組みおよび角支持材を示す、正方形の金型の部分切断平面図である。
【図36】角支持材およびいくつかの取り付けられたフロントパネルを示す、正方形の金型の部分切断斜視図である。
【図37】成形する前に平坦なガラス板を担持する、角支持材の断面詳細図である。
【図38】部分的に形成されたガラス板を担持する、角支持材の断面詳細図である。
【図39】角支持材が依然として定位置にある、金型上に静置している皿状ガラス板を担持する、角支持材の断面詳細図である。
【図40】角支持材が除去されている、金型上に静置している皿状ガラス板の断面詳細図である。
【図41】形成ツールが金型より上側に位置付けられている、金型の縁における一部を詳細に示す、部分切断斜視図である。
【図42】部分的に成形されたガラスが定位置にある、金型の縁における一部を詳細に示す、部分切断斜視図である。
【図43】ガラスが定位置にあり、成形ツールによって巻かれた縁に形成されている、金型の縁における一部を詳細に示す、部分切断斜視図である。
【図44】本発明による成形工程による、巻かれた縁を伴って湾曲および成形されたガラスの一部を詳細に示す、部分切断斜視図である。
【図45】溝および尖頭を伴う金型表面の一部の切断図を示す、概略図である。
【図46】成形されたガラスが尖頭に触れている、金型の一部の切断図を示す概略図である。
【図47】成形の完了後に尖頭上に静置している、成形されたガラスを詳細に示す、尖頭金型の断面図である。
【図48】フロートガラス生産ラインの生産率に対応する速度でガラス反射器を製造するように適合された生産ラインでガラス反射器を成形するための複数の金型を図示する、概略図である。
【図49】2軸太陽光トラッカー用の電気制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1、図2、および図3は、剛体枠組み100の中で同軸上に担持された大型放物面反射器1を伴う、複数の単位反射器セル34を備える、本発明の現在好ましい実施形態を図示する。図示された実施形態では、27個の単位反射器セル34のアレイが、3つの横列×9つの縦列である長方形のグリッドの中に示されているが、他の構成および配設が、種々の他の構成で配設された複数の集光器とともに使用されてもよい。太陽が日中に空を横断して移動するにつれて、反射器1のアレイを太陽に向ける能力を有することが望ましい。これを達成するために、反射器1の共通軸が、2軸トラッカー107によって太陽に配向される。この例示的実施形態では、平坦な台車101が地上の円形トラック102の上で旋回して、放物面反射器1を支持する枠組み100の方位角回転を提供する。仰角運動は、台車の車輪105より上側にあり、かつ隣接する上車輪104の上の仮想軸110の周囲で旋回する、剛体枠組み100に取り付けられた2つのCリング103によって提供される。仰角リング109用の対角支持材および構造48における斜材が、剛性を提供する。この好ましい実施形態では、単位反射器セル34のアレイ全体によって遮断された太陽光のほぼ全てが、反射器1のそれぞれの各放物面焦点28に送達されるように、放物面反射器1は、そうでなければ失われる反射面積を最小限化するために、角106が切り取られているほぼ正方形または実質的に正方形であり、正方形または長方形の対称の剛体枠組み100の中に配列される。
【0036】
図4および図5は、光起電性発電機4および放物面反射器1の形の変換器を伴う単位反射器セル34の斜視図である。システムに進入する太陽光は、鏡1によって反射される、入射太陽放射または光線2として進入する。鏡1は、この説明図ではボールレンズ5を含む、光起電性発電機4が位置する焦点28に向かって、反射した太陽放射または光線3が方向付けられるように成形される。鏡1は、好ましくは、太陽光2の多くを可能な限り反射し、それを発電機4の場所で集光する、実質的に放物面の反射面を有する。鏡1は、好ましくは、低鉄ガラスの裏面に薄い銀被覆を伴って造形される。しかしながら、好ましくはないが、前面被覆された鏡が代替案として提供されてもよく、代替的な反射被覆が、他の金属または誘電体被覆によってガラス上に使用されてもよい。加えて、鏡は、それでもなお発電機4に向かって太陽光の所望の反射を提供する、代替的材料から加工されてもよい。反射器1は、好ましくは、構成が実質的に放物面であるが、ある程度の性能の劣化を伴う他の曲面が同様に採用されてもよい。平行な入射光線2を焦点28に反射するため、放物面状反射器1が好まれる。入射太陽放射は正確には平行光線2の形ではないため、発電機4が位置する焦点28に光線3を反射させるために、反射面1の代替的形状が利用されてもよい。しかしながら、本明細書で説明される好ましい実施形態の鏡1を備える要素の組み合わせは、費用と性能との間の最適なトレードオフを提供すると考えられる。反射器1が実質的に放物面である、好ましい実施形態では、所望の放物面形状からの反射面の形状の偏差は、1次放物面鏡1の反射面における表面傾斜誤差として特徴付けられてもよく、本発明を十分に活用する任意の変換器は、そのような誤差に対する何らかの許容範囲ならびにトラッカー指向誤差に対する許容範囲を提供するべきである。これは、製造および操作において、ある程度の費用対効果を達成する際に望ましい特徴である。
【0037】
放物面鏡1の焦点28において使用するための光起電性発電機4の形の変換器の実施例が、図5の斜視図に示されている。発電機4は、ボール対物レンズ5を備え、ボール対物レンズ5の周囲で同心円状に位置する複数の2次反射器45を有し、複数の2次反射器45は、図5に示されるように、複数の集光器太陽電池15の上に集光された光を方向付ける。太陽電池15は、太陽放射から直接発電する。図5の発電機、またはこの種類の他の光起電性発電機の構造、機能、および動作は、その開示全体が参照することにより本明細書に組み込まれる、Roger P. Angelによる「Photovoltaic Generator with a Spherical Imaging Lens for Use with a Paraboloidal Solar Reflector」と題された、本願と同時期に出願された出願第12/463,016号でより詳細に説明されている。
【0038】
ボールレンズ5を通過する集光された太陽光3は、2次反射器45が球面レンズ5と同心円状の位置に位置している凹面球状面9上に、1次放物面反射器1の像を形成する。図5は、ボールレンズ5と、バイパスダイオード30と、ほぼ正方形の入力を伴う鏡面フレームの形の2次反射器45のすぐ後に配置された、多数の正方形の太陽電池15とを示すのみである。全ての他の構造は、明確にするために省略されている。複数の太陽電池15は、各電池15によって生産された電力を発電機4からの電気の全体出力に組み入れるように、直列で電気的に一緒に接続される。発電機4は、空気に対する対流冷却のために、ラジエータに送出される水によって電池15を能動的に冷却するシステム(図示せず)を含む。
【0039】
発電機4の重要な側面は、1次放物面鏡1の反射面における表面傾斜誤差に耐える設計のために、全ての太陽電池15にわたる太陽放射3の強度が、トラッカー107の指向誤差に対してボールレンズ5によって安定させられることである。たとえトラッカー107が太陽に直接向けられていなくても、プリズム反射器45への進入時にボールレンズ5によって形成される像の光強度は、比較的一定のままであり、指向誤差の有意な範囲にわたって電池15の全ての平等な照射を提供する。発電機4の別の重要な側面は、誤指向に対する許容範囲をさらに改善し、隣接する電池15の間にかなりの間隙を開ける際の2次反射器45の作用である。隣接する電池15の間に提供される間隙は、光入力または電気および熱出力のいずれか一方を妨害することなく、電池15にごく接近して、バイパスダイオード30の配置および相互接続配線を可能にする。したがって、図5の発電機4は、直列に接続された多くの電池15から高い電力出力を確保するよう、光束安定化によるとともに、強く照射された電池15の接近アレイから廃熱を除去するように、明確な熱経路によっても、本発明の集光器から高い太陽光電力入力を提供する。
【0040】
図2は、図面の平面に対して垂直であり、Cリング103の弧の中心を通過する仰角軸110の方向に沿って見られた図で、図1による剛体枠組み100の仰角支持材および駆動部を図示する。この仰角軸110の周囲での回転は、軸110上の任意の物理的軸受によってではなく、支持車輪104上のCリング103の運動によって画定される。Cリング103は、剛体枠組み100の中の単位反射器セル34の結節点11に連結する、面内支柱109によって固定される。図3は、光軸の方向に沿って見たような、図1による剛体枠組み100を図示し、仰角空間フレーム100に入射する太陽光2の大部分を捕捉するように、実質的に正方形のディッシュ反射器1がどのように剛体枠組みまたは空間フレーム100の中に効率的に密集するかを示す。
【0041】
図4は、発電機4からの廃熱の受動除去のための熱サイフォンの好ましい実施形態を図示する。発電機4における熱は、作動流体を沸騰させ、対角支持ブレイス38の上四半分に位置する空気冷却を伴う対流構造24への熱サイフォン管39に蒸気を上昇させる。図示された好ましい実施形態では、対流構造24は、凝縮された流体が重力によって発電機4に戻るように、仰角軸110の実践で検討される仰角の範囲全体にわたって発電機4より上側の配向のままである。これは、ポンプの追加費用および保守を追加することなく、熱サイフォン管39および対流構造24の中の冷却液の循環のための費用効率的設計を提供する。
【0042】
図6は、衝突の可能性がない完全方位角回転に対する離間距離を可能にするようにサイズ決定された正三角形のグリッドの中に配置された、この実施形態の複数のトラッカーユニット107の好ましい配置を定量的に図示する。突出した高さに対する、突出した水平長さの3の好ましい比は、早朝および夕方前の低い太陽高度における自己遮蔽を最小限化し、また風荷重も最小限化するため、この図示された実施形態で示されるように有利である。南北方向に配向された列を考慮すると、太陽光が真東または真西から来ている時には、tan−1(1/3)=18.4°以上の太陽光仰角で自己遮蔽損失がなく、単位セルの1/3のみが12.3°の太陽光仰角で遮蔽される。図示された配置のための土地面積に対する反射器面積の比は、約25%である。この好ましい実施形態では、全ての反射器1が同一平面上にあり、開放トラス構造100の中にあるため、非常に激しい風の中で、反射器面が水平である天頂に向いた位置にトラッカー107を収容することによって、風荷重が最小限化されてもよい。保守道路112が、1つの方向に2列ごとに配置されて示されている。したがって、好適な方位角および仰角回転によって、前面または裏面の点検のための即時アクセスが、全てのトラッカー107に提供される。
【0043】
本発明の第2の現在好ましい実施形態が、図7に示されている。この代替的実施形態は、剛体枠組み50の中で同軸上に担持された複数の大型放物面反射器1を備えるが、2つの横列51および52ならびに4つの縦列の構成である、8個の単位セル34のより小さいアレイを伴う。反射器1のアレイを太陽に向けるために、反射器1の共通軸が、高度対方位角の軸受を伴う2軸トラッカーによって太陽に配向される。図11に示されるように、方位角運動が、台座マウント67上に設定された垂直軸軸受78および79によって提供される。反射器アレイは、方位角軸受78および79より上側に設定された水平軸仰角軸受58によって仰角で旋回される。
【0044】
図7に示された代替的実施形態では、反射器1は、好ましくは、角が切り取られた略正方形または実質的に正方形であり、各反射器1は、焦点28付近で単位発電機4を支持する措置とともに、正方形の基底の直角柱の形を成す、単位反射器セル34に収納される。(光軸に沿った図である)図11でより明確に示されるように、仰角空間フレーム50は、太陽から見たような輪郭が長方形であり、アレイ全体によって遮断される太陽光のほぼ全てが複数の反射器1の焦点28に方向付けられるように構成される。
【0045】
2つの交互列51および52の前方/後方変位が、図8、図9、および図10に示された仰角軸に沿った図で最も明確に図示されている。図8では、仰角が低く、図9では、仰角が45°であり、図10では、仰角が高い。上列51の前下縁が下列52の後上縁に一致し、共通構造部材53が枠組み50の中に提供されるように、セルの上列51は前方に設定され、下列52は後に位置付けられる。この共通構造部材53は、仰角軸と一致させられ、図7で詳細に示されるように、仰角構造全体の重心の近くを通る。それぞれ、セルの上列52と下列51との間で、前および後補強部材56および57に加えて、仰角空間フレーム50が完成される。前補強部材56は、セルの2つの列51および52の上側前角14を連結し、後補強部材57は、下側後角11を連結する。
【0046】
図7を参照すると、セル34の2つの列51と52とをずらすことによって、空間フレーム50が仰角軸に関して自然に平衡を保たれ、したがって、中心台座67によって効率的に支持される。さらに、仰角で剛体枠組み50を移動または回転させるために必要な力が最小限化される。セル34の交互列51および52の第2の利点は、周囲補強支柱56および57を含む、結果として生じる空間フレーム50の列51および52に対して垂直である断面が、2次元で最大限化されることである。これは、仰角がどのようであっても、中心軸受58の周囲の屈曲に対して高い剛性をもたらす。この実施形態における構造は、上列52に4つの反射器ユニット34と、下列51に4つの反射器ユニット34とを有するが、所与の敷地に所望され、かつ適切な存続風力に応じて、かつ一般的な製造費用に応じて、異なる長さ、例えば、2つまたは6つの交互列が、実践において良好な結果を提供する場合があることも、本開示の便益を有した後に当業者にとって明白になるであろう。例えば、図12は、図7および図11に示されたものと同様である代替的実施形態を図示するが、2つの交互列51および52のそれぞれに6つの反射器ユニット34を伴う。
【0047】
図7および図11に示された実施形態を参照すると、この実施形態における仰角軸軸受58は、中心構造軸上の2つの結節点を介して仰角空間フレーム50に接続し、その詳細は、図11を参照するとより良く説明することができる。軸受58のための空間は、4つの単位反射器セル34の下列51に狭い中心セル59を含むことによって、かつ上列52に狭い中心セル60を含むことによって作成される。図15は、仰角軸受58の端を支持する堅い仰角結節点61および62が、反射器1を支持および連結する剛体空間フレーム50の固有部品として形成されるため、高い構造的効率が達成される方法を示す。明確にするために、図11は、仰角軸受58を支持する支柱のうちのいくつかのみを示す。図15は、仰角軸受58の2つの端が、4つの内側単位反射器セル34の角支柱の交差点において形成される、2つの非常に堅い仰角結節点61および62において支持される方法を詳細に示す。この支持材61および62を強化するために、または仰角軸受58を重心に配置するために、追加鋼鉄部材は必要とされない。例えば図9に示された、連結部材56および57は、2列のセルを強化して、中心台座67上の仰角軸受58の周囲で旋回する、完全仰角構造を完成させる。
【0048】
仰角駆動弧63が図13に示されている。仰角駆動弧63は、2つの下結節点64および65(図9に示される)から狭い中心セル59および60(図7に示される)の一側面に固定して取り付けられ、図8、図9、および図10を比較することによって示されるように、天頂から水平まで90°の範囲にわたって運動を提供する。図示された実施形態では、駆動弧63は、図示された実施形態と同じである、単位セル34の幅および奥行きに等しい半径を有する。
【0049】
図7および図11に示された実施形態の方位角軸受は、固定垂直シャフト66の周囲で旋回する中心台座67の形を成す。軸荷重は、中心台座67の上部分の中、またはシャフト66の最上部に位置付けられた、スラスト軸受78によって受け持たれる。横荷重は、好ましくは、1つはシャフト66の最上部にあり、もう1つは底部にある、2つのプラスチックジャーナル軸受78および79によって受け持たれる。方位角駆動部は、中心台座67の下端に取り付けられた大型360°駆動車輪68を通して作用する。図示された実施形態では、仰角駆動部と同じ大きい半径を伴う駆動車輪68が示されている。しかしながら、本発明は、そのように限定されず、当業者であれば、駆動車輪68の他の半径を使用できることを理解するであろう。
【0050】
図13を参照すると、現在好ましい実施形態における方位角運動のための好ましい駆動部は、図14でより詳細に示される、電気駆動チェーン70によるものである。方位角シャフト66の周囲で空間フレーム50を回転させるために、方位角車輪68の周囲で伸展させられ、それに固定して取り付けられる方位角駆動チェーン70を通して、駆動力が作用する。駆動チェーン70の所望の張力を調整または維持するために、ライダースプロケット車輪74が使用されてもよい。図14に示された、図示された実施形態では、方位角車輪68は、スポーク76によって支持される。仰角駆動弧63(図13に示される)および方位角駆動車輪68は、好ましくは、図14に示されるような湾曲構造チャネル77から、単純に、かつ低費用で構築される。
【0051】
図示された実施形態における仰角運動のための好ましい駆動部は、図13に示されるような、電気駆動チェーン69によるものである。仰角駆動に使用される駆動チェーン69は、図14に示された方位角駆動に使用される駆動チェーン70と同様であってもよい。仰角駆動では、仰角軸受58の周囲で空間フレーム50を回転させるために、仰角弧63の端に取り付けられる仰角駆動チェーン69を通して、駆動力が作用する。仰角チェーン69は、弧63の端に固定して取り付けられる。駆動力は、方位角駆動部について図14に示されたスプロケット車輪71ならびに電気モータおよび歯車箱73と同様に、電気モータおよび歯車箱を通して旋回させられるスプロケット車輪によって、仰角駆動チェーン69に印加される。仰角弧63は、小型トラス75によって支持される。
【0052】
図14に示されるように、電気モータおよび歯車箱73を通して旋回させられるスプロケット車輪71によって、駆動モーメントが方位角駆動チェーン70に印加される。チェーン70の張力を最小限化し、全体的な歯車比を増加させるために、方位角駆動車輪68の半径は大きく作られる。駆動スプロケット71上のチェーン70の係合が120度よりも大きくなるように、少なくとも1つの遊動スプロケット74がチェーン駆動部で必要とされる。このようにして、高トルクにおけるチェーン70上の摩耗、およびチェーン70が駆動スプロケット71の歯の上を滑動する可能性が、両方とも低減される。太陽エネルギー用途では、太陽の移動を追跡するために方位角駆動部および仰角駆動部が動かされる速度が比較的遅く、駆動機構は、高い機械比率低減を利用することができ、より低費用の駆動モータ73の使用を可能にする。スプロケットを伴う従来のチェーン駆動部よりもほぼ1桁大きい、約100対1の好ましい機械比率低減を実践で実現することができる。好ましくは、遊動輪74またはチェーン70の端が、バネ巻き取り機構によって引っ張られる。詳細に示されていないが、当業者であれば、仰角駆動チェーン69が同様の配設によって駆動され、方位角駆動車輪68の半径に大きい半径が提供されるのと同じ理由で、仰角駆動弧63の半径が大きく作られることを理解するであろう。仰角駆動チェーン69は、好ましくは、チェーン69の端に取り付けられたバネ巻き取り機構によって引っ張られる。
【0053】
総合すると、必要な駆動力を低減するための方位角駆動車輪68および仰角駆動弧63の大きい弧半径の使用は、多くのスプロケット歯71と係合するチェーン駆動部とともに、方位角駆動要素および仰角駆動要素の両方の削減された費用、複雑性、およびサイズをもたらす。
【0054】
動作中、剛体枠組み100が入射する太陽放射2の方向に向けられるように、東から西へ太陽の移動を追跡することが望ましい。図49の概略図を参照すると、枠組み100に堅く取り付けられる、光学太陽追跡センサ121から導出される仰角および方位角誤差信号に合わせて、トラッカー107がサーボ作動させられた場合に、正確な太陽光指向が達成されてもよい。好ましい形態の太陽追跡センサ121は、シリコンクアッドセルより上側のピンホールに太陽光を通過させることによって照射される、シリコンクアッドセルを備える。好ましくは、配向は、太陽光を必要としない重力および磁界センサ122によっても感知される。図49は、コンピュータ120に接続されたセンサ121および122からの信号を概略的に図示する。コンピュータ120からの駆動制御信号は、インターフェース125によって駆動力に変換され、電力は、方位角ケーブル124によって方位角駆動モータ73に、仰角ケーブル123によって仰角駆動モータ73に運ばれる。
【0055】
好ましくは、太陽に向かった枠組み100の配向は、重力および磁界を読み取るトランスデューサ122から絶対指向データを提供するセンサを参照することによって、曇天条件下で維持され、したがって、台座土台40の定着、チェーン69または70の伸展、または強い定常風による屈曲からの誤差を回避する。代替として、各個別トラッカー107のGPS座標に基づき、かつコンピュータ120に提供される正確な時間および日付の情報を利用して、太陽の位置を計算するために、従来の望遠鏡駆動アルゴリズムが採用されてもよい。精度は、必要であれば、太陽光が利用可能である時に太陽追跡センサ121によって位置が示されている状態で、太陽の計算された位置を同期化することによって改善することができ、そのような同期化は、台座土台40の定着、チェーン69または70の伸展、または強い定常風による屈曲からの誤差に効果的に対処することができる。コンピュータ120に方位角情報および仰角情報を提供するエンコーダを含む、従来の望遠鏡GOTOシステムと同様である従来のコンピュータ制御された駆動システムが、正しい方向に剛体枠組み100を向けるため、および太陽の移動を追跡するために使用されてもよい。図49に示された説明図は概略的であるにすぎず、駆動電気機器は枠組み100または別の場所に取り付けられてもよいことを理解されたい。好ましくは、方位角および仰角駆動モータ73ならびに能動冷却システム(もしあれば)に対する電力は、無停電電源によって与えられる。好適な電源は、蓄電池と併せて使用されてもよい、上列の狭い中心セル60の太陽に対面する側面を覆って光起電性変換器を提供することによって得られてもよい。
【0056】
この実施形態の方位角軸受を支持する好ましい台座が、図11および図12の断面図で示されている。台座は、例えば、従来の台車搭載オーガによって地面42に穿設されてもよい、穴41の中に延在する、溶接された三角形の鋼鉄トラス40の形を成す。代替として、穴は、当業者に公知の多数の従来の手段によって掘削されてもよい。トラスまたは柱40の挿入後、穴41は、好ましくは、セメント結合剤を使用せずに、砕石または採掘からの表土等の安価な乾燥材料43を使用して埋め戻される。穴およびトラスの寸法は、強風の中での存続を確実にするよう、乾燥材料がトラス40から相対集中荷重を受け持ち、はるかに広い面積の土壌42にそれを伝達するようにサイズ決定される。そのはるかに低い費用および二酸化炭素排出量により、コンクリートの代わりに非接着石が好まれる。当然ながら、当業者であれば、コンクリートの典型的により高い費用が、特定の用途において許容することができれば、そのような材料を使用できることを理解するであろう。トラッカー駆動部111が、剛体枠組み100を位置付けるために、太陽光トラッカー121と、加速度計および/または頻繁に再較正または同期されるセンサ等の絶対センサとを使用するため、台座40のある程度のわずかな定着運動が容認可能であり、台座40の初期配置の低い精度が許容されてもよい。代替として、当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他のトラス土台設計が使用されてもよいことを理解するであろう。
【0057】
図16、図17、および図18は、図12に図示されるディッシュアレイ111の実施形態の好ましい配置を示す。図16は、図6に図示されたレイアウトと同様である、衝突の可能性がない完全方位角回転の離間距離を可能にする、正三角形のグリッドを平面図で示す。比較的小型の柱載置ユニットは、整地または敷地造成をほとんど必要としない。これらは、傾斜地ならびに平地の上、または不整形区画の中での設置のために、有利に好適である。
【0058】
好ましい寸法
好ましい実施形態の設計における重要な検討事項は、特に費用が重要な要素であるため、1次放物面反射器1のサイズおよび製造である。本発明は、反射器1のサイズの最適化を含む。裏面が銀めっきされた構造ガラスで作られた反射器1については、約3メートル(3m)のサイズが、略最適サイズとして好まれる。このサイズは、従来のフロート工程によって製造される平面ガラスの単一モノリスから作製することができる、最大の船積み可能なサイズであるため、好まれる。このサイズにおける一体反射器1は、本発明による追跡反射器システムの単位面積あたりの最低費用を提供してもよい。
【0059】
動作中、好ましくは、単位面積あたりの最低総費用を得るように、約3mサイズの複数のディッシュ発電機ユニット34が各トラッカー107上に載置される。各正方形反射器1は、約9m2の反射面積を有する。1000W/m2の公称太陽束および94%の反射率について、各変換器ユニット4に送達される公称太陽光電力は、約8.5kWである。
【0060】
厚さ4mmのガラスの3mガラス反射器1を有する、最適な2軸トラッカー107の好ましい実施形態用の鋼鉄の支持構造100は、実践において満足できる性能を提供するべきである。27個の反射器1の実施形態について、固定トラックを含む全システム用の鋼鉄の質量は、収集面積の1平方メートルあたり34kgであり、たわみは、天頂を指す時に最大0.1°である。8個の反射器1の実施形態について、固定台座を含む全マウント107用の鋼鉄の質量は、収集面積の1平方メートルあたり25kgであり、天頂を指す時の最大たわみは、0.06°である。
【0061】
単位反射器/変換器セルの好ましい構造設計の詳細
本発明の好ましい実施形態は、構成要素として、複数の単位反射器セル34を使用する。単位反射器セル34は、焦点領域28にエネルギーを方向付ける反射ディッシュ1と、ディッシュ1を支持し、焦点領域28付近で精密な配列で変換器ユニット4を担持する、機械構造とを備える。機械構造の主要な要素は、断面および端面が、好ましくは、図19および図20に図示されるように正方形または六角形である、直角柱の形のトラスである。図19は、上記で説明される好ましい実施形態で採用されるような、正方形の断面を伴う単位セル34を示し、図20は、六角形の断面を有する代替的な単位セル34を示す。実質的に正方形(図19)または六角形(図20)の皿状鏡1は、以下で説明される、ディッシュ支持構造によって、下プリズム面の角11から支持される。ディッシュ軸7は、ディッシュの中心または頂点6を通過する。1次コレクタのわずかのみを覆い隠す、コンパクトな変換器4は、上側に位置し、ディッシュ軸7上に中心があり、部材13によって上プリズム面の上角14から支持される。上面は、部材10によって形成されるものと同じサイズであり、それに並行している。上面および下面の両方は、ディッシュ軸7上に位置する。変換器4は、ディッシュ軸7上に中心があり、好ましくは、中心軸方向変換器支持部材18の下端で支持される。変換器支持部材18は、好ましくは、上角14から対角張力要素17によって支持される。4つ(図19)または6つ(図20)の垂直要素16が、上下の正方形を連結する。好ましくは、プリズムの側面は、対角要素48によって固定される。ガラス支持トラス12は、構造の底部側を閉鎖し、ならびに1次放物面反射器1を支持する。
【0062】
変換器支持材18の同心円状配置は、熱サイフォン24によって受動的よりもむしろ、能動的に送出された冷却液によって廃熱が除去される、実施形態に適切である。能動冷却システムでは、図19または図20の発電機4の真上、または対角支持材17および18に沿ったパイプが到達する、入射太陽光を覆い隠さない別の場所に位置してもよい、熱交換器を通して、冷却液が循環させられる。
【0063】
反射器ディッシュ1の最も好ましい実施形態は、開放鋼鉄トラスに取り付けられる、フロートガラスの単一の沈下し、裏面が銀めっきされた反射器である。トラスの十分に離間した上結節点のクレードルは、接着パッドを通して、重力および風力に対して大空間規模でガラス反射器1の形状を保つ。下結節点は、主要仰角枠組み100の単位セル34の下角11に荷重を伝達する。
【0064】
銀めっきされたガラス反射器1を角支持材11に連結するガラス支持トラス12は、任意の所与の実施形態におけるガラス反射器1のサイズ、形状、および厚さに従って最適化される。ガラス1の厚さは、雹害に抵抗する必要性によって、大型サイズに決定される。トラフ熱システムで使用される、4つの支持パッド上の厚さ4mmの裏面が銀めっきされたメートルサイズのパネルは、実践で満足できる結果を出している。本発明のより大型の反射器ディッシュ1について、約4mmの厚さを有するガラス反射器1は、重力および風力下の屈曲が光像を有意に劣化させないように最適に分布した、より多数の支持材を必要とする。好ましくは、大型の深い開放トラスの一部である支持点が、ガラス反射器1に使用され、最小質量および材料費で最大全体剛性を提供する。
【0065】
図21に示された、好ましい統合反射器設計は、実質的に正方形で裏面が銀めっきされたガラス反射器1と、支持反射器枠組みとを備える。図22は、ガラス反射器1を載せる16個の反射器支持点86、87、および88を明示する、ガラス反射器1が除去されている反射器枠組みまたはトラス95を示す詳細斜視図である。平面図の図23では、これらは、4×4パターンでほぼ正方形のデカルトグリッドを形成する。反射器トラス95は、その基部96における、単位反射器セル34の4つの下角点11への取付のために設計される。単位セル34の4つの基部支柱10は、基部平面に4つの三角形を形成するように、基部中心81で交わる2つの基部斜材80と結合する。3つの角度付き支柱82は、上結節点83がガラス反射器1用のクレードルを形成する主要結節点である、4つの4面体を形成するように、各該三角形の角から立ち上げられている。5つの他の主要上結節点84および85は、基部斜材80から上方に延在し、基部平面に対して垂直である81と84とを接続する中心部材97を共有する、2つの平面枠組みの角において形成される。これらの直交枠組みは、基部中心81を上結節点85に接続する、4つの対角部材98によって固定される。図23は、台車ビームならびに鏡支持部86、87、および88の上部構造のみを詳細に示す、平面図である。16個のクレードル支持点は、4つの内側支持部86と、8つの中間支持部87と、4つの外側角支持材88とを備える。内側の4つおよび外側の4つのクレードル点86および88はそれぞれ、結節点84、85、および90を通って延在するクレードル支柱89上に位置する。支柱91の端における結節点83および90は、中間支持材87を支える。
【0066】
図24は、有限要素分析によって計算されるような、図21、図22、および図23に図示された好ましい枠組みによって支持されたガラス反射器1のたわみを示す。たわみは、1.7mの焦点距離を伴う3.3mの正方形の放物面反射器1について計算された。ガラス1は、厚さ4mmであり、縁が25mmの半径で90度まで巻き戻されている。支持トラスは、0.6mの中心深さでモデル化され、支柱が2インチの直径および0.015インチの壁厚さの丸い鋼鉄管から作製された。断面積および慣性モーメントが同様であれば、他の断面も同様に機能し得る。図24を参照すると、計算された実施例のトラス重量は、平均して、支持されるガラスの1平方メートルあたり3.5kgとなる。この鋼鉄の面密度は、4mmの厚さで10.1kg/m2のガラス面密度よりも有意に小さい。したがって、完成した3mの反射器アセンブリの重量は、厚さ4mmのガラスで13.6kg/m2である。この実施例について計算された軸方向重力荷重(または同等に30mphの公称風荷重)下のたわみは、図24に図示されている。表面にわたる等高線図は、荷重によって引き起こされたたわみ角の変化を示す。図24は、0.05ラジアンのたわみ角偏差を有する等高線92を示す。大部分が支持パッドの近くの剪断たわみによって引き起こされる、たわみ角の偏差は、表面の大部分にわたって、等高線Bによって印付けられたレベルである0.1ミリラジアン未満に達する。等高線Aは、0.05ラジアンのたわみ角偏差に対応する。表面全体にわたって平均すると、ディッシュによって反射された平行光線の90%が、直径0.2度の像の範囲内に収まる一方で、全ての光は、0.4度の直径内に位置する。
【0067】
大型の一体深皿状ガラス反射器の好ましい製造方法
最初は平坦なガラス板を成形することによって凹面一体反射器1を生産する、好ましい工程動作の順序は、図25、図26、図27、図28、図29、および図30で順序通り概略的に図示されている。工程動作はまた、図31、図32、図33、および図34の順序でも斜視図で図示されている。図25は、工程の開始時に平坦である、ガラス板200を示す。図26および図31は、金型201より上側に配置した後の平坦な板200を示す。金型201は、実質的に凹面の表面204と、巻かれた縁203とを有する。ガラス板200は最初に、ヒンジ連結されたL字形支持材202によって一時的に把持される、その角から、金型201より上側で支持される。図27および図32は、軟化および伸展ステップの始めを図示する。ガラス板214の温度は、好ましくは、ガラス板214より上側の熱面207からの放射加熱によって上昇させられる。好ましくは、放射面207は、実質的に連続的であり、高い放射率を有する。好ましくは、ガラス214が受ける放射温度は、低い熱慣性の可変温度ラジエータ207を使用することによって、または異なる温度の金型201と放射面207との間に相対運動を提供することによって、急速に上昇または低下させることができる。好ましくは、温度はまた、金型201を横断する空間位置の機能として変動させることもでき、例えば、ガラス板214の縁211をガラス板214の中心よりも柔らかくするために、放射面207の中心領域の温度と比較して、より高い温度が放射面207の縁208の周囲に提供される。凹面ディッシュ212へのガラス板200の成形を駆動するために、重力が独占的に使用されてもよいが、金型201の形状212にガラス板200を一致させる工程は、圧力によって、例えば、上側から方向付けられる高温ガス噴射によって、または真空ポンプ等の別の様式で生成される圧力差によって加速されてもよい。
【0068】
ガラス板212は、図33で示されるように、金型201の縁または側面203に沿って広範囲に接触するほどたわみ、ガラス212が、図28に図示された形状を有すると、角支持材202は、図34に示されるように除去されてもよい。この段階で、図28に示されるように、ガラス縁211を所望の巻き形状に圧迫し、湾曲させるように、縁成形ツール210が、ガラス板212の外縁211と機械的に接触させられてもよい。また、図27に示されるように、いったんガラス板214が金型201の湾曲周囲203に対して一致し、密閉すると、金型201より下側の空気圧を低減することによって、皿形212へのたわんだガラス板214の成形を加速させるか、あるいは制御することが望ましくてもよい。この目的で、図27に示されるように、下側に真空マニホールド205を伴い、かつマニホールド205と流体連通している表面の穴206を有する、金型201が構築されてもよい。次いで、成形工程は、穴206を通して空気を引き下ろし、ポンプ機能によって通気口209を通して空気を引き出すことにより、マニホールド205の中の空気を低減することによって加速されてもよい。
【0069】
いったんガラス212が金型201の本体およびその縁203にわたって接触し、したがって、金型の形状を帯びると、急速冷却が開始される。図29は、ガラス212の上面から、ガラス212の表面よりもはるかに低温の吸収性黒色表面213への放射によって達成される、工程を図示する。ガラス212の表面にわたる冷気の強制対流もまた、冷却ステップを加速するために使用されてもよい。いったんガラス212が短期処理のために十分堅くなるように十分冷却されると、好ましくは、焼鈍および冷却し、成形される次のガラス片200のために金型201を空にするために、図30に示されるように金型201から除去される。次いで、ガラス片212は、強制空気対流によって、加速した速度で室温に冷却されてもよい。
【0070】
金型201は、図36の斜視切断図で示されるような成形面を作る、精密機械加工プレートのモザイクオーバーレイがある、図35の平面図に示された下層構造枠組みを伴って構築されてもよい。金型201の好ましい材料は、AISI 304ステンレス鋼である。図35に示された正方形の金型201用のエッグクレート型構造枠組み215が、強度および剛性のために接合結節点で一緒に溶接される、同一形状のプレート215のスロット付き相互係止配列から作られる。その上方でガラス板200の縁が巻かれる、金型周囲203は、好ましくは、丸い管から作られ、構造枠組み215に溶接される。管の半径は、成形される巻かれた縁211の半径となるように選択される。周囲管203は、図4に示されるようなガラス反射器1を生産するように、示されるような正方形の角または切り取られた角を有してもよい。図35および図36を参照すると、オーバーレイ成形面217は、支持エッグクレート構造215に堅く取り付けられる、複数の別個に機械加工され、ひずみが緩和されたセグメント217から組み立てられてもよい。代替として、金型面は、単一部品として機械加工される、スピンまたはハイドロフォーム加工された一体ディッシュから1部品で形成されてもよい。この部品は、図35に示されたもののように支持枠組み215上に載置する前に、必要に応じて、ひずみが緩和され、再機械加工されてもよい。金型ディッシュのセグメント217または一体単一部品は、位置付けデバイス(図示せず)の形を成す支持材によって枠組み215に取り付けられてもよい。これらのデバイスは、図示されていないレーザトラッカー等の計測デバイスを用いて、セグメントを整列させるために使用される。
【0071】
図37、図38、図39、および図40は共に、下方に揺れ動くことができるが、半径方向内向きに動かないように、反射器軸に対して垂直な水平軸236の周囲でヒンジ連結される、角支持材202の作用を図示する。この拘束方法は、ガラス板214が軟化してたわむにつれて、ガラス214が伸展することを確実にし、したがって、深いディッシュ212の中へたわんだ時に、圧縮フープ座屈ひずみによって単純に支持された板200にしわが寄る傾向を回避する。角支持材202およびそれらの動作の詳細は、図37、図38、図39、および図40を参照して説明されてもよく、その全ては、支持材を通る対角線に沿って得られた垂直断面を示す。図37は、ガラス板200の軟化の前の角支持材202を示す。支持材は、金型201に取り付けられるブラケットと、ガラス200の角を把持し、かつヒンジ236の周囲で旋回する、ヒンジ連結されたL字形部品238とを備える。図37は、ヒンジ連結された部品238の中で適所にある、実質的に平坦なガラス板200を示す。図38は、ガラス214が部分的にたわみ、伸展された時の支持材202を図示する。図39は、支持材202が依然として適所にある状態で、完全にたわんで伸展され、金型201の本体全体に触れている時のガラス212を示す。図40は、支持材202の把持L字形部品238の除去後の適合しているガラス212を示す。ガラス212の軟化した縁219は、金型201の湾曲縁203を覆って屈曲し始めている。
【0072】
縁巻きツール210の動作は、図41、図42、図43、および図44の順序で斜視図に示されている。図41は、その管周囲203を有する金型プレートセグメント217の一部の切断図、および金型201より上側に構えられている縁巻きツール210の切断図である。図40および図42は、部分的に沈下した縁219がそれ自体の重量でたわむことによって形成される、依然として高温で柔らかい、沈下ガラス板212の切り抜きを示す。図43は、巻かれた縁211を形成するためにガラス212と密接に圧迫接触する、縁ツール210を示す。図44は、ガラス212の出来上がった巻かれた縁211を示す。巻かれたガラス縁211の鏡面反射質は重要ではないため、成形ツールは、従来の平滑な機械加工仕上げを有してもよい。
【0073】
図45に図示された、1つの好ましい実装では、金型201は、金型表面との接触によるガラス212の鏡面反射裏面の損傷を最小限化するために、溝付き表面外形218を伴って作製される。成形プレート217の表面は、尖頭221において交差する隣接凹面溝220を作成するように、ボールエンドミルツールの通過によって最終機械加工される。尖頭表面外形222は、ガラス212が採用する形状を画定する。典型的には、金型201は、反射器1の局所形状の+/−10ミクロン以内に機械加工される。成形中、図46に示されるように、軟化したガラス板212は、尖頭221の線に接触し、それらの間に架橋し、尖頭の頂点における表面形状によって画定されるような全体形状を成す。複製の天然忠実度が優れているため、沈下ガラス212は、溝の間隔よりも大きい空間規模で金型201の形状を採用し、より小規模で最初のフロートガラス200の天然平滑性および鏡面反射を保存する。
【0074】
図47に示された、ガラスと金型との接触の詳細図では、ガラス212が尖頭221の間でわずかに下垂し224、その場合、下垂深度は、接触滞留時間および沈下温度におけるガラスの粘度に依存する。成形工程は、ガラス212が金型211の尖頭に軽く触れて、尖頭上に静置する前に、自由に伸展し、たわむことによって、皿形状212が大部分は形成されるように最適化される。金型201にわたって接触が行われるとすぐに、尖頭の間の継続的な下垂を防止する急速冷却が開始される。このようにして、ガラス212の損傷が尖頭221に沿った小さいくぼみの狭い線に限局され、金型201の摩耗が最小限化される。この工程で、尖頭221における接触損傷およびガラス212の結果として生じるくぼみによる表面傾斜誤差から散乱する、失われた正味の収集面積は、平均して全ガラス表面積のわずか0.25%となることが分かっており、実践では、1〜3センチメートルの範囲の間隔を有する溝221の間で下垂するためのたわみ角は、典型的に0.1度rms未満である。
【0075】
本発明の尖頭金型表面218のさらなる利点は、接触線221の面積が極めて小さいため、成形の熱サイクル中に金型201からガラス212への直接熱伝導が最小限化されることである。金型201の最小限の加熱は、温度勾配によって引き起こされる形状の反りが最小限化されることを確実にする。別の利点は、凹面のくぼみ220も、微粒子汚染物を収集する領域220を提供し、沈下中に微粒子が尖頭221と同一平面にならないようにし、それにより、そうでなければ金型201の表面220上の突出粒子によって引き起こされたかもしれないガラス212のくぼみを低減する。
【0076】
接触損傷を最小限化する第2の好ましい代替案では、ガラス212と金型201との間の直接接触を防止するために、エアクッションが使用される。好ましい実装は、金型表面より下側に二重マニホールドを有する。一方のマニホールドが加圧される一方で、他方のマニホールドは真空にされる。加圧されたマニホールドがエアクッションに空気を供給する一方で、真空マニホールドは、加圧空気を運び去り、全体的な下方への圧力を確保する。この代替的実施形態では、クッションは、間に排出穴を伴って、1〜4センチメートル離間している。
【0077】
沈下金型201への熱伝達は、好ましくは、熱サイクリングを最小限化するように、かつAISI 304ステンレス鋼の温度サイクリングの間、800℃の臨界酸化物スケール限度を十分下回って金型201上の温度を保つように、ガラス成形熱サイクル中に最小限化される。成形プレートセグメントの内側および金型201にわたる内部温度勾配は、好ましくは、適正かつ一貫した形状を有するガラス212を複製するよう、反り傾向を低減するように最小限化される。金型201は、好ましくは、吸収を最小限化するために、ガラス212によって伝達および放出される熱放射に対する高い反射率のために被覆される。金型の面板または面シートの残余弓状変形は、剛体枠組みを横断して位置する締結具によって抑制される。ガラス板200が所望のディッシュ構成212に成形された後、金型面は、次のガラス板200を成形するために使用される前に、強制空気対流によって熱平衡状態にされ、好ましい開始温度に戻される。下層構造は、成形のわずかな放射被曝中に、効果的に無熱のままであり、有意な熱歪曲を受けない。
【0078】
金型の反射率を増加させるための好ましい方法は、最大で400℃の温度で数ヶ月使用した後に高い反射率を維持する、10〜50ミクロンの対摩耗性、高反射性で、均一に厚く、頑強で高密度の金属膜で表面を被覆することである。電解または無電解めっき、スパッタリング、プラズマおよび溶射、蒸着、およびこれらの方法の組み合わせ等の、被覆方法が好まれる。好ましいめっき金属は、クロム、ニッケル、および金、白金、ロジウム等の貴金属、ならびにニッケル・クロム、ニッケルをドープしたリン、プラチナ・ロジウム、およびプラチナ・イリジウム等の耐熱合金を含む。
【0079】
可能な限り最低の費用で非常に多数のガラス反射器1を供給するために、上記で説明されるガラス成形および裏面銀めっき工程は、好ましくは、ガラス生産量全体が太陽光反射器1の形となる、フロートガラス工場に組み込まれる。フロートガラス工場に統合するために必要とされる速度での成形工程を提供する、本発明による自動連続工程が、図48で概略的に示されている。フロートガラス231は、溶解炉およびスズフロート槽230から引き出され、そこでガラスは、コンベヤシステム232上に約600℃のリボン231として出現する。ここで、フロートガラス231は、依然として高温である間に正方形の板200に切断される。生産ラインにおける成形ステップの前に高温ガラス231を板200に切断する、1つの好ましい方法は、全ての切断方法の中で最も古く、最も安価である、スコーリングおよび破断によるものである。これは、切断される領域中で全体的または局所的のいずれかで、ガラス231が約350℃を下回る脆化温度に冷却されることを要求する。切断するためだけにガラス231を冷却する必要性を回避する、代替的な好ましい方法は、レーザ切断である。高温ガラスリボン231の高速切断のための好適な高エネルギーレーザシステムは、Chuiの米国特許第3,885,943号、Chuiの米国特許第3,930,825号、およびFrenchの米国特許第3,934,995号で開示されており、その全ては参照することにより本明細書に組込まれる。
【0080】
切断装置233(例えば、レーザ切断デバイスまたはスコーリングおよび破断デバイス)を使用してガラスリボン231から切断される、実質的に平坦な切断された板200は、角クランプ202による角からの取扱を可能にする剛性まで冷却される。いったんクランプ202によって把持されると、板200は、沈下金型201より上側に位置付けられる。次いで、金型201および板200は、成形トンネル207に進入し、そこで、800℃から1200℃の範囲の温度の拡張黒体からの強力な放射エネルギーがガラス200の頂面に衝打し、たわんだガラス板214をもたらす下垂温度まで急速に引き上げる。上記ですでに説明されているステップによる、高温ガラスの成形は、高温トンネル内で行われる。ガラスを形状212にたわませ、伸展させ、成形するステップは、重力によって迅速に達成され、所望であれば、圧力の印加によって加速される。縁成形ツール210は、板の角クランプ202の除去後の角における縁を含む、巻かれた縁211を形成する。成形が完了した後、ガラス212は冷却トンネル213に進入し、そこで、対流および熱の放射の両方によって、放射を吸収する低温表面まで迅速に冷却される。その形状を保つのに十分な剛性を回復するほど冷却されると、形成されたガラス212は、その金型201から除去され、焼鈍および冷却のためにガラス212を移動させるコンベヤライン213に移送される。金型201は、循環させられ235、生産ラインに再導入される。
【0081】
生産ライン234のはるか下流の端では、好ましくは、低放出建築用窓の製造においてフロートガラス上に銀および誘電体層を堆積させるために使用されるものと同様である、真空プラズマ支援工程によって、銀が塗布される。従来の鏡の加工の実践後、ガラス212の銀表面および前縁が、好ましくは、同様にプラズマ堆積によって、銅フィルム酸化障壁で上塗りされる。最後に、銅フィルムおよび鏡の縁は、耐候性ポリマーシールで粉体塗装される。出来上がったガラス反射器1は、積層可能であり、トラッカー107およびエネルギー変換器4と統合するため、およびソーラーファーム敷地に設置するために積層され、出荷されてもよい。
【0082】
フロートガラスの代替的実施形態では、ガラスリボン231は、切断装置233によって切断された後、1つの生産ラインが故障した、または動作が減速した場合に、継続的な生産を確実にするように、2つ以上の成形ラインに投入される。加えて、全ての成形ラインが故障した場合に、平坦なガラス板200を冷却し、包装するように、別個の分岐が提供されてもよい。ガラス板200は、オフラインで成形するために保管されてもよい。
【0083】
フロートガラス工場で対応可能な全生産率で連続生産を支援するために必要とされる、金型201の数および生産ラインの長さは、各金型201のサイクル時間に依存する。例えば、このサイクル時間が200秒であり、処理される新しい板200が10秒ごとにスズフロート槽230から出現する工程では、20個の金型201が一度に使用されていなければならない。本発明の製造工程は、金型のサイクル時間を最小限化し、したがって、生産ライン上で使用中の金型201の数および設備のサイズを最小限化するように設計される。金型のサイクル時間は、大部分は熱平衡および熱伝達係数によって設定される。例えば、ガラス214を加熱し、軟化させるステップに関与する、熱平衡および熱伝達時間、ならびに、伸展し、熱平衡し、金型201から解放することができるようにガラス212を剛体にするよう冷却するために必要とされる時間が、金型のサイクル時間に影響を及ぼす因子となる。
【0084】
ガラス板200を成形するために到達される温度は、比較的短い時間でたわみおよび伸展を達成する必要性によって決定される。重力下でガラスが皿形状212に伸展する速度を決定するために、たわみとともに失われる重力ポテンシャルエネルギーは、粘性のあるガラスを伸展させることによって消散したエネルギーと等しい。例えば、その角202で締め付けられ、ガラスの膜型伸展によって、それ自体の重量でたわんでいる正方形の板200について、ほぼ以下のように、中心におけるたわみ深度「s」が時間「t」および粘度「η」の立方根とともに増加することを示す。
【0085】
s=(cgρx4t/η)1/3 (1)
式中、「c」は、定数(約0.044)であり、「g」は、重力による加速度であり、「ρ」は、ガラス密度であり、「x」は、金型支持材の間の平均径間長であり、「η」は、剪断粘度である。500〜750℃の温度範囲の典型的な市販のソーダ石灰ガラスの剪断粘度は、η=ηoexp(B/T)として絶対温度Tとともに変動し、式中、ηo=1.6×10−18ポアズおよびB=5.8×104Kである。650℃から750℃の間の好ましい成形温度範囲については、粘度は、4.3×109ポアズ(650℃)から9×106ポアズ(750℃)に低下する。
【0086】
3.1平方メートルの好ましい反射器の具体的な寸法の例として、上記の方程式から中心で好ましい深度s=0.795mまでたわむ時間は、710℃で約20秒であり、10度ずつの温度変化について2の因数だけ変動する。したがって、工程の上側温度は、710℃の領域中となる。極端な場合には、1分間の取扱における歪曲は、500℃未満の温度でごくわずかなレベルまで低減される。
【0087】
本発明で説明される工程では、これらの温度の間の加熱および冷却は、大部分が放射伝達によって達成される。加熱のためには、これらの温度における熱放射が大部分はガラスによって吸収されるため、800〜1200℃の実質的に連続的な黒体からの放射が好まれる。したがって、厚さ4mmのガラス板200は、片側で900℃の黒体から放射によって50秒間、1200℃の黒体から20秒間、室温から710℃の平均温度まで加熱されてもよい。ガラス200は、加熱の開始時により熱く、より少ない時間が必要とされる。
【0088】
急速放射加熱後、ガラス214は、はるかに熱く、したがって、加熱側で粘度が低い。ソーダ石灰ガラス板にわたる伝導による平衡のための時定数は、3mmの厚さに対して約19秒、4mmの厚さに対して約34秒、5mmの厚さに対して約53秒である。ガラス212が金型形状を帯び、縁211が巻かれる際に、ある程度の平衡が好まれる。成形が完了すると、ガラス212は、4mmの板については約50秒かけて、低温吸収面213への放射によって約710℃から500℃に冷却され、その後、除去前に平衡のために500℃で約30秒続く。
【0089】
順序通りに行われる上記の操作による、4mmの厚さのガラスを成形するための金型サイクルは、例えば、900℃の放射による加熱のための約50秒、たわませるための20秒、平衡、金型への定着、および縁の成形のための30秒、放射冷却のための50秒、除去前の平衡のための30秒、および再装填のために金型201を戻すのに60秒といった、合計で240秒を含んでもよい。10秒のガラスサイクル時間にわたって、24個の金型が一度に使用中であり、熱処理部分である、高温成形および冷却は、180秒かかる。4メートルの金型間の分離、したがって、0.4m/秒のライン速度について、成形ラインの長さは、約72メートルとなる。
【0090】
上記の大量工程の進展中、ガラス反射器1は、積み重ねられた低温ガラス板200から、より遅い速度にてオフラインで製造されてもよい。初期段階は異なり、低温ガラス板200が安全に取り扱われ、破損を伴わずに沈下金型201に運ばれることを要求する。低温板200は、低応力状態において数mm以内でガラス200をすべてにおいて平坦に保つ、多重カップ真空揚力固定具を伴う垂直積層から選ばれる。次いで、板200は、水平に旋回させられ、処理フレーム上の角グリップ202を使用して角から把持される。真空処理固定具は、板200を取り外すように解放され、ガラスは、その把持状態でわずかに弛緩する。板装填手順および非平行移動角グリップ202は、最大引張応力を3.5MPaの安全限度以下に保つ。
【0091】
このようにして処理フレームに装填されるガラス板200は、約500℃のピーク温度までの従来の予熱トンネルを通して搬送される。そこから、その処理フレームを使用するガラス板200は、図26のように、成形金型201と噛合され、工程は、前述のように継続する。
【0092】
当業者であれば、本開示の便益を有した後に、本明細書で説明される実施形態に修正および変更が行われてもよいことを理解するであろう。全て本発明の範囲および説明から逸脱することなく、変更が製造工程のステップに行われてもよく、追加ステップが追加されてもよく、異なる材料が置換されてもよく、同等の特徴が使用されてもよい。本開示は、ある現在好ましい実施形態および実施例のみを記載しており、本発明の範囲内に包含される全ての変化例および実施形態を説明する試行は行われていない。したがって、本発明の範囲は、本明細書に添付の請求項によって定義され、上記の説明で記載される具体的実施例に限定されない。
(項目1)
太陽エネルギーシステムで一体反射器ディッシュとして使用するためのガラス反射器を製造する方法であって、
金型を覆って位置付けられるフロートガラスの板を加熱するステップと、
前記金型に実質的に一致するように、前記フロートガラスを湾曲した皿形状に形成するステップと、
前記皿型フロートガラスの周囲に構造補強穴縁を作成するように、前記フロートガラスの縁を巻くステップと、
使用可能なエネルギーへの太陽エネルギーの変換のために前記太陽エネルギーを焦点に反射させるように動作する、一体反射器ディッシュを形成するように、前記皿型フロートガラス上に反射面を作成するステップと
を含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽エネルギーシステムで一体反射器ディッシュとして使用するためのガラス反射器を製造する方法であって、
成形されているガラス板に対応する金型の動作面に尖頭溝を有する金型を覆って位置付けられる、フロートガラスの板を加熱するステップであって、前記溝は、ガラスから金型への熱伝導を最小限化する、ステップと、
前記ガラスの前面または裏面のいずれか一方の光学平滑性を有意に低下させることなく、前記ガラス板をたわませ、伸展させることによって、前記金型の前記動作面上の前記尖頭溝に実質的に一致する湾曲した皿形状に、前記フロートガラス板を形成するステップと、
前記皿型フロートガラスの周囲に構造補強穴縁を作成するために、前記反射器サイズのガラス片が依然として柔らかく、凹面ディッシュが成形されている間に、前記フロートガラスの縁を巻くステップと、
使用可能なエネルギーへの太陽エネルギーの変換のために前記太陽エネルギーを焦点に反射させるように動作する、一体反射器ディッシュを形成するように、前記皿型フロートガラス上に反射面を作成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記加熱するステップは、急速放射加熱を含む、請求項1に記載のガラス反射器を製造する方法。
【請求項3】
前記フロートガラスの板は、その角が横方向運動に対して拘束されている間に加熱される、請求項2に記載のガラス反射器を製造する方法。
【請求項4】
成形されている前記ガラス片に近接する前記動作金型表面は、加熱中に熱放射束に対して極めて反射性となるよう被覆される、請求項1に記載のガラス反射器を製造する方法。
【請求項5】
前記フロートガラスの板は、その角が横方向運動に対して拘束されている間に加熱される、請求項4に記載のガラス反射器を製造する方法。
【請求項6】
急速放射冷却によって前記ガラス板を冷却するステップをさらに含む、請求項2に記載のガラス反射器を製造する方法。
【請求項7】
急速放射冷却によって前記ガラス板を冷却するステップをさらに含む、請求項4に記載のガラス反射器を製造する方法。
【請求項1】
太陽エネルギーシステムで一体反射器ディッシュとして使用するためのガラス反射器を製造する方法であって、
成形されているガラス板に対応する金型の動作面に尖頭溝を有する金型を覆って位置付けられる、フロートガラスの板を加熱するステップであって、前記溝は、ガラスから金型への熱伝導を最小限化する、ステップと、
前記ガラスの前面または裏面のいずれか一方の光学平滑性を有意に低下させることなく、前記ガラス板をたわませ、伸展させることによって、前記金型の前記動作面上の前記尖頭溝に実質的に一致する湾曲した皿形状に、前記フロートガラス板を形成するステップと、
前記皿型フロートガラスの周囲に構造補強穴縁を作成するために、前記反射器サイズのガラス片が依然として柔らかく、凹面ディッシュが成形されている間に、前記フロートガラスの縁を巻くステップと、
使用可能なエネルギーへの太陽エネルギーの変換のために前記太陽エネルギーを焦点に反射させるように動作する、一体反射器ディッシュを形成するように、前記皿型フロートガラス上に反射面を作成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記加熱するステップは、急速放射加熱を含む、請求項1に記載のガラス反射器を製造する方法。
【請求項3】
前記フロートガラスの板は、その角が横方向運動に対して拘束されている間に加熱される、請求項2に記載のガラス反射器を製造する方法。
【請求項4】
成形されている前記ガラス片に近接する前記動作金型表面は、加熱中に熱放射束に対して極めて反射性となるよう被覆される、請求項1に記載のガラス反射器を製造する方法。
【請求項5】
前記フロートガラスの板は、その角が横方向運動に対して拘束されている間に加熱される、請求項4に記載のガラス反射器を製造する方法。
【請求項6】
急速放射冷却によって前記ガラス板を冷却するステップをさらに含む、請求項2に記載のガラス反射器を製造する方法。
【請求項7】
急速放射冷却によって前記ガラス板を冷却するステップをさらに含む、請求項4に記載のガラス反射器を製造する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【公表番号】特表2011−520159(P2011−520159A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509579(P2011−509579)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/043381
【国際公開番号】WO2009/140176
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(510299569)アリゾナ ボード オブ リージェンツ オン ビハーフ オブ ユニバーシティー オブ アリゾナ (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/043381
【国際公開番号】WO2009/140176
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(510299569)アリゾナ ボード オブ リージェンツ オン ビハーフ オブ ユニバーシティー オブ アリゾナ (3)
【Fターム(参考)】
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