説明

定電圧発生回路および定電圧発生方法

【課題】負荷となる利得可変増幅回路の負荷電流が増加するような場合であっても、所望の定電圧を出力可能な定電圧発生回路を提供する。
【解決手段】定電圧発生回路の出力回路として、あらかじめ定めた値まで低減した低出力インピーダンスの回路構成とするために、1ないし複数個のトランジスタTF1,TF2,TF3を並列接続してなるエミッタフォロア回路を用いる。トランジスタTF1,TF2,TF3の並列接続数を、負荷となる利得可変増幅回路で流れる負荷電流の電流レベルに応じた任意の値に設定する。また、出力回路に、出力電圧微調整用のトランジスタTE1,TE2,TE3またはダイオードを、エミッタフォロア回路と電源電圧端子との間に、出力電圧の微調整レベルに応じて1ないし複数個挿入する。エミッタフォロア回路用または出力電圧微調整用のトランジスタとして、バイポーラトランジスタまたは電界効果型トランジスタのいずれかを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路における、定電圧発生回路および定電圧発生方法に関し、定電圧を内部発生する回路に関し、特に、差動増幅を行う利得可変回路(VGA:Variable Gain Amplifier)内の定電流源に対して定電圧信号VCSを供給する定電圧発生回路および定電圧発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
差動電圧信号の利得を可変にして増幅する利得可変増幅回路(VGA:Variable Gain Amplifier)として、図5に示すブロック構成が知られている。図5の増幅器においては、単一の利得可変増幅回路(VGA)10について示しているが、複数の利得可変増幅回路(VGA)10を多段に接続した構成も可能である。図5において、差動入力電圧信号Vinが利得可変増幅回路(VGA)10に入力されると、利得可変増幅回路(VGA)10から出力される増幅後の差動出力電圧信号Voutは、出力電圧レベルのモニタリングを行うために、自動利得制御回路(AGC:Automatic Gain Controller)20に入力される。自動利得制御回路(AGC)20では、利得可変増幅回路(VGA)10に対する利得制御信号VGCを生成し、利得可変増幅回路(VGA)10に対して出力する。
【0003】
利得可変増幅回路(VGA)10は、自動利得制御回路(AGC)20からの利得制御信号VGCと参照電位生成回路(RGC)30からの参照電位REFとの差分に応じた電流を利得可変増幅回路(VGA)10の差動対11に対して供給するように制御することによって、目的とする電圧レベルの差動出力電圧信号Voutを出力する。
【0004】
一般に、利得可変増幅回路(VGA)10は、図5に示すように、入力された差動入力電圧信号を可変に増幅するための差動対11、差動対11の利得を調整する利得調整回路12、差動対11に定電流を供給する定電流源13を備えており、自動利得制御回路(AGC)20からの利得制御信号VGCと参照電位生成回路(RGC)30からの参照電位REFとは、利得調整回路12に対して供給され、差動対11の利得を調整し、目的の電圧レベルの差動出力電圧信号Voutを出力する。
【0005】
また、定電流源13は、定電圧発生回路(CVG:Constant Voltage Generator)40Aが発生する一定電圧の定電圧信号VCSをゲート電圧として入力することにより、電源電流として一定の電流を差動対11に対して供給するように構成されている。
【0006】
次に、利得可変増幅回路(VGA)10の具体的な回路構成について、その一例を図6を用いて説明する。図6は、利得可変増幅回路(VGA)10の回路構成の一例を示す回路図である。なお、図6の利得可変増幅回路(VGA)10の回路構成は、本出願人らが先に出願した回路構成の一例を示すものであるが、非特許文献1に示すMamoru Oharaらによる“High Gain Equalizing Amplifier Integrated Circuits for a Gigabit Optical Repeater”,IEEE Journal of Solid-State Circuits,vol.SC−20,No.3、pp.703−707(1985)にも類似の回路構成が記載されている。
【0007】
図6に示す利得可変増幅回路(VGA)10の回路構成は、図5に示すブロック構成と同様、差動入力電圧信号を増幅する差動対11、差動対11の利得を調整する利得調整回路(GCA)12および差動対11に定電流を供給する定電流源13を備えて構成される。図6において、符号の頭文字が“T”で始まる回路素子(部品)はバイポーラトランジスタ、“R”で始まる回路素子(部品)は抵抗である。また、端子VCCはコレクタ側電源電圧端子、端子VEEはエミッタ側電源電圧端子、端子VIT/VICは差動対11への差動入力電圧端子(差動増幅回路への入力電圧信号を差動電圧として入力する差動入力端子)、端子VOT/VOCは差動出力電圧端子(差動増幅回路からの出力電圧信号を差動電圧として出力する差動出力端子)である。
【0008】
図6に示すように、差動対11は、第一の増幅用トランジスタT1と第一のコレクタ抵抗(負荷抵抗)R1と第一の一のエミッタ抵抗(エミッタ接続用抵抗)R3、第一の二のエミッタ抵抗(エミッタ接続用抵抗)R5を含む第一の増幅回路11a、第二の増幅用トランジスタT2と第二のコレクタ抵抗(負荷抵抗)R2と第二の一のエミッタ抵抗(エミッタ接続用抵抗)R4、第二の二のエミッタ抵抗(エミッタ接続用抵抗)R6を含む第二の増幅回路11b、の2つの増幅回路からなり、2組ずつのエミッタ抵抗により2組の差動対が形成され、双方が差動増幅動作を行う差動増幅回路として形成されている。
【0009】
なお、第一・第二の増幅用トランジスタT1・T2それぞれのコレクタには第一・第二のコレクタ抵抗R1・R2の一端がそれぞれ接続され、第一の増幅用トランジスタT1のエミッタには、第一の一のエミッタ抵抗R3、第一の二のエミッタ抵抗R5の一端が並列接続され、第二の増幅用トランジスタT2のエミッタには、第二の一のエミッタ抵抗R4、第二の二のエミッタ抵抗R6の一端が並列接続される。また、第一・第二のコレクタ抵抗R1・R2の他端は、コレクタ側電源電圧端子VCCに接続される。
【0010】
また、利得調整回路12は、2組の差動増幅動作(つまり、2組のエミッタ抵抗R3,R5とR4,R6との組み合わせによる差動動作)を行う第一・第二の増幅回路11a・11bを含んで構成された差動対11に対して、それぞれのコレクタが差動対11の互いに異なる組の2個の増幅回路11a・11bそれぞれに接続され、エミッタが共通接続されて定電流源13に接続された第一の利得調整用トランジスタT3と第二の利得調整用トランジスタT4とを備えて構成される。
【0011】
つまり、利得調整回路12は、自動利得制御回路(AGC)20からの利得調整信号VGCをベース端子に入力する第一の利得調整用トランジスタT3と、参照電位生成回路(RGC)30からの参照電位REFをベース端子に入力する第二の利得調整用トランジスタT4と、の差動対からなっている。第一・第二の利得調整用トランジスタT3・T4のエミッタは共通接続されて、定電流源13に接続され、第一の利得調整用トランジスタT3のコレクタには、差動対11の第一の一・第二の一のエミッタ抵抗R3・R4それぞれの他端が並列接続され、第二の利得調整用トランジスタT4のコレクタには、差動対11の第一の二・第二の二のエミッタ抵抗R5・R6それぞれの他端が並列接続される。
【0012】
また、定電流源13は、定電圧発生回路(CVG)40Aからの定電圧信号VCSをベース端子に入力する定電流制御用トランジスタT7と、該定電流制御用トランジスタT7のエミッタに一端が接続され、他端がエミッタ側電源電圧端子VEEに接続されたエミッタ抵抗R7とからなっており、定電流制御用トランジスタT7のコレクタには、利得調整回路12の第一・第二の利得調整用トランジスタT3・T4の双方のエミッタが共通に接続されることにより、定電圧発生回路(CVG)40Aからの定電圧信号VCSにより制御された一定電流が、利得調整回路12を介して、差動対11に対して供給される。
【0013】
ここで、第一・第二の利得調整用トランジスタT3・T4それぞれのベースに印加される自動利得制御回路(AGC)20の利得調整信号VGCと参照電位生成回路(RGC)30の参照電位REFとの差分の値に応じて、差動対11の第一の増幅回路11aと第二の増幅回路11bとのそれぞれに内蔵された2組の差動対(つまり2組のエミッタ抵抗)が切り替えられたり、定電流源13からの電流が双方に分かれて流れたりすることにより、差動対11は異なる利得(増幅率)で動作して、差動対11の差動入力電圧端子VIT/VICに入力された差動入力電圧信号Vinを、異なる利得(増幅率)で増幅して、差動出力電圧信号Voutとして差動出力電圧端子VOT/VOCから出力する。
【0014】
例えば、第一の利得調整用トランジスタT3がon状態、第二の利得調整用トランジスタT4がoff状態のときは、第一の一・第二の一のエミッタ抵抗R3・R4のみに定電流源13からの電流が流れ、第一の二・第二の二のエミッタ抵抗R5・R6には流れないことから、利得可変増幅回路(VGA)10の利得は、第一・第二のコレクタ抵抗R1・R2の抵抗値と第一の一・第二の一のエミッタ抵抗R3・R4の抵抗値と第一・第二の増幅用トランジスタT1・T2のトランスコンダクタンスgmとによって、差動対11の利得が定まり、差動入力電圧端子VIT/VICに入力された差動入力電圧信号Vinは、該利得で増幅されて、差動出力電圧信号Voutとして差動出力電圧端子VOT/VOCから出力される。
【0015】
逆に、第一の利得調整用トランジスタT3がoff状態、第二の利得調整用トランジスタT4がon状態のときは、第一の二・第二の二のエミッタ抵抗R5・R6のみに定電流源13からの電流が流れ、第一の一・第二の一のエミッタ抵抗R3・R4には流れないことから、利得可変増幅回路(VGA)10の利得は、第一・第二のコレクタ抵抗R1・R2の抵抗値と第一の二・第二の二のエミッタ抵抗R5・R6の抵抗値と第一・第二の増幅用トランジスタT1・T2のトランスコンダクタンスgmとによって、差動対11の利得が定まり、差動入力電圧端子VIT/VICに入力された差動入力電圧信号Vinは、該利得で増幅されて、差動出力電圧信号Voutとして差動出力電圧端子VOT/VOCから出力される。
【0016】
なお、第一・第二の利得調整用トランジスタT3・T4のon/off状態の切り替えは、前述したように、それぞれのベースに印加される自動利得制御回路(AGC)20の利得調整信号VGCと参照電位生成回路(RGC)30の参照電位REFとの差分の値によって決まるものであり、両者の差分の値が十分に大きいときは、第一・第二の利得調整用トランジスタT3・T4のいずれか一方のみがonの状態、他方がoffの状態となり、前述したように、第一の一・第二の一のエミッタ抵抗R3・R4の抵抗値、または、第一の二・第二の二のエミッタ抵抗R5・R6の抵抗値のいずれかに切り替えられて、差動対11における利得Gが定まる。
【0017】
しかしながら、第一・第二の利得調整用トランジスタT3・T4それぞれのベースに印加される自動利得制御回路(AGC)20の利得調整信号VGCと参照電位生成回路(RGC)30の参照電位REFとの差分の値が十分には大きくない場合は、両者の差分の値に応じた比率で、第一・第二の利得調整用トランジスタT3・T4それぞれに定電流源13からの電流が分かれて流れる。ここで、第一・第二の利得調整用トランジスタT3・T4それぞれに流れる電流は、定電圧発生回路(CVG)40Aからの定電圧VCSにより電流値が一定量に制御される定電流源13からの電流であるので、両者の電流の和は常に一定である。
【0018】
このように、両者の差分の値が十分には大きくない場合は、本利得可変増幅回路(VGA)10の利得は、第一の利得調整用トランジスタT3が完全なon状態、第二の利得調整用トランジスタT4が完全なoff状態のときの利得と、第一の利得調整用トランジスタT3が完全なoff状態、第二の利得調整用トランジスタT4が完全なon状態のときの利得との間の中間的な値を取ることになる。
【0019】
以上から、第一・第二の利得調整用トランジスタT3・T4それぞれのベースに印加される自動利得制御回路(AGC)20の利得調整信号VGCと参照電位生成回路(RGC)30の参照電位REFとの差分の値を調整することによって、図6の利得可変増幅回路(VGA)10の利得を、連続的に変化させることが可能となる。
【0020】
つまり、増幅用の入力信号となる差動入力電圧信号Vinを、差動対11(すなわち差動増幅回路)を形成する第一・第二の増幅用トランジスタT1・T2のベースに差動入力電圧端子VIT/VICを介して印加すると、差動対11の利得を調整するための利得調整信号VGCとして第一の利得調整用トランジスタT3のベースに印加された電圧の大きさと第二の利得調整用トランジスタT4のベースに印加された参照電位REFの大きさとの差分の値に応じて、差動対11(すなわち差動増幅回路)の利得を広範囲に変化させて、第一・第二の増幅用トランジスタT1・T2のコレクタつまり差動出力電圧端子VOT/VOCから増幅後の差動出力電圧信号Voutとして出力する動作を行うことができる。
【0021】
次に、差動対11に一定の電流を供給する定電流源13の動作を制御するために、定電流制御用トランジスタT7のベースに定電圧信号VCSを印加する定電圧発生回路40Aの内部構成について、図7を用いて説明する。図7は、従来の定電流源13へ制御電圧として一定電圧を供給する定電圧発生回路40Aの回路構成を示す回路図である。
【0022】
図7に示すように、定電圧発生回路40Aは、第一、第二の電圧分割抵抗RD1,RD2と電圧微調整用トランジスタTD1とから構成されており、第一の電圧分割抵抗RD1の一端は、コレクタ側電源電圧端子VCCに接続され、他端は、電圧微調整用トランジスタTD1のコレクタに接続されている。また、第二の電圧分割抵抗RD2の一端は、電圧微調整用トランジスタTD1のエミッタに接続され、他端は、エミッタ側電源電圧端子VEEに接続されている。
【0023】
また、電圧微調整用トランジスタTD1のベースは、当該電圧微調整用トランジスタTD1のコレクタに接続されるとともに、定電流源13を構成する定電流制御用トランジスタT7のベース端子に接続されている。ここで、電圧微調整用トランジスタTD1は、コレクタ側電源電圧端子VCCとエミッタ側電源電圧端子VEEとの間の電源電圧を第一、第二の電圧分割抵抗RD1,RD2の抵抗値に応じて一定の比率で分割した分割電圧を微調整して、定電流源13に対して供給するためのダイオードとして機能している。
【0024】
定電圧発生回路40Aについてさらに説明すれば、定電圧発生回路40Aの電圧微調整用トランジスタTD1と定電流源13の定電流制御用トランジスタT7とは、同じ向きの電流を流すように作用する一種のカレントミラー回路を形成しており、定電圧発生回路40Aの第一、第二の電圧分割抵抗RD1,RD2を流れる電流と、定電流源13の定電流制御用トランジスタT7からエミッタ抵抗R7へ流れる電流とは、同じ向きで、ほぼ等しい電流値の一定電流が流れるように構成されている。
【非特許文献1】Mamoru Oharaら;“High Gain Equalizing Amplifier Integrated Circuits for a Gigabit Optical Repeater”,IEEE Journal of Solid-State Circuits,vol.SC−20,No.3、pp.703−707(1985)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
図7に示す従来の定電圧発生回路40Aの場合は、出力インピーダンスが、第二の電圧分割抵抗RD2によってほぼ決定されてしまうため、次段の負荷回路として例えば図6に示す利得可変増幅回路(VCA)10が複数接続されて、定電流源13が複数個並列に接続されたりした場合等においては、負荷回路の定電流源13に対する入力電流が増加し過ぎる場合が発生し、定電圧発生回路40Aの出力端において電圧降下が生じてしまい、定電圧信号VCSとして所望の定電圧値を供給することができなくなってしまうという問題がある。
【0026】
特に、バイポーラ系のトランジスタによって定電流源13や定電圧発生回路40Aを構成した場合には、負荷側の定電流源13の定電流制御用トランジスタT7のコレクタ電流(負荷電流)Iloadに応じて、定電流制御用トランジスタT7のベース側にも対応するベース電流Ib(=β/Iload:βは定電流制御用トランジスタT7の利得)が、電圧微調整用トランジスタTD1のコレクタ電流Ic1から分流して流れてしまうため、第二の電圧分割抵抗RD2に流れる電流が、ベース電流Ibの電流値によって変動してしまい、定電圧発生回路40Aから出力される定電圧信号VCSが、所望の一定電圧としての定電圧を出力することが困難になる。
【0027】
つまり、図7に示す従来の定電圧発生回路40Aの場合は、出力インピーダンスが高いために、負荷回路である定電流源13に対する入力電流(つまり、負荷電流Iload)が増加し過ぎると、定電圧信号VCSの電圧降下が生じてしまい、所望の定電圧値を供給することができないという問題がある。
【0028】
かくのごとき従来の定電圧発生回路40Aの特性を、すなわち、定電圧発生回路40Aの負荷側の定電流源13に流れる負荷電流Iloadの変化に対する、定電圧発生回路40Aの出力電圧つまり定電圧信号VCSの変動の様子を、図8に示す測定回路を用いて測定した結果について、図9に示す。図8は、負荷回路に対する入力電圧つまり定電圧発生回路40Aの出力電圧の変化を測定する測定回路を示し、図9は、従来の定電圧発生回路40Aの出力電圧つまり定電圧信号VCSと負荷電流Iloadとの関係を示す特性図である。
【0029】
図9に示すように、定電圧発生回路40Aの出力電圧である定電圧信号VCSは、負荷側の定電流源13に流れる負荷電流Iloadの増加に比例して直線的に急激に電圧低下していき、例えば、負荷側の定電流源13に全く負荷電流Iloadが流れていない状態では、定電圧信号VCSとして1.20Vの出力電圧があったものが、定電流源13に1mA程度の負荷電流Iloadが流れると、定電圧信号VCSの電圧は、1.05Vまで大幅に低下してしまい、所望の定電圧を出力することができなくなってしまう。
【0030】
本発明は、かくのごとき問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、定電圧発生回路の出力インピーダンスをあらかじめ定めた低い値に設定する回路構成を採用することにより、負荷側に複数の定電流源13を並列接続した場合などのように、負荷電流が増加するような場合であっても、定電圧信号VCSとして所望の定電圧を出力することが可能な定電圧発生回路および定電圧発生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明は、前述の課題を解決するために、以下のごとき各技術手段から構成されている。
【0032】
第1の技術手段は、利得を可変にして差動増幅を行う利得可変増幅回路に対して定電圧信号を供給する定電圧発生回路において、出力インピーダンスをあらかじめ定めた値まで低減した低出力インピーダンスの回路構成を用いることを特徴とする。
【0033】
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の定電圧発生回路において、低出力インピーダンスの前記回路構成として、出力回路をエミッタフォロア回路によって構成することを特徴とする。
【0034】
第3の技術手段は、前記第2の技術手段に記載の定電圧発生回路において、前記エミッタフォロア回路が、該エミッタフォロア回路用のトランジスタを1ないし複数個並列接続してなることを特徴とする。
【0035】
第4の技術手段は、前記第3の技術手段に記載の定電圧発生回路において、前記エミッタフォロア回路用のトランジスタの並列接続数を、負荷側の前記利得可変増幅回路において流れる負荷電流の電流レベルに応じた任意の値に設定することを特徴とする。
【0036】
第5の技術手段は、前記第2ないし第4の技術手段のいずれかに記載の定電圧発生回路において、前記出力回路として、出力電圧微調整用のトランジスタまたはダイオードを、前記エミッタフォロア回路と電源電圧端子との間に1ないし複数個挿入することを特徴とする。
【0037】
第6の技術手段は、前記第5の技術手段に記載の定電圧発生回路において、前記エミッタフォロア回路と電源電圧端子との間に挿入する前記出力電圧微調整用のトランジスタまたはダイオードの接続個数を、電圧の微調整レベルに応じた任意の値に設定することを特徴とする。
【0038】
第7の技術手段は、前記第1ないし第6の技術手段のいずれかに記載の定電圧発生回路において、前記エミッタフォロア回路用および前記出力電圧微調整用のトランジスタとして、バイポーラトランジスタまたは電界効果型トランジスタのいずれかを用いることを特徴とする。
【0039】
第8の技術手段は、利得を可変にして差動増幅を行う利得可変増幅回路に対して定電圧信号を供給する定電圧発生方法において、出力インピーダンスをあらかじめ定めた値まで低減することを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
本発明の定電圧発生回路および定電圧発生方法によれば、出力インピーダンスを低く抑える回路構成を採用しているので、負荷側の電子回路例えば利得可変増幅回路における負荷電流が増大した場合であっても、定電圧発生回路から供給する出力電圧の変動を抑制して、定電圧を供給することを可能とし、もって、出力電圧の変動耐性に優れた回路を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下に、本発明に係る定電圧発生回路および定電圧発生方法の最良の実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0042】
(本発明の特徴)
本発明の実施例の説明に先立って、本発明の特徴について、まず説明する。本発明は、特に、差動入力電圧信号を可変の利得率で差動増幅する利得可変増幅回路用として定電圧を内部発生する定電圧発生回路に関し、あらかじめ定めた値にまで低出力インピーダンス化を図った定電圧発生回路および出力インピーダンスをあらかじめ定めた値まで低減する定電圧発生方法に関するものであり、低出力インピーダンス化を図るための一例として、出力回路としてエミッタフォロア回路を接続した回路構成を採用することに、その特徴がある。
【0043】
従来の定電圧発生回路においては、図9に示したように、定電流源13の負荷回路に大きな負荷電流が流れると、定電圧発生回路40Aの出力電圧つまり定電圧信号VCSに大きな電圧降下が生じ、所望の定電圧を供給することができなくなるという課題があった。
【0044】
しかし、本発明による定電圧発生回路においては、出力インピーダンスをあらかじめ定めた値にまで低く抑えて設定することにより、負荷側に流れる負荷電流の影響を緩和することができるため、たとえ、負荷電流が増加するような場合であっても、当該定電圧発生回路から出力される定電圧信号VCSの電圧変動を抑制することができ、所望の定電圧を供給することができるという効果が得られる。
【0045】
(本発明の全体構成例)
次に、本発明による定電圧発生回路を適用する電子回路の回路構成の一例について、図1を用いて説明する。本実施例における定電圧発生回路は、従来技術として図5、図6にて説明した場合と同様に、差動電圧信号の利得を可変にして増幅する利得可変増幅回路(VGA)10内の定電流源13に対して定電圧を供給する回路として適用される場合を説明するものである。
【0046】
ここで、利得可変増幅回路(VGA)10のブロック構成は、図1に示すように、従来技術において図5に示したブロック構成とは異なり、定電流源13へ定電圧信号VCSを供給する定電圧発生回路を、図5の定電圧発生回路40Aの代わりに、あらかじめ定めた値にまで低出力インピーダンス化を図った定電圧発生回路40を用いている場合を示しているが、その他の回路ブロックについては、図5の従来の場合と全く同様である。図1は、本発明による定電圧発生回路(CVG:Constant Voltage Generator)40を適用した利得可変増幅回路(VGA:Variable Gain Amplifier)10のブロック構成を示すブロック構成図である。
【0047】
つまり、図1に示す定電圧発生回路(CVG)40は、利得可変増幅回路(VGA)10の定電流源13に供給すべき定電圧信号VCSをあらかじめ定めた値の低インピーダンスで出力するように構成されているものである。なお、図1の増幅器においては、単一の利得可変増幅回路(VGA)10について示しているが、複数の利得可変増幅回路(VGA)10を多段に接続した構成も可能である。
【0048】
図1において、差動入力電圧信号Vinが利得可変増幅回路(VGA)10に入力されると、利得可変増幅回路(VGA)10から出力される差動出力電圧信号Voutが、図5の従来の増幅器の場合と同様、自動利得制御回路(AGC)20に入力される。自動利得制御回路(AGC)20では、利得可変増幅回路(VGA)10に対する利得制御信号VGCを生成し、利得可変増幅回路(VGA)10に対して出力するとともに、該利得制御信号VGCと比較すべき参照電位REFを参照電位生成回路(RGC)30にて生成して、利得可変増幅回路(VGA)10に対して出力する。
【0049】
利得可変増幅回路(VGA)10は、自動利得制御回路(AGC)20からの利得制御信号VGCと参照電位生成回路(RGC)30からの参照電位REFとの差分に応じた電流を利得可変増幅回路(VGA)10の差動対11に対して供給するように制御することによって、目的とする電圧レベルの差動出力電圧信号Voutを出力する。
【0050】
一般に、図1に示すように、利得可変増幅回路(VGA)10は、図5の場合と同様、入力された差動入力電圧信号Vinを可変に増幅するための差動対11、差動対11の利得を調整する利得調整回路12、差動対11に定電流を供給する定電流源13を備えており、自動利得制御回路(AGC)20からの利得制御信号VGCと参照電位生成回路(RGC)30からの参照電位REFとが、利得調整回路12に対して供給され、差動対11の利得を調整するとともに、定電圧発生回路(CVG)40からの定電圧信号VCSが定電流源13に供給されて、差動対11に対して、定電流源13から定電流を供給することによって、目的の電圧レベルの差動出力電圧信号Voutを出力する。
【0051】
次に、本発明に係る定電圧発生回路(CVG)40を適用した利得可変増幅回路(VGA)10の具体的な回路構成について、その一例を図2を用いて説明する。図2は、本発明に係る定電圧発生回路(CVG)40を適用した利得可変増幅回路(VGA)10の回路構成の一例を示す回路図である。
【0052】
図2に示す利得可変増幅回路(VGA)10の回路構成については、本発明に係る定電圧発生回路(CVG)40を定電流源13の定電流制御用トランジスタT7のベースに接続している回路部分を除く他の回路部は、図6にて従来技術として示した回路構成と全く同一であり、利得可変増幅回路(VGA)10としての動作についても、定電流源13へ供給される定電圧信号VCSが、図6の定電圧発生回路(CVG)40Aからではなく、本発明の定電圧発生回路(CVG)40から供給される点を除けば、図6において説明した通りであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0053】
(本発明に係る定電流発生回路の実施形態)
次に、本発明に係る定電流発生回路(CVG)40の構成例について図3を用いて説明する。図3は、本発明に係る定電流発生回路(CVG)40の回路構成の一例を示す回路図であり、定電流源13へ制御電圧として一定電圧を供給する回路構成例を示している。
【0054】
図3に示すように、定電圧発生回路40は、第一、第二の電圧分割抵抗RD1,RD2と第一、第二の電圧微調整用トランジスタTD1,TD2と、出力回路を形成する第一、第二、第三のエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3とエミッタ抵抗RF1と第一、第二、第三の出力電圧微調整用トランジスタTE1,TE2,TE3とから構成されている。つまり、図3の定電圧発生回路40は、図7に示す従来の定電圧発生回路40Aに対して、出力回路として、電流利得が高く、かつ、あらかじめ定めた値の低出力インピーダンスを実現するエミッタフォロア回路と該出力回路用の電圧レベルを微調整するための第一、第二、第三の出力電圧微調整用トランジスタTE1,TE2,TE3とが追加されて構成されている。なお、電圧微調整用トランジスタとして、図7の従来の定電圧発生回路40Aでは、電圧微調整用トランジスタTD1の1個のトランジスタのみであったが、図3の定電圧発生回路40においては、第一、第二の電圧微調整用トランジスタTD1,TD2と2個のトランジスタを用いている場合を示している。
【0055】
図3の定電圧発生回路40において、第一の電圧分割抵抗RD1の一端は、コレクタ側電源電圧端子VCCに接続され、他端は、第一の電圧微調整用トランジスタTD1のコレクタに接続されている。また、第二の電圧分割抵抗RD2の一端は、第二の電圧微調整用トランジスタTD2のエミッタに接続され、他端は、エミッタ側電源電圧端子VEEに接続されている。
【0056】
また、第一の電圧微調整用トランジスタTD1のエミッタと第二の電圧微調整用トランジスタTD2のコレクタとが接続され、第一の電圧微調整用トランジスタTD1のベースは、当該第一の電圧微調整用トランジスタTD1のコレクタに接続されるとともに、出力回路を形成する第一、第二、第三のエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3それぞれのベースに接続され、一方、第二の電圧微調整用トランジスタTD2のベースは、当該第二の電圧微調整用トランジスタTD2のコレクタに接続されている。
【0057】
なお、本実施例においては、出力回路を形成する第一、第二、第三のエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3それぞれのベースに接続する電圧微調整用トランジスタとして、第一の電圧微調整用トランジスタTD1の場合を示しているが、第一の電圧微調整用トランジスタTD1のベースおよびコレクタではなく、電圧レベルの微調整方向如何に応じて、第二の電圧微調整用トランジスタTD2のベースおよびコレクタを接続するようにしても良い。
【0058】
つまり、第一、第二の電圧微調整用トランジスタTD1,TD2は、コレクタ側電源電圧端子VCCとエミッタ側電源電圧端子VEEとの間の電源電圧を第一、第二の電圧分割抵抗RD1,RD2の抵抗値に応じて一定の比率で分割した分割電圧を微調整して、出力回路を形成する第一、第二、第三のエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3それぞれのベースに対して供給するために直列接続されたダイオード群として機能している。
【0059】
また、定電圧発生回路40の出力回路を形成する第一、第二、第三のエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3は、それぞれのベース、エミッタ、コレクタを互いに共通接続した、並列接続型エミッタフォロア回路用のトランジスタ群を形成しており、それぞれのベースは、前述のように、第一の電圧微調整用トランジスタTD1のベースおよびコレクタに接続されている。
【0060】
また、第一、第二、第三のエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3のそれぞれのコレクタは、第一、第二、第三の出力電圧微調整用トランジスタTE1,TE2,TE3のエミッタそれぞれが共通接続された接続点に接続されている。また、第一、第二、第三のエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3のそれぞれのエミッタは、エミッタ抵抗RF1の一端に接続されるとともに、定電流源13を構成する定電流制御用トランジスタT7のベース端子に接続されている。なお、エミッタ抵抗RF1の他端は、エミッタ側電源電圧端子VEEに接続されている。
【0061】
また、第一、第二、第三のエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3とともに、定電圧発生回路40の出力回路を形成する第一、第二、第三の出力電圧微調整用トランジスタTE1,TE2,TE3についても、第一、第二、第三のエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3の場合と同様、それぞれのベース、エミッタ、コレクタを互いに共通接続した、並列接続型ダイオードとしてのトランジスタ群を形成している。つまり、それぞれのコレクタは、それぞれのベースに接続されるとともに、コレクタ側電源電圧端子VCCに接続され、一方、それぞれのエミッタは、前述のように、第一、第二、第三のエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3のコレクタそれぞれが共通接続された接続点に接続されている。
【0062】
以上のように、図3の定電圧発生回路40は、出力回路として第一、第二、第三のエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3とエミッタ抵抗RF1とからなるエミッタフォロア回路により構成されているので、コレクタ側電源電圧端子VCCとエミッタ側電源電圧端子VEEとの間の電源電圧を第一、第二の電圧分割抵抗RD1,RD2の抵抗値に応じて分割した分割電圧を、第一、第二の電圧微調整用トランジスタTD1,TD2および第一、第二、第三の出力電圧微調整用トランジスタTE1,TE2,TE3のダイオード群により微調整して、定電圧信号VCSとして、あらかじめ定めた値の低出力インピーダンスで、定電流源13に供給することが可能である。したがって、たとえ、負荷側の可変利得増幅回路10を多数縦列接続した場合のように、負荷側の負荷電流が著しく増加するような場合であっても、定電圧信号VCSの電圧変動を引き起こす可能性を大幅に低減することが可能であり、定電流源13からは安定した定電流が差動対11に対して供給されることにより、可変利得増幅回路10から所望の利得の差動出力電圧信号Voutを出力することが可能となる。
【0063】
かくのごとき定電圧発生回路40の特性を、すなわち、定電圧発生回路40の負荷側の定電流源13に流れる負荷電流Iloadの変化に対する、定電圧発生回路40の出力電圧つまり定電圧信号VCSの変動の様子を、従来の定電圧発生回路40Aの測定回路として前述した図8に示す測定回路を用いて測定した結果について、図4に示す。図4は、本発明に係る定電圧発生回路として、図3に示すエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3を3個並列接続した場合の定電圧発生回路40の出力電圧つまり定電圧信号VCSと負荷電流Iloadとの関係を示す特性図である。
【0064】
図4に示すように、定電圧発生回路40の出力電圧である定電圧信号VCSは、負荷側の定電流源13に流れる負荷電流Iloadの増加に比例して若干電圧低下していくものの、あらかじめ定めた値の低出力インピーダンスの定電圧発生回路40においては、例えば、負荷側の定電流源13に全く負荷電流Iloadが流れていない状態で、定電圧信号VCSとして1.18Vの出力電圧となる場合において、定電流源13に1mA程度の負荷電流Iloadが流れた場合であっても、定電圧信号VCSの電圧は、1.16Vと、僅か0.02V程度低下するだけで、高々1.7%程度の電圧変動に抑えることができるので、出力インピーダンスが高い従来の定電圧発生回路40Aの場合とは異なり、負荷電流Iloadが大幅に増加したとしても、所望の定電圧を出力することができる。
【0065】
なお、図3に示す本実施例の定電圧発生回路40においては、第一、第二、第三のエミッタフォロア回路用トランジスタTF1,TF2,TF3として3個のトランジスタを並列接続した場合について説明したが、並列接続するエミッタフォロア回路用トランジスタの個数を増加すればするほど、出力インピーダンスを低減することが可能であり、負荷回路側で流れる負荷電流Iloadの電流レベルに応じて、エミッタフォロア回路として並列接続するエミッタフォロア回路用トランジスタを1ないし複数個のうち任意の個数を選択して接続することにより、負荷電流Iloadの如何によらず、所望の電圧レベルの定電圧信号VCSを、定電流源13に的確に供給することが可能となる。
【0066】
また、電圧微調整用のダイオード群を形成するために、第一、第二の電圧分割抵抗RD1,RD2の間に挿入される第一、第二の電圧微調整用トランジスタTD1,TD2や、電源電圧端子(コレクタ側電源電圧端子VCCまたはエミッタ側電源電圧端子)とエミッタフォロア回路との間に挿入される第一、第二、第三の出力電圧微調整用トランジスタTE1,TE2,TE3の接続個数についても、電圧の微調整レベルに応じて、1ないし複数個のうち任意の個数を選択して接続するようにしても良い。
【0067】
(その他の実施例)
前述の実施例においては、図1に示すように、差動電圧信号の利得を可変にして増幅する利得可変増幅回路(VGA)10に用いられる、定電流源13に対して、定電圧を供給する定電圧発生回路(CVG)40として好適に適用されるものであるが、定電流源13への定電圧信号VCSのみならず、参照電位REFを利得調整回路12に供給する参照電位生成回路(RGC)30として適用するようにしても良い。また、本発明における定電圧発生回路の用途としては、差動電圧信号を扱う図1のような利得可変増幅回路(VGA)10のみに限るものではなく、当然のことながら、定電圧の供給が必要な一般的な電子回路についても広く適用することが可能である。
【0068】
また、前述の実施例においては、定電圧発生回路40の出力電圧つまり定電圧信号VCSの電圧レベルの微調整用として、ベースとコレクタとを接続したトランジスタを、電圧微調整用トランジスタTD1,TD2、出力電圧微調整用トランジスタTE1,TE2,TE3として用いたが、アノード、カソードの2端子からなるダイオードそのものを用いて構成するようにしてもかまわない。
【0069】
また、前述の実施例においては、定電圧発生回路40の出力回路としてエミッタフォロア回路を用いることによって、あらかじめ定めた値の低出力インピーダンス化を実現する回路構成について説明したが、本発明は、電流利得が高く、低出力インピーダンス化を実現することが可能であれば、エミッタフォロア回路に限ることなく、出力回路として、例えばオペアンプなどを用いるなど、如何なる回路構成を用いてもかまわない。
【0070】
また、定電圧発生回路40を構成するエミッタフォロア回路用や出力電圧微調整用のトランジスタとして、バイポーラトランジスタのみならず、CMOS等の電界効果型トランジスタを用いて構成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明による定電圧発生回路を適用した利得可変増幅回路(VGA)のブロック構成を示すブロック構成図である。
【図2】本発明に係る定電圧発生回路(CVG)を適用した利得可変増幅回路(VGA)の回路構成の一例を示す回路図である。
【図3】本発明に係る定電流発生回路(CVG)の回路構成の一例を示す回路図である。
【図4】本発明に係る定電圧発生回路の出力電圧つまり定電圧信号と負荷電流との関係を示す特性図である。
【図5】従来の利得可変増幅回路のブロック構成を示すブロック構成図である。
【図6】従来の利得可変増幅回路の回路構成の一例を示す回路図である。
【図7】従来の定電流源へ制御電圧として一定電圧を供給する定電圧発生回路の回路構成を示す回路図である。
【図8】負荷回路に対する入力電圧つまり定電圧発生回路の出力電圧の変化を測定する測定回路を示すブロック構成図である。
【図9】従来の定電圧発生回路の出力電圧つまり定電圧信号と負荷電流との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
【0072】
10…利得可変増幅回路(VGA)、11…差動対、11a…第一の増幅回路、11b…第二の増幅回路、12…利得調整回路、13…定電流源、20…自動利得制御回路(AGC)、30…参照電位生成回路(RGC)、40,40A…定電圧発生回路(CVG)、Iload…負荷電流、R1…第一のコレクタ抵抗(負荷抵抗)、R2…第二のコレクタ抵抗(負荷抵抗)、R3…第一の一のエミッタ抵抗(エミッタ接続用抵抗)、R4…第二の一のエミッタ抵抗(エミッタ接続用抵抗)、R5…第一の二のエミッタ抵抗(エミッタ接続用抵抗)、R6…第二の二のエミッタ抵抗(エミッタ接続用抵抗)、R7…エミッタ抵抗、RD1…第一の電圧分割抵抗、RD2…第二の電圧分割抵抗、RF1…エミッタ抵抗、T1…第一の増幅用トランジスタ、T2…第二の増幅用トランジスタ、T3…第一の利得調整用トランジスタ、T4…第二の利得調整用トランジスタ、T7…定電流制御用トランジスタ、TD1…電圧調整用トランジスタ(第一の電圧調整用トランジスタ)、TD2…第二の電圧調整用トランジスタ、TE1…第一の出力電圧微調整用トランジスタ、TE2…第二の出力電圧微調整用トランジスタ、TE3…第三の出力電圧微調整用トランジスタ、TF1…第一のエミッタフォロア回路用トランジスタ、TF2…第二のエミッタフォロア回路用トランジスタ、TF3…第三のエミッタフォロア回路用トランジスタ、VCC…コレクタ側電源電圧端子、VCS…定電圧信号、VEE…エミッタ側電源電圧端子、VGC…利得制御信号、Vin…差動入力電圧信号、VIT,VIC…差動入力電圧端子、Vout…差動出力電圧信号、VOT,VOC…差動出力電圧端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利得を可変にして差動増幅を行う利得可変増幅回路に対して定電圧信号を供給する定電圧発生回路において、出力インピーダンスをあらかじめ定めた値まで低減した低出力インピーダンスの回路構成を用いることを特徴とする定電圧発生回路。
【請求項2】
請求項1に記載の定電圧発生回路において、低出力インピーダンスの前記回路構成として、出力回路をエミッタフォロア回路によって構成することを特徴とする定電圧発生回路。
【請求項3】
請求項2に記載の定電圧発生回路において、前記エミッタフォロア回路が、該エミッタフォロア回路用のトランジスタを1ないし複数個並列接続してなることを特徴とする定電圧発生回路。
【請求項4】
請求項3に記載の定電圧発生回路において、前記エミッタフォロア回路用のトランジスタの並列接続数を、負荷側の前記利得可変増幅回路において流れる負荷電流の電流レベルに応じた任意の値に設定することを特徴とする定電圧発生回路。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれかに記載の定電圧発生回路において、前記出力回路として、出力電圧微調整用のトランジスタまたはダイオードを、前記エミッタフォロア回路と電源電圧端子との間に1ないし複数個挿入することを特徴とする定電圧発生回路。
【請求項6】
請求項5に記載の定電圧発生回路において、前記エミッタフォロア回路と電源電圧端子との間に挿入する前記出力電圧微調整用のトランジスタまたはダイオードの接続個数を、電圧の微調整レベルに応じた任意の値に設定することを特徴とする定電圧発生回路。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の定電圧発生回路において、前記エミッタフォロア回路用および前記出力電圧微調整用のトランジスタとして、バイポーラトランジスタまたは電界効果型トランジスタのいずれかを用いることを特徴とする定電圧発生回路。
【請求項8】
利得を可変にして差動増幅を行う利得可変増幅回路に対して定電圧信号を供給する定電圧発生方法において、出力インピーダンスをあらかじめ定めた値まで低減することを特徴とする定電圧発生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−16980(P2009−16980A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173731(P2007−173731)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】