説明

容量素子とその製造方法および固体撮像装置と撮像装置

【課題】容量絶縁膜を均一な膜厚に形成して、容量素子全体の電圧追従性と容量素子の耐圧を向上させることで、信頼性を高めることを可能にする。
【解決手段】半導体基板11に形成された素子分離領域12により区画されたアクティブ領域13と、前記アクティブ領域13に形成された拡散層からなる第1電極21と、前記第1電極21上に形成された容量絶縁膜22と、前記第1電極21の平坦面上に前記容量絶縁膜22を介して形成された第2電極23を有し、前記第2電極23は、平面レイアウト上、前記アクティブ領域13内でかつ前記第1電極21内に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容量素子とその製造方法および固体撮像装置と撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
MOS容量はフラットバンド近辺で容量値に変極点(N型の場合は反転、P型の場合は蓄積)を持ち、ゲート電圧に対して容量値が変化する。
前述のようにフラットバンド近辺での変局点、つまり電圧追従性がないような容量として、ゲート電極/酸化シリコン(SiO2)膜/高濃度に不純物を有するシリコン層という構成の容量素子がある。この容量素子では、シリコン基板に高濃度イオン注入を行い、シリコンのフェルミレベルを縮退させて金属様にして、チャネル層として使用している。そして上記イオン注入を行った後、上記シリコン基板表面に熱酸化膜を形成し、その熱酸化膜を介してゲート電極を形成して上記容量素子を形成している。
また、半導体基板表面に熱酸化膜を形成した後、その熱酸化膜に開口を形成し、その開口内の半導体基板に薄い酸化膜を形成する。そしてその薄い酸化膜越しに高濃度イオン注入を行い、半導体基板に高濃度領域を形成し、上記薄い酸化膜上に金属電極を形成して、MOS容量を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
通常、容量素子が形成される領域のシリコン基板には、LOCOS構造もしくはSTI(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離領域を形成する。以下、LOCOS構造の素子分離領域で説明する。
【0004】
上記素子分離領域を形成した後、イオン注入時の汚染(コンタミネーション)、ノッキング、ダメージを防ぐために、シリコン基板表面に例えば10nmから30nmの厚さの薄い熱酸化膜からなるプレ酸化膜を形成する。
次に、上記高濃度領域のチャネルを作製するために、上記プレ酸化膜越しに不純物を高濃度にイオン注入する。このとき、例えば、素子分離領域(酸化シリコン膜)にはチャネル領域と同様に、高濃度に不純物がイオン注入される。
そして、図20(1)に示すように、LOCOS法(局所酸化法)によって、シリコン基板111に酸化シリコン膜からなる素子分離領域112を形成し、さらにシリコン基板111にプレ酸化膜151を形成する。そして上記プレ酸化膜151を通して上記シリコン基板111に高濃度のイオン注入が行われ、拡散層からなる第1電極121が形成される。この場合、レジストマスク141に被覆されていない上記素子分離領域112の酸化シリコン膜には、イオン注入によるダメージ(図示せず)が形成される。なお、図示はしていないが、素子分離領域112端下部のシリコン基板111にも上記イオン注入が低濃度になされる。
上記イオン注入後に、容量酸化膜を形成するための前洗浄により上記プレ酸化膜151をフッ酸系の薬液で除去した後、上記シリコン基板111の表面を清浄にするためSC洗浄(アンモニア過水洗浄)を行う。
その結果、図20(2)に示すように、プレ酸化膜151(前記図20(1)参照)が除去されてシリコン基板111が露出される。
【0005】
しかしながら、実際には図21(3)に示すように、上記プレ酸化膜151(前記図20(1)参照)を除去する際に、イオン注入時にダメージを受けた素子分離領域112の酸化シリコン膜はダメージ受けていない部分よりも過剰にエッチングされる。これは、イオン注入時にダメージを受けた素子分離領域112の酸化シリコン膜はダメージ受けていない部分よりもエッチングレートが早いためである。
上記素子分離領域112の端部で高濃度に不純物のイオン注入が行われた部分は、イオン注入によるダメージを受けているので、素子分離領域112の酸化シリコン膜が過剰エッチングされ、シリコン基板111が露出される。特にLOCOS構造のバーズピーク部分での酸化シリコン膜の過剰エッチングが著しい。上記過剰エッチングは、イオン注入による不純物の注入量(ドーズ量)が1×1014/cm2以上で顕著に起こる現象である。
この結果、高濃度にイオン注入されていないシリコン基板部分111Aが露出される。
【0006】
その後、図21(4)に示すように、例えば熱酸化法によって、シリコン基板111表面に容量酸化膜122を形成する。このとき、上記容量酸化膜122は、第1電極121の部分の不純物濃度が高いので、高濃度にイオン注入されていないシリコン基板部分111Aよりも厚く形成される。いわゆる、増速酸化が生じる。一方、素子分離領域112の過剰エッチングによって露出されたシリコン基板部分111Aには、素子分離領域112の陰になって高濃度イオン注入がされていないので、高濃度イオン注入された部分(第1電極121)よりも容量酸化膜122の膜厚が薄くなる。
そして、図22(5)に示すように、上記容量酸化膜122上に第2電極123を形成して、上記第1電極121、上記容量酸化膜122、上記第2電極123で容量素子120を構成する。上記容量酸化膜122は膜厚にばらつきを生じているので、この容量酸化膜122を用いて上記容量素子120を形成した場合、上記素子分離領域112端部の容量酸化膜122の薄膜化部分も容量として働き、この容量がいわゆる寄生容量として問題となる。またこの部分は並列容量として働き、容量素子全体の電圧追従性の悪化の原因となり、また容量酸化膜122が薄膜化した部分は耐圧も弱くなっている。この結果、容量素子120の信頼性を低くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭61−048957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、容量素子の容量酸化膜を熱酸化で形成した場合、その膜厚を均一な厚さに形成することが困難な点である。
【0009】
本発明は、容量絶縁膜を均一な膜厚に形成して、容量素子全体の電圧追従性と容量素子の耐圧を向上させることで、信頼性を高めることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の容量素子は、半導体基板に形成された素子分離領域により区画されたアクティブ領域と、前記アクティブ領域に形成された拡散層からなる第1電極と、前記第1電極上に形成された容量絶縁膜と、前記第1電極の平坦面上に前記容量絶縁膜を介して形成された第2電極を有し、前記第2電極は、平面レイアウト上、前記アクティブ領域内でかつ前記第1電極内に形成されている。
【0011】
本発明の容量素子では、第1電極の平坦面上に第2電極が形成されていることから、当然、第2電極下面に容量絶縁膜も第1電極の平坦面に形成されている。したがって、容量絶縁膜は均一な膜厚で形成されている。
【0012】
本発明の容量素子の製造方法は、半導体基板にアクティブ領域を区画する素子分離領域を形成する工程と、前記アクティブ領域に不純物をイオン注入して拡散層からなる第1電極を形成する工程と、前記第1電極上に容量絶縁膜を形成する工程と、前記第1電極の平坦面上に前記容量絶縁膜を介して第2電極を形成する工程を有し、前記第2電極は、平面レイアウト上、前記アクティブ領域内でかつ前記第1電極内に形成される。
【0013】
本発明の容量素子の製造方法(第1製造方法)では、第1電極の平坦面上に第2電極が形成されることから、当然、第2電極下面に容量絶縁膜も第1電極の平坦面に形成される。したがって、容量素子の容量絶縁膜は第1電極の平坦面上に均一な膜厚で形成される。
【0014】
本発明の容量素子の製造方法は、半導体基板のアクティブ領域となる領域に不純物をイオン注入して拡散層からなる第1電極を形成する工程と、半導体基板にアクティブ領域を区画する素子分離溝を形成する工程と、前記素子分離溝の内部に絶縁膜を埋め込んで素子分離領域を形成する工程と、前記第1電極上に容量絶縁膜を形成する工程と、前記容量絶縁膜上に第2電極を形成する工程を有し、前記素子分離溝の一部は、前記第1電極の周部およびその周囲の前記半導体基板を除去して形成される。
【0015】
本発明の容量素子の製造方法(第2製造方法)では、STI構造の素子分離領域を作製する前に、半導体基板のアクティブ領域となる領域に高濃度イオン注入を行って拡散層からなる第1電極を形成する。その後、素子分離領域が形成される素子分離溝を、第1電極の周部およびその周囲の半導体基板を除去して形成する。このため、アクティブ領域が全て高濃度イオン注入領域の第1電極となり、その上部に形成される容量絶縁膜は、均一な膜厚に形成される。したがって、第2電極は、均一な膜厚に形成された容量絶縁膜上に形成されることになる。
【0016】
本発明の固体撮像装置は、入射光を光電変換して信号電荷を得る光電変換部を有する画素部と、前記画素部から出力された信号電荷とAD変換用の参照電圧とを比較する比較器を有するカラムAD回路を複数有するカラム処理部と、前記画素部からの出力側と前記比較器との間にDC成分をカットする容量素子を備え、前記容量素子は、半導体基板に形成された素子分離領域により区画されたアクティブ領域と、前記アクティブ領域に形成された拡散層からなる第1電極と、前記第1電極上に形成された容量絶縁膜と、前記第1電極の平坦面上に前記容量絶縁膜を介して形成された第2電極を有し、前記第2電極は、平面レイアウト上、前記アクティブ領域内でかつ前記第1電極内に形成されている。
【0017】
本発明の撮像装置は、入射光を集光する集光光学部と、前記集光光学部で集光した光を受光して光電変換する固体撮像装置を有する撮像部と、前記固体撮像装置で光電変換された信号を処理する信号処理部を有し、前記固体撮像装置は、入射光を光電変換して信号電荷を得る光電変換部を有する画素部と、前記画素部から出力された信号電荷とAD変換用の参照電圧とを比較する比較器を有するカラムAD回路を複数有するカラム処理部と、前記画素部からの出力側と前記比較器との間にDC成分をカットする容量素子を備え、前記容量素子は、半導体基板に形成された素子分離領域により区画されたアクティブ領域と、前記アクティブ領域に形成された拡散層からなる第1電極と、前記第1電極上に形成された容量絶縁膜と、前記第1電極の平坦面上に前記容量絶縁膜を介して形成された第2電極を有し、前記第2電極は、平面レイアウト上、前記アクティブ領域内でかつ前記第1電極内に形成されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明の容量素子は、容量絶縁膜が均一な膜厚に形成されているので、寄生容量を生じることがなくなり、容量素子全体の電圧追従性が良好なものとなる。また、容量絶縁膜が薄くなる部分を生じないことから耐圧が劣化した部分を生じないので、容量素子の耐圧を向上させることができ、信頼性を高めることができる。
という利点がある。
【0019】
本発明の容量素子の第1製造方法は、容量絶縁膜が均一な膜厚に形成されるので、寄生容量を生じることがなくなり、容量素子全体の電圧追従性が良好なものとなる。また、容量絶縁膜が薄くなる部分を生じないことから耐圧が劣化した部分を生じないので、容量素子の耐圧を向上させることができ、信頼性を高めることができるという利点がある。
【0020】
本発明の容量素子の第2製造方法は、容量絶縁膜が均一な膜厚に形成されるので、寄生容量を生じることがなくなり、容量素子全体の電圧追従性が良好なものとなる。また、容量絶縁膜が薄くなる部分を生じないことから耐圧が劣化した部分を生じないので、容量素子の耐圧を向上させることができるので、信頼性を高めることができるという利点がある。
【0021】
本発明の固体撮像装置は、本発明の容量素子が用いられることから、容量素子全体の電圧追従性が良好なものとすることができるので、安定した信号処理が可能になるという利点がある。
【0022】
本発明の撮像装置は、本発明の固体撮像装置が用いられることから、固体撮像装置が安定した信号処理が行えるので、高品質な画像が得られるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る容量素子の構成の第1例を示した平面レイアウト図およびA−A’線断面図である。
【図2】容量誤差と第1電極の不純物濃度の関係図である。
【図3】本発明の第1実施の形態に係る容量素子の構成の第2例示した平面レイアウト図およびB−B’線断面図である。
【図4】容量素子の第2例の変形例を示した平面レイアウト図およびC−C’線断面図である。
【図5】本発明の第2実施の形態に係る容量素子の製造方法の第1例を示した平面レイアウト図および製造工程断面図である。
【図6】製造方法の第1例を示した平面レイアウト図と製造工程断面図である。
【図7】製造方法の第1例を示した平面レイアウト図と製造工程断面図である。
【図8】製造方法の第1例を示した平面レイアウト図と製造工程断面図である。
【図9】製造方法の第1例を示した平面レイアウト図と製造工程断面図である。
【図10】製造方法の第1例を示した平面レイアウト図である。
【図11】本発明の容量素子の製造方法の第2例を示した平面レイアウト図および製造工程断面図である。
【図12】製造方法の第2例を示した平面レイアウト図と製造工程断面図である。
【図13】製造方法の第2例を示した平面レイアウト図と製造工程断面図である。
【図14】製造方法の第2例を示した平面レイアウト図と製造工程断面図である。
【図15】製造方法の第2例を示した平面レイアウト図と製造工程断面図である。
【図16】製造方法の第2例を示した平面レイアウト図である。
【図17】容量素子の適用例の一例を示したブロック図である。
【図18】容量素子の適用例の一例を示した回路図である。
【図19】本発明の第4実施の形態の撮像装置の一例を示したブロック図である。
【図20】従来の容量素子の製造工程を示した製造工程断面図である。
【図21】従来の容量素子の製造工程を示した製造工程断面図である。
【図22】従来の容量素子の製造工程を示した製造工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態(以下、実施の形態とする)について説明する。
【0025】
<1.第1の実施の形態>
[容量素子の構成の第1例]
本発明の第1実施の形態に係る容量素子の構成の第1例を、図1(1)の平面レイアウト図および図1(2)の(1)図におけるA−A’線断面図によって説明する。
【0026】
図1に示すように、半導体基板11には、素子分離領域12により区画されたアクティブ領域13が形成されている。上記半導体基板11には、例えば、シリコン基板が用いられている。また、上記素子分離領域12は、例えば、LOCOS構造の素子分離領域からなる。
上記アクティブ領域13には拡散層からなる第1電極21が形成されている。この第1電極21の拡散層の不純物濃度は、例えば1×1018atoms/cm3以上となっている。
例えば、シリコン(Si)基板中へ高濃度にイオン注入を行い、シリコン(Si)のフェルミレベルを縮退させて金属様して、第1電極21として使用する場合には、上記第1電極21の拡散層の不純物濃度は、例えば1×1018atoms/cm3以上とする。また、図2に示すように、容量誤差を5%程度とするならば、例えば2×1019atoms/cm3以上とする。さらに、容量誤差を1%程度以下とするならば、例えば8×1019atoms/cm3以上とすることが好ましい。図2における縦軸の容量誤差は、〔(5Vを印加したときの容量素子の容量)−(−5Vを印加したときの容量素子の容量)〕/(5Vを印加したときの容量素子の容量)を%表示したものである。また横軸は第1電極21の不純物濃度である。
上記拡散層を形成する不純物には、N型のリン、ヒ素、アンチモン、P型のホウ素、インジウム等が用いられている。
上記第1電極21は、平面レイアウト上、上記アクティブ領域13の全域にわたって形成されていてもよく、または上記素子分離領域12から所定の間隔をおいた状態(例えば、図面で2点鎖線で示す状態)で上記アクティブ領域13に形成されていてもよい。
【0027】
上記第1電極21上には容量絶縁膜22が形成されている。この容量絶縁膜22は、例えば、上記半導体基板11を熱酸化して形成された酸化シリコン膜からなる。
さらに、上記第1電極21表面の平坦面上、すなわち上記第1電極21の均一な濃度の領域上には、上記容量絶縁膜22を介して第2電極23が形成されている。
このように、第1電極21と容量絶縁膜22と第2電極23からなる容量素子20(20A)が形成されている。
【0028】
上記容量素子20Aでは、上記第1電極21は、上記半導体基板11に上記素子分離領域12が形成された後、例えばイオン注入によって形成される。このイオン注入に先立って、上記半導体基板11表面にはプレ酸化膜が形成される。そしてイオン注入後にプレ酸化膜は除去されるが、そのとき、上記素子分離領域12の周縁部も同時に除去されて、上記半導体基板11表面が露出される。このため、上記容量絶縁膜22は、上記アクティブ領域13の平坦面では均一な膜厚に形成され、上記素子分離領域12を除去して露出された半導体基板11表面に形成された部分は膜厚が薄くなる。
上記第2電極23は、上記第1電極21の平坦面上に形成されているので、当然、上記第2電極23の下面に形成された上記容量絶縁膜22の部分も上記第1電極21の平坦面上に形成されていることになる。したがって、上記第1電極21と上記第2電極23との間に形成されている上記容量絶縁膜22は、上記第1電極21の平坦面上に形成されているので均一な膜厚になっている。
【0029】
このように、第1電極21と容量絶縁膜22と第2電極23とで構成される容量素子20Aは、均一な膜厚に形成された容量絶縁膜22を有するので、寄生容量を生じることがなくなり、容量素子20A全体の電圧追従性が良好なものとなる。また、容量絶縁膜22が薄くなる部分を生じないことから耐圧が劣化した部分を生じないので、容量素子20Aの耐圧が向上する。
【0030】
よって、容量素子20A全体の電圧追従性が良好なものとなり、容量素子の耐圧を向上させることができるので、信頼性を高めることができる。
【0031】
なお、上記容量素子20Aでは、上記第2電極23が上記アクティブ領域13内に形成されていることから、この第2電極23の取り出しを行うコンタクト部33は、上記第2電極23上に上記第2電極23に接続されるように形成されている。図面では、複数のコンタクト部33が形成されている状態を示した。
さらに、上記第1電極21の取り出しは、例えば、上記第2電極23と上記素子分離領域12との間の上記第1電極21上にコンタクト部31を形成することで行える。このコンタクト部31は、図示したように、上記第2電極23の2方向側の上記第1電極21上に形成してもよく、また、上記第2電極23の一方側のみの上記第1電極21上に形成してもよい。当然、上記第1電極21の3方向側もしくは4方向側の上記第1電極21上に形成してもよい。
【0032】
[容量素子の構成の第2例]
次に、本発明の第1実施の形態に係る容量素子の構成の第2例を、図3(1)の平面レイアウト図および図3(2)の(1)図におけるB−B’線断面図によって説明する。
【0033】
図3に示すように、半導体基板11には、素子分離領域12により区画されたアクティブ領域13が形成されている。上記半導体基板11には、例えば、シリコン基板が用いられている。また、上記素子分離領域12は、例えば、STI(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離領域からなる。
上記アクティブ領域13には拡散層からなる第1電極21が形成されている。この第1電極21の拡散層の不純物濃度は、例えば1×1018atoms/cm3以上となっている。上記拡散層を形成する不純物には、N型のリン、ヒ素、アンチモン、P型のホウ素、インジウム等が用いられている。この第1電極21は、図示したように、素子分離領域12の下部側にはみ出して形成されていてもよい。
例えば、シリコン(Si)基板中へ高濃度にイオン注入を行い、シリコン(Si)のフェルミレベルを縮退させて金属様して、第1電極21として使用する場合には、上記第1電極21の拡散層の不純物濃度は、例えば1×1018atoms/cm3以上とする。また、容量誤差を5%程度とするならば、例えば1×1019atoms/cm3以上とする。さらに、容量誤差を1%程度以下とするならば、例えば1×1020atoms/cm3以上とすることが好ましい。
上記第1電極21は、平面レイアウト上、上記アクティブ領域13の全域にわたって形成されていてもよく、または上記素子分離領域12から所定の間隔をおいた状態(例えば図3(1)の2点鎖線で示す状態)で上記アクティブ領域13に形成されていてもよい。
【0034】
上記第1電極21上には容量絶縁膜22が形成されている。この容量絶縁膜22は、例えば、上記半導体基板11を熱酸化して形成された酸化シリコン膜からなる。
さらに、上記第1電極21表面の平坦面上に、すなわち上記第1電極21の均一な濃度の領域上には、上記容量絶縁膜22を介して第2電極23が形成されている。
このように、第1電極21と容量絶縁膜22と第2電極23からなる容量素子20(20B)が形成されている。
【0035】
上記容量素子20Bでは、上記第1電極21は、上記半導体基板11に上記素子分離領域12が形成された後、例えばイオン注入によって形成される。このイオン注入に先立って、上記半導体基板11表面にはプレ酸化膜が形成される。そしてイオン注入後にプレ酸化膜は除去されるが、そのとき、上記素子分離領域12の周縁部も同時に除去されて、上記半導体基板11表面が露出される。このため、上記容量絶縁膜22は、上記アクティブ領域13の平坦面では均一な膜厚に形成され、上記素子分離領域12を除去して露出された半導体基板11表面に形成された部分は膜厚が薄くなる。
上記第2電極23は、上記第1電極21の平坦面上に形成されているので、当然、上記第2電極23の下面に形成された上記容量絶縁膜22の部分も上記第1電極21の平坦面上に形成されていることになる。したがって、上記第1電極21の平坦面上に形成されている部分の容量絶縁膜22の膜厚は均一な膜厚になっている。
【0036】
または、上記容量素子20Bでは、上記第1電極21は、上記半導体基板11に上記素子分離領域12が形成される前に、例えばイオン注入によって形成される。このイオン注入に先立って、上記半導体基板11表面にはプレ酸化膜が形成される。そしてイオン注入後にプレ酸化膜は除去される。そして、上記素子分離領域12を形成するための素子分離溝の一部は、上記第1電極21の周部およびその周囲の上記半導体基板11を除去して形成されている。このため、上記アクティブ領域13の表面に形成される上記容量絶縁膜22は、表面が平坦面となっている上記アクティブ領域13の表面のみに形成されているので、均一な膜厚で形成されている。
【0037】
このように、第1電極21と容量絶縁膜22と第2電極23とで構成される容量素子20Bは、均一な膜厚に形成された容量絶縁膜22を有するので、寄生容量を生じることがなくなり、容量素子20B全体の電圧追従性が良好なものとなる。また、容量絶縁膜22が薄くなる部分を生じないことから耐圧が劣化した部分を生じないので、容量素子20Bの耐圧が向上する。
【0038】
よって、容量素子20B全体の電圧追従性が良好なものとなり、容量素子の耐圧を向上させることができるので、信頼性を高めることができる。
【0039】
なお、上記容量素子20Bでは、平面レイアウト上、上記第2電極23が上記アクティブ領域13内に形成されていることから、この第2電極23の取り出しを行うコンタクト部33は、上記第2電極23上で上記第2電極23に接続されるように形成されている。図面では、複数のコンタクト部33が形成されている状態を示した。
さらに、上記第1電極21の取り出しは、例えば、上記第2電極23と上記素子分離領域12との間の上記第1電極21上にコンタクト部31を形成することで行える。このコンタクト部31は、図示したように、上記第2電極23の2方向側の上記第1電極21上に形成してもよく、また、上記第2電極23の一方側のみの上記第1電極21上に形成してもよい。当然、上記第1電極21の3方向側もしくは4方向側の上記第1電極21上に形成してもよい。
【0040】
[容量素子の第2例の変形例]
次に、上記容量素子の第2例の変形例を、図4(1)の平面レイアウト図および図4(2)の(1)図におけるC−C’線断面図によって説明する。
【0041】
図4に示すように、容量素子20Cは、上記容量素子20Bにおいて、第2電極23の形成位置が異なるのみで、その他の構成は、前記容量素子20Bと同様である。
半導体基板11には、素子分離領域12により区画されたアクティブ領域13が形成されている。上記半導体基板11には、例えば、シリコン基板が用いられている。また、上記素子分離領域12は、STI構造の素子分離領域からなる。
上記アクティブ領域13には拡散層からなる第1電極21が形成されている。
上記第1電極21は、平面レイアウト上、上記アクティブ領域13の全域にわたって形成されている。
【0042】
上記第1電極21上には容量絶縁膜22が形成されている。この容量絶縁膜22は、例えば、上記半導体基板11を熱酸化して形成された酸化シリコン膜からなる。
さらに、上記第1電極21表面の平坦面上、すなわち上記第1電極21の均一な濃度の領域上には、上記素子分離領域12に一部が重なるように、上記容量絶縁膜22を介して第2電極23が形成されている。そして、この第2電極23には、上記素子分離領域12上に電極パッド部24が連続して形成されている。
このように、第1電極21と容量絶縁膜22と第2電極23からなる容量素子20Cが形成されている。
【0043】
このように、第1電極21と容量絶縁膜22と第2電極23とで構成される容量素子20は、均一な膜厚に形成された容量絶縁膜22を有するので、寄生容量を生じることがなくなり、容量素子20C全体の電圧追従性が良好なものとなる。また、容量絶縁膜22が薄くなる部分を生じないことから耐圧が劣化した部分を生じないので、容量素子20Cの耐圧が向上する。
【0044】
よって、容量素子20C全体の電圧追従性が良好なものとなり、容量素子の耐圧を向上させることができるので、信頼性を高めることができる。
【0045】
なお、上記容量素子20Cでは、平面レイアウト上、上記第2電極23が上記アクティブ領域13上から素子分離領域12にかけて形成されていて、上記素子分離領域12上には上記第2電極23に連続して形成された電極パッド部24が形成されている。このことから、上記第2電極23の取り出しを行うコンタクト部33は、上記電極パッド部24上に形成されている。図面では、複数のコンタクト部33が形成されている状態を示した。
さらに、上記第1電極21の取り出しは、例えば、上記第2電極23と上記素子分離領域12との間の上記第1電極21上にコンタクト部31を形成することで行える。このコンタクト部31は、図示したように、上記第2電極23の2方向側の上記第1電極21上に形成してもよく、また、上記第2電極23の一方側のみの上記第1電極21上に形成してもよい。
【0046】
<2.第2の実施の形態>
[容量素子の製造方法の第1例]
次に、本発明の第2実施の形態に係る容量素子の製造方法の第1例を、図5〜図10の平面レイアウト図および製造工程断面図によって説明する。この製造方法は、前記容量素子20Aを製造する方法の一例である。図5〜図10の各断面図は、それぞれの図面の平面レイアウト図におけるA−A’線断面の位置の断面図である。
【0047】
図5(1−1)、(1−2)に示すように、半導体基板11にアクティブ領域13を区画する素子分離領域12を、例えば通常のLOCOS法(局所酸化法)によって形成する。上記半導体基板11には、例えば、シリコン基板が用いられている。
【0048】
次に、図6(2−1)、(2−2)に示すように、まず、上記半導体基板11の表面にプレ酸化膜51を形成する。このプレ酸化膜51は、例えば熱酸化法によって上記半導体基板11の表面を酸化させて形成される。
次に、レジスト塗布技術によって、上記半導体基板11上にレジスト膜41を形成し、リソグラフィー技術によって、上記レジスト膜41をパターニングして、第1電極が形成される領域上に開口部42を形成する。図面に示した場合では、アクティブ領域13の全域に第1電極21を形成する場合であるが、例えば、図面(2−1)の2点鎖線で示すように、アクティブ領域13の内側に開口部42が形成されるようにしてもよい。
上記レジスト膜41をイオン注入マスクに用いたイオン注入法によって、上記半導体基板11の上記アクティブ領域13に不純物をイオン注入して拡散層からなる第1電極21を形成する。上記イオン注入では、例えば、N型のリン、ヒ素、アンチモン、P型のホウ素、インジウム等のいずれかが用いられ、そのドーズ量は例えば1×1014atoms/cm2以上に設定される。また、注入エネルギーは、イオン注入される不純物によって、適宜決定される。
なお、図示はしていないが、素子分離領域12端下部のシリコン基板11にも上記イオン注入が低濃度になされる。
その後、上記レジスト膜41を除去する。
図面は、上記レジスト膜41を除去する直前の状態を示した。
【0049】
次に、図7(3−1)、(3−2)に示すように、上記プレ酸化膜51〔前記図5(2−1)、(2−2)等参照〕を除去して、上記アクティブ領域13の半導体基板11の表面を露出させる。上記プレ酸化膜51の除去工程は、例えばウエットエッチングにより行う。例えば、フッ酸系の薬液でウエットエッチングを行う。このとき、上記素子分離領域12の部分もエッチングされて削られる。特にレジスト膜41〔前記図5(2−1)、(2−2)等参照〕で被覆されていなかった上記素子分離領域12の部分は、上記イオン注入法によってダメージを受けているので、ダメージを受けていない部分よりも過剰にエッチングされる。特にLOCOS構造のバーズピーク部分での酸化シリコン膜の過剰エッチングが著しい。
その後、半導体基板11表面を清浄にするためSC洗浄(アンモニア過水洗浄)を行う。
【0050】
次に、図8(4−1)、(4−2)に示すように、上記第1電極21上に、例えば熱酸化によって容量絶縁膜22を形成する。したがって、上記容量絶縁膜22は、酸化シリコン膜で形成される。その膜厚は、容量素子の容量によって異なるので、その容量に応じて適宜選択される。例えば2nm〜50nm程度の範囲で選択される。
【0051】
次に、図9(5−1)、(5−2)に示すように、上記第1電極21の平坦面上に上記容量絶縁膜22を介して第2電極23を形成する。
上記第2電極23は、平面レイアウト上、上記素子分離領域12から所定距離をおいた上記アクティブ領域13内でかつ上記第1電極21内に形成される。
例えば、全面に電極形成用の導電膜を形成した後、レジスト膜をエッチングマスク(図示せず)に用いた通常のドライエッチング技術によってパターニングされることで形成される。上記導電膜には、例えば、金属膜、導電性ポリシリコン膜等の通常の半導体装置の電極材料を用いることができる。
このようにして、第1電極21と容量絶縁膜22と第2電極23からなる容量素子20(20A)が形成される。
【0052】
その後、図示はしていないが、上記半導体基板11にMISトランジスタを形成し、さらに層間絶縁膜を形成する。
【0053】
その後、図10に示すように、上記層間絶縁膜(図示せず)に上記容量素子20(20A)の第1電極21に通じるコンタクト部31、上記第2電極23に通じるコンタクト部33を形成する。
上記第1電極21の取り出しを行うコンタクト部31は、例えば、上記第2電極23と上記素子分離領域12との間の上記第1電極21上に形成される。このコンタクト部31は、図示したように、上記第2電極23の2方向側の上記第1電極21上に形成してもよく、また、上記第2電極23の一方側のみの上記第1電極21上に形成してもよい。当然、上記第1電極21の3方向側もしくは4方向側の上記第1電極21上に形成してもよい。
また、上記第2電極23の取り出しを行うコンタクト部33は、上記第2電極23が上記アクティブ領域13内に形成されることから、上記第2電極23上に上記第2電極23に接続されるように形成されている。図面では、複数のコンタクト部33が形成された状態を示した。
【0054】
上記容量素子20Aの製造方法では、上記第1電極21は、上記半導体基板11に上記素子分離領域12が形成された後、例えばイオン注入によって形成される。このイオン注入に先立って、上記半導体基板11表面にはプレ酸化膜が形成される。そしてイオン注入後にプレ酸化膜は除去されるが、そのとき、上記素子分離領域12の周縁部も同時に除去されて、上記半導体基板11表面が露出される。このため、上記容量絶縁膜22は、上記アクティブ領域13の平坦面では均一な膜厚に形成され、上記素子分離領域12を除去して露出された半導体基板11表面に形成された部分は膜厚が薄くなる。
上記第2電極23は、上記第1電極21の平坦面上に形成されるので、当然、上記第2電極23の下面に形成された上記容量絶縁膜22の部分も上記第1電極21の平坦面上に形成されていることになる。したがって、上記第1電極21と上記第2電極23との間に形成されている上記容量絶縁膜22は、上記第1電極21の平坦面上に形成されているので均一な膜厚に形成されている。
【0055】
上記第1電極21と容量絶縁膜22と第2電極23とで構成される容量素子20Aは、均一な膜厚に形成された容量絶縁膜22を有するものとなるので、寄生容量を生じることがなくなり、容量素子20A全体の電圧追従性が良好なものとなる。また、容量絶縁膜22が薄くなる部分を生じないことから耐圧が劣化した部分を生じないので、容量素子20Aの耐圧が向上する。
【0056】
よって、容量素子20A全体の電圧追従性が良好なものとなり、容量素子の耐圧を向上させることができるので、信頼性を高めることができる。
【0057】
[容量素子の製造方法の第2例]
次に、本発明の第2実施の形態に係る容量素子の製造方法の第1例を、図11〜図16の平面レイアウト図および製造工程断面図によって説明する。この製造方法は、前記容量素子20Bを製造する方法の一例である。図11〜図16の各断面図は、それぞれの図面の平面レイアウト図におけるB−B’線断面の位置の断面図である。
【0058】
図11(1−1)、(1−2)に示すように、上記半導体基板11の表面にパッド酸化膜52を形成した後、上記半導体基板11のアクティブ領域となる領域に不純物をイオン注入して拡散層からなる第1電極21を形成する。
この第1電極21は、以下のようにして形成される。例えば、レジスト塗布技術によって、上記パッド酸化膜52上にレジスト膜43を形成し、リソグラフィー技術によって、上記レジスト膜43をパターニングして、第1電極が形成される領域上に開口部44を形成する。上記開口部44は、実際に形成される第1電極21よりも平面レイアウト上、大きく形成しておく。
次いで、上記レジスト膜43をイオン注入マスクに用いたイオン注入法によって、上記パッド酸化膜52を通して上記半導体基板11に不純物をイオン注入して拡散層からなる第1電極21を形成する。この第1電極21が形成される領域が実質的にアクティブ領域13となる。
上記イオン注入では、例えば、N型のリン、ヒ素、アンチモン、P型のホウ素、インジウム等のいずれかが用いられ、そのドーズ量は例えば1×1014atoms/cm2以上に設定される。また、注入エネルギーは、イオン注入される不純物によって、適宜決定される。
その後、上記レジスト膜43を除去する。
図面は、上記レジスト膜43を除去する直前の状態を示した。
【0059】
次に、図12(2−1)、(2−2)に示すように、上記パッド酸化膜52上に窒化シリコン膜53を形成する。
その後、例えば、レジスト塗布技術によって、上記窒化シリコン膜53上にレジスト膜(図示せず)を形成し、リソグラフィー技術によって、上記レジスト膜(図示せず)をパターニングして、素子分離溝が形成される領域上に開口部(図示せず)を形成する。
次いで、このレジスト膜をエッチングマスクに用いたドライエッチングによって、上記窒化シリコン膜53と上記パッド酸化膜52に素子分離溝を形成するための開口部54を形成する。その後、エッチングマスクに用いた上記レジスト膜を除去する。
そして、上記窒化シリコン膜53をエッチングマスクに用いたドライエッチングによって、上記半導体基板11にアクティブ領域13を区画する素子分離溝14を形成する。このとき、上記素子分離溝14の一部は、上記第1電極21の周部およびその周囲の上記半導体基板11を除去して形成される。
【0060】
次に、図13(3−1)、(3−2)に示すように、例えば熱酸化法によって、上記素子分離溝14の側壁と底部に熱酸化膜(図示せず)を形成した後、上記素子分離溝14の内部を絶縁膜で埋め込む。この絶縁膜には酸化シリコン膜を用い、この酸化シリコン膜は例えば高密度プラズマ(HDP)CVD法によって形成する。
その後、化学的機械研磨(CMP)法によって、上記窒化シリコン膜53上の余剰な上記絶縁膜を除去して、上記素子分離溝14内に埋め込まれた上記絶縁膜でSTI構造の素子分離領域12を形成する。
その後、上記窒化シリコン膜53、上記パッド酸化膜52を、例えばウエットエッチングによって除去する。上記窒化シリコン膜53のウエットエッチングには例えば熱リン酸を用い、上記パッド酸化膜52のウエットエッチングには例えばフッ酸系の薬液を用いる。
なお、図面は、上記窒化シリコン膜53、上記パッド酸化膜52を除去する前の状態を示した。
【0061】
次に、図示はしていないが、上記半導体基板11表面にプレ酸化膜を形成した後、別の領域に形成されるトランジスタ部のしきい値電圧Vthを調整するイオン注入を行い、その後、上記プレ酸化膜を例えばウエットエッチングによって除去する。さらに、半導体基板11表面を清浄にするためSC洗浄(アンモニア過水洗浄)を行う。なお、上記プレ酸化膜は、例えば熱酸化法によって上記半導体基板11の表面を酸化させて形成される。したがって、上記プレ酸化膜の除去には、例えばフッ酸系の薬液を用いることができる。
【0062】
次に、図14(4−1)、(4−2)に示すように、上記第1電極21上に、例えば熱酸化によって容量絶縁膜22を形成する。したがって、上記容量絶縁膜22は、酸化シリコン膜で形成される。その膜厚は、容量素子の容量によって異なるので、その容量に応じて適宜選択される。例えば、2nm〜50nm程度の範囲で選択される。
【0063】
次に、図15(5−1)、(5−2)に示すように、上記第1電極21の平坦面上に上記容量絶縁膜22を介して第2電極23を形成する。
上記第2電極23は、平面レイアウト上、上記素子分離領域12から所定距離をおいた上記アクティブ領域13内でかつ上記第1電極21内に形成される。
例えば、全面に電極形成用の導電膜を形成した後、レジスト膜をエッチングマスク(図示せず)に用いた通常のドライエッチング技術によってパターニングされることで形成される。上記導電膜には、例えば、金属膜、導電性ポリシリコン膜等の通常の半導体装置の電極材料を用いることができる。
【0064】
上記第2電極23は、図面では、平面レイアウト上、上記第1電極21上の内側に形成されたが、上記第1電極21が形成されている上記アクティブ領域13の全域にわたって形成されてもよく、また上記素子分離領域12上に重なるように形成されてもよい。
【0065】
このようにして、第1電極21と容量絶縁膜22と第2電極23からなる容量素子20(20B)が形成される。
【0066】
その後、図示はしていないが、上記半導体基板11にMISトランジスタを形成し、さらに層間絶縁膜を形成する。
【0067】
その後、図16に示すように、上記層間絶縁膜(図示せず)に上記容量素子20(20B)の第1電極21に通じるコンタクト部31、上記第2電極23に通じるコンタクト部33を形成する。
上記第1電極21の取り出しを行うコンタクト部31は、例えば、上記第2電極23と上記素子分離領域12との間の上記第1電極21上に形成される。このコンタクト部31は、図示したように、上記第2電極23の2方向側の上記第1電極21上に形成してもよく、また、上記第2電極23の一方側のみの上記第1電極21上に形成してもよい。当然、上記第1電極21の3方向側もしくは4方向側の上記第1電極21上に形成してもよい。
また、上記第2電極23の取り出しを行うコンタクト部33は、上記第2電極23が上記アクティブ領域13内に形成されることから、上記第2電極23上に上記第2電極23に接続されるように形成されている。図面では、複数のコンタクト部33が形成された状態を示した。
【0068】
上記容量素子20Bの製造方法では、STI構造の素子分離領域12を作製する前に、半導体基板11のアクティブ領域13となる領域に高濃度イオン注入を行って拡散層からなる第1電極21を形成する。その後、素子分離領域12が形成される素子分離溝14を、第1電極21の周部およびその周囲の半導体基板11を除去して形成する。このため、アクティブ領域13が全て高濃度イオン注入領域の第1電極21となり、その上部に形成される容量絶縁膜22は、均一な膜厚に形成される。したがって、第2電極23は、均一な膜厚に形成された容量絶縁膜22上に形成されることになる。
このように容量絶縁膜22が均一な膜厚に形成されるので、寄生容量を生じることがなくなり、容量素子20B全体の電圧追従性が良好なものとなる。また、容量絶縁膜22が薄くなる部分を生じないことから耐圧が劣化した部分を生じないので、容量素子20Bの耐圧を向上させることができる。
よって、容量素子20Bの信頼性を高めることができる。
【0069】
また、上記容量素子20Cを形成する場合には、上記第2製造方法において、平面レイアウト上、上記第1電極21を上記アクティブ領域13の全域に形成し、このアクティブ領域13上に均一な膜厚の容量絶縁膜22を形成するようにする。そうすることで、上記第2電極23を上記素子分離領域12上にも形成することが可能になり、上記素子分離領域12上に上記第2電極23に連続して電極パッド部を形成することも可能になる。ここで、上記第1電極21が上記アクティブ領域13の全域に形成されないで、上記アクティブ領域13の内側に形成された場合、上記第1電極21と上記素子分離領域12との間に、不純物がドーピングされていない半導体基板11の部分が介在することになる。このような状態で容量絶縁膜22を形成した場合、上記第1電極21上と上記半導体基板11上とで、容量絶縁膜22の膜厚が異なる。具体的には、上記第1電極21上の容量絶縁膜22が厚く形成され、上記半導体基板11上の容量絶縁膜22が薄く形成されるので、従来技術の問題点が解決されないことになる。したがって、上記第1電極21は上記アクティブ領域13の全域に形成されるようにしている。
【0070】
上記各実施例および変形例では、上記容量絶縁膜22を酸化によって形成された酸化シリコン膜を用いたが、例えば、窒化シリコン膜を用いることもできる。この場合、半導体基板11(シリコン基板)の表面を窒化することで窒化シリコン膜を形成することができる。
また、上記容量絶縁膜22に酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜を用いることもできる。この場合、半導体基板11(シリコン基板)表面を酸化して酸化シリコン膜を形成した後、その酸化シリコン膜の表面を窒化することで、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層構造とすることができる。
さらに、上記容量絶縁膜22に酸窒化シリコン膜を用いることができる。この場合、半導体基板11(シリコン基板)表面を酸化して酸化シリコン膜を形成した後、その酸化シリコン膜を窒化することで、酸窒化シリコン膜とすることができる。
【0071】
<3.第3の実施の形態>
[容量素子を適用した固体撮像装置]
本発明の容量素子20を適用した固体撮像装置の一例を、図17のブロック図および図18の回路図によって説明する。
【0072】
図17に示すように、固体撮像装置1は、複数の単位画素(図示せず)が行および列に配列された画素部210と、画素部210の外側に設けられた駆動制御部207と、カラム処理部226と、カラム処理部226にAD変換用の参照電圧を供給する参照信号生成部227と出力部228を備えている。
【0073】
上記駆動制御部207は、画素部210の信号を順次読み出すための制御回路機能を備えている。例えば、列アドレスや列走査を制御する水平走査回路212と、行アドレスや行走査を制御する垂直走査回路214と、内部クロックを生成するなどの機能を持つ通信・タイミング制御部220を有する。また、上記固体撮像装置1は、入力されたクロック周波数よりも高速のクロック周波数のパルスを生成するクロック変換部223を有する。
【0074】
上記駆動制御部207の各要素は、画素部210とともに、半導体集積回路の製造技術と同様の技術を用いて単結晶シリコンなどの半導体領域に形成され、固体撮像装置として構成される。
【0075】
上記単位画素は、受光素子(光電変換部)としてのフォトダイオードと、増幅用の半導体素子(例えばMOSトランジスタ)を有する画素内アンプ(図示せず)とから構成される。
上記画素内アンプは、例えばフローティングディフュージョンアンプ構成のものが用いられる。一例としては、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ、選択トランジスタの4トランジスタ構成のものがある。
上記転送トランジスタは、フォトダイオードで生成された信号電荷を読み出す。
上記リセットトランジスタは、フォトダイオードからフローティングディフュージョン部への信号電荷の転送に先立って、ゲート電極にリセットパルスが与えられることによってフローティングディフュージョン部の電位をリセット電圧にリセットする。
上記増幅トランジスタは、リセットトランジスタによってリセットされた後のフローティングディフュージョン部の電位をリセットレベルとして出力し、さらに転送トランジスタによって信号電荷が転送された後のフローティングディフュージョン部の電位を信号レベルとして出力する。
上記選択トランジスタは、単位画素を選択状態として増幅トランジスタから信号を出力させる。
【0076】
上記単位画素は、行選択のための行制御線215を介して垂直走査回路214に接続され、垂直信号線219を介してカラムAD回路225が垂直列ごとに設けられているカラム処理部226に接続されている。
【0077】
上記水平走査回路212や垂直走査回路214は、デコーダを含んで構成され、通信・タイミング制御部220から与えられる制御信号CN1、CN2に応答してシフト動作(走査)を開始するようになっている。このため、制御信号CN1には、単位画素を駆動するための種々のパルス信号(たとえば、リセットパルスRST、転送パルスTRF、DRN制御パルスDRNなど)が含まれる。
【0078】
上記通信・タイミング制御部220には、画素部210から処理対象信号としてのアナログの画素信号をカラム処理部226側へ取り込む種々の駆動パルスと対応した基本パルスであるマスタークロックCLK0が入力される。
そして通信・タイミング制御部220は、入力されるマスタークロックCLK0および上記クロック変換部223で生成された高速クロックに基づいて内部クロックを生成する。
【0079】
この通信・タイミング制御部220は、各部の動作に必要なクロックや所定タイミングのパルス信号を供給するものである。また、マスタークロックCLK0を受け取り、動作モードなどを指令するデータDATAを受け取り、さらに固体撮像装置1の情報を含むデータを出力するものである。
さらには、入力されるマスタークロックCLK0と同じ周波数のクロックCLK1や、それを2分周したクロックやより分周した低速クロックCLK2をデバイス内の各部に供給するものである。例えば水平走査回路212、垂直走査回路214、カラム処理部226などに供給する。
【0080】
上記垂直走査回路214は、画素部210の行を選択し、その行に必要なパルスを供給するものである。例えば、垂直方向の読出行を規定する垂直デコーダ214aと、垂直デコーダ214aにて規定された読出アドレス上(行方向)の単位画素に対する行制御線215にパルスを供給して駆動する垂直駆動回路214bとを有する。
【0081】
上記水平走査回路212は、カラム処理部226からカウント値を読み出す機能を有する。そして低速クロックCLK2に同期しつつクロック変換部223からの高速クロックの制御の元でカラム処理部226のカラムAD回路225を順番に選択し、その信号を水平信号線218に導くものである。例えば、水平方向の読出行を規定する水平デコーダ212aと、この水平デコーダ212aにて規定された読出アドレスに従って、カラム処理部226の各信号を水平信号線218に導く水平駆動回路212bを有する。なお、水平信号線218は、例えばカラムAD回路225が取り扱うビット数n(nは正の整数)分、例えば10(=n)ビットならば、そのビット数分に対応して10本配置される。
【0082】
上記クロック変換部223は、入力されたクロック周波数よりも高速のクロック周波数のパルスを生成する。例えば、上記通信・タイミング制御部220から低速クロックCLK2を受け取り、それを元にして2倍以上高い周波数のクロックを生成する。以下、低速クロックCLK2よりも2倍以上高い周波数を高速クロックCLK3という。このクロック変換部223は、通信・タイミング制御部220から受け取った低速クロックCLK2や自身で生成した高速クロックCLK3を、通信・タイミング制御部220やデータ出力部の一例である出力部228に供給する。
【0083】
また通信・タイミング制御部220は、高速クロックCLK3に基づきAD変換用の参照信号(参照電圧)RAMP生成用の基準クロック(CK0と同じ)やカウンタクロックCK0(CLK3と同じ周波数のもの)を生成する。ここで、高速クロックCLK3は、低速クロックCLK2に対して2倍以上高い周波数であり好ましくは整数倍とする。
【0084】
上記固体撮像装置1では、単位画素から出力された画素信号は、垂直列ごとに、垂直信号線219を介して、カラム処理部226のカラムAD回路225に供給される。
【0085】
カラム処理部226の各カラムAD回路225は、1列分の画素の信号を順次受けて、その信号を処理する。例えば、各カラムAD回路225は、アナログ信号を、例えば高速クロックCLK3に基づいて、例えば10ビットのデジタルデータに変換するADC(Analog Digital Converter)回路を持つ。
【0086】
上記カラムAD回路225は、比較器(電圧比較器)252にランプ状の参照信号RAMPを供給すると同時にクロック信号でのカウント(計数)を開始する。そして、垂直信号線219を介して入力されたアナログの画素信号を参照信号RAMPと比較することによってパルス信号が得られるまでカウントすることでAD変換を行なう。
【0087】
このカラムAD回路225でデジタル化された画素データは、水平走査回路212からの水平選択信号により駆動される水平選択スイッチ(図示せず)を介して水平信号線218に伝達され、さらに出力部228に入力される。なお、10ビットは一例であって、10ビット未満(たとえば8ビット)や10ビットを超えるビット数(例えば14ビット)など、その他のビット数としてもよい。
【0088】
よって、画素部210から、行ごとに各垂直列について画素信号が順次出力される。そして、受光素子が行列状に配された画素部210に対応する1枚分の画像、すなわちフレーム画像が、画素部210全体の画素信号の集合で示されることとなる。
【0089】
上記参照信号生成部227は、DAC(DA変換器;Digital Analog Converter)227aを有する。そして上記通信・タイミング制御部220からの制御データCN4で示される初期値から、カウントクロックCK0に同期して、階段状の鋸歯状波(ランプ波形)を生成する。この生成した鋸歯状波をAD変換用の参照電圧(ADC基準信号)として、カラム処理部226の個々のカラムAD回路225に供給するものである。
【0090】
ここで、上記制御データCN4は、比較処理ごとのランプ電圧が同じ傾き(変化率)となるように、時間に対するデジタルデータの変化率を同じにする情報も含んでいる。具体的には、カウントクロックCK0で規定される単位時間ごとに1ずつカウント値を変化させるのがよい。
【0091】
上記カラムAD回路225は、比較器(コンパレータ)252とカウンタ254を有し、nビットAD変換機能を有している。上記比較器252は、上記DAC227aで生成される参照信号RAMPと、行制御線215ごとに単位画素から垂直信号線219を経由し得られるアナログの画素信号とを比較する。上記カウンタ254は、上記比較器252が比較処理を完了するまでの時間をカウントし、その結果を保持する。
【0092】
上記カウンタ254には、ダウンカウントモードで動作するのかアップカウントモードで動作するのかを指示するための制御信号CN5が上記通信・タイミング制御部220から入力される。したがって、上記通信・タイミング制御部220は、上記比較器252が画素信号のリセット成分ΔVと信号成分Vsigの何れについて比較処理を行なっているのかに応じてカウンタ部254のカウント処理のモードを切り替える制御部(図示せず)を有する。
【0093】
上記比較器252の一方の入力端子RAMPは、他の上記比較器252の入力端子RAMPと共通に、参照信号生成部227で生成される階段状の参照信号RAMPが入力される。また他方の入力端子には、それぞれ対応する垂直列の垂直信号線219が接続され、画素部210からの画素信号電圧が個々に入力される。上記比較器252の出力信号はカウンタ254に供給される。
【0094】
上記カウンタ254のクロック端子には、他のカウンタ254のクロック端子と共通に、通信・タイミング制御部220からカウントクロックCK0が入力されている。
【0095】
上記カウンタ254は、このカウントクロックCK0と上記比較器252から供給されたコンパレータ出力とに基づいて、カウント動作を行なう。上記カウンタ254は、カウントモードに拘わらず共通のアップダウンカウンタ(U/D CNT)を用いて、ダウンカウント動作とアップカウント動作とを切り替えて(具体的には交互に)カウント処理を行なうことが可能に構成されている。
【0096】
また上記カウンタ254には、水平走査回路212から制御線212cを介して制御パルスが入力される。カウンタ254は、カウント結果を保持するラッチ機能を有しており、制御線212cを介しての制御パルスによる指示があるまでは、カウンタ出力値を保持する。
【0097】
個々のカラムAD回路225の出力側は、上記水平信号線218に接続されている。水平信号線218は、カラムAD回路225のビット幅であるnビット幅分の信号線を有し、それぞれの出力線(図示せず)に対応したn個のセンス回路(図示せず)を経由して出力部228に接続される。
【0098】
上記構成の固体撮像装置1では、カラムAD回路225は、画素信号読出期間において、カウント動作を行ない、所定のタイミングでカウント結果を出力する。すなわち、先ず、比較器252では、参照信号生成部227からのランプ波形電圧と、垂直信号線219を介して入力される画素信号電圧とを比較する。そして、双方の電圧が同じになると、比較器252のコンパレータ出力が反転(本例ではHレベルからLレベルへ遷移)する。
上記カウンタ254は、参照信号生成部227から発せられるランプ波形電圧に同期してダウンカウントモードもしくはアップカウントモードでカウント動作を開始している。そしてコンパレータ出力の反転した情報がカウンタ254に通知されると、カウント動作を停止し、その時点のカウント値を画素データとしてラッチ(保持・記憶)することでAD変換を完了する。
この後、カウンタ254は、所定のタイミングで水平走査回路212から制御線212cを介して入力される水平選択信号CH(i)によるシフト動作に基づいて、記憶・保持した画素データを順次外部に出力する。
【0099】
図18に示すように、本発明の容量素子20は、DC成分をカットする働きを有し、上記画素部210の画素内増幅部261と比較器252との間に適用される。すなわち、容量素子20は、垂直信号線219と比較器252との間に直列に接続される。
上記比較器252は、上記DAC227a(前記図17参照)で生成される参照信号RAMPと、行制御線215(前記図17参照)ごとに単位画素から垂直信号線219を経由し得られるアナログの画素信号とを比較する。
このとき、垂直信号線219の電位Aは、画素部210のフォトダイオードPDのポテンシャル変化によって電位Aも変化する。そこで、垂直信号線219に電圧追従性に優れた本発明の容量素子20を接続することで、容量素子20の容量分のオフセットが入る。しかもこのオフセットは電圧に依存している。したがって、上記比較器252では、RAMP電位と上記電位Aを比較するので電圧追従性は抑えられることになる。
なお、上記画素部210では、フォトダイオードPDで得られた信号電荷が転送トランジスタTRGによって読み出される。そしてリセットトランジスタRSTは、フォトダイオードPDからフローティングディフュージョン部FDへの信号電荷の転送に先立って、ゲート電極にリセットパルスが与えてフローティングディフュージョン部FDの電位をリセット電圧にリセットする。また増幅トランジスタAMPは、リセットトランジスタRSTによってリセットされた後のフローティングディフュージョン部FDの電位をリセットレベルとして出力する。さらに転送トランジスタTRGによって信号電荷が転送された後のフローティングディフュージョン部FDの電位を信号レベルとして出力する。また選択トランジスタSELは、単位画素を選択状態として増幅トランジスタAMPから信号を出力させる。
【0100】
<4.第4の実施の形態>
[撮像装置の構成の一例]
次に、本発明の第4実施の形態に係る撮像装置の構成の一例を、図19のブロック図によって説明する。この撮像装置は、本発明の固体撮像装置を用いたものである。
【0101】
図19に示すように、撮像装置300は、撮像部301に固体撮像装置310を備えている。この撮像部301の集光側には像を結像させる集光光学部302が備えられ、また、撮像部301には、それを駆動する駆動回路、固体撮像装置310で光電変換された信号を画像に処理する信号処理回路等を有する信号処理部303が接続されている。また上記信号処理部303によって処理された画像信号は画像記憶部(図示せず)によって記憶させることができる。このような撮像装置300において、上記固体撮像装置310には、前記実施の形態で説明した固体撮像装置1を用いることができる。
【0102】
本発明の撮像装置300では、本願発明の固体撮像装置1を用いることから、固体撮像装置1が安定した信号処理が行えるので、高品質な画像が得られるという利点がある。
【0103】
また、上記撮像装置300は、ワンチップとして形成された形態であってもよいし、撮像部と、信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。ここでいう撮像装置300は、例えば、カメラや撮像機能を有する携帯機器のことをいう。また「撮像」は、通常のカメラ撮影時における像の撮りこみだけではなく、広義の意味として、指紋検出なども含むものである。
【符号の説明】
【0104】
11…半導体基板、12…素子分離領域、13…アクティブ領域、14…素子分離溝、20…容量素子、21…第1電極、22…容量絶縁膜、23…第2電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に形成された素子分離領域により区画されたアクティブ領域と、
前記アクティブ領域に形成された拡散層からなる第1電極と、
前記第1電極上に形成された容量絶縁膜と、
前記第1電極の平坦面上に前記容量絶縁膜を介して形成された第2電極を有し、
前記第2電極は、平面レイアウト上、前記アクティブ領域内でかつ前記第1電極内に形成されている
容量素子。
【請求項2】
前記素子分離領域はLOCOS構造をなす
請求項1記載の容量素子。
【請求項3】
前記素子分離領域はSTI構造をなす
請求項1記載の容量素子。
【請求項4】
前記第2電極23がSTI構造をなす素子分離領域12上に前記容量絶縁膜22を介して延長形成されている
請求項3記載の容量素子。
【請求項5】
前記第1電極の拡散層の不純物濃度は1×1018atoms/cm3以上である
請求項1記載の容量素子。
【請求項6】
前記第2電極上に前記第2電極に接続されるコンタクト部が形成されている
請求項1記載の容量素子。
【請求項7】
半導体基板にアクティブ領域を区画する素子分離領域を形成する工程と、
前記アクティブ領域に不純物をイオン注入して拡散層からなる第1電極を形成する工程と、
前記第1電極上に容量絶縁膜を形成する工程と、
前記容量絶縁膜上でかつ前記第1電極の平坦面上に第2電極を形成する工程を有し、
前記第2電極は、平面レイアウト上、前記アクティブ領域内でかつ前記第1電極内に形成される
容量素子の製造方法。
【請求項8】
半導体基板のアクティブ領域となる領域に不純物をイオン注入して拡散層からなる第1電極を形成する工程と、
半導体基板にアクティブ領域を区画する素子分離溝を形成する工程と、
前記素子分離溝の内部に絶縁膜を埋め込んで素子分離領域を形成する工程と、
前記第1電極上に容量絶縁膜を形成する工程と、
前記容量絶縁膜上に第2電極を形成する工程を有し、
前記素子分離溝の一部は、前記第1電極の周部およびその周囲の前記半導体基板を除去して形成される
容量素子の製造方法。
【請求項9】
前記第2電極は、平面レイアウト上、前記アクティブ領域内でかつ前記第1電極内に形成される
請求項8記載の容量素子の製造方法。
【請求項10】
入射光を光電変換して信号電荷を得る光電変換部を有する画素部と、
前記画素部から出力された信号電荷とAD変換用の参照電圧とを比較する比較器を有するカラムAD回路を複数有するカラム処理部と、
前記画素部からの出力側と前記比較器との間にDC成分をカットする容量素子を備え、
前記容量素子は、
半導体基板に形成された素子分離領域により区画されたアクティブ領域と、
前記アクティブ領域に形成された拡散層からなる第1電極と、
前記第1電極上に形成された容量絶縁膜と、
前記第1電極の平坦面上に前記容量絶縁膜を介して形成された第2電極を有し、
前記第2電極は、平面レイアウト上、前記アクティブ領域内でかつ前記第1電極内に形成されている
固体撮像装置。
【請求項11】
入射光を集光する集光光学部と、
前記集光光学部で集光した光を受光して光電変換する固体撮像装置を有する撮像部と、
前記固体撮像装置で光電変換された信号を処理する信号処理部を有し、
前記固体撮像装置は、
入射光を光電変換して信号電荷を得る光電変換部を有する画素部と、
前記画素部から出力された信号電荷とAD変換用の参照電圧とを比較する比較器を有するカラムAD回路を複数有するカラム処理部と、
前記画素部からの出力側と前記比較器との間にDC成分をカットする容量素子を備え、
前記容量素子は、
半導体基板に形成された素子分離領域により区画されたアクティブ領域と、
前記アクティブ領域に形成された拡散層からなる第1電極と、
前記第1電極上に形成された容量絶縁膜と、
前記第1電極の平坦面上に前記容量絶縁膜を介して形成された第2電極を有し、
前記第2電極は、平面レイアウト上、前記アクティブ領域内でかつ前記第1電極内に形成されている
撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−239001(P2010−239001A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86669(P2009−86669)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】