説明

射出成形機

【課題】 射出機のノズルの目詰りの虞れがなく、型側における絞り部の偏芯を抑制して成形材料の供給の均一性を確保しつつ、予めの昇温を可能にした射出成形機を提供する。
【解決手段】 型3の注入口4から延びる注入流路6に、該注入流路6と接触する複数のガイド部7Gとこれらのガイド部7G間に形成された成形材料を発熱させるための発熱流路7Hとを備える発熱部材7を配置したことにより、射出機側では目詰りを引き起こす虞れがなく、型3の注入流路6に発熱部材7が複数のガイド部7Gにて接触するので発熱部材7が成形材料の流れによって偏芯することがなく、注入流路6自体の形状が簡素でありながら発熱部材7との間に有効な絞り部(発熱流路7H)が形成され、成形材料の流動特性に偏りを生じないので、加硫不足や過加硫による品質の不均衡が発生せず、加硫製品の均一性が確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防振ゴム等のゴム製品を加硫成形する際に使用する射出成形機に係り、射出機の注入ノズルを型の注入口に当接させて射出機からの成形材料を型に注入する射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、防振ゴム等のゴム製品を射出成形機にて加硫する場合、生産性を向上させるために加硫時間の短縮が重要な要因となっている。このような加硫時間の短縮のための一般的な手法として、型内で成形すべき成形材料の温度を予め上げておくことが有効な方法として従来から種々の技術が提案されて採用されてきた。なかでも一般に用いられている方法は、射出機のノズルの内径を小さく形成して絞り部を構成し、該絞り部を通過する成形材料(未加硫の生ゴム等)の自己発熱を利用して成形材料の温度を予め上げておくことができる。このような加硫に先立って成形材料を予め昇温させておく典型的な技術として下記特許文献1および特許文献2に開示されたものが提案された。
【特許文献1】特開2000−317986号公報(公報請求項1参照)。
【特許文献2】特開2004−188825号公報(公報請求項1参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図4を用いて前記特許文献1に開示された第1従来例の射出成形機を説明する。この特許文献1に開示されたものは、射出機のノズル先端に絞り部を形成したもので、ノズル101を貫通して延びる射出用流路105を有するものにおいて、前記射出用流路105の少なくとも1つの部分が非円形断面を有するオリフィス106として形成され、このオリフィス106の断面形状が、一方向に長く、かつその長軸方向の少なくとも両端部において、これら両端部に近くなるほど前記長軸と直交する方向の寸法が漸次小さくなる偏平形状をなすように構成されたものである。このような構成により、ノズル101を通過する成形材料が剪断摩擦により自己発熱し、加硫に先立って予め昇温されるので、成形材料の加硫時間が短縮されることとなった。
【0004】
しかしながら、第1従来例のものではノズル101のオリフィス106を成形材料が通過することで、型140内における加硫に先立って、成形材料の温度を予め昇温させておくことで加硫時間の短縮が可能となったものの、オリフィス106の径が小さく形成されたことで、成形材料の内部発熱による昇温が金属部であるノズル自体の温度も過度に昇温させる虞れが生じる。これによって、次回の射出待機時に、ノズル自体の高熱により該ノズル部に充填されたままの前回の未加硫の成形材料が加硫されてしまい、流動性を失った加硫材料によりノズルが詰まり、以後の射出成形の続行不能に陥る虞れがあった。
【0005】
そこで、図5に示す特許文献2に開示されたような第2従来例の型側に絞り部を配置したものが提案された。この特許文献2に開示されたものを説明すると、射出機201の先端のノズル205が金型204のノズルタッチ210に当接して、射出機201から成形材料を金型204に注入射出する射出成形機において、型204のランナー212とノズルタッチ210の両面間に形成されているスプール211に同心的に分流子216を遊嵌し、前記分流子216を前記スプール211の軸方向に移動可能にし、前記分流子216を移動させる駆動手段250を設けたもので、型204側にて、スプール211と分流子216との間に絞り部が形成され、この絞り部にて成形材料の自己発熱による昇温がなされるので、前記図4の射出機のノズル先端に絞り部を形成したもののように、ノズル自体の高熱により該ノズル部に充填されたままの前回の未加硫の成形材料が加硫されて、流動性を失った加硫材料によりノズルが詰まり、射出成形の続行不能に陥る虞れがなくなった。
【0006】
しかしながら、この第2従来例のものにあって、狭隘なスプール211内に起立配置された分流子216は錐状のピン状を呈しているため、成形材料の高い射出圧力(100〜159MPa)と速い流速(1m/秒程度)に耐えられず、倒れ現象を生じてスプール211の流路内にて偏芯してしまう虞れがあった。これにより成形材料の流れに偏りが生じ、広い隙間側に流れが集中するとともに、狭い隙間側で停滞した成形材料内に、局部的に化学反応が進行する「焼け」によって異物を生じる。そに一部が正常な流れの中に混入して加硫成形品の品質に重大な欠陥を生じる虞れがあった。
【0007】
また、射出機201のノズル205については、毎回の射出終了後、ノズルタッチ210との接触から離れて数センチ程度上昇する。通常、このノズル205の先端の周囲には焼けた成形材料の異物が付着しており、この異物は時として脱落してノズルタッチ210注入口からスプール211内に侵入してしまう。そして、次回の射出時に、ノズル205から注入射出される正常の成形材料に混入して、スプール211内における分流子216との絞り部の流路を閉塞してしまい、射出トラブルを生じる虞れがあった。
【0008】
そこで本発明は、このような従来の射出成形機の諸課題を解決し、射出機側のノズルの目詰りの虞れがなく、型側における絞り部の偏芯を抑制して複数のキャビティへの成形材料の供給の均一性を確保しつつ、成形材料の予めの昇温を可能にした射出成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため本発明は、射出機の注入ノズルを型の注入口に当接させて射出機からの成形材料を型に注入する射出成形機において、前記型の注入口から延びる注入流路に、該注入流路と接触する複数のガイド部とこれらのガイド部間に形成された成形材料を発熱させるための発熱流路とを備える発熱部材を配置したことを特徴とする。また本発明は、前記注入流路を錐状に形成するとともに、前記発熱部材の各ガイド部を前記注入流路の錐状部に接するように構成したことを特徴とする。また本発明は、前記注入流路が、型のランナー部材と分離可能なロケート部材に形成されたことを特徴とする。また本発明は、前記発熱部材が型と別体にて構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記発熱部材の一部が型に形成された凹部内に収容されて支持されたことを特徴とする。また本発明は、前記発熱部材のガイド部は、前記注入流路と面接触するように構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記発熱部材にダストポケットが形成されたことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、射出機の注入ノズルを型の注入口に当接させて射出機からの成形材料を型に注入する射出成形機において、前記型の注入口から延びる注入流路に、該注入流路と接触する複数のガイド部とこれらのガイド部間に形成された成形材料を発熱させるための発熱流路とを備える発熱部材を配置したことにより、従来の射出機の注入ノズルに絞り部を形成したもののように、ノズル自体の高温化によりノズル自体内部の成形材料が硬化して発生する不純物により目詰りを引き起こすことがないばかりか、型の注入口から延びる注入流路に発熱部材が複数のガイド部にて接触するので、注入流路自体の形状が簡素でありながら発熱部材との間に有効な絞り部(発熱流路)が形成され、しかも、発熱部材が成形材料の流れによって偏芯することがなく、成形材料の流動特性に偏りを生じないので、加硫不足や過加硫による品質の不均衡が発生せず、加硫製品の均一性が確保できる。
【0011】
また、前記注入流路を錐状に形成するとともに、前記発熱部材の各ガイド部を前記注入流路の錐状部に接するように構成した場合は、注入流路に対して発熱部材を組み付ける際には、注入流路の錐状部に対する発熱部材のガイド部が効果的にガイドされて正確に調芯位置に組み付けられて、精度向上に寄与する。そればかりでなく、注入流路と発熱部材間に製作誤差等による微細な芯ずれがあっても、それらの芯ずれを吸収することもできる。さらに、前記注入流路が、型のランナー部材と分離可能なロケート部材に形成された場合は、絞り部を構成する注入流路の錐状部の加工・チューニングが容易となる。さらに、注入射出される成形材料の特性に合わせて、注入流路の錐状部の諸元を異にしたロケート部材を数種類を準備することで、加硫製品の仕様変更等に迅速に対応することができて、作業効率が向上する。
【0012】
さらにまた、前記発熱部材が型と別体にて構成された場合は、発熱部材自体の加工・チューニングが容易で、仕様変更にも容易に対応でき、発熱部材の強度や熱耐久性の良好な材質のものを選定でき、設計の自由度が向上する。さらに、消耗の激しい発熱部材のみを交換できるので、型全体を交換する必要がなく、ランニングコストを低減できる。また、前記発熱部材の一部が型に形成された凹部内に収容されて支持された場合は、発熱部材を精度良く組み付けるが可能になるとともに、発熱部材の型への支持強度を向上させることができる。
【0013】
さらに、前記発熱部材のガイド部は、前記注入流路と面接触するように構成された場合は、発熱部材が注入流路内にて成形材料から偏芯圧力を受けても、発熱部材のガイド部が注入流路と面接触していることにより、面圧が低くなり、注入流路内で発熱部材が偏芯することなく確実にその位置を維持でき、しかも、注入流路に対して損傷を与えることもない。さらにまた、前記発熱部材にダストポケットが形成された場合は、万一、射出機のノズル先端から異物が落下して、型の注入流路内に侵入しても、発熱部材のダストポケット内に捕捉して、絞り部を含む流路内への不純物の侵入が防止され、加硫製品の均一性が確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の射出成形機の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の射出成形機の第1実施例を示す要部断面図、図2は本発明の射出成形機にて使用される発熱部材の各例の斜視図、図3は本発明の射出成形機の第2実施例を示す要部断面図である。本発明の基本的な構成は図1に示すように、射出機1の注入ノズル2を型3の注入口4に当接させて射出機1からの成形材料5を型3に注入する射出成形機において、前記型3の注入口4から延びる注入流路6に、該注入流路6と接触する複数のガイド部7Gとこれらのガイド部7G間に形成された成形材料5を発熱させるための発熱流路7Hとを備える発熱部材7を配置したことを特徴とする。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の射出成形機の第1実施例を示す要部断面図である。射出機1は、図示外のスクリュ押出機により溶融状態にて押し出されてきた成形材料5がポット内から射出機流路8内に流下する。同時にその圧力によりポット上方に収容された射出用のプランジャを上昇させるとともに、射出機1の下端部に設置された注入ノズル2に到達するように構成されている。そして、射出機1の下方に設置された金型等の型3は、図1の実施例では、上方から順次積層配設された、ランナー部材3C、上型3Aおよび下型3Bとから構成される。これら3つのの部材は適宜の方法にて接合固定される。
【0016】
図示の例では、上型3Aの上部に積層されたランナー部材3Cに、鉛直状に注入流路6が形成される。該注入流路6の上端部には注入口4が形成される。注入口4は、前記射出機1の注入ノズル2と当接する適合形状、好適には注入ノズル2の凸錐状面に対してこれを受け入れる凹錐状面とされる。注入流路6内には、上型3Aから上方に突出形成される発熱部材7が形成される。注入口4の凹錐状面の下端部から所定径の注入流路6が下方に延び、注入流路6の後半は下流ほど径が漸増する錐状部6T(図示の例では円錐状であるが、角錐状等の非円形状を排除するものではない。その場合は円筒状の発熱部材との組合せにより後述するガイド部および発熱流路を形成できる)が形成される。
【0017】
ランナー部3Cと上型3Aとの接合面には、水平状の分岐流路11が複数個形成される。図示の例では、ランナー部3C側に流路を構成する溝部が形成されるが、上型3Aの上面に溝部を形成してもよい。分岐流路11は、加硫成形すべき製品の数に応じて形成されたキャビティ9の数に応じて形成される。図示の例ではキャビティ9が9A、9Bの2個形成され、したがって、分岐流路も11A、11Bの2本が形成される。3個、4個あるいはそれ以上のキャビティ9の数に応じて、3本、4本あるいはそれ以上の分岐流路が形成される。平面視で放射状に配設される。鉛直状の注入流路6から水平状の分岐流路11A、11B、11C・・・に移行する地点に分岐部が形成される。キャビティ9は上型3Aと下型3Bとの対向面に形成され、加硫成形後に、上型3Aと下型3Bとを分離することで容易に成形品の離型を行うことができる。
【0018】
前記注入流路6における錐状部6Tに、該錐状部6Tと接触する発熱部材7が収容される。発熱部材7は上型3Aから上方へ突出形成されている。発熱部材7を詳細に説明する。図2は後述する第2実施例のもの、すなわち発熱部材7と上型3Aとが別体にて構成されたものの実施例であるが、これら発熱部材7の上半分は同様の構成であるので、図1の上型3Aから突出形成された部分である発熱部材7として説明すると、図2(A)のものは、発熱部材7が、前記注入流路6の錐状(円錐状)部6Tに円周上の3か所にて面接触する錐状(円錐状)のガイド部7Gとこれらのガイド部7G間に形成された成形材料を発熱させるための絞り部を構成する平板状すなわち角錐状の発熱流路7Hとを備える。
【0019】
図2(B)のものは、発熱部材7が、前記注入流路6の錐状(円錐状)部6Tに円周上の4か所にて面接触する錐状(円錐状)のガイド部7Gとこれらのガイド部7G間に形成された成形材料を発熱させるための平板状の溝すなわち角錐状の4つの発熱流路7Hとを備える。図1に戻り、このようにして上型3Aから上方へ突出形成された発熱部材7の前記ガイド部7Gは、上型3Aに対してランナー部材3Cを組み付けることによって、発熱部材7のガイド部7Gの全てのものがランナー部材3Cにおける注入流路6の錐状部6Tにガイドされつつ接触して適正位置に位置決めされる。このとき、ガイド部7G間で注入流路6の錐状部6Tとの間に形成された隙間に絞り部である発熱流路7Hが構成される。この発熱流路7Hを成形材料が流れる際に、成形材料が自己発熱により昇温される。昇温した成形材料は流下し易くなって分岐流路11A、11Bに向かう。成形材料は分岐流路11A、11Bのそれぞれから各キャビティ9A、9Bに充填されて、型内に配備された蒸気通路や加熱ヒータ等の適宜の加熱手段により加硫成形されることになる。
【0020】
かくして、本発明では、型側に成形材料の自己発熱を誘う発熱部材を配置したことにより、従来の射出機の注入ノズルに絞り部を形成したもののように、ノズル自体の高温化によりノズル自体内部の成形材料が硬化して発生する不純物により目詰りを引き起こすことがないばかりか、型の注入口から延びる注入流路に発熱部材が複数のガイド部を介して接触するので、注入流路自体の形状が簡素でありながら発熱部材との間に有効な絞り部が形成され、しかも、発熱部材が成形材料の流れによって偏芯することがなく、成形材料の流動特性に偏りを生じないので、加硫不足や過加硫による品質の不均衡が発生せず、加硫製品の均一性が確保できる。しかも、注入流路に対して発熱部材を組み付ける際には、注入流路の錐状部に対する発熱部材のガイド部が効果的にガイドされて正確に調芯位置に組み付けられて、精度向上に寄与できる他、注入流路と発熱部材間に製作誤差等による微細な芯ずれがあっても、複数のガイド部の存在によってそれらの芯ずれを吸収できる。
【実施例2】
【0021】
図2および図3は本発明の第2実施例を示すもので、図2は分離可能な発熱部材の2つの例、図3は要部断面図である。本実施例のものは、発熱部材7と組み合わされるべき注入流路6がランナー部材3Cとは別体のロケート部材12に形成されるとともに、前記射出ノズル2と接触する注入口4がロケート部材12にさらに螺合されるノズル部材15に形成される。前記ロケート部材12は平板部12Aが取付ボルト13によって取り付けられ、そのほぼ中心に位置する鉛直状の脚部12Bがランナー部材3の対応位置に形成された孔部に嵌合される。ランナー部材3Cとロケート部材12とが分離可能に形成されていることによって、絞り部を構成する注入流路6の錐状部6Tの加工・チューニングが容易となる。さらに、注入射出される成形材料の特性に合わせて、注入流路6の錐状部6Tの諸元を異にしたロケート部材12を数種類を準備することで、加硫製品の仕様変更等に迅速に対応することができて、作業効率が向上する。
【0022】
本実施例ではさらに、発熱部材7が上型3Aに対して分離可能に設置される。発熱部材7は前述した図2(A)や図2(B)に示したものを、対応する上型3Aの上面に刻設した凹部(インロー部)18に適合して埋設保持される。発熱部材7の一部が上型3Aに形成された凹部18内に収容されて支持されて、発熱部材7を精度良く組み付けるが可能になるとともに、発熱部材7の型への支持強度を向上させることができる。しかも、分離可能な発熱部材7自体の加工・チューニングが容易で、仕様変更にも容易に対応でき、発熱部材7の強度や熱耐久性の良好な材質のものを選定でき、設計の自由度が向上する。さらに、消耗の激しい発熱部材7のみを交換できるので、型全体を交換する必要がなく、ランニングコストを低減できる。また、発熱部材7の中心部にはダストポット16が形成されて、万一、射出機のノズル先端から異物が落下して、型の注入流路6内に侵入しても、これを捕捉して絞り部を含むの流路内への不純物の侵入を防止し、加硫製品の均一性が確保できる。
【0023】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、押出部(スクリュ等の回転による成形材料の溶融および押出し形態等)を含む射出機の形状、形式(ポットの形状や形式およびポット内における射出用プランジャの配設形態、射出用プランジャによる射出機からの成形材料の射出形態)、射出機における注入ノズルの形状(成形材料を昇温させて流動性を良化するために少しだけ絞り部を形成してもよい)、形式、型、ランナー部材、ロケート部材(脚部を用いた絞り部の形成等)およびノズル部材の形状、形式およびそれらの材質(注入流路や錐状部を形成するのに適した素材を選定できる)、ならびにそれらの間の接合固定形態(直接に螺合、固定ビス等による固定等)、それらの部材における注入流路や錐状部の形状、形成部位等については適宜選定できる。
【0024】
また、注入口の形状(好適には円形状の凹錐状面とされるが、非円形の凹錐状面も採用され得る。その場合には、射出機側の注入ノズルも対応の凸錐状面とされる)、形式、注入流路、ガイド部および発熱流路部の錐状面形状(ガイド部が面接触で注入流路の錐状部に接触する他、線接触にて接触するものを排除するものではない)を含む発熱部材の形状、形式およびその注入流路の錐状部に対する関連構成(実施例のもののように、注入流路の錐状部と発熱部材の錐状部の両方とも円錐状とする他、注入流路の錐状部が非円形で発熱部材の錐状部が円形として発熱流路が形成されてもよいし、注入流路の錐状部が円形で発熱部材の錐状部が非円形として発熱流路が形成されてもよい。)、ダストポケットの形成形態、発熱部材の上型への支持固定形態(型の凹部に収納する他、型に形成した突起に発熱部材底部に形成した凹部を嵌合するようにすることもできる)、分岐流路の形状、形式、キャビティの形状、形式および数等についても適宜選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の射出成形機の第1実施例を示す要部断面図である。
【図2】本発明の射出成形機にて使用される発熱部材の各例の斜視図である。
【図3】本発明の射出成形機の第2実施例を示す要部断面図である。
【図4】射出成形機の第1従来例の要部断面図である。
【図5】射出成形機の第2従来例の要部断面図およびその一部の拡大図である。
【符号の説明】
【0026】
1 射出機
2 注入ノズル
3 型
3A 上型
3B 下型
3C ランナー部材
4 注入口
5 成形材料
6 注入流路
6T 錐状部
7 発熱部材
7G ガイド部
7H 発熱流路
8 射出機流路
9A キャビティ
9B キャビティ
11A 分岐流路
11B 分岐流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出機の注入ノズルを型の注入口に当接させて射出機からの成形材料を型に注入する射出成形機において、前記型の注入口から延びる注入流路に、該注入流路と接触する複数のガイド部とこれらのガイド部間に形成された成形材料を発熱させるための発熱流路とを備える発熱部材を配置したことを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
前記注入流路を錐状に形成するとともに、前記発熱部材の各ガイド部を前記注入流路の錐状部に接するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
【請求項3】
前記注入流路が、型のランナー部材と分離可能なロケート部材に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記発熱部材が型と別体にて構成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の射出成形機。
【請求項5】
前記発熱部材の一部が型に形成された凹部内に収容されて支持されたことを特徴とする請求項4に記載の射出成形機。
【請求項6】
前記発熱部材のガイド部は、前記注入流路と面接触するように構成されたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の射出成形機。
【請求項7】
前記発熱部材にダストポケットが形成されたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の射出成形機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−55612(P2008−55612A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−231579(P2006−231579)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【出願人】(398037664)ブリヂストンエラステック株式会社 (20)
【Fターム(参考)】