説明

干渉計

【課題】設置スペースが限られていても測定しやすい干渉計を提供すること。
【解決手段】レーザ光源2からの光L1を参照面721に入射させるとともに被測定物4に入射させ、偏光面が直交する参照光L4および測定光L5を得、それらの合波光L6を射出するセンサヘッド7が、レーザ光源2などを備える本体部10に、可撓性を有する偏波保存ファイバ309により接続されているので、センサヘッド7を適宜の位置に配置でき、設置スペースが限られていても簡単に被測定物4の変位量を測定できる。また、センサヘッド7が、偏光面を保存して導光する偏波保存ファイバ309により本体部10と接続されているので、センサヘッド7から射出された合波光L6が偏波保存ファイバ309を透過する際に、参照光L4および測定光L5の偏光面が互いに直交した状態のまま保存される。そのため、合波光L6から被測定物4の変位量を正確に測定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、干渉計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出た光を分割し、一方を参照面に入射させて参照光を得るとともに他方を被測定物に入射させて測定光を得た後に、各光を合波し、各光の光路長差により発生する干渉を解析することにより被測定物の変位量等を測定する干渉計が知られている。このような干渉計としては、参照光と測定光とを同一波長で干渉させるホモダイン干渉計や、参照光と測定光とを異なる波長で干渉させるヘテロダイン干渉計が知られている。ホモダイン干渉計の代表的なものとしては、例えばマイケルソン干渉計が知られている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
【0003】
図7は、従来のマイケルソン干渉計1Eの構成を示す図である。
従来のマイケルソン干渉計1E(以下、マイケルソン干渉計を干渉計と記載)は、図7に示すように、レーザ光源2と、測定子光学系3と、取得手段5と、算出手段6とを備え、これらが一体化された構成を有する。このような干渉計1Eでは、レーザ光源2から射出されたレーザ光L1は、測定子光学系3に入射する。測定子光学系3に入射した光L1は、1/2波長板301により、光路後段に配置される偏光ビームスプリッタ302の偏光膜303に対するS波成分とP波成分との割合が調整された後、当該偏光ビームスプリッタ302により、当該偏光ビームスプリッタ302にて反射するS波の光L2と、当該偏光ビームスプリッタ302を透過するP波の光L3とに分割される。
【0004】
光L2は、1/4波長板304を透過した後、参照面305にて反射し、参照光L4となる。参照光L4は、1/4波長板304を透過し、偏光ビームスプリッタ302に対してP波の光に変換され、偏光ビームスプリッタ302を透過する。
光L3は、1/4波長板306を透過した後、被測定物4にて反射し、測定光L5となる。測定光L5は、1/4波長板306を透過し、偏光ビームスプリッタ302に対してS波の光に変換され、偏光ビームスプリッタ302で反射して参照光L4と合波する。
【0005】
参照光L4と測定光L5との合波光L6(干渉光)は、取得手段5に入射し、1/2波長板501により、光路後段に配置される偏光ビームスプリッタ503,508の偏光膜504,509に対するP波成分とS波成分との割合が調整された後、無偏光ビームスプリッタ502により光L7および光L8に分割される。
【0006】
光L7は、偏光ビームスプリッタ503によりP波の光L71とS波の光L72とに分割される。すなわち、光L7は、後述する各光L72,L81,L82の位相の基準となるP波の光L71と、偏光ビームスプリッタ508で反射することにより光L71に対して位相が180°遅れた位相差180°のS波の光L72とに分割される。分割された光L71,L72は、それぞれフォトディテクタ505,506により受光される。これにより、被測定物4を変位させた際には、フォトディテクタ505により光L71(干渉)の強度を示す正弦波状の干渉信号A1が得られるとともに、フォトディテクタ506により位相差180°の光L72の強度を示す正弦波状の干渉信号A2が得られる。
【0007】
一方、光L8は、1/4波長板507を透過し、光L7(基準となる光L71)に対して位相が90°遅れた後に、偏光ビームスプリッタ508によりP波の光L81とS波の光L82とに分割される。すなわち、光L6は、光L71に対して位相が90°遅れた位相差90°の光L81と、偏光ビームスプリッタ508で反射することにより位相が光L81に対して180°遅れ、光L71に対しては位相が270°遅れた位相差270°の光L82とに分割される。分割された光L81,L82は、それぞれフォトディテクタ510,511により受光される。これにより、被測定物4を変位させた際には、フォトディテクタ510により位相差90°の光L81の強度を示す干渉信号A3が得られるとともに、フォトディテクタ511により位相差270°の光L82の強度を示す干渉信号A4が得られる。
【0008】
そして、算出手段6は、電気的な信号処理により、位相差180°の干渉信号A2および基準となる干渉信号A1の差を取った第1正弦波状信号と、位相差270°の干渉信号A2および位相差90°の干渉信号A1の差を取った第2正弦波状信号とを生成し、これら90°の位相差がある第1,第2正弦波状信号の強度変化の繰り返しをカウント等することで、被測定物4の変位量を高い精度で算出する。
【0009】
【特許文献1】特開平2−22503号公報
【特許文献2】計量研報告書Vol.49,(2000)第38頁〜39頁
【特許文献3】M.J Downs and K.W.Raine:Anunmodulated bidirectional fringe-counting interferometer system for measuring displacement,precis.eng,Vol.1,No2(1979)85
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような干渉計1Eは、レーザ光源2、測定子光学系3、取得手段5、および算出手段6が一体化された構成を有し、大型のものとなりやすい。従って、光L3を被測定物4に当てて測定光L5を得るためには、干渉計1Eと被測定物4との位置関係を調整する必要があるが、設置スペースが限られる場合、従来の干渉計1Eでは、当該干渉計1Eが大きいため、位置関係の調節を良好に行うことができず、測定しづらいという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、設置スペースが限られていても測定しやすい干渉計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の干渉計は、レーザ光源と、前記レーザ光源からの光を参照面に入射させるとともに被測定物に入射させ、前記参照面にて反射された参照光および前記被測定物にて反射された測定光を得るとともに、前記測定光の偏光面と前記参照光の偏光面とを直交させた後に前記測定光と前記参照光とを合波し、合波光を射出するセンサヘッドと、前記レーザ光源からの光を前記センサヘッド側に透過させるとともに、前記センサヘッドから射出された前記合波光を取り出す導光手段と、前記導光手段から射出された光を前記センサヘッドに導光するとともに、前記センサヘッドから射出された前記合波光を、前記合波光の偏光面を保存したまま前記導光手段に導光する偏波保存ファイバと、前記導光手段により取り出された前記合波光から干渉信号を取得する取得手段と、前記干渉信号に基づいて前記被測定物の変位量を算出する算出手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、センサヘッドは、レーザ光源、導光手段、取得手段、および算出手段などからなる本体部に偏波保存ファイバにより接続されている。本体部のレーザ光源から射出された光は、偏波保存ファイバを介してセンサヘッドに導光される。このように、センサヘッドと、レーザ光源等を有する本体部とが偏波保存ファイバにより接続されているので、センサヘッドを適宜の位置に配置することができ、設置スペースが限られていても簡単に被測定物の変位量等を測定することができる。
また、センサヘッドが単に偏光面を保存しないで導光する光ファイバにより本体部と接続されていた場合、センサヘッドから射出された合波光が光ファイバを透過する際に、合波光中の参照光および測定光の偏光面がそれぞれ回転してしまうので(各光の位相がずれてしまうので)、算出手段が合波光から被測定物の変位量等を正確に測定することができなくなる。これに対し、本発明では、センサヘッドが、偏光面を保存して導光する偏波保存ファイバにより本体部と接続されているので、合波光が偏波保存ファイバを透過する際に、合波光中の参照光および測定光の偏光面は互いに直交した状態のまま保存される。そのため、算出手段が合波光から被測定物の変位量等を正確に測定することができる。
【0014】
本発明の干渉計では、前記センサヘッドは、前記参照面の光路後段に配置された1/4波長板を備え、前記参照面は、当該参照面に入射した前記レーザ光源からの光の一部を前記参照光として反射するとともに残りの光を透過することが好ましい。
【0015】
本発明では、センサヘッドは、例えば、レンズと、透光部材と、1/4波長板とを含んで構成される。そして、レーザ光源からの光は、レンズによって集光および平行化された後に、透光部材に入射し、一部が表面(参照面)で反射して参照光となり、残りが当該表面および透光部材を透過し、1/4波長板を透過した後に被測定物に入射して反射することで測定光となる。測定光は、1/4波長板を透過し、参照光と偏光面が直交する直線偏光に変換された後、参照面を透過し、参照光と合波する。
ここで、従来の干渉計では、レーザ光源からの光を偏光ビームスプリッタを用いて2方向に分割し、一方の光路上に1/4波長板および参照面を配置し、他方の光路上に1/4波長板および被測定物を配置することにより、偏光面が互いに直交する参照光および測定光を得ており、2つの1/4波長板が必要となっていた。
これに対し、本発明では、前述したように、偏光面が互いに直交する参照光および測定光を得るのに1/4波長板が1つしか必要とならないので、従来の構成をセンサヘッドに適用した場合に比べ、センサヘッドを小型化でき、スペースが限られていてもより測定しやすくなる。
【0016】
本発明の干渉計は、半径方向に沿って屈折率が連続的に変化する屈折率勾配型レンズを備え、前記屈折率勾配型レンズは、前記レーザ光源からの光が入射する入射面と、前記入射面に入射した光の一部を前記参照光として反射するとともに、残りの光を射出する前記参照面である射出面とを備えていることが好ましい。
【0017】
本発明によれば、屈折率勾配型レンズの入射面に入射し、当該屈折率勾配型レンズにより平行化された光を、射出面(参照面)により、当該射出面で反射する参照光と、1/4波長板側へ透過する光とに分割する。従って、光の平行化および分割という機能を屈折率勾配型レンズのみで実現できるので、光の平行化および分割という機能をレンズおよび透光部材により実現する前述の構成に比べ、部品点数を低減できる。
【0018】
本発明の干渉計では、前記参照面は、複数のワイヤが平行に設けられたワイヤグリッド面であり、当該参照面に入射した光のうち、偏光面が前記ワイヤに平行な光を前記参照光として反射するとともに、偏光面が前記ワイヤに垂直な光を透過することが好ましい。
【0019】
本発明によれば、ワイヤグリッド面である参照面に入射した光のうち、偏光面がワイヤに平行な一部の光は参照面で反射して参照光となり、偏光面がワイヤに垂直な光は、参照面を透過し、被測定物で反射して測定光となる。そして、測定光は、参照面を透過して、当該測定光と偏光面が直交する参照光と合波する。従って、参照面を透過した光の偏光面を回転させるための1/4波長板が不要となるので、部品点数を低減できる。
【0020】
本発明の干渉計では、前記参照面は、前記偏波保存ファイバの前記センサヘッド側の射出端面であり、入射した光の一部を前記参照光として反射するとともに残りの光を前記センサヘッド側に射出することが好ましい。
【0021】
通常、光ファイバの射出端面には、ノイズとなる反射光が発生しないように斜め研磨加工や反射防止膜が施されるところ、本発明では、偏波保存ファイバの射出端面にこのような特別な加工を敢えて施さないことにより、射出端面を、レーザ光源からの光の一部を参照光として反射する参照面として機能させる。これにより、レーザ光源からの光を参照光と測定光とに分割するための透光部材等の部材を不要にすることができ、構成を簡素にすることができる。
【0022】
本発明の干渉計では、前記導光手段は、前記レーザ光源からの光を前記センサヘッド側へのみ射出し、前記センサヘッド側からの前記合波光を前記取得手段側へのみ射出する光サーキュレータであることが好ましい。
【0023】
本発明によれば、導光手段として、センサヘッド側からの合波光を取得手段側へのみ射出する光サーキュレータを用いるので、合波光がレーザ光源側へ戻ることを防ぐことができ、センサヘッドからの戻り光(合波光)により、レーザ光源が不安定になったり、レーザ光源から射出される光に含まれるノイズが増加してしまい、測定精度が低下してしまうことを防止できる。また、可撓性のあるファイバ部分が増えることで、センサヘッドや本体部の取り回しが行いやすくなり、利便性を向上させることができる。
【0024】
本発明の干渉計では、前記レーザ光源は、第1波長の光を射出する第1レーザ光源と、前記第1波長とは異なる第2波長の光を射出する第2レーザ光源とを備え、前記第1,第2レーザ光源から射出された光をそれぞれ偏光面が互いに直交した状態で合波し、前記導光手段側に射出する合波手段と、前記導光手段および前記取得手段間に配置され、前記導光手段にて取り出された光を、前記第1波長の前記参照光と前記測定光とからなる第1合波光と、および前記第2波長の前記参照光と前記測定光とからなる第2合波光とに分割する分割手段とを備え、前記取得手段は、前記分割手段から射出された前記第1合波光から第1干渉信号を取得する第1取得手段と、前記分割手段から射出された前記第2合波光から第2干渉信号を取得する第2取得手段とを備え、前記算出手段は、前記第1,第2干渉信号からそれぞれ前記被測定物の変位量を算出し、前記各変位量から、当該各変位量に含まれる前記偏波保存ファイバによる誤差を相殺して前記被測定物の変位量を算出することが好ましい。
【0025】
本発明によれば、第1,第2合波光から算出された被測定物の変位量を加算して2で除算することなどにより、偏波保存ファイバの撓みやねじれによる誤差を相殺して被測定物の変位量を算出するので、測定精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係る干渉計1の構成を示す図である。なお、以下では、従来の干渉計1Eの構成要素と同一の機能を有する要素については同一の符号を付してその説明を省略もしくは簡略化する。また、図1において、レーザ光源2から射出された光の光軸を実線で示すとともに、光路を、分かりやすくするために一点差線で示した。
【0027】
干渉計1は、図1に示すように、レーザ光源2と、測定子光学系3と、取得手段5と、算出手段6とを備えている。
レーザ光源2は、直線偏光のレーザ光L1を射出する。
測定子光学系3は、導光手段としての無偏光ビームスプリッタ307、レンズ308、偏波保存ファイバ309、およびセンサヘッド7を備えている。本実施形態では、これらレーザ光源2、無偏光ビームスプリッタ307、レンズ308、取得手段5、および算出手段6を含んで本体部10が構成されている。
【0028】
偏波保存ファイバ309は、可撓性を有し、本体部10とセンサヘッド7とを接続する。この偏波保存ファイバ309は、本体部10側またはセンサヘッド7側から入射する光の偏光面を保存して他方側へ射出する。このような偏波保存ファイバ309としては、例えばコアを楕円形に形成した構造により、またはコアの周りに応力付加部を設けた通称PANDAファイバと呼ばれる構造により、断面において直交する2軸方向で伝播モードを維持させるものなどを採用することができる。
【0029】
センサヘッド7は、レンズ71、透光部材72、および1/4波長板73を備えている。透光部材72において、レーザ光源2からの光L1が入射する面は、当該光L1を参照光L4として反射するとともに、残りの光L3を1/4波長板73側に透過する参照面721となっている。
【0030】
以下、レーザ光源2から射出された光L1の光路について説明する。
レーザ光源2から射出された直線偏光の光L1は、無偏光ビームスプリッタ307を透過し、レンズ308により集光および平行化された後、偏波保存ファイバ309に入射し、当該偏波保存ファイバ309によりセンサヘッド7のレンズ71へ向けて射出される。偏波保存ファイバ309から射出されたレーザ光源2からの光L1は、レンズ71により再び集光および平行化された後、参照面721に入射し、一部は参照光L4として反射し、残りの光L3は当該参照面721を透過する。
【0031】
参照面721を透過した光L3は、1/4波長板73を透過し、円偏光に変換された後、被測定物4で反射し、測定光L5となる。そして、測定光L5は、1/4波長板73を透過することで、偏光面が90°回転した直線偏光、すなわち、参照光L4と偏光面が直交する直線偏光、に変換された後、参照面721を透過し、参照面721にて反射された参照光L4と合波する。
【0032】
参照光L4および測定光L5からなる合波光L6は、レンズ71を透過した後、偏波保存ファイバ309に入射し、当該合波光L6中の参照光L4および測定光L5の偏光面がそれぞれ保存された状態のまま偏波保存ファイバ309に導光され、レンズ308へ向けて射出される。そして、合波光L6は、レンズ308を透過した後、無偏光ビームスプリッタ307により取得手段5側へ反射される。
【0033】
取得手段5は、背景技術において説明したように、この合波光L6(干渉光)を90°ごとに位相が異なる4つの光L71,L72,L81,L82に分割して受光することにより、光L71,L72,L81,L82の強度を示す90°ごとに位相が異なる4つの干渉信号A1〜A4を出力する。
そして、算出手段6は、干渉信号A1と、干渉信号A1に対して180°位相が遅れた干渉信号A2とから第1干渉信号を生成するとともに、干渉信号A1に対して90°位相が遅れた干渉信号A3と、干渉信号A1に対して270°位相が遅れた干渉信号A4とから第2干渉信号を生成し、これら第1,第2干渉信号から光L3の光軸方向における被測定物4の変位量を算出する。
【0034】
以上の本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
センサヘッド7が、レーザ光源2等を有する本体部10に、可撓性を有する偏波保存ファイバ309により接続されているので、センサヘッド7を適宜の位置に配置することができ、設置スペースが限られていても簡単に被測定物4の変位量を測定することができる。
【0035】
センサヘッド7は、偏光面を保存して導光する偏波保存ファイバ309により本体部10と接続されているので、センサヘッド7から射出された合波光L6が偏波保存ファイバ309を透過する際に、合波光L6中の参照光L4および測定光L5の偏光面は、互いに直交した状態のまま保存される。そのため、算出手段6が被測定物4の変位量を正確に測定することができる。
【0036】
センサヘッド7は、レーザ光源2からの光L1を参照面721に入射させ、反射した一部の光により参照光L4を得るとともに、参照面721を透過した残りの光L3を1/4波長板73を透過させ、その後に被測定物4で反射させることで測定光L5を得る。そして、被測定物4で反射した測定光L5を1/4波長板73に透過させることで、測定光L5の偏光面を参照光L4の偏光面と直交させる。従って、本実施形態では、偏光面が互いに直交した参照光L4と測定光L5とを得るのに1/4波長板73が1つしか必要とならないので、偏光面が互いに直交した参照光L4と測定光L5とを得るのに2つの1/4波長板304,306が必要であった従来の構成をセンサヘッド7に適用した場合に比べ、本実施形態はセンサヘッド7を小型化でき、スペースが限られていてもより測定しやすくなる。
【0037】
〔第2実施形態〕
図2は、第2実施形態に係る干渉計1Aの構成を示す図である。
本実施形態の干渉計1Aは、図2に示すように、センサヘッド7Aに、前記第1実施形態のレンズ71および透光部材72に替え、屈折率勾配型レンズ74(グリンレンズ)が設けられている点が特徴である。屈折率勾配型レンズ74は、円柱状に形成され、半径方向に沿って屈折率がなだらかに連続的に変化し、入射光を平行化する。この屈折率勾配型レンズ74の一方の端面は、レーザ光源2からの光が入射する入射面741となっており、他方の端面は、前記入射面741から入射し、光軸方向に平行化された光の一部を参照光L4として反射するとともに、残りの光L3を1/4波長板73側に射出する射出面742となっている。本実施形態では、この射出面742が参照面として機能する。
【0038】
このような本実施形態でも、前記実施形態と同様の構成により、同様の効果を奏することができる。そのうえ、参照面として機能する射出面742を有するとともに入射光を平行化する屈折率勾配型レンズ74を備えているので、前記第1実施形態ではレンズ71および透光部材72により実現していた入射光の平行化および分割という機能をこの屈折率勾配型レンズ74のみで実現でき、前記第1実施形態に比べ、部品点数を低減できる。
【0039】
〔第3実施形態〕
図3は、第3実施形態に係る干渉計1Bの構成を示す図である。
本実施形態の干渉計1Bは、図3に示すように、透光部材72Aの入射面が、アルミニウム等の金属から構成された複数のワイヤが光L1の波長より十分短い微小間隔で平行に設けられたワイヤグリッド面721Aとなっている点が特徴である。ワイヤグリッド面721Aは、入射する光L1のうち、偏光面がワイヤに平行な光(直線偏光)を参照光L4として反射し、参照面として機能する。また、ワイヤグリッド面721Aは、入射する光L1のうち、偏光面がワイヤに垂直な光L3(直線偏光)を透過する。ワイヤグリッド面721Aを透過した光L3は、被測定物4で反射し、測定光L5となる。測定光L5は、ワイヤグリッド面721Aを透過し、偏光面が直交する参照光L4と合波する。
【0040】
このように、本実施形態では、入射光L1を参照光L4として反射するワイヤグリッド面721Aが、参照光L4と偏光面が直交する光L3のみを透過するので、ワイヤグリッド面721Aの光路後段に、光L3の偏光面を回転させるための1/4波長板を設けなくても、光L3を被測定物4で反射させるだけで、参照光L4と偏光面が直交する測定光L5を得ることができる。従って、1/4波長板を不要にできる分、部品点数を低減できる。
【0041】
〔第4実施形態〕
図4は、第4実施形態に係る干渉計1Cの構成を示す図である。
本実施形態の干渉計1Cは、図4に示すように、センサヘッド7からの戻り光L6(合波光L6)を、導光手段としての光サーキュレータ8によって取得手段5側に取り出すことが特徴である。
【0042】
光サーキュレータ8は、レーザ光源2からの光L1をセンサヘッド7側へのみ射出し、センサヘッド7側からの合波光L6を取得手段5側へのみ射出する。この光サーキュレータ8は、図を簡略化したが、異なる位置にそれぞれ形成された第1面81、第2面82、および第3面83を備えている。第1面81には偏波保存ファイバ84が取り付けられている。第2面82は、偏波保存ファイバ309によりセンサヘッド7に接続されている。第3面83には、偏波保存ファイバ85が取り付けられている。このような光サーキュレータ8では、レーザ光源2から射出され、偏波保存ファイバ84を通って第1面81に導光された光L1を第2面82からのみセンサヘッド7側へ射出する。また、センサヘッド7から射出され、偏波保存ファイバ309を通って第2面82に導光された合波光L6を、第3面83からのみ取得手段5側へ射出する。第3面83から射出された合波光L6は、レンズ310によって集光および平行化された後、取得手段5に入射する。
なお、本実施形態では、本体部10は、レーザ光源2、レンズ308,310、偏波保存ファイバ84,85、光サーキュレータ8、取得手段5、および算出手段6を含んで構成されている。
【0043】
このような本実施形態でも、前記第1実施形態と同様の構成により、同様の効果を奏することができる。そのうえ、導光手段として、センサヘッド7側からの合波光L6を取得手段5側へのみ射出する光サーキュレータ8を用いたので、合波光L6がレーザ光源2側へ戻ることを防ぐことができ、センサヘッド7からの戻り光L6により、レーザ光源2が不安定になったり、レーザ光源2から射出される光L1に含まれるノイズが増加してしまい、測定精度が低下してしまうことを防止できる。
【0044】
〔第5実施形態〕
図5は、第5実施形態に係る干渉計1Dの構成を示す図である。
本実施形態の干渉計1Dは、異なる波長λ1,λ2のレーザ光源21,22を用い、偏波保存ファイバ309の撓みによる測定誤差を取り除いて被測定物4の変位量を算出する点が特徴である。
【0045】
本実施形態の干渉計1Dは、図5に示すように、レーザ光源2と、測定子光学系3と、分割手段9と、取得手段5と、算出手段6とを備えている。
レーザ光源2は、所定の波長λ1(第1波長)を有し、後述する偏光ビームスプリッタ311に対してP波であるレーザ光L1Aを射出する第1レーザ光源21と、前記レーザ光L1Aとは異なる波長λ2(第2波長)を有し、偏光ビームスプリッタ311に対してS波であるレーザ光L1Bを射出する第2レーザ光源22とを備えている。
【0046】
これらのレーザ光L1A,L1Bの波長λ1,λ2は、各レーザ光L1A,L1Bに対する偏波保存ファイバ309内部のコアの屈折率が略等しいとみなせるような比較的近い波長であることが望ましく、また、各波長λ1,λ2間には、これらの波長λ1,λ2の光の合波光を、回路格子やプリズム、後述するバンドパスフィルタ92,93等の素子により各波長λ1,λ2の光に分離できる程度の差があることが望ましい。
【0047】
測定子光学系3は、合波手段としての偏光ビームスプリッタ311、無偏光ビームスプリッタ307、レンズ308、偏波保存ファイバ309、およびセンサヘッド7を備えている。
分割手段9は、無偏光ビームスプリッタ91、波長λ1の光のみを透過するバンドパスフィルタ92、および波長λ2の光のみを透過するバンドパスフィルタ93を備え、詳しくは後述するが、センサヘッド7から射出された合波光L6を、波長λ1の第1合波光L6Aと、波長λ2の第2合波光L6Bとに分割する。
【0048】
取得手段5は、波長λ1の第1合波光L6Aが入射する取得手段5Aと、波長λ2の第2合波光L6Bが入射する取得手段5Bとを備えている。これらの取得手段5A,5Bは、背技技術における取得手段5と同様の構成を備えている。
本実施形態では、本体部10は、レーザ光源2、偏光ビームスプリッタ311、無偏光ビームスプリッタ307、レンズ308、分割手段9、取得手段5、および算出手段6を含んで構成されている。
【0049】
このような干渉計1Dでは、レーザ光源21から射出され、波長λ1を有し、偏光ビームスプリッタ311に対してP波であるレーザ光L1Aは、偏光ビームスプリッタ311を透過する。レーザ光源22から射出され、波長λ2を有し、偏光ビームスプリッタ311に対してS波であるレーザ光L1Bは、偏光ビームスプリッタ311で反射され、偏光面が直交するレーザ光源21からの光L1Aと合波する。光L1A,L1Bによる合波光L1は、無偏光ビームスプリッタ307およびレンズ308を透過し、偏波保存ファイバ309によって各光L1A,L1Bの偏光面が保存された状態でセンサヘッド7に入射する。
【0050】
センサヘッド7は、波長λ1の光L1Aから参照光L4A、および参照光L4Aと偏光面が直交する測定光L5Aを得るとともに、波長λ2の光L1Bから参照光L4B、および参照光L4Bと偏光面が直交する測定光L5Bを得る。この際、レーザ光源21,22からの光L1A,L1Bは、偏光面が互いに直交しているので、波長λ1の光L1Aの参照光L4Aと、波長λ2の光L1Bの測定光L5Bとが平行となり、波長λ1の光L1Aの測定光L5Aと、波長λ2の光L1Bの参照光L4Bとが平行となる。
【0051】
これらの光L4A,L4B,L5A,L5Bの合波光L6、すなわち、波長λ1の光L1Aから得られる光L4A,L5Aの合波光L6Aと、波長λ2の光L1Bから得られる光L4A,L4Bの合波光L6Bとによる合波光L6は、センサヘッド7により偏光面が保存された状態でレンズ308へ向けて射出され、レンズ308を透過した後、無偏光ビームスプリッタ307により分割手段9の無偏光ビームスプリッタ91側へ反射される。
【0052】
無偏光ビームスプリッタ307により反射された合波光L6は、無偏光ビームスプリッタ91により2つの光L61,光L62に分割される。
無偏光ビームスプリッタ91を透過する光L61は、バンドパスフィルタ92を透過することにより、波長λ1の合波光L6Aのみが抽出される。光L61から抽出された波長λ1の合波光L6Aは、取得手段5Aに入射する。取得手段5Aは、この合波光L6Aから、位相が90°毎に異なる4つの干渉信号A1〜A4を得、算出手段6に出力する。そして、算出手段6は、これら4つの干渉信号A1〜A4から位相が90°異なる第1,第2干渉信号を生成し、これら第1,第2干渉信号の強度変化の繰り返しをカウント等することで、被測定物4の変位量を算出する。
【0053】
ここで、偏波保存ファイバ309が撓み、偏波保存ファイバ309内部のクラッドの断面における直交する2軸方向の屈折率がそれぞれ変化した場合、センサヘッド7から射出された波長λ1の合波光L6Aが偏波保存ファイバ309を透過する際に、偏光面が互いに直交する参照光L4Aおよび測定光L5A間に光路長差が生じ、算出される被測定物4の変位量に誤差が生じる。すなわち、波長λ1の合波光L6Aに基づいて算出される被測定物4の変位量をm1、実際の被測定物4の変位量をL、偏波保存ファイバ309の撓みによって生じる参照光L4Aおよび測定光L5A間の光路長差をnとする。すると、測定光L5Aの光路長が参照光L4Aに対してn増加したとすると、波長λ1の合波光L6Aから算出される被測定物4の変位量m1は以下の式(1)で表される。
m1=L+n‥‥‥(1)
【0054】
また、無偏光ビームスプリッタ91により反射された光L62からは、バンドパスフィルタ93により波長λ2の合波光L6Bのみが抽出され、この合波光L6Bから取得手段5Bが、位相が90°毎に異なる4つの干渉信号A1〜A4を出力し、これらの干渉信号A1〜A4から、算出手段6が被測定物4の変位量を算出する。
【0055】
ここで、波長λ2の合波光L6Bの参照光L4Bは、波長λ1の合波光L6Aの測定光L5Aと平行であり、波長λ2の合波光L6Bの測定光L5Bは、λ1の合波光L6Aの参照光L4Aと平行である。従って、波長λ1の合波光L6Aでは、偏波保存ファイバ309の撓みにより、測定光L5Aの光路長が参照光L4Aに対してn増加したが、波長λ2の合波光L6Bでは、測定光L5Aと偏光面が平行な参照光L4Bの光路長が測定光L5Bに対してn増加することとなる。すなわち、測定光L5Bの光路長が、参照光L4Bに対してn低減することとなる。従って、波長λ2の合波光L6Bから算出される被測定物4の変位量をm2とすると、m2は以下の式(2)で表されることとなる。
m2=L−n‥‥‥(2)
【0056】
そこで、算出手段6は、以下の式(3)に示すように、各波長λ1,λ2の合波光L6A,L6Bに基づいて算出される被測定物4の変位量m1,m2を加算して2で除算することにより、実際の被測定物4の変位量Lを求める。
L=(m1+m2)/2‥‥‥(3)
【0057】
このように、本実施形態では、算出手段6が、合波光L6Aから算出される被測定物4の変位量m1と、合波光L6Bから算出される被測定物4の変位量m2とから、各変異量m1,m2に含まれる偏波保存ファイバ309の撓みによる誤差nを相殺して被測定物4の実際の変位量Lを算出するので、測定精度を向上できる。
【0058】
〔第6実施形態〕
図6は、第6実施形態に係る干渉計1Eの要部の構成を示す図である。
本実施形態の干渉計1Eは、図6に示すように、偏波保存ファイバ309の射出端面313を参照面として機能させる点が特徴である。すなわち、通常、光ファイバの射出端面には、ノイズとなる反射光が発生しないように斜め研磨加工や反射防止膜が施されるところ、本実施形態では、偏波保存ファイバ309の射出端面313にこのような特別な加工を敢えて施さないことにより、射出端面313でレーザ光源2からの光L1を一部反射させ、この反射光を参照光L4として用いる。これにより、本実施形態では、前記第1実施形態では必要であった透光部材72を不要にすることができ、構成を簡素にすることができる。
【0059】
なお、偏波保存ファイバ309の射出端面313に反射コートなどを施すことにより射出端面313の反射率を向上させ、これにより参照光4と測定光L5との強度比を近づけて取得手段5により出力される干渉信号A1〜A4のS/N比を高めてもよい。なお、図6中、309Aは偏波保存ファイバ309のコアであり、309Bは偏波保存ファイバ309のクラッドである。
【0060】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、センサヘッド7は、レーザ光源2からの光L1を、参照面721,721A,742により、その一部を反射するとともに残りを透過させることで分割していたが、センサヘッド7は、従来の干渉計1Eのように、レーザ光源2からの光L1を偏光ビームスプリッタ302によって分割してもよい。
前記第4,5実施形態のセンサヘッド7に、前記第2実施形態のセンサヘッド7Aを適用してもよいし、前記第3実施形態のセンサヘッド7Bを適用してもよい。
【0061】
前記第2実施形態では、屈折率勾配型レンズ74および1/4波長板73が離間して配置されていたが、屈折率勾配型レンズ74および1/4波長板73が張り合わされ、これにより、センサヘッド7Aの小型化が図られていてもよい。この場合、屈折率勾配型レンズ74および1/4波長板73の張り合わされる面のいずれか一方に反射率を高める光学コートが施されていてもよい。
【0062】
前記第2実施形態では、屈折率勾配型レンズ74および1/4波長板73間には光学素子が配置されていなかったが、屈折率勾配型レンズ74および1/4波長板73間にレンズが配置され、このレンズにより、屈折率勾配型レンズ74から射出された光L3の収束、発散、平行化(コリメート)の微調整が行われてもよい。
前記第3実施形態では、ワイヤグリッド面721Aは、透光部材72Aの入射面に設けられていたが、ワイヤグリッド面721Aは、例えば偏波保存ファイバ309のセンサヘッド7B側の射出面に設けられていてもよく、適宜の位置に設けられていてよい。
【0063】
前記第5実施形態では、レーザ光L1A,L1Bの波長λ1,λ2は、各レーザ光L1A,L1Bに対する偏波保存ファイバ309内部のクラッドの屈折率が略等しく、かつ、バンドパスフィルタ92,93が当該フィルタ92,93を透過する光L61、L62から一方の波長λ1,λ2の光のみを抽出することができるような波長となっており、波長λ1,λ2間の差は僅かとなっていたが、レーザ光L1A,L1Bの波長λ1,λ2間にはある程度差があってもよい。この場合、波長λ1,λ2の差により、各波長λ1,λ2の光に対する偏波保存ファイバ309内部のコアの屈折率に差が生じ、これにより、例えば波長λ1の合波光L6A、および波長λ2の合波光L6Bが偏波保存ファイバ309に導光された際に合波光L6A,L6B間に光路長差が生じるが、このような光路長差を補正する光学素子を設けて光路長差を補正したり、演算時に波長λ1,λ2の光ごとの屈折率によって数値的に補正してもよい。
【0064】
前記第5実施形態では、分割手段9は、無偏光ビームスプリッタ91、およびバンドパスフィルタ92,93を備え、これらの光学素子91〜93により、合波光L6を、波長λ1,λ2の異なる各合波光L6A,L6Bに分割していたが、分割手段9は、波長に応じて入射光の進行方向(光軸)を変化させるプリズムや回折格子などの分光素子を備えることにより、合波光L6を、波長λ1,λ2の異なる各合波光L6A,L6Bに分割してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、干渉計に利用でき、特にマイケルソン干渉計に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】第1実施形態に係る干渉計の構成を示す図。
【図2】第2実施形態に係る干渉計の構成を示す図。
【図3】第3実施形態に係る干渉計の構成を示す図。
【図4】第4実施形態に係る干渉計の構成を示す図。
【図5】第5実施形態に係る干渉計の構成を示す図。
【図6】第6実施形態に係る干渉計の要部の構成を示す図。
【図7】従来のマイケルソン干渉計の構成を示す図。
【符号の説明】
【0067】
1、1A〜1E…干渉計
2…レーザ光源
4…被測定物
5…取得手段
5A…第1取得手段
5B…第2取得手段
6…算出手段
7,7A,7B…センサヘッド
8…光サーキュレータ(導光手段)
21…第1レーザ光源
22…第2レーザ光源
73…1/4波長板
74…屈折率勾配型レンズ
307…無偏光ビームスプリッタ(導光手段)
309…偏波保存ファイバ
311…偏光ビームスプリッタ(合波手段)
313…射出端面(参照面)
721…参照面
721A…ワイヤグリッド面(参照面)
741…入射面
742…射出面(参照面)
L4,L4A,L4B…参照光
L5,L5A,L5B…測定光
L6A…第1合波光
L6B…第2合波光。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源と、
前記レーザ光源からの光を参照面に入射させるとともに被測定物に入射させ、前記参照面にて反射された参照光および前記被測定物にて反射された測定光を得るとともに、前記測定光の偏光面と前記参照光の偏光面とを直交させた後に前記測定光と前記参照光とを合波し、合波光を射出するセンサヘッドと、
前記レーザ光源からの光を前記センサヘッド側に透過させるとともに、前記センサヘッドから射出された前記合波光を取り出す導光手段と、
前記導光手段から射出された光を前記センサヘッドに導光するとともに、前記センサヘッドから射出された前記合波光を、前記合波光の偏光面を保存したまま前記導光手段に導光する偏波保存ファイバと、
前記導光手段により取り出された前記合波光から干渉信号を取得する取得手段と、
前記干渉信号に基づいて前記被測定物の変位量を算出する算出手段とを備えている
ことを特徴とする干渉計。
【請求項2】
請求項1に記載の干渉計において、
前記センサヘッドは、前記参照面の光路後段に配置された1/4波長板を備え、
前記参照面は、当該参照面に入射した前記レーザ光源からの光の一部を前記参照光として反射するとともに残りの光を透過する
ことを特徴とする干渉計。
【請求項3】
請求項2に記載の干渉計において、
半径方向に沿って屈折率が連続的に変化する屈折率勾配型レンズを備え、
前記屈折率勾配型レンズは、前記レーザ光源からの光が入射する入射面と、前記入射面に入射した光の一部を前記参照光として反射するとともに、残りの光を射出する前記参照面である射出面とを備えている
ことを特徴とする干渉計。
【請求項4】
請求項1に記載の干渉計において、
前記参照面は、複数のワイヤが平行に設けられたワイヤグリッド面であり、当該参照面に入射した光のうち、偏光面が前記ワイヤに平行な光を前記参照光として反射するとともに、偏光面が前記ワイヤに垂直な光を透過する
ことを特徴とする干渉計。
【請求項5】
請求項1に記載の干渉計において、
前記参照面は、前記偏波保存ファイバの前記センサヘッド側の射出端面であり、入射した光の一部を前記参照光として反射するとともに残りの光を前記センサヘッド側に射出する
ことを特徴とする干渉計。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の干渉計において、
前記導光手段は、前記レーザ光源からの光を前記センサヘッド側へのみ射出し、前記センサヘッド側からの前記合波光を前記取得手段側へのみ射出する光サーキュレータである
ことを特徴とする干渉計。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の干渉計において、
前記レーザ光源は、第1波長の光を射出する第1レーザ光源と、前記第1波長とは異なる第2波長の光を射出する第2レーザ光源とを備え、
前記第1,第2レーザ光源から射出された光をそれぞれ偏光面が互いに直交した状態で合波し、前記導光手段側に射出する合波手段と、
前記導光手段および前記取得手段間に配置され、前記導光手段にて取り出された光を、前記第1波長の前記参照光と前記測定光とからなる第1合波光と、および前記第2波長の前記参照光と前記測定光とからなる第2合波光とに分割する分割手段とを備え、
前記取得手段は、前記分割手段から射出された前記第1合波光から第1干渉信号を取得する第1取得手段と、前記分割手段から射出された前記第2合波光から第2干渉信号を取得する第2取得手段とを備え、
前記算出手段は、前記第1,第2干渉信号からそれぞれ前記被測定物の変位量を算出し、前記各変位量から、当該各変位量に含まれる前記偏波保存ファイバによる誤差を相殺して前記被測定物の変位量を算出する
ことを特徴とする干渉計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−210326(P2010−210326A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54996(P2009−54996)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】