説明

建設機械の油圧回路

【課題】 冷却ファンを駆動するための回路構成を簡素化してコスト低減を図ることができ、エネルギ効率を高めることができるようにする。
【解決手段】 タンク5に接続されたタンク管路18の途中に、冷却ファン19を駆動するファンモータ20を設ける。ファンモータ20に圧油を供給するためタンク管路18の上流側には、油圧パイロット式の切換弁22を用いて戻り油路17と圧油供給管路21とのいずれかを選択的に切替えて接続する。パイロット弁23,24から方向制御弁12,15に供給するパイロット圧を、切換弁22の切換操作に用いる。切換弁22を複数の方向制御弁12,15等と一緒に切換えるようにし、油圧アクチュエータの停止には、油圧ポンプ4からの圧油を短絡させてファンモータ20に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン、ホイールローダ等に用いられる建設機械の油圧回路に関し、特に、熱交換器用の冷却ファンを油圧モータによって駆動するようにした建設機械の油圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、例えばラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器を冷却ファンからの冷却風により冷却するため、前記冷却ファンをエンジンにより回転駆動する構成としている。しかし、冷却ファンの駆動に消費されるエンジン馬力を低減したいという要求がある。このため、油圧アクチュエータからの戻り油を利用して油圧モータを回転駆動し、この油圧モータを用いて前記冷却ファンを回転させる構成としたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の従来技術による建設機械は、前記冷却ファンを回転駆動する2つの油圧モータ(ファンモータ)を備えている。このうち、第1のファンモータは、油圧アクチュエータからの戻り油が流通することにより回転される。第2のファンモータは、前記油圧アクチュエータ用の油圧源とは別個の油圧源から圧油が供給されることにより回転するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-184355号公報(特許第3897185号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来技術の場合は、1つの冷却ファンに対して2つのファンモータを直列に取付ける構成とし、冷却ファンの回転軸は、両方のファンモータまたはいずれか一方のファンモータにより回転駆動される。このため、2つのファンモータにより油圧回路全体の構成が複雑化し、コスト低減を図るのが難しくなる。また、一方のファンモータが停止しているときには、他方のファンモータで冷却ファンの回転軸を回転させるため、前記一方のファンモータは他方のファンモータに対して回転負荷を与えることになり、エネルギ効率が悪くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、回路構成を簡素化してコスト低減を図ることができると共に、エネルギ効率を高めることができるようにした建設機械の油圧回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される圧油により作動される油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータと前記油圧ポンプとの間に設けられ前記油圧ポンプから油圧アクチュエータに供給される圧油を制御する方向制御弁と、該方向制御弁にパイロット圧を供給するためのパイロットポンプと、前記油圧アクチュエータから排出される戻り油をタンク側に還流させる戻り油路と、熱交換器に向けて冷却風を送風する冷却ファンと、圧油の供給により該冷却ファンを回転駆動するファンモータとを備えてなる建設機械の油圧回路に適用される。
【0008】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記油圧ポンプまたはパイロットポンプからなる油圧源に接続して設けられ前記ファンモータに向けて圧油を供給する圧油供給管路と、該圧油供給管路と前記戻り油路とのいずれか一方を前記タンク側に選択的に切換えて接続する切換弁とを備え、前記ファンモータは、該切換弁と前記タンクとの間に設ける構成としたことにある。
【0009】
また、請求項2の発明によると、前記方向制御弁は、パイロット操作弁から供給されるパイロット圧によって切換操作される油圧パイロット式方向制御弁により構成し、前記切換弁は、前記パイロット操作弁が中立位置にあるときに前記圧油供給管路からの圧油を前記ファンモータに供給し、前記パイロット操作弁が中立位置から作動位置に切換えられたときには前記戻り油路からの圧油を前記ファンモータに供給する構成としている。
【発明の効果】
【0010】
上述の如く、請求項1の発明によれば、油圧アクチュエータの作動が停止しているときには、切換弁が油圧源側位置となって圧油供給管路からの圧油をファンモータに供給することができ、該ファンモータによって冷却ファンを回転駆動することができる。一方、前記油圧アクチュエータが作動するときには前記切換弁を前記油圧源側位置から戻り油側位置に切換えることにより、戻り油路からタンクに向けて流通する戻り油(圧油)を前記ファンモータに供給することができ、この場合には戻り油を利用して冷却ファンを回転駆動することができる。
【0011】
従って、冷却ファンの駆動源を単一の油圧モータ(即ち、ファンモータ)により構成することができ、冷却用油圧回路全体の構成を簡素化し、コストの低減化を図ることができる。また、単一のファンモータにより冷却ファンを回転駆動するときに余分な負荷が発生することはなく、冷却ファンを効率的に回転できると共に、省エネルギ化を図ることができる。
【0012】
また、請求項2の発明は、パイロット操作弁から方向制御弁に供給するパイロット圧を、切換弁の切換操作に用いることができ、切換弁を方向制御弁と一緒に切換えることができる。このため、油圧アクチュエータの停止時には切換弁を油圧源側位置として圧油供給管路からの圧油により冷却ファンを回転でき、前記油圧アクチュエータの作動時には、切換弁を油圧源側位置から戻り油側位置に切換えることにより前記油圧アクチュエータからの戻り油を利用して冷却ファンを駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施の形態による油圧ショベルの油圧回路を示す回路構成図である。
【図2】第2実施の形態による油圧ショベルの油圧回路を示す回路構成図である。
【図3】第3実施の形態による油圧ショベルの油圧回路を示す回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態による建設機械の油圧回路として、その代表例である油圧ショベルの油圧回路を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0015】
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は原動機としてのエンジンで、該エンジン1は、例えば油圧ショベルの上部旋回体(図示せず)に搭載され、後述の油圧ポンプ4,パイロットポンプ6等を回転駆動するものである。エンジン1は、熱交換器としてのラジエータ2と冷却水配管3を介して接続されている。ラジエータ2は、冷却水配管3内の冷却水を熱交換により冷却し、この冷却水によりエンジン1を冷却するものである。
【0016】
4はエンジン1により回転駆動されるメインの油圧ポンプを示し、該油圧ポンプ4は、タンク5と共にメインの油圧源を構成している。また、油圧ポンプ4は、他の油圧ポンプであるパイロットポンプ6と共にエンジン1により回転駆動され、パイロットポンプ6は、タンク5と共にパイロット油圧源を構成している。油圧ポンプ4は吐出管路7内に向けて圧油を吐出し、パイロットポンプ6はパイロット圧導管8に向けてパイロット圧油を吐出するものである。
【0017】
油圧ポンプ4の吐出側には、例えば吐出管路7とタンク5との間に高圧リリーフ弁(図示せず)が設けられ、この高圧リリーフ弁は、吐出管路7内の圧力が予め決められた高圧の設定値を越えたときに開弁して過剰圧をタンク5側にリリーフさせる。また、パイロットポンプ6の吐出側には、例えばパイロット圧導管8とタンク5との間に低圧リリーフ弁(図示せず)が設けられ、この低圧リリーフ弁は、パイロット圧導管8内の圧力が予め決められた低圧の設定値を越えたとき開弁して過剰圧をタンク5側にリリーフさせるものである。
【0018】
ここで、吐出管路7は、先端側の分岐点Aで複数の供給管路7A,7B(図1中では2本のみ図示)に分岐されている。これらの供給管路7A,7Bのうち第1の供給管路7Aは、例えば走行系の油圧アクチュエータ(後述する走行用モータ10)に対し、後述の方向制御弁12を介して圧油を供給する。第2の供給管路7Bは、例えば作業系の油圧アクチュエータ(後述の油圧シリンダ13)に対し、後述の方向制御弁15を介して圧油を供給するものである。
【0019】
9A,9Bは供給管路7A,7Bの途中部位から分岐した第1,第2のバイパス管路で、該第1,第2のバイパス管路9A,9Bは、その先端側が接続点9Cの位置で共通の還流管路9Dに接続されている。このうち第1のバイパス管路9Aは、後述の方向制御弁12が中立位置(c)にある間、第1の供給管路7Aから供給される圧油を還流管路9Dに向けて流通させる。第2のバイパス管路9Bは、後述の方向制御弁15が中立位置(c)にある間、第2の供給管路7Bから供給される圧油を還流管路9Dに向けて流通させる。
【0020】
10は走行系の油圧アクチュエータを構成する走行用の油圧モータ(以下、走行用モータ10という)で、該走行用モータ10は、例えば油圧ショベルの下部走行体(図示せず)に設けられた左,右の走行用モータのいずれか一方を構成するものである。即ち、油圧ショベルの下部走行体には、走行系の油圧アクチュエータとして左,右の走行用モータ等が一般に設けられている。しかし、図1に示す油圧回路では、その説明を簡略化するために複数の走行系の油圧アクチュエータの代表例として走行用モータ10を示したものである。
【0021】
11A,11Bは走行用モータ10の圧油給排ポート等に接続された一対のモータ主管路を示し、該モータ主管路11A,11Bは、例えば金属配管および可撓性ホース等の油圧配管により構成されている。そして、モータ主管路11A,11Bは、油圧ポンプ4から吐出管路7、第1の供給管路7Aを通じて供給された圧油を、後述の方向制御弁12を介して走行用モータ10に給排することにより、走行用モータ10を回転駆動させるものである。
【0022】
12は走行用モータ10用の方向制御弁で、該方向制御弁12は、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成され、その左,右両側には一対の油圧パイロット部12A,12Bが設けられている。そして、該油圧パイロット部12A,12Bには、後述のパイロット弁23からパイロット圧油が供給され、これにより、方向制御弁12は中立位置(c)から左,右の作動位置(a),(b)のいずれかに切換えられるものである。
【0023】
ここで、方向制御弁12が中立位置(c)から作動位置(a)に切換えられたときには、油圧ポンプ4からの圧油が吐出管路7、第1の供給管路7A、モータ主管路11Aを介して走行用モータ10に供給され、走行用モータ10からの戻り油はモータ主管路11B、後述の排出管路16A、還流管路16D、戻り油路17を介してタンク5に戻される。これにより、走行用モータ10は、一方向(例えば、車両の前進方向)に回転駆動される。
【0024】
また、方向制御弁12が中立位置(c)から作動位置(b)に切換えられたときには、油圧ポンプ4からの圧油が吐出管路7、第1の供給管路7A、モータ主管路11Bを介して走行用モータ10に供給され、戻り油はモータ主管路11A、排出管路16A、還流管路16D、戻り油路17を介してタンク5に戻される。これにより、走行用モータ10は、他方向(例えば、車両の後進方向)に回転駆動される。
【0025】
13は作業系の油圧アクチュエータを構成する作業用の油圧シリンダで、該油圧シリンダ13は、例えば油圧ショベルに設ける作業装置のブームシリンダ、アームシリンダまたは作業具シリンダ(図示せず)等のいずれかを構成するものである。油圧シリンダ13は、図1に示す如く油室13A,13Bおよびロッド13C等を有し、このロッド13Cは、油室13A,13Bに給排される圧油により伸長,縮小されるものである。
【0026】
なお、油圧ショベルには、前記ブームシリンダ、アームシリンダ、作業具シリンダの他に、旋回用の油圧モータ(図示せず)等が作業系の油圧アクチュエータとして一般に設けられている。しかし、図1に示す油圧回路では、その説明を簡略化するために複数の作業系の油圧アクチュエータの代表例として油圧シリンダ13を示したものである。
【0027】
14A,14Bは油圧シリンダ13の油室13A,13Bに接続された一対のシリンダ主管路を示し、該シリンダ主管路14A,14Bは、例えば金属配管および可撓性ホース等の油圧配管により構成されている。そして、シリンダ主管路14A,14Bは、油圧ポンプ4から吐出管路7、第2の供給管路7Bを通じて供給された圧油を、後述の方向制御弁15を介して油圧シリンダ13の油室13A,13Bに給排することにより、油圧シリンダ13のロッド13Cを伸縮動作させるものである。
【0028】
15は油圧シリンダ13用の方向制御弁で、該方向制御弁15は、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成され、その左,右両側には一対の油圧パイロット部15A,15Bが設けられている。そして、該油圧パイロット部15A,15Bには、後述のパイロット弁24からパイロット圧油が供給され、これにより、方向制御弁15は中立位置(c)から左,右の作動位置(a),(b)のいずれかに切換えられるものである。
【0029】
ここで、方向制御弁15が中立位置(c)から作動位置(a)に切換えられたときには、油圧ポンプ4からの圧油が吐出管路7、第2の供給管路7B、シリンダ主管路14Aを介して油圧シリンダ13の油室13Aに供給され、油室13Bからの戻り油はシリンダ主管路14B、後述の排出管路16B、還流管路16D、戻り油路17を介してタンク5に戻される。これにより、油圧シリンダ13は、ロッド13Cが伸長する方向に駆動される。
【0030】
また、方向制御弁15が中立位置(c)から作動位置(b)に切換えられたときには、油圧ポンプ4からの圧油が吐出管路7、第2の供給管路7B、シリンダ主管路14Bを介して油圧シリンダ13の油室13Bに供給され、油室13Aからの戻り油はシリンダ主管路14A、後述の排出管路16B、還流管路16D、戻り油路17を介してタンク5に戻される。これにより、油圧シリンダ13は、ロッド13Cが縮小する方向に駆動される。
【0031】
16A,16Bは方向制御弁12,15の低圧(排出)ポート側に接続された第1,第2の排出管路で、該第1,第2の排出管路16A,16Bは、その先端側(下流側)が接続点16Cの位置で共通の還流管路16Dに接続されている。このうち第1の排出管路16Aは、方向制御弁12が中立位置(c)から作動位置(a),(b)のいずれかに切換わったときに、走行用モータ10から排出される戻り油(圧油)を還流管路16Dに向けて流通させる。第2の排出管路16Bは、方向制御弁15が中立位置(c)から作動位置(a),(b)のいずれかに切換わったときに、油圧シリンダ13から排出される戻り油(圧油)を還流管路16Dに向けて流通させる。
【0032】
17は前記戻り油をタンク5側に還流させる戻り油路で、該戻り油路17は、その上流側が還流管路9D,16Dに接続され、下流側は後述の切換弁22を介してタンク管路18に接続される。このタンク管路18は、後述の切換弁22を油圧源側位置(d)から戻り油側位置(e)に切換えたときに、油圧アクチュエータ(例えば、走行用モータ10、油圧シリンダ13)から排出される戻り油(圧油)を戻り油路17を介してタンク5へと還流させる。
【0033】
19はラジエータ2に向けて冷却風を送風する冷却ファン、20は該冷却ファン19を回転駆動する油圧モータからなるファンモータである。このファンモータ20は、切換弁22とタンク5との間に位置してタンク管路18の途中に設けられている。ファンモータ20は、タンク管路18内をタンク5に向けて流れる圧油(油液)により回転駆動され、このときに冷却ファン19を一緒に回転させる。このため、冷却ファン19の回転速度は、タンク管路18内を流れる油液の流量に比例して増減されるものである。
【0034】
21は吐出管路7から分岐点Bの位置で分岐した分岐管路からなる圧油供給管路で、該圧油供給管路21は、油圧ポンプ4から吐出管路7に吐出される圧油の一部を後述の切換弁22を介してタンク管路18側に供給する。これにより、第1の実施の形態では、メインの油圧ポンプ4がタンク5と共に本発明の構成要件である油圧源を構成するものである。
【0035】
22は戻り油路17と圧油供給管路21のいずれか一方をタンク管路18に接続する切換弁で、該切換弁22は、例えば4ポート2位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成されている。切換弁22は、ばね22Aにより初期位置としての油圧源側位置(d)におかれる。この油圧源側位置(d)では、戻り油路17がタンク管路18に対して遮断され、圧油供給管路21がタンク管路18に接続される。このため、切換弁22は、油圧ポンプ4から吐出され圧油供給管路21に流れる圧油を直接的にタンク管路18側のファンモータ20に短絡させて供給することができる。
【0036】
また、切換弁22は油圧パイロット部22Bを有し、この油圧パイロット部22Bには、後述のパイロット管路27Aからパイロット圧が供給される。切換弁22は、このパイロット圧によりばね22Aに抗して油圧源側位置(d)から戻り油側位置(e)に切換えられる。切換弁22が切換位置としての戻り油側位置(e)に切換えられたときには、戻り油路17がタンク管路18に接続され、圧油供給管路21は遮断された状態となる。これにより、前記油圧アクチュエータ(例えば、走行用モータ10、油圧シリンダ13)から排出される戻り油(圧油)は、戻り油路17側からタンク管路18を介してタンク5へと還流される。
【0037】
23は走行用モータ10を遠隔操作する走行系のパイロット操作弁(以下、パイロット弁23という)で、該走行系のパイロット弁23は、減圧弁型パイロット弁により構成され、運転室内のオペレータが走行レバー・ペダル(図示せず)傾転操作することにより、方向制御弁12に対してパイロット圧油を供給するものである。
【0038】
ここで、走行系のパイロット弁23は、そのポンプポートがパイロット圧導管8に接続され、パイロット弁23のタンクポート(図示せず)はタンク5に接続されている。一方、パイロット弁23の出力ポートは、パイロット管路23A,23Bを介して方向制御弁12の油圧パイロット部12A,12Bに接続されている。走行系のパイロット弁23は、オペレータが前記走行レバー・ペダルを中立位置から作動位置に操作したときに、その操作量に対応したパイロット圧をパイロット管路23A,23Bを通じて方向制御弁12の油圧パイロット部12A,12Bに供給する。これにより、方向制御弁12は、図1に示す中立位置(c)から作動位置(a),(b)のいずれかに切換えられるものである。
【0039】
24は油圧シリンダ13を遠隔操作する作業系のパイロット操作弁(以下、パイロット弁24という)で、該作業系のパイロット弁24は、例えば減圧弁型パイロット弁により構成され、運転室内のオペレータが操作レバー(図示せず)を傾転操作することにより方向制御弁15に対してパイロット圧油を供給するものである。
【0040】
ここで、作業系のパイロット弁24は、そのポンプポートがパイロット圧導管8に接続され、パイロット弁24のタンクポート(図示せず)はタンク5に常時接続されている。一方、パイロット弁24の出力ポートは、パイロット管路24A,24Bを介して方向制御弁15の油圧パイロット部15A,15Bに接続されている。作業系のパイロット弁24は、オペレータが前記操作レバーを中立位置から作動位置に傾転操作したときに、その操作量に対応したパイロット圧油をパイロット管路24A,24Bを通じて方向制御弁15の油圧パイロット部15A,15Bに供給する。これにより、方向制御弁15は、図1に示す中立位置(c)から作動位置(a),(b)のいずれかに切換えられるものである。
【0041】
25は高圧選択弁としてのシャトル弁で、該シャトル弁25は、パイロット管路23A,23Bのうち高圧側を選択し、高圧側のパイロット管路(23Aまたは23B)内を流れるパイロット圧油を、次のパイロット管路25A内に向けて供給する。
【0042】
26は他の高圧選択弁としてのシャトル弁で、該シャトル弁26は、パイロット管路24A,24Bのうち高圧側を選択し、高圧側のパイロット管路(24Aまたは24B)内を流れるパイロット圧油を、次のパイロット管路26A内に向けて供給する。
【0043】
27は別の高圧選択弁としてのシャトル弁を示している。このシャトル弁27は、パイロット管路25A,26Aのうち高圧側を選択し、高圧側のパイロット管路(25Aまたは26A)内を流れるパイロット圧油を、次のパイロット管路27A内に向けて供給する。このパイロット管路27Aは、切換弁22の油圧パイロット部22Bに接続されている。
【0044】
これにより、運転室内のオペレータがパイロット弁23,24のいずれかを中立位置から切換操作すると、このときのパイロット圧油は、シャトル弁25〜27を介して高圧選択されパイロット管路27Aに導入される。切換弁22は、パイロット管路27Aから油圧パイロット部22Bに供給されるパイロット圧油により、ばね22Aに抗して油圧源側位置(d)から戻り油側位置(e)に切換えられる。
【0045】
第1の実施の形態による建設機械としての油圧ショベルの油圧回路は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
【0046】
まず、油圧ショベルのオペレータは、上部旋回体の運転室に搭乗し、エンジン1を起動する。エンジン1が稼動されると、油圧ポンプ4がパイロットポンプ6と一緒に駆動されるため、タンク5内の油液が油圧ポンプ4に吸込まれつつ、吐出管路7内に向けて圧油が吐出される。吐出管路7内の圧力は、前記高圧リリーフ弁により圧力設定され、過剰圧はタンク5へとリリーフされる。
【0047】
また、パイロットポンプ6は、パイロット圧導管8内に向けてパイロット圧油を吐出する。このパイロット圧油は、前記低圧リリーフ弁により圧力設定され、過剰圧は同様にタンク5側にリリーフされる。このとき、オペレータがパイロット弁23,24を共に傾転操作することなく、中立位置に配置している間は、方向制御弁12,15が共に中立位置(c)に保持されている。
【0048】
このため、切換弁22は、ばね22Aにより初期位置としての油圧源側位置(d)に置かれ、吐出管路7内の圧油は圧油供給管路21、切換弁22を介してタンク管路18へと還流される。これにより、ファンモータ20は、吐出管路7、圧油供給管路21から直接的にタンク管路18へと流れる圧油によって回転駆動される。即ち、油圧アクチュエータ(例えば、走行用モータ10、油圧シリンダ13)が停止している間は、冷却ファン19がファンモータ20と一緒に吐出管路7、圧油供給管路21から短絡して供給される圧油により回転駆動される。
【0049】
この結果、エンジン1の起動後に、例えば走行用モータ10、油圧シリンダ13等の油圧アクチュエータを停止している間でも、油圧源側位置(d)にある切換弁22により圧油供給管路21からの圧油をファンモータ20に供給することができ、ファンモータ20で冷却ファン19を回転駆動することにより、ラジエータ2に対して冷却風を送風することができる。
【0050】
次に、運転室内のオペレータが、例えば油圧ショベルを走行駆動するためにパイロット弁23を中立位置から作動位置に傾転操作すると、走行系の方向制御弁12が中立位置(c)から作動位置(a)または作動位置(b)に切換えられる。これにより、吐出管路7内の圧油は、第1の供給管路7A、方向制御弁12、モータ主管路11Aまたは11Bを介して走行用モータ10に供給される。走行用モータ10からの戻り油は、第1の排出管路16A、還流管路16Dを介して戻り油路17へと排出される。
【0051】
一方、パイロット弁23の傾転操作時には、パイロット管路23Aまたは23B内に発生したパイロット圧が、シャトル弁25,27を介してパイロット管路27A内へと導出される。このため、切換弁22は、ばね22Aに抗して油圧源側位置(d)から戻り油側位置(e)に切換わり、戻り油路17内の戻り油(圧油)は、切換弁22を介してタンク管路18へと還流される。これにより、ファンモータ20は、戻り油路17からタンク管路18に流れる圧油によって回転駆動される。
【0052】
即ち、走行用モータ10により油圧ショベルを走行駆動している間は、冷却ファン19がファンモータ20と一緒に戻り油路17からの圧油により回転駆動される。この結果、油圧ショベルの走行時には、切換弁22を戻り油側位置(e)に切換えることにより、戻り油路17からタンク管路18に流れる圧油によってファンモータ20を回転駆動することができ、ファンモータ20で冷却ファン19を回転することにより、ラジエータ2に対して冷却風を送風することができる。
【0053】
また、運転室内のオペレータが、例えば油圧ショベルの作業装置を作動させるためにパイロット弁24を中立位置から傾転操作すると、作業系の方向制御弁15が中立位置(c)から作動位置(a)または作動位置(b)に切換えられる。これにより、吐出管路7内の圧油は、第2の供給管路7B、方向制御弁15、シリンダ主管路14Aまたは14Bを介して油圧シリンダ13の油室13Aまたは13Bに供給される。油圧シリンダ13からの戻り油は、第2の排出管路16B、還流管路16Dを介して戻り油路17へと排出される。
【0054】
パイロット弁24の傾転操作時には、パイロット管路24Aまたは24B内に発生したパイロット圧が、シャトル弁24,27を介してパイロット管路27A内へと導出される。このため、切換弁22は、ばね22Aに抗して油圧源側位置(d)から戻り油側位置(e)に切換わり、戻り油路17内の戻り油(圧油)は、切換弁22を介してタンク管路18へと還流される。これにより、ファンモータ20は、戻り油路17からタンク管路18に流れる圧油によって回転駆動される。
【0055】
即ち、油圧シリンダ13により油圧ショベルの作業装置を作動している間は、冷却ファン19がファンモータ20と一緒に戻り油路17からの圧油により回転駆動される。この結果、油圧ショベルによる作業時には、切換弁22を戻り油側位置(e)に切換えることにより戻り油路17からタンク管路18に流れる圧油によってファンモータ20を回転駆動することができ、ファンモータ20で冷却ファン19を回転することにより、ラジエータ2に対して冷却風を送風することができる。
【0056】
また、方向制御弁15を中立位置(c)から作動位置(a),(b)に完全に切換える操作の他に、所謂ハーフ操作を行うこともある。例えば、方向制御弁15を中立位置(c)と作動位置(a)との間でハーフ操作した場合には、第2の供給管路7Bから一部の圧油がバイパス管路9Bに流れると共に、残余の圧油はシリンダ主管路14Aを介して油圧シリンダ13の油室13Aに供給される。このため、油圧シリンダ13の油室13Bからは圧油が排出され、これは戻り油となってシリンダ主管路14B、方向制御弁15、第2の排出管路16B、還流管路16Dを介して戻り油路17へと排出される。
【0057】
前記バイパス通路9Bに流れた圧油も、接続点9C、還流管路9Dを介して戻り油路17へと排出される。このため、戻り油路17には、2つの還流管路9D,16Dを通じて戻り油(圧油)を導くことができ、両方の油液を切換弁22を介してファンモータ20へと供給することができる。なお、走行系の方向制御弁12についても、所謂ハーフ操作を行った場合は、同様に2つの還流管路9D,16Dを通じて戻り油(圧油)を戻し流路17に導くことができる。
【0058】
かくして、第1の実施の形態によれば、タンク5に接続されたタンク管路18の途中にファンモータ20を設け、該ファンモータ20に圧油を供給するためタンク管路18の上流側には、油圧パイロット式の切換弁22を用いて戻り油路17と圧油供給管路21とのいずれかを選択的に切換えて接続する構成としている。切換弁22の油圧パイロット部22Bには、パイロット管路27A、シャトル弁27、パイロット管路26A、シャトル弁26、パイロット管路25A、シャトル弁25を介してパイロット弁23,24のうち、最も高圧となるパイロット圧油を選択的に供給する構成としている。
【0059】
これにより、パイロット弁23,24から方向制御弁12,15に供給するパイロット圧を、切換弁22の切換操作に用いることができ、切換弁22を複数の方向制御弁12,15等のうち、いずれか一つの方向制御弁と一緒に切換え操作することができる。このため、油圧ショベルに設ける油圧アクチュエータ(例えば、走行用モータ10および油圧シリンダ13等)がエンジン1の起動後に停止しているときには、切換弁22を初期位置としての油圧源側位置(d)に配置し、吐出管路7から圧油供給管路21、切換弁22へと短絡して流れる圧油をタンク管路18に流通させることにより、ファンモータ20を冷却ファン19と一緒に回転駆動することができる。
【0060】
一方、走行用モータ10、油圧シリンダ13等の油圧アクチュエータが作動するときには、油圧パイロット部22Bに供給されるパイロット圧により切換弁22を油圧源側位置(d)から戻り油側位置(e)に切換えることができ、この場合には、前記油圧アクチュエータから戻り油路17に戻される戻り油を利用してファンモータ20を冷却ファン19と一緒に回転駆動することができる。
【0061】
従って、第1の実施の形態によれば、冷却ファン19の駆動源を単一の油圧モータであるファンモータ20により構成することができ、冷却用油圧回路全体の構成を簡素化し、コストの低減化を図ることができる。また、単一のファンモータ20により冷却ファン19を回転駆動するときに余分な負荷が発生することはなく、冷却ファン19を効率的に回転できると共に、省エネルギ化を図ることができる。
【0062】
特に、第1の実施の形態では、切換弁22が油圧源側位置(d)にあるときには、油圧ショベルの油圧アクチュエータが停止し、吐出管路7内で余剰となった圧油を圧油供給管路21、切換弁22を通じてタンク管路18に流通させることにより、ファンモータ20を回転駆動することができ、油圧ポンプ4から吐出される圧油を無駄にタンク5側に排出して消費することなく、有効に活用して冷却ファン19を回転させることができる。
【0063】
次に、図2は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、パイロットポンプを圧油供給管路に接続して用いる構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0064】
図中、31はパイロット圧導管8から分岐点Cの位置で分岐した圧油供給管路である。この圧油供給管路31は、第1の実施の形態で述べた圧油供給管路21に替えて用いられている。圧油供給管路31は、油圧源となるパイロットポンプ6からパイロット圧導管8に吐出されるパイロット圧油を、切換弁22を介してタンク管路18側に供給する。
【0065】
かくして、このように構成される第2の実施の形態でも、ファンモータ20に圧油を供給するためタンク管路18の上流側に対し、戻り油路17と圧油供給管路31とのいずれか一方を、油圧パイロット式の切換弁22により選択的に切換えて接続することができ、前記第1の実施の形態とほぼ同様な効果を奏することができる。
【0066】
特に、第2の実施の形態によれば、走行用モータ10および油圧シリンダ13等の油圧アクチュエータが停止しているときには、切換弁22を初期位置としての油圧源側位置(d)に配置し、パイロット圧導管8から圧油供給管路31、切換弁22を介してタンク管路18に流通する圧油により、ファンモータ20を冷却ファン19と一緒に回転駆動することができる。このため、パイロットポンプ6から吐出されるパイロット圧油が無駄に消費されるのを防ぎ、エネルギ効率を高めることができる。
【0067】
次に、図3は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、熱交換器としてオイルクーラを用い、このオイルクーラを冷却ファンからの冷却風によって冷却する構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0068】
図中、41は熱交換器としてのオイルクーラで、該オイルクーラ41は、ファンモータ20よりも下流側に位置してタンク管路18の途中に設けられている。オイルクーラ41には、冷却ファン19の回転により発生した冷却風が送風される。これにより、タンク管路18を通じてオイルクーラ41内をタンク5に向けて流れる油液は、冷却ファン19からの冷却風により冷却され、相対的に温度が低下した状態でタンク5内に戻される。
【0069】
かくして、このように構成される第3の実施の形態でも、タンク5に接続されたタンク管路18の途中にファンモータ20とオイルクーラ41とを設け、タンク管路18の上流側には、油圧パイロット式の切換弁22を用いて戻り油路17と圧油供給管路21とのいずれかを選択的に切換えて接続することができ、前記第1の実施の形態とほぼ同様な効果を奏することができる。
【0070】
特に、第3の実施の形態によれば、冷却ファン19からの冷却風によりオイルクーラ41内の油液を冷却することができる、このため、油圧ポンプ4とパイロットポンプ6とは、タンク5内の油液を吸込むときに、相対的に低い温度状態の油液を吸込むことができ、作動油の寿命を向上して油圧回路の信頼性を高めることができる。
【0071】
なお、前記第1,第2の実施の形態では、冷却ファン19からの冷却風により熱交換器としてのラジエータ2を冷却する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば第3の実施の形態で述べたオイルクーラ41をラジエータ2と一緒に冷却する構成としてもよい。
【0072】
また、冷却ファン19からの冷却風により冷却する熱交換器としては、ラジエータ、オイルクーラに限るものではなく、例えばエンジンの過給機に付設するインタクーラ、空調装置用の冷媒を凝縮させるコンデンサ、エンジンに供給する燃料を冷却する燃料クーラ等を用いる構成としてもよい。
【0073】
また、前記第1の実施の形態では、パイロット弁23,24からのパイロット圧を複数のシャトル弁25,26,27により高圧選択して切換弁22の油圧パイロット部22Bに導く場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば複数の切換弁等を組合せることにより構成した高圧選択手段を用いて切換弁の油圧パイロット部にパイロット圧を供給する構成としてもよい。この点は、第2,第3の実施の形態についても同様である。
【0074】
また、前記第1の実施の形態では、パイロット弁23,24からのパイロット圧により切換弁22を切換操作する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば電磁弁等を用いて切換弁を構成し、方向制御弁12,15等の切換操作に従って切換弁を電気的に切換える構成としてもよい。この点は、第2,第3の実施の形態についても同様である。
【0075】
さらに、前記各実施の形態では、建設機械の代表例として油圧ショベルを例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限ものではなく、油圧ポンプ、パイロットポンプ、油圧アクチュエータ、方向制御弁、熱交換器、冷却ファン等を備えた各種の建設機械、例えば油圧クレーン、ダンプトラック、ホイールローダまたはブルドーザ等の種々の建設機械にも適用することができるものである。
【符号の説明】
【0076】
1 エンジン(原動機)
2 ラジエータ(熱交換器)
4 油圧ポンプ
5 タンク
6 パイロットポンプ
7 吐出管路
7A,7B 供給管路
8 パイロット圧導管
9A,9B バイパス管路
9D,16D 還流管路
10 走行用モータ(走行系の油圧アクチュエータ)
12,15 方向制御弁
13 油圧シリンダ(作業系の油圧アクチュエータ)
16A,16B 排出管路
17 戻り油路
18 タンク管路
19 冷却ファン
20 ファンモータ(油圧モータ)
21,31 圧油供給管路
22 切換弁
23,24 パイロット弁(パイロット操作弁)
25,26,27 シャトル弁(高圧選択弁)
41 オイルクーラ(熱交換器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンにより駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される圧油により作動される油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータと前記油圧ポンプとの間に設けられ前記油圧ポンプから油圧アクチュエータに供給される圧油を制御する方向制御弁と、該方向制御弁にパイロット圧を供給するためのパイロットポンプと、前記油圧アクチュエータから排出される戻り油をタンク側に還流させる戻り油路と、熱交換器に向けて冷却風を送風する冷却ファンと、圧油の供給により該冷却ファンを回転駆動するファンモータとを備えてなる建設機械の油圧回路において、
前記油圧ポンプまたはパイロットポンプからなる油圧源に接続して設けられ前記ファンモータに向けて圧油を供給する圧油供給管路と、
該圧油供給管路と前記戻り油路とのいずれか一方を前記タンク側に選択的に切換えて接続する切換弁とを備え、
前記ファンモータは、該切換弁と前記タンクとの間に設ける構成としたことを特徴とする建設機械の油圧回路。
【請求項2】
前記方向制御弁は、パイロット操作弁から供給されるパイロット圧によって切換操作される油圧パイロット式方向制御弁により構成し、前記切換弁は、前記パイロット操作弁が中立位置にあるときに前記圧油供給管路からの圧油を前記ファンモータに供給し、前記パイロット操作弁が中立位置から作動位置に切換えられたときには前記戻り油路からの圧油を前記ファンモータに供給する構成としてなる請求項1に記載の建設機械の油圧回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−79626(P2013−79626A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220954(P2011−220954)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】