説明

情報出力端末、情報出力方法、情報出力プログラムおよび記録媒体

【課題】検索した当日の施設の混雑状況を出力すること。
【解決手段】情報出力端末100は、サーバに対して、日付取得部102によって取得された現在の日付に検索された施設の検索履歴に関する情報を要求する要求情報を送信部107によって送信するとともに、受信部108によって要求情報に対応する検索履歴に関する情報をサーバから受信する。そして、検索履歴に関する情報に基づいて、判断部109によって現在の日付における各施設の混雑状況を判断し、制御部110によって、出力部101を制御して、各施設の混雑状況に関する情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、現在の日付における各施設の混雑状況に関する情報を出力する情報出力端末、情報出力方法、情報出力プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のナビゲーション装置と情報提供センタとが通信可能に構成された情報提供システムにおいて、情報提供センタは、ナビゲーション装置から要求情報を受け付けた場合、データベースに記録された過去の訪問者の情報に基づいて、実際に人気がある施設、すなわち訪問者数があらかじめ設定された閾値より多い施設に関する情報を抽出して、ナビゲーション装置に提供する(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−128659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、施設に関する情報を、データベースに記録された過去の訪問者の情報に基づいて抽出するため、施設を検索した当日に他の利用者が各施設へ訪問している訪問状況はわからないという問題がある。したがって、利用者は、検索した当日に人気のある施設に案内されたくても、過去には人気があったが施設を検索した当日にはすでに人気がなくなっていて、訪問者が少ない施設に案内される可能性がある。また、施設を検索した当日の訪問状況がわからないため、各施設が訪問者によってどれだけ混雑しているかの状況がわからない。したがって、利用者は、訪問者の多い施設の周辺を通過する可能性があり、その際渋滞に巻き込まれるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる情報出力端末は、現在の日付を取得する日付取得手段と、複数の端末から検索履歴を取得して蓄積するサーバに対して前記現在の日付に検索された施設の検索履歴に関する情報を要求する要求情報を送信するとともに当該要求情報に対応する検索履歴に関する情報を前記サーバから受信する通信手段と、前記通信手段で受信された検索履歴に関する情報に基づいて前記現在の日付における各施設の混雑状況を判断する判断手段と、出力部を制御して、前記判断手段によって判断された前記各施設の混雑状況に関する情報を出力する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項8に記載の情報出力方法は、現在の日付を取得する日付取得工程と、複数の端末から検索履歴を取得して蓄積するサーバに対して前記現在の日付に検索された施設の検索履歴に関する情報を要求する要求情報を送信するとともに当該要求情報に対応する検索履歴に関する情報を前記サーバから受信する通信工程と、前記通信工程で受信された検索履歴に関する情報に基づいて前記現在の日付における各施設の混雑状況を判断する判断工程と、出力部を制御して、前記判断工程によって判断された前記各施設の混雑状況に関する情報を出力する制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項9に記載の情報出力プログラムは、請求項8に記載の情報出力方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項10に記載のコンピュータに読み取り可能な記録媒体は、請求項9に記載の情報出力プログラムを記録したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態にかかる情報出力端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかる情報出力端末の出力処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかる情報出力システムの概要を示す説明図である。
【図4】本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例のナビゲーション装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本実施例のナビゲーション装置によって表示される施設の混雑状況の一覧について示す説明図である。
【図7】本実施例のナビゲーション装置によって探索される混雑回避経路の一例について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報出力端末、情報出力方法、情報出力プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
(情報出力端末の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる情報出力端末100の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる情報出力端末の機能的構成を示すブロック図である。図1において、情報出力端末100は、出力部101と、日付取得部102と、指定部103と、位置取得部104と、受付部105と、通信部106と、判断部109と、制御部110と、探索部111と、を備えている。
【0012】
出力部101は、地図データなどの映像データを表示する表示画面や音声データを出力するスピーカを備えている。ここで、地図データは、ノードおよびリンクからなる道路ネットワークデータと、施設や道路その他地形(山、川、土地)に関するフィーチャを用いて描画される画像データとを含んでいる。地図データは、文字情報、施設の名称や住所などの情報、道路や施設の画像などを含んでいてもよい。
【0013】
日付取得部102は、現在の日付を取得する。具体的には、日付取得部102は、たとえばGPS(Global Positioning System)衛星などから送信された電波に含まれる時刻データから現在の日付を取得する。
【0014】
指定部103は、エリアの指定を利用者から受け付ける。エリアは、具体的には、たとえば地方(関東地方、東北地方など)、都道府県、市区町村などの情報である。
【0015】
位置取得部104は、利用者の現在地点の位置情報を取得する。具体的には、たとえば、位置取得部104は、GPS衛星からの測位情報や、移動体の移動状態を検知するセンサの出力情報から、地図データ上の利用者の現在地点を特定する。
【0016】
通信部106は、送信部107と受信部108とを備えている。送信部107は、複数の端末から検索履歴を取得して蓄積するサーバに対して要求情報を送信する。また、受信部108は、送信部107が送信した要求情報に対応する検索履歴に関する情報をサーバから受信する。
【0017】
ここで、サーバが蓄積する検索履歴に関する情報には、各施設の現在の日付に検索された回数(以下、本日検索回数とする)が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。サーバが蓄積する検索履歴に関する情報に本日検索回数が含まれていない場合、受信部108は、他の情報出力端末が各施設を検索した検索履歴をサーバから受信して、図示しない抽出部などによって、他の情報出力端末が各施設を検索した検索履歴から、本日検索回数を抽出してもよい。また、各施設の検索履歴に関する情報には、地図データ上のエリアに関する情報が関連付けられていてもよい。すなわち各施設の検索履歴に関する情報は、各施設が位置するエリアごとに分かれて記録されていてもよい。また、検索履歴に関する情報には、複数の端末から当該端末において目的地点として検索され且つ設定された施設の履歴(以下、目的地点履歴とする)などの情報が含まれていてもよい。
【0018】
また、要求情報は、日付取得部102によって取得された現在の日付に検索された施設の検索履歴に関する情報を要求する情報である。要求情報は、たとえば現在の日付に目的地として検索され且つ設定された施設の目的地点履歴に関する情報や、現在の日付に検索された施設且つ指定エリアに属する施設の検索履歴に関する情報を要求する情報でもよい。指定エリアに属する施設とは、指定部103によって利用者から指定を受け付けたエリアに位置する施設である。
【0019】
判断部109は、受信部108で受信された検索履歴に関する情報に基づいて、日付取得部102によって取得された現在の日付における各施設の混雑状況を判断する。判断部109は、たとえば本日検索回数の情報に基づいて、現在の日付における各施設の混雑状況を判断する。判断部109は、具体的には、本日検索回数および各施設の駐車場の収容数に基づいて、現在の日付における各施設の混雑状況を判断する。
【0020】
さらに、判断部109は、受信部108において受信された目的地点履歴に関する情報に基づいて、現在の日付における各施設の混雑状況を判断してもよい。現在の日付に目的地点として設定された施設は、実際に目的地点として設定した利用者が訪問している可能性が高いため、判断部109は、より正確な混雑状況を判断することができる。なお、判断部109は、各施設の混雑状況に基づいて、各施設の混雑の度合いに対して順位付けをおこなってもよい。
【0021】
制御部110は、出力部101を制御して、判断部109によって判断された、現在の日付における各施設の混雑状況に関する情報を出力する。ここで、各施設の混雑状況に関する情報とは、たとえば、本日検索回数を示す情報や、各施設の駐車場の収容数に占める本日検索回数の割合を示す情報などである。また、制御部110は、出力部101を制御して、判断部109によって最も混雑していると判断された施設から順に、各施設の混雑状況の一覧を出力することができる。
【0022】
受付部105は、利用者からの目的地点の設定を受け付ける。そして、探索部111は、判断部109によって混雑していると判断された施設の周辺を避けて、位置取得部104によって取得された利用者の現在地点から、受付部105によって受け付けられた目的地点までの経路を探索する。また、探索部111は、判断部109によって判断された各施設の混雑状況に応じた経路を探索してもよい。すなわち、探索部111は、各施設の混雑状況に応じて、施設毎にその施設の周辺を避ける距離を変更してもよい。
【0023】
(情報出力端末の出力処理手順)
次に、情報出力端末100の出力処理手順について説明する。図2は、本実施の形態にかかる情報出力端末の出力処理手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、まず、日付取得部102によって現在の日付を取得する(ステップS201)。
【0024】
次に、通信部106に備えられた送信部107によって、サーバに要求情報を送信する(ステップS202)。ステップS202において、要求情報は、たとえば現在の日付に検索された施設の検索履歴に関する情報を要求する情報である。ここで、検索履歴に関する情報は、具体的には現在の日付に検索された施設の本日検索回数の情報が含まれていてもよい。
【0025】
次に、通信部106に備えられた受信部108によって、ステップS202において送信した要求情報に対応する検索履歴に関する情報をサーバから受信する(ステップS203)。ステップS203において、受信部108は、送信部107が送信した要求情報に対応する検索履歴に関する情報をサーバから受信する。
【0026】
次に、判断部109によって、ステップS203において受信した検索履歴に関する情報に基づいて、各施設の混雑状況を判断する(ステップS204)。ステップS204においては、ステップS201において取得した現在の日付における各施設の混雑状況を判断する。また、ステップS204においては、たとえばステップS203において取得した検索履歴に関する情報に含まれる本日検索回数に基づいて、現在の日付における各施設の混雑状況を判断してもよい。
【0027】
また、ステップS204においては、本日検索回数および現在の日付に検索された施設の駐車場の収容数に基づいて、現在の日付における施設の混雑状況を判断してもよい。具体的には、現在の日付に検索された施設の駐車場の収容数に占める本日検索回数の割合によって、各施設の混雑状況を判断する。
【0028】
次に、制御部110によって、出力部101を制御して、各施設の混雑状況に関する情報を出力する(ステップS205)。ステップS205においては、判断部109によって最も混雑していると判断された施設から順に各施設の混雑状況の一覧を出力してもよい。
【0029】
次に、位置取得部104によって、利用者の現在地点の位置情報を取得する(ステップS206)。さらに、受付部105によって、利用者からの目的地点の設定を受け付ける(ステップS207)。
【0030】
次に、探索部111によって、混雑していると判断された施設の周辺を避けた経路を探索して(ステップS208)、一連の処理を終了する。ステップS208においては、具体的には、ステップS204において混雑していると判断された施設の周辺を避けて、ステップS206において取得された利用者の現在地点から、ステップS207において受け付けられた目的地点までの経路を探索する。
【0031】
なお、図2のフローチャートにおいては、ステップS202においてサーバに要求情報を送信する前に、指定部103によって利用者から施設のエリアについて指定を受け付けてもよい。この場合、ステップS202においては、サーバに対して現在の日付に検索された施設且つ指定エリアに属する施設の検索履歴に関する情報を要求する要求情報を送信する。
【0032】
また、図2のフローチャートにおいては、ステップS202において、送信部107は、現在の日付に目的地点として検索され且つ設定された施設の目的地点履歴に関する情報を要求する要求情報をサーバに送信してもよい。この場合、ステップS203においては、送信部107が送信した要求情報に対応する目的地点履歴に関する情報をサーバから受信する。そして、ステップS204においては、ステップS203で受信した目的地点履歴に関する情報に基づいて、現在の日付における各施設の混雑状況を判断する。
【0033】
また、図2のフローチャートにおいては、ステップS202において、サーバに対して他の端末における各施設の検索履歴そのものを要求する要求情報を送信してもよい。ここで他の端末における各施設の検索履歴とは、たとえば他の端末が過去に各施設を検索した履歴であり、他の端末が現在の日付より前に検索した履歴も含んでいる。この場合、ステップS203において他の端末における各施設の検索履歴を受信した後に、各施設に対する本日検索回数を統計してもよい。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態の情報出力端末100によれば、受信部108によって受信された検索履歴に関する情報に基づいて、日付取得部102によって取得された現在の日付における各施設の混雑状況を、判断部109によって判断し、制御部110によって出力部101を制御して、各施設の混雑状況に関する情報を出力することができる。したがって、現在の日付の施設の混雑状況を表示することができる。これにより、利用者は、検索した当日の施設の混雑状況を知ることができるので、検索した当日に人気のある施設に行くことができる。また、利用者は、混雑した施設の周辺を回避して目的地点に行くことができる。
【0035】
また、本実施の形態の情報出力端末100によれば、判断部109によって、各施設の現在の日付に検索された本日検索回数の情報に基づいて、現在の日付における各施設の混雑状況を判断することができる。したがって、サーバにおいて他の端末の検索履歴から統計された各施設の本日検索回数を用いて、各施設の混雑状況を判断することができる。これによって、たとえばサーバから他の端末の検索履歴を受信して、情報出力端末100において各施設の現在の日付に検索された本日検索回数を統計する処理を省くことができるので、情報出力端末100における処理の負荷を低減することができる。
【0036】
また、本実施の形態の情報出力端末100によれば、本日検索回数および現在の日付に検索された施設の駐車場の収容数に基づいて、現在の日付における施設の混雑状況を判断することができる。したがって、たとえば本日検索回数が比較的多くても、駐車場の収容数に満たない場合、混雑していないと判断し、本日検索回数が比較的少なくても、駐車場の収容数を満たしている場合、混雑していると判断することができる。これによって、利用者は、検索した当日の施設の駐車場の混雑状況を知ることができるので、たとえば駐車場に入場するまで待つことや、駐車場に入場するために待機している他の移動体によって混雑している経路を通過することを回避することができる。
【0037】
また、本実施の形態の情報出力端末100によれば、目的地点履歴に関する情報に基づいて施設の混雑状況を判断することができる。したがって、本日検索回数のみでは検索のみをおこない、実際には施設に訪問していない可能性があるが、目的地点履歴を用いることで、より正確に各施設に訪問している可能性の高い情報を用いて、施設の混雑状況を判断することができる。これによって、利用者は、より正確に検索した当日の施設の混雑状況を知ることができる。
【0038】
また、本実施の形態の情報出力端末100によれば、指定エリアに属する施設の検索履歴に関する情報に基づいて、各施設の混雑状況を判断することができる。したがって、混雑状況に関する情報を出力する際に、指定エリアのみの、混雑状況に関する情報を出力することができる。これによって、利用者は、混雑状況を知る必要のない施設を除外して、混雑状況を知りたい施設のみを出力させることができる。したがって、利用者は、所望する施設の混雑状況を簡単に知ることができる。
【0039】
また、本実施の形態の情報出力端末100によれば、最も混雑していると判断された施設から順に各施設の混雑状況の一覧を出力することができる。これによって、利用者は、各施設の混雑状況の違いについて簡単に知ることができるので、人気のある施設や混雑している施設を簡単に知ることができる。
【0040】
また、本実施の形態の情報出力端末100によれば、混雑していると判断された施設の周辺を避けて利用者の現在地点から目的地点までの経路を探索することができる。これによって、利用者は、混雑を回避して目的地点に行くことができるので、時間の無駄をなくし、気分よく目的地点に行くことができる。また、利用者が、混雑している施設の周辺を通過しないので、混雑している施設の周辺の交通渋滞を緩和することができる。
【実施例】
【0041】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、たとえば、車両(四輪車、二輪車を含む)などの移動体に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明の情報出力端末100を実施した場合の一例について説明する。
【0042】
(情報出力システムの概要)
まず、図3を用いて、本実施例にかかる情報出力システムの概要について説明する。図3は、本実施例にかかる情報出力システムの概要を示す説明図である。図3において、情報出力システム300は、情報検索サーバ301と、複数のナビゲーション装置302とから構成されている。情報検索サーバ301とナビゲーション装置302とは、ネットワーク310を介して接続される。
【0043】
情報検索サーバ301は、施設に関する情報を記憶している。施設に関する情報には、たとえば各施設の駐車場の収容数の情報が含まれていてもよい。情報検索サーバ301は、ナビゲーション装置302から施設に関する情報の要求を受け付けると、要求に対応する施設に関する情報を検索し、検索された施設に関する情報をナビゲーション装置302に送信する。情報検索サーバ301は、ナビゲーション装置302から施設に関する情報の要求を受け付けたときに、検索された施設や検索された日付、目的地点として設定された施設などの情報を検索履歴に関する情報として蓄積する。
【0044】
このように、情報検索サーバ301は、ネットワーク310を介して接続された複数のナビゲーション装置302から検索履歴に関する情報を取得し、蓄積する。また、情報検索サーバ301は、複数のナビゲーション装置302から取得された検索履歴に関する情報に基づいて、各施設の現在の日付に検索された本日検索回数を統計してもよい。
【0045】
ナビゲーション装置302は、情報検索サーバ301に施設に関する情報を要求し、要求に応じた情報を受信する。また、ナビゲーション装置302は、情報検索サーバ301に検索履歴に関する情報を要求し、要求に応じた情報を受信する。また、ナビゲーション装置302は、情報検索サーバ301から他のナビゲーション装置302の検索履歴そのものを受信して、この検索履歴に基づいて、ナビゲーション装置302において、各施設の現在の日付に検索された本日検索回数を統計してもよい。
【0046】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
次に、本実施例にかかるナビゲーション装置302のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、ナビゲーション装置302は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、音声I/F(インターフェース)408と、マイク409と、スピーカ410と、入力デバイス411と、映像I/F412と、ディスプレイ413と、カメラ414と、通信I/F415と、GPSユニット416と、各種センサ417と、を備えている。各構成部401〜417は、バス420によってそれぞれ接続されている。
【0047】
まず、CPU401は、ナビゲーション装置302の全体の制御を司る。ROM402には、ブートプログラム、混雑状況判断プログラム、制御プログラム、経路探索プログラムなどの各種プログラムが記録されている。また、RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU401は、RAM403をワークエリアとして使用しながら、ROM402に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置302の全体の制御を司る。
【0048】
混雑状況判断プログラムは、現在の日付における各施設の混雑状況を判断させる。混雑状況判断プログラムは、具体的には、情報検索サーバ301に要求し、要求に応じて受信した施設の検索履歴に関する情報に基づいて、現在の日付における各施設の混雑状況を判断させる。また、混雑状況判断プログラムは、現在の日付に、他のナビゲーション装置302によって目的地点として設定された目的地点履歴に基づいて、現在の日付における各施設の混雑状況を判断させてもよい。
【0049】
制御プログラムは、混雑状況判断プログラムによって判断された現在の日付における各施設の混雑状況に関する情報をディスプレイ413に表示させる。制御プログラムは、最も混雑していると判断された施設から順に各施設の混雑状況に関する情報の一覧をディスプレイ413に表示させてもよい。
【0050】
経路探索プログラムは、利用者の現在地点から目的地点までの混雑回避経路を探索させる。このとき、経路探索プログラムは、混雑状況判断プログラムによって判断された施設の混雑状況に応じた混雑回避経路を探索させる。ここで、混雑回避経路とは、現在地点から目的地点までにおいて、混雑状況判断プログラムによって混雑していると判断された施設の周辺を避けた経路であり、たとえば、目的地点までの距離は最短ではなくなるが到着時間が最短となる経路である。また、経路探索プログラムは、混雑状況判断プログラムによって混雑していると判断された施設が目的地点までの経路の周辺にない場合は、利用者の現在地点から目的地点までの通常経路を探索させる。ここで、通常経路とは、現在地点から目的地点までの距離が最短である経路であり、たとえば、目的地点までにかかるコストが最小の経路やあらかじめ利用者によって指定された条件に合致する経路などである。
【0051】
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク405としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0052】
また、光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク407は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク407のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0053】
磁気ディスク405および光ディスク407に記録される情報の一例としては、地図データや機能データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0054】
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。
【0055】
機能データは、地図上の施設の形状をあらわす3次元データ、当該施設の説明をあらわす文字データ、その他地図データ以外の各種のデータである。地図データや機能データは、地区ごとあるいは機能ごとにブロック分けされた状態で記録されている。具体的には、たとえば、地図データは、各々が、表示画面に表示された地図において所定の地区をあらわすように、地区ごとにブロック分けすることができる状態で記録されている。また、たとえば、機能データは、各々が、1つの機能を実現するように、機能ごとに複数にブロック分けすることができる状態で記録されている。
【0056】
また、機能データは、上述した3次元データや文字データに加えて、経路探索、所要時間の算出、経路誘導などを実現するプログラムデータなどの機能を実現するためのデータである。地図データおよび機能データは、それぞれ、地区ごとあるいは機能ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0057】
なお、ナビゲーション装置302は、図示を省略するが、フラッシュメモリを備えていてもよい。フラッシュメモリは、書き換え自在な不揮発性半導体メモリであり、CPU401の制御にしたがってデータの読み取り/書き込みをおこなう。フラッシュメモリには、たとえば、NAND型フラッシュメモリやNOR型フラッシュメモリなどを用いることができる。フラッシュメモリに記録される情報の一例としては、上述した映像情報や音声情報、文字情報または地図データや機能データなどが挙げられる。また、フラッシュメモリは、ROM402としての機能を有していてもよい。すなわち、フラッシュメモリは、上述の各プログラムを記録していてもよい。
【0058】
音声I/F408は、音声入力用のマイク409および音声出力用のスピーカ410に接続される。マイク409に受音された音声は、音声I/F408内でA/D変換される。マイク409は、たとえば、車両のサンバイザー付近に設置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ410からは、所定の音声信号を音声I/F408内でD/A変換した音声が出力される。なお、マイク409から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク405あるいは光ディスク407に記録可能である。
【0059】
入力デバイス411は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス411は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0060】
映像I/F412は、ディスプレイ413に接続される。映像I/F412は、具体的には、たとえば、ディスプレイ413全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ413を制御する制御ICなどによって構成される。
【0061】
ディスプレイ413には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ413には、上述した地図データが、2次元または3次元に描画される。ディスプレイ413に表示された地図データには、ナビゲーション装置302を搭載した車両の現在位置をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。車両の現在位置は、CPU401によって算出される。
【0062】
ディスプレイ413としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。ディスプレイ413は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ413は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両において複数設置されていてもよい。
【0063】
カメラ414は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ414によって車両内部の搭乗者の挙動を撮影し、撮影した映像を映像I/F412を介して磁気ディスク405や光ディスク407などの記録媒体に出力する。また、カメラ414によって車両外部の状況を撮影し、撮影した映像を映像I/F412を介して磁気ディスク405や光ディスク407などの記録媒体に出力する。また、カメラ414は、赤外線カメラ機能を有しており、赤外線カメラ機能を用いて撮影された映像情報に基づいて車両内部に存在する物体の表面温度の分布を相対的に比較することができる。また、記録媒体に出力された映像は、上書き記録や保存がおこなわれる。
【0064】
通信I/F415は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置302とCPU401とのインターフェースとして機能する。通信I/F415は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU401とのインターフェースとしても機能する。また、通信I/F415は、接続された通信網において情報検索サーバ301との情報の送受信をおこなう。
【0065】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F415は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。また、通信I/F415は、たとえば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いた場合は、路側に設置された無線装置と双方向の無線通信をおこなう車載無線装置によって構成され、交通情報や地図情報など各種情報を取得する。なお、DSRCの具体例としては、ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)が挙げられる。
【0066】
GPSユニット416は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット416の出力情報は、後述する各種センサ417の出力値とともに、CPU401による車両の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。また、GPS衛星が発信する電波には時刻データが含まれるので、ナビゲーション装置302は、GPSユニット416から現在の日付を取得することが可能である。
【0067】
各種センサ417は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ417の出力値は、CPU401による車両の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
【0068】
図1に示した情報出力端末100が備える出力部101、日付取得部102、位置取得部104、受付部105、通信部106、判断部109、制御部110、探索部111は、図4に示したナビゲーション装置302におけるROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU401が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置302における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0069】
すなわち、実施例のナビゲーション装置302は、ナビゲーション装置302における記録媒体としてのROM402に記録されている各種プログラムを実行することにより、図1に示した情報出力端末100が備える機能を、図2に示した情報出力処理手順で実行することができる。
【0070】
(ナビゲーション装置の処理手順)
次に、本実施例のナビゲーション装置の処理手順について説明する。図5は、本実施例のナビゲーション装置の処理手順を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートにおいて、まず、施設の混雑状況の一覧を表示する要求を受け付けるまで待機する(ステップS501:Noのループ)。ステップS501において、要求の受け付けは、たとえば、入力デバイス411が利用者に操作されることによって受け付ける。
【0071】
ステップS501において、施設の混雑状況の一覧を表示する要求を受け付けた場合(ステップS501:Yes)、現在の日付を取得する(ステップS502)。次に、情報検索サーバ301に対して、現在の日付に検索された施設の検索履歴に関する情報を要求する要求情報を送信する(ステップS503)。そして、要求情報に対応する検索履歴に関する情報を情報検索サーバ301から受信する(ステップS504)。ステップS504においては、たとえば検索履歴に関する情報として、各施設の現在の日付に検索された本日検索回数を受信する。
【0072】
次に、情報検索サーバ301から現在の日付に検索された施設の駐車場の収容数の情報を取得する(ステップS505)。そして、各施設に対して駐車場の収容数に占める本日検索回数の割合を算出する(ステップS506)。さらに、算出した割合に基づいて、施設の混雑状況を判断する(ステップS507)。
【0073】
ステップS507においては、駐車場の収容数に占める本日検索回数の割合が大きいほど、その施設が混雑していると判断する。具体的には、施設Aの駐車場の収容数が1,000台であって、この施設について本日検索回数が900回であるとき、割合は、90パーセントである。また、施設Bの駐車場の収容数が500台であって、この施設について本日検索回数が600回であるとき、割合は、120パーセントである。この場合、本日検索回数においては、施設Aの方が多いが、割合が施設Bの方が大きいため、施設Aより施設Bが混雑していると判断する。
【0074】
次に、ステップS507において判断された混雑状況に基づいて、施設の混雑状況の一覧を作成し(ステップS508)、ディスプレイ413に施設の混雑状況の一覧を表示する(ステップS509)。なお、ステップS508においては、たとえば、利用者による指定ジャンルの入力を受け付けた場合、受け付けたジャンルに合致する施設のみの一覧を作成してもよい。具体的には、たとえば、『遊園地』や『動物園』などの施設のみの混雑状況の一覧を作成してもよい。
【0075】
また、ステップS508においては、たとえば、利用者による指定エリアの入力を受け付けた場合、受け付けた指定エリアに属する施設のみの一覧を作成してもよい。具体的には、たとえば、『関東地方』や『東京近郊』、『東京23区』などのエリアに属する施設のみの混雑状況の一覧を作成してもよい。
【0076】
次に、現在地点の位置情報を取得して(ステップS510)、さらに、目的地点が設定されるまで待機する(ステップS511:Noのループ)。ステップS511において、目的地点が設定された場合(ステップS511:Yes)、ステップS507において混雑していると判断された施設が目的地点までの経路の周辺にあるか否かを判断する(ステップS512)。
【0077】
ステップS512において、混雑していると判断された施設が目的地点までの経路の周辺にある場合(ステップS512:Yes)、混雑回避経路を探索する(ステップS513)。そして、車両を、ステップS513において探索された混雑回避経路に誘導して(ステップS515)、一連の処理を終了する。
【0078】
一方、ステップS512において、混雑していると判断された施設が目的地点までの経路の周辺にない場合(ステップS512:No)、通常経路を探索する(ステップS514)。そして、車両を、ステップS514において探索された通常経路に誘導して(ステップS515)、一連の処理を終了する。
【0079】
なお、図5のフローチャートにおいては、ステップS504において、現在の日付に検索された施設の検索履歴に関する情報を受信するとしているが、これに限るものではない。具体的には、たとえば、現在の日付に設定された目的地点履歴に関する情報を受信してもよい。ここで、目的地点履歴とは、現在の日付に目的地点として検索され且つ設定された施設に関する情報である。すなわち、本日検索回数は、利用者が施設に関する情報を検索した時点において加算される数値である。この場合、本日検索回数と同じ数の利用者が、検索した施設を現在の日付に実際に訪れるとは限らない。これに対して、目的地点履歴において現在の日付に設定された回数は、利用者が目的地点として検索した施設を実際に設定した時点において加算される数値である。したがって、本日検索回数のみに基づいた混雑状況と比べると、目的地点履歴に基づいて判断された混雑状況は、他の利用者が実際に施設に訪問している可能性が高いため、より正確な情報となる。
【0080】
なお、図5のフローチャートにおいては、ステップS507において施設の混雑状況を判断した情報を情報検索サーバ301に送信してもよい。これにより、他のナビゲーション装置302の利用者は、施設の混雑状況に関する情報を取得することができる。
【0081】
(施設の混雑状況一覧の表示例)
次に、図5のステップS509においてディスプレイ413に表示される、施設の混雑状況の一覧の一例について説明する。図6は、本実施例のナビゲーション装置によって表示される施設の混雑状況の一覧について示す説明図である。図6においては、図5のステップS506において算出される割合の数値が最も高い施設から順に施設が表示されている。
【0082】
図6においては、施設の混雑状況の一覧600に、施設のジャンル601と、施設のエリア602と、施設の順位603と、施設の名称604と、本日検索回数および駐車場の収容数605と、割合606と、施設の混雑状況607と、が表示されている。
【0083】
施設のジャンル601には、利用者によって指定ジャンルの入力が受け付けられた場合、受け付けられたジャンルが表示されている。図6においては、『全ての施設』すなわちジャンルが指定されていないこととする。施設のエリア602には、利用者による指定エリアの入力が受け付けられた場合、受け付けられたエリアが表示されている。図6においては、『東京近郊』エリアを指定する入力が受け付けられていることとする。
【0084】
本日検索回数および駐車場の収容数605には、図5のステップS504において受信された本日検索回数と、ステップS505において取得された現在の日付に検索された施設の駐車場の収容数とが表示される。割合606には、ステップS506において算出された、駐車場の収容数に占める本日検索回数の割合が表示される。
【0085】
施設の混雑状況607には、ステップS507において判断された施設の混雑状況が利用者に判断しやすい形式で表示される。また、施設の混雑状況607は、割合606をアイコンによって示してもよい。具体的には、図6においては、車両の形状をしたアイコンの数量で段階的に施設の混雑状況が示されている。そして、車両の形状をしたアイコンの数量が多い場合、少ない場合よりも混雑していることを示すこととする。
【0086】
具体的には、たとえば、割合が100パーセント以上の場合は車両の形状をしたアイコンが3つ表示され、80パーセント以上100パーセント未満の場合は車両の形状をしたアイコンが2つ表示され、60パーセント以上80パーセント未満の場合は車両の形状をしたアイコンが1つ表示される。なお、図6においては、施設の混雑状況607を、車両の形状をしたアイコンの数量で示したが、この表示形式には限定されない。
【0087】
なお、図6の混雑状況の一覧600においては、混雑状況を判断することによって、最も混雑していると判断された施設から順に順位付けをしてもよい。そして、順位が上位になった施設と下位になった施設とを識別できるように表示してもよい。具体的には、たとえば、最も混雑している1位の施設から3位の施設については、順位603、施設の名称604、本日検索回数および駐車場の収容数605、割合606、施設の混雑状況607の表示を4位以下の施設の表示より、大きくしてもよい。
【0088】
(混雑回避経路の一例について)
次に、図5のステップS513における混雑回避経路の一例について説明する。図7は、本実施例のナビゲーション装置によって探索される混雑回避経路の一例について示す説明図である。図7において、ディスプレイ413に表示される経路表示画面700には、車両の現在地点701と、目的地点702と、通常経路703(図中、破線)と、施設704と、混雑経路705(図中、斜線領域)と、予想混雑範囲706と、混雑回避経路707と、が表示されている。
【0089】
図7においては、ステップS507において、施設704が混雑していないと判断された場合、施設704の周辺が混雑していないとして、目的地点702までの最短経路である通常経路703を探索する。一方、ステップS507において、施設704が混雑していると判断された場合、所定距離xの円であらわされた予想混雑範囲706に含まれる混雑経路705を含まない、混雑回避経路707を探索する。ここで、予想混雑範囲706とは、駐車場の収容数に占める本日検索回数の割合によって変更されてもよい。具体的には、所定距離xの値は、たとえば、割合が100パーセント以上の場合、80パーセント以上100パーセント未満の場合の値より大きくなる。また、割合が80パーセント以上100パーセント未満の場合、60パーセント以上80パーセント未満の場合の値より大きくなる。すなわち、駐車場の収容数に占める本日検索回数の割合が大きいほど所定距離xの値を大きくし、予想混雑範囲706を広くしてもよい。
【0090】
以上に説明したように、本実施例のナビゲーション装置302によれば、施設の混雑状況の一覧を表示することができる。これによって、利用者は、検索した当日に人気のある施設、すなわち検索した当日に混雑している施設を知ることができる。さらに、利用者は、混雑していると判断された施設が目的地点までの経路の周辺にある場合、混雑している施設の周辺の道路を回避した経路を探索することができる。したがって、利用者は、交通渋滞に巻き込まれずに、快適に目的地点に到着することができる。
【0091】
また、本実施例のナビゲーション装置302によれば、施設の混雑状況を情報検索サーバ301に送信し、他の利用者と施設の混雑状況に関する情報を共有することができる。そして、情報を共有している複数の利用者が、混雑していると判断された施設の周辺の通行を回避することで、各施設での交通渋滞を緩和することができる。
【0092】
以上説明したように、本発明の情報出力端末、情報出力方法、情報出力プログラムおよび記録媒体によれば、現在の日付に検索された回数に基づいて、施設の混雑状況を表示することができる。これによって、利用者は、現在の日付の施設の混雑状況を知ることができる。
【0093】
なお、本実施の形態で説明した情報出力方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、携帯端末装置(携帯電話)などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
100 情報出力端末
101 出力部
102 日付取得部
103 指定部
104 位置取得部
105 受付部
106 通信部
107 送信部
108 受信部
109 判断部
110 制御部
111 探索部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の日付を取得する日付取得手段と、
複数の端末から検索履歴を取得して蓄積するサーバに対して前記現在の日付に検索された施設の検索履歴に関する情報を要求する要求情報を送信するとともに当該要求情報に対応する検索履歴に関する情報を前記サーバから受信する通信手段と、
前記通信手段で受信された検索履歴に関する情報に基づいて前記現在の日付における各施設の混雑状況を判断する判断手段と、
出力部を制御して、前記判断手段によって判断された前記各施設の混雑状況に関する情報を出力する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報出力端末。
【請求項2】
前記検索履歴に関する情報は、前記各施設の前記現在の日付に検索された回数(以下、本日検索回数とする)の情報を含み、
前記判断手段は、前記本日検索回数の情報に基づいて、前記現在の日付における各施設の混雑状況を判断することを特徴とする請求項1に記載の情報出力端末。
【請求項3】
前記判断手段は、前記本日検索回数および前記各施設の駐車場の収容数に基づいて、前記各施設の混雑状況を判断することを特徴とする請求項2に記載の情報出力端末。
【請求項4】
前記サーバは、複数の端末から当該端末で目的地点として検索され且つ設定された施設の履歴(以下、目的地点履歴とする)を取得して蓄積し、
前記通信手段は、前記現在の日付に目的地点として検索され且つ設定された施設の目的点地履歴に関する情報を要求する要求情報を前記サーバに送信するとともに当該要求情報に対応する目的地点履歴に関する情報を前記サーバから受信し、
前記判断手段は、前記通信手段で受信された目的地点履歴に関する情報に基づいて前記現在の日付における各施設の混雑状況を判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の情報出力端末。
【請求項5】
エリアの指定を利用者から受け付ける指定手段をさらに備え、
前記通信手段は、前記サーバに対して前記現在の日付に検索された施設且つ指定エリアに属する施設の検索履歴に関する情報を要求する要求情報を送信するとともに当該要求情報に対応する検索履歴に関する情報を前記サーバから受信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の情報出力端末。
【請求項6】
前記制御手段は、前記出力部を制御して、前記判断手段によって最も混雑していると判断された施設から順に前記各施設の混雑状況の一覧を出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の情報出力端末。
【請求項7】
利用者の現在地点の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記利用者からの目的地点の設定を受け付ける受付手段と、
前記判断手段によって混雑していると判断された施設の周辺を避けて前記利用者の現在地点から前記目的地点までの経路を探索する探索手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の情報出力端末。
【請求項8】
現在の日付を取得する日付取得工程と、
複数の端末から検索履歴を取得して蓄積するサーバに対して前記現在の日付に検索された施設の検索履歴に関する情報を要求する要求情報を送信するとともに当該要求情報に対応する検索履歴に関する情報を前記サーバから受信する通信工程と、
前記通信工程で受信された検索履歴に関する情報に基づいて前記現在の日付における各施設の混雑状況を判断する判断工程と、
出力部を制御して、前記判断工程によって判断された前記各施設の混雑状況に関する情報を出力する制御工程と、
を含むことを特徴とする情報出力方法。
【請求項9】
請求項8に記載の情報出力方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報出力プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報出力プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−169441(P2010−169441A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10215(P2009−10215)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】