説明

情報提供システム

【課題】自身の目的を達成するのに有用な情報をユーザに提供することができる情報提供システムを提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置10から情報提供サーバ50に対して情報取得要求を送信すると、情報提供サーバ50において、Webページ80から最新情報の取得を行い、その情報が、車両の現在位置からユーザが設定した目的地までのルートを含む必須情報エリア内に存在し、かつ、目的地に関する情報又は緊急情報である場合に、LCD18への情報の表示を許可する。そして、ナビゲーション装置10は、情報提供サーバ50において許可された情報をLCD18に表示する。一方、情報提供サーバ50において表示が許可されなかった情報は、LCD18にインフォメーションボタン103が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システムに関し、特に、自身の目的を達成するのに有用な情報をユーザに提供することができる情報提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、公衆に対して緊急ニュースを通常ニュースとは区別して知らせることが可能である情報表示システム(情報提供システム)が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−123351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の情報表示システム(情報提供システム)は、公共性の高い緊急ニュースと通常ニュースとを区別してユーザに認識させることができるものの、情報(各ニュース)は、ユーザ自身との関連性を何ら考慮することなく提供されるので、ユーザは、不特定多数の情報の中から、自身に有益となる情報を探さなければならず、利便性に欠けるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ユーザが目的を達成するのに有用な情報をユーザに提供することができる情報提供システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載の情報提供システムは、目的地を設定する目的地設定手段と、前記目的地設定手段により設定された前記目的地を含む所定の領域を設定する領域設定手段と、情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得した情報が、前記領域設定手段により設定された領域内の位置情報を含む第1種の情報であるかであるかを判定する判定手段と、前記情報取得手段により取得した前記情報の出力を許可する出力許可手段と、その出力許可手段により許可された前記情報を出力する情報出力手段とを備え、前記出力許可手段は、少なくとも前記判定手段により前記第1種の情報であると判定されることを条件として前記情報の出力を許可するものである。
【0007】
尚、この請求項1記載の情報提供システムは、1つの装置によって構成されるものであってもよいし、2以上の装置によって構成されるものであってもよい。例えば、車両に設けられるナビゲーション装置のみによって構成されてもよいし、その他の車載装置のみによって構成されてもよい。また、その他の移動可能な移動端末装置のみによって構成されてもよい。また、ナビゲーション装置などの移動端末装置とその移動端末装置がアクセス可能なサーバ装置とによって構成されてもよい。
【0008】
請求項2記載の情報提供システムは、請求項1記載の情報提供システムにおいて、現在位置を検出する現在位置検出手段と、その現在位置検出手段により検出された前記現在位置から前記目的地設定手段により設定された前記目的地までの経路を設定して出力する経路出力手段とを備え、前記領域設定手段は、前記設定された経路を含む所定の領域を設定するものである。
【0009】
請求項3記載の情報提供システムは、請求項1又は2に記載の情報提供システムにおいて、前記情報取得手段により取得した情報が、前記目的地に関連する情報を含むか否かを判定する第2の判定手段を備え、前記出力許可手段は、前記第1種の情報であり、かつ、前記目的地に関連する情報であると前記第2の判定手段によって判定される情報である場合に、前記情報の出力を許可するものである。
【0010】
請求項4記載の情報提供システムは、請求項1から3のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、前記情報取得手段により取得した情報が、緊急情報を含むか否かを判定する第3の判定手段を備え、前記出力許可手段は、前記第1種の情報であり、かつ、前記緊急情報であると前記第3の判定手段により判定される情報である場合に、前記情報の出力を許可するものである。
【0011】
請求項5記載の情報提供システムは、請求項1から4のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、前記情報取得手段により取得した情報の中に、前記出力許可手段により前記情報の出力が許可されない情報が含まれている場合に、所定の報知を行う報知手段と、前記報知手段による報知に基づく所定の入力があった場合に、前記情報の出力が許可されない情報を出力する第2の情報出力手段とを備える。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の情報提供システムによれば、目的地設定手段により目的地が設定されると、その目的地を含む所定の領域が領域設定手段により設定される。一方、情報取得手段により取得した情報の出力のうち、出力許可手段によって許可された情報が、情報出力手段によって出力される。ここで、情報取得手段により取得した情報は、領域設定手段により設定された領域内の位置情報を含む第1種の情報であるか、当該領域内の位置情報を含まない第2種の情報であるかが判定手段により判定され、少なくとも第1種の情報であると判定されることを条件として出力許可手段によって情報の出力が許可される。これにより、情報提供システムのユーザには、自身が目的地とする場所の周辺領域内に存在する情報が選択的に知らされる。「目的地」は、ユーザが何らかの目的を意図して積極的に指定する場所であるので、目的地の周辺領域内に存在する情報は、その目的地から遠く離れた場所に比べて、ユーザがその目的を達成するのに有益になる可能性が高い。よって、提供された情報の中から、ユーザが目的を達成するのに有用な情報を提供できるという効果がある。
【0013】
請求項2記載の情報提供システムによれば、請求項1記載の情報提供システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。現在位置検出手段により検出された現在位置から目的地までの経路が経路出力手段により設定されて出力され、その経路を含む所定の領域が領域設定手段により設定される。これにより、情報提供システムのユーザには、自身が辿る可能性のある経路の周辺領域内に存在する情報が選択的に知らされる。よって、目的に従って行動するユーザの行動範囲に応じた、ユーザにとって有用性の高い情報を提供できるという効果がある。
【0014】
請求項3記載の情報提供システムによれば、請求項1又は2に記載の情報提供システムの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。第1種の情報であり、かつ、第2の判定手段によって目的地に関連する情報であると判定される情報である場合に、出力許可手段により情報の出力が許可される。これにより、情報提供システムのユーザには、目的地の周辺領域内に存在する、当該目的地に関連する情報が選択的に知らされる。よって、ユーザは、自身の目的に合致する情報を探し易く、有益な情報を獲得し易いという効果がある。
【0015】
請求項4記載の情報提供システムによれば、請求項1から3のいずれかに記載の情報提供システムの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。第1種の情報であり、かつ、第3の判定手段によって緊急情報であると判定される情報である場合に、出力許可手段により情報の出力が許可される。これにより、情報提供システムのユーザには、目的地の周辺領域内に緊急情報に関わる場所があることが知らされる。よって、ユーザは、目的の達成に影響する可能性のある情報を知ることができるという効果がある。
【0016】
請求項5記載の情報提供システムによれば、請求項1から4のいずれかに記載の情報提供システムの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。情報取得手段により取得した情報の中に、出力許可手段により情報の出力が許可されない情報が含まれている場合には、報知手段により所定の報知が行われ、その報知に基づく所定の入力があった場合に、それまで許可されていなかった情報に対し、その情報を出力する。これにより、情報提供システムのユーザには、情報の出力が許可されない情報が存在することが知らされると共に、当該情報を必要に応じて出力させることができる。よって、通常時に出力される情報が限られているためにユーザが情報の選別を行い易くなっている一方で、必要に応じて、他の情報も出力させることができるので、通常時に出力される情報以上の情報を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態であるナビゲーションシステムの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置内のCPUで実行されるルート案内処理を示すフローチャートである。
【図3】図2のルート案内処理の中で実行される情報取得処理を示すフローチャートである。
【図4】情報提供サーバ内のCPUで実行される情報提供処理を示すフローチャートである。
【図5】ナビゲーション装置が、情報提供サーバから提供された情報をLCDに表示する際の表示例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実形態であるナビゲーションシステム1の電気的構成を示すブロック図である。
【0019】
まず、このナビゲーションシステム1の概略構成について説明する。ナビゲーションシステム1は、車両の現在位置から目的地までのルート(経路)を設定し、その設定したルートを出力して目的地までのルート案内を行うものである。また、ナビゲーションシステム1は、ユーザが設定した目的地を考慮することによって、ユーザが目的を達成するのに有用な情報を提供できる情報供給システムとして機能するように構成されている。
【0020】
このナビゲーションシステム1は、図1に示すように、ナビゲーション装置10および情報提供サーバ50を主に有している。ナビゲーション装置10は、車両内に設けられるもので、目的地の設定、車両の現在位置検出、現在位置から目的地までのルート探索、ルート探索により探索されたルートを道路地図と合わせてナビゲーション装置10の液晶ディスプレイ(以下、「LCD(Liquid Crystal Display)」と称する。)18に表示して、乗員にルートを案内するルート案内といった、ナビゲーションシステムの主要な処理を実行する。
【0021】
また、ナビゲーション装置10は、携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワーク70に基地局60を介して接続可能に構成され、無線通信ネットワーク70に接続された情報提供サーバ50へアクセスできるように構成されている。そして、ナビゲーション装置10は、ユーザが目的地を設定したことに起因して、情報提供サーバ50に対して、情報の提供を要求する情報取得要求を、車両の現在地の位置情報、及び、目的地の位置情報である目的地情報と共に送信するように構成されている(図3のS22参照)。
【0022】
一方、情報提供サーバ50は、車両外部に存在する情報センタに固定的に設置されるものである。この情報提供サーバ50は、無線通信ネットワーク70に基地局60を介して、特定のURL(Uniform Resourse Locator)により指定されるWebページ80へアクセスし、アクセス先のWebページ80の最新情報を得ることができるように構成されている。なお、図1では、1つのWebページ80のみを図示するが、無線通信ネットワーク70及び基地局60を介して情報提供サーバ50がアクセス可能なWebページ80は多数存在する。
【0023】
この情報提供サーバ50は、ナビゲーション装置10からの情報取得要求に応じて、情報リストを生成し、ナビゲーション装置10へ提供する。ここで、情報提供サーバ50は、情報リストを生成する場合、まず、情報取得要求に含まれる車両の現在位置と目的地情報とに基づいて、車両の現在位置から目的地までのルートを求め、そのルートを含む領域を必須情報エリアとして設定すると共に、URLデータベース54bに格納されているURLにより指定される全てのWebページ80にアクセスし、アクセス先のWebページ80の最新情報を取得する(図4のS42及びS43参照)。
【0024】
そして、取得した最新情報が、設定された必須情報エリア内を示す位置情報を含み、かつ、ユーザがナビゲーション装置10にて設定した目的地に関する情報又は緊急情報を含む場合に、その最新情報をナビゲーション装置10のLCD18に表示することを許可するために、その最新情報に対応する許可フラグをオンに設定する(図4のS50参照)。一方、取得した最新情報が、設定された必須情報エリア内を示す位置情報を含まない、あるいは、ユーザがナビゲーション装置10にて設定した目的地に関する情報又は緊急情報を含まない場合に、その最新情報をナビゲーション装置10のLCD18に表示することを不許可とするために、その最新情報に対応する許可フラグをオフに設定する(図4のS54参照)。
【0025】
次いで、情報提供サーバ50は、上述のように許可フラグを設定した各最新情報を含む情報リストをナビゲーション装置10へ送信することによって(図4のS53参照)、ナビゲーション装置10は、許可フラグがオンに設定されている最新情報を出力する(図3のS28参照)これにより、Webページ80から取得した最新情報のうち、ユーザが設定した目的地までのルートの周辺領域内に存在する情報が、選択的にユーザに提供される。ところで、「目的地」は、通常、ユーザが何らかの目的を意図して積極的に指定する場所であるので、目的地の周辺領域内に存在する情報は、その目的地から遠く離れた場所に比べて、ユーザがその目的を達成するのに有益になる可能性が高い。よって、ナビゲーションシステム1は、ユーザの目的を達成するために有用な情報を提供することができる。
【0026】
次いで、ナビゲーションシステム1の詳細構成について説明する。まず、ナビゲーション装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ハードディスクドライブ(以下、「HDD(Hard Disk Drive)」と称する。)14、現在位置検出装置15、通信制御装置16、LCD18、タッチパネル19、操作キー20を主に有している。
【0027】
CPU11、ROM12、RAM13は、バスライン21を介して互いに接続されている。また、HDD14、現在位置検出装置15、通信制御装置16、LCD18、タッチパネル19、操作キー20は、いずれも入出力ポート22に接続され、その入力ポート22はバスライン21に接続されている。これにより、CPU11、ROM12、RAM13と入出力ポート22に接続される各部との間で、各種信号やデータの送受信が行われる。
【0028】
CPU11は、ROM12やRAM13に記憶されるデータやプログラムに従って、ナビゲーション装置10が有している各機能の制御や、入出力ポート22と接続された各部の制御を実行する演算装置である。このCPU11には、計時回路11aが内蔵されている。計時回路11aは、現在の日時を刻む時計機能や、設定された時間の経過を計時するタイマ機能を有する既知の回路であり、CPU11は、計時回路11aの時計機能やタイマ機能を使用して、各種制御を行う。
【0029】
ROM12は、CPU11で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能な不揮発性のメモリである。図2のフローチャートに示すルート案内処理及び図3のフローチャートに示す情報取得処理を実行する制御プログラム12aは、このROM12に格納されている。
【0030】
詳細については、図2及び図3を参照して後述するが、図2のフローチャートに示すルート案内処理及び図3のフローチャートに示す情報取得処理は、ユーザが設定した目的地までのルート案内を行うと共に、情報提供サーバ50に対して情報取得要求を送信し、その要求に応じて情報提供サーバ50より送信される情報に従って、現在位置から目的地までのルートの周辺領域内に存在する最新情報をLCD18上に表示するものである。
【0031】
RAM13は、書換可能な揮発性のメモリであり、ナビゲーション装置10の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、提供情報格納領域13aと、インフォメーション情報格納領域13bとが設けられている。
【0032】
提供情報格納領域13aは、情報提供サーバ50に対して送信した情報取得要求に応じてその情報提供サーバ50から得た最新情報(Webページ80の最新情報)の情報リストを格納するための領域である。
【0033】
インフォメーション格納領域13bは、情報提供サーバ50から得た最新情報(即ち、提供情報格納領域13aに格納されている情報)の中から、許可フラグがオフに設定されてLCD18への表示が許可されていない情報を格納するための領域である。
【0034】
CPU11は、図3に示す情報取得処理(ルート案内処理(図2)の一部)において、Webページ80の最新情報を得るために情報取得要求を情報提供サーバ50に送信することで、最新情報の情報リストを情報提供サーバ50より受信し、それを提供情報格納領域13aに格納する(図3のS22及びS25参照)。そして、CPU11は、その提供情報格納領域13aに格納された最新情報のうち、許可フラグがオンに設定されている最新情報をLCD18上に表示する(図3のS28参照)。
【0035】
また、詳細については後述するように、情報提供サーバ50より送信される最新情報の中には、許可フラグがオフに設定されておりLCD18への表示が許可されていない情報が含まれている。CPU11は、許可フラグがオフに設定されている情報がある場合に、インフォメーションボタン103(図5(a)参照)をLCD18に表示すると共に、インフォメーション情報格納領域13bに格納し(図3のS31及びS32参照)、インフォメーションボタン103が操作された場合に、インフォメーション情報格納領域13bに格納されている情報を、LCD18上に表示する(図2のS17参照)。
【0036】
HDD14は、書換不能な不揮発性のメモリであり、例えば、道路地図データベース14aが格納される。道路地図データベース14aは、車両の現在地周辺や目的地周辺等の各種地図や道路をLCD18に表示するための地図情報や、目的地までのルート探索に使用される道路情報が格納されたデータベースである。
【0037】
CPU11は、ユーザが設定した目的地までのルート案内を行う場合に、この道路地図データベース14aに格納されている地図情報や、道路情報を参照する。また、情報提供サーバ50から得た最新情報を、その最新情報に該当する場所を地図で示しながらLCD18上に表示させる場合にも、道路地図データベース14aに格納されている地図情報を参照する。
【0038】
現在位置検出装置15は、ナビゲーション装置10が搭載される車両の現在地の位置情報(緯度、経度からなる絶対座標値)を検出するためのものであり、人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)受信装置15a、地磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ15b、ジャイロセンサ15c、車速センサ15dの1又は複数が使用される。CPU11は、現在位置検出装置15により検出される車両の現在地の位置情報に基づいて、目的地までのルート案内を行う。
【0039】
通信制御装置16は、携帯通信用アンテナ17を有しており、携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワーク70の末端に設けられている基地局60との間で、その基地局60に設けられた基地局用アンテナ60aを介して無線通信を行いながら、各種データの送受信を行う回路である。ナビゲーション装置10は、この通信制御装置16によって、無線通信ネットワーク70に接続されている情報提供サーバ50にアクセスし、その情報提供サーバ50に対して情報取得要求を送信すると共に、情報提供サーバ50から、最新情報の情報リストを受信する。
【0040】
LCD18は、タッチパネル19や操作キー20の操作に応じてメニューや動作状態などを表示すると共に、車両周辺やルート探索された走行ルート周辺の地図、探索ルート、周辺施設案内画面などの表示を行う表示装置である。
【0041】
CPU11は、車両の乗員(ユーザ)が設定した目的地までのルートをLCD18に表示することによってルート案内を行う(図2のS14参照)と共に、提供情報格納領域13aに格納された最新情報のうち、許可フラグがオンに設定されている最新情報をLCD18上に表示して車両の乗員に示す(図3のS28参照)。また、CPU11は、情報提供サーバ50より送信される最新情報の中に、許可フラグがオフに設定されている情報が含まれている場合に、インフォメーションボタン103(図5(a)参照)をLCD18に表示し(図3のS31参照)、そのインフォメーションボタン103が操作された場合に、インフォメーション情報格納領域13bに格納されている情報をLCD18上に表示する(図2のS17参照)。
【0042】
タッチパネル19は、LCD18の表示パネル面に設けられた入力装置であり、指示物(ユーザの指やタッチペンなど)が接触または近接された場合に、その指示物により示された位置情報を出力するものである。CPU11は、タッチパネル19より出力された位置情報をもとに、LCD18に表示したボタンやアイコンの押下操作の有無を判断する。
【0043】
例えば、CPU11は、インフォメーションボタン103(図5(a)参照)をLCD18に表示させている場合に、そのインフォメーションボタン103が指示物により指示(接触または近接)されたことを検出すると、インフォメーションボタン103がユーザによりタッチパネル19を介して操作されたと判断し、インフォメーション情報格納領域13bに記憶されているインフォメーションリストをLCD18上に表示する。
【0044】
操作キー20は、ユーザによるナビゲーション装置10の各種機能の切り替えや、各種動作の指示をタッチパネル19と共に受け付ける入力装置である。
【0045】
次に、情報提供サーバ50の詳細構成について説明する。情報提供サーバ50は、CPU51、ROM52、RAM53、HDD54、通信制御装置55を主に有している。CPU51、ROM52、RAM53は、バスライン56を介して互いに接続されている。また、HDD54および通信制御装置55は入出力ポート57に接続され、この入力ポート57はバスライン56に接続されている。これにより、CPU51、ROM52、RAM53と入出力ポート57に接続される各部との間で、各種信号やデータの送受信が行われる。
【0046】
CPU51は、ROM52、RAM53やHDD54に記憶されるデータやプログラムに従って、情報提供サーバ50が有している各機能の制御や、入出力ポート57と接続された各部の制御を実行する演算装置である。このCPU51には、計時回路51aが内蔵されている。計時回路51aは、現在の日時を刻む時計機能を有する既知の回路であり、CPU51は、計時回路51aにより出力される現在の日時を使用して、各種制御を実行する。
【0047】
ROM52は、CPU51が入出力ポート54と接続された各部の入出力を制御するプログラム並びにそのプログラムを実行する際に参照する各種設定および固定値などを記憶する書換不能な不揮発性のメモリである。また、RAM53は、情報提供サーバ50の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するための書換可能な揮発性のメモリであり、提供情報格納領域53aを有している。
【0048】
提供情報格納領域53aは、Webページ80から得た最新情報を格納するための領域である。CPU51は、ナビゲーション装置10より情報取得要求を受信すると、図4を参照して後述する情報提供処理をCPU51によって実行し、URLデータベース54bに格納されているURLが示すWebページ80へアクセスして、アクセス先のWebページ80から最新情報を取得し、取得した最新情報を提供情報格納領域53aに格納する(図4のS43及びS44参照)。
【0049】
HDD54は、OSやアプリケーションプログラムといったCPU51により実行される各種プログラムや各種設定を記憶する、書換可能で不揮発性のメモリディスクである。図4のフローチャートに示す情報提供処理を実行する制御プログラム54aは、このHDD54に格納されている。
【0050】
HDD54には、また、URLデータベース54bが格納される。URLデータベース54bは、ナビゲーション装置10から情報取得要求を受信した場合に、最新情報を得るために参照するWebページ80のURLが登録されたデータベースである。各URLには、そのURLが示すWebサイトが提供する情報の種別(例えば、飲食店情報、宿泊施設情報、公共施設情報など)が対応付けられている。
【0051】
HDD54には、また、地図情報データベース54cが格納される。地図情報データベース54cは、上述した地図情報データベース14aと同様に、車両の現在地周辺や目的地周辺等の各種地図を表すための地図情報や、道路情報が格納されたデータベースである。
【0052】
なお、道路地図データベース54cに格納される地図情報には、地図上における各場所の位置を表す位置情報として、緯度・経度情報と共に、住所、郵便番号、及び電話番号が含まれている。また、道路地図データベース54cに格納される地図情報には、地図上における各場所の種別を示す情報(例えば、飲食店、スーパーマーケット、宿泊施設、公共施設など)が含まれている。
【0053】
CPU51は、ナビゲーション装置10より情報取得要求を受信することにより、図4に示す情報提供処理を実行して、URLデータベース54bに登録されているURLが示すWebページ80へアクセスして、そのWebページ80から最新情報を取得する(図4のS43参照)。
【0054】
また、CPU51は、Webページ80から取得した最新情報について、その最新情報の種別をURLデータベース54bから取得する一方で、ナビゲーション装置10から受信した目的地情報の種別を、道路地図データベース54cを参照することによって取得し、これらの種別を比較して、Webページ80から取得した最新情報が目的地に関する情報であるか否かを確認し、その確認結果に応じて、その最新情報に対応する許可フラグの設定を行う(図4のS49、S50及びS54参照)。
【0055】
通信制御装置55は、携帯電話事業者が提供する無線通信ネットワーク70との間で、各種データの送受信を行う回路である。情報提供サーバ50は、この通信制御装置55によって、無線通信ネットワーク70に接続したナビゲーション装置10からアクセスを受け、ナビゲーション装置10から情報取得要求を受信すると共に、それらの要求に応じて、情報リストをナビゲーション装置10に対して送信する。
【0056】
次いで、図2から図5を参照して、ナビゲーション装置10内のCPU11および情報提供サーバ50内のCPU51により実行される各処理について説明する。図2は、ナビゲーション装置10内のCPU11により実行されるルート案内処理を示すフローチャートであり、図3は、図2のルート案内処理の中で実行される情報取得処理を示すフローチャートである。図4は、情報提供サーバ50内のCPU51により実行される情報提供処理を示すフローチャートである。また、図5は、ナビゲーション装置10が、情報提供サーバ50から提供された情報をLCD18に表示する際の表示例の模式図である。
【0057】
図2に示すルート案内処理は、車両の乗員(ユーザ)が目的地を設定した場合に、CPU11によって実行される。なお、ルート案内処理の実行の契機とされる「ユーザが目的地を設定する」ことが、請求項1記載の目的地設定手段に対応する。
【0058】
このルート案内処理では、まず、車両の現在地の位置情報を現在位置検出装置15より取得し(S11)、ユーザにより設定された目的地から、道路地図データベース14aに格納されている地図情報を参照することによって、目的地の位置情報を目的地情報として取得する(S12)。
【0059】
次いで、車両の現在地の位置情報と目的地情報とから、車両の現在位置から目的地までのルート情報を設定し(S13)、S13の処理により設定されたルート情報に従って、ルート案内処理を実行する(S14)。このルート案内処理(S14)では、ルート情報に従うルート(経路)を、道路地図データベース14aの地図情報および道路情報に基づいて探索し、その探索した経路を地図と共にLCD18に表示することで、乗員(ユーザ)に対し、目的地までのルート案内を行う。なお、S13におけるルート情報の設定は、車両の移動に伴う車両の現在地の位置情報の変化を随時反映して設定される。即ち、車両の現在地の位置情報を随時取得して更新し、そのように更新された現在位置情報と、S12(図2)の処理により取得した目的地情報とから、ルート情報の再設定を行う。
【0060】
次いで、情報提供サーバ50へ情報取得要求を送信し、それによって、情報提供サーバ50がWebページ80から取得した最新情報を、情報提供サーバ50から得る処理である情報取得処理を実行する(S15)。
【0061】
ここで、図3を参照して、この情報取得処理(S15)について説明する。情報取得処理では、まず、S11の処理と同様に、車両の現在地の位置情報を現在位置検出装置15より取得(更新)する(S21)。次いで、情報取得要求を、S21の処理により取得した車両の現在地の位置情報及びS12(図2)の処理により取得した目的地情報と合わせて、情報提供サーバ50へ送信するよう、通信制御回路16を制御する(S22)。これにより、情報取得要求が、車両の現在地の位置情報及び目的地情報(目的地の位置情報)と共に、基地局60および無線通信ネットワーク70を介して、情報提供サーバ50へ送信される。
【0062】
この情報取得要求を受信した情報提供サーバ50では、図4に示す情報提供処理がCPU51により実行され、Webページ80から取得した最新情報を含む情報リストが生成され、ナビゲーション装置10へ送信される。
【0063】
ここで、図4を参照して、情報提供サーバ50内のCPU51により実行される情報提供処理について説明する。この情報提供処理では、まず、情報取得要求と合わせてナビゲーション装置10より送信される車両の現在地の位置情報及び目的地情報を受信し(S41)、これらの受信した情報に基づいて車両の現在位置から目的地までのルートを求め、そのルートを含む所定の領域(例えば、得られたルートから10km離れた点を境界とする領域)を必須情報エリアとして設定する(S42)。
【0064】
次に、URLデータベース54bに格納されているURLにより指定される全てのWebページ80にアクセスし、アクセス先のWebページ80の最新情報を取得し(S43)、取得した最新情報を提供情報格納領域53aに格納する(S44)。
【0065】
そして、提供情報格納領域53aに格納した最新情報の中から、1の情報を選択し(S45)、選択した情報が位置情報を含むか否かを判別する(S46)。S46の処理では、Webページ80の情報(最新情報)をテキストベースで検索し、位置情報(住所、郵便番号、電話番号、緯度・経度情報)を含むか否かを判別する。
【0066】
選択中の情報に位置情報が含まれると判別された場合には(S46:Yes)、道路地図データベース54cを参照することによって、その位置情報を緯度・経度情報に変換して、その緯度・経度情報が、S42の処理により設定された必須情報エリア内にあるか否かを判別する(S47)。
【0067】
そして、選択中の情報に含まれる位置情報が必須情報エリア内にあると判別された場合には(S47:Yes)、選択中の情報に対し、緯度・経度情報である位置情報を付加して、提供情報格納領域53aに格納する(S48)。
【0068】
次いで、選択中の情報が、目的地に関する情報又は緊急情報を含むかを判別する(S49)。S49の処理では、URLデータベース54bを参照することによって、情報の取得元のWebページ80のURLから最新情報の種別を取得し、取得した種別が、ナビゲーション装置10から受信した目的地情報の種別と同じであるか否かを判別し、同じであると判別された場合に、選択中の情報が目的地に関する情報を含むと判別する。なお、ナビゲーション装置10から受信した目的地情報の種別は、道路地図データベース54cを参照することによって取得することができる。また、S49の処理では、Webページ80の情報(最新情報)をテキストベースで検索し、緊急情報(例えば、災害の発生情報や災害の事前警報や、事故の発生情報など)を含む場合に、選択中の情報が緊急情報を含むと判別する。
【0069】
S49の処理により、選択中の情報が、目的地に関する情報又は緊急情報を含むと判別された場合には(S49:Yes)、選択中の情報に対する許可フラグをオンに設定して提供情報格納領域53aに格納し(S50)、S51の処理へ移行する。
【0070】
一方で、S46の処理により選択中の情報に位置情報が含まれないと判別された場合(S46:No)、S47の処理により選択中の情報に含まれる位置情報が必須情報エリア外であると判別された場合(S47:No)、あるいは、S49の処理により選択中の情報が目的地に関する情報も緊急情報も含まないと判別された場合には(S49:No)、選択中の情報に対する許可フラグをオフに設定して提供情報格納領域53aに格納し(S54)、S51の処理へ移行する。
【0071】
S51の処理では、提供情報格納領域53aに格納されている最新情報の全てに対してS45〜S50,S54の処理を実行したか否かを判別する(S51)。そして、提供情報格納領域53aに格納されている最新情報の中に未処理の情報が含まれている場合には(S51:No)、S45の処理へ回帰する。
【0072】
これに対し、全ての最新情報に対して処理が実行された場合には(S51:Yes)、Webページ80から取得した各最新情報に対してS45〜S50,S54の処理を施した結果として提供情報格納領域53aに格納されている各情報をリスト化した情報リストを生成する(S52)。そして、生成した情報リストをナビゲーション装置10へ送信して(S53)、この情報提供処理を終了する。ナビゲーション装置10は、S53の処理によって送信された情報リストを受信することによって、許可フラグがオンに設定されている最新情報だけをLCD18に表示させることができる。
【0073】
図3に戻って、ナビゲーション装置10内のCPU11により実行される情報取得処理(ルート案内処理の一部)の説明をS23の処理から続ける。S23の処理では、計時回路11aのタイマ機能の動作を開始させる(S23)。この処理は、S22の処理によって情報取得要求を情報提供サーバ50に対して送信した後、その情報取得要求に対する情報提供サーバ50からの応答が所定時間内にあるか否かを、S24およびS30の処理により判断するためのものである。
【0074】
そして、情報提供サーバ50からの応答があったか否かを通信制御装置16の状態に基づいて判断し(S24)、情報提供サーバ50からの応答がなければ(S24:No)、S23の処理による計時回路11aのタイマ機能の動作開始後、所定時間経過したか否かを計時回路11aの状態から判別する(S30)。
【0075】
その結果、所定時間経過していなければ(S30:No)、S24の処理に回帰し、再び、情報提供サーバ50からの応答があったか否かを判断する。一方、S30の処理の結果、所定時間経過していれば(S30:Yes)、通信上もしくは情報提供サーバ50における障害によって、情報提供サーバ50から最新情報の提供を受けることができない状態にあると判断して、情報取得処理を終了し、図2のルート案内処理に戻る。なお、S30の処理の結果、所定時間経過している場合には、LCD18上に「タイムアウトエラー」の表示を行う構成としてもよい。このタイムアウトエラーの表示により、乗員に対して、情報提供サーバ50との間のデータの送受信に問題があることを認識させることができる。
【0076】
これに対し、S24の処理の結果、情報提供サーバ50からの応答があったと判断される場合は(S24:Yes)、情報取得要求に応じて情報提供サーバ50より送信された情報リストを受信し、受信した情報リストを提供情報格納領域13aに格納し(S25)、S26の処理へ移行する。
【0077】
S26の処理では、提供情報格納領域13aに格納した情報リストの中から、1の情報を選択する(S26)。次いで、選択した情報に付加されている許可フラグがオンに設定されているか否かを確認し(S27)、許可フラグがオンに設定されていれば(S27:Yes)、LCD18への情報の表示が許可されているので、選択中の情報の表示を行い(S28)、S29の処理へ移行する。
【0078】
例えば、図5(a)に示すように、ナビゲーション装置10が、必須情報エリアA内の位置101aを示す位置情報を含み、目的地に関する情報である情報102aを、情報提供サーバ50から受信した場合には、S28の処理の結果、位置101aと情報102aとがLCD18上に表示される。また、図5(b)に示すように、ナビゲーション装置10が、必須情報エリアAとの重なりを有する領域(位置)101bに発令された緊急情報102bを、情報提供サーバ50から受信した場合には、S28の処理の結果、領域101bと情報102bとがLCD18上に表示される。
【0079】
一方で、S27の処理の結果、選択中の情報に付加されている許可フラグがオフに設定されている場合(S27:No)、LCD18にインフォメーションボタン103(図5(a)参照)を表示し(S31)、次いで、選択中の情報をインフォメーション情報格納領域13bに格納し(S32)、S29の処理へ移行する。
【0080】
例えば、図5(a)に示すように、ナビゲーション装置10が、必須情報エリアA外の位置101cを示す位置情報を含む情報を、情報提供サーバ50から受信した場合には、S31の処理の結果、インフォメーションボタン103が、LCD18における向かって右下領域に表示される。なお、このインフォメーションボタン103がユーザによって操作された場合、後述するS17(図2参照)の処理が実行されて、位置101cを示す位置情報を含む情報が、LCD18に表示される。
【0081】
S29の処理では、提供情報格納領域13aに格納されている情報リストに含まれる全ての情報に対してS26〜S28,S31,S32の処理を実行したか否かを判別する(S29)。そして、提供情報格納領域13aに格納されている情報リストに含まれる情報の中に未処理の情報が含まれている場合には(S29:No)、S26の処理へ回帰する。
【0082】
これに対し、情報リストに含まれている全ての情報に対して処理が実行された場合には(S29:Yes)、情報取得処理を終了し、図2のルート案内処理に戻る。
【0083】
図2に戻って説明する。上述した情報取得処理(図3)の実行後は、ルート案内処理におけるS16の処理が実行される。S16の処理では、LCD18にインフォメーションボタン103が表示されている場合に、そのインフォメーションボタン103が操作されたかを判別する(S16)。
【0084】
S16の処理の結果、インフォメーションボタン103が操作されたと判別された場合(S16:Yes)、インフォメーション情報格納領域53aに格納されている各情報をLCD18に表示し(S17)、S18の処理へ移行する。一方、インフォメーションボタン103が操作されていないと判別された場合には(S16:No)、S17の処理をスキップして非実行とし、S18の処理へ移行する。
【0085】
S18の処理では、車両の現在地の位置情報を現在位置検出装置15より取得した上で、ルート情報に示される目的地に到着したか否かを判別する(S18)。そして、目的地に到着していなければ(S18:No)、S13の処理へ回帰し、引き続き、S13〜S17の処理を実行する。一方、目的地に到着したと判別される場合は(S18:Yes)、実行中のルート案内を終了して、ルート案内処理を終了する。
【0086】
以上、本実施形態におけるナビゲーションシステム1によれば、情報提供サーバ50は、Webページ80から取得した情報が、少なくとも、必須情報エリア内を示す位置情報を有していることを条件として、許可フラグをオンに設定するので、ナビゲーション装置10のLCD18に表示される情報は、必須情報エリア内に存在する情報となる。そのため、ナビゲーションシステム1を利用するユーザには、自身が辿る可能性のあるルートの周辺に存在する情報を選択的に知らせることができる。よって、「目的地」を設定し、その目的に従って行動するユーザの行動範囲に応じた情報が提供されて、ユーザにとって有用性の高い情報を提供できる。
【0087】
ここで、ナビゲーション装置10は、ユーザが目的地を設定したことを契機として、情報取得要求を情報提供サーバ50に送信し、それによって、情報提供サーバ50がWebページ80にアクセスし、そのWebページ80から最新情報を取得し、ナビゲーション装置10へと送信する。よって、ユーザは、車両を現在位置から目的地へ向けて出発させようとする段階で、目的地に至るまでのルート周辺の最新情報を知ることができ、自身への影響を出発時点に(又は、出発早々に)判断することができる。
【0088】
また、ルート案内の開始後、情報取得要求を随時情報提供サーバ50に送信し、情報提供サーバ50は、その都度、Webページ80の最新情報を取得して、ナビゲーション装置へと送信する。よって、ユーザは、車両を目的地へと移動させている最中に、目的地に至るまでのルート周辺の最新情報を随時知ることができ、自身への影響を随時判断することができる。
【0089】
また、ナビゲーション装置10は、情報提供サーバ50から受信した情報リストの中に、許可フラグがオンに設定されていない情報がある場合には、LCD18に情報を表示するのではなくインフォメーションボタン103を表示し、そのインフォメーションボタン103が操作された場合にLCD18への情報の表示を許可する。よって、通常時に出力される情報が限られているために、LCD18に表示された情報の中から、ユーザが情報の選別を行い易くなっている一方で、必要に応じて、他の情報も出力させることができるので、通常時にLCD18に出力される情報以上の情報を、ユーザに提供することができる。
【0090】
また、情報提供サーバ50は、Webページ80から取得した情報が、必須情報エリア内を示す位置情報を有しており、かつ、目的地に関する情報を含んでいる場合に、許可フラグをオンに設定するので、必須情報エリア内に存在する目的地に関する情報が、LCD18に表示される。よって、ユーザは、自身の目的に合致する情報を探し易くなり、有益な情報を得やすい。
【0091】
また、情報提供サーバ50は、Webページ80から取得した情報が、必須情報エリア内を示す位置情報を有しており、かつ、緊急情報を含んでいる場合に、許可フラグをオンに設定するので、緊急情報の対象となる場所が必須情報エリア内に含まれている場合に、緊急情報がLCD18に表示される。よって、ユーザは、目的の達成に影響する可能性のある情報を知ることができる。
【0092】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0093】
上記実施形態では、車両の現在位置と、ユーザにより設定された目的地(目的地情報)とに基づいて、現在位置から目的地に至るルートを含む所定領域を必須情報エリアとして設定したが、ユーザにより設定された目的地を含む所定領域を必須情報エリアとする構成としてもよい。このように、目的地を含む所定領域を必須情報エリアとした場合には、情報提供システムのユーザは、自身が目的地とする場所の周辺領域内に存在する情報を選択的に知ることができる。
【0094】
また、上記実施形態では、図4の情報提供処理のS49の処理により、Webページ80から取得した情報が目的地に関する情報であれば、許可フラグがオンに設定されるので、ナビゲーション装置10のLCD18上にその情報が表示されるように構成されている。この場合は、Webページ80から取得した情報が目的地に関する情報でありさえすれば、その出力態様は相違しない。この構成に加え、S49の処理により目的地に関する情報であると判定された情報を互いに比較して、その比較結果を識別可能な態様でLCD18に表示させる構成としてもよい。また、S49の処理により目的地に関する情報であると判定された情報を、別の条件によってさらに取捨選択する構成としてもよい。
【0095】
例えば、目的地が「ガソリンスタンド」である場合に、必須エリア内に存在して、その種別が「ガソリンスタンド」である情報に含まれる価格情報をさらに比較し、最も安価なガソリンスタンドをLCD18に表示したり、各ガソリンスタンドの価格を識別可能にLCD18に表示する構成としてもよい。または、目的地が「スーパーマーケット」である場合に、必須エリア内に存在して、その種別が「スーパーマーケット」である情報の中から、現在の時間を考慮して、営業中のスーパーマーケットのみを選択してLCD18に表示する構成としてもよい。
【0096】
上記実施形態では、図4の情報提供処理のS49の処理において、Webページ80から得た最新情報を目的地に関する情報か否かを判別するために、URLデータベース54bに格納されるURLとそのURLにより提供される情報の種別との関係を利用したが、Webページ80から取得した情報(最新情報)のタグを参照したり、テキストベースの検索を行ったりすることにより、その情報の種別を判断する構成としてもよい。
【0097】
上記実施形態では、ナビゲーション装置10は、情報取得要求を、現在位置情報及び目的地情報と合わせて情報提供サーバ50へ送信し、情報提供サーバ50が、現在位置情報及び目的地情報とからルートを求めて、必須情報エリアを設定する構成としたが、ナビゲーション装置10が、情報取得要求を、S13の処理により設定されたルート情報と合わせて情報提供サーバ50へ送信し、情報提供サーバ50が、受信したルート情報に基づいて必須情報エリアを設定する構成としてもよい。
【0098】
上記実施形態では、ナビゲーションシステム1が主として車両に設けられたナビゲーション装置10と車両外に設けられた情報提供サーバ50によって構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、車両内に設けられた車載装置のみによって構成されてもよい。この場合、ナビゲーション装置10のみで構成されてもよいし、ナビゲーション装置10と、その他の車載装置とによって構成されてもよい。
【0099】
また、ナビゲーション装置10に代えて、携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)などの移動可能な移動端末装置を用いてナビゲーションシステム1を構成してもよい。この場合、移動端末装置と情報提供サーバ50とによってナビゲーションシステム1を構成してもよいし、移動端末装置のみによってナビゲーションシステム1を構成してもよい。
【0100】
また、ナビゲーション装置10とその他の車載装置によってナビゲーションシステム1が構成される場合は、その他の車載装置の構成を図1に示す情報提供サーバ50と同等の構成として、その他の車載装置において、図2に示すルート案内処理や、図3に示す情報取得処理や、図4に示す情報提供処理を実行させてもよい。
【0101】
上記実施形態では、URLデータベース54bが情報提供サーバ50内に設けられたHDD54に格納される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、情報提供サーバ50がアクセス可能な外部記憶装置を設け、その外部記憶装置にURLデータベース54bと同等のデータベースを格納してもよい。同様に、上記実施形態では、道路地図データベース54cが情報提供サーバ50内に設けられたHDD54に格納される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、情報提供サーバ50がアクセス可能な外部記憶装置を設け、その外部記憶装置に道路地図データベース54cと同等のデータベースを格納してもよい。
【0102】
また、ナビゲーションシステム1が車両内に設けられる場合において、URLデータベース54bに相当するデータベースは、ナビゲーション装置10または車載装置の外部に設けられた外部記憶装置に格納されてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 ナビゲーションシステム(情報提供システム)
15 現在位置検出装置(現在位置検出手段)
S13 (経路出力手段の一部)
S14 (経路出力手段の一部)
S17 (第2の情報出力手段)
S28 (情報出力手段)
S31 (報知手段)
S42 (領域設定手段)
S43 (情報取得手段)
S47 (判定手段)
S50 (出力許可手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地を設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段により設定された前記目的地を含む所定の領域を設定する領域設定手段と、
情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報が、前記領域設定手段により設定された領域内の位置情報を含む第1種の情報であるか、該領域内の位置情報を含まない第2種の情報であるかを判定する判定手段と、
前記情報取得手段により取得した前記情報の出力を許可する出力許可手段と、
その出力許可手段により許可された前記情報を出力する情報出力手段とを備え、
前記出力許可手段は、少なくとも前記判定手段により前記第1種の情報であると判定されることを条件として前記情報の出力を許可するものであることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
その現在位置検出手段により検出された前記現在位置から前記目的地設定手段により設定された前記目的地までの経路を設定して出力する経路出力手段とを備え、
前記領域設定手段は、前記設定された経路を含む所定の領域を設定するものであることを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記情報取得手段により取得した情報が、前記目的地に関連する情報を含むか否かを判定する第2の判定手段を備え、
前記出力許可手段は、前記第1種の情報であり、かつ、前記目的地に関連する情報であると前記第2の判定手段によって判定される情報である場合に、前記情報の出力を許可するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記情報取得手段により取得した情報が、緊急情報を含むか否かを判定する第3の判定手段を備え、
前記出力許可手段は、前記第1種の情報であり、かつ、前記緊急情報であると前記第3の判定手段により判定される情報である場合に、前記情報の出力を許可するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記情報取得手段により取得した情報の中に、前記出力許可手段により前記情報の出力が許可されない情報が含まれている場合に、所定の報知を行う報知手段と、
前記報知手段による報知に基づく所定の入力があった場合に、前記情報の出力が許可されない情報を出力する第2の情報出力手段とを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−237154(P2010−237154A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87698(P2009−87698)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】