説明

情報提供装置

【課題】車両に搭載された情報提供装置として、施設情報を、ユーザが容易に取得可能にする。
【解決手段】 ナビゲーション装置は、各施設のURL等の施設情報と、各ジャンルに対応したアイコンを備え、各施設について、その施設情報を電子透かし技術により対応するアイコンに埋め込んだ電子透かしアイコンを作成し、地図上に表示する。
ユーザは、地図に表示された電子透かしアイコンを携帯電話で撮像すると、携帯電話は撮像画像に埋め込まれた施設情報を抽出して画面表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された情報提供装置に係り、例えば、携帯電話等の撮像手段を備えた携帯端末等に対して情報を提供する情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置では、目的地までの走行経路の案内だけでなく、経路・地図に関する情報として、走行経路中に存在するホテル等の施設情報も提供できるようになっている。
例えば、特許文献1記載のナビゲーション装置では、複数の施設の中から特定の施設を選択するための選択メニューを表示装置に表示し、選択された施設に関する施設情報を表示装置に表示するようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−66584公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来のナビゲーション装置により情報を提供する場合、ユーザは施設情報を画面表示させるために、選択メニューを表示させて選択する等の操作をする必要がある。この操作の間、ナビゲーション装置による経路案内を中断する必要がある。
また、ユーザに提供する施設情報については、通信機能を備えていないナビゲーション装置の場合には、予め記憶されている情報に限られており、最新の情報を提供することができず、最新情報を得るために通信機能を備える必要があった。
【0005】
本発明は、車両に搭載された情報提供装置として、施設情報を、ユーザが容易に取得可能にした情報提供装置を提供することを第1の目的とする。
本発明は、探索された経路の表示を妨げることなく経路周辺に存在する施設の施設情報を、ユーザが容易に取得可能にした情報提供装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1記載の発明では、施設を表す識別符号に、当該施設の情報を埋め込んだ電子透かし識別符号を記憶する識別符号記憶手段と、地図を表示する地図表示手段と、該表示され地図上に、前記記憶された電子透かし識別符号を表示する透かし識別符号表示手段と、を情報提供装置に具備させて前記第1の目的を達成する。
(2)請求項2に記載した発明では、請求項1に記載の情報提供装置において、前記地図表示手段で表示された地図上の特定の位置を指定する指定手段と、該指定された特定の位置に存在する施設の識別符号及び当該施設の情報を取得する施設情報取得手段と、該取得した識別符号に、前記取得した情報を埋め込んで電子透かし識別符号を作成する電子透かし識別符号作成手段と、前記識別符号記憶手段に、前記作成した電子透かし識別符号を格納する格納手段と、を具備することを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明では、地図を表示する地図表示手段と、施設を表す識別符号と、当該施設の情報を取得する施設情報取得手段と、該取得した識別符号に、前記取得した施設の情報を埋め込んで電子透かし識別符号を作成する電子透かし識別符号作成手段と、前記作成した電子透かし識別符号を、前記表示された地図上の当該識別符号に対応する施設が存在する位置に表示する識別符号表示手段と、を情報提供装置に具備させて前記第1の目的を達成する。
(4)請求項4に記載した発明では、請求項1または請求項3に記載の情報提供装置において、目的地を設定する目的地設定手段と、該設定した目的地までの経路を探索する経路探索手段と、該探索された経路の所定距離範囲内に存在する施設を検出する経路施設検出手段と、を備え、前記識別符号表示手段は、前記経路施設検出手段で検出された施設に対応する電子透かし識別符号を当該施設の存在する位置に表示する、ことで前記第1及び第2の目的を達成する。
【発明の効果】
【0007】
請求項1及び請求項2に記載した発明によれば、施設を表す識別符号に施設の情報を埋め込んだ電子透かし識別符号を、地図上に表示するので、ユーザは、例えば、携帯電話等の情報端末で電子透かし識別符号を撮像し、埋め込まれた施設情報を抽出することで、容易に取得することができる。
請求項3に記載した発明によれば、施設を表す識別符号に施設の情報を埋め込んだ電子透かし識別符号を作成し、作成した電子透かし識別符号を地図上に表示するので、ユーザは、例えば、携帯電話等の情報端末で電子透かし識別符号を撮像し、埋め込まれた施設情報を抽出することで、容易に取得することができる。
請求項4に記載した発明によれば、探索された経路の所定距離範囲内に存在する施設に対応する電子透かし識別符号を当該施設の存在する位置に表示するので、探索された経路の表示を妨げることがなく、更に、ユーザは、例えば、携帯電話等の情報端末で電子透かし識別符号を撮像し、埋め込まれた施設情報を抽出することで、容易に取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の情報提供装置における好適な実施の形態について、図1から図9を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態の情報提供装置では、施設情報をユーザに提供するナビゲーション装置により実現される。
ナビゲーション装置は、各施設の位置座標、名称、ジャンル、URL(Uniform Resource Locator)、メールアドレス等の施設情報と、各ジャンルに対応したアイコン(施設を表す識別符号)を備える。
そして、各施設について、その施設情報を電子透かし技術により対応するアイコンに埋め込んだ電子透かしアイコン(電子透かし識別符号)を作成する。
【0009】
なお、電子透かしアイコンは、ユーザが予め指定した施設を作成対象としてもよく、全ての施設を電子透かしアイコンの作成対象としてもよい。
また、電子透かしアイコンは、予め作成されたものを記憶しておいてもよく、表示の際に作成するようにしてもよい。
【0010】
ナビゲーション装置は、表示装置に自車位置周辺の地図を表示し、目的地までの経路が探索されている場合にはさらに探索経路を表示する。そして、地図の表示領域内、又は探索経路から所定距離の範囲内に存在する施設の電子透かしアイコンを、地図上の対応位置に表示する。
その際、ユーザが指定した施設に対して電子透かしアイコンが作成される場合には、電子透かしが埋め込まれていない通常アイコンと、電子透かしアイコンとが混在して表示されるため、後者を赤枠で囲む等により両者を区別可能に表示する。
【0011】
ユーザは、地図に表示された施設の情報を見たい場合には、撮像機能を備えた携帯電話等の携帯端末装置により該当する施設の電子透かしアイコンを撮像する。
携帯端末装置では、撮像した電子透かしアイコンから埋め込まれている施設情報を抽出して画面表示する。画面表示された、施設情報にはURLやメールアドレスが存在するので、それを指定することで該当するURLの情報を画面表示したり、該当アドレスに入力された内容のメールを送信することができる。
【0012】
このように、ナビゲーション装置の表示画面には電子透かしアイコンを表示し、必要な施設情報については携帯端末装置に表示するので、ナビゲーション装置は地図や探索経路等の表示をそのまま継続することができる。
また、ユーザは、ナビゲーション装置を操作することなく、電子透かしアイコンを撮像するといった簡単な操作で、対応する施設の施設情報を携帯端末装置で見ることができる。
この施設情報にはURLが存在するので、その施設が提供する最新の情報をホームページ(HP)上で確認することができる。このように、ナビゲーション装置では電子透かしアイコンの表示といった小領域を使用した表示であるにもかかわらず、ユーザにとっては大量かつ最新の情報を得ることができる。
また、携帯端末装置にURLを含む施設情報が表示されるので、施設情報を見る場所が車内に限定されることなく、携帯端末装置と共に携帯することが可能になる。
【0013】
(2)実施形態の詳細
図1は、情報提供装置として機能するナビゲーション装置の構成を表したものである。
この図1に示すように、ナビゲーション装置は、各種プログラムやデータに従ってナビゲーション装置全体を制御するCPU10を備えており、CPU10には現在位置検出装置11、記憶装置12、表示装置13、入力装置14、音声出力装置15、その他の装置が接続されている。
【0014】
現在位置検出装置11は、ナビゲーション装置が搭載される車両の現在位置(緯度、経度からなる絶対座標値)を検出するためのものであり、人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)受信装置111、地磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ112、ジャイロセンサ113、車速センサ114等の1又は複数が使用される。
【0015】
記憶装置12は、施設情報記憶手段等の各種記憶手段として機能し、各種プログラムやデータを記憶する。
記憶装置12は、ROM、RAMの他、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、メモリチップやICカード等の半導体記録媒体、CD−ROMやMO、PD(相変化書換型光ディスク)等の光学的に情報が読み取られる記録媒体、その他各種方法でコンピュータプログラムやデータが記録される記録媒体が含まれる。
【0016】
記憶装置12は、地図データーベース(DB)121、地点登録プログラム122、経路案内プログラム123、POI(施設情報)DB124、アイコンDB125、登録地点DB126、その他の各種プログラムデータが格納される。
【0017】
地図DB121は、車両の現在地周辺や目的地周辺等の各種地図や道路を表示装置13に表示するための地図情報や道路情報が格納されたデーターベースである。
【0018】
地点登録プログラム122は、ユーザによって指定された地点に対応する施設の電子透かしアイコンを作成するプログラムである。地点登録プログラム122は、CPU10と協同して本実施形態における電子透かしアイコン作成手段として機能し、指定された施設のアイコンに施設情報を埋め込んで電子透かしアイコンを作成するためのプログラムである。
【0019】
電子透かしアイコンは、直接埋め込み方式や、周波数成分埋め込み方式等の各種周知の電子透かし技術を使用することが可能である。
直接埋め込み方式は、人間が明るい画素の近くの暗い画素は認知しにくいという特性を利用したもので、データの標本値(アイコン)に施設情報を埋め込む方式で、画素を複数のブロックに分割し、輝度を表すビット情報に直接処理を施して透かしを埋め込む方法である。本実施形態では、処理する時間が少ないという利点から、この直接埋め込み方式が採用されている。
一方、周波数成分埋め込み方式は、フーリエ変換(FET)やスペクトル拡散、離散コサイン変換(DCT)などに代表されるように、画像データを周波数成分に変換し、画質に影響しないように特定の周波数成分に透かし情報を埋め込む方法である。
【0020】
経路案内プログラム123は、ユーザの入力により設定された目的地までの走行経路を探索したり(経路探索手段として機能)、探索した走行経路を地図上に表示したり(地図表示手段として機能)、音声により走行経路を案内したり、表示中の地図や走行経路の所定距離範囲内に存在する施設を検索して(経路施設検出手段として機能)電子透かしアイコンを表示したり(識別符号表示手段として機能)、案内に必要な各種処理を行うためのプログラムである。
【0021】
POI(施設情報)DB124は、各施設に対する施設情報が格納されたデーターベースである。
図2は、POI(施設情報)DB124に格納される施設情報を概念的に表したものである。
この図2に示されるように、POI(施設情報)DB124には、施設情報番号、名称、ジャンル、住所、位置座標、メールアドレス、携帯サイトURL、地点登録の際にユーザが追加入力した付加情報等が各施設毎に格納されている。
この施設情報は、予め登録されている施設情報の他、外部から通信や記憶媒体を介して新たな施設情報が追加され、また、ユーザが地点登録処理により新たに施設情報を作成して登録することができる。
【0022】
アイコンDB125は、表示装置に表示される地図上の該当位置に施設が存在することを示すためのアイコンで、和食、洋食、ガソリンスタンド等の各種ジャンル毎に分類されたアイコンが格納されている。
アイコンDB125に格納されているアイコン(通常アイコン)は、施設情報が埋め込まれるデータの標本値となる。
【0023】
登録地点DB126は、地点登録処理により作成された、各電子透かしアイコンと、その地点等が格納されるデーターベースである。
図3は、登録地点DB126の内容を概念的に表したものである。
この図3に示されるように、地点登録処理においてユーザが指定した施設、又は地点の座標毎に、作成された電子透かしアイコン、POI(施設情報)DB124と関連付けるための施設情報番号、及び付加情報が格納される。
【0024】
図3において、座標X4,Y4のように施設情報番号が存在しない登録地点は、POI(施設情報)DB124に該当する施設情報が存在しないために、ユーザが独自に作成した施設情報である。
この場合、通常アイコンとしてアイコンDB125に格納されているユーザ登録地点アイコンが使用され、この通常アイコンに、入力装置14からユーザが入力した施設名、URL等の情報が埋め込まれることで電子透かしアイコンが作成される。ユーザによって入力されたURL等の情報は、付加情報に格納されてる。
座標X4,Y4は、ユーザが地図上で指定した地点の座標、又はユーザが入力した緯度、経度の値が格納される。
【0025】
なお、付加情報として施設のジャンルが入力された場合には、ユーザ登録地点アイコンではなく、入力されたジャンルに対応するアイコンを使用して電子透かしアイコンが使用される。いずれを使用するかについてはユーザが選択するようにしてもよい。
また、付加情報が入力された場合には、その情報を施設情報として座標値と共にPOI(施設情報)DB124に新規登録するようにしてもよい。
【0026】
このように、表示装置13の地図上に表示される電子透かしアイコンには、ナビゲーション装置に最初から登録されているPOI(Point Of Interest=施設情報)の他に、ユーザが登録した登録地点のアイコンも含まれ、その登録地点の電話番号、メールアドレス、URL、座標などについても同様に電子透かしアイコンの埋め込み対象となる。
【0027】
一方、図3における、座標X5,Y5に対応する欄には、電子透かしになっていない(情報が埋め込まれていない)ユーザ登録地点登録アイコンが格納され、施設情報番号も存在しない登録地点は、特に施設の存在とは関係なく特定の地点がユーザによって指定された場合の登録地点である。
この場合の座標X5,Y5は、ユーザが地図上で指定した地点の座標、又はユーザ入力した緯度、経度の値が格納される。
【0028】
図1において、表示装置13には、車両周辺や探索された走行経路周辺の地図や、本実施形態により作成された電子透かしアイコンが表示される。
また表示装置13には、経路探索の対象となる目的地周辺の地図や、地点登録処理において登録する地点の周辺地図等がユーザの指示に従って表示され、その他各種情報が画像表示される。
表示装置13は、液晶表示装置、CRT等の各種表示装置が使用される。
なお、この表示装置13は、例えばタッチパネル等の、入力装置14としての機能を兼ね備えたものとすることができる。
【0029】
入力装置14は、ナビゲーション処理における走行開始時の現在地(出発地点)や目的地(到達地点)、電子透かしアイコンの作成対象となる地点登録処理における登録地点等を入力するためのものである。
入力装置14には、タッチパネル(スイッチとして機能)、キーボード、マウス、ライトペン、ジョイスティック、赤外線等によるリモコン、音声認識装置などの各種の装置が使用可能である。
【0030】
音声出力装置15は、車内に配置された複数のスピーカで構成され、音声制御部で制御された音声、例えば、音声による経路案内を行う場合の案内音声等が出力されるようになっている。この音声出力装置15は、オーディオ用のスピーカと兼用するようにしてもよい。
【0031】
その他の装置として、例えば、電話回線による通話の他、道路の混雑状況や交通規制等の交通情報に関するデータなどを提供する情報提供局との通信等の各種通信を行う通信制御装置を備えるようにしてもよい。
【0032】
図4は、携帯端末装置である携帯電話の構成を表したものである。
この携帯電話は、CPU30、記憶装置31、表示装置32、撮像装置(カメラ)33、音声入力装置34、音声出力装置35、入力装置36、通信装置37を備えている。
CPU30は、記憶装置31に格納された各種プログラムやデータに従って電話全体の制御を行う。
【0033】
記憶装置31は、ROMやRAM、場合によっては半導体記憶装置等で構成され、電子透かし情報抽出プログラム311、ブラウザ312、その他のプログラムやデータが格納される。
電子透かし情報抽出プログラム311は、撮像装置33による撮像画像中に埋め込まれている施設情報を抽出するプログラムである。CPU30は、この電子透かし情報抽出プログラム311に従って、ナビゲーション装置の地点登録処理により電子透かしアイコンを作成する際に使用される情報の埋め込み方式に対応した方式で施設情報の抽出を行う。
【0034】
ブラウザ312は、撮像画像から抽出した施設情報に含まれるURLがユーザによって選択された場合、該当するURLに保存されているデータ(ホームページの内容)を受信してその内容を表示装置32に表示するためのプログラムである。
記憶装置31に記憶されるその他のプログラムとしてはメールを送受信するメーラー等があり、データとしては、登録された電話番号、メールアドレス、撮像装置33で撮像された撮像画像等が格納される。
【0035】
表示装置32は、各種表示装置の使用が可能であるが、本実施形態では、液晶表示装置が使用され、施設情報、URLで指定されるホームページの内容、送受信したメールの内容、電話番号等の各種情報が表示される。
【0036】
撮像装置(カメラ)33は撮像手段として機能し、画像を撮像するためのCCD(電荷結合素子)を備えたカメラで構成されている。
撮像装置33は、画像や外部の景色等を撮像する。本実施形態では、ナビゲーション装置の表示装置13に表示された電子透かしアイコンの撮像に使用される。
【0037】
音声入力装置34と音声出力装置35は、携帯電話としての通話機能を使用する際に音声の入出力装置として機能する。
入力装置36は、テンキー等の各種入力キーを備え、電話番号を入力したり、表示装置32に表示されたメールアドレスやURLの選択をする際に使用される。
通信装置37は、携帯電話機能を使用する際の通信と、インターネット等の通信網に接続してURLやメールアドレスで指定された対象との間での各種データ通信を行う。
【0038】
次に、このように構成されたナビゲーション装置から携帯電話に施設情報を受け渡す動作について説明する。
図5は、ナビゲーション装置における地点登録処理の動作を表したフローチャートである。
ナビゲーション装置のCPU10は、入力装置14から地点登録ボタンが押下されたか監視している(ステップ101)。
地点登録ボタンの押下を検出すると(ステップ101;Y)、CPU10は、表示装置13に表示されている地図上の、登録ボタンで指定された位置座標から緯度経度を求め、その周辺所定範囲(例えば、100m以内)に対応する施設(施設情報)が存在するか否かをPOI(施設情報)DB124から検索する(ステップ102)。
【0039】
対応する施設情報が存在する場合(ステップ102;Y)、CPU10は、指定された地点に対応する施設情報を読み出し、そのジャンルに対応するアイコンを決定し、アイコンDB125から読み込む(ステップ103)。
【0040】
一方、ユーザが地点登録ボタンの押下により指定した地点に対応する施設情報が存在しない場合(ステップ102;N)、CPU10は、入力装置14から名称やURL等の付加情報が入力されたか否かを判断する(ステップ104)。
【0041】
付加情報が入力された場合(ステップ104;Y)、CPU10は、入力された付加情報からアイコンを決定し、アイコンDB125から読み込む(ステップ105)。
すなわち、CPU10は、付加情報としてジャンルが入力された場合にはそのジャンルに対応するアイコンを、また、ジャンルが入力されない場合にはユーザ登録地点アイコンを、アイコンDB125から読み込む。
【0042】
そして、CPU10は、ステップ103又はステップ105で読み込んだアイコンをデータの標本値として、施設情報又は付加情報を埋め込むことで電子透かしアイコンを作成する(ステップ107)。
電子透かしアイコンの作成は、上述したように直接埋め込み方式や周波数成分埋め込み方式等の各種周知の電子透かし技術を使用する。
なお、施設情報が存在する場合(ステップ102;Y)、ユーザが更に付加情報を入力した場合、施設情報と付加情報とがアイコンに埋め込まれる。
【0043】
一方、施設情報が存在せず付加情報も入力されない場合(ステップ104;N)、CPU10は、ユーザ登録地点アイコンをアイコンDB125から読み込む(ステップ108)。
この場合、埋め込むべき情報が存在しないので、電子透かしアイコンは作成されない。
【0044】
なお、ステップ108で読み込まれるユーザ登録地点アイコンと、ステップ105において付加情報としてジャンルが入力されない場合に付加情報が埋め込まれるユーザ登録地点アイコンとは同じアイコンが使用されるが、別のアイコンを使用するようにしてもよい。
本実施形態では、同一のアイコンであるが、電子透かしアイコンと通常アイコンとは枠の色等により区別して表示されるので、ユーザ登録地点アイコンについての通常アイコンと電子透かしアイコンとは区別可能である。
【0045】
ついでCPU10は、ステップ107で作成した電子透かしアイコン、又はステップ108で読み出したユーザ登録地点アイコンを、座標X,Y、施設情報番号(該当する場合)、及び付加情報(入力されている場合)を登録地点DB126に格納する(ステップ109)。
図3に示した地点登録DB126では、座標X1,Y1、X2,Y2、X3,Y3の登録地点がステップ103及びステップ107で処理された場合である。
座標X4,Y4の登録地点が、ステップ105とステップ107で処理された場合で、付加情報としてジャンルが存在しない場合である。
座標X5,Y5の登録地点が、ステップ108で処理された場合である。
【0046】
図3において、登録地点X4,Y4と登録地点X5,Y5のアイコンは共に共通するが、前者は電子透かしアイコンであり、後者は通常アイコン(アイコンDB125に格納されているアイコンと同一データ)である。この両者は、外枠の表示により区別されている。図3では、太い実線と細い点線で区別されているが枠の色やアイコン全体の色で区別可能にしてもよい。
【0047】
図3において、座標X1,Y1、X2,Y2、X3,Y3は、施設情報の座標であるが、座標X4,Y4、X5,Y5は、ユーザが指定した地図上位置から算出した座標、又はユーザが直接入力した座標である。
【0048】
次に、ナビゲーション装置におけるアイコン表示処理について図6を参照して説明する。
なお、本実施形態におけるナビゲーション装置では、ユーザにより、ジャンル毎(例えばコンビニエンスストアやガソリンスタンド等)に、そのアイコンを表示するか否かを適時設定することができるようになっている。ユーザによる設定はアイコン表示設定値として記憶装置に12に格納されている。
【0049】
CPU10は、車両の現在位置を、現在位置検出装置11によって検出する(ステップ201)。
ついでCPU10は、表示装置13の表示画面に表示する地図の表示設定値(表示スケール)をRAMに読み込む(ステップ203)。
【0050】
次にCPU10は、読み込んだ表示設定値から表示画面に表示される地図の表示範囲を判断し、判断した表示範囲内に存在する施設及び登録地点を、登録地点DB126とPOI(施設情報)DB124から検索する(ステップ205)。
なお、登録地点DB126に登録されている施設(施設情報)については、POI(施設情報)DB124からの検索対象外とする。
【0051】
そして、CPU10は、ユーザにより設定されているアイコン表示設定値を読み込み(ステップ207)、アイコン表示設定値で指定されているジャンル(施設)の通常アイコンと電子透かしアイコンを表示画面の地図上に表示する(ステップ209)。
【0052】
CPU10は、電源OFFなどの終了トリガがあれば(ステップ211;Y)、処理を終了してメインルーチンにリターンし、なければ(ステップ211;N)、ステップ201に戻ってアイコン表示処理を継続する。
【0053】
図7は、アイコン表示処理により表示装置の表示画面を例示したものである。
この図7の表示画面では、目的地までの経路探索が行われ、その走行経路71が地図上に表示されると共に、車両位置マーク72の表示により車両位置と進行方向が示されている。
そして、図7では、ユーザが設定したアイコン表示設定値から、食事可能な施設のアイコンとして、電子透かしアイコン73〜76と、通常アイコン77が表示されている。
【0054】
なお、図7では、表示装置13の表示画面に表示されている地図の範囲内に含まれる、施設及び登録地点の通常アイコンと電子透かしアイコンが表示されているが、経路探索された走行経路71が表示され、その経路案内がされている場合には、走行経路から所定距離の範囲に存在する施設と登録地点の通常アイコンと電子透かしアイコンを表示対象としてもよい。
走行経路から所定距離としては、予め決められていてもよく、ユーザが値を設定、変更できるようにしてもよい。
例えば、所定距離として走行経路2kmが設定された場合、図7において、電子透かしアイコン73と通常アイコン77が表示対象外となる。
【0055】
次に、ナビゲーション装置の表示装置13に表示された電子透かしアイコンに埋め込まれた情報(施設情報及び/又は付加情報)をユーザが携帯電話で確認する動作について説明する。
図8は、携帯電話による透かし情報抽出処理の動作を表したフローチャートである。
ユーザは、表示装置13に表示された各電子透かしアイコンから、希望するアイコンを選択し、その画像を撮像機能を備えた携帯電話で撮像し、携帯電話のCPU30は、撮像された画像データ(電子透かしアイコンを含む画像)をRAMに格納する(ステップ301)
【0056】
ついでCPU30は、RAMに格納された画像データから、埋め込まれた電子透かし情報(施設情報及び/又は付加情報、以下単に施設情報という)を抽出し(ステップ303)、抽出した施設情報を表示装置32に表示して(ステップ305)メインルーチンにリターンする。
【0057】
図9は、電子透かしアイコンから抽出して携帯電話の表示装置32に表示された施設情報を表したものである。
この図9では、図7の電子透かしアイコン74を撮像することで抽出した施設情報が表示されている。
ユーザは、携帯電話に表示された施設情報から入力装置36の操作により点線で囲まれたカーソル91でメールアドレスを選択すると、メーラーソフトが自動起動してリストランテ青山へのメールの書き込み及び送信を行うことができる。
また、カーソル91で電話番号を選択して実行するとリストランテ青山に電話をかけることができる。
更にカーソル91でURLを選択して実行すると、ブラウザソフト312が自動起動し、リストランテ青山の携帯用のホームページの情報が画面表示される。これにより、リストランテ青山が提供する最新の情報を得ることができる。
【0058】
また、ユーザは、表示された施設情報を記憶装置31に記憶したり、表示装置32に表示した状態で、施設の情報(ホームページ情報を含む)を車両外で確認することもできる。
【0059】
以上、本発明の情報提供装置における1実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明した実施形態では、施設情報と施設情報が埋め込まれるアイコンをナビゲーション装置が記憶する構成としたが、本発明では、両者の一方又は双方を情報を提供する情報センタから取得するようにしてもよい。
【0060】
また、説明した実施形態では、地点登録処理において予め電子透かしアイコンを作成して登録地点DB126に格納するようにしているが、登録地点DB126には電子透かしアイコンにかえて通常アイコンの保存先データを格納しておき、アイコン表示処理による表示の際に電子透かしアイコンを作成するようにしてもよい。
これにより登録地点DB126の記憶容量を削減することができる。
【0061】
説明した実施形態では、地点登録された施設に対して電子透かしアイコンを作成することとしたが、POI(施設情報)DB124に格納されている全部または一部について、ナビゲーション装置又は外部装置で予め作成された電子透かしアイコンを保存するようにししてもよい。
【0062】
また、説明した実施形態では、表示画面内に位置する施設及び登録地点に対応する通常アイコンと電子透かしアイコンとの両者を区別して共に表示するようにしたが、地点登録された施設の電子透かしアイコンのみを表示対象とするようにしてもよい。
また、通常アイコンと電子透かしアイコンの両方を表示する全表示モードと、電子透かしアイコンだけを表示する透かしモードと、通常アイコンだけを表示する通常モードのいずれかをユーザが選択できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の1実施形態において、情報提供装置として機能するナビゲーション装置の構成図である。
【図2】POI(施設情報)DBに格納される施設情報を概念的に表した説明図である。
【図3】登録地点DBの内容を概念的に表した説明図である。
【図4】携帯端末装置である携帯電話の構成図である。
【図5】ナビゲーション装置における地点登録処理の動作を表したフローチャートである。
【図6】ナビゲーション装置におけるアイコン表示処理を表したフローチャートである。
【図7】アイコン表示処理により表示装置の表示画面を例示した説明図である。
【図8】携帯電話による透かし情報抽出処理の動作を表したフローチャートである。
【図9】電子透かしアイコンから抽出して携帯電話の表示装置に表示された施設情報を表した説明図である。
【符号の説明】
【0064】
10 CPU
11 現在位置検出装置
12 記憶装置
121 地図DB
122 地点登録プログラム
123 経路案内プログラム
124 POI(施設情報)DB
125 アイコンDB
126 登録地点DB
13 表示装置
14 入力装置
15 音声出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設を表す識別符号に、当該施設の情報を埋め込んだ電子透かし識別符号を記憶する識別符号記憶手段と、
地図を表示する地図表示手段と、
該表示され地図上に、前記記憶された電子透かし識別符号を表示する透かし識別符号表示手段と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記地図表示手段で表示された地図上の特定の位置を指定する指定手段と、
該指定された特定の位置に存在する施設の識別符号及び当該施設の情報を取得する施設情報取得手段と、
該取得した識別符号に、前記取得した情報を埋め込んで電子透かし識別符号を作成する電子透かし識別符号作成手段と、
前記識別符号記憶手段に、前記作成した電子透かし識別符号を格納する格納手段と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
地図を表示する地図表示手段と、
施設を表す識別符号と、当該施設の情報を取得する施設情報取得手段と、
該取得した識別符号に、前記取得した施設の情報を埋め込んで電子透かし識別符号を作成する電子透かし識別符号作成手段と、
前記作成した電子透かし識別符号を、前記表示された地図上の当該識別符号に対応する施設が存在する位置に表示する識別符号表示手段と、
を具備することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
目的地を設定する目的地設定手段と、
該設定した目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
該探索された経路の所定距離範囲内に存在する施設を検出する経路施設検出手段と、を備え、
前記識別符号表示手段は、前記経路施設検出手段で検出された施設に対応する電子透かし識別符号を当該施設の存在する位置に表示する
ことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−47147(P2006−47147A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229756(P2004−229756)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】