説明

情報表示装置、およびカメラ

【課題】表示中の選択画面に応じてモニタが省電力状態へ移行するまでの時間を変更すること。
【解決手段】画像処理部109は、使用者が選択を行う複数の選択情報を配置した選択画面を液晶モニター109に表示し、選択画面の表示中に、あらかじめ設定されている待ち時間以上、使用者による選択情報を選択するための操作がない場合には、液晶モニター109を省電力状態に切り替え、表示中の選択画面に応じて待ち時間を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に情報を表示するための情報表示装置、および情報表示装置を搭載したカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
次のようなスチルビデオ装置が知られている。このスチルビデオ装置は、モニタにメニュー画面を表示し、使用者によるメニュー操作を受け付ける(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平4−223781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のスチルビデオ装置のように、モニタにメニュー画面を表示する機器においては、省電力のために、一定時間以上、使用者によるメニュー操作がない場合に、モニタの電源をオフにして画面を消していた。しかしながら、このときのモニタの電源をオフするまでの時間は固定であったため、使用者がメニュー上でどの項目を選択するかを決定するのに時間を要した場合には、使用者の意図に反して画面が消えてしまう可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による情報表示装置は、使用者が選択を行う複数の選択情報を配置した選択画面を表示装置に表示し、選択画面の表示中に、あらかじめ設定されている待ち時間以上、使用者による選択情報を選択するための操作がない場合には、表示装置を省電力状態に切り替え、表示中の選択画面に応じて、待ち時間を変更することを特徴とする。
本発明では、表示中の選択画面内に配置されている選択情報の数が所定数以上である場合に、待ち時間を延長するようにしてもよい。
選択情報が選択されるとその選択情報に応じた下位階層の選択画面が表示される階層構造となっている場合には、表示中の選択画面の階層に応じて待ち時間を変更するようにしてもよい。この場合、表示中の選択画面の階層が、最も上位の階層以外の階層である場合に、待ち時間を延長してもよく、あるいは、表示中の選択画面の階層が、最も下位の階層である場合に、待ち時間を延長してもよい。
あらかじめ設定されている待ち時間が所定時間以上である場合には、待ち時間の変更を行わないようにしてもよい。
変更後の待ち時間を、選択画面ごとに設定して記録しておき、あらかじめ設定されている待ち時間を、表示中の選択画面ごとに設定されている変更後の待ち時間に変更するようにしてもよい。
待ち時間の延長時間を、選択画面ごとに設定して記録しておき、あらかじめ設定されている待ち時間に、表示中の選択画面ごとに設定されている延長時間を加算するようにしてもよい。
表示装置は、液晶モニターである場合には、液晶モニターが備えるバックライトを消灯する、または液晶モニターの電源をオフすることによって、表示装置を省電力状態に切り替えるようにしてもよい。
本発明によるカメラは、上記情報表示装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、使用者の意図に反して画面が消える可能性を低下することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
―第1の実施の形態―
図1は、第1の実施の形態におけるデジタルカメラの一実施の形態の構成を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、レンズ101、撮像素子102、AFE103、画像処理部104、ドライバ105、撮像制御部106、画像バッファ107、フラッシュメモリ108、液晶モニター109、電源部110、画像記憶部111、残容量演算部112、システム制御部113、レンズ制御部114、絞り制御部115、フォーカス駆動制御部116、シャッター制御部117、ミラー制御部118、測光制御演算部119、測距制御演算部120、動画・静止画選択ボタン121、レリーズボタン122、メニューボタン123、および十字キー124を備えている。
【0008】
なお、本実施の形態では、図1に示す要素101〜124のうち、一般的なデジタルカメラの構成要素についての説明は省略し、本発明に特有の構成要素を中心に説明する。本実施の形態におけるデジタルカメラ100では、使用者は、メニューボタン123を押下することによって、液晶モニター109上にメニュー画面を呼び出し、デジタルカメラ100の設定を変更することができる。
【0009】
使用者によってメニューボタン123が押下されると、操作信号がシステム制御部113に入力され、さらに画像処理部104へ伝達される。画像処理部104は、メニューボタン123の操作信号が入力されたことを検出した場合には、フラッシュメモリ108からメニュー情報を呼び出して、初期メニュー(メインメニュー)を液晶モニター109へ出力する。これによって、液晶モニター109上には、図2に示すような初期メニューのメニュー画面が表示される。このメニュー画面には、使用者が選択を行う複数の選択情報として、複数のメニュー項目が表示されている。
【0010】
なお、フラッシュメモリ108内には、あらかじめデジタルカメラ100用の種々のメニュー画面用のメニュー情報が記録されている。例えば、メニュー情報としては、工場出荷時に既に記録されているデフォルトメニュー情報や、製品購入後に使用者がカスタマイズして生成したカスタムメニュー情報などが記録されている。画像処理部104は、メニュー画面を液晶モニター109に表示するに当たって、液晶モニター109の電源がオフされていてモニターが消灯している場合には、液晶モニター109の電源をオンしてモニターを点灯する。
【0011】
使用者は、十字キー124を操作することによって、メニュー画面上でメニュー操作を行うことができる。例えば、使用者は、十字キー124に含まれる上ボタンや下ボタンを押下することにより、図2に示したメニュー画面上で選択中の項目を移動することができる。例えば、メニュー画面が最初に表示された状態では、一番上の項目である「画像設定」が初期選択されており、使用者は、下ボタンを1回押すごとに1つ下の項目を選択状態にすることができる。また、逆に上ボタンを1回押すごとに1つ上の項目を選択状態にすることができる。なお、選択状態となった項目は、太枠で囲んだり色を変えたりして、使用者が現在どの項目を選択中であるかを把握できるようにすることが好ましい。
【0012】
すなわち、使用者による十字キー124の操作信号は、システム制御部113に入力され、システム制御部113は、使用者によるメニュー項目の移動を検出する。そして、検出したメニュー項目の移動情報を画像処理部104へ出力し、画像処理部104は、入力されたメニュー項目の移動情報に基づいて、メニュー画面上で太枠を移動させるなどして、選択中の項目を明示する。
【0013】
使用者は、このように上下ボタンを操作して項目を選択した後、右ボタンを押下することによって、項目の選択を確定することができる。例えば、図3(a)に示すように、使用者はメニュー画面上で、項目「画像設定」を選択した状態で右ボタンを押下することによって、「画像設定」の選択を確定することができる。システム制御部113は、使用者による十字キー124の操作信号に基づいて、メニュー項目が確定されたことを検出した場合には、その確定信号を画像処理部104へ出力する。
【0014】
画像処理部104は、確定信号が入力された場合には、上述したようにフラッシュメモリ108から読み込んであるメニュー情報に基づいて、確定された項目にさらに下位階層のメニュー(下位メニュー)があるか否かを判定する。そして下位メニューがあると判定した場合には、メニュー情報に基づいて、確定された項目の下位メニューのメニュー画面(下位メニュー画面)を液晶モニター109に表示する。
【0015】
例えば、図3(a)に示す初期メニューで、使用者が「画像設定」の選択を確定した場合には、画像処理部104は、図3(b)に示すように「画像設定」の下位メニュー画面を液晶モニター109に表示する。ここでは、図3(a)に示す初期メニューを第1階層のメニューと呼び、図3(b)に示す下位メニューを第2階層のメニューと呼ぶ。この図3に示す例では、図3(b)に示す第2階層のメニューが「画像設定」に対する最も下位のメニュー画面(最終階層のメニュー)であって、使用者は、この第2階層のメニュー上でいずれかの項目の選択を確定することにより、デジタルカメラ100の画像設定を変更することができる。
【0016】
すなわち、システム制御部113は、使用者による右ボタン操作によっていずれかの項目の確定を検出した場合には、それを受け付け、確定された項目に応じてデジタルカメラ100の設定を変更する。例えば、図3(b)に示すメニュー画面で「ポートレート」の選択が確定された場合には、デジタルカメラ100の画像設定の内容を「ポートレート」に変更する。また、システム制御部113は、デジタルカメラ100の設定を変更した場合には、設定変更完了信号を画像処理部104へ出力する。画像処理部104は、設定変更完了信号が入力されると、1つ上位の階層のメニュー画面を液晶モニター109上に表示する。ここでは、第1階層のメニューが表示される。
【0017】
また、本実施の形態では、このようにメニュー画面を表示して、使用者によるメニュー操作を受け付ける場合に、画像処理部104は、液晶モニター109上にメニュー画面を表示した後、あらかじめ設定された所定時間以上、使用者によってメニュー操作が行われない場合には、省電力のために液晶モニター109の電源をオフして消灯する。
【0018】
このときの液晶モニター109の電源オフまでの待ち時間としては、例えば2秒、4秒、6秒、10秒、15秒、20秒のいずれかが選択可能であり、使用者は、あらかじめこれらの中からいずれか1つをデフォルト時間として設定しておく。例えば、デフォルト時間として2秒が設定されているときに、メニュー画面が液晶モニター109に表示されている状態で使用者が2秒以上メニュー操作を行わない場合には、画像処理部104は、液晶モニター109の電源をオフする。
【0019】
具体的には、システム制御部113は、液晶モニター109上にメニュー画面を表示すると同時にタイマーによる経過時間の計時を開始する。この経過時間は、使用者によって、上述したように十字キー124が操作されることによってメニュー操作が行われた場合には0にリセットする。そして、システム制御部113は、最後にメニュー操作が行われてからの経過時間が、あらかじめ設定されているデフォルト時間になったときに、モニター消灯信号を画像処理部104へ出力する。画像処理部104は、モニター消灯信号が入力された場合には、液晶モニター109の電源をオフする。
【0020】
この第1の実施の形態では、システム制御部113は、この液晶モニター109の電源オフまでの待ち時間、すなわちメニュー画面消去までの待ち時間を、液晶モニター109に表示されているメニュー画面の階層の深さと、1画面内に表示されている項目の数とに基づいて、あらかじめ設定されているデフォルト時間から変更する。具体的には、システム制御部113は、次の(A)〜(C)の条件に従って、待ち時間を変更する。
(A)第1階層のメニューでは待ち時間を変更しないでデフォルト時間のままとする
(B)第1階層のメニュー以外で、1画面内に表示されている項目の数が3つ以上であれば待ち時間を延長する
(C)延長後の待ち時間は10秒とする
【0021】
条件(A)は、使用者は、目的を持ってメニュー画面を表示するため、最も上位の項目が表示される第1階層のメニューでは、使用者はあまり悩むことなく目的の項目を選択することができるものと思われることから設定したものである。
【0022】
条件Bは、1画面に表示されている項目の数が多ければ、使用者は、項目の選択までに時間を要する可能性が高いと考えられることから設定したものである。なお、本実施の形態では、「項目の数が3つ以上」の場合に延長するようにしたが、この数には限定されない。
【0023】
条件Cは、待ち時間を長くすれば長くするほど、バッテリーを消耗することから、待ち時間に上限を設けるために設定したものである。なお、本実施の形態では、上限を10秒としたが、これに限定されない。
【0024】
具体例について、上述した図3を用いて説明する。まず、図3(a)に示した第1階層のメニューが表示されているときは、条件(A)に該当するため、システム制御部113は、待ち時間の変更を行わない。すなわち、待ち時間をデフォルト時間(2秒)のままとする。これに対して、図3(b)に示した第2階層のメニューが表示されているときは、1画面内に7つの項目が表示されており、これは条件(B)に該当するため、システム制御部113は、条件(C)に従って、待ち時間をデフォルト時間である2秒から10秒に延長する。
【0025】
なお、本実施の形態では、上述したようにデフォルト時間は2秒に設定されているため、これを10秒に変更するが、デフォルト時間が10秒以上に設定されている場合には、条件(C)に従って、条件(B)に該当する場合でも待ち時間の延長は行わない。また、本実施の形態では、第2階層が最終階層である例について説明したが、第3階層以降のメニューがある場合には、各階層について上記(A)〜(C)の条件に基づいて処理を行う。この場合、いずれかの階層でデフォルト時間を延長した後、その下位階層に移行した場合には、上述した経過時間をリセットするとともに、待ち時間をデフォルト時間に戻すようにする。
【0026】
図4は、第1の実施の形態における待ち時間延長処理を示すフローチャートである。図4に示す処理は、液晶モニター109にメニュー画面が表示された場合に起動するプログラムとして、画像処理部104およびシステム制御部113によって実行される。
【0027】
ステップS10において、システム制御部113は、上述した経過時間の計時を開始して、ステップS20へ進む。ステップS20では、システム制御部113は、液晶モニター109に表示されているメニュー画面の階層が第1階層であるか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS30へ進み、システム制御部113は、上述した条件(A)に該当することから、待ち時間をデフォルト時間のままにして、後述するステップS70へ進む。これに対して、否定判断した場合には、ステップS40へ進む。
【0028】
ステップS40では、システム制御部113は、1画面内に表示されているメニュー項目の数が3つ以上であるか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS30へ進み、システム制御部113は、上述した条件(B)には該当しないことから、待ち時間をデフォルト時間のままにして、後述するステップS70へ進む。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS50へ進む。
【0029】
ステップS50では、システム制御部113は、あらかじめ設定されているデフォルト時間は10秒未満であるか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS30へ進み、システム制御部113は、待ち時間はすでに条件(C)で定められている10秒以上に設定されていると判定し、待ち時間をデフォルト時間のままにして、後述するステップS70へ進む。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS60へ進む。
【0030】
ステップS60では、システム制御部113は、条件(C)に従って待ち時間を10秒に設定して、ステップS70へ進む。ステップ70では、システム制御部113は、使用者によって、十字キー124の上ボタンまたは下ボタンが操作されたか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS80へ進み、システム制御部113は、経過時間を0にリセットして、ステップS90へ進む。ステップS90では、画像処理部104は、システム制御部113から入力される十字キーの操作信号に基づいて、メニュー画面上での選択項目の移動を行って、ステップS100へ進む。一方、ステップS70で否定判断した場合には、そのままステップS100へ進む。
【0031】
ステップS100では、使用者によって、十字キー124の右ボタンが操作されたか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS160へ進む。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS110へ進み、システム制御部113は、計時時間を0にリセットして、ステップS120へ進む。ステップS120では、画像処理部104は、上述したメニュー情報に基づいて、現在表示中のメニューの下位の階層、すなわち次階層があるか否かを判断する。
【0032】
否定判断した場合には、ステップS130へ進み、システム制御部113は、確定された項目に応じてデジタルカメラ100の設定を変更して、ステップS140へ進む。ステップS140では、画像処理部104は、1つ上位の階層のメニュー画面を液晶モニター109上に表示して、処理を終了する。これに対して、ステップS20で肯定判断した場合には、ステップS150へ進む。
【0033】
ステップS150では、画像処理部104は、上述したメニュー情報に基づいて、次階層のメニューのメニュー画面を液晶モニター109に表示して、ステップS160へ進む。ステップS160では、システム制御部113は、経過時間が待ち時間になったか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS70へ戻って処理を繰り返す。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS170へ進み、画像処理部104は、液晶モニター109の電源をオフにして、表示中のメニュー画面を消去する。その後、処理を終了する。
【0034】
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)使用者が選択を行う複数のメニュー項目を配置したメニュー画面を液晶モニター109に表示し、メニュー画面の表示中に、あらかじめ設定されている待ち時間以上、使用者によるメニュー項目を選択するための操作がない場合には、液晶モニター109を省電力状態に切り替えるようにし、このときの待ち時間を表示中のメニュー画面に応じて変更するようにした。これによって、使用者が項目を選択するために要する時間は、各メニュー画面ごとに異なることを加味して、最適な待ち時間を設定することができる。
【0035】
(2)メニュー画面上に配置されているメニュー項目の数が所定数以上(例えば3つ以上)である場合に、待ち時間を延長するようにした。これによって、表示されている項目数が多い場合には、使用者はどの項目を選択するか迷うことが多いため、使用者が項目を選択する前にメニュー表示が消えてしまうことを防止することができる。
【0036】
(3)表示中のメニュー画面の階層が、最も上位の階層以外、すなわち第2階層以降である場合に、待ち時間を延長するようにした。これによって、以下の2点を加味して、効果的に待ち時間を延長することができる。1点目としては、第1階層のメニューでは、使用者は、目的を持ってメニュー画面を表示するため、最も上位の項目が表示される第1階層のメニューでは、使用者はあまり悩むことなく目的の項目を選択することができるものと思われる。また、2点目としては、第2階層以降のメニューでは、より詳細な設定項目が表示されるため、使用者はどの項目を選択すべきか悩むことが多くなるものと思われる。
【0037】
(4)あらかじめ設定されている待ち時間(デフォルト時間)が所定時間以上である場合には、待ち時間の変更を行わないようにした。これによって、待ち時間を長くすれば長くするほど、バッテリーを消耗することから、待ち時間に上限を設けて、バッテリーの無駄な消費を避けることができる。
【0038】
―第2の実施の形態−
第1の実施の形態では、上述した(A)〜(C)の条件に基づいてメニュー画面消去までの待ち時間を変更するようにした。これに対して、第2の実施の形態では、表示中のメニューが最終階層のメニューである場合に、待ち時間を延長するようにする。この待ち時間延長条件(以下、条件(D)と呼ぶ)は、最終階層のメニューでは、最終的にデジタルカメラ100の設定を変更するための項目が表示されているため、使用者は、どの項目を選ぶか悩むことが多く、項目の選択までに時間を要する可能性が高いと考えられることから設定したものである。なお、第2の実施の形態においても、延長後の条件は、上記条件(C)に従って10秒とする。
【0039】
この第2の実施の形態においては、図1に示したデジタルカメラ100のブロック図については、第1の実施の形態と同様のため説明を省略する。また、メニューの階層構造、十字キー124を使用したメニューの操作方法(上下ボタンで項目移動、右ボタンで選択確定)、メニュー消去までの経過時間、待ち時間、デフォルト時間(2秒)について、およびメニュー操作が行われた場合に経過時間をリセットする点等についても第1の実施の形態と同様である。
【0040】
第2の実施の形態における処理の具体例について、図5を用いて説明する。この図5に示すメニュー画面の例では、図5(a)〜図5(c)に示すように、メニューの階層は第3階層まである。このため、システム制御部113は、最終階層のメニューである第3階層のメニューが表示されているときのみ、メニュー画面消去までの待ち時間を延長する。以下、詳細に説明する。
【0041】
図5(a)に示す第1階層が液晶モニター109に表示されている場合には、システム制御部113は、上記条件(D)に該当しないため、待ち時間の延長は行わない。すなわち、すなわち、待ち時間をデフォルト時間(2秒)のままとする。そして、この第1階層のメニュー上で「フラッシュ発光モード」の選択が確定された場合には、画像処理部104は、液晶モニター109に図5(b)に示す第2階層のメニューを表示する。
【0042】
この第2階層のメニューは、「フラッシュ発光モード」として、フラッシュを自動発光させるための「オートモード」、または使用者が手動で発光させる「マニュアル発光モード」のいずれを設定するかを選択するためのメニュー画面である。システム制御部113は、この第2階層のメニューが表示されているときも、上記条件(D)に該当しないため、待ち時間の延長は行わない。すなわち、待ち時間をデフォルト時間(2秒)のままとする。そして、この第2階層のメニュー上で「マニュアル発光モード」の選択が確定された場合には、画像処理部104は、液晶モニター109に図5(c)に示す第3階層のメニューを表示する。
【0043】
この第3階層のメニューは、マニュアル発光時の発光量を設定するためのメニュー画面(設定画面)である。例えば、使用者は、発光量として、「フル」、「1/2」、「1/4」等の項目の中から、いずれかの項目の選択を確定することによって、マニュアル発光時の発光量を設定することができる。システム制御部113は、この第3階層のメニューが表示されているときは、上記条件(D)に該当するため、条件(C)に従って待ち時間をデフォルト時間である2秒から10秒に延長する。これによって、使用者は、最終的な設定値を時間をかけて選択することが可能となる。
【0044】
使用者によって第3階層のメニュー上でいずれかの項目の選択が確定されると、システム制御部113は、デジタルカメラ100のマニュアル発光時の発光量の設定を変更して、設定変更完了信号を画像処理部104へ出力する。そして、画像処理部104は、1つ上位の階層のメニュー画面を液晶モニター109上に表示する。ここでは、第2階層のメニューが表示される。
【0045】
図6は、第2の実施の形態における待ち時間延長処理を示すフローチャートである。図6に示す処理は、液晶モニター109にメニュー画面が表示された場合に起動するプログラムとして、画像処理部104およびシステム制御部113によって実行される。なお、図6においては、図4に示した第1の実施の形態と同様の処理については、同じステップ番号を付与し、相違点を中心に説明する。
【0046】
ステップS21において、システム制御部113は、液晶モニター109に表示されているメニュー画面の階層が最終階層であるか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS30へ進み、システム制御部113は、上述した条件(D)に該当しないことから、待ち時間をデフォルト時間のままにして、ステップS70へ進む。これに対して、肯定判断した場合には、上記条件(D)に該当すると判断して、ステップS50へ進む。
【0047】
ステップS50では、システム制御部113は、あらかじめ設定されているデフォルト時間は10秒未満であるか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS30へ進み、システム制御部113は、待ち時間はすでに条件(C)で定められている10秒以上に設定されていると判定し、待ち時間をデフォルト時間のままにして、ステップS70へ進む。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS60へ進む。ステップS60では、システム制御部113は、条件(C)に従って待ち時間を10秒に設定して、ステップS70へ進む。
【0048】
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態における作用効果に加えて、以下の効果を得ることができる。すなわち、表示中のメニュー画面の階層が、最も下位の階層である場合に、待ち時間を延長するようにした。これによって、使用者は、最終階層に配置されている詳細な設定項目を時間をかけて選択することができる。
【0049】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の情報表示装置は、以下のように変形することもできる。
(1)上述した第1および第2の実施の形態では、画像処理部104は、メニュー画面を表示してからの経過時間が待ち時間になったときには、液晶モニター109の電源をオフすることによってメニュー画面の表示を停止するようにして、デジタルカメラ100のバッテリーの消費を抑える例について説明した。しかしながら、画像処理部104は、液晶モニター109へのメニュー画面の表示を停止した後、液晶モニター109のバックライトを消灯することによって、バッテリーの消費を抑えるようにしてもよい。また、バックライトを消灯するのみで、メニュー画面は表示し続けておいてもよい。
【0050】
(2)また、デジタルカメラ100が備える表示装置が、液晶モニターでない場合にも本発明は適用可能である。この場合、メニュー画面を表示してからの経過時間が待ち時間になったときには、使用する表示装置に応じてバッテリーの消費を抑えるような制御をすればよい。例えば、表示装置として有機ELモニターのような、表示輝度を低下させることによって省電力状態へ切り替えることができるものを搭載する場合には、メニュー画面を表示してからの経過時間が待ち時間になったときには、表示装置の表示輝度を低下させるようにすればよい。
【0051】
(3)上述した第1および第2の実施の形態では、液晶モニター109にメニュ画面を表示する場合に、設定した待ち時間以上、メニュー操作がされない場合に、バッテリーの消費を抑えることを目的として液晶モニター109の電源をオフする例について説明した。しかしながら、液晶モニター109に画像一覧を表示して使用者による選択を待ち受けるときにも、本発明は適用可能である。例えば、複数枚のサムネイル画像を一覧表示して、使用者によって選択されたいずれか1枚を全画面表示するときに、設定した待ち時間以上、使用者によってサムネイル画像の選択操作がされない場合に、バッテリーの消費を抑えることを目的として液晶モニター109の電源をオフするようにしてもよい。
【0052】
この場合には、一覧表示されるサムネイル画像の枚数が多ければ、使用者は画像の選択に時間を要することが考えられる。よって、システム制御部113は、1画面に表示されているサムネイル画像の枚数、または1画面に表示可能なサムネイル画像の枚数が所定枚数以上である場合に、液晶モニター109の電源オフまでの待ち時間を延長するようにしてもよい。
【0053】
(4)上述した第1の実施の形態では条件(A)〜(C)に従って待ち時間を延長するようにし、第2の実施の形態では条件(C)および(D)に従って待ち時間を延長する例について説明した。しかしながら、他の条件を加味するようにしてもよい。例えば、デジタルカメラ100のバッテリー残量が少ないときは、システム制御部113は、条件(A)、(B)、または(D)に該当する場合であっても待ち時間を延長しないようにしてもよい。
【0054】
(5)上述した第1および第2の実施の形態では、システム制御部113は、各階層のメニューが表示された時点で、その都度、待ち時間を延長するか否かを判定する例について説明した、しかしながら、各メニュー画面ごとに、あらかじめ待ち時間を設定しておくようにしてもよい。すなわち、第1の実施の形態では、メニュー階層が第1階層以外の場合で、かつ表示される項目数が3以上の場合に待ち時間を延長する必要があるため、この条件に合致するメニュー画面に対しては、あらかじめ待ち時間を長めに(例えば、10秒)設定しておくようにしてもよい。同様に、第2の実施の形態では、最終階層のメニューに対して、あらかじめ待ち時間を長めに(例えば、10秒)設定しておけばよい。
【0055】
あるいは、各メニュー画面ごとに、デフォルト時間からの延長時間を設定しておくようにしてもよい。例えば、第2の実施の形態では、最終階層のメニューに対して、あらかじめデフォルト時間からの延長時間を5秒と設定しておき、他の階層のメニューに対しては、デフォルト時間からの延長時間を0秒に設定しておく。これによって、他の階層のメニューの待ち時間はデフォルト時間である2秒に設定され、最終階層のみデフォルト時間の2秒に延長時間5秒を加算した7秒を待ち時間に設定することができる。このように、あらかじめ各画面毎の待ち時間や延長時間を設定しておくことによって、システム制御部113は、各階層のメニューが表示される度に、待ち時間の延長処理を行う必要がなくなり、処理を高速化することができる。
【0056】
(6)上述した第1の実施の形態では、メニュー階層が第1階層以外の場合(条件(A))で、かつ表示される項目数が3以上の場合(条件(B))に待ち時間を延長するようにした。また、上述した第2の実施の形態では、メニュー階層が最終階層の場合(条件(D))に待ち時間を延長するようにした。しかしながら、これらを組み合わせて待ち時間の延長を行うことも可能である。例えば、メニュー階層が第1階層以外の場合には、表示される項目数が3以上の場合に待ち時間を延長するようにし、メニュー階層が最終階層の場合には、表示される項目数の数に関わらず待ち時間を延長するようにしてもよい。また、メニュー階層が最終階層の場合には、それ以外の階層における待ち時間の延長時間よりも長く延長時間を設定するようにしてもよい。
【0057】
また、全ての階層のメニューにおいて、条件(B)に合致する場合には待ち時間を延長するようにしてもよい。すなわち、表示中のメニューの階層に関わらず、表示されている項目数が所定数以上(例えば3つ以上)であれば、待ち時間を延長するようにしてもよい。
【0058】
(7)上述した第1および第2実施の形態では、各条件(第1の実施の形態では条件(A)〜(C)、第2の実施の形態では条件(A)〜(D))に合致した場合に、待ち時間をデフォルト時間(例えば、2秒、4秒、6秒、10秒、15秒、20秒のいずれか)から所定時間(例えば10秒)に変更する例について説明した。しかしながら、上記条件に合致した場合に、デフォルト時間に所定の延長時間を加算して算出した時間を延長後の待ち時間に設定するようにしてもよい。この場合、上記条件に合致した場合に、デフォルト時間(例えば2秒)に所定の延長時間(例えば10秒)を加算した時間(12秒)を延長後の待ち時間に設定する。
【0059】
(8)上述した第1および第2実施の形態では、情報表示装置としてデジタルカメラ100を用いる例について説明した。しかしながら、本発明は、メニューを表示して種々の設定を行うことができる他の機器、例えば携帯電話やビデオカメラ等にも適用可能である。
【0060】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】情報処理装置としてカメラを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における初期メニュー画面の具体例を示す図である。
【図3】第1の実施の形態におけるメニュー画面の階層構造を示す図である。
【図4】第1の実施の形態における待ち時間延長処理を示すフローチャート図である。
【図5】第2の実施の形態におけるメニュー画面の階層構造を示す図である。
【図6】第2の実施の形態における待ち時間延長処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0062】
100 デジタルカメラ、101 レンズ、102 撮像素子、103 AFE、104 画像処理部、105 ドライバ、106 撮像制御部、107 画像バッファ、108 フラッシュメモリ、109 液晶モニター、110 電源部、111 画像記憶部、112 残容量演算部、113 システム制御部、114 レンズ制御部、115 絞り制御部、116 フォーカス制御部、117 シャッター制御部、118 ミラー制御部、119 測光制御演算部、120 測距制御演算部、121 動画・静止画選択ボタン、122 レリーズボタン、123 メニューボタン、124 十字キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が選択を行う複数の選択情報を配置した選択画面を表示装置に表示する選択画面表示手段と、
前記選択画面の表示中に、あらかじめ設定されている待ち時間以上、使用者による前記選択情報を選択するための操作がない場合には、前記表示装置を省電力状態に切り替える省電力手段と、
表示中の前記選択画面に応じて、前記待ち時間を変更する待ち時間変更手段とを備えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記待ち時間変更手段は、表示中の前記選択画面内に配置されている前記選択情報の数が所定数以上である場合に、前記待ち時間を延長することを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記選択画面が、前記選択情報が選択されるとその選択情報に応じた下位階層の選択画面が表示される階層構造となっている場合には、
前記待ち時間変更手段は、表示中の前記選択画面の階層に応じて前記待ち時間を変更することを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報表示装置において、
前記待ち時間変更手段は、表示中の前記選択画面の階層が、最も上位の階層以外の階層である場合に、前記待ち時間を延長することを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
請求項3に記載の情報表示装置において、
前記待ち時間変更手段は、表示中の前記選択画面の階層が、最も下位の階層である場合に、前記待ち時間を延長することを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報表示装置において、
前記待ち時間変更手段は、あらかじめ設定されている前記待ち時間が所定時間以上である場合には、前記待ち時間の変更を行わないことを特徴とする情報表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報表示装置において、
変更後の待ち時間を、前記選択画面ごとに設定して記録しておき、
前記待ち時間変更手段は、前記あらかじめ設定されている待ち時間を、表示中の前記選択画面ごとに設定されている前記変更後の待ち時間に変更することを特徴とする情報表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記待ち時間の延長時間を、前記選択画面ごとに設定して記録しておき、
前記待ち時間変更手段は、前記あらかじめ設定されている待ち時間に、表示中の前記選択画面ごとに設定されている前記延長時間を加算することを特徴とする情報表示装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報表示装置において、
前記表示装置は、液晶モニターであって、
前記省電力手段は、前記液晶モニターが備えるバックライトを消灯する、または前記液晶モニターの電源をオフすることによって、前記表示装置を省電力状態に切り替えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の情報表示装置を備えることを特徴とするカメラ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−20416(P2009−20416A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−184320(P2007−184320)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】