説明

情報通信システムおよびその情報通信システムに適用されるタグ装置

【課題】移動体の情報の読み出し等の処理を、移動体と非接触で、迅速、正確に安定して行うことができる構成が簡単なシステムとタグ装置を提供する。
【解決手段】移動体2にタグ装置1を取り付け、移動体2の移動領域3と間隔を介して配置した情報通信装置5の移動体通過開始検知部16から赤外線を発信し、タグ装置1の応答手段7からの応答光を検知したら、赤外線通信部15に並設されている複数の発信用ダイオードを移動体通過開始検知部16側から複数個ずつ順次オンし、設定時間経過後に順次オフする。発信用ダイオードからの赤外線信号をタグ装置1の光起電力動作部8が受けて光起電力動作部を行い、情報処理制御部10が前記発信用ダイオードから発信される赤外線信号の情報読み出し指令に応じて対応する情報を読み出し、この情報を赤外線信号として赤外線発信部11が発信し、情報通信装置5の赤外線通信部15により読み取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばベルトコンベアやレール等を用いて移動する製品等の移動体にタグ装置を取り付け、該タグ装置を取り付けた移動体の情報を読み取ったり、情報の再書き込みを行ったりするために用いられる情報通信システムおよびその情報通信システムに適用されるタグ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば工場生産ラインのベルトコンベア上の製品や商品の分別等には、バーコードリーダ/ライタ、RFID(Radio Frequency Identification)等が適用されており、製品や商品に取り付けられたバーコード紙の情報をバーコードリーダ/ライタにより読み取ることが広く行われている(例えば、非特許文献1、参照。)。
【0003】
【非特許文献1】AUTO−IDの動向とNTTコムウェアの取り組み NTTコムウェアホームページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バーコードリーダ/ライタを用いる場合、バーコード紙が設けられている面を同じ方向にして移動体を整列させる必要があり、また、バーコード紙の情報読み取り部をバーコード紙と密着させなければならないため、大きさが不揃いの移動体の情報読み取り等を自動化して行うことは難しく、例えば人が移動体のバーコード紙に沿ってバーコードリーダ/ライタをスキャンするといった動作が必要になる。
【0005】
また、電波を利用して移動体の情報読み取り等を行う場合は、妨害電波等の影響があり、情報の読み取り等の動作を安定して行えないことがある。
【0006】
さらに、バーコードリーダ/ライタを用いる場合も電波を用いる場合も、情報の読み出し以外に情報再書き込み等の多機能を持たせようとすると、センサの数量が増えて設備投資が高額となり、製品のコストアップにつながるといった問題もあった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、移動体の情報の読み出し等の処理を、移動体と非接触で、迅速、かつ、正確に安定して行うことができ、構成が簡単で、多機能処理を行う場合でも装置コストを安くできる情報通信システムおよびその情報通信システムに適用されるタグ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明の情報通信システムは、移動体に取り付けられるタグ装置と、前記移動体の移動領域と間隔を介して配置されて該移動領域の一部領域を前記タグ装置との赤外線による情報通信領域とする情報通信装置とを有し、該情報通信装置は赤外線信号の発信用ダイオードと赤外線信号の受信用ダイオードとをそれぞれ前記移動体の移動方向に沿って複数並設して成る赤外線通信部と、該赤外線通信部の始端側に設けられた移動体通過開始検知部とを有しており、該移動体通過開始検知部は前記移動領域に向けて赤外線を発信して該移動領域を通過する移動体のタグ装置からの応答光を検知することにより前記移動体の前記情報通信領域通過開始を検知する構成と成し、前記赤外線通信部は前記移動体通過開始検知部が移動体の通過開始を検知したときに前記発信用ダイオードをオンし、前記受信用ダイオードの一つが前記情報通信領域を通過する前記タグ装置からの赤外線信号を受信したら該赤外線信号の読み出し動作と前記発信用ダイオードをオフする動作とを行う構成と成しており、前記タグ装置は、前記移動体通過開始検知部から発信される赤外線をタグ装置が受けたことを前記応答光によって前記移動体通過開始検知部に知らせる即答体制の応答手段と、前記移動体の情報を格納する情報格納部と、前記赤外線通信部の発信用ダイオードから発信される赤外線信号を受けて光起電力動作を行う光起電力動作部と、前記赤外線通信部の発信用ダイオードから発信される赤外線信号の情報読み出し指令に応じて前記情報格納部の対応する情報の読み出しを前記光起電力動作部の起電力によって行う情報処理制御部と、該情報処理制御部が読み出した情報を赤外線信号として発信する赤外線発信部とを有している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0009】
また、第2の発明の情報通信システムは、前記第1の発明の構成に加え、前記情報通信装置の赤外線通信部は移動体通過開始検知部が移動体の通過開始を検知したときに発信用ダイオードを予め定められた複数の設定個数ずつ前記赤外線通信部の始端側から順次オンする構成としたことを特徴とする。
【0010】
さらに、第3の発明の情報通信システムは、前記第2の発明の構成に加え、情報通信装置の赤外線通信部は、受信用ダイオードの一つが情報通信領域を通過するタグ装置からの赤外線信号を受信したら発信用ダイオードをオフする代わりに、発信用ダイオードを設定個数ずつそのオン開始タイミングから予め定められたオン継続設定時間が経過したときに前記赤外線通信部の始端側から順次オフする構成としたことを特徴とする。
【0011】
さらに、第4の発明は、上記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記情報通信装置の赤外線通信部から発信する赤外線信号の波長とタグ装置の赤外線発信部から発信する赤外線信号の波長とを互いに異なる波長とすることを特徴とする。
【0012】
さらに、第5の発明のタグ装置は、前記第1乃至第4のいずれか一つの発明の情報通信システムに適用され、移動体に取り付けられて情報通信装置と赤外線による情報通信を行うタグ装置であって、該タグ装置は情報通信装置の移動体通過開始検知部から発信される赤外線をタグ装置が受けたことを応答光によって前記移動体通過開始検知部に知らせる即答体制の応答手段と、前記移動体の情報を格納する情報格納部と、前記情報通信装置の赤外線通信部の発信用ダイオードから発信される赤外線信号を受けて光起電力動作を行う光起電力動作部と、前記赤外線通信部の発信用ダイオードから発信される赤外線信号の情報読み出し指令に応じて前記情報格納部の対応する情報の読み出しを前記光起電力動作部の起電力によって行う情報処理制御部と、該情報処理制御部が読み出した情報を赤外線信号として発信する赤外線発信部とを有している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0013】
さらに、第6の発明のタグ装置は、上記第5の発明の構成に加え、前記光起電力動作部は起電力発生用の受光ダイオードとして機能する発光ダイオードにより形成され、赤外線発信部は通信用発光ダイオードにより形成されていることを特徴とする。
【0014】
さらに、第7の発明のタグ装置は、上記第5または第6の発明の構成に加え、前記応答手段は、赤外線の受信用ダイオードの受光面と赤外線の発信用ダイオードの発光面とを共に情報通信装置側に向けて並設し、前記受信用ダイオードの電気出力で前記発信用ダイオードを駆動することを特徴とする。
【0015】
さらに、第8の発明のタグ装置は、上記第5または第6の発明の構成に加え、前記応答手段は、タグ装置の赤外線受光面に形成された反射板により形成され、該反射板により受けた光を情報通信装置の移動体通過開始検知部側に反射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、タグ装置と情報通信装置とは赤外線通信を行うため、移動体と非接触で迅速に移動体の情報読み取り等の処理を行うことができ、処理機能を多機能化した場合でも、構成が複雑になることはない。しかも、電波通信と異なり、妨害電波等の影響が無く、安定して正確に通信を行って上記処理を行うことができる。
【0017】
また、本発明によれば、バーコードリーダ/ライタを用いるときと異なり、タグ装置と情報通信装置との距離が近接していなくても通信を行うことができるし、タグ装置の赤外線発信部の光軸と情報通信装置の赤外線通信部との光軸がおおむね合っていれば、移動体が整列していなくても、正確に情報読み取り等の情報通信を行うことができる。
【0018】
さらに、本発明は、情報通信装置の移動体通過開始検知部から発信される赤外線をタグ装置が受けたことを応答光によって前記移動体通過開始検知部に知らせる即答体制の応答手段を有し、通信装置の移動体通過開始検知部が、移動体の移動領域に向けて赤外線を発信して該移動領域を通過する移動体のタグ装置からの応答光を検知することにより前記移動体の前記情報通信領域通過開始を検知し、この検知が行われたときに、情報通信装置の赤外線通信部の発信用ダイオードをオンし、赤外線通信部の受信用ダイオードの一つが前記情報通信領域を通過する前記タグ装置からの赤外線信号を受信したら該赤外線信号の読み出し動作と前記発信用ダイオードをオフする動作とを行う構成と成しているので、情報通信装置の赤外線通信部の省電力化を図ることができる。
【0019】
さらに、本発明によれば、タグ装置は、情報通信装置の赤外線通信部の発信用ダイオードから発信される赤外線信号を受けて光起電力動作を行う光起電力動作部を有しているので、電池等の電源を必要とせず、電源のメンテナンス等の面倒をなくすことができ、タグ装置の極小型化、極軽量化を図ることができ、様々な移動体にタグ装置を取り付けて、移動体の情報読み取り等を行うことができる。
【0020】
さらに、本発明において、情報通信装置の赤外線通信部は、移動体通過開始検知部が移動体の通過開始を検知したときに発信用ダイオードを予め定められた複数個ずつ前記赤外線通信部の始端側から順次オンする構成としたものにおいては、移動体の移動に対応させて発信用ダイオードを設定個数ずつ順次オンしていくことができるので、移動体と共に移動するタグ装置との赤外線通信を的確にでき、かつ、例えば移動体通過開始検知部が移動体の通過開始を検知したときに発信用ダイオードを一斉にオンする場合に比べ、発信用ダイオードのオン継続時間を短くすることができるので、赤外線通信部の消費電力を小さくできるし、発信用ダイオードの消耗を少なくでき、その寿命を長くできる。
【0021】
さらに、本発明において、情報通信装置の赤外線通信部は、受信用ダイオードの一つが情報通信領域を通過するタグ装置からの赤外線信号を受信したら発信用ダイオードをオフする代わりに、発信用ダイオードを設定個数ずつそのオン開始タイミングから予め定められたオン継続設定時間が経過したときに前記赤外線通信部の始端側から順次オフする構成としたものにおいては、移動体の移動に対応させて発信用ダイオードを設定個数ずつ順次オフしていくことができる。
【0022】
つまり、この発明においては、移動体と共に移動するタグ装置が発信用ダイオードとの赤外線通信位置に来たときに前記発信ダイオードは設定個数ずつオンされるが、タグ装置が前記赤外線通信位置から離れて、タグ装置への赤外線照射が必要でなくなったら、その発信用ダイオードを順次オフすることができる。そのため、発信用ダイオードのオン継続時間をさらに適切に短くでき、赤外線通信部の消費電力を小さくできるし、発信用ダイオードの消耗をより一層少なくでき、その寿命をより一層長くできる。
【0023】
さらに、本発明の情報通信システムにおいて、情報通信装置の赤外線通信部から発信する赤外線信号の波長とタグ装置の赤外線発信部から発信する赤外線信号の波長とを互いに異なる波長とする構成によれば、このような異波長赤外線を用いた赤外線信号の双方向通信により、情報通信装置とタグ装置間の信号のやりとりを的確に行うことができる。
【0024】
さらに、本発明のタグ装置において、光起電力動作部は起電力発生用の受光ダイオードとして機能する発光ダイオードにより形成され、赤外線発信部は通信用発光ダイオードにより形成されている構成によれば、受光ダイオードとして機能する発光ダイオードは、赤外線の光を受けて大きな電力を発生させることができる利点があり、この大きな電力で、タグ装置を適宜動作させることができるし、通信用発光ダイオードにより良好に通信を行うことができる。
【0025】
さらに、本発明のタグ装置において、応答手段は、赤外線の受信用ダイオードの受光面と赤外線の発信用ダイオードの発光面とを共に情報通信装置側に向けて並設し、前記受信用ダイオードの電気出力で前記発信用ダイオードを駆動する構成によれば、移動体通過開始検知部から移動体の移動領域に向けて発信される赤外光を受けてその応答光を、迅速、かつ、より的確にタグ装置から移動体通過開始検知部に加えることができる。
【0026】
さらに、本発明のタグ装置において、応答手段は、タグ装置の赤外線受光面に形成された反射板により形成され、該反射板により受けた光を情報通信装置の移動体通過開始検知部側に反射する構成によれば、より一層簡単な構成で応答手段を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1には、本発明に係る情報通信システムの一実施形態例が模式的な説明図により示されている。
【0028】
同図に示すように、本実施形態例のシステムは、移動体2に取り付けられるタグ装置1と、前記移動体2の移動領域3と間隔を介して配置されて該移動領域3の一部領域を前記タグ装置1との赤外線による情報通信領域13とする情報通信装置5とを有している。
【0029】
なお、タグ装置1の大きさは特に限定されるものではなく、適宜設定されるものであり、図1は、タグ装置1の制御構成を分かりやすくするために、タグ装置1を移動体2とほぼ同じ大きさに大きめに示している。タグ装置1は、例えば幅6mm程度、長さ10mm、厚み3mm程度の小型なカード状の装置であり、例えば移動体2の情報通信装置5との対向面に貼り付けて設けられる。
【0030】
情報通信装置5は、赤外線通信部15と、該赤外線通信部15の始端側に設けられた移動体通過開始検知部16とを有している。なお、図1では、移動体2の移動方向が図の左側から右側に向かう方向と成しており、移動体通過開始検知部16は、赤外線通信部15の左側の端部に設けられているが、移動体2の移動方向が図の右側から左側に向かう方向のときには、図の破線に示すように、移動体通過開始検知部16を赤外線通信部15の右側の端部に設けることになる。また、赤外線通信部15の両端側に移動体通過開始検知部16を設けると、移動体2の移動方向がいずれの方向であっても対応できるので好ましい。
【0031】
赤外線通信部15は、例えば図2に示すように、赤外線信号の発信用ダイオード17と赤外線信号の受信用ダイオード18とをそれぞれ前記移動体2の移動方向に沿って複数(例えば20個ずつ)並設して成る。情報通信装置5は、発信用ダイオード17と赤外線信号の受信用ダイオード18の並設方向となる長手方向の長さが例えば200mm程度であり、幅は約45mmである。
【0032】
発信用ダイオード17は、発光ダイオードにより形成されており、波長880nmの赤外線に信号を乗せた赤外線信号を発信する。受信用ダイオード18はフォトダイオードにより形成されており、情報通信装置5に接続されている図示されていない移動体移動制御装置に電気的に接続されている。なお、発信用ダイオード17と受信用ダイオード18の配列形態は図2に示す形態に限定されることはなく、適宜設定されるものであり、配列個数も適宜設定される。
【0033】
図1の矢印Aに示すように、移動体通過開始検知部16は、前記移動領域3に向けて赤外線を発信し、該移動領域3を通過する移動体2のタグ装置1からの応答光を検知することにより、前記移動体の前記情報通信領域通過開始を検知する構成と成している。
【0034】
前記赤外線通信部15は、移動体通過開始検知部16が移動体2の通過開始を検知したときに、前記複数の発信用ダイオード17と複数の受信用ダイオード18を予め定められた複数の設定個数(ここでは4個)ずつ赤外線通信部15の始端側から順次オンする構成と成している。また、赤外線通信部15は、発信用ダイオード17を、前記設定個数ずつ、そのオン開始タイミングを基準として予め定められたオン継続設定時間(例えば0.04秒)が経過したときに赤外線通信部15の始端側から順次オフする動作を行う構成と成している。
【0035】
なお、前記設定個数と前記オン継続設定時間は、移動体2の移動速度(例えば50cm/秒)に対応させて、移動体2と共に移動するタグ装置1が発信用ダイオード17と受信用ダイオード18と対向しているときに、これらの発信用ダイオード17と受信用ダイオード18とが順次オンし、タグ装置1が通過後に、発信用ダイオード17と受信用ダイオード18とが順次オフするように設定している。
【0036】
赤外線通信部15は、受信用ダイオード18が前記情報通信領域13を通過するタグ装置1からの赤外線信号を受信したときに、該赤外線信号の読み出し動作を行う。
【0037】
タグ装置1は、応答手段7と、光起電力動作部8と、情報格納部9と、情報処理制御部10と、赤外線発信部11とを有している。これらの各構成要素は、例えば図3(a)に示すように、基板21上に実装された各素子により形成され、基板21と共にケース22内に収容されている。
【0038】
応答手段7は、前記情報通信装置5の移動体通過開始検知部16から発信される赤外線をタグ装置1が受けたことを、前記応答光によって前記移動体通過開始検知部16に知らせる即答体制の応答手段である。
【0039】
本実施形態例において、応答手段7は、図3(b)に示すように、赤外線の受信用ダイオード27の受光面28と赤外線の発信用ダイオード29の発光面30とを共に前記情報通信装置5側に向けて並設し、前記受信用ダイオード27の出力側と前記発信用ダイオード29の入力側とを導線31を介して接続して形成されており、前記受信用ダイオード27の電気出力で、前記発信用ダイオード29を駆動する。
【0040】
前記光起電力動作部8は、情報通信装置5に設けられた赤外線通信部15の発信用ダイオード17から発信される赤外線信号を受けて、光起電力動作を行うものである。光起電力動作部8は、起電力発生用の受光ダイオードとして機能する発光ダイオード(例えば超高輝度発光ダイオードであるGaAlAs系の発光ダイオード)により形成することもできるし、例えばシリコンフォトダイオード等の受光ダイオードにより形成することもできる。
【0041】
なお、GaAlAs系の発光ダイオードは、通常、光を発するものであるが、光を発しない状態として光を受けること、つまり、受光ダイオードとして機能させることができるものであり、赤外線の光を受けて大きな電力を発生させることができる利点がある。この電力は、約1.5Vであり、通常のマンガン乾電池並の大きな値(シリコンフォトダイオードが発生する電力のほぼ3倍の値)である。一方、シリコンフォトダイオードは、安価で製造がしやすいという利点があり、本実施形態例では、シリコンフォトダイオードを適用している。
【0042】
前記情報格納部9は、移動体2の情報を格納するものである。情報格納部9は、例えば、移動体2の納入先、生産地等、様々な情報を格納しており、情報格納部9は、読み出しと書き込みが可能なメモリによって形成されている。
【0043】
情報処理制御部10はCPU(Central Processing Unit)により形成され、前記赤外線通信部15の発信用ダイオード17から発信される赤外線信号の情報読み出し指令(情報読み出し用のコマンド)に応じて前記情報格納部9の対応する情報の読み出しを、前記光起電力動作部8の起電力によって動作する。
【0044】
なお、情報処理制御部10は、発信用ダイオード17から発信される赤外線信号のコマンドに応じ、情報の読み出しに加えて、情報格納部8に格納されている情報の書き込み更新を行うようにしてもよく、その情報処理操作は適宜設定されり、情報処理制御部10に多機能を持たせることも可能である。
【0045】
赤外線発信部11は、前記情報処理制御部10が読み出した情報を赤外線信号として発信するものであり、本実施形態例において、赤外線発信部11は通信用発光ダイオードにより形成されている。この通信用発光ダイオードも、超高輝度発光ダイオードであるGaAlAs系の発光ダイオードにより構成することができるし、他の発光ダイオードも適用できる。なお、GaAlAs系の発光ダイオードは、赤外線光信号の発信にも非常に適している。
【0046】
本実施形態例において、赤外線発信部11は、波長750nmの赤外線に信号を乗せて発信するものであり、本実施形態例では、このように、タグ装置1の赤外線発信部11から発信する赤外線信号の波長と前記情報通信装置5の赤外線通信部15から発信する赤外線信号の波長とを互いに異なる波長としている。
【0047】
本実施形態例は以上のように構成されており、タグ装置1を取り付けた移動体2は、例えばベルトコンベア20に乗せられて移動するが、その移動領域3に向けて情報通信装置5の移動体通過開始検知部16は赤外線を発信するので、図4(a)の矢印Aに示すように、移動体通過開始検知部16と対向する位置に移動体2が移動してきたときに、この移動体2のタグ装置1(つまり、移動領域3を通過する移動体2のタグ装置1)に赤外線が照射される。
【0048】
そうすると、この赤外線をタグ装置1が受けて、タグ装置1の応答手段7が、前記移動体通過開始検知部16からの赤外線の応答光(図の矢印B)によって、タグ装置1が赤外線を受けたことを前記移動体通過開始検知部16に即答体制で知らせる。移動体通過開始検知部16は、前記応答光を検知することにより移動体2の前記情報通信領域13の通過開始を検知し、この移動体通過開始検知部16が移動体2の通過開始を検知したときに、赤外線通信部15に検知信号を加える。そうすると、図4(b)に示すように、赤外線通信部15は、前記複数の発信用ダイオードを前記の如く4個ずつ赤外線通信部15の始端側から順次オンして、タグ装置1の情報読み出し指令を有する赤外線信号を照射する。
【0049】
この際、タグ装置1は、移動体2の移動に伴って赤外線通信部15と対向する位置に移動しており、タグ装置1の光起電力動作部8は、赤外線通信部15の順次オンされる複数の発信用ダイオード17(つまり、タグ装置1と対向する位置にある4個ずつの発信用ダイオード17)から発信される赤外線信号のパワーを受けて光起電力動作を開始し(赤外線の光を受けて電力を発生し)、その電力により、情報処理制御部10は、赤外線通信部15の発信用ダイオード17からの赤外線信号の情報読み出し指令に応じて、情報格納部9の対応する情報の読み出しを行う。
【0050】
また、前記光起電力動作部8の光起電力動作により発生した電力によって、図4(c)の矢印Cに示すように、赤外線発信部11は、情報処理制御部10が読み出した情報を赤外線信号として発信する。
【0051】
この赤外線信号を、移動体2がタグ装置1と共に情報通信領域13を移動する間に、情報通信装置5の赤外線通信部15のいずれかの受信用ダイオード18が受信し、受信用ダイオード18の一つが、前記情報通信領域13を通過するタグ装置1からの赤外線信号を受信したときに、該赤外線信号の読み出し動作を行う。
【0052】
そして、赤外線通信部15により読み出された信号は、情報通信装置5に接続されている前記移動体移動制御部(図示せず)加えられ、例えば、図5に示すように、移動体移動制御部が、赤外線通信部15により読み出した赤外線信号、つまり、タグ装置1側から発信されるそれぞれの移動体2の情報に基づき、移動体2を適宜の方向(この図ではF方向)に移動させる。
【0053】
また、赤外線通信部15は、発信用ダイオード17をそのオン開始タイミングからオン継続設定時間経過したときにオフするので、4個ずつ赤外線通信部15の始端側から順次にオフする動作が行われる(図4(c)、参照)。
【0054】
なお、タグ装置1は、移動体2が情報通信装置5の情報通信領域13を通過後、赤外線通信部15の発信用ダイオード17からの赤外線信号を受けなくなると、この赤外線信号のパワーを受けて光起電力動作を行っていた光起電力動作部8もオフし、この光起電力動作部8により発生した電力によって動作する情報処理制御部10と赤外線発信部11もその動作を停止する。
【0055】
以上の動作が行われた後(前記移動体2の通過後)、次の移動体2が情報通信装置5の移動体通過開始検知部16と対向する位置に移動すると、移動体通過開始検知部16が発信する赤外線をタグ装置1が受けて応答光を応答し、上記動作が繰り返される。
【0056】
本実施形態例の情報通信システムは、例えば、各地に輸送される荷物の仕分けに適用することができ、この場合、本実施形態例の情報通信システムを移動体2(ここでは荷物)の仕分け分岐点の手前に設け、タグ装置1の情報格納部9に移動体2の輸送先の情報を格納し、情報通信装置5の赤外線通信部15が読んだ情報(移動体2の輸送先)に応じて、移動体移動制御部が仕分けするといったような利用が行われる。
【0057】
なお、本実施形態例は、上記のように、移動領域3を移動する移動体2の情報を読み取る等の情報通信を行うものであるが、例えばベルトコンベア20が故障する等の異常が生じた際の非常事態には、手動により、情報通信装置5の赤外線通信部15の発信用ダイオード17と受信用ダイオード18をオンできる構成を設けておくと、情報通信領域13にとどまっている移動体2のタグ装置1と赤外線による通信を行うことができ、その移動体2の情報を読み取り、移動体2がどの位置でとどまっているかを検索することもできる。
【0058】
本実施形態例によれば、タグ装置1と情報通信装置5とは赤外線通信を行うため、移動体2と非接触で迅速に移動体2の情報読み取り等の処理を行うことができ、多機能処理を行う場合でも、情報処理制御部10(CPU)の構成を適宜設定することにより、装置構成が複雑化することはなく、しかも、電波通信と異なり、妨害電波等の影響が無く、安定して正確に通信を行って上記処理を行うことができる。
【0059】
また、本実施形態例によれば、バーコードリーダ/ライタを用いるときと異なり、タグ装置1と情報通信装置5との距離が近接していなくても通信を行うことができるし、タグ装置1の赤外線発信部11の光軸と情報通信装置5の赤外線通信部15との光軸がおおむね合っていれば、移動体2が整列していなくても、正確に情報読み取り等の情報通信を行うことができる。
【0060】
さらに、本実施形態例によれば、情報通信装置5の移動体通過開始検知部16から発信される赤外線をタグ装置1が受けたことをタグ装置1が応答光によって即答体制で移動体通過開始検知部16に知らせるので、移動体通過開始検知部16が移動体2の情報通信領域通過開始を迅速に検知することができる。
【0061】
そして、この検知が行われたときに、情報通信装置5の赤外線通信部15の複数の発信用ダイオード17を4個ずつ赤外線通信部15の始端側から順次オンし、赤外線通信部15の受信用ダイオード18の一つが前記情報通信領域13を通過するタグ装置1からの赤外線信号を受信したときに発信用ダイオード17を4個ずつ赤外線通信部15の始端側から順次オフする動作を行うので、情報通信装置5の赤外線通信部15の省電力化を図ることができる。
【0062】
さらに、本実施形態例によれば、タグ装置1は、情報通信装置5の赤外線通信部15の発信用ダイオード17から発信される赤外線信号を受けて光起電力動作を行う光起電力動作部8を有しているので、電池等の電源を必要とせず、電源のメンテナンス等の面倒をなくすことができ、タグ装置1の極小型化、極軽量化を図ることができ、様々な移動体にタグ装置1を取り付けて、移動体2の情報読み取り等を行うことができる。
【0063】
さらに、本実施形態例によれば、情報通信装置5の赤外線通信部15から発信する赤外線信号の波長とタグ装置1の赤外線発信部11から発信する赤外線信号の波長とを互いに異なる波長としているので、異波長赤外線を用いた赤外線信号の双方向通信により、情報通信装置5とタグ装置1間の信号のやりとりを的確に行うことができる。
【0064】
さらに、本実施形態例によれば、光起電力動作部8をシリコンフォトダイオードにより形成しているので、タグ装置1を安価にできる。
【0065】
さらに、本実施形態例によれば、タグ装置1の応答手段7は、赤外線の受信用ダイオードと発信用ダイオードとを組み合わせて接続して形成したので、タグ装置1は、移動体通過開始検知部16から移動体2の移動領域3に向けて発信される赤外光を受けて、その応答光を迅速、かつ、的確に移動体通過開始検知部16に加えることができる。
【0066】
以上のように、本実施形態例は、移動体2の情報を、非接触で、迅速、かつ、正確に安定して読み出すことができ、情報通信装置5とタグ装置1はいずれも小型、軽量、低コストであるので、小型、軽量、低コストで簡単な構成のシステムを実現でき、タグ装置1を大小様々な移動体2に容易に取り付けて様々な製品の仕分けなどの様々な用途に幅広く用いることができる。
【0067】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施形態例では、タグ装置1の応答手段7は、受信用ダイオード27と発信用ダイオード29とを組み合わせて形成したが、応答手段7の形態は特に限定されることはなく、適宜設定されるものである。
【0068】
例えば、応答手段7は、タグ装置1の赤外線受光面に形成された反射板(例えばミラー等)により形成し、該反射板により受けた光を情報通信装置5の移動体通過開始検知部16側に反射するようにしてもよい。このように、応答手段7を反射板により形成さし、該反射板により受けた光を情報通信装置5の移動体通過開始検知部16側に反射する構成とすると、より一層簡単な構成で応答手段7を形成することができる。
【0069】
また、上記実施形態例では、情報通信装置5の赤外線通信部15は、複数の受信用ダイオード18のオンオフタイミングを複数の発信用ダイオード17のオンオフタイミングと同じにしたが、受信用ダイオード18は、移動体通過開始検知部16による移動体2の通過開始検知の有無に拘わらず、オン状態としておいてもよい。
【0070】
さらに、タグ装置1の移動体2への取り付け場所は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものであり、応答手段7の赤外線受光面および発光面と、光起電力動作部8の赤外線受信面、赤外線発信部11の赤外線発信面が、それぞれ情報通信装置5と対向するようにタグ装置1を形成し、取り付ければよい。
【0071】
さらに、上記実施形態例では、情報通信装置5の赤外線通信部15から発信する赤外線信号の波長とタグ装置1の赤外線発信部11から発信する赤外線信号の波長を互いに異なる波長としたが、これらの赤外線信号の波長を同じ波長とすることもできる。
【0072】
さらに、上記実施形態例では、赤外線通信部15が行う発信用ダイオード17のオンオフ動作は、4個ずつの発信用ダイオード17を赤外線通信部15の始端側から順次行うようにしたが、4個以外の個数を設定個数としてその設定個数の発信用ダイオード17を赤外線通信部15の始端側から順次オンオフするようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態例では、前記赤外線通信部15は、移動体通過開始検知部16が移動体2の通過開始を検知したときに、前記複数の発信用ダイオード17と複数の受信用ダイオード18を予め定められた複数の設定個数ずつ赤外線通信部15の始端側から順次オンする構成としたが、移動体通過開始検知部16が移動体2の通過開始を検知したときに、前記複数の発信用ダイオード17と複数の受信用ダイオード18を一斉にオンするようにしてもよい。
【0074】
さらに、上記実施形態例では、赤外線通信部15は、発信用ダイオード17を、設定個数ずつ、そのオン開始タイミングを基準として予め定められたオン継続設定時間が経過したときに赤外線通信部15の始端側から順次オフする動作を行うようにしたが、受信用ダイオード18の一つが情報通信領域13を通過するタグ装置1からの赤外線信号を受信したら発信用ダイオード17を一斉にオフするように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る情報通信システムの一実施形態例を模式的に示す説明図である。
【図2】上記実施形態例の情報通信システムに適用される情報通信装置の赤外線通信部の構成例を模式的に示す説明図である。
【図3】上記実施形態例の情報通信システムに適用されるタグ装置の構成例(a)と、その応答手段の構成例(b)を模式的に示す説明図である。
【図4】上記実施形態例の情報通信システムによる情報通信動作例を模式的に示す説明図である。
【図5】上記実施形態例の情報通信システムを利用した荷物仕分け方法の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0076】
1 タグ装置
2 移動体
3 移動領域
5 情報通信装置
7 応答手段
8 光起電力動作部
9 情報格納部
10 情報処理制御部
11 赤外線発信部
13 情報通信領域
15 赤外線通信部
16 移動体通過開始検知部
17 発信用ダイオード
18 受信用ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に取り付けられるタグ装置と、前記移動体の移動領域と間隔を介して配置されて該移動領域の一部領域を前記タグ装置との赤外線による情報通信領域とする情報通信装置とを有し、該情報通信装置は赤外線信号の発信用ダイオードと赤外線信号の受信用ダイオードとをそれぞれ前記移動体の移動方向に沿って複数並設して成る赤外線通信部と、該赤外線通信部の始端側に設けられた移動体通過開始検知部とを有しており、該移動体通過開始検知部は前記移動領域に向けて赤外線を発信して該移動領域を通過する移動体のタグ装置からの応答光を検知することにより前記移動体の前記情報通信領域通過開始を検知する構成と成し、前記赤外線通信部は前記移動体通過開始検知部が移動体の通過開始を検知したときに前記発信用ダイオードをオンし、前記受信用ダイオードの一つが前記情報通信領域を通過する前記タグ装置からの赤外線信号を受信したら該赤外線信号の読み出し動作と前記発信用ダイオードをオフする動作とを行う構成と成しており、前記タグ装置は、前記移動体通過開始検知部から発信される赤外線をタグ装置が受けたことを前記応答光によって前記移動体通過開始検知部に知らせる即答体制の応答手段と、前記移動体の情報を格納する情報格納部と、前記赤外線通信部の発信用ダイオードから発信される赤外線信号を受けて光起電力動作を行う光起電力動作部と、前記赤外線通信部の発信用ダイオードから発信される赤外線信号の情報読み出し指令に応じて前記情報格納部の対応する情報の読み出しを前記光起電力動作部の起電力によって行う情報処理制御部と、該情報処理制御部が読み出した情報を赤外線信号として発信する赤外線発信部とを有していることを特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
情報通信装置の赤外線通信部は移動体通過開始検知部が移動体の通過開始を検知したときに発信用ダイオードを予め定められた複数の設定個数ずつ前記赤外線通信部の始端側から順次オンする構成としたことを特徴とする請求項1記載の情報通信システム。
【請求項3】
情報通信装置の赤外線通信部は、受信用ダイオードの一つが情報通信領域を通過するタグ装置からの赤外線信号を受信したら発信用ダイオードをオフする代わりに、発信用ダイオードを設定個数ずつそのオン開始タイミングから予め定められたオン継続設定時間が経過したときに前記赤外線通信部の始端側から順次オフする構成としたことを特徴とする請求項2記載の情報通信システム。
【請求項4】
情報通信装置の赤外線通信部から発信する赤外線信号の波長とタグ装置の赤外線発信部から発信する赤外線信号の波長とを互いに異なる波長とすることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の情報通信システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の情報通信システムに適用され、移動体に取り付けられて情報通信装置と赤外線による情報通信を行うタグ装置であって、該タグ装置は情報通信装置の移動体通過開始検知部から発信される赤外線をタグ装置が受けたことを応答光によって前記移動体通過開始検知部に知らせる即答体制の応答手段と、前記移動体の情報を格納する情報格納部と、前記情報通信装置の赤外線通信部の発信用ダイオードから発信される赤外線信号を受けて光起電力動作を行う光起電力動作部と、前記赤外線通信部の発信用ダイオードから発信される赤外線信号の情報読み出し指令に応じて前記情報格納部の対応する情報の読み出しを前記光起電力動作部の起電力によって行う情報処理制御部と、該情報処理制御部が読み出した情報を赤外線信号として発信する赤外線発信部とを有していることを特徴とするタグ装置。
【請求項6】
光起電力動作部は起電力発生用の受光ダイオードとして機能する発光ダイオードにより形成され、赤外線発信部は通信用発光ダイオードにより形成されていることを特徴とする請求項5記載のタグ装置。
【請求項7】
応答手段は、赤外線の受信用ダイオードの受光面と赤外線の発信用ダイオードの発光面とを共に情報通信装置側に向けて並設し、前記受信用ダイオードの電気出力で前記発信用ダイオードを駆動することを特徴とする請求項5または請求項6記載のタグ装置。
【請求項8】
応答手段は、タグ装置の赤外線受光面に形成された反射板により形成され、該反射板により受けた光を情報通信装置の移動体通過開始検知部側に反射することを特徴とする請求項5または請求項6記載のタグ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−201914(P2007−201914A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−19316(P2006−19316)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(500035890)株式会社ゼオシステム (11)
【Fターム(参考)】