説明

情報配信装置

【課題】 宣伝効果の高いエンターテインメントコンテンツを提供するための情報配信装置を実現すること。
【解決手段】 予め区分された領域に対応して設定されたエンターテインメントデータと、該領域に対応して設定された広報データとを合成して配信データを生成する配信データ生成手段と、該当する前記領域に前記配信データ生成手段により生成された配信データを配信する配信手段とを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に搭載された端末装置や家庭内の端末装置等に、音楽や映像などのエンターテインメントコンテンツを提供するための情報配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音楽や映像等の提供は、従来からラジオやテレビ放送で広く行われている。また、最近では、通信環境の向上、例えば通信速度の向上等により音楽や映像等を特定の端末に配信する配信サービスが普及しつつある。
【0003】
ところで、ラジオやテレビ放送は一般的にスポンサー収入により成り立っているが、放送エリアは広範囲で、スポンサー料金は高額となる。しかし、小規模の企業や店舗にとっては、あまり宣伝効果の見込めないエリアも含めた放送に対する高額のスポンサー料金がネックとなり、放送のスポンサーになりにくいといった課題があった。また、インターネット等を用いた音楽配信についても、音楽等に広告を付加して無料(低額)提供する方法があるが、やはり不特定多数の人に提供することになり、費用に対する効果があまり期待できないといった課題があった。
【特許文献1】特開2003−187146号公報
【特許文献2】特開2002−116767号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段及びその効果】
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、宣伝効果の高いエンターテインメントコンテンツを提供するための情報配信装置を実現することを目的としている。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報配信装置(1)は、予め区分された領域に対応して設定されたエンターテインメントデータと、前記領域に対応して設定された広報データとを合成して配信データを生成する配信データ生成手段と、該当する前記領域に前記配信データ生成手段により生成された配信データを配信する配信手段とを含んで構成されていることを特徴としている。
【0006】
上記本発明に係る情報配信装置(1)によれば、特定領域にのみ広告等の広報付エンターテインメントデータを提供できるので、高い広告効果が得られるであろうユーザに対してのみデータ提供を行うことが可能となり、データ提供領域が狭いことから広告主(スポンサー)の広告費用を低く抑えることが可能となる。この結果、情報配信者にとってはスポンサーを集め易くなり、効果的、効率的な配信を実現することができる。
【0007】
また、本発明に係る情報配信装置(2)は、上記情報配信装置(1)において、前記領域と料金データとを対応付けて記憶する領域料金記憶手段と、該領域料金記憶手段に記憶された領域料金データと、配信領域とに基づいて、当該領域に対する配信データの配信に対する料金を算出する料金算出手段とを備えていることを特徴としている。
上記本発明に係る情報配信装置(2)によれば、配信領域、例えば広さや、人の多さ等に応じた適切な配信料金を設定することが可能となる。
【0008】
また、本発明に係る情報配信装置(3)は、上記情報配信装置(2)において、前記領域料金記憶手段には時間帯による領域料金データも記憶され、前記料金算出手段が、配信データの配信時間帯に応じて料金を算出するものであることを特徴としている。
上記本発明に係る情報配信装置(3)によれば、配信時間帯、例えば人が多い時間帯の配信等、配信時間帯の特性にも応じた適切な配信料金を設定することが可能となる。
【0009】
また、本発明に係る情報配信装置(4)は、上記情報配信装置(2)又は(3)において、前記領域料金記憶手段には曜日による領域料金データも記憶され、前記料金算出手段が、配信データの配信曜日に応じて料金を算出するものであることを特徴としている。
上記本発明に係る情報配信装置(4)によれば、曜日、例えばその該当領域に人が多い曜日等、配信する曜日の特性にも応じた適切な配信料金を設定することが可能となる。
【0010】
また、本発明に係る情報配信装置(5)は、上記情報配信装置(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記領域が、道路の区間により規定されるものであることを特徴としている。
上記本発明に係る情報配信装置(5)によれば、道路の区間、例えばその道路の区間の通行量が多い等、道路の区間の特性にも応じた適切な配信料金を設定することが可能となる。また、店舗等にとっては、店舗に立ち寄る可能性が高く、宣伝効果の高い特定の道路区間を通行する自動車の乗員に対して選択的に効率的に広報付エンターテインメントデータを提供できることとなる。
【0011】
また、本発明に係る情報配信装置(6)は、上記情報配信装置(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記配信手段が、予め区分された領域内を通信可能領域とする複数の領域内通信手段と、前記配信データを配信領域の前記領域内通信手段から送信させる送信配分手段とを備えていることを特徴としている。
上記本発明に係る情報配信装置(6)によれば、前記複数の領域内通信手段により特定領域への広報付エンターテインメントデータの提供が可能となる。
【0012】
また、本発明に係る情報配信装置(7)は、上記情報配信装置(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記配信手段が、端末からの端末位置情報を受信する端末位置情報受信手段と、該端末位置情報受信手段により受信した端末位置情報に基づいて該当領域を判別する該当領域判別手段と、該該当領域判別手段により判別された領域に対応する配信データを前記端末に配信する端末配信手段とを備えていることを特徴としている。
【0013】
上記本発明に係る情報配信装置(7)によれば、端末から送出される端末の位置情報に基づいて端末が特定領域にいるかどうかを確認して広報付エンターテインメントデータを提供することができるので、特定領域に存在している端末への広報付エンターテインメントデータの提供が可能となり、また端末からの情報送信に基づいて配信が行われるので、エンターテインメントデータを必要とする可能性の高いユーザへの配信となり、より宣伝効率を高めた配信とすることができる。
【0014】
また、本発明に係る情報配信装置(8)は、上記情報配信装置(7)において、前記配信データに端末に応じた暗号化処理を施す暗号化処理手段を備えていることを特徴としている。
上記本発明に係る情報配信装置(8)によれば、暗号化処理により、より確実に該当する端末にのみ広報付エンターテインメントデータを提供することが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る情報配信装置(9)は、上記情報配信装置(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記配信手段が、目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置からの目的地情報を受信する目的地情報受信手段と、前記目的地情報受信手段を介して受信した目的地情報に基づいて該当領域を判別する該当領域判別手段と、該該当領域判別手段により判別された領域に対応する配信データを前記ナビゲーション装置に配信するナビ配信手段とを備えていることを特徴としている。
上記本発明に係る情報配信装置(9)によれば、宣伝効果の高いと考えられる特定領域へ行くユーザに対して効率的に広報付エンターテインメントデータを提供することが可能となる。
【0016】
また、本発明に係る情報配信装置(10)は、上記情報配信装置(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記配信手段が、目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置からの目的地までの経路情報を受信する経路情報受信手段と、該経路情報受信手段により受信した経路情報に基づいて該当領域を判別する該当領域判別手段と、該該当領域判別手段により判別された領域に対応する配信データを前記ナビゲーション装置に配信するナビ配信手段とを備えていることを特徴としている。
上記本発明に係る情報配信装置(10)によれば、宣伝効果の高いと考えられる特定領域を通行するユーザに対して効率的に広報付エンターテインメントデータを提供することが可能となる。
【0017】
また、本発明に係る情報配信装置(11)は、上記情報配信装置(1)〜(9)のいずれかにおいて、通信回線にて接続された端末装置に、配信領域等の配信条件を設定するためのプログラムを送信するプログラム送信手段を備えていることを特徴としている。
上記本発明に係る情報配信装置(11)によれば、ユーザは前記端末装置により簡単な操作で広報付エンターテインメントデータの提供を受けることが可能となり、換言すれば、広告主側は簡単に、また迅速に広報付エンターテインメントデータの配信を行うこと、つまりスポンサーになることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る音楽配信システムの全体構成を示すシステム構成図である。音楽配信システムは、音楽データを提供する音楽情報提供者のコンテンツサーバ21と、広告情報と音楽データを合成しユーザに配信する音楽配信装置1、この音楽配信装置1から配信される音楽を再生する再生装置(本実施の形態では、経路案内機能を有するナビゲーション装置と一体化した複合機)2、スポンサーが音楽の配信条件を設定するインターネット端末22を含んで構成されている。尚、本例では説明を分かりやすくするために音楽配信の場合を例に挙げて説明するが、映像配信等、他の情報の配信にももちろん適用可能である。
【0019】
センター制御部7は、音楽配信装置1の制御を行うもので、マイクロコンピュータ等により構成されている。配信データベース3は、音楽等の配信サービスを行っている他のデータベース、つまり情報提供者のコンテンツサーバ21に関するデータを記憶するデータベースで、どの曲をどこのコンテンツサーバ21が記憶し、提供しているか等のデータや、各曲の配信状況、例えばどの曲をいつ、何回配信したか等を記憶するデータベースであり、ハードディスク等により構成されている。そして、センター制御部7は、これらデータを用いて、提供する音楽データを外部のコンテンツサーバ21から取込んだり、配信状況に応じた外部のコンテンツサーバ21(情報提供者)への支払料金の算出を行う。
【0020】
サービスデータ管理データベース4は、配信する音楽、配信領域、広告(広報)情報、の関係を記憶するデータベースで、ハードディスク等により構成されている。そして、センター制御部7は、これらデータを用いて、提供する音楽データと広告情報を特定して配信データを生成し、該当する領域にその配信データを配信する制御を行う。
【0021】
地図・エリア情報データベース5は、地図やエリアの情報を、緯度・経度情報と関連づけて記憶するデータベースで、ハードディスク等により構成されている。そして、センター制御部7は、これらデータを用いて、自動車(音楽配信先のユーザ端末)の領域の識別、配信用の通信装置の選択等を行う。
【0022】
契約管理データベース6は、各配信のスポンサーとの契約内容を記憶するデータベースで、ハードディスク等により構成されている。そして、センター制御部7は、これらデータを用いて、提供する音楽データと広告情報の特定、配信領域・期間・時間帯等の決定をし、またスポンサー料の算出等を行う。
【0023】
また、インターネット接続制御部8は、音楽配信装置1をインターネット回線網20に接続し、コンテンツサーバ21、インターネット端末22との通信を可能とする。コンテンツサーバ21はサーバコンピュータ、インターネット端末22はパーソナルコンピュータ等により構成されている。無線通信部9は、音楽データの配信等、再生装置2との通信を行う無線通信機であり、OFDM等のディジタル信号伝送方式を用いたディジタルデータ通信機により構成されている。
【0024】
次に、再生装置2について説明する。端末制御部11は、再生装置2の制御を行うもので、マイクロコンピュータ等により構成されている。無線通信部10は、音楽データの受信、自身の位置データの送信等、音楽配信装置1との通信を行う無線通信機であり、OFDM等のディジタル信号伝送方式を用いたディジタルデータ通信機により構成されている。位置取得部12は、再生装置2の位置を検出するもので、GPS受信装置等により構成されている。データ記憶部13は、無線通信部10で受信した音楽データや広告情報、ナビゲーション用の地図データ等のナビゲーションデータ、音楽配信のサービスエリア情報等の各種データを記憶するもので、ハードディスク装置等により構成されている。
【0025】
再生処理部14は、データ記憶部に記憶された音楽データの再生や広告情報の表示・音声出力を行うもので、ディジタルシグナルプロセッサー等で構成され、データのデコード、アナログ信号化等の処理を行う。音声出力部15は、音声増幅回路、スピーカ等により構成され、再生処理部14からの音声信号を音声として出力する。操作部16は、ユーザが動作指示のために操作するもので、スイッチ等により構成されている。また、表示部17は、液晶表示装置等により構成され、再生処理部14からの映像信号に対応する映像を表示するようになっている。
【0026】
次に、音楽配信の基本的動作(A領域への音楽配信の例)について説明する。センター制御部7は、契約管理データベース6からA領域に関する契約内容を読み込む。そして、契約内容における配信曲のデータを取得するために、配信データデータベース3を用いてその曲を提供しているコンテンツサーバ21を検索し、インターネット回線網20を介して該当コンテンツサーバ21に接続して配信すべき音楽データを入手し、サービスデータ管理データベース4に記憶する。またサービスデータ管理データベース4に記憶されたA領域に関する契約内容に基づく広告データを検索し、これを入手した音楽データと合成して配信する配信データを生成する。次に、地図・エリア情報データベース5に記憶されたデータに基づいて、A領域に配信するための処理を行い、無線通信部9を介して再生装置2に配信データを送信する。すると、再生装置2では、受信した配信データに基づいて音楽再生および広告情報の表示・音声出力が行われる。
【0027】
図2は、本実施の形態における音楽配信のイメージを表示する動作イメージ図である。この例では、配信契約Aが、契約区間:名神高速/京都南−豊中、契約者:富士通テン、契約期間:2004/01/01〜2004/03/31、契約時間:毎日/全日、契約(配信)曲:アーティストA,曲名a1、契約料:B円である。
【0028】
配信契約Bが、契約区間:名神高速/西宮−豊中、契約者:スーパーテン、契約期間:2004/02/01〜2004/04/31、契約時間:平日/10:00から17:00、契約曲:アーティストC,曲名c1、契約料:D円である。
【0029】
従って、契約期間・契約時間内に、その区間内を走行する自動車に搭載された再生装置2では、例えば京都南IC−豊中IC間走行中は曲a1が再生され、また豊中IC−西宮IC間走行中は曲c1が再生されることになる。
【0030】
次に、インターネット端末22による音楽配信条件の設定に付いて説明する。図3は、音楽配信条件の設定画面で、この画面で必要データを入力することにより、契約条件として契約管理データベース5にその内容が記憶される。尚、この入力画面のプログラムは、インターネットで用いられている技術により、音楽配信装置1に接続することによりインターネット端末22に提供される。
【0031】
設定画面には、契約区間、契約者、契約期間、契約時間、契約曲のアーティストおよび曲名の入力欄が設けられ、ユーザ(広告主)がこれら欄に必要事項をキーボード等を用いて入力することにより、それら音楽配信条件が音楽配信装置1に送信される。尚、契約料については、条件から自動計算され、契約料欄に表示される。
【0032】
図9は、契約管理データベース6に記憶された料金計算用のデータを示すデータ図である。領域料金データは、道路、区間、曜日、時間帯毎における単位配信期間(1カ月)当たりの料金のレコード群からなっており、契約条件における道路、区間、曜日、時間帯の単位料金に、配信時間(X時間)および期間(Yカ月)を積算することにより料金が算出される。尚、再生装置2毎に配信する例の場合は、配信実績を把握できるので、その実績に応じて、つまり例えば単位料金と配信回数の積算により料金を算出することも可能である。
【0033】
次に領域に応じて配信する方法について説明する。図4は配信方法を示す説明図、図5はセンター制御部7および端末制御部11の行う処理を示すフローチャートであり、これら処理は各装置稼働中、繰り返し実行される。
【0034】
図4に示した方法では、再生装置2(移動端末X)が自己の位置データ(緯度,経度データ)を音楽配信装置1に送信する。音楽配信装置1は、受信した再生装置2の位置データから領域を判断し、それに応じた配信データ(音楽データ+広告情報)を生成して、更に再生装置2の識別コードを付加して送信する。再生装置2では、配信データを受信し、付加された識別コードが自己の識別コードであると判断すれば、音楽の再生および広告情報の表示・音声出力を行う。音楽配信装置1側で配信データに再生装置2が持つ解読コードに対応した暗号化処理を施し、該当再生装置2で暗号化処理された配信データの解読を行うようにすれば、より確実に特定再生装置に対する音楽配信を行うことができる。
【0035】
次に、このような動作を実現するために、センター制御部7および端末制御部11の行う処理について説明する。
先ず、端末制御部11について説明する。ステップS1では、音楽配信のサービス領域に入っているか否かを判断し、領域内であると判断すればステップS2に移り、領域外であると判断すれば処理を終える。尚、サービス領域の判断は、データ記憶部13に記憶された音楽配信サービスエリアデータと位置取得部12により検出された位置により判断する。ステップS2では、自己の位置データを音楽配信装置1に送信し、ステップS3に移る。ステップS3では、配信データを受信したか否かを判断し、受信したと判断すればステップS4に移り、受信していないと判断すればステップS1に戻る。ステップS4では、配信データを受信した旨とその内容の一部を表示(または音声出力)し、ステップS5に移る。ステップS5では、ユーザによる配信音楽の再生指示操作の有無を判断し(所定時間判断を繰り返す)、操作があったと判断すればステップS6に移り、所定時間操作が無ければ処理を終える。ステップS6では配信音楽の再生および広報情報の報知を行い、処理を終える。
【0036】
次に、センター制御部7について説明する。ステップS11では、再生装置2の位置データを受信したか否かを判断し、受信したと判断すればステップS12に移り、受信していないと判断すれば処理を終える。ステップS12では、再生装置2の位置データに対応する領域から、該当の広告データと音楽データを検索し、ステップS13に移る。ステップS13では、検索した広告データと音楽データとを合成し、配信する配信データを生成し、ステップS14に移る。ステップS14では、配信データを該当する再生装置2に送信し、処理を終える。
【0037】
次に、本発明の別の実施の形態について説明する。本例は再生装置2の位置ではなく、再生装置2におけるナビゲーション機能で設定された目的地(経路案内の目的地)が存在する領域に対応する音楽データを配信するもので、上述の実施の形態とは、主にセンター制御部7および端末制御部11の行う処理が異なるので、同じ部分については同じ番号・記号を付し、説明を省略する。
【0038】
図6は、センター制御部7および端末制御部11の行う処理を示すフローチャートであり、これら処理は各装置の稼働中、繰り返し実行される。
【0039】
先ず、端末制御部11について説明する。ステップS31では、経路案内の目的地が音楽配信のサービス領域か否かを判断し、領域内であると判断すればステップS32に移り、領域外であると判断すれば処理を終える。尚、サービス領域の判断は、データ記憶部13に記憶された音楽配信サービスエリアデータとユーザにより設定された目的地の位置により判断する。ステップS32では、目的地の位置データを音楽配信装置1に送信し、ステップS3に移る。ステップS3では、配信データを受信したか否かを判断し、受信したと判断すればステップS4に移り、受信していないと判断すればステップS31に戻る。ステップS4では、配信データを受信した旨とその内容の一部を表示(または音声出力)し、ステップS5に移る。ステップS5では、ユーザによる配信音楽の再生指示操作の有無を判断し(所定時間判断を繰り返す)、操作があったと判断すればステップS6に移り、所定時間操作が無ければ処理を終える。ステップS6では配信音楽の再生および広報情報の報知を行い、処理を終える。
【0040】
次に、センター制御部7について説明するが、センター制御部7が行う処理自体は図5に示した処理と同じである。ステップS33では、再生装置2の目的地の位置データを受信したか否かを判断し、受信したと判断すればステップS12に移り、受信していないと判断すれば処理を終える。ステップS12では、再生装置2から送信された位置データに対応する領域から、該当の広告データと音楽データを検索し、ステップS13に移る。ステップS13では、検索した広告データと音楽データとを合成し、配信する配信データを生成し、ステップS14に移る。ステップS14では、配信データを該当する再生装置2に送信し、処理を終える。
【0041】
次に、本発明の更に別の実施の形態について説明する。本例は再生装置2の位置ではなく、再生装置2におけるナビゲーション機能で探索された目的地までの経路が存在する領域に対応する音楽データを配信するもので、上述の実施の形態とは、主にセンター制御部7および端末制御部11の行う処理が異なるので、同じ部分については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
図7は、センター制御部7および端末制御部11の行う処理を示すフローチャートであり、これら処理は各装置の稼働中、繰り返し実行される。
先ず、端末制御部11について説明する。ステップS41では、目的地までの経路が音楽配信のサービス領域にあるか否かを判断し、領域内にあると判断すればステップS42に移り、領域外であると判断すれば処理を終える。尚、サービス領域の判断は、データ記憶部13に記憶された音楽配信サービスエリアデータと探索された経路の各地点(例えば所定距離間隔の位置)の位置により判断する。ステップS42では、経路の位置データ(例えば所定距離毎の位置)を音楽配信装置に送信し、ステップS3に移る。ステップS3では、配信データを受信したか否かを判断し、受信したと判断すればステップS4に移り、受信していないと判断すればステップS41に戻る。ステップS4では、配信データの受信した旨とその内容の一部を表示(または音声出力)し、ステップS5に移る。ステップS5では、ユーザによる配信音楽の再生指示操作の有無を判断し(所定時間判断を繰り返す)、操作があったと判断すればステップS6に移り、所定時間操作が無ければ処理を終える。ステップS6では配信音楽の再生および広報情報の報知を行い、処理を終える。
【0043】
次に、センター制御部7について説明する。ステップS43では、再生装置2からの経路の位置データを受信したか否かを判断し、受信したと判断すればステップS44に移り、受信していないと判断すれば処理を終える。ステップS44では、受信した位置データ(複数)に対応する領域から、該当の広告データ(複数)と音楽データ(複数)を検索し、ステップS45に移る。ステップS45では、検索した各領域に対する広報データと音楽データとを合成し、配信する配信データを生成し、ステップS46に移る。ステップS46では、配信データを該当する再生装置2に送信し、処理を終える。
【0044】
次に領域に応じて配信する別の方法について説明する。図8は配信方法を示す説明図である。図8に示した方法では、各領域に各領域を略通信可能領域とする中継局x−yを設置する。そして、センター(音楽配信装置1)からは、各領域に対応する配信データ(配信音楽データ+広告情報)を各該当の中継局x−yに伝送し(有線伝送または無線伝送)、各中継局x−yから対応する領域x−yに存在する再生装置(移動端末X)2に配信データを送信する。尚、中継局x−yは送信電波の電力、指向性の調整により、通信可能領域が略該領域となっている。この方法では、再生装置2と音楽配信装置1の連携動作は必要無く、基本的には音楽配信装置1から一方的に配信データを送信するだけで実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係る音楽配信システムの全体構成を示すシステム構成ブロック図である。
【図2】本発明に係る実施の形態における音楽配信のイメージを表示する動作イメージ図である。
【図3】音楽配信条件の設定画面を示す画面イメージ図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る配信方法を示す説明図である。
【図5】センター制御部および端末制御部の行う処理を示すフローチャートである。
【図6】センター制御部および端末制御部の行う処理を示すフローチャートである。
【図7】センター制御部および端末制御部の行う処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の別の実施の形態に係る配信方法を示す説明図である。
【図9】契約管理データベースに記憶された料金計算用のデータを示すデータ図である。
【符号の説明】
【0046】
1・・・音楽配信装置
2・・・再生装置
3・・・配信データベース
4・・・サービスデータ管理データベース
5・・・地図・エリア情報データベース
6・・・契約管理データベース
7・・・センター制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め区分された領域に対応して設定されたエンターテインメントデータと、前記領域に対応して設定された広報データとを合成して配信データを生成する配信データ生成手段と、
該当する前記領域に前記配信データ生成手段により生成された配信データを配信する配信手段とを含んで構成されていることを特徴とする情報配信装置。
【請求項2】
前記領域と料金データとを対応付けて記憶する領域料金記憶手段と、
該領域料金記憶手段に記憶された領域料金データと、配信領域とに基づいて、当該領域に対する配信データの配信に対する料金を算出する料金算出手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の情報配信装置。
【請求項3】
前記領域料金記憶手段には時間帯による領域料金データも記憶され、
前記料金算出手段が、配信データの配信時間帯に応じて料金を算出するものであることを特徴とする請求項2記載の情報配信装置。
【請求項4】
前記領域料金記憶手段には曜日による領域料金データも記憶され、
前記料金算出手段が、配信データの配信曜日に応じて料金を算出するものであることを特徴とする請求項2または請求項3記載の情報配信装置。
【請求項5】
前記領域が、道路の区間により規定されるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の情報配信装置。
【請求項6】
前記配信手段が、予め区分された領域内を通信可能領域とする複数の領域内通信手段と、
前記配信データを配信領域の前記領域内通信手段から送信させる送信配分手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の情報配信装置。
【請求項7】
前記配信手段が、端末からの端末位置情報を受信する端末位置情報受信手段と、
該端末位置情報受信手段により受信した端末位置情報に基づいて該当領域を判別する該当領域判別手段と、
該該当領域判別手段により判別された領域に対応する配信データを前記端末に配信する端末配信手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の情報配信装置。
【請求項8】
前記配信データに端末に応じた暗号化処理を施す暗号化処理手段を備えていることを特徴とする請求項7記載の情報配信装置。
【請求項9】
前記配信手段が、目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置からの目的地情報を受信する目的地情報受信手段と、
前記目的地情報受信手段を介して受信した目的地情報に基づいて該当領域を判別する該当領域判別手段と、
該該当領域判別手段により判別された領域に対応する配信データを前記ナビゲーション装置に配信するナビ配信手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の情報配信装置。
【請求項10】
前記配信手段が、目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置からの目的地までの経路情報を受信する経路情報受信手段と、
該経路情報受信手段により受信した経路情報に基づいて該当領域を判別する該当領域判別手段と、
該該当領域判別手段により判別された領域に対応する配信データを前記ナビゲーション装置に配信するナビ配信手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の情報配信装置。
【請求項11】
通信回線にて接続された端末装置に、配信領域等の配信条件を設定するためのプログラムを送信するプログラム送信手段を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の情報配信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−107149(P2006−107149A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−293205(P2004−293205)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】