説明

成形ガスケットを取り付ける方法及びそのために用いられるガスケット

【課題】 それ用に特化したデュアルデュロメーターガスケットを基板に取り付ける方法を提供する。
【解決手段】 本発明の方法は、溝部分が形成された取付具を利用し、その溝部分にデュアルデュロメーターガスケットを填め込みかつ例えば真空によって適所に保持する。或いは、取り外し可能な成形型を溝部分に填め込むこともあり、取り外し可能な成形型にはエラストマー部材/ガスケットを填め込む。取付具のガスケットが填め込まれた溝部分上に、適切な基板を正確に配置する。基板には接着促進プライマを塗布し、ガスケットまたは基板には接着剤を塗布して、持ち上げる力(揚力)を加えたときにガスケットが溝部分から持ち上げられて基板に接着密着するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見た目に美しいエラストマー部材に関し、該エラストマー部材を基板に取り付ける費用対効果の大きい方法に関する。
【0002】
本発明は、特に、好適実施形態において例えば自動車ウィンドウガラスなどの基板に取り付けられたときにいわゆる片面封止材(single side encapsulation)を形成するようなデュアルデュロメーターガスケット即ち2つのデュロメーター硬度の異なる材料から製作された部分を有するガスケットに関する。このデュアルデュロメーターガスケットは、ガスケットを正確な位置に保持しかつ基板に接着密着(bonding contact)させるための取付具に載置されることによって、基板に取り付けられる。
【背景技術】
【0003】
基板を開口部に填め込むことができるようにするために、エラストマー部材、例えばガスケットが基板の外周を囲繞するか或いは枠を作るかするようにガスケットを基板に取り付けることと、そうすることによって、ガスケットが、ウエザーシール、衝撃吸収、最近では例えば自動車の外観/設計機能など、種々の機能を発揮することは、長い間知られていた。
【0004】
歴史的には、エラストマー部材、特にガスケットを基板の唯一つの主表面の外周に取り付け、いわゆる片面ガラスを作り出してきた。
【0005】
そのようなガスケットを形成と同時に基板に取り付けることは、ここ数年一般的な手法であった。特に、現場成形プロセス、例えば反応射出成形(RIM)と、ポリ塩化ビニル(PVC)などの熱硬化性材料の射出成形とがよく用いられていた。
【0006】
そのような成形プロセスでは、雄型及び雌型を有する精密に機械加工された高価な型(モールド)を油圧式または空気式運転式プレスに挟んで用いる必要がある。通常は、型の一部分が所望の形状のガスケットに機械加工される。即ち、基板が型にセットされると、雄型と雌型とがプレスにより閉じられ、高分子材料が型の空隙に射出されて基板の外周の一部分または全周に所望のガスケットが形成される。
【0007】
高分子材料、例えばポリウレタンまたはPVCなどの射出前に、ガスケットを取り付ける基板の部分にシラン材料などの接着促進プライマ(adhesion-promoting primer)を塗布することが知られている。ガスケットは、モールディングプロセスにおいて形成されるので、基板の下塗りされた部分にしっかりと取り付けられた状態になる。
【0008】
そのようなモールディングプロセスは便利ではあるが、車両メーカーのガスケットに対する要求はますます複雑になってきているので、そのようなモールディングプロセスも同様にますます複雑になってきている。そのため、費用も増加傾向にある。
【0009】
上記したようなガスケットのデザインと、ガスケットが車体の開口部に密接に接触していることと、運転中に車体が「ぶれる」のでそのような車体の開口部をある程度まで歪めるという事実とに起因して、車体のボディ部分とガスケットの間に不快な音(「きしみ音」とも呼ばれる)を生じさせるような摩擦接点が生じることがある。そのようなきしみ音を消す方法を見つけるために多くの時間と労力が費やされたが、原因を突きとめたところで解決することが困難でかつ費用のかかる問題であることがわかったに過ぎなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述のような問題を鑑み、ガスケットを基板に取り付ける比較的単純で費用対効果の大きい方法を提供し、同時に、そのように取り付けられ、片面封止のために見た目に美しいウエザーシールを与えかつ「きしみ音」の発生を最小にするという複数の機能を実行するようなガスケットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、車体の開口部に填めるのに適した組立体を形成するためにガスケットなどのエラストマー部材をガラスやプラスチックなどの基板材料に固着する方法を提供する。
【0012】
この組立体を製造する方法は、内部に所定の形状の溝部分が形成されている位置決め取付具を提供する過程を含む。溝部分、好適には溝部分の底部を貫通するような1若しくは複数の通路を設けて、溝部分を正の空気圧か負の空気圧かいずれかの空気圧の供給源と連通させる。溝部分内の適所に例えばエラストマー部材を確実かつ正確に保持するのに十分な力で負の空気圧即ち真空を加えることができる。
【0013】
エラストマー部材またはエラストマー部材を保持するのに適した装置を溝部分内に填め込む。ここで接着材料をエラストマー部材に塗布することもできるが、位置決め取付具の溝部分に填め込まれる前に既に塗布されていることもある。
【0014】
次に、基板表面の外周部分の少なくとも選択された部分がエラストマー部材を保持する溝部分上に延在して配置されるように、基板材料を取付具上に載置する。
【0015】
もし仮に接着材料がエラストマー部材に予め塗布されていなかったならば、上述のように、溝部分上に配置される基板の外周部分の少なくとも一部に接着材料を塗布することもできたであろう。エラストマー部材と基板とが固着されるように必然的に溝部分の開口部に面した基板の表面の一部分に接着材料を塗布することになったであろう。
【0016】
所定の時間になったら負の空気圧を解除し、エラストマー部材または装置を上昇させるのに十分な力で前述の通路から正の空気圧を加え、エラストマー部材を溝部分外に保持して溝部分に延在する基板の周辺部分に接着密着させる。
【0017】
所定の時間が経過したら、正の空気圧を解除し、エラストマー部材が固着した基板を取付具から取り外す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1に示すように、本発明は、アルミニウム、木、鋼、エポキシ、シリコーン、ある一定のウレタンなどの耐熱性材料からなる取付具であって、内部に溝部分12が形成された取付具10を提供する。溝部分12は、そのような溝部分に填め込まれることになる成形エラストマー部材の形状をなすことができる。溝部分12には、好適にはそのような溝部分12の底部に、正の空気圧源28または負の空気圧源30(図示せず)との連通を可能にする通路22を形成する。
【0019】
或いは、図1Aに示すような矩形の溝部分を取付具10に形成することもできる。この溝部分は、取り外し可能な成形型14を受容することができる。成形型14の下側部分16は、取付具の溝部分12に填め込まれ、上側部分18は、溝部分12の深さを超えて延在し、予成形されたガスケットの外形形状に合わせて形成された表面20を有する。取付具10の全厚にわたって孔23を形成し、空気圧の供給源(図示せず)と取り外し可能な成形型14との間で正の空気圧28の連通または負の空気圧30の連通(即ち真空を形成する)を可能にする。
【0020】
取り外し可能な成形型14は、硬いであるが成形が容易な材料、例えば良好な「回復」特性を有する高分子材料、好適には押出成形されたシリコーン材料で製作することができる。
【0021】
その概略が図2に、詳細な外形が図3に示されている成形エラストマー部材24を、手で、またはロボット等の電気機械装置(図示せず)によって、上述した取付具10の溝部分12に填め込む。エラストマー部材24はガスケットであるのが好ましいが、デュロメーター硬度の異なる材料から製作された部分を有するガスケットであるのがより好ましい。エラストマー部材24は、図4に模式的に示すような空気式手段によって、好適にはエラストマー部材24に真空をかけることによって、溝部分12中の所望の位置に保持される。図1A、図4、図6に示すように、ウレタン、アクリル接着剤またはホットメルト粘着剤などの適切な液体接着剤26をエラストマー部材24に塗布することができる。或いは、テープの両面に接着剤が付いた接着テープをエラストマー部材24に貼ることもある。
【0022】
図6に示すように、基板32、好適にはガラス基板、最も好適には自動車ウィンドウガラスに適した形状に製作されたガラス基板を、手で、または電気機械的手段によって、上述した取付具10に載置する。
【0023】
接着促進プライマ34は、例えばダウ・オートモーティブ社(Dow Automotive, Ashland Chemical and Lord Chemical)製のシランプライマであるのが好ましく、ガスケットなどのエラストマー部材24が取り付けられる基板32の部分に塗布されるのが好ましい。
【0024】
また、エラストマー部材24を取付具10の溝部分12に載置する前に、例えば両面接着テープをエラストマー部材24の上面部分に貼ることも本発明の範囲に含まれる。取付具10の溝部分12にエラストマー部材24を載置した後にエラストマー部材24に接着材料、例えば両面接着テープを貼るのではなく、むしろ取付具10上に基板材料32を載置する前に基板材料32に貼ることも可能であった。
【0025】
両面接着テープを用いてエラストマー部材24を基板32に接着させるのであれば、基板への接着促進プライマの塗布が不要になることもある。接着促進プライマ34が必要なくなれば、材料費、労務費、プロセスサイクル時間の低減に資することになろう。
【0026】
現在知られている限りにおいては、液体接着剤26を使用するのであれば、エラストマー部材24または基板材料への、好適には、そのような基板材料32がガラスであれば基板材料32への、接着促進プライマ34の塗布が必要になる。
【0027】
図6に示すように、ガスケット24が取り付けられる基板32の部分が、形成ガスケット24が填め込まれた上述した取付具10の溝部分12の真上に配置されるように、基板32を取付具10上に配置する。その後、取付具10の溝部分12の底部の通路22から導入されかつそのような取付具の孔23を伝わる正の空気圧28をガスケット24に加えることによって、ガスケット24を基板32に接着密着させる。
【0028】
正の空気圧28を用いてガスケット24を基板32に密着させるのに代えて、或いはそれに加えて、図7及び8に示すように1若しくは複数の膨張式空気袋36を用いて、ガスケット24を基板32に接着密着させることができる。取付具10の溝部分12に配置されるそのような膨張式空気袋36は、そのような溝部分12の全部または一部を占有し得る。そのような膨張式空気袋36は、均一な接着を達成するのが困難であるような場所、例えば隅などガスケット24が比較的きつい角度をなすような場所で用いられるのが好ましい。
【0029】
この方法で取り付けられたガスケット24と基板32とは、片面封止組立体(図10を参照)を形成する。これは、接着剤が硬化したら、例えば自動車などの開口部に取り付けるのに適している。硬化が適切であれば、ガスケット24は、基板32に事実上永久に取り付けられることになる。
【0030】
図3に示すように、硬度の比較的高い材料、例えばショアA80乃至ショアD40のデュロメーター硬度を有する材料を含む第1の部分38と、ショアA40乃至70のデュロメーター硬度を有しかつ特定の「きしみ音防止」特性を有するより硬度の低い材料を含む第2の部分40とを有するような、熱可塑性エラストマー材料(TPE)とから成形ガスケット24を構成することができる。そのような材料の組合せは例えばポリ塩化ビニル(PVC)とアルクリン(登録商標)であるが、任意の適切な比較的硬いの高分子材料と任意の押出成形可能な軟らかい高分子材料とを組み合わせて用いることが可能である。
【0031】
特許法に従って本発明のベストモードが何であるかがわかるように本発明について記載したが、本明細書中に記載されている本発明の精神及び範囲から逸脱しない他のモードで本発明を実行できることは、当業者であればわかることである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ガスケットが填め込まれる代表的な予形成溝部分の等角図である。
【図1A】取り外し可能な成形型を含む矩形の溝部分を有する取付具にエラストマー部材が載置されているときの断面図である。
【図2】取付具に填め込まれる成形ガスケットの等角図である。
【図3】図2の成形ガスケットの断面図である。
【図4】ガスケットがその中の溝部分に填め込まれ、填め込まれたガスケットに真空が加えられている様子を示している、図1の取付具の断面図である。
【図5】ガスケットが填め込まれ、真空が解除され、正の空気圧が加えられて溝部分からガスケットを持ち上げている、図4の取付具の断面図である。
【図6】溝部分から持ち上げられ、取付具に載置された基板に接着されているガスケットを示す。
【図7】溝部分にガスケットが填め込まれ、その下に空気が抜けた状態の膨張式空気袋があるような図1の取付具を示す。
【図8】空気袋が膨脹した状態で、溝部分内でガスケットを押し上げているような図7の取付具を示す。
【図9】基板材料と、基板の1つの主表面に粘着して接着されているガスケットを示す。
【図10】基板材料と、基板の主表面及び端部に粘着して接着されているガスケットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓とガスケットとの組立体を製造する方法であって、
所定の形状の溝部分が内部に形成され、前記溝部分が、正または負の圧力下で、気体または混合気体の供給源との気体連通を可能にする1若しくは複数の通路を含むような位置決め取付具を提供する過程と、
前記溝部分にエラストマー部材を填め込む過程と、
基板材料を、前記エラストマー部材の上方に配置されるように前記取付具上に載置する過程と、
(a)前記部材が前記溝部分にある間に前記エラストマー部材の少なくとも一部に、または、(b)前記基板が前記エラストマー部材の上方に配置されている間に前記基板の少なくとも一部に、接着材料を塗布する過程と、
前記エラストマー部材を前記溝部分から正のガス圧によって移動させ、前記エラストマー部材の前記表面を前記基板材料の1若しくは複数の外周部分に接着密着させる過程と、
前記取付具から前記組立体を取り外す過程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記位置決め取付具に形成された前記所定の形状の前記溝部分が、自動車ウィンドウの外周の形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エラストマー部材を前記溝部分に保持するために真空を加える手段が提供され、
真空が、前記エラストマー部材が前記溝部分に載置されるときに前記エラストマー部材に加えられることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記成形エラストマー部材が、ガスケットを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基板材料が、ガラスを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記基板材料が、プラスチックを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記基板の外周部分の少なくとも一部に接着促進プライマが塗布されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記接着促進プライマが、シラン材料からなることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ガスケットに塗布される前記接着材料が、多成分系ウレタン接着剤を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記接着材料が、両面接着テープを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記ガスケットへの真空が解除され、前記ガスケットを前記溝部分から持ち上げるのに十分な正の空気圧が前記ガスケットに加えられることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記ガスケットへの真空が解除され、
前記溝部分の少なくとも一部に配置された膨張式空気袋が膨脹させられて前記ガスケットを前記溝部分から持ち上げることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項13】
ガスケットを自動車ウィンドウに取り付ける方法であって、
所定の形状の溝部分が内部に形成され、前記溝部分が窓の外周の形状をなすような位置決め取付具を提供する過程と、
前記溝部分に成形エラストマーガスケットを填め込む過程と、
前記溝部分の1若しくは複数の通路を介して前記ガスケットに真空を加える過程と、
表面上に接着促進プライマが塗装されたガラス製の自動車ウィンドウを、前記エラストマーガスケットの上方に配置されるように前記取付具上に載置する過程と、
前記ガスケットの少なくとも一部に接着剤を塗布する過程と、
真空を解除し、前記1若しくは複数の通路を介して前記ガスケットへ前記ガスケットを前記溝部分から持ち上げるのに十分な圧力で正の空気圧を加え、前記自動車ウィンドウの1若しくは複数の周辺部分に接着密着するようにする過程と、
前記取付具から前記組立体を取り外す過程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記成形エラストマーガスケットが、前記溝部分に手で填め込まれることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記成形エラストマーガスケットが、前記溝部分に電気機械装置によって填め込まれることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
自動車ウィンドウが、前記取付具上に手で載置されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
自動車ウィンドウが、前記取付具上に電気機械装置によって載置されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ガスケットに塗布される接着剤が、両面接着テープを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記ガスケットに塗布される接着剤が、多成分系ウレタンを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記ガスケットが取り付けられた前記自動車ウィンドウが、前記取付具から手で取り外されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記ガスケットが取り付けられた前記自動車ウィンドウが、前記取付具から電気機械装置によって取り外されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項22】
ソーラーコントロール特性を有するガラス窓と、
熱可塑性エラストマー材料から製造された成形ガスケットとを含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法によって製造される窓とガスケットとの組立体。
【請求項23】
窓とガスケットとの組立体を製造する方法であって、
所定の形状の溝部分が内部に形成された位置決め取付具を提供する過程と、
接着材料が塗布されたエラストマー部材を前記溝部分に填め込む過程と、
少なくとも一部に接着促進プライマが塗装された基板材料を、前記エラストマー部材の上方に配置されるように前記取付具上に載置する過程と、
前記接着材料が塗布された前記エラストマー部材の前記表面を前記基板材料の1若しくは複数の周辺部分に接着密着させるようにするべく、前記エラストマー部材を前記溝部分から上向きに持ち上げる過程と、
前記取付具から前記組立体を取り外す過程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
窓とガスケットとの組立体を製造する方法であって、
所定の形状の溝部分が内部に形成された位置決め取付具を提供する過程と、
前記溝部分にエラストマー部材を填め込む過程と、
少なくとも一部に接着材料が塗装された基板材料を、前記エラストマー部材の上方に配置されるように前記取付具上に載置する過程と、
前記エラストマー部材の前記表面を前記接着材料が塗布された前記基板材料の1若しくは複数の周辺部分に接着密着させるようにするべく、前記エラストマー部材を前記溝部分から移動させる過程と、
前記取付具から前記組立体を取り外す過程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
硬い高分子部分と軟らかい高分子部分とを含む単一のエラストマー部材。
【請求項26】
前記硬い高分子部分が熱可塑性エラストマー材料を含み、
前記軟らかい高分子部分が押出成形可能な高分子材料を含むことを特徴とする請求項25のエラストマー部材。
【請求項27】
前記硬い高分子部分が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンを含む群から選択されたものを含むことを特徴とする請求項26のエラストマー部材。
【請求項28】
押出成形可能な軟らかい高分子部分が、アルクリン、TPE及び熱可塑性加硫物、PVCを更に含む群から選択されたものを含むことを特徴とする請求項27のエラストマー部材。
【請求項29】
前記硬い高分子部分が、ショアA80乃至ショアD40のデュロメーター硬度を有し、
軟らかい高分子部分が、ショアA40乃至70のデュロメーター硬度を有することを特徴とする請求項24のエラストマー部材。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓とガスケットとの組立体を製造する方法であって、
所定の形状の溝部分が内部に形成され、前記溝部分が、正または負の圧力下で、気体または混合気体の供給源との気体連通を可能にする1若しくは複数の通路を含むような位置決め取付具を提供する過程と、
前記溝部分にエラストマー部材を填め込む過程と、
基板材料を、前記エラストマー部材の上方に配置されるように前記取付具上に載置する過程と、
(a)前記部材が前記溝部分にある間に前記エラストマー部材の少なくとも一部に、または、(b)前記基板が前記エラストマー部材の上方に配置されている間に前記基板の少なくとも一部に、接着材料を塗布する過程と、
前記エラストマー部材を前記溝部分から正のガス圧によって移動させ、前記エラストマー部材の前記表面を前記基板材料の1若しくは複数の外周部分に接着密着させる過程と、
前記取付具から前記組立体を取り外す過程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記位置決め取付具に形成された前記所定の形状の前記溝部分が、自動車ウィンドウの外周の形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エラストマー部材を前記溝部分に保持するために真空を加える手段が提供され、
真空が、前記エラストマー部材が前記溝部分に載置されるときに前記エラストマー部材に加えられることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記成形エラストマー部材が、ガスケットを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基板材料が、ガラスを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記基板材料が、プラスチックを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記基板の外周部分の少なくとも一部に接着促進プライマが塗布されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記接着促進プライマが、シラン材料からなることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ガスケットに塗布される前記接着材料が、多成分系ウレタン接着剤を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記接着材料が、両面接着テープを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記ガスケットへの真空が解除され、前記ガスケットを前記溝部分から持ち上げるのに十分な正の空気圧が前記ガスケットに加えられることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記ガスケットへの真空が解除され、
前記溝部分の少なくとも一部に配置された膨張式空気袋が膨脹させられて前記ガスケットを前記溝部分から持ち上げることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項13】
ガスケットを自動車ウィンドウに取り付ける方法であって、
所定の形状の溝部分が内部に形成され、前記溝部分が窓の外周の形状をなすような位置決め取付具を提供する過程と、
前記溝部分に成形エラストマーガスケットを填め込む過程と、
前記溝部分の1若しくは複数の通路を介して前記ガスケットに真空を加える過程と、
表面上に接着促進プライマが塗装されたガラス製の自動車ウィンドウを、前記エラストマーガスケットの上方に配置されるように前記取付具上に載置する過程と、
前記ガスケットの少なくとも一部に接着剤を塗布する過程と、
真空を解除し、前記1若しくは複数の通路を介して前記ガスケットへ前記ガスケットを前記溝部分から持ち上げるのに十分な圧力で正の空気圧を加え、前記自動車ウィンドウの1若しくは複数の周辺部分に接着密着するようにする過程と、
前記取付具から前記組立体を取り外す過程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記成形エラストマーガスケットが、前記溝部分に手で填め込まれることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記成形エラストマーガスケットが、前記溝部分に電気機械装置によって填め込まれることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
自動車ウィンドウが、前記取付具上に手で載置されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
自動車ウィンドウが、前記取付具上に電気機械装置によって載置されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ガスケットに塗布される接着剤が、両面接着テープを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記ガスケットに塗布される接着剤が、多成分系ウレタンを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記ガスケットが取り付けられた前記自動車ウィンドウが、前記取付具から手で取り外されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記ガスケットが取り付けられた前記自動車ウィンドウが、前記取付具から電気機械装置によって取り外されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項22】
窓とガスケットとの組立体を製造する方法であって、
所定の形状の溝部分が内部に形成された位置決め取付具を提供する過程と、
接着材料が塗布されたエラストマー部材を前記溝部分に填め込む過程と、
少なくとも一部に接着促進プライマが塗装された基板材料を、前記エラストマー部材の上方に配置されるように前記取付具上に載置する過程と、
前記接着材料が塗布された前記エラストマー部材の前記表面を前記基板材料の1若しくは複数の周辺部分に接着密着させるようにするべく、前記エラストマー部材を前記溝部分から上向きに持ち上げる過程と、
前記取付具から前記組立体を取り外す過程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
窓とガスケットとの組立体を製造する方法であって、
所定の形状の溝部分が内部に形成された位置決め取付具を提供する過程と、
前記溝部分にエラストマー部材を填め込む過程と、
少なくとも一部に接着材料が塗装された基板材料を、前記エラストマー部材の上方に配置されるように前記取付具上に載置する過程と、
前記エラストマー部材の前記表面を前記接着材料が塗布された前記基板材料の1若しくは複数の周辺部分に接着密着させるようにするべく、前記エラストマー部材を前記溝部分から移動させる過程と、
前記取付具から前記組立体を取り外す過程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項1に記載の方法に適したガスケットであって、
ショアA80乃至ショアD40のデュロメーター硬度を有する第1の高分子材料を含む第1の部分と、
ショアA40乃至70のデュロメーター硬度を有する第2の高分子材料を含む第2の部分とを含むことを特徴とするガスケット。
【請求項25】
外周部分の少なくとも一部に沿って予成形ガスケットが取り付けられたガラス窓を含む窓とガスケットとの組立体であって、前記予成形ガスケットが、
ショアA80乃至ショアD40のデュロメーター硬度を有する第1の高分子材料を含む第1の部分と、
ショアA40乃至70のデュロメーター硬度を有する第2の高分子材料を含む第2の部分とを含むことを特徴とする窓とガスケットとの組立体。
【請求項26】
窓とガスケットとの組立体を製造する方法であって、
所定の形状の溝部分が内部に形成され、前記溝部分が、正または負の圧力下で、気体または混合気体の供給源との連通を可能にする1若しくは複数の通路を含むような位置決め取付具を提供する過程と、
前記溝部分にエラストマー部材を填め込む過程と、
透明な基板材料を、前記エラストマー部材に関連する所定の位置に配置されるように前記取付具上に載置する過程と、
前記エラストマー部材を前記透明な基板材料に粘着して接着させ、窓とガスケットとの組立体を形成する過程と、
前記取付具から前記組立体を取り外す過程とを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−525153(P2006−525153A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509795(P2006−509795)
【出願日】平成16年4月7日(2004.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/010759
【国際公開番号】WO2004/094173
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(502098020)ピルキングトン・ノースアメリカ・インコーポレイテッド (18)
【Fターム(参考)】