説明

払い出し貯留装置及び遊技機

【課題】エンプティエラーとメダル詰まりエラーが同時発生することがない払い出し貯留装置を提供する。
【解決手段】検知部55がメダルの通過終了を検知したことを条件に検知間隔時間の測定を開始し、検知部55がメダルの通過を検知した場合には検知間隔時間の測定を終了するとともに、メダルの通過を検知しないまま検知間隔時間の測定が終了した場合には、検知間隔時間測定終了信号を出力可能な時計測手段143を設け、エラー判定手段145は、時計測手段143が検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、メダルを検知しない場合にはエラー信号を出力して駆動装置53の駆動を停止させ、メダルを検知した場合には、前記エラー信号を出力せず、駆動装置53の駆動を続行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メダルを貯留するとともに払い出すための払い出し貯留装置のエラー判定制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンなどのメダル遊技機では、遊技機内部に設けられた払い出し貯留装置(ホッパー装置)のメダル詰まりやメダル切れを検知するため、払い出し貯留装置から払い出されるメダルを検知するための検知部(払い出しセンサ)の検知信号(センサのON/OFF)を監視することが行われている(特許文献1参照)。
ここで、一般的なエラー検知方法としては、検知部がずっとONになっている場合には払い出し貯留装置の出口にメダルが詰まっているものと判断し、また払い出し貯留装置が作動している(ホッパーモータが駆動している)のに検知部がずっとOFFになっている場合にはメダルが無くなったものと判断し、それぞれ所定のエラー表示を行わせるとともに、払い出し貯留装置の作動を停止させるようにすることができる。
【特許文献1】特開2004−57426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、メダル孔を有する送り出し円板を用いた回転ディスク式ホッパーの場合、メダルを貯留する貯留部にメダルが残り少なくなると、送り出し円板のメダル孔にはメダルが嵌っていないものが発生する。このような場合、メダル検知の間隔が開いて、エンプティエラーと判定されるのであるが、一定時間メダル検知が無くても、送り出し円板の回転によりメダルが嵌っているメダル孔がメダル出口に移動してくれば、再びメダルの払い出しが行われる場合があり得る。このとき、エンプティエラー検出のタイミングによっては、メダルが払い出されているのにエンプティエラーの判定が行われ、メダル払い出し途中でホッパーモータが駆動停止してしまうことがある。このため、払い出し途中のメダルが検知部の位置に滞留したままとなり、メダルを補給するなどしてエンプティエラーを解消した途端に、今度はメダル詰まりエラーが発生する、といった事象が発生し、遊技者やホールの店員を煩わせていた。
【0004】
そこで、各請求項に記載の発明は、上記したような問題点を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、エンプティエラーとメダル詰まりエラーが同時発生することがない払い出し貯留装置又は当該払い出し貯留装置を備えた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、メダルを貯留するための貯留部(メダルタンク51)と、貯留部(51)に貯留されているメダルを一枚ずつ排出するためのメダル送り装置(送り出し円板52)と、前記メダル送り装置(52)を作動させるための駆動装置(ホッパーモータ53)と、前記メダル送り装置(52)から排出されるメダルの通過を検知する検知部(払い出しセンサ55)と、所定の払い出し要請信号及び前記検知部(55)の検知信号に基づいて、前記駆動装置(53)の駆動を制御するための払い出し制御手段(ホッパー制御手段140)とを少なくとも備える払い出し貯留装置(ホッパーユニット50)に係る。
【0006】
本発明は、スロットマシンなどの遊技機に内蔵される払い出し貯留装置(50)である。
ここで、前記メダル送り装置(52)は、送り出し円板を駆動モータで回転させる回転ディスク式のメダル送り装置とすることができるが、これに限られるものではなく、貯留部(51)に貯留されているメダルを一枚ずつ排出可能なものであれば、いかなる形態のものであっても構わない。前記検知部(55)は、メダルの通過を検知可能なセンサであって、遮光センサ、接触センサなどその種類は問わない。
また、「払い出し制御手段」は、払い出し貯留装置(50)の作動を制御するための制御基板であって、本発明では払い出し貯留装置(50)に設けられている。
【0007】
「払い出し要請信号」とは、駆動装置(53)を駆動させるための信号であって、例えば遊技機の制御装置(20)や操作手段(例えば精算スイッチ)から出力される信号を含むものである。
また、本発明においては、前記払い出し制御手段(140)は、前記検知部(55)のメダル検知に関わる時間を測定するための時計測手段(タイマー手段143)と、前記払い出し要請信号の出力にかかわらず前記駆動装置(53)を駆動停止させるためのエラー信号を出力可能なエラー判定手段(145)とを少なくとも備え、前記時計測手段(143)は、前記検知部(55)がメダルの通過終了を検知した場合に予め定められた検知間隔時間の測定を開始し、前記検知部(55)が次のメダルの通過を検知した場合には前記検知間隔時間の測定を終了するとともに、前記検知部(55)が次のメダルの通過を検知しないまま前記検知間隔時間の測定が終了した場合には、検知間隔時間測定終了信号(タイムアップ信号)を出力可能に形成されている。さらに、本発明では、前記エラー判定手段(145)は、前記時計測手段(143)が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記駆動装置(53)が駆動している状態で前記検知部(55)がメダルの通過を検知しない場合には、エンプティエラーに係るエラー信号を出力して前記駆動装置(53)の駆動を停止させ、前記時計測手段(143)が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記検知部(55)がメダルの通過を検知した場合には、前記エラー信号を出力せず、前記駆動装置(53)の駆動を続行させることを特徴とする。
【0008】
ここで、「検知部(55)のメダル検知に関わる時間」とは、検知部(55)がメダルを検知している時間又は検知していない時間のことであり、具体的には検知部(55)がON又はOFFとなっている時間、ON/OFFの間隔、ONからONまでの間隔、OFFからOFFまでの間隔を含むものである。
前記「検知間隔時間」は、エンプティエラーを検知するためのエンプティエラー検出タイムである。そして、時計測手段(143)が「検知部(55)がメダルの通過終了を検知したことを条件に」時計測を開始するとは、具体的には、検知部(55)がONからOFFになった「立ち下がり」を検知することにより時計測を開始するということであり、「メダルの通過を検知した場合」には、立ち下がり検知後に次の立ち下がりを検知した場合と、検知部(55)がOFFからONになった「立ち上がり」を検知した場合の双方を含む。
【0009】
またここで、エラー判定手段(145)が「払い出し要請信号の出力にかかわらず前記駆動装置(53)を駆動停止させる」とは、駆動装置(53)を駆動させるための払い出し要請信号よりもエラー信号による駆動停止信号の方が優先され、駆動装置(53)を駆動停止させることができるという意味である。また、「駆動装置(53)の駆動を続行させる」とは、エラー信号を出力せず、払い出し要請信号に基づく駆動装置(53)の駆動を妨げないことを含むものである。
なお、前記時計測手段(143)は、検知間隔時間以外の時間を計測可能であってもかまわない。また、エラー判定手段(145)は、エンプティエラー以外のエラー、例えばメダル詰まりエラーを判定可能であってもよい。
【0010】
(作用)
本発明においては、駆動装置(53)が駆動開始し、メダル送り装置(52)によって貯留部(51)のメダルが送り出されると、検知部(55)が送り出されたメダルを検知する。この検知信号は、メダルの通過に伴ってON/OFFを繰り返すものとなるが、時計測手段(143)は、検知部(55)がOFFとなってから所定の検知間隔時間(例えば2.5秒)を測定する。
そして、時計測手段(143)の測定値が検知間隔時間に達して、検知間隔時間測定終了信号が出力された場合には、エラー判定手段(145)は、すぐさまエラー信号を出力するのではなく、今一度、検知部(55)がメダルの通過を検知していないかどうかを確認する。この確認時にメダルが検知されていなければ、すなわち検知部(55)がONになっていなければ、はじめてエンプティエラーのエラー信号を出力する。
【0011】
なお、エラー判定手段(145)は、検知間隔時間測定終了信号が出力されたことを条件にエラーの判定を行うが、検知部(55)がメダルを検知しているかどうかを確認するまではエラー信号の出力を留保し、検知部(55)がメダルを検知していないと確認したらエラー信号を出力し、検知部(55)がメダルを検知した場合にはエラー判定をキャンセルする用に形成することができる。あるいは、エラー判定手段(145)は、検知間隔時間測定終了信号の出力によってはエラーの判定を行わず、検知部(55)がメダルを検知していないと確認したらエラーの判定を行い、エラー信号を出力するようにしてもよい。
本発明によれば、駆動装置(53)の駆動中にメダルの払い出しが一定時間無く、エンプティエラーによって払い出し貯留装置(50)の作動を停止させようとする際、メダルが払い出されていないか、再度確認することにより、駆動装置(53)の駆動停止時に、メダルが検知部(55)に検知される位置に止まったままになってしまう事態を防ぐことができる。このため、検知部(55)がメダルを一定時間検知しているとメダル詰まりエラーの判定がされるように形成されていた場合でも、エンプティエラーを解除した直後にメダル詰まりエラーが発生するという不都合を無くすことができる。また、メダルの払い出し途中で駆動装置(53)の駆動を停止させることがない(メダルが完全に検知部(55)を通過してから払い出し貯留装置(50)の作動が停止する)ので、検知部(55)の摩耗損傷を押さえることができる。
【0012】
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、当選か否かの当選判定の抽選を行うための当選抽選手段(110)、前記当選抽選手段(110)の抽選結果に基づいて、遊技機が予め定められた入賞の態様になった場合に、所定の払い出し要請信号を出力可能な入賞判定手段(130)とを少なくとも有する制御装置(20)を備えるとともに、メダルを貯留するための貯留部(51)と、貯留部(51)に貯留されているメダルを一枚ずつ排出するためのメダル送り装置(52)と、前記メダル送り装置(52)を作動させるための駆動装置(53)と、前記メダル送り装置(52)から排出されるメダルの通過を検知する検知部(55)と、前記入賞判定手段(130)からの払い出し要請信号及び前記検知部(55)の検知信号に基づいて、前記駆動装置(53)の駆動を制御するための払い出し制御手段(140)とを少なくとも備える払い出し貯留装置(40)を少なくとも備えた遊技機に係る。
【0013】
そして、前記払い出し制御手段(140)は、前記検知部(55)のメダル検知に関わる時間を測定するための時計測手段(143)と、前記払い出し要請信号の出力にかかわらず前記駆動装置を駆動停止させるためのエラー信号を出力可能なエラー判定手段(145)とを少なくとも備え、前記時計測手段(143)は、前記検知部(55)がメダルの通過終了を検知した場合に予め定められた検知間隔時間の測定を開始し、前記検知部が次のメダルの通過を検知した場合には前記検知間隔時間の測定を終了するとともに、前記検知部が次のメダルの通過を検知しないまま前記検知間隔時間の測定が終了した場合には、検知間隔時間測定終了信号を出力可能に形成され、前記エラー判定手段(145)は、前記時計測手段が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記駆動装置(53)が駆動している状態で前記検知部(55)がメダルの通過を検知しない場合には、エンプティエラーに係るエラー信号を出力して前記駆動装置(53)の駆動を停止させ、前記時計測手段(143)が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記検知部(55)がメダルの通過を検知した場合には、前記エラー信号を出力せず、前記駆動装置(53)の駆動を続行させるように形成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明は、請求項1に記載の払い出し貯留装置(50)を備えた遊技機である。本発明に係る遊技機は、スロットマシンなどのメダル遊技機に適しており、遊技機としては、上記構成の他に、複数の図柄を表示した回転リール(40)を有するリールユニット(60)などの遊技装置や、遊技装置を作動させるための操作スイッチ(スタートスイッチ18等)などを有していてもよい。
ここで、「遊技機が予め定められた入賞の態様になった場合」とは、例えば遊技機の搭載する複数の回転リール(40)に表示された図柄の配列が所定の配列で停止した場合とすることができる。
【0015】
本発明によれば、払い出し貯留装置(50)のエンプティエラーを解除した直後にメダル詰まりエラーが発生することのない遊技機を提供することができる。また、本発明によれば、遊技機の制御装置(20)が上記したような払い出し制御手段(140)を有していなくても、本発明に係る払い出し貯留装置(50)を遊技機に設置するだけで、上記効果を得ることができる。すなわち、遊技機の制御装置(20)のメモリー容量を節約することができる。
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0016】
すなわち、請求項3記載の発明は、メダルを貯留するための貯留部(51)、貯留部(51)に貯留されているメダルを一枚ずつ排出するためのメダル送り装置(52)、前記メダル送り装置(52)を作動させるための駆動装置(53)、前記メダル送り装置(52)から排出されるメダルの通過を検知する検知部(55)とを少なくとも有する払い出し貯留装置(50)を備え、当選か否かの当選判定の抽選を行うための当選抽選手段(110)、前記当選抽選手段(110)の抽選結果に基づいて、遊技機が予め定められた入賞の態様になった場合に、前記払い出し貯留装置(50)に所定の払い出し要請信号を出力可能な入賞判定手段(130)、前記払い出し要請信号及び前記検知部(55)の検知信号に基づいて、前記駆動装置(53)の駆動を制御するための払い出し制御手段(140)とを少なくとも有する制御装置(20)を備えた遊技機に係る。
【0017】
そして、前記制御装置(20)は、前記検知部(55)のメダル検知に関わる時間を測定するための時計測手段(143)と、前記払い出し要請信号の出力にかかわらず前記駆動装置(53)を駆動停止させるためのエラー信号を出力可能なエラー判定手段(145)とを少なくとも備え、前記時計測手段(143)は、前記検知部(55)がメダルの通過終了を検知した場合に予め定められた検知間隔時間の測定を開始し、前記検知部(55)が次のメダルの通過を検知した場合には前記検知間隔時間の測定を終了するとともに、前記検知部(55)が次のメダルの通過を検知しないまま前記検知間隔時間の測定が終了した場合には、検知間隔時間測定終了信号を出力可能に形成され、前記エラー判定手段(145)は、前記時計測手段(143)が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記駆動装置(53)が駆動している状態で前記検知部(55)がメダルの通過を検知しない場合には、エンプティエラーに係るエラー信号を出力して前記駆動装置(53)の駆動を停止させ、前記時計測手段(143)が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記検知部(55)がメダルの通過を検知した場合には、前記エラー信号を出力せず、前記駆動装置(53)の駆動を続行させるように形成されていることを特徴とする。
【0018】
本発明は、払い出し貯留装置(50)の作動を制御する払い出し制御手段(140)を、遊技機全体の作動を制御するための制御装置(20)に備えている遊技機に係る。
本発明によれば、請求項1及び2記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。また、本発明によれば、遊技機に設置される払い出し貯留装置(50)が特別な構成を有していなくても、遊技機の制御装置(20)を交換することによって、上記したような効果を得ることができる。
(請求項4)
(特徴点)
請求項4記載の発明は、上記した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0019】
すなわち、請求項4記載の発明は、前記時計測手段(143)として、前記検知間隔時間を測定するための検知間隔時間計測手段(エンプティエラー検出タイマー143b)と、前記検知部(55)がメダルの通過開始を検知したことを条件に、予め定められた検知継続時間の測定を開始し、前記検知部(55)がメダルの通過終了を検知した場合には前記検知継続時間の測定を終了するとともに、前記検知部(55)がメダルの通過終了を検知しないまま前記検知継続時間の測定が終了した場合には、検知継続時間測定終了信号を出力可能な検知継続時間計測手段(詰まり検出タイマー143a)とを設け、前記エラー判定手段(145)は、前記検知継続時間計測手段(143a)が前記検知継続時間測定終了信号を出力した場合には、メダル詰まりエラーに係るエラー信号を出力し、前記検知間隔時間計測手段(143b)が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記検知部(55)がメダルの通過を検知しない場合には、エンプティエラーに係るエラー信号を出力し、前記検知間隔時間計測手段(143b)が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記検知継続時間計測手段(143a)が検知継続時間測定終了信号を出力した場合には、メダル詰まりエラーに係るエラー信号を出力することを特徴とする。
【0020】
本発明は、払い出し貯留装置(50)又は遊技機に搭載されている払い出し制御手段(140)を限定したものである。そして本発明は、検知部(55)がメダルを一定時間検知しているとメダル詰まりエラーの判定がされるように形成したものであって、エンプティエラーに係るエラー信号を出力しようとするときに、メダル詰まりエラーだと判断された場合には、メダル詰まりエラーに係るエラー信号を優先的に出力するようにしたものである。
本発明によれば、残りメダルが少ないのとメダル詰まりとが同時に発生した場合、メダル詰まりを直すために払い出し貯留装置(50)を点検すれば、残りメダルが少ないことも同時に確認でき、ついでにメダル補給を行うこともできるので、一つのエラー報知をするだけで事足りる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、以上のように構成されているので、エンプティエラーとメダル詰まりエラーが同時発生することがない払い出し貯留装置又は当該払い出し貯留装置を備えた遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を表す好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(図面の説明)
図1乃至図13は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1はスロットマシン1の外観正面図、図2はスロットマシン1の入力、制御及び出力のブロック図、図3乃至図5はスロットマシン1の作動を示す流れ図、図6は払い出しセンサ55を示す図、図7乃至図13はホッパーユニットの作動及びエラー判定制御に関する流れ図である。
【0023】
(スロットマシン1)
スロットマシン1は、図1に示すように、正面側が開口する方形箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在かつロック可能な前扉10を有している。
前記筐体11の内部において、開口上部には3個の回転リール40を有するリールユニット60が設置され、開口下部には、メダルを貯留するとともに入賞時等にメダルを払い出すためのホッパーユニット50が設けられている。また、前記リールユニット60の上方には、スロットマシン1の全体の動作を制御するための制御装置20が配置されている。
前記前扉10の上方には、図1に示すように、遊技者側に向かって臨む上パネル12が形成されており、上パネル12の中央には、3個の回転リール40の図柄を視認可能な図柄表示窓13が形成されている。そして、この図柄表示窓13の下側は、スロットマシン1を作動させるための操作スイッチ類が設けられた操作部10Aとなっており、操作部10Aの右端にはメダル投入口14が設けられている。また、メダル投入口14の下方であって前扉10の裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター4が設けられている。
【0024】
さらに、前扉10の下部には、ホッパーユニット50から払い出されるメダルを排出するためのメダル払い出し口10Cと、メダル払い出し口10Cから排出されたメダルを受け入れる下皿10Bが形成されている。なお、特に図示しないが、前扉10の裏面には、メダルセレクター4からキャンセルされるメダル及びホッパーユニット50から払い出されるメダルを前記メダル払い出し口10Cに誘導するための中空箱形のメダル通路が設けられている。
(制御装置20)
制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、一個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、遊技制御装置21及び演出制御装置22を構成する。
【0025】
遊技制御装置21は、主としてスロットマシン1の遊技に関わる制御を行うためのものである。また演出制御装置22は、前記遊技制御装置21からの諸信号を受信して、主として遊技に付随する演出を制御するためのものである。
(入力段)
上記制御装置20の入力段には、図2に示すように、次のパーツが接続されている。
(1)投入スイッチ15
(2)ベットスイッチ16
(3)精算スイッチ17
(4)スタートスイッチ18
(6)ストップスイッチ19
(7)払い出しセンサ55
なお、入力段としては、上記した(1)乃至(7)のパーツに限定されるものではない。
【0026】
(投入スイッチ15)
投入スイッチ15は、図1に示すように、メダルセレクター4に設けられた遮光センサなどの検知手段であって、メダル投入口14から投入されたメダルを検知するためのものである。
(ベットスイッチ16)
ベットスイッチ16は、図1に示すように、回転リール40の下方に位置するスイッチであって、クレジットメダルをメダル投入に代えるためのものである。ここで、クレジットとは、投入メダルを所定枚数、遊技機内部に貯留しておくことであり、クレジット数は、特に図示しないが上パネル12に設けられた所定のクレジット表示部に表示される。そして、ベットスイッチ16を操作するとクレジット表示が減算され、その分のメダルが投入されたものと扱われて遊技が開始可能となるものである。
【0027】
(精算スイッチ17)
精算スイッチ17は、図1に示すように、回転リール40の斜め下方に位置するスイッチであって、クレジットメダルを払い戻すためのものである。
(スタートスイッチ18)
スタートスイッチ18は、図1に示すように、回転リール40の斜め下方に位置するレバーであって、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の投入を条件に、または、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、リールユニット60のリールモータの駆動を開始させるためのものである。
【0028】
なお、ここで、「再遊技(Replay)」とは、入賞抽選手段110の抽選により、「再遊技(Replay)」のフラグが成立し、「再遊技(Replay)」の図柄が有効入賞ライン上に揃うことにより、次の遊技において、遊技メダルを新たに投入することなく、再度、遊技を行うことができるものである。
(ストップスイッチ19)
ストップスイッチ19は、リールユニット60のリールモータの駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ19は、図1に示すように、各回転リール40に対応した3個のスイッチから構成され、各回転リール40の下方に1個ずつ配置されているものである。そして、回転リール40に対応したストップスイッチ19の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止するように設定されているものである。
【0029】
(払い出しセンサ55)
払い出しセンサ55は、ホッパーユニット50のメダル排出口54(図1参照)の近傍に設けられた遮光センサなどの検知手段であって、ホッパーユニット50が払い出すメダルを検知するためのものである。
ここで、ホッパーユニット50は、図1に示すように、箱形のメダルタンク51の底部に、複数のメダル孔52A(図6参照)を有する送り出し円板52及び送り出し円板52を回転させるためのホッパーモータ53を備えており、ホッパーモータ53の駆動で送り出し円板52が回転することにより、メダル孔52Aに嵌入したメダルが順次1枚ずつメダル排出口54から排出されるようになっている。そして、払い出しセンサ55は、送り出し円板52とメダル排出口54の間に設けられており、メダルの通過を検出して、メダル排出を検知するようになっている。
【0030】
具体的には、図6に示すように、メダル排出口54と送り出し円板52の間にはカウントアーム57が設けられているとともに、送り出し円板52の底部には係止突起56が設けられている。また、メダル排出口54を挟んでカウントアーム57の対向側には、メダル押さえ58が設けられている。前記カウントアーム57は、固定軸57Cと、固定軸57Cに固定された略L字型の揺動板57Bと、揺動板57Bに固定された当接突起57Aとを有し、当接突起57Aがメダルの通過に伴い位置移動することにより揺動板57Bが固定軸57Cを中心に揺動するようになっている。そして、送り出し円板52のメダル孔52Aに嵌入して送り出し円板52の回転に伴い移動しているメダルは、係止突起56に当接すると移動を阻まれ、送り出し円板52の側面に設けられたメダル排出スリット(図示せず)から送り出し円板52の外側に押し出される。押し出されたメダルは、カウントアーム57の当接突起57Aを押し広げてメダル押さえ58と当接突起57Aの間を通過し、メダル排出口54へと排出される。この際、当接突起57Aの位置移動に伴う揺動板57Bの揺動を、払い出しセンサ55が検出するものである。
【0031】
以上のように形成されている払い出しセンサ55の検出信号は、メダルの直径部分の通過に伴い、一定のサイクルでON/OFFを繰り返すこととなる。この検出信号を後述するホッパー制御手段140で監視することにより、所定のエラーを検知することができるようになっている。
(出力段)
前記制御装置20の出力段には、図2に示すように、次のパーツが接続されている。
(1)リールユニット60(リールモータ)
(2)ホッパーユニット50(ホッパーモータ)
(3)表示装置70(画像表示部71、ランプ72、スピーカ73)
なお、出力段としては、上記した(1)乃至(3)のパーツに限定されるものではない。
【0032】
(リールユニット60)
リールユニット60は、枠体に固定或いは支持された3個のリールモータ(図示せず)と、各々のリールモータの出力軸に固定された3個の回転リール40とから構成されている。そして、各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、複数個(例えば21個)の図柄が表示されている。
(ホッパーユニット50)
ホッパーユニット50は、上述したように、ホッパーモータ53によって送り出し円板52を回転させることにより、メダルタンク51に貯留されているメダルを1枚ずつ払い出すためのものである。
【0033】
(表示装置70)
表示装置70は、後述する演出制御装置22の制御により、遊技者に入賞等を報知させるなど、種々の演出を行うものである。具体的には、表示装置70は、画像表示部71及びランプ72及びスピーカ73から構成されている。
画像表示部71は、図1に示すように、回転リール40の上方に設けられた窓部であり、LED、ドットマトリックス、液晶画面等を用いて、入賞の報知その他の演出を表示するためのものである。なお、画像表示部71としては上記のものに限られず、例えば演出専用の回転リールを設け、リールの図柄や文字等により演出を表示するようにしても良い。
【0034】
ランプ72及びスピーカ73は、発光体の点灯又は点滅、入賞音の発生により入賞等を報知するためのものである。
(遊技制御装置21)
次に、遊技制御装置21について、図2に基づき詳述する。
遊技制御装置21は、スタートスイッチ18及びストップスイッチ19の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。そして、この遊技制御装置21は、次の(1)乃至(6)の手段として機能する。
(1)通常遊技制御手段90
(2)特別遊技制御手段100
(3)当選抽選手段110
(4)リール制御手段120
(5)入賞判定手段130
(6)ホッパー制御手段140
なお、遊技制御装置21としては、上記した手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいても良い。
【0035】
(通常遊技制御手段90)
通常遊技制御手段90は、通常遊技を行わせるためのものである。
すなわち、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の押下を条件に、または、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、スタートスイッチ30を操作すると、リールユニット60が駆動され、3個の回転リール40が回転を開始する。
その後、ストップスイッチ50の1個を操作すると、当該対応する回転リール40の回転が停止する。そして、ストップスイッチ50を3個全て操作し終わると、3個の回転リール40の回転が全て停止する。このとき、表示窓12の入賞有効ライン上に、あらかじめ設定された図柄が停止すると、ホッパーユニット65を介して所定枚数のメダルが払い出される。なお、メダルを払い出す代わりに、クレジットしても良い。
【0036】
当選には、入賞により遊技メダルの払い出しを伴い、遊技者に利益を付与する小役当選と、この小役当選よりもさらに大きな利益を遊技者に付与する特別当選と、遊技メダルの払い出しは無いが、遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行うことができる「再遊技(Replay)」とを備えている。そして、その抽選結果がいずれかの役に当選となった場合、その当選に対応した当選フラグが成立する。そして、抽選結果が特別当選である場合に、特別当選フラグが成立し、この特別当選フラグ成立中に、リールユニット60の回転リール40の停止図柄の組み合わせが、あらかじめ定められた所定の特別当選図柄(例えば、入賞有効ライン上に「7」が3個揃うもの)と一致したことを条件に入賞し、遊技者に有利な特別遊技を行わせるように形成されている。一方、抽選により特別当選フラグが成立したが、回転リール40の停止図柄の組み合わせが特別当選図柄と一致していない場合には、それ以後の遊技に特別当選フラグ成立の権利が持ち越されるように設定されている。なお、小役の当選フラグは、当選フラグが成立した遊技で入賞させられない場合、当選フラグ成立の権利の次の遊技への持ち越しはない。
【0037】
また、いずれかの当選フラグが成立中に、対応する当選図柄を入賞有効ライン上に揃えることができるか否かは、回転リール40の回転速度が一定の場合、ストップスイッチ50のタイミングによるものである。具体的には、ストップスイッチ50を操作した後、190ms以内に回転リール40が停止するように設定されているため、ストップスイッチ50を操作した後、そのまま停止させるか、あるいは190ms以内に停止可能な回転リール40の円周上の引き込み可能図柄、例えば停止図柄から連続する4個の引き込み可能図柄の中に、対応する入賞図柄が含まれているような場合には、停止するまでの時間を遅らせて、回転リール40は入賞有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止する。一方、かかる4個の引き込み可能図柄の中に、対応する当選図柄が含まれていないような場合には、入賞有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止することができない。
【0038】
(特別遊技制御手段100)
特別遊技制御手段100は、抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行わせるためのものである。
上記特別遊技としては、大別すると、次のゲームがある。
(1)特定導入遊技(ビッグボーナスゲーム・以下BBゲームという)
(2)特定遊技(レギュラーボーナスゲーム・以下RBゲーム)
(3)特定当選遊技(ジャックゲーム・以下JACゲームという)
なお、特定遊技、例えばRBゲームは、特定導入遊技、例えばBBゲーム中に行われる場合と、BBゲーム中でないときにも単独で行われる場合がある。また、上記特定当選遊技、いわゆるJACゲームは、RBゲーム中に行われるものである。また、特別遊技としては、上記した(1)乃至(3)の遊技に限定されるものではない。
【0039】
特別遊技制御手段100は、特に図示しないが、特定導入遊技制御手段及び特定遊技制御手段を少なくとも備えている。
特定導入遊技制御手段は、BBゲームを制御するためのものである。具体的には、通常遊技において、図示しないが、例えば「7」等の図柄が入賞有効ライン上に3個揃うと、BBゲームが開始される。BBゲームに移行すると、通常遊技と同様に最大3枚のメダルの投入によって開始され、3つの回転リールの回転を各々停止させた際に、入賞有効ライン上に当選図柄が揃っているか否かによって、メダルの払い出しが行われるものである。したがって、BBゲーム中では、通常遊技と同様に小役を含めた抽選が毎回行われるものである。ただ、このBBゲーム中にRBゲームに移行するための特定当選図柄が入賞有効ライン上に揃った場合には、その後RBゲームに移行するものである。
【0040】
なお、1回目のRBゲームが終了した後は、また前述したような通常遊技と同様な抽選及び制御が行われ、RBゲームと通常遊技とが交互に行われるものである。そして、BBゲームは、入賞により所定枚数のメダルが払い出されたら終了するものである。
特定遊技制御手段は、RBゲームを制御するためのものである。具体的には、RBゲームに移行すると、メダルが1枚投入となり、回転リール40の所定の図柄が表示窓12のセンターライン上に揃った場合に入賞となる特定当選遊技が行われるものである。そして、RBゲームでは、入賞するか否かの特定当選遊技が最大12回行えるものであり、そのうち、最大8回の入賞が可能である。すなわち、最大8回の入賞するか、あるいは最大12回の特定当選遊技の終了により、RBゲームは終了するものである。
【0041】
(当選抽選手段110)
当選抽選手段110は、予め定めた抽選確率に基づいて当選か否かの当選判定の抽選を行うものである。そして、当選抽選手段110による抽選の結果、所定の当選役に当選した場合に当選フラグが成立し、この当選フラグ成立中に、回転リール40の停止図柄の組み合わせが予め定められた当選図柄と一致したことを条件に入賞し、遊技者にメダルの払い出しや、特別遊技等の利益が付与されるように設定されている。
具体的には、当選抽選手段110は、スタートスイッチ18の操作タイミングで、カウント抽出手段がループカウンターの数値を読み取り、この数値と、前記ループカウンターがカウントする数値を全領域として各当選項目の当選領域を規定した当選判定テーブルとを比較して、抽出カウントデータが属する当選領域に対応する当選を決定する。
【0042】
なお、ループカウンターは、一定範囲の数字、例えば、0〜16383の範囲の数字を、1秒間に700万回程度順次繰り返すようにしたカウンターとすることができ、上記のようにしてカウント抽出手段が読み取るループカウンターの数値は、あたかも乱数のような分布をとるものとなる。このように、結果として乱数のような分布を示す数字が得られるものとして、ループカウンターは「乱数発生手段」、カウント抽出手段は「乱数抽出手段」として位置づけられる。
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、スタートスイッチ18の操作信号に基づいて回転リール40を回転させると共に、特に図示しないがリール回転検知センサの検知信号に基づいて図柄の現在位置を認識しつつ、当選抽選手段110の抽選結果及びストップスイッチ19操作タイミングに基づいて、回転リール40の停止を制御するためのものである。
【0043】
具体的には、リール制御手段120は、回転リール40を停止させる際、当選抽選手段110の抽選結果がハズレの場合には、3個の回転リール40の図柄が如何なる入賞の態様にも揃わないように蹴飛ばし制御を行い、抽選結果が所定の当選役に当選の場合には、3個の回転リール40の図柄が極力当該当選に係る入賞の態様となるように蹴飛ばし及び引き込み制御を行う。これらの制御は、ストップスイッチ19の操作信号受信とストップ信号出力のタイミングをずらして、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせることにより行われる。
(入賞判定手段130)
入賞判定手段130は、入賞したかどうかの判定を行うとともに、入賞の場合には所定の入賞処理を行わせるためのものである。
【0044】
すなわち、入賞判定手段130は、当選判定の抽選結果が当選の場合に、ストップスイッチ19の操作で3個の回転リール40の当選図柄を入賞の態様に停止させることができたかどうかを判断し、当選図柄を入賞の態様に停止させることができた場合には入賞を決定する。そして、入賞がメダル払い出しを伴う払い出し入賞である場合には、ホッパー制御手段140に遊技メダルの払い出し要請信号を出力し、リプレイなどの非払い出し入賞である場合には、通常遊技制御手段90に遊技開始信号を出力し、メダル投入又はベットスイッチ16の操作なしで次遊技を開始可能とさせる。またボーナスゲーム入賞などの特別入賞の場合には、特別遊技制御手段100に特別遊技への移行信号を出力し、特別遊技を開始させる。
【0045】
(ホッパー制御手段140)
ホッパー制御手段140は、入賞判定手段130からの払い出し要請信号や、精算スイッチ17の操作信号に基づいて、ホッパーユニット50のホッパーモータ53の駆動を開始させるとともに、払い出しセンサ55の検知信号に基づいてホッパーモータ53の駆動を停止させるためのものである。
具体的には、ホッパー制御手段140は、以下の(1)乃至(5)の手段を備えている。
(1)信号入力手段141
(2)カウント手段142
(3)タイマー手段143
(4)駆動信号出力手段144
(5)エラー判定手段145
なお、ホッパー制御手段140としては、上記以外の手段を有していても構わない。
【0046】
(信号入力手段141)
信号入力手段141は、精算スイッチ17の操作信号、払い出しセンサ55のメダル検知信号、及び前記入賞判定手段130からの払い出し要請信号を受信するためのものである。
(カウント手段142)
カウント手段142は、払い出しセンサ55のメダル検知信号をカウントし、カウント値が入賞判定手段130からの払い出し要請信号に基づく払い出し枚数の枚数カウントに達した場合、又は精算スイッチ17の押下時におけるクレジット数に基づく払い出し枚数に達した場合には、カウントアップ信号を出力するものである。
【0047】
ここで、検知信号のカウントは、払い出しセンサ55がONからOFFになった立ち下がり検知回数をカウントするものとしてもよいし、払い出しセンサ55がOFFからONになり再びOFFとなった回数をカウントするものとしてもよい。
また、カウント方法としては、初期値を「ゼロ」として、検知信号受信の度に「1」をインクリメントし、カウント値が払い出し枚数に係る数値(例えばN)に達した場合にカウントアップするようにしてもよいし、初期値を「N」として、検知信号受信の度に「1」をデクリメントし、カウント値が「ゼロ」になった場合にカウントアップするようにしてもよい。
【0048】
(タイマー手段143)
タイマー手段143は、ホッパーモータ53の駆動中において作動する時計測手段であり、払い出しセンサ55のメダル検知に関わる時間、すなわち払い出しセンサ55がON又はOFFとなっている時間を計測するためのものである。そして、本実施の形態においては、タイマー手段143として、図2に示すように、メダル詰まりエラーを検出する検知間隔時間計測手段としての詰まり検出タイマー143aと、エンプティエラーを検出する検知継続時間計測手段としてのエンプティエラー検出タイマー143bとを備えている。
前記詰まり検出タイマー143a及びエンプティエラー検出タイマー143bは、それぞれが双方の作動と無関係にタイムカウントを開始し終了する。具体的には、詰まり検出タイマー143aは、前記信号入力手段141が払い出しセンサ55のON信号を受信したとき、すなわち払い出しセンサ55がOFFからONになった(立ち上がりを検知した)ときから、メダル詰まりを検出するための詰まり検出タイムとして予め定められた所定時間(例えば200msc)を計測する。すなわち、詰まり検出タイマー143aは、払い出しセンサ55の検知継続時間を計測する。そして、所定時間の計測が終了した場合には、タイムアップ信号を出力するとともに、カウント値を初期値(ゼロ)に戻す。また、立ち上がり検知からタイムアップする前に次の立ち上がりを検知した場合又は立ち下がりを検知した場合には、詰まり検出タイムのタイムカウントを途中で終了(中止)してカウント値を初期値に戻す。
【0049】
一方、エンプティエラー検出タイマー143bは、信号入力手段141が払い出しセンサ55のOFF信号を受信したとき(ON信号受信を終了したとき)、すなわち払い出しセンサ55がONからOFFになったとき(立ち下がりを検知した)ときから、ホッパーユニット50のメダルタンク51にメダルが残り少なくなったことを検出するためのエンプティエラー検出タイムとして予め定められた所定時間(例えば2.5秒)を計測する。すなわち、エンプティエラー検出タイマー143bは、払い出しセンサ55の検知間隔時間を計測する。そして、所定時間の計測が終了した場合には、タイムアップ信号を出力するとともに、カウント値を初期値(ゼロ)に戻す。また、立ち下がり検知からタイムアップする前に次の立ち下がりを検知した場合には、エンプティエラー検出タイムのタイムカウントを途中で終了してカウント値を初期値に戻す。
【0050】
ところで、タイマー手段143として、単一のタイムカウント手段を設け、この単一のタイムカウント手段がメダル詰まりエラーとエンプティエラーの双方を検出可能に形成してもよい。この場合には、タイマー手段143は、払い出しセンサ55の立ち上がりを検知したときから詰まり検出タイムを計測し、詰まり検出タイムの計測が終了した場合には、タイムアップ信号を出力するとともに、カウント値を初期値(ゼロ)に戻す。また、タイマー手段143は、払い出しセンサ55の立ち下がりを検知したときからエンプティエラー検出タイムを計測するとともに、エンプティエラー検出タイムの計測が終了した場合には、タイムアップ信号を出力し、カウント値を初期値(ゼロ)に戻す。さらに、立ち上がり検知からタイムアップする前に立ち下がりを検知した場合には、詰まり検出タイムのタイムカウントを終了(中止)してカウント値を初期値に戻し、立ち下がり検知からタイムアップする前に立ち下がりを検知した場合には、エンプティエラー検出タイムのタイムカウントを終了(中止)してカウント値を初期値に戻す。
【0051】
ただし、本実施の形態においては、後述するエラー判定手段145がホッパーのエンプティエラーを判定した場合には、タイマー手段143は、所定条件の下で、エンプティエラー検出タイムのタイムカウントを終了(中止)するようになっている。
(駆動信号出力手段144)
駆動信号出力手段144は、ホッパーユニット50のホッパーモータ53を駆動させあるいは駆動停止させるためのものである。具体的には、駆動信号出力手段144は、信号入力手段141が精算スイッチ17の操作信号又は入賞判定手段130からの払い出し要請信号を受信した場合に、ホッパーモータ53に駆動信号(又は駆動開始信号)を出力し、前記カウント手段142がカウントアップ信号を出力した場合又は以下に述べるエラー判定手段145からのエラー判定信号を受信した場合には、ホッパーモータ53に出力している駆動信号を停止(あるいは駆動停止信号を出力)する。
【0052】
(エラー判定手段145)
エラー判定手段145は、前記タイマー手段143のタイムアップ信号に基づいて、ホッパーユニット50のメダルタンク51にメダルが無くなった状態であるホッパーエンプティエラー状態と、ホッパーユニット50のメダル排出口54にメダルが詰まった状態であるメダル詰まりエラー状態を判定するためのものである。すなわち、詰まり検出タイマーがタイムアップした場合(立ち上がり検知後にタイマー手段143がタイムアップした場合)はメダル詰まりエラー、エンプティエラー検出タイマーがタイムアップした場合(立ち下がり検知後にタイマー手段143がタイムアップした場合)は、所定条件の下でエンプティエラーと判定する。そして、エラーの判定を行った場合には、前記駆動信号出力手段144及び後述する演出制御装置22にエラー判定信号を出力する。
【0053】
そして、本実施の形態においては、エラー判定手段145は、エンプティエラー検出タイマーがタイムアップした場合において、その時点でメダルが払い出されている場合にはエンプティエラーの判定を留保するようになっているが、この詳細については後述する。
なお、特に図示しないが、遊技制御装置21としては、ホッパーユニット50に関するエラー以外の遊技機のエラー、例えばメダルセレクター4でのメダル詰まりやリールユニット60の不具合を検知するエラー判定手段を備えていているのは言うまでもない。また、図2の例ではエラー判定手段145がホッパー制御手段140に含まれる構成としてあるが、エラー判定手段145をホッパー制御手段140とは別の手段として設けてもよく、前述したその他のエラー判定を行うための制御手段の一部として設けられていてもよい。
【0054】
(演出制御装置22)
演出制御装置22は、遊技制御装置21からの諸信号を受信して、表示装置70の表示を制御するためのものである。具体的には、この演出制御装置22は、遊技制御装置21からの出力信号、スタートスイッチ18その他の操作手段の操作信号等に基づいて、遊技に付随する演出を行わせるためのものであり、特に図示しないが、表示装置70に所定の演出表示を行わせるための複数の演出データを記憶した記憶手段、複数の演出データの中から所定条件に応じて実行する演出データを選択する演出決定手段などを備えている。
そして、遊技状態に応じて抽選等により実行が決定された演出データに基づいて、画像表示部71に動画や静止画像を表示させたり、ランプ72を所定のパターンで点滅させたり、スピーカ73から音声を出力させたりするものである。
【0055】
一方、前記ホッパー制御手段140のエラー判定手段145からエラー信号を受信した場合には、表示装置70に表示されている演出表示を中断させ、所定のエラー表示を行わせる。エラー表示としては、画像表示部71に警告画面を表示させたり、ランプ72を点滅させたり、スピーカ73から警報音を出力させたりするものが含まれる。なお、表示装置70として、エラー表示専用の表示部、例えばエラー報知ランプなどを設け、演出制御装置22においてこの表示の制御を行うようにしてもよい。
(スロットマシン10の動作)
次に、上記構成を備えたスロットマシンの動作の概略について、図3乃至図5に示すフローを用いて説明する。
【0056】
先ず、図3に示すステップ100において、スタートスイッチ18がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ18がONとなった場合には、次のステップ101に進む。
ステップ101において、当選抽選手段110により抽選処理が行われる。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、回転リール40の回転が開始する。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、ストップスイッチ19の操作によってストップスイッチ19がONとなる。そして、次のステップ104に進む。
【0057】
ステップ104において、回転リール40の回転停止処理が行われる。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、3個の回転リール40に対応するストップスイッチ19の操作が行われたか否かが判定される。3個の回転リール40に対応するストップスイッチ19の操作がまだ行われていないと判定された場合には、ステップ103に戻る。一方、3個の回転リール40に対応するストップスイッチ19全ての操作が行われたと判定された場合、次のステップ106に進む。
ステップ106において、当選フラグ成立中に当該当選フラグに対応する当選図柄が入賞有効ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞したか否かが判定される。そして、入賞したと判定された場合、次のステップ107に進む。
【0058】
ステップ107において、当選役に相当するメダルの払い出しや、特別遊技への移行など所定の入賞処理がなされる。そして、遊技が終了する。
前記ステップ106において、入賞していないと判定された場合、ステップ107を飛び越して、遊技が終了する。
上述したステップ101の抽選処理について、図4のフローを用いて説明する。
ステップ200において、当選抽選手段110の乱数発生手段により発生された乱数の中から乱数抽出手段により乱数が抽出される。そして、次のステップ201に進む。
ステップ201において、抽出された乱数が乱数抽出手段の内部に記憶される。そして、次のステップ202に進む。
【0059】
ステップ202において、当選抽選手段110の判定手段により、抽出された乱数と、当選判定テーブルの当選判定領域データとの比較が行われる。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、判定手段により抽出された乱数が、当選判定テーブルのどの当選領域に含まれるか決定され、抽選処理の評価が決定される。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、所定の図柄の蹴飛ばしと、所定図柄の引き込みとが設定される。そして、抽選処理が終了する。
【0060】
上述したステップ104の回転リール40の回転停止処理について、図5を用いて説明する。
ステップ300において、所定の図柄に対して、蹴飛ばしの設定が達成されたか否かが判定される。そして、所定の図柄の蹴飛ばしの設定が達成されていないと判定された場合、次のステップ301に進む。
ステップ301において、1個の図柄分だけ、回転リール40を回転させる。すなわち、1個の図柄分だけ蹴飛ばしを行う。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、上述した1個の図柄分だけ回転リール40を回転させた当該図柄の数がストップスイッチ50の操作後の4個目に該当するか否かが判定される。そして、ストップスイッチ50を操作した後、1図柄ずつ回転リール40を回転させてずらした図柄の数が4個目の場合には、次のステップ303に進む。
【0061】
ステップ303において、回転リール40の回転を停止させる。これにより、メダル投入から回転リール40の回転停止までのスロットマシン10の動作が終了する。
前記ステップ300において、所定の図柄の蹴飛ばしの設定が達成されていると判定された場合、次のステップ304に進む。
ステップ304において、いずれかの図柄に対して引き込みが設定されているか否かが判定される。そして、いずれかの図柄に対して引き込みが設定されていると判定された場合、次のステップ305に進む。
ステップ305において、引き込み設定が達成されたか否かが判定される。そして、引き込み設定が達成されたと判定された場合、次のステップ303に進む。
【0062】
前記ステップ304において、いずれの図柄に対しても引き込みが設定されていないと判定された場合、ステップ303に進む。
前記ステップ305において、引き込み設定が達成されていないと判定された場合、ステップ301に進む。
前記ステップ302において、ストップスイッチ50を操作した後、1図柄ずつ回転リール40を回転させてずらした図柄の数が4個目でない場合には、ステップ300に戻る。
ここで、ステップ301〜ステップ305で説明している例は、いわゆる最小引き込み停止制御の例であり、逆に最大引き込み停止制御としても良い。更には、例えば、ストップスイッチ50を押すタイミングであらかじめ定めたテーブルに従って回転リール40の停止位置を決定する、いわゆるテーブル停止制御の方法によるものでもよい。このテーブル停止制御は、当選フラグ成立の有無や、当選フラグ成立中の当選図柄に基づいた複数のテーブルを有し、この複数のテーブルから適宜、遊技状況に応じたテーブルが選択されるものである。
【0063】
なお、テーブル停止制御においても、当選フラグが成立しているときには、その当選フラグに対応する図柄が入賞有効ライン上に揃うように、あらかじめテーブルの上で停止位置が決定されてあり、いわゆる引き込み設定の一種を備えているものである。また、当選フラグが成立していないときには、他の当選図柄が入賞有効ライン上に揃わないように、あらかじめテーブルの上で停止位置が決定されてあり、いわゆる蹴飛ばし設定の一種を備えているものである。
(ホッパーユニット50の作動)
次に、ホッパー制御手段140によるホッパー作動制御について、図7のフローに基づき説明する。
【0064】
図7のステップ400において、入賞判定手段130からの払い出し要請信号受信又は精算スイッチ17の操作信号に基づき、ホッパーユニット50のホッパーモータ53が駆動を開始する。そして、次のステップ401に進む。
ステップ401において、何らかのエラーが発生しているか否か、すなわちエラー判定手段145がエラー判定を行っているか否かが判断される。エラーが発生していない場合には、次のステップ402に進む。
ステップ402において、払い出しメダルが検知されたか否か、すなわち払い出しセンサ55の立ち下がりが検知されたか否かが判断される。メダルが検知された場合には次のステップ403に進む。
【0065】
ステップ403において、カウント手段142がメダルカウントを加算又は減算する。そして、次のステップ404に進む。
前記ステップ402において、払い出しメダルが検知されない場合には、ステップ403を飛び越してステップ404に進む。
ステップ404において、払い出し枚数がすべて払い出されたか否か、すなわち、カウント手段142が払い出し枚数に係る数値のカウントを終了しカウントアップ信号を出力したか否かが判断される。払い出しが終了していない場合には、ステップ400に戻る。一方、全ての払い出しが終了した場合には、次のステップ405に進む。
【0066】
ステップ405において、ホッパーモータ53の駆動を停止させる。そしてホッパーユニット50の作動が終了する。
前記ステップ401において、エラーが発生していると判断された場合には、ステップ406に進む。
ステップ406において、払い出しの残り枚数を記憶する。すなわち、カウント手段142のカウント値を払い出し枚数として記憶する。そして、ステップ405に進む。
このように、ホッパー制御手段140は、払い出しに係る全てのメダルを払い出した場合にはホッパーモータ53の駆動を停止させるとともに、払い出し途中においてエンプティエラー、メダル詰まりエラーなどのホッパーエラーが発生した場合は、未払いのメダル数を記憶するとともに、ホッパーモータ53を駆動停止させる。エラーが解除された場合には、ホッパーモータ53を再び駆動開始させ、残り枚数が払い出されるまでホッパーモータ53を駆動させることとなる。
【0067】
(エラー判定手段145によるエラー検知)
続いて、エラー判定手段145によるエラー検知処理について、第一の制御例と第二の制御例に分けて説明する。ここで、第一の例は、ホッパー制御手段140のタイマー手段143が詰まり検出タイマー143aとエンプティエラー検出タイマー143bに分かれている場合の制御例であり、第二の制御例は、単一のタイマー手段143でメダル詰まりエラーとエンプティエラーを検知可能にした場合の制御例を示すものである。
(第一の制御例)
第一の制御例について、図10に示す従来のエラー検知と比較しつつ、図8及び図9のフローに基づいて説明する。ここで、図8はメダル詰まりエラー検知の流れを示し、図9はエンプティエラー検知の流れを示すフローである。また、図10は従来のエンプティエラー検知の流れを示すフローである。
【0068】
まず、メダル詰まりエラー検知の流れを説明する。
図8のステップ500において、払い出しセンサ55の立ち上がりを検知したか否かが判断される。立ち上がりを検知しない場合にはステップ500に戻り、立ち上がりを検知した場合には、次のステップ501に進む。
ステップ501において、詰まり検出タイマー143aを更新する。すなわち、詰まり検出タイマー143aのカウント値がインクリメントされる。そして、次のステップ502に進む。
ステップ502において、払い出しセンサ55の立ち上がりを検知したか否かが判断される。立ち上がりを検知しない場合には、次のステップ503に進む。
【0069】
ステップ503において、タイマー手段143がタイムアップしたか否か、すなわちタイマー手段143のうち詰まり検出タイマー143aがタイムアップ信号を出力したか否かが判断される。タイマー手段143がタイムアップしていない場合には、ステップ501に戻る。すなわち、立ち上がり検知後、次の立ち上がりを検知しない間は、詰まり検出タイマー143aがタイムアップするまで、詰まり検出タイムのタイムカウントが行われる。一方、詰まり検出タイマー143aがタイムアップした場合には、次のステップ504に進む。
ステップ504において、エラー判定手段145がメダル詰まりエラーの判定を行う。この判定により、ホッパーモータが駆動停止するとともに、表示装置70には所定のメダル詰まりエラーの表示がなされる。そして、次のステップ505に進む。
【0070】
前記ステップ502において、払い出しセンサ55の立ち上がりが検知された場合には、ステップ503、504を飛び越して、ステップ505に進む。
ステップ505において、詰まり検出タイマー143aを初期化する。すなわち、詰まり検出タイマー143aのカウント値をゼロクリアしてタイムカウントを終了する。そして、メダル詰まりエラー検知を終了する。
このように、第一の制御例においては、払い出しセンサ55の立ち上がりを検知後、所定時間を経過しても次の立ち上がりを検知しない場合に、メダル詰まりエラーとなる。
なお、前記ステップ502において、払い出しセンサ55の立ち下がりを検知したか否かを判断し、払い出しセンサ55の立ち上がりを検知後、所定時間を経過しても立ち下がりを検知しない場合に、メダル詰まりエラーとなるように形成してもよい。
【0071】
次に、エンプティエラー検知の流れを、図10に示す従来のエンプティエラー検知の流れと対比しつつ、図9に基づき説明する。
まず図9のステップ510において、払い出しセンサ55の立ち下がりを検知したか否かが判断される。立ち下がりを検知しない場合にはステップ510に戻り、立ち下がりを検知した場合には、次のステップ511に進む。
ステップ511において、エンプティエラー検出タイマー143bを更新する。すなわち、エンプティエラー検出タイマー143bのカウント値をインクリメントする。そして、次のステップ512に進む。
【0072】
ステップ512において、払い出しセンサ55の立ち下がりを検知したか否かが判断される。立ち下がりを検知しない場合には、次のステップ513に進む。
ステップ513において、タイマー手段143がタイムアップしたか否か、すなわちエンプティエラー検出タイマー143bがタイムアップ信号を出力したか否かが判断される。エンプティエラー検出タイマー143bがタイムアップしていない場合には、ステップ511に戻る。すなわち、次の立ち下がりを検知しない間は、エンプティエラー検出タイマー143bがタイムアップするまで、エンプティエラー検出タイムのタイムカウントが行われる。
さて、ここまでの流れは、従来のエンプティエラー検知における図10のステップ5010からステップ5012までの流れと同様である。そして、従来の検知においては、図10のステップ5012において、タイマー手段143(エンプティエラー検出タイマー143b)がタイムアップした場合は、次のステップ5013において、エラー判定手段145がエンプティエラーの判定を行い、さらにステップ5014において、エンプティエラー検出タイマーを初期化する。また、ステップ5011において立ち下がりを検知した場合には、ステップ5012、5013を飛び越してステップ5014に進み、エンプティエラー検出タイマーを初期化するようようになっていた。
【0073】
一方、本実施の形態では、図9のステップ513において、エンプティエラー検出タイマー143bがタイムアップした場合には、従来のようにすぐさまエラー判定手段145がエンプティエラーの判定を行うのではなく、次のステップ514において、詰まり検出タイマー143aが更新中か否かが判断される。すなわち、払い出しセンサ55の立ち上がりが検知されたか(メダルが払い出されたか)どうかの判断がなされる。そして、詰まり検出タイマー143aが更新中でない場合、すなわちメダルが払い出されていない場合には、次のステップ515に進む。
ステップ515において、エラー判定手段145によってエンプティエラーの判定がなされ、これにより、ホッパーモータ53が駆動停止するとともに、表示装置70には所定のホッパーエンプティエラーの表示がなされる。そして、次のステップ516に進む。
【0074】
ステップ516において、エンプティエラー検出タイマー143bが初期化される。そして、エンプティエラー検知を終了する。
前記ステップ514において、詰まり検出タイマー143aが更新中であると判断された場合、すなわちメダルが払い出されている場合には、ステップ515を飛び越してステップ516に進む。すなわち、エンプティエラーの判定を行わずに、タイムカウントを終了してエンプティエラー検出タイマー143bを初期化する。
このように、第一の制御例では、ホッパーモータの駆動中に一定時間メダルの払い出しが無い場合、直ちにエンプティエラーの判定を行うのではなく、メダルが払い出されているかどうかを再度確認するようにしてある。そして、メダルの払い出し(詰まり検出タイマー143aの更新)を検知した場合には、エンプティエラーの判定を行わず、ホッパーモータ53の駆動を停止させないようにしてある。つまり、メダルの払い出しを優先させるようにしてある。このため、エラーによってホッパーモータ53が駆動停止したとき、ちょうど払い出しセンサ55を通過しようとしていたメダルが検知部(図6のメダル押さえ58と当接突起57Aの間)に挟まれて、払い出しセンサ55がONのままになるという事態を引き起こすことが無くなり、エンプティエラーを解除した直後に、メダル詰まりエラーが発生するという不都合を回避することができる。
【0075】
(第一の制御例の変形例)
ここで、図9のエンプティエラー検知の流れを、図11に示すようなものとしてもよい。
図11のステップ520からステップ524まで、及びステップ525、526は、図9のステップ510からステップ514まで、及びステップ515、516と同様であるので説明は省略する。
そして、図11のステップ524において、詰まり検出タイマー143aが更新中であると判断された場合には、ステップ527に進む。
【0076】
ステップ527において、詰まりエラー判定を行うか否かが判断される。すなわち、詰まり検出タイマー143aがタイムアップしたかどうかの判断がなされる。詰まりエラー判定を行う場合には、ステップ526に進む。すなわち、エンプティエラーの判定を行わずに、エンプティエラー検出タイムの測定を終了する。一方、詰まりエラー判定を行わない場合には、次のステップ528に進む。
ステップ528において、エンプティエラー検出タイマー143bの補正を行う。具体的には、エンプティエラー検出タイマー143bはタイムカウントを一時停止するか、カウントをクリアする。そして、エンプティエラー検知を終了する。
【0077】
このように形成した場合でも、図9の制御例と同様の効果を得ることができる。
(第二の制御例)
次に、第二の制御例について、図12及び図13のフローに基づいて説明する。
まず、図12のステップ600において、払い出しセンサ55の立ち上がりを検知したか否かが判断される。立ち上がりを検知しない場合にはステップ600に戻り、立ち上がりを検知した場合には、次のステップ601に進む。
ステップ601において、詰まり検出タイマーを更新する。すなわち、タイマー手段143が詰まり検出タイムのカウント値をインクリメントする。そして、次のステップ602に進む。
【0078】
ステップ602において、払い出しセンサ55の立ち下がりを検知したか否かが判断される。立ち下がりを検知しない場合には、次のステップ603に進む。
ステップ603において、タイマー手段143がタイムアップしたか否か、すなわち詰まり検出タイムが終了しタイマー手段143がタイムアップ信号を出力したか否かが判断される。タイマー手段143がタイムアップしていない場合には、ステップ601に戻る。すなわち、立ち下がりを検知しない間は、タイマー手段143がタイムアップするまで、詰まり検出タイムのタイムカウントが行われる。一方、タイマー手段143がタイムアップした場合には、次のステップ604に進む。
【0079】
ステップ604において、エラー判定手段145がメダル詰まりエラーの判定を行う。この判定により、ホッパーモータが駆動停止するとともに、表示装置70には所定のメダル詰まりエラーの表示がなされる。このように、第二の制御例では、払い出しセンサ55の立ち上がりを検知後、所定時間を経過しても立ち下がりを検知しない場合に、メダル詰まりエラーとなる。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、詰まり検出タイマーを初期化する。すなわち、タイマー手段143が詰まり検出タイムのカウント値をゼロクリアしてタイムカウントを終了する。そして、メダル詰まりエラー検知を終了する。
【0080】
前記ステップ602において、払い出しセンサ55の立ち下がりが検知された場合には、ステップ606に進む。
ステップ606において、詰まり検出タイマー143aを初期化する。そして、図13のステップ610すなわちエンプティエラー検知の流れに進む。
図13のステップ610において、エンプティエラー検出タイマー143bを更新する。すなわち、タイマー手段143がエンプティエラー検出タイムのカウント値をインクリメントする。そして、次のステップ611に進む。
ステップ611において、払い出しセンサ55の立ち上がりを検知したか否かが判断される。立ち上がりを検知しない場合には、次のステップ612に進む。
【0081】
ステップ612において、タイマー手段143がタイムアップしたか否か、すなわちエンプティエラー検出タイムが終了しタイマー手段143がタイムアップ信号を出力したか否かが判断される。タイマー手段143がタイムアップしていない場合には、ステップ610に戻る。すなわち、立ち上がりを検知しない間は、タイマー手段143がタイムアップするまで、エンプティエラー検出タイムのタイムカウントが行われる。一方、タイマー手段143がタイムアップした場合には、次のステップ613に進む。
ステップ613において、今一度、払い出しセンサ55の立ち上がりを検知したか否かが判断される。そして、払い出しセンサ55の立ち上がりを検知した場合には、ステップ620に進む。
【0082】
ステップ620において、エンプティエラー検出タイマーを補正する。すなわち、タイマー手段143はタイムカウントを一時停止するか、カウントをクリアする。そして、次のステップ621に進む。
ステップ621において、詰まり検出タイマーを更新する。すなわちタイマー手段143が再び詰まり検出タイムのタイムカウントを開始する。そして、次のステップ622に進む。
ステップ622において、払い出しセンサ55の立ち下がりを検知したか否かが判断される。立ち下がりを検知しない場合には、次のステップ623に進む。
【0083】
ステップ623において、タイマー手段143がタイムアップしたか、すなわち詰まり検出タイムが終了しタイマー手段143がタイムアップ信号を出力したか否かが判断される。タイマー手段143がタイムアップしていない場合には、ステップ621に戻る。一方、タイマー手段143がタイムアップした場合には、図12のステップ604に戻る。これにより、エラー判定手段145によってメダル詰まりの判定がなされることとなる。
前記ステップ622において、払い出しセンサ55の立ち下がりを検知した場合には、ステップ624に進む。
ステップ624において、詰まり検出タイマー143aを初期化する。そして、ステップ614に進む。
【0084】
ステップ614において、エラー判定手段145がエンプティエラーの判定を行う。すなわち、メダルが払い出しセンサ55を通過したのを検知したなら、すぐにエンプティエラーの判定を行う。これにより、ホッパーモータ53が駆動停止するとともに、表示装置70には所定のホッパーエンプティエラーの表示がなされる。そして、ステップ615に進む。
ステップ615において、エンプティエラー検出タイマー143bを初期化する。そして、エンプティエラー検知を終了する。
前記ステップ613において、立ち上がりが検知されない場合、すなわちメダルが払い出されない場合には、ステップ614でエンプティエラーの判定がなされ、ステップ615でエンプティエラー検出タイマー143bが初期化される。
【0085】
第二の制御例によれば、エンプティエラー検出タイム経過後、メダルの払い出し終了(立ち下がり)を検知したら、すぐにエンプティエラーの判定を行うようにしてあるので、次にまたメダルが払い出される前に、メダルタンク51内のメダルが残り少なくなったことを迅速に知らせることができる。
なお、図13のフローにおいて、ステップ624からステップ615に進み、エンプティエラー検出タイマー143bを初期化した後、再びステップ610に戻る流れとしてもよい。これは、ステップ624の段階では、ステップ622においてメダルの払い出しが検知されている状態であるため、まだホッパー内部にメダルが残っている可能性もあり、このままエラー判定に基づいてホッパーモータ53を止めてしまうと、次に払い出されるメダルが払い出しセンサ55で検知されたまま滞留してしまう場合もあり得るからである。このように形成した場合には、エンプティエラーの迅速な検知という点においては劣るものの、メダル詰まりエラーを極力無くすという点においては優れている。
【0086】
このように、本発明によれば、エンプティエラーとメダル詰まりエラーが同時に発生することが無くなり、遊技者や店員にエラーの連続による不快感を与えることがないものである。また、払い出しセンサ55にメダルが挟まったままホッパーが作動停止することが無くなるので、払い出しセンサ55のカウントアーム57を支持しているバネの劣化等を抑制することができる。また、残メダル過小状態とメダル詰まりが同時に起こった場合、メダル詰まりエラーの方を優先的に報知するようになっているが、メダル詰まりを解消すべく前扉10を開けば、メダルタンク51にメダルが残り少ないのは一目瞭然であるため、特に不都合はない。むしろ、不要なエラー報知が行われないことによるメリットの方が大きいものである。
【0087】
ところで、払い出しセンサ55の検知部に異物を挿入し、実際にはメダルが払い出されているのにセンサがそれを検知しないようにして、不正にメダルを抜き取る「ホッパーゴト」を防止するためには、エンプティエラー検出タイムはなるべく必要最低限の時間に設定するのが好ましい。この点、本発明によれば、エンプティエラー検出タイムを短めに設定しても、メダル詰まりエラーと合併することが無くなるので、ゴト対策の一環としても有効である。
なお、上記した実施の形態では、払い出し制御手段としてのホッパー制御手段140を、スロットマシン1の制御装置20に配置してあったが、ホッパー制御手段140をホッパーユニット50に設置してもよい。このようにした場合には、制御装置20の容量を確保できるとともに、ホッパー制御手段140とホッパーモータ53及び払い出しセンサ55とを電気的に接続する電気配線が短くてすむので、信号伝達が迅速に行われるという利点がある。
【0088】
なお、本発明は、ホッパーユニットを用いてメダルを払い出すように形成された遊技機であれば、スロットマシン以外の遊技機にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの外観正面図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの入力、制御及び出力を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの作動の概略を示す流れ図である。
【図4】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの作動のうち、抽選処理を示す流れ図である。
【図5】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの作動のうち、リール回転停止処理を示す流れ図である。
【図6】本発明の実施の形態であって、ホッパーユニットの払い出しセンサを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態であって、ホッパーユニットの作動の概略を示す流れ図である。
【図8】本発明の実施の形態であって、ホッパーユニットの詰まり検知処理の第一の制御例を示す流れ図である。
【図9】本発明の実施の形態であって、ホッパーユニットのエンプティエラー検知処理の第一の制御例を示す流れ図である。
【図10】従来のホッパーユニットのエンプティエラー検知処理を示す流れ図である。
【図11】第一の制御例の変形例であって、ホッパーユニットのエンプティエラー検知処理を示す流れ図である。
【図12】本発明の実施の形態であって、ホッパーユニットのエラー検知処理の第二の制御例を示す流れ図である。
【図13】図12の続きの流れ図である。
【符号の説明】
【0090】
1 スロットマシン 4 メダルセレクター
10 前扉 10A 操作部
10B 下皿 10C メダル払い出し口
11 筺体 12 上パネル
13 図柄表示窓 14 メダル投入口
15 メダルセンサ 16 ベットスイッチ
17 精算スイッチ 18 スタートスイッチ
19 ストップスイッチ 20 制御装置
40 回転リール
21 遊技制御装置 22 演出制御装置
50 ホッパーユニット(払い出し貯留装置)51 メダルタンク(貯留部)
52 送り出し円板(メダル送り装置)52A メダル孔
53 ホッパーモータ(駆動装置) 54 メダル排出口
55 払い出しセンサ(検知部) 56 係止突起
57 カウントアーム 57A 当接突起
57B 揺動板 57C 固定軸
58 メダル押さえ 60 リールユニット
70 表示装置 71 画像表示部
72 ランプ 73 スピーカ
90 通常遊技制御手段 100 特別遊技制御手段
110 当選抽選手段 120 リール制御手段
130 入賞判定手段 140 ホッパー制御手段(払い出し制御手段)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
メダルを貯留するための貯留部と、
貯留部に貯留されているメダルを一枚ずつ排出するためのメダル送り装置と、
前記メダル送り装置を作動させるための駆動装置と、
前記メダル送り装置から排出されるメダルの通過を検知する検知部と、
所定の払い出し要請信号及び前記検知部の検知信号に基づいて、前記駆動装置の駆動を制御するための払い出し制御手段とを少なくとも備える払い出し貯留装置において、
前記払い出し制御手段は、
前記検知部のメダル検知に関わる時間を測定するための時計測手段と、
前記払い出し要請信号の出力にかかわらず前記駆動装置を駆動停止させるためのエラー信号を出力可能なエラー判定手段とを少なくとも備え、
前記時計測手段は、前記検知部がメダルの通過終了を検知した場合に予め定められた検知間隔時間の測定を開始し、前記検知部が次のメダルの通過を検知した場合には前記検知間隔時間の測定を終了するとともに、前記検知部が次のメダルの通過を検知しないまま前記検知間隔時間の測定が終了した場合には、検知間隔時間測定終了信号を出力可能に形成され、
前記エラー判定手段は、前記時計測手段が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記駆動装置が駆動している状態で前記検知部がメダルの通過を検知しない場合には、エンプティエラーに係るエラー信号を出力して前記駆動装置の駆動を停止させ、
前記時計測手段が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記検知部がメダルの通過を検知した場合には、前記エラー信号を出力せず、前記駆動装置の駆動を続行させることを特徴とする払い出し貯留装置。
【請求項2】
当選か否かの当選判定の抽選を行うための当選抽選手段、前記当選抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技機が予め定められた入賞の態様になった場合に、所定の払い出し要請信号を出力可能な入賞判定手段とを少なくとも有する制御装置を備えるとともに、
メダルを貯留するための貯留部と、貯留部に貯留されているメダルを一枚ずつ排出するためのメダル送り装置と、前記メダル送り装置を作動させるための駆動装置と、前記メダル送り装置から排出されるメダルの通過を検知する検知部と、前記入賞判定手段からの払い出し要請信号及び前記検知部の検知信号に基づいて、前記駆動装置の駆動を制御するための払い出し制御手段とを少なくとも備える払い出し貯留装置を少なくとも備えた遊技機において、
前記払い出し制御手段は、
前記検知部のメダル検知に関わる時間を測定するための時計測手段と、
前記払い出し要請信号の出力にかかわらず前記駆動装置を駆動停止させるためのエラー信号を出力可能なエラー判定手段とを少なくとも備え、
前記時計測手段は、前記検知部がメダルの通過終了を検知した場合に予め定められた検知間隔時間の測定を開始し、前記検知部が次のメダルの通過を検知した場合には前記検知間隔時間の測定を終了するとともに、前記検知部が次のメダルの通過を検知しないまま前記検知間隔時間の測定が終了した場合には、検知間隔時間測定終了信号を出力可能に形成され、
前記エラー判定手段は、前記時計測手段が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記駆動装置が駆動している状態で前記検知部がメダルの通過を検知しない場合には、エンプティエラーに係るエラー信号を出力して前記駆動装置の駆動を停止させ、
前記時計測手段が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記検知部がメダルの通過を検知した場合には、前記エラー信号を出力せず、前記駆動装置の駆動を続行させるように形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
メダルを貯留するための貯留部、貯留部に貯留されているメダルを一枚ずつ排出するためのメダル送り装置、前記メダル送り装置を作動させるための駆動装置、前記メダル送り装置から排出されるメダルを検知する検知部とを少なくとも有する払い出し貯留装置を備え、
当選か否かの当選判定の抽選を行うための当選抽選手段、前記当選抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技機が予め定められた入賞の態様になった場合に、前記払い出し貯留装置に所定の払い出し要請信号を出力可能な入賞判定手段、前記払い出し要請信号及び前記検知部の検知信号に基づいて、前記駆動装置の駆動を制御するための払い出し制御手段とを少なくとも有する制御装置を備えた遊技機において、
前記制御装置は、
前記検知部のメダル検知に関わる時間を測定するための時計測手段と、
前記払い出し要請信号の出力にかかわらず前記駆動装置を駆動停止させるためのエラー信号を出力可能なエラー判定手段とを少なくとも備え、
前記時計測手段は、前記検知部がメダルの通過終了を検知した場合に予め定められた検知間隔時間の測定を開始し、前記検知部が次のメダルの通過を検知した場合には前記検知間隔時間の測定を終了するとともに、前記検知部が次のメダルの通過を検知しないまま前記検知間隔時間の測定が終了した場合には、検知間隔時間測定終了信号を出力可能に形成され、
前記エラー判定手段は、前記時計測手段が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記駆動装置が駆動している状態で前記検知部がメダルの通過を検知しない場合には、エンプティエラーに係るエラー信号を出力して前記駆動装置の駆動を停止させ、
前記時計測手段が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記検知部がメダルの通過を検知した場合には、前記エラー信号を出力せず、前記駆動装置の駆動を続行させるように形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記時計測手段として、前記検知間隔時間を測定するための検知間隔時間計測手段と、前記検知部がメダルの通過開始を検知した場合に予め定められた検知継続時間の測定を開始し、前記検知部がメダルの通過終了を検知した場合には前記検知継続時間の測定を終了するとともに、前記検知部がメダルの通過終了を検知しないまま前記検知継続時間の測定が終了した場合には、検知継続時間測定終了信号を出力可能な検知継続時間計測手段とを設け、
前記エラー判定手段は、
前記検知継続時間計測手段が前記検知継続時間測定終了信号を出力した場合には、メダル詰まりエラーに係るエラー信号を出力し、
前記検知間隔時間計測手段が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記検知部がメダルの通過を検知しない場合には、エンプティエラーに係るエラー信号を出力し、
前記検知間隔時間計測手段が前記検知間隔時間測定終了信号を出力した場合において、前記検知継続時間計測手段が検知継続時間測定終了信号を出力した場合には、メダル詰まりエラーに係るエラー信号を出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の払い出し貯留装置又は遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−61130(P2009−61130A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232124(P2007−232124)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】