説明

抗ウイルス剤[1S−(1α,3α,4β)]−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2−メチレンシクロペンチル]−6H−プリン−6−オンの製造法

【課題】本発明は、エンテカビルを製造するための様々な方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、エンテカビルの製造に有用である様々な中間体、およびそれら中間体の製造法を提供する。本発明はまた、エンテカビルおよびその中間体の単離および精製のための樹脂吸着製法をも提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
希釈混合物からエンテカビルまたはエンテカビル中間体を単離する方法であって、ここで、
該希釈混合物はエンテカビルおよび水、またはエンテカビル中間体および他の製造用試薬を含有する混合物を含み、
(a)該希釈混合物を疎水性樹脂ベッド上に吸着させ;
(b)該樹脂ベッドを水洗して、塩を除去し;そして、
(c)エンテカビルまたはエンテカビル中間体を該樹脂ベッドから有機溶媒を用いて溶出する、
ことを含む、該方法。
【請求項2】
疎水性樹脂が臭化スチレンベースの樹脂である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
式:
【化1】

[式中、
は、アリル、フェニル、C〜CアルキルフェニルまたはC〜Cアルコキシフェニルであり;
は、C〜Cアルキルであり;
は、−COであり;
およびRは共に、水素である]
で示される化合物、またはその塩。
【請求項4】
が、フェニルであり;そして、
が、メチルである、
請求項3記載の化合物。
【請求項5】
が、−COであり;
およびRが共に、水素であり;
が、フェニルであり;
が、メチルであり;そして、
キラルアミンが、R,R−(−)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオールである、
請求項3記載の化合物。
【請求項6】
式:
【化2】

で示されるエンテカビルの製造法であって、
(a)4−(S)−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを、式RSiYで示されるシリル化試薬(式中、RはC〜Cアルキルまたはフェニルであり、RはC〜Cアルキルであり、そしてYは脱離基である)およびトリアルキルアミン塩基を用いて処理して、式:
【化3】

で示される化合物を得て;
(b)工程(a)由来の生成物を、式RSiCH(式中、Rは、アリル、フェニル、C〜CアルキルフェニルまたはC〜Cアルコキシフェニルであり;Rは、C〜Cアルキルであり;そして、Xは、クロロ、ブロモまたはヨードである)で示される(ハロメチル)シラン試薬から製造されるグリニャール試薬を用いて処理し、続いてトリメチルシリル化試薬を用いて処理することによって、式:
【化4】

で示される化合物を得て;
(c)式34で示される化合物をホルミル化して、式:
【化5】

で示される化合物を得て;
(d)式35で示される化合物を、式RSOCl(式中、Rは、C〜Cアルキル、トリフルオロメチル、フェニルまたは置換フェニル(ここで、置換基は、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである)である)で示されるスルホニル化試薬を用いて処理し;
(e)工程(d)の生成物を強塩基と反応させてスルホネート基を脱離して、式:
【化6】

で示されるメチレン化合物を得て;
(f)式36で示されるメチレン化合物をヒドリド試薬を用いて選択的に還元して、式:
【化7】

で示されるアリルアルコールを得て;
(g)式37で示されるアリルアルコールを光延条件下で式:
【化8】

[式中、
Xは、Cl、Iまたはベンジルオキシである]
で示されるプリン化合物と縮合して、式:
【化9】

で示されるメチレン化合物を得て;そして、
(h)式38で示される化合物を式21で示される化合物に変換する、
ことを含む、該製造法。
【請求項7】
式:
【化10】

で示されるエンテカビルの製造法であって、
(a)式:
【化11】

[式中、
は、C〜Cアルキルまたはフェニルであり、そしてRはC〜Cアルキルである]
で示されるシクロペンテノンをヨウ素と反応し;
(b)工程(a)の生成物のカルボニル基を還元して、式:
【化12】

で示されるヨード化合物を得て;
(c)式40で示されるヨード化合物を変換して、式:
【化13】

[式中、
Rは、C〜Cアルキルまたはベンジルである]
で示される化合物を得て;
(d)式41で示される化合物を式RC(O)−Y(式中、RはC〜Cアルキル、アリールアルキルまたはアリールであり、そして、Yは脱離基である)の活性化アシル剤を用いてアシル化して、式:
【化14】

で示される化合物を得て;
(e)工程(d)の生成物を、式RSiCH(式中、Rは、アリル、フェニル、C〜CアルキルフェニルまたはC〜Cアルコキシフェニルであり;Rは、C〜Cアルキルであり;そして、Xは、クロロ、ブロモまたはヨードである)で示される(ハロメチル)シラン試薬から製造されるグリニャール試薬を用いて処理して、式:
【化15】

で示されるエステルを得て;
(f)式43で示されるエステルをヒドリド試薬を用いて還元して、式:
【化16】

で示されるアリルアルコールを得て;
(g)式44で示されるアリルアルコールを酸化剤を用いてエポキシ化して、式:
【化17】

で示されるシクロペンタンエポキシドを得て;
(h)式45で示されるシクロペンタンエポキシドを式:
【化18】

[式中、
Xは、Cl、Iまたはベンジルオキシである]
で示されるプリン化合物のアルカリ金属塩と反応させて、式
【化19】

で示される化合物を得て;
(i)式46で示される化合物を式:
【化20】

で示されるメチレン化合物に変換し;
(j)式47で示される化合物を、シリル部分のプロト脱シリル化に有効である酸または塩基を用いて処理し;そして、
(k)工程(j)の生成物を酸化して、式21で示される化合物を得る、
ことを含む、該製造法。
【請求項8】
式:
【化21】

で示されるエンテカビルの製造法であって、
(a)式:
【化22】

で示されるホモキラルな二環式ラクトンをパラホルムアルデヒド、酢酸および硫酸を用いて処理して、式:
【化23】

で示されるジアセテートを得て;
(b)工程(a)のジアセテート生成物をアルコール溶媒中で塩基を用いて処理してアセテート保護基を除去して、式:
【化24】

で示される化合物を得て;
(c)工程(b)の生成物を式RSiY(式中、Rは直鎖または分枝のC〜Cアルキルまたはフェニルであり、Rは直鎖または分枝のC〜Cアルキルであり、そしてYは脱離基である)で示されるシリル化試薬を用いて処理して、式:
【化25】

で示される化合物を得て;
(d)工程(c)の生成物を強い非求核性塩基および(1S)−(+)−(10−カンファースルホニル)オキサジリジンを用いて処理して、式:
【化26】

で示される化合物を得て;
(e)工程(d)由来の生成物のラクトン部分をヒドリド試薬を用いて還元して、式:
【化27】

で示される化合物を得て;
(f)工程(e)由来の生成物を酸化剤を用いて切断して、式:
【化28】

で示される化合物を得て;
(g)工程(f)由来の生成物をヒドリド試薬を用いて還元して、式:
【化29】

で示されるジオールを得て;
(h)工程(g)由来の生成物の第1級アルコールを、式RSOCl(式中、RはC〜Cアルキル、トリフルオロメチル、フェニルまたは置換フェニル(ここで、該置換基は、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである)である)で示される試薬を用いて選択的にスルホニル化し;
(i)工程(h)由来の生成物の第2級アルコールを、式RC(O)−Y(式中、RはC〜Cアルキル、アリールアルキルまたはアリールであり、そしてYは脱離基である)で示されるアシル化剤を用いてアシル化して、式:
【化30】

で示される化合物を得て;
(j)工程(i)由来の生成物を強塩基を用いて処理して、脱離およびカルボン酸エステルの加水分解を有効として、式:
【化31】

で示される化合物を得て;
(k)工程(j)由来の生成物を式:
【化32】

[式中、
Xは、Cl、Iまたはベンジルオキシである]
で示されるプリン化合物と光延条件下で縮合して、式:
【化33】

で示されるメチレン化合物を得て;
(l)式57で示されるメチレン化合物のシリルエーテル保護基を除去して;そして、
(m)該6−X基を加水分解して、式21で示される化合物を得る、
ことを含む、該製造法。
【請求項9】
式:
【化34】

で示されるエンテカビルの製造法であって、
(a)式:
【化35】

で示される化合物を還元して、式:
【化36】

[式中、
は直鎖または分枝のC〜Cアルキルまたはフェニルであり、そしてRは直鎖または分枝のC〜Cアルキルである]
で示されるラクトールを得て;
(b)工程(a)のラクトール生成物をフリーラジカル酸化によってヨウ素化して、式:
【化37】

で示されるヨウ化物化合物を得て;
(c)工程(b)由来の生成物を強塩基を用いて処理して、式:
【化38】

で示されるメチレン化合物を得て;
(d)工程(c)由来の生成物を式:
【化39】

[式中、
Xは、Cl、Iまたはベンジルオキシである]
で示されるプリン化合物と光延条件下で縮合して、式:
【化40】

で示されるメチレン化合物を得て;
(e)式57で示されるメチレン化合物のシリルエーテル保護基を除去し;そして、
(f)該6−X基を加水分解して、式21で示される化合物を得る、
ことを含む、該製造法。
【請求項10】
式:
【化41】

で示されるエンテカビルの製造法であって、
(a)式:
【化42】

で示される化合物を、式RSiY(式中、Rは直鎖または分枝のC〜Cアルキルまたはフェニルであり、Rは直鎖または分枝のC〜Cアルキルであり、そしてYは脱離基である]
で示される化合物を用いてシリル化して、式:
【化43】

で示される化合物を得て;
(b)工程(a)由来の生成物を、ベンジル保護基を除去するのに十分な条件下で還元して、式:
【化44】

で示される化合物を得て;
(c)工程(b)由来の生成物のアルコール部分を、式SO(式中、RはC〜Cアルキル、トリフルオロメチルまたは置換フェニル(ここで、該置換基は、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである)である)で示されるスルホネートエステルに変換して、式:
【化45】

で示される化合物を得て;
(d)工程(c)由来の生成物を強塩基を用いてRSOHの脱離を有効として、式:
【化46】

で示されるメチレン化合物を得て;
(e)工程(d)由来の生成物を1,3−ジチアンのリチウム塩を用いて処理して、式:
【化47】

で示される化合物を得て;
(f)式87で示される化合物のジチオアセタール部分を加水分解し;そして、
(g)工程(f)の生成物をヒドリド試薬を用いて処理して、式:
【化48】

で示される化合物を得て;
(h)式88で示される化合物を式RC(O)−Y(式中、Yは脱離基であり、そしてRはC〜Cアルキルまたはアリールである)で示される化合物を用いてアシル化して、式:
【化49】

で示される化合物を得て;
(i)工程(h)由来の生成物を式:
【化50】

[式中、
Xは、Cl、Iまたはベンジルオキシである]
で示されるプリン化合物と光延条件下で縮合して、式:
【化51】

で示されるメチレン化合物を得て;
(j)式90で示されるメチレン化合物からアシルエステル保護基を除去し;そして、
(k)該X基を加水分解して、式21で示される化合物を得る、
ことを含む、該製造法。
【請求項11】
式:
【化52】

で示されるエンテカビルの製造法であって、
(a)式:
【化53】

[式中、
RはC〜Cアルキルまたはベンジルであり、そして、Rはベンジル、フェニル部分上で置換されたベンジル(ここで、該置換基はC〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである)、RSi(式中、Rは直鎖または分枝のC〜Cアルキルまたはフェニルであり、そして、Rは直鎖または分枝のC〜Cアルキルである)である]
で示されるエステルを、ヒドリド試薬を用いて還元して;
(b)工程(a)由来の生成物をホモキラルな酒石酸ジエステル、ヒドロペルオキシド、および金属触媒を用いて不斉エポキシ化して、式:
【化54】

で示されるシクロペンタンエポキシドを得て;
(c)工程(b)の生成物を式:
【化55】

[式中、
Xは、Cl、IまたはBnOである]
で示されるプリン化合物のアルカリ金属塩を用いて処理して、式:
【化56】

で示される化合物を得て;
(d)工程(c)の隣接ジオール生成物をアルケンに変換して、式:
【化57】

で示されるメチレン化合物を得て;
(e)式19で示される化合物のX基を加水分解して、式:
【化58】

で示されるメチレン化合物を得て;そして、
(f)該ベンジルエーテル保護基を除去して、式21で示される化合物を得る、
ことを含む、該製造法。
【請求項12】
式:
【化59】

[式中、
Rは、C〜Cアルキルまたはベンジルである]
で示されるエステルの製造法であって、
(a)式:
【化60】

で示されるジオールを無水物を用いてアセチル化して、式:
【化61】

で示されるジアセテートを得て;
(b)工程(c)由来の生成物を加水分解酵素を用いて加水分解して、式:
【化62】

で示される化合物を得て;
(c)工程(b)由来の生成物をフェニルスルホニルニトロメタンとカップリングさせて、式:
【化63】

で示される化合物を得て;
(d)工程(c)由来の生成物をベンジルハライドを用いてアルキル化して、式:
【化64】

で示される化合物を得て;
(e)工程(d)由来の生成物を式:
【化65】

で示されるエステルに変換して;そして、
(f)式で示されるエステルを塩基性条件下で異性化して、式で示されるエステルを得る、
ことを含む、該製造法。
【請求項13】
式:
【化66】

[式中、
Rは、C〜Cアルキルまたはベンジルである]
で示されるエステルの製造法であって、
(a)式:
【化67】

で示されるジオールを、C〜Cアルキルアセテートエステルおよび加水分解酵素を用いて不斉アセチル化して、式:
【化68】

で示される化合物を得て;
(b)工程(a)由来の生成物をアシル化して、式:
【化69】

[式中、
は、C〜Cアルキル、ベンジル、フェニルまたは置換フェニル(ここで、該置換基は、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである)である]
で示される炭酸アルキルを得て;
(c)工程(b)由来の生成物を、フェニルスルホニルニトロメタンとカップリングして、式:
【化70】

で示される化合物を得て;
(d)工程(c)由来の生成物を塩基を用いて加水分解して、式:
【化71】

で示される化合物を得て;
(e)工程(d)由来の生成物を、強い非求核性塩基の存在下でベンジルハライドを用いてアルキル化して、式:
【化72】

で示される化合物を得て;
(f)工程(e)由来の生成物を式:
【化73】

で示されるエステルに変換し;そして、
(g)式で示されるエステルを塩基性条件下で異性化して、式で示されるエステルを得る、
ことを含む、該製造法。
【請求項14】
式:
【化74】

[式中、
Rは、C〜Cアルキルまたはベンジルである]
で示されるエステルの製造法であって、
(a)式:
【化75】

で示されるシクロペンタンエポキシドを強い非求核性塩基と反応させて、式:
【化76】

で示されるアリルアルコールを得て;
(b)工程(a)由来の生成物をアシル化して、式:
【化77】

[式中、
は、C〜Cアルキル、ベンジル、フェニルまたは置換フェニル(ここで、該置換基は、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである)である]
で示される炭酸アルキルエステルを得て;
(c)工程(b)の生成物をフェニルスルホニルニトロメタンとカップリングして、式:
【化78】

で示される化合物を得て;
(d)工程(c)由来の生成物を、式:
【化79】

で示される酸に変換し;
(e)工程(d)由来の生成物を、式:
【化80】

で示されるエステルに変換し;そして、
(f)工程(e)由来の生成物を塩基性条件下で異性化して、式で示されるエステルを得る、
ことを含む、該製造法。
【請求項15】
式:
【化81】

[式中、
Rは、C〜Cアルキルまたはベンジルであり;Rは、ベンジルまたはフェニル部分上で置換されたベンジル(ここで、該置換基は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、またはRSi(式中、RはC〜Cアルキルまたはフェニルであり、そして、RはC〜Cアルキルである)である]
で示されるエステルの製造法であって、
(a)式:
【化82】

で示されるアリルアルコールを酸化剤を用いて酸化して、式:
【化83】

で示されるシクロペンテノンを得て;
(b)式80で示されるシクロペンテノンを水素化トリ−sec−ブチルリチウムを用いて還元し;
(c)工程(b)の生成物をトリフレート化試薬を用いてスルホニル化して、式:
【化84】

で示される化合物を得て;そして、
(d)式81で示される化合物のトリフレート部分をアルコキシカルボニル部分に変換して、式で示されるエステルを得る、
ことを含む、該製造法。
【請求項16】
式:
【化85】

[式中、
はベンジルまたはRSi−(式中、RはC〜Cアルキルまたはフェニルであり、そして、RはC〜Cアルキルである)である]
で示される、化合物。
【請求項17】
式:
【化86】

[式中、
は、アリル、フェニル、C〜CアルキルフェニルまたはC〜Cアルコキシフェニルであり;
は、C〜Cアルキルであり;
は、C〜Cアルキルまたはフェニルであり;そして、
は、C〜Cアルキルである]
で示される、化合物。
【請求項18】
式:
【化87】

[式中、
は、アリル、フェニル、C〜CアルキルフェニルまたはC〜Cアルコキシフェニルであり;
は、C〜Cアルキルであり;
は、C〜Cアルキルまたはフェニルであり;そして、
は、C〜Cアルキルである]
で示される、化合物。
【請求項19】
式:
【化88】

[式中、
およびZは共にRSiO−であり、そしてZはヒドロキシであるか、あるいは、
およびZは共にヒドロキシであり、そしてZはRSiO−であり;
は、C〜Cアルキルまたはフェニルであり;そして、
は、C〜Cアルキルである]
で示される、化合物。

【公開番号】特開2010−222365(P2010−222365A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120589(P2010−120589)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【分割の表示】特願2004−558730(P2004−558730)の分割
【原出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】