説明

抗菌性及び帯電防止性のポリマー並びに各種基材でのそのようなポリマーの使用方法

本発明は、抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を有する基材に関する。そのような特性は、カチオン荷電ポリマー組成物から形成されるコーティング又はフィルムを付与することで与えられる。そのポリマー組成物は、非カチオン性エチレン性不飽和モノマーと、ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマーとを含む。前記ポリマー組成物は、カチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分を含んでいても良い。本発明はさらに、パーソナルケア製品及び上記カチオン荷電ポリマー組成物と混合された基剤ポリマーを含むポリマー材料に関するものでもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固有の抗菌性又は帯電防止性を有するポリマーに関する。そのようなポリマーは、多種多様な基材、すなわち織物、金属、セルロース系材料、プラスチックなどと組み合わせて応用又は使用して、基材に抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を与えることができる。さらに、そのポリマーを他のポリマーと組み合わせることも可能である。すなわち本発明のポリマーを従来の組成物に対する添加剤として用いて、そのような他のポリマーに抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を与えることが可能である。
【背景技術】
【0002】
各種の細菌、真菌、ウィルス、藻類及び他の微生物が環境に存在し、それらに接触する人に悪影響を及ぼす可能性があることが知られている。そのような微生物は、病気、悪臭並びに多種多様な材料及び基材に対する損傷の原因として望ましくないものである場合が多い。そのような微生物と戦うために、抗菌剤が提案されてきた。しかしながら、そのような薬剤は、持続性且つ相溶性であること、また多種多様なポリマー材料及び基材において、及びそれらと共に使用されることも求められている。
【0003】
各種添加剤及びポリマー系が、抗菌性を提供するものとして提案されている。例えば、ビック(Byck)に付与された米国特許第3,872,128号、ブレイクリー(Blakely)らに付与された同5,024,840号、マルロース(Malrose)らに付与された同5,290,894号、オッタースバッハ(Ottersbach)らに付与された同5,967,714号、同6,203,856号及び同6,248,811号、クラッセ(Klasse)らに付与された同6,194,530号並びにスィッディーキー(Siddiqui)らに付与された同6,242,526号を参照する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第3,872,128号
【特許文献2】米国特許第5,024,840号
【特許文献3】米国特許第5,290,894号
【特許文献4】米国特許第5,967,714号
【特許文献5】米国特許第6,203,856号
【特許文献6】米国特許第6,248,811号
【特許文献7】米国特許第6,194,530号
【特許文献8】米国特許第6,242,526号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
帯電防止性に関しては、各種基材が、導電率が低いために静電気を蓄積する傾向を有する。これはプラスチック基材では特に問題となる。そのような蓄積は、加工に悪影響を与え、例えば半導体装置などで電気的損傷を生じさせ、電気アーク発生によって火災の原因となり、基材を扱う人員を電気ショックに曝す可能性がある。静電気蓄積に関連するそのような効果によって、皮膚及び髪に使用されるパーソナルケア用途において、例えばシャンプーで処理した髪におけるまとまり感の喪失(flyaways)及び縮れといった望ましくない結果を生じる可能性がある。そのような静電気蓄積に対しては、多様な解決法が提案されている。例えば、ワイペルト(Weipert)らに付与された米国特許第4,029,694号及び同4,093676号、ロギン(Login)に付与された同4,098,842号、ガガー(Gaggar)らに付与された同4,857,590号並びにササキ(Sasaki)らに付与された同4,859,727号を参照する。
【0006】
しかしながら現在もなお、多種多様な基材及び材料に対して持続的な抗菌性及び/又は帯電防止性を提供する、より安全且つ低刺激性となり得るポリマー組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を有する基材に関する。そのような特性は、非カチオン性エチレン性不飽和モノマー、ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマー、及び場合により、カチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分を含むカチオン荷電ポリマー組成物から形成されるコーティング又はフィルムを付与することで与えられる。
【0008】
本発明は、非カチオン性エチレン性不飽和モノマー、ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和カチオン性モノマー、及び場合により、カチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分を含むカチオン荷電ポリマー組成物と混合された基剤ポリマーを含むパーソナルケア製品及びポリマー材料に関するものでもある。
【0009】
本発明は、非カチオン性エチレン性不飽和モノマー、ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和カチオン性モノマー、及び場合により、カチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分を含むラテックス組成物に関するものでもある。多様なパーソナルケア製品及び消毒剤が、そのラテックス組成物を含むことができる。
【0010】
本発明は、非カチオン性エチレン性不飽和モノマー;ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマーを含むカチオン荷電ポリマー組成物又はラテックス組成物を含む消毒剤組成物に関するものでもある。その消毒剤は、カチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分を含んでいても良い。その消毒剤はさらに、天然植物系ロウ、動物由来ロウ、天然鉱ロウ、合成鉱ロウ、合成ロウ、炭素鎖長が1より大きいアルコール、アルコールのエステル、ステアリン酸金属塩、カルボン酸、脂肪酸、オイル、脂肪酸アミド、薬用化粧品又は栄養補助食品などの少なくとも一種の活性成分をさらに含むことができる。
【0011】
また、本発明は、基材に抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を提供する方法にも関するものである。その方法は、上記のカチオン荷電ポリマー組成物を基材に付与する段階を有する。
【0012】
また、本発明は、ポリマー材料に抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を与える方法にも関するものである。その方法は、上記のカチオン荷電ポリマー組成物と基剤ポリマーを混合する段階を有する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
下記の詳細な説明では、本発明を実施することができるよう、本発明の実施形態について詳細に説明する。これらの具体的な実施形態を参照して本発明について説明するが、本発明がこれらの実施形態に限定されないことは明らかである。本発明は、下記の詳細な説明を考慮することで明らかになる多くの代替物、改変及び均等物を包含するものである。
【0014】
本明細書で使用される場合、「活性成分」という表現は、有機成分及び無機成分を含むものであり、所望の最終的な利益をもたらす添加剤と大まかに解釈すべきである。一つの例として、本発明の有効成分には、抗細菌活性、抗菌活性、抗真菌活性、抗ウィルス活性若しくは抗寄生虫活性を与える一以上の生理活性成分などがあるが、これらに限定されるものではない。別の例として、本発明の有効成分には、一以上の保湿剤、老化防止剤、UVフィルター剤、日焼け剤又はフケ防止剤などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
上記でまとめたように、本発明は、カチオン荷電ポリマー組成物を利用して、基材に抗菌性及び/又は帯電防止性を付与又は提供するか、又はその組成物を基剤ポリマーと混合して、抗菌性及び/又は帯電防止性を有するポリマー材料を提供する。カチオン荷電ポリマー組成物は、非カチオン性エチレン性不飽和モノマー、ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマー、及び場合により立体安定化成分を含む。
【0016】
好適な基材には、布地(織布及び不織布の両方)、有機及び無機粒子、繊維及び凝集体;発泡体;フィルム;紙又は木材など(これらに限定されるものではない)のセルロース材料;金属;コンクリート;石造物;ガラス;及び熱硬化性及び熱可塑性の両方のプラスチック並びに皮膚及び髪などの有機基材などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
前記組成物では、各種非カチオン性エチレン性不飽和モノマーを用いることができる。モノマーの例は、1999年8月6日出願の米国特許出願第09/370,395号及びクリシュナン(Krishnan)に付与された米国特許第5,830,934号に記載されており、これらは参照によって全体が本明細書に組み込まれる。そのようなモノマーには、スチレン、パラメチルスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族モノマー類;エチレンなどのオレフィン類;ブタジエンなどの脂肪族共役ジエンモノマー類;メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリルなどの非芳香族不飽和モノ若しくはジカルボン酸エステルモノマー類;マレイン酸モノメチルなどの不飽和ジカルボン酸モノマーの半エステルに基づくモノマー類;イタコン酸などの不飽和モノ若しくはジカルボン酸モノマー及びその誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-(イソブトキシメチル)アクリルアミドなどの含窒素モノマー類;リン含有モノマー類;スチレンスルホネートなどの硫黄含有モノマー類;及びネオデカン酸ビニル及びバーサチック酸ビニルなどの分岐ビニルエステル類等のビニルエステルモノマー類などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
アクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキルのフッ素化類縁体も用いることができる。上記のものの混合物を使用しても良い。
【0019】
前記組成物は好ましくは、全モノマー重基準で約20〜約99パーセントの非カチオン性エチレン性不飽和モノマーを含む。
【0020】
前記組成物は、ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和カチオン性モノマーも含む。そのカチオン性モノマーは、そのエチレン性不飽和結合によってポリマー組成物に組み込まれる。本発明に関して、「カチオン性モノマー」という用語は、正味の正電荷を有するか、変化してそれを提供することができるモノマーを指す。例えば、その正電荷は、モノマー中に存在するヘテロ原子によって付与され得るものである。ヘテロ原子の例には、窒素、硫黄及びリンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
カチオン性モノマーの例には、アミン及びアミドモノマー類並びに四級アミンモノマー類などがある。アミン及びアミドモノマー類には、アクリル酸ジメチルアミノエチル;アクリル酸ジエチルアミノエチル;メタクリル酸ジメチルアミノエチル;メタクリル酸ジエチルアミノエチル;メタクリル酸tert−ブチルアミノエチル;N,N-ジメチルアクリルアミド;N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド;アクリロイルモルホリン;N-イソプロピルアクリルアミド;N,N-ジエチルアクリルアミド;ジメチルアミノエチルビニルエーテル;2-メチル-l-ビニルイミダゾール;N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド;ビニルピリジン;ビニルベンジルアミンメチルクロライド四級塩;メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド四級塩;ジアリルジメチルアンモニウムクロライド;N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライド四級塩;トリメチル-(ビニルオキシエチル)アンモニウムクロライド;1-ビニル-2,3-ジメチルイミダゾリニウムクロライド;ビニルベンジルアミン塩酸塩;ビニルピリジニウム塩酸塩;及びこれらの混合物などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本発明の組成物で使用可能な四級アミンモノマー類には、例えば酸を用いるプロトン化により、又はアルキルハライド若しくは硫酸アルキルを用いるアルキル化反応を介して上記アミンモノマーから得られるものなどがある。
【0023】
別の形態では、カチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマーは、疎水性を提供する能力を有する四級誘導体を含む。好ましい実施形態では、その四級誘導体は、2〜20個の炭素(C2〜C20)を有するアルキル基に基づくものである。例えば、下記のものを用いることができると考えられる。
【0024】
1.CH2=C(R)COOCH(OH)CH2N+(X-)(RO)(R=H、CH3及びR=(CH2)nCH3又は(CF2)CF3であり、X=C1、Br、I又はサルフェートである)。例えば、これは、メタクリル酸グリシジルと四級化されている2級アミンの反応生成物であってもよい。
【0025】
2.CH2=C(R)ΚCH2N+(X)(R)(R、R及びXは上記と同じ意味を有する)。これは、原料をビニルベンジルクロライドとする、上記のものと比較して同様の反応である。
【0026】
3.第3の手法は、ビニルピリジンを原料とし、上記のようなアルキルピリジニウム塩を作るものとしてもよい。
【0027】
アミン塩も使用可能であり、例えば、エポキシ基と2級アミンとを反応させ、その後、新たに形成された3級アミンを酸で中和することで得られる。その例には、メタクリル酸グリシジルとフリーラジカル重合可能な2級アミンの反応生成物がある。
【0028】
四級アミン官能性は、例えばエポキシ基を有するプレフォームポリマーでの後反応として発生させることもできる。これらの種類の反応の例が、論文(Polymer Compositions for Cationic Electrodepositable Coatings, Journal of Coatings Technology, Vol 54, No 686, March 1982)に記載されている。さらに理解すべき点として、カチオン官能性は、スルホニウム又はホスホニウム化学を介しても付与可能であり、それについても上記の論文に記載されている。
【0029】
前記組成物は好ましくは、全モノマー重量基準で約0.5〜約98パーセントのカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマーを含み、その量はポリマー組成物の選択される用途によって決まる。
【0030】
前記組成物はさらに、カチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた、その組成物を立体的に安定化させる成分を含んでいても良い。好適な成分には、下記に記載のモノマー類、ポリマー類及びそれらの混合物などがあるが、これらに限定されるものではない。本発明に関して、モノマーの使用に関連した「組み込まれた」という用語は、そのモノマーがカチオン性ポリマーの骨格に結合することを意味すると解釈することができる。組成物に「組み込まれた」ポリマーは、それが組成物表面に吸着又はグラフトされることを意味するものと解釈することができ、その例にはポリビニルアルコールがあり得る。この安定化成分は、ポリマー組成物に悪影響を与えることなく組成物粒子に立体的安定化を組み込むノニオン性のモノマー又はポリマーを包含し得る。立体安定化剤として用いることができるモノマーの例には、エトキシル化若しくはプロポキシル化など(これらに限定されるものではない)のアルコキシル化された官能基を有するものなどがあるが、これらに限定されるものではない。そのようなモノマーの例には、下記式:CH2=C(R)COO(CH2CHR'O)nR"[式中、R=H、C1-C4アルキル;及びR'=H、C1-C4アルキル及びR"=H、C1-C12アルキル及びn=1〜30である];又はCH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR'O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキル及びR'=H、C1-C4アルキル及びR"=H、C1-C12アルキルであり、n及びmはそれぞれ1〜15の範囲にある];及びCH2=C(R)COO(CH2CHR'O)n(CH2CH2O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキル及びR'=H、C1-C4アルキル及びR"=H、C1-C12アルキルであり、n及びm=1〜15である]によって記載されるものなどがある。
【0031】
好ましい化合物は、R"がC11であるウンデシレン酸エステル類である。好ましくは、そのモノマーは、2000未満の分子量を有する。
【0032】
マレイン酸及びイタコン酸などの二酸のエトキシル化モノ及びジエステルを用いて、同じ安定化効果を得ることもできる。
【0033】
前記組成物はさらに、少なくとも一種類の界面活性剤を含むことができる。好適な界面活性剤には、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はこれら界面活性剤の混合物などがあるが、これらに限定されるものではない。一実施形態では、アクリレート、メタクリレート、ビニル及びアリル版の界面活性剤に基づく重合性界面活性剤を用いることができる。これの一例は、ドイツ・ジュッセルドルフのヘンケル(Henkel)が販売しているTREM LF-40がある。これらの界面活性剤はエチレン性不飽和結合を有し、それによって界面活性剤をポリマー組成物に組み込むことが可能となる。他の界面活性剤と同様、これらの材料は多様な疎水性及び親水性官能基を有する。本発明に特に適用可能な界面活性剤はノニオン性界面活性剤であり、それの親水特性はエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド基の存在によるものであると考えられている。BASFからのプルロニック(Pluronic)又はテトロニック(Tetronic)シリーズなどのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドのブロックコポリマーも、特に帯電防止分野において用いることができる。親水性の程度は、官能基の選択に基づいて変動し得る。
【0034】
ポリマーを用いて、立体的安定性を提供することもできる。例えば、保護コロイドを用いることができる。これらの材料の例には、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール類、ポリグリコール-エーテル類、プロピレングリコール類、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドコポリマー類、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドコポリマー類及び/又はエチレンオキサイド/ブチレンオキサイドコポリマー類などがあるが、これらに限定されるものではない。上記モノマー及びポリマーのいずれかの混合物も用いることができる。使用することで安定性を付与し得る他のモノマー及びポリマーが、クリシュナン(Krishnan)らに付与された米国特許第5,830,934号に挙げられている。
【0035】
組成物を安定化させるのに用いても良い立体安定化成分は、モノマーの総重量に基づいて約0〜約75パーセントの範囲の量で存在する。
【0036】
本発明の組成物は、フリーラジカル開始剤を含むこともでき、それの選択は当業界では公知である。好ましくは、分解時にカチオン性化学種を発生し、組成物のカチオン電荷に寄与するフリーラジカル開始剤を用いる。そのような開始剤の一例は、ワコー・ケミカルズ(Wako Chemicals, Richmond, Virginia)によってWako V-50として市販されている2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩)である。
【0037】
本発明の組成物は、ポリマーの物理的及び/又は機械的特性を改善するために他の添加剤を含むこともでき、それの選択は当業者には公知である。それらの添加剤には、架橋剤、天然及び合成結合剤、可塑剤、柔軟剤、発泡防止剤、発泡助剤、難燃剤、分散剤、pH調節性成分、金属イオン封鎖剤又はキレート剤及び他の成分など(これらに限定されるものではない)の加工助剤及び性能助剤(performance aids)などがある。一実施形態において、重合工程時には、0.1〜1.0重量パーセントのノニオン性界面活性剤を用いても良い。さらに、前記組成物は好ましくは、従来の非重合性のカチオン性及びアニオン性界面活性剤を含まないものであることができる。
【0038】
前記組成物は、噴霧、ロールコーティング、はけ塗り、浸漬、含浸、サイズプレスなどの当業者には公知の技術を用いて、コーティング又はフィルムとして基材に付与することができる。
【0039】
本発明の組成物は、他のポリマーを含む基剤ポリマーと混合することができる。好適な基剤ポリマーには、ポリウレタン類、フェノール類、ポリエステル類、ポリオレフィン類、ポリアミド類、ポリカーボネート類、ポリエーテル類、ポリエーテル-アミド類及びイミド類、ポリ有機シラン類、ポリスルホン類、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、アクリル類、スチレン-ブタジエン類、スチレンアクリロニトリル類、ABS、EVA、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテル-エステル類、ポリエポキシド類、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びその誘導体などの複素環ポリマー類並びにラテックス系材料など(これらに限定されるものではない)の各種熱可塑性及び熱硬化性ポリマーなどがある。別の実施形態では、カチオン荷電ポリマーを、他のカチオン性ポリマーなどの抗菌性又は帯電防止性を有する別のポリマーと混合することができる。
【0040】
その混合物を系中(in situ)で作ることで、相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)を形成することができると考えられる。乳濁又は懸濁工程によって後段の重合を行うことができる核として、これら上記成分のうちの一以上を有するコアシェル格子又は複合材料を作ることができると考えられる。これの別の例には、懸濁又は分散/ミニエマルジョン工程とそれに続くラジカル工程により、基材の原料から、例えばウレタン類などのポリマーを作ることが考えられる。従って、縮合及びフリーラジカル工程を組み合わせることが可能であると考えられる。その目的は、ハイブリッドであるより広範囲のポリマーを作ることにあろう。その化学の別の展開は、RAFT、ATRP及びSFRP(窒素酸化物を使用)などの制御されたラジカル重合工程を用いることから広がる可能性があり、それにより、ブロック、グラフト、星形、超分岐及びデンドリマーなどの多様な構造を有するポリマーが提供されるであろう。それにより、ポリマーの形態、活性及び特異性を制御することが可能となり、特定の機能を満足するよう作られた分子を形成することが可能となる。
【0041】
その組成物は、界面活性剤及び発泡剤を加えることで開細胞又は閉細胞型の発泡体の形態で用いることができる。その発泡体を多種多様な形態で用いて、各種物品に抗菌性及び/又は帯電防止性を付与することができる。例えば、発泡体を用いて、カーペットの発泡体下敷きなどの物品に防音性と抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上の両方を与えることができると考えられる。その発泡体は、物品自体として、例えば枕若しくはマットレスの発泡体として用いることができると考えられる。その発泡体は、おむつにおける吸収剤として用いることで尿を吸収すると同時に抗菌的保護を提供したり、パーソナルケア用途でのティッシュ(wipe)又はウェットティッシュ(towellette)として用いることができると考えられる。
【0042】
アニオン性モノマー又はポリマーが含まれる両性又は双性イオンポリマーも、本発明の組成物を用いて製造することができると考えられる。
【0043】
抗菌剤及び/又は帯電防止剤を添加剤として用いて、本発明の組成物の固有の抗菌性又は帯電防止性を高めることができる。抗菌性モノマーとなり得るものは、ウンデシレン酸若しくはアルコール、又はウンデシレン酸若しくはアルコールとエチレン性不飽和結合を有するヒドロキシル若しくは酸含有材料とのエステルを生成する反応生成物である。酸官能性モノマーの一例には、アクリル酸又は無水マレイン酸がある。ヒドロキシル官能性モノマーの一例には、メタクリル酸ヒドロキシルエチル又はポリエチレングリコールメタクリレートがある。ウンデシレン酸は抗真菌特性を提供することが知られており、それもやはり、特にはカチオン性及びフェノール型の中間体と組み合わせた場合に、化学の展開を広げる際に利点を提供する可能性があると考えられる。
【0044】
キトサン、修飾されたキトサン類又はキトサン塩も、前記組成物に組み込むことができる。キトサンは天然アミノ官能性糖類であり、抗菌性であることが知られている。さらに、キトサンは、立体的安定性をも提供するという二重目的も果たすことが可能であると考えられる。
【0045】
他の抗菌剤には、銀、亜鉛など及びそれらの及びオキサイドなどの金属系殺生物剤、クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、グルタラール、ハラゾン、ヘキサクロロフェン、ニトロフラゾン、ニトロメルゾール、ポビドン-ヨウ素、チメロサール(thimerosol)、C1-C5-パラベン類、次亜塩素酸塩、クロフカルバン(clofucarban)、クロロフェン、ポロキサマー-ヨウ素、フェノール類、酢酸マフェニド、アミナクリン塩酸塩、四級アンモニウム塩、オキシクロロセン(oxychlorosene)、メタブロムサラン、メルブロミン、ジブロムサラン、ラウリン酸グリセリル、ナトリウム及び/又亜鉛ピリチオン、(ドデシル)(ジエチレンジアミン)グリシン及び/又は(ドデシル)(アミノプロピル)グリシン;フェノール類、m-クレゾール、o-クレゾール、p-クレゾール、o-フェニル-フェノール、レゾルシン、ビニルフェノールなど(これらに限定されるものではない)のフェノール系化合物、重合グアニジン類、ポリミキシン類(olymyxins)、バシトラシン、シルクリン、オクタペプチン類、リゾチーム、リソスタフィン、セルロース分解(cellulytic)酵素全般、バンコマイシン、リストセチン、アクチノイジン類及びアボパルシン類、チロシジンA、グラミシジンS、ポリオキシンD、ツニカマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシンなどがある。このリストは、有用となり得る抗菌剤を完全に網羅したリストを提供することを意図したものではない。むしろ、いくつかの参考文献:“Antibiotics, Chemotherapeutics and Antibacterial Agents for Disease Control”, M. Grayson, Ed., J. Wiley and Sons, N.Y., 1982が参照によって組み込まれる。作用機序による抗生物質の分類については、“The Molecular Basis of antibiotic Action”, Second Edition, E. F. Gale et al., J. Wiley and sons, N.Y., 1981に記載されている。添加剤及びポリマー系については、ビック(Byck)に付与された米国特許第3,872,128号、ブレイクリー(Blakely)らに付与された同5,024,840号、マルロース(Malrose)らに付与された同5,290,894号、オッタースバッハ(Ottersbach)らに付与された同5,967,714号、同6,203,856号及び同6,248,811号、クラッセ(Klasse)らに付与された同6,194,530号並びにスィッディーキー(Siddiqui)らに付与された同6,242,526号に記載されており、これらそれぞれの開示内容は参照によって全体が本明細書に組み込まれる。
【0046】
帯電防止剤には、長鎖アミン類、アミド類及び四級アンモニウム塩類などの窒素化合物、脂肪酸のエステル及びそれらの誘導体、多価アルコール類及びそれらの誘導体、リン酸誘導体、高い誘電率を有する液体中の電解質の溶液、金属の塩及び酸化物、金属(例:鉄)、カーボンブラック、カーボンナノチューブ類及び半導体などがある。具体例には、Clariantからのホステンスタット(Hostenstat;登録商標)及びサンディン(Sandin;登録商標)帯電防止剤、BASFからのラロスタット(Larostat;登録商標)帯電防止剤、Bayerからのバイヒドロール(Bayhydrol;登録商標)帯電防止剤、Uniquemaからのアトマー(Atmer;登録商標)帯電防止剤、AlcoからのベルサTL(Versa TL;登録商標)並びに並びにAtofina、Noveon、Ciba、Eastman、Agfa、Ormecon Chemie及びPanipolから提供される他の各種静電防止剤などがある。
【0047】
帯電防止性組成物の提供に関して、アルキルアミン又はエトキシル化アミンと無水マレイン酸との反応生成物も使用可能であると考えられる。これによって、他のモノマーと共重合可能なエトキシレート又はアルキル鎖を有するマレイミド型モノマーを得ることができると考えられる。アルキレンオキシドマクロマーと、スチレンスルホネート類、アクリルアミドプロパンスルホン酸(AMPS)カルボン酸類(例:アクリル酸又はメタクリル酸の誘導体)などの他のモノマーとのコポリマーは、強力な帯電防止性添加剤となり得る。他の帯電防止法は、ワイペルト(Weipert)らに付与された米国特許第4,029,694号及び同4,093676号、ロジン(Login)に付与された同4,098,842号、ガガー(Gaggar)らに付与された同4,857,590号、並びにササキ(Sasaki)らに付与された同4,859,727号において提案されており、これらの開示内容は参照によって全体が本明細書に組み込まれる。
【0048】
本発明の別の態様では、少なくとも一種の活性成分を本明細書に記載の基材、ポリマー材料若しくはラテックス組成物又は製剤に後で添加することができる。その活性成分は、パラフィン、カルナウバ、オゾケライト(ozocertie)、モンタンロウ、例えばポリブチレン、蜜ロウ若しくはラノリンなどのポリオレフィンロウ類、カンデリラ及びカルナウバロウなどの天然植物系ロウ類、動物由来ロウ類、天然及び合成の鉱ロウ類並びに合成ロウ類のような疎水性成分;炭素鎖長が1より大きい、好ましくは炭素数が4より大きいアルコール類、特にはセチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、プロピレングリコール類、ミリスチルアルコール類、アラキジルアルコール、リグノセリルアルコールなどの脂肪族アルコール類;ステアリン酸エステル及びミリスチン酸エステルなどの上記アルコールのエステル;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム若しくはステアリン酸バリウムなどのステアリン酸金属塩;カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、コハク酸、アジピン酸及びセバシン酸などのカルボン酸類、特には鎖長が炭素3個より大きいカルボン酸;ステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸及びリノール酸などの脂肪酸類;香油類、エッセンシャルオイル類、植物油、魚油、パラフィンオイル及び鉱油などのオイル類;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの一級アミド類、ステアリルステアリン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミドなどの二級アミド類、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドなどのビスアミド類、ココモノエタノールアミド、ココジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド及びステアリン酸ジエタノールアミドなどのアルカノールアミド類、並びにアプリルアミド(aprylamide)、ペラルゴン酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキドン酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリルステアリン酸アミド、パルミトールアミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、オレイルパルミチン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、エルシルエルカ酸アミド、オレイルオレイン酸アミド、エルシルステアリン酸アミド及びリシノール酸アミドなどの他の各種脂肪酸アミドのような脂肪酸アミド類;エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド及びエチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド又はこれらのいずれかの組み合わせなどの脂肪族ビスアミド類であることができる。カチオン荷電ポリマー組成物は、特異的基材に加えられる固体での添加剤として用い、それから加工することができると考えられる。固体を用いるべきである場合、加工段階中に基剤ポリマーに、例えばポリカーボネート又はSAN中にペレットとして加えてから、押出成形又は射出成形を行うことになると考えられる。この場合、本発明の組成物は、表面上の局所的なコーティングとは対照的に、物品の重要な部分となると考えられる。そのポリマーは、バルク重合法、溶液重合法、熱乳化重合法、懸濁重合法、紫外線(UV)開始バルク重合法及びUV開始オンウェブ(on-web)重合法などの各種好適な重合法により、固体で製造することができる。好ましくは、前記ポリマーは、分散液/乳濁液を噴霧乾燥するか、懸濁重合によってそれを直接固体として製造することにより、固体で製造する。
【0049】
本発明の別の態様では、前記少なくとも一種の活性成分は、薬用化粧品又は栄養補助食品成分であることができる。例えば、前記活性成分は、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、硫酸コンドロイチン、エラスチン、コラーゲン、多糖類、グリコサミノグリカン、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、アスコルビン酸グルコサミン、アスコルビン酸アルギニン、アスコルビン酸リジン若しくはチロシン、アスコルビン酸グルタチオン、アスコルビン酸ニコチンアミド、アスコルビン酸ナイアシン、アスコルビン酸アラントイン、アスコルビン酸クレアチン、アスコルビン酸クレアチニン、アスコルビン酸コンドロイチン、アスコルビン酸キトサン、アスコルビン酸DNA、アスコルビン酸カルノシン、トコトリエノール、ルチン、ケルセチン、ヘスペリジン(hesperedin)、ジオスミン、マンギフェリン、マンゴスチン、シアニジン、アスタキサンチン、ルテイン、リコペン、レスベラトロル、テトラヒドロクルクミン、ロスマリン酸、ヒペリシン、エラグ酸、クロロゲン酸、オレウロペイン、α-リポ酸、リポ酸ナイアシンアミド、グルタチオン、アンドログラホリド、カルノシン、ナイアシンアミド、ポリフェノール類、ピクノジェノール及びこれらの混合物などの保湿剤又は皺取り剤/老化防止剤成分;ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、ホモサレート類、桂皮酸アルキル類、サリチル酸オクチルなどのサリチル酸誘導体、ジベンゾイルメタン類、アントラニル酸誘導体、メチルベンジリデン類、オクチルトリアゾン類、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、オクトクリレン、トリアジン類、桂皮酸誘導体、シアノアクリル酸誘導体、ジシアノエチレン類、エトクリレン、ドロメトリゾールトリシロキサン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、ドロメトリゾール、ジオクチルブタミドトリアゾン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸及びパラ-アミノ安息香酸誘導体並びにそれらのエステル誘導体などのUVブロッカー及び吸収剤成分(日焼け止め);サリチル酸などの抗アクネ剤;亜鉛ピリチオンなどのフケ防止剤;ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、メラニンなどの日焼け剤成分;ビタミンC及びその誘導体(例:酢酸アスコルビル、リン酸アスコルビル及びパルミチン酸アスコルビル)、ビタミンA及びその誘導体などの酸化防止剤;葉酸及びその誘導体;酢酸トコフェリル、フラボン類若しくはフラボノイド類などのビタミンE及びその誘導体、ヒスチジン、グリシン、チロシン、トリプトファン及びそれらの誘導体などのアミノ酸類;カロテノイド類及びカロテン類;尿酸及びその誘導体;クエン酸、乳酸、リンゴ酸;スチルベン類及びその誘導体;及びザクロ抽出物;ビタミンK1若しくはK2、ビタミンK1オキサイド又はビタミンK2オキサイド、ホルモン類、ミネラル類、植物若しくは植物抽出物、抗炎症剤、植物抽出物の濃縮物、緩和薬、皮膚保護薬、保湿剤、シリコーン類、皮膚無痛化成分、鎮痛剤又はかゆみ止め、皮膚浸透促進剤、可溶化剤、アルカロイド類及び加工助剤;各種染料及び顔料などの着色剤;及び身体用の香料又は芳香剤;又はこれらのいずれかの組み合わせであることができる。
【0050】
前記少なくとも一種の活性成分は、ハロゲン化第一銅、ハロゲン化第二銅、酢酸第二銅、ギ酸第二銅、酢酸第一銅、ギ酸第一銅、ハロゲン化第一鉄、ハロゲン化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、システイン、グルタチオン、N-アセチルシステイン、L-α-アセトアミド-β-メルカプトプロピオン酸、S-ニトロソ-グルタチオン、N-アセチル-3-メルカプト-アラニン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボキシレート、デスフェリオキサミン、アロプリノール、スーパーオキシドジスムターゼ及びサレン-マンガン錯体;並びにこれらのいずれかの組み合わせなどのフリーラジカル捕捉剤であることができる。
【0051】
本発明の一実施形態において、消毒剤組成物は、非カチオン性エチレン性不飽和モノマー;ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマー;及び場合によって、本明細書で定義のカチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分を含むカチオン荷電ポリマー組成物を含んで製造することができる。その消毒剤はさらに、天然植物系ロウ、動物由来ロウ、天然鉱ロウ、合成鉱ロウ、合成ロウ、1より大きい炭素鎖長を有するアルコール、アルコールのエステル、ステアリン酸金属塩、カルボン酸、脂肪酸、オイル、脂肪酸アミド、薬用化粧品又は栄養補助食品などの少なくとも一種の活性成分を含むことができる。
【0052】
消毒剤組成物はさらに、例えば四級アンモニウム化合物、フェノール類及びアルコール類などの各種一般的な殺菌性化合物並びにグリコールエーテル類、アルコール類、塩化メチレンなどの塩素化溶媒及び石油誘導体溶媒などの家庭クリーニングに使用される界面活性剤又は溶媒を含むことができる。リン酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩及びゼオライト類などの無機洗浄剤ビルダーも加えることができる。組み合わせると、殺菌性化合物は短期的消毒活性を提供することができ、カチオン荷電ポリマー組成物は長期消毒活性を提供することができる。消毒剤組成物のpHは、4以下又は9以上であることができる。
【0053】
上記でまとめたように、本発明は、非カチオン性エチレン性不飽和モノマー;ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマー;及び場合によって、本明細書に開示のカチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分を含むことができるラテックス組成物を含む。ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマーは、ポリマー組成物に疎水性を与える能力を有する四級化アミンモノマー若しくは四級誘導体又はそれらの組み合わせを含むことができる。立体安定化成分は、重合性界面活性剤、アルコキシル化官能基を有するモノマーであることができるか、保護コロイドである。アルコキシル化官能基を有するモノマーは、(a)CH2=C(R)COO(CH2CHR'O)nR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R'=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n=1〜30である];又はCH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR'O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R'=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びmはそれぞれ1〜15の範囲にある];及びCH2=C(R)COO(CH2CHR'O)n(CH2CH2O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R'=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びm=1〜15である]又は(d)(a)と(b)の混合物である。
【0054】
ラテックス組成物は、約1.0重量パーセント以下の少なくとも一種の界面活性剤を含むことができる。その少なくとも一種の界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はこれらの混合物である。
【0055】
ラテックス組成物はさらに、キトサン系材料などの抗菌剤若しくは帯電防止剤又は銀及び亜鉛並びにそれの塩又は酸化物などの金属殺生物剤(metal biocide)、並びにウンデシレン酸若しくはアルコール又はエチレン性不飽和結合を有するヒドロキシル若しくは酸を含む材料とウンデシレン酸の反応生成物を含むことができる。帯電防止剤は、脂肪酸のエステル、多価アルコール類、リン酸誘導体、高い誘電率を有する液体中の電解質の溶液、金属の塩及び酸化物、金属、カーボンブラック、カーボンナノチューブ類又は半導体から選択される少なくとも一種の窒素化合物であることができる。
【0056】
ラテックス組成物はさらに、天然植物系ロウ、動物由来ロウ、天然鉱ロウ、合成鉱ロウ、合成ロウ、炭素鎖長が1より大きいアルコール、アルコールのエステル、ステアリン酸金属塩、カルボン酸、脂肪酸、オイル、脂肪酸アミド、薬用化粧品又は栄養補助食品から選択される少なくとも一種の活性成分を含むことができる。
【0057】
本発明のポリマー材料及びラテックス組成物は、少なくとも一種の無機成分を含む各種添加剤を含むこともできる。その少なくとも一種の無機成分は、二酸化チタン又は酸化亜鉛など(これらに限定されるものではない)無機顔料;四三酸化鉄などの黒色顔料;ウルトラマリン又はベンガラなどのファンシー又は多色顔料;光沢顔料、金属効果顔料、真珠光沢顔料並びに蛍光又はリン光顔料;金属酸化物、金属水酸化物及び金属酸化物水和物、混合相顔料、硫黄含有ケイ酸塩、金属硫化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、金属クロム酸塩、金属モリブデン酸塩、鉄黄、ブラウン酸化鉄、マンガンバイオレット、スルホケイ酸ナトリウムアルミニウム、酸化クロム水和物、フェロシアン化鉄及びコチニールであることができる。前記無機成分は、種、破砕種堅果殻、ビーズ、ヘチマ粒子、ポリエチレンボール、粘土、カルシウムベントナイト、カオリン、陶土、タルク、パーライト、マイカ、バーミキュライト、シリカ類、石英粉末、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、タルク若しくはマイカ類の構成員又はこれらの化学的等価物などの少なくとも一種の無機固体であることもできる。さらに、前記少なくとも一種の活性成分は、ナノクレイ類、ナノオキサイド類、ナノチューブ類などのナノ無機材料であることができる。更に、示唆されているが、本発明のこれらのいずれかの組み合わせを含むものである。
【0058】
本発明のポリマー材料及びラテックス組成物を、ファイバー加工時に、そのファイバーに直接組み込むことができる方法が想到され得る。一つの方法は、ファイバーの融解紡糸/押出の際のものである。添加剤は、加工段階時に例えばポリオレフィン類、ポリエステル、アクリルなどのファイバー作製に用いられるポリマーに直接添加することができるか、ポリマー及び他の成分とマスターバッチでプレ配合し、十分に混和してからファイバー作製ポリマーに加えることができると考えられる。このようにして、組成物を十分に混和してから、ファイバー作製ポリマーに加える。このようにして、組成物を直接押し出すか、ファイバーの一部とし、それの抗菌性又は帯電防止性を付与することになると考えられる。これは、融解紡糸が可能なポリマーに適用されると考えられ、その添加剤は、計画された上述の特性に加えて、ファイバーに相溶性、親水性及び可撓性を与えるように設計することができる。次に、これらのファイバーを多くの用途に用いることができると考えられ、そのうちの一部について上記で説明した。ファイバーの溶液紡糸も検討され得るが、その場合は添加剤はファイバー紡糸溶液に溶かしてから、紡糸口金から押し出すことになると考えられる。
【0059】
固体添加剤処理が有効であると考えられる別の分野は、プラスチック及びゴム製品である。ここで再度、熱可塑性添加剤として役立つと考えられる組成物ポリマーを、押出、射出成形などの加工段階中に直接、粉末又はペレットとして加えることが想到されるか、それをペレット化してから、押出機を用いてEVA及びEMAなどの相溶化ポリマーに実際に加工し、押出機、射出成形機、ブロー成形その他の同様の技術を用いて、後加工段階時に特定の量で熱可塑性ポリマーに加えることができると考えられる。熱可塑性ポリマーの代表的なプラスチック加工段階は、これら固体添加剤と適合すると考えられる。更に、その添加剤は、顔料、流動助剤、潤滑剤又はカチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤若しくはこれら界面活性剤の混合物又は当業界で公知の他の添加剤など(これらに限定されるものではない)の一以上の好適な界面活性剤の他の成分とともに、所望のポリマーと混合することで、マスターバッチと称されるものを作ることができる。これらのマスターバッチは代表的には、バンバリーミキサーなどの高剪断混合装置で作られ、得られた混合物は押出機でペレット化されることになる。次に、マスターバッチを、プラスチック品又はフィルムの製造者が従来のプラスチック加工装置を用いて加工することになる。上記のいずれか又は全ての方法を用いて、基材ポリマーに添加剤を加えることで所望の抗菌性及び/又は帯電防止性を得ることができると考えられる。そしてやはり、用途は上記で説明したものと同様になると考えられる。フェノール系、エポキシ類などの乾燥ポリマーを熱硬化性ポリマーに加え、圧縮成形などの技術を用いて加工することが可能であると考えられる。ゴムにおける添加剤加工技術は、バンバリーを用いるゴム化合物の製造に関してと同様であり、次に例えば二本のロールミルでシート状とするか、押し出すことでチューブ、パイプ、ホースなどを作ることになる。
【0060】
ある具体的な用途は、例えばコーリアン(Corian;登録商標)表面材料などのアクリルポリマー又は不飽和ポリエステル製の人工又は合成大理石表面の分野であると考えられる。そのポリマー添加剤は、これらの樹脂に配合してから鋳造又は硬化させることで、それを基材に組み込むことができると考えられる。これは、局所的コーティングではなく基材に添加剤を永久的に組み込むものとなる。船などで用いられるゲルコート及び注型用樹脂でこれらの添加剤を用いるのに同じことを行って、記載の特性を表面に提供することができると考えられる。I不飽和ポリエステルを用いる場合、添加剤をスチレンに溶かすことが好ましいものと考えられる。
【0061】
固体の別の例は、ホットメルト接着剤組成物における添加剤としてこれらを用いて、記載の特質を有する接着剤を作るというものになる。そのポリマーは、十分な流動性を提供するのに必要な相溶性及び分子量を有するものでなければならないであろう。
【0062】
セルロース系材料の場合、木製の複合材での固体材料の使用が想定され得るものであり、その場合に、顆粒、ペレット又は粉末の形態での木材を他の成分とともに調合してから、圧縮成形などの技術によって成形することができると考えられる。UF、MF、エポキシ及びウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂が木材の接着には用いられ、その加工段階中に、ポリマー組成物をそれらとともに加えることができると考えられる。この手法を用いると、甲板材料及び建設材料及びOSBボードなどの用途が考えられる。
【0063】
高圧積層板又は化粧板及び成形品の製造では、紙での固体材料の使用が考えられる。やはり、前記固体材料をパルプ繊維及び充填剤と混合し、圧縮成形することで最終製品を製造することができる。段ボール、箱などの包装材料でも、本発明の実施は有効であると考えられる。
【0064】
乾燥形態でのカチオン荷電ポリマー組成物をセメント/コンクリートと混合し、硬化させて、所望の追加特性を有するコンクリート構造を形成することができる。グラウト材、目止め剤、マスチック材なども、粉末の使用に適していると考えられる。これを他の充填材と組み合わせて、抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を有する調理台、床及び他の建築材料を作ることも可能である。セメント中の再分散性粉末が別の用途であり、美装コンクリートで用いられるものとなろう。
【0065】
本発明の組成物は更に、他の方法及び製剤と組み合わせて用いて、ビック(Byck)に付与された米国特許第3,872,128号、ブレイクリー(Blakely)らに付与された同5,024,840号、マルロース(Malrose)らに付与された同5,290,894号、オッタースバッハ(Ottersbach)らに付与された同5,967,714号、同6,203,856号及び同6,248,811号、クラッセ(Klasse)らに付与された同6,194,530号並びにスィッディーキー(Siddiqui)らに付与された同6,242,526号、ワイペルト(Weipert)らに付与された同4,029,694号及び同4,093676号、ロギン(Login)に付与された同4,098,842号、ガガー(Gaggar)らに付与された同4,857,590号並びにササキ(Sasaki)らに付与された同4,859,727号(これらはそれぞれ、参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のものなどの抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を改善するはずである。
【0066】
潜在的用途
本発明の組成物は、当業者に公知の各種技術を用いて多種多様な基材に適用することができる。下記のリストは、基材の種類を限定することを意図したものではなく、可能な用途の例を示すものである。例えば、ラテックスとしての組成物を、下記の基材にコーティング又はフィルムとして付与することができる。
【0067】
1. 不織布及び織布及び繊維:綿及び羊毛などの天然繊維からナイロン、アクリル類、ポリエステル類、ウレタン類などの合成繊維などが例として挙げられるであろう。付与プロセスは、ロッド/ナイフコーティング、含浸、裏面コーティング、印刷又は個々の繊維若しくは仕上げ製品に対する前処理などのプロセスによるものになると考えられる。
【0068】
2. プラスチック/ゴム:ポリオレフィン類などの物品に成型した熱可塑性物質からポリスルホン類、アセタール類、ポリカーボネート類などのエンジニアリング熱可塑性物質;エポキシ類、ウレタン類などの熱硬化性物質;及び押出フィルム若しくはインフレーションフィルムが例としてあると考えられる。そのポリマーは、ロッド/ナイフコーティング、噴霧、浸漬によって表面のコーティングとして、又は押出工程時の積層体コーティングとして又は成形工程時に鋳型に付与されるコーティングとして付与されるものとなる。ゴム製品には、シート、押出品/成形品、複合材又は手袋などの同様の物品などがあると考えられる。
【0069】
3. 紙:これは、プレフォーム紙及びウェットエンド工程での添加剤としての両方を含むものとなる。代表的な紙プロセスとしては、含浸又は飽和、ロッド/ナイフコーティングなど、サイズプレス及びウェットエンド添加又は吹き付けなどがあると考えられる。
【0070】
4. 無機/有機材料:これは、粘土、マイカ、顔料、殺生物剤、農薬など(これらに限定されるものではない)の無機粒子のカプセル化及びコーティングに基づき、そして石膏ボード、目止め剤、グラウトなどの最終製品を形成するための各種充填剤が関係する製剤の一部として、又は乾式壁、タイルなどの無機表面上へのコーティングとしての非常に広範囲の付与機構を網羅するものであり、噴霧、ローラーコーティング、はけ塗りその他の付与法によって付与することができる。これは、ガラス繊維マットのコーティング被膜又は含浸における使用も包含するものである。
【0071】
5. 木材:これは、天然及び加工済みの両方のあらゆる種類の木製基材を含んでおり、その付与方法は、前述の各種方法であることができると考えられる。
【0072】
6. 金属:これもやはり、金属と、炭素鋼、ステンレス鋼などの合金との両方を包含しており、ソリッドスチールバー(solid steel bar)、シート、コイル、ロープなどがあって、前記組成物は、噴霧、浸漬、はけ塗り、ローラーコーティングその他の付与法などの多数の方法のいずれかによってコーティングとして付与される。
【0073】
具体的な用途としては、住宅用及び商業用カーペット、タイルその他の材料などの織物;液体及び空気用フィルター;HVAC;電気掃除機;自動車;医療用又は手術用の服、ドレープ、包帯、カバーその他のなどの研究室用衣服;衣服、家具、シート、タオル及び他の織物用の繊維、印刷布及び染色布の前処理;おむつ及び尿漏れ防止商品、トリム、椅子張り、マット、フィルターなどの自動車内装用途;椅子張りのコーティング、積層及び接合用接着剤;吸音用フォーム;枕及びマットレスなどの発泡品;ベルト材料;食品取り扱い品;マスキングテープ、手術用テープ又は工業用テープなどのテープ類;電気用、工業用及び家庭用の清掃用拭き取り材、布及びスポンジ;中敷き、ボックストウ(box toes)などの靴製品;工具のハンドルでのプラスチック又はゴムの従来の用途、すなわちねじ回し、ハンマー又はショベル;玩具、ゴム手袋、シート、物品;コンピュータ、表示装置、診断装置、電気掃除機及び器具類などの機械筐体;カテーテル、バルーン、チューブ、注射器、診断キットなど(これらに限定されるものではない)の医療用具;生鮮食料品、コンピュータ周辺機器、半導体、メモリーチップ、CD、DVDその他の製品などの包装又は製品保護品;アクリル類、ポリカーボネート類などの衝撃改質材;クリーンルーム用手袋などの手袋のオーバーディップ(overdip)及びアンダーディップ(underdip)、通気性フィルム、繊維補強手袋用の貫通防止材(antipenetrant);まな板;包装用の押出フィルム及びインフレーションフィルム;紙:真空バッグ、本の表紙、空気フィルター、液体フィルター、壁紙、湿式及び乾式の拭き取り材、ティッシュペーパーその他の同様の製品;ビニル製床敷物用のフェルト、成形パルプ用途、箱、カートン、成形物品などの包装材料;贈物用包装材料、インクジェット媒体、通気性コーティングなどのサイズプレスコーティング;マスキング用、手術用、一般用の紙、テープ及びラベルにおけるウェットエンド添加剤;テープ、ラベル、転写シール、フィルム、製本、感圧接着剤又はFPLAなどの接着剤;靴中敷き、充填剤及び顔料のコーティング/カプセル材などの無機/有機材料、建築用目止め材及びグラウト、石膏壁板のコーティング/塗料、外装/内装コーティング;具体的には病院、クリーンルーム、診療所、学校その他の施設用のタイル接着剤、床コーティング;病院及び医療環境用のコーティング;天井用タイル、ガラスマット、絶縁材、強化複合材料などのガラス繊維コーティング;液体消毒薬及び洗浄剤、シャンプー、コンディショナー、ローション、クリーム、ヘアケア製品及びスキンケア製品、脱毛剤、ボディソープ(body wash)、化粧品、昆虫忌避剤、洗面用具など(これらに限定されるものではない)のパーソナルケア製品;床、病院、診療所、学校、家庭及びオフィス以外の表面の衛生用コーティング、壁、天井、床、調理台及び他の表面などの硬質且つ多孔質の表面コーティング;装飾用コンクリート、配向性ストランドボード(OSB)などの木材のコーティング、コーティング又は含浸などの甲板材料及び建築材料;複合建築材料、家具のコーティング;テーブル及び調理台、ドアノブ又はドア取手などの衛生コーティング;積層体、堅木及び他の複合材床などの床張り、テーブル面、調理台、家具その他の同様の用途などの化粧板;キャビネット、ドアノブ、取手などの金属;家具、例えば電気製品、OEMなど用のコーティングなどがある。
【0074】
以上、本発明について説明したが、本明細書で提供される実施例を参照することで、本発明についての理解をさらに深めることができるが、それら実施例は説明のみを目的としたものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0075】
実施例1〜4について、試験生物として枯草菌(Bacillus subtilis)ATCC#6633を用いて、抗菌性を調べた。実施例3は、アニオン性ポリマーであり、比較例である。
【表1】

【0076】
10〜100 CFU/0.1mLを含むQuanticult(登録商標) plus培地を接種し、各試験コーティングごとに15個の試験片上で乾燥させた。陰性対照コーティングでコートした15個の試験片にも同様にして接種した。各表面タイプごとの回収率を、Rodacプレート(Tween及びレシチンを含むTSA)を用いて1時間後、4時間後及び24時間後に測定した。各サンプル時間で、ロダックプレートを各表面タイプごとに5個の試験片に接触させ、30〜35℃で48時間から5日間インキュベートした。CFUをカウントし、各表面タイプについて平均を求めた。試験表面結果を、陰性対照表面結果と比較した。回収率<70%は、その材料が抗菌性であることを示している。その結果を表1〜4に示した。
【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【0077】
これにより、本発明の組成物が急速に殺菌を行い、比較例である実施例3と比較して広範囲の抗菌性ポリマー組成物として有効であることがわかる。
【0078】
実施例1、2及び4の各組成物を、紙の上にコートした。対象を接地した時に、値が10パーセントまで電荷が減衰する時間長を測定することで、平均電荷減衰時間を求めた。操作において、対象は直流電圧設備を用いて充電し、接地後に電圧低下を測定する。表面に2本の電極を設置し、一方の電極に固定電圧を印加することで、表面抵抗率を測定する。表面を通って他方の電極に伝わる電流を測定する。次に、電流と印加電圧から抵抗を測定することができる。結果を表5に示してある。
【表6】

【0079】
これにより、本発明の組成物によって帯電防止性が付与されることがわかる。
【0080】
実証例5〜7は、体臭防止剤、シャンプー及びボディーソープなどのパーソナルケア基質の製造に関する一般的説明を提供することを目的としたものである。当然ながら、本発明に記載のポリマーを用いて当業者が他のパーソナルケア製品に想到する可能性がある。
【0081】
さらに、当然ながら、下記で説明するポリマーAなどのカチオン性ラテックスを、実証例5〜7に示したものなどの各種パーソナルケア製品製剤に抗菌剤として加えることが可能である。例えば、ポリマーAは、制汗剤として用いられるアルミニウム塩と併用すると、膜形成効果及び相乗効果を提供し得る。その製剤が、制汗剤を用いなくとも同じ体臭防止効果を有することが想到され得る。
【表7】

【0082】
ポリマーAを製造するため、成分1及び2をリアクターに入れた。成分3、4及び5は、水性モノマー槽に入れた。成分6及び7はモノマー槽に入れた。初期及び供給触媒を調製した。各モノマー約10%を反応に供給した。反応容器をN2でパージし、加熱して約68.3℃(約155F)とした。温度を保持しながら、成分8及び9を入れた。反応液を30分間保持した。供給を開始し、水性モノマーは約5時間かけて、モノマーは約5時間かけて、カチオン性物質は約5.5時間(330分)かけて供給した。成分12、13、14及び15を入れ、反応液を15分間保持した。成分16、17、18及び19を入れ、反応液を15分間保持した。反応液を放冷した。
【0083】
ポリマーAは、実固体含有率41.10%を有し、変換率は〜100%である。粒径は140.0nMである。粘度は117.00である。最終pHは3.1である。
【0084】
実証例5
当業者には明らかなように、体臭防止剤組成物は、多様な量で各種化学成分を含むことができる。表6には、体臭防止剤/制汗剤組成物の例及び各成分の量を示してある。この体臭防止剤/制汗剤組成物例は、最初に成分1及び3を混合することで調製することができる。次に、撹拌及び加熱(75℃)下に、得られた混合物を成分2にゆっくり加え、次に得られたバッチに成分4を加え、成分4が溶解するまでバッチを混合することができる。次に、成分5をバッチにゆっくり加え、成分5が溶解するまでバッチを混合し、バッチを冷却して45℃の温度とする。次に、バッチに成分6-7を加え、均一バッチが得られるまで混合する。最後に、調製者はバッチを4500rpmで10分間均一化して、体臭防止剤/制汗剤製剤を得る。そのような体臭防止剤組成物は、ロールオン、スティック又はスプレーとして製剤することができる。
【表8】

【0085】
実証例6
ボディーソープ製剤は、多様な量で各種化学成分を含むことができる。表7に、ボディーソープ製剤例及び各成分の量を示してある。このボディーソープ製剤例は、成分2を成分1に溶かすことで調製することができる。次に、成分3を加え、得られたバッチを混合及び加熱して(75℃)、第一相を形成する。次に、成分4と5を合わせ、加熱して70℃とし、バッチが完全に融解して第二相が形成されるまで混合する。次に調製者は、第二相を第一相に撹拌しながら加え、均一バッチが得られるまで混合する。次に調製者は、緩やかな撹拌下にバッチに成分6〜8を一つずつ加え、冷却して40℃とすることができる。次に調製者は、バッチに成分9を加え、バッチを混合し、必要に応じて成分10でpHを6.0〜6.5に調節する。最後に調製者は、必要に応じて、20%NaCl溶液を用いて粘度を7,000〜15,000CPSに調節する。調製してから30分以内に、Brookfield RVT#4を用いて20RPMにて30秒間で、本例の製剤の粘度を測定した。調製後12時間の時点で、Brookfield RVT#5を用いて20RPM、30秒で、粘度を再度測定した。
【表9】

【0086】
実証例7
シャンプー製剤は、多様な量で各種化学成分を含むことができる。表8に、シャンプー製剤例(対照)と各成分の量を示してある。このシャンプー製剤例は、最初に成分1〜5を合わせ(第一相)、得られた相をゆっくり混合しながら加熱して75℃の温度とすることで調製することができる。次に調製者は、成分6〜7を合わせ(第二相)、得られた相をゆっくり混合しながら加熱して75℃の温度とする。次に調製者は、第二相を第一相に加え、室温で均一なバッチが得られるまでその二つの相を混合する。次に、成分8〜9を一成分ずつバッチに加えることができる。最後に、得られたバッチのpHを成分10を用いて6.0〜6.5に調節してもよい。
【表10】

【0087】
合成例8
表9に示した成分を含有する、少なくとも一種の抗菌性ポリマー成分を含む体臭防止剤組成物を実証例5の方法に従って製造した。
【表11】

【0088】
合成例9
本例では、表10に示した成分を含有する、ベース(base)ボディーソープ製剤を、実証例6の方法に従って製造した。保存剤であるGlydant(登録商標)(DMDMヒダントイン)を成分10と混合し、バッチに加えてから直ちにpHを測定した。泡高を測定するため、生成物5g及び水145gを秤取し、混合機に加えた。生成物及び水を10秒間すりつぶし、1000mLのメスシリンダーに注ぎ入れた。泡レベルを読み取り、その後2分間経過させてから、液レベルを読み取った。泡密度を測定するため、生成物10g及び水145gを秤取し、混合機に加えた。生成物及び水を10秒間すりつぶし、得られた泡を100mLのメスシリンダーに注ぎ入れた。メスシリンダーにゴム栓を落とし入れ、栓が80mLの目盛りに達した時点でタイマーを始動させた。栓が30mLの目盛りに達した時点でタイマーを停止した。そして時間を記録した。栓が30mLの目盛りに達した時点でメスシリンダーの底で回収した液体の量に基づいて、泡排出を求めた。
【表12】

【0089】
合成例10
本例では、ステアリン酸グリコールを用いずに、ポリマーJR400の商品名で販売されているような0.2%ポリクオタニウム-10を含むベースボディーソープ製剤を製造した。ポリクオタニウム-10を水に分散させ、水和するまで混合してから、表11に示した成分1〜3を加えた。次に、実証例6に記載の方法に従って、ボディーソープを製造した。合成例9に示した方法に従って、粘度、泡高、泡排出及び泡密度を測定した。
【表13】

【0090】
合成例11
本例では、実証例6記載の方法に従って、0.2%ポリクオタニウム-10を含むベースボディーソープ製剤を製造した。表12には、本例のボディーソープ製剤及び各成分の量を示してある。合成例9に記載の方法に従って、粘度、泡高、泡排出及び泡密度を測定した。
【表14】

【0091】
合成例12
本例では、実証例6に記載の方法に従って、1.0%ポリマー材料(ステアリン酸グリコールを含まない)を含むボディーソープ製剤を製造した。表13には、本例のボディーソープ製剤と各成分の量を示してある。本明細書でより詳細に記載のように、本例はポリマーAを含む。合成例9に記載の方法に従って、粘度、泡高、泡排出及び泡密度を測定した。
【表15】

【0092】
合成例13
本例では、実証例6に記載の方法に従って、1.0%ポリマー材料を含むさらに別のベースボディーソープ製剤を製造した。表14には、本例のボディーソープ製剤と各成分の量を示してある。合成例9に記載の方法に従って、表15にまとめた粘度、泡高、泡排出及び泡密度を測定した。
【表16】

【表17】

【0093】
合成例14
評価用に、少なくとも一種のポリマーを含むシャンプー製剤を製造した。本例では、実証例7に記載された方法に従ってシャンプー製剤を製造し、それは抗菌性ポリマーを含むものであった。表16に、シャンプー製剤と各成分の量を示してある。Brookfield RVT#5を用い20RPMで、粘度を測定した。泡高を測定するため、生成物5g及び水145gを秤取し、混合機に加えた。生成物及び水を10秒間すりつぶし、1000mLのメスシリンダーに注ぎ入れた。泡レベルを読み取り、その後2分間経過させてから、液レベルを読み取った。泡密度を測定するため、生成物10g及び水145gを秤取し、混合機に加えた。生成物及び水を10秒間すりつぶし、得られた泡を1000mLのメスシリンダーに注ぎ入れた。メスシリンダーにゴム栓を落とし入れ、栓が80mLの目盛りに達した時点でタイマーを始動させた。栓が30mLの目盛りに達した時点でタイマーを停止した。そして時間を記録した。栓が30mLの目盛りに達した時点でメスシリンダーの底で回収した液体の量に基づいて、泡排出を求めた。
【表18】

【0094】
合成例15
本例では、実証例7に従って別のシャンプー製剤を製造し、これは香料を含んでいるが抗菌性ポリマー材料は含まないものであった。表17にシャンプー製剤と各成分の量を示してある。得られたバッチのpHを、成分10で6.69に調節した。合成例14に示した試験に従って、粘度、泡高、泡排出及び泡密度を測定した。
【表19】

【0095】
合成例16
本例では、実証例7に従って、香料と抗菌性ポリマー材料を含む別のシャンプー製剤を製造した。表18に、シャンプー製剤と各成分の量を示してある。得られたバッチのpHを、成分11で6.66に調節した。合成例14に記載した試験に従って、粘度、泡高、泡排出及び泡密度を測定した。実証例7及び合成例14〜16についてのこれらの物性を表19にまとめた。
【表20】

【表21】

【0096】
本明細書では、本発明の代表的な実施形態を開示しており、具体的な用語を用いているが、その用語は一般的且つ説明的な意味で使用されるものであって、本発明を限定するものではない。
【0097】
観察される具体的な試験結果は、特定の組成物並びに使用される製剤の種類及び試験形態に従い、それに応じて変わり得るものであり、結果において予想されるそのような変動又は差異は本発明の実施により想到されるものである。
【0098】
本明細書においては、本発明の具体的な実施形態を詳細に示し、説明しているが、本発明はそれらに限定されるものではない。上記の詳細な説明は、本発明の例示として提供されるものであって、本発明の制限を構成するものと解釈すべきではない。改変は当業者にとって自明であり、本発明の精神から逸脱しない改変は全て、添付の特許請求の範囲に包含されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を提供するコーティング又はフィルムが付与された基材であって、該コーティング又はフィルムは、非カチオン性エチレン性不飽和モノマーと、ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマーとを含むカチオン荷電ポリマー組成物から形成されるものである、前記基材。
【請求項2】
前記基材が少なくとも一種の不織布及び織布;有機及び無機の粒子、ファイバー又は凝集体;発泡体;フィルム;セルロース材料;金属;又はプラスチックである、請求項1に記載の基材。
【請求項3】
前記非カチオン性エチレン性不飽和モノマーが、少なくとも一種のビニル芳香族モノマー;オレフィン;脂肪族共役ジエンモノマー;非芳香族不飽和モノ若しくはジカルボン酸エステルモノマー;不飽和ジカルボン酸モノマーの半エステルに基づくモノマー;不飽和モノ若しくはジカルボン酸モノマー及びその誘導体;含窒素モノマー;リン含有モノマー;硫黄含有モノマー;及びビニルエステルモノマーである、請求項1に記載の基材。
【請求項4】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーがアミン又はアミドモノマーを含む、請求項1に記載の基材。
【請求項5】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが四級化アミンモノマーを含む、請求項1に記載の基材。
【請求項6】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが、ポリマー組成物に疎水性を提供する能力を有する四級誘導体を含む、請求項1に記載の基材。
【請求項7】
前記カチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分をさらに含む、請求項1に記載の基材。
【請求項8】
前記立体安定化成分が重合性界面活性剤である、請求項7に記載の基材。
【請求項9】
前記立体安定化成分が、アルコキシル化官能基を有するモノマーであるか、保護コロイドである、請求項7に記載の基材。
【請求項10】
前記アルコキシル化官能基を有するモノマーが、(a)CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)nR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n=1〜30である];又はCH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR’O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びmはそれぞれ1〜15の範囲にある];及びCH2=C(R)COO(CH2CHR’O)n(CH2CH2O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びm=1〜15である]又は(d)(a)と(b)の混合物である、請求項9に記載の基材。
【請求項11】
前記ポリマー組成物がさらに、約1.0重量パーセント以下の少なくとも一種の界面活性剤を含む、請求項1に記載の基材。
【請求項12】
前記少なくとも一種の界面活性剤が、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はこれらの混合物である、請求項1に記載の基材。
【請求項13】
前記ポリマー組成物がさらに、抗菌剤又は帯電防止剤を含む、請求項1に記載の基材。
【請求項14】
前記抗菌剤がキトサン系材料である、請求項13に記載の基材。
【請求項15】
前記抗菌剤が、銀、亜鉛又はこれらの塩若しくは酸化物から選択される金属殺生物剤である、請求項13に記載の基材。
【請求項16】
前記帯電防止剤が、少なくとも一種の窒素化合物、脂肪酸のエステル、多価アルコール、リン酸誘導体、高い誘電率を有する少なくとも一種の液体中の少なくとも一種の電解質の溶液、金属の塩及び酸化物、金属、カーボンブラック、カーボンナノチューブ又は半導体である、請求項13に記載の基材。
【請求項17】
前記抗菌剤が、ウンデシレン酸若しくはアルコール、又はウンデシレン酸とエチレン性不飽和結合を有するヒドロキシル若しくは酸含有材料との反応生成物である、請求項13に記載の基材。
【請求項18】
カチオン荷電ポリマー組成物から形成される前記コーティング又はフィルムがラテックス組成物である、請求項1に記載の基材。
【請求項19】
前記非カチオン性エチレン性不飽和モノマーがスチレン及びアクリル酸ブチルを含み、カチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド四級塩である、請求項18に記載の基材。
【請求項20】
立体安定化成分をさらに含む、請求項19に記載の基材。
【請求項21】
抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を提供するコーティング又はフィルムが付与された基材であって、前記コーティング又はフィルムが約20〜約99重量パーセントの非カチオン性エチレン性不飽和モノマー、約0.5〜約98重量パーセントのポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマー、約0〜約75重量パーセントの立体安定化モノマー及び0〜1.0重量パーセントのノニオン性界面活性剤から本質的になるカチオン荷電ポリマー組成物から形成されており、カチオン荷電ポリマー組成物がカチオン性及びアニオン性界面活性剤を含まない基材。
【請求項22】
前記基材が少なくとも一種の不織布及び織布;有機及び無機の粒子、ファイバー又は凝集体;発泡体;フィルム、セルロース材料;コンクリート、石造物;ガラス;金属;又はプラスチックである、請求項21に記載の基材。
【請求項23】
前記非カチオン性エチレン性不飽和モノマーが、少なくとも一種のビニル芳香族モノマー;オレフィン;脂肪族共役ジエンモノマー;非芳香族不飽和モノ若しくはジカルボン酸エステルモノマー;不飽和ジカルボン酸モノマーの半エステルに基づくモノマー;不飽和モノ若しくはジカルボン酸モノマー又はその誘導体;含窒素モノマー;リン含有モノマー;硫黄含有モノマー;又はビニルエステルモノマーである、請求項21に記載の基材。
【請求項24】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーがアミン又はアミドモノマーを含む、請求項21に記載の基材。
【請求項25】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが四級化アミンモノマーを含む、請求項21に記載の基材。
【請求項26】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが、ポリマー組成物に疎水性を提供する能力を有する四級誘導体を含む、請求項21に記載の基材。
【請求項27】
前記立体安定化成分が、アルコキシル化官能基を有するモノマーであるか、保護コロイドである、請求項21に記載の基材。
【請求項28】
前記アルコキシル化官能基を有するモノマーが、(a)CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)nR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n=1〜30である];又はCH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR’O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びmはそれぞれ1〜15の範囲にある];及びCH2=C(R)COO(CH2CHR’O)n(CH2CH2O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びm=1〜15である]又は(d)(a)と(b)の混合物である、請求項27に記載の基材。
【請求項29】
前記立体安定化成分が少なくとも一種の界面活性剤である、請求項21に記載の基材。
【請求項30】
前記少なくとも一種の界面活性剤が重合性界面活性剤である、請求項29に記載の基材。
【請求項31】
前記ポリマー組成物がさらに、抗菌剤又は帯電防止剤を含む、請求項21に記載の基材。
【請求項32】
前記抗菌剤がキトサン系材料である、請求項31に記載の基材。
【請求項33】
前記抗菌剤が、銀、亜鉛又はこれらの塩若しくは酸化物から選択される金属殺生物剤である、請求項31に記載の基材。
【請求項34】
前記帯電防止剤が、少なくとも一種の、窒素化合物、少なくとも一種の脂肪酸のエステル、多価アルコール、リン酸誘導体、高い誘電率を有する液体中の少なくとも一種の電解質の溶液、金属の塩又は酸化物、金属、カーボンブラック、カーボンナノチューブ又は半導体である、請求項31に記載の基材。
【請求項35】
前記抗菌剤が、ウンデシレン酸若しくはアルコール、又はウンデシレン酸とエチレン性不飽和結合を有するヒドロキシル若しくは酸含有材料との反応生成物である、請求項31に記載の基材。
【請求項36】
カチオン荷電ポリマー組成物から形成される前記コーティング又はフィルムがラテックス組成物である、請求項21に記載の基材。
【請求項37】
前記非カチオン性エチレン性不飽和モノマーがスチレン及びアクリル酸ブチルを含み、カチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド四級塩である、請求項36に記載の基材。
【請求項38】
立体安定化成分をさらに含む、請求項37に記載の基材。
【請求項39】
非カチオン性エチレン性不飽和モノマーと、ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマーとを含むカチオン荷電ポリマー組成物と混合した基剤ポリマーを含む、抗菌性及び/又は帯電防止性を有するポリマー材料。
【請求項40】
前記基剤ポリマーが、少なくとも一種のポリウレタン、フェノール類、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテル-アミド、ポリエーテルイミド、ポリ有機シラン、ポリスルホン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、アクリル系化合物(acrylic)、スチレン-ブタジエン、スチレンアクリロニトリル、ABS、EVA、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテル-エステル又はポリエポキシドである、請求項39に記載のポリマー材料。
【請求項41】
前記ポリマー材料が固体である、請求項39に記載のポリマー材料。
【請求項42】
前記ポリマー材料が発泡体である、請求項39に記載のポリマー材料。
【請求項43】
前記非カチオン性エチレン性不飽和モノマーが、少なくとも一種のビニル芳香族モノマー;オレフィン;脂肪族共役ジエンモノマー;非芳香族不飽和モノ若しくはジカルボン酸エステルモノマー;不飽和ジカルボン酸モノマーの半エステルに基づくモノマー;不飽和モノ若しくはジカルボン酸モノマー又はその誘導体;含窒素モノマー;リン含有モノマー;硫黄含有モノマー;及びビニルエステルモノマーである、請求項39に記載のポリマー材料。
【請求項44】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーがアミン又はアミドモノマーを含む、請求項39に記載のポリマー材料。
【請求項45】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが四級化アミンモノマーを含む、請求項39に記載のポリマー材料。
【請求項46】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが、ポリマー組成物に疎水性を提供する能力を有する四級誘導体を含む、請求項39に記載のポリマー材料。
【請求項47】
前記カチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分をさらに含む、請求項39に記載のポリマー材料。
【請求項48】
前記立体安定化成分が重合性界面活性剤である、請求項47に記載のポリマー材料。
【請求項49】
前記立体安定化成分が、アルコキシル化官能基を有するモノマーであるか、保護コロイドである、請求項47に記載のポリマー材料。
【請求項50】
前記アルコキシル化官能基を有するモノマーが、(a)CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)nR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n=1〜30である];又はCH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR’O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びmはそれぞれ1〜15の範囲にある];及びCH2=C(R)COO(CH2CHR’O)n(CH2CH2O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びm=1〜15である]又は(d)(a)と(b)の混合物である、請求項49に記載のポリマー材料。
【請求項51】
前記ポリマー組成物がさらに、約1.0重量パーセント以下のカチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はこれらの混合物を含む、請求項39に記載のポリマー材料。
【請求項52】
前記ポリマー組成物がさらに、抗菌剤又は帯電防止剤を含む、請求項39に記載のポリマー材料。
【請求項53】
前記抗菌剤がキトサン系材料である、請求項52に記載のポリマー材料。
【請求項54】
前記抗菌剤が、銀、亜鉛又はこれらの塩若しくは酸化物から選択される金属殺生物剤である、請求項52に記載のポリマー材料。
【請求項55】
前記帯電防止剤が、少なくとも一種の窒素化合物、脂肪酸のエステル又はその誘導体、多価アルコール又はその誘導体、リン酸誘導体、高い誘電率を有する少なくとも一種の液体中の少なくとも一種の電解質の溶液、金属の塩又は酸化物、金属、カーボンブラック、カーボンナノチューブ又は半導体である、請求項52に記載のポリマー材料。
【請求項56】
前記抗菌剤が、ウンデシレン酸若しくはアルコール、又はウンデシレン酸とエチレン性不飽和結合を有するヒドロキシル若しくは酸含有材料との反応生成物である、請求項52に記載のポリマー材料。
【請求項57】
抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を有するポリマー材料であって、前記ポリマー材料が約20〜約99重量パーセントの非カチオン性エチレン性不飽和モノマー、約0.5〜約98重量パーセントのポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマー、約0〜約75重量パーセントの立体安定化モノマー及び0〜1.0重量パーセントのノニオン性界面活性剤から本質的になるカチオン荷電ポリマー組成物と混合された基剤ポリマーを含み、カチオン荷電ポリマー組成物がカチオン性及びアニオン性界面活性剤を含まないポリマー材料。
【請求項58】
前記非カチオン性エチレン性不飽和モノマーが、少なくとも一種のビニル芳香族モノマー;オレフィン;脂肪族共役ジエンモノマー;非芳香族不飽和モノ若しくはジカルボン酸エステルモノマー;不飽和ジカルボン酸モノマーの半エステルに基づくモノマー;不飽和モノ若しくはジカルボン酸モノマー又はその誘導体;含窒素モノマー;リン含有モノマー;硫黄含有モノマー;又はビニルエステルモノマーである、請求項57に記載のポリマー材料。
【請求項59】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーがアミン又はアミドモノマーを含む、請求項57に記載のポリマー材料。
【請求項60】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが四級化アミンモノマーを含む、請求項57に記載のポリマー材料。
【請求項61】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが、ポリマー組成物に疎水性を提供する能力を有する四級誘導体を含む、請求項57に記載のポリマー材料。
【請求項62】
前記立体安定化成分が、アルコキシル化官能基を有するモノマーであるか、保護コロイドである、請求項57に記載のポリマー材料。
【請求項63】
前記アルコキシル化官能基を有するモノマーが、(a)CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)nR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n=1〜30である];又はCH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR’O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びmはそれぞれ1〜15の範囲にある];及びCH2=C(R)COO(CH2CHR’O)n(CH2CH2O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びm=1〜15である]又は(d)(a)と(b)の混合物である、請求項62に記載のポリマー材料。
【請求項64】
前記ポリマー組成物がさらに、抗菌剤又は帯電防止剤を含む、請求項57に記載のポリマー材料。
【請求項65】
前記抗菌剤がキトサン系材料である、請求項64に記載のポリマー材料。
【請求項66】
前記抗菌剤が、銀、亜鉛又はこれらの塩若しくは酸化物から選択される金属殺生物剤である、請求項64に記載のポリマー材料。
【請求項67】
前記帯電防止剤が、少なくとも一種の窒素化合物、脂肪酸のエステル又はその誘導体、多価アルコール又はその誘導体、リン酸誘導体、高い誘電率を有する少なくとも一種の液体中の少なくとも一種の電解質の溶液、金属の塩又は酸化物、金属、カーボンブラック、カーボンナノチューブ又は半導体である、請求項64に記載のポリマー材料。
【請求項68】
前記抗菌剤が、ウンデシレン酸若しくはアルコール、又はウンデシレン酸とエチレン性不飽和結合を有するヒドロキシル若しくは酸含有材料との反応生成物である、請求項64に記載のポリマー材料。
【請求項69】
前記基剤ポリマーが、少なくとも一種のポリウレタン、フェノール類、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテル-アミド、ポリエーテルイミド、ポリ有機シラン、ポリスルホン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、アクリル、スチレン-ブタジエン、スチレンアクリロニトリル、ABS、EVA、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテル-エステル又はポリエポキシドである、請求項64に記載のポリマー材料。
【請求項70】
前記ポリマー材料が固体である、請求項64に記載のポリマー材料。
【請求項71】
前記ポリマー材料が発泡体である、請求項64に記載のポリマー材料。
【請求項72】
基材にカチオン荷電ポリマー組成物を付与する段階を有し、前記ポリマー組成物は非カチオン性エチレン性不飽和モノマーと、ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマーとを含む、基材に抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を提供する方法。
【請求項73】
前記基材が前記カチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分をさらに含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記立体安定化成分が重合性界面活性剤である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記立体安定化成分が、アルコキシル化官能基を有するモノマーであるか、保護コロイドである、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
非カチオン性エチレン性不飽和モノマーと、ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマーとを含むカチオン荷電ポリマー組成物と基剤ポリマーとを混合する段階を有する、ポリマー材料に抗菌性又は帯電防止性のうちの一以上を付与する方法。
【請求項77】
前記基剤ポリマーを立体安定化成分と混合する段階をさらに有する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記立体安定化成分が重合性界面活性剤である、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記立体安定化成分が、アルコキシル化官能基を有するモノマーであるか、保護コロイドである、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
非カチオン性エチレン性不飽和モノマー;及び
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマー
を含むカチオン荷電ポリマー組成物を含むパーソナルケア製品。
【請求項81】
前記カチオン荷電ポリマー組成物がさらに、該カチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分を含む、請求項80に記載のパーソナルケア製品。
【請求項82】
前記立体安定化成分が重合性界面活性剤である、請求項81に記載のパーソナルケア製品。
【請求項83】
前記立体安定化成分が、アルコキシル化官能基を有するモノマーであるか、保護コロイドである、請求項81に記載のパーソナルケア製品。
【請求項84】
前記非カチオン性エチレン性不飽和モノマーが、少なくとも一種のビニル芳香族モノマー;オレフィン;脂肪族共役ジエンモノマー;非芳香族不飽和モノ若しくはジカルボン酸エステルモノマー;不飽和ジカルボン酸モノマーの半エステルに基づくモノマー;不飽和モノ若しくはジカルボン酸モノマー又はその誘導体;含窒素モノマー;リン含有モノマー;硫黄含有モノマー;又はビニルエステルモノマーである、請求項80に記載のパーソナルケア製品。
【請求項85】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーがアミン又はアミドモノマーを含む、請求項80に記載のパーソナルケア製品。
【請求項86】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが四級化アミンモノマーを含む、請求項80に記載のパーソナルケア製品。
【請求項87】
前記アルコキシル化官能基を有するモノマーが、(a)CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)nR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n=1〜30である];
(b)CH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR’O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びmはそれぞれ1〜15の範囲にある];及びCH2=C(R)COO(CH2CHR’O)n(CH2CH2O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びm=1〜15である]又は
(c)(a)と(b)の混合物
である、請求項80に記載のパーソナルケア製品。
【請求項88】
前記ポリマー組成物がさらに、約1.0重量パーセント以下の少なくとも一種の界面活性剤を含む、請求項80に記載のパーソナルケア製品。
【請求項89】
前記少なくとも一種の界面活性剤がカチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はこれらの混合物である、請求項88に記載のパーソナルケア製品。
【請求項90】
前記ポリマー組成物がさらに、抗菌剤又は帯電防止剤を含む、請求項80に記載のパーソナルケア製品。
【請求項91】
天然植物系ロウ、動物由来ロウ、天然鉱ロウ、合成鉱ロウ、合成ロウ、炭素鎖長が1より大きいアルコール、アルコールのエステル、ステアリン酸金属塩、カルボン酸、脂肪酸、オイル、脂肪酸アミド、薬用化粧品又は栄養補助食品から選択される少なくとも一種の活性成分をさらに含む、請求項80に記載のパーソナルケア製品。
【請求項92】
前記パーソナルケア製品がシャンプー、体臭防止剤、ローション、クリーム、ボディーソープ又は化粧品である、請求項80に記載のパーソナルケア製品。
【請求項93】
前記ポリマー組成物がラテックス組成物である、請求項80に記載のパーソナルケア製品。
【請求項94】
前記非カチオン性エチレン性不飽和モノマーがスチレン及びアクリル酸ブチルを含み、カチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーがメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド四級塩である、請求項80に記載のパーソナルケア製品。
【請求項95】
立体安定化成分をさらに含む、請求項94に記載のパーソナルケア製品。
【請求項96】
非カチオン性エチレン性不飽和モノマー;及び
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマー
を含むラテックス組成物。
【請求項97】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーがアミン又はアミドモノマーを含む、請求項96に記載のラテックス組成物。
【請求項98】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが四級化アミンモノマーを含む、請求項96に記載のラテックス組成物。
【請求項99】
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーが、ポリマー組成物に疎水性を提供する能力を有する四級誘導体を含む、請求項96に記載のラテックス組成物。
【請求項100】
前記カチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分をさらに含む、請求項96に記載のラテックス組成物。
【請求項101】
前記立体安定化成分が重合性界面活性剤である、請求項100に記載のラテックス組成物。
【請求項102】
前記立体安定化成分が、アルコキシル化官能基を有するモノマーであるか、保護コロイドである、請求項100に記載のラテックス組成物。
【請求項103】
前記アルコキシル化官能基を有するモノマーが、(a)CH2=C(R)COO(CH2CHR’O)nR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n=1〜30である];又はCH2=C(R)COO(CH2CH2O)n(CH2CHR’O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びmはそれぞれ1〜15の範囲にある];及びCH2=C(R)COO(CH2CHR’O)n(CH2CH2O)mR"[式中、R=H、C1-C4アルキルであり;R’=H、C1-C4アルキルであり;R"=H、C1-C12アルキルであり;n及びm=1〜15である]又は(d)(a)と(b)の混合物である、請求項102に記載のラテックス組成物。
【請求項104】
前記ポリマー組成物がさらに、約1.0重量パーセント以下の少なくとも一種の界面活性剤を含む、請求項96に記載のラテックス組成物。
【請求項105】
前記少なくとも一種の界面活性剤がカチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はこれらの混合物である、請求項96に記載のラテックス組成物。
【請求項106】
前記ポリマー組成物がさらに、抗菌剤又は帯電防止剤を含む、請求項96に記載のラテックス組成物。
【請求項107】
前記抗菌剤がキトサン系材料である、請求項106に記載のラテックス組成物。
【請求項108】
前記抗菌剤が、銀、亜鉛又はこれらの塩若しくは酸化物から選択される金属殺生物剤である、請求項106に記載のラテックス組成物。
【請求項109】
前記帯電防止剤が、少なくとも一種の窒素化合物、脂肪酸のエステル、多価アルコール、リン酸誘導体、高い誘電率を有する少なくとも一種の液体中の少なくとも一種の電解質の溶液、金属の塩又は酸化物、金属、カーボンブラック、カーボンナノチューブ又は半導体である、請求項106に記載のラテックス組成物。
【請求項110】
前記抗菌剤が、ウンデシレン酸若しくはアルコール、又はウンデシレン酸とエチレン性不飽和結合を有するヒドロキシル若しくは酸含有材料との反応生成物である、請求項106に記載のラテックス組成物。
【請求項111】
天然植物系ロウ、動物由来ロウ、天然鉱ロウ、合成鉱ロウ、合成ロウ、炭素鎖長が1より大きいアルコール、アルコールのエステル、ステアリン酸金属塩、カルボン酸、脂肪酸、オイル、脂肪酸アミド、薬用化粧品又は栄養補助食品から選択される少なくとも一種の活性成分をさらに含む、請求項96に記載のラテックス組成物。
【請求項112】
非カチオン性エチレン性不飽和モノマー;及び
ポリマー組成物にカチオン電荷を提供する能力を有するエチレン性不飽和モノマー
を含むカチオン荷電ポリマー組成物を含む消毒剤組成物。
【請求項113】
前記カチオン荷電ポリマー組成物に組み込まれた立体安定化成分をさらに含む、請求項112に記載の消毒剤。
【請求項114】
少なくとも一種のアルコールをさらに含む、請求項112に記載の消毒剤。
【請求項115】
天然植物系ロウ、動物由来ロウ、天然鉱ロウ、合成鉱ロウ、合成ロウ、炭素鎖長が1より大きいアルコール、アルコールのエステル、ステアリン酸金属塩、カルボン酸、脂肪酸、オイル、脂肪酸アミド、薬用化粧品又は栄養補助食品から選択される少なくとも一種の活性成分をさらに含む、請求項112に記載の消毒剤。
【請求項116】
前記消毒剤組成物のpHが4以下である、請求項112に記載の消毒剤。
【請求項117】
前記消毒剤組成物のpHが9以上である、請求項112に記載の消毒剤。
【請求項118】
前記カチオン荷電ポリマー組成物がラテックス組成物である、請求項112に記載の消毒剤。
【請求項119】
前記非カチオン性エチレン性不飽和モノマーがスチレン及びアクリル酸ブチルを含み、カチオン電荷を提供する能力を有する前記エチレン性不飽和モノマーがメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド四級塩である、請求項112に記載の消毒剤。
【請求項120】
立体安定化成分をさらに含む、請求項119に記載の消毒剤。

【公表番号】特表2011−525199(P2011−525199A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508485(P2011−508485)
【出願日】平成21年5月4日(2009.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/002746
【国際公開番号】WO2009/137016
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(509051277)マラード クリーク ポリマーズ,インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】