説明

押し出し作用を備えた泡ポンプ

【課題】空気と発泡可能な液体とをスクリーン部材を通して押し出し、均一な泡を生成するポンプを提供する。
【解決手段】液体を保持する容器20と連通する泡ポンプ10は、入口16から出口18にまで延びている通路14と、入口弁及び出口弁22a、bとを包含する。入口は、発泡可能な液体を容器から受け入れる。入口弁及び出口弁は、入口ステージ40、出口ステージ46及び移行ステージ44を限定するように設置されている。液体口52がポンプ本体から延びて、移行ステージ段階と連通していると共に、空気口62がポンプ本体から延びて、出口ステージと連通する。液体ベローズ50が液体口を取り囲んでいると共に、空気ベローズ60が空気口を取り囲んでいる。液体ベローズは、発泡可能な液体を収容すると共に可動であり、通路に発泡可能な液体の少なくとも一部を放出する。空気ベローズは、空気を収容すると共に可動であり、通路に空気の一部を放出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡可能な液体と空気とを混合して泡製品を分与する泡ポンプの技術分野に属する。より詳細には、本発明は、空気と発泡可能な液体とをそれぞれ別個の構成部品から1個の共通のチェンバーに吐出し、スクリーン部材を通して押し出し、均一な泡を生成するポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
石鹸、殺菌剤、洗浄剤、消毒剤等の液体を、液体保持しまた液体を吐出するためのポンプ機構を有する詰め替えユニットを有するディスペンサーハウジングから吐出することは、長年にわたり知られている。このようなディスペンサーに用いられているポンプ機構は、一般的に、アクチュエータの動きにより所定量の液体を単に放出させる液体ポンプである。近年、効率性及び経済性の理由により、液体に空気を噴射することにより生成される泡の形態で、液体を吐出することが望ましくなっている。したがって、標準型液体ポンプは泡生成ポンプに取って代わられ、そのため、望ましい泡を生成するように空気と液体とをするための手段が必要となっている。
【0003】
一般的に、泡ポンプは、空気ポンプ部分と液体ポンプ部分とを包含し、最終的に泡を生成するためにこれらの2つのポンプ部分を連通することを必要とする。このようなポンプは、泡ポンプ技術分野に精通する当業者には既知であるように、種々な型式のポンプ構成で提供されている。本発明は、これまで当該技術分野で知られていない構成を有する、非常に小型の泡ポンプを提供するものである。
【発明の概要】
【0004】
本発明による泡ディスペンサーは、発泡可能な液体を保持する容器の内容物と連通する泡ポンプを包含する。この泡ポンプは、ポンプ本体と、このポンプ本体の入口から出口にまで延びている通路と、入口流れ制御部材を包含する入口弁及び出口流れ制御部材を包含する出口弁とを包含する。前記入口は、発泡可能な液体を前記容器から受け入れる。前記入口弁及び前記出口弁は、(a)入口ステージ、(b)出口ステージ及び(c)移行ステージを限定するように、前記通路に設置されている。液体口が前記ポンプ本体から延びて、前記移行ステージ段階と連通していると共に、空気口が前記ポンプ本体から延びて、前記出口ステージと連通する。液体ベローズが前記液体口を取り囲んでいると共に、空気ベローズが前記空気口を取り囲んでいる。前記液体ベローズは、発泡可能な液体を収容すると共に、拡大した容積と縮小した容積との間において可動であり、前記拡大した容積から前記縮小した容積に動いたときに前記液体口を通して前記通路に前記発泡可能な液体の少なくとも一部を放出する。同様に、前記空気ベローズは、空気を収容すると共に、拡大した容積と縮小した容積との間において可動であり、前記拡大した容積から前記縮小した容積に動いたときに前記空気口を通して前記通路に前記空気の少なくとも一部を放出する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の泡ポンプ又は泡ディスペンサーの断面図である。
【図2】入口弁及び出口弁の両方に使用される弁の一実施例の概略斜視図である。
【図3】図2の弁の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1において、本発明の泡ポンプ又は泡ディスペンサーは断面で示され、符号10が付されている。ポンプ10は本体12を包含し、このポンプ本体12はその入口16から出口18にまで延びている通路14を備える。入口16は、液体源、たとえば、容器20内の一定量の石鹸Sと流体的に連通している。ポンプ10を操作すると、出口18から液体が分与される。この場合、液体は、容器20により供給される石鹸Sであるが、その他の液体及びその他の液体源をも使用することができる。
【0007】
入口弁22a、出口弁22b、スペーサー26、及び混合カートリッジ28が、図示したように、入口16から出口18にまで延びている通路14に連続して設置されている。入口弁22a及び出口弁22bは、ポンプ10を構成する部品の数を減じるため、好ましくは同一の部品を用いる。特定の実施例において、入口弁22a及び出口弁22bは、両方とも、図2及び図53に示して後述する弁の構成及び機能を有する。この弁は入口弁及び出口弁のどちらでもあり得るので、図2及び図3では「a」あるいは「b」の指定はしていない。しかし、本発明の作用を説明するのを助けるために、このような指定を図1においては行っている。
【0008】
図2及び図3において、弁22はステム28の末端に円錐形の壁26を有し、円錐形の壁26の頂部30はステム28に固定され、ステム28からベース32へ向かうにつれ幅が広くなっている。フィン34は、ステム28から放射線状に延びている。フィン34の数はいくつでもよいが、図示したように、90度でオフセットとなるフィンが4枚あれば充分である。図1をみれば分かるように、フィン及び入口弁22aのベースは、通路14を限定している側壁36に接触するように延びている。同様に、フィン及び出口弁22bのベースは、側壁36に接触するように延びている。フィンは、入口弁22a及び出口弁22bを通路14において安定化させる補助的機能を有し、円錐形の壁は通路14を通る石鹸Sの流れを制御する機能を有する。円錐形の壁は、フレキシブルであって、矢印Aの方向へ倒れることができ、これにより、流体をこの円錐形の壁を通して付勢することができるが、円錐壁と側壁36とが接触するので反対方向の流れを阻止する。
【0009】
入口弁22aの円錐形の壁26a及び出口弁22bの円錐形の壁26bは、通路14の次に述べるステージを限定する役割を果たす。すなわち、入口ステージ40は、入口16と円錐形の壁26aとの間に限定される。移行ステージ44は、円錐形の壁26aと円錐形の壁26bとの間に限定される。さらに、出口ステージ46は、円錐形の壁26bと出口18との間に限定される。液体ベローズ50は、液体口52を通して通路14の移行ステージ44と流体的に連通し、また、そのベース54の位置において、液体口52の周囲に外側へ向かって延びているポスト56に対して密封されている。この液体ベローズ50は、弾性を有しているので、矢印Bの方向の縮小した容積に強制することができ、またこの縮小した容積から矢印Bの反対方向への拡大した容積に戻すことができる(図1)。縮小した容積に強制したときに、液体ベローズ50内の石鹸Sは移行ステージ44に入り、入口弁22aの円錐形の壁26aにより、移行ステージ44にある石鹸Sが入口16の方向へ移動しないように保たれる。そして、出口弁22bの円錐形の壁26bは、柔軟となり、石鹸Sを移行ステージ44から出口ステージ46へと進ませる。
【0010】
液体ベローズ50がその後その拡大した容積に戻ると、移行ステージ44に真空が形成され、出口弁22bの円錐形の壁26bにより、この真空が石鹸及び/または空気が出口ステージ46から移行ステージ44に引き込まないように保たれる。その代わりに、入口弁22aの円錐形の壁26aは、柔軟となり、石鹸Sを入口ステージ40から移行ステージ44へと進ませる。このように、通路14が石鹸Sで充填されているときに、液体ベローズ50を操作すると、一回分の量の石鹸Sが出口18へ向かって進んで出口18から放出され、また液体ベローズ50を解放すると、次の一回分の量の石鹸Sが通路14に引き込まれる。
【0011】
空気ベローズ60は、空気口62を通して通路14の出口ステージ46と流体的に連通し、また、そのベース64の位置において、空気口62の周囲に外側へ向かって延びているポスト66に対して密封されている。液体ベローズ50と同様に、この空気ベローズ60は弾性を有しているので、縮小した容積に強制することができ、また拡大した容積に戻すことができる。縮小した容積に強制したときに、空気ベローズ60内の空気は出口ステージ46に入り、出口弁22bの円錐形の壁26により、出口ステージ46にある石鹸S及び空気が入口16の方向へ進まないように保たれる。その代わりに、空気は、スペーサー26が占める空間を通って、さらに混合カートリッジ28を通って、出口18に向かって進むことを余儀なくされる。空気ベローズ60がその後その拡大した容積に戻ると、空気は出口18を通して空気ベローズ60に引き込まれる。
【0012】
ポンプ10は、液体ベローズ50及び空気ベローズ60の両方を同時に操作すること(すなわち、圧縮すること)により使用されるように意図されている。先に述べたこれらのベローズの各々に関する説明から、液体ベローズ50及び空気ベローズ60の両方を同時に圧縮することにより、空気と石鹸Sとが出口ステージ46で混合されるということが理解されよう。すなわち、まず、石鹸Sと空気とは、スペーサー26により限定されている予混合ステージにおいて粗混合物を生成するが、この粗混合物はその後メッシュスクリーン又は本明細書に示したような混合カートリッジ28に通されることにより、均一な泡を生成し、出口18から吐出される。この混合カートリッジ28は、図1に、メッシュスクリーン72により入口側に結合されている共にメッシュスクリーン74により出口側に結合されているチューブ70として示されている。このように、液体ベローズ50及び空気ベローズ60の両方を同時に操作すると、一回分の量の泡となった石鹸が混合カートリッジ28において生成され、出口18から吐出される。
【符号の説明】
【0013】
10 泡ポンプ又は泡ディスペンサー
12 ポンプ本体
14 通路
16 入口
18 出口
20 容器
22a 入口弁
22b 出口弁
26 スペーサ又は円錐形の壁
28 混合カートリッジ又はステム
30 頂部
32 ベース
34 フィン
36 側壁
40 入口ステージ
44 移行ステージ
46 出口ステージ
50 液体ベローズ
52 液体口
54 ベース
56 ポスト
60 空気ベローズ
62 空気口
70 チューブ
72 メッシュスクリーン
74 メッシュスクリーン
S 石鹸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡ディスペンサーにおいて、
分与する発泡可能な液体を保持している容器と、
ポンプ本体と、
前記ポンプ本体の入口から出口にまで延びている通路であって、前記入口が前記容器から発泡可能な液体を受け入れる通路と、
入口流れ制御部材を包含する入口弁及び出口流れ制御部材を包含する出口弁であって、前記入口から前記入口流れ制御部材に至る入口ステージ、前記出口流れ制御部材から前記出口に至る出口ステージ及び前記入口流れ制御部材から前記出口流れ制御部材へ至る移行ステージを限定するように、前記入口流れ制御部材及び前記出口流れ制御部材が前記通路内に設置されている入口弁及び出口弁と、
前記ポンプ本体から延びて、前記移行ステージと連通する液体口、
前記液体口を取り囲み、前記ポンプ本体に対して密封されている液体ベローズであって、発泡可能な液体を収容すると共に、拡大した容積と縮小した容積との間において可動であり、前記拡大した容積から前記縮小した容積に動いたときに前記液体口を通して前記通路に前記発泡可能な液体の少なくとも一部を放出する液体ベローズと、
前記ポンプ本体から延びて、前記出口ステージと連通する空気口と、
前記空気口を取り囲み、前記ポンプ本体に対して密封されている空気ベローズであって、空気を収容すると共に、拡大した容積と縮小した容積との間において可動であり、前記拡大した容積から前記縮小した容積に動いたときに前記空気口を通して前記通路に前記空気の少なくとも一部を放出する空気ベローズと、
を包含することを特徴とする泡ディスペンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−174529(P2009−174529A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8915(P2009−8915)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(506190555)ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド (44)
【Fターム(参考)】