説明

指向性電波を使用した個体通過監視装置

【課題】本発明による指向性電波を使用した個体通過監視装置は、同時に入る場合の不許可者の通過、通常で扉が開いている場合の不許可者の通過、通過路の範囲が広い場合の、検出したいエリアの外の通過体の信号も検出、監視カメラのみでは、個体の認識(許可・不許可の判断)は困難、以上のような従来品の不都合を回避した通過監視装置を提供することにある。
【解決手段】監視対象エリアに存在する監視対象体の有する認識符号のみを送受信可能とする指向性個体認識符号送受信器と、監視対象体が予め許可登録されたものであるか否かの判別をする許可不許可判別器と、ほぼ同じに監視対象エリア上に前記監視対象体が存在するか否かの判別をするか、又は/及び、監視対象エリア上に存在する監視対象体の個数を検出するかを行う個体検出センサーと、警報などの出力機器を制御する判別出力を行う制御器とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的広いゲートエリア、特に常時は開いているゲートに使用して便利な存在又は通過を監視する通過監視装置であって、監視エリア外からの無効な信号を回避して、通過などで監視エリア内に存在する許可個体と不許可個体を判別するものに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から個体の通過や存在を監視する装置は、通路、建物や部屋の出入口などいろいろなところで使用されているが、以下に述べるようなものが利用されてきた。図5は、従来の通過監視装置の例である。先ず、5−Aにおいて、比較的狭いゲート501の間を通過体(この図では、人物)502が、通過する状況を示している。通過体502は、個体を認識する認識符号を有するIDTAG503を所持しているので、TAG読み取り器504が、電波で認識符号を読み取り、予め設定された許可体であれば、扉505を開いて通過を許すものである。この様な認識符号を持った通過体の認識は、例えば、侵入を検出するセンサーと侵入体が持っている認識タグ(IDTAG)から認識符号を読み出す送受信器と予め登録された許可者の認識符号との一致を判別する判別器から構成されものがあった。センサーは通過体の侵入を検出し、それをトリガーとして送信器から認識タグに向けて読み出し電波を送り、認識タグは、自ら有している認識符号を受信器に向かい送信する。受信器で受けた認識符号を判別器で予め許可登録されたものかを比較して、登録されていればそのまま通過させ、登録されていないか、認識符号を持っていなければ、警報を発したり、ゲートを閉めて通過できなくするものである。この様な例を特許文献1及び特許文献2に見ることができる。図6は、従来の通過監視装置を示すブロック図である。601は、通過者の侵入を検出する侵入センサーである。侵入センサー601からの検出信号は、主制御器602と判別出力器603に入る。主制御器602は検出信号を受けて、ID読取送受信器604を駆動し、読み取り電波を発して、通過者の持参しているIDTAG605内の認識符号を読み取りに行く。TAG側送受信器606はこの読み取り電波を受けて、副制御器607に認識符号器608内の認識符号の読み取りを指示する。読み取られた認識符号は、TAG側送受信器606から発生する電波により、ID読取送受信器604に伝えられる。ID読取送受信器604で受信された認識符号は、主制御器602で、認識符号登録メモリ609内の認識符号と比較され、同じものがあれば、その信号は、判別出力器603に送られ、判別出力器603から許可信号がでる。認識符号に同じものがない場合は、不許可者として、判別出力器603からは、不許可の信号が出る。尚、IDTAG605は、許可者が個々に携帯するものである。図5の5−Aや図6に示すIDTAGによるものは、IDTAGの電波が届く範囲が極めて狭い(通常1m以内)受動IDTAG(電池を内蔵しない)では、工場の生産ラインでの製品検出や、駐車場のゲート、ETS(高速道路自動集金システム)、オフィスの自動ドア、駅改札システムなどに使われている。通過路が閉じられた空間で、他の通過体による干渉が回避できる環境にあるか、又は、通過路が限定され、通過路の範囲が狭い場合には、他の通過体による影響を回避でき、電波が届く範囲が狭いことによる個々の判別が容易であるという性質を利用している。以上の利用形態では、IDTAGを有していないものが、有している者と同時に入る場合は、不許可者も通過されてしまう不都合がある。駅の改札などでは、通過体の認識前は、通常扉が閉じているので、IDTAGを認識してもらう処理をしないと通過できないが、通常で扉が開いている使い方では、IDTAGを有していないものも通過できてしまう。しかしながら、通常は、扉を開いておき自由に通過を許し、IDTAGの無いものの場合に扉を閉じて通過をさせない使い方の方が、許可者からは便利な使い方である。通過路の範囲が広いものでは、通過体の通過位置に自由度があり、遠くのものを検出すると、検出したいエリアの外の通過体の信号も検出して、誤信号になる不都合がある。
【特許文献1】特開平10−228589
【特許文献2】特開2000−293773
【0003】
図5に戻って、5−Bは、ゲート501の間を通過体(この図では、人物)502が、通過する状況を示している。天井506には、個体の存在を検出するセンサー、この場合には、監視カメラ507が取り付けられてあって、監視カメラ507が通過体502の存在を認識して、扉505を開いて通過を許可することになる。画像のみでは、通過体502の存在・不存在の判別や数の判別は可能であるが、顔画像などの特別な認識をしないと、個体の認識(許可・不許可の判断)は困難というのが実情となる。個体を認識するには、一人しか通過できない狭いゲートの前で、一人ずつ顔認識や、静脈認識などの特別な手段により認識する利用形態に限定される。
【0004】
以上のように、ある監視エリア(範囲)を限定での個体の判断は、図5、図6の装置においても、困難なものであり、個体同志からの信号が干渉しない程度に、個体間が検出器から離れている場合に有効に利用できている。目的や利用形態が違うが、監視エリアを限定する利用の仕方について、特許文献3には、検出した車に指向性アンテナをモータ等で向きを合わせるか、アレーアンテナを切り換えることで指向性を制御して、所望の車との通信を可能にしている例が記述されている。図4は、このような指向性アンテナの応用例を示す図である。車401A、401B、401Cが駐車空間402A、402B、402Cに駐車している。基地局403にある、車両位置特定手段404が、車(例えば、この場合401Aとする)を検出し、その位置402Aに向けて、指向性アンテナ405をモータで駆動して向きを合わせることで、車401Aだけと有効に通信を行う。車には、通信装置406が付いている。このような利用の仕方は、先ず、位置センサーをエリア内でスキャンして、各車がある場所を特定し、個々の位置にアンテナの向きを動かして、順次通信することになる。指向性を集中するエリアは、単体の車のある位置の極めて狭い領域であり、極めて指向性の狭いことが必要である。逆に、対象となるエリヤが自由な大きさに取れない欠点はあるが、車との1対1の通信が目的なので、エリヤが自由な大きさに取れない方が良いことになる。このように、指向性アンテナは、特定の狭い領域にあるものとの通信を有効にするのに多くの例で使われている。
【特許文献3】特開2004−242080
【0005】
監視目的の場合には、IDTAG等の送受信器の指向性が問題となる。又、図4の例とは違い、監視対象体や場所によって、エリアが自由な大きさであることが必要である。エリヤ内には、複数個の監視対象体(通過体という)があってもよいので、指向性をその都度1個の対象に向ける必要はなく、所望の広さのエリアを対象にすればよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の通過監視装置は、図5、図6で説明したような不都合があった。図5の5−A及び図6では、IDTAGを有していないものが、有している者と同時に入る場合は、不許可者も通過されてしまうこと、通常で扉が開いている使い方では、IDTAGを有していないものも通過できてしまうこと、通過路の範囲が広いものでは、通過体の通過位置に自由度があり、遠くのものを検出すると、検出したいエリアの外の通過体の信号も検出して、誤信号になることの3点である。図5の5−Bでは、監視カメラのみでは、特別な認識をしないと、通過体502が存在・不存在の判別や数の判別は可能であるが、個体の認識(許可・不許可の判断)は困難であることがあった。本発明の指向性電波を使用した個体通過監視装置は、所望の特定の監視エリアを対象にし、監視対象エリア外の近傍にある監視対象体以外の対象体からの認識符号の無線通信又は、IDTAGの電波による干渉の可能性を回避するものであり、このような干渉は、広い又は奥行きある監視対象エリアに起こりがちである。又、許可者と不許可者の同時通過の不都合や、常時は扉が開いているか、扉が無い場合での不許可者通過の不都合を回避でき、且つ、通過体の存在・不存在だけでなく、許可・不許可の判断も可能な通過監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、所望の監視対象エリアの外で、且つ、その近傍に存在する監視対象体以外の対象体からの認識符号の受信による誤りを回避するために、認識符号の無線通信又は、IDTAGによる電波の送受信を監視対象エリア内に存在する監視対象体と受信器との間にのみ可能とする様に、無線通信又は、IDTAGによる電波の送受信に指向性を持たせてこれらを設定し、その受信結果より監視対象体の許可・不許可を判別し、更に、ほぼ同じ監視対象エリア内で、監視対象体の存在・不存在と個数を判別する個体検出センサーとを有し、制御器により警報等の制御出力を作成することを特徴としている。以下、詳細に説明する。
【0008】
請求項1記載の発明は、指向性電波を使用した個体通過監視装置であって、監視対象体が有する認識符号を送信する認識符号送信手段と、送信された前記認識符号を含む信号を受信する認識符号受信手段とを有し、且つ、前記認識符号送信手段と前記認識符号受信手段との少なくとも一方が、前記監視対象体を監視すべき所望の監視対象エリアに指向性を有することで、前記監視対象エリアに存在する前記監視対象体の有する前記認識符号のみを送受信可能とする指向性個体認識符号送受信器と、 前記指向性個体認識符号送受信器からの出力された前記認識符号と、予め許可登録された前記監視対象体の認識符号との一致を見て、前記監視対象体が予め許可登録されたものであるか否かの判別をする許可不許可判別器と、前記指向性個体認識符号送受信器が監視対象とする前記監視対象エリアとほぼ同じに監視対象エリアを設定し、且つ、該監視対象エリア上に前記監視対象体が存在するか否かの判別をするか、又は/及び、該監視対象エリア上に存在する前記監視対象体の個数を検出するかを行う個体検出センサーと、前記許可不許可判別器と前記個体検出センサーの出力から警報を含む出力機器を制御する判別出力を作成する制御器とを有することを特徴とする。これにより、課題とした従来品の不都合が回避される。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の指向性電波を使用した個体通過監視装置において、前記指向性個体認識符号送受信器は、前記認識符号受信手段として八木宇田アンテナ又はホーンアンテナを有することを特徴とする。これにより、指向性の設定が容易になる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の指向性電波を使用した個体通過監視装置において、前記認識符号送信手段は、前記認識符号を送信する無線通信手段又は、前記認識符号を送信するIDTAGであることを特徴とする。これにより、安価で小型の認識符号送信手段を提供できる。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の指向性電波を使用した個体通過監視装置において、前記IDTAGは、能動型且つ電波方式のIDTAGであることを特徴とする。これにより、広い監視対象エリアを確保できる。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の指向性電波を使用した個体通過監視装置において、前記個体検出センサーと前記指向性個体認識符号送受信器との前記監視対象エリアを一致させる場合において、前記前記個体検出センサーの前記監視対象エリアに、前記指向性個体認識符号送受信器の前記監視対象エリアがほぼ同じになる様に、前記指向性個体認識符号送受信器の前記指向性を勘案し、前記指向性個体認識符号送受信器の向きと位置を設定したことを特徴とする。これにより、監視対象エリアを容易に合わせることが出来る。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の指向性電波を使用した個体通過監視装置において、前記制御器の前記判別出力は、前記監視対象体に対する許可又は警報を含む報知、又は/及び、表示を含む応答を行わしめる信号であることを特徴とする。これにより、判別結果を有効に監視対象体に伝えることが出来る。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の指向性電波を使用した個体通過監視装置において、前記制御器は、前記許可不許可判別器と前記個体検出センサーの出力から前記監視対象体の個体数の一致を判別し、前記判別による判別出力を出力する個体数一致判別器とを有することを特徴とする。これにより、不許可者の混入を判別できる。
【発明の効果】
【0015】
以上の様に構成されているので、本発明の指向性電波を使用した個体通過監視装置においては、課題に記述した従来の通過監視装置の不都合が回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明を実施するための最良の形態として、所望の監視対象エリアに存在する監視対象体の有する認識符号のみを送受信可能とするために、監視エリアに指向性を有する無線通信手段又はIDTAGによる認識符号送信手段とその受信手段による指向性個体認識符号送受信器と、送受信された認識符号から予め登録された許可者の認識符号との一致を見て、監視エリア上の監視対象体が所定の許可された認識符号を有するか否かを判別する許可不許可判別器と、同じ監視エリアに監視対象体が存在するか不存在の判別するか、及び、又は、同じ監視エリア上の監視対象体の個数を検出するかの個体検出センサーと、これらの出力を受けて、警報等の出力機器を制御する制御器とを有することを特徴としている。以下に実施態様を説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明による指向性電波を使用した個体通過監視装置の使用状態とブロック構成の一実施態様を示す図である。1−Aにおいて、ゲート101の間にある比較的広い通路が監視対象エリア100であり、この例では、許可された認識符号を有するIDTAG又は、認識符号の無線通信手段による認識符号送信手段103を所持した通過体102Aと不許可の通過体102Bが監視対象エリア100上に存在し、ゲートを通過しようとしている。この図の例では、ゲート101の上には、認識符号送信手段103からの信号を受信する認識符号受信手段104が設置され、認識符号送信手段103と認識符号受信手段104の少なくともいずれかが指向性を持っている。特に、この例の点線で示すように、認識符号受信手段104が指向性を持って、監視対象エリア100内の認識符号送信手段103からの信号しか受信しないようにすることが最も好ましい。又、図のように、ゲート101には、個体検出センンサーとして監視カメラ105が、監視対象エリア100内を視野に画像を取得している。監視カメラ105や認識符号受信手段104の設置場所は、ゲート101の上に限ったことではないことは勿論である。監視カメラ105は、カメラ内のCCDなどの撮像素子のサイズとレンズ系による視野角と監視対象エリヤまでの距離を基に、監視対象エリヤを確定することが出来る。このような設定のしたでは、監視対象エリア100内には、監視カメラ105による検出では、2個の通過体102A,102Bがあることになる。認識符号受信手段104による受信された認識符号は、許可不許可判別器107により通過体102Aが所持する認識符号送信手段103によるものだけと判別され、1個の不許可者が混じっていることを示している。監視エリア外にいる許可者102Cは、電波の指向性により、エリア外なので検出されず、誤動作の原因とはならない。以上のように、極めて有効に許可・不許可の認識と個体の検出が可能となる。
【0018】
これに対して、図3では、監視カメラ305と認識符号受信手段304の監視エリヤが合致していない場合を示している。特に、認識符号受信手段304の指向性が監視対象エリア300にあっていない場合には、例えば、監視エリア300の外の許可者302Cの認識符号も認識符号受信手段304が受信することになる。そのため、不許可者の混入の判定は誤り判断を起こすことになる。
【0019】
図1の1−Bにおいて、本発明による指向性電波を使用した個体通過監視装置の構成の一実施態様を示すブロック図である。図1の1−Aでも示したように、許可された認識符号を有するIDTAG又は、認識符号の無線通信手段による認識符号送信手段103と、認識符号送信手段103からの信号を受信する認識符号受信手段104を有し、且つ監視対象エリア上の監視対象体にのみ受信を行うために、認識符号送信手段103と認識符号受信手段104の少なくとも一方が指向性を有し、認識符号送信手段103と認識符号受信手段104が指向性個体認識符号送受信器106を構成している。認識符号受信手段104の出力は、許可者の登録メモリを内蔵した許可不許可判別器107に入力され、登録メモリ内の許可者の認識符号と比較されて、一致した認識符合と符号数が検出され、これを制御器108に入力している。個体検出センサー109は、例えば、監視カメラであって、上記の指向性個体認識符号送受信器106の監視対象エリアとほぼ同じエリアを検出している。個体検出センサー109は、監視対象エリヤ内の監視対象体である通過体の存在・不存在と個体数を検出している。その出力は、制御器108に入力している。制御器108では、個体検出センサー109及び、指向性個体認識符号送受信器106の出力を受けて、警報や表示などの出力機器(図示せず)を制御する判別出力を作成する。更に、制御器108は、個体検出センサー109及び、指向性個体認識符号送受信器106の出力から両者の検出した個体数が一致するかを判別し、一致しない場合は、不許可者が含まれているとして、判別出力を出す個体数一致判別器を有することが望ましい。その判別出力により、警報などの対応をすることになる。勿論、個体検出センサー109は、監視カメラ以外にレーダー、光センサーなども利用できる。制御器108は、個体検出センサー109や、許可不許可判別器107や指向性個体認識符号送受信器106を制御する機能を持ち合わせても良いことは当然である。
【0020】
図2は、本発明による指向性電波を使用した個体通過監視装置を契約マリーナに応用した例を示す図である。勿論、自動車であっても同じように考えられる。契約マリーナ210は、枠で囲まれた中に、多数の契約者(許可者)の船舶が係留されている。201はゲートで、コンクリートの堤防や、海に浮いたポンツーンでなっていて、その間は、普段は、開いていて、出入りする船舶の出入りの通路となっている。そのため、船舶が通過する開いた通路が、監視対象エリアとすると入出港の監視に好都合である。網目で示される領域が監視対象エリア200である。この領域は、例えば、通路の間口50m、奥行き5m程度である。監視カメラ205の視野は、監視対象エリア200をカバーしている。認識符号受信手段204の見込む監視対象エリア200の幅と、使用する認識符号受信手段204の指向性の角度に対応して、認識符号受信手段204との監視対象エリア200との距離を決めることになる。又、認識符号送信手段203の側に指向性を与えるのも受信感度を上げる意味で使用できる。監視対象エリア200の上にある船舶202Aは、監視カメラ205でとらえられ、認識符号送信手段203が認識符号を送信して、認識符号受信手段204が受信し、その結果、図1で示した制御器での判定の結果、通過を許可される。このとき、ゲートからマリーナの内部にある船舶202B、ゲートの外側の監視対象エリア外の船舶202Cは、検出には関らないので有効な監視が出来る。
【0021】
尚、以上述べてきたIDTAGとは、認識符号(ID)をタグ内に有し、その符号を送信する電波を送信するもので、RFIDとかIDTAGとかRFIDTAGとか読み習わしているものである。検出範囲が広いIDTAGの場合は、電波方式で電池内蔵型の能動型IDTAG(送受信距離は、1mから70m程度になる)を使用するか、無線通信(送受信距離は、800mにもなる)で行うのが望ましい。又、監視対象エリアに複数の認識符号を有する通過体が予想される場合には、通信の衝突防止の手段を設けるのが便利である。又、認識符号受信器の指向性のあるアンテナとしては、八木宇田アンテナや、ホーンアンテナの使用が望ましい。尚、無線通信では、2.45GHzや13.5MHzの周波数が利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、以上のように、監視対象エリアを個体監視センサーと指向性個体認識符号送受信器とで同じくできるので、監視対象エリア内に存在する通過体の許可不許可を誤り無く判別が可能となり、産業上極めて便利である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による指向性電波を使用した個体通過監視装置の使用状態とブロック構成の一実施態様を示す図である。
【図2】本発明による指向性電波を使用した個体通過監視装置を契約マリーナに応用した例を示す図である。
【図3】監視カメラと認識符号受信手段の監視エリヤが合致していない場合を示す図である。
【図4】指向性アンテナの応用例を示す図である。
【図5】従来の通過監視装置の例を示す図である。
【図6】従来の通過監視装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0024】
100、200、300 監視対象エリア
101、201、501 ゲート
102A、102B、502 通過体
102C、302C 許可者
103、203 認識符号送信手段
104、204、304 認識符号受信手段
105、205、305、507 監視カメラ
106 指向性個体認識符号送受信器
107 許可不許可判別器
108 制御器
109 個体検出センサー
202A、202B、202C 船舶
210 契約マリーナ
401A、401B、401C 車
402A、402B、402C 駐車空間
403 基地局
404 車両位置特定手段
405 指向性アンテナ
406 通信装置
503、605 IDTAG
504 TAG読み取り器
505 扉 506 天井
601 侵入センサー 602 主制御器
603 判別出力器
604 ID読取送受信器 606 TAG側送受信器
607 副制御器 608 認識符号器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象体が有する認識符号を送信する認識符号送信手段と、送信された前記認識符号を含む信号を受信する認識符号受信手段とを有し、且つ、前記認識符号送信手段と前記認識符号受信手段との少なくとも一方が、前記監視対象体を監視すべき所望の監視対象エリアに指向性を有することで、前記監視対象エリアに存在する前記監視対象体の有する前記認識符号のみを送受信可能とする指向性個体認識符号送受信器と、前記指向性個体認識符号送受信器からの出力された前記認識符号と、予め許可登録された前記監視対象体の認識符号との一致を見て、前記監視対象体が予め許可登録されたものであるか否かの判別をする許可不許可判別器と、前記指向性個体認識符号送受信器が監視対象とする前記監視対象エリアとほぼ同じに監視対象エリアを設定し、且つ、該監視対象エリア上に前記監視対象体が存在するか否かの判別をするか、又は/及び、該監視対象エリア上に存在する前記監視対象体の個数を検出するかを行う個体検出センサーと、前記許可不許可判別器と前記個体検出センサーの出力から警報を含む出力機器を制御する判別出力を作成する制御器とを有することを特徴とする指向性電波を使用した個体通過監視装置。
【請求項2】
前記指向性個体認識符号送受信器は、前記認識符号受信手段として八木宇田アンテナ又はホーンアンテナを有することを特徴とする請求項1記載の指向性電波を使用した個体通過監視装置。
【請求項3】
前記認識符号送信手段は、前記認識符号を送信する無線通信手段又は、前記認識符号を送信するIDTAGであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の指向性電波を使用した個体通過監視装置。
【請求項4】
前記IDTAGは、能動型且つ電波方式のIDTAGであることを特徴とする請求項3記載の指向性電波を使用した個体通過監視装置。
【請求項5】
前記個体検出センサーと前記指向性個体認識符号送受信器との前記監視対象エリアを一致させる場合において、前記前記個体検出センサーの前記監視対象エリアに、前記指向性個体認識符号送受信器の前記監視対象エリアがほぼ同じになる様に、前記指向性個体認識符号送受信器の前記指向性を勘案し、前記指向性個体認識符号送受信器の向きと位置を設定したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の指向性電波を使用した個体通過監視装置。
【請求項6】
前記制御器の前記判別出力は、前記監視対象体に対する許可又は警報を含む報知、又は/及び、表示を含む応答を行わしめる信号であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の指向性電波を使用した個体通過監視装置。
【請求項7】
前記制御器は、前記許可不許可判別器と前記個体検出センサーの出力から前記監視対象体の個体数の一致を判別し、前記判別による判別出力を出力する個体数一致判別器とを有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の指向性電波を使用した個体通過監視装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−18119(P2007−18119A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196992(P2005−196992)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(396020132)株式会社システック (101)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】