説明

指示書実行装置

【課題】 指示書に指示された処理を実行する指示書実行装置を提供する。
【解決手段】 指示書実行装置103Aへ、ユーザが記憶媒体を装着したことが判断されると(ステップ332)、制御部112は記憶媒体に記憶されているユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を読み込む(ステップ334)。該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置が指示書管理装置106Bであった場合、指示書実行装置103Aは指示書管理装置106Bにアクセスし、ユーザに対し利用が許可される指示書を送信するように指示する命令を送信する(ステップ336)。該命令を受信すると(ステップ342)、指示書管理装置106Bは、指示書記憶部136に記憶されているユーザに対し利用が許可される指示書を指示書実行装置103Aに送信する(ステップ344)。
【選択図】 図8

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指示書実行装置に係り、詳細には、指示書に指示された処理を実行する指示書実行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが、パーソナル・コンピュータなどに処理を行わせる場合、一度の指示で全ての処理が完了する場合はよいが、例えば、(1)ネットワークを介してダウンロードしたファイルを、(2)別のフォーマットに変換し、(3)該フォーマットでしかファイルを使用できないPDAなどに送信する、場合などは、ユーザは(1)の処理をパーソナル・コンピュータに指示し、該処理が終了したことを確認して(2)の処理をパーソナル・コンピュータに指示し、該処理が終了したことを確認して(3)の処理をパーソナル・コンピュータに指示しなければならない。すなわち、ユーザは(1)〜(3)の処理を個別に行わなければならず、処理の数が増加するとユーザの負担及び待機時間が増加する。
【0003】
このようなユーザの負担及び待機時間を低減するために、パーソナル・コンピュータなどに行わせる処理を指示する指示書を使用することができる(例えば、特許文献1)。指示書を使用すれば、ユーザは、(1)〜(3)の処理の実行が指示されている指示書を生成し、該指示書に指示された処理を実行するようにパーソナル・コンピュータに命令するだけでよい。ユーザの一回だけの命令により、パーソナル・コンピュータは該指示書に指示された(1)〜(3)の処理を実行する。
【0004】
【特許文献1】特開平11−331446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザが使用するパーソナル・コンピュータに指示書が記憶されている場合には、ユーザは指示書に容易にアクセスすることができる。しかしながら、ユーザが使用するパーソナル・コンピュータとは異なる装置(すなわち、使用しているパーソナル・コンピュータとは異なるパーソナル・コンピュータ、記憶装置)など、に指示書が記憶してある場合、ユーザは(1)指示書が記憶されている装置を検出し、(2)該装置にネットワークを介して接続し、(3)該指示書にアクセスしなければならない。指示書にアクセスするためにこのような複数のステップを要することは、ユーザの負担及び待機時間を低減することができるという指示書の利点を損なう。
【0006】
本発明は、上記事実に鑑みなされたもので、指示書に指示された処理を実行する指示書実行装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の指示書実行装置は、指示書を記憶する指示書管理装置を識別するための情報を記憶媒体から読み込む読込手段と、前記装置を識別するための情報に基づいて、前記装置から指示書を入力する入力手段と、入力された前記指示書に指示された処理を実行する実行手段と、を有する。
【0008】
請求項2に記載されるように、請求項1の指示書実行装置において、前記入力手段は前記指示書に替えて、単一又は複数の指示書管理装置に記憶される複数の指示書の一覧を入力するようにしてもよい。
【0009】
請求項3に記載の指示書実行装置は、指示書を記憶媒体から読み込む読込手段と、読み込まれた前記指示書に指示された処理を実行する実行手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明の一の態様の指示書実行装置によれば、ユーザは、該ユーザに対し利用が許可される指示書に容易にアクセスすることができる。また、本発明の別の態様の指示書実行装置によれば、ユーザは複数の指示書実行装置の中の何れの指示書実行装置を使用する場合でも、該ユーザに対し利用が許可される指示書を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
「第1実施形態」
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照して説明する。
(構成)
図1に示すように、本第1実施形態に係る指示書管理システム10は、指示書に指示された処理を実行する複数の指示書実行装置102(102A、102B)、指示書を検索する指示書検索装置104、指示書を記憶する複数の指示書管理装置106(106A、106B)を含んで構成され、該指示書実行装置102、指示書検索装置104、及び、指示書管理装置106はネットワークを介して接続されている。ネットワークはインターネット、LANなどであってよいが、例えば、Bluetoothのような無線接続であってもよい。
【0012】
指示書実行装置102は、ユーザが該指示書実行装置102を操作するためのディスプレイ、キーボード等のユーザ・インターフェイス(UI)116、指示書に指示された処理を実行する実行部118、ネットワークを介して通信を行う通信部114、及び、該ユーザ・インターフェイス116、実行部118、通信部114を制御する制御部112を有している。指示書実行装置102は、例えば、デジタル複合機、実行部の機能を有する周辺機器を接続されたパーソナル・コンピュータなどであってもよく、実行部118は、例えば、画像入出力、FAX送信、音声入出力などの機能を有する一体に構成された装置、又は、複数の装置の集合であってよい。
【0013】
また、ユーザ情報の入力、指示書の指示選択をユーザに行わせるためのユーザ・インターフェイス142を有する端末装置108が独立した別個の装置として備えられてもよい。該端末装置108は、指示書実行装置102、指示書検索装置104と該ネットワークを介して接続されることができる。
【0014】
指示書検索装置104は、ユーザの情報と、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報と、を関連づけて記憶する記憶手段としてのユーザ情報記憶部126、ネットワークを介して通信を行う入力手段及び出力手段としての通信部124、及び、該ユーザ情報記憶部126、通信部124を制御する検索手段としての制御部122を有する。指示書管理装置106は、指示書を記憶する指示書記憶部136、ネットワークを介して通信を行う通信部134、及び、該指示書記憶部136、通信部134を制御する制御部132を有する。
(指示書)
指示書とは、図2に例示するように、指示書実行装置102に実行させる処理を指示したものである。指示書20は、指示書のスタートとエンドとを示す<指示>202、</指示>202’と、指示書実行装置102に実行させる処理を示す実行指示としての処理部204と、を含んで構成されている。この指示書20は、実行部118が、画像入力部、ファイル連結部、及び、FAX送信部を含んでいる指示書実行装置102へ実行させる処理を指示しており、処理部210は、、画像入力部に実行させる処理のスタートとエンドとを示す<スキャン>、</スキャン>で囲まれるスキャン処理部204と、ファイル連結部に実行させる処理のスタートとエンドとを示す<ファイル連結>、</ファイル連結>で囲まれるファイル連結処理部206と、FAX送信部に実行させる処理のスタートとエンドとを示す<FAX送信>、</FAX送信>で囲まれるFAX送信処理部208と、を含む。
【0015】
図2に例示した指示書20に指示された処理を指示書実行装置102が実行する場合について詳細に説明する。制御部112は、スキャン処理部204の<filename>tmp1</filename>との文に基づき、画像入力部に原稿の読取を指示する。画像入力部は、当該原稿をスキャンし、「tmp1」という名称のファイルとして記憶する。
【0016】
次に、制御部112は、ファイル連結処理部206の処理をファイル連結部に実行させる。ファイル連結部は、第1の文<document1>通信文20030401</document1>、及び、第2の文<document2>tmp1</document2>に示されるファイル「通信文20030401」及び「tmp1」を読み込んで連結し、第3の文<result>tmp2</result>に示されるファイル「tmp2」として記憶する。
【0017】
最後に、制御部112は、FAX送信処理部208の処理をFAX送信部に実行させる。FAX送信部は、第1の文<filename>tmp2</filename>で示されるファイル「tmp2」を、第2の文<tel>03-1234-5678</tel>に示される電話番号「03-1234-5678」にFAX送信する。
【0018】
図2に例示される指示書はXML(eXtensible Markup Language)で記載されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、処理の内容を示すサムネイル画像とチェックボックスにより構成され、ユーザが実行手段に実行させたい処理を示すチェックボックスにチェックマークを付すことにより生成される紙媒体によるものであってもよい。
(作用)
次に、図3及び図4を参照して、第1実施形態の作用を説明する。図3(A)は、指示書実行装置102における処理、図3(B)は指示書検索装置104における処理、図3(C)は指示書管理装置106における処理を示す。
【0019】
指示書は、予め、ユーザ又はシステム管理者などにより生成され、指示書管理装置106の指示書記憶部136に記憶されている。指示書検索装置104のユーザ情報記憶部126には、ユーザの情報と、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報と、が関連付けて記憶されている。
【0020】
ステップ302で、指示書実行装置102Aのユーザ・インターフェイス116を介して、ユーザが該指示書実行装置102Aへのログイン操作を行ったことが判断されると、(1)ステップ304で、指示書実行装置102Aはネットワークを介して指示書検索装置104にユーザの情報を送信する。ログイン操作は、ユーザがキーボードなどのユーザ・インターフェイス116を介して、ユーザの情報を入力することにより行われる。ユーザの情報は、例えば、ユーザ固有のID、パスワードなどであってよい。
【0021】
ステップ312で、通信部124がユーザの情報を受信すると、ステップ314で、指示書検索装置104の制御装置122は、該ユーザの情報に基づいて、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を検索する。すなわち、ユーザの情報と関連付けてユーザ情報記憶部126に記憶されているユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を検索する。
【0022】
ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報が検索されると、(2)ステップ316で、指示書検索装置104の通信部124は、検索された指示書管理装置の情報を指示書実行装置102Aに送信する。ユーザに対し利用が許可される指示書が指示書管理装置106Bの指示書記憶部136に記憶されている場合、指示書管理装置106Bの情報が検索され、該情報が指示書実行装置102Aに送信される。指示書管理装置の情報はIP(Internet Protocol)アドレス、URL(Uniform Resource Locator)などであってよいが、本発明はこれに限定されない。
【0023】
また、検索された指示書に関する指示書を識別するための指示書の名称、指示書が記憶されている指示書管理装置のロケーションおよび名称などの情報をリスト化し、指示書実行装置に送信するようにしてもよい。これによれば、ユーザは該ユーザが利用可能な指示書に関する情報を視認して選択すること、及び、指示すること、が可能となる。
【0024】
ステップ306で、指示書管理装置106Bの情報を受信すると、(3)ステップ308で、指示書実行装置102Aは、該情報を用いて指示書管理装置106Bにアクセスし、ユーザに対し利用が許可される指示書を送信するように指示する命令を送信する。ステップ318で、該命令を受信すると、(4)ステップ320で、指示書管理装置106Bは、指示書記憶部136に記憶されているユーザに対し利用が許可される指示書を指示書実行装置102Aに送信する。
【0025】
ステップ310で、指示書実行装置102Aが該指示書を受信すると、処理は終了する。指示書実行装置102Aは、受信された指示書に指示された処理を実行することができる。指示書は該指示書実行装置102Aの実行環境に適用するように予め変更されてもよい。
【0026】
なお、ユーザに対し利用が許可される指示書は単一又は複数の指示書管理装置に記憶される複数の指示書であってよい。この場合、ステップ320で、指示書管理装置106は指示書を送信することに替えて、指示書の一覧を指示書実行装置102に送信してもよい。
【0027】
このように、指示書検索装置104のユーザ情報記憶部は、ユーザの情報と、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報と、を関連付けて記憶し、通信部124は指示書に指示された処理を実行する指示書実行装置を使用するユーザの情報を入力し、制御部122は通信部124より入力された前記ユーザの情報に基づいて、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を検索する。
【0028】
すなわち、記憶手段は、ユーザの情報と、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報と、を関連付けて記憶し、入力手段は、指示書に指示された処理を実行する指示書実行装置を使用するユーザの情報を入力し、検索手段は、前記入力手段により入力された前記ユーザの情報に基づいて、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を検索するようにしているので、ユーザは、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を容易に検索することができる。
【0029】
通信部124は制御部122により検索された指示書管理装置の情報を、ユーザが使用する指示書実行装置102に出力する。すなわち、出力手段は、検索手段により検索された前記指示書管理装置の情報を、前記ユーザが使用する指示書実行装置に出力する。
【0030】
一般に、指示書は指示書実行装置に関連付けられており、ユーザに関連付けられていない。しかしながら、ネットワークにより多くの装置が接続されている作業環境においては、単一のユーザ又はグループが複数の指示書実行装置を使用する。この場合、ユーザが使用する、すなわち、ユーザに対し利用が許可される指示書が、ユーザの使用する指示書実行装置に記憶されている場合には大きな問題はないが、異なる装置に記憶されている場合には、ユーザは、ユーザに対し利用が許可される指示書にアクセスするために、(1)指示書が記憶されている装置を検出し、(2)該装置にネットワークを介して接続し、(3)該指示書にアクセスしなければならない。指示書にアクセスするためにこのような複数のステップを要することは、ユーザの負担及び待機時間を低減することができるという指示書の利点を損なう。
【0031】
これに対し、本発明によれば、上記記載したように、指示書は指示書実行装置ではなくユーザに関連付けられているので、ユーザは複数の指示書実行装置の中の何れの指示書実行装置を使用しても、該ユーザに対し利用が許可される指示書を容易に検索して使用することができる。また、これによれば、指示書は複数の指示書実行装置、指示書管理装置、記憶装置などの何れに記憶されていてもよく、指示書を単一の場所に記憶しておく必要はない。
「変形例」
(作用)
次に、図5及び図6を参照して、第1実施形態の変形例の作用を説明する。図5(A)は、指示書実行装置102における処理、図5(B)は指示書検索装置104における処理、図5(C)は指示書管理装置106における処理を示す。なお、第1実施形態と本変形例の構成は同様であるので、同様の参照符号を付して説明を省略する。また、本変形例において、第1実施形態と同様の処理については同様の参照符号を付して説明を省略する。
【0032】
ステップ302で、指示書実行装置102Aのユーザ・インターフェイス116を介して、ユーザが該指示書実行装置102Aへのログイン操作を行ったことが判断されると、第1実施形態と同様に、指示書実行装置102Aにおけるステップ302、304((1))、及び、指示書検索装置104におけるステップ312、314の処理が行われる。ログイン操作は、ユーザがキーボードなどのユーザ・インターフェイス116を介して、ユーザの情報を入力することにより行われる。ユーザの情報は、例えば、ユーザ固有のID、パスワードなどであってよい。
【0033】
検索されたユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報が指示書管理装置106Bの情報である場合、(2)ステップ322で、指示書検索装置104の通信部124は、該情報を用いて指示書管理装置106Bにアクセスし、ユーザに対し利用が許可される指示書を指示書実行装置102Aに送信するように指示する命令を送信する。
【0034】
ステップ318で、該命令を受信すると、(3)ステップ320で、指示書管理装置106Bは、指示書記憶部136に記憶されているユーザに対し利用が許可される指示書を指示書実行装置102Aに送信する。ステップ310で、指示書実行装置102Aが該指示書を受信すると、処理は終了する。指示書実行装置102Aは、受信された指示書に指示された処理を実行することができる。指示書は該指示書実行装置102Aの実行環境に適用するように予め変更されてもよい。
【0035】
なお、ユーザに対し利用が許可される指示書は単一又は複数の指示書管理装置に記憶される複数の指示書であってよい。この場合、ステップ320で、指示書管理装置106は指示書を送信することに替えて、指示書の一覧を指示書実行装置102に送信してもよい。
【0036】
このように、指示書検索装置104のユーザ情報記憶部126は、ユーザの情報と、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報と、を関連付けて記憶し、通信部124は指示書に指示された処理を実行する指示書実行装置102を使用するユーザの情報を入力し、制御部122は通信部124より入力された前記ユーザの情報に基づいて、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を検索する。
【0037】
すなわち、記憶手段は、ユーザの情報と、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報と、を関連付けて記憶し、入力手段は、指示書に指示された処理を実行する指示書実行装置を使用するユーザの情報を入力し、検索手段は、前記入力手段により入力された前記ユーザの情報に基づいて、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を検索するようにしているので、ユーザは、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を容易に検索することができる。
【0038】
指示書検索装置104の通信部124は、検索された指示書管理装置の情報に基づき、ユーザに対し利用が許可される指示書を該ユーザが使用する指示書実行装置102に送信するように指示する、該指示書管理装置106への命令を出力する。
【0039】
本第1実施形態及び変形例では、説明を容易にするために、指示書実行装置102を2つ、指示書管理装置106を2つ、含む指示書管理システム10を示したが、本発明は、これに限定されず、複数の指示書実行装置102及び複数の指示書管理装置106が含まれていればよい。さらに、指示書実行装置102、指示書検索装置104、指示書管理装置106が各々別個の単体として存在する必要はなく、例えば、指示書検索装置104は指示書実行装置102又は指示書管理装置106に含まれてもよい。
【0040】
第1実施形態では、指示書実行装置102が指示書管理装置106に指示書を送信するように指示する命令を出力し、変形例では指示書検索装置104が指示書管理装置106に指示書を送信するように指示する命令を出力し、この命令により、指示書管理装置106がユーザに対し利用が許可される指示書を指示書実行装置102へ送信する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、指示書実行装置102を使用しているユーザの情報を取得することにより、指示書管理装置106が主体的にユーザに対し利用が許可される指示書を指示書実行装置102へ送信するようにしてもよい。
【0041】
第1実施形態及び変形例におけるステップ302のログイン操作は、ユーザがキーボードなどのユーザ・インターフェイス116を介して、ユーザの情報を入力することよりなされることに限定されず、例えば、記憶媒体装着部などのユーザ・インターフェイス116にユーザの情報を記憶したICカード、USBキーなどの記憶媒体が装着されることによりなされてもよい。
「第2実施形態」
以下、本発明の第2実施形態を図面を参照して説明する。
(構成)
図7に示すように、本第2実施形態に係る指示書管理システム12は、指示書に指示された処理を実行する複数の指示書実行装置103(103A、103B)、指示書を記憶する複数の指示書管理装置106(106A、106B)を含んで構成され、該指示書実行装置103、及び、指示書管理装置106はネットワークを介して接続されている。ネットワークはインターネット、LANなどであってよいが、例えば、Bluetoothのような無線接続であってもよい。本指示書管理システム12は、第1実施形態に係る指示書管理システム10と異なり、指示書検索装置104を有しない。
【0042】
指示書実行装置103は、指示書に指示された処理を実行する実行手段としての実行部118、ネットワークを介して通信を行う入力手段としての通信部114、記憶媒体を装着する装着手段としての記憶媒体装着部120、及び、実行部118、通信部114、記憶媒体装着部120を制御する制御部112を有している。指示書実行装置103は、例えば、デジタル複合機、実行部の機能を有する周辺機器を接続されたパーソナル・コンピュータなどであってもよく、実行部118は、例えば、画像入出力、FAX送信、音声入出力などの機能を有する一体に構成された装置、又は、複数の装置の集合であってよい。本指示書実行装置103は、第1実施形態に係る指示書実行装置102のユーザ・インターフェイス116の代わりに、記憶媒体装着部120を有している。
【0043】
指示書管理装置106は、指示書を記憶する指示書記憶部136、ネットワークを介して通信を行う通信部134、及び、該指示書記憶部136、通信部134を制御する制御部132を有する。
(作用)
次に、図8を参照して、第2実施形態の作用を説明する。図8(A)は、指示書実行装置103における処理、図8(B)は指示書管理装置106における処理を示す。
【0044】
指示書は、予め、ユーザ又はシステム管理者などにより生成され、指示書管理装置106の指示書記憶部136に記憶されている。ユーザは、該ユーザに固有の記憶媒体を保持し、該記憶媒体には、該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報が記憶されている。記憶媒体はICカード、USBキーなどであってよいが、本発明はこれに限定されない。
【0045】
ステップ332で、指示書実行装置103Aの記憶媒体装着部120へ、ユーザが該ユーザに固有の記憶媒体を装着したことが判断されると、ステップ334で、制御部112は記憶媒体に記憶されているユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を読み込む。該ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置が指示書管理装置106Bであった場合、指示書実行装置103Aは、ステップ336で、該情報を用いて指示書管理装置106Bにアクセスし、ユーザに対し利用が許可される指示書を送信するように指示する命令を送信する。指示書管理装置の情報はIP(Internet Protocol)アドレス、URL(Uniform Resource Locator)などであってよいが、本発明はこれに限定されない。
【0046】
ステップ342で、該命令を受信すると、ステップ344で、指示書管理装置106Bは、指示書記憶部136に記憶されているユーザに対し利用が許可される指示書を指示書実行装置103Aに送信する。ステップ338で、指示書実行装置103Aが該指示書を受信すると、処理は終了する。指示書実行装置103Aの実行部118は該指示書に指示された処理を実行することができる。指示書は該指示書実行装置103Aの実行環境に適用するように予め変更されてもよい。
【0047】
なお、ユーザに対し利用が許可される指示書は単一又は複数の指示書管理装置に記憶される複数の指示書であってよい。この場合、ステップ344で、指示書管理装置106は指示書を送信することに替えて、指示書の一覧を指示書実行装置103に送信してもよい。
【0048】
このように、記憶媒体装着部120は、ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を記憶している、該ユーザに対し利用が許可される記憶媒体を装着し、通信部114は、指示書管理装置の情報に基づいて、該指示書管理装置106から前記ユーザに対し利用が許可される指示書を入力し、実行部118は、入力された前記指示書に指示された処理を実行する。
【0049】
すなわち、装着手段は、ユーザに対し利用が許可される指示書を記憶する指示書管理装置の情報を記憶している、該ユーザに固有の記憶媒体を装着し、入力手段は、前記指示書管理装置の情報に基づいて、該指示書管理装置から前記ユーザに対し利用が許可される指示書を入力し、実行手段は、入力された前記指示書に指示された処理を実行するようにしているので、ユーザは、該ユーザに対し利用が許可される指示書に容易にアクセスすることができる。
【0050】
本第2実施形態では、説明を容易にするために、指示書実行装置103を2つ、指示書管理装置106を2つ、含む指示書管理システム12を示したが、本発明は、これに限定されず、複数の指示書実行装置103及び複数の指示書管理装置106が含まれていればよい。さらに、指示書実行装置103、指示書管理装置106が各々別個の単体として存在する必要はなく、例えば、指示書管理装置106は指示書実行装置102に含まれてもよい。
【0051】
第2実施形態では、指示書実行装置103が指示書管理装置106に指示書を送信するように指示する命令を出力し、この命令により、指示書管理装置106がユーザに対し利用が許可される指示書を指示書実行装置103へ送信する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、指示書実行装置103を使用しているユーザの情報を取得することにより、指示書管理装置106が主体的にユーザに対し利用が許可される指示書を指示書実行装置103へ送信するようにしてもよい。
「変形例」
(構成)
以下、本発明の第2実施形態の変形例を図面を参照して説明する。
【0052】
図9に示すように、本第2実施形態の変形例に係る指示書実行装置105は、指示書に指示された処理を実行する実行部118、記憶媒体を装着する記憶媒体装着部120、及び、該実行部118、記憶媒体装着部120を制御する制御部112を有している。指示書実行装置105は、例えば、デジタル複合機、周辺機器を接続されたパーソナル・コンピュータなどであってもよく、実行部118は、例えば、画像入出力、FAX送信、音声入出力などの機能を有する一体に構成された装置、又は、複数の装置の集合であってよい。
(作用)
次に、図10を参照して、第2実施形態の変形例の作用を説明する。
【0053】
ユーザは、該ユーザに固有の記憶媒体を保持し、該記憶媒体には、予め、ユーザ又はシステム管理者などにより生成された、該ユーザに対し利用が許可される指示書が記憶されている。記憶媒体はICカード、USBキーなどであってよいが、本発明はこれに限定されない。
【0054】
ステップ352で、指示書実行装置105の記憶媒体装着部120へ、該ユーザに固有の記憶媒体を装着したことが判断されると、ステップ354で、制御部112は記憶媒体に記憶されているユーザに固有の指示書を読み込み、処理を終了する。指示書実行装置105は、読み込まれた指示書に指示された処理を実行することができる。指示書は該指示書実行装置105の実行環境に適用するように予め変更されてもよい。
【0055】
このように、指示書実行装置105の記憶媒体装着部120はユーザに固有の記憶媒体を装着し、該記憶媒体はユーザに対し利用が許可される指示書を記憶するようにしているので、ユーザは複数の指示書実行装置105の中の何れの指示書実行装置を使用する場合でも、該ユーザに対し利用が許可される指示書を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施形態における指示書管理システムの構成ブロック図を示す。
【図2】本発明の第1実施形態における指示書を示す。
【図3】本発明の第1実施形態の作用を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態の作用を示す構成ブロック図である。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例の作用を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態の変形例の作用を示す構成ブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態における指示書管理システムの構成ブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態の作用を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態の変形例における指示書管理システムの構成ブロック図である。
【図10】本発明の第2実施形態の変形例の作用を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
10 指示書管理システム
102 指示書実行装置
104 指示書検索装置
106 指示書管理装置
124 通信部
122 制御部
126 ユーザ情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指示書を記憶する指示書管理装置を識別するための情報を記憶媒体から読み込む読込手段と、
前記装置を識別するための情報に基づいて、前記装置から指示書を入力する入力手段と、
入力された前記指示書に指示された処理を実行する実行手段と、
を有する指示書実行装置。
【請求項2】
前記入力手段は前記指示書に替えて、単一又は複数の指示書管理装置に記憶される複数の指示書の一覧を入力する、請求項1に記載の指示書実行装置。
【請求項3】
指示書を記憶媒体から読み込む読込手段と、
読み込まれた前記指示書に指示された処理を実行する実行手段と、
を有する指示書実行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−269617(P2008−269617A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116840(P2008−116840)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【分割の表示】特願2003−81354(P2003−81354)の分割
【原出願日】平成15年3月24日(2003.3.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】