説明

振動片、振動子、発振器、および電子機器

【課題】CI値を低減し、不要な振動の発生を抑えた小型の振動片を提供する。
【解決手段】圧電振動片81は、基部22の一端側から二股に別れて互いに並行して延出する一対の振動腕83と、各振動腕83の先端側に設けられた錘部85と、各振動腕83の長手方向に沿った有底の第1溝部87と、を有している。第1溝部87の基部22側から先端側までの側面には第1励振電極89が形成され、振動腕83の基部22側から先端側までの側面には第2励振電極90が形成されている。各振動腕83の基部22との接続部分となる基端から先端(錘部85の先端)までの長さLの半分L/2よりも先端側の第1溝部87には、質量付加のための溝内突部95が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、圧電体材料からなる圧電振動片などの振動片、振動子、発振器、およびそれらを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話等の通信機器や、コンピューター、ICカード等の情報機器、その他様々な電子機器に圧電デバイスが広く使用されている。最近は、これら電子機器の小型化及び高性能化に伴い、小型化と共に、高品質かつ高安定性の圧電デバイスが要求されている。
【0003】
屈曲振動モードの圧電振動片は、小型化を図るために振動腕の長さを短くすると、周波数が高くなることがよく知られている。そこで、振動腕の先端部に質量を付加することによって、その質量効果により周波数が高くならないようにしながら振動腕の長さを短くし、圧電振動片を小型化することが行われている(例えば、特許文献1,2を参照)。振動腕先端部への質量付加は、多くの場合、該先端部の幅を基端側よりも大きく形成することによってなされる。
【0004】
また、音叉型圧電振動片においてCI値を低減するために、振動腕の両主面の少なくとも一方に長手方向の溝部を形成し、かつ該溝部の内面に励振電極を成膜した構造が広く採用されている(例えば、特許文献2を参照)。このような振動腕は、その側面の励振電極と溝部内の励振電極との間で電界が、振動腕の断面において広く分布するように発生し、電界効率が大幅に向上するので、振動片を小型化しても振動損失が少なく、CI値を低く抑制することができる。
【0005】
更に、振動腕の溝部を振動腕先端の錘部及び基部に入り込む位置まで延長させた構造の音叉型圧電振動片が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。このような溝構造の振動腕は、振動腕の基本振動モードを得るために必要な腕長さを確保でき、かつ振動腕の錘部及び基部との各結合部において、振動腕の振動による溝部への応力集中を解消して安定した振動を得ることができる。
【0006】
また、特許文献3には、CI値を低減するために錘部の基部側に突堤部を設けた振動腕が開示されている。図面を参照しながら詳細に説明すると、図6において、特許文献3に記載の音叉型圧電振動片1は、基部2と、基部2の一端部分から平行に延出された一対の振動腕3と、を有している。各振動腕3は、振動腕3の先端側に、振動腕3の基部2側よりも幅が広い錘部5と、振動腕3の長辺方向に沿って形成された有底の第1溝部7と、第1溝部7の側面に形成された第1励振電極9と、振動腕3の側面に形成された第2励振電極10と、を有している。また、錘部5の基部2側には、振動腕3の側面から連続してそれと同一面をなす側面を一方の側面として、その一方の側面が第1溝部7の側面と平行に形成された貫通孔としての第2溝部8が設けられ、この第2溝部8によって、錘部5の基部2側の両端部には突堤部(突出部)6が形成されている。この突堤部6によって、振動腕3は、錘部5の質量を変えることなく振動二次モーメントの腕長を短くでき、振動の安定性を高め、且つ、CI値を低く抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公昭51−10755号公報
【特許文献2】特開2004−282230号公報
【特許文献3】特開2005−5896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献3に記載の音叉型水晶振動片1では、錘部5の振動腕3の側面の延長線上を一方の側面とする第2溝部8が錘部5の両主面を貫通する貫通孔であるために、錘部5の基部2側の両端部に形成された突堤部6のそれぞれが錘となることによる不具合が生じる虞がある。すなわち、振動腕3が図中矢印の方向に屈曲振動を繰り返したときに、錘部5が振動腕3の振幅の折り返しで振動腕3よりも大きい変位を呈して高次モードに近い振動姿態となることにより、周波数が上昇して振動が不安定になり、CI値が上昇する虞があることを発明者は見出した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0010】
〔適用例1〕本適用例にかかる振動片は、基部と、前記基部の一端部分から延出された振動腕と、を有し、前記振動腕は、前記基部側に設けられた腕部と、前記腕部よりも先端側に設けられた前記腕部よりも幅が広い錘部と、前記振動腕の表裏に設けられた主面と、表裏の前記主面を、前記振動腕の長手方向に延びて接続し、互いに対向するように形成された側面と、少なくとも一方の前記主面に前記振動腕の長手方向に沿って形成された有底の溝である第1溝部と、前記第1溝部の底部と前記一方の前記主面とが接続された溝側面に形成された第1励振電極と、前記両側面に形成された第2励振電極と、前記振動腕を前記長手方向に2等分する2等分線よりも前記先端側に設けられ、前記第1溝部の一部を挟み前記溝側面に沿うように形成された溝内突部と、を有していることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、第1溝部を有しているので、振動腕が動きやすくなって効率的に振動することによりCI値を下げることができる。加えて、腕部の先端側に設けられた錘部と第1溝部に設けられた溝内突部とによって振動腕の先端側に質量が付加されることにより、振動腕の長さを増大させることなく周波数を低くすることができる。したがって、小型で低CI値の振動片を提供することができる。
【0012】
〔適用例2〕上記適用例にかかる振動片において、前記溝内突部が、前記第1溝部内において前記振動腕の前記先端側から前記基部側に向かって平面視で突出するように設けられていることを特徴とする。
【0013】
この構成のように、振動腕の先端側における溝内突部の形成位置をルール化することが好ましい。
【0014】
〔適用例3〕上記適用例にかかる振動片において、前記溝内突部が、平面視で周囲を前記第1溝部に囲まれた島状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、第1溝部内に平面視で島状に溝内突部が形成されているため、振動腕の先端側に質量が付加されることにより、振動腕の長さを増大させることなく周波数を低くすることができる。
【0016】
〔適用例4〕上記適用例にかかる振動片において、前記錘部に形成された第2溝部を有し、前記第2溝部は、前記腕部の側面から連続してそれと同一面をなす側面を一方の側面として備え、その一方の側面が前記第1溝部の前記側面と並行するように形成された有底の溝であり、前記第1溝部が、前記振動腕の前記基部側から前記錘部の領域内まで延長するように設けられ、前記第1励振電極が、前記振動腕の前記基部側から前記錘部の領域内までの前記第1溝部内の連続する前記側面に形成され、前記第2励振電極が、前記振動腕の前記側面から前記第2溝部内の前記一方の側面までの連続する面に形成されていることを特徴とする。
【0017】
このように第1励振電極を、振動腕の基部側から錘部の領域内まで設けた第1溝部の側面に形成し、かつ第2励振電極を、振動腕の基部側の側面、および、その側面から連続する錘部の側面に連続して形成することによって、振動腕の振動に寄与する電界を振動腕の腕部だけでなく、錘部の領域にも発生させることができる。従って、小型化の要求に対応して振動腕を短くしても、錘部の質量効果を損なうことなく、電極面積を増やして励振効率を高め、CI値を低減させて圧電振動片の高性能化、高品質化を実現することができる。
また、第2溝部は有底の溝であるので、錘部を貫通する第2溝部を設けた場合に、振動腕に対して錘部が高次モードに近い振動姿態となって周波数が上昇する不具合を回避できることを発明者は見出した。
【0018】
〔適用例5〕上記適用例にかかる振動片において、前記溝内突部が、前記錘部の前記振動腕との付け根部よりも前記基部側まで延びて形成されていることを特徴とする。
【0019】
この構成では、先端側に錘部を有するとともに、振動腕の基部側から錘部の領域内まで連続して第1溝部が形成された構成において、溝内突部が、第1溝部の錘部の領域内から、錘部の振動腕との付け根部よりも基部側まで延びて形成された形態を示している。これにより、溝内突部による質量効果がより高くなり、振動片の小型化に顕著な効果を奏する。
【0020】
〔適用例6〕上記適用例にかかる振動片において、前記溝内突部が、前記錘部から連続して形成されていることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、振動腕の第1溝部をエッチングにより形成する工程で、溝内突部を効率的に形成することができるとともに、錘部と溝内突部との間に隙間を設けて形成する場合に、その隙間部分に発生し得るエッチング残りなどが防止できるので、錘部の質量に調整して形成することが可能になり、所望の周波数特性を有する振動片を得ることができる。
【0022】
〔適用例7〕上記適用例にかかる振動片において、前記溝内突部が、前記振動腕の前記両主面と同じ高さで形成されていることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、振動腕の第1溝部をエッチングにより形成する工程で、溝内突部を効率的に形成することができる。
【0024】
〔適用例8〕上記適用例にかかる振動片において、圧電体材料により形成された圧電振動片であることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、耐衝撃性が高く優れた振動特性を備えた、例えば、水晶からなる水晶振動片などの圧電振動片を提供することができる。
【0026】
〔適用例9〕本適用例にかかる振動子は、上記適用例のいずれかに記載の振動片と、
前記振動片を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、上記適用例に記載の振動片を備えていることから、小型、且つ安定した振動特性を有する振動子を提供することが可能となる。
【0028】
〔適用例10〕本適用例にかかる発振器は、上記適用例のいずれかに記載の振動片と、前記振動片を発振させる発振回路を備えた回路素子と、前記振動片及び前記回路素子を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、上記適用例に記載の振動片を備えていることから、小型、且つ安定した振動特性を有する発振器を提供することが可能となる。
【0030】
〔適用例11〕本適用例にかかる電子機器は、上記適用例のいずれかに記載の振動片、上記適用例に記載の振動子、または上記適用例に記載の発振器のいずれかを備えたことを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、小型、軽量化で且つ安定した動作を有する電子機器を提供することが可能となる。
【0032】
〔適用例12〕本適用例にかかる振動片は、基部と、前記基部の一端部分から延出された振動腕と、を有し、前記振動腕は、両主面および前記両主面を接続し前記振動腕の長手方向に延びる両側面を備え、前記両主面のうち少なくとも一方の主面に前記振動腕の前記長手方向に沿って形成された有底の溝である第1溝部と、前記第1溝部内の前記両側面に形成された第1励振電極と、前記振動腕の前記両側面に形成された第2励振電極と、前記第1溝部に形成された質量付加のための溝内突部であって、前記振動腕の先端側の前記第1溝部内の前記両側面間に位置し、且つ、前記振動腕を前記長手方向について2等分する2等分線よりも前記先端側に配置された溝内突部と、を有していることを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、第1溝部を有しているので、振動腕が動きやすくなって効率的に振動することによりCI値を下げることができるとともに、第1溝部に設けられた溝内突部によって振動腕の先端側に質量が付加されることにより、振動腕の長さを増大させることなく周波数を低くすることができる。したがって、小型で低CI値の振動片を提供することができる。
【0034】
〔適用例13〕上記適用例にかかる振動片において、前記振動腕が、前記振動腕の前記基部側に位置する腕部と、前記腕部よりも前記先端側に位置し前記腕部よりも幅が広い錘部と、を備えていることを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、振動腕の先端部分の錘部が錘の機能を果たすことにより、振動腕の長さを増大させることなく周波数を低くすることができるので、溝部の形成によるCI値の低減効果と併せて錘部の形状を調整することにより、小型で高性能な振動片を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施形態の圧電振動片を模式的に説明する図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA1−A1線断面図、(c)は(a)のB1−B1線断面図。
【図2】第2実施形態の圧電振動片を模式的に説明する図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA2−A2線断面図(c)は、(a)のB2−B2線断面図。
【図3】第3実施形態の圧電振動片を模式的に説明する図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA3−A3線断面図、(c)は(a)のB3−B3線断面図。
【図4】第4実施形態の振動子の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F線での断面図。
【図5】第5実施形態の発振器の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のG−G線での断面図。
【図6】従来の振動片としての音叉型水晶振動片を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の振動片を具体化した一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0038】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の振動片としての圧電振動片を模式的に説明するものであり、(a)は、一方の主面側からみた平面図、(b)は、(a)のA1−A1線断面図、(c)は、(a)のB1−B1線断面図である。
【0039】
図1において、圧電振動片81は、水晶などの圧電体材料からなる。圧電振動片81を水晶により構成する場合、基材の原形となる水晶ウェハー(水晶基材)は、X軸、Y軸、およびZ軸からなる直交座標系において、Z軸を中心に時計回りに0度〜5度の範囲で回転させて切り出した水晶Z板を所定の厚みに切断研磨加工して得られるものを用いる。本実施形態の圧電振動片81は、その水晶Z板を加工することにより形成された基部22と、この基部22の一端側(図において上端側)から二股に別れて並行する一対の振動腕83とからなる、所謂音叉型の外形を有して形成されている。
【0040】
一対の振動腕83は、基部22の一端側から互いに並行するように延出されている。また、振動腕83は、一対の振動腕83を平面視した場合の表裏の面である主面と、表(おもて)面および裏面である両主面の振動腕83の幅方向の両側に位置する端辺同士が振動腕83の厚さ方向に接続され、振動腕83の両側で対向するように形成された2つの側面(以下、2つの側面を両側面ともいう)とを有する。すなわち、両側面は、振動腕83の幅方向の両側にあって対向し、振動腕83の長手方向(延伸方向)に延びて形成されている。
また、各振動腕83の先端側には、振動腕83の基部22側よりも幅が広い錘部85がそれぞれ設けられている。このように、各振動腕83の先端部分の錘部85が錘の機能を果たすことにより、振動腕83の長さを増大させることなく周波数を低くすることができる。
なお、本実施形態の振動腕83は、錘部85以外の部分が一定の幅を有している構成を図示したが、これに限らず、振動腕83の腕部(基部22から錘部85までの部分)は振動腕83の基部22側から先端部の錘部85に向かって細くなる形状としてもよい。例えば、振動腕83の基部22側から先端側の錘部85に向かって細くなるテーパーを形成することにより、振動腕83を振動しやすくすることができる。
【0041】
図1(a)に示すように、各振動腕83の一方の主面には、それぞれの長手方向に沿って一本の有底の第1溝部87が設けられている。また、図1(b)に示すように振動腕83の他方の主面にも、振動腕83の長手方向に沿って一本の有底の第1溝部87が設けられている。
このような各振動腕83の両主面それぞれに開口部を有して設けられた第1溝部87によって、振動腕83が動きやすくなって効率的に振動することにより、CI値を下げることができる。
【0042】
各振動腕83に設けられた第1溝部87は、それらの一端側(振動腕83の先端側)が、錘部85と振動腕83との境界まで設けられている。
第1溝部87の基部22側から先端側までの側面には第1励振電極89が形成されている。また、振動腕83の基部22側から先端側までの側面には第2励振電極90が形成されている。
【0043】
各振動腕83の基部22との接続部分となる基端から先端(錘部85の先端)までの長さLの半分L/2よりも先端側(振動腕83を長手方向について2等分する2等分線P1よりも先端側)の第1溝部87内には、質量付加のための溝内突部95が設けられている。
ここで、溝内突部95の設けられる位置は、溝内突部95の質量付加効果を得るため、各振動腕83の基部22との接続部分となる基端から先端までの長さLの半分L/2よりも先端側としている。これに対し、溝内突部95が長さLの半分L/2よりも基部22側に設けられると、各振動腕83の剛性が高まり共振周波数が高くなってしまう。これにより、所望の共振周波数を得るためには振動腕83の長さを増大(伸長)させる必要が生じ、振動腕83の長さを短縮(短く)するための、溝内突部95の錘効果としての機能が果たされなくなる。
【0044】
溝内突部95は、第1溝部87と同時にエッチングにより形成された一例を示しており、図1(c)に示すように、溝内突部95は、振動腕83の主面と同じ高さを有して、錘部85と振動腕83との境界部分の錘部85から基部22側に向かって連続して第1溝部87の内に形成されている。換言すれば、溝内突部95は、両側の第1溝部87の溝側面に沿うように錘部85から第1溝部87に突出して形成されている。これにより、溝内突部95に沿った第1溝部87の一部は、二つに分かれた形状(二股形状)となり、溝内突部95は、第1溝部87の一部の二股に分かれた部分を挟み両側の溝側面と相対することとなっている。
【0045】
また、本実施形態の溝内突部95は、第1溝部87と同時にエッチングにより形成されたものである。このため、溝内突部95は、振動腕83の主面と同じ高さを有して、錘部85と振動腕83との境界部分の錘部85から基部22側に向かって連続して第1溝部87の内に形成されている。このように、振動腕83の第1溝部87をエッチングにより形成する工程で溝内突部95を同時に形成することにより、溝内突部95を効率的に形成することができる。
【0046】
第1溝部87の連続する側面には第1励振電極89が形成されている。本実施形態の圧電振動片81においては、第1励振電極89は、有底の第1溝部87の両側面を接続する凹底面にも連続して形成されている。
【0047】
第1励振電極89および第2励振電極90などの電極や配線などは、水晶をエッチングして圧電振動片81の第1溝部87を含む外形を形成した後で、例えば、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)を下地層として、その上に、蒸着またはスパッタリングにより例えば金(Au)による電極層を成膜し、その後フォトリソグラフィを用いてパターニングすることにより形成することができる。ここで、クロムは水晶との密着性が高く、また、金は、電気抵抗が低く酸化し難いことが知られている。
【0048】
本実施形態の圧電振動片81によれば、各振動腕83の基部22との接続部分となる基端から先端までの長さLの半分L/2よりも先端側に、質量付加のための溝内突部95が、第1溝部87内において振動腕83の先端側から基部22側に向かって形成されている。これにより、第1溝部87に設けられた溝内突部95によって振動腕83の先端側に質量が付加されることにより、振動腕83の長さを増大(伸長)させることなく周波数を低くすることができる。したがって、小型で低CI値の振動片を提供することができる。
【0049】
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態の振動片としての圧電振動片を模式的に説明するものであり、(a)は、一方の主面側からみた平面図、(b)は、(a)のA2−A2線断面図、(c)は、(a)のB2−B2線断面図である。なお、本実施形態の圧電振動片の構成のうち、上記実施形態と同じ構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
圧電振動片21を構成する基材については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。本実施形態の圧電振動片21は、基部22と、この基部22の一端側(図において上端側)から二股に別れて並行する一対の振動腕23とからなる、所謂音叉型の外形を有して形成されている。
【0051】
一対の振動腕23は、基部22の一端側から並行するように延出されている。また、各振動腕23は、一対の振動腕23を平面視した場合の表裏面である両主面と、その両主面の振動腕23の幅方向の端辺と端辺とが接続され、振動腕23の両側で対向するように形成された両側面とを有する。すなわち、両側面は、振動腕23の両側で対向し、振動腕23の長手方向(延伸方向)に延びて形成されている。
また、各振動腕23の先端側には、振動腕23の基部22側よりも幅が広い錘部25がそれぞれ設けられている。このように、各振動腕23の先端部分の錘部25が錘の機能を果たすことにより、振動腕23の長さを増大(伸長)させることなく周波数を低くすることができる。
なお、振動腕23の腕部(基部22から錘部25までの部分)は、振動腕23の基部22側から先端側の錘部25に向かって細くなる形状としてもよい。例えば、振動腕23の基部22側から先端側の錘部25に向かって細くなるテーパーを形成することにより、振動腕23を振動しやすくすることができる。
【0052】
図2(a)に示すように、各振動腕23の一方の主面には、それぞれの長手方向に沿って一本の有底の第1溝部27が設けられている。また、図2(b)に示すように振動腕23の他方の主面にも、振動腕23の長手方向に沿って一本の有底の第1溝部27が設けられている。
このような各振動腕23の両主面それぞれに開口部を有して設けられた第1溝部27によって、振動腕23が動きやすくなって効率的に振動することにより、CI値を下げることができる。
【0053】
なお、本実施形態の各振動腕23において、第1溝部27は、それらの一端側(振動腕23の先端側)が、振動腕23の基部22側から錘部25との境界よりも先端側の錘部25の領域内まで延長するように設けられている。このようにすることにより、振動腕23が振動する際に生じる応力の集中する領域が振動腕23の延長方向に分散されるので、振動腕23の錘部25の付け根部に応力が集中して破損するなどの不具合を回避できる。
【0054】
錘部25の基部22側には、各振動腕23の側面から連続してそれと同一面をなす側面を一方の側面として、その一方の側面が第1溝部27の側面と並行するように形成された有底の第2溝部28が設けられている。この第2溝部28により、錘部25の基部22側の両端部には突堤部26がそれぞれ形成される。
【0055】
各振動腕23の先端側において、第1溝部27の両側面間で、且つ、振動腕23の基部22との接続部分となる基端から先端までの長さLの半分L/2よりも先端側には、質量付加のための溝内突部35が、第1溝部27内において振動腕23の先端側から基部22側に向かって平面視で突出するように形成されている。換言すれば、溝内突部35は、第1溝部27内において、振動腕23を長手方向において2等分する2等分線P2よりも先端側に位置するように形成されている。
【0056】
本実施形態では、溝内突部35が、錘部25の領域まで延長して形成された第1溝部27の振動腕23先端側の端部から、錘部25の振動腕23との境界よりも基部22側まで延びて形成されている。これにより、溝内突部35による質量効果がより高くなり、振動片の小型化に顕著な効果を奏する。
【0057】
また、本実施形態の溝内突部35は、第1溝部27と同時にエッチングにより形成されたものである。このため、溝内突部35は、図2(c)に示すように、振動腕23の主面と同じ高さを有して、錘部25の振動腕23先端側から第1溝部27の基部22側に向かって連続して形成されている。このように、振動腕23の第1溝部27をエッチングにより形成する工程で溝内突部35を同時に形成することにより、溝内突部35を効率的に形成することができる。
【0058】
振動腕23の基部22側から錘部25の領域内までの第1溝部27の連続する側面には第1励振電極29が形成されている。本実施形態の圧電振動片21においては、第1励振電極29は、有底の第1溝部27の両側面を接続する凹底面にも連続して形成されている。
また、振動腕23の基部22側から錘部25の領域内の第2溝部28までの連続する側面(第2溝部28の一方の側面)には第2励振電極30が形成されている。
一方の振動腕23の第1励振電極29と他方の振動腕23の第2励振電極30とが互いに接続され、基部22に引き出した接続電極31,31から交流電圧を印加することによって、両振動腕23,23が互いに接近又は離反する向きに振動する。
【0059】
第1励振電極29および第2励振電極30などの電極や配線などについては、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0060】
本実施形態の圧電振動片21によれば、振動腕23が、第1溝部27を錘部25の領域まで延長させて設け、且つ、錘部25の基部22側の端部から、振動腕23の両側面が錘部25の領域内に直線的に延長されるように第2溝部28を設けて、振動腕23の励振に寄与する第1励振電極29および第2励振電極30を、振動腕23の腕部だけでなく、錘部25の領域にも形成する構成とした。これにより、本実施形態の圧電振動片21は、小型化の要求に対応して振動腕23を短くしても、錘部25の質量効果を損なうことなく、第1励振電極29および第2励振電極30の面積を大きくして励振効率を高めることができるので、CI値を低減させることができる。
【0061】
ここで、本実施形態の圧電振動片21では、各振動腕23の基部22との接続部分となる基端から先端までの長さLの半分L/2よりも先端側に、質量付加のための溝内突部35を、第1溝部27内において振動腕23の先端側から基部22側に向かって形成した。これにより、第1溝部27に設けられた溝内突部35によって振動腕23の先端側に質量が付加されることにより、振動腕23の長さを増大(伸長)させることなく周波数を低くすることができる。したがって、小型で低CI値の振動片を提供することができる。
【0062】
さらに、本実施形態では、振動腕23の側面から連続する側面を一側面として錘部25に形成する第2溝部28を有底の溝とした。これにより、例えば、錘部25を貫通する第2溝部を設けた場合に、振動腕23が高次モードに近い振動姿態となって周波数が上昇する不具合を回避することができる。
【0063】
(第3実施形態)
上記実施形態では、溝内突部35を、第1溝部27内において、錘部25の振動腕23先端側から基部22側に向かって連続して形成された構成を説明した。これに限らず、振動腕の先端側の第1溝部内に設ける溝内突部を、錘部と所定の隙間を空けて設ける構成としてもよい。
図3は、第3実施形態としての溝内突部を錘部と隙間を空けて設けた構成の圧電振動片を模式的に説明するものであり、(a)は、一方の主面側からみた平面図、(b)は、(a)のA3−A3線断面図、(c)は、(a)のB3−B3線断面図である。なお、本実施形態の圧電振動片の構成うち、上記実施形態と同じ構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0064】
図3(a)において、圧電振動片41は、基部22の一端側(図において上端側)から二股に別れて互いに並行に延出する一対の振動腕43を有している。各振動腕43の先端側には、振動腕43の基部22側よりも幅が広い錘部45がそれぞれ設けられている。各振動腕43の両主面には、それぞれの長手方向に沿って一本の有底の第1溝部47が設けられている。第1溝部47は、それらの一端側(振動腕43の先端側)が、錘部45の領域内まで延長するように設けられている。
【0065】
錘部45の基部22側には、各振動腕43の側面から連続してそれと同一面をなす側面を一方の側面として、その一方の側面が第1溝部47の側面と並行するようにに形成された有底の第2溝部48が設けられている。この第2溝部48により、錘部45の基部22側の両端部には突堤部46がそれぞれ形成される。
振動腕43の基部22側から錘部45の領域内までの第1溝部47の連続する側面には第1励振電極49が形成されている。また、振動腕43の基部22側から錘部45の領域内の第2溝部48までの連続する側面(第2溝部48の一方の側面)には第2励振電極50が形成されている。
【0066】
各振動腕43の基部22との接続部分となる基端から先端までの長さLの半分L/2よりも先端側(振動腕43を長手方向について2等分する2等分線P3よりも先端側)の第1溝部47内には、質量付加のための溝内突部55が、錘部45と所定の隙間を空けて設けられている。換言すれば、振動腕43を表面である主面側から平面視した場合に、溝内突部55が周囲を第1溝部47に囲まれた、いわゆる島状に形成されている。
溝内突部55は、その基部22側の端部を、錘部45の振動腕43との境界よりも基部22側まで延ばして形成されている。なお、本実施形態の溝内突部55は、第1溝部47と同時にエッチングにより形成された一例を示しており、溝内突部55は、図3(c)に示すように、振動腕43の主面と同じ高さを有し、第1溝部47内において、錘部45と所定の隙間を空けて錘部45側からの基部22側に向かって形成されている。
【0067】
本実施形態の圧電振動片41のように、振動腕43の先端側の第1溝部47内に設ける溝内突部55が、錘部45と所定の隙間を空けて設けられた構成としても、溝内突部55によって振動腕43の先端側に質量が付加されることにより、振動腕43の長さを増大(伸長)させることなく周波数を低くすることができるので、小型で低CI値の圧電振動片41を提供することができる。
【0068】
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0069】
例えば、上記実施形態では、屈曲振動モードの圧電振動片21を一例として説明した。これに限らず、ねじり振動モードなどの屈曲振動モード以外の振動モードの振動片においても、本発明の特徴的な構成を具備させることにより上記実施形態および変形例と同様な耐衝撃性の向上などの効果を得ることができる。
【0070】
また、上記実施形態および変形例では、基部22から2本の振動腕23,43,63,83が互いに並行するように延出されて形成された所謂音叉型の圧電振動片21,41,61,81における本発明の実施の形態や変形例を説明した。これに限らず、固定端となる基部を有する1本の振動腕のみにより構成される所謂ビーム型振動片などであってもよく、また、3本以上の振動腕を有する振動片であっても、上記実施形態および変形例と同様な効果を得ることができる。
【0071】
上記実施形態では、圧電体材料の1つである水晶からなる圧電振動片21について説明したが、これに限らず、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの水晶以外の圧電体材料により構成することもできる。さらに、圧電体材料以外の、例えば、シリコン半導体からなる振動片であっても、上記実施形態および変形例と同様な効果を得ることができる。
【0072】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態として、前述の実施形態で説明した振動片としての圧電振動片を備えた振動子について説明する。
図4は、第4実施形態の振動子の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は、(a)のF−F線での断面図である。なお、本実施形態では、前述の第1実施形態で説明した振動片としての圧電振動片81(水晶振動片)を一例として用いる構成を示し説明する。
【0073】
図4に示すように、振動子としての水晶振動子105は、第1の実施形態の圧電振動片81と、圧電振動片81を収容するパッケージ180と、を備えている。パッケージ180は、パッケージベース181、シームリング182、蓋体185などから構成されている。パッケージベース181は、圧電振動片81を収容できるように凹部が形成され、その凹部に圧電振動片81の図示しないマウント電極と接続される接続パッド188が設けられている。接続パッド188は、パッケージベース181内の配線に接続され、パッケージベース181の外周部に設けられた外部接続端子183と導通可能に構成されている。
【0074】
パッケージベース181の凹部の周囲には、シームリング182が設けられている。さらに、パッケージベース181の底部には、貫通穴186が設けられている。圧電振動片81は、パッケージベース181の接続パッド188に導電性接着剤184を介して接着固定されている。そして、パッケージ180は、パッケージベース181の凹部を覆う蓋体185とシームリング182とがシーム溶接されている。パッケージベース181の貫通穴186には、金属材料などからなる封止材187が充填されている。この封止材187は、減圧雰囲気内で溶融後固化され、パッケージベース181内が減圧状態を保持できるように、貫通穴186を気密に封止している。水晶振動子105は、外部接続端子183を介した外部からの駆動信号により圧電振動片81が励振され、所定の周波数(例えば、32.768kHz)で発振(共振)する。
【0075】
上述したように、水晶振動子105は、前述の実施形態で説明した小型で低CI値の圧電振動片81を備えていることから、小型で安定した振動特性を有する水晶振動子105を提供することが可能となる。
なお、水晶振動子105は、圧電振動片81に代えて前述した他の形態の振動片、例えば圧電振動片21,41を用いても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、圧電振動片81を2箇所に設けられた接続パッド188に固定する構成で説明したが、接続パッド188は2箇所に限られるものではなく、所望の数を設けても良く、圧電振動片81との接続も所望の接続箇所で行うことができる。
【0076】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態として、上記で説明した振動片としての圧電振動片を備えた発振器について説明する。
図5は、第5実施形態の発振器の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のG−G線での断面図である。なお、本実施形態では、前述の第1実施形態で説明した振動片としての圧電振動片81を一例として用いる構成を示し説明する。
【0077】
発振器としての水晶発振器106は、上記水晶振動子105の構成に回路素子をさらに備えた構成となっている。なお、上記水晶振動子105との共通部分については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図5に示すように、水晶発振器106は、第1の実施形態の圧電振動片81と、圧電振動片81を発振させる発振回路を有する回路素子としてのICチップ191と、圧電振動片81及びICチップ191を収容するパッケージ180と、を備えている。ICチップ191は、パッケージベース181の底部に固着され、金線などの金属ワイヤー192により他の配線と接続されている。水晶発振器106は、ICチップ191の発振回路からの駆動信号により圧電振動片81が励振され、所定の周波数(例えば、32.768kHz)で発振(共振)する。
【0078】
上述したように、水晶発振器106は、前述の実施形態で説明した小型で低CI値の圧電振動片81を備えていることから、小型で安定した振動特性を有する水晶発振器106を提供することが可能となる。
また、パッケージ180内に、圧電振動片21,41,81のいずれかと、その圧電振動片21,41,81を発振させる回路素子(ICチップ191)が少なくとも組み込まれているため、CI値の上昇や不要振動が抑えられて高性能化が実現するとともに、さらに小型化を図ることができる。
【0079】
なお、水晶発振器106は、圧電振動片81に代えて圧電振動片21,41を用いても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、圧電振動片81を2箇所に設けられた接続パッド188に固定する構成で説明したが、接続パッド188は2箇所に限られるものではなく、所望の数を設けても良く、圧電振動片81との接続も所望の接続箇所で行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
前述した圧電振動片としての水晶振動片21,41,81は、小型で低CI値であり安定した振動特性を有している。
従って、この水晶振動片21,41,81をパッケージ化した水晶振動子105、或いは水晶発振器106は、タイミングデバイスなどとして、デジタル携帯電話、パーソナルコンピューター、電子時計、ビデオレコーダー、テレビなどの電子機器に広く用いられる。特に小型、軽量化を必要とする携帯ゲーム機器、携帯音響機器を一例とする携帯機器などに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0081】
1…従来の振動片としての音叉型水晶振動片、21,41,81…振動片としての圧電振動片、2,22…基部、3,23,43,83…振動腕、5,25,45,85…錘部、6,26,46…突堤部、7,27,47,87…第1溝部、8,28,48…第2溝部、9,29,49,89…第1励振電極、10,30,50,90…第2励振電極、31…接続電極、35,55,95…溝内突部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部の一端部分から延出された振動腕と、を有し、
前記振動腕は、
前記基部側に設けられた腕部と、
前記腕部よりも先端側に設けられ前記腕部よりも幅が広い錘部と、
前記振動腕の表裏に設けられた主面と、
表裏の前記主面を、前記振動腕の長手方向に延びて接続し、互いに対向するように形成された側面と、
少なくとも一方の前記主面に前記振動腕の前記長手方向に沿って形成された有底の溝である第1溝部と、
前記第1溝部の底部と前記一方の前記主面とが接続された溝側面に形成された第1励振電極と、
前記両側面に形成された第2励振電極と、
前記振動腕を前記長手方向に2等分する2等分線よりも前記先端側に設けられ、前記第1溝部の一部を挟み前記溝側面に沿うように形成された溝内突部と、を有していることを特徴とする振動片。
【請求項2】
請求項1に記載の振動片において、
前記溝内突部が、前記第1溝部内において前記振動腕の前記先端側から前記基部側に向かって平面視で突出するように設けられていることを特徴とする振動片。
【請求項3】
請求項1に記載の振動片において、
前記溝内突部が、平面視で周囲を前記第1溝部に囲まれた島状に形成されていることを特徴とする振動片。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の振動片において、
前記錘部に形成された第2溝部を有し、
前記第2溝部は、前記腕部の側面から連続してそれと同一面をなす側面を一方の側面として備え、その一方の側面が前記第1溝部の前記側面と並行するように形成された有底の溝であり、
前記第1溝部が、前記振動腕の前記基部側から前記錘部の領域内まで延長するように設けられ、
前記第1励振電極が、前記振動腕の前記基部側から前記錘部の領域内までの前記第1溝部内の連続する前記側面に形成され、
前記第2励振電極が、前記振動腕の前記側面から前記第2溝部内の前記一方の側面までの連続する面に形成されていることを特徴とする振動片。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の振動片において、
前記溝内突部が、前記錘部の前記振動腕との付け根部よりも前記基部側まで延びて形成されていることを特徴とする振動片。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の振動片において、
前記溝内突部が、前記錘部から連続して形成されていることを特徴とする振動片。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の振動片において、
前記溝内突部が、前記振動腕の前記両主面と同じ高さで形成されていることを特徴とする振動片。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の振動片において、
圧電体材料により形成された圧電振動片であることを特徴とする振動片。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の振動片と、
前記振動片を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする振動子。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載の振動片と、
前記振動片を発振させる発振回路を備えた回路素子と、
前記振動片及び前記回路素子を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする発振器。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれかに記載の振動片、請求項9に記載の振動子、または請求項10に記載の発振器のいずれかを備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−101340(P2011−101340A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163647(P2010−163647)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】