説明

接続機器管理システム

【課題】テーブルタップに差し込んである接続機器の管理を表示端末により可能な接続機器管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】カメラ31と画像認識機能を備えた携帯用表示端末30と、携帯表示端末30と赤外線通信可能でPLC通信機能と接続機器を接続する差し込み口13近傍に画像認識用のマーカー14とを備えたテーブルタップ10と、テーブルタップ10に接続可能でPLC通信機能を備えた接続機器21とを有し、表示端末30は、テーブルタップ10に接続された接続機器21とのPLC通信により取得した接続機器21の情報を、表示端末30のディスプレイ32に表示されているカメラ31がとらえたテーブルタップ映像の接続機器が接続された差し込み口近傍にあるマーカー位置に表示することで、テーブルタップ10に接続された接続機器21の情報確認が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続機器管理システムに関し、特に、テーブルタップに差し込んである接続機器の管理を表示端末により可能な接続機器管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来テーブルタップを使用している場合、テーブルタップの先にどんな機器が接続されているのかが分からなくなってしまい、例えば待機電流カットのために接続機器のコンセントをテーブルタップから外したいとしても、どのコンセントを外したら良いかコードをたどったりする必要があった。また、本当に今外しても問題は無いかということも分からなかった。
【0003】
PLC(Power Line Communications)通信機能を備えたテーブルタップとしては、例えば、特許文献1があるが、遠隔監視などでの利用が目的であり、接続されている機器がテーブルタップのどの差し込み口にさされているかまでは分からないため、外したい目的のコンセントはどれかといったことが分からなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−245983
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来例では、電力線などの通信網を介しPCなどで遠隔監視するということを想定しているため、テーブルタップのどこにどんな機器がささっているかの情報を、実際のテーブルタップ本体を確認しながらでは分からない。従って、遠隔でテーブルタップの差し込み口への電源供給のONOFFの制御を遠隔で可能であっても、テーブルタップから接続機器を抜く場合に、接続されているものでどれが今抜きたい機器に相当するのかが分からなく、また機器が動作中といった本来電源をOFFにしてはいけないタイミングでもOFFにすることが可能であり、もしそのようなことを意識せず電源を切ってしまった場合、機器や使用者に対し支障をきたすことがあった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて、テーブルタップに差し込んである接続機器の管理を表示端末により可能な接続機器管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の接続機器管理システムは、カメラと画像認識機能を備えた携帯用表示端末と、該携帯表示端末と赤外線通信可能でPLC通信機能と接続機器を接続する差し込み口近傍に画像認識用のマーカーとを備えたテーブルタップと、該テーブルタップに接続可能でPLC通信機能を備えた接続機器とを有し、前記表示端末は、テーブルタップに接続された接続機器とのPLC通信により取得した当該接続機器の情報を、前記表示端末のディスプレイに表示されている前記カメラがとらえたテーブルタップ映像の当該接続機器が接続された差し込み口近傍にあるマーカー位置に表示することで、前記テーブルタップに接続された接続機器の情報確認が可能なことを特徴とする。
【0008】
さらに本発明の接続機器管理システムは、前記接続機器の情報が、前記表示端末の前記ディスプレイに表示されているカメラがとらえているテーブルタップのマーカー上に表示されている状態で、前記表示端末を操作することにより、前記表示端末が前記テーブルタップと赤外線通信を開始し、前記テーブルタップの該当する差し込み口の電源供給制御が可能なことを特徴とする。
さらに本発明の接続機器管理システムは、前記テーブルタップは、該テーブルタップにささっている接続機器の消費電力の状況を監視し、前記接続機器の消費電力が急に増えた場合、前記表示端末から前記テーブルタップの接続機器差し込み口への電源供給制御操作が不可能になることを特徴とする。
さらに本発明の接続機器管理システムは、前記テーブルタップの差し込み口に接続機器がささっていない場合は、前記表示端末のディスプレイに表示されているマーカー位置に表示される接続機器情報には、接続可能な電流量や電力量が表示されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、接続機器管理システムにおいて、テーブルタップに差し込んである接続機器の管理を表示端末によりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の接続機器管理システムの一実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明の接続機器管理システムにおけるテーブルタップのブロック図の一例である。
【図3】本発明の接続機器管理システムにおける表示端末のブロック図の一例である。
【図4】本発明の接続機器管理システムにおける接続機器情報送信データの第1の情報構成例を示す図である。
【図5】本発明の接続機器管理システムにおける表示端末の他の表示例を示す正面図である。
【図6】本発明の接続機器管理システムにおける接続機器情報送信データの第2の情報構成例を示す図である。
【図7】本発明の接続機器管理システムにおける接続機器情報送信データの第3の情報構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の接続機器管理システムの一実施形態を示す構成図である。図1に示すように、接続機器管理システム1は、通信機能付きテーブルタップ10と、テーブルタップ10と通信可能な接続機器21〜24と、携帯可能な表示端末30とで構成される。
【0013】
通信機能付きテーブルタップ10は、コンセント100等に差し込み可能な差し込みプラグ11と、差し込みプラグ11と接続される本体部12と、本体部12に有する複数の差し込み口13とを有しており、さらに、差し込み口13にささっている接続機器21〜24と通信するため、PLCなどの通信機能を持っている。
【0014】
また、接続機器21〜24もテーブルタップ10と同様の通信機能を持っており、接続機器21〜24の持つ情報(例えば機器の名前やメーカー名、定格電流など)といった情報をテーブルタップ10に送信可能となっており、一定間隔(例えば30秒ごと)で接続機器21〜24との通信を行う。接続機器21〜24は、例えば電気機器である。
【0015】
接続機器21〜24から情報を得、テーブルタップ10の内部にもつRAM16に保存する。そして差し込み口13のそばには、表示端末30がどの差し込み口かを判別するための、画像認識用のマーカー14が各差し込み口13の近傍にそれぞれ配置されている。
【0016】
図2にテーブルタップ10のブロック図の一例を示す。テーブルタップ10には、制御用CPU15、情報保存用のRAM16と表示端末と通信を行うための赤外線通信部17、各差し込み口13に接続機器と通信を行うためのPLCモデム18と、電流センサといった接続機器の消費電流、電力を測定するための電力測定部19を設けている。これらは本体部12に構成可能である。
【0017】
図3に表示端末30のブロック図の一例を示す。表示端末30は、図1や図3に示すように、映像の取り込みが可能なカメラデバイス31と、カメラで取り込んだ映像を表示するディスプレイ32と、画像認識などの処理を行うCPU33と、テーブルタップと通信を行う赤外線通信部34と、情報保存用のRAM35と、カメラデバイス31を制御するカメラ制御部36と、ディスプレイ32を制御するディスプレイ制御部37とを有している。なお、画像認識機能は、公知の技術を用いる。なお、この表示端末30は、さらに、操作用に操作デバイス、またはタッチパネルを搭載している。
【0018】
次に作用について説明する。
【0019】
表示端末30のカメラ31で、テーブルタップ10をとらえ、とらえた映像中で、テーブルタップ10の差し込み口13そばにあるマーカー14を画像認識機能により認識すると、テーブルタップ10と表示端末30は、各々に備わった赤外線通信部17、34により赤外線200で通信を行う。まず表示端末30が、テーブルタップ10に赤外線200で情報要求の信号を送る。次に受信したテーブルタップ10は、接続機器21〜24との通信で得た、自身のRAM16に保存している全差し込み口13にささっている接続機器21〜24の情報を一括して赤外線200で表示端末30に送る。またその情報は、差し込み口13ごとにブロック分けされて送信されるとする。
【0020】
具体的には、例えば差し込み口13が4つ場合、テーブルタップ10が送る情報構成は図4のようにし、各差し込み口13ごとの情報を送信する。図4は4つの差し込み口のうち第2の差し込み口のみ何もささっていない場合である。
【0021】
情報の内容としては、ヘッダ50のあと、第1の差し込み口の情報51、第2の差し込み口の情報52、第3の差し込み口の情報53、第4の差し込み口の情報54、と差し込み口ごとの情報が構成される。そして、各差し込み口の情報は、「差し込み口の識別子」、「機器がこの差し込み口にささっているかの識別子」、「この差し込み口にささっている機器の情報」によって構成されている。例えば、第1の差し込み口の情報51であれば、差し込み口の識別子51aは、「01」の情報により第1の差し込み口であるいう識別情報である。さらに、機器がこの差し込み口にささっているかの識別子51bは、「1」であるので第1の差し込み口に機器がささっているという識別情報である。そして、この差し込み口にささっている機器の情報51cが添付される。また、第2の差し込み口の情報52であれば、機器がこの差し込み口にささっているかの識別子52bが「0」であるので、第2の差し込み口に機器がささっていないという識別情報となる。
【0022】
表示端末30がテーブルタップ10からの情報を受信すると、CPU33で受信した情報の解析を行い、表示端末30のカメラ31でとらえているテーブルタップ10の各機器21〜24の差し込み口13と対応するマーカー14の位置に、テーブルタップ10との通信で得た情報301〜304(例えば機器の名前やメーカー名、定格電流など)を重ね合わせてディスプレイ32に表示する(図1)。またささっていない場合(第2の差し込み口)は、何も表示しない。この情報をテーブルタップ10との通信で得た情報を接続機器情報とする。また、この表示端末30とテーブルタップ10のやりとりは、一定時間ごと(例えば30秒ごと)に行い、表示端末30がテーブルタップ10のマーカー14を認識している間継続する。
【0023】
このシステムに付随する機能の一つとして、表示端末30のディスプレイ32に表示されている目的の接続機器情報部分をタッチパネル上でタッチまたは操作デバイスで選択すると、そこからテーブルタップ10の目的の接続機器に対応する差し込み口13の電源制御を可能とする。
【0024】
この例を、図1及び図5により説明する。やり方は、テーブルタップ10に差し込み口13が複数あり、例えば、第1の差し込み口の電源を制御したい場合、タッチパネル、または操作デバイスで、ディスプレイ32に表示されている第1の差し込み口にささっている接続機器情報部分301(図1)を選択すると、図5に示すような電源制御の画面が表示される。
【0025】
電源制御の画面は、例えば、上から、選択した機器の情報310、注意情報311、選択ボタン312が表示される。選択した機器の情報310は受信した機器の情報をもとに、機器名や表示電力などが表示される。注意情報311は、例えば、後述する消費電力の情報をもとに、電源制御不可の場合に、コンセントを抜いてはいけない旨の注意を提示する情報を表示することができる。選択ボタン312は電源ONボタン312aと電源OFFボタン312bによって電源制御を可能とする。例えば、後述する消費電力の情報をもとに、その機器の電源制御が可能である場合に、電源ONボタン312aと電源OFFボタン312bを表示させるようにすることもできる。
【0026】
電源ON312a、またはOFF312bを選択すると、テーブルタップ10に向かってその情報を送信する。それを受け取ったテーブルタップ10は、情報を解析し、該当するテーブルタップ10の電源を受け取った情報がONならONに、OFFならOFFにする。
【0027】
また、テーブルタップ10の各差し込み口13に、差し込み口13にささっている接続機器21〜24の電力を測定する回路(電力測定部19)を備えることによって、逐―消費電力が測定できるようになっており、その情報も、接続機器情報を送信する際に併せて送信し、ディスプレイ32に表示するようにすることができる。そして表示端末30は、各差し込み口13の消費電力の増減を監視し、消費電力がもし直前に測った消費電力と比較して急激な(例えば100%以上)増加があった場合には、その接続機器が動作中と判断し、表示端末30からの操作による電源OFFを送れなくする。具体的には表示端末30の電源制御選択時に、電源OFFを選択不可能にする。一度電源OFF選択不可能状態になると、消費電力が下がる(例えば消費電力の急激な増加直前の値を覚えておき、その値まで戻るもしくは近づく)と、電源OFFが選択可能になるようにする。こうすることで、接続機器動作中の不意の電源断による接続機器の故障などを避けることができるようになる。
【0028】
図6は、本発明の接続機器管理システムにおける接続機器情報送信データの第2の情報構成例を示す図である。図4との違いは、第1〜第4の差し込み口の情報51’〜54’は、それぞれ、その差し込み口の消費電力の情報51d、52d、53d、54dを追加したところである。
【0029】
また、テーブルタップ10には接続機器が無い場合がある。この場合は、テーブルタップは接続機器情報を送信する代わりに、今ささっている機器の消費電力や電流を元に、テーブルタップ10に接続可能な機器の電力量や電流量を計算し、表示端末30に送信する。表示端末は接続機器情報の代わりにその情報を表示する。
【0030】
その送信情報構成は、図7のようにすることができる。図7に示すように、例えば、第2の差し込み口の情報52’と第4の差し込み口の情報54’において、機器がこの差し込み口にささっているかの識別子52b、52dが「0」である場合(接続機器がささっていない場合)、この情報の後に、それぞれの差し込み口において、接続可能な電力量と電流量の情報52e、54eが構成される。
【0031】
本発明は以上のように、通信機能を備えたテーブルタップ10において、表示端末30をテーブルタップ10に向け、表示端末に備えられたカメラ31で撮るという動作で、どこにどういった機器がささっているのかの情報が、手元で直感的で容易に分かるようになる。また、テーブルタップ10にささっている接続機器の消費電力や電流を読み取る仕組みを搭載して消費電力や電流を測定可能にし、急な消費電力の増加があった時に、表示端末からの電源OFFを不可能にすることによって、不意な電源切断による接続機器の故障を避けることができる。さらに、差し込み口13に機器が接続されていない場合は、表示端末30は接続機器情報の代わりに、テーブルタップ10に接続可能な電力量や電流量が表示されるようになり、どれくらいの容量のものがさせるかの判断基準になる。
【符号の説明】
【0032】
1 接続機器管理システム
10 テーブルタップ
12 本体部
13 差し込み口
14 マーカー
15 CPU
16 RAM
17 赤外線通信部
18 PLCモデム
19 電力測定部
21、22、23、24 接続機器
30 表示端末
51、51’ 第1の差し込み口の情報
52、52’ 第2の差し込み口の情報
53、53’ 第3の差し込み口の情報
54、54’ 第4の差し込み口の情報
31 カメラ
32 ディスプレイ
33 CPU
34 赤外線通信部
35 RAM
36 カメラ制御部
37 ディスプレイ制御部
200 赤外線200
301、302、303、304 接続機器情報部分
310 選択した機器の情報
311 注意情報
312 選択ボタン
312a 電源ONボタン
312b 電源OFFボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと画像認識機能を備えた携帯用表示端末と、該携帯表示端末と赤外線通信可能でPLC通信機能と接続機器を接続する差し込み口近傍に画像認識用のマーカーとを備えたテーブルタップと、該テーブルタップに接続可能でPLC通信機能を備えた接続機器とを有し、
前記表示端末は、テーブルタップに接続された接続機器とのPLC通信により取得した当該接続機器の情報を、前記表示端末のディスプレイに表示されている前記カメラがとらえたテーブルタップ映像の当該接続機器が接続された差し込み口近傍にあるマーカー位置に表示することで、前記テーブルタップに接続された接続機器の情報確認が可能なことを特徴とする接続機器管理システム。
【請求項2】
前記接続機器の情報が、前記表示端末の前記ディスプレイに表示されているカメラがとらえているテーブルタップのマーカー上に表示されている状態で、前記表示端末を操作することにより、前記表示端末が前記テーブルタップと赤外線通信を開始し、前記テーブルタップの該当する差し込み口の電源供給制御が可能なことを特徴とする請求項1記載の接続機器管理システム。
【請求項3】
前記テーブルタップは、該テーブルタップにささっている接続機器の消費電力の状況を監視し、前記接続機器の消費電力が急に増えた場合、前記表示端末から前記テーブルタップの接続機器差し込み口への電源供給制御操作が不可能になることを特徴とする請求項2記載の接続機器管理システム。
【請求項4】
前記テーブルタップの差し込み口に接続機器がささっていない場合は、前記表示端末のディスプレイに表示されているマーカー位置に表示される接続機器情報には、接続可能な電流量や電力量が表示されることを特徴とする請求項3記載の接続機器管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−39695(P2012−39695A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175399(P2010−175399)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】