説明

接近報知システム、並びにそれに用いる車載機及び携帯端末

【課題】本発明は、チャネルを有効に活用することができる接近報知システム、並びにそれに用いる車載機及び携帯端末の提供を目的とする。
【解決手段】歩行者が所持する携帯端末の送信波を車載機が受信することによって、車両と歩行者が互いに接近している旨を報知し得る接近報知システムにおいて、携帯端末12の所持者である歩行者の位置情報(方向と距離)と、車両の走行状態として、車速、ウィンカ情報及びナビゲーション情報とを取得することによって、車両と歩行者が互いに接近している旨を報知する必要性が低い段階であるとみなしたエリアに歩行者が存在すると認識した場合には、前記送信波の送信間隔を通常より長く設定することを特徴とする、接近報知システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を所持する者と車両が互いに接近している旨を報知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人の所持する携帯端末の発する電波を車両側が受信し、その携帯端末が所定の警報エリア内に存在するか否かを判断することによりドライバーに対して警報を発する車載警報装置及び車両用警報システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−202693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来技術は、携帯端末は車載機に対し電波を送信しているため、携帯端末の数が多い場合には、多数の携帯端末からの送信が車載機に集中し通信チャネルが不足するおそれがあった。
【0004】
そこで、本発明は、チャネルを有効に活用することができる接近報知システム、並びにそれに用いる車載機及び携帯端末の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、第1の発明として、人が所持する携帯端末の送信波を車載機が受信することによって、車両と人が互いに接近している旨を報知し得る接近報知システムにおいて、前記送信波の送信間隔を車両の走行状態に基づいて設定することを特徴とする、接近報知システムを提供する。
【0006】
第2の発明として、前記走行状態は車速であって、車速が遅い場合には速い場合に比べて前記送信間隔を長く設定する、接近報知システムを提供する。
【0007】
第3の発明として、第1または第2の発明の接近報知システムであって、携帯端末が受信した車載機の送信波の受信レベルに応じて前記送信間隔を調整する、接近報知システムを提供する。
【0008】
第4の発明として、複数の携帯端末が近接している場合には近接端末群を形成し、一の携帯端末が近接端末群の代表端末として車載機への送信を行う、接近報知システムを提供する。
【0009】
第5の発明として、各携帯端末はそれぞれを識別するためのIDを有しており、代表端末は、自身と同じ近接端末群に属する他の携帯端末のIDを取得して自身のIDとともに車載機に送信し、車載機は、車両の接近を知らせるべき携帯端末のIDを返送する、接近報知システムを提供する。
【0010】
第6の発明として、近接端末群を構成する携帯端末の数が所定数以上ある場合に新たに近接端末群に加わる携帯端末は、代表端末への送信を行わず、近接端末群のうち少なくとも一つの携帯端末のIDを取得し、その取得したIDと車載機が返送するIDとの比較を行う、接近報知システムを提供する。
【0011】
第7の発明として、代表端末は、先に車載機と通信を行っていた携帯端末である、接近報知システムを提供する。
【0012】
第8の発明として、携帯端末は、代表端末の送信波の受信レベルに基づいて代表端末との接近状態を判定し、近接していると判定した場合に代表端末に近接情報を送信することにより、近接端末群が形成される、接近報知システムを提供する。
【0013】
第9の発明として、近接した携帯端末同士の通信は車載機と携帯端末との通信に比べ低出力で行う、接近報知システムを提供する。
【0014】
第10の発明として、人が所持する携帯端末の送信波を車載機が受信することによって、車両と人が互いに接近している旨を報知し得る接近報知システムにおいて、所定エリア内の携帯端末の数が所定数より多い場合には少ない場合に比べて前記送信波の送信間隔を長く設定することを特徴とする、接近報知システムを提供する。
【0015】
第11の発明として、第10の発明の接近報知システムであって、携帯端末が受信した車載機の送信波の受信レベルに応じて前記送信間隔を調整する、接近報知システムを提供する。
【0016】
第12の発明として、第1の発明の接近報知システムに用いる車載機であって、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記走行状態検出手段により検出された走行状態を携帯端末に対し送信する走行状態送信手段とを備えることを特徴とする、車載機を提供する。
【0017】
第13の発明として、第1の発明の接近報知システムに用いる車載機であって、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記走行状態検出手段の検出結果に基づいて前記送信間隔の設定を携帯端末に対し指令する指令手段とを備えることを特徴とする、車載機を提供する。
【0018】
第14の発明として、第10の発明の接近報知システムに用いる車載機であって、所定エリア内の携帯端末の数を検出する端末数検出手段と、前記端末数検出手段の検出結果に基づいて前記送信間隔の設定を携帯端末に対し指令する指令手段とを備えることを特徴とする、車載機を提供する。
【0019】
第15の発明として、第1,2,10の発明の接近報知システムに用いる携帯端末であって、車載機からの指令を受けて前記送信間隔を変更する変更手段を備えることを特徴とする、携帯端末を提供する。
【0020】
第16の発明として、第1または第2の発明の接近報知システムに用いる携帯端末であって、車両の走行状態を取得する走行状態取得手段と、前記走行状態手段により取得された走行状態に基づいて前記送信間隔を変更する変更手段とを備えることを特徴とする、携帯端末を提供する。
【0021】
第17の発明として、第10の発明の接近報知システムに用いる携帯端末であって、所定エリア内の携帯端末の数を取得する端末数取得手段と、前記端末数取得手段の取得結果に基づいて前記送信間隔を変更する変更手段とを備えることを特徴とする、携帯端末を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、通信チャネルを有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0024】
[本接近報知システムの概要]
図17は、本発明の接近報知システムの実施形態の一構成を示した図である。図17に示す如く、本接近報知システムは、本発明の実施形態である車載機10と、歩行者が所持する本発明の実施形態である携帯端末12とを有している。接近報知システムは、車載機10を搭載する車両と携帯端末12を所持する歩行者などが互いに接近している旨を、車両(のドライバー)側及び/又は携帯端末12の所持者側に報知するものである。なお、自転車をはじめとする軽車両や原動機付自転車などの自動二輪車に乗車する人が携帯端末12を所持する場合であってもよい。また、携帯端末12の具体例として、携帯可能という点で携帯電話やPDA(personal digital assistance)などが挙げられる。
【0025】
図5,6は、本発明の接近報知システムの実施形態の概要を説明するための図である。図5,6は、車両が携帯端末12を所持する歩行者に近づいている状況を示している。車両には車載機10が搭載され、歩行者は携帯端末12を所持している。27は、歩行者存在情報提供エリアを示す。詳細は後述するが、車載機10が、所定の条件に応じて歩行者存在情報提供エリア27を特定し、歩行者存在情報提供エリア27内に携帯端末12を所持する歩行者が存在すると判断した場合に、車両のドライバー及び/又は携帯端末12の所持者に対して互いが接近している旨が報知される。103は、車載機10の送信波が到達可能なエリアである(以下、「車載機送信波到達エリア103」という)。111は端末送信間隔通常エリアを示し、112は端末送信間隔調整エリア(帯状の部分)を示す。詳細は後述するが、車両の走行状態に応じて端末送信間隔通常エリア111の範囲が変化し、端末送信間隔通常エリア111の範囲が変化することで端末送信間隔調整エリア112の範囲も変化する。
【0026】
図5に示されるように、互いに離れていた車両と携帯端末12を所持する歩行者が接近することによって携帯端末12が車載機送信波到達エリア103内に入ると(端末送信間隔調整エリア112内に入ると)、携帯端末12は車載機10が送信した起動信号を受信することが可能になる。起動信号を受信した携帯端末12は、自身の存在を車載機10に検知してもらうための電波送信を開始する。携帯端末12の送信波は、所定の一定出力で間欠的に送信される。このとき、携帯端末12は通常の送信間隔よりも長い間隔(例えば、100ms)で発信する。携帯端末12の送信波は、車載機10に受信される。これにより、車載機10は、携帯端末12を所持する歩行者の存在を把握可能となる。
【0027】
そして、図6に示されように、車両と携帯端末12を所持する歩行者がさらに接近した結果、携帯端末12が端末送信間隔通常エリア111内に入ったことを検知した車載機10は、通常の送信間隔よりも長い間隔で送信していた携帯端末12に対して、送信間隔を通常の間隔にするように指示する。携帯端末12は、その指示に従って、通常の送信間隔(例えば、50ms)に変更する。
【0028】
[第1例の携帯端末12の構成]
図11は、第1例の携帯端末12のブロック図である。携帯端末12は、所定周波数(例えば、2.4GHz)を有する電波を外部と送受信するためのアンテナ6を有している。受信部7は、アンテナ6を介して、車載機10が送信した電波(つまり、キャリア)を受信する(以下、車載機10が送信した電波を「車載機送信波」という)。
【0029】
ID付加・検出部8は、受信部7が車載機送信波を復調することにより得られた情報の中から起動信号を検出する。原則として、起動信号を検出したID付加・検出部8は各携帯端末12に付与される端末IDを送信データに付加し、送信部5は変調を行ってアンテナ6を介して携帯端末12の存在を検知してもらうための電波送信を開始する。以下、アンテナ6を介して携帯端末12が送信した電波を「端末送信波」という。端末送信波は、所定の一定出力で間欠的に送信される。
【0030】
また、ID付加・検出部8は、受信部7が車載機送信波を復調することにより得られた情報の中からIDを検出する。ID付加・検出部8によって検出されたIDの中に自身の端末IDが含まれていた場合、携帯端末12を所持する歩行者に情報提供部9を介して車両が接近していることが知らされる。つまり、端末IDが含まれた上記の端末送信波を受信した車載機10が、その端末IDを有する携帯端末12に車両が接近していることを知らせるために、当該端末IDを含めて車両接近情報として車載機送信波を送信している。自身の端末IDが含まれていた場合、情報提供部9は、音声情報、視覚的な表示情報、バイブレーション等によって車両が接近する旨を歩行者に提供する。なお、車載機10が送信する車載機送信波には、送信元を特定可能にするために、各車載機10もしくは車載機10を搭載する各車両に付与される車両IDの情報が含まれていてもよい。
【0031】
一方、受信レベル対応送信間隔調整部3cは、端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波を受信し、その車載機送信波に自身の端末IDが含まれていた場合、その指示に応じて端末送信波の送信間隔を設定する。つまり、端末IDが含まれた上記の端末送信波を受信した車載機10が、その端末IDを有する携帯端末12に端末送信波の送信間隔の設定を指示するために、当該端末IDを含めて、端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波を送信している。また、受信レベル対応送信間隔調整部3cは、受信部7がアンテナ6を介して受信した車載機送信波の受信感度を示す受信レベルを検出し、その受信レベルに応じて端末送信波の送信間隔を調整する。
【0032】
[第1例の車載機10の構成]
図7は、第1例の車載機10のブロック図である。車載機10は、所定周波数を有する電波を外部と送受信するためのアンテナ14を有している。受信部16は、アンテナ14で受けた携帯端末12からの電波を受信すると共に、受信データ内の携帯端末12のIDを取得する。受信部16に接続された受信レベル検出部18は、受信部16で受信された電波の受信感度を示す受信レベルを検出する。受信レベル検出部18には、方向・距離推定部20が接続されている。受信レベル検出部18で検出された受信レベルの情報は、方向・距離推定部20に供給される。
【0033】
方向・距離推定部20には、アンテナ14の指向性を制御する指向性制御部22が接続されている。方向・距離推定部20は、車両に対して受信すべき方位角方向の情報を送る。指向性制御部22は、方向・距離推定部20から供給された方位角方向に従ってアンテナ14の指向性を切り替える。方向・距離推定部20は、アンテナ14の指向性切り替えによってすべての方位角方向についての受信レベルを受信レベル検出部18から供給されると、電波の到来方向と距離、すなわち、携帯端末12を所持する人の存在する方向とその人までの距離とを推定する。例えば、アンテナ14の指向性を各方向に切り替えたときの端末送信波の受信レベルのうちアンテナ14の指向性をある一方向に切り替えたときの端末送信波の受信レベルが最大である場合には、方向・距離推定部20は、その一方向に携帯端末12を所持する歩行者が存在すると推定し、アンテナ14の指向性をその一方向に切り替えたときの端末送信波の受信レベルの値に応じた距離離れた地点に携帯端末12の所持する歩行者が存在すると推定する。端末送信波の受信レベルの値は車両と携帯端末12との距離に応じて変化するので、方向・距離推定部20は、端末送信波の受信レベルの値と距離との関係を定めたマップ値などを用いて、携帯端末12を所持する歩行者までの距離を推定する。また、指向性制御部22は、その推定された携帯端末12の方向に向けて電波が発信されるよう制御可能である。さらには、指向性制御部22は、後述する車速やウィンカ情報やナビゲーション情報に基づいて電波が発信される領域を設定する。なお、電波が発信される領域を設定するために、アンテナ14の指向性を制御するようにしてもよいし、指向性の方向がそれぞれ異なる複数のアンテナを選択的に切り替え制御するようにしてもよい。
【0034】
なお、上述のように、端末送信波をアンテナ14の指向性を制御して受信することによって、携帯端末12を所持する人の存在する方向とその人までの距離とを推定してもよいが、車載機10の指向性を持ったアンテナ14からの車載機送信波を携帯端末12で受信し、その受信レベルを車載機10に返送することによって、携帯端末12を所持する人の存在する方向とその人までの距離とを推定してもよい。すなわち、指向性アンテナの利得は特定の方向のみに高く、無指向性アンテナの利得はほぼ全方位にわたって一定であり、その違いを利用して携帯端末が存在する方面を判定することができる。車両は、無指向性アンテナを介して端末送信波を受信しただけでは、携帯端末12が車両に対しどこに存在しているか把握することができない。車両からの距離が同じであれば存在位置が異なっていても受信レベルが同じになるからである。しかし、車両が特定の方向のみに利得が高い指向性アンテナを介して電波を送信することにより、その指向性を有する方向に存在する携帯端末12が車載機送信波を受信したときの受信レベルは、その指向性を有する方向に存在しない携帯端末12が車載機送信波を受信したときの受信レベルに比べ高くなる。したがって、車両が無指向性アンテナを介して受信した端末送信波の受信レベルと車両が指向性アンテナを介して送信した車載機送信波の携帯端末12側の受信レベルとを比較することにより、携帯端末12の存在する方面を判定することができる。携帯端末12が存在する方面をさらに詳細に特定するためには、端末送信波の車両側の受信レベルと車載機送信波の携帯端末12側の受信レベルの最大値とを比較するのが好ましい。そして、携帯端末12が存在する方面に指向性を有する車載機送信波の携帯端末12側の受信レベルに基づいて、携帯端末12の存在位置を推定することが可能である。
【0035】
方向・距離推定部20には、また、情報提供判定部24が接続されている。方向・距離推定部20で推定された携帯端末12を所持する人の存在方向および距離の情報は、情報提供判定部24に送られる。情報提供判定部24には、車速センサを用いて検出される自車両の速度(車速)の情報や、ウィンカ指示器を用いて検出される車両のウィンカ情報や、車両に搭載されたナビゲーションシステムを用いて検出される車両の現在位置近傍(特に進行方向前方)における道路の道路形状や道路幅,交差点形状,車線数情報などのナビゲーション情報が供給される。なお、これらのナビゲーション情報は、予めナビゲーションシステムの地図データベースに格納されているものである。
【0036】
情報提供判定部24には、歩行者存在情報提供エリアテーブル26が接続されている。歩行者存在情報提供エリアテーブル26には、車速とウィンカ情報とナビゲーション情報とをパラメータにして異なる領域が設定されている歩行者存在情報提供エリアの情報が予め書き込まれている。情報提供判定部24は、取得した自車両の車速とウィンカ情報とナビゲーション情報に基づいて、歩行者存在情報提供エリアテーブル26からその車速とウィンカ情報とナビゲーション情報に対応する歩行者存在情報提供エリアを読み出すと共に、その後、方向・距離推定部20から送られた人の存在方向と距離とに基づいて、その読み出した歩行者存在情報提供エリア内に携帯端末12を所持する人が存在するか否かを判別する。なお、歩行者存在情報提供エリアの情報を歩行者存在情報提供エリアテーブル26内に予め持っているのではなく、所定の計算式に従ってそれらのパラメータに対応する歩行者存在情報提供エリアを逐次導出してもよい。
【0037】
情報提供判定部24には、また、自車両の運転者に対してディスプレイやスピーカを用いて視覚的或いは聴覚的に情報提供を行う情報提供部28が接続されている。情報提供判定部24は、歩行者存在情報提供エリア内に人が存在していると判別した場合、人が歩行者存在情報提供エリア内に存在することを車両運転者に知らせるための指示を情報提供部28に対して行う。情報提供部28は、情報提供判定部24から情報提供の指示を受けた場合、ディスプレイやスピーカを作動させることにより、人が自車両に対する歩行者存在情報提供エリア内に存在して自車両がその人に接触する可能性のあることを車両運転者に知らせる。
【0038】
情報提供判定部24には、さらに、携帯端末12に対して車両の接近を報知するための情報を送信する送信部30が接続されている。情報提供判定部24は、歩行者存在情報提供エリア内に人が存在していると判別した場合、受信部16によって取得された携帯端末12のIDの中から歩行者存在情報提供エリア内にある携帯端末12のIDを送信するための指示を送信部30に対して行う。送信部30は、ID送信の指示を受けた場合、アンテナ14から歩行者存在情報提供エリア内にある携帯端末12のIDを電波に乗せて発信する。
【0039】
一方、端末送信間隔調整部116は、自車の走行状態として、車速、ウィンカ情報及び自車の現在位置近傍のナビゲーション情報を情報提供判定部24から取得し、その取得結果に基づいて端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令する。
【0040】
端末送信間隔調整部116には、端末送信間隔テーブル115が接続されている。端末送信間隔テーブル115には、車速とウィンカ情報とナビゲーション情報とをパラメータにして異なる領域が設定されている端末送信間隔通常エリア111(図5,6参照)の情報が予め書き込まれている。端末送信間隔調整部116は、取得した自車両に関する、車速とウィンカ情報とナビゲーション情報に基づいて、端末送信間隔テーブル115からその車速とウィンカ情報とナビゲーション情報に対応する端末送信間隔通常エリア111を読み出すと共に、その後、方向・距離推定部20が推定した携帯端末12を所持する人の存在方向と距離とに基づいて、その読み出した端末送信間隔通常エリア111内に携帯端末12を所持する人が存在するのか、それとも、車載機送信波到達エリア103と端末送信間隔通常エリア111に挟まれる端末送信間隔調整エリア112内に携帯端末12を所持する人が存在するのかを判定する。なお、端末送信間隔通常エリア111の情報を端末送信間隔テーブル115内に予め持っているのではなく、所定の計算式に従ってそれらのパラメータに対応する端末送信間隔通常エリア111を逐次導出してもよい。
【0041】
端末送信間隔調整部116は、携帯端末12の所持者が送信間隔通常エリア111内にいると判定した場合には、端末送信波の送信間隔を通常値に設定する指示の車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令する。一方、送信間隔調整エリア112内にいると判定した場合には、報知の必要性が携帯端末12の所持者が送信間隔通常エリア111内にいる場合に比べ低い段階であると判断して、端末送信波の送信間隔を通常値より長い所定値に設定する指示の車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令する。
【0042】
端末送信間隔調整部116の上記の指令を受けた送信部30は、アンテナ14を介して、送信間隔通常エリア111内にいると判定された携帯端末12のIDを付与した上で端末送信波の送信間隔を通常値に設定する指示の車載機送信波を送信し、送信間隔調整エリア112内にいると判定された携帯端末12のIDを付与した上で端末送信波の送信間隔を通常値より長い所定値に設定する指示の車載機送信波を送信する。
【0043】
なお、上述の歩行者存在情報提供エリア27及び送信間隔通常エリア111は、特開2005−202693号公報に開示された警報エリアの設定手法と同様に設定すればよい。
【0044】
[第1例の車載機10の動作]
図8は、第1例の車載機10の端末送信間隔調整部116の動作を示すフローチャートである。端末送信間隔調整部116は、情報提供判定部24を介して、携帯端末12の所持者である歩行者の位置情報(方向と距離)と、車両の走行状態として、車速、ウィンカ情報及びナビゲーション情報とを取得する(ステップ10)。端末送信間隔調整部116は、端末送信間隔テーブル115を参照し、それらの自車両に関する、車速とウィンカ情報とナビゲーション情報に対応する端末送信間隔通常エリア111を読み出す(ステップ11)。端末送信間隔調整部116は、携帯端末12を所持する歩行者が送信間隔通常エリア111内に存在するか否かを判定する(ステップ12)。送信間隔通常エリア111内に存在すると判定した場合には端末送信波の送信間隔を通常値T1に設定する指示の車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令する(ステップ13)。一方、送信間隔通常エリア111内ではなく送信間隔調整エリア112内に存在すると判定した場合には通常値T1より長い送信間隔T2に設定する指示の車載機送信波を送信するように送信波30に対して指令する(ステップ14)。
【0045】
なお、送信間隔を2つのパターンではなく、送信間隔調整エリア112を細分化して段階的に変化させることで、端末送信波の送信間隔のパターンを増やすことができる。
【0046】
[第1例の携帯端末12の動作]
したがって、図11に示される第1例の携帯端末12の受信レベル対応送信間隔調整部3cは、端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波を受信し、その車載機送信波に自身の端末IDが含まれていた場合、その指示に応じて端末送信波の送信間隔を設定する。
【0047】
この際、受信レベル対応送信間隔調整部3cは、端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波の受信感度を示す受信レベルを検出し、その受信レベルに応じて端末送信波の送信間隔を調整してもよい。受信レベルの大きさによって、車載機10と携帯端末12の接近度合が推定できるからである。受信レベルが大きくなるほど車載機10と携帯端末12が近づいているとみなせる。車載機10側が端末送信波の送信間隔の設定を指示しているが、実際に端末送信波を送信する携帯端末12が車載機送信波の受信レベルを考慮して端末送信波の送信間隔を調整することで、車載機10と携帯端末12の実際の接近状態を一層的確に反映した端末送信波の送信間隔に変更や補正をすることができる。適正な端末送信波の送信間隔は、チャネルの効率活用に貢献する。
【0048】
図12は、第1例の携帯端末12の受信レベル対応送信間隔調整部3cの動作を示すフローチャートである。受信レベル対応送信間隔調整部3cは、車載機10が送信した車載機送信波を受信したか否かを判断する(ステップ33)。車載機送信波を受信した場合には、その受信レベルが所定の判定値H2より大きいか否かを判断する(ステップ34)。判定値H2より大きい場合には、端末送信波の送信間隔を通常値T1(若しくは、T1の所定の調整値)で送信するように送信部5に対して指示し(ステップ35)、判定値H2より大きくない場合には、通常値T1より長い送信間隔T2(若しくは、T2の所定の調整値)で送信するように送信部5に対して指示する(ステップ36)。
【0049】
[第2例の車載機10の構成]
ところで、第1例の車載機10は、端末送信間隔調整部116が、自車の走行状態として、車速、ウィンカ情報、自車の現在位置近傍のナビゲーション情報を情報提供判定部24から取得し、その取得結果に基づいて端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令していた。第2例の車載機10は、車速に応じて端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令する。車速が遅くなると携帯端末12を所持する人への接近速度も遅くなる。したがって、車速が遅い場合には携帯端末12を所持する人に車両の接近を報知する必要性の低い状態であるといえるので、そのような場合に携帯端末12から車載機10への端末送信波の送信間隔を長く変更することで、チャネルの占有頻度が減少してチャネルが有効活用される。例えば、低速走行時や車速が零(すなわち駐停車状態)であれば、携帯端末12を所持する人に車両の接近を報知する必要性は低くなる。
【0050】
図13は、第2例の車載機10のブロック図である。図7と同一の符号については、説明を省略又は簡略する。車速対応端末送信間隔調整部401は、車速センサや他ECU等から車速を取得する。その取得した車速に応じて端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令する。車速対応端末送信間隔調整部401は、車速が所定値より速い場合には端末送信波の送信間隔を通常値に設定する指示の車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令し、車速が所定値以下の場合には端末送信波の送信間隔を通常値より長い所定値に設定する指示の車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令する。
【0051】
車速対応端末送信間隔調整部401の上記の指令を受けた送信部30は、アンテナ14を介して、方向・距離推定部20によって推定された車両の進行方向に存在する携帯端末12のIDを付与した上で端末送信波の送信間隔を通常値に設定する指示の車載機送信波を送信し、方向・距離推定部20によって推定された車両の進行方向(あるいは、全方位でもよい)に存在する携帯端末12のIDを付与した上で端末送信波の送信間隔を通常値より長い所定値に設定する指示の車載機送信波を送信する。
【0052】
[第2例の車載機10の動作]
図14は、第2例の車載機10の車速対応端末送信間隔調整部401の動作を示すフローチャートである。車速対応端末送信間隔調整部401は、車速情報vを取得し(ステップ40)、車速vが所定の判定値Vより速いか否かを判定する(ステップ41)。車速vが所定の判定値Vより速いと判定した場合には端末送信波の送信間隔を通常値T1に設定する指示の車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令する(ステップ42)。一方、車速vが所定の判定値Vより速くないと判定した場合には通常値T1より長い送信間隔T2に設定する指示の車載機送信波を送信するように送信波30に対して指令する(ステップ43)。
【0053】
したがって、上述と同様に、携帯端末12は、端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波を受信し、その車載機送信波に自身の端末IDが含まれていた場合、その指示に応じて端末送信波の送信間隔を設定する。また、同様に、端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波の受信感度を示す受信レベルを検出し、その受信レベルに応じて端末送信波の送信間隔を調整してもよい。
【0054】
なお、送信間隔を2つのパターンではなく、閾値とする車速を細分化して段階的に変化させることで、端末送信波の送信間隔のパターンを増やすことができる。また、携帯端末12が車載機10との通信によって車両の走行状態(車速など)を取得し、携帯端末12自らが車速に応じて送信間隔を変更してもよい。
【0055】
[第3例の車載機10の構成]
ところで、第2例の車載機10は、車速に応じて端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令していた。第3例の車載機10は、自身と通信している携帯端末12の数に応じて(又は、自身と通信している携帯端末12の所定エリア内における密度でもよい)、端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令する。携帯端末12が多く車載機10への送信が集中する状況の場合に携帯端末12から車載機10への送信間隔を長くできれば、携帯端末12一つ当たりのチャネル占有頻度が減少してチャネルが有効活用される。
【0056】
図15は、第3例の車載機10のブロック図である。図7と同一の符号については、説明を省略又は簡略する。端末密度対応送信間隔調整部501は、自身と通信している携帯端末12の数に応じて、端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令する。端末密度対応送信間隔調整部501は、受信部16が受信した端末送信波に含まれる端末IDをカウントすることによって、通信している携帯端末12の数を把握することができる。受信部16が受信した端末送信波に含まれる端末IDの携帯端末12は、すべて、車載機送信波到達エリア103内に存在しているとみなせる。なお、カウントする対象の携帯端末12を、上述の端末送信間隔調整エリア112内の携帯端末12に限ってもよい。端末密度対応送信間隔調整部501は、自身と通信している携帯端末12の数が所定値より小さい場合には端末送信波の送信間隔を通常値に設定する指示の車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令し、自身と通信している携帯端末12の数が所定値以上の場合には端末送信波の送信間隔を通常値より長い所定値に設定する指示の車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令する。
【0057】
端末密度対応送信間隔調整部501の上記の指令を受けた送信部30は、アンテナ14を介して、方向・距離推定部20によって推定された車両の進行方向に存在する携帯端末12のIDを付与した上で端末送信波の送信間隔を通常値に設定する指示の車載機送信波を送信し、方向・距離推定部20によって推定された車両の進行方向(あるいは、全方位でもよい)に存在する携帯端末12のIDを付与した上で端末送信波の送信間隔を通常値より長い所定値に設定する指示の車載機送信波を送信する。
【0058】
[第3例の車載機10の動作]
図16は、第3例の車載機10の端末密度対応送信間隔調整部501の動作を示すフローチャートである。端末密度対応送信間隔調整部501は、経過時間t2と端末数hを零にリセットし(ステップ51)、携帯端末12が送信した端末送信波を受信したか否かを判断する(ステップ52)。端末送信波を受信した場合には、端末IDに基づいて携帯端末12の数をカウントする(ステップ53)。そして、経過時間t2が所定の計測時間Taを超えるまで、受信した端末送信波の端末IDに基づき携帯端末12のカウントが続けられる(ステップ54)。t2がTaを経過するとステップ55に移行する。すなわち、単位時間当たりに受信した端末IDの数、すなわち携帯端末12の数をカウントしている。端末密度対応送信間隔調整部501は、t2がTaを経過すると端末数hが所定の判定値H3より小さいか否かを判断する(ステップ55)。端末数hが所定の判定値H3より小さい場合には端末送信波の送信間隔を通常値T1に設定する指示の車載機送信波を送信するように送信部30に対して指令する(ステップ56)。一方、端末数hが所定の判定値H3より小さくない場合には通常値T1より長い送信間隔T2に設定する指示の車載機送信波を送信するように送信波30に対して指令する(ステップ57)。
【0059】
したがって、上述と同様に、携帯端末12は、端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波を受信し、その車載機送信波に自身の端末IDが含まれていた場合、その指示に応じて端末送信波の送信間隔を設定する。また、同様に、端末送信波の送信間隔の設定を指示する車載機送信波の受信感度を示す受信レベルを検出し、その受信レベルに応じて端末送信波の送信間隔を調整してもよい。
【0060】
なお、送信間隔を2つのパターンではなく、閾値とする携帯端末12の数や計測時間Taを細分化して段階的に変化させることで、端末送信波の送信間隔のパターンを増やすことができる。また、携帯端末12が車載機10との通信によって車載機10が通信する携帯端末数を取得し、携帯端末12自らがその携帯端末数に応じて送信間隔を変更してもよい。
【0061】
[第2例の携帯端末12の構成]
ところで、近接する携帯端末12の情報をまとめて車載機10に送信することで、個々の携帯端末12がそれぞれ送信する場合に比べチャネルを節約することができ、チャネルの更なる有効活用が可能となるので、複数の携帯端末12が近接している場合には近接端末群を形成し、一の携帯端末12が近接端末群の代表端末として車載機10への送信を行うと好適である。
【0062】
この場合、各携帯端末12はそれぞれを識別するためのIDを有しており、代表端末は、自身と同じ近接端末群に属する他の携帯端末12のIDを取得して自身のIDとともに車載機10に送信し、車載機10は、車両の接近を知らせるべき携帯端末12のIDを返送することが好ましい。これにより、代表端末以外の携帯端末12が車載機10への送信を自ら行わなくても、代表端末以外の携帯端末12は、車載機10が返送したIDに自身のIDがあるか否かによって自身が車両の接近を端末所持者に知らせるべき端末であるか否かを判断できるようになる。
【0063】
図1,2は、本発明の接近報知システムの第2例の携帯端末12の概要を説明するための図である。図1,2は、車両が携帯端末12を所持する二人の歩行者に近づいている状況を示している。車両には車載機10が搭載され、一方の歩行者は携帯端末12aを所持し、もう一方の歩行者は携帯端末12bを所持している。
【0064】
図1,2に示す102は、携帯端末12aの送信波が到達可能なエリアである(以下、「端末12a送信波到達エリア102」という)。図1に示す101は、端末12a送信波到達エリア102のうち携帯端末12aの送信波が所定閾値より強いエリアである(以下、「端末12a送信波強エリア101」という)。図2に示す104は、携帯端末12bの送信波が到達可能なエリアである(以下、「端末12b送信波到達エリア104」という)。
【0065】
図1に示されように、互いに離れていた車両と携帯端末12aを所持する歩行者が接近することによって携帯端末12aが車載機送信波到達エリア103内に入ると、携帯端末12aは、車載機10が送信した起動信号を受信し、車載機10が歩行者の位置を検知するための電波の送信を開始する。起動信号を受信した携帯端末12aの送信波は、端末12a送信波到達エリア102内の車載機10に受信される。これにより、車載機10は、携帯端末12aを所持する歩行者の存在を把握可能となる。
【0066】
一方、携帯端末12aの近傍にいる端末12a送信波強エリア101内の携帯端末12bは、携帯端末12aと比べると車両から遠いため、携帯端末12aからの強い電波を受信した後に、車載機1の送信波を受信することになる。このとき、携帯端末12aからの強い電波を受信した携帯端末12bは、携帯端末12aに自身が近くに存在していることを知らせるために、携帯端末12aに届く程度の弱い電波を送信する。これにより、端末12b送信波到達エリア104内の携帯端末12aは、携帯端末12bの存在を把握可能となる。携帯端末12bの存在を把握した携帯端末12aは、自身の存在だけでなく近傍に携帯端末12bが存在する旨を送信データに含めて車載機1に対しての送信を行う。
【0067】
そして、図2に示されように、車両と携帯端末12aを所持する歩行者がさらに接近することによって携帯端末12aが歩行者存在情報提供エリア27内に入ると、携帯端末12a及び12bの存在を把握した車載機10は、車両のドライバーと携帯端末12aを所持する歩行者に対してだけでなく携帯端末12bを所持する歩行者に対しても、車両と歩行者が接近している旨を情報提供する。なお、歩行者が所持する各携帯端末12や各車両に搭載される車載機10の区別は、それらのIDを送信波に付加することによって可能となる。
【0068】
これにより、複数の携帯端末12が集まっている場合には車載機10と直接通信することが必要な携帯端末12を一つにすることができる。また、互いに近接する携帯端末12同士が通信する場合の携帯端末12の送信出力は、離れた車載機10と携帯端末12が通信する場合の携帯端末12の送信出力に比して、低くすることができる。その結果、互いに近接する携帯端末12のそれぞれが車載機10と直接通信する場合に比べ、チャネルを効率よく利用することができるとともに、携帯端末12の省電力化を図ることができる。
【0069】
図3は、第2例の携帯端末12のブロック図である。図11と同一の符号については、説明を省略又は簡略する。他端末近接判定部3aは、受信部7がアンテナ6を介して受信した他の携帯端末12の端末送信波の受信感度を示す受信レベルを検出し、その受信レベルに基づいて他の携帯端末12との接近状態を判断する。他端末近接判定部3aは、受信部7が他の携帯端末12の強い端末送信波を受信し(所定の受信レベル以上の他の携帯端末12の端末送信波を受信し)、且つ、受信部7が車載機送信波を受信した場合には、他の携帯端末12に対して自身が近くに存在していることを知らせるために、近接していることを示す近接情報と自身の端末IDを付加して他の携帯端末12に対して通常時より低い出力で送信するように送信部5及びID付加・検出部8に対して指示するとともに、上記の車載機送信波の送信元の車載機10に対しての送信を行わないようにID付加・検出部8に対して指示する。送信部5は、これらの指示に従いデータを変調した端末送信波を他の携帯端末12に対して通常時より低い出力で送信する。
【0070】
一方、他端末近接判定部3aは、受信部7が上記近接情報を受信した場合には、自身の端末IDだけでなく近接する他の携帯端末12の端末IDも送信データに付加して車載機10に対して送信するように送信部5及びID付加・検出部8に指示する。送信部5は、この指示に従いデータを変調した端末送信波を車載機10に対して通常時の出力で送信する。
【0071】
[第2例の携帯端末12の動作]
図4は、第2例の携帯端末12の他端末近接判定部3aの動作を示すフローチャートである。他端末近接判定部3aは、他端末12が車載機10に対して送信している端末送信波を受信できるか否かを判断する(ステップ1)。他端末12の車載機10に対する端末送信波を受信できた場合には、その受信レベルRが近接していると判定できる受信レベルSより大きいか否かを判断する(ステップ2)。受信レベルRが判定値Sより大きい場合には、他端末12と通信しているステップ1の車載機10が送信した車載機送信波を受信できるか否かを判断する(ステップ3)。車載機10の他端末12に対する車載機送信波を受信できた場合には、ステップ1の他端末12に対して自身が近くに存在していることを知らせるために、近接していることを示す近接情報と自身の端末IDを付加して他端末12に対して通常時より低い出力Pで送信するように送信部5及びID付加・検出部8に対して指示し(ステップ4)、ステップ1の車載機10に対しての送信を行わないようにID付加・検出部8に対して指示する(ステップ5)。
【0072】
ステップ1,2,3の判定ステップでNoと判定された場合、若しくは、ステップ5の後に、他端末近接判定部3aは、他端末12が送信した近接情報を受信できるか否かを判断する(ステップ6)。他端末12が送信した近接情報を受信できた場合には、自身の端末IDだけでなくステップ6の近接情報に係る他端末12の端末IDも送信データに付加して車載機10に対して送信するように送信部5及びID付加・検出部8に指示する(ステップ7)。一方、他端末12が送信した近接情報を受信できなかった場合には、自身の端末IDだけ送信データに付加して車載機10に対して送信するように送信部5及びID付加・検出部8に指示する。
【0073】
[第3の携帯端末12の構成]
上述の図1,2は、近接する携帯端末12が2台しか存在していないが、近接する携帯端末12の数がある一定数を超えた状況を想定して、第3例の携帯端末12について説明する。
【0074】
自携帯端末12は、車載機10との通信を既に行っている他携帯端末12が自身の近傍に存在している否かをモニターする。自携帯端末12は、他携帯端末12が所定数N以上あることを検知した場合には、他携帯端末12が通信を行っている車載機10に対しての送信を行わずに、通信内容をモニターする。そして、他携帯端末12のうち一番近くの(受信レベルが大きい)携帯端末12に対して車載機10からの情報提供があったことを通信内容から検知できた場合には、自携帯端末12は自身もその情報を受け取ったものとして歩行者に情報提供を行う。
【0075】
これにより、近接する携帯端末12が或る一定数を超えると、近接する携帯端末12同士で電波が混雑するおそれがあるので、車載機10と既に通信を行っている携帯端末12が自携帯端末12の近くに存在するのであれば、自携帯端末12は電波の送信を行わずにその近接する他携帯端末12と車載機10との通信内容をモニターすれば十分である。
【0076】
図9は、第3例の携帯端末12のブロック図である。図11と同一の符号については、説明を省略又は簡略する。近接他端末数判定部3bは、自身の近くに存在する他端末12の数を受信できた通信内容に基づいてカウントし(例えば、受信できた端末IDをカウント)、他端末12の数が所定値より多い場合には他端末12が通信を行っている車載機10に対しての送信を行わないように送信部5に指示する。また、近接他端末数判定部3bは、受信部7がアンテナ6を介して受信した他の携帯端末12の端末送信波の受信感度を示す受信レベルを検出し、その受信レベルに基づいて他の携帯端末12との接近状態を判断することによって、自身から一番近くの他端末12を特定する。近接他端末数判定部3bは、他携帯端末12のうち一番近くの(受信レベルが大きい)携帯端末12に対して車載機10からの情報提供があったことを通信内容から検知できた場合には、その情報内容を自身への情報内容に置き換えて情報提供を判断するようにID付加・検出部8に対して指示する。その指示を受けたID付加・検出部8は、他携帯端末12のうち一番近くの携帯端末12の端末IDを検出した場合に、情報提供部9を介して車両が接近している旨がその所持者に知らされる。
【0077】
[第3例の携帯端末12の動作]
図10は、第3例の携帯端末12の近接他端末数判定部3bの動作を示すフローチャートである。近接他端末数判定部3bは、まず、経過時間t、他端末数n、最大受信レベルRmax、最大受信レベル端末IDの記憶値をリセットする(ステップ21)。そして、他端末12が車載機10に対して送信している端末送信波を受信できるか否かを判断する(ステップ22)。他端末12の車載機10に対する端末送信波を受信できた場合には、その受信レベルR1が近接する他端末12の数をカウントするための判定値H1以上か否かを判断する(ステップ23)。受信レベルR1が判定値H1以上と判断した場合には、近接する他端末12の数nをカウントアップする(ステップ24)。そして、R1が最大受信レベルRmaxの記憶値より大きいか否かを判断する(ステップ25)。つまり、R1が今まで受信した受信レベルの最大値Rmaxより大きいか否かを判断する。R1が最大受信レベルRmaxの記憶値より大きい場合には、Rmaxの記憶値をR1に書き換えるとともに、その端末IDを記憶する(ステップ26)。ステップ22,23,25の判定ステップでNoと判定された場合、若しくは、ステップ26の後、経過時間tが端末送信波の送信間隔の設定値T以上になるまでステップ22以降を繰り返す(ステップ27)。送信間隔T以上になると、他端末12の数nが所定の判定値N以上であるか否かを判定する(ステップ28)。nが判定値N以上である場合には、自端末の近くにいる他端末の数が多いとして、ステップ22の車載機10に対し自端末は送信しないように送信部5に対して指示し(ステップ29)、ステップ26で記憶された端末IDの他端末への情報が自端末への情報であるとして、情報提供を判断するようにID付加・検出部8に対して指示する(ステップ30)。
【0078】
以上、上述の接近報知システム、並びに車載機10及び携帯端末12によれば、図5に示されるように、携帯端末12が歩行者存在情報提供エリア27のある程度外側にいる場合には、携帯端末12の送信間隔は通常の送信間隔よりも長くなる。そして、図6に示されるように、携帯端末12が歩行者存在情報提供エリア27に近づいた場合には、携帯端末12の送信間隔は通常の送信間隔になる。つまり、車両の走行状態に従って携帯端末12の所持者やドライバーに対し互いの接近を報知すべき必要度は変化するので、車両の走行状態により報知の必要度が低いと判断される場合(低速走行時や駐停車時)に端末送信波の送信間隔を長くすることで、比較的危険の少ない場所に存在する携帯端末12によるチャネルの占有頻度が減少し、チャネルを効率よく利用することができる。それとともに、端末送信波の送信間隔が長くなるにつれて携帯端末12の省電力化の効果が大きくなる。また、輻輳の発生を抑えることが期待できる。
【0079】
また、上述の接近報知システム、並びに車載機10及び携帯端末12によれば、携帯端末12が受信した車載機10の送信波の受信レベルに応じて端末送信波の送信間隔を調整することができる。受信レベルが小さくなるほど、携帯端末を所持する人と車両が遠くなると考えられるので、携帯端末を所持する人に車両の接近を報知する必要性は低くなる。したがって、受信レベルが小さくなるほど携帯端末12から車載機10への送信間隔が長くなる方向に調整することで、チャネルの占有頻度が減少してチャネルを効率よく利用することができる。それとともに、端末送信波の送信間隔が長くなるにつれて携帯端末12の省電力化の効果が大きくなる。また、輻輳の発生を抑えることが期待できる。
【0080】
また、上述の接近報知システム、並びに車載機10及び携帯端末12によれば、近接端末群を構成する携帯端末の数が所定数以上ある場合に新たに近接端末群に加わる携帯端末は、代表端末への送信を行わず、近接端末群のうち少なくとも一つの携帯端末のIDを取得し、その取得したIDと車載機10が返送するIDとの比較を行うことができる。これにより、多数の携帯端末から構成される近接端末群に新たに加わる携帯端末は、自身が送信動作を行わなくても、車載機10が返送したIDに取得したIDがあるか否かによって自身が車両の接近を端末所持者に知らせるべき端末であるか否かを判断できるようになるので、チャネルの占有頻度が減少してチャネルが有効活用され、電力消費も抑えることができる。
【0081】
また、上述の接近報知システム、並びに車載機10及び携帯端末12によれば、携帯端末12は、代表端末の送信波の受信レベルに基づいて代表端末との接近状態を判定し、近接していると判定した場合に代表端末に近接情報を送信することにより、近接端末群が形成されるようにできるので、携帯端末自体が代表端末の選出や接近状態の判定を行うため、他の装置や設備から命令される場合に比べて、簡易な構成で近接端末群を形成できるようになる。
【0082】
また、上述の接近報知システム、並びに車載機10及び携帯端末12によれば、近接した携帯端末同士の通信は車載機と携帯端末との通信に比べ低出力で行うので、近接した携帯端末同士の通信を車載機に届かない程度の出力にすることができ、近接した携帯端末同士の通信と車載機と携帯端末との通信との干渉を抑えることができる。つまり、近接した携帯端末同士の通信であれば、車載機に届くほど高出力にする必要性は低い。また、携帯端末の電力消費を抑えることができる。
【0083】
また、上述の接近報知システム、並びに車載機10及び携帯端末12によれば、歩行者存在情報提供エリア内に存在する携帯端末12を所持する歩行者に対してのみ車両の接近を知らせることができ、そのエリア外に存在する携帯端末12を所持する歩行者に対しては車両の接近を知らせないことができる。その結果、車両接近の報知が必要な歩行者には確実にその旨を知らせることができ、車両接近の報知があまり必要でない歩行者(特に車両の接近とは関係が薄い位置(例えば、直進車両の後方)にいる対象者)には報知による歩行者が感じる煩わしさを低減することができる。
【0084】
さらに、上述の接近報知システム、並びに車載機10及び携帯端末12によれば、歩行者存在情報提供エリア内に携帯端末12を所持する歩行者がいる場合のみ車両運転者に対して歩行者の存在情報を提供することができ、そのエリア内に携帯端末12を所持する歩行者がいない場合には車両運転者に対して歩行者の存在情報を提供しないようにすることができる。その結果、車両運転上、車両運転者に知らせておくべき位置に歩行者がいる場合には確実にその旨を車両運転者に知らせることができ、車両運転者にあまり知らせなくてもよい位置に歩行者がいる場合には歩行者存在情報の提供による運転者が感じる煩わしさを低減することができる。
【0085】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0086】
例えば、車載機10からの起動信号を受信した携帯端末12が、GPSなどによって自己の位置を検出し、その位置情報を車載機10に送信することによって、車載機10が携帯端末12を所持する歩行者の位置を推定してもよい。したがって、本発明は、GPS等により得られた歩行者と自車の相対位置関係に基づいて危険か否かを判断し、危険と判断した場合には車両のドライバー側若しくは携帯端末12の所持者側に情報提供するシステムにも適用可能である。
【0087】
また、望ましくは、携帯端末12の情報提供部9は、接近の事実だけでなく、どんな車両がどちらの方向から接近してきているのかを具体的に報知する。情報提供部9は、車載機送信波に含まれる情報に基づいて報知する内容を決定する。
【0088】
また、アンテナ14は、車両前方の一方向のみの指向性をもつ指向性アンテナでもよいし、車両前方と車両後方の2方向の指向性をもつ指向性アンテナでもよい。これにより、車両が前進する場合でなく車両が後退する場合でも、上述の実施例と同様に、後退方向(すなわち進行方向)の歩行者に車両の存在を知らせることができるとともに、ドライバーに歩行者の存在を知らせることができる。
【0089】
また、上記の実施例においては、道路形状や車線数などの道路環境を、ナビゲーションシステムから送られるナビゲーション情報に基づいて取得することとしているが、車載カメラによる撮像画像や外部との通信(例えば、車車間通信、インフラからの路車間通信、情報管理センターとの通信)による通信データに基づいて取得することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の接近報知システムの第2例の携帯端末12の概要を説明するための図である(携帯端末12aが車載機送信波到達エリア103内に存在)。
【図2】本発明の接近報知システムの第2例の携帯端末12の概要を説明するための図である(携帯端末12aが歩行者存在情報提供エリア27内に存在)。
【図3】第2例の携帯端末12のブロック図である。
【図4】第2例の携帯端末12の他端末近接判定部3aの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の接近報知システムの実施形態の概要を説明するための図である(携帯端末12が端末送信間隔調整エリア112内に存在)。
【図6】本発明の接近報知システムの実施形態の概要を説明するための図である(携帯端末12が端末送信間隔通常エリア111内に存在)。
【図7】第1例の車載機10のブロック図である。
【図8】第1例の車載機10の端末送信間隔調整部116の動作を示すフローチャートである。
【図9】第3例の携帯端末12のブロック図である。
【図10】第3例の携帯端末12の近接他端末数判定部3bの動作を示すフローチャートである。
【図11】第1例の携帯端末12のブロック図である。
【図12】第1例の携帯端末12の受信レベル対応送信間隔調整部3cの動作を示すフローチャートである。
【図13】第2例の車載機10のブロック図である。
【図14】第2例の車載機10の車速対応端末送信間隔調整部401の動作を示すフローチャートである。
【図15】第3例の車載機10のブロック図である。
【図16】第3例の車載機10の端末密度対応送信間隔調整部501の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の接近報知システムの実施形態の一構成を示した図である。
【符号の説明】
【0091】
3a 他端末近接判定部
3b 近接他端末数判定部
3c 受信レベル対応送信間隔調整部
5 送信部
6 無指向性アンテナ
7 受信部
8 ID付加・検出部
9 情報提供部
10 車載機
12,12a,12b 携帯端末
14 指向性アンテナ
16 受信部
18 受信レベル検出部
20 方向・距離推定部
22 指向性制御部
24 情報提供判定部
26 歩行者存在情報提供エリアテーブル
27 歩行者存在情報提供エリア
28 情報提供部
30 送信部
101 端末12a送信波強エリア
102 端末12a送信波到達エリア
103 車載機送信波到達エリア
104 端末12b送信波到達エリア
111 端末送信間隔通常エリア
112 端末送信間隔調整エリア
115 端末送信間隔テーブル
116 端末送信間隔調整部
401 車速対応端末送信間隔調整部
501 端末密度対応送信間隔調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が所持する携帯端末の送信波を車載機が受信することによって、車両と人が互いに接近している旨を報知し得る接近報知システムにおいて、
前記送信波の送信間隔を車両の走行状態に基づいて設定することを特徴とする、接近報知システム。
【請求項2】
請求項1記載の接近報知システムであって、
前記走行状態は車速であって、
車速が遅い場合には速い場合に比べて前記送信間隔を長く設定する、接近報知システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の接近報知システムであって、
携帯端末が受信した車載機の送信波の受信レベルに応じて前記送信間隔を調整する、接近報知システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の接近報知システムであって、
複数の携帯端末が近接している場合には近接端末群を形成し、一の携帯端末が近接端末群の代表端末として車載機への送信を行う、接近報知システム。
【請求項5】
請求項4記載の接近報知システムであって、
各携帯端末はそれぞれを識別するためのIDを有しており、
代表端末は、自身と同じ近接端末群に属する他の携帯端末のIDを取得して自身のIDとともに車載機に送信し、
車載機は、車両の接近を知らせるべき携帯端末のIDを返送する、接近報知システム。
【請求項6】
請求項5に記載の接近報知システムであって、
近接端末群を構成する携帯端末の数が所定数以上ある場合に新たに近接端末群に加わる携帯端末は、代表端末への送信を行わず、近接端末群のうち少なくとも一つの携帯端末のIDを取得し、その取得したIDと車載機が返送するIDとの比較を行う、接近報知システム。
【請求項7】
請求項4から6のいずれかに記載の接近報知システムであって、
代表端末は、先に車載機と通信を行っていた携帯端末である、接近報知システム。
【請求項8】
請求項4から7のいずれかに記載の接近報知システムであって、
携帯端末は、代表端末の送信波の受信レベルに基づいて代表端末との接近状態を判定し、近接していると判定した場合に代表端末に近接情報を送信することにより、近接端末群が形成される、接近報知システム。
【請求項9】
請求項4から8のいずれかに記載の接近報知システムであって、
近接した携帯端末同士の通信は車載機と携帯端末との通信に比べ低出力で行う、接近報知システム。
【請求項10】
人が所持する携帯端末の送信波を車載機が受信することによって、車両と人が互いに接近している旨を報知し得る接近報知システムにおいて、
所定エリア内の携帯端末の数が所定数より多い場合には少ない場合に比べて前記送信波の送信間隔を長く設定することを特徴とする、接近報知システム。
【請求項11】
請求項10記載の接近報知システムであって、
携帯端末が受信した車載機の送信波の受信レベルに応じて前記送信間隔を調整する、接近報知システム。
【請求項12】
請求項1記載の接近報知システムに用いる車載機であって、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
前記走行状態検出手段により検出された走行状態を携帯端末に対し送信する走行状態送信手段とを備えることを特徴とする、車載機。
【請求項13】
請求項1記載の接近報知システムに用いる車載機であって、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
前記走行状態検出手段の検出結果に基づいて前記送信間隔の設定を携帯端末に対し指令する指令手段とを備えることを特徴とする、車載機。
【請求項14】
請求項10記載の接近報知システムに用いる車載機であって、
所定エリア内の携帯端末の数を検出する端末数検出手段と、
前記端末数検出手段の検出結果に基づいて前記送信間隔の設定を携帯端末に対し指令する指令手段とを備えることを特徴とする、車載機。
【請求項15】
請求項1,2,10記載の接近報知システムに用いる携帯端末であって、
車載機からの指令を受けて前記送信間隔を変更する変更手段を備えることを特徴とする、携帯端末。
【請求項16】
請求項1または2記載の接近報知システムに用いる携帯端末であって、
車両の走行状態を取得する走行状態取得手段と、
前記走行状態手段により取得された走行状態に基づいて前記送信間隔を変更する変更手段とを備えることを特徴とする、携帯端末。
【請求項17】
請求項10記載の接近報知システムに用いる携帯端末であって、
所定エリア内の携帯端末の数を取得する端末数取得手段と、
前記端末数取得手段の取得結果に基づいて前記送信間隔を変更する変更手段とを備えることを特徴とする、携帯端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2007−233478(P2007−233478A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51197(P2006−51197)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】