説明

携帯情報機器、プログラム書き換え方法、及びプログラム

【課題】 プログラムデータの読み込み中に生じ得る電源電圧の低下を起因とする書込み不能状態を回避し得る携帯情報機器、プログラム書き換え方法、及びプログラムの提供。
【解決手段】 携帯電話にバッテリーの電圧を検出する電圧検出部を設け、また、プログラム書き換えモード時の動作許可電圧VPをプログラム書き換え動作時に見込まれる降下電圧VDより十分大きく取って、終端電圧VEより大きな値として設定し、プログラム書き換えモード時に検出されるバッテリーの電圧が動作許可電圧VP以上の場合にはプログラム書き換えを行い、動作許可電圧VP以下の場合にはプログラム書き換えを禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報機器のプログラム書き換え技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯情報機器では、そのプログラムは携帯情報機器内部の保存メモリに固定されたものであるか、或いは書き換えや追加可能なアプリケーションプログラムは機器の機能のうち本質的な部分に影響を与えるものではなかったため、例えば、プログラムデータの読み込み(ダウンロード)中に電源電圧が低下しても、再度プログラムデータの読み込みを行えばよかった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
同特許文献1には、入力装置と、表示装置と、無線装置と、処理装置とを備えた携帯電話端末において、新規サービスの導入や、サービスの機能向上(サービスプログラムのバージョンアップ)が行われても、携帯電話端末自体を交換する等の処置を必要とせず、少ないメモリ容量で、多種多様のサービスの提供を実現するため、移動体通信網側との間でプログラムの転送を行うための転送プログラムを格納したROMと、RAMとを備えるようにし、処理装置は、転送プログラムを実行することで、入力装置からの入力情報に応じたサービスプログラムを移動体通信網側からダウンロードし、RAMに格納する技術が開示されている。また、同特許文献1には、予め定めたサービスプログラム、および、移動体通信網側との間でプログラムの転送を行うための転送プログラムを格納したROMと、RAMとを備えるようにし、処理装置は、転送プログラムを実行することで、入力装置からの入力情報に応じたサービスプログラムを移動体通信網側からダウンロードし、RAMに格納する技術も開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−239094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年は、携帯情報機器の機能のうち本質的な部分に影響を与えないアプリケーションプログラムだけでなく、ファームウエアと呼ばれるような機器の機能のうち本質的な部分に係わるプログラムデータをも更新できるような機器が出現しており、このような機器では、プログラムデータの読み込み中に電源電圧が低下してしまうと、場合によっては再起動さえ不可能になるといった問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、プログラムデータの読み込み中に生じ得る電源電圧の低下を起因とする書込み不能状態を回避し得る、携帯情報機器、プログラム書き換え方法、及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明では、入力部と、表示部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器であって、外部装置から送信されるプログラムデータを受信するデータ受信手段と、電源電池の電圧を検出する電圧検出手段と、プログラム書き換え指示を検出する書き換え指示検出手段と、この書き換え指示検出手段によりプログラム書き換え指示が検出されたとき、電圧検出手段で検出された電源電池の電圧値とプログラム書き換え用にこの携帯情報機器の終端電圧より高い値に設定された閾値とを比較する比較手段と、この比較手段による比較の結果、電源電池の電圧が閾値以上でない場合は、プログラム格納メモリに格納されているプログラムを受信したプログラムデータで書き換えることを禁止するプログラム書き換え禁止手段と、を設けたことを特徴とする携帯情報機器を提供する。
これにより、通常の動作よりも厳密なバッテリーチェックによって電池電圧を確認してから外部装置から受信したプログラムデータの書き換えを行うので、プログラムデータの書き換え中に電源が落ちて動作不能になったり、場合によっては再起動不能になるような事態の発生を防止できる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、比較手段による電源電池の電圧値と閾値との比較は、データ受信部で受信したプログラムデータを一部記憶メモリに記憶した後、書き換え指示検出手段によりプログラム書き換え指示が検出されたときに行うことを特徴とする請求項1記載の携帯情報機器を提供する。
これにより、外部からプログラムデータを一旦一時記憶メモリに書込んだ後、通常の動作よりも厳密なバッテリーチェックによって電池電圧を確認し、電源電圧が不足している場合はプログラムデータの書き換えを行わないので、プログラムデータの書き換え中に電源が落ちて動作不能になったり、場合によっては再起動不能になるような事態の発生を防止できる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明では、入力部と、表示部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器であって、外部装置から送信されるプログラムデータを受信するデータ受信手段と、電源電池の電圧を検出する電圧検出手段と、データ受信部で受信したプログラムデータを一時記憶メモリに記憶する記憶制御手段と、プログラム書き換え指示を検出する書き換え指示検出手段と、この書き換え指示検出手段によりプログラム書き換え指示が検出されたとき、電圧検出部で検出された電源電池の電圧値に基づいて、プログラム格納メモリに格納されているプログラムを内部メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えるか否かを決定するプログラム書き換え可否決定手段と、を備えたことを特徴とする携帯情報機器を提供する。
これにより、外部からプログラムデータを一旦一時記憶メモリに書込んだ後、電池電圧を確認してからプログラムデータの書き換えを行うので、プログラムデータの書き換え中に電源が落ちて動作不能になったり、場合によっては再起動不能になるような事態の発生を防止できる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明では、プログラム可否決定手段は、電圧検出部で検出された電源電池の電圧値とプログラム書き換え用にこの携帯情報機器の終端電圧より高い値に設定された閾値とを比較する手段と、電池電圧が該閾値以上の場合のみにプログラム書き換えを可能とし、電池電圧が該閾値未満のときの場合はプログラム書き換えを禁止する手段とを含むことを特徴とする請求項3記載の携帯情報機器を提供する。
これにより、外部からプログラムデータを一旦一時記憶メモリに書込んだ後、通常の動作よりも厳密なバッテリーチェックによって電池電圧を確認してからプログラムデータの書き換えを行うので、プログラムデータの書き換え中に電源が落ちて動作不能になったり、場合によっては再起動不能になるような事態の発生を確実に防止できる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明では、更に、この携帯情報機器の使用電力を可能な限り削減する使用電力削減手段を備え、プログラム書き換え指示はこの使用電力削減手段による使用電力の削減が行われた後に可能であることを特徴とする請求項3記載の携帯情報機器を提供する。
これにより、使用電力が最も少ない状態で電源電池の電圧を検出し、通常の動作よりも厳密なバッテリーチェックによって電池電圧を確認してからプログラムデータの書き換えを行うので、バッテリーチェックの閾値を使用電力削減分だけ低くすることができ、プログラムデータ書き換え可能電圧範囲を拡張できる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明では、入力部と、表示部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、外部装置からUSB等の電源供給型インターフェース接続により送信されるプログラムデータを受信するデータ受信手段と、制御部とを備えた携帯情報機器であって、データ受信手段で受信したプログラムデータを内部メモリに一時記憶する記憶制御手段と、プログラム書き換え指示を検出する書き換え指示検出手段と、この書き換え指示検出手段によりプログラム書き換え指示が検出された後、電源供給型インターフェース接続による外部電源供給の有無を検出し、電源供給型インターフェース接続による外部電源供給がない場合にはプログラム格納メモリに格納されているプログラムを内部メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えることを禁止するプログラム書き換え禁止手段と、を備えたことを特徴とする携帯情報機器を提供する。
これにより、電源供給型インターフェース接続による外部からの電源供給によりプログラムデータの書き換えを行うため、外部装置が例えば商用電源から電源供給を受けているデスクトップパソコンなどであれば、電源を気にせずに安全にプログラムデータの書き換えを行うことができる。
【0013】
また、請求項7に記載の発明では、更に、プログラム書き換え指示手段による書き換え指示があったときこの携帯情報機器の使用電力を節減する使用電力節減手段を備え、記憶制御手段は、この使用電力節減手段による使用電力の節減が行われた後にプログラムデータを内部メモリに一時記憶することを特徴とする請求項6記載の携帯情報機器を提供する。
これにより、この携帯情報機器の使用電力を節約した状態でUSB等の電源供給型インターフェース接続による電源供給によりプログラムデータの書き換えを行うので、例えば、携帯パソコン等をプログラムデータ送信元兼電源供給元とした場合のように、電池で動作する外部装置側の電源電池の容量低下を防止し、プログラムデータの書き換えの安全を図ることができる。
【0014】
また、請求項8に記載の発明では、入力部と、表示部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、外部装置からプログラムデータを受信するデータ受信部と、制御部とを備えた携帯情報機器であって、データ受信部で受信したプログラムデータを内部メモリに一時記憶する記憶制御手段と、プログラム書き換え指示を検出する書き換え指示検出手段と、この書き換え指示検出手段によりプログラム書き換え指示が検出された後、たとえばACアダプタなどを経由した外部電源供給の有無を検出し、外部電源供給がない場合には、プログラム格納メモリに格納されているプログラムを内部メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えることを禁止するプログラム書き換え禁止手段と、を備えたことを特徴とする携帯情報機器を提供する。
これにより、外部電源からの電源供給によりプログラムデータの書き換えを行うため、電源を気にせずに安全にプログラムデータの書き換えを行うことができる。
【0015】
また、請求項9に記載の発明では、更に、電源電池の電圧を検出する電圧検出手段を備え、プログラム書き換え禁止手段は、外部電源供給があっても前記電圧検出手段からの検出値の変動幅が所定値より大きい場合はプログラムをプログラムデータで書き換えることを禁止する手段を含むことを特徴とする請求項6又は8記載の携帯情報機器を提供する。これにより、外部電源の供給があっても、この携帯情報機器が電源電池で駆動している場合はプログラムの書き換えを行わないので、プログラム書き換え中に電源電圧の低下によりプログラム書き換えができなくなるといった事態が生じない。
【0016】
また、請求項10に記載の発明では、データ受信手段は、移動体無線網を介して外部装置から送信されるデータを受信する無線データ受信手段であることを特徴とする請求項1、3又は8記載の携帯情報機器を提供する。
これにより、この携帯情報機器は無線データ受信手段を備えるので、無線ネットワークからデータを受信することができ、例えば、携帯電話の運営会社のサーバから更新用プログラムデータを受信することができる。
【0017】
また、請求項11に記載の発明では、データ受信手段は、USB接続により外部装置から送信されるプログラムデータを受信する手段であることを特徴とする請求項1、3又は8記載の携帯情報機器を提供する。
これにより、この携帯情報機器はUSB接続した外部装置からデータを受信することができ、例えば、パソコンから更新用プログラムデータを受信することができる。
【0018】
また、請求項12に記載の発明では、携帯情報機器は無線通信手段を備えた携帯電話であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の携帯情報機器を提供する。
【0019】
また、請求項13に記載の発明では、携帯情報機器は撮像手段を備えた撮像装置であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の携帯情報機器を提供する。
【0020】
また、請求項14に記載の発明は、入力部と、表示部と、外部装置からのデータを受信するデータ受信部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器におけるプログラム書き換え方法であって、プログラムの書き換え指示を検出したとき、電源電池の電圧値とプログラム書き換え用にこの携帯情報機器の終端電圧より高い値に設定された閾値とを比較し、電源電池の電圧が閾値以上でない場合はプログラム格納メモリに格納されているプログラムをデータ受信部で受信したプログラムデータで書き換えることを禁止する、ことを特徴とするプログラム書き換え方法を提供する。
これにより、通常の動作よりも厳密なバッテリーチェックによって電池電圧を確認してから外部装置から受信したプログラムデータの書き換えを行うので、プログラムデータの書き換え中に電源が落ちて動作不能になったり、場合によっては再起動不能になるような事態の発生を防止できる。
【0021】
また、請求項15に記載の発明では、電源電池の電圧値と閾値との比較は、データ受信部で受信したプログラムデータを一時記憶メモリに記憶した後に、プログラム書き換え指示が検出されたときに行うことを特徴とする請求項14記載のプログラム書き換え方法を提供する。
これにより、外部からプログラムデータを一旦一時記憶メモリに書込んだ後、通常の動作よりも厳密なバッテリーチェックによって電池電圧を確認し、電源電圧が不足している場合はプログラムデータの書き換えを行わないので、プログラムデータの書き換え中に電源が落ちて動作不能になったり、場合によっては再起動不能になるような事態の発生を防止できる。
【0022】
また、請求項16に記載に発明では、入力部と、表示部と、USB等の電源供給型インターフェース接続部と、外部装置から電源供給型インターフェース接続により送信されるデータを受信するデータ受信部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器におけるプログラム書き換え方法であって、プログラム書き換え指示を検出したとき、電源供給型インターフェース接続による外部電源供給の有無を検出し、電源供給型インターフェース接続による外部電源供給がない場合にはプログラム格納メモリに格納されているプログラムを一時記憶メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えることを禁止することを特徴とするプログラム書き換え方法を提供する。
これにより、電源供給型インターフェース接続による外部からの電源供給によりプログラムデータの書き換えを行うので、商用電源から電源供給を受けている外部装置であれば電源を気にせずに安全にプログラムデータの書き換えを行うことができる。
【0023】
また、請求項17に記載の発明では、入力部と、表示部と、外部装置から送信されるデータを受信するデータ受信部と、外部電源入力部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器におけるプログラム書き換え方法であって、プログラム書き換え指示を検出した後、ACアダプタ経由等の外部電源供給の有無を検出し、外部電源供給がない場合には、プログラム格納メモリに格納されているプログラムを一時記憶メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えることを禁止することを特徴とするプログラム書き換え方法を提供する。
これにより、ACアダプタからの電源供給によりプログラムデータの書き換えを行うため、電源を気にせずに安全にプログラムデータの書き換えを行うことができる。
【0024】
また、請求項18に記載に発明では、入力部と、表示部と、外部装置からのデータを受信するデータ受信部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器において実行可能なプログラムであって、データ受信部で受信したプログラムデータを一時記憶メモリに一時記憶させるプログラムステップと、プログラムの書き換え指示を検出させるプログラムステップと、プログラム書き換え指示を検出したとき電源電池の電圧値とプログラム書き換え用にこの携帯情報機器の終端電圧より高い値に設定された閾値とを比較させるプログラムステップと、電源電池の電圧が閾値以上でない場合はプログラム格納メモリに格納されているプログラムをデータ受信部で受信したプログラムデータで書き換えることを禁止させるプログラムステップと、を含むことを特徴とするプログラムを提供する。
これにより、プログラムの書き換えを行う前に通常の動作よりも厳密なバッテリーチェックを行い、電源電池の電圧が所定値より低い場合はプログラムの書き換えを禁止できるので、プログラムデータの書き換え中に電源が落ちて動作不能になったり、場合によっては再起動不能になるような事態の発生を防止できる。
【0025】
また、請求項19に記載の発明では、入力部と、表示部と、USB等の電源供給型インターフェース接続部と、外部装置から電源供給型インターフェース接続により送信されるデータを受信するデータ受信部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器において実行可能なプログラムであって、プログラム書き換え指示を検出させるプログラムステップと、プログラム書き換え指示を検出したとき電源供給型インターフェース接続による外部電源供給の有無を検出させるプログラムステップと、電源供給型インターフェース接続による外部電源供給がない場合にはプログラム格納メモリに格納されているプログラムを一時記憶メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えることを禁止させるプログラムステップと、を含むことを特徴とするプログラムを提供する。
これにより、電源供給型インターフェース接続された外部装置から電源供給がない場合はプログラムの書き換えを禁止できる。
【0026】
また、請求項20に記載の発明では、入力部と、表示部と、外部装置から送信されるデータを受信するデータ受信部と、外部電源入力部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器において実行可能なプログラムであって、プログラム書き換え指示を検出させるプログラムステップと、プログラム書き換え指示を検出したときACアダプタ経由等の外部電源供給の有無を検出させるプログラムステップと、外部電源供給がない場合にはプログラム格納メモリに格納されているプログラムを一時記憶メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えることを禁止させるプログラムステップと、を含むことを特徴とするプログラム。
これにより、外部からの電源供給でない場合はプログラムの書き換えを禁止できるので、プログラムデータの書き換え中に電源が落ちて動作不能になったり、場合によっては再起動不能になるような事態の発生を防止できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、プログラムの書き換えを行う前に電源状態を調べ、プログラムの書き換えが可能な電源状態の場合に限り書き換えを行うので、プログラムデータの読み込み中に生じ得る電源電圧の低下を起因とする書込み不能状態を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施の形態を携帯電話に適用した場合の一実施例を示す図であり、図1(a)は携帯電話(開状態)の外観を示す正面図、図1(b)は背面図である。図1において、携帯電話1は大きく、蓋部2と本体部3から構成されている。蓋部2は本体部3側に折り込み可能に構成されている。アンテナ4は蓋部2の背面に設けられており、伸縮自在となっている。
【0029】
スピーカ5は、蓋部2の前面側に設けられており、音声出力を行う。表示部(メイン表示部)6はカラー液晶であり、開状態で選択画面やメッセージ又は画像等の情報表示画面を表示する。また、開状態でカメラモードへの移行を検出するとスルー画像や再生画像を表示する。また、表示部6の背部にはバックライトランプ(図示せず)が設けられており、選択画面やメッセージ又は画像等の情報表示画面を表示する際に表示画面を背部からライト表示する。シャッターキー7は、本体部3の側面に設けられており、カメラモードにおいて、ユーザの押圧操作により、後述する撮像レンズ12による撮像を指示する。キー入力部8は本体部3の前面に設けられており、各種機能キーや、テンキーからなる。マイク9は本体部3の下部に設けられており、音声入力を行う。
【0030】
サブ表示部10は、蓋部2の背面に設けられている。該サブ表示部10の表示面は、後述する撮像レンズ12の光軸とほぼ直交するように配置されている。背面キー11は、透明、又は半透明部材で構成され、着信の際発光するLEDを内蔵する。撮像レンズ12は、蓋部2の背面、上記サブ表示部10の下部に設けられている。バッテリーパック13は本体部3の裏面に着脱可能に設けられており、ロック部14により固定されている。ロック部14は、バッテリーパック13を本体部3に固定するためのものである。報知スピーカ15は着信などを報知するものであり、蓋部2を本体部3に閉じた状態でも報知音が聞こえるように、本体部3の裏面に配置されている。
【0031】
また、本体部3の側部下方に図示のように電源供給型インターフェースであるUSB(Universal Serial Bus)接続可能なUSB接続部33が設けられている。また、本体部3の側部下方に図示のように外部電源入力端子34が設けられている。
【0032】
図2は本実施形態による携帯電話の構成を示すブロック図である。無線送受信部16は無線によりアンテナ4を介して音声やデータを送受し変調/復調する。無線信号処理部17は、無線送受信部16で受信した音声やデータを復調し、或いは無線送受信部16から送信する音声やデータを変調するなどの無線通信に必要な処理を行う。制御部18は、CPU及びその周辺回路等からなり、蓋部2、本体部3の各種動作及び携帯電話1全体の動作を制御する。
【0033】
検出部19はシャッターキー7が操作されたことを検出する。開閉検出部20は、光センサ、メカニカルスイッチ等で構成され、携帯電話1が開状態(蓋部2と本体部3が開放された状態)になったのか、閉状態か(本体部3に蓋部2が被さった状態)を検出する。ドライバ21は表示部6を駆動させる。ドライバ22は、サブ表示部10を駆動させる。加入者情報記憶部23は、携帯電話1を呼び出すための電話番号や、操作者(加入者)のID等、プロフィールデータを格納する。
【0034】
フラッシュROM24は、電気的に消去(書き換え)できるROMであり、制御部18を制御する各種プログラムなどを記憶する(図3参照)。RAM25は無線通信端末として必要な各種データを記憶し、且つ制御部18が動作する上で必要なプログラムやデータを記憶すると共に、撮像された画像データも記憶する。また、RAM25は、プログラムデータの書込み時には、通信ネットワークを介して外部装置からダウンロードされたプログラムデータ、つまり、無線送受信部16で受信し、無線信号処理部17で復調したプログラムデータやUSB接続部33を介してパソコン等の外部装置から取り込まれたプログラムデータを一時記憶する(図4参照)。
【0035】
音声信号処理部26は、マイク9から入力された音声信号を符号化処理したり、無線信号処理部17から出力された信号に基づいて復号化してスピーカ5から出力したりする。DSP27は、撮影モジュール28に取り込まれた画像データを符号化処理する。撮影モジュール28はCCD若しくはCMOSで構成され、撮像レンズ12を介して被写体のカラー画像を取り込む。ドライバ29は、スピーカ15、バイブレータ30、LED111を駆動するためのドライバである。
【0036】
バッテリー31はバッテリーパック13に収容された電池からなり、携帯電話1の各回路に電力を供給する。また、表示部6やサブ表示部10の背部に設けられているバックライトランプやLEDランプ等にライト用電源を供給する。電圧検出部32は電圧検出回路からなり、バッテリー31の電圧を検出して検出値を制御部18に送る。
【0037】
USB接続部33が設けられている場合は、後述するようにUSB接続部33に接続されたUSBケーブル(図示せず)を介してパソコン等の外部装置からプログラムデータを取り込むことができる。この際、外部電源をUSB接続された相手側機器から供給するようにしてもよい。また、外部電源はACアダプタを介して外部電源入力端子34から得るようにしてもよい。
【0038】
図3はフラッシュROM24のプログラム格納構成を示す模式図である。フラッシュROM24の先頭部分にはCPUの動作に不可欠なOS(オペレーティングシステム)や通信制御プログラムや移動用プログラム等の基本的な制御プログラム241や、起動用プログラムロードモジュール242や本発明のプログラムデータアップデート用のプログラムデータ書き換え動作プログラム243や、各種動作プログラムやアプリケーション用のプログラムデータであるタスクモジュール(TASK1モジュール、・・・、TASKNモジュール)244等が格納されている。
【0039】
図4は、RAM25の各種データの格納構成を示す模式図である。RAM25はプログラムの実行上必要な各種データを記憶する実行用データ251や画像データ252のほか、本発明のプログラムデータ書き換え動作プログラム243の実行時に外部装置等から取り込まれるプログラムデータ253等が一時記憶される。
【0040】
図5はバッテリー電圧の推移及びプログラム書き換え動作許容電圧の説明図である。バッテリー電圧は図示のようなカーブで下降するので携帯電話動作時の終端電圧はそのカーブ上のある電圧VEとして設計上設定されている。一方、プログラムの書き換えが行われた場合、動作期間t1では電圧下降の幅Vd1を差し引いても図示のようにプログラム書き換え動作時の電圧>終端電圧VEであるため安定的にズーム駆動するが、駆動期間t2では電圧下降の幅Vd2を差し引くと図示のようにプログラム書き換え動作時の電圧<終端電圧VEとなり、ズーム動作不能となる。そこで、本実施形態では、プログラム書き換えモード時の動作許可電圧VPをプログラム書き換え動作時に見込まれる降下電圧VDより十分大きく取って、終端電圧VEより大きな値(閾値)として設定し、バッテリー31の電圧が動作許可電圧VP以下の場合にはプログラム書き換えを禁止する。なお、図5で記号Vlimは充電可能限界点を示す。
【0041】
図6は携帯電話へのプログラムデータのダウンロード方法の幾つかの例を示す図であり、図6(a)は通信ネットワーク51及び無線通信局52を介して外部装置(例えば、携帯電話通信運営会社等のサーバ50)から無線で携帯電話1にプログラムデータを取り込む例である。通信ネットワーク51及び無線通信局52は無線通信ネットワークを構成する。図6(b)はパソコン55等の外部装置からUSBケーブル56を介して携帯電話1にプログラムデータを取り込む例である。なお、この際、USBケーブル56を介して電源を得るようにしてもよい。また、図6(c)は外部装置から無線通信により携帯電話1にプログラムデータを取り込み、電源はACアダプタ57を介して得る例を示す。
【0042】
図7は、携帯電話に対するプログラムデータの書き換え動作時の制御部の制御動作例を示すフローチャートであり、制御部18はフラッシュROM24に格納されているプログラムデータ書き換え動作プログラム243に従って動作する。本実施形態はプログラムの書き換えの可否を電圧検出部32によって検出されるバッテリー31の電圧値によって決定する。以下、携帯電話1はプログラム書き換えモードを備えており、ユーザの選択操作によりプログラムモード(プログラム書き換え動作プログラム243の起動)に移行する。
【0043】
携帯電話1でプログラム書き換えモードが選択されると(ステップS1)、制御部18は無線通信ネットワーク経由で外部装置50から受信したプログラムデータ(図6(a))又は無線経由で外部装置から受信したプログラムデータ(図6(b))をRAM25に書込み(ステップS2)、書き換え指示があったか否かを調べ、書き換え指示があった場合はステップS4に進み、所定時間経過しても書き換え指示がないか取消し指示があった場合はプログラム書き換えモードを終了させる。なお書き換え指示はキー入力部8の機能キーの操作等によって行うことができ、制御部18は機能キーの操作によりキー入力部から受け取る状態信号を基に書き換え指示の有無を判定できる(ステップS3)。
【0044】
書き換え指示があると、制御部18は表示部6やサブ表示部10の液晶画面表示電源をオフにしたり、バックライトランプを消灯する他、プログラムデータ書き換えに必要な電力以外の電力の使用を極力削減する使用電力削減処理を実行した後(ステップS4)、電圧検出部32によって検出され制御部18に送られるバッテリー31の電圧値と予め設定されているプログラム書き換え動作許容電圧VP(図5)を比較し、バッテリー31の電圧値がプログラム書き換え動作許容電圧VP以上の場合はステップS6に進み、そうでない場合はステップS8に進む(ステップS5)。
【0045】
バッテリー31の電圧値がプログラム書き換え動作許容電圧VP以上の場合は、制御部18は書き換え実行があったか否かを調べ、書き換え実行指示があった場合はステップS7に進み、所定時間経過しても書き換え実行指示がないか取消し指示があった場合はRAM25に記憶したプログラムデータを消去してプログラム書き換えモードを終了させる。なお書き換え実行指示はキー入力部8の機能キーの操作等によって行うことができ、制御部18は機能キーの操作によりキー入力部から受け取る状態信号を基に書き換え実行指示の有無を判定できる(ステップS6)。
【0046】
書き換え実行指示があった場合は、制御部18は上記ステップS2でRAM25に記憶したプログラムデータをフラッシュROM24に書込む。なお、この際、プログラムデータと同一プログラム名のプログラム(タスクモジュール)がフラッシュROM24に格納されている場合はプログラムの更新処理(フラッシュROM24に格納されているプログラムを消去し、RAM25から読み出したプログラムデータを書込む処理)を行い、プログラムデータと同一プログラム名のプログラムがフラッシュROM24に格納されていない場合はプログラムの追加処理(追加書き込み処理)を行なう。また、プログラムデータが削除コマンドと削除するファイル名からなる場合は当該プログラムの削除処理を行い、全てのプログラムデータの処理が終わるとプログラムデータ書き換えモードを終了する(ステップS7)。
【0047】
また、バッテリー31の電圧値がプログラム書き換え動作許容電圧VP以上でない場合は、制御部18はRAM25に記憶したプログラムデータを消去してプログラム書き換え動作を禁止すると共に(ステップS8)、上記ステップS4で行った使用電力削減処理を解除(例えば、表示部6やサブ表示部10の表示電源をオンにしたり、バックライトランプを点灯)してから、プログラムデータ書込み禁止を意味するメッセージ(例えば、「バッテリー容量不足によりプログラムの書き換えはできません」)を表示してプログラムデータ書き換えモードを終了する(ステップS9)。
【0048】
上記図7のフローチャートに基づく動作により、外部からプログラムデータを一旦内部メモリ(RAM25)に書込んだ後、通常の動作よりも厳密なバッテリーチェックによって電池電圧を確認してからプログラムデータの書き換えを行うので、プログラムデータの書き換え中に電源が落ちて動作不能になったり、場合によっては再起動不能になるような事態の発生を防止できる。
【0049】
(実施形態2)
図8は、携帯電話1に対するプログラムデータの書き換え動作時の制御部の制御動作例を示すフローチャートであり、制御部18はフラッシュROM24に格納されているプログラムデータ書き換え動作プログラム243に従って動作する。本実施形態はプログラムの書き換えをUSB接続による外部電源供給時にのみ行うようにした例である。以下、携帯電話1はプログラム書き換えモードを備えており、ユーザの選択操作によりプログラムモードに移行する。
【0050】
図8(a)で、携帯電話1でプログラム書き換えモードが選択されると(ステップT1)、書き換え指示があったか否かを調べ、書き換え指示があった場合はステップT3に進み、所定時間経過しても書き換え指示がないか取消し指示があった場合はプログラム書き換えモードを終了させる(ステップT2)。
【0051】
書き換え指示があると、制御部18は表示部6の液晶画面表示電源オフ或いはバックライトランプを消灯し、LEDの点灯点滅表示或いはサブ表示部10の液晶画面表示のみとし、できるだけ使用電力を削減する使用電力節約処理を実行した後(ステップT3)、USB接続により外部装置55から受信したプログラムデータ(図6(b))をRAM25に書込み(ステップT4)、USB接続により外部電源が供給されているか否かを調べ、USB接続により外部電源が供給されている場合はステップT6に進み、そうでない場合はステップT9に進む(ステップT5)。
【0052】
USB接続により外部電源が供給されている場合は、制御部18は、書き換え実行指示入力を促すメッセージデータを表示部6に送ってその旨のメッセージを表示させ(ステップT6)、書き換え実行があったか否かを調べ、書き換え実行指示があった場合はステップT8に進み、所定時間経過しても書き換え実行指示がないか取消し指示があった場合はRAM25に記憶したプログラムデータを消去してプログラム書き換えモードを終了させる(ステップT7)。
【0053】
書き換え実行指示があった場合は、制御部18は、USB接続による外部装置55からの供給電源により、上記ステップT4でRAM25に記憶したプログラムデータをフラッシュROM24に書込む。なお、この際、プログラムデータと同一プログラム名のプログラム(タスクモジュール)がフラッシュROM24に格納されている場合はプログラムの更新処理(フラッシュROM24に格納されているプログラムを消去し、RAM25から読み出したプログラムデータを書込む処理)を行い、プログラムデータと同一プログラム名のプログラムがフラッシュROM24に格納されていない場合はプログラムの追加処理(追加書き込み処理)を行なう。また、プログラムデータが削除コマンドと削除するファイル名からなる場合は当該プログラムの削除処理を行い、全てのプログラムデータの処理が終わるとプログラムデータ書き換えモードを終了する(ステップT8)。
【0054】
また、USB接続により外部電源が供給されていない場合は、制御部18はRAM25に記憶したプログラムデータを消去すると共に上記ステップT3で行った使用電力節約処理を解除してから、プログラムデータ書込み不能を意味するメッセージ(例えば、「電源がUSB接続されていないのでプログラムの書き換えはできません」)を表示してプログラムデータ書き換えモードを終了する(ステップT9)。
【0055】
上記図8(a)のフローチャートに基づく動作により、USB接続による外部からの電源供給によりプログラムデータの書き換えを行うため、外部装置が例えばデスクトップパソコンなどであれば、電源を気にせずに安全にプログラムデータの書き換えを行うことができる。
【0056】
なお、上記ステップT5とT6の間に、図8(b)に示すように、携帯情報端末が電源電池からの電力により駆動しているか否かを調べるステップT5−1を設け、「電源電池からの電力により駆動している場合はステップT9に進み、そうでない場合にステップT6に進む」ように構成してもよい。なお、携帯電話1が電源電池で駆動しているか否かは、例えば、電圧検出部32で検出するバッテリー31の電圧変動が所定値以上か否かで判定できる。
【0057】
このようにすれば、USB接続による外部電源の供給があっても、この携帯情報機器が電源電池で駆動している場合はプログラムの書き換えを行わないので、プログラム書き換え中に電源電圧の低下によりプログラム書き換えができなくなるといった事態が生じない。
【0058】
(実施形態3)
図9は、携帯電話に対するプログラムデータの書き換え動作時の制御部の制御動作例を示すフローチャートであり、制御部18はフラッシュROM24に格納されているプログラムデータ書き換え動作プログラム243に従って動作する。本実施形態はプログラムの書き換えをACアダプタを介した外部電源供給時にのみ行うようにした例である。以下、携帯電話1はプログラム書き換えモードを備えており、ユーザの選択操作によりプログラムモードに移行する。
【0059】
図9(a)で、携帯電話1でプログラム書き換えモードが選択されると(ステップU1)、制御部18は無線通信ネットワーク経由で外部装置50から受信したプログラムデータ(図6(a))又はUSB接続経由で外部装置55から受信したプログラムデータ(図6(b))をRAM25に書込み(ステップU2)、書き換え指示があったか否かを調べ、書き換え指示があった場合はステップU4に進み、所定時間経過しても書き換え指示がないか取消し指示があった場合はプログラム書き換えモードを終了させる(ステップU3)。
【0060】
書き換え指示があると、制御部18はACアダプタを介して外部電源が供給されているか否かを調べ、ACアダプタを介して外部電源が供給されている場合はステップU5に進み、そうでない場合はステップU8に進む(ステップU4)。
【0061】
ACアダプタを介して外部電源が供給されている場合は、制御部18は、書き換え実行指示入力を促すメッセージデータを表示部6に送ってその旨のメッセージを表示させ(ステップU5)、書き換え実行があったか否かを調べ、書き換え実行指示があった場合はステップU7に進み、所定時間経過しても書き換え実行指示がないか取消し指示があった場合はRAM25に記憶したプログラムデータを消去してプログラム書き換えモードを終了させる(ステップU6)。
【0062】
書き換え実行指示があった場合は、制御部18は、USB接続による外部装置55からの供給電源により、上記ステップU2でRAM25に記憶したプログラムデータをフラッシュROM24に書込む。なお、この際、プログラムデータと同一プログラム名のプログラム(タスクモジュール)がフラッシュROM24に格納されている場合はプログラムの更新処理(フラッシュROM24に格納されているプログラムを消去し、RAM25から読み出したプログラムデータを書込む処理)を行い、プログラムデータと同一プログラム名のプログラムがフラッシュROM24に格納されていない場合はプログラムの追加処理(追加書き込み処理)を行なう。また、プログラムデータが削除コマンドと削除するファイル名からなる場合は当該プログラムの削除処理を行い、全てのプログラムデータの処理が終わるとプログラムデータ書き換えモードを終了する(ステップU7)。
【0063】
また、USB接続により外部電源が供給されていない場合は、制御部18はRAM25に記憶したプログラムデータを消去すると共にプログラムデータ書込み不能を意味するメッセージ(例えば、「電源がACアダプタに接続されていないのでプログラムの書き換えはできません」)を表示してプログラムデータ書き換えモードを終了する(ステップU8)。
【0064】
上記図9(a)のフローチャートに基づく動作により、ACアダプタからの電源供給によりプログラムデータの書き換えを行うため、電源を気にせずに安全にプログラムデータの書き換えを行うことができる。
【0065】
なお、上記ステップU4とU5の間に、図9(b)に示すように、携帯情報端末が電源電池からの電力により駆動しているか否かを調べるステップU4−1を設け、「携帯電話1がバッテリー31の供給電力により駆動している場合はステップU8に進み、そうでない場合にステップU5に進む」ように構成してもよい。なお、携帯電話1が電源電池で駆動しているか否かは、例えば、電圧検出部32で検出するバッテリー31の電圧変動が所定値以上か否かで判定できる。
【0066】
このようにすれば、ACアダプタからの電源供給があっても、携帯電話1が電源電池で駆動している場合はプログラムの書き換えを行わないので、プログラム書き換え中に電源電圧の低下によりプログラム書き換えができなくなるといった事態が生じない。
【0067】
また、上記各実施形態における実施例の説明ではカメラ付き携帯電話を例として説明したが、本発明のプログラムの書き換え方法は、カメラ付きでない携帯電話にもそのまま適用できる。
<他の情報端末への応用例>
また、上記各実施形態では携帯電話を例として説明したが、本発明のプログラムの書き換え方法はUSB接続部やACアダプタからの外部電源を取り込むAC電源入力端子を備えたデジタルカメラ等の撮像装置にもそのまま応用できる。この場合、撮像装置はプログラム書き換えモードを備えるように構成するものとする。
【0068】
なお、プログラムを格納する不揮発性のメモリとして、フラッシュROMの代わりに画像データ等を保存記録するためのフラッシュメモリを備えた撮像装置ではフラッシュメモリの先頭領域をプログラム格納領域として割り当て、図3に示したフラッシュROM24のプログラム格納構成に示すようにプログラムを格納するようにしてもよい。このようにした場合は、プログラム書き換えモードで、フラッシュメモリに格納されているプログラムは、無線通信ネットワーク経由や、USB接続経由、或いはACアダプタ経由で外部装置から受信し、内部メモリ(RAM)に書込まれたプログラムデータで書き換えられる。なお、フラッシュメモリは内蔵されたものでもよく、交換可能なメモリカードとして構成され、撮像装置に装着されているのでもよい。
【0069】
また、上記応用例の説明ではデジタルカメラを撮像装置の例として説明したが、撮像表示装置という語はデジタルカメラに限定されない。例えば、電子カメラやビデオカメラなども含む。また、携帯情報機器という語は携帯電話や撮像装置に限定されない。例えば、PDA(Personal Digital Assistance)や、無線通信モジュールを備えた携帯パソコンや、無線通信モジュールを備えていない携帯パソコンや、デジタルオーディオ等、電池で駆動される情報機器を含む。
【0070】
以上、本発明の一実施例について説明したが本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態を携帯電話に適用した場合の一実施例を示す図である。
【図2】本実施形態による携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図3】フラッシュROMのプログラム格納構成を示す模式図である。
【図4】RAMの各種データの格納構成を示す模式図である。
【図5】バッテリー電圧の推移及びプログラム書き換え動作許容電圧の説明図である。
【図6】携帯電話へのプログラムデータのダウンロード方法の幾つかの例を示す図である。
【図7】実施形態1における携帯電話に対するプログラムデータの書き換え動作時の制御部の制御動作例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態2における携帯電話に対するプログラムデータの書き換え動作時の制御部の制御動作例を示すフローチャートである。
【図9】実施形態3における携帯電話に対するプログラムデータの書き換え動作時の制御部の制御動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
1 携帯電話(携帯情報機器)
4 アンテナ
6 表示部
8 キー入力部(入力部)
10 サブ表示部
16 無線送受信部(データ受信手段、データ受信部、無線データ受信手段)
17 無線信号処理部
18 制御部(記憶制御手段、プログラム書き換え指示検出手段)
24 フラッシュROM(プログラム格納メモリ)
25 RAM(一時記憶メモリ)
31 バッテリー(電源電池)
32 電圧検出部(電圧検出手段)
33 USB接続部
34 外部電源入力端子
51 通信ネットワーク(無線通信網)
52 無線通信局(無線通信網)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と、表示部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器であって、
外部装置から送信されるプログラムデータを受信するデータ受信手段と、
電源電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
プログラム書き換え指示を検出する書き換え指示検出手段と、
この書き換え指示検出手段によりプログラム書き換え指示が検出されたとき、前記電圧検出手段で検出された前記電源電池の電圧値とプログラム書き換え用にこの携帯情報機器の終端電圧より高い値に設定された閾値とを比較する比較手段と、
この比較手段による比較の結果、前記電源電池の電圧が前記閾値以上でない場合は、前記プログラム格納メモリに格納されているプログラムを前記受信したプログラムデータで書き換えることを禁止するプログラム書き換え禁止手段と、
を設けたことを特徴とする携帯情報機器。
【請求項2】
前記比較手段による電源電池の電圧値と前記閾値との比較は、前記データ受信部で受信したプログラムデータを前記一部記憶メモリに記憶した後、前記書き換え指示検出手段によりプログラム書き換え指示が検出されたときに行うことを特徴とする請求項1記載の携帯情報機器。
【請求項3】
入力部と、表示部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器であって、
外部装置から送信されるプログラムデータを受信するデータ受信手段と、
電源電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記データ受信部で受信したプログラムデータを前記一時記憶メモリに記憶する記憶制御手段と、
プログラム書き換え指示を検出する書き換え指示検出手段と、
この書き換え指示検出手段によりプログラム書き換え指示が検出されたとき、前記電圧検出部で検出された電源電池の電圧値に基づいて、前記プログラム格納メモリに格納されているプログラムを前記内部メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えるか否かを決定するプログラム書き換え可否決定手段と、
を備えたことを特徴とする携帯情報機器。
【請求項4】
前記プログラム可否決定手段は、前記電圧検出部で検出された電源電池の電圧値とプログラム書き換え用にこの携帯情報機器の終端電圧より高い値に設定された閾値とを比較する手段と、電池電圧が該閾値以上の場合のみにプログラム書き換えを可能とし、電池電圧が該閾値未満の場合はプログラム書き換えを禁止する手段とを含むことを特徴とする請求項3記載の携帯情報機器。
【請求項5】
更に、この携帯情報機器の使用電力を可能な限り削減する使用電力削減手段を備え、
前記プログラム書き換え指示はこの使用電力削減手段による使用電力の削減が行われた後に可能であることを特徴とする請求項3記載の携帯情報機器。
【請求項6】
入力部と、表示部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、外部装置から電源供給型インターフェース接続により送信されるプログラムデータを受信するデータ受信手段と、制御部とを備えた携帯情報機器であって、
前記データ受信手段で受信したプログラムデータを内部メモリに一時記憶する記憶制御手段と、
プログラム書き換え指示を検出する書き換え指示検出手段と、
この書き換え指示検出手段によりプログラム書き換え指示が検出された後、前記電源供給型インターフェース接続による外部電源供給の有無を検出し、電源供給型インターフェース接続による外部電源供給がない場合には前記プログラム格納メモリに格納されているプログラムを前記内部メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えることを禁止するプログラム書き換え禁止手段と、
を備えたことを特徴とする携帯情報機器。
【請求項7】
更に、前記プログラム書き換え指示手段による書き換え指示があったときこの携帯情報機器の使用電力を節減する使用電力節減手段を備え、
前記記憶制御手段は、この使用電力節減手段による使用電力の節減が行われた後にプログラムデータを内部メモリに一時記憶することを特徴とする請求項6記載の携帯情報機器。
【請求項8】
入力部と、表示部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、外部装置からプログラムデータを受信するデータ受信部と、制御部とを備えた携帯情報機器であって、
前記データ受信部で受信したプログラムデータを内部メモリに一時記憶する記憶制御手段と、
プログラム書き換え指示を検出する書き換え指示検出手段と、
この書き換え指示検出手段によりプログラム書き換え指示が検出された後、外部電源供給の有無を検出し、外部電源供給がない場合には、前記プログラム格納メモリに格納されているプログラムを前記内部メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えることを禁止するプログラム書き換え禁止手段と、
を備えたことを特徴とする携帯情報機器。
【請求項9】
更に、電源電池の電圧を検出する電圧検出手段を備え、前記プログラム書き換え禁止手段は、前記外部電源供給があっても前記電圧検出手段からの検出値の変動幅が所定値より大きい場合は前記プログラムを前記プログラムデータで書き換えることを禁止する手段を含むことを特徴とする請求項6又は8記載の携帯情報機器。
【請求項10】
前記データ受信手段は、移動体無線網を介して外部装置から送信されるデータを受信する無線データ受信手段であることを特徴とする請求項1、3又は8記載の携帯情報機器。
【請求項11】
前記データ受信手段は、USB接続により外部装置から送信されるプログラムデータを受信する手段であることを特徴とする請求項1、3又は8記載の携帯情報機器。
【請求項12】
前記携帯情報機器は無線通信手段を備えた携帯電話であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の携帯情報機器。
【請求項13】
前記携帯情報機器は撮像手段を備えた撮像装置であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の携帯情報機器。
【請求項14】
入力部と、表示部と、外部装置からのデータを受信するデータ受信部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器におけるプログラム書き換え方法であって、
プログラムの書き換え指示を検出したとき、電源電池の電圧値とプログラム書き換え用にこの携帯情報機器の終端電圧より高い値に設定された閾値とを比較し、前記電源電池の電圧が前記閾値以上でない場合は前記プログラム格納メモリに格納されているプログラムを前記データ受信部で受信したプログラムデータで書き換えることを禁止する、ことを特徴とするプログラム書き換え方法。
【請求項15】
前記電源電池の電圧値と前記閾値との比較は、前記データ受信部で受信したプログラムデータを前記一時記憶メモリに記憶した後に、プログラム書き換え指示が検出されたときに行うことを特徴とする請求項14記載のプログラム書き換え方法。
【請求項16】
入力部と、表示部と、電源供給型インターフェース接続部と、外部装置から電源供給型インターフェース接続により送信されるデータを受信するデータ受信部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器におけるプログラム書き換え方法であって、
プログラム書き換え指示を検出したとき、前記電源供給型インターフェース接続による外部電源供給の有無を検出し、電源供給型インターフェース接続による外部電源供給がない場合には前記プログラム格納メモリに格納されているプログラムを前記一時記憶メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えることを禁止することを特徴とするプログラム書き換え方法。
【請求項17】
入力部と、表示部と、外部装置から送信されるデータを受信するデータ受信部と、外部電源入力部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器におけるプログラム書き換え方法であって、
プログラム書き換え指示を検出した後、外部電源供給の有無を検出し、外部電源供給がない場合には、前記プログラム格納メモリに格納されているプログラムを前記一時記憶メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えることを禁止することを特徴とするプログラム書き換え方法。
【請求項18】
入力部と、表示部と、外部装置からのデータを受信するデータ受信部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器において実行可能なプログラムであって、
前記データ受信部で受信したプログラムデータを一時記憶メモリに一時記憶させるプログラムステップと、プログラムの書き換え指示を検出させるプログラムステップと、プログラム書き換え指示を検出したとき電源電池の電圧値とプログラム書き換え用にこの携帯情報機器の終端電圧より高い値に設定された閾値とを比較させるプログラムステップと、前記電源電池の電圧が前記閾値以上でない場合は前記プログラム格納メモリに格納されているプログラムを前記データ受信部で受信したプログラムデータで書き換えることを禁止させるプログラムステップと、を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項19】
入力部と、表示部と、電源供給型インターフェース接続部と、外部装置からUSB接続により送信されるデータを受信するデータ受信部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器において実行可能なプログラムであって、
プログラム書き換え指示を検出させるプログラムステップと、プログラム書き換え指示を検出したとき前記電源供給型インターフェース接続による外部電源供給の有無を検出させるプログラムステップと、電源供給型インターフェース接続による外部電源供給がない場合には前記プログラム格納メモリに格納されているプログラムを前記一時記憶メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えることを禁止させるプログラムステップと、を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項20】
入力部と、表示部と、外部装置から送信されるデータを受信するデータ受信部と、外部電源入力部と、プログラムを格納したプログラム格納メモリと、一時記憶メモリと、制御部とを備えた携帯情報機器において実行可能なプログラムであって、
プログラム書き換え指示を検出させるプログラムステップと、プログラム書き換え指示を検出したとき外部電源供給の有無を検出させるプログラムステップと、外部電源供給がない場合には前記プログラム格納メモリに格納されているプログラムを前記一時記憶メモリに記憶されたプログラムデータで書き換えることを禁止させるプログラムステップと、を含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−184975(P2007−184975A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69781(P2007−69781)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【分割の表示】特願2004−94926(P2004−94926)の分割
【原出願日】平成16年3月29日(2004.3.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】