説明

携帯情報端末、携帯情報端末の画面覗き込み防止方法、プログラム

【課題】特定のキー操作を行うこと無しに、画面の視認性を変化させることが可能な携帯情報端末を提供することである。
【解決手段】Webデータを取得する通信を行うWebブラウザ制御部と、通信中の通信プロトコルを参照して、Webデータの秘匿性を通信プロトコルの種類に基づいて判定する通信状態判定部と、Webデータが秘匿性を有する場合は、Webデータのディスプレイイメージを変換して視認性が低い状態で表示し、Webデータが秘匿性を有さない場合は、Webデータのディスプレイイメージを、通常の視認性のまま表示するディスプレイ表示制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末に関し、特に画面の覗き込み防止機能を有する携帯情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末が広く一般に使用されるようになり、ユーザーが、携帯情報端末を使用して、銀行や証券などの金融取引や、Webショッピング等を行う機会が増加している。このようなサービスにおいて、ユーザーは、個人情報やパスワードといった秘密情報を入力する必要がある。
【0003】
しかし、携帯情報端末を利用するため、ユーザーは、例えば、電車の中等の公共機関で個人情報やパスワード等の秘密情報を入力する機会も多い。そのため、他人が携帯情報端末の画面を覗き込むことによって、ユーザーが入力する秘密情報等が漏洩してしまう危険あるという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するために、携帯情報端末画面の覗き込み防止に関する技術が開示されている。これらは、携帯情報端末画面の視野角を狭小化することなどによって、他人が携帯情報端末の画面を覗き込みにくくするといった技術である。このような技術は、ユーザーがキー入力を行うことによって画面の視認性を変化させたり、予めデータファイルへ付与しておいたフラグに基づいて画面の視認性を変化させるというものであり、ユーザーの手間がかかるという課題があった。
【0005】
特許文献1は、秘匿性の高い表示画面ごとに視野角を狭小化させるために操作入力を必要としない携帯情報端末装置を提供する携帯情報端末を開示している。特許文献1の携帯情報端末は、画面表示が制限されたシークレットデータであるか否かを示す表示制限情報をユーザーデータに対応付けて記憶する表示制限情報記憶手段と、上記表示制限情報によりシークレットデータを表示させない第1表示モード、及び、シークレットデータを表示させる第2表示モードのいずれかを指定する表示モード指定情報を書き換え可能に記憶する表示モード指定情報記憶手段と、上記表示モード指定情報に基づいて表示対象とするユーザーデータを選別し、ユーザーデータの画面表示を行うアプリケーション実行手段と、上記表示モード指定情報に基づいて、表示画面の視野角を狭小化する視野角制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
【特許文献1】特開2006−319554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、特定のキー操作を行うこと無しに、画面の視認性を変化させることが可能な携帯情報端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯情報端末は、Webデータを取得する通信を行うWebブラウザ制御部と、通信中の通信プロトコルを参照して、Webデータの秘匿性を通信プロトコルの種類に基づいて判定する通信状態判定部と、Webデータが秘匿性を有する場合は、Webデータのディスプレイイメージを変換して視認性が低い状態で表示し、Webデータが秘匿性を有さない場合は、Webデータのディスプレイイメージを、通常の視認性のまま表示するディスプレイ表示制御部とを備える。
【0009】
本発明の携帯情報端末の画面覗き込み防止方法は、Webデータを取得する通信を行うステップと、通信中の通信プロトコルを参照して、Webデータの秘匿性を通信プロトコルの種類に基づいて判定するステップと、Webデータが秘匿性を有する場合は、Webデータのディスプレイイメージを変換して視認性が低い状態で表示し、Webデータが秘匿性を有さない場合は、Webデータのディスプレイイメージを通常の視認性のまま表示するステップとを備える。
【0010】
本発明のプログラムは、上述の携帯電話端末の画面覗き込み防止方法をコンピュータによって実現する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、特定のキー操作を行うこと無しに、画面の視認性を変化させることが可能な携帯情報端末を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の実施形態による携帯電話端末を、以下に説明する。
【0013】
[構成の説明]
始めに、図1を用いて本実施形態における携帯電話端末を利用するシステム構成を説明する。図1のシステム構成は、携帯情報端末100と、Web(World Wide Web)サーバ200と、インターネット網300とを備える。
【0014】
まず、Webサーバ200について説明する。Webサーバ200は、Webコンテンツを保存している。Webサーバ200は、携帯情報端末100からインターネット網300を介して受信するWebデータリクエストに応じて、Webデータを送信する。
【0015】
図2は、Webサーバ200の構成を示している。Webサーバ200は、サーバ通信部201と、サーバ制御部202と、サーバ記憶部203とを備えている。
【0016】
サーバ通信部201は、通信ポート等を備えている。サーバ通信部201は、通信ポートを使用して、他の装置との通信が可能である。サーバ通信部201は、インターネット網300を介して、携帯情報端末100からWebリクエストを受信する。サーバ通信部201は、受信したWebリクエストを、サーバ制御部202へ出力する。また、サーバ通信部201は、サーバ制御部202が出力するWebデータ入力する。サーバ通信部201は、入力したWebデータを、インターネット網300を介して、携帯情報端末100へ送信する。
【0017】
サーバ制御部202は、CPU(Central Processing Unit)等を備える。サーバ制御部202は、サーバ記憶部203に保存されている処理用プログラムを読み出して実行することによって、Webサーバ200の機能を実現する。サーバ制御部202は、サーバ通信部201が出力するWebリクエストを入力する。サーバ制御部202は、当該Webリクエストで要求されているWebデータを、サーバ記憶部203から取得する。サーバ制御部202は、サーバ記憶部203から取得したWebデータを、携帯情報端末100へ送信するために、サーバ通信部201へ出力する。
【0018】
サーバ記憶部203は、Webサーバ200の機能を実現するための処理プログラムを保存している。また、サーバ記憶部203は、WebコンテンツのWebデータを保存している。Webデータは、HTML(Hyper Text Markup Language)等で記述されている。サーバ記憶部203は、サーバ制御部202の要求に応じて、要求されたWebデータを抽出し、サーバ制御部202へ出力する。
【0019】
サーバ記憶部203が保存しているデータには、秘匿性の低いWebデータと秘匿性の高いWebデータとが存在する。
秘匿性の低いデータWebデータとは、当該Webデータによって出力されるWeb画面に個人情報や、機密情報といった情報を含むことが無いWebデータである。例えば、証券会社のホームページを構成するWebデータを例に説明をすると、ホームページのトップ画面や、当該証券会社を紹介する画面等を表示するためのWebデータが該当する。ユーザーは、当該Webデータによって表示されたWeb画面を、他人に覗かれたとしても特に問題は発生しない。
一方、秘匿性の高いWebデータとは、当該Webデータによって出力されるWeb画面に個人情報や、機密情報といった情報を含むWebデータである。例えば、証券会社のホームページを構成するWebデータを例に説明すると、口座開設用資料の送付先入力画面や、個人口座にIDやパスワードを入力してログインする画面が該当する。ユーザーは、当該Webデータによって表示されたWeb画面を、他人に覗かれることによって、個人情報が漏洩してしまうことになる。
【0020】
このような秘匿性の違いから、通常、秘匿性の低いWebデータと秘匿性の高いWebデータとでは、携帯情報端末100がWebサーバ200からWebデータを取得するためのプロトコルが異なるように指定されている。
一般に、携帯情報端末100のWebブラウザが、秘匿性の低いWebデータを取得する場合には、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)上で動作するHTTP(Hyper Text transfer Protocol)を使用する。HTTPは、携帯情報端末100のWebブラウザがWebデータを取得するための一般的なプロトコルである。HTTPを使用して取得するWebデータは、「HTTP://」から始まるURL(Uniform Resource Locator)によって指定されている。
一方、携帯情報端末100が、秘匿性の高いWebデータを取得するためには、TCP/IP上で動作を行うHTTPS(Hyper Text Transfer Protcol Security)を使用する。HTTPSは、HTTPをSSL(Secure Soket Layer)上で動作させて、Webデータを暗号化して送受信するための一般的なプロトコルである。HTTPを使用して取得するWebデータは、「HTTPS://」から始まるURLによって指定されている。
HTTP及びHTTPSは、いずれもインターネットにおいてWebデータを取得する際に用いられる一般的なプロトコルであるため、その動作の詳細な説明については省略する。Webサーバ200に保存されるWebデータは、その秘匿性に応じて、HTTPかHTTPSのプロトコルを使用するように、Webコンテンツ製作者によって指定されて、保存されている。
【0021】
次に、インターネット網300について説明する。インターネット網300は、携帯情報端末100とWebサーバ200の間の通信を転送するネットワーク網である。インターネット網300を構成するネットワーク網は、インターネットのみに限られない。例えば、携帯情報端末100が、携帯電話である場合には、携帯情報端末100は、携帯電話ネットワークを介してインターネットへ接続する。インターネット網300は、携帯情報端末100がWebサーバ200からWebデータを取得するためのデータ転送を可能とするネットワークであれば、インターネット以外のネットワークでも実現可能である。
また、インターネット網300は、携帯情報端末100がネットワークに接続するためのアクセス手段を備える。例えば、インターネット網300は、携帯情報端末100が無線LAN(Local Area Network)端末である場合には、無線LANのアクセスポイントを備える。このようにインターネット網300は、特定のアクセス手段に限定することなく、携帯情報端末100の通信方式に応じたアクセス手段を備える。
【0022】
次に、携帯情報端末100について説明する。携帯情報端末100は、インターネット網300を介して、Webサーバ200からWebデータを取得する。図3は、携帯情報端末100の構成を示している。携帯情報端末100は、通信部101と、制御部102と、記憶部103と、入力部104と、出力部105とを備える。
【0023】
通信部101は、無線通信用のアンテナや、無線通信の送受信部を備え、インターネット網300の基地局装置等と無線通信を行う。通信部101がインターネット網300と行う無線通信のプロトコルは、携帯情報端末100の種類によるものとし、特に限定はしない。
【0024】
制御部102は、CPU等で構成される。制御部102は、記憶部103に記憶される処理用プログラムを読み込んで実行することによって、携帯情報端末100の機能を実現する。
【0025】
記憶部103は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成される。記憶部103は、制御部102が実行するための処理用プログラムを保存している。また、記憶部103は、例えば電話帳のように、携帯情報端末100が提供する機能に必要な情報を保存している。
【0026】
入力部104は、入力用にキーを備える。入力部104は、ユーザーからのWebデータの取得命令等のキー入力を受け付ける。
【0027】
出力部105は、LCD(Liquid Crystal Display)を備える。出力部105は、取得したWebデータをディスプレイイメージとして表示する。
【0028】
携帯情報端末100の機能は、これらの構成によって実現される。なお、携帯情報端末100は、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、無線LANモジュール(あるいはカード)やBluetoothモジュール(カード)を搭載したモバイルノートパソコン等の、Webブラウザを搭載した携帯情報端末を広く含む。
【0029】
次に、図4を用いて、携帯情報端末100を詳細に説明する。図4は、携帯情報端末100の機能ブロック図を示している。携帯情報端末100は、通信部制御部111と、Webブラウザ制御部112と、通信状態判定部113と、濃淡変換テーブル生成部114と、ディスプレイ表示制御部115とをさらに備える。
【0030】
通信制御部111は、Webサーバ200と通信を行うことでデータの送受信を行う。通信制御部111は、Webブラウザ制御部112が出力するページ取得リクエストを入力して、所定のプロトコルを用いてWebサーバ200へページ取得リクエストを送信する。また、通信制御部111は、Webサーバ200から受信した通信データからWebデータをWebブラウザ制御部112へ出力する。
【0031】
Webブラウザ制御部112は、ユーザーが入力部104に入力する、あるいは入力部104を用いて指定するURLのWebページ取得要求を通信制御部111へ出力する。また、Webブラウザ制御部112は、通信制御部111がWebサーバ200から取得しWebデータを入力して、表示部105へ表示可能なディスプレイイメージにレンダリングする。Webブラウザ制御部112は、レンダリングしたディスプレイイメージをディスプレイ表示制御部115へ出力する。
【0032】
通信状態判定部113は、Webブラウザ制御部112が通信中のプロトコルを取得し、通信中のWebデータの秘匿性を判定する。通信状態判定部113は、当該プロトコルの種類に基づいて、Webデータの秘匿性を判定する。本実施形態において、通信状態判定部113は、当該プロトコルが、HTTPかHTTPSかに基づいて秘匿性を判定する。
通信状態判定部113は、通信プロトコルをポート番号に基づいて判定する。Webブラウザは、通常、トランスポート層とセッション層とのデータ受け渡しに際して、HTTPのポート番号に80番を、HTTPSのポート番号に443番を割り当てることによってデータの識別を行っている。通信状態判定部113は、Webブラウザ制御部112から取得した通信プロトコルが、ポート番号80番を使用していればHTTPを使用していると判定する。一方、通信状態判定部113は、Webブラウザ制御部112から取得した通信プロトコルが、ポート番号443番を使用していればHTTPを使用していると判定する。通信状態判定部113は、通信プロトコルの判定結果を、濃淡変換テーブル生成部114へ出力する。
TCP/IP上のWell−Knownポートにおけるポート番号の指定は、公知のものであるので説明を省略する。なお、通信状態判定部113が、通信プロトコルを判定する方法はこれに限定しない。また、Webブラウザ制御部112がポート番号を変更して通信を行うような場合に、通信状態判定部113が、これに対応して判定を行うようにしてもよい。
【0033】
濃淡変換テーブル生成部114は、Webデータのディスプレイイメージに対して、ディスプレイ表示制御部115が輝度変換を行うための、濃淡変換テーブルを生成する。濃淡変換テーブルは、Webブラウザ制御部115の出力するWebデータのディスプレイイメージを、ディスプレイ表示制御部115が輝度変換を行うためのテーブルである。ディスプレイ表示制御部115は、濃淡変換テーブルを用いることによって、入力輝度に対応した出力輝度へ変換する。
【0034】
濃淡変換テーブル生成部114は、通信制御部111が出力する通信プロトコルの判定結果に応じて、濃淡変換テーブルを生成する。濃淡変換テーブル生成部114は、通信制御部111が出力する通信プロトコルの判定結果を入力する。
濃淡変換テーブル生成部114は、通信プロトコルの判定結果がHTTPである場合は、通常の濃淡変換テーブルを生成する。通常の濃淡変換テーブルとは、入力するディスプレイイメージと、変換されて出力されるディスプレイイメージの輝度が同じテーブルである。通常の濃淡変換テーブルを用いて輝度変換を行う場合、ディスプレイイメージは、Webブラウザ制御部112が出力した視認性が高い状態から、特に変化しない。
一方、濃淡変換テーブル生成部114は、通信プロトコルの判定結果がHTTPSである場合は、視認しづらい濃淡変換テーブルを生成する。視認しづらい濃淡変換テーブルとは、入力するディスプレイイメージが変換されて出力されると、ディスプレイイメージの濃淡が淡い(輝度差が少ない)ようなテーブルである。視認しづらい濃淡変換テーブルを用いて輝度変換を行う場合、ディスプレイイメージは、文字や画像が確認しづらい(視認性が低い)イメージとなって出力される。
【0035】
ディスプレイイメージの輝度変換については、公知の技術であるので詳細な説明は省略する。なお、通常の濃淡変換テーブルおよび視認しづらい濃淡変換テーブルの非線形曲線の特性は、具体的に限定はしない。通常の濃淡変換テーブルは、前述のとおり、ディスプレイイメージの入力輝度に対して出力輝度が同じとなるものでも良いし、あるいは、ディスプレイイメージの視認性が高くなるように輝度変換を行うものでも良い。
また、視認しづらい濃淡変換テーブルは、ディスプレイイメージの濃淡を淡く(輝度差が少ない)変換するものであってもよいし、全体的に薄く変換するものであってもよい。あるいは、視認しづらい濃淡変換テーブルは、ディスプレイイメージを、全体的に白っぽい色に変換を行うものであってもよし、逆に全体的に黒っぽい色へ変換を行うものであってもよい。いずれにしても、視認しづらい濃淡変換テーブルを用いた場合は、出力部105へ表示されるWeb画面が、視覚によって視認しづらい(視認性が低い)ディスプレイイメージへ変換することができれば、その具体的な値は限定しない。
濃淡変換テーブル生成部114は、生成した濃淡変換テーブルをディスプレイ表示制御部115へ出力する。
【0036】
ディスプレイ表示制御部115は、Webブラウザ制御部112が出力するWebデータのディスプレイイメージを、濃淡変換テーブル生成部114が生成した濃淡変換テーブルを用いて輝度変換を行い、出力部105のLCDへ表示する。
ディスプレイ表示制御部115は、濃淡変換テーブル生成部114が生成した、濃淡変換テーブルを入力する。また、ディスプレイ表示制御部115は、Webブラウザ制御部112が出力する、Webデータのディスプレイイメージを入力する。ディスプレイ表示制御部115は、濃淡変換テーブルによって、Webデータのディスプレイイメージの輝度を変換する。ディスプレイ表示制御部115は、変換後のディスプレイイメージを出力部105のLCDへ表示する。
【0037】
図5は、ディスプレイ表示制御部115が、Webブラウザ制御部115の使用する通信プロトコルがHTTPである場合に、濃淡変換テーブル生成部114が生成した通常の濃淡変換テーブルによって、Webデータのディスプレイイメージを変換して、出力部105のLCDへ表示した状態を示している。この場合、Webデータのディスプレイイメージは、通常の濃淡変換テーブルによって変換されたため、輝度に変化はなく、通常どおりの視認しやすい(視認性が高い)表示となっている。
一方、図6は、ディスプレイ表示制御部115が、Webブラウザ制御部115の使用する通信プロトコルがHTTPSである場合に、濃淡変換テーブル生成部114が生成した視認しづらい濃淡変換テーブルによって、Webデータのディスプレイイメージを変換して、出力部105のLCDへ表示した状態を示している。この場合、Webデータのディスプレイイメージは、視認しづらい濃淡テーブルによって変換されたため、濃淡が淡く(輝度差が少なく)、視認しづらい(視認性が低い)表示となっている。
これによって、秘匿性を伴うデータの通信の場合には、他人が覗き込みをおこなっても、表示されている情報が確認しづらくすることできる。一方、秘匿性の伴わないデータの通信の場合には、表示には変化はなく、表示されている情報が確認しやすいままである。
【0038】
以上が、本実施形態にける構成の説明である。通信プロトコルにHTTPSが用いられる場合に秘匿性のあるデータと判断するため、携帯情報端末100のユーザーは、切り替え動作等を行わなくとも、出力部105へ表示されるWebページの視認性を悪くすることができる。これによって、他人が、携帯情報端末100を覗きこんだとしても表示されている情報を確認しづらくすることができる。
また、通信プロトコルにHTTPが用いられる場合に秘匿性のないデータと判断するため、携帯情報端末100のユーザーは、切り戻し動作等を行わなくとも、出力部105へ表示されるWebページの視認性を良くすることができる。これによって、通常のデータは確認しやすい通常の表示をおこなうことができる。
さらに、通常秘匿性のあるデータや秘匿性の無いデータへの通信プロトコル設定は、Webコンテンツ作成者が、Webサーバ200へWebコンテンツを登録する時点で行うことから、携帯情報端末100のユーザーは、事前に余計な設定を行う必要はない。
【0039】
[動作方法の説明]
次に、図7を用いて、本実施形態における動作方法の説明を行う。図7は、本実施形態における、動作フローを示している。
【0040】
(ステップ1)
ユーザーが、入力部104からWebサーバ200に保存されているWebページのURLを指定して、Webページ取得要求を入力する。Webブラウザ制御部112は、Webページ取得要求を検知して、WebページのURL宛てのページ取得リクエストを、通信制御部111へ出力する。
【0041】
(ステップ2)
通信制御部111は、Webブラウザ制御部112が出力するページ取得リクエストを入力する。通信制御部111は、ページ取得リクエストに基づいて、HTTPかHTTPSかの所定のプロトコル含んだ、TCP/IP等の通信フレームを作成し、Webサーバ200のサーバ通信部201と通信を行う。Webブラウザ制御部112は、通信制御部111とサーバ通信部201の通信を利用して、Webサーバ200のサーバ制御部202と通信を行い、サーバ記憶部203からWebデータを取得する。Webブラウザ制御部112は、取得したWebデータをディスプレイイメージにレンダリングする。Webブラウザ制御部112は、ディスプレイイメージをディスプレイ表示制御部115へ出力する。なお、通信制御部111とサーバ通信部201とが行う、TCP/IP通信や、HTTPS通信における暗号化鍵設定処理等は、公知の技術であるので説明を省略する。
【0042】
(ステップ3)
通信状態判定部113は、Webブラウザ制御部112がサーバ制御部202と行う通信プロトコルを取得する。通信状態判定部113は、Webブラウザ制御部112が行う通信の通信プロトコルがHTTPSであるかを判定する。通信状態判定部113は、通信プロトコルの判定結果を濃淡変換テーブル生成部114へ出力する。通信プロトコルがHTTPSである場合には、ステップ4へ進む。通信プロトコルが、HTTPSで無い場合には、ステップ5へ進む。
【0043】
(ステップ4)
濃淡変換テーブル生成部114は、通信状態判定部113から通信プロトコルの判定結果を入力する。濃淡変換テーブル生成部114は、判定の結果、通信プロトコルがHTTPSである場合には、視認しづらい濃淡変換テーブルを生成する。
【0044】
(ステップ5)
濃淡変換テーブル生成部114は、通信状態判定部113から通信プロトコルの判定結果を入力する。濃淡変換テーブル生成部114は、判定の結果、通信プロトコルがHTTPSでない場合には、通常の濃淡変換テーブルを生成する。
【0045】
(ステップ6)
ディスプレイ表示制御部115は、Webブラウザ制御部112が出力するWebデータのディスプレイイメージを入力する。ディスプレイ表示制御部115は、濃淡変換テーブル生成部114が生成した濃淡変換テーブルを用いて、Webデータのディスプレイイメージの輝度変換を行う。通信中のプロトコルがHTTPの場合、ディスプレイイメージは、輝度変換後も通常どおり視認しやすいディスプレイイメージのままである。一方、通信中のプロトコルがHTTPSの場合、ディスプレイイメージは、視認しづらいディスプレイイメージへ輝度変換される。ディスプレイ表示制御部115は、輝度変換後のディスプレイイメージを、出力部105のLCDへ表示する。
【0046】
以上が、本実施形態における動作方法の説明である。通信状態判定部113は、Webブラウザ制御部112が通信に使用している通信プロトコルを取得して、HTTPであるかHTTPSであるかを判定する。
通信状態判定部113は、通信プロトコルにHTTPSが用いられる場合に秘匿性のあるデータとを判断する。濃淡変換テーブル生成部114は、通信プロトコルがHTTPSである場合は、視認しづらい濃淡変換テーブルを生成する。ディスプレイ表示制御部115は、視認しづらい濃淡変換テーブルを用いて、Webデータのディスプレイイメージを視認しづらいディスプレイイメージへ変換して出力部105へ出力する。そのため、携帯情報端末100のユーザーは、切り替え動作等を行わなくとも、出力部105へ表示されるWebページの視認性を悪くすることができる。これによって、他人が、携帯情報端末100を覗きこんだとしても表示されている情報を確認しづらくすることができる。
【0047】
一方、通信状態判定部113は、通信プロトコルにHTTPが用いられる場合に秘匿性のないデータとを判断する。濃淡変換テーブル生成部114は、通信プロトコルがHTTPである場合は、通常の濃淡変換テーブルを生成する。ディスプレイ表示制御部115は、通常の濃淡変換テーブルを用いて、Webデータのディスプレイイメージを視認しづらいディスプレイイメージへ変換して出力部105へ出力する。そのため、携帯情報端末100のユーザーは、切り戻し動作等を行わなくとも、出力部105へ表示されるWebページの視認性を良くすることができる。これによって、通常のデータは確認しやすい通常の表示をおこなうことができる。
さらに、通常秘匿性のあるデータや秘匿性の無いデータへの通信プロトコル設定は、Webコンテンツ作成者が、Webサーバ200へWebコンテンツを登録する時点で行うことから、携帯情報端末100のユーザーは、事前に余計な設定を行う必要はない。
【0048】
なお、本実施形態において、携帯情報端末100は、通信プロトコルに応じてディスプレイイメージの輝度変換を行うことによって視認性の切り替えを実現している。これは、視野角制御機能を有するディスプレイディバイスを用いても実現が可能である。視野角制御機能を用いる場合は、通信プロトコルがHTTPSの場合に、視野角を狭く制御し、通信プロトコルがHTTPである場合に、視野角を広く(通常の範囲)に制御するものであってもよい。
あるいは、通信プロトコルがHTTPSである場合にLCDのバックライトを暗くし、通信プロトコルがHTTPである場合にLCDのバックライトを明るく(通常の明るさ)制御するものであってもよい。
また、本実施形態は、視野角制御フィルムを携帯情報端末100の出力部105のLCDへ貼り付けた状態でも実現可能である。
さらに、ディスプレイイメージの輝度変換と、視野角制御やLCDバックライト制御を同時に、あるいは選択的に組み合わせることも可能であるし、さらにこれらを、視野角制御フィルムを添付したディスプレイで実現することも可能である。
【0049】
このように、本発明によれば、ユーザーの操作を伴うこと無しに、携帯情報端末100の画面の視認性が高い状態と、視認性が低い状態を切り替えること、また切り戻すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】携帯情報端末を利用するシステムの構成を示す図である。
【図2】Webサーバの構成を示す図である。
【図3】携帯情報端末の構成を示す図である。
【図4】携帯情報端末の機能ブロックを示す図である。
【図5】通常の濃淡変換テーブルによって、ディスプレイイメージを変換して、表示されたWebページである。
【図6】視認しづらい濃淡変換テーブルによって、ディスプレイイメージを変換して、表示されたWebページである。
【図7】本発明における動作フローである。
【符号の説明】
【0051】
100 携帯情報端末
101 通信部
102 制御部
103 記憶部
104 入力部
105 出力部
111 通信制御部
112 Webブラウザ制御部
113 通信状態判定部
114 濃淡変換テーブル生成部
115 ディスプレイ表示制御部
200 Webサーバ
201 サーバ通信部
202 サーバ制御部
203 サーバ記憶部
300 インターネット網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webデータを取得する通信を行うWebブラウザ制御部と、
前記通信中の通信プロトコルを参照して、前記Webデータの秘匿性を前記通信プロトコルの種類に基づいて判定する通信状態判定部と、
前記Webデータが秘匿性を有する場合は、前記Webデータのディスプレイイメージを変換して視認性が低い状態で表示し、前記Webデータが秘匿性を有さない場合は、前記Webデータのディスプレイイメージを、通常の視認性のまま表示するディスプレイ表示制御部と
を備える携帯情報端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯情報端末であって、
前記通信状態判定部は、前記通信プロトコルが、HTTPSである場合に、前記Webデータが秘匿性を有すると判定し、前記通信プロトコルが、HTTPである場合に、前記Webデータが秘匿性を有さないと判定する
携帯情報端末。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の携帯情報端末であって、
前記Webデータが秘匿性を有する場合には、前記Webデータのディスプレイイメージを、視認性が低い状態へ変換する濃淡変換テーブルを生成し、前記Webデータが秘匿性を有さない場合には、前記Webデータのディスプレイイメージを通常の視認性のままに変換する濃淡変換テーブルを生成する濃淡変換テーブル生成部をさらに備え、
前記ディスプレイ表示制御部は、前記濃淡変換テーブルに基づいて、前記Webデータのディスプレイイメージを変換し、変換後のディスプレイイメージを表示する
携帯情報端末。
【請求項4】
Webデータを取得する通信を行うステップと、
前記通信中の通信プロトコルを参照して、前記Webデータの秘匿性を前記通信プロトコルの種類に基づいて判定するステップと、
前記Webデータが秘匿性を有する場合は、前記Webデータのディスプレイイメージを変換して視認性が低い状態で表示し、前記Webデータが秘匿性を有さない場合は、前記Webデータのディスプレイイメージを通常の視認性のまま表示するステップと
を備える携帯情報端末の画面覗き込み防止方法。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯情報端末の画面覗き込み防止方法であって、前記判定するステップは、
前記通信プロトコルが、HTTPSである場合に、前記Webデータが秘匿性を有すると判定し、前記通信プロトコルが、HTTPである場合に、前記Webデータが秘匿性を有さないと判定するステップ
を含む携帯情報端末の画面覗き込み防止方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の携帯情報端末の画面覗き込み防止方法であって、
前記Webデータが秘匿性を有する場合には、前記Webデータのディスプレイイメージを、視認性が低い状態へ変換する濃淡変換テーブルを生成し、前記Webデータが秘匿性を有さない場合には、前記Webデータのディスプレイイメージを通常の視認性のままに変換する濃淡変換テーブルを生成するステップをさらに備え、
前記表示するステップは、
前記濃淡変換テーブルに基づいて、前記Webデータのディスプレイイメージを変換し、変換後のディスプレイイメージを表示するステップ
を含む携帯情報端末の画面覗き込み防止方法。
【請求項7】
請求項4から請求項6までのいずれかに記載の携帯電話端末の画面覗き込み防止方法をコンピュータによって実現するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−181406(P2009−181406A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20717(P2008−20717)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】