説明

携帯用端末装置、現在位置記録制御プログラム、ネットワークシステム及びサーバシステム

【課題】簡易な構成によって、現在位置の検出回数及び位置情報の記録回数を低減させて消費電力を低下させつつ、的確に移動体が滞留した位置情報を取得することが可能な携帯用端末装置等を提供すること。
【解決手段】携帯用通信端末装置100は、自機の停止状態及び移動状態を検出し、検出された移動状態及び停止状態に基づいて停止状態から移動状態及び移動状態から停止への状態が遷移する遷移時刻を検出するとともに、検出された遷移時刻に基づいて停止期間を算出する。そして、携帯用通信端末装置100は、算出された停止期間に基づいて、移動状態から前記停止状態に遷移した際の自機の現在位置を検出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用電話機などの携帯用端末装置及びそれを用いたシステムに関するものであり、特に、携帯用端末装置の移動状態に基づいて位置情報を記録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ及び無線などのネットワークの発達に伴って、携帯用電話機、PDA(Personal Digital Assistants)などの携帯用通信端末装置においては、電話公衆網を利用した通話だけでなく、電子メールに代表されるデータの送受信、GPS(Global Positioning System)に基づく位置情報やナビゲーションの提供、及び、ゲームの実行などの多機能化したものが一般化している。
【0003】
一方、近年、電子掲示板、ブログ、動画共有サービスまたはソーシャルネットワークサービスなどのソーシャルメディアの発達により、多機能化された携帯用通信端末装置と連動させることが可能なサービスも増えてきている。特に、最近では、携帯用通信端末装置の位置情報に連動させてソーシャルメディアのサービスを提供するものも登場している。
【0004】
また、携帯用通信端末装置においては、長期間の使用が要求される一方で、多くの機能を有していることによって消費する電力が増大しており、省電力化についても研究が進んでいる。特に、携帯用端末装置に用いられるGPS機能においては、その特性上、他の機能に比べて消費電力が大きいので、最近では、その消費電力を低減させることが可能な携帯用端末装置が知られている。
【0005】
例えば、このような携帯用端末装置の一つとしては、予め記憶された当該装置の移動パターンと加速センサによって検出された当該装置の移動に基づいて、位置情報の取得頻度を低下させるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0006】
また、例えば、このような携帯用端末装置の他の例としては、当該装置が位置的に移動しているのみを検出する移動センサを有し、当該移動が検出された場合のみ位置情報を取得させるものが知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−267886
【特許文献2】特開2009−288233
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の携帯用端末装置にあっては、移動パターンが予め登録されてなければ、位置情報の取得頻度を制御することができない。このため、ユーザにおける移動パターンを全て登録することは煩雑となり、この携帯用端末装置にあっては利便性が悪い。
【0009】
また、特許文献2に記載の携帯用端末装置にあっては、一定距離の移動が発生した場合に位置情報を取得するので、移動中の携帯用端末装置の位置情報においても記録されるとともに、携帯用端末装置、すなわち、移動体が停止を行った場所か滞留を行った場所かを的確に判断することができない。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易な構成によって、現在位置の検出回数及び位置情報の記録回数を低減させて消費電力を低下させつつ、的確に移動体が滞留した位置情報を取得することが可能な携帯用端末装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記課題を解決するため、本発明の携帯用端末装置は、現実空間内における自機の現在位置を検出する位置検出手段と、自機の現実空間内における移動状態及び停止状態を検出する状態検出手段と、前記検出された移動状態及び停止状態に基づいて、移動状態から停止状態及び停止状態から移動状態に状態が遷移する遷移時刻を検出する時刻検出手段と、前記検出された遷移時刻に基づいて前記停止状態の停止期間を算出する停止期間算出手段と、前記算出された停止期間に基づいて前記位置検出手段を駆動させ、前記移動状態から前記停止状態に遷移した際の前記自機の現在位置を検出させる検出制御手段と、前記検出された現在位置をデータベースに記録する記録制御手段と、を備える構成を有している。
【0012】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、例えば、停止期間が一定時間以上の場合に、または、停止期間が一定時間以下であっても短期間で移動状態及び移動状態を繰り返した場合に、位置検出手段を駆動させて自機の現在位置を取得させることができる。したがって、本発明の携帯用端末装置は、一定時間毎に現在位置を検出する場合、または、移動状態から停止状態または停止状態から移動状態に状態が遷移する毎に現在位置を検出させる場合よりも、現在位置の検出回数を低減させることができるとともに、現在位置の検出回数が著しく減少することによって当該現在位置をデータベースに記録する記録回数においても低減することができる。この結果、本発明の携帯用端末装置は、現在位置検出手段の駆動時間の低減、データベースを構築する記録媒体の駆動時間の低減、または、データベースとの通信回数の低減など、全体的な消費電力を低下させることができるとともに、予め自機を保持するユーザの移動パターンの登録を行うなど煩雑な操作を行う必要もなく、かつ、的確に自機が目的地として停止した位置を検出することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0013】
(2)また、本発明の携帯用端末装置は、前記停止期間に基づいて、前記自機の停止状態が自機の移動に伴って停止している停留状態であるのか、または、移動の結果によって到達する目的地として滞留している滞留状態であるのかを判定する判定手段と、前記検出された遷移時刻に基づいて、前記移動状態の移動期間を算出する移動期間算出手段と、前記停留状態の回数をカウントするとともに、前記算出された移動期間に基づいてカウントされた回数がリセットされるカウンタと、を更に備え、前記判定手段が、前記カウンタの回数が所定の回数に到達した際に、前記滞留状態であると判定し、前記検出制御手段が、前記滞留状態と判定された場合に、前記位置検出手段を駆動させ、前記移動状態から前記停止状態に遷移した際の前記自機の現在位置を検出させる、構成を有している。
【0014】
通常、観光スポットが敷地内に点在する神社または仏閣、及び、アトラクションまたはイベントが点在する遊園地またはテーマパークなど、多くの滞在場所が点在する広大な敷地を有する目的地に来訪した場合においては、一定期間、敷地内の一箇所に停止している場合の他に、敷地内の様々のポイントにおいて短期間の移動とその停止が連続的に行われることも想定される。
本発明の携帯用端末装置は、上記構成により、目的地の敷地内の様々のポイントにおいて短期間の移動とその停止が連続的に行われる場合に、当該目的地として判定することができるとともに、一定期間以上の移動が行われた場合には、敷地内の移動でないと判定することができる。したがって、本発明の携帯用端末装置は、広大な敷地を有する目的地に来訪した場合においても、当該目的地に滞留している滞留状態と的確に判定することができる。この結果、本発明の携帯用端末装置は、現在位置検出手段の駆動時間の低減、データベースを構築する記録媒体の駆動時間の低減、または、データベースとの通信回数の低減など、全体的な消費電力を低下させることができるとともに、予め自機を保持するユーザの移動パターンの登録を行うなど煩雑な操作を行う必要もなく、かつ、的確に自機が目的地として停止した位置を検出することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0015】
(3)また、本発明の携帯用端末装置は、前記検出された現在位置と前回に検出された現在位置である前回検出位置に基づいて、前記自機の停止状態が自機の移動に伴って停止している停留状態であるのか、または、移動の結果到達する目的地として滞留している滞留状態であるのかを判定する判定手段を更に備え、前記記録制御手段が、前記滞留状態と判定された場合に、前記検出された現在位置をデータベースに記録する構成を有している。
【0016】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、電車、バスまたは飛行機などのユーザが停止状態であっても現実空間内の移動を可能にする場合には、停留状態として判定することができるので、自機の滞留状態を的確に判定することができる。したがって、本発明の携帯用端末装置は、現在位置検出手段の駆動時間の低減、データベースを構築する記録媒体の駆動時間の低減、または、データベースとの通信回数の低減など、全体的な消費電力を低下させることができるとともに、予め自機を保持するユーザの移動パターンの登録を行うなど煩雑な操作を行う必要もなく、かつ、的確に自機が目的地として停止した位置を検出することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0017】
(4)また、本発明の携帯用端末装置は、前記判定手段が、前記位置検出手段が前記自機の現在位置を検出した場合に、当該検出した現在位置と前回検出位置とが同一の位置である場合に、または、予め定められた範囲内である場合に、前記滞留状態であると判定する構成を有している。
【0018】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、電車またはバスなどのユーザが停止状態であっても現実空間内の移動した場合には、滞留状態と判定されないので、的確に自機が目的地として停止した位置を検出することができる。
【0019】
(5)また、本発明の携帯用端末装置は、前記検出制御手段が、前記停止期間が予め定められた一定期間以上の場合に、前記位置検出手段を駆動させ、前記移動状態から前記停止状態に遷移した際の前記自機の現在位置を検出させる構成を有している。
【0020】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、例えば、ユーザがレストランで食事をした場合、または、デパートで買い物している場合などユーザの移動停止が当該停止された地点で一定期間継続している場合には、ユーザが目的地に滞留していると的確に判定することができる。
【0021】
(6)また、本発明の携帯用端末装置は、前記データベースとネットワークを介して通信回線を確立する通信手段を更に備え、前記記録制御手段が、前記検出された現在位置を検出した場合にのみ前記通信手段を制御して当該現在位置を前記データベースに記録する構成を有している。
【0022】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、検出された現在位置を検出した場合にのみ、データベースに現在位置を記録するので、記録回数を低減することが可能となり、その結果、ネットワークを介して現在位置をデータベースに記録する際の通信回数をも低減することができる。
【0023】
(7)上記課題を解決するため、本発明の現在位置記録制御プログラムは、現実空間内における自機の現在位置を検出する位置検出手段と、自機の移動及び停止を検出する移動停止検出手段と、を備える端末装置に搭載されるコンピュータによって実行される地点登録プログラムであって、前記コンピュータを、前記検出された自機の移動及び停止に基づいて、自機の移動状態及び停止状態を検出する状態検出手段、検出された移動状態及び停止状態に基づいて、移動状態から停止状態及び停止状態から移動状態に状態が遷移する遷移時刻を検出する時刻検出手段、前記検出された遷移時刻に基づいて前記停止状態の停止期間を算出する停止期間算出手段、前記算出された停止期間に基づいて前記位置検出手段を駆動させ、前記移動状態から前記停止状態に遷移した際の前記自機の現在位置を検出させる検出制御手段、及び、前記検出された現在位置をデータベースに記録する記録制御手段、として機能させる構成を有している。
【0024】
この構成により、本発明の現在位置記録制御プログラムは、例えば、停止期間が一定時間以上の場合に、または、停止期間が一定時間以下であっても短期間で移動状態及び移動状態を繰り返した場合に、位置検出手段を駆動させて自機の現在位置を取得させることができる。したがって、本発明の現在位置記録制御プログラムは、一定時間毎に現在位置を検出する場合、または、移動状態から停止状態または停止状態から移動状態に状態が遷移する毎に現在位置を検出させる場合よりも、現在位置の検出回数を低減させることができるとともに、現在位置の検出回数が著しく減少することによって当該現在位置をデータベースに記録する記録回数においても低減することができる。この結果、本発明の現在位置記録制御プログラムは、現在位置検出手段の駆動時間の低減、データベースを構築する記録媒体の駆動時間の低減、または、データベースとの通信回数の低減など、全体的な消費電力を低下させることができるとともに、予め自機を保持するユーザの移動パターンの登録を行うなど煩雑な操作を行う必要もなく、かつ、的確に自機が目的地として停止した位置を検出することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0025】
(8)上記課題を解決するため、本発明のネットワークシステムは、携帯用端末装置とデータベースを有する少なくとも一のサーバ装置から構成されるネットワークシステムであって、前記携帯用端末装置が、現実空間内における自機の現在位置を検出する位置検出手段と、前記自機の移動及び停止を検出する移動停止検出手段と、前記現在位置を地点データとして、及び、自機の移動または停止を移動停止データとして前記サーバ装置に送信する送信手段と、を備えるとともに、前記サーバ装置が、前記地点データ及び移動停止データを受信する受信手段と、前記受信した移動停止データに基づいて、自機の移動状態及び停止状態を検出する状態検出手段と、前記検出された移動状態及び停止状態に基づいて、移動状態から停止状態及び停止状態から移動状態に状態が遷移する遷移時刻を検出する時刻検出手段と、前記検出された遷移時刻に基づいて前記停止状態の停止期間を算出する停止期間算出手段と、前記算出された停止期間に基づいて前記位置検出手段を駆動させ、前記移動状態から前記停止状態に遷移した際の前記自機の現在位置を検出させて当該サーバ装置に送信させる検出制御手段と、前記受信した地点データに基づいて現実空間内における座標情報を有する場所データが予め記憶されている前記データベースを検索し、該当する座標情報を有する場所データに前記端末装置における識別情報を対応付けて当該データベースに記録する記録制御手段と、を備える構成を有している。
【0026】
この構成により、本発明のネットワークシステムは、例えば、停止期間が一定時間以上の場合に、または、停止期間が一定時間以下であっても短期間で移動状態及び移動状態を繰り返した場合に、位置検出手段を駆動させて自機の現在位置を取得させることができる。したがって、本発明のネットワークシステムは、一定時間毎に現在位置を検出する場合、または、移動状態から停止状態または停止状態から移動状態に状態が遷移する毎に現在位置を検出させる場合よりも、現在位置の検出回数を低減させることができるとともに、現在位置の検出回数が著しく減少することによって当該現在位置をデータベースに記録する記録回数においても低減することができる。この結果、本発明のネットワークシステムは、現在位置検出手段の駆動時間の低減、データベースを構築する記録媒体の駆動時間の低減、または、データベースとの通信回数の低減など、全体的な消費電力を低下させることができるとともに、予め自機を保持するユーザの移動パターンの登録を行うなど煩雑な操作を行う必要もなく、かつ、的確に自機が目的地として停止した位置を検出することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0027】
(9)上記課題を解決するため、本発明のサーバシステムは、現実空間内における自機の現在位置を検出する位置検出手段と、前記自機の移動及び停止を検出する移動停止検出手段と、を備える端末装置とネットワークを介して接続されるサーバシステムであって、前記端末装置と通信し、前記現在位置を地点データとして、及び、自機の移動及び停止を移動停止データとして受信する通信手段と、前記地点データ及び移動停止データを受信する受信手段と、前記通信手段を介して受信した移動停止データに基づいて、自機の移動状態及び停止状態を検出する状態検出手段と、前記検出された移動状態及び停止状態に基づいて、移動状態から停止状態及び停止状態から移動状態に状態が遷移する遷移時刻を検出する時刻検出手段と、前記検出された遷移時刻に基づいて前記停止状態の停止期間を算出する停止期間算出手段と、前記算出された停止期間に基づいて前記位置検出手段を駆動させ、前記移動状態から前記停止状態に遷移した際の前記自機の現在位置を検出させて当該サーバシステムに送信させる検出制御手段と、前記受信した地点データに基づいて現実空間内における座標情報を有する場所データが予め記憶されている前記データベースを検索し、該当する座標情報を有する場所データに前記端末装置における識別情報を対応付けて当該データベースに記録する記録制御手段と、を備える構成を有している。
【0028】
この構成により、本発明のサーバシステムは、例えば、停止期間が一定時間以上の場合に、または、停止期間が一定時間以下であっても短期間で移動状態及び移動状態を繰り返した場合に、位置検出手段を駆動させて自機の現在位置を取得させることができる。したがって、本発明のサーバシステムは、一定時間毎に現在位置を検出する場合、または、移動状態から停止状態または停止状態から移動状態に状態が遷移する毎に現在位置を検出させる場合よりも、現在位置の検出回数を低減させることができるとともに、現在位置の検出回数が著しく減少することによって当該現在位置をデータベースに記録する記録回数においても低減することができる。この結果、本発明のサーバシステムは、現在位置検出手段の駆動時間の低減、データベースを構築する記録媒体の駆動時間の低減、または、データベースとの通信回数の低減など、全体的な消費電力を低下させることができるとともに、予め自機を保持するユーザの移動パターンの登録を行うなど煩雑な操作を行う必要もなく、かつ、的確に自機が目的地として停止した位置を検出することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の携帯用端末装置、地点登録プログラム、ネットワークシステム及びサーバシステムは、現在位置検出手段の駆動時間の低減、データベースを構築する記録媒体の駆動時間の低減、または、データベースとの通信回数の低減など、全体的な消費電力を低下させることができるとともに、予め自機を保持するユーザの移動パターンの登録を行うなど煩雑な操作を行う必要もなく、かつ、的確に自機が目的地として停止した位置を検出することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態におけるネットワークシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】一実施形態における携帯用通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】一実施形態におけるデータベースに記憶される各種のデータ構造の一例である。
【図4】一実施形態の携帯用通信端末装置における第1現在位置検出/記録制御処理の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図5】一実施形態の携帯用通信端末装置における第1現在位置検出/記録制御処理の動作を示すフローチャート(その2)である。
【図6】一実施形態の携帯用通信端末装置における第2現在位置検出/記録制御処理の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図7】一実施形態の携帯用通信端末装置における第2現在位置検出/記録制御処理の動作を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、携帯用通信端末装置とサーバ装置とを有するネットワークシステムに対し、本発明に係る携帯用端末装置、現在位置記録制御プログラム、ネットワークシステム及びサーバシステムを適用した場合の実施形態である。また、以下の説明においては、携帯用通信端末装置において、自機の停止状態が自機の移動に伴って停止している状態を「停留状態」といい、自機の停止状態が移動の結果に基づいて到達する目的地として滞留している状態を「滞留状態」という。
【0032】
[ネットワークシステム]
まず、図1を用いて本実施形態のネットワークシステム10の概要について説明する。なお、図1は、本実施形態におけるネットワークシステム10の構成を示す構成図である。
【0033】
本実施形態のネットワークシステム10は、図1に示すように、複数の携帯用通信端末装置100と、データベース60を有し、各携帯用通信端末装置100の現実空間内の位置をログとしてそれぞれ記録するための種々の制御を行うサーバ装置50と、を有している。そして、ネットワークシステム10内の複数の携帯用通信端末装置100とサーバ装置50とは、基地局BSを介して間接的に、または、直接的に、インターネット上において提供されるWorld Wide Web システムなどのネットワークNによってそれぞれ接続できるようになっている。
【0034】
サーバ装置50は、携帯用通信端末装置100の要求に基づいて当該携帯用通信端末装置100との通信回線を確立し、データベース60に各携帯用通信端末装置100から送信された滞留状態として判定された地点のデータ(以下、「滞留地点データ」という。)を受信する。そして、サーバ装置50は、受信した滞留地点データを、名称その他の情報を有する場所データに対応付けてデータベース60に記録する構成を有している。
【0035】
各携帯用通信端末装置100は、自機の停止状態(すなわち、自機が保持されたユーザの現実空間内の移動が停止した状態)、及び、自機の移動状態(すなわち、ユーザが自ら現実空間内を移動している状態)を検出する。また、各携帯用通信端末装置100は、検出された移動状態及び停止状態に基づいて、移動状態から停止状態及び停止状態から移動状態に状態が遷移する遷移時刻を検出し、検出された遷移時刻に基づいて停止状態の期間(以下、「停止期間」という。)、及び移動状態の期間(以下、「移動期間」という。)を算出する。また、各携帯用通信端末装置100は、算出された停止期間に基づいて、移動状態から前記停止状態に遷移した際の自機の現在位置を検出させる。すなわち、各携帯用通信端末装置100は、停止期間が一定期間以上の場合には、移動状態から停止状態に遷移した際の自機の現在位置を検出する。
【0036】
特に、各携帯用通信端末装置100は、移動状態から停止状態に遷移した際の時刻(以下、「停止開始時刻」という。)及び停止状態から移動状態に遷移した際の時刻(以下、「停止終了時刻」という。)を検出しつつ、停止終了時刻を検出した場合に、直前に検出した停止開始時刻から当該停止終了時刻までの期間を停止期間として算出する。そして、各携帯用通信端末装置100は、停止期間が一定期間以上である場合に、移動状態から停止状態に遷移した際の自機の現在位置を検出する。
【0037】
また、各携帯用通信端末装置100は、現在位置を検出すると、検出した現在位置(以下、単に「現在位置」という。)と前回に現在位置として既に検出した位置(以下、「前回取得位置」または「前回検出位置」という。)が同一の地点または所定の範囲内(例えば、半径100m以内)の場合には、自機の停止状態が当該地点で滞留状態であると判定する。その一方、各携帯用通信端末装置100は、自機の停止期間が一定期間より短時間の場合、または、当該停止期間が一定期間以上であっても、現在位置と前回取得位置が異なる場合には、自機の停止状態が停留状態であると判定する。そして、各携帯用通信端末装置100は、滞留状態と判定した場合に、検出した現在位置を滞留地点としてサーバ装置を介してデータベースに記録する。
【0038】
例えば、ユーザがレストランで食事をした場合などユーザの移動停止が当該停止された地点で一定期間継続している場合には、ユーザが検出した現在位置で所定の目的を達成するために滞留していると推定することができる。そこで、各携帯用通信端末装置100は、同一の地点における長期間の移動停止を滞留として判定するために、その判定基準となる停止期間を算出するようになっている。
【0039】
一方、例えば、ユーザが電車、タクシー、バスまたは飛行機などの公共交通機関または自家用車を用いて移動した場合には、各携帯用通信端末装置100においては停止状態と判定され、移動状態とは判定されない。しかしながら、この停止状態は、目的地に到達したために停止しているのではなく、目的地に移動するために停止しているだけである。そこで、各携帯用通信端末装置100は、長期間における停止状態であっても現在位置と前回取得位置が異なる場合には、滞留状態と判定せずに、停留状態と判定するようになっている。
【0040】
他方、各携帯用通信端末装置100は、停留状態の回数をカウントするとともに、カウンタが所定の回数になった場合には、判定された停留状態を滞留状態と判定する。また、各携帯用通信端末装置100は、前回の停止終了時刻から当該停止状態における停止開始時刻までの期間を移動期間として算出し、当該算出された移動期間が一定期間以上の場合には、カウントした回数をリセットする。
【0041】
例えば、神社、仏閣遊戯施設またはテーマパークなどの広大な敷地にユーザが来訪する地点が点在する場合には、同一の地点に長期間に渡って移動停止するよりも、敷地内の様々の地点において短期間の移動とその停止が連続的に行われる。したがって、一定期間以上の停止状態でなければ、滞留状態であると判定されないので、これらの目的地においては、現在位置が検出されず、登録もなされない場合も生ずる。そこで、各携帯用通信端末装置100は、同一の地点に長期間における移動停止が行われていない場合であっても、短期間の移動とその停止が繰り返された場合には、その場所に滞留していると判定するために、停留状態をカウントしつつ、当該カウント回数が一定数に到達した場合に、滞留状態と判定するようになっている。ただし、移動期間が長期間になった場合には、もはやこれらの目的地内を移動しているとは想定できないので、滞留状態のカウント回数をリセットするようになっている。
【0042】
このような構成により、本実施形態のネットワークシステム10及び各携帯用通信端末装置100は、一定時間毎に現在位置を検出する場合、または、移動状態から停止状態または停止状態から移動状態に状態が遷移する毎に現在位置を検出させる場合よりも、現在位置の検出回数を低減させることができるとともに、現在位置の検出回数が著しく減少することによって当該現在位置をデータベースに記録する記録回数においても低減することができるようになっている。
【0043】
したがって、本実施形態のネットワークシステム10及び各携帯用通信端末装置100は、現在位置検出手段の駆動時間の低減、データベースを構築する記録媒体の駆動時間の低減、または、データベースとの通信回数の低減など、全体的な消費電力を低下させることができるとともに、予め自機を保持するユーザの移動パターンの登録を行うなど煩雑な操作を行う必要もなく、かつ、的確に自機が目的地として停止した位置を検出することができるので、ユーザの利便性を向上させることができるようになっている。
【0044】
[携帯用通信端末装置]
(1)携帯用通信端末装置の概要
次に、図2を用いて本実施形態の各携帯用通信端末装置100の概要について説明する。なお、図2は、本実施形態の各携帯用通信端末装置100の構成を示すブロック図である。
【0045】
各携帯用通信端末装置100は、例えば、携帯用電話機、電子書籍用読取再生装置(電子ブックリーダ)、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯用電話機または携帯タブレット型通信端末装置などの携帯可能な通信端末装置である。
【0046】
具体的には、各携帯用通信端末装置100は、サーバ装置50と通信を行う通信制御部110と、自機の現在位置を検出する現在位置検出部120と、自機の移動状態または停止状態を判定するために用いる移動停止検出部130と、を有している。そして、各携帯用通信端末装置100は、所定の画像表示領域を有する表示部150と、表示部150における種々の表示を制御する表示制御部140と、現在時刻を認識する時計機能を備え、各種の時間計測に用いるタイマ160と、を有している。さらに、各携帯用通信端末装置100は、ユーザの操作を入力するための操作部170と、全体を制御する端末管理制御部180と、各種のプログラムが記録されているとともに各プログラムが実行される際にワークエリアとして用いられるROM/RAM190と、を有している。
【0047】
また、各携帯用通信端末装置100は、通信制御部110、現在位置検出部120、移動停止検出部130、表示部150及びタイマ160の各ハードウェアと協働し、自機の現在位置の検出を制御して当該現在位置を滞留地点としてデータベース60に記録するためのプログラム(以下、「現在位置検出/記録制御プログラム」という。)を実行するためのデータ処理部200を有している。特に、このデータ処理部200は、現在位置検出/記録制御プログラムによって実行される処理(以下、「現在位置検出/記録制御処理」という。)として、
(A)移動停止検出部130の出力に基づいて自機の状態を判定する状態判定処理、
(B)自機の停止状態から移動状態への状態遷移、及び、移動状態から停止状態への状態遷移を検出するとともに、タイマ160と連動して状態遷移時の時刻を検出し、自機の停止開始時刻及び停止終了時刻を検出する検出処理(以下、「状態検出及び時刻検出処理」という。)、
(C)検出された停止開始時刻及び停止終了時刻に基づいて自機の停止期間及び移動期間を算出する算出処理、
(D)自機の停止期間が一定期間以上の場合に、または、後述の処理において、自機の停留状態が滞留状態と判定された場合に、現在位置検出部120に現在位置を検出させる検出制御処理、
(E)検出された現在位置が前回取得位置と同一または所定の範囲内か否かに基づいて、自機の停止状態が滞留状態か停留状態かを判定するとともに、後述するカウント処理によって所定の条件が具備した場合に前記停留状態を滞留状態であると判定する滞留判定処理と、
(F)停留状態の回数をカウントするとともに、自機の移動期間に基づいて当該カウント数のリセットを実行するカウント処理
(G)滞留状態と判定された際に、検出された現在位置を滞留地点データとしてデータベース60に記録する記録制御処理
を実行する。
【0048】
なお、例えば、本実施形態の通信制御部110は、本発明の通信手段を構成し、現在位置検出部120は、本発明の位置検出手段を構成する。また、例えば、本実施形態の移動停止検出部130は、本発明の移動停止検出手段または状態検出手段を構成し、データ処理部200は、本発明の時刻検出手段、状態検出手段、時刻検出手段、停止期間算出手段、移動期間算出手段、検出制御手段、判定手段及びカウンタを構成する。
【0049】
さらに、各携帯用通信端末装置100は、例えば、電話機能及び電子メールなどのメール機能を有する場合には、マイク、スピーカ及び電子メールの送受信機能など種々の必要な部材を有している。そして、上記の各部は、バスBによって互いに接続され、データの授受が実行される。
【0050】
(2)携帯用通信端末装置の構成
次に、上述の図2を用いて本実施形態の各携帯用通信端末装置100の構成について説明する。
【0051】
通信制御部110は、データ処理部200の制御の下、ネットワークNに接続される基地局BSを介してサーバ装置50と通信回線を構築し、滞留地点データをデータベース60に記録するための種々のデータの授受を行う。
【0052】
現在位置検出部120は、データ処理部200の制御の下、所定のタイミングにおいて、GPS(Global Positioning System)衛星から送信された衛星信号(GPS信号)を検出する。そして、現在位置検出部120は、検出したGPS信号に基づいて自機の現在位置の座標値(例えば、緯度及び経度)を算出(すなわち、検出)し、データ処理部200に提供する。
【0053】
具体的には、現在位置検出部120は、データ処理部200の制御の下、自機の現在位置の緯度及び経度の座標値を検出する。そして、この現在位置検出部120は、この検出された座標値をデータ処理部200に提供する。ただし、各携帯用端末装置が、電話機能を有している場合には、電話に用いる電波を電話基地局において受信した方角と電波強度に基づいて自機の現在位置を算出(検出)してもよい。
【0054】
移動停止検出部130は、自機の振動を検出する加速度センサから形成されており、自機が振動している場合には、すなわち、自機が保持されたユーザが移動状態である場合には、所定のレベルの信号(以下、「出力信号」ともいう。)をデータ処理部200に出力する。例えば、移動停止検出部130は、30秒毎に10秒間動作し、当該動作時に移動状態の場合には、所定のレベルの信号を出力する。
【0055】
なお、移動停止検出部130は、振動センサである必要はなく、自機の移動及び停止を検出することができるものであればよい。また、データ処理部200は、所定の信号レベルの信号を受信した場合に、自機が移動状態であると判定し、当該信号を受信していない場合または当該信号を受信しているものの所定の信号レベルより低い場合には、自機が停止状態であると判定する。
【0056】
データ処理部200は、現在位置検出/記録制御プログラムによって実行される現在位置検出/記録制御処理を実現するようになっている。例えば、データ処理部200は、ROM/RAM190に記録された現在位置検出/記録制御プログラムを実行しつつ、携帯用通信端末装置100の各部を連動して上述の現在位置検出/記録制御処理における各種の処理を実行する。
【0057】
具体的には、データ処理部200は、現在位置検出/記録制御プログラムを起動することによって、図2に示すように、状態判定及び時刻検出処理を実行する状態判定部210と、算出処理を実行する算出処理部230と、検出制御処理を実行する検出制御部220と、滞留判定処理を実行する滞留判定処理部240と、カウント処理を実行するカウント処理部250と、記録制御処理を実行する記録制御部処理部260と、を構築する。
【0058】
なお、例えば、本実施形態の状態判定部210は、本発明の状態検出及び時刻検出手段を構成し、検出制御部220は、本発明の検出制御手段を構成する。また、例えば、本実施形態の算出処理部230は、本発明の停止期間算出手段及び移動期間算出手段を構成し、滞留判定処理部240は、本発明の判定手段を構成する。さらに、例えば、本実施形態のカウント処理部250は、本発明の判定手段及びカウンタを構成し、記録制御処理部260は、本発明の記録制御手段を構成する。
【0059】
表示部150は、所定のサイズの画像表示領域を有し、例えば、液晶素子またはEL(Electro Luminescence)素子のパネルによって構成され、表示制御部140において生成された表示データに基づいて所定の画像を表示するようになっている。
【0060】
表示制御部140は、端末管理制御部180の制御の下またはデータ処理部200の制御の下、表示部150に所定の画像を描画させるために必要な表示データを生成するようになっており、生成された表示データを当該表示部150に出力するようになっている。
【0061】
タイマ160は、ネットワークNを介して図示しない時刻調整用のサーバ装置50と連動して現在時刻の管理を行う。また、タイマ160は、データ処理部200からの要求に基づいて要求された際の現在時刻をデータとしてデータ処理部200に提供する。
【0062】
操作部170は、各種の確認ボタン、各操作指令を入力する操作ボタン、テンキーなどの多数のキー及び表示部150上に形成されたタッチセンサにより構成され、各操作を行う際に用いられるようになっている。具体的には、操作部170は、現在位置検出/記録制御プログラムを起動する際または終了する際に用いられるようになっている。
【0063】
端末管理制御部180は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成されるとともに、キー入力ポート、表示制御ポート等の各種入出力ポートを含み、携帯用通信端末装置100の全般的な機能及び現在位置検出/記録制御プログラムを実行するための全般的な機能を総括的に制御するようになっている。
【0064】
ROM/RAM190には、メモリ機能を有し、携帯用通信端末装置100として機能するための各種の制御プログラムが記録されている。また、このROM/RAM190は、現在位置検出/記録制御プログラムが記録されているとともに、各種の処理が実行される際のワークエリアとして用いられる。
【0065】
(3)データ処理部の詳細
次に、上述の図2を用いて本実施形態のデータ処理部200の構成について説明する。
【0066】
状態判定部210は、移動停止検出部130から出力された信号を受信し、所定のレベル以上の出力信号を受信した場合に、自機が移動状態であると判定する。また、状態判定部210は、出力信号を受信していない場合に、または、所定のレベルより低い出力信号を受信している場合には、自機が停止状態であると判定する。
【0067】
特に、状態判定部210は、受信した出力信号に基づいて停止状態及び移動状態を検出するとともに、停止状態から移動状態に状態遷移したとき(すなわち、自機を保持するユーザが移動を開始したとき)、及び、自機が停止状態から移動状態に状態遷移したとき(すなわち、自機を保持するユーザが停止したとき)を、検出する。
【0068】
また、状態判定部210は、タイマ160と連動しつつ、自機が停止状態から移動状態に状態遷移したとき(以下、「停止−移動変化」ともいう。)の時刻(停止終了時刻)と、自機が停止状態から移動状態に状態遷移したとき(以下、「移動−停止変化」ともいう。)の時刻(停止開始時刻)と検出し、それぞれ算出処理部230に提供する。なお、状態判定部210は、検出した停止開始時刻及び停止終了時刻をそれぞれROM/RAM190に記憶する。
【0069】
算出処理部230は、状態判定部210と連動しつつ、当該状態判定部210によって提供された、または、ROM/RAM190に記憶された停止開始時刻及び停止終了時刻に基づいて自機の停止期間及び移動期間を算出する。具体的には、算出処理部230は、状態判定部210によって停止−移動変化が検出された場合には、状態判定部210によって提供された停止終了時刻から、ROM/RAM190に記憶されている当該停止状態の開始時における停止開始時刻を減算して停止期間を算出し、当該停止期間をROM/RAM190に記憶する。
【0070】
また、算出処理部230は、状態判定部210によって移動−停止変化が検出された場合には、ROM/RAM190に記憶されている前回の停止状態の終了時における停止終了時刻から、状態判定部210によって提供された停止開始時刻を減算して移動期間を算出し、当該移動期間をROM/RAM190に記憶する。
【0071】
検出制御部220は、算出処理部230から提供された停止期間に基づいて現在位置検出部120に自機の現在位置を検出させる。具体的には、検出制御部220は、算出処理部230によって算出された停止期間と予め設定された設定期間とを比較し、停止期間が設定期間以上であると判定した場合に、現在位置検出部120を駆動し、当該現在位置検出部120に現在位置を検出させるとともに、当該検出させた現在位置をROM/RAM190に記憶する。
【0072】
また、検出制御部220は、滞留判定処理部240の処理において繰り返しの停留状態が滞留状態であると判定された場合に、現在位置検出部120を駆動し、当該現在位置検出部120に現在位置を検出させるとともに、当該検出させた現在位置をROM/RAM190に記憶する。
【0073】
滞留判定処理部240は、検出制御部220の制御により検出させた現在位置と、前回に検出された現在位置であってROM/RAM190に既に記憶されている前回取得位置と、に基づいて自機の停止状態が停留状態であるか滞留状態であるかを判定する。
【0074】
具体的には、滞留判定処理部240は、検出させた現在位置と現在取得位置とが同一、または、予め定められた範囲内か否かを判定し、検出させた現在位置と現在取得位置とが同一、または、予め定められた範囲内の場合には、ユーザが当該地点に滞留した滞留状態であると判定する。そして、滞留判定処理部240は、滞留状態と判定する。
【0075】
また、滞留判定処理部240は、上記の判定により、停止期間が一定期間より短時間であると判定した場合には、または、滞留状態でないと判定した場合(すなわち、停留状態であると判定した場合)には、カウント処理部250のカウント回数をチェックし、停留回数が一定回数以上か否かを判定する。そして、滞留判定処理部240は、当該停留回数が一定回数以上と判定された場合には、繰り返しの停留状態を滞留状態であると判定する。
【0076】
カウント処理部250は、検出制御部220によって停止期間が一定期間より短時間であると判定された場合に、または、滞留判定処理部240における判定結果が停留状態の場合に、自機の停留状態のカウントを行う。すなわち、カウント処理部250は、ユーザが最低滞留期間内の停止状態である場合に、または、停留状態の場合に、カウント回数を「+1」増加させる。また、カウント処理部250は、算出処理部230によって算出された移動期間を受け取り、当該移動期間が一定期間以上の場合には、カウンタ回数をリセットする。
【0077】
記録制御処理部260は、滞留判定処理部240によって滞留状態と判定された場合に、通信制御部110と連動し、サーバ装置50との通信回線を確立しつつ、データベース60に該当する滞留地点データを記憶する。
【0078】
[サーバ装置]
次に、図3を用いて本実施形態のサーバ装置50について説明する。なお、図3は、本実施形態のデータベース60に記憶される各種のデータ構造の一例である。
【0079】
サーバ装置50は、データベース60を有し、主にCPU、ROM、RAM及びハードディスクによって構成され、携帯用通信端末装置100との間においてデータの授受を行うための通信、データベース60の管理、並びに、場所データの管理を行う。例えば、ROMには、各機能を実行するための制御情報が記録されるとともに、ハードディスクには、制御プログラムまたはOS(Operating System)などの各種プログラムが記録されている。また、CPUは、ハードディスクに記録されたプログラムを実行することにより、上述の各種の機能を実現し、RAMは、ワークエリアとして用いられる。
【0080】
データベース60には、滞留地点に対応付けられる場所データ及びユーザデータが予め記憶されているとともに、該当する携帯用通信端末装置100から送信された滞留地点データを受信すると、ユーザID(すなわち、携帯用通信端末装置における識別情報)及び場所IDと対応付けたデータを登録データとして記憶する。
【0081】
例えば、データベース60には、図3(a)に示すように、滞留地点に対応付けられる場所データが予め記憶されている。各場所データには、場所データ毎に、場所ID、場所名、緯度、経度及び登録日が含まれる。また、サーバ装置50には、図3(b)に示すように、予め登録されたユーザデータが記録されている。各ユーザデータには、ユーザID、ユーザ名並びに年齢、性別及び登録日などの属性情報が含まれる。さらに、データベース60には、図3(c)に示すように、該当する場所データにおける場所IDとユーザID(すなわち、携帯用通信端末装置における識別情報)を対応付けた登録データが順次記憶される。
【0082】
このような構成を有することによって、サーバ装置50は、各携帯用通信端末装置100からの滞留地点データの記録要求を受信した際に、当該携帯用通信端末装置100の通信回線を確立してユーザID(すなわち、携帯用通信端末装置における識別情報)を特定するとともに、受信した滞留地点データの座標値から最も近接する場所データまたは予め定められた範囲内にある位置情報(すなわち、緯度及び経度)の場所データをデータベース内から検索し、該当する場所データにおける場所IDとユーザIDとに基づいて登録データをデータベース60に記憶するようになっている。
【0083】
[第1現在位置検出/記録制御処理]
次に、図4及び図5を用いて各携帯用通信端末装置100によって実行される現在位置検出/記録制御処理であって、上述のカウント処理を省略した簡易の処理(以下、「第1現在位置検出/記録制御処理」という。)について説明する。
【0084】
なお、図4は、第1現在位置検出/記録制御処理の動作を示すフローチャート(その1)であり、図5は、当該第1現在位置検出/記録制御処理の動作を示すフローチャート(その2)である。
【0085】
本動作においては、当該動作の起動操作時にカウント処理を含む第2現在位置検出/記録制御処理と切り替えて実行するようになっている。そして、本動作においては、携帯用通信端末装置100の電源は既に投入されているものとし、データベース60には、自機に対応する滞留地点データを記録するための領域が確保されているものとする。
【0086】
まず、端末管理制御部180は、操作部170の第1現在位置検出/記録制御処理の開始指示が検出されると(ステップS100)、第1現在位置検出/記録制御処理を実行するための現在位置検出/記録制御プログラムを実行し、ROM/RAM190におけるワークエリアの確保及び記録すべき各情報のリセットなど初期化処理を実行する(ステップS101)。
【0087】
このとき、データ処理部200は、状態判定部210、検出制御部220、算出処理部230、滞留判定処理部240、カウント処理部250及び記録制御処理部260の各部を構築する。また、状態判定部210は、タイマ160から現在時刻を停止開始時刻として取得してROM/RAM190に記憶する。
【0088】
次いで、状態判定部210は、移動停止検出部130から出力された出力信号に基づいて自機が移動状態に遷移したか否かを判定する(ステップS102)。このとき、状態判定部210が移動状態に遷移していないと判定した場合に、所定の時間(例えば、30秒)待機し(ステップS103)、ステップS102の処理に戻る。一方、状態判定部210は、ステップS103の処理において移動状態に遷移したと判定すると、タイマ160と連動して当該検出時の時刻を停止終了時刻として検出する(ステップS104)。なお、状態判定部210は、停止終了時刻をROM/RAM190に記憶する。
【0089】
次いで、算出処理部230は、直前の停止開始時刻(すなわち、ROM/RAM190に記憶されている停止開始時刻)からステップS105の処理によって検出された停止終了時刻を減算し、その結果を停止期間としてROM/RAM190に記憶する(ステップS105)。
【0090】
次いで、検出制御部220は、ステップS105の処理によって算出された停止期間と予め設定された最低滞留期間(例えば、「5分」)とを比較して停止期間が最低滞留期間以上か否かを判定する(ステップS106)。このとき、滞留判定処理部240は、停止期間が最低滞留期間以上であると判定した場合には、ステップS107の処理に移行し、停止期間が最低滞留期間より短期間であると判定した場合には、ステップS109の処理に移行する。
【0091】
次いで、検出制御部220は、ステップS106の処理において、停止期間が最低滞留期間以上であると判定した場合には、現在位置検出部120に自機の現在位置(すなわち、座標値)を検出(取得)させてその情報をROM/RAM190に記憶する(ステップS107)。このとき、検出制御部220は、既にROM/RAM190に記憶されている現在位置の情報を前回取得位置として更新記録する。
【0092】
次いで、滞留判定処理部240は、ステップS107の処理で取得された現在位置とROM/RAM190に既に記憶されている前回取得位置とが同一(または所定の範囲内)の座標値であるか否かを判定する(ステップS108)。このとき、滞留判定処理部240は、現在位置と前回取得位置とが同一(または所定の範囲内)の座標値でないと判定した場合には、ステップS109の処理に移行し、現在位置と前回取得位置とが同一(または所定の範囲内)の座標値であると判定した場合には、ステップS110の処理に移行する。
【0093】
次いで、滞留判定処理部240は、ステップS108の処理において、検出制御部220によって在位置と前回取得位置とが同一(または所定の範囲内)の座標値であると判定された場合には、停止状態を滞留状態と判定し(ステップS110)、通信制御部110を介してサーバ装置50と通信回線を接続しつつ、ユーザIDとともに取得した現在位置の情報(滞留地点データ)を滞留地点としてデータベース60に記録する(ステップS111)。なお、データベース60には、受信した滞留地点データに基づいて場所IDとユーザIDを対応付けた登録データが記憶される。
【0094】
また、滞留判定処理部240は、ステップS106の処理において、停止期間が最低滞留期間以上であると判定した場合には、または、ステップS108の処理において、現在位置と前回取得位置とが同一(または所定の範囲内)の座標値でないと判定した場合には、停止状態を停留状態と判定し(ステップS109)、ステップS112の処理に移行する。
【0095】
次いで、状態判定部210は、移動停止検出部130から出力された出力信号に基づいて自機が停止状態に遷移した判定する(ステップS112)。このとき、状態判定部210は、停止状態に遷移していないと判定した場合に、所定の時間(例えば、30秒)待機し(ステップS113)、ステップS112の処理に戻る。一方、状態判定部210は、ステップS112の処理において停止状態に遷移したと判定すると、タイマ160と連動して当該検出時の時刻を停止開始時刻として検出する(ステップS114)。なお、状態判定部210は、停止開始時刻をROM/RAM190に記憶する。
【0096】
最後に、端末管理制御部180は、操作部170によって第1現在位置検出/記録制御処理の終了指示が検出されている否かを判断し(ステップS115)、当該終了指示が検出されていない場合には、ステップS102の処理に移行し、当該終了指示が検出されている場合には、終了処理を実行して(ステップS116)本動作を終了させる。なお、本動作の実行中に操作部170を介して当該プログラムの終了が検出された場合には、端末管理制御部180は、そのフラグをROM/RAM190に記憶するとともに、ステップS115の処理においてそのフラグを確認する処理を実行して終了指示が検出されているか否かを判断する。
【0097】
例えば、ユーザが地点Aにおいて本動作を開始させるとともに、地点Aから駅Bへ徒歩移動しつつ、駅Bから駅Cへ電車移動し、目的地(飲食店)Dで1時間かけて食事をした後に自宅Eに帰宅するルートにおいて、第1現在位置検出/記録制御処理を実行する場合には、以下のような動作となる。
【0098】
(A)ユーザが地点Aから駅Bに向かって徒歩移動を開始した場合、駅Cから目的地Dに向かって徒歩移動を開始した場合、及び、目的地Dから自宅Eに向かって徒歩移動を開始した場合には、自機が停止状態から移動状態に遷移したことが検出される。
【0099】
(B)地点Aから駅Bまで、駅Cから目的地Dまで、及び、目的地Dから自宅Eまでの経路におけるユーザの徒歩移動中においては、自機の移動状態が検出される。
【0100】
(C)地点Aから駅Bまで、駅Cから目的地Dまで、及び、目的地Dから自宅Eまでの経路において信号などによって停止された場合には、最低滞留期間(例えば、30分)を超えないので、全ての停止状態は、停留状態と判定され、現在位置検出部120が動作せず動作停止状態が維持される。なお、現在位置検出部120が動作しないので、各停止地点もデータベース60に登録されず、そのための通信動作も発生しない。
【0101】
(D)駅Bから駅Cまでの経路においては、最低滞留期間を超えた停止状態であっても、駅Bにおいて取得された現在位置と駅Cにおいて取得された現在位置が同一(または所定の範囲内)とならない。すなわち、この停止状態であっては、駅Bにおいても駅Cにおいても、現在位置検出部120が動作して現在位置を取得することになるが、当該取得した現在位置と既にROM/RAM190に記憶された現在位置(前回取得位置)が同一とならないので、当該現在位置は、停留地点と判断される。このため、取得した現在位置は、データベース60に登録されず、そのための通信動作も発生しない。
【0102】
(E)目的地Dにおいては、1時間かけて食事をしているため、最低滞留期間を超えていることになる。したがって、当該目的地Dにおける停止状態は滞留状態と判定されて当該地点は滞留地点としてデータベース60に記憶される。
【0103】
[第2現在位置検出/記録制御処理]
次に、図6及び図7を用いて各携帯用通信端末装置100によって実行される現在位置検出/記録制御処理であって、上述のカウント処理を含む処理(以下、「第2現在位置検出/記録制御処理」という。)について説明する。
【0104】
なお、図6は、第2現在位置検出/記録制御処理の動作を示すフローチャート(その1)であり、図7は、当該第2現在位置検出/記録制御処理の動作を示すフローチャート(その2)である。
【0105】
本動作においては、当該動作の起動操作時にカウント処理を省略した第1現在位置検出/記録制御処理と切り替えて実行するようになっている。そして、本動作においては、携帯用通信端末装置100の電源は既に投入されているものとし、データベース60には、自機に対応する滞留地点データを記録するための領域が確保されているものとする。
【0106】
まず、端末管理制御部180は、操作部170の第2現在位置検出/記録制御処理の開始指示が検出されると(ステップS200)、第2現在位置検出/記録制御処理を実行するための現在位置検出/記録制御プログラムを実行し、第1現在位置検出/記録制御処理と同様に、ROM/RAM190におけるワークエリアの確保及び記録すべき各情報のリセットなど初期化処理を実行する(ステップS201)。
【0107】
このとき、データ処理部200は、状態判定部210、検出制御部220、算出処理部230、滞留判定処理部240、カウント処理部250及び記録制御処理部260の各部を構築する。また、状態判定部210は、タイマ160から現在時刻を停止開始時刻として取得してROM/RAM190に記憶する。
【0108】
次いで、状態判定部210は、移動停止検出部130から出力された出力信号に基づいて自機が移動状態に遷移したか否かを判定する(ステップS202)。このとき、状態判定部210は、移動状態に遷移していないと判定した場合に、所定の時間(例えば、30秒)待機し(ステップS203)、ステップS202の処理に戻る。一方、状態判定部210は、ステップS203の処理において移動状態に遷移したと判定すると、タイマ160と連動して当該検出時の時刻を停止終了時刻として検出する(ステップS204)。なお、状態判定部210は、停止終了時刻をROM/RAM190に記憶する。
【0109】
次いで、算出処理部230は、直前の停止開始時刻(すなわち、ROM/RAM190に記憶されている停止開始時刻)からステップS205の処理によって検出された停止終了時刻を減算し、その結果を停止期間としてROM/RAM190に記憶する(ステップS205)。
【0110】
次いで、検出制御部220は、ステップS205の処理によって算出された停止期間と予め設定された最低滞留期間(例えば、「5分」)とを比較して停止期間が最低滞留期間より小さいか否かを判定する(ステップS206)。このとき、検出制御部220は、停止期間が最低滞留期間以上であると判定した場合には、ステップS207の処理に移行し、停止期間が最低滞留期間より短期間であると判定した場合には、ステップS209の処理に移行する。
【0111】
次いで、検出制御部220は、ステップS206の処理において、停止期間が最低滞留期間以上であると判定した場合には、現在位置検出部120に自機の現在位置(すなわち、座標値)を検出(取得)させてその情報をROM/RAM190に記憶する(ステップS207)。このとき、検出制御部220は、既にROM/RAM190に記憶されている現在位置の情報を前回取得位置として更新記録する。
【0112】
次いで、滞留判定処理部240は、ステップS207の処理で取得された現在位置とROM/RAM190に既に記憶されている前回取得位置とが同一(または所定の範囲内)の座標値であるか否かを判定する(ステップS208)。このとき、滞留判定処理部240は、現在位置と前回取得位置とが同一(または所定の範囲内)の座標値でないと判定した場合には、ステップS209の処理に移行し、現在位置と前回取得位置とが同一(または所定の範囲内)の座標値であると判定した場合には、ステップS214の処理に移行する。
【0113】
滞留判定処理部240は、ステップS206の処理において、検出制御部220によって、停止期間が最低滞留期間以上でないと判定した場合には、または、ステップS208の処理において、現在位置と前回取得位置とが同一(または所定の範囲内)の座標値でないと判定した場合には、停止状態を停留状態と判定する(ステップS209)。
【0114】
次いで、滞留判定処理部240は、停止状態が停留状態と判定すると、カウント処理部250は、カウンタ回数に「1」を加算する(ステップS210)。
【0115】
次いで、滞留判定処理部240は、カウンタ回数が「3」以上であるか否かを判定する(ステップS211)。このとき、滞留判定処理部240は、カウンタ回数が「3」以上であると判定した場合には、ステップS212の処理に移行し、カウンタ回数が「3」より小さいと判定した場合には、ステップS216の処理に移行する。
【0116】
次いで、滞留判定処理部240は、ステップS211の処理において、当該カウンタ回数が「3」以上であると判定した場合には、自機における複数回の停止状態の繰り返しが滞留状態であると判定する(ステップS212)。なお、このとき、カウント処理部250は、カウンタ回数をリセットする。
【0117】
次いで、検出制御部220は、現在位置検出部120に自機の現在位置(すなわち、座標値)を検出(取得)させてその情報をROM/RAM190に記憶する(ステップS213)。このとき、検出制御部220は、既にROM/RAM190に記憶されている現在位置の情報を前回取得位置として更新記録する。
【0118】
次いで、滞留判定処理部240が、ステップS208の処理において、現在位置と前回取得位置とが同一(または所定の範囲内)の座標値であると判定した場合には、または、検出制御部220が、ステップS213の処理において、自機の現在位置を取得した場合、滞留判定処理部240は、停止状態を滞留状態と判定し(ステップS214)、通信制御部110を介してサーバ装置50と通信回線を接続しつつ、ユーザIDとともに現在位置の情報(滞留地点データ)を滞留地点としてデータベース60に記録する(ステップS215)。なお、データベース60には、受信した滞留地点データに基づいて場所IDとユーザIDを対応付けた登録データが記憶される。
【0119】
次いで、状態判定部210は、移動停止検出部130から出力された出力信号に基づいて自機が停止状態に遷移したか否か判定する(ステップS216)。このとき、状態判定部210は、停止状態に遷移していないと判定した場合に、所定の時間(例えば、30秒)待機し(ステップS217)、ステップS216の処理に戻る。一方、状態判定部210は、ステップS216の処理において停止状態に遷移したと判定すると、検出制御部220は、タイマ160と連動して当該検出時の時刻を停止開始時刻として検出する(ステップS218)。なお、状態判定部210は、停止開始時刻をROM/RAM190に記憶する。
【0120】
次いで、算出処理部230は、前回の停止期間における停止終了時刻(すなわち、ROM/RAM190に記憶されている停止終了時刻)からステップS215の処理によって検出された停止開始時刻を減算し、その結果を移動期間としてROM/RAM190に記憶する(ステップS219)。
【0121】
次いで、滞留判定処理部240は、ステップS219の処理によって算出された移動期間と予め設定された最低移動期間(例えば、「30分」)とを比較して移動期間が最低移動期間より大きいか否かを判定する(ステップS220)。このとき、滞留判定処理部240は、移動期間が最低移動期間より大きいと判定した場合には、ステップS221の処理に移行し、移動期間が最低移動期間以下であると判定した場合には、ステップS224の処理に移行する。
【0122】
次いで、カウント処理部250は、ステップS220の処理において、移動期間が最低移動期間より大きいと判定した場合には、カウンタ回数をリセットして「0」に戻し(ステップS221)、ステップS224の処理に移行する。
【0123】
最後に、端末管理制御部180は、操作部170によって第2現在位置検出/記録制御処理の終了指示が検出されている否かを判断し(ステップS224)、当該終了指示が検出されていない場合には、ステップS202の処理に移行し、当該終了指示が検出されている場合には、本動作を終了させる。なお、第1現在位置検出/記録制御処理と同様に、本動作の実行中に操作部170を介して当該プログラムの終了が検出された場合には、端末管理制御部180は、そのフラグをROM/RAM190に記憶するとともに、ステップS222の処理においてそのフラグを確認する処理を実行して終了指示が検出されているか否かを判断する。
【0124】
例えば、ユーザが地点Oにおいて本動作を開始させるとともに、点Oから交差点横断歩道P及びQを通り、お寺R内で3箇所の観光スポットを15分ずつ観光し、自宅Sに帰宅するルートにおいて、第2現在位置検出/記録制御処理を実行する場合には、以下のような動作となる。
【0125】
(A)ユーザが地点Oからお寺Eに向かって徒歩移動を開始した場合、交差点横断歩道P及びQで一旦停止した後にお寺Eに向かって徒歩移動を開始した場合、お寺R内で一旦停止した各観光スポットから他の観光スポットまたは自宅Sに向かって徒歩移動を開始した場合には、自機が停止状態から移動状態に遷移したことが検出される。
【0126】
(B)地点Oから交差点横断歩道Pまで、交差点横断歩道PQ間、交差点横断歩道Qからお寺Eまで、お寺E内の各観光スポット間、及び、お寺Rの最後の観光スポットから自宅Sまでの経路におけるユーザの徒歩移動中においては、自機の移動状態が検出される。
【0127】
(C)交差点横断歩道P及びQ、並びに、お寺Rの各観光スポットでの停止状態はそれぞれ最低滞留期間(例えば、30分)を超えないので、全ての停止状態は、停留状態と判定され、現在位置検出部120が動作せずに動作停止状態が維持される。なお、現在位置検出部120が動作しないので、各停止地点もデータベース60に登録されず、そのための通信動作も発生しない。
【0128】
(D)交差点横断歩道Qからお寺Eの最初の観光スポットまでの移動期間は、最低移動期間より大きいので、当該最初の観光スポットに停止時にカウンタ回数はリセットされている。したがって、交差点横断歩道PQ間の移動期間が最低移動期間内であっても、すなわち、交差点横断歩道Qに停止した際にカウンタ回数が「1」であっても、カウンタ回数はリセットされてその回数は「0」となる。
【0129】
(E)お寺R内の各観光スポット間の移動期間が最低移動期間以下となると、お寺R内で3箇所の観光スポットを観光した後に、最終観光スポットから自宅Sに向かって移動を開始した際には、カウンタ回数が「3」となる。したがって、お寺R内における各停止状態は、最終的に滞留状態と判定され、当該地点(すなわち、お寺)は、滞留地点としてデータベース60に記憶される。
【0130】
以上、本実施形態のネットワークシステム10及び携帯用通信端末装置100は、一定時間毎に現在位置を検出する場合、または、移動状態から停止状態または停止状態から移動状態に状態が遷移する毎に現在位置を検出させる場合よりも、現在位置の検出回数を低減させることができるとともに、現在位置の検出回数が著しく減少することによって当該現在位置をデータベース60に記録する記録回数においても低減することができる。したがって、本実施形態のネットワークシステム10及び携帯用通信端末装置100は、現在位置検出部120の動作時間の低減、データベースを構築する記録媒体の駆動時間の低減、または、データベース60との通信回数の低減など、全体的な消費電力を低下させることができるとともに、予め自機を保持するユーザの移動パターンの登録を行うなど煩雑な操作を行う必要もなく、かつ、的確に自機が目的地として停止した位置を検出することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0131】
また、本実施形態のネットワークシステム10及び携帯用通信端末装置100は、目的地の敷地内の様々のポイントにおいて短期間の移動とその停止が連続的に行われる場合に、当該目的地として判定することができるとともに、一定期間以上の移動が行われた場合には、敷地内の移動でないと判定することができる。したがって、本実施形態のネットワークシステム10及び携帯用通信端末装置100は、広大な敷地を有する目的地に来訪した場合においても、当該目的地に滞留している滞留状態と的確に判定することができる。
【0132】
また、本実施形態のネットワークシステム10及び携帯用通信端末装置100は、電車、バスまたは飛行機などのユーザが停止状態であっても現実空間内の移動を可能にする場合には、停留状態として判定することができるので、自機の滞留状態を的確に判定することができる。
【0133】
また、本実施形態のネットワークシステム10及び携帯用通信端末装置100は、例えば、ユーザがレストランで食事をした場合、または、デパートで買い物している場合などユーザの移動停止が当該停止された地点で一定期間継続している場合には、ユーザが目的地に滞留していると的確に判定することができる。
【0134】
また、本実施形態のネットワークシステム10及び携帯用通信端末装置100は、滞留状態と判定した場合のみ、データベース60に滞留地点を記録するので、記録回数においても低減することが可能となり、その結果、ネットワークNを介して滞留地点をデータベース60に記録する際に通信回数をも低減することができる。
【0135】
[変形例]
本実施形態の携帯用通信端末装置100は、データ処理部200を有し、現在位置検出部120、移動停止検出部130及びタイマ160と連動して滞留地点データをデータベース60に記憶するようになっているが、データ処理部200の各機能をサーバ装置50に備え、通信制御部110を介してサーバ装置50と連動しつつ、現在位置検出/記録制御処理を実行するようにしてもよい。
【0136】
また、本実施形態のネットワークシステム10は、一台のサーバ装置50を備えているが、複数のサーバ装置50によって構成され、分散して各処理が実行されてもよいし、上記のように、データ処理部200の各機能を複数のサーバ装置50によって分散して実行されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本実施形態のネットワークシステム10及び携帯用通信端末装置100は、ソーシャルネットワークサービスまたはナビゲーションなどのユーザが保持する携帯用端末装置を用いて位置情報を記録するシステムに幅広く適用することができる。
【符号の説明】
【0138】
10 … ネットワークシステム
50 … サーバ装置
60 … データベース
100 … 携帯用通信端末装置
110 … 通信制御部
120 … 現在位置検出部
130 … 状態検出部
140 … 表示制御部
150 … 表示部
160 … タイマ
170 … 操作部
180 … 端末管理制御部
190 … ROM/RAM
200 … データ処理部
210 … 状態判定部
220 … 検出制御部
230 … 算出処理部
240 … 滞留判定処理部
250 … カウント処理部
260 … 記録制御処理部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実空間内における自機の現在位置を検出する位置検出手段と、
自機の現実空間内における移動状態及び停止状態を検出する状態検出手段と、
前記検出された移動状態及び停止状態に基づいて、移動状態から停止状態及び停止状態から移動状態に状態が遷移する遷移時刻を検出する時刻検出手段と、
前記検出された遷移時刻に基づいて前記停止状態の停止期間を算出する停止期間算出手段と、
前記算出された停止期間に基づいて前記位置検出手段を駆動させ、前記移動状態から前記停止状態に遷移した際の前記自機の現在位置を検出させる検出制御手段と、
前記検出された現在位置をデータベースに記録する記録制御手段と、
を備える携帯用端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯用端末装置において、
前記停止期間に基づいて、前記自機の停止状態が自機の移動に伴って停止している停留状態であるのか、または、移動の結果によって到達する目的地として滞留している滞留状態であるのかを判定する判定手段と、
前記検出された遷移時刻に基づいて、前記移動状態の移動期間を算出する移動期間算出手段と、
前記停留状態の回数をカウントするとともに、前記算出された移動期間に基づいてカウントされた回数がリセットされるカウンタと、
を更に備え、
前記判定手段が、前記カウンタの回数が所定の回数に到達した際に、前記滞留状態であると判定し、
前記検出制御手段が、前記滞留状態と判定された場合に、前記位置検出手段を駆動させ、前記移動状態から前記停止状態に遷移した際の前記自機の現在位置を検出させる、携帯用端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯用端末装置において、
前記検出された現在位置と前回に検出された現在位置である前回検出位置に基づいて、前記自機の停止状態が自機の移動に伴って停止している停留状態であるのか、または、移動の結果到達する目的地として滞留している滞留状態であるのかを判定する判定手段を更に備え、
前記記録制御手段が、前記滞留状態と判定された場合に、前記検出された現在位置をデータベースに記録する、携帯用端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯用端末装置において、
前記判定手段が、前記位置検出手段が前記自機の現在位置を検出した場合に、当該検出した現在位置と前回検出位置とが同一の位置である場合に、または、予め定められた範囲内である場合に、前記滞留状態であると判定する、携帯用端末装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の携帯用端末装置において、
前記検出制御手段が、前記停止期間が予め定められた一定期間以上の場合に、前記位置検出手段を駆動させ、前記移動状態から前記停止状態に遷移した際の前記自機の現在位置を検出させる、携帯用端末装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の携帯用端末装置において、
前記データベースとネットワークを介して通信回線を確立する通信手段を更に備え、
前記記録制御手段が、前記検出された現在位置を検出した場合にのみ前記通信手段を制御して当該現在位置を前記データベースに記録する、携帯用端末装置。
【請求項7】
現実空間内における自機の現在位置を検出する位置検出手段と、自機の移動及び停止を検出するために用いる移動停止検出手段と、を備える端末装置に搭載されるコンピュータによって実行される地点登録プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記検出された自機の移動及び停止に基づいて、自機の移動状態及び停止状態を検出する状態検出手段、
検出された移動状態及び停止状態に基づいて、移動状態から停止状態及び停止状態から移動状態に状態が遷移する遷移時刻を検出する時刻検出手段、
前記検出された遷移時刻に基づいて前記停止状態の停止期間を算出する停止期間算出手段、
前記算出された停止期間に基づいて前記位置検出手段を駆動させ、前記移動状態から前記停止状態に遷移した際の前記自機の現在位置を検出させる検出制御手段、及び
前記検出された現在位置をデータベースに記録する記録制御手段、
として機能させる現在位置記録制御プログラム。
【請求項8】
携帯用端末装置とデータベースを有する少なくとも一のサーバ装置から構成されるネットワークシステムであって、
前記携帯用端末装置が、
現実空間内における自機の現在位置を検出する位置検出手段と、
前記自機の移動及び停止を検出する移動停止検出手段と、
前記現在位置を地点データとして、及び、自機の移動または停止を移動停止データとして前記サーバ装置に送信する送信手段と、
を備えるとともに、
前記サーバ装置が、
前記地点データ及び移動停止データを受信する受信手段と、
前記受信した移動停止データに基づいて、自機の移動状態及び停止状態を検出する状態検出手段と、
前記検出された移動状態及び停止状態に基づいて、移動状態から停止状態及び停止状態から移動状態に状態が遷移する遷移時刻を検出する時刻検出手段と、
前記検出された遷移時刻に基づいて前記停止状態の停止期間を算出する停止期間算出手段と、
前記算出された停止期間に基づいて前記位置検出手段を駆動させ、前記移動状態から前記停止状態に遷移した際の前記自機の現在位置を検出させて当該サーバ装置に送信させる検出制御手段と、
前記受信した地点データに基づいて現実空間内における座標情報を有する場所データが予め記憶されている前記データベースを検索し、該当する座標情報を有する場所データに前記端末装置における識別情報を対応付けて当該データベースに記録する記録制御手段と、
を備えることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項9】
現実空間内における自機の現在位置を検出する位置検出手段と、前記自機の移動及び停止を検出する移動停止検出手段と、を備える端末装置とネットワークを介して接続されるサーバシステムであって、
前記端末装置と通信し、前記現在位置を地点データとして、及び、自機の移動及び停止を移動停止データとして受信する通信手段と、
前記地点データ及び移動停止データを受信する受信手段と、
前記通信手段を介して受信した移動停止データに基づいて、自機の移動状態及び停止状態を検出する状態検出手段と、
前記検出された移動状態及び停止状態に基づいて、移動状態から停止状態及び停止状態から移動状態に状態が遷移する遷移時刻を検出する時刻検出手段と、
前記検出された遷移時刻に基づいて前記停止状態の停止期間を算出する停止期間算出手段と、
前記算出された停止期間に基づいて前記位置検出手段を駆動させ、前記移動状態から前記停止状態に遷移した際の前記自機の現在位置を検出させて当該サーバシステムに送信させる検出制御手段と、
前記受信した地点データに基づいて現実空間内における座標情報を有する場所データが予め記憶されている前記データベースを検索し、該当する座標情報を有する場所データに前記端末装置における識別情報を対応付けて当該データベースに記録する記録制御手段と、
を備えることを特徴とするサーバシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−190178(P2012−190178A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52023(P2011−52023)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】