説明

携帯端末、サーバ、携帯端末の乗り越し警報出力方法および通信システム

【課題】 ビジネスとしての展開および不正利用の防止が可能で、かつ識別標識等の設定および変更が容易で、さらにデータ通信の費用の削減が可能な携帯端末の提供。
【解決手段】 携帯端末1は、複数の駅3の識別情報を保持するサーバ2から目的駅の識別情報を取得する識別情報取得部11と、通過する各駅から送信される当駅および次駅の識別情報を逐次受信しこれら識別情報を目的駅の識別情報と比較する識別情報比較部12と、目的駅の識別情報と次駅の識別情報が一致した場合に警報を出力する第1警報部13とを含み、サーバは識別情報取得部からの目的駅の識別情報の問い合わせに対して、その問い合わせが正当な資格を有する携帯端末からのものであるか否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、サーバ、携帯端末の乗り越し警報出力方法および通信システムに関し、特に目的駅に接近したことを示す警報を出力する携帯端末、サーバ、携帯端末の乗り越し警報出力方法および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する携帯端末、一例として携帯電話端末を用いてある地点への接近を察知するためには、一例として携帯電話端末の有するGPS(Global Positioning System) 機能と、GPS機能が有する現在地情報を基に現在位置を地図上に示す処理を行うサーバ機能が必要であり、さらに携帯電話端末のユーザが自ら携帯電話端末を操作して現在地情報を入手する必要がある。
【0003】
しかし、これらの機能では、携帯電話端末のユーザが目的地に近接したことを自動的に知ることができないために、ユーザは頻繁に現在地情報を調べる必要があり、非常に煩わしく、かつ通信費もかさむという課題がある。
【0004】
そこで、目的地に近接したことを自動的に知ることが可能な関連技術の例が開示されている。
【0005】
第1の関連技術は、駅または路線の途中に設置された中継装置等から、無線によって発信される次に到着する駅の情報を受信手段で受信し、降車すべき駅と次に到着する駅とが一致した場合、警報を発生させる、というものである(特許文献1参照)。
【0006】
第2の関連技術は、目的の駅から発信された標識情報を受信装置内の保持機能に保持した目的地情報と比較し、一致した場合に目的地への到着を音等で知らせる、というものである(特許文献2参照)。
【0007】
第3の関連技術は、目的地近くの基地局が送信する報知情報を移動機のメモリに登録しておき、受信した報知情報とメモリ内報知情報とが一致の場合に警報を発生する、というものである(特許文献3参照)。
【0008】
第4の関連技術は、駅周辺の複数の基地局の識別番号を記憶しておき、受信した識別番号と記憶してある識別番号とが一致した場合に報知する、というものである(特許文献4参照)。
【0009】
第5の関連技術は、各駅に設置した駅コードを受信し、これを乗客が設定した降車駅コードと比較し、一致する場合に警報を発する、というものである(特許文献5参照)。
【0010】
第6の関連技術は、行先駅名情報をメモリに登録しておき、受信した駅名コードとメモリ内行先駅名情報とを比較して一致した場合にアラーム信号を発生させる、というものである(特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−067959号公報
【特許文献2】特開2003−338784号公報
【特許文献3】特開平09−023477号公報
【特許文献4】特開平09−130859号公報
【特許文献5】特開平11−041169号公報
【特許文献6】特開平11−163781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、上記第1〜第6関連技術では、「目的地に近接したことを報知する」というサービスを提供する対象ユーザを特定していないため、上記サービスをビジネスとして展開することが困難という課題がある。また、上記サービスの不正利用を防止することが困難という課題がある。また、各駅に識別標識等を設定しているが、これを変更する場合、各駅において識別標識等を変更しなければならず、したがって識別標識等の設定および変更が煩雑という課題がある。さらに、上記サービスをユーザが利用するに際しデータ通信に多額の費用を要するという課題がある。
【0013】
そこで、本発明の目的は、ビジネスとしての展開および不正利用の防止が可能で、かつ識別標識等の設定および変更が容易で、さらにデータ通信の費用の削減が可能な携帯端末、サーバ、携帯端末の乗り越し警報出力方法および通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本発明による携帯端末は、複数の駅の識別情報を保持するサーバから目的駅の識別情報を取得する識別情報取得部と、通過する各駅から送信される当駅および次駅の識別情報を逐次受信しこれら識別情報を前記目的駅の識別情報と比較する識別情報比較部と、前記目的駅の識別情報と前記次駅の識別情報が一致した場合に警報を出力する第1警報部とを含み、前記サーバは前記識別情報取得部からの前記目的駅の識別情報の問い合わせに対して、その問い合わせが正当な資格を有する携帯端末からのものであるか否かを判断することを特徴とする。
【0015】
また、本発明によるサーバは、携帯端末の識別情報取得部から送信される目的駅の駅名を受信し、前記携帯端末が正当な資格を有するものであるか否かを判断する資格判断部と、前記携帯端末が正当な資格を有する場合に前記目的駅の識別情報を前記識別情報取得部へ送信する目的駅識別情報送信部とを含み、前記携帯端末は各駅から送信される当駅および次駅の識別情報と前記目的駅の識別情報とを比較し、比較結果に応じて警報を出力することを特徴とする。
【0016】
また、本発明による携帯端末の乗り越し警報出力方法は、複数の駅の識別情報を保持するサーバから目的駅の識別情報を取得する識別情報取得ステップと、通過する各駅から送信される当駅および次駅の識別情報を逐次受信しこれら識別情報を前記目的駅の識別情報と比較する識別情報比較ステップと、前記目的駅の識別情報と前記次駅の識別情報が一致した場合に警報を出力する第1警報ステップとを含み、前記サーバは前記識別情報取得ステップからの前記目的駅の識別情報の問い合わせに対して、その問い合わせが正当な資格を有する携帯端末からのものであるか否かを判断することを特徴とする。
【0017】
また、本発明による通信システムは、上記携帯端末およびサーバを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明によるプログラムは、コンピュータに、複数の駅の識別情報を保持するサーバから目的駅の識別情報を取得する識別情報取得ステップと、通過する各駅から送信される当駅および次駅の識別情報を逐次受信しこれら識別情報を前記目的駅の識別情報と比較する識別情報比較ステップと、前記目的駅の識別情報と前記次駅の識別情報が一致した場合に警報を出力する第1警報ステップとを実行させるためのプログラムであり、前記サーバは前記識別情報取得ステップからの前記目的駅の識別情報の問い合わせに対して、その問い合わせが正当な資格を有する携帯端末からのものであるか否かを判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記構成を含むことにより、ビジネスとしての展開および不正利用の防止が可能で、かつ識別標識等の設定および変更が容易で、さらにデータ通信の費用を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る携帯端末の動作原理を説明するための携帯端末の一例の構成図である。
【図2】本発明に係るサーバの動作原理を説明するためのサーバの一例の構成図である。
【図3】本発明に係る通信システムの一例の構成図である。
【図4】携帯端末1の一例の構成図である。
【図5】近距離通信用基地局4の一例の構成図である。
【図6】本発明に係る通信システムの一例の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る通信システムの一例の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
まず、本発明の実施の形態の説明に入る前に、本発明の動作原理について説明しておく。図1は本発明に係る携帯端末の動作原理を説明するための携帯端末の一例の構成図である。同図を参照すると、本発明に係る携帯端末1は、識別情報取得部11と、識別情報比較部12と、第1警報部13とを含んで構成される。
【0022】
識別情報取得部11は複数の駅の識別情報を保持するサーバ(不図示)から目的駅の識別情報を取得する。識別情報比較部12は通過する各駅から送信される当駅および次駅の識別情報を逐次受信しこれら識別情報を目的駅の識別情報と比較する。第1警報部は目的駅の識別情報と次駅の識別情報が一致した場合に警報を出力する。また、サーバは識別情報取得部11からの目的駅の識別情報の問い合わせに対して、その問い合わせが正当な資格を有する携帯端末からのものであるか否かを判断する。
【0023】
以上説明したように、本発明に係る携帯端末によれは、サーバにより携帯端末1が正当な資格を有するものであるか否かの判断と複数の駅の識別情報の管理とがなされ、また携帯端末1がサーバから目的駅の識別情報を取得する場合以外に課金が発生するデータ通信を用いないため、ビジネスとしての展開および不正利用の防止が可能で、かつ識別標識等の設定および変更が容易で、さらにデータ通信の費用を削減することが可能となる。
【0024】
図2は本発明に係るサーバの動作原理を説明するためのサーバの一例の構成図である。同図を参照すると、本発明に係るサーバ2は、資格判断部21と、目的駅識別情報送信部22とを含んで構成される。
【0025】
資格判断部21は携帯端末1の識別情報取得部11から送信される目的駅の駅名を受信し、携帯端末1が正当な資格を有するものであるか否かを判断する。目的駅識別情報送信部22は、携帯端末1が正当な資格を有する場合に目的駅の識別情報を識別情報取得部11へ送信する。また、携帯端末1は各駅から送信される当駅および次駅の識別情報と目的駅の識別情報とを比較し、比較結果に応じて警報を出力する。
【0026】
以上説明したように、本発明に係るサーバによれば、携帯端末1が正当な資格を有するものであるか否かを判断し、かつ目的駅の識別情報を管理する構成を含むため、ビジネスとしての展開および不正利用の防止が可能で、かつ識別標識等の設定および変更が容易で、さらにデータ通信の費用を削減することが可能となる。
【0027】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。まず、第1の実施形態について説明する。図3は本発明に係る通信システムの一例の構成図である。なお、同図において、図1および図2と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0028】
図3を参照すると、本発明に係る通信システム10の一例は、駅3a〜3dと、携帯端末1と、サーバ2とを含んで構成される。また、駅3a〜3dの各々には基地局4a〜4dが設けられている。
【0029】
駅3a〜3dは一例として列車の駅である。列車の駅以外では、たとえば、バスの停車場等に本発明の適用が可能である。また、駅3a〜3dの並び順は列車の進行方向に沿っているものとする。すなわち、同図の例では、駅3aは携帯端末1の所有者が乗車する駅、駅3b〜3cは列車の通過駅、駅3dは携帯端末1の所有者が降車する駅(目的駅)であるものとする。
【0030】
基地局4a〜4dは、近距離通信用基地局(一例として、FemtoCell 基地局)であり、携帯端末1の所有者が乗車する列車と最も近接する基地局からの電波が主に携帯端末1で受信されるよう、各基地局4a〜4dの送信出力が予め設定されている。
【0031】
携帯端末1は、一例として、携帯電話端末である。携帯電話端末以外では、たとえば、PDA(Personal Digital Assistant)等に本発明の適用が可能である。次に、携帯端末1の一例の構成について説明する。
【0032】
図4は携帯端末1の一例の構成図である。なお、同図において、図1と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。同図を参照すると、携帯端末1の一例は、複数の駅の識別情報を保持するサーバ2から目的駅の識別情報を取得する識別情報取得部11と、通過する各駅から送信される当駅および次駅の識別情報を逐次受信しこれら識別情報をサーバ2から取得した目的駅の識別情報と比較する識別情報比較部12とを含んで構成される。
【0033】
さらに、携帯端末1の一例は、サーバ2から取得した目的駅の識別情報と各駅から取得した次駅の識別情報が一致した場合に警報を出力する第1警報部13と、サーバ2から取得した目的駅の識別情報と各駅から取得した当駅の識別情報が一致した場合に警報を出力する第2警報部14と、各部11〜14を制御する制御部15と、所定プログラムが格納されるプログラム格納部16とを含んで構成される。
【0034】
また、識別情報取得部11は、目的駅の駅名が入力される駅名入力部31と、目的駅に設置された基地局の有する識別情報(一例として、cell ID )をサーバ2に問い合わせる情報問合せ部32とを含んで構成される。なお、プログラム格納部16には後述する乗り越し警報出力方法のプログラムが格納されている。
【0035】
次に、サーバ2の一例の構成について説明する。サーバ2の一例の構成は図2に示すものと同様である。図2を参照すると、サーバ2の資格判断部21は携帯端末1の識別情報取得部11から送信される目的駅の駅名を受信すると、携帯端末1が正当な資格を有するものであるか否かを判断する。目的駅識別情報送信部22は、携帯端末1が正当な資格を有する場合に目的駅の識別情報を携帯端末1の識別情報取得部11へ送信するが、正当な資格を有しない場合は送信しない。
【0036】
次に、近距離通信用基地局4a〜4dの一例の構成について説明する。個々の近距離通信用基地局4a〜4dは同様の構成を有するため、次に示す構成図では「近距離通信用基地局4」と表示する。図5は近距離通信用基地局4の一例の構成図である。同図を参照すると、近距離通信用基地局4は当駅および次駅識別情報送信部41を含んで構成される。
【0037】
当駅および次駅識別情報送信部41は、当駅および次駅の識別情報を送信する。すなわち、駅3aから駅3d方向に進行する列車に対しては、一例として駅3aでは、駅3aおよび駅3bの識別情報を送信する。駅3b〜駅3dについても同様である。逆に、駅3dから駅3a方向に進行する列車に対しては、一例として駅3dでは、駅3dおよび駅3cの識別情報を送信する。駅3c〜駅3aについても同様である。
【0038】
一方、次駅の識別情報として隣接する両駅の識別情報を送信し、携帯端末1側で、列車の進行方向に同期して次駅として両駅のいずれかを選択するよう構成することも可能である。
【0039】
次に、本発明に係る通信システムの一例の動作について説明する。図6〜図7は本発明に係る通信システムの一例の動作を示すフローチャートである。なお、以下の動作は、一例として携帯端末1の所有者が駅3aを出発駅とし、駅3dを目的駅として列車に乗車する際に、目的駅の一つ前の駅3cに列車が到着した時に警報が出力される場合を例とする。また、以下の動作のうち、携帯端末1の動作は、携帯端末1の制御部15が識別情報取得部11と、識別情報比較部12と、第1警報部13と、第2警報部14とを制御することにより実行される。
【0040】
携帯端末1の所有者は出発の前後の任意の時間において、携帯端末1の識別情報取得部11の駅名入力部31を起動して目的駅3dの駅名を入力する(図6のステップS1)。次に、携帯端末1の識別情報取得部11の情報問合せ部32を起動してサーバ2に対し、目的駅3dに設置された近距離通信用基地局4dの識別情報を問い合わせる(同ステップS2)。
【0041】
サーバ2では、携帯端末1の情報問合せ部32からの問い合わせに対して、携帯端末1が識別情報の問い合わせを行うことができる正当な資格を有するか否かを判断する(同ステップS3)。そして、正当な資格を有すると判断されると(同ステップS4にて“Y”の場合)、サーバ2の目的駅識別情報送信部22は目的駅の識別情報を携帯端末1に対し回答する(同ステップS5)。一方、正当な資格を有しないと判断されると(同ステップS4にて“N”の場合)、処理は終了となる。
【0042】
携帯端末1の識別情報比較部12は、列車の走行によって通過する各駅3に設置された近距離通信用基地局4の報知情報に含まれる自局(当駅)識別情報と隣接駅(次駅)の近距離通信用基地局4の識別情報とを受信する(同ステップS6)。さらに、識別情報比較部12は、先にサーバ2から取得した目的駅3dの識別情報と、通過する各駅3で取得した当駅識別情報および次駅識別情報とを逐次比較する(同ステップS7)。
【0043】
目的駅3dの一つ前の駅3cにて携帯端末1が取得した次駅識別情報には目的駅3dの識別情報が含まれている。一方、列車が駅3cに接近すると、携帯端末1の識別情報比較部12は駅3cの識別情報(当駅識別情報)と、次駅3dの識別情報(次駅識別情報)とを受信する。
【0044】
そこで、識別情報比較部12はサーバ2から取得した目的駅3dの識別情報と、駅3cから取得した次駅3dの識別情報(次駅識別情報)との比較結果が一致するため(図7のステップS8にて“Y”の場合)、列車が目的駅3dに接近したと判断し、目的駅3dに接近した旨を第1警報部13へ通知する。第1警報部13は携帯端末1の所有者に対して、目的駅3dに接近したことを通知するための警報Aを、一例として警報音または振動により出力する(同ステップS9)。
【0045】
さらに、列車が駅3dに到着すると、携帯端末1の識別情報比較部12は駅3dの識別情報(当駅識別情報)を少なくとも受信する。そこで、識別情報比較部12はサーバ2から取得した目的駅3dの識別情報と、駅3dから取得した当駅3dの識別情報(当駅識別情報)との比較結果が一致するため(同ステップS10にて“Y”の場合)、列車が目的駅3dに到着したと判断し、目的駅3dに到着した旨を第2警報部14へ通知する。第2警報部14は携帯端末1の所有者に対して、目的駅3dに到着したことを通知するための警報Bを、一例として警報音または振動により出力する(同ステップS11)。
【0046】
一方、ステップS8にて目的駅の識別情報と次駅の識別情報とが一致しない場合は、処理はステップS8にて待機状態となる(同ステップS8にて“N”の場合)。同様に、ステップS10にて目的駅の識別情報と当駅の識別情報とが一致しない場合は、処理はステップS10にて待機状態となる(同ステップS10にて“N”の場合)。
【0047】
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0048】
第1の効果は、サーバ2に、携帯端末1が識別情報を問い合わせる正当な資格を有するか否かを判断する機能を具備するので、この乗り越し警報サービスが提供される携帯端末の所有者を制限することが可能となり、これにより新たなビジネスとしての源泉を求めることが可能となる。
【0049】
第2の効果は、各駅の近距離通信用基地局4の識別情報の管理をサーバ2にて行うこととしているので、識別情報の割り振りと変更とを柔軟に行うことができ、不正な利用を排除できることである。
【0050】
第3の効果は、携帯端末1において、出発時のサーバ2との通信以外には課金が発生するデータ通信を用いず、各駅からの識別情報の取得のみで列車の位置を判断しているため、警報サービスの提供に係る経費を比較的低く抑えることができることである。
【0051】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述のように、携帯端末1はプログラム格納部15を備えている(図4参照)。プログラム格納部15には図6および図7にフローチャートで示す乗り越し警報出力方法のプログラムが格納されている。より詳細に説明すると、プログラム格納部15には図6および図7のフローチャートのうち携帯端末1に係る部分、すなわち、ステップS1,S2,S5〜S11のプログラムが少なくとも格納されている。
【0052】
携帯端末1の制御部14(コンピュータ)はプログラム格納部15からそのプログラムを読み出し、そのプログラムに基づいて識別情報取得部11、識別情報比較部12、第1警報部13および第2警報部を制御する。その制御の内容については既に述べたので、ここでの説明は省略する。
【0053】
以上説明したように、本発明の第2実施形態によれば、ビジネスとしての展開および不正利用の防止が可能で、かつ識別標識等の設定および変更が容易で、さらにデータ通信の費用の削減が可能な携帯端末の乗り越し警報出力方法のプログラムが得られる。
【符号の説明】
【0054】
1 携帯端末
2 サーバ
3a〜3d 駅
4a〜4d 近距離通信用基地局
10 通信システム
11 識別情報取得部
12 識別情報比較部
13 第1警報部
14 第2警報部
15 制御部
16 プログラム格納部
21 資格判断部
22 目的駅識別情報送信部
31 駅名入力部
32 情報問合せ部
41 当駅および次駅識別情報送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駅の識別情報を保持するサーバから目的駅の識別情報を取得する識別情報取得部と、
通過する各駅から送信される当駅および次駅の識別情報を逐次受信しこれら識別情報を前記目的駅の識別情報と比較する識別情報比較部と、
前記目的駅の識別情報と前記次駅の識別情報が一致した場合に警報を出力する第1警報部とを含み、
前記サーバは前記識別情報取得部からの前記目的駅の識別情報の問い合わせに対して、その問い合わせが正当な資格を有する携帯端末からのものであるか否かを判断することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記携帯端末が正当な資格を有する場合に、前記サーバから前記識別情報取得部に対し前記目的駅の識別情報が付与されることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記目的駅の識別情報と前記当駅の識別情報が一致した場合に警報を出力する第2警報部を含むことを特徴とする請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記複数の各駅には近距離通信用基地局が設けられ、前記近距離通信用基地局に対し前記識別情報が設定され、前記近距離通信用基地局から当駅および次駅の識別情報が送信されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項5】
目的駅の駅名を入力する駅名入力部を含み、前記サーバはこの駅名に対応する識別情報を前記識別情報取得部へ付与することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項6】
携帯端末の識別情報取得部から送信される目的駅の駅名を受信し、前記携帯端末が正当な資格を有するものであるか否かを判断する資格判断部と、
前記携帯端末が正当な資格を有する場合に前記目的駅の識別情報を前記識別情報取得部へ送信する目的駅識別情報送信部とを含み、
前記携帯端末は各駅から送信される当駅および次駅の識別情報と前記目的駅の識別情報とを比較し、比較結果に応じて警報を出力することを特徴とするサーバ。
【請求項7】
前記携帯端末は前記目的駅の識別情報と前記次駅の識別情報が一致した場合に警報を出力することを特徴とする請求項6記載のサーバ。
【請求項8】
前記携帯端末は前記目的駅の識別情報と前記当駅の識別情報が一致した場合に警報を出力することを特徴とする請求項6または7記載のサーバ。
【請求項9】
複数の駅の識別情報を保持するサーバから目的駅の識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
通過する各駅から送信される当駅および次駅の識別情報を逐次受信しこれら識別情報を前記目的駅の識別情報と比較する識別情報比較ステップと、
前記目的駅の識別情報と前記次駅の識別情報が一致した場合に警報を出力する第1警報ステップとを含み、
前記サーバは前記識別情報取得ステップからの前記目的駅の識別情報の問い合わせに対して、その問い合わせが正当な資格を有する携帯端末からのものであるか否かを判断することを特徴とする携帯端末の乗り越し警報出力方法。
【請求項10】
前記携帯端末が正当な資格を有する場合に、前記サーバから前記識別情報取得ステップに対し前記目的駅の識別情報が付与されることを特徴とする請求項9記載の携帯端末の乗り越し警報出力方法。
【請求項11】
前記目的駅の識別情報と前記当駅の識別情報が一致した場合に警報を出力する第2警報ステップを含むことを特徴とする請求項9または10記載の携帯端末の乗り越し警報出力方法。
【請求項12】
前記複数の各駅には近距離通信用基地局が設けられ、前記近距離通信用基地局に対し前記識別情報が設定され、前記近距離通信用基地局から当駅および次駅の識別情報が送信されることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の携帯端末の乗り越し警報出力方法。
【請求項13】
目的駅の駅名を入力する駅名入力ステップを含み、前記サーバはこの駅名に対応する識別情報を前記識別情報取得ステップへ付与することを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載の携帯端末の乗り越し警報出力方法。
【請求項14】
請求項1〜5のいずれかに記載の携帯端末および請求項6〜8のいずれかに記載のサーバを含んで構成されることを特徴とする通信システム。
【請求項15】
コンピュータに、複数の駅の識別情報を保持するサーバから目的駅の識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
通過する各駅から送信される当駅および次駅の識別情報を逐次受信しこれら識別情報を前記目的駅の識別情報と比較する識別情報比較ステップと、
前記目的駅の識別情報と前記次駅の識別情報が一致した場合に警報を出力する第1警報ステップとを実行させるためのプログラムであり、
前記サーバは前記識別情報取得ステップからの前記目的駅の識別情報の問い合わせに対して、その問い合わせが正当な資格を有する携帯端末からのものであるか否かを判断することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−97199(P2011−97199A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247155(P2009−247155)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】