撮像デバイスおよび電子カメラ
【課題】低コスト且つ省スペース且つ高速で焦点検出できるとともに、微細化しても正確に焦点検出すること。
【解決手段】撮影画像データの生成に用いる撮影用素子11、及び、撮影レンズの焦点検出のための位相差検出に用いる位相差検出用素子12a、12bは、オンチップマイクロレンズ13、14a、14bと、内部マイクロレンズ15、16a、16bと、光電変換素子17、18a、18bとを有し、位相差検出用素子12a、12bでは、オンチップマイクロレンズ14a、14bの光軸を内部マイクロレンズ16a、16bの光軸に対してずらして配置した。
【解決手段】撮影画像データの生成に用いる撮影用素子11、及び、撮影レンズの焦点検出のための位相差検出に用いる位相差検出用素子12a、12bは、オンチップマイクロレンズ13、14a、14bと、内部マイクロレンズ15、16a、16bと、光電変換素子17、18a、18bとを有し、位相差検出用素子12a、12bでは、オンチップマイクロレンズ14a、14bの光軸を内部マイクロレンズ16a、16bの光軸に対してずらして配置した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影画像データの生成に用いる撮像素子群および位相差検出に用いる撮像素子群を有する撮像デバイス、および、その撮像デバイスを備えた電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
撮影画像データの生成に用いる複数の撮像素子(撮影用素子)および位相差検出に用いる複数の撮像素子(位相差検出用素子)を有する撮像デバイスが知られている。この撮像デバイスにて、各撮像素子は、光電変換素子(画素)を含んで構成されている。また、位相差検出用素子群は、撮影レンズの射出瞳のうち一方の部分領域を通過した被写体光を光電変換する第1の素子群と、撮影レンズの射出瞳のうち他方の部分領域を通過した被写体光を光電変換する第2の素子群とによって構成されている。第1の素子群で得られた画素情報と第2の撮像素子群で得られた画素情報との位相差を検出することで、撮影レンズのデフォーカス量を検出することができる。
【0003】
特許文献1〜3には、マイクロレンズと光電変換素子とをずらして配置した構造が開示されている。
【0004】
特許文献4には、複数の光電変換素子に対して、ひとつのマイクロレンズを設けた構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−303409号公報
【特許文献2】特許第2959142号公報
【特許文献3】特開昭59−15208号公報
【特許文献4】特開2008−71920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数の撮影用素子と複数の位相差検出用素子とを受光面にアレイ状に配置することで、光路分割機構や測距センサを省略して低コスト且つ省スペースにしつつ、高速で焦点検出することが可能である。しかし、微細化を進めると、光電変換素子への入射光量が小さくなる。特に、位相差検出用素子群は、撮影レンズの射出瞳の部分領域を通る被写体光を光電変換するので、入射光量低下に因る焦点検出精度低下が著しい。
【0007】
なお、特許文献4に記載のように、位相差検出のため複数の光電変換素子に対してひとつのマイクロレンズを設けると、そのマイクロレンズの焦点距離が長くなるので、位相差検出用の光電変換素子と撮影用の光電変換素子とを同一平面上に配置することが難しい。また、位相差検出のためひとつのマイクロレンズに対して光電変換素子を2分割して設ける場合には、微細化が進むと、位相差検出用の光電変換素子に光を導入するための開口部を撮影用のものよりも小さく形成することが困難になる。また、光電変換素子への入射光量低下がより顕著になる。
【0008】
さらには、撮影用素子と位相差検出用素子とで内部構造を異ならせると、内部構造体を通常の撮像デバイスに転用することが難しくなり、事業全体で製造コストが増大するという別の課題もある。また、位相差検出用の光電変換素子(画素)は、受光方向の制限を受けており、その画素情報を高画質の撮影画像データの生成には使用することが困難である。また、低輝度における焦点検出精度確保のため位相差検出用素子を高密度に配置すると、撮影画像の画質が劣化してしまう。よって、撮影画像データの画質向上と焦点検出精度向上とを両立させることが求められている。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、低コスト且つ省スペース且つ高速で焦点検出できるとともに、微細化しても正確に焦点検出することを可能にする撮像デバイスおよび電子カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は、撮影レンズを通過した光を受光するアレイ状の撮像素子群を備えた撮像デバイスであって、前記撮像素子群は、撮影画像データの生成に用いる複数の撮影用素子、及び、前記撮影レンズの焦点検出のための位相差検出に用いる複数の位相差検出用素子を含んで構成され、前記各撮影用素子及び前記各位相差検出用素子は、前記撮影レンズを通過した光を集光するオンチップマイクロレンズと、前記オンチップマイクロレンズを通過した光を受光する光電変換素子と、前記オンチップマイクロレンズと前記光電変換素子との間に配置された内部マイクロレンズと、を有し、前記撮影用素子では、前記オンチップマイクロレンズの光軸と前記内部マイクロレンズの光軸とが一致しており、前記位相差検出用素子では、前記オンチップマイクロレンズの光軸を前記内部マイクロレンズの光軸に対してずらして配置したことを特徴とする撮像デバイスを提供する。
【0011】
即ち、オンチップマイクロレンズ、内部マイクロレンズおよび光電変換素子を含んで撮像素子を構成するとともに、位相差検出用素子では、オンチップマイクロレンズの光軸を内部マイクロレンズの光軸に対してずらしたことにより、内部マイクロレンズを設けないでオンチップマイクロレンズを光電変換素子に対してずらしただけの場合と比較して、撮影レンズの射出瞳の部分領域を通る光を効率良く光電変換素子に導入することができる。よって、低コスト且つ省スペース且つ高速で焦点検出できるとともに、微細化しても正確に焦点検出することが可能になる。
【0012】
本発明の一態様では、前記撮影用素子及び前記位相差検出用素子の両方で、前記内部マイクロレンズの光軸と前記光電変換素子の光軸とが一致していることを特徴とする。
【0013】
即ち、撮影用素子および位相差検出用素子の両方で、内部マイクロレンズの光軸と光電変換素子の光軸とが一致しているので、内部マイクロレンズおよび光電変換素子を含む下地側の積層構造体(チップ)を、通常の撮像デバイスと共通化することができる。
【0014】
また、本発明は、撮影レンズを通過した光を受光するアレイ状の撮像素子群を備えた撮像デバイスであって、前記撮像素子群は、撮影画像データの生成に用いる複数の撮影用素子、及び、前記撮影レンズの焦点検出のための位相差検出に用いる複数の位相差検出用素子を含んで構成され、前記各撮影用素子及び前記各位相差検出用素子は、前記撮影レンズを通過した光を集光するオンチップマイクロレンズと、前記オンチップマイクロレンズを通過した光を受光する光電変換素子と、前記オンチップマイクロレンズと前記光電変換素子との間に配置され、光路上流側の入射レンズ及び光路下流側の出射レンズを有する内部マイクロレンズと、を有し、前記撮影用素子では、前記内部マイクロレンズの前記入射レンズの光軸と前記出射レンズの光軸とが一致しており、前記位相差検出用素子では、前記内部マイクロレンズの前記入射レンズの光軸を前記出射レンズの光軸に対してずらしたことを特徴とする撮像デバイスを提供する。
【0015】
即ち、オンチップマイクロレンズ、内部マイクロレンズおよび光電変換素子を含んで撮像素子を構成するとともに、位相差検出用素子では、内部マイクロレンズの入射レンズの光軸を出射レンズの光軸に対してずらしたことにより、内部マイクロレンズを設けないでオンチップマイクロレンズを光電変換素子に対してずらしただけの場合と比較して、撮影レンズの射出瞳の部分領域を通る光を効率良く光電変換素子に導入することができる。よって、低コスト且つ省スペース且つ高速で焦点検出できるとともに、微細化しても正確に焦点検出することが可能になる。
【0016】
本発明の一態様では、前記撮影用素子及び前記位相差検出用素子の両方で、前記内部マイクロレンズの前記出射レンズの光軸と前記光電変換素子の光軸とが一致していることを特徴とする。
【0017】
即ち、撮影用素子および位相差検出用素子の両方で、内部マイクロレンズの出射レンズの光軸と光電変換素子の光軸とが一致しているので、撮影用素子と位相差検出用素子とで画素情報読出しのための電極配置を共通化することができる。よって、更なる微細化が可能となる。
【0018】
本発明の一態様では、前記位相差検出用素子の前記光電変換素子と前記撮影用素子の前記光電変換素子とが同一形状であることを特徴とする。
【0019】
本発明の一態様では、前記位相差検出用素子の前記オンチップマイクロレンズは、前記撮影用素子の前記オンチップマイクロレンズよりも直径が小さいことを特徴とする。
【0020】
即ち、位相差検出用素子のオンチップマイクロレンズが撮影用素子のオンチップマイクロレンズと干渉しないようにすることができる。
【0021】
本発明の一態様では、前記位相差検出用素子の前記オンチップマイクロレンズの周辺に遮光部を設けたことを特徴とする。
【0022】
即ち、不要な光が光電変換素子に入らないようにすることができる。
【0023】
本発明の一態様では、前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、互いに隣接した前記第1および第2の位相差検出用素子からなる素子対がアレイ状に配置されていることを特徴とする。また、本発明の一態様では、同一色のカラーフィルタを有する三つ以上の前記撮影用素子が、前記各位相差検出用素子に隣接して配置されていることを特徴とする。また、本発明の一態様では、前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて撮影画像データを生成する画像データ生成手段であって、前記各位相差検出用素子に隣接して配置されている同一色のカラーフィルタを有する前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて補間して前記撮影画像データを生成する画像データ生成手段を備える。
【0024】
即ち、第1および第2の位相差検出用素子が隣接していることで、位相差検出用画素情報の相関度が高くなり、焦点検出精度が向上する。また、各位相差検出用画素位置における撮影画像データ生成用の画素情報を、その各位相差検出用素子に隣接する三つ以上の撮影用素子の撮影用画素情報に基づいて補間することで、高画質の撮影画像データが生成されることになる。
【0025】
本発明の一態様では、前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、互いに隣接した前記第1及び第2の位相差検出用素子からなる素子対が、千鳥状に配列されていることを特徴とする。
【0026】
即ち、第1および第2の位相差検出用素子が隣接しているとともに、千鳥状に配列されていることで、焦点検出精度が向上する。
【0027】
本発明の一態様では、前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、互いに隣接した一対の前記第1の位相差検出用素子からなる第1の素子対、および、互いに隣接した一対の前記第2の位相差検出用素子からなる第2の素子対が、アレイ状に配置されていることを特徴とする。
【0028】
即ち、互いに隣接した一対の第1の位相差検出用素子の画素情報を合成(画素混合)するとともに、互いに隣接した一対の第2の位相差検出用素子の画素情報を合成(画素混合)することで、低輝度における焦点検出精度を確保できる。
【0029】
本発明の一態様では、前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、互いに隣接した前記第1及び第2の位相差検出用素子からなる素子対が、位相差を検出するための第1の方向および前記画素情報を合成するための第2の方向に沿ってアレイ状に配置され、前記第1の方向における前記素子対の配置ピッチが前記第2の方向における前記素子対の配置ピッチ以下であることを特徴とする。また、本発明の一態様では、前記第2の方向に沿って配列された複数の前記第1の位相差検出用素子間で前記光電変換素子の画素情報を合成するとともに、前記第2の方向に沿って配列された複数の前記第2の位相差検出用素子間で前記光電変換素子の画素情報を合成し、合成した画素情報に基づいて前記撮影レンズの焦点検出を行う焦点検出手段を備える。
【0030】
即ち、位相差を検出するための第1の方向は位相差検出用素子の密度を大きくして焦点検出精度確保することができるともに、第2の方向は位相差検出用素子の密度を小さくしても画素情報合成(画素混合)により焦点検出精度確保することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、低コスト且つ省スペース且つ高速で焦点検出できるとともに、微細化しても正確に焦点検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明を適用したデジタルカメラの一例の概略構成を示すブロック図
【図2】ベイヤ配列の撮像部の一例を示す平面図
【図3】図2の3−3線に沿った断面の一部を示す断面図である。
【図4】ハニカム配列の撮像部の一例を示す平面図
【図5】第1実施形態における位相差検出用素子を示す断面図
【図6】第2実施形態における撮像部の一例を示す平面図
【図7】第3実施形態における位相差検出用素子を示す断面図
【図8】第4実施形態における位相差検出用素子を示す断面図
【図9】第5実施形態における位相差検出用素子を示す断面図
【図10】第6実施形態における撮像部の素子配列を示す平面図
【図11】第7実施形態における撮像部の素子配列を示す平面図
【図12】第8実施形態における撮像部の素子配列を示す平面図
【図13】第9実施形態における撮像部の素子配列を示す平面図
【図14】二面構造のハニカム配列の一例を示す平面図
【図15】図14の素子配列のA面における画素情報補間の説明に用いる平面図
【図16】図14の素子配列のB面における画素情報補間の説明に用いる平面図
【図17】二面構造のベイヤ配列の一例を示す平面図
【図18】図17の素子配列のA面における画素情報補間の説明に用いる平面図
【図19】図17の素子配列のB面における画素情報補間の説明に用いる平面図
【図20】撮影処理の一例の流れを示す概略フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面に従って、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明を適用したデジタルカメラの一例の概略構成を示すブロック図である。
【0035】
図1において、本例のデジタルカメラ100は、撮影レンズ40、レンズ駆動部41、撮像部42、撮像制御部43、アナログ信号処理部44、画像入力コントローラ45、メモリ46、CPU50、デジタル信号処理部61、圧縮伸張処理部62、記録媒体制御部63、記録媒体64、表示制御部65、表示部66、及び、操作部67を含んで構成されている。
【0036】
撮影レンズ40は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含んで構成されている。レンズ駆動部41は、撮影レンズ40を構成するレンズを、光軸0方向にて移動させる。
【0037】
撮像部42は、撮影レンズ40を通過した被写体光を受光して撮像を行う。撮像部42は、本例ではCCD(Charge Coupled Device)撮像デバイスによって構成されており、撮影画像データの生成に用いる撮像素子(以下「撮影用素子」ともいう)、および、撮影レンズ40の焦点検出のための位相差検出に用いる撮像素子(以下「位相差検出用素子」ともいう)を有する。撮影用素子及び位相差検出用素子の具体例については、後に詳説する。
【0038】
撮像制御部43は、撮影用素子及び位相差検出用素子の電荷蓄積と、撮影用素子及び位相差検出用素子からの画素情報の読出しを制御する。
【0039】
アナログ信号処理部44は、撮像部42から出力された画素信号(画素情報)に対し、各種のアナログ信号処理(ノイズ除去、増幅など)を施す。また、アナログ信号処理部44は、A/D変換器を有し、画素信号をアナログからデジタルに変換する。
【0040】
画像入力コントローラ45は、アナログ信号処理部44から出力されたデジタルの画素信号を、メモリ46に格納する。
【0041】
CPU(Central Processing Unit)50は、所定のプログラムを実行することにより、デジタルカメラ100の各部を制御する。
【0042】
デジタル信号処理部61は、CPU50の指示に従い、メモリ46に格納されている画素情報に対し、各種のデジタル信号処理(例えば、階調特性処理、シャープネス処理、ホワイトバランス調整、YC信号生成など)を施す。
【0043】
圧縮伸張処理部62は、CPU50の指示に従い、各種データの圧縮処理、及び、各種データの伸張処理を行う。
【0044】
記録媒体制御部63は、CPU50の指示に従い、記録媒体64への各種データの記録、及び、記録媒体64からの各種データの取得を制御する。記録媒体64は、特に限定されないが、例えばデジタルカメラ100の本体に着脱自在なメモリカードを用いる。
【0045】
表示制御部65は、CPU50の指示に従い、表示部66への表示を制御する。表示部66は、画像を表示可能なデバイスであり、例えば液晶ディスプレイからなる。
【0046】
操作部67は、ユーザがデジタルカメラ100に対し各種の指示を入力するための指示入力デバイスである。例えば、シャッターボタン、モード切換スイッチを含んで構成される。
【0047】
本例のCPU50は、焦点検出部51、合焦制御部52、及び、画像データ生成部53を含んで構成されている。
【0048】
焦点検出部51は、撮像部42の位相差検出用素子から読み出された画素情報に基づいて、位相差検出方式の焦点検出を行う。焦点検出は、例えば、特許第4007716号公報、特開昭59−15208号公報に記載の方式と同様でもよい。
【0049】
合焦制御部52は、焦点検出部51の焦点検出結果に基づいて合焦を行う。即ち、合焦制御部52は、レンズ駆動部41により、必要に応じて、撮影レンズ40を構成しているフォーカスレンズを、被写体に合焦する合焦レンズ位置に移動させる。
【0050】
画像データ生成部53は、撮像部42の撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて、撮影画像データを生成する。生成された撮影画像データは、圧縮伸張処理部62により圧縮処理が施された後、記録媒体制御部63により記録媒体64に記録される。また、撮影画像データを表示制御部65により撮影画像として表示部66に表示することも可能である。
【0051】
図2は、ベイヤ(Bayer)配列の撮像部(図1の42)の一例の一部を示す平面図である。図3は、図2の3−3線に沿った断面の一部を示す断面図である。
【0052】
図2に示すように、撮影レンズ(図1の40)を通過した被写体光を受光する受光面(図2では紙面)に、撮影画像データの生成に用いる第1の撮像素子11(撮影用素子)と、位相差検出に用いる第2の撮像素子12a(第1の位相差検出用素子)及び第3の撮像素子12b(第2の位相差検出用素子)が、アレイ状に配置されている。なお、実際には、受光面に各撮像素子11、12a、12bがそれぞれ多数配置されている。
【0053】
各撮像素子11、12a、12bは、それぞれ、積層構造体110(チップ)の最上面に形成されたトップマイクロレンズ13、14a、14b(「オンチップマイクロレンズ」ともいう)と、積層構造体110の内部に形成されたインナーマイクロレンズ15、16a、16b(「内部マイクロレンズ」ともいう)と、光電変換を行うフォトダイオード17、18a、18b(「光電変換素子」ともいう)を含んで、構成されている。
【0054】
トップマイクロレンズ13、14a、14bは、それぞれ撮影レンズ40を通過した光を集光する。インナーマイクロレンズ15、16a、16bは、それぞれトップマイクロレンズ13、14a、14bを通過した光を集光する。フォトダイオード17、18a、18bは、それぞれインナーマイクロレンズ15、16a、16bを通過した光を受光し、受光量に対応する信号電荷を蓄積する。蓄積された信号電荷は、撮像制御部(図1の43)の制御により、各撮像素子11、12a、12bごとに、画素情報として読み出される。
【0055】
撮影用素子11のフォトダイオード17群は、撮影レンズ40の射出瞳の全体領域を通過した光を受光する。第1の位相差検出用素子12aのフォトダイオード18a群は、撮影レンズ40の射出瞳のうち一方の部分領域を通過した被写体光を受光する。第2の位相差検出用素子12bのフォトダイオード18b群は、撮影レンズ40の射出瞳のうち他方の部分領域を通過した被写体光を受光する。
【0056】
本例の撮像部42は、半導体基板101上に、遮光膜102、絶縁膜103、レンズ層104、平坦層105、および、カラーフィルタ層106が積層されて、構成されている。半導体基板101には、フォトダイオード17、18a、18b、および、VCCD19(垂直転送路)が形成されている。遮光膜102は、半導体基板101の上面のうちフォトダイオード17、18a、18b間の分離領域上に形成されている。絶縁膜103は、透光性を有する絶縁材料によって形成されている。レンズ層104には、内部マイクロレンズ17、18a、18bが形成されている。平坦層105は、透光性材料によって形成されている。カラーフィルタ層106には、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが形成されている。
【0057】
撮影用素子11では、トップマイクロレンズ13の光軸、インナーマイクロレンズ15の光軸、および、フォトダイオード17の光軸が一致している。位相差検出用素子12(12a、12b)におけるトップマイクロレンズ14(14a、14b)の光軸、インナーマイクロレンズ15(15a、15b)の光軸、および、フォトダイオード17(17a、17b)の光軸の関係は、後に各種の実施形態に分けて詳細に説明する。
【0058】
本例の位相差検出用素子12a、12bのトップマイクロレンズ14a、14bは、撮影用素子11のトップマイクロレンズ13よりも、直径が小さい。また、本例の位相差検出用素子12a、12bのフォトダイオード18a、18bは、撮影用素子11のフォトダイオード17と形状が同一である。
【0059】
図4は、ハニカム配列の撮像部(図1の42)の一例の一部を示す平面図である。なお、図4にて、図2に示したベイヤ配列における要素と同じ要素には同じ符号を付してある。
【0060】
ハニカム配列では、奇数行のフォトダイオードに対して偶数行のフォトダイオードが1/2ピッチずらして配置されている。
【0061】
以下では、本発明に係る各種の撮像部42(撮像装置)について、各実施形態ごとに説明する。
【0062】
まず、第1実施形態の撮像部42について説明する。なお、図2〜4を用いて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0063】
図5は、第1実施形態における位相差検出用素子12の断面図である。図5に示すように、本実施形態の位相差検出用素子12では、トップマイクロレンズ14の光軸(中心軸)と、インナーマイクロレンズ16の光軸(中心軸)とを、ずらして配置してある。また、インナーマイクロレンズ16の光軸と、フォトダイオード18の光軸とを、ずらして配置してある。また、トップマイクロレンズ14の光軸と、フォトダイオード18の光軸とを、ずらして配置してある。
【0064】
本実施形態では、トップマイクロレンズ14の光軸に対して、インナーマイクロレンズ16の光軸をシフトして配置したことにより、撮影レンズ40の射出瞳のうち部分領域を通る被写体光、即ち受光方向を制限した光を、フォトダイオード18が効率的に受光することができる。
【0065】
次に、第2実施形態の撮像部42について説明する。なお、第1実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0066】
図6は、本実施形態における撮像部42の一例の一部を示す平面図である。本例は、ハニカム配列である。図6に示すように、本実施形態では、位相差検出用素子12(12a、12b)のトップマイクロレンズ14(14a、14b)の周囲に、光を遮蔽する遮光部を設けた。なお、ハニカム配列を例に説明したが、ベイヤ配列でもよい。
【0067】
次に、第3実施形態の撮像部42について説明する。なお、第1および第2実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0068】
図7は、本実施形態における位相差検出用素子12を示す断面図である。図7に示すように、本実施形態の位相差検出用素子12では、インナーマイクロレンズ16の光軸(中心軸)とフォトダイオード18の光軸(中心軸)とが、一致している。
【0069】
本実施形態における位相差検出用素子12は、撮影用素子11と比較して、積層構造体(図3の110)の上面のトップマイクロレンズ14のみシフトさせて形成できる。よって、トップマイクロレンズ14を形成する前の積層構造体を、位相差検出用素子12を設けない仕様の他の撮像デバイスと容易に共通化することができる。
【0070】
次に、第4実施形態の撮像部42について説明する。なお、図2〜4を用いて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0071】
図8は、本実施形態における位相差検出用素子12を示す断面図である。図8に示すように、本実施形態の位相差検出用素子12では、インナーマイクロレンズ16の入射レンズ161の光軸(中心軸)と出射レンズ162の光軸(中心軸)とを、ずらして配置してある。入射レンズ161は、光路上流側の凸レンズ(上凸レンズ)であり、出射レンズは、光路下流側の凸レンズ(下凸レンズ)である。
【0072】
なお、本例では、更に、トップマイクロレンズ14の光軸とインナーマイクロレンズ16の入射レンズ161の光軸とをずらして配置してある。また、インナーマイクロレンズ16の入射レンズ161の光軸とフォトダイオード18の光軸とをずらして配置してある。
【0073】
本実施形態では、インナーマイクロレンズ16の入射レンズ161の光軸に対して出射レンズ162の光軸をシフトして配置したことにより、撮影レンズ40の射出瞳のうち制限された部分領域を通る光を、位相差検出用のフォトダイオード18が効率良く受光することができる。
【0074】
次に、第5実施形態の撮像部42について説明する。なお、第4実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0075】
図9は、本実施形態における位相差検出用素子12を示す断面図である。図9に示すように、本実施形態の位相差検出用素子12では、撮影用素子(図3の11)と同様、インナーマイクロレンズ16の光軸(中心軸)とフォトダイオード18の光軸(中心軸)とが、一致している。
【0076】
よって、撮影用素子11と位相差検出用素子12とで、フォトダイオード18の蓄積電荷を垂直転送路に読み出すための電極の配置を共通化できる。即ち、位相差検出用素子12用の電極をシフトして配置する必要がないので、撮像素子の高密度配置が可能になる。
【0077】
次に、第6実施形態の撮像部42について説明する。本実施形態は、第1〜第5実施形態のいずれかにおける位相差検出用素子12の配置を限定したものであり、第1〜第5実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0078】
図10は、第6実施形態における撮像部42の素子配列を示す平面図である。図10に示すように、本実施形態では、第1の位相差検出用素子12aおよび第2の位相差検出用素子12bを互いに隣接させた位相差検出用素子対31が、位相差検出方向である水平方向Hに沿って、アレイ状に配置されている。
【0079】
図10にて、R、G、Bはカラーフィルタの色を示している。撮影用素子11はR(赤)、G(緑)またはB(青)のカラーフィルタを有し、位相差検出用素子12(12a、12b)はGカラーフィルタを有する。また、各位相差検出用素子12に隣接して、同一色(本例ではG)のカラーフィルタを有する三つの撮影用素子11が配置されている。このうち一つの撮影用素子11(例えば11a)は、位相差検出用素子対31間に配置されている。例えば、符号11a、11b、11cの撮影用素子のうち符号11aの撮影用素子は、第1の位相差検出用素子12a間に配置され、符号11d、11e、11fの撮影用素子のうち符号11dの撮影用素子は、第2の位相差検出用素子12b間に配置されている。
【0080】
本実施形態では、画像データ生成部(図1の53)によって各位相差検出用素子12の画素位置における撮影画像データ生成のための画素情報を補間する際、位相差検出用素子対31間の一つの撮影用素子11を含む、同一色(例えばG)のカラーフィルタを有する三つの撮影用素子11の画素情報を用いる。例えば、図10にて、符号11a,11b,11cの三つの撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて第1の位相差検出用素子12aの位置における画素情報を補間するとともに、符号11d,11e,11fの三つの撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて第2の位相差検出用素子12bの位置における画素情報を補間することで、高解像度の撮影画像データを生成する。
【0081】
なお、本例では同一種類の位相差検出用素子間(12a−12a間、12b−12b間)に撮影用素子11をひとつずつ配置した場合を例に説明したが、このような場合に本発明は限定されない。位相差検出用素子対31間に、特定色のカラーフィルタを有する一つ以上の撮影用素子11を配置した各種の配列態様を含む。また、本例では位相差検出方向が水平方向Hであるが、位相差検出方向が垂直方向Vである場合でも本発明を適用できる。また、本例では素子配列がベイヤ配列であるが、ハニカム配列の場合でも本発明を適用できる。
【0082】
次に、第7実施形態の撮像部42について説明する。本実施形態は、第6実施形態における位相差検出用素子12対の配置を更に限定したものであり、第1〜第6実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0083】
図11は、本実施形態における撮像部42の素子配列を示す平面図である。図11に示すように、本実施形態では、位相差検出用素子対31が、千鳥状に配列されている。即ち、複数の位相差検出用素子対31が水平方向Hに配列された第1の画素対列311と、複数の位相差検出用素子対31が水平方向Hに配列された第2の画素対列312とで、位相差検出用素子対31が互い違いに配置されている。
【0084】
次に、第8実施形態の撮像部42について説明する。本実施形態は、第1〜第5実施形態のいずれかにおける位相差検出用素子12の配置を限定したものであり、第1〜第5実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0085】
図12は、本実施形態における撮像部42の素子配列を示す平面図である。図12に示すように、本実施形態では、1対の第1の位相差検出用素子12aを互いに隣接させた位相差検出用素子対33a、および、1対の第2の位相差検出用素子12bを互いに隣接させた位相差検出用素子対33bが、位相差検出方向である水平方向Hに沿って、アレイ状に配置されている。
【0086】
本実施形態では、焦点検出部(図1の51)によって焦点検出を行う際、各位相差検出用素子対33a,33bごとに、一対のフォトダイオード18から読み出された画素情報を合成し、合成した画素情報に基づいてデフォーカス量を算出する。つまり、位相差検出用素子対ごとに、2つの位相差検出用素子12a、12bの画素情報合成(画素混合)を行う。
【0087】
次に、第9実施形態の撮像部42について説明する。本実施形態は、第7実施形態における位相差検出用素子12対の配置を更に限定したものであり、第1〜第7実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0088】
図13は、本実施形態における撮像部42の素子配列を示す平面図である。図13に示すように、本実施形態では、第1の位相差検出用素子12a及び第2の位相差検出用素子12bを互いに隣接させた位相差検出用素子対31が、互いに直交する第1の方向(本例では水平方向H)および第2の方向(本例では垂直方向V)に沿って配置され、位相差検出のための第1の方向Hにおける位相差検出用素子対31間の配置ピッチは、画素混合のための第2の方向Vにおける位相差検出用素子対31間の配置ピッチ以下である。
【0089】
本例では、第2の方向Vに沿って第1の位相差検出用素子12aの列34aおよび第2の位相差検出用素子12bの列34bからなる列対35を設け、この列対35を第1の方向Hに複数並べている。
【0090】
本実施形態では、焦点検出部(図1の51)によって焦点検出を行う際、第2の方向に沿って配列された複数の第1の位相差検出用素子12a間で画素情報を合成するとともに、第2の方向に沿って配列された複数の第2の位相差検出用素子12b間で画素情報を合成し、合成した画素情報に基づいてデフォーカス量を算出する。つまり、第1の位相差検出用素子12aの列34aごと、第2の位相差検出用素子12bの列34bごとに、画素情報合成を行う。
【0091】
なお、本発明は図10〜図13を用いて説明した撮像部には特に限定されない。本発明は、互いに独立に撮像制御可能なA面およびB面からなる2面構成の撮像部にも適用できる。このような2面構成では、互いに独立に電荷蓄積制御および読出し制御が可能である。即ち、A面とB面とで異なる露光時間で露光してA面の撮影用画素情報とB面の撮影用画素情報とを合成することで高ダイナミックレンジの撮像画像を取得して記録する高ダイナミックレンジ撮影と、A面とB面とで同一の露光時間で露光してA面およびB面の撮影用画素情報からなる高解像度の撮像画像を取得して記録する高解像度撮影とを、容易に切り換えることができる。
【0092】
図14は、2面構成のハニカム配列の一例を示す平面図である。以下では、図10〜図13に示した撮像部42と異なる事項を説明する。
【0093】
図14にて、大文字のR,G,BはA面の撮影用素子(図2の11)、小文字のr、g、bはB面の撮影用素子(図2の11)、PAはA面の位相差検出用素子(図2の12aまたは12b)、PBはB面の位相差検出用素子(図2の12aまたは12b)を、それぞれ示す。また、R、rは赤のカラーフィルター付き、G,gは緑のカラーフィルター付き、B,bは青のカラーフィルター付きであることを、それぞれ示す。尚、本例の位相差検出用素子PA、PBは緑のカラーフィルター付きである。
【0094】
本例では、A面の画素R、G、B、PA群が正方格子状に配列され、B面の画素r、g、b、PB群が正方格子状に配列されるとともにA面の画素群の格子間位置に配置されて、全体としてハニカム配列を構成している。ハニカム配列は、偶数行と奇数行とを互いに1/2画素(素子)ピッチずらして配置した配列である。
【0095】
このような撮像部にて、位相差検出用素子PA,PBの対が水平方向および垂直方向に沿ってアレイ状に配置されている。
【0096】
図15はA面の位相差検出用素子PAの位置における撮影用画素情報の補間を示し、図16はB面の位相差検出用素子PBの位置における撮影用画素情報の補間を示す。図15に示すように、A面の撮像素子のみを注目した場合、各位相差検出用素子PAに隣接して同一の色(本例ではG)のカラーフィルタを有する四つの撮影用素子が配置されている。画像データ生成部(図1の53)は、各位相差検出用素子PAの画素位置における撮影用画素情報を補間する際、A面上で各位相差検出用素子PAに隣接する撮影用素子であって同一色のカラーフィルタを有する四つの撮影用素子の画素情報を用いる。図16に示すように、B面でも、各位相差検出用素子PBに隣接して同一の色(本例ではG)のカラーフィルタを有する四つの撮影用素子が配置されており、A面と同様に、各位相差検出用素子PBの画素位置における撮影用画素情報を補間する。
【0097】
図17は、2面構成のベイヤ配列の一例を示す平面図である。図17に示す素子配列は、図14に示した素子配列と比較して、ハニカム配列をベイヤ配列にした点で相違するが、位相差検出素子PA,PBの対が水平方向および垂直方向に沿ってアレイ状に配置されている点は同じである。図18はA面の位相差検出用素子PAの位置における撮影用画素情報の補間を示し、図19はB面の位相差検出用素子PBの位置における撮影用画素情報の補間を示す。図18及び図19に示すように、各面A、Bにて、各位相差検出用素子PA,PBに隣接して同一の色(本例ではG)のカラーフィルタを有する四つの撮影用素子が配置されている。画像データ生成部(図1の53)は、各位相差検出用素子PA,PBの画素位置における撮影用画素情報を補間する際、各位相差検出用素子PA,PBに隣接する撮影用素子であって同一色のカラーフィルタを有する四つの撮影用素子の画素情報を用いる。
【0098】
なお、図14および図17に示した2面構成の素子配列は一例であり、図11を用いて説明したように、位相差検出用素子対を千鳥状に配置した素子配列でもよい。また、図12を用いて説明したように、互いに隣接した一対の第1の位相差検出用素子(図2の12a)からなる第1の位相差検出用素子対、および、互いに隣接した一対の第2の位相差検出用素子(図2の12b)からなる第2の位相差検出用素子対が、アレイ状に配置されている素子配列でもよい。また、図13を用いて説明したように、位相差検出のための水平方向における位相差検出用素子対の配置ピッチが、画素混合のための垂直方向における位相差検出用素子対の配置ピッチ以下である素子配列としてもよい。
【0099】
次に、撮像部42の製造方法について、図3を用いて簡単に説明する。
【0100】
まず、半導体基板101を用意し、半導体基板101にフォトダイオード17、18a、18b、垂直転送路19等を形成する。ここで、フォトダイオード17、18a、18bは、撮影用と位相差検出用とで同一の形状及び大きさで形成すればよい。
【0101】
次に、半導体基板101上に、遮光膜102を形成する。ここで、フォトダイオード17、18a、18b間の分離領域に遮光膜102を形成し、フォトダイオード17、18a、18bの上に開口部を形成する。
【0102】
次に、半導体基板101および遮光膜102上に、絶縁膜103、レンズ層104および平坦層105を形成する。レンズ層104は、パターニングにより形成することができる。なお、図3では、インナーマイクロレンズ15、16a、16bとして、光路上流側に凸形状の入射レンズおよび光路下流側に凸形状の出射レンズの両方を形成した場合を示したが、入射レンズのみ形成してもよい。
【0103】
次に、平坦層105の上にカラーフィルタ層106を形成する。なお、図10〜図13では位相差検出用素子12a、12bのカラーフィルタとしてG(緑)カラーフィルタを形成した場合を例に示したが、ほかの色のカラーフィルタを形成してもよい。また、位相差検出用素子12a、12bでは、カラーフィルタとせず透明としてもよい。
【0104】
以上のようにしてトップマイクロレンズ13、14a、14bを除く積層構造体110が構成される。
【0105】
次に、積層構造体110の最上面(本例ではカラーフィルタ層106)の上に、パターンニングにより、トップマイクロレンズ13、14a、14bを形成する。ここで、前述の第3実施形態では、パターンニング時にフォトマスクを切り替えることにより、位相差検出用のトップマイクロレンズ14a、14bを形成するか、撮影用のトップマイクロレンズ13のみ形成するかを切り替え可能である。
【0106】
図20は、図1のデジタルカメラ100における撮影処理の一例の流れを示す概略フローチャートである。この処理は、図1のCPU50により、プログラムに従って実行される。
【0107】
まず、ステップS1にて、位相差検出方式の焦点検出を行う。即ち、撮像制御部43の制御により撮像部42を用いて撮像を行って、焦点検出部51により、複数の第1の位相差検出用素子12aのフォトダイオード18aから読み出された画素情報と、複数の第2の位相差検出用素子12bのフォトダイオード18bから読み出された画素情報との位相差を検出することで、デフォーカス量を検出する。
【0108】
なお、位相差検出用素子12a、12bの配置ピッチを大きくした場合には、低輝度性能確保のため、本ステップにて画素混合を行うことが、好ましい。例えば、図12に示した第8実施形態の撮像部42の場合、第1の位相差検出用素子対33aにて画素混合を行うとともに、第2の位相差検出用素子対33bにて画素混合を行う。例えば、図13に示した第9実施形態の撮像部42の場合、第1の位相差検出用素子12aの列34aにて画素混合を行うとともに、第2の位相差検出用素子12bの列34bにて画素混合を行う。画素混合では、同一種類の複数の位相差検出用素子12から読み出された画素情報を合成する。このような画素混合によれば、位相差検出用素子12の密度を粗く配置しても焦点検出精度の低下を抑えることができる。
【0109】
次に、ステップS2にて、焦点検出結果に基づいて合焦を行う。即ち、合焦制御部52により、必要に応じて、レンズ駆動部41を用いてデフォーカス量に対応する移動量だけフォーカスレンズを移動させる。言い換えると、デフォーカス量が0(ゼロ)となるように、フォーカスレンズを合焦レンズ位置に移動させる。
【0110】
次に、ステップS3にて、撮影画像データを取得する。即ち、撮像制御部43の制御により撮像部42を用いて撮像を行って、画像データ生成部55により、複数の撮影用素子11のフォトダイオード17から読み出された画素情報に基づいて、撮影画像データを生成する。
【0111】
本ステップにて、撮影画像データの画質向上のため、画素情報の補間を行うことが、好ましい。例えば、図10に示した第6実施形態の撮像部42の場合、各位相差検出用素子12a、12bごとに、隣接する撮影用素子11a〜11fの画素情報に基づいて、各位相差検出用素子12a、12bの位置における撮影画像データ生成用の画素情報を補間することで、高品質の撮影画像データを生成する。
【0112】
そして、ステップS4にて、撮影画像データを記録する。即ち、記録媒体制御部63により、撮影画像データを記録媒体64に記録する。
【0113】
なお、撮像部42は、CCD撮像デバイスに特に限定されず、CMOS撮像デバイスでもよい。
【0114】
本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0115】
11…第1の撮像素子(撮影用素子)、12a…第2の撮像素子(第1の位相差検出用素子)、12b…第3の撮像素子(第2の位相差検出用素子)、13、14a、14b…トップマイクロレンズ(オンチップマイクロレンズ)、15、16a、16b…インナーマイクロレンズ(内部マイクロレンズ)、17、18a、18b…フォトダイオード(光電変換素子)、31、33a、33b…位相差検出用素子対、40…撮影レンズ、41…レンズ駆動部、42…撮像部(撮像デバイス)、43…撮像制御部、50…CPU、51…焦点検出部、52…合焦制御部、53…画像データ生成部、67…操作部、101…半導体基板、104…レンズ層、106…カラーフィルタ層
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影画像データの生成に用いる撮像素子群および位相差検出に用いる撮像素子群を有する撮像デバイス、および、その撮像デバイスを備えた電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
撮影画像データの生成に用いる複数の撮像素子(撮影用素子)および位相差検出に用いる複数の撮像素子(位相差検出用素子)を有する撮像デバイスが知られている。この撮像デバイスにて、各撮像素子は、光電変換素子(画素)を含んで構成されている。また、位相差検出用素子群は、撮影レンズの射出瞳のうち一方の部分領域を通過した被写体光を光電変換する第1の素子群と、撮影レンズの射出瞳のうち他方の部分領域を通過した被写体光を光電変換する第2の素子群とによって構成されている。第1の素子群で得られた画素情報と第2の撮像素子群で得られた画素情報との位相差を検出することで、撮影レンズのデフォーカス量を検出することができる。
【0003】
特許文献1〜3には、マイクロレンズと光電変換素子とをずらして配置した構造が開示されている。
【0004】
特許文献4には、複数の光電変換素子に対して、ひとつのマイクロレンズを設けた構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−303409号公報
【特許文献2】特許第2959142号公報
【特許文献3】特開昭59−15208号公報
【特許文献4】特開2008−71920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数の撮影用素子と複数の位相差検出用素子とを受光面にアレイ状に配置することで、光路分割機構や測距センサを省略して低コスト且つ省スペースにしつつ、高速で焦点検出することが可能である。しかし、微細化を進めると、光電変換素子への入射光量が小さくなる。特に、位相差検出用素子群は、撮影レンズの射出瞳の部分領域を通る被写体光を光電変換するので、入射光量低下に因る焦点検出精度低下が著しい。
【0007】
なお、特許文献4に記載のように、位相差検出のため複数の光電変換素子に対してひとつのマイクロレンズを設けると、そのマイクロレンズの焦点距離が長くなるので、位相差検出用の光電変換素子と撮影用の光電変換素子とを同一平面上に配置することが難しい。また、位相差検出のためひとつのマイクロレンズに対して光電変換素子を2分割して設ける場合には、微細化が進むと、位相差検出用の光電変換素子に光を導入するための開口部を撮影用のものよりも小さく形成することが困難になる。また、光電変換素子への入射光量低下がより顕著になる。
【0008】
さらには、撮影用素子と位相差検出用素子とで内部構造を異ならせると、内部構造体を通常の撮像デバイスに転用することが難しくなり、事業全体で製造コストが増大するという別の課題もある。また、位相差検出用の光電変換素子(画素)は、受光方向の制限を受けており、その画素情報を高画質の撮影画像データの生成には使用することが困難である。また、低輝度における焦点検出精度確保のため位相差検出用素子を高密度に配置すると、撮影画像の画質が劣化してしまう。よって、撮影画像データの画質向上と焦点検出精度向上とを両立させることが求められている。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、低コスト且つ省スペース且つ高速で焦点検出できるとともに、微細化しても正確に焦点検出することを可能にする撮像デバイスおよび電子カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は、撮影レンズを通過した光を受光するアレイ状の撮像素子群を備えた撮像デバイスであって、前記撮像素子群は、撮影画像データの生成に用いる複数の撮影用素子、及び、前記撮影レンズの焦点検出のための位相差検出に用いる複数の位相差検出用素子を含んで構成され、前記各撮影用素子及び前記各位相差検出用素子は、前記撮影レンズを通過した光を集光するオンチップマイクロレンズと、前記オンチップマイクロレンズを通過した光を受光する光電変換素子と、前記オンチップマイクロレンズと前記光電変換素子との間に配置された内部マイクロレンズと、を有し、前記撮影用素子では、前記オンチップマイクロレンズの光軸と前記内部マイクロレンズの光軸とが一致しており、前記位相差検出用素子では、前記オンチップマイクロレンズの光軸を前記内部マイクロレンズの光軸に対してずらして配置したことを特徴とする撮像デバイスを提供する。
【0011】
即ち、オンチップマイクロレンズ、内部マイクロレンズおよび光電変換素子を含んで撮像素子を構成するとともに、位相差検出用素子では、オンチップマイクロレンズの光軸を内部マイクロレンズの光軸に対してずらしたことにより、内部マイクロレンズを設けないでオンチップマイクロレンズを光電変換素子に対してずらしただけの場合と比較して、撮影レンズの射出瞳の部分領域を通る光を効率良く光電変換素子に導入することができる。よって、低コスト且つ省スペース且つ高速で焦点検出できるとともに、微細化しても正確に焦点検出することが可能になる。
【0012】
本発明の一態様では、前記撮影用素子及び前記位相差検出用素子の両方で、前記内部マイクロレンズの光軸と前記光電変換素子の光軸とが一致していることを特徴とする。
【0013】
即ち、撮影用素子および位相差検出用素子の両方で、内部マイクロレンズの光軸と光電変換素子の光軸とが一致しているので、内部マイクロレンズおよび光電変換素子を含む下地側の積層構造体(チップ)を、通常の撮像デバイスと共通化することができる。
【0014】
また、本発明は、撮影レンズを通過した光を受光するアレイ状の撮像素子群を備えた撮像デバイスであって、前記撮像素子群は、撮影画像データの生成に用いる複数の撮影用素子、及び、前記撮影レンズの焦点検出のための位相差検出に用いる複数の位相差検出用素子を含んで構成され、前記各撮影用素子及び前記各位相差検出用素子は、前記撮影レンズを通過した光を集光するオンチップマイクロレンズと、前記オンチップマイクロレンズを通過した光を受光する光電変換素子と、前記オンチップマイクロレンズと前記光電変換素子との間に配置され、光路上流側の入射レンズ及び光路下流側の出射レンズを有する内部マイクロレンズと、を有し、前記撮影用素子では、前記内部マイクロレンズの前記入射レンズの光軸と前記出射レンズの光軸とが一致しており、前記位相差検出用素子では、前記内部マイクロレンズの前記入射レンズの光軸を前記出射レンズの光軸に対してずらしたことを特徴とする撮像デバイスを提供する。
【0015】
即ち、オンチップマイクロレンズ、内部マイクロレンズおよび光電変換素子を含んで撮像素子を構成するとともに、位相差検出用素子では、内部マイクロレンズの入射レンズの光軸を出射レンズの光軸に対してずらしたことにより、内部マイクロレンズを設けないでオンチップマイクロレンズを光電変換素子に対してずらしただけの場合と比較して、撮影レンズの射出瞳の部分領域を通る光を効率良く光電変換素子に導入することができる。よって、低コスト且つ省スペース且つ高速で焦点検出できるとともに、微細化しても正確に焦点検出することが可能になる。
【0016】
本発明の一態様では、前記撮影用素子及び前記位相差検出用素子の両方で、前記内部マイクロレンズの前記出射レンズの光軸と前記光電変換素子の光軸とが一致していることを特徴とする。
【0017】
即ち、撮影用素子および位相差検出用素子の両方で、内部マイクロレンズの出射レンズの光軸と光電変換素子の光軸とが一致しているので、撮影用素子と位相差検出用素子とで画素情報読出しのための電極配置を共通化することができる。よって、更なる微細化が可能となる。
【0018】
本発明の一態様では、前記位相差検出用素子の前記光電変換素子と前記撮影用素子の前記光電変換素子とが同一形状であることを特徴とする。
【0019】
本発明の一態様では、前記位相差検出用素子の前記オンチップマイクロレンズは、前記撮影用素子の前記オンチップマイクロレンズよりも直径が小さいことを特徴とする。
【0020】
即ち、位相差検出用素子のオンチップマイクロレンズが撮影用素子のオンチップマイクロレンズと干渉しないようにすることができる。
【0021】
本発明の一態様では、前記位相差検出用素子の前記オンチップマイクロレンズの周辺に遮光部を設けたことを特徴とする。
【0022】
即ち、不要な光が光電変換素子に入らないようにすることができる。
【0023】
本発明の一態様では、前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、互いに隣接した前記第1および第2の位相差検出用素子からなる素子対がアレイ状に配置されていることを特徴とする。また、本発明の一態様では、同一色のカラーフィルタを有する三つ以上の前記撮影用素子が、前記各位相差検出用素子に隣接して配置されていることを特徴とする。また、本発明の一態様では、前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて撮影画像データを生成する画像データ生成手段であって、前記各位相差検出用素子に隣接して配置されている同一色のカラーフィルタを有する前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて補間して前記撮影画像データを生成する画像データ生成手段を備える。
【0024】
即ち、第1および第2の位相差検出用素子が隣接していることで、位相差検出用画素情報の相関度が高くなり、焦点検出精度が向上する。また、各位相差検出用画素位置における撮影画像データ生成用の画素情報を、その各位相差検出用素子に隣接する三つ以上の撮影用素子の撮影用画素情報に基づいて補間することで、高画質の撮影画像データが生成されることになる。
【0025】
本発明の一態様では、前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、互いに隣接した前記第1及び第2の位相差検出用素子からなる素子対が、千鳥状に配列されていることを特徴とする。
【0026】
即ち、第1および第2の位相差検出用素子が隣接しているとともに、千鳥状に配列されていることで、焦点検出精度が向上する。
【0027】
本発明の一態様では、前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、互いに隣接した一対の前記第1の位相差検出用素子からなる第1の素子対、および、互いに隣接した一対の前記第2の位相差検出用素子からなる第2の素子対が、アレイ状に配置されていることを特徴とする。
【0028】
即ち、互いに隣接した一対の第1の位相差検出用素子の画素情報を合成(画素混合)するとともに、互いに隣接した一対の第2の位相差検出用素子の画素情報を合成(画素混合)することで、低輝度における焦点検出精度を確保できる。
【0029】
本発明の一態様では、前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、互いに隣接した前記第1及び第2の位相差検出用素子からなる素子対が、位相差を検出するための第1の方向および前記画素情報を合成するための第2の方向に沿ってアレイ状に配置され、前記第1の方向における前記素子対の配置ピッチが前記第2の方向における前記素子対の配置ピッチ以下であることを特徴とする。また、本発明の一態様では、前記第2の方向に沿って配列された複数の前記第1の位相差検出用素子間で前記光電変換素子の画素情報を合成するとともに、前記第2の方向に沿って配列された複数の前記第2の位相差検出用素子間で前記光電変換素子の画素情報を合成し、合成した画素情報に基づいて前記撮影レンズの焦点検出を行う焦点検出手段を備える。
【0030】
即ち、位相差を検出するための第1の方向は位相差検出用素子の密度を大きくして焦点検出精度確保することができるともに、第2の方向は位相差検出用素子の密度を小さくしても画素情報合成(画素混合)により焦点検出精度確保することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、低コスト且つ省スペース且つ高速で焦点検出できるとともに、微細化しても正確に焦点検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明を適用したデジタルカメラの一例の概略構成を示すブロック図
【図2】ベイヤ配列の撮像部の一例を示す平面図
【図3】図2の3−3線に沿った断面の一部を示す断面図である。
【図4】ハニカム配列の撮像部の一例を示す平面図
【図5】第1実施形態における位相差検出用素子を示す断面図
【図6】第2実施形態における撮像部の一例を示す平面図
【図7】第3実施形態における位相差検出用素子を示す断面図
【図8】第4実施形態における位相差検出用素子を示す断面図
【図9】第5実施形態における位相差検出用素子を示す断面図
【図10】第6実施形態における撮像部の素子配列を示す平面図
【図11】第7実施形態における撮像部の素子配列を示す平面図
【図12】第8実施形態における撮像部の素子配列を示す平面図
【図13】第9実施形態における撮像部の素子配列を示す平面図
【図14】二面構造のハニカム配列の一例を示す平面図
【図15】図14の素子配列のA面における画素情報補間の説明に用いる平面図
【図16】図14の素子配列のB面における画素情報補間の説明に用いる平面図
【図17】二面構造のベイヤ配列の一例を示す平面図
【図18】図17の素子配列のA面における画素情報補間の説明に用いる平面図
【図19】図17の素子配列のB面における画素情報補間の説明に用いる平面図
【図20】撮影処理の一例の流れを示す概略フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面に従って、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明を適用したデジタルカメラの一例の概略構成を示すブロック図である。
【0035】
図1において、本例のデジタルカメラ100は、撮影レンズ40、レンズ駆動部41、撮像部42、撮像制御部43、アナログ信号処理部44、画像入力コントローラ45、メモリ46、CPU50、デジタル信号処理部61、圧縮伸張処理部62、記録媒体制御部63、記録媒体64、表示制御部65、表示部66、及び、操作部67を含んで構成されている。
【0036】
撮影レンズ40は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含んで構成されている。レンズ駆動部41は、撮影レンズ40を構成するレンズを、光軸0方向にて移動させる。
【0037】
撮像部42は、撮影レンズ40を通過した被写体光を受光して撮像を行う。撮像部42は、本例ではCCD(Charge Coupled Device)撮像デバイスによって構成されており、撮影画像データの生成に用いる撮像素子(以下「撮影用素子」ともいう)、および、撮影レンズ40の焦点検出のための位相差検出に用いる撮像素子(以下「位相差検出用素子」ともいう)を有する。撮影用素子及び位相差検出用素子の具体例については、後に詳説する。
【0038】
撮像制御部43は、撮影用素子及び位相差検出用素子の電荷蓄積と、撮影用素子及び位相差検出用素子からの画素情報の読出しを制御する。
【0039】
アナログ信号処理部44は、撮像部42から出力された画素信号(画素情報)に対し、各種のアナログ信号処理(ノイズ除去、増幅など)を施す。また、アナログ信号処理部44は、A/D変換器を有し、画素信号をアナログからデジタルに変換する。
【0040】
画像入力コントローラ45は、アナログ信号処理部44から出力されたデジタルの画素信号を、メモリ46に格納する。
【0041】
CPU(Central Processing Unit)50は、所定のプログラムを実行することにより、デジタルカメラ100の各部を制御する。
【0042】
デジタル信号処理部61は、CPU50の指示に従い、メモリ46に格納されている画素情報に対し、各種のデジタル信号処理(例えば、階調特性処理、シャープネス処理、ホワイトバランス調整、YC信号生成など)を施す。
【0043】
圧縮伸張処理部62は、CPU50の指示に従い、各種データの圧縮処理、及び、各種データの伸張処理を行う。
【0044】
記録媒体制御部63は、CPU50の指示に従い、記録媒体64への各種データの記録、及び、記録媒体64からの各種データの取得を制御する。記録媒体64は、特に限定されないが、例えばデジタルカメラ100の本体に着脱自在なメモリカードを用いる。
【0045】
表示制御部65は、CPU50の指示に従い、表示部66への表示を制御する。表示部66は、画像を表示可能なデバイスであり、例えば液晶ディスプレイからなる。
【0046】
操作部67は、ユーザがデジタルカメラ100に対し各種の指示を入力するための指示入力デバイスである。例えば、シャッターボタン、モード切換スイッチを含んで構成される。
【0047】
本例のCPU50は、焦点検出部51、合焦制御部52、及び、画像データ生成部53を含んで構成されている。
【0048】
焦点検出部51は、撮像部42の位相差検出用素子から読み出された画素情報に基づいて、位相差検出方式の焦点検出を行う。焦点検出は、例えば、特許第4007716号公報、特開昭59−15208号公報に記載の方式と同様でもよい。
【0049】
合焦制御部52は、焦点検出部51の焦点検出結果に基づいて合焦を行う。即ち、合焦制御部52は、レンズ駆動部41により、必要に応じて、撮影レンズ40を構成しているフォーカスレンズを、被写体に合焦する合焦レンズ位置に移動させる。
【0050】
画像データ生成部53は、撮像部42の撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて、撮影画像データを生成する。生成された撮影画像データは、圧縮伸張処理部62により圧縮処理が施された後、記録媒体制御部63により記録媒体64に記録される。また、撮影画像データを表示制御部65により撮影画像として表示部66に表示することも可能である。
【0051】
図2は、ベイヤ(Bayer)配列の撮像部(図1の42)の一例の一部を示す平面図である。図3は、図2の3−3線に沿った断面の一部を示す断面図である。
【0052】
図2に示すように、撮影レンズ(図1の40)を通過した被写体光を受光する受光面(図2では紙面)に、撮影画像データの生成に用いる第1の撮像素子11(撮影用素子)と、位相差検出に用いる第2の撮像素子12a(第1の位相差検出用素子)及び第3の撮像素子12b(第2の位相差検出用素子)が、アレイ状に配置されている。なお、実際には、受光面に各撮像素子11、12a、12bがそれぞれ多数配置されている。
【0053】
各撮像素子11、12a、12bは、それぞれ、積層構造体110(チップ)の最上面に形成されたトップマイクロレンズ13、14a、14b(「オンチップマイクロレンズ」ともいう)と、積層構造体110の内部に形成されたインナーマイクロレンズ15、16a、16b(「内部マイクロレンズ」ともいう)と、光電変換を行うフォトダイオード17、18a、18b(「光電変換素子」ともいう)を含んで、構成されている。
【0054】
トップマイクロレンズ13、14a、14bは、それぞれ撮影レンズ40を通過した光を集光する。インナーマイクロレンズ15、16a、16bは、それぞれトップマイクロレンズ13、14a、14bを通過した光を集光する。フォトダイオード17、18a、18bは、それぞれインナーマイクロレンズ15、16a、16bを通過した光を受光し、受光量に対応する信号電荷を蓄積する。蓄積された信号電荷は、撮像制御部(図1の43)の制御により、各撮像素子11、12a、12bごとに、画素情報として読み出される。
【0055】
撮影用素子11のフォトダイオード17群は、撮影レンズ40の射出瞳の全体領域を通過した光を受光する。第1の位相差検出用素子12aのフォトダイオード18a群は、撮影レンズ40の射出瞳のうち一方の部分領域を通過した被写体光を受光する。第2の位相差検出用素子12bのフォトダイオード18b群は、撮影レンズ40の射出瞳のうち他方の部分領域を通過した被写体光を受光する。
【0056】
本例の撮像部42は、半導体基板101上に、遮光膜102、絶縁膜103、レンズ層104、平坦層105、および、カラーフィルタ層106が積層されて、構成されている。半導体基板101には、フォトダイオード17、18a、18b、および、VCCD19(垂直転送路)が形成されている。遮光膜102は、半導体基板101の上面のうちフォトダイオード17、18a、18b間の分離領域上に形成されている。絶縁膜103は、透光性を有する絶縁材料によって形成されている。レンズ層104には、内部マイクロレンズ17、18a、18bが形成されている。平坦層105は、透光性材料によって形成されている。カラーフィルタ層106には、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが形成されている。
【0057】
撮影用素子11では、トップマイクロレンズ13の光軸、インナーマイクロレンズ15の光軸、および、フォトダイオード17の光軸が一致している。位相差検出用素子12(12a、12b)におけるトップマイクロレンズ14(14a、14b)の光軸、インナーマイクロレンズ15(15a、15b)の光軸、および、フォトダイオード17(17a、17b)の光軸の関係は、後に各種の実施形態に分けて詳細に説明する。
【0058】
本例の位相差検出用素子12a、12bのトップマイクロレンズ14a、14bは、撮影用素子11のトップマイクロレンズ13よりも、直径が小さい。また、本例の位相差検出用素子12a、12bのフォトダイオード18a、18bは、撮影用素子11のフォトダイオード17と形状が同一である。
【0059】
図4は、ハニカム配列の撮像部(図1の42)の一例の一部を示す平面図である。なお、図4にて、図2に示したベイヤ配列における要素と同じ要素には同じ符号を付してある。
【0060】
ハニカム配列では、奇数行のフォトダイオードに対して偶数行のフォトダイオードが1/2ピッチずらして配置されている。
【0061】
以下では、本発明に係る各種の撮像部42(撮像装置)について、各実施形態ごとに説明する。
【0062】
まず、第1実施形態の撮像部42について説明する。なお、図2〜4を用いて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0063】
図5は、第1実施形態における位相差検出用素子12の断面図である。図5に示すように、本実施形態の位相差検出用素子12では、トップマイクロレンズ14の光軸(中心軸)と、インナーマイクロレンズ16の光軸(中心軸)とを、ずらして配置してある。また、インナーマイクロレンズ16の光軸と、フォトダイオード18の光軸とを、ずらして配置してある。また、トップマイクロレンズ14の光軸と、フォトダイオード18の光軸とを、ずらして配置してある。
【0064】
本実施形態では、トップマイクロレンズ14の光軸に対して、インナーマイクロレンズ16の光軸をシフトして配置したことにより、撮影レンズ40の射出瞳のうち部分領域を通る被写体光、即ち受光方向を制限した光を、フォトダイオード18が効率的に受光することができる。
【0065】
次に、第2実施形態の撮像部42について説明する。なお、第1実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0066】
図6は、本実施形態における撮像部42の一例の一部を示す平面図である。本例は、ハニカム配列である。図6に示すように、本実施形態では、位相差検出用素子12(12a、12b)のトップマイクロレンズ14(14a、14b)の周囲に、光を遮蔽する遮光部を設けた。なお、ハニカム配列を例に説明したが、ベイヤ配列でもよい。
【0067】
次に、第3実施形態の撮像部42について説明する。なお、第1および第2実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0068】
図7は、本実施形態における位相差検出用素子12を示す断面図である。図7に示すように、本実施形態の位相差検出用素子12では、インナーマイクロレンズ16の光軸(中心軸)とフォトダイオード18の光軸(中心軸)とが、一致している。
【0069】
本実施形態における位相差検出用素子12は、撮影用素子11と比較して、積層構造体(図3の110)の上面のトップマイクロレンズ14のみシフトさせて形成できる。よって、トップマイクロレンズ14を形成する前の積層構造体を、位相差検出用素子12を設けない仕様の他の撮像デバイスと容易に共通化することができる。
【0070】
次に、第4実施形態の撮像部42について説明する。なお、図2〜4を用いて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0071】
図8は、本実施形態における位相差検出用素子12を示す断面図である。図8に示すように、本実施形態の位相差検出用素子12では、インナーマイクロレンズ16の入射レンズ161の光軸(中心軸)と出射レンズ162の光軸(中心軸)とを、ずらして配置してある。入射レンズ161は、光路上流側の凸レンズ(上凸レンズ)であり、出射レンズは、光路下流側の凸レンズ(下凸レンズ)である。
【0072】
なお、本例では、更に、トップマイクロレンズ14の光軸とインナーマイクロレンズ16の入射レンズ161の光軸とをずらして配置してある。また、インナーマイクロレンズ16の入射レンズ161の光軸とフォトダイオード18の光軸とをずらして配置してある。
【0073】
本実施形態では、インナーマイクロレンズ16の入射レンズ161の光軸に対して出射レンズ162の光軸をシフトして配置したことにより、撮影レンズ40の射出瞳のうち制限された部分領域を通る光を、位相差検出用のフォトダイオード18が効率良く受光することができる。
【0074】
次に、第5実施形態の撮像部42について説明する。なお、第4実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0075】
図9は、本実施形態における位相差検出用素子12を示す断面図である。図9に示すように、本実施形態の位相差検出用素子12では、撮影用素子(図3の11)と同様、インナーマイクロレンズ16の光軸(中心軸)とフォトダイオード18の光軸(中心軸)とが、一致している。
【0076】
よって、撮影用素子11と位相差検出用素子12とで、フォトダイオード18の蓄積電荷を垂直転送路に読み出すための電極の配置を共通化できる。即ち、位相差検出用素子12用の電極をシフトして配置する必要がないので、撮像素子の高密度配置が可能になる。
【0077】
次に、第6実施形態の撮像部42について説明する。本実施形態は、第1〜第5実施形態のいずれかにおける位相差検出用素子12の配置を限定したものであり、第1〜第5実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0078】
図10は、第6実施形態における撮像部42の素子配列を示す平面図である。図10に示すように、本実施形態では、第1の位相差検出用素子12aおよび第2の位相差検出用素子12bを互いに隣接させた位相差検出用素子対31が、位相差検出方向である水平方向Hに沿って、アレイ状に配置されている。
【0079】
図10にて、R、G、Bはカラーフィルタの色を示している。撮影用素子11はR(赤)、G(緑)またはB(青)のカラーフィルタを有し、位相差検出用素子12(12a、12b)はGカラーフィルタを有する。また、各位相差検出用素子12に隣接して、同一色(本例ではG)のカラーフィルタを有する三つの撮影用素子11が配置されている。このうち一つの撮影用素子11(例えば11a)は、位相差検出用素子対31間に配置されている。例えば、符号11a、11b、11cの撮影用素子のうち符号11aの撮影用素子は、第1の位相差検出用素子12a間に配置され、符号11d、11e、11fの撮影用素子のうち符号11dの撮影用素子は、第2の位相差検出用素子12b間に配置されている。
【0080】
本実施形態では、画像データ生成部(図1の53)によって各位相差検出用素子12の画素位置における撮影画像データ生成のための画素情報を補間する際、位相差検出用素子対31間の一つの撮影用素子11を含む、同一色(例えばG)のカラーフィルタを有する三つの撮影用素子11の画素情報を用いる。例えば、図10にて、符号11a,11b,11cの三つの撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて第1の位相差検出用素子12aの位置における画素情報を補間するとともに、符号11d,11e,11fの三つの撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて第2の位相差検出用素子12bの位置における画素情報を補間することで、高解像度の撮影画像データを生成する。
【0081】
なお、本例では同一種類の位相差検出用素子間(12a−12a間、12b−12b間)に撮影用素子11をひとつずつ配置した場合を例に説明したが、このような場合に本発明は限定されない。位相差検出用素子対31間に、特定色のカラーフィルタを有する一つ以上の撮影用素子11を配置した各種の配列態様を含む。また、本例では位相差検出方向が水平方向Hであるが、位相差検出方向が垂直方向Vである場合でも本発明を適用できる。また、本例では素子配列がベイヤ配列であるが、ハニカム配列の場合でも本発明を適用できる。
【0082】
次に、第7実施形態の撮像部42について説明する。本実施形態は、第6実施形態における位相差検出用素子12対の配置を更に限定したものであり、第1〜第6実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0083】
図11は、本実施形態における撮像部42の素子配列を示す平面図である。図11に示すように、本実施形態では、位相差検出用素子対31が、千鳥状に配列されている。即ち、複数の位相差検出用素子対31が水平方向Hに配列された第1の画素対列311と、複数の位相差検出用素子対31が水平方向Hに配列された第2の画素対列312とで、位相差検出用素子対31が互い違いに配置されている。
【0084】
次に、第8実施形態の撮像部42について説明する。本実施形態は、第1〜第5実施形態のいずれかにおける位相差検出用素子12の配置を限定したものであり、第1〜第5実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0085】
図12は、本実施形態における撮像部42の素子配列を示す平面図である。図12に示すように、本実施形態では、1対の第1の位相差検出用素子12aを互いに隣接させた位相差検出用素子対33a、および、1対の第2の位相差検出用素子12bを互いに隣接させた位相差検出用素子対33bが、位相差検出方向である水平方向Hに沿って、アレイ状に配置されている。
【0086】
本実施形態では、焦点検出部(図1の51)によって焦点検出を行う際、各位相差検出用素子対33a,33bごとに、一対のフォトダイオード18から読み出された画素情報を合成し、合成した画素情報に基づいてデフォーカス量を算出する。つまり、位相差検出用素子対ごとに、2つの位相差検出用素子12a、12bの画素情報合成(画素混合)を行う。
【0087】
次に、第9実施形態の撮像部42について説明する。本実施形態は、第7実施形態における位相差検出用素子12対の配置を更に限定したものであり、第1〜第7実施形態にて既に説明した事項は、ここでは説明を省略する。
【0088】
図13は、本実施形態における撮像部42の素子配列を示す平面図である。図13に示すように、本実施形態では、第1の位相差検出用素子12a及び第2の位相差検出用素子12bを互いに隣接させた位相差検出用素子対31が、互いに直交する第1の方向(本例では水平方向H)および第2の方向(本例では垂直方向V)に沿って配置され、位相差検出のための第1の方向Hにおける位相差検出用素子対31間の配置ピッチは、画素混合のための第2の方向Vにおける位相差検出用素子対31間の配置ピッチ以下である。
【0089】
本例では、第2の方向Vに沿って第1の位相差検出用素子12aの列34aおよび第2の位相差検出用素子12bの列34bからなる列対35を設け、この列対35を第1の方向Hに複数並べている。
【0090】
本実施形態では、焦点検出部(図1の51)によって焦点検出を行う際、第2の方向に沿って配列された複数の第1の位相差検出用素子12a間で画素情報を合成するとともに、第2の方向に沿って配列された複数の第2の位相差検出用素子12b間で画素情報を合成し、合成した画素情報に基づいてデフォーカス量を算出する。つまり、第1の位相差検出用素子12aの列34aごと、第2の位相差検出用素子12bの列34bごとに、画素情報合成を行う。
【0091】
なお、本発明は図10〜図13を用いて説明した撮像部には特に限定されない。本発明は、互いに独立に撮像制御可能なA面およびB面からなる2面構成の撮像部にも適用できる。このような2面構成では、互いに独立に電荷蓄積制御および読出し制御が可能である。即ち、A面とB面とで異なる露光時間で露光してA面の撮影用画素情報とB面の撮影用画素情報とを合成することで高ダイナミックレンジの撮像画像を取得して記録する高ダイナミックレンジ撮影と、A面とB面とで同一の露光時間で露光してA面およびB面の撮影用画素情報からなる高解像度の撮像画像を取得して記録する高解像度撮影とを、容易に切り換えることができる。
【0092】
図14は、2面構成のハニカム配列の一例を示す平面図である。以下では、図10〜図13に示した撮像部42と異なる事項を説明する。
【0093】
図14にて、大文字のR,G,BはA面の撮影用素子(図2の11)、小文字のr、g、bはB面の撮影用素子(図2の11)、PAはA面の位相差検出用素子(図2の12aまたは12b)、PBはB面の位相差検出用素子(図2の12aまたは12b)を、それぞれ示す。また、R、rは赤のカラーフィルター付き、G,gは緑のカラーフィルター付き、B,bは青のカラーフィルター付きであることを、それぞれ示す。尚、本例の位相差検出用素子PA、PBは緑のカラーフィルター付きである。
【0094】
本例では、A面の画素R、G、B、PA群が正方格子状に配列され、B面の画素r、g、b、PB群が正方格子状に配列されるとともにA面の画素群の格子間位置に配置されて、全体としてハニカム配列を構成している。ハニカム配列は、偶数行と奇数行とを互いに1/2画素(素子)ピッチずらして配置した配列である。
【0095】
このような撮像部にて、位相差検出用素子PA,PBの対が水平方向および垂直方向に沿ってアレイ状に配置されている。
【0096】
図15はA面の位相差検出用素子PAの位置における撮影用画素情報の補間を示し、図16はB面の位相差検出用素子PBの位置における撮影用画素情報の補間を示す。図15に示すように、A面の撮像素子のみを注目した場合、各位相差検出用素子PAに隣接して同一の色(本例ではG)のカラーフィルタを有する四つの撮影用素子が配置されている。画像データ生成部(図1の53)は、各位相差検出用素子PAの画素位置における撮影用画素情報を補間する際、A面上で各位相差検出用素子PAに隣接する撮影用素子であって同一色のカラーフィルタを有する四つの撮影用素子の画素情報を用いる。図16に示すように、B面でも、各位相差検出用素子PBに隣接して同一の色(本例ではG)のカラーフィルタを有する四つの撮影用素子が配置されており、A面と同様に、各位相差検出用素子PBの画素位置における撮影用画素情報を補間する。
【0097】
図17は、2面構成のベイヤ配列の一例を示す平面図である。図17に示す素子配列は、図14に示した素子配列と比較して、ハニカム配列をベイヤ配列にした点で相違するが、位相差検出素子PA,PBの対が水平方向および垂直方向に沿ってアレイ状に配置されている点は同じである。図18はA面の位相差検出用素子PAの位置における撮影用画素情報の補間を示し、図19はB面の位相差検出用素子PBの位置における撮影用画素情報の補間を示す。図18及び図19に示すように、各面A、Bにて、各位相差検出用素子PA,PBに隣接して同一の色(本例ではG)のカラーフィルタを有する四つの撮影用素子が配置されている。画像データ生成部(図1の53)は、各位相差検出用素子PA,PBの画素位置における撮影用画素情報を補間する際、各位相差検出用素子PA,PBに隣接する撮影用素子であって同一色のカラーフィルタを有する四つの撮影用素子の画素情報を用いる。
【0098】
なお、図14および図17に示した2面構成の素子配列は一例であり、図11を用いて説明したように、位相差検出用素子対を千鳥状に配置した素子配列でもよい。また、図12を用いて説明したように、互いに隣接した一対の第1の位相差検出用素子(図2の12a)からなる第1の位相差検出用素子対、および、互いに隣接した一対の第2の位相差検出用素子(図2の12b)からなる第2の位相差検出用素子対が、アレイ状に配置されている素子配列でもよい。また、図13を用いて説明したように、位相差検出のための水平方向における位相差検出用素子対の配置ピッチが、画素混合のための垂直方向における位相差検出用素子対の配置ピッチ以下である素子配列としてもよい。
【0099】
次に、撮像部42の製造方法について、図3を用いて簡単に説明する。
【0100】
まず、半導体基板101を用意し、半導体基板101にフォトダイオード17、18a、18b、垂直転送路19等を形成する。ここで、フォトダイオード17、18a、18bは、撮影用と位相差検出用とで同一の形状及び大きさで形成すればよい。
【0101】
次に、半導体基板101上に、遮光膜102を形成する。ここで、フォトダイオード17、18a、18b間の分離領域に遮光膜102を形成し、フォトダイオード17、18a、18bの上に開口部を形成する。
【0102】
次に、半導体基板101および遮光膜102上に、絶縁膜103、レンズ層104および平坦層105を形成する。レンズ層104は、パターニングにより形成することができる。なお、図3では、インナーマイクロレンズ15、16a、16bとして、光路上流側に凸形状の入射レンズおよび光路下流側に凸形状の出射レンズの両方を形成した場合を示したが、入射レンズのみ形成してもよい。
【0103】
次に、平坦層105の上にカラーフィルタ層106を形成する。なお、図10〜図13では位相差検出用素子12a、12bのカラーフィルタとしてG(緑)カラーフィルタを形成した場合を例に示したが、ほかの色のカラーフィルタを形成してもよい。また、位相差検出用素子12a、12bでは、カラーフィルタとせず透明としてもよい。
【0104】
以上のようにしてトップマイクロレンズ13、14a、14bを除く積層構造体110が構成される。
【0105】
次に、積層構造体110の最上面(本例ではカラーフィルタ層106)の上に、パターンニングにより、トップマイクロレンズ13、14a、14bを形成する。ここで、前述の第3実施形態では、パターンニング時にフォトマスクを切り替えることにより、位相差検出用のトップマイクロレンズ14a、14bを形成するか、撮影用のトップマイクロレンズ13のみ形成するかを切り替え可能である。
【0106】
図20は、図1のデジタルカメラ100における撮影処理の一例の流れを示す概略フローチャートである。この処理は、図1のCPU50により、プログラムに従って実行される。
【0107】
まず、ステップS1にて、位相差検出方式の焦点検出を行う。即ち、撮像制御部43の制御により撮像部42を用いて撮像を行って、焦点検出部51により、複数の第1の位相差検出用素子12aのフォトダイオード18aから読み出された画素情報と、複数の第2の位相差検出用素子12bのフォトダイオード18bから読み出された画素情報との位相差を検出することで、デフォーカス量を検出する。
【0108】
なお、位相差検出用素子12a、12bの配置ピッチを大きくした場合には、低輝度性能確保のため、本ステップにて画素混合を行うことが、好ましい。例えば、図12に示した第8実施形態の撮像部42の場合、第1の位相差検出用素子対33aにて画素混合を行うとともに、第2の位相差検出用素子対33bにて画素混合を行う。例えば、図13に示した第9実施形態の撮像部42の場合、第1の位相差検出用素子12aの列34aにて画素混合を行うとともに、第2の位相差検出用素子12bの列34bにて画素混合を行う。画素混合では、同一種類の複数の位相差検出用素子12から読み出された画素情報を合成する。このような画素混合によれば、位相差検出用素子12の密度を粗く配置しても焦点検出精度の低下を抑えることができる。
【0109】
次に、ステップS2にて、焦点検出結果に基づいて合焦を行う。即ち、合焦制御部52により、必要に応じて、レンズ駆動部41を用いてデフォーカス量に対応する移動量だけフォーカスレンズを移動させる。言い換えると、デフォーカス量が0(ゼロ)となるように、フォーカスレンズを合焦レンズ位置に移動させる。
【0110】
次に、ステップS3にて、撮影画像データを取得する。即ち、撮像制御部43の制御により撮像部42を用いて撮像を行って、画像データ生成部55により、複数の撮影用素子11のフォトダイオード17から読み出された画素情報に基づいて、撮影画像データを生成する。
【0111】
本ステップにて、撮影画像データの画質向上のため、画素情報の補間を行うことが、好ましい。例えば、図10に示した第6実施形態の撮像部42の場合、各位相差検出用素子12a、12bごとに、隣接する撮影用素子11a〜11fの画素情報に基づいて、各位相差検出用素子12a、12bの位置における撮影画像データ生成用の画素情報を補間することで、高品質の撮影画像データを生成する。
【0112】
そして、ステップS4にて、撮影画像データを記録する。即ち、記録媒体制御部63により、撮影画像データを記録媒体64に記録する。
【0113】
なお、撮像部42は、CCD撮像デバイスに特に限定されず、CMOS撮像デバイスでもよい。
【0114】
本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0115】
11…第1の撮像素子(撮影用素子)、12a…第2の撮像素子(第1の位相差検出用素子)、12b…第3の撮像素子(第2の位相差検出用素子)、13、14a、14b…トップマイクロレンズ(オンチップマイクロレンズ)、15、16a、16b…インナーマイクロレンズ(内部マイクロレンズ)、17、18a、18b…フォトダイオード(光電変換素子)、31、33a、33b…位相差検出用素子対、40…撮影レンズ、41…レンズ駆動部、42…撮像部(撮像デバイス)、43…撮像制御部、50…CPU、51…焦点検出部、52…合焦制御部、53…画像データ生成部、67…操作部、101…半導体基板、104…レンズ層、106…カラーフィルタ層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズを通過した光を受光するアレイ状の撮像素子群を備えた撮像デバイスであって、
前記撮像素子群は、撮影画像データの生成に用いる複数の撮影用素子、及び、前記撮影レンズの焦点検出のための位相差検出に用いる複数の位相差検出用素子を含んで構成され、
前記各撮影用素子及び前記各位相差検出用素子は、前記撮影レンズを通過した光を集光するオンチップマイクロレンズと、前記オンチップマイクロレンズを通過した光を受光する光電変換素子と、前記オンチップマイクロレンズと前記光電変換素子との間に配置された内部マイクロレンズと、を有し、
前記撮影用素子では、前記オンチップマイクロレンズの光軸と前記内部マイクロレンズの光軸とが一致しており、
前記位相差検出用素子では、前記オンチップマイクロレンズの光軸を前記内部マイクロレンズの光軸に対してずらして配置したことを特徴とする撮像デバイス。
【請求項2】
前記撮影用素子及び前記位相差検出用素子の両方で、前記内部マイクロレンズの光軸と前記光電変換素子の光軸とが一致していることを特徴とする請求項1に記載の撮像デバイス。
【請求項3】
撮影レンズを通過した光を受光するアレイ状の撮像素子群を備えた撮像デバイスであって、
前記撮像素子群は、撮影画像データの生成に用いる複数の撮影用素子、及び、前記撮影レンズの焦点検出のための位相差検出に用いる複数の位相差検出用素子を含んで構成され、
前記各撮影用素子及び前記各位相差検出用素子は、前記撮影レンズを通過した光を集光するオンチップマイクロレンズと、前記オンチップマイクロレンズを通過した光を受光する光電変換素子と、前記オンチップマイクロレンズと前記光電変換素子との間に配置され、光路上流側の入射レンズ及び光路下流側の出射レンズを有する内部マイクロレンズと、を有し、
前記撮影用素子では、前記内部マイクロレンズの前記入射レンズの光軸と前記出射レンズの光軸とが一致しており、
前記位相差検出用素子では、前記内部マイクロレンズの前記入射レンズの光軸を前記出射レンズの光軸に対してずらしたことを特徴とする撮像デバイス。
【請求項4】
前記撮影用素子及び前記位相差検出用素子の両方で、前記内部マイクロレンズの前記出射レンズの光軸と前記光電変換素子の光軸とが一致していることを特徴とする請求項3に記載の撮像デバイス。
【請求項5】
前記位相差検出用素子の前記光電変換素子と前記撮影用素子の前記光電変換素子とが同一形状であることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の撮像デバイス。
【請求項6】
前記位相差検出用素子の前記オンチップマイクロレンズは、前記撮影用素子の前記オンチップマイクロレンズよりも直径が小さいことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の撮像デバイス。
【請求項7】
前記位相差検出用素子の前記オンチップマイクロレンズの周辺に遮光部を設けたことを特徴とする請求項6に記載の撮像デバイス。
【請求項8】
前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、
互いに隣接した前記第1および第2の位相差検出用素子からなる素子対がアレイ状に配置されていることを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の撮像デバイス。
【請求項9】
同一色のカラーフィルタを有する三つ以上の前記撮影用素子が、前記各位相差検出用素子に隣接して配置されていることを特徴とする請求項8に記載の撮像デバイス。
【請求項10】
前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、
互いに隣接した前記第1及び第2の位相差検出用素子からなる素子対が、千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の撮像デバイス。
【請求項11】
前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、
互いに隣接した一対の前記第1の位相差検出用素子からなる第1の素子対、および、互いに隣接した一対の前記第2の位相差検出用素子からなる第2の素子対が、アレイ状に配置されていることを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の撮像デバイス。
【請求項12】
前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、
互いに隣接した前記第1及び第2の位相差検出用素子からなる素子対が、位相差を検出するための第1の方向および前記画素情報を合成するための第2の方向に沿ってアレイ状に配置され、
前記第1の方向における前記素子対の配置ピッチが前記第2の方向における前記素子対の配置ピッチ以下であることを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の撮像デバイス。
【請求項13】
請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の撮像デバイスと、
前記位相差検出用素子から読み出された画素情報に基づいて、前記撮影レンズの焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記焦点検出手段の焦点検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点合わせを行う合焦制御手段と、
前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて撮影画像データを生成する画像データ生成手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項14】
請求項9に記載の撮像デバイスと、
前記位相差検出用素子から読み出された画素情報に基づいて、前記撮影レンズの焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記焦点検出手段の焦点検出結果に基づいて、前記撮影レンズの焦点合わせを行う合焦制御手段と、
前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて撮影画像データを生成する画像データ生成手段であって、前記各位相差検出用素子の位置の撮影用画素情報を、前記各位相差検出用素子に隣接して配置されている同一色の前記カラーフィルタを有する前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて補間して前記撮影画像データを生成する画像データ生成手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項15】
請求項10に記載の撮像デバイスと、
前記前記第1及び第2の位相差検出用素子からなる前記素子対から読み出された画素情報に基づいて、前記撮影レンズの焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記焦点検出手段の焦点検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点合わせを行う合焦制御手段と、
前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて撮影画像データを生成する画像データ生成手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項16】
請求項11に記載の撮像デバイスと、
前記各素子対ごとに、一対の前記光電変換素子から読み出された画素情報を合成し、合成した画素情報に基づいて前記撮影レンズの焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記焦点検出手段の焦点検出結果に基づいて、前記撮影レンズの焦点合わせを行う合焦制御手段と、
前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて、撮影画像データを生成する画像データ生成手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項17】
請求項12に記載の撮像デバイスと、
前記第2の方向に沿って配列された複数の前記第1の位相差検出用素子間で前記光電変換素子の画素情報を合成するとともに、前記第2の方向に沿って配列された複数の前記第2の位相差検出用素子間で前記光電変換素子の画素情報を合成し、合成した画素情報に基づいて前記撮影レンズの焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記焦点検出手段の焦点検出結果に基づいて、前記撮影レンズの焦点合わせを行う合焦制御手段と、
前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて、撮影画像データを生成する画像データ生成手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項1】
撮影レンズを通過した光を受光するアレイ状の撮像素子群を備えた撮像デバイスであって、
前記撮像素子群は、撮影画像データの生成に用いる複数の撮影用素子、及び、前記撮影レンズの焦点検出のための位相差検出に用いる複数の位相差検出用素子を含んで構成され、
前記各撮影用素子及び前記各位相差検出用素子は、前記撮影レンズを通過した光を集光するオンチップマイクロレンズと、前記オンチップマイクロレンズを通過した光を受光する光電変換素子と、前記オンチップマイクロレンズと前記光電変換素子との間に配置された内部マイクロレンズと、を有し、
前記撮影用素子では、前記オンチップマイクロレンズの光軸と前記内部マイクロレンズの光軸とが一致しており、
前記位相差検出用素子では、前記オンチップマイクロレンズの光軸を前記内部マイクロレンズの光軸に対してずらして配置したことを特徴とする撮像デバイス。
【請求項2】
前記撮影用素子及び前記位相差検出用素子の両方で、前記内部マイクロレンズの光軸と前記光電変換素子の光軸とが一致していることを特徴とする請求項1に記載の撮像デバイス。
【請求項3】
撮影レンズを通過した光を受光するアレイ状の撮像素子群を備えた撮像デバイスであって、
前記撮像素子群は、撮影画像データの生成に用いる複数の撮影用素子、及び、前記撮影レンズの焦点検出のための位相差検出に用いる複数の位相差検出用素子を含んで構成され、
前記各撮影用素子及び前記各位相差検出用素子は、前記撮影レンズを通過した光を集光するオンチップマイクロレンズと、前記オンチップマイクロレンズを通過した光を受光する光電変換素子と、前記オンチップマイクロレンズと前記光電変換素子との間に配置され、光路上流側の入射レンズ及び光路下流側の出射レンズを有する内部マイクロレンズと、を有し、
前記撮影用素子では、前記内部マイクロレンズの前記入射レンズの光軸と前記出射レンズの光軸とが一致しており、
前記位相差検出用素子では、前記内部マイクロレンズの前記入射レンズの光軸を前記出射レンズの光軸に対してずらしたことを特徴とする撮像デバイス。
【請求項4】
前記撮影用素子及び前記位相差検出用素子の両方で、前記内部マイクロレンズの前記出射レンズの光軸と前記光電変換素子の光軸とが一致していることを特徴とする請求項3に記載の撮像デバイス。
【請求項5】
前記位相差検出用素子の前記光電変換素子と前記撮影用素子の前記光電変換素子とが同一形状であることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の撮像デバイス。
【請求項6】
前記位相差検出用素子の前記オンチップマイクロレンズは、前記撮影用素子の前記オンチップマイクロレンズよりも直径が小さいことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の撮像デバイス。
【請求項7】
前記位相差検出用素子の前記オンチップマイクロレンズの周辺に遮光部を設けたことを特徴とする請求項6に記載の撮像デバイス。
【請求項8】
前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、
互いに隣接した前記第1および第2の位相差検出用素子からなる素子対がアレイ状に配置されていることを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の撮像デバイス。
【請求項9】
同一色のカラーフィルタを有する三つ以上の前記撮影用素子が、前記各位相差検出用素子に隣接して配置されていることを特徴とする請求項8に記載の撮像デバイス。
【請求項10】
前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、
互いに隣接した前記第1及び第2の位相差検出用素子からなる素子対が、千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の撮像デバイス。
【請求項11】
前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、
互いに隣接した一対の前記第1の位相差検出用素子からなる第1の素子対、および、互いに隣接した一対の前記第2の位相差検出用素子からなる第2の素子対が、アレイ状に配置されていることを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の撮像デバイス。
【請求項12】
前記撮影レンズの射出瞳のうち互いに異なる部分領域を通過する光に対応した画素情報を生成する第1および第2の前記位相差検出用素子を備え、
互いに隣接した前記第1及び第2の位相差検出用素子からなる素子対が、位相差を検出するための第1の方向および前記画素情報を合成するための第2の方向に沿ってアレイ状に配置され、
前記第1の方向における前記素子対の配置ピッチが前記第2の方向における前記素子対の配置ピッチ以下であることを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の撮像デバイス。
【請求項13】
請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の撮像デバイスと、
前記位相差検出用素子から読み出された画素情報に基づいて、前記撮影レンズの焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記焦点検出手段の焦点検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点合わせを行う合焦制御手段と、
前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて撮影画像データを生成する画像データ生成手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項14】
請求項9に記載の撮像デバイスと、
前記位相差検出用素子から読み出された画素情報に基づいて、前記撮影レンズの焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記焦点検出手段の焦点検出結果に基づいて、前記撮影レンズの焦点合わせを行う合焦制御手段と、
前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて撮影画像データを生成する画像データ生成手段であって、前記各位相差検出用素子の位置の撮影用画素情報を、前記各位相差検出用素子に隣接して配置されている同一色の前記カラーフィルタを有する前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて補間して前記撮影画像データを生成する画像データ生成手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項15】
請求項10に記載の撮像デバイスと、
前記前記第1及び第2の位相差検出用素子からなる前記素子対から読み出された画素情報に基づいて、前記撮影レンズの焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記焦点検出手段の焦点検出結果に基づいて前記撮影レンズの焦点合わせを行う合焦制御手段と、
前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて撮影画像データを生成する画像データ生成手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項16】
請求項11に記載の撮像デバイスと、
前記各素子対ごとに、一対の前記光電変換素子から読み出された画素情報を合成し、合成した画素情報に基づいて前記撮影レンズの焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記焦点検出手段の焦点検出結果に基づいて、前記撮影レンズの焦点合わせを行う合焦制御手段と、
前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて、撮影画像データを生成する画像データ生成手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項17】
請求項12に記載の撮像デバイスと、
前記第2の方向に沿って配列された複数の前記第1の位相差検出用素子間で前記光電変換素子の画素情報を合成するとともに、前記第2の方向に沿って配列された複数の前記第2の位相差検出用素子間で前記光電変換素子の画素情報を合成し、合成した画素情報に基づいて前記撮影レンズの焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記焦点検出手段の焦点検出結果に基づいて、前記撮影レンズの焦点合わせを行う合焦制御手段と、
前記撮影用素子から読み出された画素情報に基づいて、撮影画像データを生成する画像データ生成手段と、
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−77829(P2011−77829A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227338(P2009−227338)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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