説明

撮像装置、ライブビューモード切り換え方法およびライブビューモード切り換えプログラム

【課題】異なる撮像素子を用いる2つの異なるライブビューモードを有する撮像装置において、ユーザーの手を煩わせることなく、常時適切なライブビューモードを選択できるようにする。
【解決手段】操作部80のモード設定ダイヤルを通じて撮影モードの設定入力を受け付けて、撮影モードを設定する。全体制御部101は、設定された撮影モードに応じて、ミラー機構6を切り換えられ、撮影用撮像素子5からの画像を表示装置12に表示するか、表示用撮像素子7からの画像を表示装置12に表示するかを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、いわゆるライブビュー機能を備えた、例えば、レンズ交換式デジタル一眼レフレックスカメラ等の装置、当該装置において用いられる方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レンズ交換式デジタル一眼レフレックスカメラ(DSLR:Digital Single Lens Reflex Camera)においても、コンパクトデジタルカメラと同様に、いわゆるライブビュー(スルー画表示)を用いた構図合わせを行えるようにしたいとするニーズが高まっている。
【0003】
ライブビューは、撮影レンズが捉えている被写体の画像を、リアルタイムにLCD(Liquid Crystal Display)等の表示素子の比較的に大きな表示画面に表示して構図決め(構図合わせ)を行えるようにするものである。
【0004】
ライブビューを行う方法として、撮影用撮像素子を用いる方法と、表示用撮像素子を用いる方法とがある。しかし、いずれの方法にも、長所と短所とがある。
【0005】
図16に、撮影用撮像素子を用いてライブビューを行うことが可能なレンズ交換式デジタル一眼レフレックスカメラ(以下、DSLRと略称する。)200の光学系等の構成を説明するための横断面図を示す。
【0006】
図16(A)に示すように、DSLR200においては、レンズ群201を通じて取り込まれる被写体の画像は、シャッター207を介して撮影用撮像素子208のセンサー面に結像するようにされる。この撮影用撮像素子208のセンサー面に結像した画像を取り込んで記録媒体に記録することができる。
【0007】
そして、DSLR200においては、図16(A)に示したように、撮影用撮像素子208を用いて取り込んだ画像をLCD209に表示させるので、LCD209の表示画面に表示される画像は視野率100%の画像となる。
【0008】
したがって、撮影用撮像素子208を用いる方法の場合、ユーザーは、撮影されて記録される範囲の画像をそのままLCD209を通じて確認し、構図合わせを行うことができると言う長所がある。
【0009】
しかし、撮影用撮像素子208を用いてライブビューを行う方法の場合、図16(A)に示したように、撮影用撮像素子208へ光束を導くために、主ミラー202及びサブミラー203を撮影光学系から退避(ミラーアップ)させる必要がある。
【0010】
この場合、レンズ群201を通じて取り込んだ光束を、位相差検出方式のオートフォーカス(以下、位相差AF(Automatic Focus)と略称する。)を行うオートフォーカスモジュール(図16ではAFMと記載)210へ導くことができない。
【0011】
したがって、図16(A)に示したように、撮影用撮像素子208を用いる方法の場合、DSLRの構造上、詳しくは後述もするが、高速に焦点を合わせることが可能な位相差AFを用いることができなくなると言う短所がある。
【0012】
そして、図16(A)にしたように、撮影用撮像素子を用いるライブビュー時においては、撮影用撮像素子を通じて取得する画像のコントラストが最も高くなる点を合焦点として探し出すコントラスト検出方式のオートフォーカスを用いることになる。なお、以下においては、コントラスト検出方式のオートフォーカスを、コントラストAFと略称する。
【0013】
コントラストAFは、コンパクトデジタルカメラにおいて用いられているものであり、レンズの位置を調整しながら取り込んだ画像のコントラストを検出し、徐々にピントを合わせる方式である。このため、コントラストAFは、位相差AFと比較すると低速な焦点合わせ手段である。
【0014】
このため、図16(A)に示したように、ミラーアップ状態で行うことになる撮影用撮像素子208を使用したライブビュー時においては、位相差AFを用いることができず、高速な焦点合わせを行うことができないと言う短所が生じてしまうのである。
【0015】
なお、位相差AFを行うためのオートフォーカスモジュール(AFM)210は、例えば、図17に示すように、集光レンズCLと、一対のセパレータレンズL1と、L2と、その後方に配置される1つのラインセンサLSとから構成されるものである。
【0016】
そして、位相差AFは、ラインセンサLSのセンサー面に結像する画像の入射位置は、焦点板等価面Sに正確に結像している場合(合焦時)、前方に結像している場合(前ピン時)、後方に結像している場合(後ピン時)とで異なることを利用している。すなわち、ピントのずれ量は、一対のラインセンサLSのセンサー面上における画像の結像位置によって判断できる。
【0017】
したがって、ラインセンサLSからの出力を解析(演算)することにより、合焦か非合焦か、前ピンか後ピンか、ピントのずれ量はどの位かを正確に検出し、これに応じて1回のレンズ位置調整により、迅速かつ正確にピントを合わせることができるのである。
【0018】
これに対して、図18に、光学ビューファインダー内に設けられる表示用撮像素子を用いてライブビューを行うことが可能なDSLR300の光学系等の構成を説明するための横断面図を示す。
【0019】
DSLR300は、図18の横断面図に示したように、撮影用撮像素子208の他に光学ファインダー内に表示用撮像素子211を設けるようにしたものもある。表示用撮像素子211が設けられている点を除いて、DSLR300は、図16に示したDSLR200と同様の構成を有している。
【0020】
図18に示したように、表示用撮像素子211を用いてライブビューを行う方法では、ライブビュー画像の取得に光学ファインダー内の表示用撮像素子211を使用する。このため、主ミラー202及びサブミラー203をミラーダウンさせたままのライブビューが可能となる。
【0021】
したがって、図18に示したように、表示用撮像素子211を用いてライブビューを行う方法では、レンズ群201を通じて取り込んだ光束を、位相差AFを行うAFM210に導くことができる。すなわち、表示用撮像素子211を用いてライブビューを行う方法の場合、位相差AFによる高速な焦点合わせを行うことができると言う長所がある。
【0022】
しかし、図18に示したように、光学ファインダー内の表示用撮像素子211を用いてライブビューを行う場合、LCD209に表示される画像の視野率は光学ファインダーの視野率に依存してしまう。
【0023】
ほとんどの場合、光学ファインダーの視野率は100%未満のため、表示用撮像素子211を通じて取り込み、LCD209の表示画面に表示されるライブビュー画像の視野率も100%未満となってしまうという短所がある。この場合、視野率が100%の画像を表示することができないために、本体の撮影可能範囲を正確に把握することができず、構図の確認を行うのに支障をきたす可能性がある。
【0024】
これを改善する1つの方法が、特許文献1(特開2007−281952号公報)に開示されている。当該特許文献1に開示された方法は、視野率が100%未満の光学ファインダー内に表示用撮像素子を持つDSLRに適用されるものである。
【0025】
特許文献1に開示された方法は、LCD等の表示素子の表示領域の大きさに対して、表示用撮像素子を通じて取り込んだライブビュー画像を光学ファインダーの視野率と同等の大きさに縮小して表示するようにする。そして、縮小することにより、画像情報が存在しなくなる周辺部を全黒で補うようにするものである。
【0026】
また、位相差AFには、図16(B)、図18に示したように、サブミラー203によってレンズ群201からの光束をオートフォーカスモジュール210に導く。このため、撮影用撮像素子208への光路長と、オートフォーカスモジュール210への光路長とが微妙に異なることで焦点誤差が発生してしまう場合がある。
【0027】
この焦点誤差は、通常の撮影においては許容範囲に収まるが、例えば、近接(マクロ)撮影時には無視できない場合があり、このような場合には、コントラストAFを用いるほうが好ましい場合もある。
【0028】
上述のように、ライブビューを行う2つの方法のそれぞれには、焦点合わせや視野率に関して一長一短がある。そして、撮影用撮像素子を用いるモードと表示用撮像素子を用いるモードの2つのライブビューモードを持つDSLRの場合、従来は、撮影者がどちらのライブビューモードを使用するかを手動で切り換えていた。
【0029】
このため、撮像装置のユーザーの利便性を確保するものとして、特許文献2(特開2007−259157号公報)に記載の発明が提案されている。
【0030】
特許文献2に記載の発明は、撮影用撮像素子を用いるライブビューモードと表示用撮像素子を用いるライブビューモードとの2つの異なるライブビューモードを備えたDSLRに関する発明である。
【0031】
さらに、当該DSLRは、シングルAF(Automatic Focus)、コンティニュアスAF、シングルAF+MF(Manual Focus)といった複数のフォーカスモードを持ち、これらのフォーカスモードを切り換え可能となっているものである。
【0032】
そして、当該DSLRは、装着したレンズがAF対応か否かを判断するとともに、設定されているフォーカスモードによって、2つのライブビューモードを自動で切り換える機能を有する。
【0033】
具体的に、当該DSLRは、AF対応のレンズが装着され、フォーカスモードがシングルAF、コンティニュアスAFにされている場合には、表示用撮像素子を用いたライブビューに自動設定される。
【0034】
また、AF対応のレンズが装着され、フォーカスモードがシングルAF+MFの場合には、シングルAF時は表示用撮像素子を用いたライブビューに自動設定され、MFに移行すると撮影用撮像素子を用いたライブビューに自動設定される。
【0035】
さらに、AF非対応のレンズが装着された場合は、撮影用撮像素子を用いたライブビューに自動設定される。
【0036】
このようにすることで、AF時は表示用撮像素子を用いたライブビューモードを使用して位相差AFによる高速なAFを実現し、MF時は撮影用撮像素子を用いたライブビューモードを使用してマニュアルフォーカスで正確な焦点合わせを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0037】
【特許文献1】特開2007−281952号公報
【特許文献2】特開2007−259157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
しかし、引用文献2に記載された方式では、AFが使用可能な場合は常に表示用撮像素子側のライブビューを用い、MFしか使用できない場合のみ撮影用撮像素子側のライブビューを用いることとなる。
【0039】
このため、AF使用時において、正確な構図を確認したい状況では手動で撮影用撮像素子側のライブビューに切り換える必要があり、DSLRのユーザーの利便性を確保するという点では十分な効果を上げることができない場合があると考えられる。
【0040】
以上のことに鑑み、この発明は、上記の問題点を解消し、異なる撮像素子を用いる2つの異なるライブビューモードを有する撮像装置において、ユーザーの手を煩わせることなく、常時適切なライブビューモードを選択できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0041】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の撮像装置は、
撮影用撮像素子と、
光学ファインダー内に配設される表示用撮像素子と、
前記撮影用撮像素子からの画像を、あるいは、前記表示用撮像素子からの画像を表示する表示手段と、
撮影レンズを通じて取り込まれる光束を、前記撮影用撮像素子に導くか、前記表示用撮像素子に導くかを切り換えるミラー機構と、
前記ミラー機構が、撮影レンズを通じて取り込まれる光束を前記表示用撮像素子に導くように切り換えられている場合に、前記光束が導かれ位相差検出方式の自動焦点合わせを行う第1の自動焦点合わせ手段と、
前記ミラー機構が、撮影レンズを通じて取り込まれる光束を前記撮影用撮像素子に導くように切り換えられている場合に、前記撮影用撮像素子においてコントラストが最も高くなる点を合焦点として探し出すコントラスト方式の自動焦点合わせを行う第2の自動焦点合わせ手段と、
複数の撮影モードの中から目的とする撮影モードの設定入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段を通じて設定された撮影モードに応じて、前記ミラー機構を切り換え、前記撮影用撮像素子からの画像を前記表示手段に表示するか、前記表示用撮像素子からの画像を前記表示手段に表示するかを制御する制御手段と
を備える。
【0042】
この請求項1に記載の発明の撮像装置によれば、受付手段を通じて撮影モードの設定入力が受け付けられ、撮影モードが設定される。制御手段により、設定された撮影モードに応じて、ミラー機構が切り換えられ、撮影用撮像素子からの画像を表示手段に表示するか、表示用撮像素子からの画像を表示手段に表示するかが制御される。
【0043】
これにより、表示用撮像素子からの画像を表示手段に表示するようにした場合には、第1の自動焦点合わせ手段により、高速に焦点を合わせることができるようにされる。また、撮影用撮像素子からの画像を表示手段に表示するようにした場合には、視野率100%の画像を表示手段に表示することができると共に、第2の自動焦点合わせ手段により、焦点誤差を生じさせること無く、焦点を厳密に合わせることができるようにされる。
【0044】
したがって、異なる撮像素子(撮影用撮像素子と表示用撮像素子)を用いる2つの異なるライブビューモードを有する撮像装置において、ユーザーの手を煩わせることなく、常時適切なライブビューモードを自動で選択することができるようにされる。
【発明の効果】
【0045】
この発明によれば、異なる撮像素子(撮影用撮像素子と表示用撮像素子)を用いる2つの異なるライブビューモードを有する撮像装置において、ユーザーの手を煩わせることなく、常時適切なライブビューモードを自動で選択することができる。
【0046】
これにより、撮像装置を操作するユーザーの利便性を向上させ、種々の撮影モードをも散る場合に、被写体画像を適切に撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の一実施形態が適用された撮像装置の正面外観図である。
【図2】この発明の一実施形態が適用された撮像装置の背面外観図である。
【図3】第1の実施形態の撮像装置1を説明するためのブロック図である。
【図4】実施形態の撮像装置のミラー機構等を説明するための撮像装置の断面図である。
【図5】実施形態の撮像装置のミラー機構等を説明するための撮像装置の断面図である。
【図6】実施形態の撮像装置のミラー機構等を説明するための撮像装置の断面図である。
【図7】撮影モードとライブビューモードの対応関係を説明するための図である。
【図8】実施形態のライブビュー処理のメインルーチンのフローチャートである。
【図9】図8のメインルーチンにおいて実行される初期化ルーチンのフローチャートである。
【図10】図8、図9のルーチンにおいて実行されるライブビュー切換ルーチンのフローチャートである。
【図11】図10のルーチンにおいて実行される撮影用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンのフローチャートである。
【図12】図10のルーチンにおいて実行される表示用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンのフローチャートである。
【図13】図8のメインルーチン等において実行される撮影準備動作ルーチンのフローチャートである。
【図14】図8のメインルーチン等において実行される撮影用撮像素子側撮影動作ルーチンのフローチャートである。
【図15】撮影モードの他の例とライブビューモードとの対応関係の例を説明するための図である。
【図16】従来のDSLRの構成例を説明するための図である。
【図17】位相差検出方式のオートフォーカスの原理を説明するための図である。
【図18】表示用撮像素子を搭載した従来のDSLRの構成例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図を参照しながら、この発明の装置、方法、プログラムの一実施形態について説明する。以下に説明する実施形態においては、この発明を、レンズ交換式デジタル一眼レフレックスカメラ(DSLR)の構成とされた撮像装置に適用した場合を例にして説明する。
【0049】
[撮像装置1の外観]
図1、図2は、この実施形態の撮像装置1の外観を説明するための図であり、図1は撮像装置1の正面外観図、図2は撮像装置1の背面外観図である。
【0050】
まず、撮像装置1の正面側の外観について説明する。図1に示すように、撮像装置1はカメラ本体部(カメラボディ)2を備えている。このカメラ本体部2に対して交換式の撮影レンズユニット(交換レンズ)3が着脱可能にされている。
【0051】
撮影レンズユニット3は、主として鏡筒36ならびに鏡筒36の内部に設けられたレンズ群37および絞り機構等によって構成される。レンズ群(撮影光学系)37には、光軸方向に移動することによって焦点位置を変更するフォーカスレンズ等が含まれる。
【0052】
カメラ本体部2は、撮影レンズユニット3が装着される円環状のマウント部Mtを正面略中央に備え、撮影レンズユニット3を着脱するための着脱ボタン89を円環状のマウント部Mt付近に備えている。
【0053】
また、カメラ本体部2は、その正面左上部にモード設定ダイヤル82を備え、その正面右上部に制御値設定ダイヤル86を備えている。モード設定ダイヤル82を操作することによって、撮像装置1の各種のモードの設定動作(切替動作)を行うことができるようにされる。
【0054】
ここで、撮像装置1の種々のモードは、各種撮影モード、撮影した画像を再生する再生モード、および外部機器との間でデータ交信を行う通信モード等を含む。なお、各種撮影モードには、例えば、プログラムオートモード、シャッタースピード優先モード、スポーツモード、絞り優先モード、風景モード、マクロモード、ポートレートモードなどがある。
【0055】
また、制御値設定ダイヤル86を操作することにより、各種撮影モードにおける制御値を設定することができる。
【0056】
また、カメラ本体部2は、正面左端部に撮影者が把持するためのグリップ部14を備えている。グリップ部14の上面には露光開始を指示するためのレリーズボタン11が設けられている。
【0057】
グリップ部14の内部には電池収納室とカード収納室とが設けられている。電池収納室には撮像装置1の電源として、例えば4本の単3形乾電池が収納される。また、カード収納室には、後述もするが、撮影画像の画像データを記録するためのメモリカード90が着脱可能に収納されるようになっている。
【0058】
レリーズボタン11は、半押し状態(P1状態)と全押し状態(P2状態)の2つの状態を検出可能な2段階検出ボタンである。レリーズボタン11が半押しされP1状態になると、被写体に関する記録用静止画像(本撮影画像)を取得するための準備動作が行われる。ここで、準備動作は、例えば、AF(Automatic Focus)制御動作、AE(Automatic Exposure)制御動作等である。
【0059】
また、レリーズボタン11がさらに押し込まれてP2状態になると、当該本撮影画像の撮影動作が行われる。撮影動作は、詳しくは後述もするが、撮像素子5を用いて被写体像(被写体の光像)に関する露光動作を行い、その露光動作によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す一連の動作である。
【0060】
次に、撮像装置1の背面側の外観について説明する。図2に示すように、カメラ本体部2の背面略中央上部には、ファインダー窓(接眼窓)10が設けられている。撮影者は、ファインダー窓10を覗くことによって、撮影レンズユニット3から導かれた被写体の光像を視認して構図決定を行うことができる。すなわち、光学ファインダーを用いて構図決め(構図合わせ)を行うことができる。
【0061】
なお、この実施形態に係る撮像装置1は、ライブビュー機能をも備え、背面の表示装置12に表示されるライブビュー画像を用いて構図決めを行うことも可能である。また、光学ファインダーによる構図決め動作とライブビュー表示による構図決め動作との切換操作は、操作者が切換ダイヤル87を回転させることによって実現される。
【0062】
図2に示したように、カメラ本体部2の背面の略中央には、表示装置12が設けられている。表示装置12は、例えばカラーLCDとして構成される。表示装置12には、撮影条件等を設定するためのメニュー画面や、再生モードにおいてメモリカード90に記録された撮影画像などを表示させることができるようにされている。
【0063】
また、操作者が光学ファインダーによる構図決めではなく、ライブビュー表示による構図決めを選択した場合には、表示装置12には、後述する表示用撮像素子7によって取得される時系列の複数の画像(すなわち動画像)がライブビュー画像として表示される。
【0064】
また、図2に示したように、背面の表示装置12の左上部にはメインスイッチ81が設けられている。メインスイッチ81は2点スライドスイッチからなり、接点を左方の「OFF」位置に設定すると、電源がオフになり、接点の右方の「ON」位置に設定すると、電源がオンになる。
【0065】
また、背面の表示装置12の右側には方向選択キー84が設けられている。この方向選択キー84は円形の操作ボタンを有するものである。当該方向選択キー84の操作ボタンにおいては、図2において、三角のマークで示したように、上下左右の4方向の押圧操作と、右上、左上、右下及び左下の4方向の押圧操作とが、それぞれ検出されるようになっている。また、方向選択キー84は、上記8方向の押圧操作とは別に、中央部のプッシュボタンの押圧操作も検出されるようになっている。
【0066】
さらに、背面の表示装置12の左側には、メニュー画面の設定、画像の削除などを行うための複数のボタンからなる設定ボタン群83が設けられている。
【0067】
[撮像装置1の構成]
次に、図3を参照しながら、この実施形態の撮像装置1の機能の概要について説明する。図3は、撮像装置1を説明するためのブロック図である。
【0068】
図3に示すように、撮像装置1は、大きく分けると、カメラ本体部2と、カメラ本体部2に対して着脱可能とされた撮影レンズユニット3とからなっている。
【0069】
図3に示したように、カメラ本体部2は、シャッター4、撮影用撮像素子5、ミラー機構6、表示用撮像素子7、信号処理部51、A/D(Analog/Digital)変換回路52、デジタル信号処理回路50を備えている。
【0070】
なお、後述もするが、撮影用撮像素子5、表示用撮像素子7は、いずれもCCD(Charge Coupled Device)で構成されたものであり、図3においては、CCD5、CCD7と示している。)
また、カメラ本体部2は、フォーカス制御部121及びフォーカス機構の駆動モータM1、ミラー制御部122及びミラー機構6の駆動モータM2、シャッター制御部123及びシャッター機構の駆動モータM3、タイミング制御回路124を備えている。
【0071】
また、カメラ本体部2は、フラッシュライト41、フラッシュ回路42、AF(Automatic Focus)補助光発光部43、AF(Automatic Focus)モジュール20を備えている。
【0072】
また、カメラ本体部2は、VRAM(Video Random Access Memory)131、表示装置(LCD)12、カードI/F132、通信用I/F133を備えている。ここで、I/Fはインターフェイスの略称である。そして、カードI/F132に対しては、これに着脱可能とされたメモリカード90が装着されている。
【0073】
さらに、カメラ本体部2は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)60、操作部80を備えている。そして、カメラ本体部2は、全体制御部101を備え、これに接続された各部を制御することができるようにされている。
【0074】
また、撮影レンズユニット3は、レンズ群37、レンズ位置検出部39を備えると共に、図3には図示しないが、絞り機構や、レンズ群37のフォーカスレンズの位置を調整するフォーカス機構などをも備えるものである。
【0075】
そして、カメラ本体部2の操作部80は、上述したレリーズボタン11を含む各種ボタンおよびスイッチ等を備えて構成される。操作部80に対する操作者の入力操作に応答して、全体制御部101が各部を制御し、入力操作に応じた各種動作を実現することができるようにされる。
【0076】
全体制御部101は、図3に示したように、CPU(Central Processing Unit)1011、ROM(Read Only Memory)1012、RAM(Random Access Memory)1013等がCPUバスを通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
【0077】
全体制御部101においては、CPU1011が、ROM内に格納されるプログラムを読み出して実行することによって、各部を制御し、各種機能を実現する。例えば、全体制御部101は、AFモジュール20およびフォーカス制御部121と協動して、フォーカスレンズの位置を制御する合焦制御動作を行う。
【0078】
つまり、全体制御部101は、AFモジュール20によって検出される被写体の合焦状態に応じて、フォーカス制御部121を用いてAF動作を実現する。なお、この実施形態において、AFモジュール20は、ミラー機構6を介して進入してきた光を用いて、位相差方式の合焦状態検出手法により被写体の合焦状態を検出することができるものである。
【0079】
EEPROM60は、いわゆる不揮発性メモリであり、撮像装置1の電源が落とされても保持しておくべき種々の情報、例えば、種々の調整値や設定条件などのパラメータを記憶保持するものである。
【0080】
なお、この実施形態においては、EEPROMを用いるようにしたが、これに限るものではなく、例えばフラッシュメモリーなどの種々の不揮発性メモリを用いるようにすることもできる。
【0081】
フォーカス制御部121は、全体制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM1を駆動することによって、撮影レンズユニット3のレンズ群37に含まれるフォーカスレンズを移動させる。
【0082】
また、フォーカスレンズの位置は、撮影レンズユニット3のレンズ位置検出部39によって検出され、フォーカスレンズの位置を示すデータが全体制御部101に送られる。このように、フォーカス制御部121および全体制御部101は、フォーカスレンズの光軸方向の動きを制御する。
【0083】
ミラー制御部122は、ミラー機構6が光路から退避した状態(ミラーアップ状態)とミラー機構6が光路を遮断した状態(ミラーダウン状態)との状態切替を制御する。すなわち、ミラー制御部122は、全体制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM2を駆動することによって、ミラー機構6のミラーアップ状態とミラーダウン状態とを切り替える。
【0084】
シャッター制御部123は、全体制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM3を駆動することによって、シャッター4の開閉を制御する。
【0085】
タイミング制御回路124は、図3に示したように、CCD5、信号処理部51、A/D変換回路52、CCD7の駆動タイミングを制御するものである。タイミング制御回路124は、撮像素子5や撮像素子7を通じて画像を取り込む場合のタイミング等に対するタイミング制御を行う。
【0086】
撮像素子5は、上述もしたように、CCDによって構成され、光電変換作用により被写体の光像を電気的信号に変換して、主に本撮影画像に係る画像信号(記録用の画像信号)を生成する。
【0087】
なお、撮像素子5(CCD5と言う場合もある。)は、上述もしたように、撮影用撮像素子であるが、この実施の形態の撮像装置1は、後述もするように、当該撮影用撮像素子5を用いたライブビューを実現することもできるようにしている。
【0088】
そして、撮影時において、撮影用撮像素子5は、タイミング制御回路124から入力される駆動制御信号(蓄積開始信号および蓄積終了信号)に応答して、受光面に結像された被写体像の露光(光電変換による電荷蓄積)を行う。これにより、当該被写体像に係る画像信号が生成される。また、撮影用撮像素子5は、タイミング制御回路124から入力される読出制御信号に応答して、当該画像信号を信号処理部51へ出力する。
【0089】
図3にも示したように、タイミング制御回路124からのタイミング信号(同期信号)は、信号処理部51及びA/D変換回路52にも入力される。
【0090】
そして、撮影用撮像素子5を通じて取得された画像信号は、信号処理部51において、例えば、CDS(Correlated Double Sampling)処理やAGC(Automatic Gain Control)処理が行われ、S/N比や利得が制御するようにされる。
【0091】
信号処理部51において、上述の所定のアナログ信号処理が施された画像信号は、A/D変換回路52に供給される。A/D変換回路52は、これに供給されたアナログ画像信号をデジタル画像データに変換し、これをデジタル信号処理回路50に供給する。
【0092】
デジタル信号処理回路50は、図3に示したように、黒レベル補正回路53、WB(White Balance)補正回路54、γ(ガンマ)補正回路55、画像メモリ56を備えたものである。そして、デジタル信号処理回路50は、A/D変換回路52から入力される画像データに対してデジタル信号処理を行い、撮像画像に係る画像データを生成する。
【0093】
すなわち、デジタル信号処理回路50において、黒レベル補正回路53は、A/D変換回路52からの画像データを構成する各画素データの黒レベルを基準の黒レベルに補正する。
【0094】
また、デジタル信号処理回路50において、WB補正回路54は、画像のホワイトバランス調整を行う。γ補正回路55は、撮像画像の階調変換を行う。画像メモリ56は、生成された画像データを一時的に記憶するための、高速アクセス可能な画像メモリであり、複数フレーム分の画像データを記憶可能な容量を有する。
【0095】
そして、本撮影時には、上述したように、デジタル信号処理回路50の各補正回路において補正処理された画像データは、画像メモリ56に一時記憶される。この画像メモリ56に一時記憶された画像データは、全体制御部101において、適宜、圧縮処理や解像度変換等の画像処理が施された後、カードI/F132を介してメモリカード90に記憶される。
【0096】
また、画像メモリ56に一時記憶された画像データは、全体制御部101によって適宜VRAM131に転送され、本体背面の表示装置12の表示画面に、当該画像データに基づく画像を表示することもできるようにされる。
【0097】
これによって、撮影画像を確認するための確認表示(アフタービュー)、および撮影済みの画像を再生する再生表示が実現されるとともに、撮影用撮像素子5を用いたライブビューをも実現することができる。
【0098】
なお、撮影用撮像素子5を用いたライブビュー時においては、後述もするように、レンズ群37を通じて取り込まれた光束は、位相差検出方式のAFを実現するAFモジュール20には導かれない。
【0099】
このため、撮影用撮像素子5を用いたライブビュー時においては、コントラストAFを用いる。コントラストAFは、撮影用撮像素子5で取り込まれた画像のコントラストを全体制御部101が検出するようにする。そして、全体制御部101は、撮影用撮像素子5からの画像のコントラストが最大になるように、フォーカス制御部121を制御し、レンズ群37のフォーカスレンズの位置を調整して、焦点を合わせるようにするものである。
【0100】
また、図3に示したように、撮像装置1は、撮影用撮像素子5とは別の撮像素子(CCD)7をも備えている。撮像素子7は、いわゆるライブビュー画像取得用(動画像取得用)の撮像素子、すなわち表示用撮像素子としての役割を果たす。
【0101】
表示用撮像素子7も、撮影用撮像素子5と同様の構成を有している。ただし、表示用撮像素子7は、ライブビュー用の画像信号(動画像)を生成するための解像度を有していればよく、通常、撮影用撮像素子5よりも少ない数の画素で構成される。この実施形態の表示用撮像素子7も、撮影用撮像素子5よりも少ない数の画素で構成されているものである。
【0102】
そして、表示用撮像素子7を通じて取得される画像信号に対しても、撮影用撮像素子5を通じて取得される画像信号と同様の信号処理が施される。すなわち、表示用撮像素子7を通じて取得される画像信号は、信号処理部51で上述もしたように、CDS処理やAGC処理等の所定のアナログ信号処理が施された後にA/D変換回路52に供給される。
【0103】
A/D変換回路52は、これに供給されたアナログ画像信号をデジタル画像データに変換した後に、デジタル信号処理回路50に供給する。デジタル信号処理回路50は、これに供給されたデジタル画像データに対して、上述もしたように、所定の補正処理を施す。
【0104】
この場合、表示用撮像素子7を通じて取得され、デジタル信号処理回路50で処理されたデジタル画像データ(動画像データ)は、全体制御部101の制御によってVRAM131に順次に転送される。そして、表示用撮像素子7からの動画像データに基づく画像が本体背面の表示装置12に表示される。
【0105】
これによって、レンズ群37を通じて現在取り込まれている画像が、表示装置12の表示画面にリアルタイムに表示され、構図決め(構図合わせ)を行うための画像表示(ライブビュー表示(スルー画表示))が実現される。
【0106】
さらに、撮像装置1は、通信用I/F133を有しており、当該インターフェイス133の接続先の機器(例えば、パーソナルコンピュータ等)とデータ通信をすることが可能である。
【0107】
また、撮像装置1は、フラッシュライト41、フラッシュ制御回路42、およびAF補助光発光部43を備えている。フラッシュライト41は、被写体の輝度不足時等に利用される光源である。
【0108】
フラッシュライトの点灯の有無および点灯時間等は、フラッシュ制御回路42および全体制御部101によって制御される。AF補助光発光部43は、AF用の補助光源である。
【0109】
AF補助光発光部43の点灯の有無および点灯時間等は、全体制御部101によって制御される。
【0110】
[撮像装置1における撮影動作]
次に、この実施形態の撮像装置1における構図決め動作(フレーミング動作)を含む撮影動作について説明する。
【0111】
この実施形態の撮像装置1においては、ファインダー光学系等で構成される光学ファインダー(OVF:Optical View Finder)を用いて構図決めを行うことができる。また、撮像装置1は、本体背面の表示装置12に表示されるライブビュー画像を用いて構図決めを行うこともできる。
【0112】
なお、表示用撮像素子7および本体背面の表示装置12を利用して実現されるファインダー機能は、被写体の光像を電子データに変換した後に可視化するものであることから電子ビューファインダー(EVF:Electronic View Finder)とも称される。
【0113】
また、この実施の形態の撮像装置1においては、上述もしたように、撮影用撮像素子5および本体背面の表示装置12を利用したライブビューをも行うことができるようにしている。
【0114】
撮像装置1の操作者は、上述もしたように、切換ダイヤル87を操作することによって、光学ビューファインダーを用いて構図決めを行うか、ライブビュー機能により表示装置12を用いて構図決めを行うかを選択することができる。
【0115】
また、ライブビュー機能を用いる場合、撮影用撮像素子5を用いたライブビューを行うのか、表示用撮像素子7を用いたライブビューを行うのかについても、切換ダイヤル87を操作することにより選択することができる。
【0116】
図4〜図6は、撮像装置1の断面図である。この内、図4は、光学ビューファインダーを用いるようにしている場合のミラー機構6等の状態を示す図である。また、図5は、表示用撮像素子7を用いたライブビュー(電子ビューファインダー)を用いるようにしている場合のミラー機構6等の状態を示す図である。また、図6は、撮影用撮像素子5を用いたライブビューを用いるようにしている場合、および、露光動作時のミラー機構6等の状態を示す図である。
【0117】
図4〜図6のそれぞれに示すように、撮影レンズユニット3のレンズ群37から撮影用撮像素子5に至る光路(撮影光路)上、及び、ファインダー窓10に至る光路上にはミラー機構6が設けられている。
【0118】
ミラー機構6は、以下に説明するように、複数のミラーを有する構成になっている。すなわち、ミラー機構6は、撮影光学系からの光を上方に向けて反射する主ミラー61(主反射面)を有している。この主ミラー61は、例えばその一部または全部がハーフミラーとして構成され、撮影光学系からの光の一部を透過する。
【0119】
また、ミラー機構6は、主ミラー61を透過した光を下方に反射させるサブミラー62(副反射面)をも有している。サブミラー62で下方に反射された光は、AFモジュール20へと導かれて入射し、位相差変換方式のAF動作に利用される。
【0120】
撮影モードにおいてレリーズボタン11が全押し状態(P2状態)にされるまで、すなわち、構図決めの際には、主ミラー61及びサブミラー62は、図4、図5に示したように、光束を反射させる状態(ミラーダウン状態)となるようにされている。
【0121】
そして、図4、図5に示すように、ミラーダウン状態においては、撮影レンズユニット3からの被写体像(光束)は、主ミラー61で上方に反射され観察用光束としてペンタミラー65に入射する。ペンタミラー65は、複数のミラー(反射面)65a〜65eを有しており、被写体像(光束)の向き(進路)を調整する機能を有している。
【0122】
そして、ペンタミラー65に入射した後の、観察用光束の進路は、光学ビューファインダーとライブビュー(電子ビューファインダー)とのいずれを用いて構図決めを行うようにするかに応じて異なってくる。これについては後で詳述する。
【0123】
なお、上述もしたように、操作者が、光学ビューファインダーを用いるか、表示用撮像素子7を用いたライブビュー(電子ビューファインダー)を用いるか、撮影用撮像素子5を用いたライブビューを用いるかを切り換えることができるようになっている。
【0124】
一方、撮影用撮像素子5を用いてライブビューを行うようにされた場合、あるいは、レリーズボタン11が全押し状態(P2状態)にされると、ミラー機構6の主ミラー61とサブミラー62とは、図6に示すように、光束を反射しないようにする状態(ミラーアップ状態)となるように駆動され、露光動作が開始される。
【0125】
そして、撮影用撮像素子5を用いてライブビューを行うようにされた場合には、撮影用撮像素子5、信号処理回路51、A/D変換回路52、デジタル信号処理回路50を通じて画像メモリ56に被写体画像が取り込まれる。そして、画像メモリ56の被写体画像が、VRAM131に転送されて、表示装置12の表示画面にライブビュー画像が表示するようにされる。
【0126】
そして、被写体に係る記録用静止画像(本撮影画像)を取得する際の動作、すなわち、露光の際の動作は、光学ビューファインダーを用いた場合であっても、表示用撮像素子7や撮影用撮像素子5を用いたライブビューを用いた場合であっても同じである。
【0127】
具体的には、図6に示すように、露光時には、ミラー機構6は、撮影光路から待避する。詳細には、撮影光学系からの光束(被写体像)を遮らないように主ミラー61とサブミラー62とが上方に待避し、撮影レンズユニット3からの光束がシャッター4の開放タイミングに合わせて撮影用撮像素子5に到達する。
【0128】
撮影用撮像素子5は、光電変換によって、受光した光束に基づいて被写体の画像信号を生成する。このように、被写体からの光が撮影レンズユニット3を介して撮影用撮像素子5に導かれることによって、被写体に係る撮影画像(撮影画像データ)が得られる。
【0129】
[光学ビューファインダーによる構図決め動作(フレーミング動作)]
次に、光学ビューファインダーを用いて構図決め(構図合わせ)を行う場合の撮像装置1の動作について説明する。
【0130】
上述したように、操作者により切換ダイヤル87が操作され、光学ビューファインダーを用いるようにされると、図4に示したように、ミラー機構6の主ミラー61およびサブミラー62が、ミラーダウン状態となる。
【0131】
これにより、主ミラー61およびサブミラー62が撮影レンズユニット3からの被写体像(光束)の光路上に配置され、被写体像(光束)が主ミラー61とペンタミラー65と接眼レンズ67とを介してファインダー窓10へと導かれる。
【0132】
このように、主ミラー61とペンタミラー65と接眼レンズ67とを含むファインダー光学系は、撮影光学系からの光束であって、主ミラー61で反射された光束である観察用光束をファインダー窓10へと導くことが可能である。
【0133】
具体的には、図4において、ファインダー窓10に至る点線で示した光路PAが示すように、撮影レンズユニット3からの光は、主ミラー61で反射されて上方に進路を変更し、焦点板63において結像し、焦点板63を通過する。そして、焦点板63を通過した光は、ペンタミラー65でその進路をさらに変更した後に接眼レンズ67を通ってファインダー窓10へ向かう。
【0134】
このようにして、ファインダー窓10を通過した被写体像は撮影者(観察者)の眼へ到達して視認される。すなわち、撮影者は、ファインダー窓10を覗くことによって、被写体像を確認することができる。
【0135】
ペンタミラー65は、三角屋根状に形成された2面のミラー(ダハミラー)65a、65bと、当該ダハミラー(ダハ面)65a、65bに対して固定された面65cと、もう1つのミラー(反射面)65eとを有している。
【0136】
また、三角屋根状の2面のミラー65a、65bは、プラスチック成型により一体部品65dとして形成されている。そして、主ミラー61で反射されて上方に進路を変更した光束は、ダハミラー65a、65bで反射され、ここで左右反転されて進行し、さらにミラー65eでも反射されることによって上下も反転されて撮影者の眼に到達する。
【0137】
このように、撮影レンズユニット3において左右上下が反転されていた光像は、ペンタミラー65でさらに左右上下が反転される。これにより、撮影者は、光学ファインダーにおいて、その上下左右が実際の被写体と同じ状態で被写体像を観察することができる。
【0138】
また、主ミラー61を透過した光束は、サブミラー62で反射されて下方に進路を変更しAFモジュール20へと進入する。AFモジュール20およびフォーカス制御部121等は、主ミラー61およびサブミラー62を介して進入してきた光束を用いて、位相差検出方式のAF動作を実現する。
【0139】
[表示用撮像素子7を用いたライブビューによる構図決め動作(フレーミング動作)]
次に、表示用撮像素子7を用いたライブビューによる構図決め動作について説明する。
【0140】
上述したように、操作者により切換ダイヤル87が操作され、表示用撮像素子7を用いたライブビューを行うようにされると、この場合にも、図5に示したように、ミラー機構6の主ミラー61およびサブミラー62が、ミラーダウン状態となる。
【0141】
これにより、図4に示した場合と同様に、ライブビューを用いる場合にも、ミラー機構6の主ミラー61およびサブミラー62が、撮影レンズユニット3からの被写体像(光束)の光路上に配置される。そして、撮影レンズユニット3からの光束は、主ミラー61で反射されて上方に進路を変更し、焦点板63において結像し、焦点板63を通過する。
【0142】
ただし、ライブビューを用いるようにしている場合、図5に示すように、焦点板63を通過した光束は、ペンタミラー65でその進路がさらに変更された後に、結像レンズ69(結像光学系)を通過して表示用撮像素子7の撮像面上で再結像する。
【0143】
つまり、ライブビュー(電子ビューファインダー)を用いるようにしている場合には、図5において表示用撮像素子7に至る点線で示した光路PBに示すように、撮影レンズユニット3を通じて取り込まれた光束が導かれる。
【0144】
なお、この場合にも、主ミラー61で反射されて上方に進路を変更した光は、ダハミラー65a,65bで反射されて左右反転されて進行し、さらにミラー65eでも反射されることによって上下も反転される。この後、ミラー65eで反射された光束は、さらに結像レンズ69で上下左右反転されて撮像素子7に到達する。
【0145】
より詳細には、図4と図5とを比較すると判るように、図5においてはミラー65eの
角度(カメラ本体部2に対する設置角度)が変更されている。具体的には、ミラー65eは、図4の状態から、その下端側の軸AX1を中心に矢印AR1の向きに所定角度α分、回動している。
【0146】
なお、ミラー65eは、ライブビューを行うようにするために、操作者により切換ダイヤル87が操作された場合に、自動的に回動し、光束を表示用撮像素子7に導くようにすることができる。
【0147】
そして、このミラー65eの角度変更によって、上述のように、ミラー65eで反射される光(観察用光束)の反射角度が変更され、当該ミラー65eによる反射光の進行経路が変更される。
【0148】
具体的には、図4に示した状態に比べて、ミラー65eへの入射角度θ1が比較的小さくなり、反射角度θ2も比較的小さくなる。その結果、ミラー65eの反射光は、接眼レンズ67に向かう光路からダハミラー65a、65b寄りの光路へとその進路を上方に変更し、結像レンズ69を通過して表示用撮像素子7に到達するようにされる。
【0149】
なお、結像レンズ69および表示用撮像素子7は、接眼レンズ67よりも上方に配置されており、且つ、光学ビューファインダーを用いる際にミラー65eから接眼レンズ67へと進行する光束を遮らない位置に配置されている。
【0150】
また、ミラー65eで反射された光束の進路は、ミラー65eの変更角度αに応じて、その2倍の大きさの角度β(=2×α)に変更される。逆に言えば、反射光路の進行角度を角度β変更するために、ミラー65eの回転角度は、当該角度βの半分の角度αで済む。
【0151】
すなわち、ミラー65eの比較的小さな回転角度でミラー65eの反射光の進路を比較的大きく変更することが可能である。
【0152】
また、ミラー65eと撮像素子7とは比較的離れて配置されているため、ミラー65eの回転角度を小さく変更するだけで、ミラー65eによる2つの反射光を、互いに離れて配置された接眼レンズ67および表示用撮像素子7へと確実に導くことが可能である。
【0153】
すなわち、ミラー65eの回転角度を小さく変更することによってミラー65eによる反射光の光束を良好に2つの光路に選択的に進行させることが可能である。したがって、ミラー65eの回転によるスペースの増大は最小限に止められる。
【0154】
表示用撮像素子7は、ミラー65eで反射され結像レンズ69を通過して表示用撮像素子7に到達した被写体像に基づいて、ライブビュー画像を生成する。具体的には、微小時間間隔(例えば、1/60秒)で複数の画像を順次に生成する。そして、取得された時系列の画像(動画像)は本体背面の表示装置12において順次に表示される。
【0155】
これによって、撮影者は、カメラ本体2の背面の表示装置12の表示画面に表示される動画像(ライブビュー画像)を視認し、当該動画像を用いて構図決め(構図合わせ)を行うことが可能になる。
【0156】
また、この場合も、図4を用いて説明した光学ファインダーによる構図決めの際と同様に、主ミラー61とサブミラー62とを介してAFモジュール20に入射した光を用いてAF動作(位相差AF動作)が実現される。
【0157】
以上のように、ミラー65eで反射した後の観察用光束の進路は、ミラー65eの反射角度の変更によって切り換えられる。すなわち、ミラー65eから接眼レンズ67およびファインダー窓10に向かう光路PA(図4)と、ミラー65eから結像レンズ69および表示用撮像素子7に向かう光路PB(図5)との間で切り換えられる。
【0158】
換言すれば、当該観察用光束の進路は、ミラー65eの反射角度の変更によって、ミラー65eで反射されてファインダー窓10に向かう第1の光路PAと、ミラー65eで反射されて表示用撮像素子7に向かう第2の光路PBとの間で切り換えられる。
【0159】
[撮影用撮像素子5を用いたライブビューによる構図決め動作(フレーミング動作)]
次に、撮影用撮像素子5を用いたライブビューによる構図決め動作について説明する。
【0160】
上述したように、操作者により切換ダイヤル87が操作され、撮影用撮像素子5を用いたライブビューを行うようにされると、図6に示したように、ミラー機構6の主ミラー61およびサブミラー62が、ミラーアップ状態となる。
【0161】
そして、撮影レンズユニット3からの光束は、撮影用撮像素子5に導かれ、撮影用撮像素子5の撮像面上で再結像する。
【0162】
撮影用撮像素子5は、これに到達した被写体像に基づいて、ライブビュー画像を生成する。具体的には、微小時間間隔(例えば、1/60秒)で複数の画像を順次に生成する。そして、取得された時系列の画像(動画像)は、画像メモリ56からVRAM131に供給され、本体背面の表示装置12において順次に表示される。
【0163】
これによって、撮影者は、カメラ本体2の背面の表示装置12の表示画面に表示される動画像(ライブビュー画像)を視認し、当該動画像を用いて構図決め(構図合わせ)を行うことが可能になる。
【0164】
この場合、撮影用撮像素子5を用いてライブビュー画像を形成しているので、視野率100%のライブビュー画像を表示装置12の表示画面に表示することができる。
【0165】
なお、この場合、図6にも示したように、主ミラー61およびサブミラー62は、ミラーアップ状態とされるので、光束がAFモジュール20に導かれないので、位相差AFを行うことはできない。このため、コントラストAFを用いることになる。
【0166】
コントラストAFは、上述もしたように、撮影用撮像素子5で取り込まれた画像のコントラストを全体制御部101が検出するようにする。そして、全体制御部101が、検出するコントラストが最大になるように、フォーカス制御部121を制御し、レンズ群37のフォーカスレンズの位置を調整して、焦点を合わせるようにするものである。
【0167】
[撮影モードに応じたライブビューモードの自動変更]
図1、図2を用いて説明したように、この実施の形態の撮像装置1は、モード設定ダイヤル82を備え、幾つかの撮影モードの中からユーザーが撮影対象や撮影状況に応じて、適宜、選択して設定することができるようにしている。
【0168】
撮影モードは、上述もしたように、プログラムオートモード、シャッタースピード優先モード、スポーツモード、絞り優先モード、風景モード、マクロモード、ポートレートモード等がある。
【0169】
プログラムオートモードは、シャッタースピードと絞りとの組み合わせは、撮像装置1側で自動的に設定するが、露出等はユーザーが設定したものを用いて撮影を行うものである。
【0170】
シャッタースピード優先モードは、シャッタースピードを設定すると、これにあった絞りを撮像装置1側で自動的に設定して撮影を行うものである。スポーツモードは、動きの速い(動きのある)被写体を適切に撮影するために、プログラムオートモードなどに比べてシャッタースピードを速めにして撮影を行なうものである。
【0171】
絞り優先モードは、絞りを設定すると、これにあったシャッタースピードを撮像装置1側で自動的に設定して撮影を行うものである。風景モードは、近くから遠くまで、マンベンなくピントが合うように種々の調整を自動的に行って、撮影を行うものである。
【0172】
マクロモードは、例えば、被写体までの距離が数十cm以下の近接撮影を行うためのものである。ポートレートモードは、人物が引き立つように、背景を少しぼかして撮影を行うためのものである。
【0173】
そして、この実施の形態の撮像装置1は、上述もしたように、表示用撮像素子7を用いたライブビューと、撮影用撮像素子5を用いたライブビューとを用いることが可能であるが、両者には一長一短がある。
【0174】
すなわち、上述もしたように、表示用撮像素子7を用いたライブビューの特徴として、位相差AFを使用できるため高速なAFが可能であると言う長所がある。しかし、表示用撮像素子7を用いたライブビューの場合、ライブビュー画像の視野率が光学ファインダーの視野率に依存する。このため、光学ファインダーの視野率が100%未満の場合はライブビュー画像の視野率も100%未満となり、正確な構図合わせができない場合があると言う短所があると言える。
【0175】
また、撮影用撮像素子5を用いたライブビューの特徴として、視野率が100%のライブビュー画像を表示することができ、正確な構図合わせが可能であるという長所がある。しかし、撮影用撮像素子5を用いたライブビューの場合、ミラーアップ状態となり、光束をAFモジュール20に導くことができず位相差AFができない。したがって、撮影用撮像素子5を用いたライブビューの場合、コントラストAFを使用する必要があり、高速な焦点合わせができないと言う短所があると言える。
【0176】
そして、この実施の形態の撮像装置1では、上述した複数の撮影モードが利用可能であるが、それぞれの撮影モードごとに優先される機能は異なっている。
【0177】
例えば、シャッタースピード優先モードやスポーツモードでは動きのある被写体を撮影するために高速なAF(Automatic Focus)が必要である。
【0178】
また、絞り優先モード、ポートレートモード、風景モードの場合は構図の確認が重要であるので、視野率100%のライブビュー画像が表示できることが重要である。
【0179】
また、マクロモードでは構図の確認に加えて厳密な焦点合わせが重要である。このため、極僅かではあっても焦点誤差が発生する可能性のある位相差AFよりはコントラストAFを用いるようにしたほうが好ましい場合がある。
【0180】
そこで、この実施の形態の撮像装置1においては、高速なAFが要求される撮影モードに設定した場合は、表示用撮像素子7を用いたライブビューに自動的に切り換えるようにしている。また、構図の確認もしくは厳密な焦点合わせが要求される撮影モードに設定した場合は、撮影用撮像素子5を用いたライブビューに自動的に切り換えるようにしている。
【0181】
このように、この実施の形態の撮像装置1においては、目的とする撮影モードに設定すると、設定した撮影モードに応じた適切なライブビューモードが自動的に選択され、これを用いることができるようにしている。
【0182】
したがって、この実施の形態の撮像装置1においては、撮影モードはモード設定ダイヤル82で設定し、ライブビューモードは切り替えダイヤル87で切り換えるといった、2種類の設定操作を行う必要はない。すなわち、各種撮影モードごとに優先される機能を満足したライブビューモードへ自動で切り換えることができ、ユーザーの利便性を向上させることが可能となる。
【0183】
図7は、この実施の形態の撮像装置1において利用可能な撮影モードと、撮影モードに応じて選択されるべきライブビューモードとの対応関係を説明するための図である。
【0184】
図7に示すように、また、上述もしたように、この実施の形態の撮像装置1は、プログラムオートモード、シャッタースピード優先モード、スポーツモード、絞り優先モード、風景モード、マクロモード、ポートレートモードを備えている。
【0185】
そして、プログラムオートモード、シャッタースピード優先モード、スポーツモードは、上述もしたように、動きのある被写体を撮影する場合が多く、高速なAFを実現する必要がある。
【0186】
このため、プログラムオートモード、シャッタースピード優先モード、スポーツモードが選択された場合には、表示用撮像素子7を用いたライブビュー(表示用撮像素子側ライブビュー)を行うようにする。
【0187】
また、絞り優先モード、風景モード、マクロモード、ポートレートモードの場合には、上述もしたように、構図合わせを厳密に行ったり、焦点合わせを厳密に行ったりする必要がある。
【0188】
このため、絞り優先モード、風景モード、マクロモード、ポートレートモードが選択された場合には、撮影用撮像素子5を用いたライブビュー(撮影用撮像素子側ライブビュー)を行うようにする。
【0189】
[撮影モードに応じたライブビューモードの自動変更時の動作]
次に、撮影モードに応じたライブビューモードの自動変更時の動作について、図8〜図14のフローチャートを参照しながら説明する。
【0190】
図8は、ライブビュー処理のメインルーチンのフローチャートである。また、図9は、図8のメインルーチンにおいて実行される初期化ルーチンのフローチャートである。図10は、図8、図9のルーチンにおいて実行されるライブビュー切換ルーチンのフローチャートである。
【0191】
また、図11は、図10のルーチンにおいて実行される撮影用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンのフローチャートである。図12は、図10のルーチンにおいて実行される表示用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンのフローチャートである。
【0192】
また、図13は、図8のメインルーチン等において実行される撮影準備動作ルーチンのフローチャートである。図14は、図8のメインルーチン等において実行される撮影用撮像素子側撮影動作ルーチンのフローチャートである。
【0193】
そして、この実施の形態の撮像装置1に電源が投入され、撮影可能な状態にされると共に、光学ビューファインダーではなく、ライブビューを用いるようにされている場合に、全体制御部101は、図8に示す処理を実行する。
【0194】
全体制御部101は、まず、初期化ルーチンを実行する(ステップS1)。この初期化ルーチンは、図9に示す処理である。初期化ルーチンにおいては、図9に示すように、主にライブビュー切換ルーチンを実行する(ステップS101)。しかし、この初期化処理時においては、必要がある場合には、例えば、種々の設定状態を確認したり、変数を初期化したりするなどの処理をも行う。
【0195】
図9に示した初期化ルーチンのステップS101で実行されるライブビュー切換ルーチンは、図10に示す処理である。そして、ライブビュー切換ルーチンにおいては、全体制御部101は、まず、モード設定ダイヤル82の設定状態を確認し、撮影モードがプログラムオートモードか否かを判断する(ステップS201)。
【0196】
ステップS201の判断処理において、撮影モードがプログラムオートモードではないと判断したときには、全体制御部101は、撮影モードがシャッタースピード優先モードか否かを判断する(ステップS202)。
【0197】
ステップS202の判断処理において、撮影モードがシャッタースピード優先モードではないと判断したときには、全体制御部101は、撮影モードがスポーツモードか否かを判断する(ステップS203)。
【0198】
ステップS203の判断処理において、撮影モードがスポーツモードではないと判断したときには、全体制御部101は、撮影用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンを実行する(ステップS204)。
【0199】
つまり、選択されている撮影モードが、プログラムオートモード、シャッタースピード優先モード、スポーツモードのいずれでもない場合には、高速なAFを行う必要のない撮影モードが選択されていると判断することができる。この場合には、ステップS204において、撮影用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンを実行する。
【0200】
これに対して、ステップS201の判断処理において、撮影モードがプログラムオートモードであると判断したときには、全体制御部101は、表示用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンを実行する(ステップS205)。
【0201】
同様に、ステップS202の判断処理において、撮影モードがシャッタースピード優先モードであると判断したときには、全体制御部101は、表示用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンを実行する(ステップS205)。
【0202】
同様に、ステップS203の判断処理において、撮影モードがスポーツモードであると判断したときには、全体制御部101は、表示用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンを実行する(ステップS205)。
【0203】
つまり、選択されている撮影モードが、プログラムオートモード、シャッタースピード優先モード、スポーツモードのいずれかである場合には、高速なAFを行う必要がある撮影モードが選択されていると判断することができる。この場合には、ステップS205において、表示用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンを実行する。
【0204】
そして、図10に示したライブビュー切換ルーチンのステップS204において実行される撮影用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンは、図11に示す処理である。
【0205】
図11に示すように、撮影用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンにおいて、全体制御部101は、まず、ミラー機構6を制御してミラーアップ状態とし、撮影用撮像素子5への露光を行うようにする(ステップS301)。
【0206】
そして、全体制御部101は、撮影用撮像素子5からの画像データを信号処理回路51、A/D変換回路52を通じて取り込み、デジタル信号処理回路50を通じて種々の補正処理を行うなどの一連の画像処理を行うようにする(ステップS302)。
【0207】
そして、画像処理後の画像データを、画像メモリ56を介して、VRAM131に転送するようにし、表示装置12の表示画面に撮影用撮像素子5を通じて取得するライブビュー画像を表示するようにする(ステップS303)。
【0208】
このように、全体制御部101は、ステップS301〜ステップS303の処理により、撮影用撮像素子5を通じて順次に取り込まれる画像を、表示装置12に表示するライブビューを行うようにする。
【0209】
この後、全体制御部101は、露出条件を更新し(ステップS304)、この図11に示す撮影用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンを終了する。
【0210】
このように、図11に示す撮影用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンは、撮影用撮像素子5を通じてライブビューを開始させるものである。
【0211】
また、図10に示したライブビュー切換ルーチンのステップS205において実行される表示用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンは、図12に示す処理である。
【0212】
図12に示すように、表示用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンにおいて、全体制御部101は、まず、ミラー機構6を制御してミラーダウン状態とし、表示用撮像素子7への露光を行うようにする(ステップS401)。
【0213】
そして、全体制御部101は、表示用撮像素子7からの画像データを信号処理回路51、A/D変換回路52を通じて取り込み、デジタル信号処理回路50を通じて種々の補正処理を行うなどの一連の画像処理を行うようにする(ステップS402)。
【0214】
そして、画像処理後の画像データは、画像メモリ56を解して、VRAM131に転送するようにし、表示装置12の表示画面に表示用撮像素子7を通じて取得するライブビュー画像を表示するようにする(ステップS403)。
【0215】
このように、図12に示す表示用撮像素子側ライブビュー動作ルーチンは、表示用撮像素子7を通じてライブビューを開始させるものである。
【0216】
したがって、図8に示したメインルーチンのステップS1においては、初期化ルーチン(図9)を実行することにより、ライブビュー切換ルーチン(図10)が実行される。そして、ライブビュー切換ルーチンにおいて、撮影用撮像素子側ライブビュー動作ルーチン(図11)、表示用撮像素子側ライブビュー動作ルーチン(図12)のいずれかが実行され、選択されている撮影モードに応じて、適切なライブビューモードが選択される。
【0217】
この後、図8のメインルーチンにおいては、全体制御部101が、モード設定ダイヤル82の設定状態を監視し、撮影モードが変更されたか否かを判断する(ステップS2)。
【0218】
ステップS2の判断処理において、撮影モードが変更されたと判断したときには、図10を用いて説明したライブビュー切換ルーチンを実行し(ステップS3)、変更後の撮影モードに応じたライブビューモードに変更するようにする。
【0219】
ステップS2の判断処理において、撮影モードは変更されていないと判断した場合と、ステップS3においてライブビュー切換ルーチンを実行した後においては、全体制御部101は、レリーズボタン11が半押し状態(P1状態)か否かを判断する(ステップS4)。
【0220】
ステップS4の判断処理において、レリーズボタン11は半押し状態ではないと判断したときには、全体制御部101は、ステップS2からの処理を繰り返し、レリーズボタン11が半押し状態になるのを待つ。
【0221】
ステップS4の判断処理において、レリーズボタン11が半押し状態になったと判断したときには、全体制御部101は、撮影動作準備ルーチンを実行する(ステップS5)。このステップS5において実行される撮影動作準備ルーチンは、図13に示す処理である。
【0222】
図13に示す撮影準備動作ルーチンにおいて、全体制御部101は、現在選択されているのは、撮影用撮像素子側ライブビューか否かを判断する(ステップS501)。撮影用撮像素子側ライブビューが選択されているか、表示用撮像素子側ライブビューが選択されているかは、全体制御部101が把握している。
【0223】
ステップS501の判断処理において、撮影用撮像素子側ライブビューが選択されていると判断したときには、全体制御部101は、コントラストAFを行うように関係する各部を制御する(ステップS502)。
【0224】
この後、全体制御部101は、撮影用撮像素子5を通じて被写体の明るさを測定し、露出(絞り値とシャッタースピードの組み合わせ)を決める処理を行い(ステップS503)、この図13に示す処理を終了する。
【0225】
また、ステップS501の判断処理において、撮影用撮像素子側ライブビューが選択されていないと判断したときには、全体制御部101は、位相差AFを行うようにAFモジュール20等の関係する各部を制御する(ステップS504)。すなわち、撮影用撮像素子側ライブビューが選択されていない状態は、表示用撮像素子側ライブビューが選択された状態であることを意味する。
【0226】
この後、全体制御部101は、図3等には図示しないが、この実施の形態の撮像装置1が有する測光センサーを通じて被写体の明るさを測定し、露出(絞り値とシャッタースピードの組み合わせ)を決める処理を行い(ステップS505)、この図13に示す処理を終了する。
【0227】
そして、図8に示したメインルーチンに戻り、全体制御部101は、レリーズボタン11が全押し状態(P2状態)になったか否かを判断する(ステップS6)。
【0228】
ステップS6の判断処理において、レリーズボタン11が全押し状態になったと判断したときには、全体制御部101は、撮影用撮像素子側撮影動作ルーチンを実行する(ステップS7)。このステップS7で実行される撮影用撮像素子側撮影動作ルーチンは、図14に示す処理である。
【0229】
図14に示すように、撮影用撮像素子側撮影動作ルーチンにおいては、全体制御部101は、まず、撮影用撮像素子5の電源をOn(オン)にし(ステップS601)、シャッター4を解放する(ステップS602)。
【0230】
これにより、レンズ群37を通じて集光された光束は、撮影用撮像素子5に到達するので、全体制御部101は、露出値に応じた撮影用撮像素子5への露光を行うようにし、信号処理部51、A/D変換回路52等を通じて撮影画像を取り込む(ステップS603)。
【0231】
そして、全体制御部101は、シャッター4を閉鎖し(ステップS604)、撮影用撮像素子5の電源をOff(オフ)にする(ステップS605)。この後、全体制御部101は、デジタル信号処理部50を制御し、撮影用撮像素子5を通じて取り込まれた撮影画像の画像に対して、各種の補正処理などのデジタル信号処理を行う(ステップS606)。
【0232】
そして、全体制御部101は、撮影用撮像素子5を通じて取り込み、デジタル信号処理した撮影画像の画像を画像メモリ56の撮影画像用の画像記憶領域Xに記録する(ステップS607)。そして、図8に示したメインルーチンに戻る。
【0233】
なお、ステップS606において実行される画像処理は、図11に示した撮影用撮像素子側ライブビュー動作RTNのステップS302で実行した画像処理と同様の処理である。すなわち、撮影用撮像素子5からの画像データに対して黒レベル補正、WB補正、ガンマ補正等の各種画像処理を実行する。
【0234】
そして、全体制御部101は、図14のステップS607において画像メモリ56の撮影画像用の画像記憶領域Xに一時記憶した撮影画像を、カードI/F132を通じてメモリカード90に記録する(ステップS8)。
【0235】
この後、全体制御部101は、図10を用いて説明したライブビュー切換ルーチンを実行し(ステップS9)、選択された撮影モードに応じたライブビューを行うようにして、ステップS2からの処理を繰り返すようにする。
【0236】
また、ステップS6の判断処理において、レリーズボタン11が全押し状態になっていないと判断したときには、全体制御部101は、レリーズボタン11が半押し状態か否かを判断する(ステップS10)。
【0237】
ステップS10の判断処理において、レリーズボタン11が半押し状態であると判断したときには、ステップS6からの処理を繰り返す。すなわち、レリーズボタン11が全押しされて撮影を行うか、レリーズボタン11の押下操作が解除されるのかを待つことになる。
【0238】
ステップS10の判断処理において、レリーズボタン11が半押し状態ではない、すなわち、全押しされずに半押しが解除されたと判断したときには、ステップS9の処理に進む。
【0239】
この場合には、上述もしたように、図10を用いて説明したライブビュー切換ルーチンを実行し(ステップS9)、選択された撮影モードに応じたライブビューを行うようにして、ステップS2からの処理を繰り返すことになる。
【0240】
このように、この実施の形態の撮像装置1においては、ライブビューを用いて構図決め(構図合わせ)を行うようにしている場合においては、選択した撮影モードに応じて、適切なライブビューモードを自動的に選択することができるようにされる。
【0241】
すなわち、撮影用撮像素子5を用いたライブビューを行うモードと、表示用撮像素子7を用いたライブビューを行うモードとを適切に、かつ、自動的に選択して切り換えることができる。
【0242】
[種々の撮影モードへの対応]
なお、図7を用いて説明したように、この実施の形態の撮像装置1は7つの撮影モードを有するものとして説明した。しかし、撮影モードは当該1つに限るものではない。
【0243】
様々な撮影環境や被写体に応じて、適切かつ簡単に撮影を行うようにするために、絞り値、シャッタースピード、画像処理時の種々の調整値などを適切に調整するようにした種々の撮影モードが考えられる。
【0244】
そして、図7に示した以外の種々の撮影モードの利用が可能な場合であっても、各撮影モードにおいて優先すべき機能を適切に判別することにより、表示用撮像素子と撮影用撮像素子とのいずれを用いたライブビューを行うのかを適切に切り換えることができる。
【0245】
図15は、撮影モードの他の例と、ライブビューモードとの対応関係の例を説明するための図である。図15に示すように、撮影環境や被写体、あるいは、撮影目的などに応じて、種々の撮影モードが考えられている。
【0246】
例えば、動体である被写体を撮影する場合に用いて好適な動体モード、ステージライトで照らされている被写体を撮影する場合に用いて好適なステージライトモード、周囲の明るさに関係なくフラッシュライトを用いないで撮影する発光禁止オートモードがある。
【0247】
また、海辺やゲレンデなどの極端にあかるい場所で被写体を撮影する場合に用いて好適なビーチ&スノーモード、子供のスナップ写真を撮るのに好適な子供スナップモードがある。
【0248】
図15において、動体モード〜子供スナップモード間での5つの撮影モードは、被写体が動いているなどするために、迅速なAFを行う必要がある撮影モードである。このため、これらの撮影モードが選択された場合には、表示用撮像素子を用いたライブビュー(表示用撮像素子側ライブビュー)を行うようにする。上述もしたように、表示用撮像素子を用いたライブビューの場合には、光束を位相差方式のAFモジュールに導くことが可能であるためである。
【0249】
また、図15に示すように、夜景と人物を撮影する場合(夜間に屋外で人物を撮影する場合)に用いて好適な夜景&人物(夜景ポートレート)モード、風景と人物を撮影する場合に用いて好適な風景&人物モードがある。
【0250】
また、夜景を撮影する場合に用いて好適な夜景モード、夕日(夕景)を撮影する場合に用いて好適な夕日(夕景)モード、花火を撮影する場合に用いて好適な花火モードがある。また、例えば、黒板などに書かれた文字など、主に文書を撮影する場合に用いて好適な文書モード、料理などを近接して撮影する場合に用いて好適な料理モードがある。
【0251】
また、いわゆるパノラマ写真を撮影する場合に用いて好適なパノラマモード、例えば、花や昆虫などを近接して撮影する場合に用いて好適なネイチャーマクロモード、海、湖、プールといった水中で広角に撮影をしたい場合に用いて好適な水中ワイドモードがある。
【0252】
また、ローソクの火などの比較的に弱い光源の下で撮影を行う場合に用いて好適なキャンドルモード、海、湖、プールといった水中で近接して撮影をしたい場合に用いて好適な水中マクロモードがある。また、美術館などの屋内において、蛍光灯などの光源の下で被写体を鮮明に撮影した場合に用いて好適な美術間モードがある。
【0253】
このように、図15において、夜景&人物(夜景ポートレート)モード〜美術館モードまでの13個の撮影モードの場合には、構図決めを慎重に行ったり、ピント合わせを厳密に行ったりする必要のあるモードである。
【0254】
このため、図15において、夜景&人物(夜景ポートレート)モード〜美術館モードまでの13個の撮影モードの場合には、撮影用撮像素子を用いたライブビュー(撮影用撮像素子側ライブビュー)を行うようにする。
【0255】
このように、種々の撮影モードにおいて、高速なAF、視野率100%のライブビュー画像、厳密な焦点合わせの内の何を特に優先すべきかに基づいて、用いるライブビューモードを適切に選択することができる。
【0256】
そして、図15に示したように、種々存在する撮影モードを用いる場合であっても、図10を用いて説明したライブビュー切換ルーチンのように、選択された撮影モードに応じて、用いるライブビューモードを選択できるようにすることができる。
【0257】
なお、図7、図15に示した撮影モードが存在する場合であっても、上述したように、高速なAF、視野率100%のライブビュー画像、厳密な焦点合わせの内の何を特に優先すべきかに基づいて、用いるライブビューモードを適切に選択することができる。
【0258】
なお、図10のフローチャートにおいては、フローチャート(プログラム)の中で選択されている撮影モードが何かを判断するようにしたが、これに限るものではない。例えば、図7や図15に示した撮影モードとライブビューモードとを対応付けたテーブルをEEPROM60などに作成しておく。そして、選択された撮影モードに基づいて、当該テーブルを参照し、撮影用撮像素子5を用いたライブビューを行うか、表示用撮像素子7を用いたライブビューを行うかを切り換えるようにしてももちろんよい。
【0259】
[この発明の方法、プログラム]
なお、上述した実施形態から明らかなように、この発明の方法、プログラムは、図7〜図14を用いて説明した方法、プログラムとして実現可能である。
【0260】
そして、上述の図8〜図14のフローチャートを用いて説明した方法は、この発明の方法である。
【0261】
また、上述の図7〜図14のフローチャートに応じて形成可能なプログラムは、この発明のプログラムである。
【0262】
なお、上述もしたように、例えば、図7や図15に示した撮影モードとライブビューモードとを対応付けたテーブルをEEPROM60などに作成しておく。そして、選択された撮影モードに基づいて、当該テーブルを参照し、撮影用撮像素子5を用いたライブビューを行うか、表示用撮像素子7を用いたライブビューを行うかをきりかえるようにしたプログラムを作成することももちろん可能である。
【0263】
[実施の形態の効果]
上述したように、撮像装置1は、撮影用撮像素子5に加えて光学ファインダー内に表示用撮像素子7を備え、光学ファインダーの視野率が100%未満であるレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ(DSLR)である。撮像装置1は、撮影用撮像素子5を用いたライブビューモードと表示用撮像素子7を用いたライブビューモードとを両方備えている。そして、各種撮影モード(シャッタースピード優先モード、絞り優先モード、風景モード、スポーツモード、マクロモード等)を撮影者がモード設定ダイヤル82等で変更可能な場合、撮影モード毎に使用するライブビューモードを自動で切り換えることができる。
【0264】
すなわち、各種撮影モードのうち、シャッタースピード優先、スポーツモード等シャッターチャンスを逃さないことが撮影の重要な要素となる撮影モードでは、高速な焦点合わせが必要である。
【0265】
そこで、撮像装置1において、シャッターチャンスを逃さないことが撮影の重要な要素となる撮影モードが設定された場合、表示用撮像素子7を用いたライブビューモードに自動で切り換える。表示用撮像素子7を用いたライブビューモードでは、上述もしたように、高速な焦点合わせが可能な位相差AF方式の自動焦点合わせを行うことができるためである。
【0266】
また、各種撮影モードのうち、絞り優先モード、風景モード等の構図の確認が撮影の重要な要素となる撮影モードでは、視野率が100%のライブビュー画像を表示できることが重要である。
【0267】
そこで、撮像装置1において、構図の確認が撮影の重要な要素となる撮影モードが設定された場合は、撮影用撮像素子5を用いたライブビューモードに自動で切り換える。撮影用撮像素子5を用いたライブビューモードでは、上述もしたように、視野率が100%のライブビュー画像を表示できるためである。
【0268】
また、各種撮影モードのうち、マクロモード等被写体に正確に合焦することが重要な要素となる撮影モードでは、厳密な焦点合わせが要求される。
【0269】
そこで、撮像装置1において、被写体に正確に合焦することが重要な要素となる撮影モードに設定された場合は、撮影用撮像素子5を用いたライブビューモードに自動で切り換える。撮影用撮像素子5を用いたライブビューモードでは、上述もしたように、撮影用撮像素子5で厳密に焦点合わせを行うことが可能であるためである。
【0270】
すなわち、撮影モードごとに優先される機能、すなわち、高速な焦点合わせ、視野率100%の画像による構図確認、厳密な焦点合わせ等の内、どの機能を優先させなければならないかに応じて、最適なライブビューモードに自動で切り換えることができる。これにより、撮像装置を操作する撮影者の利便性を向上させることができる。
【0271】
[その他]
なお、上述した実施の形態においては、撮影用撮像素子の機能は、撮影用撮像素子5が実現し、表示用撮像素子の機能は、表示用撮像素子7が実現している。また、表示手段の機能は、表示装置12が実現している。
【0272】
また、ミラー機構の機能は、ミラー機構6が実現している。また、第1の自動焦点合わせ手段の機能は、AFモジュール20、全体制御部101、フォーカス制御部121、モータM1が実現している。
【0273】
また、第2の自動焦点合わせ手段の機能は、撮影用撮像素子5、全体制御部101、フォーカス制御部121、モータM1が実現している。また、受付手段の機能は、モード設定ダイヤル82が実現している。また、制御手段の機能は、主に全体制御部101が実現している。
【0274】
また、表示用撮像素子を設ける位置は、上述した実施形態の撮像装置のおいて示した場合に限るものではなく、光学ファインダー内の適宜の位置に表示用撮像素子を設ける構成が可能である。
【0275】
また、撮像素子は、CCDに限るものではなく、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いるようにしてもよい。
【0276】
また、表示装置もLCDに限るものではなく、有機ELパネル(Organic Electroluminescence Panel)等の表示素子を用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0277】
1、1A…撮像装置、2…カメラ本体部、3…撮影レンズユニット、4…シャッター、5…撮影用撮像素子、6…ミラー機構、7…表示用撮像素子、12…表示装置、20…AFモジュール、41…フラッシュライト、37…レンズ群、39…レンズ位置検出部、42…フラッシュ回路、43…AF補助光発光部、50…デジタル信号処理回路、51…信号処理部、52…A/D変換回路、53…黒レベル補正回路、54…WB補正回路、55…γ補正回路、56…画像メモリ、60…EEPROM、80…操作部、90…メモリカード、101…全体制御部、121…フォーカス制御回路、122…ミラー制御回路、123…シャッター制御回路、124…タイミング制御回路、131…VRAM、132…カードI/F、133…通信用I/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影用撮像素子と、
光学ファインダー内に配設される表示用撮像素子と、
前記撮影用撮像素子からの画像を、あるいは、前記表示用撮像素子からの画像を表示する表示手段と、
撮影レンズを通じて取り込まれる光束を、前記撮影用撮像素子に導くか、前記表示用撮像素子に導くかを切り換えるミラー機構と、
前記ミラー機構が、撮影レンズを通じて取り込まれる光束を前記表示用撮像素子に導くように切り換えられている場合に、前記光束が導かれ位相差検出方式の自動焦点合わせを行う第1の自動焦点合わせ手段と、
前記ミラー機構が、撮影レンズを通じて取り込まれる光束を前記撮影用撮像素子に導くように切り換えられている場合に、前記撮影用撮像素子においてコントラストが最も高くなる点を合焦点として探し出すコントラスト方式の自動焦点合わせを行う第2の自動焦点合わせ手段と、
複数の撮影モードの中から目的とする撮影モードの設定入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段を通じて設定された撮影モードに応じて、前記ミラー機構を切り換え、前記撮影用撮像素子からの画像を前記表示手段に表示するか、前記表示用撮像素子からの画像を前記表示手段に表示するかを制御する制御手段と
を備える撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記制御手段は、前記受付手段を通じて設定された撮影モードが、高速な焦点合わせが必要な予め決められたモードである場合には、前記ミラー機構を前記表示用撮像素子に光束を導くように切り換えて、前記表示用撮像素子からの画像を前記表示手段に表示するように制御する撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記制御手段は、前記受付手段を通じて設定された撮影モードが、構図決めが重要な予め決められたモードである場合には、前記ミラー機構を前記撮影用撮像素子に光束を導くように切り換えて、前記撮影用撮像素子からの画像を前記表示手段に表示するように制御する撮像装置。
【請求項4】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記制御手段は、前記受付手段を通じて設定された撮影モードが、焦点を厳密に合わせる必要のある予め決められたモードである場合には、前記ミラー機構を前記撮影用撮像素子に光束を導くように切り換えて、前記撮影用撮像素子からの画像を前記表示手段に表示するように制御する撮像装置。
【請求項5】
複数の撮影モードの中から目的とする撮影モードの設定入力を、受付手段を通じて受け付ける受付工程と、
前記受付工程において受け付けた撮影モードに応じて、撮影レンズを通じて取り込まれる光束を、撮影用撮像素子に導くか、光学ファインダー内に配設される表示用撮像素子に導くかを切り換えるミラー機構を切り換え、前記撮影用撮像素子からの画像を表示手段に表示するか、前記表示用撮像素子からの画像を表示手段に表示するかを制御手段が制御する制御工程と
を有するライブビューモード切り換え方法。
【請求項6】
複数の撮影モードの中から目的とする撮影モードの設定入力を、受付手段を通じて受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けた撮影モードに応じて、撮影レンズを通じて取り込まれる光束を、撮影用撮像素子に導くか、光学ファインダー内に配設される表示用撮像素子に導くかを切り換えるミラー機構を切り換え、前記撮影用撮像素子からの画像を表示手段に表示するか、前記表示用撮像素子からの画像を表示手段に表示するかを制御手段が制御する制御ステップと
を撮像装置に搭載されたコンピュータが実行するライブビューモード切り換えプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−217262(P2010−217262A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60899(P2009−60899)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】