説明

撮像装置

【課題】「電気的濡れ現象」を利用した、屈折作用可変光学要素を用いた、小型かつ撮影性能の良好な撮像装置を提供する。
【解決手段】絶縁体から構成され、光束が通過する開口を備えた外殻部材CHに、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体LQ1及び、該第1流動体と親和性を有せず、前記第1流動体と実質的に同密度であり、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、かつ絶縁性を有する第2流動体LQ2が、前記開口を介して光束が通過するように密閉充填されるとともに、光透過性の非球面光学面を有する封止部材によって前記開口が封止されてなり、前記第1流動体に接触する電極P2と、前記外殻部材に設けられた電極P1との間に電圧を印加することにより、前記外殻部材の前記第2流動体に対する濡れ性を変化させることによって、前記第2流動体の前記外殻部材内における充填形状を変化せしめる電圧印加手段Vを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、パーソナルコンピュータ、PDA、監視カメラ、センサーカメラなどに用いられる小型の撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CCDやC−MOSなどの撮像素子(光電子変換素子)と、撮影レンズとを一体化した小型の撮像装置が知られており、様々な用途に採用されている。かかる撮像装置は、特に最近では携帯電話への採用が盛んに行われ、またそれに用いる撮像素子の高画素化も進歩が著しい。
【0003】
また従来、「電気的濡れ現象」を利用することにより、電気的でありながら、モーター等の駆動手段を用いずに、光学的機能を切り替え可能な光学要素が提案されている(特許文献1,2参照)。
【特許文献1】
特表2001−519539
【特許文献2】
特表2002−540464
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1及び2は、上述の「電気的濡れ現象」を利用した光学要素に関し、特に流動体の形状を変形させることによって屈折度合いを変化させたり、光軸中心を保持する技術を開示している。
【0005】
ところで、上述したような撮像装置の撮影光学系に用いる光学要素に対しては、様々な収差を生じることなく撮像素子に集光させる光学特性が要求されるが、上記の文献には、撮影光学系の光学要素として要求される光学特性については開示がない。
【0006】
つまり、この光学要素を、撮影光学系、とくに上述のような撮影レンズ一体型の撮像装置に適用する場合における問題、及びその解決策等については全く開示がない。これに対し、本発明者らは、検討の結果、次のような課題を見出した。
(1)このような「電気的濡れ現象」を利用した、屈折作用可変光学要素においては、屈折作用を変化させることはできるが、非電圧印加状態で形成される屈折面の有する収差を考慮する必要がある。
(2)この屈折作用可変光学要素は、製造上の個体差が大きく、キャリブレーションが必要である。
(3)撮影光学系に用いる光学要素としては、光軸ズレの問題がもっとも重要であるが、それを動的に補正する必要がある。
【0007】
本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、電気的濡れ現象を利用した光学要素を用いて適切な撮像を行える撮像装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の撮像装置は、集光された光を電気信号に変換する撮像素子を基板上に設けるとともに、前記撮像素子に対して被写体から発された光を集光させるように配置した撮影光学素子及び前記撮像素子を遮光部材により一体的に掩蔽し、前記基板上に前記電気信号の出力及び前記撮像素子の制御を行う制御手段を備えた撮像装置において、
絶縁体から構成され、光束が通過する開口を備えた外殻部材に、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体及び、該第1流動体と親和性を有せず、前記第1流動体と実質的に同密度であり、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、かつ絶縁性を有する第2流動体が、前記開口を介して光束が通過するように密閉充填されるとともに、光透過性の非球面光学面を有する封止部材によって前記開口が封止されてなり、
前記第1流動体に接触する電極と、前記外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加することにより、前記外殻部材の前記第2流動体に対する濡れ性を変化させることによって、前記第2流動体の前記外殻部材内における充填形状を変化せしめる電圧印加手段を備えた(電気的に光学性能を変化させることが可能な光学要素(例えば屈折可変光学要素)を備える)ことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、前記電圧印加手段により前記第2流動体の充填形状を変化させることで、最適な焦点距離や収差特性等を確保し、より適切な光学像を前記撮像素子の受光面に結像させることができ、更に光透過性の非球面光学面を有する封止部材によって前記開口を封止することで、前記第2流動体の形状変化と相まって、前記撮像素子に対する結像特性をより向上させることができる。
【0010】
請求項2に記載の撮像装置は、請求項1に記載の発明において、前記非球面は、前記第1流動体及び前記第2流動体を光束が通過することによって生じる収差を解消する光学面とされていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の撮像装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記光学要素は、前記撮影光学素子よりも被写体側に配置されることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の撮像装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記光学要素の、前記撮像装置側の封止部材と、前記撮像装置の最も被写体側の撮影光学素子とが共通の素子であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の撮像装置は、集光された光を電気信号に変換する撮像素子を基板上に設けるとともに、前記撮像素子及び前記撮像素子に対して被写体から発された光を集光させるように配置した撮影光学素子を遮光部材により一体的に掩蔽し、前記基板上に前記電気信号の出力及び前記撮像素子の制御を行う制御手段を備えた撮像装置において、
絶縁体から構成され、光束が通過する開口を備えた外殻部材に、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体及び、該第1流動体と親和性を有せず、前記第1流動体と実質的に同密度であり、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、かつ絶縁性を有する第2流動体が、前記開口を介して光束が通過するように密閉充填されるとともに、IRカットフィルターによって前記開口が封止されてなり、
前記第1流動体に接触する電極と、前記外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加することにより、前記外殻部材の前記第2流動体に対する濡れ性を変化させることによって、前記第2流動体の前記外殻部材内における充填形状を変化せしめる電圧印加手段を備えた(電気的に光学性能を変化させることが可能な光学要素を備える)ことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、前記電圧印加手段により前記第2流動体の充填形状を変化させることで、最適な焦点距離や収差特性等を確保し、より適切な光学像を前記撮像素子の受光面に結像させることができ、更にIRカットフィルターによって前記開口を封止することで、赤外光が入射することを抑え、更に適切な光学像を前記撮像素子の受光面に結像させることができる。
【0015】
請求項6に記載の撮像装置は、集光された光を電気信号に変換する撮像素子を基板上に設けるとともに、前記撮像素子及び前記撮像素子に対して被写体から発された光を集光させるように配置した撮影光学素子を遮光部材により一体的に掩蔽し、前記基板上に前記電気信号の出力及び前記撮像素子の制御を行う制御手段を備えた撮像装置において、
絶縁体から構成され、光束が通過する開口を備えた外殻部材に、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体及び、該第1流動体と親和性を有せず、前記第1流動体と実質的に同密度であり、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、かつ絶縁性を有する第2流動体が、前記開口を介して光束が通過するように密閉充填されるとともに、
前記第1流動体に接触する電極と、前記外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加することにより、前記外殻部材の前記第2流動体に対する濡れ性を変化させることによって、前記第2流動体の前記外殻部材内における充填形状を変化せしめる電圧印加手段と、
該電圧印加手段に印加する電圧の値と、それに応じた前記流動体の充填形状との関係を記憶した記憶手段と、
該記憶手段に記憶された関係に基づいて、前記電圧手段に電圧を印加させる制御手段とを有する(電気的に光学性能を変化させることが可能な光学要素を備える)ことを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、前記電圧印加手段により前記第2流動体の充填形状を変化させることで、最適な焦点距離や収差特性等を確保し、高画質な画像を前記撮像素子の受光面に結像させることができ、更に前記記憶手段に記憶された関係に基づいて、前記制御手段が前記電圧手段に電圧を印加させるため、例えば近接撮影モードでは第1の電圧、遠方撮影モードでは第2の電圧というように切り替えて使用することで、所望のシーンに合わせた撮影を行うことが可能となる。
【0017】
請求項7に記載の撮像装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記電圧印加手段によって電圧を印加することにより、焦点距離調節を行うことを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の撮像装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記電圧印加手段によって電圧を印加することにより、ピント調整を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の撮像装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、前記電圧印加手段によって電圧を印加することにより、前記光学要素の光軸を、前記対物光学素子の光軸に対してシフト調整することを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の撮像装置は、請求項1乃至9のいずれかに記載の発明において、前記電圧印加手段によって電圧を印加することにより、前記光学要素の光軸を、前記対物光学素子の光軸に対してチルト調整することを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載の撮像装置は、集光された光を電気信号に変換する撮像素子を基板上に設けるとともに、前記撮像素子に対して被写体から発された光を集光させるように配置した撮影光学素子及び前記撮像素子を遮光部材により一体的に掩蔽し、前記基板上に前記電気信号の出力及び前記撮像素子の制御を行う制御手段を備えた撮像装置において、
絶縁体から構成され、光束が通過する開口を備えた外殻部材に、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体及び、該第1流動体と親和性を有せず、前記第1流動体と実質的に同密度であり、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、かつ絶縁性を有する第2流動体が、前記開口を介して光束が通過するように密閉充填されるとともに、
前記第1流動体に接触する電極と、前記外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加することにより、前記外殻部材の前記第2流動体に対する濡れ性を変化させることによって、前記第2流動体の前記外殻部材内における充填形状を変化せしめる電圧印加手段を備えた(電気的に光学性能を変化させることが可能な光学要素を備える)ことを特徴とする。
【0022】
請求項11に記載の発明によれば、前記電圧印加手段により前記第2流動体の充填形状を変化させることで、最適な焦点距離や収差特性等を確保し、より適切な光学像を前記撮像素子の受光面に結像させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明にかかる実施の形態を詳細に説明するが、本発明は、かかる実施の形態に限定されるものではない。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1を用いて、請求項1の発明について説明する。1は、撮影光学素子と撮像素子とを一体化した撮像装置である。ここでは製造上の手順や、調整の手間を考慮して、屈折作用可変光学要素2(後述)を被写体側に配置しているが、絞り位置に配置することが、小型化の点および性能上好ましい。
【0025】
Sは撮像素子であり、撮像面に集光された光を電気信号に変換する機能を有するもので、公知のCCDあるいはC−MOSセンサを用いることができる。これは基板Bに熱硬化性銀ペーストなどにより貼着されており、いわゆるベアチップ(裸チップ)実装である。
【0026】
Lは撮影光学素子(対物レンズともいう)であり、被写体画像を集光して撮像素子Sの撮像面(受光面ともいう)に集光させる機能を有する(被写体から発した光を集光させる)。この例ではプラスティック製の非球面レンズを採用しており、またピント位置調整のため、フランジ部を光軸方向に延伸させ、撮像素子Sに当接させた構成となっている。このような構造とする事により、組み立て時のピント調整が不要となる。
【0027】
またこのような単玉の撮影光学素子Lのみならず、複数の球面レンズ・非球面レンズを組合わせた光学系の構成とすることもできるし、それらの素子の間に各種のフィルターや絞りを設けることも出来る。さらにフランジ部を撮像素子に当接させない構造であってもかまわない。
【0028】
Cは遮光部材であって、カーボンブラック等の遮光材料を分散したプラスティック樹脂によって構成された外殻である。遮光部材Cは、接着剤によって基板に貼着されている。また撮影光学素子Lのフランジ部はDカット形状となっており、遮光部材Cと嵌合して、光軸周りの回転が防止される。又、そのフランジ部が金属バネからなる弾性部材Spによって付勢されることで、撮影光学素子Lの光軸方向の位置決めがなされている。
【0029】
Eは電気部品であって、撮像信号・制御信号の入出力、動力電源の入出力などに寄与する制御手段を構成している。これらは必要に応じて、基板Bの表裏に設けることが出来る。
【0030】
CNはコネクタ部であり、ここからフレキシブル基板などを介して、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話などの機器側CPUへ、電気信号伝達可能に接続される。
【0031】
2は、いわゆる「電気的濡れ現象」を利用した屈折作用可変光学素子である。これは、上記特許文献1および2に詳述されているものと基本的に同様な構造であるため、その説明は省略する。
【0032】
CHは外殻部材であり、絶縁体によって形成されている。またP1で示す電極部材が外殻部材CHの内部に配設されている。つまり多数の電極部材P1が、光軸方向及び周方向に、所定の間隙を介して多数配列されていることになる。これにより、複雑な流体形状制御が可能となる。一方、P2は、外殻CHの密閉充填部に突出して設けられ、第1流動体LQ1に接触する電極である。尚、電極P2は絶縁性があり且つ流体密封性がある部材を介して外殻部材CHに取り付けられている。
【0033】
LQ1は第1流動体であり、導電性を有し、また第1屈折率を有する。ここでは食塩水を用いている。LQ2は絶縁性を有する第2流動体であり、第1屈折率よりも大きい第2屈折率を有する。ここでは油を用いており、そのため第1流動体とは親和性がきわめて低く、混合せずに2層状態が保たれる。ここでは、第2流動体LQ2が凸レンズ形状をとり、第1流動体LQ1が凹レンズ形状をとる。これら2つの流動体LQ1,LQ2は、外殻部材CHの中に密閉充填されており、開口HOを介して光学像が通過可能になっている。
【0034】
PL1は、外殻部材CHの開口HO側(下側)を封止する第1封止部材を構成するプラスティック平板であり、前記弾性部材Spを付勢するための固定部材としても機能している。またこの封止板PL1を、IRカットフィルターや絞りとしてもよい。
【0035】
PL2は、外殻部材CHの開口HOの反対側(上側)を封止する第2封止部材であり、これまたプラスティック製であり、第1流動体LQ1に接する面は平面であるが、反対側の面は、非球面からなる光学機能面となっている。
【0036】
なおここでは、撮像装置1と、屈折作用可変光学要素2とを一体化した例を開示しているが、撮像装置部分と、屈折作用可変光学素子とを個別に作成し、近接して配置しても構わない。
【0037】
Vとして模式的に示す電圧印加手段は、電極P1、電極P2に接続されており、必要に応じて電圧を印加し、電界を生じさせる。これによって「電気的濡れ現象」が生じ、第2流動体LQ2の形状が変化し、屈折作用が変化する。
【0038】
また、電圧印加手段Vは、比較的高電圧の電圧を印加するので、昇圧回路が必要になる。そこで、ここでは図示しないストロボ発光装置と組み合わせて構成し、ストロボ発光装置に含まれる昇圧回路を利用して、高電圧を印加するという構成を採用することができる。
【0039】
なお、この例では電極部材P1が多数配置され、必要に応じて様々な電界を生じさせ、もって電気的濡れ現象の多様な制御を行うことができる。しかしこの例に限らず、目的に応じて、電極の配置位置・数をより限定的なものとしても、もちろんかまわない。さらにまた、電界形成によって濡れ作用を変化させているが、たとえばインクジェットの一方式である、バブルジェット方式のように、熱を発生させて気泡を生じさせて、これによって容積を変化させ、もって第2流動体LQ2の形状を変形させて屈折率変化を起こす方法も採用できる。
【0040】
さて、先に述べたとおり、各流動体LQ1,LQ2によって形成されている屈折面は、単体で無収差ではなく、様々な収差を内在した状態にある。そこで本実施の形態では、第2封止部材であるPL2を非球面プラスティックレンズとすることにより、この問題を解決している。
【0041】
このため、電圧を印加していない状態でも、無収差で光学要素として用いることができ、また非球面形状をさらに工夫することにより、電圧を印加している状態、していない状態にかかわらず、流動体の屈折面によって生じる収差を補正する光学面とすることも可能である。
【0042】
さらにまた、この第1封止部材PL1および/または第2封止部材PL2に、回折構造を設けることも可能である。図2には、第2封止部材PL2の下面に回折構造Dを設けた例を示している。
【0043】
なお外殻部材CHの開口HOの形状は、真円状でなくともよい。後述の通り、補正する対象がAS(非点収差)であるなど、非軸対象の補正を行う場合は、それを生じさせやすい開口形状としておくことが好ましい。かかる場合、楕円形状や、矩形形状とすることができる。
【0044】
とくに、撮像素子Sは通常、矩形形状となっているので、これにあわせた開口形状とすることが、集光効率の点からも好ましい。
【0045】
また模式的に示す記憶手段Mは、電圧印加手段Vに印加する電圧値と、それに基づいて流動体LQ2が形成する屈折面の屈折作用との対応関係を示すLUTを記憶している。これは予め設計・実験して得られた値を記録したROM部と、個々の個体差を解消するためのキャリブレーションを行って補正値を記憶したRAM部分とからなっている。
【0046】
そして同様に模式的に示す制御手段CTRは、図示しない本体側CPU(不図示)からの指示にもとづいて、所望の屈折面を形成するべく、屈折作用にもとづいて記憶手段Mから電圧値を読み出し、電圧印加手段Vに指示する。
【0047】
また記憶手段Mは、他に温度変化を補正するために、検出された温度に対して、屈折作用を変化させて補正を行うためのLUTを記憶していても良い。
【0048】
以下に、この電気的濡れ現象を利用した、屈折作用可変光学要素2を用いた制御の例について説明する。
(1)焦点距離調節を行う例
撮影光学素子Lと、屈折作用可変光学要素2との組合せによって、電圧を印加しない状態と電圧を印加した状態とで、焦点距離が変化するようにする。この場合、精密な合焦作用を持たせることができないので、パンフォーカス状になるが、焦点距離を変更することができるため、撮影の自由度が増す。
【0049】
(2)ピント調整を行う例
電圧を印加することによって、屈折作用を変化させ、ピント調整を行う。これにより、様々な距離の被写体に対して、ピントを合わせた撮影が可能になる。またとくに、撮影光学素子Lの位置調整および性能が十分でなくても、屈折作用可変光学要素2を用いることによって、十分なピント性能を得ることが出来る。
【0050】
(3)マクロ撮影の場合
近接撮影を行いたい場合、通常であれば撮影レンズの全群をわずかに繰り出すか、あるいは撮影レンズの一部をわずかに繰り出すといったことが行われる。ここでは、そのような繰り出し機構を用いないかわりに、屈折作用をわずかに変化させることで対応する。また屈折状態は、電圧非印加の状態では通常撮影となり、電圧を印加した状態でマクロ撮影となるようにすることが、電力消費の点からも好ましい。
【0051】
(4)収差補正を行う場合
電圧印加を工夫することにより、屈折面を非球面とする。これによって、色収差のみならず、像面歪曲や、コマ収差などの様々な収差を補正する。また、温度センサを設けておき、温度差によって屈折率変化が生じ、これによって発生する球面収差を補正することも可能である。
【0052】
(5)シフト調整を行う場合
高画質な画像を得るために、撮影光学系で要求される特性の一つは、各光学要素の光軸を一致させることである。そこで、撮影光学素子Lと屈折作用可変光学要素2との光軸がずれている場合、電圧印加の程度を工夫することにより、流動体の光軸をシフトさせ、結果的に撮影光学素子と光軸が一致するようにする。同様の考え方で偏心補正も可能である。
【0053】
(6)チルト調整を行う場合
上記の場合と同様に、光軸が互いに傾いている場合にも補正の必要がある。また、意図的に光軸を傾けた撮影を行う場合もある。そこで、電圧印加の程度を工夫することにより、流動体の光軸を傾けて、所望の軸角度となるように調整する。
【0054】
(7)手振れ補正を行う場合
撮像装置を含む撮影機器を手持ちで保持して撮影すると、手振れの問題が生じる。そこで、振動センサを組み込み、それから得られる情報をもとに、上記のシフト調整、チルト調整を行うことにより、手振れ補正を行う。この場合、シャッタースピードを遅くして、ノイズが増大する現象を防ぐことが好ましい。
【0055】
(8)アス(非点収差)補正を行う場合
光軸(Z軸)に対して、ある直角な方向(X方向)と、それにさらに直交する方向(Y方向)とで光線が収差を有する場合、それらを補正するために、電圧印加を工夫することにより、X方向とY方向の曲率をことならしめ、非点収差を補正する。上述の通り、この場合は開口部HOの形状を真円状にしないほうが好ましい。
【0056】
(9)保護カバー一体型撮像素子を用いる場合
この例について、図3を用いて説明する。図3(a)に示す撮像素子SPKは、上述のようなベアチップではなく、保護カバーCVを有する、パッケージ化された素子であり、VTRカメラ、ディジタルスチルカメラ等に多く採用されている。図3(b)は断面図である。
【0057】
このような撮像素子SPKには、ガラスやプラスティックからなる保護カバーCVが設けられているが、図3(c)に示すように、製造上の取り付け誤差によって、この保護カバーCVが撮像面とわずかながら傾いて配置されてしまうことが多い。しかしながら、かかる状態を放置すると、その他の光学要素を精度良く配置しても、保護カバーの傾きによって生じる誤差を解消できず、いわゆる「片ボケ」が生じてしまう。
【0058】
これに対し、本実施の形態においては、撮像素子SPKから出力された信号をもとに、上述と同様のシフト調整を行うことにより、保護カバーの取り付け誤差に起因する性能不良を解消することができる。またシフト調整だけでなく、チルト補正を同時に行ってもよい。
【0059】
(10)回折面を形成する場合
この例について、図4に模式図を示す。電圧印加手段Vから、高周波の電圧を印加することにより、概略サインカーブ状に波打った面を形成させ、擬似的な回折面を形成する。印加する電圧と周波数とをコントロールすることにより、回折面の深さD・ピッチPを制御する。また、周波数重畳により、非球面と回折面との組合せを自由にコントロール可能である。これによって、色収差・球面収差などを自由に補正することが可能になる。
【0060】
次に、流動体について説明する。充填する流動体は、光学要素素材として分散が小さいことが好ましいことから、アッベ数が比較的小さいことが望まれる。さらに流動体については、従来技術にあるとおりのものを採用することができるが、そのために、次のような工夫を加えることもできる。
(1)流動体に微粉末を分散させて、屈折率を調整する。たとえば、流動体として水や油を用いても、屈折率が補正する機能との関係でマッチしていないことがある。そこで、透過率を下げない程度に微粉末を分散させることにより、屈折率を調整する。
(2)流動体に着色することにより、濃度可変のNDフィルタとする。これは第1流動体、第2流動体のどちらでもよく、また両方に着色してもよい。
(3)特に凹レンズ形状となる第1流動体に着色することにより、意図的に周辺光量を低下させ、アポタイゼーションフィルタと同様の機能もたせる。
(4)流動体に、IRカット機能を有するものを採用する。これにより、封止板やその他の光学素子として、IRカット機能を有するものを組み込む必要がなくなり、小型化に寄与できる。
(5)流動体に、液晶成分を用いることにより、電圧印加によって形状を変形させるだけでなく、偏光状態も変化させて偏光補正を行う。
【0061】
(第2の実施の形態)
この例について、図5を用いて説明する。これは、複数の屈折作用可変光学要素2を、光軸方向に連設したものである。第1の実施の形態と共通している部分については説明を省略する。
【0062】
図5の構成は、原理的には、屈折レンズを2群、それぞれ光軸方向に移動可能に配置したのと同じであり、ズームレンズ系と機能的に同じ光学系を実現可能である。また図6のように、屈折作用可変光学要素2を、互いに逆向きに組み合わせた配置も可能である。
【0063】
また、当然3以上の屈折作用可変光学要素2の組合せも可能であり、この際はさらに豊富な光学機能を実現できる。さらに、第1の実施の形態で述べた補正機能を同時に適用することも可能である。
【0064】
また、この例では、光軸方向を短縮するために、封止部材PLを兼用している。これにより、製造上位置決めが容易になるとともに、光軸のチルトが発生しにくいという利点もある。
【0065】
また電圧を印加することによって電界が生じ、もって電気的濡れ作用が現象するところ、2つの外殻部材が近接していると、干渉作用が発生する恐れがある。そこで、電極の配置を工夫したり、あるいは電界を遮蔽する部材SHを、屈折作用可変光学要素2間に配置することが好ましい。この部材SHも絞りとして用いることが出来る。
【0066】
(第3の実施の形態)
この例を、図7を用いて説明する。これは第1の実施の形態から、さらに光軸方向の小型化を図ったもので、流動体の内部に撮影光学素子を埋没させた場合である。第1の実施の形態と共通している部分については説明を省略する。
【0067】
ここでは、光軸方向の位置決めの為に、封止部材PL1から下方に突出した部材T1を設け、撮像素子Sの上面に当接させるようにしている。また流動体同士界面を乱さないようにするため、撮像光学素子Lのフランジから下方に突出した部材T2は第2流動体LQ2には触れないようにして、封止部材PL1に当接するように構成されている。このように構成されているので、光軸方向に小型な撮像装置を実現可能である。
【0068】
(第4の実施の形態)
図8を用いて第4の実施例について説明する。上述の各実施例は、撮影光学系の光路中に光学要素を配置する例であったが、この例では撮像素子の各画素あるいはいくつかの画素に対応して、電気的濡れ現象によって変動する微小な光学要素を設けている。
【0069】
図8におけるSLQ2は、撮像素子Sの1画素に相当する領域の直上に配置された第2流動体である。なお図8は模式図であり、実際は数万から数百万の画素から撮像素子は構成されるため、実際はSLQ2が、この模式図に示されるよりもより多く配列される。制作上は、インクジェット技術を採用することにより、第2流動体SLQ2の微小な液滴を噴射することで、微細な液滴を形成できる。ここで、撮像素子Sの直上に第2流動体SLQ2液滴を配置してもよいが、透明なコートを施し、かつこのコートに第2流動体SLQ2が必要以上に濡れ広がることを防止する加工を施しておいた方が好ましい。これはコートでなく、透明かつ薄いガラス基板・プラスティック基板等を撮像素子に密着させることによっても実現できる。
【0070】
このように第2流動体SLQ2の液滴が撮像素子Sに配置されたのち、第1流動体LQ1を外殻部材CH内に充填し、透明な部材PL2で封止する。
【0071】
このように電気的濡れ現象を利用した光学要素を採用する際は、外殻部材CHに設ける電極を、多数個にしておくことが好ましい。具体的には、光軸方向および周方向に多数の電極を設け、かつ通電状態を制御することにより、発生させる電界の組合せを豊富にする事ができ、これによって各第2流動体SQL2液滴の形状を制御することが可能となる。
【0072】
すなわち、第2流動体SQL2を用いることにより、撮像素子Sの各画素に対応したマイクロレンズの形状を制御することが可能となるため、露出制御・シェーディング補正等が可能になる。
【0073】
(第5の実施の形態)
これは、撮影光学系ではなく、ストロボ装置に応用する例である。図9を用いて説明する。上述してきた通り、屈折作用を変化させることが可能な光学要素であるので、キセノン管や白色LEDなどの発光部材Fと被写体(投光対象)との間に、屈折作用可変光学要素2を配置し、投光する際の角度等を可変とすることができる。
【0074】
たとえば、比較的近い距離の被写体を撮影する場合と、遠い距離の被写体を撮影する場合とで配光を変えることにより、状況に応じた好適な投光を行うことが出来る。また、上述した回折面化をさせることにより、フレネル板状に流動体を変形させて、発散光を得ることもできる。この際は被写体に影が生じにくいという利点がある。
【0075】
(第6の実施の形態)
この例を、図10を参照して説明する。この実施の形態では、撮像素子Sに対して2つの光学部材を備えて、これらによって被写体からの光束を集光させる。図1に示す第1の実施の形態では、封止部材2であるPL2を非球面とすることにより、屈折率可変型光学要素2が有している収差を補正するようにしてあるが、この例ではPL2’は光透過性を有する平板である。
【0076】
屈折率可変型光学要素2自体の調整や性能次第では、これが有している収差が問題にならない場合もあるので、このような場合は平板PL2’を非球面とする必要がない。また小型化のために、対物光学素子Lに、屈折率可変型光学要素2の収差を補正させる機能を持たせることも可能である。この場合は対物光学素子を複数枚数から構成されるようにすることが好ましい。
【0077】
(第7の実施の形態)
上述の実施例では、製造上の個体差を解消するため、キャリブレーションを行って、屈折作用変化の程度を測定したり、電圧非印加状態の屈折作用を測定し、基準を定める技術を説明したが、そのような測定や基準設定の手間を減らすことが好ましい。
【0078】
そこで、上記の実施の形態に限らず、本発明に関わる「電気的濡れ現象」を利用した屈折作用可変光学要素2を製造する際には、インクジェット技術を採用することができる。インクジェット技術によると、液滴の微小な量を噴射することができるので、第2流動体の液量を高精度でコントロールすることができる。また高精度の液供給技術として、ディスペンサを用いることもできる。
【0079】
さらに、外殻部材内部における第2流動体の濡れ広がりを規制したり、あるいは滑らかにするために、当該部位に表面加工をしておくことが好ましい。シリコン系樹脂や有機化合物などによって表面コートすることができるが、近年開発・提案されているような、大気圧下プラズマによる表面改質方法を採用することもできる。
【0080】
そして、第2流動体を開口に配置したのち、第1流動体を充填する前に、第1流動体に対して脱気・脱泡をしておくことが好ましい。脱気・脱泡のためには、所定の容器内に第1流動体を入れたのち、超音波振動を加えることによって効率的に不要な気体成分を排除できる。この際、異なった周波数の超音波を重畳して加えることにより、効果的に脱気・脱泡を行うことができる。
【0081】
第1流動体の充填にあたっては、これに先立ち密度が小さい流動体を充填して、微小な位置調整を行った後、第1流動体を流し込む方法をとることができる。この際、第1流動体のほうが密度が大きい(=比重が大きい)ので、自然に最初に流し込んだ流動体を押しのけて第2流動体と置き換わる。
【0082】
【発明の効果】
上記の通り、撮像装置と、電気的に屈折作用を切り替え可能な光学用要素とを組み合わせることにより、小型かつ多用途で、様々な補正や調整が可能な撮像装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる撮像装置の断面図である。
【図2】撮像装置の変形例にかかる一部断面図である。
【図3】保護カバー一体型の撮像装置の斜視図(a)、及びその断面図(b)、(b)である。
【図4】撮像装置の変形例にかかる一部断面図である。
【図5】第2の実施の形態にかかる撮像装置の断面図である。
【図6】撮像装置の変形例にかかる断面図である。
【図7】第3の実施の形態にかかる撮像装置の断面図である。
【図8】第4の実施の形態にかかる撮像装置の断面図である。
【図9】第5の実施の形態にかかるストロボ装置の断面図である。
【図10】第7の実施の形態にかかる撮像装置の断面図である。
【符号の説明】
1 撮像装置
2 屈折作用可変光学要素
PL1,PL2 封止部材
CH 外殻部材
LQ1 第1流動体
LQ2 第2流動体
L 撮影光学素子
S 撮像素子
P1,P2 電極
V 電圧印加手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集光された光を電気信号に変換する撮像素子を基板上に設けるとともに、前記撮像素子に対して被写体から発された光を集光させるように配置した撮影光学素子及び前記撮像素子を遮光部材により一体的に掩蔽し、前記基板上に前記電気信号の出力及び前記撮像素子の制御を行う制御手段を備えた撮像装置において、
絶縁体から構成され、光束が通過する開口を備えた外殻部材に、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体及び、該第1流動体と親和性を有せず、前記第1流動体と実質的に同密度であり、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、かつ絶縁性を有する第2流動体が、前記開口を介して光束が通過するように密閉充填されるとともに、光透過性の非球面光学面を有する封止部材によって前記開口が封止されてなり、
前記第1流動体に接触する電極と、前記外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加することにより、前記外殻部材の前記第2流動体に対する濡れ性を変化させることによって、前記第2流動体の前記外殻部材内における充填形状を変化せしめる電圧印加手段を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記非球面は、前記第1流動体及び前記第2流動体を光束が通過することによって生じる収差を解消する光学面とされていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記光学要素は、前記撮影光学素子よりも被写体側に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記光学要素の、前記撮像装置側の封止部材と、前記撮像装置の最も被写体側の撮影光学素子とが共通の素子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
集光された光を電気信号に変換する撮像素子を基板上に設けるとともに、前記撮像素子及び前記撮像素子に対して被写体から発された光を集光させるように配置した撮影光学素子を遮光部材により一体的に掩蔽し、前記基板上に前記電気信号の出力及び前記撮像素子の制御を行う制御手段を備えた撮像装置において、
絶縁体から構成され、光束が通過する開口を備えた外殻部材に、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体及び、該第1流動体と親和性を有せず、前記第1流動体と実質的に同密度であり、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、かつ絶縁性を有する第2流動体が、前記開口を介して光束が通過するように密閉充填されるとともに、IRカットフィルターによって前記開口が封止されてなり、
前記第1流動体に接触する電極と、前記外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加することにより、前記外殻部材の前記第2流動体に対する濡れ性を変化させることによって、前記第2流動体の前記外殻部材内における充填形状を変化せしめる電圧印加手段を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
集光された光を電気信号に変換する撮像素子を基板上に設けるとともに、前記撮像素子及び前記撮像素子に対して被写体から発された光を集光させるように配置した撮影光学素子を遮光部材により一体的に掩蔽し、前記基板上に前記電気信号の出力及び前記撮像素子の制御を行う制御手段を備えた撮像装置において、
絶縁体から構成され、光束が通過する開口を備えた外殻部材に、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体及び、該第1流動体と親和性を有せず、前記第1流動体と実質的に同密度であり、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、かつ絶縁性を有する第2流動体が、前記開口を介して光束が通過するように密閉充填されるとともに、
前記第1流動体に接触する電極と、前記外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加することにより、前記外殻部材の前記第2流動体に対する濡れ性を変化させることによって、前記第2流動体の前記外殻部材内における充填形状を変化せしめる電圧印加手段と、
該電圧印加手段に印加する電圧の値と、それに応じた前記流動体の充填形状との関係を記憶した記憶手段と、
該記憶手段に記憶された関係に基づいて、前記電圧手段に電圧を印加させる制御手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
前記電圧印加手段によって電圧を印加することにより、焦点距離調節を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項8】
前記電圧印加手段によって電圧を印加することにより、ピント調整を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項9】
前記電圧印加手段によって電圧を印加することにより、前記光学要素の光軸を、前記対物光学素子の光軸に対してシフト調整することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記電圧印加手段によって電圧を印加することにより、前記光学要素の光軸を、前記対物光学素子の光軸に対してチルト調整することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項11】
集光された光を電気信号に変換する撮像素子を基板上に設けるとともに、前記撮像素子に対して被写体から発された光を集光させるように配置した撮影光学素子及び前記撮像素子を遮光部材により一体的に掩蔽し、前記基板上に前記電気信号の出力及び前記撮像素子の制御を行う制御手段を備えた撮像装置において、
絶縁体から構成され、光束が通過する開口を備えた外殻部材に、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体及び、該第1流動体と親和性を有せず、前記第1流動体と実質的に同密度であり、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、かつ絶縁性を有する第2流動体が、前記開口を介して光束が通過するように密閉充填されるとともに、
前記第1流動体に接触する電極と、前記外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加することにより、前記外殻部材の前記第2流動体に対する濡れ性を変化させることによって、前記第2流動体の前記外殻部材内における充填形状を変化せしめる電圧印加手段を備えたことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2004−341201(P2004−341201A)
【公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−137430(P2003−137430)
【出願日】平成15年5月15日(2003.5.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
バブルジェット
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】