説明

撮像装置

【課題】 高変倍比と小型化との両立に適したリアコンバータレンズを備えた撮像装置を提供することを課題とする。
【解決手段】光学像を形成する主レンズ1M及び該主レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する主撮像素子MIを備えた主撮像ユニット1MUと、光路折曲素子、該光路折曲素子によって折り曲げられた光束を受光し該光束によって形成される光学像を拡大するリアコンバータレンズ1RC及び該リアコンバータレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する副撮像素子SIを備えたリアコンユニット1RCとを備え、前記リアコンユニット1RUが、前記光路折曲素子が前記主レンズと主撮像素子との間の配置空間SPCに位置される拡大像取得位置と、前記光路折曲素子が前記配置空間から待避した待避位置との間を移動可能にされ、前記光路折曲素子がハーフミラーhmから成る撮像装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な撮像装置に関する。詳しくは、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等に用いられ、小型で高倍率を実現するリアコンバータレンズを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、銀塩フィルムの代わりにCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いたデジタルカメラが急速に普及し、一般化してきている。このようにデジタルカメラが一般的になるにつれて、特に、レンズ一体型のデジタルカメラの小型化、高倍率化へのユーザーニーズが強くなってきている。
【0003】
主レンズ系の像側に装着することにより、主レンズ系の焦点距離を拡大するようにしたリアコンバータレンズは特に交換レンズ用として広く使われている。
【0004】
レンズ一体型カメラ向けのリアコンバータレンズとしては、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されたもの等が知られている。特許文献1、特許文献2に示されたリアコンバータレンズは、単焦点の主レンズに対し、変倍比が1.7〜2倍程度の3群3枚構成で、主レンズと銀塩フィルムとの間に配置されるようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】特開平5−188289号公報
【特許文献2】特開昭59−182414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記した従来のリアコンバータレンズでは、主レンズに装着する際に主レンズと撮像面との間の間隔を広げて装着するため、装着のための構造及び操作が煩雑化し、撮像装置も大型化してしまうという問題があった。
【0007】
一方、主レンズと撮像面との間の間隔を変えずにリアコンバータレンズを装着する場合、高変倍比と高性能を両立させることが困難であった。
【0008】
本発明は前記した問題に鑑みて為されたものであり、高変倍比と小型化との両立に適したリアコンバータレンズを備えた撮像装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態による撮像装置は、光学像を形成する主レンズ及び該主レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する主撮像素子を備えた主撮像ユニットと、光路折曲素子を有し該光路折曲素子によって折り曲げられた光束を受光し該光束によって形成される光学像を拡大するリアコンバータレンズ及び該リアコンバータレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する副撮像素子を備えたリアコンユニットとを備え、前記リアコンユニットが、前記光路折曲素子が前記主レンズと主撮像素子との間の配置空間に位置し主レンズの焦点距離を拡大する拡大像取得位置と、前記光路折曲素子が前記配置空間から待避した待避位置との間を移動可能にされ、前記光路折曲素子がハーフミラーから成る。
【発明の効果】
【0010】
本発明撮像装置にあっては、高変倍比と小型化とを両立させることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明撮像装置を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
本発明撮像装置は、光学像を形成する主レンズ及び該主レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する主撮像素子を備えた主撮像ユニットと、光路折曲素子有し該光路折曲素子によって折り曲げられた光束を受光し該光束によって形成される光学像を拡大するリアコンバータレンズ及び該リアコンバータレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する副撮像素子を備えたリアコンユニットとを備え、前記リアコンユニットが、前記光路折曲素子が前記主レンズと主撮像素子との間の配置空間に位置し前記主レンズの焦点距離を拡大する拡大像取得位置と、前記光路折曲素子が前記配置空間から待避した待避位置との間を移動可能にされ、前記光路折曲素子がハーフミラーから成る。
【0013】
従って、本発明撮像装置にあっては、高変倍比と小型化とを両立させることが出来る。すなわち、リアコンバータレンズに光路折曲素子を用いることで、リアコンバータレンズの装着時にも本体の光軸方向の厚みを厚くする必要がなく、しかも、折り曲げ方向は任意なので撮像装置本体構造への影響も小さく出来る。すなわち、高い空間自由度を用いて小型化が実現できる。さらに、光路折り曲げ素子をハーフミラーとすれば2つの撮像素子に同時に異なる倍率の像を結像することが出来る。
【0014】
また、ハーフミラーが前記主レンズと主撮像素子との間に配置されることで、可能な限り光学素子の共通化が出来てコストダウン上のメリットが大きい。
【0015】
本発明の一実施形態による撮像装置にあっては、前記ハーフミラーで反射されてリアコンバータレンズに入射する光量をIa、前記ハーフミラーを透過して主撮像素子に向かう光量をIbとする時、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
(1)0.8β<Ia/Ib<1.2β
但し、
β : リアコンバータレンズの変倍比
とする。
【0016】
リアコンバータレンズは拡大系であるため、主レンズ側に比べて相対的に暗くなり、Fナンバーの比が変倍比と等しくなる。すなわち、リアコンバータレンズのFナンバーをFNOa、主レンズのFナンバーをFNOb、リアコンバータレンズの変倍比をβとして、FNOa/FNOb=β、となる。
【0017】
そこで、前記条件式(1)を満足するように、ハーフミラーの反射率と透過率を設定することで、ハーフミラー以降のレンズの透過率差を吸収することが出来、2つの撮像素子に結像する像の明るさの差を小さくすることが出来る。また、条件式(1)のように光量比に幅を持たせることで、2つの撮像素子のサイズが異なり感度が異なる場合などにも対応する事が出来る。
【0018】
本発明の一実施形態による撮像装置にあっては、前記リアコンユニットが前記拡大像取得位置に位置した状態において前記副撮像素子から出力する拡大画像信号と共に前記主撮像素子から出力される通常画像信号を記録することが望ましい。
【0019】
1つの被写体を同時に異なる画角で撮影することで、撮影後のユーザーの画像選択肢を広げることが出来る。
【0020】
本発明の一実施形態による撮像装置にあっては、以下の条件式(2)を満足する焦点距離fの画像を撮影する際、前記副撮像素子から出力する拡大画像信号を取得することが望ましい。
(2)f1b<f<f2a
但し、
f2a:主レンズによる撮影焦点距離範囲のうちの最長焦点距離
f1b:リアコンバータレンズ装着時の撮影焦点距離範囲のうちの最短焦点距離
とする。
【0021】
これによって、主レンズ側、リアコンバータレンズ側のでもどちらの撮像素子でも所望の焦点距離の画像を撮影することができる場合に、フォーカスズーム時間を短縮出来て、よりスムーズな撮影が可能となる。
【0022】
本発明の一実施形態による撮像装置にあっては、以下の条件式(2)を満足する焦点距離fの画像を撮影する際、前記主撮像素子から出力する通常画像信号を取得することが望ましい。
(2)f1b<f<f2a
同じ焦点距離の画像の場合、主レンズの画像のFナンバーはリアコンバータレンズの画像のFナンバーに比較して常に明るい。すなわち、上記のような条件式(2)を満たす焦点距離の画像を撮影する場合、主レンズ側で撮影することでより速いシャッタスピードで撮影することが出来、手振れ等の影響を少なくしてより有利な撮影が可能となる。
【0023】
本発明の一実施形態による撮像装置にあっては、前記配置空間と主撮像素子との間に正の屈折力を有する光学素子群が配置されることが望ましい。
【0024】
前記配置空間と主撮像素子との間に正の屈折力を有する光学素子群が配置することにより、主レンズによって結像される像をより強く縮小することが出来、拡大系のリアコンバータレンズの変倍比を高くすることが出来るため、リアコンバータレンズの設計が容易になる。
【0025】
本発明の一実施形態による撮像装置にあっては、前記正の屈折力を有する光学素子群の合成焦点距離fdが以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)fd>18
条件式(3)の下限値を下回ると、主レンズにおいて前記配置空間を挟んだ前後のパワーのバランスが悪くなり、像面湾曲、球面収差等が悪化して画質が劣化してしまう。
【0026】
本発明の一実施形態による撮像装置にあっては、前記配置空間と主撮像素子との間に正の屈折力を有する光学素子群を配置した場合において、前記ハーフミラーで反射されてリアコンバータレンズに入射する光量をIa、前記ハーフミラーを透過して主撮像素子に向かう光量をIbとする時、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
(1)0.8β<Ia/Ib<1.2β
リアコンバータレンズは拡大系であるため、主レンズ側に比べて相対的に暗くなり、Fナンバーの比が変倍比と等しくなる。すなわち、リアコンバータレンズのFナンバーをFNOa、主レンズのFナンバーをFNOb、リアコンバータレンズの変倍比をβとして、FNOa/FNOb=β、となる。
【0027】
そこで、前記条件式(1)を満足するように、ハーフミラーの反射率と透過率を設定することで、ハーフミラー以降のレンズの透過率差を吸収することが出来、2つの撮像素子に結像する像の明るさの差を小さくすることが出来る。また、条件式(1)のように光量比に幅を持たせることで、2つの撮像素子のサイズが異なり感度が異なる場合などにも対応する事が出来る。
【0028】
本発明の一実施形態による撮像装置にあっては、前記配置空間と主撮像素子との間に正の屈折力を有する光学素子群を配置した場合において、前記リアコンユニットが前記拡大像取得位置に位置した状態において前記副撮像素子から出力する拡大画像信号と共に前記主撮像素子から出力される通常画像信号を記録することが望ましい。
【0029】
1つの被写体を同時に異なる画角で撮影することで、撮影後のユーザーの画像選択肢を広げることが出来る。
【0030】
本発明の一実施形態による撮像装置にあっては、前記配置空間と主撮像素子との間に正の屈折力を有する光学素子群を配置した場合において、以下の条件式(2)を満足する焦点距離fの画像を撮影する際、前記副撮像素子から出力する拡大画像信号を取得することが望ましい。
(2)f1b<f<f2a
これによって、主レンズ側、リアコンバータレンズ側のでもどちらの撮像素子でも所望の焦点距離の画像を撮影することができる場合に、フォーカスズーム時間を短縮出来て、よりスムーズな撮影が可能となる。
【0031】
本発明の一実施形態による撮像装置にあっては、前記配置空間と主撮像素子との間に正の屈折力を有する光学素子群を配置した場合において、以下の条件式(2)を満足する焦点距離fの画像を撮影する際、前記主撮像素子から出力する通常画像信号を取得することが望ましい。
(2)f1b<f<f2a
同じ焦点距離の画像の場合、主レンズの画像のFナンバーはリアコンバータレンズの画像のFナンバーに比較して常に明るい。すなわち、上記のような条件式(2)を満たす焦点距離の画像を撮影する場合、主レンズ側で撮影することでより速いシャッタスピードで撮影することが出来、手振れ等の影響を少なくしてより有利な撮影が可能となる。
【0032】
次に、本発明撮像装置の具体的な実施の形態及び該実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例について図面及び表を参照して説明する。
【0033】
なお、各実施の形態において非球面が導入されており、該非球面形状は、次の数1式によって定義されるものとする。
【0034】
【数1】

【0035】
但し、xは高さyでの光軸方向の変位量(面頂点基準)、yは光軸に垂直な方向の高さ、cは近軸曲率、kは円錐係数、Aは4次の非球面係数、Bは6次の非球面係数、Cは8次の非球面係数、Dは10次の非球面係数である。
【0036】
図1及び図2は本発明撮像装置の第1の実施の形態1のレンズ構成を示すものであり、図1は通常撮影状態、すなわち、リアコンユニットが待避位置にある状態を示し、図2は拡大像撮影状態、すなわち、リアコンユニットが拡大像取得位置にある状態を示す。
【0037】
主レンズ1Mは、物体側より順に、第1レンズ群Gr1、第2レンズ群Gr2、第3レンズ群Gr3、第4レンズ群Gr4及び第5レンズ群Gr5が配列されて成る。そして、第5レンズ群Gr5の後方に主撮像素子MIが配置されている。
【0038】
第1レンズ群Gr1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズG1、光路をほぼ90゜折り曲げるプリズムG2、両凸形状の正レンズG3が配列されて成り、正レンズG3の両面(第5面、第6面)は非球面で構成されている。第2レンズ群Gr2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズG4、両凹形状の負レンズと像側に凹面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズG5、両凹形状の負レンズG6が配列されて成る。第3レンズ群Gr3は両凸形状の正レンズG71枚から成り、正レンズG7の両面(第14面、第15面)は非球面で構成されている。第4レンズ群Gr4は、物体側から順に配列された両凸形状の正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合レンズG8から成り、正レンズの物体側面(第17面)は非球面で構成されている。第5レンズ群Gr5は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズG9、両凸形状の正レンズG10が配列されて成る。そして、主撮像素子MIの物体側には2枚のフィルタFLが配置され、該フィルタFLと第5レンズ群Gr5との間が配置空間SPCとなる。なお、開口絞りSは第3レンズ群Gr3の像側に近接して位置している。そして、前記主レンズ1Mと主撮像素子MIとによって主撮像ユニット1MUが構成される。
【0039】
リアコンバータレンズ1RCは、物体側から順に、光路をほぼ90゜折り曲げるハーフミラーhmを備えたハーフミラープリズムHMP、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1、両凹形状の負レンズL2、両凸形状の正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合レンズL3、両凸形状の正レンズL4が配列されて成り、負レンズL2の両面(第5面、第6面)は非球面で構成されている。また、レンズ最終面と副撮像素子SIとの間にはフィルタFLが配置されている。そして、リアコンバータレンズ1RCと副撮像素子SIとによってリアコンユニット1RUが構成される。
【0040】
そして、図1に示した、通常撮影状態では、リアコンユニット1RUは配置空間SPCから退避した退避位置にあり、配置空間SPCにはハーフミラープリズムHMPと屈折率等の光学特性が同じか又は近似した媒質から成るガラスブロックDGが配置されている。このようなガラスブロックDGはなくても良いが、配置空間SPCにハーフミラープリズムHMPが配置された場合とそうでない場合とで主撮像素子MIに到達する光の光路が著しく変化することがないようにするためには、ガラスブロックDGを配置することが望ましい。
【0041】
そして、図2に示した拡大像撮影状態では、ガラスブロックDGが配置空間から退避し、替わりに、リアコンバータレンズ1RCのハーフミラープリズムHMPが配置空間SPCに挿入される。従って、ハーフミラープリズムHMPのハーフミラー面hmで反射された光はリアコンバータレンズ1RCを介して副撮像素子SIによって受光され、また、ハーフミラー面hmを透過した光は主撮像素子MIによって受光される。
【0042】
表1乃至表4に前記第1の実施の形態1に具体的数値を適用した数値実施例1における主レンズ1Mのレンズデータを示す。
【0043】
先ず、表1に焦点距離f、FナンバーFNO、半画角ωを広角端(f=5.91)、中間焦点距離(f=16.79)、望遠端(f=27.83)毎に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
次に、表2に主レンズ1Mの面番号、曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数を示す。なお、面番号は、物体側からの順番を示し、曲率半径は物体側からi番目の面の曲率半径を示し、面間隔は物体側からi番目の面とi+1番目の面との間の軸上面間隔を示し、屈折率は、物体側に第i面を有する媒体のd線(波長=587.6nm)に対する屈折率を示し、アッベ数は物体側に第i面を有する媒体のd線に対する屈折率を示す。なお、曲率半径に関し「0」は当該面が平面であることを示し、面間隔に関し「Di」は当該面間隔が可変間隔であることを示す。
【0046】
【表2】

【0047】
前記したように主レンズ1Mの第5面、第6面、第14面、第15面及び第17面は非球面で構成されている。そこで、数値実施例1における前記各面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表3に示す。なお、表3及び以下の非球面係数を示す表において「E−i」は10を底とする指数表現、すなわち、「10−i」を表しており、例えば、「0.12345E-05」は「0.12345×10−5」を表している。
【0048】
【表3】

【0049】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群Gr1と第2レンズ群Gr2との間の面間隔D6、第2レンズ群Gr2と第3レンズ群Gr3との間の面間隔D13、第3レンズ群Gr3と第4レンズ群Gr4との間の面間隔D16及び第4レンズ群Gr4と第5レンズ群Gr5との間の面間隔D19が変化する。そこで、数値実施例1における前記各可変面間隔の広角端(f=5.91)、中間焦点距離(f=16.79)、望遠端(f=27.83)における数値を表4に示す。
【0050】
【表4】

【0051】
リアコンユニット1RUのハーフミラープリズムHMPを配置空間SPCに位置させた拡大像撮影状態において、数値実施例1の主レンズ1Mとリアコンバータレンズ1RCとで得られる焦点距離f、FナンバーFNO、半画角ωを広角端(f=9.14)、中間焦点距離(f=25.94)、望遠端(f=42.98)毎に表5に示す。
【0052】
【表5】

【0053】
次に、表6にリアコンバータレンズ1RCの面番号、曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数を示す。なお、面番号は、ハーフミラープリズムHMPの物体側面を第1面とし、以下副撮像素子SIに向かって順番に増加し、曲率半径はハーフミラープリズムHMPの物体側面からi番目の面の曲率半径を示し、面間隔はハーフミラープリズムHMPの物体側面からi番目の面とi+1番目の面との間の軸上面間隔を示し、屈折率は、物体側に第i面を有する媒体のd線に対する屈折率を示し、アッベ数は物体側に第i面を有する媒体のd線に対する屈折率を示す。なお、曲率半径に関し「0」は当該面が平面であることを示す。
【0054】
【表6】

【0055】
前記したようにリアコンバータレンズ1RCの第5面及び第6面は非球面で構成されている。そこで、数値実施例1における前記各面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表7に示す。
【0056】
【表7】

【0057】
前記数値実施例1の前記各条件式(1)〜(3)対応値を表8に示す。
【0058】
【表8】

【0059】
図3乃至図5は本発明の数値実施例1における主レンズ1Mの無限遠合焦状態での収差図をそれぞれ示し、図3は広角端状態(ω=31.3度)、図4は中間焦点距離状態(ω=12.1度)、図5は望遠端状態(ω=7.4度)における諸収差図を示す。
【0060】
図6乃至図8は数値実施例1におけるリアコンバータレンズ1RCを主レンズ1Mに装着した場合の無限遠合焦状態での収差図をそれぞれ示し、図6は広角端状態(ω=21.5度)、図7は中間焦点距離状態(ω=7.9度)、図8は望遠端状態(ω=4.8度)における諸収差図を示す。
【0061】
前記各収差図において、収差は波長d線に対応するものであり、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。
【0062】
各収差図から、数値実施例1は高変倍比でありながら収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0063】
図9及び図10は本発明撮像装置の第2の実施の形態2のレンズ構成を示すものであり、図9は通常撮影状態、すなわち、リアコンユニットが待避位置にある状態を示し、図10は拡大像撮影状態、すなわち、リアコンユニットが拡大像取得位置にある状態を示す。
【0064】
主レンズ2Mは、物体側より順に、第1レンズ群Gr1、第2レンズ群Gr2、第3レンズ群Gr3、第4レンズ群Gr4及び第5レンズ群Gr5が配列されて成る。そして、第5レンズ群Gr5の後方に主撮像素子MIが配置されている。
【0065】
第1レンズ群Gr1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズG1、光路をほぼ90゜折り曲げるプリズムG2、両凸形状の正レンズG3が配列されて成り、正レンズG3の両面(第5面、第6面)は非球面で構成されている。第2レンズ群Gr2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズG4、両凹形状の負レンズと像側に凹面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズG5、両凹形状の負レンズG6が配列されて成る。第3レンズ群Gr3は両凸形状の正レンズG71枚からなり、該正レンズG7の両面(第14面、第15面)は非球面で構成されている。第4レンズ群Gr4は、物体側から順に位置した両凸形状の正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合レンズG8から成り、正レンズの物体側面(第17面)は非球面で構成されている。第5レンズ群Gr5は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズG9、像側に凹面を向けた正メニスカスレンズG10、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズG11が配列されて成り、正メニスカスレンズG10と正メニスカスレンズG11との間の空間SPCが配置空間とされている。そして、主撮像素子MIの物体側には2枚のフィルタFLが配置され、開口絞りSは第3レンズ群Gr3の像側に近接して位置している。そして、主レンズ2Mと主撮像素子MIとによって主撮像ユニット2MUが構成される。
【0066】
リアコンバータレンズ2RCは、物体側から順に、光路をほぼ90゜折り曲げるハーフミラーhmを備えたハーフミラープリズムHMP、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1、両凹形状の負レンズL2、両凸形状の正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合レンズL3、両凸形状の正レンズL4が配列されて成り、負レンズL2の両面(第5面、第6面)は非球面で構成されている。また、レンズ最終面と副撮像素子SIとの間にはフィルタFLが配置されている。そして、リアコンバータレンズ2RCと副撮像素子SIとによってリアコンユニット2RUが構成される。
【0067】
そして、図9に示した、通常撮影状態では、リアコンユニット2RUは配置空間SPCから退避した退避位置にあり、配置空間SPCにはハーフミラープリズムHMPと屈折率等の光学特性が同じか又は近似した媒質から成るガラスブロックDGが配置されている。このようなガラスブロックDGはなくても良いが、配置空間SPCにハーフミラープリズムHMPが配置された場合とそうでない場合とで主撮像素子MIに到達する光の光路が著しく変化することがないようにするためには、ガラスブロックDGを配置することが望ましい。
【0068】
そして、図10に示した拡大像撮影状態では、ガラスブロックDGが配置空間から退避し、替わりに、リアコンユニット2RUのハーフミラープリズムHMPが配置空間SPCに挿入される。従って、ハーフミラープリズムHMPのハーフミラー面hmで反射された光はリアコンバータレンズ2RCを介して副撮像素子SIによって受光され、また、ハーフミラー面hmを透過した光は主撮像素子MIによって受光される。
【0069】
表9乃至表12に前記第2の実施の形態2に具体的数値を適用した数値実施例2における主レンズ2Mのレンズデータを示す。
【0070】
先ず、表9に焦点距離f、FナンバーFNO、半画角ωを広角端(f=5.80)、中間焦点距離(f=16.90)、望遠端(f=27.31)毎に示す。
【0071】
【表9】

【0072】
次に、表10に主レンズ2Mの面番号、曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数を示す。なお、面番号は、物体側からの順番を示し、曲率半径は物体側からi番目の面の曲率半径を示し、面間隔は物体側からi番目の面とi+1番目の面との間の軸上面間隔を示し、屈折率は、物体側に第i面を有する媒体のd線に対する屈折率を示し、アッベ数は物体側に第i面を有する媒体のd線に対する屈折率を示す。なお、曲率半径に関し「0」は当該面が平面であることを示し、面間隔に関し「Di」は当該面間隔が可変間隔であることを示す。
【0073】
【表10】

【0074】
前記したように主レンズ2Mの第5面、第6面、第14面、第15面及び第17面は非球面で構成されている。そこで、数値実施例2における前記各面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表11に示す。
【0075】
【表11】

【0076】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群Gr1と第2レンズ群Gr2との間の面間隔D6、第2レンズ群Gr2と第3レンズ群Gr3との間の面間隔D13、第3レンズ群Gr3と第4レンズ群Gr4との間の面間隔D16及び第4レンズ群Gr4と第5レンズ群Gr5との間の面間隔D19が変化する。そこで、数値実施例2における前記各可変面間隔の広角端(f=5.80)、中間焦点距離(f=16.90)、望遠端(f=27.31)における数値を表12に示す。
【0077】
【表12】

【0078】
リアコンユニット2RUのハーフミラープリズムHMPを配置空間SPCに位置させた拡大像撮影状態において、数値実施例2の主レンズ2Mとリアコンバータレンズ2RCとで得られる焦点距離f、FナンバーFNO、半画角ωを広角端(f=10.46)、中間焦点距離(f=30.44)、望遠端(f=49.19)毎に表13に示す。
【0079】
【表13】

【0080】
次に、表14にリアコンバータレンズ2RCの面番号、曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数を示す。なお、面番号は、ハーフミラープリズムHMPの物体側面を第1面とし、以下副撮像素子SIに向かって順番に増加し、曲率半径はハーフミラープリズムHMPの物体側面からi番目の面の曲率半径を示し、面間隔はハーフミラープリズムHMPの物体側面からi番目の面とi+1番目の面との間の軸上面間隔を示し、屈折率は、物体側に第i面を有する媒体のd線に対する屈折率を示し、アッベ数は物体側に第i面を有する媒体のd線に対する屈折率を示す。なお、曲率半径に関し「0」は当該面が平面であることを示す。
【0081】
【表14】

【0082】
前記したようにリアコンバータレンズ2RCの第5面及び第6面は非球面で構成されている。そこで、数値実施例2における前記各面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表15に示す。
【0083】
【表15】

【0084】
前記数値実施例2の前記各条件式(1)〜(3)対応値を表16に示す。
【0085】
【表16】

【0086】
図11乃至図13は本発明の数値実施例2における主レンズ2Mの無限遠合焦状態での収差図をそれぞれ示し、図11は広角端状態(ω=31.8度)、図12は中間焦点距離状態(ω=12.0度)、図13は望遠端状態(ω=7.5度)における諸収差図を示す。
【0087】
図14乃至図16は数値実施例2におけるリアコンバータレンズ2RCを主レンズ2Mに装着した場合の無限遠合焦状態での収差図をそれぞれ示し、図14は広角端状態(ω=19.0度)、図15は中間焦点距離状態(ω=6.8度)、図16は望遠端状態(ω=4.2度)における諸収差図を示す。
【0088】
前記各収差図において、収差は波長d線に対応するものであり、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。
【0089】
各収差図から、数値実施例2は高変倍比でありながら収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0090】
図17及び図18は本発明撮像装置の第3の実施の形態3のレンズ構成を示すものであり、図17は通常撮影状態、すなわち、リアコンユニットが待避位置にある状態を示し、図18は拡大像撮影状態、すなわち、リアコンユニットが拡大像取得位置にある状態を示す。
【0091】
主レンズ3Mは、物体側より順に、第1レンズ群Gr1、第2レンズ群Gr2、第3レンズ群Gr3、第4レンズ群Gr4及び第5レンズ群Gr5が配列されて成る。そして、第5レンズ群Gr5の後方に主撮像素子MIが配置されている。
【0092】
第1レンズ群Gr1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズG1、光路をほぼ90゜折り曲げるプリズムG2、両凸形状の正レンズG3が配列されて成り、正レンズG3の両面(第5面、第6面)は非球面で構成されている。第2レンズ群Gr2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズG4、両凹形状の負レンズと像側に凹面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズG5、両凹形状の負レンズG6が配列されて成る。第3レンズ群Gr3は両凸形状の正レンズG71枚からなり、該正レンズG7の両面(第14面、第15面)は非球面で構成されている。第4レンズ群Gr4は、物体側から順に位置した両凸形状の正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合レンズG8から成り、正レンズの物体側面(第17面)は非球面で構成されている。第5レンズ群Gr5は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズG9、像側に凹面を向けた正メニスカスレンズG10、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズG11が配列されて成り、正メニスカスレンズG10と正メニスカスレンズG11との間の空間SPCが配置空間とされている。そして、主撮像素子MIの物体側には2枚のフィルタFLが配置され、開口絞りSは第3レンズ群Gr3の像側に近接して位置している。そして、主レンズ3Mと主撮像素子MIとによって主撮像ユニット3MUが構成される。
【0093】
リアコンバータレンズ3RCは、物体側から順に、光路をほぼ90゜折り曲げるハーフミラーhmを備えたハーフミラープリズムHMP、両凹形状の負レンズL1、両凸形状の正レンズと両凹形状の負レンズとの接合レンズL2、両凸形状の正レンズL3が配列されて成り、正レンズL3と副撮像素子SIとの間には2枚のフィルタFLが介挿されている。そして、負レンズL1の両面(第3面、第4面)は非球面で構成されている。そして、リアコンバータレンズ3RCと副撮像素子SIとによってリアコンユニット3RUが構成される。
【0094】
そして、図17に示した、通常撮影状態では、リアコンユニット3RUは配置空間SPCから退避した退避位置にあり、配置空間SPCにはハーフミラープリズムHMPと屈折率等の光学特性が同じか又は近似した媒質から成るガラスブロックDGが配置されている。このようなガラスブロックDGはなくても良いが、配置空間SPCにハーフミラープリズムHMPが配置された場合とそうでない場合とで主撮像素子MIに到達する光の光路が著しく変化することがないようにするためには、ガラスブロックDGを配置することが望ましい。
【0095】
そして、図18に示した拡大像撮影状態では、ガラスブロックDGが配置空間から退避し、替わりに、リアコンバータレンズ3RCのハーフミラープリズムHMPが配置空間SPCに挿入される。従って、ハーフミラープリズムHMPのハーフミラー面hmで反射された光はリアコンバータレンズ3RCを介して副撮像素子SIによって受光され、また、ハーフミラー面hmを透過した光は主撮像素子MIによって受光される。
【0096】
表17乃至表20に前記第3の実施の形態3に具体的数値を適用した数値実施例3における主レンズ3Mのレンズデータを示す。
【0097】
先ず、表17に焦点距離f、FナンバーFNO、半画角ωを広角端(f=5.80)、中間焦点距離(f=16.13)、望遠端(f=27.31)毎に示す。
【0098】
【表17】

【0099】
次に、表18に主レンズ3Mの面番号、曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数を示す。なお、面番号は、物体側からの順番を示し、曲率半径は物体側からi番目の面の曲率半径を示し、面間隔は物体側からi番目の面とi+1番目の面との間の軸上面間隔を示し、屈折率は、物体側に第i面を有する媒体のd線に対する屈折率を示し、アッベ数は物体側に第i面を有する媒体のd線に対する屈折率を示す。なお、曲率半径に関し「0」は当該面が平面であることを示し、面間隔に関し「Di」は当該面間隔が可変間隔であることを示す。
【0100】
【表18】

【0101】
前記したように主レンズ3Mの第5面、第6面、第14面、第15面及び第17面は非球面で構成されている。そこで、数値実施例3における前記各面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表19に示す。
【0102】
【表19】

【0103】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群Gr1と第2レンズ群Gr2との間の面間隔D6、第2レンズ群Gr2と第3レンズ群Gr3との間の面間隔D13、第3レンズ群Gr3と第4レンズ群Gr4との間の面間隔D16及び第4レンズ群Gr4と第5レンズ群Gr5との間の面間隔D19が変化する。そこで、数値実施例3における前記各可変面間隔の広角端(f=5.80)、中間焦点距離(f=16.13)、望遠端(f=27.31)における数値を表20に示す。
【0104】
【表20】

【0105】
リアコンユニット3RUのハーフミラープリズムHMPを配置空間SPCに位置させた拡大像撮影状態において、数値実施例3の主レンズ3Mとリアコンバータレンズ3RCとで得られる焦点距離f、FナンバーFNO、半画角ωを広角端(f=10.44)、中間焦点距離(f=34.50)、望遠端(f=49.15)毎に表21に示す。
【0106】
【表21】

【0107】
次に、表22にリアコンバータレンズ3RCの面番号、曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数を示す。なお、面番号は、ハーフミラープリズムHMPの物体側面を第1面とし、以下副撮像素子SIに向かって順番に増加し、曲率半径はハーフミラープリズムHMPの物体側面からi番目の面の曲率半径を示し、面間隔はハーフミラープリズムHMPの物体側面からi番目の面とi+1番目の面との間の軸上面間隔を示し、屈折率は、物体側に第i面を有する媒体のd線に対する屈折率を示し、アッベ数は物体側に第i面を有する媒体のd線に対する屈折率を示す。なお、曲率半径に関し「0」は当該面が平面であることを示す。
【0108】
【表22】

【0109】
前記したようにリアコンバータレンズ3RCの第3面及び第4面は非球面で構成されている。そこで、数値実施例3における前記各面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表23に示す。
【0110】
【表23】

【0111】
前記数値実施例3の前記各条件式(1)〜(3)対応値を表24に示す。
【0112】
【表24】

【0113】
図19乃至図21は本発明の数値実施例3における主レンズ3Mの無限遠合焦状態での収差図をそれぞれ示し、図19は広角端状態(ω=31.8度)、図20は中間焦点距離状態(ω=12.6度)、図21は望遠端状態(ω=7.5度)における諸収差図を示す。
【0114】
図22乃至図24は数値実施例3におけるリアコンバータレンズ3RCを主レンズ3Mに装着した場合の無限遠合焦状態での収差図をそれぞれ示し、図22は広角端状態(ω=19.0度)、図23は中間焦点距離状態(ω=6.0度)、図24は望遠端状態(ω=4.2度)における諸収差図を示す。
【0115】
前記各収差図において、収差は波長d線に対応するものであり、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。
【0116】
各収差図から、数値実施例3は高変倍比でありながら収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0117】
図17及び図18に示した第3の実施の形態3と同じレンズ構成において、配置空間SPCの像側に位置する正メニスカスレンズG11の正のパワーを数値実施例3におけるより強くしたものを数値実施例4として示す。
【0118】
数値実施例4における主レンズ3M(図面中の符号は、第3の実施例を示す図17及び図18を使用するので、第3の実施の形態で使用した符号と同じ符号を使用する)のレンズデータを表25内指標28に示す。
【0119】
先ず、表25に焦点距離f、FナンバーFNO、半画角ωを広角端(f=5.62)、中間焦点距離(f=15.88)、望遠端(f=26.45)毎に示す。
【0120】
【表25】

【0121】
次に、表26に数値実施例4における主レンズ3Mの面番号、曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数を示す。
【0122】
【表26】

【0123】
前記したように主レンズ3Mの第5面、第6面、第14面、第15面及び第17面は非球面で構成されている。そこで、数値実施例4における前記各面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表27に示す。
【0124】
【表27】

【0125】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群Gr1と第2レンズ群Gr2との間の面間隔D6、第2レンズ群Gr2と第3レンズ群Gr3との間の面間隔D13、第3レンズ群Gr3と第4レンズ群Gr4との間の面間隔D16及び第4レンズ群Gr4と第5レンズ群Gr5との間の面間隔D19が変化する。そこで、数値実施例4における前記各可変面間隔の広角端(f=5.62)、中間焦点距離(f=15.88)、望遠端(f=26.45)における数値を表28に示す。
【0126】
【表28】

【0127】
リアコンユニット3RUのハーフミラープリズムHMPを配置空間SPCに位置させた拡大像撮影状態において、数値実施例4の主レンズ3Mとリアコンバータレンズ3RCとで得られる焦点距離f、FナンバーFNO、半画角ωを広角端(f=10.44)、中間焦点距離(f=29.51)、望遠端(f=49.16)毎に表29に示す。
【0128】
【表29】

【0129】
次に、表30にリアコンバータレンズ3RCの面番号、曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数を示す。
【0130】
【表30】

【0131】
前記したようにリアコンバータレンズ3RCの第3面及び第4面は非球面で構成されている。そこで、数値実施例4における前記各面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表31に示す。
【0132】
【表31】

【0133】
前記数値実施例4の前記各条件式(1)〜(3)対応値を表32に示す。
【0134】
【表32】

【0135】
図25乃至図27は本発明の数値実施例4における主レンズ3Mの無限遠合焦状態での収差図をそれぞれ示し、図25は広角端状態(ω=32.7度)、図26は中間焦点距離状態(ω=12.8度)、図27は望遠端状態(ω=7.8度)における諸収差図を示す。
【0136】
図28乃至図30は数値実施例4におけるリアコンバータレンズ3RCを主レンズ3Mに装着した場合の無限遠合焦状態での収差図をそれぞれ示し、図28は広角端状態(ω=19.0度)、図29は中間焦点距離状態(ω=7.0度)、図30は望遠端状態(ω=4.2度)における諸収差図を示す。
【0137】
前記各収差図において、収差は波長d線に対応するものであり、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。
【0138】
各収差図から、数値実施例4は、主レンズ3Mの収差が拡大されて、数値実施例1乃至3と比較すると若干性能が悪い。正メニスカスレンズG11のパワーをもう少し弱くして、主レンズ3Mの収差をもう少し補正したほうが良い。
【0139】
次に、本発明撮像装置をデジタルスチルカメラに適用した場合の一例を図31にブロック図で示す。
【0140】
デジタルスチルカメラ10は、光学像を取得するためのレンズ部20とレンズ部20で取得した光学像を電気的信号に変換すると共に該電気的信号を使用可能な状態に処理したり、レンズ部20を含む各部を制御するカメラ本体部30とを備える。
【0141】
前記レンズ部20は、主レンズMと該主レンズMの像側の配置空間SPCに適時に装着されるリアコンバータレンズRCとを有する。前記主レンズ及びリアコンバータレンズRCとしては、前記した前記各実施の形態及びそれらの数値実施例或いは前記実施の形態や数値実施例に示した形態以外の形態で実施する主レンズ及びリアコンバータレンズを使用することができる。また、レンズ部20にはズーミング時に所定のレンズ群を移動させるズーム駆動部21、フォーカシング時に所定のレンズ群を移動させるフォーカス駆動部22、開口絞りの開口径を変化させるアイリス駆動部23、前記リアコンバータレンズRCを配置空間SPCに出し入れするレンズ移動部24などの各駆動部を備え、これら各駆動部を駆動制御するレンズ制御CPU(Central Processing Unit)25を備える。
【0142】
カメラ本体30にはレンズ部20で形成された光学像を電気信号に変換する撮像素子MI及びSIを備える。主撮像素子MIは前記主レンズMによって形成された光学像を受光し、副撮像素子SIは前記主レンズM及びリアコンバータレンズRCによって形成された光学像を受光する。前記撮像素子MI、SIには、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などが適用可能である。
【0143】
撮像素子MI、SIから出力された電気的画像信号は各別に画像処理回路31で各種処理を施された後、所定の方式でデータ圧縮され、画像データとして画像メモリー32に一時保存される。
【0144】
カメラ制御CPU(Central Processing Unit)33はカメラ本体30及びレンズ部20の全体を統括的に制御するものであり、前記画像メモリー32に一時的に保存された画像データを取り出し、液晶表示装置34に表示したり、外部メモリー35に保存したりする。また、外部メモリー35に保存されている画像データを読み出して液晶表示装置34に表示する。シャッターレリーズスイッチ、ズーミングスイッチ、等の操作部40からの信号がカメラ制御CPU33に入力され、該操作部40からの信号に基づいて各部を制御する。例えば、シャッターレリーズスイッチが操作されると、カメラ制御CPU33からタイミング制御部36へ指令が出され、タイミング制御部36によって撮像素子MI、SIの信号読み出しタイミングが制御される。前記したレンズ部20の各制御に関する信号、例えば、AF(Auto Focus)信号、AE(Auto Exposure)信号、ズーミング信号、リアコンバータレンズRCの移動信号はカメラ制御CPU33からレンズ制御CPU25に送られ、レンズ制御CPU25によってズーム駆動部21、フォーカス駆動部22、アイリス駆動部23、レンズ移動部24が制御されて、主レンズM及びリアコンバータレンズRCが所定の状態になる。
【0145】
そして、このデジタルスチルカメラ10にあっては、拡大像撮影状態、すなわち、リアコンバータレンズRCのハーフミラープリズムが配置空間SPCに挿入された状態において、撮影時点では、リアコンバータレンズRCを経た画像だけでなく、主レンズMによって形成された画像をも記録できるように、すなわち、副撮像素子SIからの出力画像信号だけでなく、主撮像素子MIからの出力画像信号をも記録しておくように構成され、ユーザーによる画像選択の可能性を拡大している。
【0146】
次に、デジタルスチルカメラにおいて、カメラ筐体内におけるレンズの具体的配置例の一を図32に示す。
【0147】
デジタルスチルカメラ50のカメラ筐体51は前方から見て横長で前後方向の大きさ、すなわち、厚みが薄い、いわゆる薄型の形状をしている。
【0148】
カメラ筐体51の前面51aの一方の側部の上方に変位した位置に主レンズ52の前端52aが配置される。本発明の主レンズは第1レンズ群に光路折曲部材52b(例えば、図1のG2)を有しているので、第1レンズ52c(例えば、図1のG1)から入射した光はカメラ筐体51の前面51aに沿う方向、図32の例では、下方に、折り曲げられる。図32では拡大像撮影状態を示しており、リアコンバータレンズ53のハーフミラープリズム53aが主レンズ52の像側端に形成された配置空間54内に位置している。ハーフミラープリズム53aは光路をほぼ90゜折り曲げるので、リアコンバータレンズ53の光軸方向をカメラ筐体51の前面51aに沿う方向に折り曲げることができる。従って、主レンズ52及びリアコンバータレンズ53の光軸が何れもカメラ筐体51の前面51aに沿う方向に延びているので、カメラ筐体51の厚みを小さくすること、すなわち、薄型化が可能である。
【0149】
なお前記配置空間54の像側には主撮像素子55が配置され、また、リアコンバータレンズ53の像側には副撮像素子56が配置されている。
【0150】
さらに、カメラ筐体51の上面51bにはシャッターレリーズボタン57が、また、カメラ筐体51の前面51aの上部中央部にはストロボ発光部58が配置されている。
【0151】
なお、上記実施の形態では、撮像装置をデジタルスチルカメラとして示したが、これに限らずデジタルビデオカメラとして適用することも出来る。
【0152】
その他、前記各実施の形態において示した各部の形状及び数値は、何れも本発明を実施するための具体化のほんの一例にすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】図2乃至図8と共に本発明撮像装置の第1の実施の形態を示すものであり、本図は通常撮影状態におけるレンズ構成を示す図である。
【図2】拡大像撮影状態におけるレンズ構成を示す図である。
【図3】図4及び図5と共に第1の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例1の通常撮影状態における各種収差を示すものであり、本図は広角端状態での球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図4】中間焦点距離状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図5】望遠端状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図6】図7及び図8と共に第1の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例1の拡大像撮影状態における各種収差を示すものであり、本図は広角端状態での球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図7】中間焦点距離状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図8】望遠端状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図9】図10乃至図16と共に本発明撮像装置の第2の実施の形態を示すものであり、本図は通常撮影状態におけるレンズ構成を示す図である。
【図10】拡大像撮影状態におけるレンズ構成を示す図である。
【図11】図12及び図13と共に第2の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例2の通常撮影状態における各種収差を示すものであり、本図は広角端状態での球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図12】中間焦点距離状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図13】望遠端状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図14】図15及び図16と共に第2の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例2の拡大像撮影状態における各種収差を示すものであり、本図は広角端状態での球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図15】中間焦点距離状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図16】望遠端状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図17】図18乃至図24と共に本発明撮像装置の第3の実施の形態を示すものであり、本図は通常撮影状態におけるレンズ構成を示す図である。
【図18】拡大像撮影状態におけるレンズ構成を示す図である。
【図19】図20及び図21と共に第3の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例3の通常撮影状態における各種収差を示すものであり、本図は広角端状態での球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図20】中間焦点距離状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図21】望遠端状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図22】図23及び図24と共に第3の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例3の拡大像撮影状態における各種収差を示すものであり、本図は広角端状態での球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図23】中間焦点距離状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図24】望遠端状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図25】図26乃至図30と共に前記第3の実施の形態に数値実施例3とは異なる数値を適用した数値実施例4の収差を示すものであり、本図は図26及び図27と共に通常撮影状態における各種収差を示すものであり、本図は広角端状態での球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図26】中間焦点距離状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図27】望遠端状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図28】図29及び図30と共に数値実施例4の拡大像撮影状態における各種収差を示すものであり、本図は広角端状態での球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図29】中間焦点距離状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図30】望遠端状態における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示すものである。
【図31】ブロック図である。
【図32】カメラ筐体内におけるレンズの配置例を示す一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
【0154】
1…撮像装置、1MU…主撮像ユニット、1RU…リアコンユニット、1M…主レンズ、1RC…リアコンバータレンズ、MI…主撮像素子、SI…副撮像素子、HMP…ハーフミラープリズム、fm…ハーフミラー、SPC…配置空間、2…撮像装置、2MU…主撮像ユニット、2RU…リアコンユニット、2M…主レンズ、2RC…リアコンバータレンズ、MI…主撮像素子、SI…副撮像素子、HMP…ハーフミラープリズム、fm…ハーフミラー、SPC…配置空間、G11…正の屈折力を有する光学素子群、3…撮像装置、3MU…主撮像ユニット、3RU…リアコンユニット、3M…主レンズ、3RC…リアコンバータレンズ、MI…主撮像素子、SI…副撮像素子、HMP…ハーフミラープリズム、fm…ハーフミラー、SPC…配置空間、G11…正の屈折力を有する光学素子群、10…デジタルスチルカメラ(撮像装置)、50…デジタルスチルカメラ(撮像装置)、52…主レンズ、53…リアコンバータレンズ、53a…ハーフミラープリズム、54…配置空間、55…主撮像素子、56…副撮像素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学像を形成する主レンズ及び該主レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する主撮像素子を備えた主撮像ユニットと、
光路折曲素子を有し該光路折曲素子によって折り曲げられた光束を受光し該光束によって形成される光学像を拡大するリアコンバータレンズ及び該リアコンバータレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する副撮像素子を備えたリアコンユニットとを備え、
前記リアコンユニットが、前記光路折曲素子が前記主レンズと主撮像素子との間の配置空間に位置し前記主レンズの焦点距離を拡大する拡大像取得位置と、前記光路折曲素子が前記配置空間から待避した待避位置との間を移動可能にされ、
前記光路折曲素子がハーフミラーから成る
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記ハーフミラーで反射されてリアコンバータレンズに入射する光量をIa、前記ハーフミラーを透過して主撮像素子に向かう光量をIbとする時、以下の条件式(1)を満足する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
(1)0.8β<Ia/Ib<1.2β
但し、
β : リアコンバータレンズの変倍比
とする。
【請求項3】
前記リアコンユニットが前記拡大像取得位置に位置した状態において前記副撮像素子から出力する拡大画像信号と共に前記主撮像素子から出力される通常画像信号を記録する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
以下の条件式(2)を満足する焦点距離fの画像を撮影する際、前記副撮像素子から出力する拡大画像信号を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
(2)f1b<f<f2a
但し、
f2a:主レンズによる撮影焦点距離範囲のうちの最長焦点距離
f1b:リアコンバータレンズ装着時の撮影焦点距離範囲のうちの最短焦点距離
とする。
【請求項5】
以下の条件式(2)を満足する焦点距離fの画像を撮影する際、前記主撮像素子から出力する通常画像信号を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
(2)f1b<f<f2a
【請求項6】
前記配置空間と主撮像素子との間に正の屈折力を有する光学素子群が配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記正の屈折力を有する光学素子群の合成焦点距離fdが以下の条件式(3)を満足する
ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
(3)fd>18
【請求項8】
前記ハーフミラーで反射されてリアコンバータレンズに入射する光量をIa、前記ハーフミラーを透過して主撮像素子に向かう光量をIbとする時、以下の条件式(1)を満足する
ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
(1)0.8β<Ia/Ib<1.2β
【請求項9】
前記リアコンユニットが前記拡大像取得位置に位置した状態において前記副撮像素子から出力する拡大画像信号と共に前記主撮像素子から出力される通常画像信号を記録する
ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項10】
以下の条件式(2)を満足する焦点距離fの画像を撮影する際、前記副撮像素子から出力する拡大画像信号を取得する
ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
(2)f1b<f<f2a
【請求項11】
以下の条件式(2)を満足する焦点距離fの画像を撮影する際、前記主撮像素子から出力する通常画像信号を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
(2)f1b<f<f2a

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2008−107617(P2008−107617A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291112(P2006−291112)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】