説明

撮像装置

【課題】撮影対象となる被写体の状態が変化することなく、投光状態の異なる画像を取得することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 被写体Xを投光する投光手段5と、被写体Xを撮影して画像データを取得する撮像手段3と、投光手段5の投光タイミング及び撮像手段3の撮影タイミングを制御するタイミング制御手段6と、取得した画像データを蓄積する画像データ蓄積手段7と、該画像データ蓄積手段7に蓄積された画像データをコンピュータ11へ転送するインターフェース12と、を備え、タイミング制御手段6は、撮像手段3に連続撮影させるとともに、投光手段5による投光状態を連続撮影に同期させて切り替え、画像データ蓄積手段7は、連続撮影された画像データを蓄積し、連続撮影が終了すると、画像データ蓄積手段7に蓄積された画像データをインターフェース12を介してコンピュータ11へと転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、特に3次元物体の計測や認識に用いる画像を好適に取得するための撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物体の3次元形状を求める方法としては、例えば、レーザー光を計測対象物に投光して、その反射光を計測することにより各点までの距離を計測する方法や計測対象物にパターン光を投光して、計測対象物に投影されたパターンの形状を測定することにより計測対象物の3次元形状を計測する方法等の能動的手法がある。
【0003】
また、異なる位置に設けられた基準カメラと参照カメラとの2台以上のカメラで計測対象物を撮影して得られた複数の画像の間で対応する画素を特定し、対応付けられた基準画像上の画素と、参照画像上の画素との位置の差(視差)に三角測量の限定を適用することにより、基準カメラから当該画素に対応する計測対象物上の点までの距離を計測するステレオ法と呼ばれるもの等がある。これらの方法には、一般的に同性能の2個のカメラを、両眼と同じ間隔で左右に並べ同一の被写体を同時に撮影するステレオカメラ(例えば、特許文献1参照)が利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−091245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ステレオカメラでは、計測する対象物を際立たせて検出し易くするために、対象物を投光する照明の状態が異なる画像の取得が要求される場合があるが、特許文献1や従来のステレオカメラにおいては、照明状態の異なる画像を撮影する際、その都度照明状態を切り替え、シャッターを押す作業が必要となるため、対象物が移動したりすることにより状態が変化してしまうという問題が生じる場合がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、撮影対象となる被写体の状態が変化することなく、投光状態の異なる画像を取得することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の撮像装置は、撮像対象となる被写体に対して光を投光する投光手段と、前記被写体を撮影して画像データを取得する撮像手段と、前記投光手段による投光タイミング及び前記撮像手段による撮影タイミングを制御するタイミング制御手段と、前記撮像手段により取得した画像データを蓄積する画像データ蓄積手段と、該画像データ蓄積手段に蓄積された前記画像データをコンピュータへと転送するインターフェースと、を備え、前記タイミング制御手段は、前記撮像手段に連続撮影させるとともに、前記投光手段による投光状態を前記撮像手段による連続撮影に同期させて切り替え、前記画像データ蓄積手段は、異なる投光状態で連続撮影された画像データを蓄積しておき、前記撮像手段による連続撮影が終了すると、前記画像データ蓄積手段に蓄積された前記画像データは、前記インターフェースを介して前記コンピュータへと転送されることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の撮像装置は、前記投光手段が、前記被写体に照明光を投光する複数の照明装置であって、前記タイミング制御手段は、前記撮像手段に連続撮影させるとともに、前記複数の照明装置による照明状態を前記撮像手段による連続撮影に同期させて切り替えることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の撮像装置は、前記投光手段は、前記被写体にパターン光を投光するパターン投影機又は前記被写体に閃光を投光するストロボであって、前記タイミング制御手段は、前記撮像手段に連続撮影させるとともに、前記パターン投影機又は前記ストロボの投光と非投光の切り替えを前記前記撮像手段による連続撮影に同期させて行うことを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の撮像装置は、前記画像データ蓄積手段に蓄積された画像データを前記コンピュータに転送するインターフェースとして、ギガビットイーサネット(登録商標)を使用し、電源の供給として、該ギガビットイーサネット(登録商標)で使用する通信ケーブルで行うPoE(パワーオーバーイーサネット)を用いることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の撮像装置によれば、撮像手段だけでなく、投光手段も制御して、投光状態を変えて連続撮影することにより、異なる写り方の画像を取得できるので、差分を取ることで計測する対象となる被写体を際立たせることができ、輪郭抽出等の処理を容易にすることが可能になる。また、被写体を連続撮影し、連続撮影された画像は画像データ蓄積手段へと蓄積しておき、連続撮影が終了した後に、それらの画像データをコンピュータへと転送するため、画像データを取得する毎にコンピュータへと画像データを転送する時間を省くことができるので、連続撮影の間の時間をより短くすることできる。これにより、撮影対象となる被写体の移動等の影響による状態の変化等を防止することができるので、3次元物体の計測や認識に好適な画像を取得することができる。
【0012】
請求項2記載の撮像装置によれば、被写体に照明光を投光する複数の照明装置を備えているので、撮像手段による連続撮影に同期させてそれら複数の照明装置の照明状態を切り換えることにより、照明状態が異なる画像を好適に取得することができる。
【0013】
請求項3記載の撮像装置によれば、パターン投光機を撮像手段による連続撮影に同期させて投光と非投光の切り替えを行うので、パターン光が投影された被写体の画像及びパターン光が投影されていない被写体の画像を迅速に取得することができる。また、ストロボを撮像手段による連続撮影に同期させて投光と非投光の切り替えを行うことにより、閃光が投光された被写体の画像及び非投光の被写体の画像を迅速に取得することができるので、これらの差分画像を得るのに効率が良い。
【0014】
請求項4記載の撮像装置によれば、画像データ等をコンピュータへ転送するインターフェースとして、ギガビットイーサネット(登録商標)を使用しているので、撮像装置とコンピュータの位置関係を多様なバリエーションに設定することができるとともに、電源の供給にもPoEを用いて行うことができるので、利便性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の外観の一例を示す概略模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る撮像装置の投光タイミング及び撮影タイミングの一例を説明するための説明図である。
【図4】撮像装置の投光タイミング及び撮影タイミングを説明するための説明図である。
【図5】第2の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図6】第2の実施形態に係る撮像装置の投光タイミング及び撮影タイミングの一例を説明するための説明図である。
【図7】第3の実施形態に係る撮像装置の外観の一例を示す概略模式図である。
【図8】第3の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置1について、図面を参照しつつ説明する。この撮像装置1は、3次元物体の計測や認識に好適な画像を取得するための所謂ステレオカメラであって、図1に示すようにその外観は、3次元計測に必要な機能を内蔵した筐体2に2つの撮像部3(3a、3b)がステレオ計測に必要な位置関係を保って一体として設けられおり、筐体2の外部には、2本の信号ケーブル4を介して照明装置5(5a、5b)が設けられている。
【0017】
撮像装置1は、図2に示すように、撮影対象となる被写体Xに照明光を投光する照明装置5(5a、5b)と、被写体Xを撮影して画像データを取得する撮像部3(3a、3b)と、該撮像部3の撮影タイミング及び照明装置5における照明光の投光タイミング等を制御するタイミング制御部6と、撮像部3により取得した画像データを蓄積する画像データ蓄積部7と、各部の設定等に応じて処理動作を制御する制御部8と、各種設定等を行うための操作部9と、撮像部3により取得した画像データ等を表示する表示部10と、外部のコンピュータ11等とデータの通信等を行うためのインターフェース12とを備えるものである。
【0018】
照明装置5a、5bは、例えば、光源としてLED照明等を利用したものであり、それぞれ異なる角度から被写体Xに照明光を投光できるように配置されている。撮像部3a、3bは、同性能の機能を有するCCDやCMOSといった撮像素子を備えるものであって、この撮像部3a、3bから同時に被写体Xを撮影して画像データを取得する。
【0019】
タイミング制御部6は、撮像部3の撮影タイミング及び照明装置5における照明光の投光タイミング等を制御するものである。また、この撮像部3による撮影タイミング、露光時間、及び照明装置5による投光タイミング、投光時間等は、例えば、予め外部のコンピュータ11から送られてくるコマンドにより設定され、その設定に応じてタイミング制御部は、撮像部3及び照明装置5を制御する。従って、予めこれらの設定を行っておけば、後はコンピュータ11又は操作部9からのシャッターコマンドによってトリガを与えるだけで、自動的に処理が行われる。
【0020】
画像データ蓄積部7は、撮像部3により撮影された被写体の画像データを蓄積するためのものであり、撮像部3a、3bが互いに撮影タイミングを同期させて連続撮影した4枚1組の画像データを蓄積するものである。制御部8は、操作部9等からの操作によって、ゲイン設定、ホワイトバランス、輝度変換、コントラスト変換等のカメラ制御手段、及び画像データ蓄積部7に蓄積された画像データ等の転送を制御する転送制御手段として機能するものである。
【0021】
操作部9は、上記のような各部の設定を行うための操作ボタンやシャッターボタン等を備えるものである。表示部10は、例えば、液晶ディスプレイ等からなるものであり、撮像部3により取得した画像を表示したり、その他各部の設定情報等を表示する。また、インターフェース12は、外部のコンピュータ11との通信等を行うためのものであり、画像データ蓄積手段7に蓄積された画像データは、このインターフェース12を介してコンピュータ11へと転送される。このインターフェース12としては、例えば、GigE(ギガビットイーサネット)インターフェースを使用し、撮像装置1への電源の供給をこのギガビットイーサネット(登録商標)で使用する通信ケーブルで行うPoE(パワーオーバーイーサネット)を用いることにより行う。尚、インターフェース12は、これに限定されるものではなく、RS−232CやUSB等の有線インターフェース、又は赤外線信号等を送受する無線インターフェース等の公知のものを適用することもできる。また、コンピュータ11には、3次元計測や3次元認識等を行うためのプログラムが予め格納されており、画像データ蓄積手段7に蓄積された画像データを用いることにより、これらの処理が行われる。
【0022】
次に、撮像装置1の処理動作について説明する。撮像装置1では、予めコンピュータ11からのコマンドによって、撮像部3による撮影タイミング、露光時間、及び照明装置5による投光タイミング、投光時間が設定され、この設定に基づいて、タイミング制御部7は撮像部3の連続撮影及び照明装置5の投光を制御する。図3は、撮像装置1の処理の一例を示すものであり、撮影Aは、連続撮影における前半の撮影タイミングを示しており、横方向の長さは撮像3a、3bの露光時間を含む撮影に要する時間間隔を表している。同様に撮影Bは、連続撮影における後半の撮影タイミングを示している。
【0023】
撮像装置1は、図3に示すように、コンピュータ11又は操作部9からシャッターコマンドによってトリガが与えられると、一連の処理動作を自動的に行うものであり、図3では、照明制御信号S1は、前半の撮影Aの際にローレベルを出力して照明光を投光させ、照明制御信号S2は、後半の撮影Bの際にローベルを出力して照明光を投光させる場合の例を示している。具体的には、撮像部3a、3bの撮影タイミング及び動作タイミングは完全に同期しており、この撮像部3a、3bの連続撮影の前半の撮影Aと同期するように照明制御信号S1はローレベルを出力して撮影Aの間、照明装置5aにより被写体Xを投光し、撮影Aが終了するとともに、照明装置5aによる投光を終了するように切り替える。そして、撮像部3a、3bの連続撮影の後半の撮影Bと同期するように照明制御信号S2はローレベルを出力して撮影Bの間、照明装置5bにより被写体Xを投光し、撮影Bが終了するとともに、照明装置5bによる投光を終了するように切り替える。つまり、タイミング制御部6では、それぞれの組の画像撮影のタイミングで照明装置5a、5bの状態を切り替えるように照明制御信号S1及びS2を出力するよう制御している。
【0024】
このように照明条件を変えて、連続で撮影された4枚1組の画像データは、画像データ蓄積手段7へと蓄積される。そして、連続撮影が終了した後、これらの画像データは、インターフェース12を介してコンピュータ11へと転送される。従って、1枚の撮影毎に画像データはコンピュータ11へと転送されずに、一旦画像データ蓄積装置7に4枚1組の画像データが蓄積され、連続撮影終了後にコンピュータ11へと転送されるので、連続撮影する合間の時間間隔を短くすることができる。これにより、被写体Xの移動等の影響によって状態が変化してしまう恐れを軽減することができるので、3次元物体の計測や認識に好適な画像を取得することができる。また、照明状態を変えた映像を連続で撮影することにより、写り方が異なる画像データが取得できるので、計測する対象物を際立たせて検出し易くできるので、輪郭抽出等が容易になる。
【0025】
尚、図3では、照明制御信号S1、S2の信号レベルが、ローレベルの際にそれぞれ照明装置5a、5bから照明光を投光させる例を示しているが、照明制御信号S1、S2の信号レベルが、ハイレベルの際にそれぞれ照明装置5a、5bから照明光を投光させるように構成しても良い。また、本実施形態では、2つの照明装置5a、5bを配置した例を示しているが、本発明では、被写体Xへの照明光の照明状態が異なる画像を連続撮影できれば良く、3つ以上の照明装置を利用して連続撮影を行うことにより、4枚1組の画像データを取得しても良い。例えば、3つの照明装置5を利用した場合には、前半の撮影Aでは2つの照明装置5から照明光を投光させた被写体Xを撮影し、後半の撮影Bでは残りの1つの照明装置5から照明光を投光させた被写体Xを撮影するように照明制御信号S1、S2により照明状態を切り替える等の構成にすることも当然可能である。
【0026】
また、本実施形態では、撮影Aの際に、照明制御信号S1により一方の照明装置3aを投光させ、撮影Bの際に、照明制御信号S2によりもう一方の照明装置3bを投光させる例を示しているが、投光タイミングの例はこれに限られるものではなく、図4に示すように、照明制御信号S1及び照明制御信号S2による投光のON/OFFの切り替え及びその投光タイミングの変更によって、16(2)通りのパターンが考えられる。
【0027】
次に、第2の実施形態に係る撮像装置1aについて図5,6を用いて説明する。第2の実施形態に係る撮像装置1aは、撮像装置1の照明装置3a、3bの代わりにストロボ13を設けたものであり、その他の第1の実施形態に係る撮像装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0028】
ストロボ13は、一般的なカメラにも搭載されている電子閃光を利用した写真用人工光源である。撮像装置1aでは、このストロボ13による閃光を投光した場合の画像データと投光しない場合の画像データを撮像手段3a、3bにより取得するものである。撮像装置1aは、予めコンピュータ11からのコマンドによって、撮像部3による撮影タイミング、露光時間、及びストロボ13による投光タイミング、投光時間が設定され、この設定に基づいて、タイミング制御部6は撮像部3による連続撮影及びストロボ13による投光を制御する。
【0029】
図6は、撮像装置1aの処理の一例を示すものであり、図3と同様に撮影Aは、連続撮影における前半の撮影タイミングを示しており、横方向の長さは撮像3a、3bの露光時間を含む撮影に要する時間間隔を表しており、撮影Bは、連続撮影における後半の撮影タイミングを示している。撮像装置1aは、図6に示すように、コンピュータ11又は操作部9からシャッターコマンドによってトリガが与えられると、撮像部3a、3bの連続撮影の前半の撮影Aと同期するように照明制御信号S1はローレベルを出力して撮影Aの間、ストロボ13により被写体Xを投光し、撮影Aが終了するとともに、ストロボ13による投光を終了するように切り替える。そして、撮像部3a、3bの連続撮影の後半の撮影Bでは、ストロボ13による閃光が投光されていない状態で、撮像部3a、3bによって被写体Xが撮影される。これにより、ストロボ13による閃光が投光された状態の画像データとストロボ13による閃光が投光されていない状態の画像データの4枚1組を取得することができる。この4枚1組の画像データは、画像データ蓄積手段7へと蓄積され、連続撮影が終了した後、インターフェース12を介してコンピュータ11へと転送される。
【0030】
尚、図6では、照明制御信号S1によりストロボ13が、撮像部3a、3bによる連続撮影の前半の撮影Aと同期して被写体Xを投光する場合の例を示しているが、連続撮影の前半の撮影Aの際に、ストロボ13は投光せずに、撮像部3a、3bによる連続撮影の後半の撮影Bの際にストロボ13が投光するように構成することも当然可能である。
【0031】
第3の実施形態に係る撮像装置1bは、撮像装置1aのストロボに代えて、図7,8に示すように、撮像部3a、3bの間にパターン光を被写体Xに投影するパターン投影機14を一体として設けたものである。このパターン投影機14は、プロジェクタ機能を持つ特殊な模様を照明として被写体Xに当てるものであり、例えば、パターン光としては、非周期的なランダムパターン等を投光する。
【0032】
また、この撮像装置1bでも、予めコンピュータ11からのコマンドによって、撮像部3による撮影タイミング、露光時間、及びパターン投影機14による投光タイミング、投光時間が設定され、この設定に基づいて、タイミング制御部6は撮像部3による連続撮影及びパターン投影機14による投光を制御する。
【0033】
この撮像装置1bは、撮像装置1aと同様に図6に示すように、コンピュータ11又は操作部9からシャッターコマンドによってトリガが与えられると、撮像部3a、3bの連続撮影の前半の撮影Aと同期するように照明制御信号S1はローレベルを出力して撮影Aの間、パターン投影機14により被写体Xを投光し、撮影Aが終了するとともに、パターン投影機14による投光を終了するように切り替える。そして、撮像部3a、3bの連続撮影の後半の撮影Bでは、パターン投影機14によるパターン光が投光されていない状態で、撮像部3a、3bによって被写体Xが撮影される。これにより、パターン光が投光された状態の画像データと投光されていない状態の画像データの4枚1組を取得することができる。また、撮像装置1bでも同様に、この取得した4枚1組の画像データは、画像データ蓄積手段7へと蓄積され、連続撮影が終了した後、インターフェース12を介してコンピュータ11へと転送される。また、本実施形態においても、連続撮影の前半の撮影Aの際は、パターン光を投光せずに、撮像部3a、3bによる連続撮影の後半の撮影Bの際にパターン光を投光するように構成することも当然可能である。また、パターン光に代えて、ラインレーザー等を投影する投影機を設けても良い。
【0034】
尚、本発明の実施の形態は上述の形態に限るものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る撮像装置は、3次元物体の計測や認識のために用いる画像を好適に取得するための撮像装置として有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1、1a、1b 撮像装置
3、3a、3b 撮像部
5、5a、5b 照明装置(投光手段)
6 タイミング制御部
7 画像データ蓄積部
11 コンピュータ
12 インターフェース
13 ストロボ(投光手段)
14 パターン投影機(投光手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像対象となる被写体に対して光を投光する投光手段と、
前記被写体を撮影して画像データを取得する撮像手段と、
前記投光手段による投光タイミング及び前記撮像手段による撮影タイミングを制御するタイミング制御手段と、
前記撮像手段により取得した画像データを蓄積する画像データ蓄積手段と、
該画像データ蓄積手段に蓄積された前記画像データをコンピュータへと転送するインターフェースと、を備え、
前記タイミング制御手段は、前記撮像手段に連続撮影させるとともに、前記投光手段による投光状態を前記撮像手段による連続撮影に同期させて切り替え、前記画像データ蓄積手段は、異なる投光状態で連続撮影された画像データを蓄積しておき、前記撮像手段による連続撮影が終了すると、前記画像データ蓄積手段に蓄積された前記画像データは、前記インターフェースを介して前記コンピュータへと転送されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記投光手段は、前記被写体に照明光を投光する複数の照明装置であって、
前記タイミング制御手段は、前記撮像手段に連続撮影させるとともに、前記複数の照明装置による照明状態を前記撮像手段による連続撮影に同期させて切り替えることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記投光手段は、前記被写体にパターン光を投光するパターン投影機又は前記被写体に閃光を投光するストロボであって、
前記タイミング制御手段は、前記撮像手段に連続撮影させるとともに、前記パターン投影機又は前記ストロボの投光と非投光の切り替えを前記前記撮像手段による連続撮影に同期させて行うことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記画像データ蓄積手段に蓄積された画像データを前記コンピュータに転送するインターフェースとして、ギガビットイーサネット(登録商標)を使用し、電源の供給として、該ギガビットイーサネット(登録商標)で使用する通信ケーブルで行うPoE(パワーオーバーイーサネット)を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−114363(P2011−114363A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266099(P2009−266099)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(301021658)株式会社三次元メディア (15)
【Fターム(参考)】