説明

撮像装置

【課題】撮影場所や撮影条件などにより発生する収差の影響を適切に除去する撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置であるカメラシステム(1)は、撮像光学系(SL)を用いて撮影を行う撮像部(撮像素子(9))と、撮像光学系(SL)の収差を補正する収差補正部(収差補正コンバータ(40))と、撮像部で撮影された画像に顔に相当する画像が含まれているか否かを判断する顔検出部(33)と、顔検出部(33)により画像に顔に相当する画像が含まれていないと判断したときに、収差補正部により撮像光学系(SL)の収差を補正する制御部(カメラ本体CPU(27))と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムカメラに代わってデジタルカメラが主流となり、撮影する機会が増えてきている。しかしながら、閃光撮影が禁止されるなどの条件付きでの撮影しか認められていない場所がある。このため、位置情報を取得して、この位置情報に応じた撮影の設定ができるカメラが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−013829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しなしながら、従来提案されているカメラは、位置情報に応じた撮影の設定の一部は可能であるものの、撮影場所や撮影条件などにより発生する収差の影響を適切に除去できず、所望の画像が得られないという課題があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、撮影しようとする画像に顔に相当する画像が含まれているか否かを判別して、収差補正をするか否かを決定することにより、撮影場所や撮影条件などにより発生する収差の影響を適切に除去するように構成された撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る撮像装置は、撮像光学系を用いて撮影を行う撮像部と、撮像光学系の収差を補正する収差補正部と、撮像部で撮影された画像に顔に相当する画像が含まれているか否かを判断する顔検出部と、顔検出部により画像に顔に相当する画像が含まれていないと判断したときに、収差補正部により撮像光学系の収差を補正する制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
このような撮像装置において、撮像光学系は、当該撮像光学系の焦点を調整するフォーカスレンズを有し、制御部は、フォーカスレンズの位置に基づいて収差補正部を制御することにより撮像光学系の収差を補正することが好ましい。
【0008】
また、このような撮像装置は、撮像部により撮影された画像から収差に関する情報を検出する収差検出部を有し、制御部は、収差検出部が検出した収差に関する情報に基づいて収差補正部により撮像光学系の収差を補正することが好ましい。
【0009】
また、このような撮像装置において、制御部は、顔検出部の検出結果による撮像光学系の収差の補正を行った後、収差検出部の検出結果による撮像光学系の収差の補正を行うことが好ましい。
【0010】
また、このような撮像装置は、撮像部により撮影を行う撮影場所に関する情報を検出する撮影場所検出部と、この撮影場所検出部により検出された撮影場所に関する情報に基づいて、撮像部に対する撮影条件を設定する設定部と、を有することが好ましい。
【0011】
また、このような撮像装置において、撮影場所検出部は、水圧計を有することが好ましい。
【0012】
また、このような撮像装置において、収差補正部は、撮像光学系に取り付け可能な収差補正光学系であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る撮像装置よれば、撮影しようとする画像に顔に相当する画像が含まれているか否かを判別して収差補正をするか否かを決定することにより、撮影場所や撮影条件などにより発生する収差の影響を適切に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】カメラシステムの要部断面図である。
【図2】収差補正コンバータが装着された状態の撮影レンズ部分の拡大図である。
【図3】カメラシステムのブロック図である。
【図4】カメラシステムの動作を示すフローチャートであって、電源投入からレリーズSWが半押しされたときの処理までを示す。
【図5】カメラシステムの動作を示すフローチャートであって、レリーズSWが全押しされたとき以降の処理を示す。
【図6】撮影レンズ及び収差補正コンバータの光学系を示す断面図である。
【図7】撮像光学系のみで空気中の物体を撮影したときの諸収差図を示す。
【図8】撮像光学系のみで水槽の窓を介して水中の物体を撮影したときの諸収差図を示す。
【図9】収差補正光学系を装着した撮像光学系で空気中の物体を撮影したときの諸収差図を示す。
【図10】収差補正光学系を装着した撮像光学系で水中の物体を撮影したときの諸収差図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を用いて、本実施形態に係る撮像装置の一例として、カメラシステム1の構成について説明する。図1に示すように、カメラシステム1は、カメラ本体2と交換可能な撮影レンズ3とを組み合わせ、撮像部である撮像素子9で撮影を行う撮像装置として機能する、レンズ交換式一眼レフカメラである。
【0016】
撮影レンズ3は、後述する撮像光学系SLを構成するフォーカスレンズ、ズームレンズおよび防振レンズを含むレンズ群4、絞り5、カメラシステム1の振れを検出する角速度センサ6、レンズ群4を駆動する不図示の駆動装置等を備える。角速度センサ6は、少なくとも光軸に直交する2軸周りの角速度を検出する。駆動装置は、例えば振動波モータ、VCMにより構成される複数のモータを有し、フォーカスレンズを光軸方向に駆動し、防振レンズを光軸方向とは異なる方向に駆動する。また、撮影レンズ3は、この撮影レンズ3の全体を制御すると共に、カメラ本体2と協働するレンズCPU7を有する。
【0017】
また、撮影レンズ3の撮影距離、焦点距離、及びレンズ群4に応じた歪曲収差、像面湾曲、倍率色収差のデータは、収差テーブルとして撮影レンズ3の不図示の不揮発性メモリに記憶されている。
【0018】
カメラ本体2は、撮影レンズ3からの光束を反射してファインダー光学系8に導く反射位置と、撮影レンズ3からの光束がCCDまたはCMOSなどから構成される撮像素子9に入射するように退避する退避位置とで揺動するメインミラー10を備える。このメインミラー10の一部の領域は半透過領域となっており、カメラ本体2は、この半透過領域を透過した光束を焦点検出センサ11へ反射するサブミラー12を備える。このサブミラー12は、メインミラー10に連動して揺動し、メインミラー10が退避位置をとるときには、サブミラー12も光束から退避する。なお、焦点検出センサ11は、位相差方式により入射する光束の焦点状態を検出する。
【0019】
反射位置にあるメインミラー10で反射された光束は、焦点板13、ペンタプリズム14を介してファインダー光学系8へ導かれる。このファインダー光学系8は、複数のレンズから構成されており、ユーザはファインダー光学系8により被写界を確認することができる。
【0020】
また、ペンタプリズム14を透過する光束の一部は測光センサ15に導かれる。測光センサ15は、撮影レンズ3へ入射する光束を複数の領域ごとに測光することにより、被写界の輝度分布を計測する。また、ペンタプリズム14の上方にはGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)モジュール16を備えており、GPS衛星からの信号を受信して、カメラシステム1が存在している位置情報を取得する。さらに、カメラ本体2は、撮影レンズ3のマウント部近傍で撮影レンズ3と干渉しない位置に、被写界の音を取り込むマイク17と、ファインダー光学系8の近傍にビープ音などを発するスピーカ18を備える。
【0021】
メインミラー10が退避位置にあるときには、撮影レンズ3からの光束は、ローパスフィルター19を介して撮像素子9に入射する。撮像素子9の近傍には撮像基板20が設けられており、撮像基板20の後方には外部に面して背面モニタ21が設けられている。
【0022】
撮影レンズ3の前部(被写体側)には、収差補正部である収差補正コンバータ40が取付可能であり、この収差補正コンバータ40を取り付けることにより、撮影レンズ3の収差補正を行うことができる。本実施形態においては、この収差補正コンバータ40により、曲率を有した透明部材(例えばガラスやアクリル)越しに撮影を行う場合に、この透明部材により発生する収差補正を行なったり、水中での撮影の際に発生する収差補正を行なったりする。
【0023】
図2に示すように、収差補正コンバータ40は、負レンズL1及び正レンズL2(後述する収差補正光学系CL)と、この負レンズL1及び正レンズL2を駆動するアクチュエータ41と、このアクチュエータ41に電源を供給する電源部(例えばリチウムイオン電池)42と、カメラ本体2の通信部50と通信を行う不図示の通信部とを有する。収差補正コンバータ40の通信部は、負レンズL1及び正レンズL2の位置をカメラ本体2に通信するとともに、カメラ本体2からの負レンズL1及び正レンズL2の移動量をアクチュエータ41に伝える。なお、負レンズL1及び正レンズL2の位置は、不図示のエンコーダにより検出される。この収差補正コンバータ40は、負レンズL1及び正レンズL2をアクチュエータ41により光軸方向に移動させて、撮影レンズ3の物体側のレンズと正レンズL2との空気間隔を調整することにより像面色収差及び像面歪曲補正を行うように構成されている。このため、収差補正コンバータ40は、透明部材(例えばガラスやアクリル)の材質や厚さに応じた負レンズL1及び正レンズL2を駆動する駆動量のデータを駆動テーブルとして不図示の不揮発性メモリに記憶している。
【0024】
なお、アクチュエータ41は、負レンズL1及び正レンズL2を光軸方向に移動させる振動波モータと、光軸方向位置を微調整するリニア型のピエゾアクチュエータとから構成することができる。また、負レンズL1及び正レンズL2は、光軸上をスライド移動する機構を備えた保持部材で保持するように構成することも可能である。
【0025】
なお、本実施形態では、収差補正コンバータ40に電源部42と通信部とを設けたが、例えば撮影レンズ3に収差補正コンバータ40に電源を供給するラインおよび収差補正コンバータ40と通信するラインを設け、これらのラインと収差補正コンバータ40とを接続するようにすれば、電源部42と通信部とを省略することができる。
【0026】
図3は、本実施形態に係るカメラシステム1のブロック図である。カメラ本体CPU27により、このカメラシステム1の全体の制御が行われる。また、撮像基板20は、撮像素子9を駆動する駆動回路23、撮像素子9の出力をデジタル信号に変換するA/D変換回路24、ASICで構成される画像処理制御回路25および撮像素子9からの信号の高周波成分を抽出するコントラストAF回路26などを有している。
【0027】
画像処理制御回路25は、デジタル信号に変換された画像信号に対してホワイトバランス調整、シャープネス調整、ガンマ補正、階調調整などの画像処理を施すと共に、JPEGなどの画像圧縮を行って画像ファイルを生成する。また、画像処理制御回路25は、画像信号から各種収差判定を行い、撮影した画像の収差に関する情報をカメラ本体CPU27に出力する。例えば、倍率色収差が発生している場合、R,G,Bのそれぞれのエッジの位置がずれてしまう。この色毎のエッジのずれ量を検出することにより、倍率色収差量を検出することができる。この画像処理制御回路25から得られる画像を用いた倍率色収差の補正方法の詳細については後述する。
【0028】
画像処理制御回路25により生成された画像ファイルは、画像記録媒体37に記憶される。この画像記録媒体37は、カメラ本体2に対して着脱可能なフラッシュメモリなどの記録媒体であっても良いし、カメラ本体2に内蔵されるSSD(Solid State Drive)などの記録媒体であっても良い。
【0029】
画像処理を施された画像信号は、背面モニタ制御回路28の制御により、背面モニタ21に表示される。この背面モニタ21に撮影直後に撮影された画像信号を所定時間表示すれば、画像記録媒体37に記録された画像ファイルに対応する画像をユーザに視認させることができる。また、撮像素子9が連続的に光電変換する被写界像を、画像記録媒体37に記録することなく背面モニタ21に逐次表示すればライブビュー表示を実現できる。さらに、撮像素子9が連続的に光電変換する被写界像を、例えばMPEGなどの動画圧縮処理を画像処理制御回路25で施して画像記録媒体37に記録すれば、動画撮影を実現することができる。このとき、マイク17で収集した被写界の音声も圧縮処理して、動画データに同期させて記録する。生成される動画像のフレームレートは、例えば30fpsなど、複数のフレームレートから選択されて設定される。
【0030】
コントラストAF回路26は、撮像素子9からの撮像信号の高周波成分を抽出してAF評価値信号を生成し、これが最大になるフォーカスレンズ位置を検出する。具体的には、画像処理制御回路25から入力される画像信号から、バンドパスフィルタを用いて所定の高周波成分を抽出し、ピークホールド、積分等の検波処理を行ってAF評価値信号を生成する。生成したAF評価値信号は、カメラ本体CPU27に出力する。
【0031】
レンズCPU7は、角速度センサ6で検出した手振れをキャンセルするように、撮影レンズ3内の防振レンズを光軸方向とは異なる方向に駆動して光学式手振れ補正を実現している。手振れ補正はこのような光学式手振れ補正に限らず、撮像素子9に駆動機構を付与して、光軸方向とは異なる方向に駆動して手振れをキャンセルする撮像素子駆動式手振れ補正を採用することもできる。さらには、画像処理制御回路25から出力された複数枚の画像間の動きベクトルを算出し、算出した画像間の動きベクトルをキャンセルするように画像読み出し位置を制御して手振れをキャンセルする電子式手振れ補正を採用することもできる。光学式手振れ補正および撮像素子駆動式手振れ補正は特に静止画撮影に好適であり、動画撮影にも適用される。電子式手振れ補正は動画撮影に好適である。これらの方式は、選択的、追加的に採用され得る。
【0032】
また、カメラ本体CPU27は、レンズCPU7と連携し、焦点検出センサ11の出力に応じて撮影レンズ3を構成するフォーカスレンズの作動を制御することによりAF動作を行う。さらに、カメラ本体CPU27は、撮影レンズ3を構成するズームレンズの状態(焦点距離)や、この撮影レンズ3自体の情報(例えば、広角レンズ、望遠レンズ、マクロレンズ等のレンズ種別)をレンズCPU7を介して取得することができる。
【0033】
測光センサ15は、上述のように、撮影レンズ3へ入射する光束を複数の領域ごとに測光することにより被写界の輝度分布を計測するが、計測結果はカメラ本体CPU27に出力する。カメラ本体CPU27では、選択された測光モードに応じて露出値を算出する。測光モードとしては、明るい部分と暗い部分のバランスを取る分割測光モード、画面中央を適正露出とする中央重点測光モード、選択したフォーカスポイントの狭領域を適正露出とするスポット測光モードなどが選択され得る。
【0034】
カレンダー部38は、水晶発振子、計時用集積回路等を有しており、年月日時分秒といったカレンダー情報を保持する。カメラ本体CPU27は、カレンダー部38から時間に関する情報を適宜検出することができる。GPSモジュール16は、GPS衛星からの信号を受信してカメラ本体2が存在している緯度、経度、高度情報(位置に関する情報)を取得する位置検出部である。また、カメラ本体CPU27は、GPSモジュール16からカメラ本体2が存在している位置に関する情報を適宜検出することができる。
【0035】
フラッシュROM29は、EEPROM(登録商標)であり、カメラシステム1を動作させるプログラムのほか、各種調整値、設定値を記憶する記憶装置である。なお、フラッシュROM29に撮影レンズ3毎に過去の撮影場所における収差補正量のログを記憶させてもよい。また、フラッシュROM29は地図情報を記憶しており、カメラ本体CPU27は、GPSモジュール16の出力として得られる緯度、経度、高度情報と、フラッシュROM29に記憶されている地図情報とから現在の位置情報を取得することができる。すなわち、カメラ本端CPU27は、撮像部により撮影を行う撮影場所に関する情報を検出する撮影場所検出部として動作する。
【0036】
RAM30は、フラッシュROM29に記憶されたプログラムが展開され、カメラ本体CPU27が高速にアクセスできるDRAMなどの高速RAMである。特に頻繁に参照される各種調整値、設定値などもフラッシュROM29からコピーされ、カメラ本体CPU27からのアクセスを容易にする。
【0037】
背面モニタ制御回路28は、上述のように画像処理された画像の他、フラッシュROM29から読み出したメニュー設定画面およびユーザガイド画面を背面モニタ21へ表示する表示制御を行う。また、背面モニタ21の表面にはタッチパネルセンサが積層されており、ユーザが背面モニタ21のメニュー項目等を視認しつつタッチパネルセンサを操作したときには、その座標とその座標に対応して表示されていたメニュー項目をカメラ本体CPU27へ出力する。
【0038】
イベント情報取得部31は、ネットワークを介して特定の施設で開催されるイベント情報を検出して取得するイベント検出部である。このイベント情報取得部31は、図示しない無線LAN等のネットワーク接続部と、特定の施設におけるイベント情報をネットワーク上から取得するプログラムとから構成される。なお、イベント情報取得部31は、ネットワーク上で公開された情報にアクセスすることに限らず、ユーザが予め構築したイベント情報に関するデータベースにアクセスするように構成しても良い。また、イベント情報取得部31は、ネットワークに接続するのではなく、ユーザが例えばスケジュール情報としてフラッシュROM29に記憶させたデータベースにアクセスするように、内部的に構成することもできる。
【0039】
レリーズSW32は、2段式のスイッチである。ユーザがレリーズSW32を半押しすると、オートフォーカス、測光などの撮影準備動作を行う。さらにユーザがレリーズSW32を全押しすると、カメラ本体CPU27は、静止画、動画の撮影動作を開始する。
【0040】
顔検出部33は、画像処理制御回路25により画像処理を施された画像信号を用いて、被写体の中に人物や動物などの顔が含まれているかどうかを検出するものであり、目,鼻,唇の各端点などの特徴点を画像から抽出し、これらの特徴点に基づいて顔領域か否かを判定するものである。
【0041】
水圧計34は、カメラ本体2にかかる水圧を検出するものであり、本実施形態では撮影場所検出部であるカメラ本体CPU27により、カメラシステム1が水中で使われているかどうかを検出するために用いられる。
【0042】
通信部50は、前述のように収差補正コンバータ40の通信部と通信するものである。
【0043】
また、カメラ本体CPU27は、レンズCPU7および収差補正コンバータ40と協働してカメラシステム1の全体を制御する。
【0044】
以上のように構成された本カメラシステム1の撮影動作について、以下図4及び図5のフローチャートに沿って説明を行う。なお、本フローチャートは、不図示の電源がONされた状態でのものとする。また、本フローチャートは、上述のように、フラッシュROM29に記憶され、RAM30に展開されたプログラムにより、カメラ本体CPU27で実行されるものとする。すなわち、カメラ本体CPU27は、本フローチャートに基づいて、上述の撮影レンズ3の情報及びGPSモジュール16、カレンダー部38、顔検出部33、水圧計34等からなる環境検出部からの環境情報を用いて撮像の設定(撮影アシスト)を行う設定部としても動作する。
【0045】
カメラ本体CPU27は、撮影レンズ3の情報を取得する(ステップS1)。本実施形態において、カメラ本体CPU27は、撮影レンズ3の焦点距離情報を取得する。例えば撮影レンズ3が、焦点距離が60mmのマクロレンズであり、曲率を有した透明部材(例えばガラス)越しに撮影を行う場合の収差補正を行う収差レンズを有してはいないことを確認する。なお、撮影レンズ3の情報は、撮影レンズ3がカメラ本体2に取り付けられたタイミングで取得すれば良い。
【0046】
カメラ本体CPU27は、撮影場所の情報を取得する(ステップS2)。本実施形態において、カメラ本体CPU27は、GPSモジュール16の出力として得られる緯度、経度、高度情報と、フラッシュROM29に記憶されている地図情報とから現在の位置情報を取得し、カレンダー部38から季節、月、時間などの日時情報を取得する。また、カメラ本体CPU27は、イベント情報取得部31から現在の位置およびその周辺のイベント情報(イベントの内容、イベント開始時刻、イベント終了時刻)を検出する。本実施の形態においては、水族館での撮影を行うものとして以下説明を続ける。なお、カメラ本体CPU27は、上述した全ての情報を取得する必要はなく、撮影アシストが可能な情報を適宜取得すればよい。
【0047】
カメラ本体CPU27は、ステップS2で取得した撮影場所の情報から、収差補正コンバータ40が必要か否かを判断する(ステップS3)。水族館で撮影を行うように、曲率を有した透明部材(例えばガラス)越しに撮影を行う場合に、撮影レンズ3自体に収差レンズを有していないときは、カメラ本体CPU27は、収差補正コンバータ40が必要であると判断する。そして、ステップS3で収差補正コンバータ40が必要ないと判断したときはステップS7に進み、反対に、収差補正コンバータ40が必要であると判断したときは、さらに収差補正コンバータ40が撮影レンズ3に装着されているか否かを判断し(ステップS4)、装着されていない場合は、スピーカ18からの音声や、背面モニタ21にメッセージを表示して収差補正コンバータ40の装着が必要なことを警告する(ステップS5)。そして、カメラ本体CPU27は、この警告に対して収差補正コンバータ40の装着の確認待ちを行い(ステップS6)、装着が確認されるとステップS7に進む。なお、装着の確認には、例えば、撮影者に背面モニタ21のタッチパネルを操作させる。この確認には、撮影者の判断で、収差補正コンバータ40を装着しない場合を含む。
【0048】
次に、カメラ本体CPU27は、レリーズSW32が半押しされているか否かを判断し(ステップS7)、半押しされていれば次のステップS8に進み、半押しされていなければこのステップS7を繰り返す。なお、レリーズSW32の半押しの確認は、ステップS2の撮影場所の情報取得前に行ってもよい。また、レリーズSW32の半押し操作が所定時間確認されなければ本フローチャートを終了してもよい。
【0049】
カメラ本体CPU27は、撮影条件の設定を行う(ステップS8)。上述のように、ステップS1で撮影レンズ3がマクロレンズであり、かつ、ステップS2で現在の撮影場所が水族館であると判定したときは、カメラ本体CPU27は、水族館でのマクロ撮影のための撮影条件の設定を行う。例えば、水族館では閃光撮影が禁止されているため、カメラ本体CPU27は、閃光撮影を禁止して、ISO感度を800〜1600の間で設定するとともに、水の中の生物を撮影するためホワイトバランスを水中用(青の帯域補正を水中に特化させる)にする。また、カメラ本体CPU27は、水族館は一般的に暗いため、絞りを開放近傍に設定するとともに、位相差方式によりAFを行うために焦点検出センサ11の出力を用いてAF動作を行う。これに加え、カメラ本体CPU27は、動体の撮影が予想されるため、連続してAFを実行するコンティニュアスAFモードの設定を行う。
【0050】
また、カメラ本体CPU27は、ユーザにより動画撮影が選択された場合に、取り付けられている撮影レンズ3がマクロレンズであるため絞り制御を行わないようにする。
【0051】
更に、カメラ本体CPU27は、測光センサ15の出力から逆光状態(ユーザが水槽に囲まれているような状態)の場合にアクティブDライティングを実施する。アクティブDライティングは、測光センサ15の出力から算出された露出値を変更するとともに、得られた画像に階調補正を施すものである。
【0052】
次に、カメラ本体CPU27は、焦点検出センサ11による焦点検出を行い撮影レンズ3を構成するフォーカスレンズの焦点検出結果に応じて駆動するとともに、不図示のエンコーダによりフォーカスレンズの位置を検出する(ステップS9)。
【0053】
さらに、カメラ本体CPU27は、ステップS2で取得した撮影場所の情報に基づいて、撮影場所に起因する収差の発生の有無を判断する(ステップS10)。本実施形態においては、撮影場所が水族館のため、水槽を構成するガラスの曲率や、水槽の水による収差が発生する恐れがある。このため、カメラ本体CPU27は、ステップS10において収差が発生すると判断し、ステップS11に進む。なお、カメラ本体CPU27は、撮影場所に起因する収差の発生がないと判断した場合には、ステップS13に進む。
【0054】
また、カメラ本体CPU27は、顔検出部33により、画像処理制御回路25により画像処理を施された画像信号を用いて、被写体に顔があるかどうかを検出する(ステップS11)。これは、水族館においても、人が主要被写体になり、水槽が背景になる場合があり、このような場合は、水槽を構成するガラスの曲率や、水槽の水により発生する収差を補正する必要がないからである。一方、顔が検出されなければ、水槽内の生物を撮影する可能性が高く、水槽を構成するガラスの曲率や、水槽の水により発生する収差を補正する必要が生じるからである。このため、カメラ本体CPU27は、顔検出部33により顔が検出された場合にはステップS13に進み、顔検出部33により顔が検出されなかった場合にはステップS12に進む。
【0055】
カメラ本体CPU27は、水槽を構成するガラスの曲率や、水槽の水により発生する収差の補正を行う(ステップS12)。カメラ本体CPU27は、撮影レンズ3の不図示の不揮発性メモリに記憶されている収差テーブルと、収差補正コンバータ40の不図示の不揮発性メモリに記憶されている駆動量及び収差補正コンバータ40の負レンズL1及び正レンズL2の位置とを確認し、ステップS9で取得したフォーカスレンズの位置に応じて、負レンズL1及び正レンズL2を光軸に沿って移動させることにより、正レンズL2と撮影レンズ3の物体側のレンズとの空気間隔を調節し、これにより、歪曲収差及び像面湾曲の補正を行う。なお、歪曲収差や倍率色収差は画像処理で補正することも可能である。
【0056】
ステップS12において収差補正を行うときに、カメラ本体CPU27は、ガラスの材質や厚さを把握していない。このため、本実施の形態において、カメラ本体CPU27は、駆動テーブルに記憶されている複数の駆動量の中から中間的な駆動量を用いて収差補正を行うものとする。なお、後述するように、倍率色収差は画像により収差の発生の程度が分かるため、カメラ本体CPU27は、中間的な駆動量を用いた画像から倍率色収差の程度を認識して、ガラスなどの透明部材の材質や厚さを類推し、この類推した透明部材の材質や厚さから収差補正コンバータ40の不図示の不揮発性メモリに記憶されている駆動量を読み出して、収差補正を再度行うことができる。
【0057】
ついでカメラ本体CPU27は、撮像素子9が撮影した画像信号が入力される画像処理制御回路25を用いて、画像の色にじみを画像コントラストとして検出することにより倍率色収差を検出する(ステップS13)。すなわち、カメラ本体CPU27は、撮像部により撮影された画像から収差に関する情報を検出する収差検出部としても動作する。そして、カメラ本体CPU27は、検出した倍率色収差に基づいて、前述したように透明部材の材質や厚さを推定して、再度、収差補正コンバータ40の負レンズL1及び正レンズL2の位置を微調整する(ステップS14)。さらに、カメラ本体CPU27は、収差補正コンバータ40の負レンズL1及び正レンズL2の位置を微調整した後の画像を画像処理制御回路25を用いて取得し、調整の前後の画像コントラスト(倍率色収差)を比較し、倍率色収差が所定の値以下に向上したか否かを確認する(ステップS16)。カメラ本体CPU27は、倍率色収差が所定の値以下になったと判断したときはステップS17に進み、倍率色収差が所定の値より大きいときはステップS14〜S16を繰り返す。このようにカメラ本体CPU27は、収差補正部である収差補正コンバータ40の作動を制御することにより撮像光学系SLの収差を補正する制御部としても動作する。
【0058】
次に、カメラ本体CPU27は、レリーズSW32が全押しされているか否かを判断し(ステップS17)、全押しされている場合に撮影を実行する(ステップS18)。なお、カメラ本体CPU27は、レリーズSW32が全押しされていない場合にはステップS17を繰り返すが、所定時間レリーズSW32の全押しがなされない場合には本フローチャートを終了してもよい。
【0059】
そして、ステップS18の撮影実行が終了すると、カメラ本体CPU27は、収差補正コンバータ40が未装着の状態で撮影が実施された否かを判断し(ステップS19)、装着されていた場合は本フローチャートを終了し、装着されていない場合は、画像から倍率色収差量を算出し、その収差量に応じて画像を補正して本フローチャートを終了する。
【0060】
なお、ステップS18の撮影が動画撮影の場合には、カメラ本体CPU27は、フォーカスレンズの位置の変化を検出し、この位置が変化したときに上述の方法で倍率色収差を算出し、画像のR,G,Bの各信号毎に画像処理として倍率色収差を補正することができる。
【0061】
また、ステップS12に示した歪曲収差及び像面湾曲の補正、及び、ステップS14で示した倍率色収差の補正は、収差補正コンバータ40が取り付けられたときの撮影レンズ3の収差情報を、例えば、フラッシュROM29に記憶しておき、この収差情報とフォーカスレンズの位置から収差量を求めるように構成することができる。
【0062】
また、上述の収差補正コンバータ40を水中写真用のドームポートの窓近傍に配置することにより、このドームポートに撮影レンズ3を有するカメラシステム1を取り付けると、ドームポートの窓を介して撮影するときに発生する諸収差を補正することができる。
【0063】
また、以上の説明では、ステップS2における撮影場所の情報取得結果から水族館での撮影を行うものとしたが、水圧計34の出力により、水中にいることがわかれば水中での撮影としてステップS3以降の処理を進めることもできる。
【0064】
また、上述の説明においては、レンズ交換式一眼レフカメラであるカメラシステム1を例として説明したが、メインミラー10やペンタプリズム14などを省略したミラーレス一眼カメラや、コンパクトデジタルカメラにも適用することはできる。
【実施例】
【0065】
それでは、上述のように撮像レンズ3に収差補正コンバータ40を取り付けたときの光学性能について、以下に示す。図6は、撮像レンズ3を構成する撮像光学系SL(4)、及び、収差補正コンバータ40を構成する収差補正光学系CLを用いてアクリル製の水槽窓(以下、単に「窓W」と呼ぶ)を介して水中の被写体(不図示の物体)を撮影する場合を示している。図6に示してあるように、物体側から順に、窓W、収差補正光学系CL、及び、撮像光学系SLが順番に並んでいる。また、収差補正光学系CLは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2から構成されている。また、撮像光学系SLは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13、開口絞りS、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL14と物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL15との接合レンズ、及び、両凸レンズL16から構成されている。なお、無限遠物点から近距離物点への合焦は、撮像光学系SL全体を物体側へ移動させることにより行われる。
【0066】
このような構成の収差補正コンバータ40の収差補正光学系CLは、光軸上を移動して、最も像側のレンズ面(第6面)と撮像光学系SLの最も物体側のレンズ面(第7面)との光軸上の間隔d6を変化させることにより、撮像光学系SLにより像面Iに形成される像の倍率色収差や歪曲収差を補正するように構成されている。なお、収差補正光学系CLが光軸上を移動することにより、アクリル水槽の窓Wの像側の面(第2面)と収差補正光学系CLの最も物体側のレンズ面(第3面)との光軸上の間隔d2も変化する。
【0067】
以下の表1に、上記収差補正光学系CL及び撮像光学系SLの無限遠合焦時の諸元の値を掲げる。この表1において、第1欄mは、光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序(面番号)を、第2欄rは、各レンズ面の曲率半径を、第3欄dは、各光学面から次の光学面までの光軸上の間隔(面間隔)を、第4欄νd及び第5欄ndは、d線(λ=587.6nm)に対するアッベ数及び屈折率を示している。ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている曲率半径r、面間隔d、その他長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。なお、曲率半径0.00は、レンズ面の場合は平面を示し、絞りの場合は開口を示す。また、空気の屈折率1.00000は省略してある。また、窓Wの物体側(第1面側)には、アッベ数が53.98で屈折率が1.333060の水が満たされているものとする。また、面番号1〜18は図6に示す番号1〜18に対応している。
【0068】
(表1)
m r d νd nd
1 0.0000 30.00 57.57 1.491080
2 0.0000 d2
3 6200.0000 3.00 29.37 1.950000
4 560.0000 1.00
5 266.1762 6.00 82.57 1.497820
6 1508.9513 d6
7 50.5480 3.50 46.76 1.766840
8 1728.4000 0.10
9 19.9960 4.15 45.42 1.796680
10 34.3520 1.30
11 69.6150 1.00 29.48 1.717360
12 16.1130 6.00
13 0.0000 5.45
14 -16.7700 1.00 33.77 1.648310
15 -218.5620 4.95 46.76 1.766840
16 -20.8720 0.10
17 392.1120 2.85 53.97 1.713000
18 -53.8430
【0069】
図7〜図10に、上述の光学系の無限遠合焦時及び近距離合焦時における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差及びコマ収差の諸収差図を示す。なお、図7は撮像光学系SLのみで空気中の物体を撮影したときの諸収差を示し、図8は、撮像光学系SLのみで窓Wを介して水中の物体を撮影したときの諸収差を示し、図9は、収差補正光学系CLを装着した撮像光学系SLで空気中の物体を撮影したときの諸収差を示し、図10は、収差補正光学系CLを装着した撮像光学系SLで水中の物体を撮影したときの諸収差を示す。このとき、撮影光学系SLの最も物体側のレンズ面(第7面)と窓Wの像側の面(第2面)との光軸上の距離を121.00mmとし、収差補正光学系CLは、空気中を撮影する場合は、d6が11.00mm(d2が100.00mm)の位置に配置され、水中を撮影する場合は、d6が81.00mm(d2が30.00mm)の位置に配置される場合を示している。また、近距離物点に合焦するときは、撮像光学系SLが光軸に沿って物体側に7.78642mm移動する。
【0070】
各収差図において、FNOはFナンバーを、NAは開口数を、Yは像高を、dはd線(λ=587.6nm)を、gはg線(λ=435.8nm)を、CはC線(λ=656.3nm)を、FはF線(λ=486.1nm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。
【0071】
以上の諸収差図から明らかなように、本実施例に係る撮影光学系SLで水中の物体を撮影すると、空気中の場合に比べて諸収差(特に、歪曲収差と倍率色収差)が大きくなるが、収差補正コンバータ40(収差補正光学系CL)を装着することにより、これらの収差が補正され、良好な光学性能を得ることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 カメラシステム(撮像装置) 9 撮像素子(撮像部)
16 GPSモジュール(位置検出部)
27 カメラ本体CPU(制御部、収差検出部、撮影場所検出部)
40 収差補正コンバータ(収差補正部)
SL 撮影光学系 CL 収差補正光学系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学系を用いて撮影を行う撮像部と、
前記撮像光学系の収差を補正する収差補正部と、
前記撮像部で撮影された画像に顔に相当する画像が含まれているか否かを判断する顔検出部と、
前記顔検出部により前記画像に顔に相当する画像が含まれていないと判断したときに、前記収差補正部により前記撮像光学系の収差を補正する制御部と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像光学系は、当該撮像光学系の焦点を調整するフォーカスレンズを有し、
前記制御部は、前記フォーカスレンズの位置に基づいて前記収差補正部を制御することにより前記撮像光学系の収差を補正することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像部により撮影された前記画像から収差に関する情報を検出する収差検出部を有し、
前記制御部は、前記収差検出部が検出した前記収差に関する情報に基づいて前記収差補正部により前記撮像光学系の収差を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記顔検出部の検出結果による前記撮像光学系の収差の補正を行った後、前記収差検出部の検出結果による前記撮像光学系の収差の補正を行うことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像部により撮影を行う撮影場所に関する情報を検出する撮影場所検出部と、
前記撮影場所検出部により検出された前記撮影場所に関する情報に基づいて、前記撮像部に対する撮影条件を設定する設定部と、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮影場所検出部は、水圧計を有することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記収差補正部は、前記撮像光学系に取り付け可能な収差補正光学系であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−198273(P2012−198273A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60558(P2011−60558)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】