説明

操作スイッチ配線器具

【課題】押ボタンスイッチの位置に束縛されることなく、操作ボタンの押操作部の位置を用途やデザインに応じて自由に設計する。
【解決手段】カバー8は、8個の操作ボタン83・・・を上下方向に並べて備えている。各操作ボタン83は、取付部830と、取付部830の後面から突設されている駆動部と、取付部830の前面から突設されている押操作部832とを一体に備えている。駆動部は、カバー8をボディ6に嵌合したときに、回路基板7の押ボタンスイッチ70の押ボタン700を被せ、上記押ボタン700に対して押駆動する。押操作部832は、押駆動方向(図1の左右方向)の押操作により駆動部を押ボタン700に押駆動をさせるものであり、押駆動方向と直交する方向(図1の上下方向)において、駆動部に対して偏位している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、負荷の遠隔監視制御を行う遠隔監視制御システムなどに用いられる操作スイッチ配線器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の遠隔監視制御システムは、特許文献1に開示されているように、2線式の信号線に、伝送ユニットと、操作スイッチの状態を監視する操作端末器と、リレー接点により負荷の電源を入切する制御端末器と、グループ制御やパターン制御などの一括制御で制御される制御端末器のアドレスを設定するアドレス設定器とを備える。上記従来の遠隔監視制御システムでは、操作端末器及び制御端末器に設定されている個別のアドレスを用いて、伝送ユニットが操作端末器及び制御端末器を個別に認識する。
【0003】
ところが、上記従来の遠隔監視制御システムにおいて、操作端末器や制御端末器以外のシステム構成要素が増え、しかもアドレス設定器はアドレス設定時にしか使用されないため、通常の制御時には不要なシステム構成要素が増えてしまうという問題があった。
【0004】
上記問題を解決するために、上記操作端末器及びアドレス設定器に代わって、操作スイッチ配線器具を備える遠隔監視制御システムが提供されている。図8(a)は、従来の操作スイッチ配線器具におけるカバー90の正面図である。図8(b)は、従来の操作スイッチ配線器具におけるカバー90及び回路基板7の側面図である。上記従来の操作スイッチ配線器具は、図8(a)に示すように、8個の操作ボタン91・・・をカバー90に備えている。各操作ボタン91は、図8(b)に示すように、押ボタンスイッチ70の押ボタン700を押駆動する駆動部92と、駆動部92の真上に位置する押操作部93とを備え、押操作部93が押されると、その押された力が駆動部92を介して押ボタンスイッチ70の押ボタン700に加わるようになっている。
【特許文献1】特開平6−189380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の操作スイッチ配線器具は、押ボタンスイッチの位置が決まると、操作ボタンの押操作部の位置も決まってしまうので、設計の自由度が小さいという問題があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、押ボタンスイッチの位置に束縛されることなく、操作ボタンの押操作部の位置を用途やデザインに応じて自由に設計することができる操作スイッチ配線器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、開口面を有する箱状に形成されるボディと、それぞれが、押駆動がなされる押ボタンを設け、前記押駆動により外部素子の電気的な接続の開閉を切り替え、前記押ボタンへの押駆動方向が前記開口面と直交し前記ボディの外側から内側方向となるように前記ボディに収納される複数の押ボタンスイッチと、前記ボディと嵌合して前記開口面を塞ぐカバーとを備えるとともに、それぞれが、前記押ボタンに対して押駆動する駆動部と、及び前記押駆動方向の押操作により前記駆動部を前記押ボタンに押駆動をさせ、前記押駆動方向と直交する方向において前記駆動部に対して偏位する押操作部とを設け、前記カバーに取り付けられる複数の操作ボタンを備えることを特徴とする。
【0008】
この構成では、操作ボタンの押操作部を駆動部に対して偏位して設けることができるので、押ボタンスイッチの位置に束縛されることなく、操作ボタンの押操作部の位置を用途やデザインに応じて自由に設計することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記操作ボタンのそれぞれが、一部を前記カバーと接合し、残部を前記押駆動方向に移動自在とし、前記駆動部及び前記押操作部を突設し、ゲートから直接、樹脂注入されて形成された取付部を設けることを特徴とする。この構成では、操作ボタンのヒケやカスレ、変形を低減することができるので、安定に製造することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記操作ボタンが、前記駆動部及び前記押操作部の近傍において、前記ゲートから直接、樹脂注入されて前記駆動部及び前記押操作部と一体に形成された取付部を設けることを特徴とする。この構成では、操作ボタンのうち、特に駆動部及び押操作部のヒケやカスレ、変形を低減することができるので、より安定に製造することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記操作ボタンのそれぞれが、一部を前記カバーと接合し、残部を前記押駆動方向に移動自在とし、前記駆動部及び前記押操作部を突設し、前記カバーと段差を有する取付部を設けることを特徴とする。この構成では、取付部が他の部品に接触することを防止することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記押ボタンスイッチを突設して前記ボディに収納される回路基板と、前記ボディに設けられ、前記外部素子と電気的に接続する端子部と、前記端子部と前記回路基板とを電気的に接続する金具とを備えることを特徴とする。この構成では、容易に組み立てることができるとともに、断線を低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、押ボタンスイッチの位置に束縛されることなく、操作ボタンの押操作部の位置を用途やデザインに応じて自由に設計することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の操作スイッチ配線器具の分解斜視図である。図2は、本実施形態の遠隔監視制御システムの構成を示すブロック図である。
【0015】
先ず、本実施形態の基本的な構成について説明する。本実施形態の遠隔監視制御システムは、図2に示すように、リレー制御親機(以下、「親機」という。)1と、10台のリレー制御子機(以下、「子機」という。)2・・・と、48個の負荷3・・・と、操作スイッチ配線器具4とを備え、親機1、10台の子機2・・・及び操作スイッチ配線器具4を信号線5で接続している。なお、上記各負荷3は、例えば照明負荷などである。また、信号線5はフル2線信号ラインである。
【0016】
親機1は、本体ユニット10と、8個のリレーブロック11・・・とを備えている。8個のリレーブロック11・・・は、それぞれリレー(図示せず)を備え、個別のアドレスが割り当てられている。具体的には、上記8個のリレーブロック11・・・のアドレスは、1〜8に設定されている。上記親機1は、伝送信号を時分割多重伝送方式で信号線5に送出することにより、各々の子機2及び操作スイッチ配線器具4との間で情報を授受し、後述する操作スイッチ配線器具4の複数の押ボタンスイッチ70・・・(図1参照)の動作に基づいて、各リレーの開閉を制御している。
【0017】
各々の子機2は、本体ユニット20と、4個のリレーブロック21・・・と、ロータリスイッチ22とを備えている。4個のリレーブロック21・・・は、親機1のリレーブロック11と同様に、それぞれリレー(図示せず)を備え、個別のアドレスが割り当てられている。各々の子機2において、上記4個のリレーブロック21・・・のアドレスは、ロータリスイッチ22を用いて設定される。具体的には、4個のリレーブロック21・・・のアドレスは、連続した番号に設定されている。そして、n(1から10までの整数)をロータリスイッチ22の回転位置に応じて決まる値とすると、ロータリスイッチ22の回転位置によって先頭アドレスが(4×n+5)に決定される。上記より、各々の子機2において、4個のリレーブロック21・・・のアドレスは、9〜12、13〜16、17〜20、・・・、45〜48の何れかの組み合わせに設定されることになる。上記各々の子機2は、親機1と同様に、後述する操作スイッチ配線器具4の複数の押ボタンスイッチ70・・・(図1参照)の動作に基づいて、各リレーの開閉を制御している。
【0018】
操作スイッチ配線器具4は、図1に示すように、ボディ6と、回路基板7と、カバー8と、化粧カバー40と、表銘板41とを備えている。
【0019】
ボディ6は、例えば合成樹脂などにより、前面(図1の左面)に開口面6aを有する箱状に形成されているものである。上記ボディ6は、長手方向(図1の上下方向)に沿う両側面に、それぞれ一対の係止突起60,60を上下に離間して突設している。また、ボディ6は、上下両側面の前縁から取付片61,61を上下両側に延出している。各取付片61は、施工面に埋設された埋込ボックス(図示せず)にねじ止めするためのボックスねじ(図示せず)を挿通する長孔62と、壁材などにボディ6を直に取り付けるための取付ねじ(図示せず)を挿通する一対のねじ挿通孔63,63と、前面に化粧カバー40を露出させる窓孔を有するプレート枠(図示せず)を取り付けるためのプレートねじ用のねじ孔64とを設けている。
【0020】
また、ボディ6は、信号線5(図2参照)を介して親機1又は子機2(図2参照)のリレー(図示せず)と電気的に接続する一対の端子部65,65と、上記一対の端子部65,65と回路基板7とを電気的に接続する一対の金具66,66とを備えている。各金具66は、図6に示すように、中央に貫通孔660aを有している底部660と、底部660の一端から延設している延設部661とを一体に備えている。上記各金具66は、端子部65(図1参照)を貫通孔660aに係合することにより、端子部65と電気的に接続する。
【0021】
回路基板7は、図1に示すように、8個の押ボタンスイッチ70・・・と、ロータリスイッチ71と、8個の発光ダイオード72・・・とがプリント配線板73に実装されているものであり、ボディ6に収納される。このとき、回路基板7は、図7に示すように、一対の金具66,66の延設部661,661がプリント配線板73に取り付けられることにより、ボディ6の一対の端子部65,65(図1参照)と電気的に接続する。各押ボタンスイッチ70は、図1に示すように、押駆動がなされる押ボタン700を設け、親機1又は子機2(図2参照)のリレー(図示せず)のアドレスに対応付けたアドレスが個別に割り当てられ、押駆動により上記リレーの電気的な接続の開閉を切り替えるものである。上記回路基板7において、8個の押ボタンスイッチ70・・・は、ボディ6に収納されたときに、それぞれの押ボタン700への押駆動方向がボディ6の開口面6aと直交し、上記ボディ6の外側から内側方向(図1の左から右方向)となるように、プリント配線板73の右端に上下方向に並んで突設されている。また、8個の発光ダイオード72・・・は、矩形状であり、それぞれ押ボタンスイッチ70と対応するようにしてプリント配線板73の左端に上下方向に並んで配置されている。ロータリスイッチ71は、プリント配線板73の中央部に配置されている。
【0022】
カバー8は、例えば合成樹脂などにより、ボディ6の前面のうち取付片61,61の端部を除く部分を覆うことが可能な寸法に形成されている底部8aと、底部8aの長手方向(図1の上下方向)に沿う両側辺のそれぞれ後縁から後方(図1の右側)に延設されている一対の組立舌片80,80とを一体に備えている。上記カバー8は、各々の組立舌片80に係止孔80aを有し、上記係止孔80aにボディ6の係止突起60が係合することによってボディ6と嵌合して開口面6aを塞ぐものである。上記係止突起60と組立舌片80とを係合させる際に、係止突起60の端面に設けられているテーパ60aと組立舌片80の弾性とで容易に係合できるようになっている。また、カバー8は、ボディ6の長孔62,62に対応する部位に、U字状に切り欠いた切欠81,81を形成している。
【0023】
さらに、カバー8は、図3(a)に示すように、8個の操作ボタン83・・・を上下方向に並べて備えている。各操作ボタン83は、一部(図3(a)の左側)をカバー8の前面(図3(a)の手前の面)と段差(図5参照)を有して接合している取付部830と、図3(b)に示すように、取付部830の後面(図3(b)の右面)から突設されている駆動部831と、取付部830の前面(図3(b)の左面)から突設されている押操作部832とを一体に備えている。
【0024】
取付部830は、図3(a)に示すように、駆動部831(図3(b)参照)及び押操作部832の近傍の凹部830aにおいて、ゲート(図示せず)から直接、樹脂注入され、強度を高めるために予め決められた値以上の厚みを有するように形成され、押駆動方向(図3(a)の手前から奥方向)に移動自在となっている。上記より、操作ボタン83のヒケやカスレ、変形を低減することができるので、安定に製造することができる。また、取付部830は段差を有しているので、化粧カバー40に接触することなく移動させることができる。
【0025】
駆動部831は、図4に示すように、有底筒状に形成されているものであり、カバー8をボディ6(図1参照)に嵌合したときに、ボディ6に収納される回路基板7の押ボタンスイッチ70の押ボタン700(図1参照)を被せ、上記押ボタン700に対して押駆動する。
【0026】
押操作部832は、図3(a)に示すように、円筒状に形成されているものであり、押駆動方向(図3(a)の手前から奥方向)の押操作により駆動部831(図3(b)参照)を押ボタンスイッチ70の押ボタン700(図1参照)に押駆動をさせるものである。上記押操作部832は、図3(b)に示すように、押駆動方向と直交する方向(図3(b)の上下方向)において、駆動部831に対して偏位している。具体的には、8個の押操作部832・・・のうち、カバー8の中央付近にある押操作部832の偏位量は小さく、逆に、上下両端側にある押操作部832ほど、上記偏位量は大きくなっている。上記より、カバー8の上下方向において、押操作部832の間隔を駆動部831の間隔より広げることができる。すなわち、8個の押ボタンスイッチ70・・・の各押ボタン700(図1参照)の間隔より広げることができる。これにより、各押操作部832を操作しやすくなる。
【0027】
また、カバー8は、図3(a)に示すように、8個の矩形状の透孔82・・・を貫設している。各透孔82は、カバー8をボディ6(図1参照)に嵌合したときに、ボディ6に収納される回路基板7の発光ダイオード72(図1参照)を挿通させるものである。さらに、カバー8は、角形に凹んだ凹部84を中央部に設け、上記凹部84の底には挿通孔84aを貫設している。挿通孔84aは、カバー8をボディ6に嵌合したときに、ボディ6に収納される回路基板7のロータリスイッチ71の操作子710(図1参照)を挿通させるものである。また、図1に示すように、凹部84の底面には銘板85が貼り付けられ、銘板85の中央の孔を通して、回路基板7のロータリスイッチ71の操作子710が前方に突出する。上記銘板85には、操作子710の操作位置を示す目盛や、各目盛に切り替えたときに設定されるアドレスを示す数字(例えば「1〜8」、「9〜16」など)などが表示されている。
【0028】
化粧カバー40は、長手方向(図1の上下方向)及び短手方向(図1の左右方向)の寸法がカバー8と略同一の寸法で矩形板状に形成されているものであり、後面の左右両縁側には各一対の組立爪片(図示せず)を突設している。上記化粧カバー40は、各組立爪片をカバー8の取付孔86内に挿入し、各組立爪片の先端の爪を取付孔86の孔縁に係合させることによって、カバー8に着脱自在に取り付けられる。なお、化粧カバー40は、後面の下側縁に、外し溝(図示せず)を有している。化粧カバー40をカバー8から取り外す際には、上記外し溝内にマイナスドライバーのような工具の先端を挿入して工具をこじることで、組立爪片の爪と取付孔86との係合が外れるので、化粧カバー40をカバー8から容易に取り外すことができる。
【0029】
上記のような化粧カバー40は、カバー8の押操作部832・・・に対向する部位に各押操作部832をそれぞれ挿通させる8個の丸孔400・・・と、発光ダイオード72・・・に対向する部位に各発光ダイオード72の発光面をそれぞれ露出させる8個の透孔401・・・とを貫設している。また、化粧カバー40は、左右方向の中央部に、ネームカード(図示せず)が納装されるカード収納凹所402を設けている。そして、化粧カバー40の前面には、カード収納凹所402内にネームカードを収納した状態で可撓性を有する樹脂製の表銘板41が貼り付けられる。
【0030】
表銘板41は、メンブレンシートなど、化粧カバー40の前面と長手方向(図1の上下方向)及び短手方向(図1の左右方向)の寸法が略同一の薄板であり、前面に8個の押操作部41a・・・を備えている。また、表銘板41は、少なくとも化粧カバー40の透孔401に対応する部位と、ネームカード(図示せず)に対応する部位とに、それぞれ透明部位からなる透光部41b・・・,41c・・・を設けている。上記より、各透光部41b,41cを通して各々の発光ダイオード72の光やネームカードの表示が外部より視認可能となる。
【0031】
次に、本実施形態の操作スイッチ配線器具4の組立方法について図1を用いて説明する。先ず、8個の押ボタンスイッチ70・・・、ロータリスイッチ71及び8個の発光ダイオード72・・・が実装された回路基板7をボディ6に収納する。続いて、ボディ6の開口面6aにカバー8を被せて組立舌片80の係止孔80aに係止突起60を係合させて、ボディ6とカバー8とを結合する。このとき、回路基板7に実装された各押ボタンスイッチ70の押ボタン700にはカバー8に前後動自在に取着された駆動部831(図3(b)参照)が被せられ、発光ダイオード72・・・及びロータリスイッチ71の操作子710はカバー8の透孔82・・・及び挿通孔84aを通して前方に突出する。最後に、カード収納凹所402内にネームカード(図示せず)を収納した状態で、前面に表銘板41が取り付けられた化粧カバー40をカバー8の前面に被せて、化粧カバー40の組立爪片(図示せず)をカバー8の取付孔86に引掛係止させることで、化粧カバー40をカバー8の前面に取り付ける。このとき、表銘板41の押操作部41aを押すと、押操作部41aが凹むので表銘板41を介して押操作部832を押操作することができる。
【0032】
ここで、本実施形態の遠隔監視制御システムの動作について図2を用いて説明する。操作スイッチ配線器具4では、各押ボタンスイッチ70(図1参照)のアドレスを親機1又は子機2のリレーブロック11,21のアドレスに対応付けて設定することによって、各押ボタンスイッチ70の操作に応じて8個のリレーブロック11,21の開閉を制御することができる。本実施形態の遠隔監視制御システムでは、48個のリレーブロック11,21を8個ずつ6つのグループに分けて、1台の操作スイッチ配線器具4で1グループ分のリレーブロック11,21の操作を行う。最初に、48個のリレーブロック11,21に対して1から48までのアドレスの割り当てを行い、続いて、例えばアドレス番号が1〜8、9〜16、17〜24、25〜32、33〜40、41〜48のリレーブロック11,21をそれぞれ1つのグループにグループ分けをすることによって、アドレス番号に応じて6つのグループにグループ分けを行う。さらに、操作スイッチ配線器具4の8個の押ボタンスイッチ70・・・に対して連続したアドレスを昇順に割り当てる。最後に、ロータリスイッチ71の操作子710(図1参照)の回転位置に応じて先頭アドレスを1、9、17、25、33、41の6通りに切り替え、8個の押ボタンスイッチ70・・・のアドレスの組み合わせを1〜8、9〜16、・・・、41〜48の何れかに切替設定する。
【0033】
続いて、表銘板41の押操作部41a(図1参照)を押操作すると、表銘板41及び操作ボタン83(図1参照)を介して押ボタンスイッチ70(図1参照)が、監視データを付加した伝送信号を親機1に返送する。親機1は、受信した伝送信号に含まれるアドレスが親機1のリレーブロック11のアドレスと一致していれば、アドレスが一致したリレーブロック11の開閉を制御し、一致していなければ、各々の子機2に制御信号を送信し、各々の子機2が、対応するアドレスのリレーブロック21の開閉を制御する。その後、親機1から操作スイッチ配線器具4に、対応するリレーブロック11,21の制御状態が返送され、押操作された押ボタンスイッチ70に対応する発光ダイオード72(図1参照)を点灯又は消灯させて、リレーブロック11,21の開閉状態(すなわち負荷3のオン/オフ状態)を表示する。
【0034】
以上、本実施形態によれば、図3(b)に示すように、操作ボタン83の押操作部832を駆動部831に対して偏位して設けることができるので、押ボタンスイッチ70(図1参照)の位置に束縛されることなく、操作ボタン83の押操作部832の位置を用途やデザインに応じて自由に設計することができる。また、操作ボタン83のヒケやカスレ、変形を低減することができるので、安定に製造することができる。さらに、ボディ6の端子部65,65と回路基板7とを金具66で接続するので、容易に組み立てることができるとともに、断線を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による実施形態の操作スイッチ配線器具の分解斜視図である。
【図2】同上の遠隔監視制御システムの構成を示すブロック図である。
【図3】同上のカバーであって、(a)は正面図、(b)は(a)のA1−A2の断面図である。
【図4】同上のカバーの断面図である。
【図5】同上のカバーの斜視図である。
【図6】同上の金具の斜視図である。
【図7】同上の操作スイッチ配線器具の要部拡大図である。
【図8】従来の操作スイッチ配線器具におけるカバーであって、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0036】
6 ボディ
7 回路基板
70 押ボタンスイッチ
700 押ボタン
8 カバー
83 操作ボタン
830 取付部
832 押操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口面を有する箱状に形成されるボディと、
それぞれが、押駆動がなされる押ボタンを設け、前記押駆動により外部素子の電気的な接続の開閉を切り替え、前記押ボタンへの押駆動方向が前記開口面と直交し前記ボディの外側から内側方向となるように前記ボディに収納される複数の押ボタンスイッチと、
前記ボディと嵌合して前記開口面を塞ぐカバーと
を備えるとともに、
それぞれが、前記押ボタンに対して押駆動する駆動部と、及び前記押駆動方向の押操作により前記駆動部を前記押ボタンに押駆動をさせ、前記押駆動方向と直交する方向において前記駆動部に対して偏位する押操作部とを設け、前記カバーに取り付けられる複数の操作ボタンを備える
ことを特徴とする操作スイッチ配線器具。
【請求項2】
前記操作ボタンのそれぞれが、一部を前記カバーと接合し、残部を前記押駆動方向に移動自在とし、前記駆動部及び前記押操作部を突設し、ゲートから直接、樹脂注入されて形成された取付部を設けることを特徴とする請求項1記載の操作スイッチ配線器具。
【請求項3】
前記操作ボタンが、前記駆動部及び前記押操作部の近傍において、前記ゲートから直接、樹脂注入されて前記駆動部及び前記押操作部と一体に形成された取付部を設けることを特徴とする請求項2記載の操作スイッチ配線器具。
【請求項4】
前記操作ボタンのそれぞれが、一部を前記カバーと接合し、残部を前記押駆動方向に移動自在とし、前記駆動部及び前記押操作部を突設し、前記カバーと段差を有する取付部を設けることを特徴とする請求項1記載の操作スイッチ配線器具。
【請求項5】
前記押ボタンスイッチを突設して前記ボディに収納される回路基板と、
前記ボディに設けられ、前記外部素子と電気的に接続する端子部と、
前記端子部と前記回路基板とを電気的に接続する金具と
を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の操作スイッチ配線器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−302668(P2006−302668A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−122868(P2005−122868)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】