説明

操作パネルの表示装置、画像形成装置

【課題】設定操作画面等をデュアルビュー表示させることで、画面の視認性,操作性を向上させた操作パネルの表示装置、及び、当該操作パネルの表示装置を備えた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】デュアルビュー表示制御部114bは、認証処理が成功した場合に、表示モードをシングルビュー表示モードからデュアルビュー表示モードに切り替え、デュアルビュー表示モードによって、第1の操作画面及び第2の操作画面を液晶パネル111に同時表示できるように、液晶表示コントローラ115に指示をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネルの表示装置、特に、デュアルビュー表示が可能な液晶タッチパネルを備えた操作パネルの表示装置、及び、当該操作パネルの表示装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デュアルビュー表示が可能な液晶パネル(以下、デュアルビュー液晶と記す)は、例えば、表示画面に対して左側の視野角方向から視聴する視聴者のみが視認できる画像と、同左側の視野角方向から視聴する視聴者のみが視聴できる画像を一表示画面に、同時に表示することができる(特許文献1参照)。
【0003】
また、画像形成装置の表示部の表示領域を複数の領域に分割して、当該分割した表示領域に、各種パラメータの設定操作画面を表示させることにより、パラメータ設定時の操作性の向上を図った画像形成装置が特許文献2に開示されている。
【0004】
ここで、特許文献1に開示されたデュアルビュー表示の原理について図9を用いて説明する。
視野バリア101は、不透明領域(黒色部)で隔たれた透明スリットを多数有するフィルタであり、液晶パネル102を透過したバックライト(図示しない)からの光線を左右に分離する。
【0005】
図からも明らかなように、液晶パネル102の画素xを透過した光線は、視野バリア101の透明スリットを透過して液晶パネル102の表示面に対して図で右側の第1の視野角方向に位置する視聴者Xに到達する。同様に、液晶パネルの画素yを透過した光線は、視野バリア101の透明スリットを透過して液晶パネル102の表示面に対して図で左側の第2の視野角方向に位置する視聴者Yに到達する。
【0006】
そして、視野バリア101の透明スリットの幅や間隔に応じて、1画素ごと又は複数の画素ごとに、異なる画像データを液晶パネル102に出力すれば、視野バリア101により異なる画像をそれぞれ分離して表示することができる。
【特許文献1】特開2005−78076号公報
【特許文献2】特開2005−111828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2に開示されたように、表示領域を分割した画面を、画像形成装置の表示部に表示した場合、設定操作画面の表示面積が小さくなるため、設定操作画面全体の視認性、設定操作画面に表示されるアイコンの操作性が低下するという問題があった。
【0008】
例えば、図10に示したように、液晶パネル(表示画面)111を2つの表示領域に分割し、分割した1つの表示領域に設定操作画面121を表示し、分割した他の表示領域に前記設定操作画面を介して設定した設定データを確認するための確認画面122を表示させた場合には、前記設定操作画面121が小さくなるため、当該設定操作画面121のアイコンの視認性及び操作性が低下する。そして、前記確認画面122についても同様に視認性が低下する。
【0009】
また、画面を分割せずに、設定操作画面と確認画面とを切り替えることにより、確認画面を表示させて新たに設定した設定データを確認することもできるが、設定変更に伴う設定データの変化の様子をリアルタイムで確認することができないため、設定作業が効率的に行えない。しかも、設定変更のたびに、画面を切り替える必要があるため、設定作業に余計な操作が必要となり、設定作業の効率が低下してしまう。
【0010】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、設定操作画面等をデュアルビュー表示させることで、画面の視認性,操作性を向上させた操作パネルの表示装置、及び、当該操作パネルの表示装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の技術手段は、操作情報、設定情報等を入力する操作パネルの表示装置であって、前記表示装置は、第1及び第2の視野角方向に対しそれぞれ個別の画像を同時に表示可能なデュアルビュー液晶表示装置であり、初期画面及び操作情報の入力画面を前記両視野角方向に共通に表示し、認証手段による認証に基づいて設定操作画面に移行し、第1の操作画面と第2の操作画面をそれぞれ前記第1の視野角方向、第2の視野角方向に対応させて表示することを特徴とする操作パネルの表示装置である。
【0012】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記第1の操作画面に設定情報の入力画面を表示し、前記第2の操作画面に前記初期画面を表示することを特徴とする。
【0013】
第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記第2の操作画面に前記第1の操作画面から入力された設定情報による設定結果に関連する情報を表示することを特徴とする。
【0014】
第4の技術手段は、第2又は第3の技術手段において、前記第1の操作画面を表示する視野角は、前記第2の操作画面を表示する視野角より小さいことを特徴とする。
【0015】
第5の技術手段は、第1〜第4のいずれかの技術手段において、設定操作の解除により前記初期画面を表示することを特徴とする。
【0016】
第6の技術手段は、第1〜第5のいずれかの技術手段の操作パネルの表示装置は、前記視野角方向に傾動可能である。
【0017】
第7の技術手段は、第1〜第6のいずれかの技術手段の操作パネルの表示装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、表示領域を狭めることなく2つの設定操作画面を同時に表示することができるので、各種機能設定時の視認性、及び、操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、例えばテンキー等の操作に係る操作情報,印刷枚数の設定等に係る設定情報の入力を行う操作パネルの表示装置が搭載される装置、例えば、画像形成装置の外観図であり、画像形成装置1は、複写装置,ファクシミリ装置,プリンタ装置,スキャナ装置等、いずれか2以上の機能を有し、画像形成装置1の起動時又は起動後に一般利用者のために表示される初期画面,前記操作情報及び設定情報の入力画面や各種パラメータを設定するための設定操作画面等を表示する表示装置11及びテンキー等から構成される操作キー12等を有する操作パネル13を備えている。
【0020】
なお、表示装置11は、符号Rに示す表示装置11の表示部に対して第1の視野角方向(右側)に対し、及び、符号Lに示す表示装置11の表示部に対して第2の視野角方向(左側)に対し、それぞれ個別の画像を同時に表示可能なデュアルビュー液晶表示装置である。
【0021】
図2は、操作パネル13の外観図であり、51は表示装置11の表示部11aに表示される前記初期画面、12aは画像形成装置1を操作するためのテンキーである。
【0022】
なお、操作キー12は、操作パネル13の必須構成要素ではなく、操作キー12を備えない操作パネルであってもよい。
【0023】
前述した表示装置11は、シングルビュー表示モードとデュアルビュー表示モードとを切り替え可能なデュアルビュー液晶表示装置であり、図示例では、シングルビュー表示モードによって初期画面51が表示されている。
【0024】
ここで、シングルビュー表示モードとは、表示部11aに対して左右上下等の全視野角方向に同一画像を共通に表示する表示モードを意味する。
【0025】
また、デュアルビュー表示モードとは、表示部11aに対して第1の視野角方向(図1の符号Rを参照)及び第2の視野角方向(図1の符号Lを参照)にそれぞれ個別の画像を同時に表示可能な表示モードを意味する。なお、図1では、第1の視野角方向は表示装置11の表示部11aに対して右側を示し、第2の視野角方向は同表示部11aに対して左側を示しているが、各方向がそれぞれ同上側及び同下側であってもよい。
【0026】
本発明では、後述するように、認証手段による認証に基づいて、表示モードをシングルビュー表示モードからデュアルビュー表示モードに切り替え、各種パラメータの設定操作画面を表示装置11の表示部11aに表示する。
【0027】
図3は、画像形成装置1のブロック構成図の一例である。
図3に示したように、画像形成装置1は、通信ネットワークを介して外部装置と接続される。図示例では、画像形成装置1は、LAN2又はインターネット4を介してPC等の情報処理装置3と、インターネット4を介してファクシミリ装置5と、電話回線網6を介してファクシミリ装置5と接続され、各装置間で、画像データ等の各種データの送受信が可能となっている。
【0028】
画像形成装置1は、表示装置11とテンキー等から構成される操作キー12を備えた操作パネル13、原稿を読み取る原稿読取部14、原稿読取部14にて読み取った原稿を印刷する画像形成部15、各種データを記録する、HDD(Hard Disk Drive)16、ファクシミリ装置5との通信処理を行うFAXモデム17、情報処理装置3,ファクシミリ装置5との通信処理を行うNIC(Network Interface Card)18、各機能ブロックを制御する装置制御部19等から構成される。
【0029】
原稿読取部14は、プラテンガラス(図示しない)に載せられた原稿、または、自動原稿送り装置(図示しない)を用いて搬送される原稿を画像データとして取り込むためのCCD14aや前記自動原稿送り装置にセットされた原稿を検知する原稿検知センサ14b等を備え、読み取った原稿から原稿画像データを生成し、画像形成部15に出力する。
【0030】
画像形成部15は、原稿読取部14が出力した原稿画像データをメモリ15aに一時的に記憶し、記憶した原稿画像データを印字部(LSU)15bにて印刷する。なお、メモリ15aに一時的に記憶した原稿画像データを圧縮してHDD16に記録し、当該記録した原稿画像データを伸張して、メモリ15aに戻し、印字部15bにて印刷してもよい。
【0031】
HDD16は、各種データ、例えば、前述した初期画面51等のOSDデータ、原稿読取部14で読み取った原稿画像データや情報処理装置3,ファクシミリ装置5から受信したデータを記録する。
【0032】
FAXモデム17は、電話回線網6に対してのインターフェイス機能を提供し、ファクシミリ装置5との通信処理を行う。
NIC18は、LAN2に対してのインターフェイス機能を提供し、情報処理装置3,ファクシミリ装置5との通信処理を行う。
装置制御部19は、装置全体の制御を行う。
【0033】
図4は、操作パネル13のブロック構成図の一例であり、操作パネル13は、前述の表示装置11及び操作キー12から構成されている。
111は液晶パネルである。液晶パネル111は、前述した視野バリア(図示しない)を備えたデュアルビュー画面を表示可能な液晶パネルである。同パネル111は、図示しない2つの基板の間に注入されている異方性誘電率を有する液晶層を有し、その液晶層に印加される電界の強さに応じてバックライト(図示しない)からの光の量を調整し画像を表示させる。
【0034】
液晶パネル111にデュアルビュー表示を行なわせるためには、例えば、図9で説明したように、液晶パネル111の各画素を、液晶パネル111の表示面に対して第1の視野角方向に画像を表示できるように及び同表示面に対して第2の視野角方向に画像を表示できるように駆動すればよく、その手法は、既に提案されている様々な手法を採用することができる。
【0035】
なお、液晶パネル111にシングルビュー表示を行なわせるためには、例えば図9の画素xと画素yとが同じ画素値になるように、各画素を駆動すればよく、その手法は、既に提案されている様々な手法を採用することができる。
【0036】
112はタッチパネルである。タッチパネル112は、液晶パネル111の全面に設けられ、利用者が同パネル112に指等の導電体を接触させると、同パネル112内において静電容量結合が起こり、電流が流れ、タッチ位置検出部113は、当該電流を測定することにより、利用者がタッチパネル112上にタッチした位置の座標値(タッチ座標値)を算出し、表示装置制御部114へ出力する。表示装置制御部114は、入力されたタッチ座標値により、利用者がタッチした位置を認識することができる。なお、液晶パネル111及びタッチパネル112から表示装置11の表示部11a(図2参照)が構成される。
【0037】
表示装置制御部114は、OSDデータ出力部116Rが出力した、第1の視野角方向に表示するOSDデータと、HDD16に記録されている、第1の視野角方向に表示するOSDのアイコンに係る表示情報や動作情報を含むアイコンデータとを重畳し、重畳したOSDデータを液晶表示コントローラ115に出力する。なお、表示情報とは、当該アイコンの表示位置,形状等の情報、また、動作情報とは、当該アイコンの操作により実行される動作内容(印刷枚数の設定、印刷処理の実行)の情報を意味する。
【0038】
同様に、表示装置制御部114は、OSDデータ出力部116Lが出力した、第2の視野角方向に表示するOSDデータと、HDD16に記録されている、第2の視野角方向に表示するOSDのアイコンに係る表示情報や動作情報を含むアイコンデータとを重畳し、重畳したOSDデータを液晶表示コントローラ115に出力する。
なお、表示装置制御部114の認証部114a及びデュアルビュー表示制御部114bについては後述する。
【0039】
液晶表示コントローラ115は、表示装置制御部114が出力した第1の視野角方向に表示するOSDデータと第2の視野角方向に表示するOSDデータとが、デュアルビュー表示されるように、所定の処理を各OSDデータに施して、液晶パネル111に出力し、同パネル111の各画素を駆動する。この際、液晶表示コントローラ115は、液晶パネル111の表示動作を制御するために必要な制御信号も合わせて出力する。
なお、液晶表示コントローラ115は、OSDデータをシングルビュー表示できるように、液晶パネル111の各画素を駆動することができる。
【0040】
OSDデータ出力部116Rは、第1の視野角方向に表示するOSDデータをHDD16から取り込み表示装置制御部114に出力する。
OSDデータ出力部116Lは、第2の視野角方向に表示するOSDデータをHDD16から取り込み表示装置制御部114に出力する。
【0041】
ここで、認証部114a及びデュアルビュー表示制御部114bについて説明する。
認証部114aは、パスワード認証,生体認証等様々な認証方法により認証処理を実行する認証手段であり、認証結果をデュアルビュー表示制御部114bに出力する。
【0042】
デュアルビュー表示制御部114bは、認証処理が成功した場合に、表示モードをシングルビュー表示モードからデュアルビュー表示モードに切り替え、デュアルビュー表示モードによって、第1の操作画面を液晶パネル111に対して第1の視野角方向に、及び、第2の操作画面を液晶パネル111に対して第2の視野角方向に同パネル111に同時表示できるように、液晶表示コントローラ115に指示をする。
【0043】
当該指示を受けた液晶表示コントローラ115は、表示モードをシングルビュー表示モードからデュアルビュー表示モードに切り替え、デュアルビュー表示モードによって、後述するように、第1の操作画面として、設定操作画面(設定情報の入力画面)、例えば、パラメータの設定操作画面を液晶パネル111に表示することができる。そして、第2の操作画面として、例えば、図2の符号51に示した初期画面を同パネル111に表示することができる。
【0044】
また、第1の操作画面として、前記設定操作画面を表示し、第2の操作画面として、前記設定操作画面から入力されたパラメータ等の設定情報による設定結果に関連する情報(パラメータ設定を反映した情報)を確認するための確認画面を表示することもできる。
【0045】
さらに、デュアルビュー表示モードによる各種設定処理が終了したら、すなわち、設定操作の解除により、デュアルビュー表示モードからシングルビュー表示モードに切り替え、前記初期画面を表示することもできる。
【0046】
ここで、図5を用いてシングルビュー表示モードにより表示された初期画面から設定操作画面に至る画面遷移の一例を説明し、図6を用いてデュアルビュー表示モードにより表示された設定操作画面の画面遷移の一例を説明する。
【0047】
画像形成装置1の設定処理を行う権限を有するサービスマンが、図5A(a)に示す、表示装置11の液晶パネル111に表示された初期画面51の特別機能アイコン51aを押すと、図5A(b)に示すユーザ設定操作画面52が同パネル111に表示される。
なお、この表示モードは、シングルビュー表示モードであり、サービスマンは、シングルビュー表示モードによって表示される画面を見るため表示装置11の正面に位置しているものとする。
【0048】
サービスマンが、ユーザ設定操作画面52のサービスプログラムアイコン52aを押すと、図5B(c)に示す、ユーザ認証を行うためのサービスコード入力画面53が液晶パネル111に表示される。
なお、サービスコード入力画面53は、「サービスプログラム」に係る処理では、画像形成装置1の各種設定処理を行うので、一般利用者による誤設定を防止するためのユーザ認証をするための画面である。
【0049】
そして、サービスマンが、サービスコード入力画面53のサービスコード入力ボックス53aにテンキー12a等を介して、図5B(d)に示すように、サービスコードを入力し、入力したサービスコードが正しい場合(ユーザ認証が成功)、後述の図6に示すように、表示モードをシングルビュー表示モードからデュアルビュー表示モードに切り替え、デュアルビュー表示モードによって、第1の操作画面及び第2の操作画面を表示する。
【0050】
なお、表示モード切り替えの際には、利用者(サービスマン)に対して、デュアルビュー表示される画面を見ることができる位置、すなわち、第1の視野角方向又は第2の視野角方向に移動するように案内する案内画面を表示することが好ましい。なお、本実施例では、第1の視野角方向(右側)に移動するように案内するものとする。
【0051】
図6は、デュアルビュー表示モードによる表示された画面がサービスマンの操作により遷移する様子を説明するための図である。
【0052】
図5で説明したように、表示モードがシングルビュー表示モードからデュアルビュー表示モードに切り替わると、デュアルビュー表示モードによって、第1の操作画面、及び、第2の操作画面を同時に表示する。
【0053】
例えば、図6(a)に示すように、図5B(d)で説明したユーザ認証処理が終了すると、サービスマン等の利用者に表示するシュミレーションコード入力画面54(第1の操作画面)、及び、一般利用者に表示する初期画面51(第2の操作画面)を液晶パネル111に同時表示する。
【0054】
そして、画像形成装置1の表示装置11に対して正面に位置していたサービスマンは、前記案内画面の指示に従って、同表示装置11の液晶パネル111に対して右側(第1の視野角方向)に移動して、シュミレーションコード入力画面54のシュミレーションコード入力ボックス54aに、シュミレーションコード、例えば29−01を入力する。
【0055】
すると、図6(b)に示すように、第1の操作画面として、例えばカラーバランス設定操作画面55、第2の操作画面として、カラーバランス設定操作画面55を介して設定したカラーバランスを確認するカラーバランス確認画面56を液晶パネル111に同時表示する。
【0056】
つまり、第1の視野角方向に表示される設定操作画面(第1の操作画面)、及び、当該設定操作画面から入力された設定情報による設定結果に関連する情報を表示する確認画面(第2の操作画面)を同時にデュアルビュー表示させることができる。
なお、サービスマンが当該確認画面(第2の操作画面)を見るためには、第2の視野角方向に移動すればよい。
【0057】
このようにすることで、視認性,操作性を低下させることなく、サービスマンは、第1の視野角方向に表示された設定操作画面にて各種設定処理をしながら、当該設定処理により設定した設定情報による設定結果に関連する情報を確認画面にてリアルタイムで確認することができる。
【0058】
また、同様に、サービスマンが設定操作画面にて各種設定処理をしながら、確認画面を一般利用者に見せることもできるので、設定操作時における利便性が向上する。
【0059】
図7は、図5及び図6に示したように、操作画面をデュアルビュー表示する処理を説明するためのフロー図である。
図5A(a)の初期画面51が表示されている状態から(ステップS1)、図5で説明したように、サービスコードの入力によるユーザ認証を行うと(ステップS2)、認証部114aが入力されたサービスコードと画像形成装置1のHDD16に記録されている認証用サービスコードが一致するか否かを判定、すなわち、ユーザ認証が成功したか否かを判定する(ステップS3)。
【0060】
ユーザ認証が成功した場合には(ステップS3/YES)、デュアルビュー表示制御部114bは、表示モードをシングルビュー表示モードからデュアルビュー表示モードに切り替え、デュアルビュー表示モードによって、第1の操作画面及び第2の操作画面を液晶パネル111に同時に表示するように、液晶表示コントローラ115に指示する(ステップS4)。
【0061】
デュアルビュー表示制御部114bからの指示を受けた液晶表示コントローラ115は、表示モードをシングルビュー表示モードからデュアルビュー表示モードに切り替え、例えば、図6で示した、第1の操作画面及び第2の操作画面を表示するように液晶パネル111の各画素を駆動する(ステップS5)。
【0062】
サービスマンが、各種設定処理を終了させると(ステップS6/YES)、デュアルビュー表示制御部114bは、デュアルビュー表示モードからシングルビュー表示モードに切り替えて、シングルビュー表示モードによって液晶パネル111上に初期画面51を表示するように、液晶表示コントローラ115に指示する(ステップS7)。
【0063】
当該指示を受けた液晶表示コントローラ115は、初期画面51をシングルビュー表示できるように液晶パネル111の各画素を駆動し、初期画面51を表示する(ステップS8)。
【0064】
なお、ユーザ認証が失敗した場合には(ステップS3/NO)、初期画面51を再表示する(ステップS9)。
【0065】
また、図8に示すように、液晶パネル111の傾きを、視野角方向に変化させることもできる。図8は表示装置11及び液晶パネル111の断面図である。
利用者は、図8(a)〜図8(c)で示したように液晶パネル111の傾きを変えることで最適な角度に視野角を調整できるので、液晶パネル111の視認性がより向上する。
【0066】
さらに、第1の操作画面を表示する視野角(第1の視野角方向)を、第2の操作画面を表示する視野角(第2の視野角方向)より小さくすることもできる。例えば、サービスマンが第2の視野角方向にいる顧客に説明しながら設定作業を行う場合に、顧客側の視野角を大きくして顧客に設定結果の画面を見やすくする場合などに好適である。
【0067】
なお、本実施例では、第1の視野角方向に第1の操作画面を表示したが、第1の視野角方向に第2の操作画面を表示してもよく、逆もまた同様である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】画像形成装置の外観図である。
【図2】操作パネルの外観図である。
【図3】画像形成装置のブロック構成図の一例である。
【図4】操作パネルのブロック構成図の一例である。
【図5A】シングルビュー表示モードにより表示された設定操作画面の画面遷移の一例を説明するための第1の図である。
【図5B】シングルビュー表示モードにより表示された設定操作画面の画面遷移の一例を説明するための第2の図である。
【図6】デュアルビュー表示モードにより表示された設定操作画面の画面遷移の一例を説明するための図である。
【図7】表示モードを切り替える処理を説明するためのフロー図である。
【図8】液晶パネルの傾きの変化の様子を説明するための図である。
【図9】デュアルビュー表示の原理について説明するための図である。
【図10】表示領域を分割して設定操作画面を表示した例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0069】
1…画像形成装置、2…LAN、3…情報処理装置、4…インターネット、5…ファクシミリ装置、6…電話回線網、11…表示装置、12…操作キー、13…操作パネル、14…原稿読取部、15…画像形成部、16…HDD、17…FAXモデム、18…NIC、19…装置制御部、101…視野バリア、102…液晶パネル、111…液晶パネル、112…タッチパネル、113…タッチ位置検出部、114…表示装置制御部、114a…認証部、114b…デュアルビュー表示制御部、115…液晶表示コントローラ、116R,116L…OSDデータ出力部、51…初期画面、52…ユーザ設定操作画面、53…サービスコード入力画面、54…シュミレーションコード入力画面、55…カラーバランス設定操作画面、56…カラーバランス確認画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作情報、設定情報等を入力する操作パネルの表示装置であって、
前記表示装置は、第1及び第2の視野角方向に対しそれぞれ個別の画像を同時に表示可能なデュアルビュー液晶表示装置であり、初期画面及び操作情報の入力画面を前記両視野角方向に共通に表示し、
認証手段による認証に基づいて設定操作画面に移行し、第1の操作画面と第2の操作画面をそれぞれ前記第1の視野角方向、第2の視野角方向に対応させて表示することを特徴とする操作パネルの表示装置。
【請求項2】
前記第1の操作画面に設定情報の入力画面を表示し、前記第2の操作画面に前記初期画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の操作パネルの表示装置。
【請求項3】
前記第2の操作画面に前記第1の操作画面から入力された設定情報による設定結果に関連する情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の操作パネルの表示装置。
【請求項4】
前記第1の操作画面を表示する視野角は、前記第2の操作画面を表示する視野角より小さいことを特徴とする請求項2又は3に記載の操作パネルの表示装置。
【請求項5】
設定操作の解除により前記初期画面を表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の操作パネルの表示装置。
【請求項6】
前記視野角方向に傾動可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の操作パネルの表示装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の操作パネルの表示装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−256910(P2008−256910A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−98389(P2007−98389)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】