説明

放射線不透過性分散による金属射出成形物品

【課題】金属射出成形物品の利益と高い放射線不透過性の利益を結合すると同時に、先行技術に関連する問題点を克服する金属射出成形物品及び金属射出成形物品製造方法を提供する。
【解決手段】金属射出成形物品製造方法は、金属粉末とバインダーを混合して混合物を形成する工程を含む。金属粉末は、バルク材料と、少なくとも一つの放射線不透過性材料とを含む。該混合物は、型内に射出され、グリーンパートへと処理される。グリーンパートは、バインダーが除去されてブラウンパートを形成する。ブラウンパートは焼結され、完成物品(10)を作り出す。該完成物品は、バルク材料を含む合金(12)と、該合金から実質的に独立した少なくとも一つの放射線不透過材料(14)の分散とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示される材料及び方法は、金属射出成形物品、及び放射線不透過性分散を有する金属射出成形物品に関する。
【背景技術】
【0002】
金属射出成形(「MIM」)は、農業、自動車、事務機器、食品及び飲料、ハードウェア、医療、小型電気器具、及びスポーツ用品等の産業で長年実施されている。MIMは、これらの産業並びに他の産業に対し、鍛造、スタンピング、鋳造、及び機械加工法によって製造される物品に匹敵する強さを有する物品を提供すると同時に、費用効率が高い態様で大量の物品を製造する能力を提供する。MIMの更なる利点は、入り組んだ形状の物品を作り出す能力、精密許容差で物品を作り出す能力、及び、一つの型における複数の構成要素により物品を作り出し、これにより組立コストを削減する能力を含む。
【0003】
金属射出成形に一般的に使用される材料のため、MIM物品は、一般に、低い放射線不透過性を有し、これは、多くの用途で問題を提起する。低放射線不透過性は、物品が医療デバイス(医療用具/医療機器)である場合、更に詳しくは、物品が患者に移植されるか又は患者内で使用されることを企図した医療デバイスである場合、特に懸念される。低放射線不透過性の医療デバイスが患者内に配置された場合、X線透視法等の画像技術により該機器を見ることは難しい。その結果、適切な配置及び/又は位置合わせを容易には確認できない。
【0004】
この問題を克服するための試みがなされている。例えば、医療デバイスに放射線不透過性マーカーを取り付けることが一般的に行われている。該マーカーは、一般に、イリジウム、白金、金及びタンタル等の材料から成る。該マーカーは、それらの寸法及び組成のため、電食を引き起こし得る。マーカーの別の欠点は、これらが一般に医療デバイスと一体ではない点である。従って、該マーカーは、医療デバイスから不注意に外れるか、さもなければ、医療デバイスの性能及び/又は配置を妨げ得る。マーカーの更に別の欠点は、これらが、一般に、医療デバイスの全表面と同一の広がりを持たない点である。その結果、X線透視法等の画像技術は、医療デバイスの一部のみを示すこととなる。
【0005】
医療デバイスに放射線不透過性材料をコーティング又はめっきすることも一般に行われている。その結果として生じる放射線不透過性被覆又はめっき医療デバイスは、放射線不透過性マーカー付き医療デバイスと同様の不利益、すなわち、電食、医療デバイスの性能の障害、医療デバイスの配置の障害、及び、コーティング又はめっきの不注意な分離を煩う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
金属射出成形物品の利益と高い放射線不透過性の利益を結合すると同時に、先行技術に関連する問題点を克服する物品が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、合金と該合金から実質的に独立した少なくとも一つの放射線不透過性材料とを含有する金属射出成形物品を含む。
【0008】
本発明の別の実施形態は、金属射出成形物品を製造する方法を含む。該方法は、金属粉末とバインダーを混合して混合物を形成する工程を含む。金属粉末は、バルク材料と少なくとも一つの放射線不透過性材料とを含む。該混合物は、型内に射出され、グリーンパートへと処理される。グリーンパートは、バインダーが除去されてブラウンパートを形成する。ブラウンパートは焼結され、完成物品を作り出す。該完成物品は、バルク材料を含む合金と、該合金から実質的に独立した少なくとも一つの放射線不透過性材料とを含む。
【0009】
本発明の更なる実施形態において、完成物品は合金からなり、該合金は、バルク材料と、合金に溶かされた少なくとも一つの放射線不透過性材料とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、金属射出成形物品を製造する方法を含む。この方法は、金属粉末とバインダーを混合して混合物を形成する工程を含む。金属粉末は、バルク材料と少なくとも一つの放射線不透過性材料とを含む。該混合物は型内に射出され、グリーン(生/未加工)パート(green part)へと処理される。該グリーンパートは、バインダーが除去されてブラウンパート(brown part)を形成する。このバインダー除去は、型からバインダーの実質的な(かなりの)部分を取り去ることを含む。ブラウンパートは焼結され、完成物品を作り出す。この完成物品は、バルク材料からなる金属合金を含む。該完成物品はまた、合金から実質的に独立した、少なくとも一つの放射線不透過性材料の分散を含む。
【0011】
バルク材料は、金属射出成形に適した任意の金属の粉末であり得る。好ましくは、バルク材料は微細金属粉末を含む。より好ましくは、バルク材料は、50ミクロン未満の直径を有する微細金属粉末を含む。最も好ましくは、バルク材料は、25ミクロン未満の直径を有する微細金属粉末を含む。
【0012】
バルク材料は、好ましくは、種々の金属及び合金を形成することができる粉末を含む。より好ましくは、バルク材料は、医療産業に適した任意の金属及び合金を形成することができる粉末を含み得る。例えば、バルク材料は、次の医用金属及び合金、すなわち、ASTM F899に準拠した304ステンレス鋼、ASTM F899及びASTM F138に準拠した316Lステンレス鋼、ASTM F67に準拠した商業的に(商品化、製品化又は工業化という視点から見て)純粋なTi、ASTM F1472に準拠したTi 6Al 4V、ASTM F136に準拠したTi 6Al 4V ELI、ASTM F2063に準拠したニチノール、ASTM F75に準拠したコバルト・クロム・モリブデン、及び/又はこれらの組合せを形成することができる粉末を含み得る。
【0013】
バルク材料は、移植可能なオーステナイト系ステンレス鋼合金(例えば、ASTM Fl38に準拠した316Lステンレス鋼)を形成することができる粉末を含み得る。バルク材料から形成されるオーストナイト系合金は、一般に、優れた耐食性及び伸長性を有し、容易に溶接することができる。一般に、そのような合金は、耐食性が強度又は耐摩耗性よりも重要な場合に用いられる。
【0014】
バルク材料は、析出硬化ステンレス鋼合金(例えば、ASTM F899に準拠した17−4PHステンレス鋼)を形成することができる粉末を含み得る。この材料は、耐食性と強度との間の良好なバランスを呈示する。強度及び硬度は、材料が焼結後に熱処理される温度を調整することにより変更可能である。析出硬化合金は、一般に、400系ステンレス鋼よりも優れた耐食性及び300系ステンレス鋼よりも高い強度を与える。
【0015】
バルク材料は、マルテンサイト系ステンレス鋼(例えば、ASTM F899に準拠した440C)を形成することができる粉末を含み得る。この材料は、耐食性をいくらか妥協したステンレス鋼の内、最高の硬度及び強度を呈示する。
【0016】
バルク材料は、低合金鋼、炭素、ニッケル及びモリブデンの組合せを含み得る。この組合せは、強度、硬度及び耐摩耗性等の種々の特性に融通性(自由度)を与える非医療用途に対して多目的で経済的な材料を提供する。該材料は、付加的な耐食性のためにめっき又はコーティングされ得る。
【0017】
放射線不透過性材料は、画像診療に一般的に用いられるX線又は他種の放射線の透過を妨げる任意の材料であり得る。放射線不透過性材料が完成物品中に存在する場合、これは、放射線不透過性材料が存在する該完成物品の放射線の透過を本質的に阻止する。放射線の遮断は、多くの分野、特に医療デバイスの分野で有利である。(医療デバイスの)構造用部材と一体の放射線不透過性材料を有する医療デバイスでは、X線透視法等の画像技術によって見た場合、該デバイスを目視することができる。
【0018】
放射線不透過性材料は、好ましくは、少なくとも一つの元素(成分)及び/又は少なくとも一つの合金からなる。放射線不透過性材料が少なくと一つの元素からなる場合、好ましくは、該一つ又は複数の元素は、イリジウム、白金、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムからなる群から選択される。
【0019】
バインダーは、金属射出成形にバインダーとして一般的に用いられる任意の材料を含み得る。バインダーは、好ましくはポリマーバインダーである。バインダーはまた、二つ以上の高分子材料の組合せであり得る。
【0020】
バルク材料、放射線不透過性材料及びバインダーは共に混合されて混合物を形成する。好ましくは、該混合物は、比較的低い温度及び圧力で流動性を有する。流動性混合物は、該混合物が型のすべての隙間及び小寸法の特徴部分を埋めることを可能にする。
【0021】
バインダー、バルク材料、及び少なくとも一つの放射線不透過性材料は、慣用の混合装置を用いて混合される。これら材料が混合される温度は変化し得る。
【0022】
該混合物は型内に射出される。一般に、該混合物は、射出成形機で射出される。射出成形機は当業界に知られており、一般に、100トン未満から数百トンの力を型にかけることができる。該型は、一般に、型から取り去る前に流動性混合物を固めるため、内部冷却通路付きで構成される。型キャビティは、バインダー除去後に生じる収縮に対処するため、一般に、望ましい完成品の型キャビティよりも大きい。型構造は、剛性又は可撓性の材料であり得る。型は、一般に、成形プロセス時に空気が型から脱出することを可能にする通気孔又はブリーダーラインを含む。あるいは、型は、空気が型から脱出することを可能にする多孔性金属又はセラミックインサートを含み得る。
【0023】
混合物が型内に射出された後、該混合物は処理される。混合物の処理は、圧力を型/混合物に加えてグリーンパートを形成することを含む。適用する圧力は、一般に、約10〜12ksi(68.95×106〜83.82×106Pa)である。
【0024】
成形後、グリーンパートは型から取り去られ、最初のバインダー除去工程が行われ得る。最初のバインダー除去中、バインダーのいくらかはグリーンパートから除去され、ブラウンパートを作り出す。バインダーは、一般に低温熱処理によりグリーンパートを加熱することによって除去され得る。グリーンパートが加熱される際、バインダーの一部が溶融し、分解し、及び/又は蒸発する。バインダーはまた、溶剤抽出もしくは水抽出により、又は加熱及び溶剤抽出の組合せにより除去され得る。
【0025】
最初のバインダー除去後、ブラウンパートは、熱的にバインダーが除去され焼結されて、完成物品を作り出す。焼結は、粉末が互いに付着し、これにより、そのキャスト(鋳物)の金属又は鍛造フォームと同じか又はそれに近い機械的性質を有する実質的に固形を形成するまで、金属粉末を加熱するプロセスである。焼結は、ブラウンパートを、該パートの融点に近いが該融点を超えない温度まで加熱する工程を含み得る。放射線不透過性材料が、バルク材料によって形成される合金から一般に独立したままであることが望ましい場合、放射線不透過性材料は、バルク材料における溶解性(溶解度)が制限されるように選択される。
【0026】
好ましくは、焼結温度は、バルク材料の融点よりも約20℃〜約100℃低い。この温度は、次いで、設定時間保たれる。これらの条件下、粒子間融解及び実質的拡散が生じ得、これにより、間隙空間を除去し、材料密度を実質的に固体にする。放射線不透過性材料が、バルク材料によって形成される合金から一般に独立したままであることが望ましい場合、焼結温度及び焼結時間の長さは、放射線不透過性材料の拡散を制限するように制限される。特定の時間及び温度は、バルク材料、放射線不透過性材料その他に依存する。
【0027】
完全な個化(すなわち、濃度(密度)100%)が望ましいが、一般には起こらない。好ましくは、完成物品の濃度は、理論上少なくとも95%である。より好ましくは、完成物品の濃度は理論上97%である。これらの濃度測定パーセンテージは、物品の理論濃度に基づく。
【0028】
焼結工程中、ブラウンパートは、間隙空間の寸法が減少するため、一般に縮む。この収縮は、一般に、完成物品を、これが作られるグリーンパートよりも約10%〜約30%小さくする。更に詳しくは、完成物品は、グリーンパートよりも約20%小さい。収縮量は、特定部分に対する型の設計/選択時に考慮されるべきである。
【0029】
本発明の別の実施形態において、少なくとも一つの放射線不透過性材料は、バルク材料と共に合金を形成する。放射線不透過性材料の合金化は、放射線不透過性材料の長期の拡散を確実にするため、ブラウンパートを、十分な時間ある温度に露出することにより、焼結プロセス中に成し遂げられ得る。
【0030】
図1に示すように、本発明の方法によって製造された物品は、移植可能な医療デバイス10である。デバイス10は、金属合金12と、該合金から実質的に独立した少なくとも一つの放射線不透過性材料14の分散とを含む。放射線不透過性材料14の分散は、合金12の全体にわたって均質に散らばらせられる。図1Aは、均質分散を示すためにデバイス10の一部を誇張したスケールで示す。この誇張スケールは、単に例示目的で提示される。好ましくは、放射線不透過性材料14の分散は、肉眼では見ることができない。
【0031】
あるいは、分散14は、物品上の特定の位置に配置され得る。例えば、分散14は、(図2に示すように)物品の端部16、18のみで合金と均質に混合され得る。分散は、(図3に示すように)物品の全長にわたる(複数の)縦線のみに沿って合金と均質に混合され得る。分散は、(図4に示すように)物品の周囲にわたる(複数の)横線のみに沿って合金と均質に混合され得る。分散14に対する別の配向は、放射線不透過性材料が個別的な位置(例えば物品の端部)においてのみ合金と混合するように型を構成することにより実現され得る。図2〜4は、肉眼で見ることができるように放射線不透過性材料14の分散を例示するが、これは、単に例示目的で行われる。好ましくは、放射線不透過性材料14の分散は、肉眼では見ることができない。
【0032】
物品は、移植可能な医療デバイスとして示されるが、これに限定されない。物品は、ここに記述した構成要素を有するどのような構造のすべて又は単なる一部でもあり得る。物品は、アクチュエータ、自動車部品、携帯電話、歯科用器具、電気コネクタ、電子ヒートシンク、密封パッケージ、光ファイバーコネクタ、ハードディスクドライブ、油圧パイプカップリング、製薬装置、パワーハンドツール、及びスポーツ用品を含む(これらに限定されない)製品のすべて又は一部であり得る。該物品は、これが、例えば、捕捉器具、解剖器具、及び手術器具エンドエフェクター等の腹腔鏡部品の形態であり得る医療分野において特に有利である。好ましくは、該物品は、次のものを含む医療デバイスのような医療分野で使用される。すなわち、該医療デバイスは、ステント、接ぎ木(例えば、大動脈の接ぎ木)、人工心臓弁、脳脊髄液分路、ペースメーカー部品、アキシアス冠状分路、カテーテル、生検切断及び修復用品、大動脈フィルター、髄内くぎ及びねじ等の再生インプラント、固定プレート及びアンカー、膝、腰及び肩部品等の整形外科インプラント、脊柱人工器官、及び歯科インプラントを含むが、これらに限定されない。
【0033】
デバイス10がステントである場合、これは、種々の病状を治療するために患者内部に配置され得る。ステントの最も一般的な使用は、血管形成術後の閉塞した血管を開けて保つことである。この目的で使用される場合、カテーテルが身体を通って血管が詰まった位置まで移送される。次いで、バルーンが膨らまされ、該血管を開く。あるケースでは、次に、ステントが、血管が再度閉じる可能性を低減するために配置される。
【0034】
ステントはまた、腫瘍又は他の障害物によって狭められたか塞がれた血管、胆管及び身体内の他の通路を開けて保つために使用される。この理由でステントが最も頻繁に使用される領域には、食道(飲み込みを難しくする食道の詰まり又は狭まりを治療するため)、膵臓又は肝臓内の胆管(障害物が胆汁が消化管内へ流れることを妨げる場合)、及び、肺の気管(通常の呼吸を妨げる障害物を処置するため)が含まれる。
【0035】
ステントを配置するため、医療関係者は、皮膚に、ほぼ鉛筆の先の大きさの非常に小さい切開を入れる。カテーテルの端部に配置されたステントは、X線等の画像技術の案内下で治療領域へと通される。ステントの配置を案内するために画像技術が一般に使用されるので、カテーテル及びステントを、該配置を行っている医療関係者がより容易に見ることができるように、カテーテル及びステントが高い放射線不透過性を有することが有利である。高い放射線不透過性は、配置を案内するために画像技術に頼る他のタイプの医療デバイスにも同様に有利である。一旦配置されると、この高放射線不透過性は、適切な整列を保証する該デバイス、隣接する組織への潜在的損傷その他を医療関係者がを見ることを可能にする。
【0036】
MIM法によって作り出された完成物品は、更に処理され得る。例えば、完成物品は、円滑表面又は他の類似特性を与えるように機械加工され得る。完成物品は、機能性を高めるためにコーティングされ得る。完成物品は、内部応力を解放するか又は該金属を軟化するために焼きなましされ得る。
【0037】
金属射出成形によって製造された物品は、プラスチック射出成形の設計の融通性(例えば、複雑な形状を有する物品を作り出す能力、精密許容差で物品を作り出す能力、及び、一つの型における複数の構成要素で物品を作り出す能力)を与えると共に、鍛錬用金属の特性と同じか又は該特性に近い材料特性を与える。
【0038】
本開示は、医療デバイスとして金属射出成形物品を記述したが、本発明はこれに限定されない。該物品は、高い放射線不透過性を有する金属射出成形物品が望まれるいかなる製品の全部分又は一部分であり得る。
【0039】
当業者は、本発明が種々の別の形態及び構成で実施され得ることを認識するであろう。本開示方法の既述した詳細な説明は、理解を明瞭にするためにのみ与えられ、これから不必要な限定は全く含蓄されない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態に従う物品の斜視図である。
【図1A】図1の物品の一部の拡大図である。
【図2】本発明の第2実施形態に従う物品の斜視図である。
【図3】本発明の第3実施形態に従う物品の斜視図である。
【図4】本発明の第4実施形態に従う物品の斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
10 医療デバイス
12 合金
14 放射線不透過性材料
16、18 端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合金と、
前記合金から実質的に独立した少なくとも一つの放射線不透過性材料の分散とを含む金属射出成形物品。
【請求項2】
当該物品は医療デバイスである請求項1に従う金属射出成形物品。
【請求項3】
前記合金は、商業的に純粋なチタン、Ti 6Al 4V、Ti 6Al 4V ELI、ニチノール、コバルト・クロム・モリブデン、316Lステンレス鋼、304ステンレス鋼、及び17−4PHステンレス鋼のうちの一つ又は複数を含む請求項1に従う金属射出成形物品。
【請求項4】
前記少なくとも一つの放射線不透過性材料は、少なくとも一つの放射線不透過性元素からなる請求項1に従う金属射出成形物品。
【請求項5】
前記少なくとも一つの放射線不透過性元素は、イリジウム、白金、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムからなる群から選択される請求項4に従う金属射出成形物品。
【請求項6】
前記少なくとも一つの放射線不透過性材料は、少なくとも一つの放射線不透過性合金からなる請求項1に従う金属射出成形物品。
【請求項7】
前記少なくとも一つの放射線不透過性合金は、イリジウム、白金、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムのうちの一つ又は複数を含む請求項6に従う金属射出成形物品。
【請求項8】
当該物品は、少なくとも95%の濃度を有する請求項1に従う金属射出成形物品。
【請求項9】
当該物品は、少なくとも97%の濃度を有する請求項8に従う金属射出成形物品。
【請求項10】
金属射出成形物品を製造するための方法であって、
金属粉末とバインダーを混合して混合物を形成する工程にして、該金属粉末がバルク材料と少なくとも一つの放射線不透過性材料とを含む該工程と、
前記混合物を型内に射出する工程と、
前記混合物を型内で処理してグリーンパートを形成する工程と、
グリーンパートからバインダーを除去してブラウンパートを形成する工程と、
ブラウンパートを焼結して完成物品を作り出す工程とを含む方法。
【請求項11】
前記バインダーは、ポリマーバインダーからなる請求項10に従う方法。
【請求項12】
前記バインダー除去工程は、グリーンパートを加熱する工程を含む請求項11に従う方法。
【請求項13】
前記バインダー除去工程は、前記バインダーを少なくとも一つ溶剤又は水に溶かす工程を含む請求項11に従う方法。
【請求項14】
前記完成物品は、少なくとも95%の濃度を有する請求項10に従う方法。
【請求項15】
前記完成物品は、少なくとも97%の濃度を有する請求項14に従う方法。
【請求項16】
前記放射線不透過性材料は、焼結時にマトリクス材料における溶解性が制限されるように選択される請求項10に従う方法。
【請求項17】
前記完成物品は合金を含み、バルク材料からなる合金と、該合金から実質的に独立した、少なくとも一つの放射線不透過性材料の分散とを含む請求項16に従う方法。
【請求項18】
前記焼結工程は、前記少なくとも一つの放射線不透過性材料の合金化温度と同じか又はこれを超える温度で行われる請求項10に従う方法。
【請求項19】
前記完成物品は、前記少なくとも一つの放射線不透過性材料の分散と合金化された前記バルク材料からなる合金を含む請求項18に従う方法。
【請求項20】
前記少なくとも一つの放射線不透過性材料は、少なくとも一つの放射線不透過性元素からなる請求項10に従う方法。
【請求項21】
前記少なくとも一つの放射線不透過性元素は、イリジウム、白金、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムからなる群から選択される請求項20に従う方法。
【請求項22】
前記少なくとも一つの放射線不透過性材料は、少なくとも一つの放射線不透過性合金からなる請求項10に従う方法。
【請求項23】
前記少なくとも一つの放射線不透過性合金は、イリジウム、白金、金、レニウム、タングステン、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ルテニウム、及びハフニウムのうちの一つ又は複数を含む請求項22に従う方法。
【請求項24】
前記完成物品を機械加工する工程を更に含む請求項10に従う方法。
【請求項25】
前記完成物品をコーティングする工程を更に含む請求項10に従う方法。
【請求項26】
前記完成物品を焼きなます工程を更に含む請求項10に従う方法。
【請求項27】
当該物品は医療デバイスである請求項10に従う方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−197832(P2007−197832A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15076(P2007−15076)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(507026198)アクセレント・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】