説明

放熱装置、放熱装置の製造方法

【課題】放熱装置の放熱効率を向上させる。
【解決手段】回路の熱を放散させるための放熱装置であって、第1端部と、第1端部に続く直線状のパイプである第1直線部と、第1直線部に続く曲線状のパイプである湾曲部と、湾曲部に続き、且つ第1直線部に平行な直線状のパイプである第2直線部と、第2直線部に続く第2端部と、を有する第1ヒートパイプと、回路に接し、且つ回路の反対側の第1面が第1直線部に接合される、第1ベースと、第1直線部に垂直な平板であり、且つ第2直線部と交差し、且つ第1面上に設けられる、複数の第1フィンと、第1ベース及び第1直線部に垂直な第2面を有し、且つ第1ヒートパイプに接合される、第2ベースと、第2面に垂直で、且つ第2面上に設けられる、複数の第2フィンと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路の熱を放散させるための放熱装置、および、その放熱装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複数の平板状のフィンを有するヒートシンクと、略U字形のヒートパイプと、を有する放熱装置について説明する。略U字形のヒートパイプは、直線部と湾曲部を有し、複数のフィンは、直線部と交差して設けられている。
【0003】
このため、各々のフィンの、ヒートパイプとの交差部分には、ヒートパイプを貫通させるための穴を開けている。
【0004】
関連する技術として、更に湾曲部付近に複数のフィンを設け、これらのフィンが湾曲部との干渉を避けるための切り欠きを有する放熱装置が知られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−351769号公報
【特許文献2】特開平10−107192号公報
【特許文献3】特開2004−273632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した従来技術では、湾曲部付近にフィンが設けられていない。これは、ヒートパイプの湾曲精度に限界があり、ばらつきを生じること、および、ヒートパイプ上の個々の位置に対し、個別の位置の穴を有するフィン(放熱プレート)を作成しなければならないということに起因する。
【0007】
しかし、湾曲部付近にフィンが設けられない空間は、空気抵抗がフィンを設けられている部分に比べ低くなってしまい、事実上の風の通り道となってしまう。その結果、直線部付近のフィンには、十分な風が当たらなくなり、この放熱装置の放熱効率は低下する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、回路の熱を放散させるための放熱装置であって、第1端部と、前記第1端部に続く直線状のパイプである第1直線部と、前記第1直線部に続く曲線状のパイプである湾曲部と、前記湾曲部に続き、且つ前記第1直線部に平行な直線状のパイプである第2直線部と、前記第2直線部に続く第2端部と、を有する第1ヒートパイプと、前記回路に接し、且つ前記回路の反対側の第1面が前記第1直線部に接合される、第1ベースと、前記第1直線部に垂直な平板であり、且つ前記第2直線部と交差し、且つ前記第1面上に設けられる、複数の第1フィンと、前記第1ベース及び前記第1直線部に垂直な第2面を有し、且つ前記第1ヒートパイプに接合される、第2ベースと、前記第2面に垂直で、且つ前記第2面上に設けられる、複数の第2フィンと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
この出願に開示された技術によれば、放熱装置の放熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態の放熱装置の構造を示す正面図である。
【図2】第1実施形態の放熱装置の構造を示す右側面図である。
【図3】ヒートパイプの形状を示す右側面図である。
【図4】第1実施形態の平板フィンの形状を示す正面図である。
【図5】第1実施形態の放熱装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態の放熱装置の構造を示す正面図である。
【図7】第3実施形態の放熱装置の構造を示す正面図である。
【図8】第4実施形態の放熱装置の構造を示す右側面図である。
【図9】第4実施形態の第1フィンの形状を示す正面図である。
【図10】第5実施形態の放熱装置の構造を示す右側面図である。
【図11】第6実施形態の放熱装置の構造を示す右側面図である。
【図12】第7実施形態の放熱装置の構造を示す右側面図である。
【図13】第8実施形態の放熱装置の構造を示す右側面図である。
【図14】比較例1の放熱装置の構造を示す正面図である。
【図15】比較例1の放熱装置の構造を示す右側面図である。
【図16】比較例3の放熱装置の構造を示す正面図である。
【図17】比較例4の放熱装置の構造を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
【0013】
図1は、第1実施形態の放熱装置1aの構造を示す正面図である。図2は、第1実施形態の放熱装置1aの構造を示す右側面図である。放熱装置1aは、第1ベース11a、2本のヒートパイプ12a、複数の第1フィン13a、第2ベース14a、複数の第2フィン15aを有する。
【0014】
第1ベース11a、複数の第1フィン13aは、第1ヒートシンクを成す。第2ベース14a、複数の第2フィン15aは、第2ヒートシンクを成す。
【0015】
放熱装置1aの正面図中の矢印は、冷却のために外部から放熱装置1aへ送られる風の方向を示す。風の方向は、右から左である。なお、風の方向は、左から右であっても良い。ここで、放熱装置1aの右側面図における左は、放熱装置1aの前と定義され、放熱装置1aの右側面図における右は、放熱装置1aの後と定義される。
【0016】
放熱装置1aは、パッケージ2の上に設けられる。パッケージ2は、回路であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のLSI(Large Scale Integration)である。
【0017】
第1ベース11aは、平板であり、パッケージ2の上面、風の方向、直線部22aおよび直線部26aに平行である。第1ベース11aの下面は、熱グリースを介してパッケージ2の上面に接する。
【0018】
第1ベース11aの上面のうちパッケージ2の上面の上方の領域は、パッケージ領域として定義される。パッケージ2の上面の左右方向の幅は、パッケージ幅として定義される。
【0019】
図3は、ヒートパイプ12aの形状を示す右側面図である。ヒートパイプ12aの夫々は、上部の後端部であるスピニング部21a、これに続く、前後方向に延びる上部の直線状のパイプである直線部22a、これに続く、上部の円弧状のパイプである湾曲部23a、これに続く、上下方向に延びる直線状のパイプである中間部24a、これに続く、下部の円弧状のパイプである湾曲部25a、これに続く、前後方向に延びる下部の直線状のパイプである直線部26a、これに続く、下部の後端部である封止部27a、を有する。
【0020】
スピニング部21aは、作動液の封入前に、スピニング加工により封止される。封止部27aは、作動液の封入後に、封止され、テーパ状に加工される。2本の直線部22aおよび2本の直線部26aは、互いに平行であり、且つパッケージ2の上面に平行であり、且つ風の方向に垂直である。2本の中間部24aは、互いに平行であり、且つパッケージ2の上面に垂直であり、且つ風の方向に垂直である。2本のヒートパイプ12aの左右方向の幅は、一定であり、且つパッケージ幅以下である。なお、中間部24aは、省かれても良い。
【0021】
また、直線部22aの長さと直線部26aの長さは、等しいことが、好ましい。
【0022】
第1ベース11aの上面は、2本の直線部26aを埋め込むための2本の溝を有する。その2本の溝は、互いに並行であり、第1ベース11aのパッケージ領域内を通る。直線部26aは、その溝に埋め込まれ、その溝に接合(ロウ付け、半田付け)される。
【0023】
各々の第1フィン13aは、平板(平板フィン)である。第1フィン13aの夫々は、第1ベース11aの上面に設けられ、且つ第1ベース11aの上方に、且つ直線部22aおよび直線部26aに垂直に設けられる。これにより、風の経路として、左右方向に貫通する複数の空間が形成される。第1フィン13aの夫々は、同一の形状であり、図4に示した第1フィン13aの正面図に示すように2本の直線部22aを通すための2つの穴を有する。その2つの穴の左右方向の幅は、パッケージ幅以下である。その2つの穴の夫々と直線部22aの夫々とは、接合される。
【0024】
また、複数の第1フィン13aは、互いに平行であり、直線部26aの前後方向の全域に亘って、所定のフィン間隔で前後方向に並べられる。
【0025】
第2ベース14aの後面の下端部は、第1ベース11aの前面に接合される。第2ベース14aは、直線部22aおよび直線部26aに垂直である。第2ベース14aは、2本の直線部22aおよび2本の直線部26aを通すための4つの穴を有する。その4つの穴の夫々と直線部22aおよび直線部26aの夫々とは、接合される。第2ベース14aより前方には、湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aが設けられる。
【0026】
第1ベース11aと第2ベース14aを合わせた部分の前後方向の長さと、直線部22aおよび直線部26aの前後方向の長さとが、等しいことが好ましい。
【0027】
第2フィン15aの夫々は、ピン状(ピンフィン)であり、直線部22aおよび直線部26aに平行な柱である。第2フィン15aの夫々は、第2ベース14aの前面に設けられ、且つ第2ベース14aの前方に、且つ第2ベース14aに垂直に、設けられる。複数の第2フィン15aは、互いに平行であり、第2ベース14aの前面上で行列状に配置される。即ち、左右方向に複数の第2フィン15aが並び、上下方向に複数の第2フィン15aが並ぶ。これにより、風の経路として、左右方向に貫通する複数の空間が形成される。但し、複数の第2フィン15aは、前述の行列のうち、湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aと干渉する位置を除く位置に配置される。
【0028】
第1ベース11a、ヒートパイプ12a、第1フィン13aの材質は、例えば銅である。第2ベース14a、第2フィン15aの材質は、例えばアルミニウムである。なお、第1ベース11a、ヒートパイプ12a、第1フィン13aの材質は、アルミニウムであっても良い。なお、第2ベース14a、第2フィン15aの材質は、例えば銅であっても良い。
【0029】
以下、放熱装置1aの製造方法について説明する。
【0030】
図5は、第1実施形態の放熱装置1aの製造方法を示すフローチャートである。
【0031】
この製造方法は、ヒートパイプ12aの作成を行う(S11)。この製造方法は、第1ベース11aの上面に第1フィン13aを設けることにより、第1ヒートシンクの作成を行う(S12)。この製造方法は、冷間鍛造を用いて、第2ベース14aの前面に第2フィン15aを設けることにより、第2ヒートシンクの作成を行う(S13)。
【0032】
この製造方法は、第1ベース11aの前面と第2ベース14aの後面との接合(ロウ付け)を行う(S21)。この製造方法は、ヒートパイプ12aの直線部26aと第1ベース11aの溝との接合を行う(S22)。この製造方法は、ヒートパイプ12aの直線部26aと第2ベース14aの穴との接合、ヒートパイプ12aの直線部26aと第2ベース14aの穴との接合を行う(S23)。この製造方法は、ヒートパイプ12aの直線部22a及び直線部26aと第1フィン13aの穴との、接合を行う(S25)。
【0033】
ヒートパイプ12aの作成は、封止部27aが開いた状態で、ヒートパイプ12a内に水やアンモニア等の液体を封入し、封止部27aを封止する。
【0034】
第1ヒートシンクの作成は、機械加工により、第1フィン13aに、直線部22aを通すための穴を開ける。
【0035】
冷間鍛造の前に、第2ベース14aの前面上の第2フィン15aの配置に対応する穴を有する金型が用意される。第2ヒートシンクの作成は、冷間鍛造を用いて、その金型からアルミニウムを押し出すことにより、第2ベース14aおよび複数の第2フィン15aを作成する。湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aに干渉する位置に穴を開けない金型を用意することにより、第2フィン15aの配置を決定するため、自由な配置の第2フィン15aを簡単に低コストで製造することができる。
【0036】
なお、行列状に並ぶ複数のフィンを作成した後、ヒートパイプ12aに干渉する位置のフィンを機械加工により削除しても良い。この場合の機械加工は小さいフィンを削除するだけであるため、平板フィンに穴を開ける機械加工より簡単で低コストである。
【0037】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
【0038】
図6は、第2実施形態の放熱装置1bの構造を示す正面図である。放熱装置1bにおいて、放熱装置1aと同一符号は放熱装置1aに示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。放熱装置1bは、複数の第2フィン15aの代わりに複数の第2フィン15bを有する。
【0039】
放熱装置1bの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさは、それぞれ放熱装置1aの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさと同一である。第2ベース14a、複数の第2フィン15bは、第2ヒートシンクを成す。風の方向は、第1実施形態と同様である。
【0040】
第2フィン15bの夫々は、短冊(ストリップ)状(短冊状フィン)であり、上下方向に垂直な平板である。第2フィン15bの夫々は、第2ベース14aの前方に、且つ第2ベース14aに垂直に、且つ第2ベース14aの前面に設けられる。複数の第2フィン15bは、互いに平行であり、第2ベース14aの前面上で行列状に配置される。即ち、左右方向に複数の第2フィン15bが並び、上下方向に複数の第2フィン15aが並ぶ。これにより、風の経路として、左右方向に貫通する複数の空間が形成される。但し、複数の第2フィン15bは、前述の行列のうち、湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aと干渉する位置を除く位置に配置される。
【0041】
この構成により、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0042】
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
【0043】
図7は、第3実施形態の放熱装置1cの構造を示す正面図である。放熱装置1cにおいて、放熱装置1aと同一符号は放熱装置1aに示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。放熱装置1cは、複数の第2フィン15aの代わりに複数の第2フィン15cを有する。
【0044】
放熱装置1cの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさは、それぞれ放熱装置1aの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさと同一である。第2ベース14a、複数の第2フィン15cは、第2ヒートシンクを成す。風の方向は、第1実施形態と同様である。
【0045】
第2フィン15cの夫々は、平板(平板フィン)であり、上下方向に垂直な平板である。第2フィン15cの夫々は、第2ベース14aの前面に設けられ、且つ第2ベース14aの前方に、且つ第2ベース14aに垂直に、設けられる。複数の第2フィン15cは、互いに平行であり、上下方向に等間隔で配置される。これにより、風の経路として、左右方向に貫通する複数の空間が形成される。但し、一部または全部の第2フィン15cには、湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aとの干渉を避けるための切り欠きが設けられる。
【0046】
この構成により、第3実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0047】
<第4実施形態>
以下、本発明の第4実施形態について説明する。
【0048】
図8は、第4実施形態の放熱装置1dの構造を示す右側面図である。放熱装置1dにおいて、放熱装置1aと同一符号は放熱装置1aに示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。放熱装置1dは、2本のヒートパイプ12aの代わりに2本のヒートパイプ12bを有し、複数の第1フィン13aの代わりに複数の第1フィン13bを有し、複数の第2フィン15aの代わりに複数の第2フィン15dを有する。
【0049】
放熱装置1dの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさは、それぞれ放熱装置1aの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさと同一である。第1ベース11a、複数の第1フィン13bは、第1ヒートシンクを成す。第2ベース14a、複数の第2フィン15dは、第2ヒートシンクを成す。風の方向は、第1実施形態と同様である。
【0050】
ヒートパイプ12bの構造は、ヒートパイプ12aと同様である。ヒートパイプ12bの夫々は、スピニング部21a、直線部22a、湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25a、直線部26a、封止部27aとそれぞれ同様の、スピニング部21b、直線部22b、湾曲部23b、中間部24b、湾曲部25b、直線部26b、封止部27bを有する。なお、中間部24bは、省かれても良い。
【0051】
第1ベース11aの上面は、2本の直線部26bを埋め込むための2本の溝を有する。その2本の溝は、第1ベース11aのパッケージ領域内を通る。直線部26bは、その溝に埋め込まれ、その溝に接合される。
【0052】
2本の直線部22bの間隔は、2本の直線部26bの間隔より広い。従って、2本の中間部24aの上部の間隔は、その下部の間隔より広い。
【0053】
図9は、第4実施形態の第1フィン13bの形状を示す正面図である。第1フィン13bの夫々は、第1フィン13aの夫々と同様であり、2本の直線部22bを通すための2つの穴を有する。但し、第1フィン13b内の2つの穴の間隔は、第1フィン13a内の2つの穴の間隔より広い。
【0054】
複数の第2フィン15dは、複数の第2フィン15aと同様である。但し、複数の第2フィン15dは、前述の行列のうち、湾曲部23b、中間部24b、湾曲部25bと干渉する位置を除く位置に配置される。
【0055】
この構成により、第4実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0056】
更に、2本の直線部22bの間隔が、2本の直線部26bの間隔より広いことにより、放熱装置1dの放熱効率は、放熱装置1aの放熱効率より高い。
【0057】
<第5実施形態>
以下、本発明の第5実施形態について説明する。
【0058】
図10は、第5実施形態の放熱装置1eの構造を示す右側面図である。放熱装置1eにおいて、放熱装置1aと同一符号は放熱装置1aに示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。放熱装置1eは、第1ベース11aの代わりに第1ベース11bを有し、第2ベース14aの代わりに第2ベース14bを有し、複数の第2フィン15aの代わりに複数の第2フィン15eを有する。
【0059】
放熱装置1eの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさは、それぞれ放熱装置1aの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさと同一である。第1ベース11b、複数の第1フィン13aは、第1ヒートシンクを成す。第2ベース14b、複数の第2フィン15eは、第2ヒートシンクを成す。風の方向は、第1実施形態と同様である。
【0060】
第1ベース11bは、平板であり、パッケージ2の上面、風の方向、直線部22aおよび直線部26aに平行である。第1ベース11bの下面は、熱グリースを介してパッケージ2の上面に接する。第1ベース11bの上面は、直線部26a、湾曲部25aを埋め込むための2本の溝を有する。直線部26aは、その溝に埋め込まれ、その溝に接合される。
【0061】
第2ベース14bは、放熱装置1eの最前部に設けられる。第2ベース14bの後面の下端部は、第1ベース11bの前面に接合される。第2ベース14bは、直線部22aおよび直線部26aに垂直である。
【0062】
中間部24aは、第2ベース14bの後方に設けられ、第2ベース14bの後面に接合される。
【0063】
第1ベース11bと第2ベース14bを合わせた部分の前後方向の長さと、直線部26aの前後方向の長さとが、等しいことが、好ましい。
【0064】
第2フィン15eの夫々は、第2フィン15aの夫々と同様である。複数の第2フィン15eは、第2ベース14bの後方に、且つ第2ベース14bに垂直に、且つ第2ベース14bの後面に設けられる。複数の第2フィン15eの先端は、後方を向く。複数の第2フィン15eは、複数の第2フィン15aと同様に配置され、第2ベース14bの後面上で行列状に配置される。複数の第2フィン15eは、前述の行列のうち、湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aと干渉する位置を除く位置に配置される。
【0065】
この構成により、第5実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0066】
更に、第2ベース14bの後方に、ヒートパイプ12aを設けることにより、ヒートパイプ12aを通すための穴を第2ベース14bに開けることが不要となる。
【0067】
更に、第2ベース14bの後方に複数の第2フィン15eを設けることにより、複数の第2フィン15eが放熱装置1eの外部に突き出さないため、放熱装置1eの取り扱い時や取り付け時において複数の第2フィン15eが外部に接触することを防止することができる。例えば、作業者は、第2ベース14bを掴んで、放熱装置1eを運ぶことができる。
【0068】
<第6実施形態>
以下、本発明の第6実施形態について説明する。
【0069】
図11は、第6実施形態の放熱装置1fの構造を示す右側面図である。放熱装置1fにおいて、放熱装置1eと同一符号は放熱装置1eに示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。放熱装置1fは、第2ベース14bの代わりに第2ベース14cを有する。
【0070】
放熱装置1fの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさは、それぞれ放熱装置1aの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさと同一である。第2ベース14c、複数の第2フィン15eは、第2ヒートシンクを成す。風の方向は、第1実施形態と同様である。
【0071】
第2ベース14cは、放熱装置1fの最前部に設けられる。第2ベース14cの後面は、2組の湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aを埋め込むための溝を有する。湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aは、その溝に埋め込まれ、接合される。
【0072】
複数の第2フィン15eは、第2ベース14cの後方に、且つ第2ベース14cに垂直に、且つ第2ベース14cの後面に設けられる。複数の第2フィン15eの先端は、後方を向く。
【0073】
この構成により、第6実施形態は、第5実施形態と同様の効果を奏する。
【0074】
更に、放熱装置1fにおける第2ベース14cとヒートパイプ12aの接触面積は、放熱装置1eにおける第2ベース14bとヒートパイプ12aの接触面積より大きい。従って、放熱装置1fの放熱効率は、放熱装置1eの放熱効率より高い。
【0075】
<第7実施形態>
以下、本発明の第7実施形態について説明する。
【0076】
図12は、第7実施形態の放熱装置1gの構造を示す右側面図である。放熱装置1gにおいて、放熱装置1aと同一符号は放熱装置1aに示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。放熱装置1gは、第1ベース11aの代わりに第1ベース11cを有し、新たに複数の第1フィン13cを有する。
【0077】
放熱装置1gの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさは、それぞれ放熱装置1aの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさと同一である。第1ベース11c、複数の第1フィン13cは、第1ヒートシンクを成す。風の方向は、第1実施形態と同様である。
【0078】
第1ベース11cの上面は、第1ベース11aの上面より狭い。第1ベース11cの上面の面積は、パッケージ2の上面の面積と等しい、あるいはパッケージ2の上面の面積以上である。
【0079】
複数の第1フィン13aは、第1ベース11cの上面に設けられる。
【0080】
複数の第1フィン13cは、第1ベース11cに接しない。第1フィン13cの夫々は、直線部22aと交差するための2つの穴と、直線部26aと交差するための2つの穴を有する。第1フィン13cにおける4つの穴の夫々と、直線部22aおよび直線部26aの夫々とは、接合される。
【0081】
複数の第1フィン13a、複数の第1フィン13cは、互いに平行であり、直線部26aの前後方向の全域に亘って、所定のフィン間隔で前後方向に並べられる。第1フィン13cの一部は、第1フィン13aの後方に設けられ、それ以外の第1フィン13cは、第1フィン13aの前方に設けられる。
【0082】
この構成により、第7実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0083】
更に、第1ベース11cとヒートパイプ12aが接合され、ヒートパイプ12aと第2ベース14aが接合され、第2ベース14a上に第2フィン15aが設けられることにより、第1ベース11cと第2ベース14aが接していなくても、パッケージ2の熱を第2フィン15aへ伝えることができる。
<第8実施形態>
以下、本発明の第8実施形態について説明する。
【0084】
図13は、第8実施形態の放熱装置1hの構造を示す右側面図である。放熱装置1hにおいて、放熱装置1gと同一符号は放熱装置1gに示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。放熱装置1hは、複数の第1フィン13cの代わりに複数の第1フィン13dを有し、新たに、第3ベース16a、複数の第3フィン17aを有する。
【0085】
放熱装置1hの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさは、それぞれ放熱装置1aの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさと同一である。第1ベース11c、複数の第1フィン13dは、第1ヒートシンクを成す。第2ベース14a、複数の第2フィン15aは、第2ヒートシンクを成す。第3ベース16a、複数の第3フィン17aは、第3ヒートシンクを成す。風の方向は、第1実施形態と同様である。
【0086】
複数の第1フィン13dは、複数の第1フィン13dのうち、最も後方の第1フィン13cである最後部フィンを除いたものである。
【0087】
第3ベース16aは、最後部フィンの位置に設けられる。第3ベース16aは、平板であり、且つ直線部22aおよび直線部26aに垂直であり、且つ複数の第1フィン13dに平行である。第3ベース16aは、2本の直線部22aの最後部と2本の直線部26aの最後部とを通すための4つの穴を有する。その4つの穴の夫々と直線部22aおよび直線部26aの夫々とは、接合される。
【0088】
第3フィン17aの夫々は、ピンフィンであり、直線部22aおよび直線部26aに平行な柱である。第3フィン17aの夫々は、第3ベース16aの後方に、且つ第3ベース16aに垂直に、且つ第3ベース16aの後面に設けられる。複数の第3フィン17aは、互いに平行であり、第3ベース16aの後面上で行列状に配置される。即ち、左右方向に複数の第3フィン17aが並び、上下方向に複数の第3フィン17aが並ぶ。これにより、風の経路として、左右方向に貫通する複数の空間が形成される。但し、複数の第3フィン17aは、前述の行列のうち、スピニング部21a、封止部27aと干渉する位置を除く位置に配置される。
【0089】
第3フィン17aの最後端(先端)は、ヒートパイプ12aの最後端と前後方向の位置が等しい、あるいは、ヒートパイプ12aの最後端より後方である、ことが好ましい。
【0090】
この構成により、第8実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0091】
更に、放熱装置1gにおいて第1フィン13aより後方の放熱を行わない空間(デッドスペース)に、第3ベース16aおよび第3フィン17aが設けられるため、放熱装置1hの放熱効率は、放熱装置1gの放熱効率より高い。つまり、デッドスペースが有効に活用される。
【0092】
以下、比較例1〜4を用い、第1実施形態〜第8実施形態の効果について説明する。
【0093】
<比較例1>
以下、比較例1について説明する。
【0094】
図14は、比較例1の放熱装置1jの構造を示す正面図である。図15は、比較例1の放熱装置1jの構造を示す右側面図である。放熱装置1jにおいて、放熱装置1aと同一符号は放熱装置1aに示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。放熱装置1jは、第1ベース11aの代わりに第1ベース11jを有し、第2ベース14aおよび複数の第2フィン15aの代わりに複数の第1フィン13jを有する。
【0095】
放熱装置1jの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさは、それぞれ放熱装置1aの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさと同一である。第1ベース11j、複数の第1フィン13a、複数の第1フィン13jは、第1ヒートシンクを成す。風の方向は、第1実施形態と同様である。
【0096】
第1ベース11jは、第1ベース11aと同様である。但し、第1ベース11jの前後方向の長さは、第1ベース11aの前後方向の長さより長い。第1ベース11jの前後方向の長さは、直線部22a、湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25a、直線部26aを合わせた部分の前後方向の長さと等しい。
【0097】
第1ベース11jの上面は、2本の湾曲部25aおよび2本の直線部26aを埋め込むための2本の溝を有する。その2本の溝は、互いに並行であり、第1ベース11jのパッケージ領域内を通る。湾曲部25aおよび直線部26aは、その溝に埋め込まれ、その溝に接合される。
【0098】
複数の第1フィン13aおよび複数の第1フィン13jは、第1ベース11jの上方に、且つ第1ベース11jの上面に垂直に、且つ風の方向に平行に、且つ第1ベース11jの上面に設けられる。
【0099】
複数の第1フィン13jの形状は、同一である。第1フィン13jの夫々は、2組の湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aとの干渉を避けるための1つの切り欠きを有する。
【0100】
以下、比較例1の第1フィン13jと第1実施形態の第1フィン13aとを比較する。
【0101】
切り欠きが第1フィン13jの面積を減少させることにより、第1フィン13jの放熱効率は、第1フィン13aの放熱効率より低くなる。切り欠きが第1フィン13jの熱経路を切ることにより、第1フィン13jの放熱効率は、第1フィン13aの放熱効率より更に低くなる。
【0102】
以下、比較例1の第1フィン13jと第1実施形態の第2ベース14aおよび第2フィン15aとを比較する。
【0103】
比較例1において、第1フィン13jの夫々の前後方向の厚さは、Tfである。複数の第1フィン13jの前後方向の長さは、Lqである。第1フィン13jの数は、Nqである。このとき、LqがLcに等しいか、Lc以上であることが好ましい。
【0104】
第1実施形態において、湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aの前後方向の長さ(湾曲部23aの半径、湾曲部25aの半径)は、Lcである。第2ベース14aの前後方向の厚さは、Tbである。第2フィン15aの夫々の前後方向の長さは、Lpである。このとき、LpがLcに等しいか、Lc以上であることが好ましい。
【0105】
例えば、Lc=Lq=Lp=20mm、Tf=0.5mm、Nq=8、Tb=4mmと定義される。このように、Tbが(Tf×Nq)に等しい場合、比較例1の第1フィン13jおよびヒートパイプ12aの接触面積と、第1実施形態の第2ベース14aおよびヒートパイプ12aの接触面積とは、等しい。従って、この場合、比較例1の第1フィン13jの放熱量と第1実施形態の第2ベース14aおよび第2フィン15aの放熱量とは、ほぼ等しい。
【0106】
このことから、第1実施形態〜第8実施形態において、第2ベース14a,14b,14cの前後方向の厚さをTbとすると、Tbが(Tf×Nq)以上であることが好ましい。この条件下において、第1実施形態〜第8実施形態の放熱効率は、比較例1の放熱効率より低い。
【0107】
<比較例2>
以下、比較例2について説明する。
【0108】
比較例2は、放熱装置1jにおける第1フィン13jの夫々が、切り欠きの代わりに、2組の湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aと交差する位置に2つの穴を有する。第1ベース11j、複数の第1フィン13jは、第1ヒートシンクを成す。風の方向は、第1実施形態と同様である。
【0109】
比較例2の放熱効率は、比較例1の放熱効率より高くなる。比較例2においては、前後方向の第1フィン13jの位置により、湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aと交差する位置が異なる。そのために、湾曲部23a、中間部24a、湾曲部25aの形状に合わせて、2つの穴の位置が異なる複数の第1フィン13jを製造するために、異なる複数の金型を用意する、複数の平板の夫々に異なる機械加工を行う、などの必要がある。従って、比較例2の製造コストは、比較例1の製造コストより大幅に高くなる。
【0110】
第1実施形態の第2ベース14aおよび第2フィン15aは、前述のように1つの金型を用いる冷間鍛造により製造することができるため、第1実施形態の製造コストは、比較例2の製造コストより低い。同様に、第2実施形態〜第8実施形態の製造コストは、比較例2の製造コストより低い。
【0111】
<比較例3>
さらに、比較例3について説明する。
【0112】
図16は、比較例3の放熱装置1kの構造を示す正面図である。放熱装置1kにおいて、放熱装置1dと同一符号は放熱装置1dに示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。放熱装置1kは、第1ベース11aの代わりに放熱装置1jと同様の第1ベース11jを有し、複数の第1フィン13b及び第2ベース14aおよび複数の第2フィン15aの代わりに複数の第1フィン13kを有する。
【0113】
放熱装置1kの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさは、それぞれ放熱装置1aの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさと同一である。第1ベース11j、複数の第1フィン13j、複数の第1フィン13kは、第1ヒートシンクを成す。風の方向は、第1実施形態と同様である。
【0114】
第1ベース11jの上面は、2本の直線部26bを埋め込むための2本の溝を有する。その2本の溝は、第1ベース11jのパッケージ領域内を通る。直線部26bは、その溝に埋め込まれ、その溝に接合される。
【0115】
複数の第1フィン13kの形状は、同一である。第1フィン13kの夫々は、2組の湾曲部23b、中間部24b、湾曲部25bとの干渉を避けるための2つの切り欠きを有する。
【0116】
以下、比較例3と第4実施形態とを比較する。
【0117】
比較例1と同様、切り欠きが第1フィン13kの面積を減少させることにより、第1フィン13kの放熱効率は、第1フィン13aの放熱効率より低くなる。比較例3の第1フィン13kの切り欠きは、第1フィン13kの中央部分と第1ベース11jとの接触面積を減少させるが、第4実施形態の第2ベース14aは、切り欠きを持たない。
【0118】
従って、比較例1と同様の理由により、第4実施形態のTbが(Tf×Nq)以上である条件下において、第4実施形態の放熱効率は、比較例3の放熱効率より低い。
【0119】
<比較例4>
以下、比較例4について説明する。
【0120】
図17は、比較例4の放熱装置1mの構造を示す右側面図である。放熱装置1mにおいて、放熱装置1gと同一符号は放熱装置1gに示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。放熱装置1mは、第2ベース14a、複数の第2フィン15aを持たない。
【0121】
放熱装置1mの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさは、それぞれ放熱装置1aの前後方向の大きさ、左右方向の大きさ、上下方向の大きさと同一である。第1ベース11c、複数の第1フィン13cは、第1ヒートシンクを成す。風の方向は、第1実施形態と同様である。
【0122】
以下、比較例4と第7実施形態とを比較する。
【0123】
比較例4は、直線部22aおよび直線部26aより前方に、第1フィンや第2ヒートシンクのような放熱機構を持たない。一方、第7実施形態は、第2ベース14aと第2フィン15aを有し、ヒートパイプ12aと第2ベース14aが接合され、第2ベース14a上に第2フィン15aが設けられる。
【0124】
従って、第7実施形態においてヒートパイプ12aからの熱を放熱する部分が、比較例4においてヒートパイプ12aからの熱を放熱する部分より多いため、第7実施形態の放熱効率は、比較例4の放熱効率より低い。
【0125】
以下、第1実施形態〜第8実施形態について補足する。
【0126】
第1実施形態〜第8実施形態のいずれか複数は、組み合わせられても良い。例えば、第4実施形態と第6実施形態が組み合わせられる場合、第6実施形態の放熱装置1fが、2本のヒートパイプ12aの代わりに第4実施形態の2本のヒートパイプ12bを有し、2本のヒートパイプ12bの位置に合わせて複数の第2フィン15eが配置されても良い。この場合は、上側の2本の直線部22bの間隔が下側の2本の直線部26bの間隔より広くなることにより、第4実施形態の効果と第7実施形態の効果との両方を奏する。
【0127】
なお、ヒートパイプ12a,12bは、1本であっても良いし、3本以上であっても良い。
【0128】
第1端部および第3端部は、例えば、封止部27a,27bを含む。
第1直線部および第3直線部は、例えば、直線部26a,26bを含む。
湾曲部は、例えば、湾曲部23a,23b、中間部24a,24b、湾曲部25a,25bを含む。
第2直線部および第4直線部は、例えば、直線部22a,22bを含む。
第2端部および第4端部は、例えば、スピニング部21a,21bを含む。
【0129】
以上の実施の形態1〜8に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
回路の熱を放散させるための放熱装置であって、
第1端部と、前記第1端部に続く直線状のパイプである第1直線部と、前記第1直線部に続く曲線状のパイプである湾曲部と、前記湾曲部に続き、且つ前記第1直線部に平行な直線状のパイプである第2直線部と、前記第2直線部に続く第2端部と、を有する第1ヒートパイプと、
前記回路に接し、且つ前記回路の反対側の第1面が前記第1直線部に接合される、第1ベースと、
前記第1直線部に垂直な平板であり、且つ前記第2直線部と交差し、且つ前記第1面上に設けられる、複数の第1フィンと、
前記第1ベース及び前記第1直線部に垂直な第2面を有し、且つ前記第1ヒートパイプに接合される、第2ベースと、
前記第2面に垂直で、且つ前記第2面上に設けられる、複数の第2フィンと、
を備える放熱装置。
(付記2)
前記放熱装置へ送られる風の方向は、前記第1ベース及び前記第2ベースに垂直であり、
前記複数の第1フィンは、前記複数の第1フィンの間に、前記風の方向に貫通する空間を形成し、
前記複数の第2フィンは、前記複数の第2フィンの間に、前記風の方向に貫通する空間を形成する、
付記1に記載の放熱装置。
(付記3)
第3端部と、前記第3端部に続く直線状のパイプである第3直線部と、前記第3直線部に続く曲線状のパイプである湾曲部と、前記湾曲部に続き、且つ前記第3直線部に平行な直線状のパイプである第4直線部と、前記第4直線部に続く第4端部と、を有する第2ヒートパイプを、更に備え、
前記第1直線部と前記第3直線部は、互いに平行であり、
前記第2直線部と前記第4直線部は、互いに平行であり、
前記第1面は、前記第3直線部に接合され、
前記複数の第1フィンは、前記第4直線部と交差し、
前記第2ベースは、前記第2ヒートパイプに接合される、
付記1に記載の放熱装置。
(付記4)
前記第1ベース及び前記第1直線部に垂直な第3面を有し、且つ前記第1ヒートパイプに接合される、第3ベースと、
前記第3面上に設けられる、複数の第3フィンと、
を更に備え、
前記第2ベース及び前記複数の第2フィンは、前記第1フィンに対し、前記第1端部及び前記第2端部の反対側に設けられ、
前記複数の第3フィンと前記第1端部と前記第2端部とは、前記第3ベースに対し、前記複数の第1フィンの反対側に設けられる、
付記1に記載の放熱装置。
(付記5)
前記複数の第2フィンの夫々は、前記第2面に垂直なピン状、又は前記第2面に垂直で且つ前記第1面に平行な短冊状である、
付記1に記載の放熱装置。
(付記6)
前記第2ベース及び前記複数の第2フィンは、前記第1フィンに対し、前記第1端部及び前記第2端部の反対側に設けられ、
前記複数の第2フィンは、前記第2ベースに対し、前記複数の第1フィンの反対側に設けられ、
付記1に記載の放熱装置。
(付記7)
前記第2ベース及び前記複数の第2フィンは、前記第1フィンに対し、前記第1端部及び前記第2端部の反対側に設けられ、
前記第2ベースは、前記複数の第2フィンに対し、前記複数の第1フィンの反対側に設けられる、
付記1に記載の放熱装置。
(付記8)
前記第2ベースは、前記第1ベースに接合される、
付記1に記載の放熱装置。
(付記9)
前記第1直線部の方向に沿った前記第1ベースの長さは、前記第1直線部の方向に沿った前記第1直線部の長さ及び前記第2直線部の長さより短い、
付記1に記載の放熱装置。
(付記10)
前記複数の第2フィンは、冷間鍛造により、前記第2面上に設けられる、
付記1に記載の放熱装置。
(付記11)
回路の熱を放散させるための放熱装置の製造方法であって、
第1端部と、前記第1端部に続く直線状のパイプである第1直線部と、前記第1直線部に続く曲線状のパイプである湾曲部と、前記湾曲部に続き、且つ前記第1直線部に平行な直線状のパイプである第2直線部と、前記第2直線部に続く第2端部と、を有する第1ヒートパイプに関し、前記第1直線部と、前記回路に接するための第1ベース上で且つ前記回路の反対側の第1面と、を接合し、
前記第1面上に設けられ且つ前記第1直線部に垂直な平板である、複数の第1フィンと、前記第2直線部と、を交差させて接合し、
前記第1ベース及び前記第1直線部に垂直な第2面を有し、前記第2面に垂直な複数の第2フィンが前記第2面上に設けられる第2ベースと、前記第1ヒートパイプと、を接合し、
ことを行う製造方法。
(付記12)
更に、冷間鍛造により、前記第2面上に前記複数の第2フィンを設ける、
付記11に記載の製造方法。
【符号の説明】
【0130】
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1j,1k,1m 放熱装置
2 パッケージ
11a,11b,11c 第1ベース
12a,12b ヒートパイプ
13a,13b,13c,13d 第1フィン
14a,14b,14c 第2ベース
15a,15b,15c,15d,15e 第2フィン
16a 第3ベース
17a 第3フィン
21a,21b スピニング部
22a,22b 直線部
23a,23b 湾曲部
24a,24b 中間部
25a,25b 湾曲部
26a,26b 直線部
27a,27b 封止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路の熱を放散させるための放熱装置であって、
第1端部と、前記第1端部に続く直線状のパイプである第1直線部と、前記第1直線部に続く曲線状のパイプである湾曲部と、前記湾曲部に続き、且つ前記第1直線部に平行な直線状のパイプである第2直線部と、前記第2直線部に続く第2端部と、を有する第1ヒートパイプと、
前記回路に接し、且つ前記回路の反対側の第1面が前記第1直線部に接合される、第1ベースと、
前記第1直線部に垂直な平板であり、且つ前記第2直線部と交差し、且つ前記第1面上に設けられる、複数の第1フィンと、
前記第1ベース及び前記第1直線部に垂直な第2面を有し、且つ前記第1ヒートパイプに接合される、第2ベースと、
前記第2面に垂直で、且つ前記第2面上に設けられる、複数の第2フィンと、
を備える放熱装置。
【請求項2】
前記放熱装置へ送られる風の方向は、前記第1ベース及び前記第2ベースに垂直であり、
前記複数の第1フィンは、前記複数の第1フィンの間に、前記風の方向に貫通する空間を形成し、
前記複数の第2フィンは、前記複数の第2フィンの間に、前記風の方向に貫通する空間を形成する、
請求項1に記載の放熱装置。
【請求項3】
第3端部と、前記第3端部に続く直線状のパイプである第3直線部と、前記第3直線部に続く曲線状のパイプである湾曲部と、前記湾曲部に続き、且つ前記第3直線部に平行な直線状のパイプである第4直線部と、前記第4直線部に続く第4端部と、を有する第2ヒートパイプを、更に備え、
前記第1直線部と前記第3直線部は、互いに平行であり、
前記第2直線部と前記第4直線部は、互いに平行であり、
前記第1面は、前記第3直線部に接合され、
前記複数の第1フィンは、前記第4直線部と交差し、
前記第2ベースは、前記第2ヒートパイプに接合される、
請求項1または請求項2に記載の放熱装置。
【請求項4】
前記第1ベース及び前記第1直線部に垂直な第3面を有し、且つ前記第1ヒートパイプに接合される、第3ベースと、
前記第3面上に設けられる、複数の第3フィンと、
を更に備え、
前記第2ベース及び前記複数の第2フィンは、前記第1フィンに対し、前記第1端部及び前記第2端部の反対側に設けられ、
前記複数の第3フィンと前記第1端部と前記第2端部とは、前記第3ベースに対し、前記複数の第1フィンの反対側に設けられる、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の放熱装置。
【請求項5】
前記複数の第2フィンの夫々は、前記第2面に垂直なピン状、又は前記第2面に垂直で且つ前記第1面に平行な短冊状である、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の放熱装置。
【請求項6】
回路の熱を放散させるための放熱装置の製造方法であって、
第1端部と、前記第1端部に続く直線状のパイプである第1直線部と、前記第1直線部に続く曲線状のパイプである湾曲部と、前記湾曲部に続き、且つ前記第1直線部に平行な直線状のパイプである第2直線部と、前記第2直線部に続く第2端部と、を有する第1ヒートパイプに関し、前記第1直線部と、前記回路に接するための第1ベース上で且つ前記回路の反対側の第1面と、を接合し、
前記第1面上に設けられ且つ前記第1直線部に垂直な平板である、複数の第1フィンと、前記第2直線部と、を交差させて接合し、
前記第1ベース及び前記第1直線部に垂直な第2面を有し、前記第2面に垂直な複数の第2フィンが前記第2面上に設けられる第2ベースと、前記第1ヒートパイプと、を接合し、
ことを行う製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−94888(P2011−94888A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249729(P2009−249729)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】