説明

放送受信装置、放送受信プログラム、及び放送受信方法

【課題】代替のRDS−TMC局に切り替えるとき、得られる交通情報に微妙な差異が生じるのを防止する。
【解決手段】所定の情報を提供するための交通情報データに対し所定の複数種の付随データを付加して構成したデータを多重化して放送する所定形式の放送を受信し、前記情報を取得する放送受信装置において、各付随データの値が予め指定された値に一致することを条件として受信する放送を選択し、その際、特定の付随データについては、指定された値が所定の値である場合には、選択条件から除外する受信放送選択手段と、該受信放送選択手段により選択された第1の放送を受信している場合にその交通情報データが受信できなくなったとき、代替放送として、前記特定付随データを含む各付随データの値が該第1放送のものと一致する第2の放送を選定する代替放送選定手段(ステップ49〜53)とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通情報データが多重化された放送を受信する放送受信装置、並びに該装置に適した放送受信プログラム及び放送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステレオFM放送の副搬送波を用いたRDS(ラジオ・データ・システム)の一部のチャンネルを用いて、交通情報をドライバに提供するRDS−TMC(トラフィック・メッセージ・チャンネル)システムが知られている。このシステムでは、RDSシステムにおける8Aタイプのメッセージに、TMCデータとしての交通情報を含めるようにしている。
【0003】
図5はこのような交通情報の提供を行う放送局(以下、「RDS−TMC局」という。)からの放送を受信する際の処理(たとえば、特許文献1参照)を示すフローチャートである。この処理は、たとえば図1に示すようなシステムにおいて行われる。このシステムは、ナビゲーションユニット1、ナビゲーションユニット1に接続されたRDS−TMCユニット2、及びナビゲーションユニット1に接続されたディスプレイ3を備える。RDS−TMCユニット2はRDS−TMC局の放送を受信し、交通情報を取得することができる機能を有している。
【0004】
図5の処理を開始する前に、ナビゲーションユニット1において、受信を希望するRDS−TMC局を特定するために、その放送により提供されるRDSデータにおける国コード、ロケーション情報、及びサービスIDの値が、RDS−TMC局を受信する際の受信条件として、ユーザにより指定される。そして、RDS−TMCユニット2はこの受信条件に基づき、条件に合致するRDS−TMC局をシーク動作により検索し、得られたRDS−TMC局を登録したRDS−TMC局のリスト(以下、「TMC局リスト」という。)を作成する。ただし、受信条件におけるサービスIDの値が「0」である場合には、サービスIDについては受信条件から除外され、国コード及びロケーション情報のみに基づき、これらの値が合致するRDS−TMC局がリストアップされることになる。
【0005】
RDS−TMCユニット2は、図5の処理を開始すると、まずステップ61において、TMC局リスト中のいずれかのRDS−TMC局の受信を開始する。次に、ステップ62において、該RDS−TMC局からTMCデータを受信することができているか否かを判定する。TMCデータとは、RDSデータにおける8Aグループデータを意味する。TMCデータを受信できていると判定した場合には、ステップ63においてTMCデータを抽出し、ナビゲーションユニット1に送信する。ナビゲーションユニット1は、これを受信し、受信したTMCデータの内容を、ディスプレイ3において表示させることができる。
【0006】
その後、ステップ64において受信開始から2分が経過した旨を判定するまで、ステップ62〜64の処理を繰り返す。ステップ64において受信開始から2分が経過したと判定すると、ステップ65においてTMC局リストの更新を行い、ステップ61に戻る。更新は、上述と同様に、受信条件に基づくシーク動作により行うことができる。
【0007】
一方、ステップ62において、TMCデータが受信できていないと判定した場合には、その40秒後に、ステップ66において、TMC局リストに登録されているRDS−TMC局の中から、TMCデータが受信可能で最良のRDS−TMC局を検索する。ここで、TMCデータが受信できていないということは、受信状態が悪化したことを意味する。最良のRDS−TMC局とは、たとえば、受信感度が最も良かったものを意味する。
【0008】
次に、ステップ67において、TMCデータが受信可能なRDS−TMC局が検索できたか否かを判定する。検索できなかったと判定した場合には、ステップ68及び69において、上述の受信条件に合致するRDS−TMC局をシーク動作により検索する。ステップ69において条件に合致するRDS−TMC局を検出することができたと判定した場合には、そのRDS−TMC局の受信を開始し、ステップ62に戻る。一方、ステップ67において、TMCデータが受信可能なRDS−TMC局が検索できたと判定した場合にはそのRDS−TMC局の受信を開始し、ステップ62へ戻る。
【0009】
以上の処理によれば、ユーザが指定した受信条件に合致するRDS−TMC局を受信している場合に、TMCデータが受信できなくなったときには、代替のRDS−TMC局を検索して受信するようにしているので、TMCデータを継続的に受信することができる。
【0010】
【特許文献1】特開2004−159106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述従来技術によれば、受信条件においてサービスIDの値が「0」である場合、受信状態が悪化してTMCデータが受信できなくなったことに応じ、受信する放送局を、代替のRDS−TMC局に切り替えると、それまで受信していたRDS−TMC局のサービスIDの値と、シークしたRDS−TMC局のサービスIDの値とが異なる場合がある。受信条件におけるサービスIDが「0」である場合、受信条件からサービスIDを除外し、国コード及びロケーション情報が一致するRDS−TMC局であればどのRDS−TMC局でも受信対象とされ、受信され得るからである。
【0012】
たとえば、図6に示すように、受信中のRDS−TMC局Aが提供するRDSデータにおけるサービスIDが「01」である場合、その受信状態が悪化したことに応じて検索されたRDS−TMC局Bの受信が開始されると、そのサービスIDが「02」となっている場合がある。このようにサービスIDが異なると、提供される情報に誤差が生じることがある。そうすると、取得することができる交通情報に微妙な差異が生じ、交通情報に基づいてディスプレイ3に表示されるイベントアイコンに変化が生じる場合がある。
【0013】
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、放送受信装置において、指定された受信条件に基づきRDS−TMC局の受信を行っている場合に受信状態の悪化に応じて受信対象を代替のRDS−TMC局に切り替えるとき、切替えの前後において得られる交通情報に微妙な差異が生じるのを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための第1の発明に係る放送受信装置は、所定の情報を提供するための交通情報データに対し所定の複数種の付随データを付加して構成したデータを多重化して放送する所定形式の放送を受信し、前記情報を取得する放送受信装置に関する。この装置は、各付随データの値が予め指定された値に一致することを条件として受信する放送を選択し、その際、特定の付随データについては、指定された値が所定の値である場合には、選択条件から除外する受信放送選択手段と、該受信放送選択手段により選択された第1の放送を受信している場合にその交通情報データが受信できなくなったとき、該第1放送の代替放送として、前記特定付随データを含む各付随データの値が該第1放送のものと一致する第2の放送を選定する代替放送選定手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
ここで、前記放送受信装置としては、たとえば、RDSやRBDS(ラジオ放送データシステム)に対応した放送受信装置が該当する。予め指定された値としては、たとえば、放送受信装置が接続されたナビゲーション装置においてユーザが各付随データについて指定した値が該当する。受信対象として選択又は選定された放送が複数ある場合には、たとえば受信感度が最も良好な放送が受信される。
【0016】
この構成において、特定付随データについて指定された値が所定値でない場合には、各付随データについて指定された値のすべてが一致する放送が受信対象として選択される。一方、特定付随データについて指定された値が所定値である場合には、特定付随データについては指定された値との一致は選択条件とはされず、他の付随データについての指定値が一致する場合には受信対象として選択されることになる。
【0017】
このような選択条件に従い、選択条件に適合する第1放送を受信している場合に、受信状態の悪化等により、交通情報データが受信できなくなったとき、第1放送の代替となる第2放送を受信して、引き続き、同様の交通情報データによる情報を取得できるようにしている。その際、特定付随データについての指定値が所定値であることを理由として、同様に特定付随データを選択条件から除外することにすると、第1放送及び第2放送間で、特定付随データの値が異なる恐れがある。
【0018】
そこで、本発明では、特定付随データが選択条件から除外されている場合であっても、第1放送の代替放送として、特定付随データを含む付随データの値が第1放送のものと一致する第2の放送を選定するようにし、第1放送及び第2放送間で、特定付随データの値、たとえばサービスIDの値が異なるのを防止するようにしている。
【0019】
第2の発明に係る放送受信装置は、第1発明において、前記所定形式の放送はRDSシステムに従いTMCデータを含むRDSデータを多重化して放送するものであり、前記交通情報データは該TMCデータを構成するものであり、前記所定の複数種の付随データは、RDSデータにおける国コード、ロケーション情報、及びサービスIDであり、前記特定付随データはサービスIDであり、前記所定値は「0」であることを特徴とする。
【0020】
第3の発明に係る放送受信装置は、第1又は第2発明において、前記選択条件に適合する放送をシーク動作により検索し、得られた各放送についての特定付随データの値を含む所定のデータを記録することによって、得られた各放送を登録した適合放送リストを作成する手段を備え、受信放送選択手段は、受信放送の選択を、該適合放送リストに基づいて、又は該適合放送リストにおけるユーザによる放送の指定に基づいて行うものであることを特徴とする。
【0021】
第4の発明に係る放送受信装置は、第3発明において、受信放送選択手段は、受信放送の選択に際し、選択した放送の特定付随データの値を適合放送リストから読み出して所定の領域に格納するものであり、第2放送の選定に際しては、該所定領域に格納してある値を参照するものであることを特徴とする。
【0022】
第5の発明に係る放送受信装置は、第3又は第4発明において、代替放送選定手段は、適合放送リストから、特定付随データの値が第1放送のものと一致する放送を検索し、得られた放送を第2放送として選定するものであることを特徴とする。
【0023】
第6の発明に係る放送受信装置は、第5発明において、代替放送選定手段は、適合放送リストからの検索により、条件に適合する放送が得られなかった場合、特定付随データを含む各付随データの値が第1放送のものと一致する放送をシーク動作により検索し、得られた放送を第2放送として選定するものであることを特徴とする。
【0024】
第7の発明に係る放送受信プログラムは、所定の情報を提供するための交通情報データに対し所定の複数種の付随データを付加して構成したデータを多重化して放送する所定形式の放送を受信し、前記情報を取得する放送受信装置のコンピュータに、各付随データの値が予め指定された値に一致することを条件として受信する放送を選択し、その際、特定の付随データについては、指定された値が所定の値である場合には、選択条件から除外する受信放送選択手順と、該受信放送選択手順により選択された第1の放送を受信している場合にその交通情報データが受信できなくなったとき、該第1放送の代替放送として、前記特定付随データを含む各付随データの値が該第1放送のものと一致する第2の放送を選定する代替放送選定手順とを実行させることを特徴とする。
【0025】
第8の発明に係る放送受信方法は、所定の情報を提供するための交通情報データに対し所定の複数種の付随データを付加して構成したデータを多重化して放送する所定形式の放送を受信し、前記情報を取得する放送受信装置における放送受信方法であって、各付随データの値が予め指定された値に一致することを条件として受信する放送を選択し、その際、特定の付随データについては、指定された値が所定の値である場合には、選択条件から除外する受信放送選択工程と、該受信放送選択工程により選択された第1の放送を受信している場合にその交通情報データが受信できなくなったとき、該第1放送の代替放送として、前記特定付随データを含む各付随データの値が該第1放送のものと一致する第2の放送を選定する代替放送選定工程とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、第1放送の代替放送として、特定付随データ(たとえば、サービスID)及び他の付随データ(たとえば、国コード及びロケーション情報)の値が第1放送のものと一致する第2の放送を選定して受信するようにしたため、第1放送及び第2放送間で、特定付随データの値が異なることによる不都合を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は本発明の一実施形態に係るシステムの構成を示すブロック図である。このシステムは、同図に示すように、ナビゲーションユニット1、ナビゲーションユニット1に対しRS−422規格のケーブルにより接続されたRDS−TMCユニット2、及びナビゲーションユニット1に接続されたディスプレイ3を備える。
【0028】
ナビゲーションユニット1は、ユーザが入力する情報、地図情報、GPSにより取得される現在位置等に基づき、表示された地図上に現在位置を示しながら、設定されたルートに沿った案内を行う機能等を備えている。また、かかる通常のナビゲーション機能の他、図2に示すように、ユーザが受信を希望するRDS−TMC局を特定するために、その放送により提供されるRDSデータにおける国コード、ロケーション情報、及びサービスIDの値の設定を、RDS−TMC局の受信条件として受け入れ、この受信条件をRDS−TMCユニット2に送ったり、RDS−TMCユニット2から送られるTMCデータの内容を表示したりする機能を有する。国コードはRDSデータにおけるPIコードに含められている。ロケーション情報及びサービスIDはRDSデータにおけるタイプ3Aグループのデータとして規定されているものである。
【0029】
RDS−TMCユニット2は、装置各部を制御するTMC制御部を備え、RDSデータが多重化されたFM放送を受信し、RDSデータのタイプ8Aグループに含まれるTMCデータを抽出し、ナビゲーションユニット1に送る機能を有する。
【0030】
図3はTMC制御部における処理の一部を示すフローチャートである。この処理はシステムの電源が投入され、又はRDS−TMC局の受信条件が変更された場合に行われる。処理を開始するとTMC制御部は、まずステップ31において、図2に示すように、ナビゲーションユニット1から、受信条件として指定された、国コード、ロケーション情報、及びサービスIDの値の通知を受ける。
【0031】
次にTMC制御部は、ステップ32及び33において、受信条件に合致するRDS−TMC局をシーク動作により検索する。すなわち、周波数を変化させながら、RDS−TMC局を受信してゆき、得られる国コード、ロケーション情報、及びサービスIDの値が、受信条件として指定されたこれらの値に一致するRDS−TMC局を検出する。ただし、受信条件におけるサービスIDが「0」、すなわち一般サービスである場合には、従来と同様に、検索条件にはサービスID(RDSデータにおける3Aグループデータ内のサービスID)は含めず、国コード及びロケーション情報のみが一致するRDS−TMC局が見つかるまでシーク動作を行う。
【0032】
ステップ33において、検索条件に合致するRDS−TMC局を検出した旨を判定すると、その時点で受信できるRDS−TMC局をリストアップしたTMC局リストを構築するために、ステップ34及び35において、さらにシーク動作を所定の周波数に達するまで続行する。この場合も、受信条件におけるサービスIDが「0」の場合には、この条件は検索条件に含めずにシーク動作を行い、検索条件に合致するRDS−TMC局を順次、TMC局リストに登録する。登録は、検索条件に合致するRDS−TMC局の放送局名、受信周波数、受信感度、サービスIDの値等をTMC局リストに記録することによって行う。
【0033】
ステップ35において、シーク動作が所定の周波数範囲で一巡したと判定した場合にはステップ36に進み、TCM局リストに登録されたRDS−TMC局が2局以上であるかどうかを判定する。その結果、1局のみのであると判定した場合には、ステップ37においてそのRDS−TMC局の受信を開始する。複数局であると判定した場合には、ステップ38において、それらの局のうち最も受信感度が良好であった局、すなわち受信時におけるSメータの値が最も高かった局の受信を開始する。その後、受信を開始したRDS−TMC局のサービスIDの値を、TMC局リストから読み出し、以後のシーク動作における検索条件として利用することができるように所定領域に格納してから、図4のステップ42へ進む。
【0034】
なお、構築されたTMC局リストはナビゲーションユニット1に送られ、TMC局リストに登録されているRDS−TMC局がディスプレイ3に一覧表示される。ユーザは表示されたRDS−TMC局の一覧から、受信したいRDS−TMC局を指定することができる。ユーザがいずれかのRDS−TMC局を指定した場合(ステップ39)には、ステップ40において、指定されたRDS−TMC局の受信を開始すると同時に、ステップ41において、その局のサービスID情報をTMCリストから読み込んで、上述の所定領域に格納し、図4のステップ42へ進む。
【0035】
ステップ42へ進むと、受信開始から2分間の経過を監視するために、タイマを起動する。そして、ステップ43において、受信を開始したRDS−TMC局からTMCデータ(RDSデータにおける8Aグループデータ)を受信することができているかどうかを監視する。受信できていれば、ステップ44において、RDSデータにおける8AグループデータからTMCデータ部分のみを抽出し、ナビゲーションユニット1へ送る。さらに、ステップ45において前記タイマにおけるカウント値を減算し、ステップ46において受信開始から2分が経過したと判定するまで、ステップ43〜46を繰り返す。
【0036】
ステップ46において2分が経過したと判定すると、ステップ47において、TMC局リストの更新を行う。この場合も、最初のステップ34でのTMCリストの構築の場合と同様に、受信条件におけるサービスIDが「0」であれば、サービスIDの値の如何は検索条件には含めない。その理由は、ここでサービスIDを検索条件に加えてしまうと、TMC局リストにおいてリストアップされるRDS−TMC局がステップ34の場合に比べて少なくなり、TMC局リストからのユーザによる選択(ステップ39)の範囲が狭くなるということを考慮したからである。また、シーク動作は、そのために受信が中断される時間が生じることを考慮し、1回のステップ47の処理において、ステップ34及び35の場合にように所定の周波数範囲を一巡するまでではなく、該周波数範囲の1/4ずつ行い、対応するTCMリスト部分の更新を行う。
【0037】
その後、ステップ48において、ステップ47のTMC局リストの更新処理を開始するまで受信していたRDS−TMC局の受信を再開してからステップ42へ戻り、ステップ42〜48を繰り返す。
【0038】
この間、ステップ43においてTMCデータが受信できないと判定した場合、40秒後にステップ49において、今まで受信していたRDS−TMC局に代替し得るRDS−TMC局を、TMC局リストに登録してあるRDS−TMC局のうちから検索する。この検索では、ナビゲーションユニット1からの受信条件におけるサービスIDの値が「0」であっても、ステップ41において所定の領域に格納しておいたサービスIDの値を用い、この値と一致するサービスIDのRDS−TMC局を検索する。これにより、本発明に従い、サービスIDの相違によるTMCデータの誤差を防止することができる。なお、TMC局リスト中のRDS−TMC局はすべて国コード及びロケーション情報が同一であるため、サービスIDが一致すれば、国コード、ロケーション情報、及びサービスIDのすべてが同一ということになる。
【0039】
次に、ステップ50において、サービスIDが一致するRDS−TMC局が検索できたか否かを判定する。検索できたと判定した場合、ステップ53において、検索したRDS−TMC局の受信を開始し、ステップ42へ戻る。また、ステップ50において、サービスIDが一致するRDS−TMC局が検索できなかったと判定した場合には、ステップ51において、今まで受信していたRDS−TMC局と代替し得るRDS−TCM局をシーク動作により検索する。この検索においても、ステップ49の場合と同様の目的で、ステップ41で所定領域に格納しておいたサービスIDの値を利用し、国コード、ロケーション情報、及びサービスIDのすべての値が、それまで受信していたRDS−TMC局のものと一致するRDS−TMC局の検出を試みる。
【0040】
次に、ステップ52において、目的とするRDS−TMC局を検出できたか否かを判定する。検出できたと判定した場合には、検出したRDS−TMC局の受信を開始し、ステップ42に戻る。検出できなかったと判定した場合には、検出できるまでステップ51のシーク動作を繰り返す。
【0041】
本実施形態によれば、TMCデータを受信できなくなった場合に、代替のRDS−TMC局を検索するに際し、それまで受信していたRDS−TMC局とサービスIDの値が同一であるという条件を付して検索を行うようにしたため、サービスIDの相違によりTMCデータに微差が生じるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係るシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムにおいて受信条件をナビゲーションユニットからRDS−TMCユニットに通知する様子を示す図である。
【図3】RDS−TMCユニットのTMC制御部における処理の一部を示すフローチャートである。
【図4】図3の処理の続きを示すフローチャートである。
【図5】RDS−TMC局からの放送を受信する際の従来の処理を示すフローチャートであ
【図6】図5の従来の処理における問題点を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1:ナビゲーションユニット、2:RDS−TMCユニット、3:ディスプレイ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の情報を提供するための交通情報データに対し所定の複数種の付随データを付加して構成したデータを多重化して放送する所定形式の放送を受信し、前記情報を取得する放送受信装置であって、
各付随データの値が予め指定された値に一致することを条件として受信する放送を選択し、その際、特定の付随データについては、指定された値が所定の値である場合には、選択条件から除外する受信放送選択手段と、
該受信放送選択手段により選択された第1の放送を受信している場合にその交通情報データが受信できなくなったとき、該第1放送の代替放送として、前記特定付随データを含む各付随データの値が該第1放送のものと一致する第2の放送を選定する代替放送選定手段とを具備することを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記所定形式の放送はRDSシステムに従いTMCデータを含むRDSデータを多重化して放送するものであり、
前記交通情報データは該TMCデータを構成するものであり、
前記所定の複数種の付随データは、RDSデータにおける国コード、ロケーション情報、及びサービスIDであり、
前記特定付随データはサービスIDであり、
前記所定値は「0」であることを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記選択条件に適合する放送をシーク動作により検索し、得られた各放送についての前記特定付随データの値を含む所定のデータを記録することによって、得られた各放送を登録した適合放送リストを作成する手段を備え、
前記受信放送選択手段は、前記受信放送の選択を、該適合放送リストに基づいて、又は該適合放送リストにおけるユーザによる放送の指定に基づいて行うものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記受信放送選択手段は、前記受信放送の選択に際し、選択した放送の前記特定付随データの値を前記適合放送リストから読み出して所定の領域に格納するものであり、前記第2放送の選定に際しては、該所定領域に格納してある値を参照するものであることを特徴とする請求項3に記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記代替放送選定手段は、前記適合放送リストから、前記特定付随データの値が前記第1放送のものと一致する放送を検索し、得られた放送を前記第2放送として選定するものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の放送受信装置。
【請求項6】
前記代替放送選定手段は、前記適合放送リストからの検索により、条件に適合する放送が得られなかった場合、前記特定付随データを含む各付随データの値が前記第1放送のものと一致する放送をシーク動作により検索し、得られた放送を前記第2放送として選定するものであることを特徴とする請求項5に記載の放送受信装置。
【請求項7】
所定の情報を提供するための交通情報データに対し所定の複数種の付随データを付加して構成したデータを多重化して放送する所定形式の放送を受信し、前記情報を取得する放送受信装置のコンピュータに、
各付随データの値が予め指定された値に一致することを条件として受信する放送を選択し、その際、特定の付随データについては、指定された値が所定の値である場合には、選択条件から除外する受信放送選択手順と、
該受信放送選択手順により選択された第1の放送を受信している場合にその交通情報データが受信できなくなったとき、該第1放送の代替放送として、前記特定付随データを含む各付随データの値が該第1放送のものと一致する第2の放送を選定する代替放送選定手順とを実行させることを特徴とする放送受信プログラム。
【請求項8】
所定の情報を提供するための交通情報データに対し所定の複数種の付随データを付加して構成したデータを多重化して放送する所定形式の放送を受信し、前記情報を取得する放送受信装置における放送受信方法であって、
各付随データの値が予め指定された値に一致することを条件として受信する放送を選択し、その際、特定の付随データについては、指定された値が所定の値である場合には、選択条件から除外する受信放送選択工程と、
該受信放送選択工程により選択された第1の放送を受信している場合にその交通情報データが受信できなくなったとき、該第1放送の代替放送として、前記特定付随データを含む各付随データの値が該第1放送のものと一致する第2の放送を選定する代替放送選定工程とを具備することを特徴とする放送受信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図6】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−124193(P2007−124193A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−312415(P2005−312415)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】