説明

文書原本性保証装置、文書原本性保証方法、文書原本性保証プログラム及び文書原本性検証装置

【課題】
本発明は、紙に記された文書内容の原本性を保証し、容易かつ高精度に検証できるようにする。
【解決手段】
本発明は、オリジナル紙OP2が有する固有の紙紋様特徴量MP3を取得し、オリジナル紙OP2に記された文書内容の原本性を保証するため当該文書内容の作成者しか知り得ない生体情報特徴量BD1を取得し、紙紋様特徴量MP3及び生体情報特徴量BD1に応じた認証用コードBC2を生成し、当該認証用コードBC2を当該オリジナル紙OP2の所定位置に印画することにより、オリジナル紙OP2に記された文書内容の原本性を保証するため紙紋様特徴量MP3及び生体情報特徴量BD1に応じて生成された認証用コードBD2をそのオリジナル紙OP2自体に直接印画することができるので、当該オリジナル紙OP2に記された文書内容の原本性を保証することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書原本性保証装置、文書原本性保証方法、文書原本性保証プログラム及び文書原本性検証装置に関し、特に紙に記された文書内容の原本性を保証する場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、紙に記された文書内容の正当性及び有効性すなわち原本性を保証するため、文書作成者のサインを用いることが一般に行われている。しかしながらサインは、それ自体偽造し易く、またサインの真偽を容易に検証することができないことから、紙に記された文書内容の原本性を確実に保証し得なかった。
【0003】
一方、コンピュータの発達に伴い、最近では文書をディジタル化して送信する際に、ディジタル署名を行うことが一般的であり、公開鍵暗号方式によって送信者認証を行い、メッセージ認証によって文書内容の改ざんの有無を確認することにより、送信者と文書内容の正当性を保証するようになされている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】岡本栄司著「暗号理論入門」共立出版株式会社、1993年2月初版発行、P129〜P143。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでかかるディジタル署名では、その対象が文書内容をディジタル化したディジタルデータすなわち無体物であり、有対物である紙に記された文書内容の原本性を保証するために用いることはできず、依然として紙に記された文書内容の原本性を保証することは困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、紙に記された文書内容の原本性を保証し得る文書原本性保証装置、文書原本性保証方法、文書原本性保証プログラム及び、紙に記された文書内容の原本性を容易かつ高精度に検証し得る文書原本性検証装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明においては、紙が有する固有の紋様を取得し、紙に記された文書内容の原本性を保証するため当該文書内容の作成者しか知り得ない所定の証拠を取得し、紋様及び証拠に応じた2次元情報を生成し、当該2次元情報を当該紙の所定位置に貼付することにより、紙に記された文書内容の原本性を保証するための紋様及び証拠に応じて生成された2次元情報をその紙自体に直接貼付することができるので、当該紙の2次元情報と、その紙の紋様及び証拠に基づいて文書内容の原本性を保証することができる。
【0007】
また本発明においては、紙が有する固有の紋様を取得する紋様取得手段と、紙に記された文書内容の原本性を保証するため当該文書内容の作成者しか知り得ない所定の証拠を取得する証拠取得手段と、紋様及び証拠に応じて生成され貼付された2次元情報を紙の所定位置から読み取る2次元情報読取手段と、2次元情報から元の紋様及び元の証拠を復元する復元手段と、紋様取得手段によって取得した紋様及び証拠取得手段によって取得した証拠と、復元手段によって復元した元の紋様及び元の証拠とを比較することにより文書内容の原本性に関する真偽を検証する検証手段とを設けることにより、紋様取得手段によって取得した紋様及び証拠取得手段によって取得した証拠と、復元手段によって復元した元の紋様及び元の証拠とを比較して文書内容の原本性に関する真偽を検証することができるので、その紙に記された文書内容の原本性をその紙自体から容易かつ高精度に検証することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、紙に記された文書内容の原本性を保証するための紋様及び証拠に応じて生成された2次元情報をその紙自体に直接貼付することができるので、当該紙の2次元情報と、その紙の紋様及び証拠に基づいて文書内容の原本性を保証することができ、かくして紙に記された文書内容の原本性を保証し得る文書原本性保証装置、文書原本性保証方法、文書原本性保証プログラムを実現することができる。
【0009】
また本発明によれば、紋様取得手段によって取得した紋様及び証拠取得手段によって取得した証拠と、復元手段によって復元した元の紋様及び元の証拠とを比較して文書内容の原本性に関する真偽を検証することができるので、その紙に記された文書内容の原本性をその紙自体から容易かつ高精度に検証することができ、かくして紙に記された文書内容の原本性を容易かつ高精度に検証し得る文書原本性検証装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0011】
(1)原本性保証手法
(1−1)紋様パターンによる原本性保証
図1に示すように、紙は繊維の複雑な絡み合いにより構成された固有の模様(以下、これを紋様パターンと呼ぶ)を当該紙の表面ではなくその内部に有している。この紋様は、光にかざすと目視確認できることからも分かるように、例えば透過型スキャナ等により画像(以下、これを紋様画像と呼ぶ)として得ることができるものである。
【0012】
そこで本実施の形態における原本性保証手法においては、図2(A)に示すように、オリジナル紙OP1の文書内容が記された場所以外の領域のうち、予め決められた位置と大きさでなる領域(以下、これを指定領域と呼ぶ)AR1に存在する紙紋様特徴量MP1を抽出し、その紙に記された文書内容の原本性を保証する際に、この紙紋様特徴量MP1を用いるようになされている。
【0013】
そして文書原本性保証装置は、かかる紙紋様特徴量MP1に基づいて所定の2次元バーコードでなる認証用コードBC1を生成し、これをオリジナル紙OP1における紙面の一部(この場合、指定領域AR1の近傍)に印画することにより当該紙紋様特徴量MP1を認証用コードBC1として当該オリジナル紙OP1の紙面上に記憶させる。
【0014】
一方、文書原本性保証装置は、図2(B)に示すように認証用コードBC1が印画されたコード付印画紙XPc1が存在する場合、当該コード付印画紙XPc1の指定領域AR1に存在する比較用紙紋様特徴量MP2を上述の紙紋様特徴量MP1に対する比較情報として抽出する。
【0015】
文書原本性保証装置は、比較用紙紋様特徴量MP2と、認証用コードBC1に基づいて復元した復元紙紋様特徴量MP1´とを照合し、コード付印画紙XPc1の正当性及び有効性すなわち原本そのものであるか否かを検証するようになされている。
【0016】
文書原本性保証装置は、この照合結果として所定の値よりも高い合致率が得られた場合、コード付印画紙XPc1が正当なオリジナル紙OP1そのものであると判断し、当該コード付印画紙XPc1に記載されている文書内容の原本性を保証するようになされている。
【0017】
一方、文書原本性保証装置は、照合結果として所定の値よりも低い合致率が得られた場合、コード付印画紙XPc1が正当なオリジナル紙OP1ではなく複製されたものであると判断し、当該コード付印画紙XPc1に記載されている文書内容の原本性を否定するようになされている。
【0018】
従って文書原本性保証装置は、図3に示すようにオリジナル紙OP1における文書内容がコード付印画紙XPc1に複製(Copy)された場合であっても、当該コード付印画紙XPc1にはオリジナル紙OP1の指定領域AR1に存在する同一の紋様パターンは存在し得ないので、比較用紙紋様特徴量MP2と復元紙紋様特徴量MP1´との照合結果が一致することはなく、コード付印画紙XPc1が複製であって原本ではないことを確実に検証し得るようになされている。
【0019】
このように文書原本性保証装置は、認証用コードBC1及び比較用紙紋様特徴量MP2を用いてコード付印画紙XPc1の原本性を検証し得るようにしたことにより、オリジナル紙OP1の文書内容の原本性を容易かつ確実に検証し得るようになされている。
【0020】
(1−2)紋様パターン及び生体情報による原本性保証手法
次に、上述の紙紋様特徴量だけではなく、紙紋様特徴量及び文書作成者の生体情報特徴量に基づいて、オリジナル紙に記された文書内容の原本性を保証する原本性保証手法について説明する。
【0021】
図4に示すように文書原本性保証装置は、オリジナル紙OP2の予め決められた位置と大きさでなる指定領域AR2の紋様パターン画像を紋様バイオメトリクススキャナSCNにより取り込み、その紋様パターン画像から紙紋様特徴量MP3を抽出することに加え、文書内容について文書作成者しか知り得ない証拠として、当該文書作成者における人差し指の指静脈画像を当該紋様バイオメトリクススキャナSCNにより取り込み、その指静脈画像から生体情報特徴量BD1を同時に抽出し得るようになされている。
【0022】
この場合、図5(A)及び(B)に示すように紋様バイオメトリクススキャナSCNは、ガラス面GMの上にオリジナル紙OP2(図4)及び文書作成者の人差し指(図4)を置くことが可能な構造、或いはガラス面GMと筐体KTとの間にオリジナル紙OP2(図4)及び文書作成者の人差し指(図4)を挟み込むことが可能な構造を有しており、オリジナル紙OP2の指定領域AR2(図4)を紋様読取エリアMAに合わせると共に、文書作成者の人差し指をバイオメトリクス読取エリアBAに合わせた状態で、オリジナル紙OP2と文書作成者の人差し指に対して光源(図示せず)からの近赤外光を照射する。
【0023】
紋様バイオメトリクススキャナSCNは、筐体KT内部に設けられたCPU(Central Processing Unit)構成でなるコントロールユニットCTの制御によりカメラ駆動部DRを介して矢印方向へCCD(Charge Coupled Device)でなるカメラCMを移動制御し得るようになされており、オリジナル紙OP2の指定領域AR2における紋様パターン及び文書作成者の人差し指を透過した透過光をカメラCMによって撮像し、コントロールユニットCTに取り込むようになされている。
【0024】
因みに紋様バイオメトリクススキャナSCNは、図6に示すように、筐体KT内部に広角レンズWLが取り付けられたカメラCMを設け、当該広角レンズWLを介してオリジナル紙OP2の広い領域を一括して撮像することにより、当該オリジナル紙OP2の指定領域AR2における紋様パターン及び文書作成者の人差し指を透過した透過光をコントロールユニットCTに一度に取り込み、画像処理段階で分離するようにしてもよい。
【0025】
この場合の紋様バイオメトリクススキャナSCNでは、カメラ駆動部DR(図5)が不要になる分だけ、構造を簡素化することができると共に軽量化することができ、ユーザの使い勝手を向上させ得るようになされている。
【0026】
文書原本性保証装置は、図7に示すように、紋様バイオメトリクススキャナSCNによって撮像した紋様パターン画像及び指静脈画像から抽出した紙紋様特徴量MP3及び生体情報特徴量BD1を基に所定の2次元バーコードでなる認証用コードBC2を生成し、これをオリジナル紙OP2における紙面の一部として指定領域AR2の近傍に印画することにより、当該紙紋様特徴量MP3及び生体情報特徴量BD1を認証用コードBC2として当該オリジナル紙OP2の紙面上に記憶させるようになされている。
【0027】
すなわち文書原本性保証装置は、認証用コードBC2をオリジナル紙OP2の紙面上に記憶させることにより、当該認証用コードBC2を介してオリジナル紙OP2が有する固有の紙紋様特徴量MP3と、文書作成者のみが有する固有の生体情報特徴量BD1とを確実にリンク付けするようになされている。
【0028】
但し、オリジナル紙OP2に印画される認証用コードBC2としては、当該認証用コードBC2から指定領域AR2が相対的に認識できる位置に印画されていなければならない。そうでない場合には、認証用コードBC2を基準として指定領域AR2における紙紋様特徴量MP3の抽出が困難になるからである。
【0029】
なお紋様バイオメトリクススキャナSCNは、認証用コードBC2が印画されたオリジナル紙OP2及びユーザの人差し指がガラス面GMと筐体KTとの間に挟み込まれた場合、認証用コードBC2を登録情報読取エリアTA(図4)に合わせ、指定領域AR2を紋様読取エリアMAに合わせると共に、人差し指をバイオメトリクス読取エリアBAに合わせた状態で、光源から照射された近赤外光の透過光をカメラCMによって撮像することにより、オリジナル紙OP2の認証用コードBC2、指定領域AR2の紙紋パターン画像及び人差し指の指静脈画像を取り込み得るようになされている。
【0030】
従って文書原本性保証装置は、図8に示すように認証用コードBC2が印画されたコード付印画紙XPc2が存在する場合、当該コード付印画紙XPc2に印画されている認証用コードBC2、指定領域AR2の紋様パターン画像及びユーザの人差し指の指静脈画像を紋様バイオメトリクススキャナSCNによって取り込み、認証用コードBC2を復元するようにして復元紙紋様特徴量MP3´及び復元生体情報特徴量BD1´を得、指定領域AR2の紋様パターン画像から比較用紙紋様特徴量MP4を抽出すると共に、指静脈画像から比較用生体情報特徴量BD2を抽出するようになされている。
【0031】
文書原本性保証装置は、図9に示すように、認証用コードBC2から復元した復元紙紋様特徴量MP3´及び復元生体情報特徴量BD1´と、コード付印画紙XPcの指定領域AR2やユーザの人差し指から採取した比較用紙紋様特徴量MP4及び比較用生体情報特徴量BD2とをそれぞれ照合することにより、個々の特徴量が所定の閾値を越えて一致するか否かを判定し、コード付印画紙XPc2がオリジナル紙OP2そのものであるか否か、すなわち原本であるか否かを検証し得るようになされている。
【0032】
(1−3)紋様パターン及び文書作成時刻による原本性保証手法
続いて、上述の紙紋様特徴量だけではなく、紙紋様特徴量及び文書作成時刻に基づいて、オリジナル紙に記された文書内容の原本性を保証する原本性保証手法について説明する。
【0033】
図10に示すように文書原本性保証装置は、オリジナル紙OP3の指定領域AR3における紋様パターン画像を紋様バイオメトリクススキャナSCNにより取り込み、その紋様パターン画像から紙紋様特徴量MP5を抽出することに加え、文書内容について文書作成者しか知り得ない証拠として文書作成時刻に相当する時刻認証局CA1の受信時刻JT1を当該時刻認証局CA1から取得するようになされている。
【0034】
実際上、文書原本性保証装置は、オリジナル紙OP3の予め決められた位置と大きさでなる指定領域AR3における紋様パターン画像から抽出した紙紋様特徴量MP5を例えば日本時刻認証機構等の時刻認証局CA1へ送信する。
【0035】
時刻認証局CA1は、文書原本性保証装置から紙紋様特徴量MP5を受け取った受信時刻JT1をオリジナル紙OP3の文書作成時刻であると解釈し、その受信時刻JT1と紙紋様特徴量MP5とを結合した結合データをハッシュ関数プログラムにより所定ビット長に圧縮したハッシュ値H1に変換し、当該ハッシュ値H1を公開鍵暗号方式による秘密鍵で暗号化することにより暗号化ハッシュ値AH1を生成した後、上述の受信時刻JT1及び暗号化ハッシュ値AH1を文書原本性保証装置に対して送信する。
【0036】
文書原本性保証装置は、紙紋様特徴量MP5、受信時刻JT1及び暗号化ハッシュ値AH1を基に所定の2次元バーコードでなる認証用コードBC3を生成し、これをオリジナル紙OP3における紙面の一部として指定領域AR3の近傍に印画することにより、当該紙紋様特徴量MP5、受信時刻JT1及び暗号化ハッシュ値AH1を認証用コードBC3として当該オリジナル紙OP3の紙面上に記憶させる。
【0037】
すなわち文書原本性保証装置は、認証用コードBC3をオリジナル紙OP3の紙面上に記憶させることにより、当該認証用コードBC3を介してオリジナル紙OP3が有する固有の紙紋様特徴量MP5と、文書作成者のみが知り得る固有の受信時刻JT1とを確実にリンク付けするようになされている。
【0038】
ここで、オリジナル紙OP3に印画される認証用コードBC3としても、当該認証用コードBC3から指定領域AR3が相対的に認識できる位置に印画されていなければならない。そうでない場合には、認証用コードBC3を基準として指定領域AR3における紙紋様特徴量MP5の抽出が困難になるからである。
【0039】
一方、文書原本性保証装置は、図11に示すように、紋様バイオメトリクススキャナSCNによって、認証用コードBC3が印画されたコード付印画紙XPc3が存在する場合、紋様バイオメトリクススキャナSCNによって当該コード付印画紙XPc3における指定領域AR3の近傍から認証用コードBC3を取り込み、当該認証用コードBC3から元の紙紋様特徴量MP5、受信時刻JT1及び暗号化ハッシュ値AH1を復元するようにして復元紙紋様特徴量MP5´、復元受信時刻JT1´及び復元暗号化ハッシュ値AH1´を生成する。
【0040】
同時に文書原本性保証装置は、認証用コードBC3の位置から相対的に認識できる矩形領域を指定領域AR3として推定し、その指定領域AR3における紋様パターン画像から比較用紙紋様特徴量MP6を抽出し、先ほど復元した復元紙紋様特徴量MP5´と一致するか否かを判定することにより、コード付印画紙XPc3の真偽すなわち当該コード付印画紙XPc3がオリジナル紙OP3そのもの(原本)であるか否かを検証し得るようになされている。
【0041】
その後、文書原本性保証装置は、復元紙紋様特徴量MP5´及び復元受信時刻JT1´に基づいて復元ハッシュ値H11を生成すると共に、復元暗号化ハッシュ値AH1´を時刻認証局CAの公開鍵で復号することにより元のハッシュ値H1を生成し、当該復元ハッシュ値H11とハッシュ値H1とを比較することにより、両者が一致していれば認証用コードBC3中の受信時刻JT1が改ざんされておらず、正確であることを検証し得るようになされている。
【0042】
このように文書原本性保証装置は、コード付印画紙XPc3の原本性を検証し得ると共に、認証用コードBC3中の受信時刻JT1に対する改ざんの有無を検証し得るようにしたことにより、コード付印画紙XPc3自体がオリジナル紙OP3そのものであること、及び当該オリジナル紙OP3の文書内容が文書作成者しか知り得ない受信時刻JT1のときに作成されたものであって文書作成時刻の改ざんが行われていないことを確認し得るようになされている。
【0043】
(2)本実施の形態による文書原本性保証装置の構成
図12において、1は全体として本実施の形態による文書原本性保証装置の全体構成を示し、この文書原本性保証装置1全体の制御を司る制御部2に対して、バス3を介して紋様バイオメトリクススキャナSCN、時刻認証局CAとの間でデータの授受を行う時刻情報送受信部4及び認証用コードBC1〜BC3を印画するためのプリンタ部5が接続されている。
【0044】
この制御部2は、CPU(Central Processing Unit)でなる中央処理ユニット、RAM(Random Access Memory)でなるワークメモリ及びROM(Read Only Memory)でなる情報記憶メモリを有している。
【0045】
この情報記憶メモリには、オリジナル紙OP1〜OP3の各種規格サイズにそれぞれ応じた指定領域AR1〜AR3の領域位置情報、2次元バーコード用のコード文字列情報等の各種情報及び各種プログラムが記憶されている。従って制御部2は、ワークメモリにロードした基本プログラム及び各種アプリケーションプログラムに基づき情報記憶メモリに記憶された各種情報を適宜用いて後述する各種処理を実行し得るようになされている。
【0046】
ここで紋様バイオメトリクススキャナSCNは、コード印画モード時に、制御部2から紋様パターン画像読取コマンド及び指静脈画像読取コマンドが与えられた場合、ガラス面GMと筐体KTとの間に挟まれたオリジナル紙OP1〜OP3及び人差し指の先端部分に対して近赤外光を照射し、当該オリジナル紙OP1〜OP3及び人差し指の先端部分を透過することにより得られた透過光をカメラCMの固体撮像素子に結像する。
【0047】
そして紋様バイオメトリクススキャナSCNは、カメラCMの固体撮像素子から得られる透過光に応じた紋様パターン画像信号及び指静脈画像信号に対してアナログディジタル変換処理を施し、その結果得られた紋様パターン画像データ及び指静脈画像データを制御部2へ出力する。
【0048】
これに対して紋様バイオメトリクススキャナSCNは、検証モード時、制御部2から紋様パターン画像読取コマンド、指静脈画像読取コマンド及び2次元バーコード読取コマンドが与えられた場合、ガラス面GMと筐体KTとの間に挟まれたコード付印画紙XPc1〜XPc3及び人差し指の先端部分に対して近赤外光を照射し、当該コード付印画紙XPc1〜XPc3及び人差し指の先端部分を透過することにより得られた透過光をカメラCMの固体撮像素子に結像する。
【0049】
そして紋様バイオメトリクススキャナSCNは、カメラCMの固体撮像素子から得られる透過光に応じた認証用2次元バーコード信号、比較用紋様パターン画像信号及び比較用指静脈画像信号に対してアナログディジタル変換処理を施し、その結果得られた認証用2次元バーコードデータ、比較用紋様パターン画像データ及び比較用指静脈画像データを制御部2へ出力する。
【0050】
このように紋様バイオメトリクススキャナSCNは、コード印画モード時には、制御部2から与えられる各種コマンドに応じた紋様パターン画像データ及び指静脈画像データを取り込み、検証モード時には制御部2から与えられる各種コマンドに応じた認証用2次元バーコードデータ、比較用紋様パターン画像データ及び比較用指静脈画像データを取り込み、これらの取込結果を制御部2へ出力するようになされている。
【0051】
プリンタ部5は、2次元バーコード用のコード文字列情報やオリジナル紙OP1〜OP3の各種規格サイズにそれぞれ応じた認証用コードBC1〜BC3の紙面上における位置情報等の各種情報を内部メモリに記憶しており、これらの各種情報を適宜用いて印画処理を実行するようになされている。
【0052】
この場合プリンタ部5は、制御部2から印画対象となる認証用2次元バーコードデータが与えられると、この認証用2次元バーコードデータに対してパルス幅変調処理等を施し、その結果得られた印画データを印画ヘッド部(図示せず)へ送出する。
【0053】
プリンタ部5は、紙面上の位置情報に基づいて印画ヘッド部を駆動し、コード文字列情報を基に印画データをオリジナル紙OP1〜OP3の所定位置に印画することにより認証用コードBC1〜BC3を紙面上に記憶させるようになされている。
【0054】
(3)紋様パターン及び生体情報を用いた原本性保証処理
実際上、文書原本性保証装置1の制御部2は、オリジナル紙OP2に対して認証用コードBC2(図7及び図8)を印画させるための命令が操作部(図示せず)を介して与えられると、紋様パターン画像読取コマンド及び指静脈画像読取コマンドを紋様バイオメトリクススキャナSCNへ送出する。
【0055】
制御部2は、紋様パターン画像読取コマンド及び指静脈画像読取コマンドに対する紋様バイオメトリクススキャナSCNからの応答結果として、オリジナル紙OP2の指定領域AR2における紋様パターン画像と、文書作成者における人差し指の指静脈画像とが供給されると、第1のモード(以下、このモードをコード印画モードと呼ぶ)へ遷移する。
【0056】
この場合、制御部2は紋様パターン画像及び指静脈画像から紙紋様特徴量MP3及び生体情報特徴量BD1を抽出し、その紙紋様特徴量MP3及び生体情報特徴量BD1に基づいて所定の2次元バーコードでなる認証用コードBC2を生成し、これをプリンタ部5へ送出する。
【0057】
プリンタ部5は、認証用コードBC2をオリジナル紙OP2における紙面の一部として指定領域AR2の近傍(この場合、指定領域AR2の左隣部分)に印画することにより、認証用コードBC2を通して当該紙紋様特徴量MP3及び生体情報特徴量BD1をリンク付けした状態でオリジナル紙OP2の紙面上に記憶させる。
【0058】
一方、制御部2はコード付印画紙XPc2の文書内容に対する原本性を検証するための命令が操作部(図示せず)を介して与えられると、紋様パターン画像読取コマンド、コード読取コマンド及び指静脈画像読取コマンドを紋様バイオメトリクススキャナSCNへ送出する。
【0059】
制御部2は、これら3つのコマンドに対する紋様バイオメトリクススキャナSCNからの応答結果として、コード付印画紙XPc2の認証用コードBC2、指定領域AR2の紋様パターン画像、コード付印画紙XPc2を有するユーザの人差し指の指静脈画像が供給されると、第2のモード(以下、このモードを検証モードと呼ぶ)へ遷移する。
【0060】
この場合、制御部2は紋様パターン画像及び指静脈画像から比較用紙紋様特徴量MP4及び比較用生体情報特徴量BD2を抽出すると共に、認証用コードBC2を復元するようにして復元紙紋様特徴量MP3´及び復元生体情報特徴量BD1´を得る。
【0061】
そして制御部2は、図9に示したように、その復元紙紋様特徴量MP3´と比較用紙紋様特徴量MP4とを比較照合すると共に、復元生体情報特徴量BD1´と比較用生体情報特徴量BD2とを比較照合する。
【0062】
制御部2は、照合の結果、各々の特徴量が所定の閾値を越えて一致するか否かを判定し、両者が一致すると認識できるときに限り、コード付印画紙XPc2を正当な文書作成者自身によって作成されたオリジナル紙OP2そのものであること、すなわち原本であることを立証するようになされている。
【0063】
従って制御部2は、各々の特徴量のうち復元紙紋様特徴量MP3´と比較用紙紋様特徴量MP4とだけが一致し、復元生体情報特徴量BD1´と比較用生体情報特徴量BD2とについては一致しない場合、コード付印画紙XPc2がオリジナル紙OP2である可能性は高いものの、文書作成者が一致しないので、コード付印画紙XPc2の原本性を否定するようになされている。
【0064】
(3−1)制御部の処理内容
ここで、かかる制御部2におけるコード印画モード時及び検証モード時における処理内容を機能的に分類すると、図13に示すように、紋様パターン画像から低域周波数成分の低域紋様画像を抽出する低域周波数成分抽出部11と、当該低域紋様画像を低輝度成分の黒成分紋様画像及び高輝度成分の白成分紋様画像に分離する画像分離部12と、当該黒成分紋様画像及び白成分紋様画像が有する紋様を複数の領域に区割りする領域区割部13と、当該各領域におけるそれぞれの特徴量を算出するようにして紙紋様特徴量MP3を抽出する紙紋様特徴量抽出部14と、指静脈画像データから生体情報特徴量BD1を抽出する生体情報特徴量抽出部17、認証用2次元バーコードデータを復号することにより復元紙紋様特徴量MP3´及び復元生体情報特徴量BD1´を生成する2次元バーコード復号部18、紙紋様特徴量MP3及び生体情報特徴量BD1を基に2次元バーコードでなる認証用コードBC2を生成する2次元バーコード変換部15と、コード付印画紙XPc2の正当性を検証するための照合部16とに分けることができる。
【0065】
低域周波数成分抽出部11は、例えば図14(A)及び(B)に示すように、オリジナル紙OP2又はコード付印画紙XPc2の指定領域AR2における紋様パターン画像IM1を取得し、この紋様パターン画像IM1から低域周波数成分の低域成分紋様パターン画像IM2を抽出する。
【0066】
このように低域周波数成分抽出部11は、低域成分紋様パターン画像IM2を抽出することにより、例えば紋様バイオメトリクススキャナSCNのカメラCMにおけるノイズ等、一般に画像の高周波成分に含まれる各種ノイズ成分を除去し得るようになされている。
【0067】
この結果、低域周波数成分抽出部11は、各種ノイズ成分に起因する紙紋様特徴量抽出部14における紙紋様特徴量の抽出精度の低下を防止することができ、ひいては照合部16における照合結果の信頼性を向上させ得るようになされている。
【0068】
画像分離部12は、例えば図15(A)、(B)及び(C)に示すように、低域周波数成分抽出部11で抽出された低域成分紋様パターン画像IM2(図15(A))を、白成分紋様パターン画像WIM(図15(B))と、黒成分紋様パターン画像BIM(図15(C))とに分離する。
【0069】
具体的に画像分離部12は、低域成分紋様パターン画像IM2の輝度値を画素毎に順次検出し、当該検出結果が所定の低輝度閾値以下の輝度値でなる画素(以下、これを黒画素と呼ぶ)以外の画素を最も高い輝度レベルに変換するようにして白成分紋様パターン画像WIMを抽出した後、この白成分紋様パターン画像WIMを領域区割部13へ送出する。
【0070】
また画像分離部12は、低域成分紋様パターン画像IM2における各画素の輝度値の検出結果が所定の高輝度閾値以上となる輝度値を有する画素(以下、これを白画素と呼ぶ)以外の画素を最も低い輝度レベルに変換するようにして黒成分紋様パターン画像BIMを抽出し、この黒成分紋様パターン画像BIMを領域区割部13へ送出する。
【0071】
このように画像分離部12は、白成分紋様パターン画像WIMと、黒成分紋様パターン画像BIMとに分離することにより、紋様パターンの複雑さの程度を低減し得るようになされている。この結果、画像分離部12は、紋様パターンの複雑さの程度が大きいことに起因する紙紋様特徴量抽出部14における紙紋様特徴量の抽出精度の低下を防止することができ、ひいては照合部16における照合結果の信頼性を向上させ得るようになされている。
【0072】
領域区割部13は、図15に示したように、白成分紋様パターン画像WIM(図15(B))が有する紋様を、隣接する白画素の集合を単位とする領域(以下、これを白ダマと呼ぶ)にそれぞれ区割りすると共に、黒成分紋様パターン画像BIM(図15(C))が有する紋様を、隣接する黒画素の集合を単位とする領域(以下、これを黒ダマと呼ぶ)にそれぞれ区割りする。
【0073】
具体的に領域区割部13は、画像分離部12から供給される白成分紋様パターン画像WIMから全ての白画素を検出した後、図16(A)に示すように、任意の注目画素APと隣接する上下左右方向の4画素及び斜め方向の4画素の計8画素(以下、これを8近傍画素と呼ぶ)の白画素を順次連結していく。
【0074】
そして領域区割部13は、図16(B)に示すように8近傍画素に白画素検出されなくなった時点で、これまで連結した白画素郡に識別情報を対応付けて白ダマWD1、WD2、……、及びWDnを形成する。
【0075】
また領域区割部13は、画像分離部12から供給される黒成分紋様パターン画像BIMについても白成分紋様パターン画像WIMと同様にして複数の黒ダマBD1〜BDnを形成するようになされている。
【0076】
このようにして領域区割部13は、白成分紋様パターン画像WIMが有する紋様を複数の白ダマWD(WD1〜WDn)に区割りすると共に、黒成分紋様パターン画像BIMが有する紋様を複数の黒ダマBD(BD1〜BDn)に区割りすることにより、当該紋様を細分化し得るようになされている。
【0077】
この結果、領域区割部13は白成分紋様パターン画像WIM及び黒成分紋様パターン画像BIMが有する紋様を細かく分析可能になるため、紙紋様特徴量抽出部14での紙紋様特徴量の抽出精度を向上させることができるようになり、ひいては照合部16での照合結果における信頼性を向上させることができる。
【0078】
かかる構成に加えて領域区割部13は、例えば図17(A)に示すように白成分紋様パターン画像WIMが有する紋様を複数の白ダマ(WD1〜WDn)に区割りした後、図17(B)に示すように当該各白ダマから予め規定された連結数以下となる小ダマを除去するようになされており、当該除去した結果得られた残りの白ダマデータWDを紙紋様特徴量抽出部14へ送出する。
【0079】
また領域区割部13は、黒ダマBD(BD1〜BDn)についても白ダマ(WD1〜WDn)と同様にして小ダマを除去し、当該除去した結果得られた残りの黒ダマデータBDを紙紋様特徴量抽出部14へ送出する。
【0080】
これにより領域区割部13は、白成分紋様パターン画像WIM及び黒成分紋様パターン画像BIMが有する紋様の特徴部分のみを白ダマデータWD及び黒ダマデータBDとして抽出することができるため、紙紋様特徴量抽出部14における紙紋様特徴量の抽出精度を一段と向上させ得るようになされている。
【0081】
紙紋様特徴量抽出部14は、白ダマデータWD及び黒ダマデータBDにおける形状の特徴量を算出するようにして紙紋様特徴量を抽出するようになされている。この場合、紙紋様特徴量抽出部14では、白ダマデータWD及び黒ダマデータBDにおける各形状の特徴量をそのまま算出する際、その形状が複雑であって困難なことから、当該白ダマデータWD及び黒ダマデータBDの形状をそれぞれ矩形近似させ、その結果得られる矩形情報値を紙紋様特徴量MP3、及び比較用紙紋様特徴量MP4等として抽出するようになされている。
【0082】
実際上、制御部2は、コード印画モード時、紋様バイオメトリクススキャナSCNから与えられる紋様パターン画像に対して低域周波数成分抽出部11、画像分離部12、領域区割部13及び紙紋様特徴量抽出部14を介して紙紋様特徴量MP3を抽出し、これを2次元バーコード変換部15へ送出する。
【0083】
同時に制御部2は、紋様バイオメトリクススキャナSCNから与えられる指静脈画像に対し、生体情報特徴量抽出部17により輪郭強調等のフィルタリング処理、2値化処理、モルフォロジーと呼ばれる線状化処理等を施すことにより生体情報特徴量BD1を抽出し、これを2次元バーコード変換部15へ送出する。
【0084】
2次元バーコード変換部15は、紙紋様特徴量MP3及び生体情報特徴量BD1を基に認証用コードBC2を生成し、これをプリンタ部5へ送出する。
【0085】
また制御部2は、検証モード時、紋様バイオメトリクススキャナSCNから与えられる当該コード付印画紙XPc2における指定領域AR2の紋様パターン画像に対して、低域周波数成分抽出部11、画像分離部12、領域区割部13及び紙紋様特徴量抽出部14を順次介して比較用紙紋様特徴量MP4を抽出し、これを照合部16へ送出する。
【0086】
同時に制御部2は、紋様バイオメトリクススキャナSCNから与えられる指静脈画像に対し、生体情報特徴量抽出部17により輪郭強調等のフィルタリング処理、2値化処理、線状化処理等を施すことにより比較用生体情報特徴量BD2を抽出し、これを照合部16へ送出する。
【0087】
さらに制御部2は、検証モード時、紋様バイオメトリクススキャナSCNから与えられるコード付印画紙XPc2の認証用コードBC2を2次元バーコード復元部18により復元するようにして生成した復元紙紋様特徴量MP3´及び復元生体情報特徴量BD1´を照合部16へ送出する。
【0088】
照合部16は、復元紙紋様特徴量MP3´と比較用紙紋様特徴量MP4とを照合すると共に、復元生体情報特徴量BD1´と比較用生体情報特徴量BD2と照合することにより、コード付印画紙XPc2が正当な文書作成者によって作成されたオリジナル紙OP2そのものであるか否かを検証するようになされている。
【0089】
(4)紋様パターン及び文書作成時刻を用いた原本性保証処理
実際上、文書原本性保証装置1の制御部2は、オリジナル紙OP3に対して認証用コードBC3(図10及び図11)を印画させるための命令が操作部(図示せず)を介して与えられると、紋様パターン画像読取コマンドを紋様バイオメトリクススキャナSCNへ送出する。
【0090】
制御部2は、紋様パターン画像読取コマンドに対する紋様バイオメトリクススキャナSCNからの応答結果として、オリジナル紙OP3の指定領域AR3における紋様パターン画像が供給されると、コード印画モードへ遷移する。
【0091】
この場合、制御部2は紋様パターン画像から紙紋様特徴量MP5を抽出し、その紙紋様特徴量MP5を時刻情報送受信部4を介して時刻認証局CA1へ送出し、時刻認証局CA1が紙紋様特徴量MP5を受信した受信時刻JT1をオリジナル紙OP3の文書作成時刻であると認識する。
【0092】
時刻認証局CA1は、紙紋様特徴量MP5の受信時刻JT1と、当該紙紋様特徴量MP5とを結合した結合データをハッシュ値H1に変換し、当該ハッシュ値H1を公開鍵暗号方式による時刻認証局CA1の秘密鍵で暗号化することにより暗号化ハッシュ値AH1を生成した後、上述の受信時刻JT1と暗号化ハッシュ値AH1とを文書原本性保証装置1へ送信する。
【0093】
文書原本性保証装置1の制御部2は、時刻情報送受信部4を介して時刻認証局CAから受け取った受信時刻JT1及び暗号化ハッシュ値AH1と、先ほど抽出した紙紋様特徴量MP5とを基に所定の2次元バーコードでなる認証用コードBC3を生成し、これをプリンタ部5へ送出する。
【0094】
プリンタ部5は、認証用コードBC3をオリジナル紙OP3における紙面の一部として指定領域AR3の近傍(この場合、指定領域AR3の左隣部分)に印画することにより、認証用コードBC3を通して当該紙紋様特徴量MP5及び受信時刻JT1をリンク付けした状態でオリジナル紙OP3の紙面上に記憶させる。
【0095】
一方、制御部2はコード付印画紙XPc3の文書内容に対する原本性を検証するための命令が操作部(図示せず)を介して与えられると、紋様パターン画像読取コマンド、コード読取コマンドを紋様バイオメトリクススキャナSCNへ送出する。
【0096】
制御部2は、これらのコマンドに対する紋様バイオメトリクススキャナSCNからの応答結果として、認証用コードBC3の認証用2次元バーコードデータ、指定領域AR3の紋様パターン画像が供給されると、検証モードへ遷移する。
【0097】
この場合、制御部2は紋様パターン画像から比較用紙紋様特徴量MP6を抽出すると共に、認証用コードBC3を復元するようにして復元紙紋様特徴量MP5´、復元受信時刻JT1´及び復元暗号化ハッシュ値AH1´を得る。
【0098】
そして制御部2は、図11に示したように、その復元紙紋様特徴量MP5´と比較用紙紋様特徴量MP6とを比較照合することにより、その照合の結果、特徴量が所定の閾値を越えて一致するか否かを判定する。
【0099】
その後、制御部2は復元紙紋様特徴量MP5´と復元受信時刻JT1´とを基に復元ハッシュ値H11を生成すると共に、復元暗号化ハッシュ値AH1´を時刻認証局CA1の公開鍵で復号することにより元のハッシュ値H1を生成し、復元ハッシュ値H11とハッシュ値H1とが一致するか否かを判定することにより、コード付印画紙XPc3の受信時刻JT1に対する改ざんの有無を検証する。
【0100】
従って制御部2は、復元紙紋様特徴量MP5´と比較用紙紋様特徴量MP6とが一致し、かつ復元ハッシュ値H11とハッシュ値H1とが一致する場合、コード付印画紙XPc3がオリジナル紙OP3であって、受信時刻JT1についても改ざんされていないので、コード付印画紙XPc3が文書作成者によって文書作成時刻に作成されたオリジナル紙OP3そのものであることを検証し得るようになされている。
【0101】
(4−1)制御部の処理内容
ここで、かかる制御部2におけるコード印画モード時及び検証モード時における処理内容を機能的に分類すると、図13との対応部分に同一符号を付した図18に示すように、低域周波数成分抽出部11と、画像分離部12と、領域区割部13と、紙紋様特徴量抽出部14と、2次元バーコード変換部15と、コード付印画紙XPc3に印画された認証用コードBC3を復号する2次元バーコード復号部18と、2次元バーコードBC3の復号結果からハッシュ値を復元するハッシュ値復元部19と、照合部16とに分けることができる。
【0102】
ここで低域周波数成分抽出部11、画像分離部12、領域区割部13、紙紋様特徴量抽出部14、2次元バーコード変換部15、照合部16及び2次元バーコード復号部18の処理内容については、既に説明した通りであるため、ここでは説明の便宜上省略する。
【0103】
実際上、制御部2は、コード印画モード時、紋様バイオメトリクススキャナSCNから与えられる紋様パターン画像IM1に対して低域周波数成分抽出部11、画像分離部12、領域区割部13及び紙紋様特徴量抽出部14を介して紙紋様特徴量MP5を抽出し、これを2次元バーコード変換部15へ送出する。
【0104】
同時に制御部2は、その紙紋様特徴量MP5を時刻情報送受信部4を介して時刻認証局CA1へ送出することにより、送受信部4を介して時刻認証局CA1から与えられる紙紋様特徴量MP5の受信時刻JT1と、その受信時刻JT1及び紙紋様特徴量MP5の結合データに基づく暗号化ハッシュ値AH1とを2次元バーコード変換部15へ送出する。
【0105】
2次元バーコード変換部15は、紙紋様特徴量MP5、受信時刻JT1及び暗号化ハッシュ値AH1を基に認証用コードBC3を生成し、これをプリンタ部5へ送出する。
【0106】
また制御部2は、検証モード時、紋様バイオメトリクススキャナSCNから与えられる当該コード付印画紙XPc3における指定領域AR3の紋様パターン画像IM1に対して、低域周波数成分抽出部11、画像分離部12、領域区割部13及び紙紋様特徴量抽出部14を順次介して比較用紙紋様特徴量MP6を抽出し、これを照合部16へ送出する。
【0107】
同時に制御部2は、検証モード時、紋様バイオメトリクススキャナSCNから与えられる認証用コードBC3の認証用2次元バーコードデータを2次元バーコード復元部18により復元するようにして生成した復元紙紋様特徴量MP5´、復元受信時刻JT1´及び復元暗号化ハッシュ値AH1´をハッシュ値復元部19へ送出すると共に、復元紙紋様特徴量MP5´を照合部16へ送出する。
【0108】
ハッシュ値復元部19は、復元紙紋様特徴量MP5´及び復元受信時刻JT1´に基づいて復元ハッシュ値H11を生成すると共に、復元暗号化ハッシュ値AH1´を時刻認証局CAの公開鍵で復号することにより元のハッシュ値H1を生成し、復元ハッシュ値H11及びハッシュ値H1を照合部16へ送出する。
【0109】
照合部16は、比較用紙紋様特徴量MP6と復元紙紋様特徴量MP5´とが一致するか否かを判定することにより、コード付印画紙XPc3の真偽すなわち当該コード付印画紙XPc3がオリジナル紙OP3そのもの(原本)であるか否かを検証する。
【0110】
同時に照合部16は、復元ハッシュ値H11とハッシュ値H1とを比較することにより、両者が一致していれば認証用コードBC3中の受信時刻JT1が改ざんされておらず、正確であることを検証し、両者が一致していなければ認証用コードBC3中の受信時刻JT1が改ざんされていることを検証する。
【0111】
このように照合部16は、コード付印画紙XPc3の原本性を検証すると共に、認証用コードBC3中の受信時刻JT1に対する改ざんの有無を検証することにより、コード付印画紙XPc3自体がオリジナル紙OP3そのものであると共に、当該オリジナル紙OP3の文書内容が文書作成者しか知り得ない受信時刻JT1のときに作成されたものであって文書作成時刻の改ざんが行われていないことを確認するようになされている。
【0112】
(5)動作及び効果
以上の構成において、文書原本性保証装置1はコード印画モード時、オリジナル紙OP1の指定領域AR1から取得する紙紋様特徴量MP1だけを用いて、当該紙紋様特徴量MP1に基づいて生成した認証用コードBC1をオリジナル紙OP1の指定領域AR1の近傍に印画することにより、当該オリジナル紙OP1の原本性を保証することができるが、それに加えて文書作成者しか知り得ない証拠として文書作成者の生体情報特徴量BD1や、文書作成時刻に相当する時刻認証局CAの受信時刻JT1を紙紋様特徴量MP3、MP5にリンク付けした状態で認証用コードBC2、BC3を生成し、これをオリジナル紙OP2、OP3に印画する。
【0113】
これにより文書原本性保証装置1は、紙紋様特徴量MP3、MP5だけではなく当該紙紋様特徴量MP3、MP5と文書作成者しか持ち得ない(知り得ない)生体情報特徴量BD1や、文書作成者しか知り得ない受信時刻JT1とをリンク付けさせた認証用コードBC2、BC3を当該オリジナル紙OP2、OP3の紙面上に記憶させることができる。
【0114】
従って文書原本性保証装置1では、検証モード時、オリジナル紙OP2、OP3の認証用コードBC2、BC3には文書作成者の生体情報や文書作成時刻が一要素として含まれているため、それを知り得ない第3者が認証用コードBC2、BC3を偽造してコード付印画紙XPc2、XPc3に印画した場合であっても、生体情報が一致することや、文書作成時刻に応じたハッシュ値が一致することはなく、原本性の検証精度を一段と向上させることができる。
【0115】
例えば、文書作成者以外の第三者が正当な文書作成者になりすまし、その第三者によって偽造された認証用コードBC2の印画されているコード付印画紙XPc2が提示された場合、文書原本性保証装置1では、紙紋様特徴量が仮に一致していたとしても、第三者である以上は生体情報が一致することは絶対にないので当該コード付印画紙XPc2が正当な文書作成者によって作成されたオリジナル紙OP2ではないことを確実に検証することができる。
【0116】
また、文書作成者以外の第三者が認証用コードBC3を偽造してコード付印画紙XPc3を生成した場合、第三者は文書作成時刻すなわち時刻認証局CA1の受信時刻JT1を知り得ないため、文書原本性保証装置1ではハッシュ値が一致することは絶対になく、当該コード付印画紙XPc3が正当な文書作成者によって本来の文書作成時刻のタイミングで作成されたオリジナル紙OP3ではないことを確実に検証することができる。
【0117】
以上の構成によれば、文書原本性保証装置1はオリジナル紙OPの指定領域ARから取得した紙紋様特徴量MPに加えて文書作成者しか知り得ない証拠として当該文書作成者の生体情報特徴量や、文書作成時刻をリンク付けした状態で生成した認証用コードBCをオリジナル紙OPの紙面上に印画して記憶させることにより、オリジナル紙OPに記された文書内容の原本性を保証し、またオリジナル紙OPに記された文書内容の原本性を容易かつ高精度に検証することができる。
【0118】
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、指静脈画像から生体情報特徴量BD1を抽出し、紙紋様特徴量MP3とリンク付けさせるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、虹彩、指紋、声紋、顔等の種々の生体情報特徴量を虹彩取得手段、指紋取得手段、声紋取得手段及び顔情報取得手段を介して抽出し、紙紋様特徴量MP3とリンク付けさせるようにしても良い。
【0119】
また上述の実施の形態においては、文書作成者を特定するための生体情報特徴量BD1と紙紋様特徴量MP3とをリンク付けするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、文書作成者しか知り得ない公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて紙紋様特徴量を電子署名し、この電子署名データと紙紋様特徴量とを基に認証用コードを生成してオリジナル紙に印画するようにしても良い。
【0120】
この場合、例えば図19に示すように文書作成者は、予め自身の身分を証明するための認証データをPKI(Public Key Infrastructure)において設定する。具体的には、公開鍵暗号方式における鍵ペアとなる公開鍵21及び秘密鍵22を生成し、秘密鍵22をIC(Integrated Circuit)カードでなる本人認証カード21へ秘密裏に保存する。
【0121】
そして文書作成者は、公開鍵21を公開鍵認証局CA2へ送付し、当該公開鍵認証局CA2の電子署名が施された公開鍵証明書(PKC:Public Key Certificate)の発行を受け、公開鍵サーバ23に公開鍵21を保持させておく。
【0122】
図20に示すように、文書原本性保証装置1は紋様バイオメトリクススキャナSCNによってオリジナル紙OP4の指定領域AR4から紙紋様特徴量MP7を抽出し、本人認証カード21から秘密鍵22を読み取り、紙紋様特徴量MP7を秘密鍵22により電子署名し、その結果得られる電子署名データD8と紙紋様特徴量MP7とを基に認証用コードBC4を生成し、これをオリジナル紙OP4における指定領域AR4の近傍に印画する。
【0123】
なお文書原本性保証装置1は、電子署名を行う際には文書作成者を特定するためのID(Identification)を含むことができ、これにより紙紋様特徴量MP3と文書作成者のIDとをリンク付けることができるようになされている。
【0124】
図21に示すように、文書原本性保証装置1は紋様バイオメトリクススキャナSCNによってコード付印画紙XPc4から認証用コードBC4を読み取り、当該認証用コードBC4を復元するようにして復元紙紋様特徴量MP7´及び復元電子署名データD8´を得ると共に、指定領域AR4から取得した紙紋様パターン画像から比較用紙紋様特徴量MP8を抽出する。
【0125】
そして文書原本性保証装置1は、復元紙紋様特徴量MP7´と比較用紙紋様特徴量MP8とを照合することにより真偽を検証すると共に、公開鍵サーバ23から取得した文書作成者の公開鍵21を用いて復元電子署名データD8´について署名検証を行い、その結果、コード付印画紙XPc4が正当な文書作成者によって作成されたオリジナル紙OP4であるか否かを検証することができる。
【0126】
なお文書原本性保証装置1は、秘密鍵22により電子署名せず、紙紋様特徴量MP7と秘密鍵22とに基づいて認証用コードBC4を生成し、これをオリジナル紙OP4における指定領域AR4の近傍に印画するようにしても良い。
【0127】
さらに上述の実施の形態においては、紋様パターンと生体情報とをリンク付けし、紋様パターンと文書作成時刻とをリンク付けするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、紋様パターンと生体情報と文書作成時刻とをリンク付けするようにしても良い。
【0128】
さらに上述の実施の形態においては、紋様バイオメトリクススキャナSCNにより取得した紋様パターン画像に対して低域周波数成分抽出部11、画像分離部12、領域区割部13、紙紋様特徴量抽出部14を順次介して紙紋様特徴量を抽出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらの処理を施すことなく紋様パターン画像を紙紋様特徴量として用いたり、これらの処理の一部だけを行って紙紋様特徴量を抽出したり、これらの処理以外の処理を加え或いは変更することにより紙紋様特徴量を抽出するようにしても良い。
【0129】
さらに上述の実施の形態においては、紋様バイオメトリクススキャナSCNにより指定領域ARから紋様パターン画像を取得し、その紋様パターン画像から紙紋様特徴量を抽出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、指定領域以外の場所や、複数の指定領域や、或いはオリジナル紙OP全体から紋様パターン画像を取得し、その紋様パターン画像から紙紋様特徴量を抽出するようにしても良い。
【0130】
さらに上述の実施の形態においては、2次元バーコードでなる認証用コードBCをオリジナル紙OPに印画するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、紙紋様特徴量MP3及び生体情報特徴量BD1に応じたパターンの穴や点字を印画したり、紙紋様特徴量MP5及び受信時刻JT1に応じたパターンの穴や点字を印画したり、紙紋様特徴量MP3を生体情報特徴量BD1に応じて変調した結果得られる特徴量や、紙紋様特徴量MP5を受信時刻JT1に応じて変調した結果得られる特徴量を2次元情報として直接印画するようにしても良い。
【0131】
さらに上述の実施の形態においては、制御部2が情報記憶メモリからワークメモリにロードしたアプリケーションプログラムに基づいて上述の紋様パターン及び生体情報を用いた原本性保証処理や、紋様パターン及び文書作成時刻を用いた原本性保証処理を実行するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該アプリケーションプログラムが格納されたプログラム格納媒体を文書原本性保証装置1にインストールすることにより上述の紋様パターン及び生体情報を用いた原本性保証処理や、紋様パターン及び文書作成時刻を用いた原本性保証処理を実行するようにしても良い。
【0132】
このようにアプリケーションプログラムを文書原本性保証装置1にインストールするためのプログラム格納媒体としては、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体メモリ、リムーバブルハードディスク等のパッケージメディアのみならず、アプリケーションプログラムが一時的又は永続的に格納される磁気ディスク等を用いてもよく、これらアプリケーションプログラムをプログラム格納媒体に格納するための手段としては、ローカルエリアネットワークやインターネット、ディジタル衛星放送等の有線又は無線の通信媒体を利用してもよく、ルータやモデム等の各種通信インタフェースを介して格納するようにしても良い。
【0133】
さらに上述の実施の形態においては、文書原本性保証装置としての文書原本性保証装置1を、紋様取得手段としての紋様バイオメトリクススキャナSCN、証拠取得手段としての紋様バイオメトリクススキャナSCNや送受信部14、2次元情報生成手段としての2次元バーコード変換部15によって構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる紋様取得手段、証拠取得手段及び2次元情報生成手段によって文書原本性保証装置を構成するようにしても良い。
【0134】
さらに上述の実施の形態においては、文書原本性検証装置としての文書原本性保証装置1を、紋様取得手段としての紋様バイオメトリクススキャナSCN、証拠取得手段としての紋様バイオメトリクススキャナSCNや送受信部14、2次元情報読取手段としての2次元バーコード変換部15、復元手段としての生体情報特徴量抽出部17、紙紋様特徴量抽出部14、2次元バーコード復号部18、ハッシュ値復元部19、検証手段としての称号部16によって構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる紋様取得手段、証拠取得手段、2次元情報読取手段、復元手段及び検証手段によって文書原本性検証装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明の文書原本性保証装置、文書原本性保証方法、文書原本性保証プログラム及び文書原本性検証装置は、例えば紙を、貨幣等の商品交換媒体、証明書や契約書等の内容証明媒体、個人の著作物等の情報記憶媒体等の各種媒体として使用する場合に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】紙の紋様を示す略線図である。
【図2】紙紋様特徴量を用いた原本性保証手法の説明に供する略線図である。
【図3】原本性の検証に関する説明に供する略線図である。
【図4】紙紋様特徴量の抽出及び生体情報特徴量の採取の説明に供する略線図である。
【図5】紋様バイオメトリクススキャナの構造(1)を示す略線図である。
【図6】紋様バイオメトリクススキャナの構造(2)を示す略線図である。
【図7】紙紋様特徴量及び生体情報特徴量に応じた認証用コードの登録の説明に供する略線図である。
【図8】紙紋様特徴量及び生体情報特徴量の抽出の説明に供する略線図である。
【図9】照合処理の説明に供する略線図である。
【図10】紙紋様特徴量及び文書作成時刻に応じた認証用コードの登録の説明に供する略線図である。
【図11】紙紋様特徴量及び文書作成時刻の検証の説明に供する略線図である。
【図12】文書原本性保証装置の構成を示す略線的ブロック図である。
【図13】制御部の処理内容(1)の説明に供する略線的ブロック図である。
【図14】低域周波数成分の抽出の説明に供する略線図である。
【図15】紙紋様パターン画像の分離説明に供する略線図である。
【図16】白ダマ(黒ダマ)の区割りの説明に供する略線図である。
【図17】小ダマの除去の説明に供する略線図である。
【図18】制御部の処理内容(2)の説明に供する略線的ブロック図である。
【図19】PKIにおける認証データの設定の説明に供する略線図である。
【図20】紙紋様特徴量の抽出及び電子署名の説明に供する略線図である。
【図21】紙紋様特徴量及び署名検証の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
【0137】
1……文書原本性保証装置、2……制御部、3……バス、4……時刻情報送受信部、5……プリンタ部、11……低域周波数成分抽出部、12……画像分離部、13……領域区割部、14……紙紋様特徴量抽出部、15……2次元バーコード変換部、16……照合部、17……生体情報特徴量抽出部、18……2次元バーコード復号部、19……ハッシュ値復元部、20……本人認証カード、21……公開鍵、22……秘密鍵、23……公開鍵サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙が有する固有の紋様を取得する紋様取得手段と、
上記紙に記された文書内容の原本性を保証するため上記文書内容の作成者しか知り得ない所定の証拠を取得する証拠取得手段と、
上記紋様及び上記証拠に応じた2次元情報を生成し、当該2次元情報を当該紙の所定位置に貼付する2次元情報付与手段と
を具えることを特徴とする文書原本性保証装置。
【請求項2】
上記証拠取得手段は、
上記紙に記された文書内容の原本性を保証するため当該文書内容の作成者に関する生体情報を上記証拠として取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の文書原本性保証装置。
【請求項3】
上記証拠取得情報は、
上記紋様取得手段による上記紋様の取得タイミングに合わせて同時に上記生体情報を取得することにより上記紙と上記作成者とをリンク付ける
ことを特徴とする請求項2に記載の文書原本性保証装置。
【請求項4】
上記証拠取得手段は、
上記紙に記された文書内容の原本性を保証するため当該文書内容の作成者を特定するための特定情報として公開鍵認証基盤における秘密鍵を上記証拠として取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の文書原本性保証装置。
【請求項5】
上記証拠情報取得手段は、
上記紙に記された文書内容の原本性を保証するため当該文書内容の作成時刻を上記証拠として取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の文書原本性保証装置。
【請求項6】
上記2次元情報付与手段は、上記紋様及び上記作成時刻に基づいてハッシュ値を生成し、上記紋様、上記作成時刻及び上記ハッシュ値に基づいて上記2次元情報を生成する
ことを特徴とする請求項5に記載の文書原本性保証装置。
【請求項7】
紙が有する固有の紋様を取得する紋様取得ステップと、
上記紙に記された文書内容の原本性を保証するため上記文書内容の作成者しか知りえない所定の証拠を取得する証拠取得ステップと、
上記紋様及び上記証拠に応じた2次元情報を生成する2次元情報生成ステップと、
上記2次元情報を当該紙の所定位置に貼付する貼付ステップと
を具えることを特徴とする文書原本性保証方法。
【請求項8】
所定のコンピュータに対して、
紙が有する固有の紋様を取得する紋様取得ステップと、
上記紙に記された文書内容の原本性を保証するため上記文書内容の作成者しか知り得ない所定の証拠を取得する証拠取得ステップと、
上記紋様及び上記証拠に応じた2次元情報を生成する2次元情報生成ステップと、
上記2次元情報を当該紙の所定位置に貼付する貼付ステップと
実行させることを特徴とする文書原本性保証プログラム。
【請求項9】
紙が有する固有の紋様を取得する紋様取得手段と、
上記紙に記された文書内容の原本性を保証するため上記文書内容の作成者しか知り得ない所定の証拠を取得する証拠取得手段と、
上記紋様及び上記証拠に応じて生成され貼付された2次元情報を上記紙の所定位置から読み取る2次元情報読取手段と、
上記2次元情報から元の紋様及び証拠を復元する復元手段と、
上記紋様取得手段によって取得した上記紋様及び上記証拠取得手段によって取得した上記証拠と、上記復元手段によって復元した上記元の紋様及び元の証拠とを比較することにより上記文書内容の原本性に関する真偽を検証する検証手段と
を具えることを特徴とする文書原本性検証装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図1】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−325160(P2006−325160A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−148734(P2005−148734)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】