説明

新規ジベンゾ[B,F]オキセピン−10−カルボキサミドおよびその薬学的使用

本発明は、式I
【化1】


[式中、
Xは、O、NH、N(C1−4)アルキル、COまたはCHOHであり、
Yは、CHまたはNであり、
AおよびBはそれぞれ水素であるか、または一体となって、それらが結合している炭素原子間のもう1つの結合を形成しており、
は、水素または(C1−4)アルキルであり、
は、所望により置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、
は、CH(R)CONRまたは(CHNRであり、
nは、0、1または2であり、
、R、RおよびRは、独立して、水素であるかまたは所望により置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、(C7−9)ビシクロアルキル、1−アザ−(C7−9)ビシクロアルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキルもしくはヘテロシクリルであるか、または
、R、RおよびRは、それらが結合している窒素と一体となって、所望により置換されていてよいピロリジニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基またはピペラジニル基を形成しており、
は、(C1−8)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキルであり、および
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキル−SO、シアノ、ニトロまたはハロゲンである]
で示される化合物;式Iのかかる化合物の製造方法、とりわけベータ−アミロイド生成および/または凝集に関係する神経障害および血管障害の処置における、医薬としてのそれらの使用、および式Iのかかる化合物を含む医薬組成物および組合せに関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、新規ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボキサミド、それらの製造方法、医薬としてのそれらの使用およびそれらを含む医薬組成物に関する。
【0002】
より特には、本発明は、式I
【化1】

[式中、
Xは、O、NH、N(C1−4)アルキル、COまたはCHOHであり、
Yは、CHまたはNであり、
AおよびBはそれぞれ水素であるか、または一体となって、それらが結合している炭素原子間のもう1つの結合を形成しており、
は、水素または(C1−4)アルキルであり、
は、所望により置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、
は、CH(R)CONRまたは(CHNRであり、
nは、0、1または2であり、
、R、RおよびRは、独立して、水素であるかまたは所望により置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、(C7−9)ビシクロアルキル、1−アザ−(C7−9)ビシクロアルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキルもしくはヘテロシクリルであるか、または
、R、RおよびRは、それらが結合している窒素と一体となって、所望により置換されていてよいピロリジニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基またはピペラジニル基を形成しており、
は、(C1−8)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキルであり、および
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキル−SO、シアノ、ニトロまたはハロゲンである]
で示される、遊離塩基または酸付加塩形態の化合物を提供する。
【0003】
式Iの化合物およびそれらの塩に不斉炭素原子が存在するため、前記化合物は、光学活性形態または光学異性体の混合物の形態、例えばラセミ混合物の形態で存在し得る。すべての光学異性体およびラセミ混合物を含むそれらの混合物は、本発明の一部である。
【0004】
化合物、塩などに複数形が用いられるとき、これは単一の化合物、塩なども意味すると解釈する。
ハロゲンとは、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素を示す。
【0005】
上記の非芳香族基の置換基は、ヒドロキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルスルファニル、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)スルホニル、シアノ、オキソ、ヘテロ(C3−7)シクロアルキル、所望により置換されていてよいアリールまたはヘテロアリールから選択される。
【0006】
上記の芳香族またはヘテロ芳香族基の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ベンジルオキシ、フェノキシ、SONH、NHSO(C1−3)アルキル、カルボキシ、(C1−4)アルキルオキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルバモイル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは所望により置換されていてよいアミノから選択される。
【0007】
アミノ基の置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシカルボニル、アリール(C1−4)アルキルオキシカルボニルまたはヘテロアリール(C1−4)アルキルオキシカルボニルから選択される1個または2個の基であり得る。
【0008】
アリールは、好ましくは非置換かまたは、独立して、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシ、(C1−4)アルキルオキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルバモイル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニルアミノ、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシまたはヒドロキシ(C1−4)アルキルにより一、二または三置換されている芳香族6員環である。それはまた、シクロアルキルまたは付加的芳香族環もしくはヘテロ芳香族環と縮合され得る(例えば、ナフチル基、キノリニル基またはインドリル基を形成する)。
【0009】
ヘテロアリールは、1、2または3個の原子が、O、NおよびSから独立して選択されるヘテロ原子である、芳香族5または6員環である。ヘテロアリールは、例えば、1−メチル−1H−ピロール−2−イルまたは1H−イミダゾール−2−イル、ピリジル、例えば2−ピリジル、3−ピリジルまたは4−ピリジル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、フリルまたはチアジアゾリルである。それはまた、シクロアルキルまたは付加的芳香族環もしくはヘテロ芳香族環と縮合され得る(例えば、キノリニル基、ベンゾイミダゾリル基またはインドリル基を形成する)。
【0010】
ヘテロシクリルは、1、2または3個の原子が、O、NおよびSから独立して選択されるヘテロ原子である、完全にまたは部分的に飽和した5または12員環であり、特に、非置換かまたはハロゲン、(C1−4)アルキルまたは(C3−5)シクロアルキルにより一もしくは二置換されているクロマニルである。
【0011】
いずれのアルキル基またはアルコキシ基も直鎖または分岐鎖であり、例えば、メチル、エチル、プロピルまたはn−ブチルである。他に特定されていなければ、アルキルとは好ましくは(C1−4)アルキルである。
【0012】
シクロアルキルは、好ましくは(C3−6)シクロアルキルであり、それは、所望により(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルまたは(C3−6)シクロアルキルにより置換されていてよく、かつフェニル基と環形成(annealed)し、故に、例えば、テトラヒドロナフチル基を形成し得る。
【0013】
式Iにて、以下の意味は、独立して、まとめて、またはいずれかの組合せもしくは下位の組合せが好ましい:
(a)XはOであり、
(b)YはCHであり、
(c)AおよびBは一体となって、それらが結合している炭素原子間のもう1つの結合を形成し、
(d)Rは水素であり、
(e)Rは所望により置換されていてよいアルキルまたは所望により置換されていてよいフェニルであり、
(f)nは0を示し、
(g)Rは(C1−8)アルキルであり、
(h)R、R、R、R、RおよびRはすべて水素であり、
(i)RおよびRは、独立して、水素、(C1−7)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、ベンジル、フェニル、(C3−5)シクロアルキル(C1−4)アルキル、ピリジル、ピリジル(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルピペリジニル、テトラヒドロピラニル、(C7−8)ビシクロアルキル、1−アザ−(C7−9)ビシクロアルキル;ヒドロキシにより置換された(C5−6)シクロアルキル;または、非置換かもしくは(C1−4)アルキルにより置換されているピラゾリルまたはイソオキサゾリルであり、
【0014】
(j)RおよびRは、独立して、水素、テトラヒドロナフチル、(C1−4)アルコキシテトラヒドロナフチル、非置換かまたはハロフェニルにより置換されている(C3−5)シクロアルキル;ハロゲン、(C1−4)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルにより置換されているクロマニル;または、非置換かまたは(C5−7)シクロアルキル、フェニル、(C1−4)アルコキシフェニル、ジ(C1−4)アルコキシフェニル、ハロフェニル、フェノキシフェニル、(C1−4)アルキルフェニル、ヒドロキシ(C1−4)アルキルフェニル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシフェニル、ナフチル、ピリジル、チアジアゾリル、ベンゾイミダゾリルまたはフリルにより一もしくは二置換されている(C1−4)アルキルである。
【0015】
特に、本発明は、
Xが、O、NH、N(C1−4)アルキル、COまたはCHOHであり、
Yが、CHまたはNであり、
AおよびBがそれぞれ水素であるか、またはそれらが結合している炭素原子間のもう1つの結合を一体となって形成しており、
が、水素または(C1−4)アルキルであり、
が、所望により置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、
が、CH(R)CONRまたは(CHNRであり、
nが、0、1または2であり、
、R、RおよびRが、独立して、水素であるかまたは所望により置換されていてよい(C1−8)アルキル(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキルであるか、または
、R、RおよびRが、それらが結合している窒素と一体となって、所望により置換されていてよいピロリジニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基またはピペラジニル基を形成しており、
が、(C1−8)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキルであり、および
、R、R、R、RおよびRが、独立して、水素、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキル−SO、シアノ、ニトロまたはハロゲンである、
式Iの化合物に関する。
【0016】
Xが、O、NHまたはCOであり、
Yが、CHまたはNであり、
AおよびBがそれぞれ水素であるか、または一体となって、それらが結合している炭素原子間のもう1つの結合を形成しており、
が水素であり、
が(C1−4)アルキルであるか、または非置換かもしくはヒドロキシ、アミノまたはハロゲンにより置換されているフェニルであり、
が、CH(R)CONRまたは(CHNRであり、
nが、0または1であり、
およびRが、独立して、水素、(C1−7)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、ベンジル、フェニル、(C3−5)シクロアルキル(C1−4)アルキル、ピリジル、ピリジル(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルピペリジニル、テトラヒドロピラニル、(C7−8)ビシクロアルキル、1−アザ−(C7−9)ビシクロアルキル;ヒドロキシにより置換された(C5−6)シクロアルキル;または、非置換かもしくは(C1−4)アルキルにより置換されているピラゾリルまたはイソオキサゾリルであり、
およびRが、独立して、水素、テトラヒドロナフチル、(C1−4)アルコキシテトラヒドロナフチル、非置換かまたはハロフェニルにより置換されている(C3−5)シクロアルキル;ハロゲン、(C1−4)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルにより置換されているクロマニル;または、非置換かまたは(C5−7)シクロアルキル、フェニル、(C1−4)アルコキシフェニル、ジ(C1−4)アルコキシフェニル、ハロフェニル、フェノキシフェニル、(C1−4)アルキルフェニル、ヒドロキシ(C1−4)アルキルフェニル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシフェニル、ナフチル、ピリジル、チアジアゾリル、ベンゾイミダゾリルまたはフリルにより一もしくは二置換されている(C1−4)アルキであり、
が、(C1−8)アルキルであり、および
、R、R、R、RおよびRが、独立して、水素またはハロゲンである、
式Iの化合物が好ましい。
【0017】
さらなる局面にて、本発明は、式Iの化合物およびそれらの塩の製造方法であって、式II
【化2】

[式中、R、RおよびRは上記のとおりである]
で示される化合物を、式III
【化3】

[式中、X、Y、A、B、R、R、R、R、RおよびRは上記のとおりである]で示される酸またはその活性型でアシル化し、そうして得られた遊離塩基または酸付加塩形態の式Iの化合物を回収する工程を含む方法を提供する。
【0018】
前記反応は、例えば、実施例に記載のとおりに常套法により行われ得る。
【0019】
式Iの化合物はまた、例えば、実施例に記載のとおりにさらなる常套法により製造され得る。
【0020】
式IIおよびIIIの出発物質は、既知であるか、または例えば、実施例に記載のとおりに既知の化合物から出発して常套法により製造され得る。
【0021】
反応混合物の後処理およびこうして得られた化合物の精製を、既知の方法により行うことができる。
【0022】
酸付加塩を、既知の方法で遊離塩基から製造することができ、その逆もできる。
【0023】
光学的に純粋な形態の式Iの化合物を、よく知られている方法、例えば、キラルマトリックスでのHPLCにより対応するラセミ体から得ることができる。あるいは、光学的に純粋な出発物質を用いることができる。
【0024】
保護基
1個以上の他の官能基が、例えばカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基またはメルカプト基であるならば、保護基により出発物質が保護される必要があり得る。用いられる保護基は、前駆体に既に存在していてよく、アシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解および同様の反応などの望まれない二次反応に対して関与する官能基を保護するべきである。それらが、それら自体容易に、すなわち、望まれない二次反応なしに、通常、加溶媒分解、還元、光分解によるか、または例えば、生理的状態と類似の条件下、酵素活性によっても除去されるのに役立ち、かつそれらが最終産物に存在しないことは、保護基の特徴である。専門家は、保護基が上記および下記の反応に適することを既知であるか、または容易に確認することができる。
【0025】
かかる保護基によるかかる官能基の保護、保護基自体、およびそれらの除去反応は、例えば、J. F. W. McOmieの“Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973、T. W. Greeneの“Protective Groups in Organic Synthesis”, Wiley, New York 1981、“The Peptides”; 第3巻(編集: E. GrossおよびJ. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981、“Methoden der organischen Chemie”(Methods of organic chemistry), Houben Weyl、第4版、第15巻/I、Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974、H.−D. JakubkeおよびH. Jescheit, “Aminosauuren, Peptide, Proteine”(Amino acid, peptides, proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach,and Basel 1982、および、Jochen Lehmannの“Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate”(Chemistry of carbohydrates: monosaccharides and derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974などの標準的な参考文献に記載されている。
【0026】
式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される酸付加塩(以下、本発明の薬剤と称する)は、インビトロおよび動物にて試験したとき有益な薬理学的特性を示し、故に、医薬として有用である。
【0027】
本発明の薬剤は、アスパラギン酸プロテアーゼの阻害剤であって、かかる酵素によるプロセシングに関係する障害の処置に用いられ得る。特に、それらはベータ−セクレターゼを阻害し、それ自体、ベータ−アミロイドの生成、およびその後のオリゴマーおよび繊維への凝集を阻害する。
【0028】
試験1 ヒトBACEの阻害
組み換えBACE(バキュロウイルスにて発現させ、標準的な方法を用いて精製した細胞外ドメイン)を6nM濃度で、0.1%CHAPSを含む100mM酢酸緩衝液、pH4.5中、室温で1時間、様々な濃度の試験化合物と共にインキュベートする。合成ペプチド基質 Mca−Ser−Glu−Val−Asn−Leu−Asp−Ala−Glu−Phe−Lys(DNP)を、終濃度3μMまで加え、そして蛍光の増大を、1分間隔で20分間、マイクロプレート蛍光分光計で325nmの励起光および400nmの放射光にて記録する。IC50値を、試験化合物濃度の関数として、BACE活性の阻害率から計算する。
【0029】
試験2 ヒトBACE−2の阻害
組み換えBACE−2(バキュロウイルスにて発現させ、標準的な方法を用いて精製した細胞外ドメイン)を2.5nM濃度で、0.1%CHAPSを含む100mM酢酸緩衝液、pH4.5中、室温で1時間、様々な濃度の試験化合物と共にインキュベートする。合成ペプチド基質 Mca−Ser−Glu−Val−Asn−Leu−Asp−Ala−Glu−Phe−Lys(DNP)を、終濃度3μMまで加え、そして蛍光の増大を、1分間隔で20分間、マイクロプレート蛍光分光計で325nmの励起光および400nmの放射光にて記録する。IC50値を、試験化合物濃度の関数として、BACE−2活性の阻害率から計算する。
【0030】
試験3 ヒトカテプシンDの阻害
組み換えカテプシンD(バキュロウイルスにてプロカテプシンDとして発現させ、標準的な方法を用いて精製し、そしてギ酸ナトリウム緩衝液 pH3.7中でインキュベートすることにより活性化したもの)を、100mMギ酸ナトリウム緩衝液、pH3.1中、室温で1時間、様々な濃度の試験化合物と共にインキュベートする。合成ペプチド基質 Mca−Gly−Lys−Pro−Ile−Leu−Phe−Phe−Arg−Leu−Lys(DNP)−D−Arg−NHを、終濃度2μMまで加え、そして蛍光の増大を、1分間隔で20分間、マイクロプレート蛍光分光計にて325nmの励起光および400nmの放射光にて記録する。IC50値を、試験化合物濃度の関数として、カテプシンD活性の阻害率から計算する。
【0031】
試験4 アミロイドペプチド1−40の細胞内放出の阻害
チャイニーズハムスターの卵巣細胞を、アミロイド前駆体タンパク質の遺伝子で形質転換する。細胞を、96ウェルマイクロタイタープレート中8000細胞/ウェルの密度でプレートし、そして10%FCSを含むDMEM細胞培養培地にて24時間培養する。試験化合物を様々な濃度で細胞に加え、そして細胞を試験化合物の存在下で24時間培養する。上清を集め、アミロイドペプチド1−40の濃度を、サンドイッチELISAを用いて測定する。前記化合物の有効性を、試験化合物濃度の関数として、アミロイドペプチド放出の阻害率から計算する。
【0032】
上に示した試験の少なくとも1つにて、本発明の薬剤は、20μMより低い濃度で活性を示す。
【0033】
従って、本発明の薬剤は、例えば、アルツハイマー病などの神経変性疾患、ダウン症候群、記憶および認識障害、認知症、アミロイドニューロパシー、脳炎、神経および脳外傷、血管アミロイド症、またはアミロイド症を伴う脳出血などの、ベータ−アミロイド生成および/または凝集に関係する神経障害および血管障害の処置および/または予防に有用である。
【0034】
本発明の薬剤のいくつかは、BACE2(ベータ−部位APP−切断酵素2)またはカテプシンD(CathD)(ペプシン型アスパルチルプロテアーゼの密接な相同体)も阻害する。BACE2およびCathD発現と、腫瘍細胞のより高い腫瘍形成能および転移能との相関関係により、かかる阻害剤は、腫瘍細胞に関連する転移過程の抑制に有用である。
【0035】
上に示した適応症に関して、適当な投与量とはもちろん、例えば、用いる化合物、宿主、投与方法、ならびに処置される状態の性質および重症度に依存して変化する。しかしながら、一般に、動物における満足のいく結果は、動物体重1kg当たり約0.1〜約100、好ましくは約1〜約50mgの日用量で得られることが示される。より大きな哺乳動物、例えばヒトでは、指示される日用量は、例えば、一日に4回までの分割投与形態または持続放出形態で都合良く投与される本発明の薬剤を約10〜約2000、好ましくは約10〜約200mgの範囲である。
【0036】
本発明の薬剤は、いかなる都合の良い経路によっても投与され得、特に経腸的に、好ましくは、例えば錠剤またはカプセル剤の形態で経口的に、または例えば、注射剤または懸濁剤の形態で非経腸的に投与され得る。
【0037】
上記に従い、本発明はまた、例えばベータ−アミロイド生成および/または凝集に関係する神経障害および血管障害の処置のための、医薬としての使用を目的とした本発明の薬剤を提供する。
【0038】
本発明はさらに、少なくとも1個の薬学的な担体または希釈剤と共に本発明の薬剤を含む医薬組成物を提供する。かかる組成物を、常套的な方法にて製造することができる。単一用量形態には、例えば、約1〜約1000、好ましくは約1〜約500mgの本発明の薬剤が含まれる。
【0039】
本発明の薬剤は、上記の状態の処置にて、単独または効果的な他の薬剤との組合せで投与され得る。かかる他の薬剤は、とりわけ、例えば、商標Aricept(商標)で市販されている形態の塩酸ドネペジル、例えば商標Exelon(商標)で市販されている形態のリバスチグミン(rivastigmine)、および例えば商標Reminyl(商標)で市販されている形態のガランタミン臭化水素酸塩から選択され得る。
【0040】
上記の活性薬剤の構造は、標準的概論“The Merck Index”の現行版、または例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)のデータベースから明らかにされ得る。その対応する内容は、参照により本明細書中に含まれる。
【0041】
前記医薬組成物は、単一用量形態であり得、故にそれぞれの単一用量は、適した薬学的な担体または希釈剤との混合剤中に、所定の量の2個の成分を含むことができる。あるいは、前記組合せは、例えば2個の活性薬剤の同時または個別投与に好適なパックまたはディスペンサー装置などの、2個の成分を別々に含むパッケージの形態であり得、ここでこれらの薬剤は、別々に配置される。用いる組合せパートナーが、単一薬剤として市販されている形態で用いられるとき、その投与量および投与方法は、本明細書中に他に記載がない場合、本明細書に記載の有益な効果を生じるために、それぞれの市販薬剤の添付文書に供される情報に従って行うことができる。
【0042】
さらに、本発明は、ベータ−アミロイド生成および/または凝集に関係するいずれかの神経障害および血管障害を処置するための医薬の製造を目的とした、本発明の薬剤の使用を提供する。
【0043】
さらなる局面にて、本発明は、ベータ−アミロイド生成および/または凝集に関係するいずれかの神経障害および血管障害の処置方法であって、治療的有効量の本発明の薬剤をかかる処置を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
本発明の化合物は、研究用試薬としても商業的に有用である。
【0044】
実施例
以下の実施例は、本発明を説明する。
略語:
BOC tert−ブトキシカルボニル
BOP ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
DCM ジクロロメタン
DMPU N,N’−ジメチルプロピレン尿素
EDCl 1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−カルボジイミド塩酸塩
EtOAc 酢酸エチル
h 時間
HCl 塩酸
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LAH 水素化アルミニウムリチウム
min 分
Mp 融点
MS 質量分析
Rf 保持因子(TLC)
rt 室温
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0045】
温度を、摂氏温度で測定する。他に表示がなければ、反応を室温で行う。最終産物、中間体および出発物質の構造を、例えば、微量分析および分光学的特性(例えば、MS、IR、NMR)などの標準的な分析方法により確認する。
【0046】
実施例1:10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−1−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−ペンチル]−アミド
ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−(3−ベンジルオキシ−ベンジル)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル]−アミド(200mg、0.3mmol)を、15時間、10%Pd/C(Engelhard 4505、40mg)と共にrtで水素化する(5atm H)。その触媒を、ろ過により除去し、溶媒を蒸発させる。残渣を、シリカ(Flashmaster、DCMからDCM/メタノール 85/15)のクロマトグラフを行い、次にDCM/エーテル/ヘキサンから再結晶し、白色固体として2つのジアステレオマーのラセミ体1/1混合物を得る(140mg)。
MS (LC/MS): 553 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, C2D2Cl4): 7.45−7.0 (m. 9H), 6.77−6.60 (m, 3H), 5.7−5.52 (m, 2H), 5.32 (br s, 1H), 4.1−3.9 (m, 2H), 3.6−3.35 (m, 3H), 3.3−3.15 (m, 2H), 3.0−2.5 (m, 2H), 2.55−2.45 (m, 1H), 1.65−1.25 (m, 5H), 1.14 (t, 3H), 1.0−0.95 (m, 3H)
出発物質を、以下に記載のとおりに製造することができる:
【0047】
a)[1−ベンゼンスルホニル−2−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
アセトニトリル155ml中、(3−ベンジルオキシ−フェニル)−アセトアルデヒド(20.6g、91mmol)、tert−ブチルカルバメート(10.7g、91mmol、1等量)、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(18.3g、109mmol、1.2等量)およびギ酸(5.2ml、137mmol、1.5等量)の懸濁液を、80℃で4時間撹拌する。室温まで冷ました後、混合物をEtOAcに溶解する。溶液を重炭酸塩および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして蒸発させる。残渣(37.3g)を、さらなる精製なしに次の工程に用いる。
MS (LC/MS): 490 [M+Na]
【0048】
b)[(S)−2−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−1−((S)−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
5H−フラン−2−オン(11.2ml、160mmol、2等量)のTHF溶液(60ml)を、−78℃でリチウムジイソプロピルアミド(市販の2M THF/ヘプタン/エチルベンゼン溶液 80ml、160mmol、2等量)のTHF(180ml)溶液にゆっくりと加える。混合物を−78℃でさらに20分間撹拌し、その後、[1−ベンゼンスルホニル−2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(37.3g、80mmol)のTHF(220ml)を同じ温度で加える。−78℃でさらに45分撹拌後、重炭酸塩水溶液を加え、反応混合物をEtOAcに溶解する。有機層を重炭酸塩および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒の蒸発により残渣を得、それをヘキサン/EtOAc 9/1〜7/3を用いてシリカのクロマトグラフィーにより精製する。産物をエーテル/ヘキサンから再結晶し、白色の結晶として産物を得る(11.1g)。
MS (LC/MS): 432 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.45−7.2 (m, 7H), 6.9−6.85 (m, 3H), 6.06 (d, 1H), 5.07 (s, 2H), 4.90 (d, 1H), 4.50 (d, 1H), 4.20 (q, 1H), 3.01 (dd, 1H), 2.91 (dd, 1H), 1.38 (s, 9H)
【0049】
c)[(S)−2−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−1−((S)−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(S)−2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−((S)−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(11.1g、27mmol)を、1時間、触媒としてのPt/C(5%Engelhard 4709、2.3g)と共にTHF(550ml)中で室温にて水素化する(1atm H)。触媒をろ過により除去し、ろ液を蒸発させる。シリカのクロマトグラフィーにより精製し(Flashmaster、ヘキサンからヘキサン/EtOAc 55/45に40分かけて)、黄色油として産物を得る(10.4g)。
MS (LC/MS): 434 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.45−7.2 (m, 6H), 6.9−6.8 (m, 3H), 5.06 (s, 2H), 4.61 (d, 1H), 4.44 (t, 1H), 4.00 (q, 1H), 2.95 (dd, 1H), 2.85 (dd, 1H), 2.6−2.45 (m, 2H), 2.15−2.1 (m, 2H), 1.42 (s, 9H)
【0050】
d)[(S)−2−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−1−((2S,4R)−4−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(S)−2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−((S)−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(11.4g、27.7mmol)のTHF溶液(35ml)およびDMPU(5ml、42mmol、1.5等量)に、−78℃で、リチウム−ビス−(トリメチルシリル)−アミド(1M THF溶液55ml、55mmol、2等量)を滴下する。−78℃でさらに45分撹拌後、ヨウ化メチルを滴下し、混合物を−78℃でさらに3時間撹拌する。プロピオン酸(10.3ml、138mmol、5等量)を加え、その後水(10ml)を加える。0℃まで温めた後、10%クエン酸溶液(72ml)を加える。反応混合物をEtOAcで抽出する。有機層を、重炭酸塩、0.1N亜硫酸ナトリウムおよび塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして蒸発させる。シリカのクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン/EtOAc 9/1〜4/1)、その後、エーテル/ヘキサンから再結晶して白色の結晶を得る(8.14g)。
MS (LC/MS): 448 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.45−7.2 (m, 6H), 6.9−6.8 (m, 3H), 5.05 (s, 2H), 4.53 (d, 1H), 4.45 (t, 1H), 4.00 (q, 1H), 2.93−2.85 (m, 2H), 2.74−2.68 (m, 1H), 2.41−2.34 (m, 1H), 1.89−1.82 (m, 1H), 1.41 (s, 9H), 1.26 (d, 3H)
【0051】
e)[(1S,2S,4R)−1−(3−ベンジルオキシ−ベンジル)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(S)−2−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−1−((2S,4R)−4−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.0g、9.4mmol)を、ブチルアミン(200ml)に溶解し、90℃の加熱浴中、18時間撹拌する。ブチルアミンを蒸発させ、残渣をDCM/エーテル/ヘキサンから再結晶し、白色の結晶を得る(4.42g)。
MS (LC/MS): 521 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.45−7.15 (m, 6H), 6.9−6.8 (m, 3H), 5.91 (s, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.89 (d, 1H), 3.7−3.6 (m, 2H), 3.3−3.1 (m, 2H), 2.9−2.85 (m, 2H), 2.6−2.5 (m, 1H), 1.75−1.6 (m, 2H), 1.5−1.25 (m, 4H), 1.41 (s, 9H), 1.12 (d, 3H), 0.92 (t, 3H)
【0052】
f)(1S,2S,4R)−1−(3−ベンジルオキシ−ベンジル)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル−塩化アンモニウム
[(1S,2S,4R)−1−(3−ベンジルオキシ−ベンジル)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(660mg、1.3mmol)を4M HClのジオキサン(14ml)に溶解し、75分間rtで撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をジエチルエーテルで洗浄し、白色泡状物を得る(535mg)。
MS (LC/MS): 421 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.45−7.30 (m, 6H), 6.89−6.75 (m, 3H), 6.03 (br s, 1H), 5.05 (s, 2H), 3.41−3.38 (m, 1H), 3.30−3.16 (m, 2H), 2.95−2.85 (m, 2H), 2.68−2.50 (m, 2H), 1.89 (dt, 1H), 1.53−1.44 (m, 3H), 1.40−1.27 (m, 2H), 1.18 (d, 3H), 0.92 (t, 3H)
【0053】
g)ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−(3−ベンジルオキシ−ベンジル)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル]−アミド
(1S,2S,4R)−1−(3−ベンジルオキシ−ベンジル)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル−塩化アンモニウム(210mg、0.48mmol)、ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(138mg、0.58mmol、1.2等量)、EDCI(139mg、0.72mmol、1.5等量)、HOBt
(78mg、0.58mmol、1.2等量)およびトリエチルアミン(0.20ml、1.4mmol、3等量)をDCM(12ml)に溶解し、3日間rtで撹拌する。EtOAcを加える。0.5N HCl、塩水、重炭酸塩で洗浄後、再び塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、そして残渣を一滴のメタノールでDCM/エーテル/ヘキサンから再結晶し、白色固体を得る(240mg)。
MS (LC/MS): 641 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, C2D2Cl4, 90℃): 7.5−7.1 (m, 15H), 7.0−6.9 (m, 3H), 6.18 (d, 1H), 5.7 (s, 1H), 5.14 (s, 2H), 4.38 (q, 1H), 3.92−3.83 (m, 2H), 3.33−3.23 (m, 2H), 3.12−3.03 (m, 2H), 2.65− 2.6 (m, 1H), 1.87−1.75 (m, 2H), 1.57−1.50 (m, 2H), 1.45−1.35 (m, 2H), 1.25 (d, 3H), 0.97 (t, 3H)
【0054】
実施例2:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−1−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−ペンチル]−アミド
[(1S,2S,4R)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−1−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−ペンチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(175mg)を、4M HClのジオキサン溶液に溶解し、75分間rtで撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をエーテルで洗浄し、泡状物を得る。泡状物をDCMに再溶解し、重炭酸塩(4.25ml、10%水溶液)およびジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸塩化物[DCM4ml中、30分間、ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(103mg、0.43mmol、1.1等量)、塩化オキサリル(0.037ml、0.43mmol、1.1等量)を一滴のDMFと共に撹拌することによりインサイチュウで製造される]のDCM溶液の混合物に加える。前記の2層系を、2時間rtでよく撹拌する。EtOAcを加え、有機層を0.5N HCl、塩水、重炭酸塩で洗浄し、再び塩水で洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて残渣を得、それをシリカのクロマトグラフィーにより精製する(Flashmaster、DCMからDCM/メタノール 9/1)。DCM/エーテル/ヘキサンから再結晶し、140mgの白色固体を得る。
MS (LC/MS): 551 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, C2D2Cl4): 74−7.1 (m, 10H), 7.07 (t, 1H), 6.85−6.80 (m, 4H), 6.45 (d, 1H), 4.72 (s, 1H), 4. 32 (q, 1H), 3.82−3.78 (m, 1H), 3.3−3.15 (m, 2H), 3.03−2.97 (m, 2H), 2.65−2.58 (m, 1H), 1.9−1.6 (m, 2H), 1.5−1.4 (m, 2H), 1.438−1.28 (m, 2H), 1.20 (d, 3H), 0.90 (t, 3H)
出発物質を以下に記載のとおりに製造することができる:
【0055】
a)[(1S,2S,4R)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−1−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−ペンチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(1S,2S,4R)−1−(3−ベンジルオキシ−ベンジル)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(240mg、0.48mmol)を、2時間、10%Pd/C(Engelhard 4505、60mg)と共にrtにて水素化する(5atm H)。触媒をろ過により除去し、蒸発後、残渣をシリカのクロマトグラフィーにより精製し(Flashmaster、DCMからDCM/メタノール 85/15)、白色泡状物を得る(184mg)。
MS (LC/MS): 431 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.44 (s, 1H), 7.11 (t, 1H), 6.74−6.7 (m, 2H), 6.11 (t, 1H), 5.07 (d, 1H), 4.25 (br s, 1H), 3.72−3.58 (m, 2H), 3.3−3.1 (m, 2H), 2.9−2.75 (m, 2H), 2.60−2.50 (m, 1H), 1.75−1.60 (m, 2H), 1.45−1.25 (m, 4H), 1.40 (s, 9H), 1.11 (d, 3H), 0.90 (t, 3H)
【0056】
実施例3:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−ペンチル]−アミド
表題化合物を、ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−1−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−ペンチル]−アミドと同様の方法により、(S)−2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−((2S,4R)−4−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルから得る。
MS (LC/MS): 551 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.3−7.0 (m, 12H), 6.94 (t, 1H), 6.83−6.74 (m, 2H), 6.66 (d, 1H), 4.22 (q, 1H), 3.83−3.76 (m, 1H), 3.3−3.15 (m, 2H), 3.0−2.9 (m, 2H), 2.75−2.65 (m, 1H), 1.75−1.6 (m, 2H), 1.50−1.43 (m, 2H), 1.35−1.25 (m, 3H), 1.17 (d, 3H), 0.88 (t, 3H)
出発物質を以下に記載のとおりに製造することができる:
【0057】
[(S)−2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−((2S,4R)−4−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(S)−2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−((S)−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.9g、7.04mmol)をTHF(10ml)およびDMPU(1.34ml、10.6mmol、1.5等量)に溶解する。THF中リチウムヘキサメチルジシラジドの1M溶液(14.1ml、14.1mmol、2等量)を−78℃で40分かけて加え、混合物をさらに20分間撹拌する。ヨウ化メチル(0.88ml、14.1mmol、2等量)を滴下し、混合物を−78℃でさらに3時間撹拌し、その後、プロピオン酸(2.69ml、36mmol、5等量)および水を加える。rtまで温めた後、混合物を10%クエン酸(50ml)に注ぎ、そしてEtOAcで抽出する。有機層を重炭酸塩および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させる。粗産物をシリカのクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン/EtOAc 8/2〜7/3)、その後、ヘキサン/DCMから再結晶し、2.2gの白色固体を得る。
MS (LC/MS): 448 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.45−7.28 (m, 5H), 7.13 (d, 2H), 6.81 (d, 2H), 5.05 (s, 2H), 4.55 (d, 1H), 4.48 (dd, 1H), 3.95 (dd, 1H), 2.90−2.80 (m, 2H), 2.78−65 (m, 1H), 2.43−2.33 (m, 1H), 1.90−1.80 (m, 1H), 1.40 (s, 9H), 1.27 (t, 3H)
【0058】
実施例4:7−クロロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸((1S,2S,4R)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−1−イソブチル−ペンチル)−アミド
((1S,2S,4R)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−1−イソブチル−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(66mg、0.18mmol)を、4N HClのジオキサン溶液(3ml)に溶解する。1時間rtで撹拌後、溶媒を除去し、残渣を真空乾燥させる。残渣をDCM(3ml)に溶解し、そして7−クロロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(60mg、0.22mmol、1.2等量)、HOBT(30mg、0.22mmol、1.2等量)、EDCl(53mg、0.28mmol、1.5等量)およびトリエチルアミン(0.077ml、0.55mmol、3等量)を加える。混合物をrtで一晩撹拌する。反応混合物をDCMで希釈し、水、重炭酸塩および塩水で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。シリカのクロマトグラフィー(Flashmaster、DCM/メタノール 100%−>90%)により精製し、DCM/ヘキサンから結晶化し、白色の結晶として産物を得る(50mg)。
MS (LC/MS): 535/537 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.49 (s, 1H), 7.38−7.26 (m, 4H), 7.21−7.16 (m, 3H), 6.10 (d, 1H), 5.84 (t, 1H), 4.30 (d, 1H), 4.2−4.1 (m, 1H), 3.82−3.74 (m, 1H), 3.24 (q, 2H), 2.66−2.58 (m, 1H), 1.75 (t, 2H), 1.72−1.59 (m, 2H), 1.51−1.26 (m, 5H), 1.25 (d, 3H), 1.00 (d, 3H), 0.97 (d, 3H), 0.89 (t, 3H)
以下の化合物を同様の方法により得る:
【0059】
実施例5:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸((1S,2S,4R)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−1−イソブチル−ペンチル)−アミド
MS (LC/MS): 501 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.56 (s, 1H), 7.39−7.14 (m, 8H), 6.10 (d, 1H), 5.86 (t, 1H), 4.2.4.1 (m, 1H), 4.11 (d, 1H), 3.8−3.7 (m, 1H), 3.24 (q, 2H), 2.65−2.58 (m, 1H), 1.78−1.6 (m, 4H), 1.51−1.25 (m, 5H), 1.24 (d, 3H), 1.01 (d, 3H), 0.97 (d, 3H), 0.89 (t, 3H)
【0060】
実施例6:7−ブロモ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸((1S,2S,4R)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−1−イソブチル−ペンチル)−アミド
MS (LC/MS): 581/583 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.51 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.39−7.16 (m, 6H), 6.10 (d, 1H), 5.88 (br s, 1H), 4.17−4.11 (m, 1H), 3.78 (t, 1H), 3.24 (q, 2H), 2.67−2.59 (m, 1H), 1.85 (br s, 1H), 1.77−1.6 (m, 4H), 1.51−1.2 (m, 5H), 1.25 (d, 3H), 1.10 (d, 3H), 0.97 (d, 3H), 0.90 (t, 3H)
【0061】
実施例7:1−クロロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸((1S,2S,4R)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−1−イソブチル−ペンチル)−アミド
MS (LC/MS): 535/537 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.82 (s, 1H), 7.42−7.37 (m, 2H), 7.29−7.19 (m, 4H), 7.15 (d, 1H), 6.12 (d, 1H), 5.94 (br s, 1H), 4.18−4.12 (m, 1H), 3.78 (t, 1H), 3.27−3.21 (m, 2H), 2.64 (q, 1H), 1.8−1.6 (m, 5H), 1.52−1.2 (m, 5H), 1.25 (d, 3H), 1.00 (d, 3H), 0.97 (d, 3H), 0.89 (t, 3H)
【0062】
実施例8:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル]−アミド
この産物を、実施例1の工程1f、1gおよび1eと同様の方法により[(S)−2−(フェニル)−1−((2S,4R)−4−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルから製造する。
Mp:188−191℃
MS (LC/MS): 535 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, CDCl3): 7.40 (s, 1H), 7.38−7.10 (m, 13H), 6.95 (t, 1H), 6.73 (d, 1H), 4.38 (ddd, 1H), 3.82 (td, 1H), 3.21 (m, 1H), 3.08 (d, 2H), 3.0 (qd, 1H), 2.75−2.70 (m, 1H), 1.80−1.70 (m, 2H), 1.50−1.40 (m, 2H), 1.40 −1.22 (m, 2H), 1.20 (d, 3H), 0.93 (t, 3H)
以下の化合物を同様の方法により得る:
【0063】
実施例9:7−クロロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(1−ベンジル−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル)−アミド
MS (EI+): 547 [M+H]
Mp:153−155℃
【0064】
実施例10:5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−10−カルボン酸(1−ベンジル−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル)−アミド
MS (EI+): 512 [M+H]
1H−NMR (400 MHz, CDCl3): デルタ=7.30−7.0 (m, 7H); 6.90, 6.75 (2t, 2H); 6.68, 6.64, 6.52 (3d, 3H); 6.20 (m, 2H); 4.34 (m, 1H); 3.72 (br s, 1H); 3.18 (m, CH2); 2.97 (d, CH2); 2.55 (m, 1H); 2.02 (br s, NH); 1.64, 1.40, 1.30 (3m, 3CH2); 1.11 (d, CH3); 0.85 (t, CH3)
【0065】
実施例11:5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボン酸(1−ベンジル−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル)−アミド
MS (EI+): 525 [M+H]
Mp:229−230℃
【0066】
実施例12:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−(2−メトキシ−エチルカルバモイル)−ペンチル]−アミド
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.48
MS (LC/MS): 537 [M+Na]
【0067】
実施例13:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−4−(3,3−ジメチル−ブチルカルバモイル)−2−ヒドロキシ−ペンチル]−アミド
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.51
MS (LC/MS): 563 [M+Na]
【0068】
実施例14:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−4−(2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−2−ヒドロキシ−ペンチル]−アミド
Mp:178−180℃
MS (LC/MS): 549 [M+Na]
【0069】
実施例15:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−(4−アミノ−ベンジル)−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル]−アミド
(4−{(2S,3S,5R)−5−ブチルカルバモイル−2−[(ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボニル)−アミノ]−3−ヒドロキシ−ヘキシル}−フェニル)−カルバミン酸ベンジルエステル(50mg,0.076mmol)を、Pd/C(10%、15mg)の存在下、22℃にてエタノール(2ml)中20時間、1atm Hで水素化する。溶液をセライトを通してろ過し、溶媒を蒸発させる。残渣をDCM(5ml)に溶解し、飽和NaHCO水溶液(2×5ml)で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc中2%エチルアミン)により、所望の産物(15mg、0.028mmol、38%)を無色のろう状物として得る。
MS (LC/MS): 550 [M+Na]
1H−NMR (400MHz, d6−DMSO): 8.15 6.50 (m, 15H), 4.80 (s, 2H), 4.15−3.80 (m, 2H), 3.21−2.70 (m, 6H), 1.80−1.50 (m, 2H), 1.42 −1.18 (m, 4H), 1.05 (d, 3H), 0.91 (t, 3H)
【0070】
出発物質を以下のとおりに製造することができる:
(4−{(2S,3S,5R)−5−ブチルカルバモイル−2−[(ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボニル)−アミノ]−3−ヒドロキシ−ヘキシル}−フェニル)−カルバミン酸ベンジルエステル
この化合物を、実施例1の工程a−dおよび実施例8に記載の方法により[4−(2−オキソ−エチル)−フェニル]−カルバミン酸ベンジルエステルから得る。
【0071】
実施例16:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[4−ブチルカルバモイル−1−(3,5−ジフルオロ−ベンジル)−2−ヒドロキシ−ペンチル]−アミド
ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−1−(4−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−アミド(50mg、0.105mmol)を、ブチルアミン2mlに溶解し、16時間撹拌する。溶液を真空で濃縮し、そして残った固体をEtOAc/ヘキサンから再結晶する。収量27mg(48%)。
Mp:174−176℃
MS (LC/MS): 571 [M+Na]
【0072】
出発物質を以下のとおりに製造することができる:
ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−1−(4−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−アミド
この化合物を、実施例1の工程a−dおよび実施例8に記載の方法により(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセトアルデヒドから得る。
【0073】
実施例17:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[4−ブチルカルバモイル−1−(3−フルオロ−ベンジル)−2−ヒドロキシ−ペンチル]−アミド
ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[2−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−アミド(50mg)を、ブチルアミン2mlに溶解し、16時間撹拌する。溶液を真空下に濃縮し、残った固体をEtOAc/ヘキサンから再結晶する。収量25mg(48%)。
Mp:204−207℃
MS (LC/MS): 553 [M+Na]
出発物質を以下に記載のとおりに製造することができる:
【0074】
ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[2−(3−フルオロ−フェニル)−1−(4−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−アミド
この化合物を、実施例1の工程a−dおよび実施例8に記載の方法により(3−フルオロ−フェニル)−アセトアルデヒドから得る。
【0075】
以下の化合物を、以下の一般的方法により行われる最後の工程のラクトン開裂を除いて、実施例8と同様の方法で得る:
【0076】
3−プロペニル−2−ビニル−ベンゾ[b]オキセピン−4−カルボン酸[1S−(4R−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−2S−フェニル−エチル]−アミド(0.1mmol)および脂肪族アミン(10等量、1mmol)の1−メチル−2−ピロリドン溶液(2ml)を、110℃で18時間撹拌する。得られた混合物を25℃まで冷却し、EtOAc(5ml)で希釈し、そして0.1N HCl(2×3ml)およびNaHCO水溶液(2×3ml)で抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させる。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc)により、所望の産物を得る。
【0077】
実施例18:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシルカルバモイル)−ペンチル]−アミド
Mp:213−217℃
MS (LC/MS): 577 [M+Na]
【0078】
実施例19:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−ベンジルカルバモイル−ペンチル)]−アミド
Mp:204−206℃
MS (LC/MS): 569 [M+Na]
【0079】
実施例20:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−{1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−[(ピリジン−2−イルメチル)−カルバモイル]−ペンチル}]−アミド
Mp:194−197℃
MS (LC/MS): 570 [M+Na]
【0080】
実施例21:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルカルバモイル)−ペンチル]−アミド
Mp:251−256℃
MS (LC/MS): 563 [M+Na]
【0081】
実施例22:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルカルバモイル)−ペンチル]−アミド
Mp:206−211℃
MS (LC/MS): 576 [M+Na]
【0082】
実施例23:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルカルバモイル)−2−ヒドロキシ−ペンチル]−アミド
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.23
MS (LC/MS): 573 [M+Na]
【0083】
実施例24:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−4−(シクロブチルメチル−カルバモイル)−2−ヒドロキシ−ペンチル]−アミド
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.25
MS (LC/MS): 547 [M+Na]
【0084】
以下の化合物を、以下の一般的方法により行われる最後の工程のラクトン開裂を除いて、実施例8と同様の方法で得る:
【0085】
トリメチルアルミニウム(2Mヘキサン溶液、2mmol、20等量)を、芳香族アミン(1mmol、10等量)のDCM(2ml)溶液に20分かけて加える。25℃で45分間、得られた混合物を撹拌後、3−プロペニル−2−ビニル−ベンゾ[b]オキセピン−4−カルボン酸[1S−(4R−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−2S−フェニル−エチル]−アミド(0.1mmol)のDCM溶液(2ml)を15分かけて加える。得られた反応混合物を、3.5時間還流し、その後、0℃まで冷却する。その後、塩化アンモニウム水溶液(1ml)を加え、次にEtOAc(5ml)を加える。この溶液を、0.1N HCl(2×3ml)およびNaHCO水溶液(2×3ml)で抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc)により、所望の産物を得る。
【0086】
実施例25:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−フェニルカルバモイル−ペンチル)]−アミド
Mp:191−196℃
MS (LC/MS): 555 [M+Na]
【0087】
実施例26:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−(ピリジン−2−イルカルバモイル)−ペンチル]−アミド
Mp:126−130℃
MS (ESI+): 534 [M+H]
【0088】
実施例27:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−(ピリジン−3−イルカルバモイル)−ペンチル]−アミド
Mp:186−194℃
MS (LC/MS): 534 [M+H]、556 [M+Na]
【0089】
実施例28:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−ペンチル]−アミド
Mp:197−200℃
MS (LC/MS): 534 [M+H]、556 [M+Na]
【0090】
実施例29:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−(イソオキサゾール−3−イルカルバモイル)−ペンチル]−アミド
Mp:121−126℃
MS (ESI+): 524 [M+H]、541 (M+NH4)
【0091】
実施例30:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルカルバモイル)−ペンチル]−アミド
Mp:172−176℃
MS (LC/MS): 537 [M+H]、559 [M+Na]
【0092】
実施例31:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イルカルバモイル)−ペンチル]−アミド
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.45
MS (LC/MS): 560 [M+Na]
【0093】
実施例32:(S)−1−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−4−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルカルバモイル)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル]−アミド
Rf:(DCM/メタノール=5/1):0.1
MS (LC/MS): 588 [M+Na]
【0094】
実施例33:(10R)−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−(1−ベンジル−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル)−アミドおよび(10S)−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S,4R)−(1−ベンジル−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル)−アミド
これらの産物を、工程1fおよび1gと同様の方法により、[(S)−2−(フェニル)−1−((2S,4R)−4−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルから10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸を用いて製造し、続いて工程1eと同様の方法によりジアステレオマーの分離を行う(結晶化)。
(10R)異性体: MS (LC/MS): 515 [M+H]
(10S)異性体: MS (LC/MS): 515 [M+H]
【0095】
実施例34:(S)−1−(5−オキサ−2−アザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボン酸)[(1S,2S,4R)−(1−ベンジル−4−ブチルカルバモイル−2−ヒドロキシ−ペンチル)]−アミド
この産物を、実施例1の工程1f、1gおよび1eと同様の方法により[(S)−2−(フェニル)−1−((2S,4R)−4−メチル−5−オキソ−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび5−オキサ−2−アザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボン酸から製造する。
MS (LC/MS): 514 536 [M+Na]
Rf:(EtOAc/ヘキサン=1/1):0.1
【0096】
5−オキサ−2−アザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボン酸を、以下に記載のとおりに製造することができる:
【0097】
a)4−フェノキシ−ニコチン酸メチルエステル
THF(35ml)中、4−クロロ−ニコチン酸メチルエステル(1.1g)、フェノール(2.41g、4等量)、炭酸カリウム(3.55g、4等量)、銅(400mg)およびヨウ化銅(400mg)の懸濁液を、70℃で15時間撹拌する。混合物をrtまで冷却し、水(20ml)で希釈し、そしてジエチルエーテル(3×50ml)で抽出する。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。得られた粗産物を、シリカ(Flashmaster、EtOAc/ヘキサン)で精製し、純粋な産物を得る(410mg、28%)。
MS (ESI+): 230 [M+H]
Rf:(EtOAc/ヘキサン=1/3):0.2
【0098】
b)(4−フェノキシ−ピリジン−3−イル)−メタノール
4−フェノキシ−ニコチン酸メチルエステル(352mg)のTHF溶液(4ml)に0℃でLAH(54mg、1等量)を加える。0℃で5分後、1N水酸化ナトリウム水溶液(2ml)を加え、その後、得られた溶液をEtOAc(3×10ml)で抽出する。合わせた有機層を水(15ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒を蒸発させ、純粋な産物を得る(270mg、94%)。
MS (ESI+): 202 [M+H]
Rf:(EtOAc/ヘキサン=2/1):0.15
【0099】
c)4−フェノキシ−ピリジン−3−カルバルデヒド
(4−フェノキシ−ピリジン−3−イル)−メタノール(270mg)のDCM溶液(10ml)に、デス・マーチン・ペルヨージナン(Dess−Martin periodinane)(1.14g、2等量)およびピリジン(2.16ml、20等量)を加える。反応混合物をrtで1時間撹拌後、10%重炭酸ナトリウム水溶液(15ml)を加え、その溶液をDCMで抽出する(3×15ml)。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、そして粗産物をシリカ(Flashmaster、EtOAc/ヘキサン)で精製し、純粋なアルデヒドを得る(238mg、89%)。
MS (ESI+): 200 [M+H]
1H−NMR (400 MHz, CDCl3): デルタ=10.65 (s, 1H); 9.05 (s, 1H); 8.58 (d, 1H); 7.58 (t, 2H); 7.49 (t, 1H); 7.21 (s, 1H); 6.98 (s, 1H); 6.70 (d, 1H)
【0100】
d)5−オキサ−2−アザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボン酸
無水酢酸(1ml)中、4−フェノキシ−ピリジン−3−カルバルデヒド(50mg)、馬尿酸(45mg、1等量)および酢酸ナトリウム(25mg、1.2等量)の混合物を、80℃で1時間温め、その後、水(0.2ml)を加える。80℃でさらに1時間後、溶液をrtまで冷まし、そして濃HCl(0.5ml)および酢酸(0.2ml)を加える。rtで1時間後、濃硫酸を加え、溶液を150℃で一晩撹拌し、rtまで冷まし、そして氷冷した水酸化ナトリウム水溶液(5ml)に注ぎ、pH6に合わせる。この混合物を、EtOAcで抽出する(3×10ml)。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、そして粗産物を結晶化し、純粋な5−オキサ−2−アザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボン酸を得る(35mg、58%)。
MS (ESI−): 238 [M−H]
MS (ESI+): 240 [M+H]
【0101】
実施例35:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−アミド 526mgのtert.ブチル(S−(R,R)(−)−(1−オキシラニル−2−フェニルエチル)−カルバメートおよび1.25mlの3−メチルベンジルアミンのエタノール溶液5mlを、50℃で3時間温める。溶媒を蒸発させ、そしてFC(DCM/メタノール 9:1)により精製し、678mgの[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを無色の固体として得る。この物質を、4N HClのジオキサン溶液20mlに懸濁し、20時間撹拌する。懸濁物をろ過し、固体をDCMで洗浄し、1M 水酸化ナトリウム10mlに溶解し、そしてDCMで2回抽出する。MgSOで乾燥後、溶媒を真空乾燥させ、そして粗物質をさらなる精製なしに用いる。80mgの粗(2R,3S)−3−アミノ−1−(3−メチル−ベンジルアミノ)−4−フェニル−ブタン−2−オール、76mgのジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸、106mgのTBTUおよび185μlのNMMのDCM溶液6mlを、rtで20分間撹拌する。溶液を40mlのDCMで希釈し、飽和重炭酸塩溶液、飽和塩水、0.1M HClおよび最後に飽和重炭酸塩で洗浄する。MgSOで乾燥させ、溶媒を除去後、産物をFC(DCM/メタノール 95:5)により精製し、98mgのジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−アミドを得た。
MS (ESI+): 505 [M+]
Rf:0.13(DCM/メタノール=95/5):0.13
【0102】
実施例36:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−3−(3,3−ジフェニル−プロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
エタノール1ml中、80mgのtert.ブチル(S−(R,R)(−)−(1−オキシラニル−2−フェニルエチル)−カルバメートおよび72mgの3,3−ジフェニルプロピルアミンの混合物を、50℃で12時間撹拌する。反応混合物を蒸発させ、164mgの粗野な産物([(1S,2R)−1−ベンジル−3−(3,3−ジフェニル−プロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル)を得る。この粗物質を、ジオキサン中4M HCl溶液0.8mlと共にrtにて3時間処理する。蒸発乾固後、粗物質(193mg)を、4mlのDCM中、78mgのジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸、173mgのHBTUおよび0.2mlのヒューニッヒ塩基と共にrtで12時間撹拌する。反応混合物を蒸発させ、分離HPLCにより精製する(Nucleosil 100−10 C18カラムにて、水、0.1%TFA/アセトニトリル、80/20〜0/10の0.1%TFAの勾配)。含有画分を凍結乾燥させ、130mgのジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−3−(3,3−ジフェニル−プロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミドのトリフルオロ酢酸塩を得る。
MS (ESI+): 595 [M+H]
Rf:0.7(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.7
【0103】
以下の化合物を、実施例35または36に記載の方法により合成する。
【0104】
実施例37:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S)−1−ベンジル−3−(ベンジル−フェネチル−アミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 595 [M+]
Rf:0.1(Hex/EtOAc=4/1):0.1
【0105】
実施例38:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−3−[(フラン−2−イルメチル)−アミノ]−2−ヒドロキシ−プロピル}−アミド
MS (ESI+): 482 [M+]
Rf:0.42(DCM/メタノール=9/1):0.42
【0106】
実施例39:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−ベンジルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 521 [M+]
Rf:0.06(DCM/メタノール=95/5)0.06
【0107】
実施例40:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−3−(ベンジル−フェネチル−アミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 595 [M+]
Rf:0.11(DCM/メタノール=98/2):0.11
【0108】
実施例41:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−フェニル−プロピルアミノ)−プロピル]−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
MS (ESI+): 519 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.59
【0109】
実施例42:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2S)−1−ベンジル−3−[(ビフェニル−3−イルメチル)−アミノ]−2−ヒドロキシ−プロピル}−アミド
MS (ESI+): 567 [M+]
Rf:0.15(DCM/メタノール=95/5):0.15
【0110】
実施例43:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−フェノキシ−ベンジルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 583 [M+]
Rf:0.1(DCM/メタノール=95/5):0.1
【0111】
実施例44:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(4−[1,2,3]チアジアゾール−4−イル−ベンジルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 575 [M+]
Rf:0.07(DCM/メタノール=95/5):0.07
【0112】
実施例45:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S)−1−ベンジル−3−(1−ベンジル−ブチルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
MS (ESI+): 547 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.81
【0113】
実施例46:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(4−フェニル−ブチルアミノ)−プロピル]−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
MS (ESI+): 533 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.52
【0114】
実施例47:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸((1S,2S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−フェネチルアミノ−プロピル)−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
MS(ESI+): 505 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.61
【0115】
実施例48:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−((R)−2−フェニル−プロピルアミノ)−プロピル]−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
MS (ESI+): 519 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.71
【0116】
実施例49:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(1−メチル−3−フェニル−プロピルアミノ)−プロピル]−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
MS (ESI+): 533 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.69
【0117】
実施例50:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−ベンジルアミノ]−プロピル}−アミド
MS (ESI+): 535 [M+]
Rf:0.4(DCM/メタノール=90/10):0.4
【0118】
実施例51:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[3−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンジルアミノ]−プロピル}−アミド
MS (ESI+): 579 [M+]
Rf:0.01(DCM/メタノール=95/5):0.01
【0119】
実施例52:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[メチル−((R)−1−フェニル−エチル)−アミノ]−プロピル}−アミド
MS (ESI+): 519 [M+]
Rf:0.53(DCM/メタノール=90/10):0.53
【0120】
実施例53:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−((S)−1−フェニル−エチルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 505 [M+]
Rf:0.13(DCM/メタノール=95/5):0.13
【0121】
実施例54:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−((S)−1−ナフタレン−2−イル−エチルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 555 [M+]
Rf:0.18(DCM/メタノール=90/10):0.18
【0122】
実施例55:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−アミド
MS (ESI+): 535 [M+]
Rf:0.15(DCM/メタノール=95/5):0.15
【0123】
実施例56:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(2−ピリジン−4−イル−エチルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 506 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.12
【0124】
実施例57:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
MS (ESI+): 535 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.49
【0125】
実施例58:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
MS (ESI+): 535 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.51
【0126】
実施例59:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸((1S,2R)−1−ベンジル−3−シクロプロピルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
MS (ESI+): 441 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.53
【0127】
実施例60:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(2−ピリジン−2−イル−エチルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 506 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.17
【0128】
実施例61:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(2−ピリジン−3−イル−エチルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 506 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.12
【0129】
実施例62:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[(ピリジン−3−イルメチル)−アミノ]−プロピル}−アミド
MS (ESI+): 492 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.18
【0130】
実施例63:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸((1S,2R)−1−ベンジル−3−シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
MS (ESI+): 483 [M+H]
Rt HPLC(Nuc C−18HD、水/アセトニトリル/0.1%TFA=80/20−>0/100で6分):3.99分
【0131】
実施例64:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−3−[(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−プロピル}−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
MS (ESI+): 531 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.17
【0132】
実施例65:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[2−(2−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−アミド、トリフルオロ酢酸との塩
MS (ESI+): 535 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.47
【0133】
実施例66:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[(ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−プロピル}−アミド
MS (ESI+): 492 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.21
【0134】
実施例67:3−ブロモ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−メチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 584 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=9/1):0.41
【0135】
実施例68:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−ヨード−ベンジルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 617 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=9/1):0.54
【0136】
実施例69:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−イソプロピル−ベンジルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 533 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.16
【0137】
実施例70:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−3−(3−ブロモ−ベンジルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 570 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.19
【0138】
実施例71:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−3−(3−クロロ−ベンジルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 525 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.23
【0139】
実施例72:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(1−m−トリル−エチルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 519 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.17
【0140】
実施例73:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−3−((S)−6−クロロ−クロマン−4−イルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 567 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.49
【0141】
実施例74:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−3−(3−エチル−ベンジルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 519 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=90/10):0.54
【0142】
実施例75:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−3−[1−(3−ブロモ−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−2−ヒドロキシ−プロピル}−アミド
MS (ESI+): 596 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.43
【0143】
実施例76:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(6−イソプロピル−2,2−ジメチル−クロマン−4−イルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 603 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=98/2):0.27
【0144】
実施例77:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(6−イソプロピル−クロマン−4−イルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 575 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.32
【0145】
実施例78:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−3−((S)−6−ブロモ−クロマン−4−イルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 612 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=98/2):0.46
【0146】
実施例79:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−3−(6−ブロモ−2,2−ジメチル−クロマン−4−イルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 640 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.5
【0147】
実施例80:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−3−(6−クロロ−2,2−ジメチル−クロマン−4−イルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 595 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.35
【0148】
実施例81:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−3−((S)−6−シクロプロピル−クロマン−4−イルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 573 [M+]
Rf:(DCM/メタノール=95/5):0.60
【0149】
実施例82:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−3−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−2−ヒドロキシ−プロピル}−アミド
MS (ESI+): 565 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=90/10、1 NH3):0.53
【0150】
実施例83:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[(S)−(1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)アミノ]−プロピル}−アミド
MS (ESI+): 531 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=90/10、1%NH3):0.81
【0151】
実施例84:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−((R)−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 561 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=90/10、1%NH3):0.72
【0152】
実施例85:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−((S)−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 561 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=90/10、1%NH3):0.78
【0153】
実施例86:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−(3,5−ジフルオロ−ベンジル)−2−ヒドロキシ−3−(3−イソプロピル−ベンジルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 569 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=90/10、1%NH3):0.66
【0154】
実施例87:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−(3−フルオロ−ベンジル)−2−ヒドロキシ−3−(3−イソプロピル−ベンジルアミノ)−プロピル]−アミド
MS (ESI+): 551 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=90/10、1%NH3):0.56
【0155】
実施例88:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−3−((S)−7−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−アミド
出発物質の合成:
a)7−シクロプロピル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
トルエン40mlおよび水2ml中、2gの7−ブロモ−1−テトラロン、1gのボロン酸、7.1gのリン酸カリウム(微粉末)および0.28gのトリシクロヘキシルホスフィンの黄色懸濁物に、アルゴン雰囲気下で0.1gの酢酸パラジウムを加える。混合物を100℃に加熱する。1時間後、反応混合物をrtまで冷まし、そして水でクエンチする。反応混合物をEtOAcで抽出する。合わせた有機層を、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてろ過する。褐色油を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=6/1)により精製する。
MS (ESI+): 187 [M+H]
【0156】
b)7−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルアミン
1gの7−シクロプロピル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オンのメタノール溶液25mlに、5.3gの酢酸アンモニウムをrtで加える。1時間後、rtで混合物に0.046mlのHCl(37%)および256mgの水素化シアノホウ素ナトリウムを加える。無色の溶液を一晩撹拌する。反応を完全にするために、さらに200mgの水素化シアノホウ素ナトリウムを加え、反応混合物を48時間撹拌する。
【0157】
反応混合物を氷水でクエンチし、4N HClでpH2まで酸性化し、NaClで飽和し、そしておよびエーテルで抽出し、残りのケトンを除去する。水層を4N NaOHでpH9まで塩基性化し、EtOAcで2回抽出する。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過および蒸発させる。
MS (ESI+): 171 [M−NH3+H]
【0158】
粗アミンを、方法35および36によりその後の反応に用いる。
MS (ESI+): 571 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=90/10、1%NH3):0.76
【0159】
実施例89:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−4−[ビス−(4−エチル−ベンジル)−アミノ]−2−ヒドロキシ−ブチル}−アミド
(2S,3R)−2−アミノ−5−[ビス−(4−エチル−ベンジル)−アミノ]−1−フェニル−ペンタン−3−オール(13mg)(2個のトリフルオロ酢酸との塩)、ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(5mg)、HBTU(11mg)およびN−エチル−ジイソプロピルアミン(2mlのDCM中0.007ml)の溶液を、rtで16時間撹拌する。反応混合物を蒸発させ、ヘキサン/EtOAc/NH3=3/1/0.01でフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。4.7mgの所望の産物を得る。
MS (ESI+): 651 [M+H]
Rf:(シクロヘキサン/EtOAc/DIPEA=2/1/0.01):0.30
出発物質を、以下に記載のとおりに製造することができる:
【0160】
a)((1S,2R)−1−ベンジル−3−シアノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
tert.ブチル(S−(R,R)(−)−(1−オキシラニル−2−フェニルエチル)−カルバメート(1.0g)のTHF溶液(2.2ml)に、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンニトリル(0.4ml)およびトリエチルアミン(0.6ml)を加える。混合物を還流しながら16時間撹拌する。蒸発後、残った物質をEtOAcに溶解し、塩水で抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、((1S,2R)−1−ベンジル−3−シアノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.1g)を得る。
MS (ESI+): 234 [M−tert−ブチル]
【0161】
b)((1S,2R)−4−アミノ−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
LAH(0.6g)のTHF懸濁液(40ml)に、0℃で((1S,2R)−1−ベンジル−3−シアノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.1g)のTHF溶液(15ml)を加える。混合物を0℃で1時間撹拌し、その後、水および3N水酸化ナトリウム水溶液でクエンチする。ろ過後、溶液を減圧下で濃縮し、そして分取HPLC(Nucleosil 100−10 C18カラムにて、水、0.1%TFA/アセトニトリル、80/20〜0/10の0.1%TFAの勾配)により精製する。((1S,2R)−4−アミノ−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを含む画分を、ソーダの添加により塩基性pHにし、そしてEtOAcで抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、682mgの所望の産物を得る。
MS (ESI+): 295 [M+H]
【0162】
c)(2S,3R)−2−アミノ−5−(4−エチル−ベンジルアミノ)−1−フェニル−ペンタン−3−オール(2個のトリフルオロ酢酸との塩)、および(2S,3R)−2−アミノ−5−[ビス−(4−エチル−ベンジル)−アミノ]−1−フェニル−ペンタン−3−オール(2個のトリフルオロ酢酸との塩)
((1S,2R)−4−アミノ−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(80mg)および4−エチル−ベンズアルデヒド(0.037ml)のエタノール/酸性酸溶液(2.2ml、10/1)を、rtで1.5時間撹拌する。反応混合物を0℃まで冷まし、水素化シアノホウ素ナトリウム(13mg)を加える。rtでさらに1.5時間後、反応混合物を蒸発させ、残った固体をEtOAcに溶解し、そして10%ソーダおよび塩水で抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、粗産物を得る(105mg)。さらなる精製なしに、粗物質をrtで4N HCl/ジオキサン(2ml)中で1時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、分取HPLC(Nucleosil 100−10 C18カラムにて、水、0.1%TFA/アセトニトリル、80/20〜0/10の0.1%TFAの勾配)により精製する。所望の産物を含む画分を、凍結乾燥させる。2個の産物を分離する:(2S,3R)−2−アミノ−5−(4−エチル−ベンジルアミノ)−1−フェニル−ペンタン−3−オール、2個のトリフルオロ酢酸との塩:92mg。
MS (ESI+): 313 [M+H]
および、(2S,3R)−2−アミノ−5−[ビス−(4−エチル−ベンジル)−アミノ]−1−フェニル−ペンタン−3−オール、2個のトリフルオロ酢酸との塩:13mg、MS (ESI+): 431 [M+H]
【0163】
以下の化合物を、実施例89に記載の方法により合成する。
【0164】
実施例90:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−4−[ビス−(4−メトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−ヒドロキシ−ブチル}−アミド
MS (ESI+): 655 [M+H]
Rf:(シクロヘキサン/EtOAc/DIPEA=1/1/0.01):0.40
【0165】
実施例91:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸{(1S,2R)−1−ベンジル−4−[ビス−(3−メトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−ヒドロキシ−ブチル}−アミド
MS (ESI+): 655 [M+H]
Rf:(シクロヘキサン/EtOAc/DIPEA=1/1/0.01):0.59
【0166】
実施例92:ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−4−(4−エチル−ベンジルアミノ)−2−ヒドロキシ−ブチル]−アミド
MS (ESI+): 533 [M+H]
Rf:(DCM/メタノール=9/1、1%NH):0.43
【0167】
実施例93:軟カプセル
既述の実施例に記載の式Iの化合物のうち1個を活性成分として0.05gそれぞれ含む、5000個の軟ゼラチンカプセルを以下のとおりに製造する:
【0168】
組成
活性成分 250g
ラウログリコール 2リットル
【0169】
製造方法:微粉化活性成分を、Lauroglyko(登録商標)(ラウリン酸プロピレングリコール、Gattefosse S.A., Saint Priest, France)に懸濁し、そして湿式粉砕器で細かくし、約1〜3μmの粒子サイズを産する。その後、0.419gの混合物の一部を、カプセル充填器を用いて軟ゼラチンカプセルに注入する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中、
Xは、O、NH、N(C1−4)アルキル、COまたはCHOHであり、
Yは、CHまたはNであり、
AおよびBはそれぞれ水素であるか、または一体となって、それらが結合している炭素原子間のもう1つの結合を形成しており、
は、水素または(C1−4)アルキルであり、
は、所望により置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、
は、CH(R)CONRまたは(CHNRであり、
nは、0、1または2であり、
、R、RおよびRは、独立して、水素であるかまたは所望により置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、(C7−9)ビシクロアルキル、1−アザ−(C7−9)ビシクロアルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキルもしくはヘテロシクリルであるか、または
、R、RおよびRは、それらが結合している窒素と一体となって、所望により置換されていてよいピロリジニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基またはピペラジニル基を形成しており、
は、(C1−8)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキルであり、そして
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキル−SO、シアノ、ニトロまたはハロゲンである]
で示される、遊離塩基または酸付加塩形態の化合物。
【請求項2】
Xが、O、NH、N(C1−4)アルキル、COまたはCHOHであり、
Yが、CHまたはNであり、
AおよびBがそれぞれ水素であるか、または一体となって、それらが結合している炭素原子間のもう1つの結合を形成しており、
が、水素または(C1−4)アルキルであり、
が、所望により置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、
が、CH(R)CONRまたは(CHNRであり、
nが、0、1または2であり、
、R、RおよびRが、独立して、水素であるかまたは所望により置換されていてよい(C1−8)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキルであるか、または
、R、RおよびRが、それらが結合している窒素と一体となって、所望により置換されていてよいピロリジニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基またはピペラジニル基を形成しており、
が、(C1−8)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキルであり、そして
、R、R、R、RおよびRが、独立して、水素、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキル−SO、シアノ、ニトロまたはハロゲンである、
遊離塩基または酸付加塩形態の請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項3】
Xが、O、NHまたはCOであり、
Yが、CHまたはNであり、
AおよびBがそれぞれ水素であるか、または一体となって、それらが結合している炭素原子間のもう1つの結合を形成しており、
が水素であり、
が(C1−4)アルキルであるか、または非置換かもしくはヒドロキシ、アミノまたはハロゲンにより置換されているフェニルであり、
が、CH(R)CONRまたは(CHNRであり、
nが0または1であり、
およびRが、独立して、水素、(C1−7)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、ベンジル、フェニル、(C3−5)シクロアルキル(C1−4)アルキル、ピリジル、ピリジル(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルピペリジニル、テトラヒドロピラニル、(C7−8)ビシクロアルキル、1−アザ−(C7−9)ビシクロアルキル;ヒドロキシにより置換された(C5−6)シクロアルキル;または、非置換かもしくは(C1−4)アルキルにより置換されているピラゾリルまたはイソオキサゾリルであり、
およびRが、独立して、水素、テトラヒドロナフチル、(C1−4)アルコキシテトラヒドロナフチル、非置換かまたはハロフェニルにより置換されている(C3−5)シクロアルキル;ハロゲン、(C1−4)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルにより置換されているクロマニル;または、非置換または(C5−7)シクロアルキル、フェニル、(C1−4)アルコキシフェニル、ジ(C1−4)アルコキシフェニル、ハロフェニル、フェノキシフェニル、(C1−4)アルキルフェニル、ヒドロキシ(C1−4)アルキルフェニル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシフェニル、ナフチル、ピリジル、チアジアゾリル、ベンゾイミダゾリルまたはフリルにより一もしくは二置換されている(C1−4)アルキルであり、
が(C1−8)アルキルであり、および
、R、R、R、RおよびRが、独立して、水素またはハロゲンである、
遊離塩基または酸付加塩形態の請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項4】
請求項1記載の式Iの化合物またはその塩の製造方法であって、式II
【化2】

[式中、R、RおよびRは請求項1に記載のとおりである]
で示される化合物を、式III
【化3】

[式中、X、Y、A、B、R、R、R、R、RおよびRは請求項1に記載のとおりである]
で示される酸またはその活性型でアシル化し、そして得られた遊離塩基または酸付加塩形態の式Iの化合物を回収する工程を含む、方法。
【請求項5】
医薬としての使用のための、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1から3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
ベータ−アミロイド生成および/または凝集に関係する神経障害および血管障害の処置における使用のための、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1から3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
薬学的担体または希釈剤と共に、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1から3のいずれか一項記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項8】
ベータ−アミロイド生成および/または凝集に関係する神経障害および血管障害の処置のための、医薬としての、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1から3のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項9】
ベータ−アミロイド生成および/または凝集に関係する神経障害および血管障害の処置のための薬剤の製造を目的とした、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1から3のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項10】
ベータ−アミロイド生成および/または凝集に関係する神経障害および血管障害の処置を必要とする対象における処置方法であって、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1から3のいずれか一項記載の化合物の治療的有効量をかかる対象に投与することを含む、方法。
【請求項11】
同時または連続投与のための、治療的有効量の遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形態の請求項1から3のいずれか一項記載の化合物および第2の薬剤物質を含む、組合せ。

【公表番号】特表2006−528610(P2006−528610A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520808(P2006−520808)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008283
【国際公開番号】WO2005/014517
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】