説明

新規栄養補助および医薬組成物、ならびに炎症性障害の治療、補助治療、または予防のためのそれらの使用

本発明は、新規メトキシル化芳香族化合物に関する。本発明はまた、メトキシル化芳香族化合物を含む新規組成物、およびこれらの組成物の医薬品、特に炎症性障害の治療、補助治療、または予防のための医薬品としての使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、新規メトキシル化芳香族化合物に関する。本発明はまた、メトキシル化芳香族化合物を含む新規組成物、およびこれらの組成物の医薬品、特に炎症性障害の治療、補助治療、または予防のための医薬品としての使用にも関する。
【0002】
炎症性障害は、世界で最も重要な健康問題の1つである。炎症は、一般に異物または傷害性刺激の宿主への侵入に対する体組織の局所防御反応である。炎症の原因は、細菌、ウイルス、および寄生虫のような感染因子;または熱傷や放射線のような物理的因子;または毒素、薬物、もしくは産業用物質のような化学物質;またはアレルギーや自己免疫応答のような免疫反応、もしくは酸化ストレスに関連する病態であり得る。
【0003】
炎症は、疼痛、発赤、腫脹、熱、および患部の最終的な機能喪失を特徴とする。これらの症状は、免疫系細胞間で起こる複雑な一連の相互作用の結果である。細胞の応答は、複数の群の炎症性メディエータ:タンパク質(例えば、サイトカイン、酵素(例えば、プロテアーゼ、ペルオキシダーゼ)、主要塩基性タンパク質、接着分子(ICAM、VCAM)、脂質メディエータ(例えば、エイコサノイド、プロスタグランジン、ロイコトリエン、血小板活性化因子(PAF))、活性酸素種(例えば、ヒドロペルオキシド、スーパーオキシドアニオンO、一酸化窒素(NO)など)が相互作用するネットワークを生じる。しかし、炎症のメディエータの多くは、正常な細胞活性の制御因子でもある。したがって、炎症反応の不全によって、易感染性宿主となり(すなわち、感染)、制御されていない、ひいては慢性の炎症は、上記のメディエータのうちの複数の過剰産生によっても媒介される炎症性疾患を招く。
【0004】
炎症性メディエータの過剰の生合成によって生ずる急性および慢性炎症は、多数の炎症性障害、具体的に関節炎(例えば、変形性関節症、リウマチ様関節炎)、喘息、炎症性腸疾患、皮膚炎症性疾患(例えば、乾癬、湿疹、アトピー性皮膚炎)、ならびに慢性炎症性障害、具体的にはアテローム性動脈硬化症、心疾患、代謝性症候群X、癌、アルツハイマー病およびその前段階、具体的には軽度認知障害に関与する。
【0005】
リウマチ様関節炎は、関節の慢性炎症性疾患である。例えば、関節炎としては、リウマチ様関節炎、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、全身性紅斑性狼瘡、および若年性関節炎が挙げられる。喘息およびリウマチ様関節炎は、分子レベルでのサイトカイン、ケモカイン、キニン、およびそれらの受容体、接着分子、ならびに炎症酵素の慢性的不均衡発現を特徴とする。
【0006】
乾癬は、最もよくある皮膚疾患の1つであり、人口の1〜3%に影響を及ぼす。炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎およびクローン病のような消化管疾患を表すために使用される一般用語である。
【0007】
血管内脂質沈着の過程に加えて、内皮(すなわち、血管)壁の炎症反応は、アテローム性動脈硬化症、すなわちアテローム形成に決定的に寄与すると考えられる。アテローム性動脈硬化症は、炎症を引き起こす血管外傷に由来する。アテローム硬化型プラークには、活性化されたマクロファージ、T−リンパ球、および肥満細胞が存在する。単球/マクロファージ、およびリンパ球の活性化によって、内皮損傷、およびアテローム硬化型プラークの形成、最終的には破裂に関係するエイコサノイドおよびサイトカインが放出される。最後に、C反応性タンパク質(CRP)、フィブリノゲン、およびインターロイキンのような循環血中炎症マーカーは、冠動脈疾患(CAD)の危険性が高い群で増加している。いくつかの治験は、CRP濃度の上昇が冠動脈事象および血管事象の危険性の増加と相関することを示している。したがって、炎症は、アテローム形成の開始および進行において重要な役割を果たすようである。
【0008】
炎症性障害は、アルツハイマー病の病態生理にも関連する。アルツハイマー病はサイトカインレベルの上昇および小膠細胞の活性化を特徴とするので、アルツハイマー病患者の脳における炎症の証拠がある。したがって、炎症は、古典的な炎症性障害(例えば、関節炎、喘息、腸疾患)に関与するだけでなく、多くの慢性炎症性障害(例えば、アテローム性動脈硬化症、心疾患、代謝性症候群X、癌、アルツハイマー病)にも関連する。
【0009】
炎症事象は、様々なタイプの癌(例えば、胃癌および腸癌、悪性黒色腫)の病態生理にも関連する。プロスタグランジンレベルの上昇は、ヒトにおける乳癌、大腸癌、肺癌、および膵臓癌に見られる。
【0010】
2つの主要なクラスの薬物であるコルチコステロイドおよび非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を使用して、炎症性障害を治療する。NSAIDおよびコルチコステロイドは、本質的に症状軽減をもたらす。しかし、長期使用の重篤な副作用に関する懸念が増大しているため、コルチコステロイドの使用は減少している。
【0011】
NSAIDは、主に疼痛および炎症性障害の治療、特に関節炎の治療に最も広く使用されている薬物の1つである。疫学的研究は、NSAID服用患者は、NSAIDを服用していない患者より、アルツハイマー病を発症する危険性が低いことを示唆している。NSAIDの保護効果は、シクロオキシゲナーゼが神経変性プロセスに関与している可能性を示唆する。
【0012】
疫学的研究は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)服用者において結腸直腸癌、胃癌、食道癌、および乳癌の危険性が、NSAIDを服用していない者と比較して有意に低下することを示した。動物モデルでは、NSAIDによって、腫瘍発生が有意に低下した。
【0013】
しかし、関節炎のような慢性疾患を治療する場合のNSAIDの慢性使用は、重篤な消化器系愁訴、腎毒性、または喘息反応のような重度の副作用によって制限される。
【0014】
したがって、副作用の軽いまたはない新規抗炎症剤が必要とされている。炎症性疾患患者は、疾患予防およびアジュバント治療として使用することができる、抗炎症作用が穏やかで主な副作用のない「自然である」と思われる治療に特別な興味がある。
【0015】
本発明の目的は、このような必要性に対処することである。
【0016】
したがって、本発明は、式(1):
【化1】


[式中、RおよびRの一方は、アルキル、アルケニル、またはイソプレノイド、好ましくはイソプレニル、ゲラニル、または2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニルを表し、RおよびRの他方は、Hを表し、
は、Hまたはアルキル、好ましくはペンチルまたは2−フェニルエチルを表し、
は、Hまたはカルボキシル基である]、または式(2):
【化2】


[式中、Rは、アルキル、アルケニル、またはイソプレノイド、好ましくはイソプレニル、ゲラニル、または2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニルを表し、
は、Hまたはアルキル、好ましくはペンチルまたは2−フェニルエチルを表し、
は、Hまたはカルボキシル基である]のメトキシル化芳香族化合物を少なくとも1つ含む組成物に関する。
【0017】
好ましい一実施形態では、少なくとも1つのメトキシル化芳香族化合物は、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(I)、Amorfrutin B(II)、Amorfrutin A(III)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(IV)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(VII)、式(VIII)の化合物、および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(IX)の群から選択される。化合物(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)は図1で見ることができる。はるかにより好ましくは、メトキシル化芳香族化合物は、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(VII)の群、特に2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(I)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、および式(VIII)の化合物の群から選択される。
【0018】
メトキシル化芳香族化合物の2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(I)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、および構造(VIII)の化合物は新規であり、それ自体も本発明の一部分を成す。これらの新規化合物は、天然供給源から単離することができ、例えば当業者に知られている方法でグリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)から得ることができる。
【0019】
意外なことに、本発明に係るメトキシル化芳香族化合物は抗炎症剤であることが見出された。したがって、本発明の組成物は、特に心疾患、多発性硬化症、変形性およびリウマチ様関節炎、アテローム性動脈硬化症、ならびに骨粗鬆症のような炎症性障害の治療、補助治療、および予防に有用であり得る。
【0020】
本発明の組成物は、特に関節炎、具体的には変形性関節症およびリウマチ様関節炎の治療、補助治療、および予防に適している。したがって、本発明の組成物は、下記の特性の1つまたは複数を有することができる:関節炎症の低減、関節健康の維持および/または増大、関節硬直の予防、移動度の上昇、しなやかなおよび/または柔軟な関節の提供、関節の潤滑、関節炎痛の軽減、関節炎症を伴う疼痛の軽減、関節腫脹の低減、関節障害の軽減、関節のケアの提供。
【0021】
本発明に係るメトキシル化芳香族化合物は、当業者に知られている方法で合成、または抽出、および/または精製することができる。好ましくは、本発明のメトキシル化芳香族化合物は、栽培者のような従来の商業上利用可能な供給業者から得ることができるグリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)に由来する。
【0022】
本明細書で使用するグリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)由来のメトキシル化芳香族化合物は、当技術分野で知られているいくつかの方法で調製することができる。グリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)を任意の適切な手段で処理して、上記の組成物を得ることができる。例えば、グリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)を抽出して、混合物を得ることができる。メトキシル化芳香族化合物は、混合物から直接得ることができ、あるいは混合物を分別および/または精製して、メトキシル化芳香族化合物を得ることができる。組成物を当業者に知られているいくつかの方法で分別および/または精製することができる。分別方法としては例えば、有機溶媒による分配、クロマトグラフィー、例えば高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、または超臨界流体の使用が挙げられる。
【0023】
化合物(I)〜(IX)はすべて、例えばグリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)の乾燥植物材料からメタノール:MTB(9:1)で抽出し、引き続いてこのようにして得られた粗抽出物を、分取HPLCにより例えば緩衝溶媒系で分別することによって得ることができる。したがって、別の態様では、本発明は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および/または(IX)の化合物、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸、および構造(VIII)の化合物の群から選択される化合物を、グリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)の乾燥植物材料から、例えば酢酸エチルのような有機溶媒、または例えばアルコールとエーテルの混合物、好ましくはメタノールとメチルtert−ブチルエーテル(MTB)のような有機溶媒の混合物で抽出し、引き続いてこのようにして得られた粗抽出物を、分取HPLCにより緩衝溶媒系で分別することによって単離する方法に関する。
【0024】
本発明の組成物は、上記に示される定義および優先度で、本発明に係るメトキシル化化合物を含む抽出物、具体的には例えばグリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)の植物材料の好ましくは有機相の抽出物も明らかに包含する。さらに、本発明は、上記に示される定義および優先度で、抽出物の形、特にグリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)の植物材料から得られる抽出物、具体的には例えば有機相抽出物の形で本発明に係るメトキシル化芳香族化合物を含む組成物も包含する。
【0025】
メトキシル化芳香族化合物は、ヒト成人(体重約70kg)による1日の消費量が0.5mg/日〜2000mg/日、好ましくは5mg/日〜500mg/日の範囲であるような濃度で使用されることが好ましい。
【0026】
したがって、本発明はまた、上記に示される定義および優先度で、0.5mg〜3000mg、好ましくは1〜2000mg、より好ましくは1〜1000mgの本発明に係るメトキシル化芳香族化合物を含む組成物にも関する。
【0027】
別の態様では、本発明はまた、医薬品として使用するための組成物および/またはメトキシル化芳香族化合物にも関する。さらに具体的には、本発明は、この組成物および/またはメトキシル化芳香族化合物の、炎症性障害、より好ましくは関節炎、最も好ましくはリウマチ様関節炎または変形性関節症の治療、補助治療、または予防のための栄養補助または医薬組成物の製造のための使用に関する。
【0028】
また、本発明は、ヒトを含む動物における炎症性障害、好ましくは関節炎、最も好ましくは変形性関節症を治療、補助治療、および予防する方法であって、それを必要とするヒトを含む動物に、有効量の本発明に係るメトキシル化芳香族化合物および/または組成物を、投与するステップを含む方法に関する。
【0029】
本発明の枠内で、動物については、哺乳動物を含めてすべての動物を意味し、例えばヒトが挙げられる。ヒトに加えて、哺乳動物の好ましい例は、ネコ、イヌ、ヒトコブラクダ、ラクダ、ゾウ、およびウマを含む、非反芻動物または反芻動物である。
【0030】
別の態様では、本発明は、上記に示される定義および優先度で、本発明に係る組成物および/または本発明に係るメトキシル化芳香族化合物の栄養補助または医薬組成物の製造のための使用に関する。
【0031】
さらに別の態様では、本発明は、本発明に係る組成物であって、特に炎症性障害、より好ましくは関節炎、最も好ましくはリウマチ様関節炎または変形性関節症の治療、補助治療、または予防のための、栄養補助品として許容できる担体をさらに含む栄養補助組成物、特に食物もしくは飲料、または食物もしくは飲料のためのサプリメント組成物である組成物に関する。
【0032】
本明細書では、栄養補助組成物という用語は、食品、食糧、食事補助食品、栄養補助サプリメント、または食品もしくは食糧のためのサプリメント組成物を包含する。
【0033】
したがって、別の実施形態では、本発明は、上記に示される定義および優先度で、本発明に係るメトキシル化芳香族化合物を少なくとも1つ含む栄養補助組成物であって、食品、食糧、食事補助食品、栄養補助サプリメント、または食品もしくは食糧のためのサプリメント組成物、好ましくは食事補助食品、栄養補助サプリメント、または食物もしくは食糧のためのサプリメント組成物、好ましくはサプリメント、栄養補助サプリメント、または食品もしくは食糧のためのサプリメント組成物である組成物に関する。
【0034】
別の好ましい実施形態では、本発明は、グリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)から得ることができる植物抽出物を含む栄養補助組成物であって、食品、食糧、食事補助食品、栄養補助サプリメント、または食物もしくは食糧のためのサプリメント組成物、好ましくは食事補助食品、栄養補助サプリメント、または食物もしくは食糧のためのサプリメント組成物、好ましくはサプリメント、栄養補助サプリメント、または食物もしくは食糧のためのサプリメント組成物である組成物に関する。
【0035】
本明細書では、食品という用語は、ヒトまたは動物による消費に適した任意の食物または飼料に意味する。食品は、調理包装済み食品(例えば、マヨネーズ、サラダドレッシング、パン、またはチーズ食品)、または動物用飼料(例えば、押出およびペレット化動物用飼料、粗混合飼料、またはペットフード組成物)とすることができる。本明細書では、食糧という用語は、ヒトまたは動物による消費に適した任意の物質を意味する。食事補助食品という用語は、単回または複数回の用量単位で包装された、ヒトまたは動物用食事を補助するための少量の化合物を意味する。食事補助食品は、一般には十分量のカロリーを供給しないが、他の微量栄養素(例えば、ビタミンまたはミネラル)を含有することがある。栄養補助サプリメントという用語は、食事補助食品をカロリー供給源と組み合わせて含む組成物を意味する。いくつかの実施態様では、栄養補助サプリメントは、食事代替物、またはサプリメント(例えば、栄養素もしくはエネルギーバー、または栄養素飲料もしくは濃縮物)である。
【0036】
食品または食糧は、例えば非アルコールおよびアルコールドリンクのような飲料、ならびに飲料水および液体食物に添加される液体製剤であり、非アルコールドリンクは、例えばソフトドリンク、スポーツドリンク、フルーツジュース、具体的には例えばオレンジジュース、リンゴジュース、およびグレープフルーツジュース;リモネード、茶、ニアウォータードリンク、ならびにミルクおよび他の乳製品ドリンク、具体的には例えばヨーグルトドリンク、ならびにダイエット用ドリンクである。別の実施形態では、食品または食糧は、本発明に係る組成物を含む固体または半固体の食物を意味する。これらの形としては、ケーキやクッキーのような焼き菓子、プディング、乳製品、糖菓、スナック食品、または冷凍糖菓もしくは新型商品(例えば、アイスクリーム、ミルクセーキ)、調理済み冷凍食品、キャンディー、スナック製品(例えば、チップス)、スープのような液体食物、スプレッド、ソース、サラダドレッシング、調理済み肉製品、チーズ、ヨーグルト、および任意の他の油脂含有食物、および食物材料(例えば、小麦粉)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0037】
食品または食糧という用語は、機能性食品および調理済み食品も包含し、後者は、ヒトによる消費用として認可された任意の予め包装された食物を意味する。
【0038】
ペットフード組成物を含めて動物飼料には、必要な栄養要求量を供給するよう意図されている食物、およびトリート(例えば、イヌ用ビスケット)または他の食物サプリメントが含まれることが有利である。本発明に係る組成物を含む動物飼料は、乾燥組成物(例えば、粗引きの穀物)、やや湿った組成物、湿った組成物、またはそれらの任意の混合物の形とすることができる。あるいはまたはさらに、動物飼料は、肉汁、飲料水、ヨーグルト、粉末、懸濁液、チュー、トリート(例えば、ビスケット)、または任意の他の送達の形のようなサプリメントである。
【0039】
本発明の食事補助食品は、任意の適切な型式で送達することができる。好ましい実施形態では、食事補助食品は、経口送達用に配合される。本発明の食事補助食品の材料は、経口消費用の許容できる賦形剤および/または担体中に含まれる。担体の実際の形、ひいては食事補助食品それ自体は、重要ではない。担体は、液体、ゲル、ゲルキャップ、カプセル、粉末、(コーティングまたは非コーティング)固体錠剤、茶などとすることができる。食事補助食品は、好ましくは錠剤またはカプセル剤の形、最も好ましくは硬(シェル)ゼラチンカプセル剤の形である。適切な賦形剤および/または担体としては、マルトデキストリン、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、微結晶セルロース、デキストロース、米粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポピドン、スクロース、植物ガム、ラクトース、メチルセルロース、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、トウモロコシデンプンなど(それらの混合物を含む)が挙げられる。好ましい担体としては、炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、マルトデキストリン、およびそれらの混合物が挙げられる。様々な成分、ならびに賦形剤および/または担体を混合し、従来の技法を用いて、所望の形に形成する。本発明の錠剤またはカプセル剤は、pH 約6.0〜7.0で溶解する腸溶性コーティングでコーティングすることができる。小腸で溶解するが、胃では溶解しない適切な腸溶性コーティングは、セルロースアセテートフタレートである。製剤および投与のための技法についてさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesの最新版で見ることができる(Maack Publishing Co.,Easton,PA)。
【0040】
他の実施形態では、食事補助食品は、消費者が食物または飲料に添加するのに適した粉末または液体として提供される。例えば、いくつかの実施態様では、食事補助食品は、例えば飲料に混ぜ入れることによって、または半固体食物、具体的には例えばプディング、トッピング、ソース、ピューレ、調理済みシリアル、もしくはサラダドレッシングに入れて撹拌することによって、またはそうでない場合は、例えば消費直前に放出させるための食物もしくは飲料容器のキャップに封入された食物に添加することによって使用される粉末の形で、個体に投与することができる。食事補助食品は、特に食事補助食品によって食事に加えられるカロリー量を制限することが望ましい場合に、1つまたは複数の不活性成分を含むことができる。例えば、本発明の食事補助食品は、例えばハーブ、ビタミン、ミネラル、エンハンサー、着色剤、甘味剤、矯味剤、不活性成分などを含めて、任意選択の成分を含有することもできる。
【0041】
いくつかの実施態様では、食事補助食品はさらに、ビタミンおよびミネラルを含み、三塩基性リン酸カルシウムまたは酢酸カルシウム;二塩基性リン酸カリウム;硫酸マグネシウムまたは酸化マグネシウム;塩(塩化ナトリウム);塩化カリウムまたは酢酸カリウム;アスコルビン酸;リン酸第二鉄;ナイアシンアミド;硫酸亜鉛または酸化亜鉛;パントテン酸カルシウム;グルコン酸銅;リボフラビン;β−カロテン;ピリドキシン塩酸塩;チアミン一硝酸塩;葉酸;ビオチン;塩化クロムまたはピコリン酸;ヨウ化カリウム;セレン酸ナトリウム;モリブデン酸ナトリウム;フィロキノン;ビタミンD3;シアノコバラミン;亜セレン酸ナトリウム;硫酸銅;ビタミンA;ビタミンC;イノシトール;ヨウ化カリウムが挙げられるが、これらに限定されない。ビタミンおよびミネラルに適切な投与量は、例えば米国RDA指針を参考にすることによって得ることができる。
【0042】
他の実施形態では、本発明は、本発明に係る組成物を含む栄養補助サプリメント(例えば、エネルギーバーまたは食事代替物バーまたは飲料)を提供する。栄養補助サプリメントは、食事またはスナック代替物として働くことができ、一般に栄養素カロリーを提供する。好ましくは、栄養補助サプリメントは、バランスのとれた量の炭水化物、タンパク質、および脂肪を提供する。栄養補助サプリメントはさらに、単純な中鎖炭水化物、もしくは多糖、またはそれらの組合せを含むことができる。単糖は、望ましい官能特性で選択することができる。未調理のコーンスターチは、複雑な炭水化物の一例である。その高分子量構造を維持することが望まれる場合、調理または加熱処理されていない食物製剤またはその一部分にのみ含めるべきである。というのは、熱は複雑な炭水化物を単純な炭水化物(ただし、単純な炭水化物とは単糖または二糖である)に分解するからである。栄養補助サプリメントは、一実施形態では3つのレベルの鎖長の炭水化物の供給源の組合せ(単純、中程度、および複雑;例えば、スクロース、マルトデキストリン、および未調理コーンスターチ)を含む。
【0043】
本発明の栄養補助サプリメントに組み込まれるタンパク質の供給源は、栄養製剤で利用される任意の適切なタンパク質とすることができ、ホエータンパク質、ホエータンパク質濃縮物、ホエー粉末、卵、ダイズ粉、豆乳大豆タンパク質、大豆タンパク質単離物、カゼイネート(例えば、カゼインナトリウム、カゼインナトリウムカルシウム、カゼインカルシウム、カゼインカリウム)、動物および植物タンパク質、ならびに加水分解産物、またはそれらの混合物を挙げることができる。タンパク質供給源を選択する場合、タンパク質の生物価がまず考慮されるべきであり、最高の生物価は、カゼイネート、ホエー、ラクトアルブミン、卵アルブミン、および全卵タンパク質中に見られる。好ましい一実施形態では、タンパク質は、ホエータンパク質濃縮物とカゼインカルシウムの組合せである。これらのタンパク質は、高い生物価を有する。すなわち、これらは、必須アミノ酸の割合が高い。Modern Nutrition in Health and Disease、8版、Lea&Febiger出版社、1986年、特に1巻、30〜32頁を参照のこと。栄養補助サプリメントは、他の成分、具体的には他のビタミン、ミネラル、酸化防止剤、繊維、および他の食事補助食品(例えば、タンパク質、アミノ酸、コリン、レシチン、ω−3脂肪酸)の1つまたは組合せも含有することができる。これらの成分の1つまたは複数の選択は、製剤、設計、消費者の好み、およびエンドユーザー次第である。本発明の食事補助食品に添加されるこれらの成分の量は、当業者に容易にわかる。このような量への指針は、米国RDAによる子供および成人の用量により提供することができる。添加することができるさらなるビタミンおよびミネラルとしては、三塩基性リン酸カルシウムまたは酢酸カルシウム;二塩基性リン酸カリウム;硫酸マグネシウムまたは酸化マグネシウム;塩(塩化ナトリウム);塩化カリウムまたは酢酸カリウム;アスコルビン酸;リン酸第二鉄;ナイアシンアミド;硫酸亜鉛または酸化亜鉛;パントテン酸カルシウム;グルコン酸銅;リボフラビン;β−カロテン;ピリドキシン塩酸塩;チアミン一硝酸塩;葉酸;ビオチン;塩化クロムまたはピコリン酸クロム;ヨウ化カリウム;セレン酸ナトリウム;モリブデン酸ナトリウム;フィロキノン;ビタミンD3;シアノコバラミン;亜セレン酸ナトリウム;硫酸銅;ビタミンA;ビタミンC;イノシトール;ヨウ化カリウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
栄養補助サプリメントは、様々な生成方法で様々な形で提供することができる。好ましい一実施形態では、食物バーを製造するために、液体成分を調理する。乾燥成分を液体成分と共に混合器中で添加し、ドー相に到達するまで混合する。ドーを押出機に入れ、押し出す。押し出されたドーを適切な長さに切断し、生成物を冷却する。バーは、本明細書に具体的に記載する成分に加えて、味を向上させるための他の栄養素および充填剤を含有することができる。
【0045】
栄養補助サプリメントの処理または製造のため、本明細書に記載するもの、例えば充填剤、乳化剤、保存剤などに、他の成分を添加できることは、当業者によって理解される。
【0046】
さらに、矯味剤、着色剤、スパイス、ナッツなどを栄養補助組成物に組み込むことができる。矯味剤は、矯味付けされた抽出物、揮発性油、チョコレート矯味剤、ピーナッツバター矯味剤、クッキークラム、クリスプライス、バニラ、または任意の市販矯味剤の形とすることができる。有用な矯味剤としては例えば、純粋アニス抽出物、イミテーションバナナ抽出物、イミテーションチェリー抽出物、チョコレート抽出物、純粋レモン抽出物、純粋オレンジ抽出物、純粋ペパーミント抽出物、イミテーションパイナップル抽出物、イミテーションラム抽出物、イミテーションイチゴ抽出物、または純粋バニラ抽出物;またはバーム油、ベイ油、ベルガモット油、セダー油、クルミ油、チェリー油、シナモン油、チョウジ油、またはハッカ油のような揮発性油;ピーナッツバター、チョコレート矯味剤、バニラクッキークラム、バタースコッチ、またはタフィーが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、食事補助食品はココアまたはチョコレートを含有する。
【0047】
乳化剤は、栄養補助組成物の安定性のために添加することができる。適切な乳化剤としては例えば、レシチン(例えば、卵または大豆)、ならびに/またはモノおよびジグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。他の乳化剤は、当業者に容易に明らかであり、適切な乳化剤の選択は、一部には製剤および最終生成物に依存する。保存剤を栄養補助サプリメントに添加して、製品貯蔵寿命を延長することもできる。好ましくは、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム、またはEDTAカルシウム二ナトリウムのような保存剤が使用される。
【0048】
上述する炭水化物に加えて、栄養補助組成物は、天然または人工(好ましくは、低カロリー)甘味料、例えば糖類、シクラメート、アスパルタミン、アスパルテーム、アセスルファムK、および/またはソルビトールを含有することができる。このような人工甘味料は、栄養補助サプリメントが、過体重もしくは肥満の個人、または高血糖を起こしやすいII型糖尿病の個人によって消費されるよう意図されている場合に望ましいことがある。
【0049】
さらに、マルチビタミンおよびミネラルサプリメントを本発明の栄養補助組成物に添加して、食事では欠けている必須栄養素を十分量得ることができる。マルチビタミンおよびミネラルサプリメントは、疾患予防、ならびにライフスタイルのパターンによる栄養損失および不足に対する防止にも有用であり得る。
【0050】
強化食物の例は、シリアルバー、チューインガム、およびケーキやクッキーのようなベーカリー製品である。
【0051】
飲料は、非アルコールおよびアルコールドリンク、ならびに飲料水および液体食物に添加される液体製剤を包含する。非アルコールドリンクは、例えばソフトドリンク、スポーツドリンク、フルーツジュース、具体的には例えばオレンジジュース、リンゴジュース、およびグレープフルーツジュース;レモネード、茶、ニアウォータードリンク、ならびに牛乳ベースドリンク、具体的には例えばヨーグルトドリンクである。液体食物としては例えば、スープ、および乳製品、例えばヨーグルトが挙げられる。
【0052】
栄養補助組成物により投与される、上記に示される定義および優先度で本発明に係るメトキシル化芳香族化合物、またはグリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)から得ることができる抽出物の投与量および比は、当然ながら、既知の要因、具体的には特定の組成物とその投与モードおよび経路の生理学的特徴;レシピエントの年齢、健康、および体重;症状の性質および範囲;併用療法の種類;治療の頻度;ならびに通常の試験、または栄養補助組成物の製剤に関する通常の考慮によって当業者が判定することができる所望の効果に応じて変わる。
【0053】
好ましい一実施態様では、栄養補助組成物は、示される定義および優先度で本発明に係るメトキシル化芳香族化合物を、好ましくはグリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)から得ることができる抽出物の形で、1回当たり、0.01〜1g、より好ましくは0.2mg〜500mgの量で含む。
【0054】
別の実施形態では、栄養補助品は、グリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)から得ることができる抽出物0.1mg〜5000mg、好ましくは0.5〜3000mgを含む。
【0055】
別の態様では、本発明は、本発明に係る組成物であって、医薬として許容できる担体をさらに含む医薬組成物である組成物に関する。好ましい一実施態様では、医薬品は、粉末、錠剤、カプセル、ゲル、液体または固体の実施態様の形である。
【0056】
医薬組成物中の個々の成分の投与量および比は、通常の前臨床および治験、または医薬組成物の製剤に関する通常の考慮によって当業者が判定することができる。
【0057】
医薬品は、上記に示される定義および優先度で、本発明に係る組成物および/もしくはメトキシル化芳香族化合物を、好ましくは投与単位、例えばカプセルもしくは錠剤当たり1mg〜2000mg、または液体製剤では1mg/1日用量〜3000mg/1日用量の量で含むことができる。好ましい一実施態様では、グリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)から得ることができる抽出物は医薬組成物により、少なくとも0.01mg/体重(kg)/日の量、好ましくは0.1〜50mg/体重(kg)/日の量、最も好ましくは0.3〜15mg/体重(kg)/日の量が単回投与の形、または複数回投与で投与される。
【0058】
本発明に係る栄養補助および医薬組成物は、ヒトの体を含めて、動物の体に投与するのに適した任意の生薬の形、さらに具体的には経口投与に好都合な任意の形、例えば固体の形、例えば食物もしくは飼料(用の添加物/サプリメント)、食物もしくは飼料のプレミックス、強化食物もしくは飼料、錠剤、丸剤、顆粒剤、糖衣錠、カプセル剤、および散剤や錠剤のような発泡製剤として、あるいは液体の形、例えば液剤、乳剤、または懸濁剤の形、例えば飲料、ペースト剤、および油性懸濁剤とすることができる。ペースト剤を硬シェルカプセル剤または軟シェルカプセル剤に充填することができる。他の適用形態の例は、経皮、非経口、局所、または注射投与のための形である。栄養補助および医薬組成物は、制御(遅延)放出製剤の形とすることができる。医薬組成物としては例えば、クリーム、ゲル、スプレー、乾燥スティック、粉剤などのようなフェノール化合物の局所塗布および経皮吸収に適した組成物も挙げられる。
【0059】
当業者は、どの担体が医薬として許容できる担体として使用できるかを知っている。このような医薬として許容できる担体の例は、経口/非経口/注射投与に適した無機と有機の担体材料であり、これには水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油などが挙げられる。
【0060】
上記に示される定義および優先度でのメトキシル化芳香族化合物および医薬として許容できる担体に加えて、本発明に係る医薬組成物は、さらに従来の医薬添加剤およびアジュバント、賦形剤または希釈剤を含むことができ、これには水、任意由来のゼラチン、植物ガム、リグニンスルホナート、タルク、糖、デンプン、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレングリコール、矯味剤、保存剤、安定剤、乳化剤、緩衝剤、滑沢剤、着色剤、湿潤化剤、充填剤などが含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
本発明に係るメトキシル化芳香族化合物は、炎症性障害を治療または予防するための当業者に知られている他の栄養補助組成物または治療剤をメトキシル化芳香族化合物の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与することによって組み合わせて、使用することができる。
【0062】
本発明の別の実施形態では、本発明の組成物および/または上記に示される優先度および定義で本発明に係るメトキシル化芳香族化合物は、美容または皮膚用組成物(後者の組成物は特定タイプの医薬組成物)、具体的には皮膚の炎症の治療、補助治療、または予防、具体的には不純な皮膚の治療、補助治療、または予防のためのスキンケア調合物に組み込むことができる。不純な皮膚としては例えば、丘疹、座瘡、および炎症性様相を有する他の皮膚の不純が挙げられる。
【0063】
したがって、本発明はまた、美容用組成物である本発明に係る組成物にも関する。別の実施形態では、本発明は、美容用組成物の、皮膚の炎症の美容用治療、補助治療、または予防、特に不純な皮膚の美容用治療、補助治療、または予防のための使用に関する。本発明はまた、本発明に係るメトキシル化芳香族化合物または組成物の皮膚の炎症、特に不純な皮膚の治療、補助治療、または予防のための皮膚用組成物の製造のための使用にも関する。また、本発明は、皮膚の炎症、特に例えば座瘡のような不純な皮膚を治療、補助治療、または予防する方法であって、それを必要とするヒトに有効量の本発明に係る皮膚用組成物を投与するステップを含む方法に関する。また、本発明は、本発明に係る美容用組成物による、不純な皮膚の皮膚炎症を美容上治療、補助治療、または予防する方法に関する。
【0064】
本発明に係る美容または皮膚用組成物は、溶媒もしくは脂肪物質中の懸濁剤もしくは分散剤の形、または乳剤もしくはマイクロ乳剤の形(特に、O/W型またはW/O型、O/W/O型またはW/O/W型、ここでOは有機相を表し、Wは水相を表す)、具体的にはクリーム剤、ペースト剤、ローション剤、増粘ローション剤、またはミルク、軟膏剤、ゲル剤、固体のチューブスティック、またはエアゾールムースの形のビシクル分散液とすることができ、ムース、フォームもしくはスプレーフォーム、スプレー、スティック、またはエアゾール、またはワイプの形で提供することができる。美容または皮膚用組成物の例は、スキンケア調合物、特にボディオイル、ボディローション、ボディゲル、トリートメントクリーム、皮膚保護軟膏、保湿ゲル、保湿スプレー、リバイタライジングボディスプレー、日焼け後の皮膚の手入れ用調合物、またはサンスクリーン製剤である。
【0065】
例えば不純な皮膚のような皮膚の炎症の治療、補助治療、または予防のための美容または皮膚用組成物は、経口投与に好都合な形とすることができ、その例は上述されているが、美容食品およびサプリメントも含まれる。
【0066】
本発明の美容または皮膚用組成物は、保存剤/酸化防止剤、脂肪物質/油、水、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、軟化剤、乳化剤、追加の光遮蔽剤、消泡剤、保湿剤、香料、界面活性剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、もしくは両性のポリマーまたはそれらの混合物、噴射剤、酸性化または塩基性化剤、色素、着色剤、顔料またはナノ顔料、光安定剤、昆虫忌避剤、皮膚日焼け剤、皮膚美白剤、抗菌剤、保存剤活性成分、または一般に化粧品に配合される任意の他の成分のような通常の美容または皮膚用のアジュバントおよび/または添加剤をさらに含むことができる。
【0067】
本発明の美容または皮膚用組成物に含むことができる活性成分は、例えばビタミンおよびその誘導体、例えばトコフェロール、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビルリン酸、ビタミンQ、D、およびK、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ビオチン、カロチノイド誘導体、具体的にはβ−カロテン、リコペン、アスタキサンチン、野菜抽出物、抗菌性成分、ジペプチド、オリゴペプチド、およびポリペプチドを含む不安定アミノ酸、具体的にはメチオニン、システイン、シスチン、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、フェノール、ポリフェノール、またはフラバノイド、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、ユビキノン、具体的にはコエンザイムQ10、セラミド、疑似セラミド、精油、植物抽出物デオキシリボ核酸である。
【0068】
美容および皮膚用のアジュバント、添加剤、および/または追加活性成分の必要量は、所望の生成物に応じて、当業者によって容易に選択することができ、実施例に例示するが、これらに限定されない。
【0069】
さらに別の態様では、本発明はまた、本発明の組成物であって、美容もしくは皮膚用アジュバント、および/または美容もしくは皮膚用添加剤、および/または美容もしくは皮膚用追加活性成分を含む美容もしくは皮膚用組成物である組成物にも関する。
【0070】
美容または皮膚用組成物は、有効量のメトキシル化芳香族化合物を含む。用語「有効量」は、好ましくは組成物の少なくとも0.01重量%である。好ましくは、組成物は、0.01重量%〜20重量%、より好ましくは0.05重量%〜10重量%、さらにより好ましくは0.1重量%〜5重量%の量のメトキシル化芳香族化合物を含む。
【0071】
次に、本発明は、下記の実施例によって明らかになるが、これらに限定されない。
【0072】
[実施例1 軟ゼラチンカプセル剤]
従来の手順で、用量10mgのメトキシル化芳香族化合物を提供する軟ゼラチンカプセル剤を調製する。適切な1日用量は1〜5カプセルである。
【0073】
他の成分:グリセロール、水、ゼラチン、植物油。
【0074】
[実施例2 硬ゼラチンカプセル剤]
従来の手順で、用量20mgのメトキシル化芳香族化合物を提供する硬ゼラチンカプセル剤を調製する。適切な1日用量は1〜5カプセルである。
【0075】
[他の成分:]
充填剤:ラクトースまたはセルロースもしくはセルロース誘導体(適量)
滑沢剤:必要に応じて、ステアリン酸マグネシウム(0.5%)
【0076】
[実施例3.錠剤]
従来の手順で、活性成分としてメトキシル化芳香族化合物20mg/錠剤、および賦形剤として微結晶セルロース、二酸化ケイ素(SiO)、ステアリン酸マグネシウム、クロスポピドンNF(崩壊剤である)を全量で500mg提供する錠剤を調製する。
【0077】
[実施例4.ソフトドリンク]
メトキシル化芳香族化合物を含有するソフトドリンクを以下の通り調製することができる。
【0078】
ソフトドリンクを下記の成分から調製する。
【0079】
【表1】

【0080】
空気を混入させることなく、果実ジュース濃縮物および水溶性矯味剤を混合する。着色剤を脱イオン水に溶解する。アスコルビン酸およびクエン酸を水に溶解する。安息香酸ナトリウムを水に溶解する。撹拌下、ペクチンを添加し、沸騰させながら溶解する。溶液を冷却する。オレンジ油および油溶性矯味剤を予め混合する。項目Fに記載の活性成分を、Aの果実ジュース濃縮物混合物に撹拌する。
【0081】
ソフトドリンクを調製するために、すべての成分A〜Fを混合した後、Turrax、次いで高圧ホモジナイザ(p=200バール、p=50バール)を用いてホモジナイズする。
【0082】
[実施例5:炎症性メディエータの産生の抑制]
Amorfrutin A(III)、Amorfrutin B(II)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル、および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸のようなグリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)から単離された構造上関連性のある化合物、ならびに2つの新規構造体(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(I)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)の抗炎症作用を細胞アッセイで確定した。
【0083】
乾燥植物材料からメタノール:MTB(9:1)で抽出することによるグリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)の抽出物から、化合物を単離した。植物の別の部分から抽出物を得た。このようにして得られた粗抽出物を分取HPLCにより緩衝溶媒系で分別した。単離された化合物について、抽出物の生物活性を下記の細胞系で試験した。
【0084】
純粋な化合物を細胞系中でin vitro分析した。これらの抽出物または化合物による炎症促進性プロスタグランジン(PG)および一酸化窒素の合成の抑制を測定した。PGEは、炎症過程において重要な役割を果たし、一酸化窒素(NO)は、様々な形の関節炎、胃腸疾患、および代謝性症候群Xを含めて様々な慢性炎症性疾患における炎症の特徴である。
【0085】
抽出物または化合物の炎症応答に及ぼす効果を、マウスマクロファージ指示細胞株RAW264.7を用いて細胞アッセイで試験した。この細胞は、ATCC(Manassas,VA,USA)から購入し、ストレプトマイシン/ペニシリン、非必須アミノ酸、および10%ウシ胎仔血清(FCS)を含有するDMEM中で培養した。広範囲の濃度の化合物を試験するために、細胞(約50’000/ウェル)を平底マイクロタイタープレートに播種し、1日培養した。次いで、細胞を、0.25%FCSを含有する完全培地(D−025)で飢餓状態にした。終夜培養した後、培地を除去し、最終濃度の2倍の被検化合物を含有するD−025(100μL)と取り替えた。引き続いて、2μg/mlのLPSを含有するD−025(100μL)を添加し(すなわち、最終LPS濃度1μg/ml)、細胞を24時間培養した。
【0086】
化合物を、通常、2倍希釈ステップで0.2〜50μMの濃度範囲において試験した。抽出物を0.2〜50mg/Lの範囲で試験した。処置はすべて、2回繰り返して行い、各処置について、複数の連続実験を行った。細胞によって放出された一酸化窒素から急速に形成されたニトライトの濃度を、亜硝酸ナトリウムを標準物質として使用するグリース(Griess)反応で確定した。簡潔に言えば、50μlの上清をグリース試薬1(25μL)およびグリース試薬2(25μL)と混合し、遠心し、540nmの光学密度を確定した。Cayman Chemicals(Ann Harbor,WI,USA)から得られたEIAを製造業者の指示書に従って使用して、細胞培養培地に分泌されたPGEを確定した。確定はすべて、培養上清の様々な希釈液で2回繰り返して行った。IC50値は、2パラメータ最小二乗適合方程式[y=A+((B−A)/(l+((C−x)^D))]を使用して最良適合曲線を求め、算出した(エクセル(Excel)適合ソフトウェアプログラム)。
【0087】
化合物の2つの炎症パラメータの抑制に及ぼす効果を下記の表に示す。植物の異なる部分から得られた抽出物は、強力でありながらしかも多岐にわたる抗炎症性を有する。グリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)抽出物中で同定された6つの化合物(例えば、Amorfrutin A(III)、B、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル)は、一酸化窒素(NO)の産生を強力低減し、IC50は<約20μmol/Lであり、被検化合物の大半は、試験濃度範囲においてPGE産生も低減した。まとめると、データは、グリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)から単離された下記の化合物が、in vitroで炎症反応を調節する証拠を提供する。
【0088】
[表:植物の異なる部分から得られた抽出物のIC50値]
【0089】
【表2】

【0090】
[表:一酸化窒素産生に及ぼす効果を低減する際に列挙する単一化合物のIC50値]
【0091】
【表3】

【0092】
[実施例6:炎症遺伝子の発現レベルの調節]
化合物の効果を、炎症応答に関与する遺伝子発現のレベルでも評価した。これらは、プロスタグランジン合成経路の遺伝子、サイトカイン、およびケモカイン、または誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)を含む。RAW 264.7細胞を、様々な濃度の物質の存在下で刺激した。4時間後、RNAを抽出し、遺伝子の発現を、記載されている定量RT−PCRで確定した(リチャード,N.(Richard,N.)、ポラス,D.(Porath,D.)、ラドスピーラー,A.(Radspieler,A.)、およびシュワーガー,J.(Schwager,J.)、「リスベラトロール、ピセタノール、トリアセトキシスチルベン、およびゲニステインのヒト末梢血白血球の炎症応答に及ぼす効果(Effects of resveratrol,piceatannol,tri−acetoxystilbene,and genistein on the inflammatory response of human peripheral blood leukocytes)」、Mol Nutr Food Res 2005年、49巻:431〜442頁)。一例として、例えば誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)、インターロイキン−10(IL−0)、またはマトリックスメタロプロテアーゼ9(MMP−9)を大幅に低減したamorfrutin Aのデータを示す。まとめると、これらの結果は、化合物の炎症応答に関与する、異なる遺伝子の発現に及ぼす効果を示す。
【0093】
[表:Amorfrutin Aのいくつかの炎症遺伝子の発現に及ぼす効果。]
所与の遺伝子のmRNAのレベルを、LPSのみで刺激された細胞で観察されたレベル(=100%)と比べて表す。100%より低い値は、物質が関連する遺伝子の発現に抑制効果を及ぼすことを示す。
【0094】
【表4】

【0095】
[実施例7:グリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)抽出物のカラゲナン誘発性ラット足浮腫に及ぼす効果]
カラゲナン誘発性足浮腫モデルにおいて、グリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)抽出物の抗炎症活性をin vivoで評価した。このモデルは、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)のような、プロスタグランジンを抑制する作用剤の抗炎症性を評価するために長い間使用されてきた。このモデルは、ラット足の足底下の表面にカラゲナンを投与した後、経時的浮腫形成を引き起こす。
【0096】
体重120〜150gの雄ウィスター(Wistar)(Han)ラット20匹を無作為に2群に分けた。これらを温度(21±3℃)および相対湿度(30〜80%)を制御した部屋に、12時間明/暗サイクルで収容した。これらのラットに、試験全体を通して、濾過水道水および標準的ペレット飼料を自由に利用させ、4〜5匹/ケージに収容し、試験の前に少なくとも5日間の順化期間を設けた。
【0097】
一晩絶食させた後、1%のメチルセルロース/1%のエタノール/3%のTween 80(5mL/kgの量)に懸濁させたグリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)抽出物(100mg/kg)またはビヒクル単独を、符号化および無作為の順序で経口経路によって投与した。30分後、右後足に1.5% カラゲナン懸濁剤0.05mlを足底下注射することによって、炎症が誘発される。左後足には、生理食塩水0.05mlを注射した。カラゲナン注射後1.5時間に1回および3.5時間に1回の2つの時点で、それぞれのラットの足の容積をmL単位で測定した。右後足の容積(炎症足)と左(非炎症)後足の容積の差によって、右足浮腫の容積を確定する。処置群における浮腫の容積に及ぼす抗炎症作用を抑制(パーセント(%))として表した[(ビヒクル処置群の足浮腫の容積の平均−処置群の足浮腫の体積の平均)/ビヒクル処置群の足浮腫の容積の平均)×100]。
【0098】
[表1:経口投与のグリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)抽出物のカラゲナン誘発性ラット足浮腫に及ぼす薬理効果]
【0099】
【表5】

【0100】
足浮腫の容積のデータはすべて、各群のラット10匹の平均としてmL単位で表す。ビヒクル処置群に対する抑制(%)を算出する。
【0101】
グリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)抽出物(100mg/kg)はビヒクルで処置した対照群に比べて、カラゲナン注射後1.5時間および3.5時間に足浮腫の容積の平均を抑制したことが明らかである。したがって、グリシリザ・フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)抽出物は、哺乳動物において抗炎症作用を有する。
【0102】
[実施例7:抗座瘡治療]
【0103】
【表6】

【0104】
[手順:]
パート1を85℃まで加熱し、パート2も85℃まで加熱する。両方が同じ温度になったとき、激しくホモジナイズしながら、パート2をパート1に添加する。撹拌しながら、生成物を35℃に冷却する。次に、パート3および4を添加し、再度激しくホモジナイズする。一般には、乳濁液を生成する間は真空を用いることが推奨される。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】化合物(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】


[式中、RおよびRの一方は、アルキル、アルケニル、またはイソプレノイド、好ましくはイソプレニル、ゲラニル、または2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニルを表し、RおよびRの他方は、Hを表し、
は、Hまたはアルキル、好ましくはペンチルまたは2−フェニルエチルを表し、
は、Hまたはカルボキシル基である]、または式(2):
【化2】


[式中、Rは、アルキル、アルケニル、またはイソプレノイド、好ましくはイソプレニル、ゲラニル、または2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニルを表し、
は、Hまたはアルキル、好ましくはペンチルまたは2−フェニルエチルを表し、
は、Hまたはカルボキシル基である]のメトキシル化芳香族化合物を少なくとも1つ含む組成物。
【請求項2】
前記メトキシル化芳香族化合物が、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(I)、Amorfrutin B(II)、Amorfrutin A(III)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(IV)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル安息香酸(VI)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(VII)、式(VIII)の化合物、および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)安息香酸(IX)の群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記メトキシル化芳香族化合物が、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(I)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、および式(VIII)の化合物の群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
メトキシル化芳香族化合物の量が0.5mg〜3000mgである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(I)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、および式(VIII)の化合物の群から選択される化合物。
【請求項6】
医薬品として使用するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物またはメトキシル化芳香族化合物。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物またはメトキシル化芳香族化合物の栄養補助または医薬組成物の製造のための使用。
【請求項8】
前記栄養補助または医薬組成物が炎症性障害の治療、補助治療、または予防のためのものである、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記炎症性障害が関節炎である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
栄養補助組成物であり、栄養補助品として許容できる担体をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
食物もしくは飲料、または食物もしくは飲料のためのサプリメント組成物である、請求項10に記載の栄養補助組成物。
【請求項12】
医薬として許容できる担体をさらに含む医薬組成物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
美容もしくは皮膚用アジュバント、および/または美容もしくは皮膚用添加剤、および/または美容もしくは皮膚用追加活性成分をさらに含む美容もしくは皮膚用組成物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
請求項13に記載の美容用組成物の、皮膚の炎症の美容用治療、補助治療、または予防、特に不純な皮膚の美容用治療、補助治療、または予防のための使用。
【請求項15】
ヒトを含む動物における炎症性障害を治療、補助治療、および予防する方法であって、それを必要とするヒトを含む動物に、有効量の請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物またはメトキシル化芳香族化合物を投与するステップを含む方法。
【請求項16】
前記炎症性障害が関節炎である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記炎症性障害が皮膚の炎症、特に座瘡である、請求項15に記載の方法。

【公表番号】特表2009−531290(P2009−531290A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554665(P2008−554665)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001241
【国際公開番号】WO2007/093387
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】