説明

映像表示装置

【課題】2D映像と3D映像を選択的に実現することができる映像表示装置を提供する。
【解決手段】映像表示装置は複数のピクセル(PIX)を含み2Dモードと3Dモードで動作する表示パネルと表示パネルからの光を第1及び第2偏光の光で分割するパターンドリターダと、オフレベルで第1直流制御電圧を発生しオフレベルより高く完全オンレベルより低い不完全オンレベルで第2直流制御電圧を発生し、駆動モードによって第1及び第2直流制御電圧を選択的に出力する制御電圧発生部を備え、ピクセルそれぞれはミラータイプで垂直配置された上部及び下部表示部(UDIS、LDIS)を備え、上部表示部は隣合う上部メイン表示部(UMP)と上部補助表示部(USP)を含み、下部表示部は隣合う下部メイン表示部(LMP)と下部補助表示部(LSP)を含み、上部メイン表示部と下部メイン表示部の間には上部補助表示部と下部補助表示部が隣合って配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2次元平面映像(以下、「2D映像」という)と3次元立体映像(以下、「3D映像」という)を選択的に実現することができる映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近多様なコンテンツ開発及び回路技術の進歩によって映像表示装置は2D映像と3D映像を選択的に実現することができる。映像表示装置は両眼視差方式(stereoscopic technique)または複合視差知覚方式(autostereoscopic technique)を利用して3D映像が実現される。
【0003】
両眼視差方式は、立体効果が大きい左右目の視差映像を利用し、眼鏡方式と無眼鏡方式があり、二つの方式とも実用化されている。無眼鏡方式は、一般的に、左右視差映像の光軸を分離するためのパララックスバリヤなどの光学板を表示画面の前または後に設置する方式である。眼鏡方式は、表示パネルに偏光方向が互いに異なる左右視差映像を表示し、偏光メガネまたは液晶シャッタメガネを用いて立体映像を実現する。
【0004】
液晶シャッタメガネ方式は表示素子に左目イメージと右目イメージをフレーム単位で交互に表示しこの表示タイミングに同期して液晶シャッタメガネの左右の目シャッタを開閉することで3D映像を実現する。液晶シャッタメガネは左目イメージが表示される奇数フレーム期間の間その左目シャッタのみを開放し、右目イメージが表示される偶数フレーム期間の間その右目シャッタのみを開放することで時分割方式で両眼視差を作り出す。このような液晶シャッタメガネ方式は液晶シャッタメガネのデータオンタイムが短くて3D映像の輝度が低く、表示素子と液晶シャッタメガネの同期、及びオン/オフ転換応答特性によって3Dクロストークの発生が顕著である。
【0005】
偏光メガネ方式は図1のように表示パネル1上に接触配置されたパターンドリターダ(Patterned Retarder)2を含む。偏光メガネ方式は表示パネル1に左目映像データ(L)と右目映像データ(R)を水平ライン単位で交互に表示しパターンドリターダ2を介して偏光メガネ3に入射される偏光特性を切り替える。これを通じて、偏光メガネ方式は左目イメージと右目イメージを空間的に分割し3D映像を実現することができる。
このような偏光メガネ方式では左目イメージと右目イメージがライン単位で隣合って表示されるため、クロストークが発生しない上下視野角が比較的狭い。クロストークは上下視野角位置で左目及び右目イメージが重畳的に見える時に発生する。これに対して、図2のようパターンドリターダ2にブラックストライプ(BS)を形成して3D映像の上下視野角を広げる対策が、例えば特許文献1に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−185983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の構成においては、視野角の改善のために用いられるブラックストライプ(BS)が2D映像の輝度を大きく低下させてしまうという副作用がある。
【0008】
したがって、本発明の目的は、2D映像の輝度を低下させないで3D映像の上下視野角を広げるようにした偏光メガネ方式の映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を果たすために、本発明の映像表示装置は複数のピクセル(画素)を含み2Dモードと3Dモードで動作する表示パネルと前記表示パネルからの光を第1偏光と第2偏光の光で分割するパターンドリターダと、オフレベルで第1直流制御電圧を発生し前記オフレベルより高く完全オンレベルより低い不完全オンレベルで第2直流制御電圧を発生し、駆動モードによって前記第1直流制御電圧と第2直流制御電圧を選択的に出力する制御電圧発生部を備え、前記ピクセルそれぞれはミラータイプで垂直配置された上部表示部と下部表示部を備え、前記上部表示部は互いに隣合う上部メイン表示部と上部補助表示部を含み、前記下部表示部は互いに隣合う下部メイン表示部と下部補助表示部を含み、前記下部メイン表示部は垂直方向に従って前記上部メイン表示部の下に配置され、前記上部メイン表示部と前記下部メイン表示部の間には前記上部補助表示部と前記下部補助表示部が隣合って配置される。
【発明の効果】
【0010】
上述したように、本発明に係る映像表示装置はミラータイプで垂直配置された上部表示部と下部表示部でピクセルそれぞれを構成することと共に上部表示部と下部表示部をそれぞれメイン及び補助表示部で構成する。そして、各ピクセル内でメイン表示部の間に配置された補助表示部にそれぞれ放電制御スイッチを備え、この放電制御スイッチの放電動作を不完全オンレベルの直流制御電圧を通じ制御し3Dモードで補助表示部をブラックストライプで機能させる。そして、2Dモードでオフレベルの直流制御電圧を通じ放電制御スイッチの放電動作を遮断する。これによって、本発明は2D映像の輝度を低下させずに3D映像の上下視野角を広く確保することができる。
【0011】
さらに、本発明に係る映像表示装置は上部表示部と下部表示部に印加されるデータ電圧の階調値を同じにさせるかまたは互いに異なるようにして2D及び3Dイメージの解像度を容易に調節することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来偏光メガネ方式を示す図である。
【図2】偏光メガネ方式で視野角の改善のために使われるブラックストライプによって2D映像の輝度が低下されることを説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る偏光メガネ方式の映像表示装置を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る偏光メガネ方式の映像表示装置を示す図である。
【図5A】図4に示された赤色、緑及び青色ピクセルの内でいずれか一つを示す図である。
【図5B】ピクセルアレイとパターンドリターダのアライン状態を示す図である。
【図6】図4に示された制御電圧発生部の詳細構成を示す図である。
【図7】第1及び第2制御電圧の電圧レベルを示す図である。
【図8】図5に示されたピクセルの接続構成を詳しく示す図である。
【図9】各駆動モードでピクセルの充電及び放電動作と係わった信号波形図である。
【図10】画素電極-共通電極の間電位差と、透過率の相関関係を示す図である。
【図11】2Dモードでピクセルの表示状態を示す図である。
【図12】3Dモードでピクセルの表示状態を示す図である。
【図13】3Dモードで補助表示部がブラックストライプ機能を遂行することを示す図である。
【図14】2Dモードで各ピクセルの上部表示部と下部表示部にデータ電圧の階調値を互いに異なるように印加する場合に対する充放電信号波形と表示状態を示す図である。
【図15】2Dモードで各ピクセルの上部表示部と下部表示部にデータ電圧の階調値を互いに異なるように印加する場合に対する充放電信号波形と表示状態を示す図である。
【図16】3Dモードで各ピクセルの上部表示部と下部表示部にデータ電圧の階調値を互いに異なるように印加する場合に対する充放電信号波形と表示状態を示す図である。
【図17】3Dモードで各ピクセルの上部表示部と下部表示部にデータ電圧の階調値を互いに異なるように印加する場合に対する充放電信号波形と表示状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図3乃至図17を参照して本発明の望ましい実施の形態に対して詳しく説明する。
【0014】
図3及び図4は本発明の実施の形態に係る偏光メガネ方式の映像表示装置を示す。
【0015】
図3及び図4を参照すると、この映像表示装置は表示素子10、パターンドリターダ20、制御部30、パネル駆動部40及び偏光メガネ50を備える。
【0016】
表示素子10は液晶表示素子(Liquid Crystal Display LCD)、電界放出表示素子(Field Emission Display、FED)、プラズマディスプレーパネル(Plasma Display Panel、PDP)、及び無機電界発光素子と有機発光ダイオード素子(Organic Light Emitting Diode、OLED)を含む電界発光素子(Electroluminescence Device、EL)、電気泳動表示素子(Electrophoresis、EPD) などの平板表示素子で実現されることができる。以下で、表示素子10を液晶表示素子を中心に説明する。
【0017】
表示素子10は表示パネル11と、上部偏光フィルム11aと、下部偏光フィルム11bを含む。
【0018】
表示パネル11は二枚のガラス基板とこれらの間に形成された液晶層を含む。表示パネル11の下部ガラス基板には複数のデータライン(DL)、このデータライン(DL)とそれぞれ交差される複数のゲートライン(GL)が配置される。このような、信号ライン(DL、GL)の交差構造によって表示パネル11には複数の単位ピクセル(UNIT PIX)を含むピクセルアレイが形成される。単位ピクセル(UNIT PIX)はそれぞれ赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)実現のための3個のピクセル(PIX)を備える。図5Aのようにピクセル(PIX)はミラータイプに配置された上部表示部(UDIS)と下部表示部(LDIS)を備える。上部及び下部表示部(UDIS、LDIS) それぞれはメイン表示部と補助表示部からなる。表示パネル11の下部ガラス基板には共通電圧(Vcom)が供給される共通ラインと、直流制御電圧(LCV1、LCV2)が供給される放電制御ラインがさらに形成される。表示パネル11の上部ガラス基板上にはブラックマットリックス、カラーフィルタが形成される。
【0019】
表示パネル11の上部ガラス基板と下部ガラス基板それぞれには上部及び下部偏光フィルム(11a、11b)が接触配置され、液晶のプレチルト角を設定するための配向膜が形成される。共通電圧(Vcom)が供給される共通電極はTN(Twisted Nematic)モードとVA(Vertical Alignment)モードのような垂直電界駆動方式で上部ガラス基板上に形成されることができ、IPS(In Plane Switching)モードとFFS(Fringe Field Switching)モードのような水平電界駆動方式で画素電極とともに下部ガラス基板上に形成されることができる。ガラス基板の間には液晶セルのセルギャップを維持するためのカラムスペーサが形成されることができる。
【0020】
このような本発明の表示素子10は透過型表示素子、半透過型表示素子、反射型表示素子などどんな形態でも実現されることができる。透過型表示素子と半透過型表示素子ではバックライトユニット12が必要である。バックライトユニット12は直下型バックライトユニットまたは、エッジ型バックライトユニットで実現できる。
【0021】
パターンドリターダ20は表示パネル11の上部偏光フィルム11aに接触配置される。パターンドリターダ20の奇数ラインには第1リターダ(RT1)が形成され、パターンドリターダ20の偶数ラインには第2リターダ(RT2)が形成される。第1リターダ(RT1)の光吸収軸と第2リターダ(RT2)の光吸収軸は互いに異なる。第1リターダ(RT1)は上部偏光フィルム11aを通過して入射される線偏光の位相を1/4波長だけ遅延させ第1偏光(例えば、左円編光)に通過させる。第2リターダ(RT2)は上部偏光フィルム11aを通過して入射される線偏光の位相を3/4波長だけ遅延させ第2偏光(例えば、右円編光)に通過させる。
【0022】
制御部30はモード選択信号(SEL)によって2Dモードまたは3Dモードでパネル駆動部40の動作を制御する。制御部30はタッチスクリーン 、オンスクリーンディスプレイ(OSD)、キーボード、マウス、リモートコントローラのようなユーザーインターフェイスを通じてモード選択信号(SEL)の入力を受け、それによって2Dモード動作と3Dモード動作を切り替えることができる。一方、制御部30は入力映像のデータにエンコードされた2D/3D識別コード例えば、デジタル放送規格のEPG(Electronic Program Guide)またはESG(Electronic Service Guide)にコーディングされることができる2D/3D識別コードを検出し2Dモードと3Dモードを区分することもできる。
【0023】
制御部30は3Dモード下からビデオソースから入力される3D映像データを左目映像のRGBデータと右目映像のRGBデータで分離した後、左目映像のRGBデータと右目映像のRGBデータをパネル駆動部40に供給する。制御部30は2Dモード下からビデオソースから入力される2D映像のRGBデータをパネル駆動部40に供給する。
【0024】
制御部30は垂直同期信号(Vsync)、水平同期信号(Hsync)、データイネーブル信号(DE)、ドットクロック(DCLK) などのタイミング信号を利用してパネル駆動部40の動作タイミングを制御するための制御信号を発生する。
【0025】
データドライバー40Aの動作タイミングを制御するためのデータ制御信号は1水平ライン分のデータが表示される1水平期間の中でデータの開始点を指示するソーススタートパルス(SSP)、ライジングまたはフォーリングエッジに基準してデータのラッチ動作を制御するソースサンプリング クロック(SSC)、データドライバー40Aの出力を制御するソース出力イネーブル信号(SOE)、及び表示パネル11の液晶セルに供給されるデータ電圧の極性を制御する極性制御信号(POL)などを含む。
【0026】
ゲートドライバ40Bの動作タイミングを制御するためのゲート制御信号は一画面が表示される1垂直期間の中でスキャンが始まる開始水平ラインを指示するゲートスタートパルスGSP)、ゲートドライバ40B内のシフトレジスタに入力されゲートスタートパルス(GSP)を順次にシフトさせるためのゲートシフトクロック信号(GSC)、及びゲートドライバ40Bの出力を制御するゲート出力イネーブル信号(GOE)などを含む。
【0027】
制御部30は入力フレーム周波数に同期されるタイミング信号(Vsync、Hsync、DE、DCLK)を遞倍してN×f(Nは2以上の正の整数、fは入力フレーム周波数)Hzのフレーム周波数でパネル駆動部40の動作を制御することができる。入力フレーム周波数はNTSC方式では60Hzであり、PAL方式では50Hzである。
【0028】
パネル駆動部40は表示パネル11のデータライン(DL)を駆動させるためのデータドライバー40Aと、表示パネル11のゲートライン(GL)を駆動させるためのゲートドライバ40Bと、表示パネル11の放電制御ラインを駆動させるための制御電圧発生部40Cを含む。
【0029】
データドライバー40AのソースドライブICそれぞれはシフトレジスタ、ラッチ、デジタル-アナログ変換器(DAC)、出力バッファなどを含む。データドライバー40Aはデータ制御信号(SSP、SSC、SOE)によって2Dまたは3D映像のRGBデータをラッチする。データドライバー40Aは極性制御信号(POL)に応答して2Dまたは3D映像のRGBデータをアナログ正極性ガンマ補償電圧と負極性ガンマ補償電圧に変換してデータ電圧の極性を反転させる。データドライバー40Aはゲートドライバ40Bから出力されるスキャンパルス(または、ゲートパルス)に同期されるようにデータ電圧をデータライン(DL)に出力する。データドライバー40AのソースドライブICはTAB(Tape Automated Bonding)工程によって表示パネル11の下部ガラス基板に接合されることができる。
【0030】
ゲートドライバ40Bはゲート制御信号(GSP、GSC、GOE)によってゲートハイ電圧とゲートロー電圧の間でスイングされるスキャンパルスを発生する。そして、ゲート制御信号(GSP、GSC、GOE)によってスキャンパルスをゲートライン(GL)にライン順次方式で供給する。ゲートドライバ40Bはゲートシフトレジスタアレイなどを含む。ゲートドライバ40Bのゲートシフトレジスタアレイは表示パネル11でピクセルアレイが形成された表示領域外の非表示領域にGIP(gate In Panel)方式で形成されることができる。GIP方式によって、ゲートシフトレジスタはピクセルアレイのTFT工程でピクセルアレイとともに形成されることができる。
【0031】
制御電圧発生部40Cは第1直流制御電圧(LCV1)と第2直流制御電圧(LCV2)を発生し、モード選択信号(SEL)によって第1直流制御電圧(LCV1)と第2直流制御電圧(LCV2)を選択的に放電制御ラインに供給する。第1直流制御電圧(LCV1)はオフレベルで発生され、第2直流制御電圧(LCV2)はオフレベルより高く完全オンレベル(full on level)より低い不完全オンレベル(slight on level)で生成されるが共通電圧(Vcom)より高く生成される。 第1直流制御電圧(LCV1)と第2直流制御電圧(LCV2)は図8に示された放電制御スイッチ(DST1、DST2)のゲート電極に印加されて放電制御スイッチ(DST1、DST2)の電流パス動作をスイッチングする。
【0032】
偏光メガネ50は左目偏光フィルタを有する左目(50L)と右目偏光フィルタを有する右目(50R)を備える。左目偏光フィルタはパターンドリターダ20の第1リターダ(RT1)と同一である光吸収軸を有し、右目偏光フィルタはパターンドリターダ20の第2リターダ(RT2)と同一である光吸収軸を有する。たとえば、偏光メガネ50の左目偏光フィルタは左円編光フィルタで選択されることができ、偏光メガネ50の右目偏光フィルタは右円編光フィルタで選択されることができる。使用者は偏光メガネ50を介して表示素子10に空間分割方式に表示された3D映像データを鑑賞することができる。
【0033】
図5Aは図4に示された赤色、緑色及び青色ピクセル(PIX)のいずれか一つを示す。そして、図5Bはピクセルアレイとパターンドリターダのアライン状態を示す。
【0034】
図5Aを参照すると、ピクセル(PIX)は2個のゲートライン(GL1、GL2)と1個のデータライン(DL1)の交差領域にミラータイプに配置された上部表示部(UDIS)と下部表示部(LDIS)を備える。下部表示部(LDIS)は上部表示部(UDIS)の下に配置される。
【0035】
上部表示部(UDIS)は第1ゲートライン(GL1)と放電制御ライン(CONL)を間に挟んで両方に配置された上部メイン表示部(UMP)と上部補助表示部(USP)を含む。上部メイン表示部(UMP)と上部補助表示部(USP)は第1ゲートライン(GL1)にゲートハイ電圧が印加される時データライン(DL1)に電気的に接続される。上部補助表示部(USP)は放電制御ライン(CONL)に第2直流制御電圧(LCV2)が印加される時共通ライン(CL)に電気的に接続される。
【0036】
下部表示部(LDIS)は第2ゲートライン(GL2)と放電制御ライン(CONL)を間に挟んで両方に配置された下部メイン表示部(LMP)と下部補助表示部(LSP)を含む。下部メイン表示部(LMP)と下部補助表示部(LSP)は第2ゲートライン(GL2)にゲートハイ電圧が印加される時データライン(DL1)に電気的に接続される。下部補助表示部(LSP)は放電制御ライン(CONL)に第2直流制御電圧(LCV2)が印加される時共通ライン(CL)に電気的に接続される。
【0037】
上部補助表示部(USP)及び下部補助表示部(LSP)は2Dモードでそれぞれ上部メイン表示部(UMP)及び下部メイン表示部(LMP)と同一の2D映像を表示する一方、3Dモードで3D映像を表示するメイン表示部(UMP、LMP)とは異なりブラック映像を表示することで、2D映像の輝度を低下させずに3D映像の上下視野角を広げる役割を持つ。このために、上部補助表示部(USP)及び下部補助表示部(LSP)はメイン表示部(UMP、LMP)の間に配置される。言い換えると、データライン(DL1)の延長方向に従って上から下に向かって上部メイン表示部(UMP)、上部補助表示部(USP)、下部補助表示部(LSP) 及び下部メイン表示部(LMP)が順次に配置される。
【0038】
パターンドリターダ20で第1リターダ(RT1)と第2リターダ(RT2)の境界部分(BP)は補助表示部(USP、LSP)の間、すなわち、上部表示部(UDIS)と下部表示部(LDIS)の間と対向される。その結果、図5Bのように第1リターダ(RT1)は偶数番目のピクセルライン(PXL LINE#2)に配置された下部メイン表示部(LMP)及び奇数番目のピクセルライン(PXL LINE#1、PXL LINE#3)に配置された上部メイン表示部(UMP)と重畳されるようになる。そして、第2リターダ(RT2)は奇数番目のピクセルライン(PXL LINE#1、PXL LINE#3)に配置された下部メイン表示部(LMP)及び偶数番目のピクセルライン(PXL LINE#2)に配置された上部メイン表示部(UMP)と重畳されるようになる。
【0039】
図6は図4に示された制御電圧発生部40Cの詳細構成を示す。図7は第1及び第2制御電圧の電圧レベルを示す。
【0040】
図6を参照すると、制御電圧発生部40CはDC−DC発生器402とマルチプレクサ404を含む。
【0041】
DC−DC発生器402は入力直流電源を用いて第1直流制御電圧(LCV1)と第2直流制御電圧(LCV2)を発生する。
【0042】
第1直流制御電圧(LCV1)は図7のようにスキャンパルス(SP)のゲートロー電圧(VGL)と同一レベルに生成されることができる。スイッチをオフさせることができるスキャンパルス(SP)のゲートロー電圧(VGL)が−5Vに選択される場合、第1直流制御電圧(LCV1)は−5Vまたはその以下に生成されることができる。
【0043】
第2直流制御電圧(LCV2)は図7のように共通電圧(Vcom)より高くスキャンパルス(SP)のゲートハイ電圧(VGH)より低いレベルで生成される。第2直流制御電圧(LCV2)は図8に示された放電制御スイッチ(DST1、DST2)のオン状態を不完全オンレベルで維持させることができるようにゲートハイ電圧(VGH)と共通電圧(Vcom)の間で適切な値で選択されることができる。共通電圧(Vcom)が7.5Vで選択されスイッチを完全にオンさせることができるスキャンパルス(SP)のゲートハイ電圧(VGH)が28Vで選択される場合、第2直流制御電圧(LCV2)は10Vで生成されることができる。
【0044】
マルチプレクサ404はモード選択信号(SEL)によって第1直流制御電圧(LCV1)と第2直流制御電圧(LCV2)を選択的に放電制御ライン(CONL)に出力する。マルチプレクサ404は、2Dモードでは第1直流制御電圧(LCV1)を出力し、3Dモードでは第2直流制御電圧(LCV2)を出力する。
【0045】
第1及び第2制御電圧(LCV1、LCV2)は放電制御スイッチ(DST1、DST2)の動作を制御する。 不完全オンレベルの第2制御電圧(LCV2)はキックバック電圧による副作用を減らす。キックバック電圧は、スイッチがターンオン状態でターンオフ状態に転換される時点で液晶キャパシターの画素電圧が充電(または放電) レベルで維持されることができずにΔVPだけシフトされる際の電圧シフト量(ΔVP)を表す。キックバック電圧の発生する理由はスイッチのゲート電極に印加される制御電圧がパルス形態を帯びるからである。本願発明のように不完全オンレベルの第2制御電圧(LCV2)で放電制御スイッチ(DST1、DST2)の動作を制御すると、キックバック電圧の発生が抑制され3Dモードで補助表示部(USP、LSP)のフルブラック実現が容易になる。
【0046】
図8は図5に示されたピクセル(PIX)の接続構成を詳しく示す。図9は各駆動モードでピクセル(PIX)の充電及び放電動作説明のための信号波形図である。図10は画素電極-共通電極の間電位差(V)と、透過率(T)の相関関係を示すグラフである。そして、図11乃至図13は各駆動モードでの作用効果を示す。
【0047】
図8を参照すると、ピクセル(PIX)はミラータイプで垂直配置された上部表示部(UDIS)と下部表示部(LDIS)を備える。
【0048】
上部表示部(UDIS)は第1スキャンパルス(SP1)が印加される第1ゲートライン(GL1)と、第1及び第2制御電圧(LCV1、LCV2)が選択的に印加される放電制御ライン(CONL)を間に挟んで両側に配置された上部メイン表示部(UMP)と上部補助表示部(USP)を含む。
【0049】
上部メイン表示部(UMP)は第1画素電極(Ep1)、この第1画素電極(Ep1)と対向して第1液晶キャパシター(Clc1)を構成する第1共通電極(Ec1)、及び第1ストレージキャパシター(Cst1)を備える。第1画素電極(Ep1)は第1スイッチ(ST1)を介してデータライン(DL1)に接続される。第1スイッチ(ST1)は第1スキャンパルス(SP1)に応答してターンオンされることでデータライン(DL1)上のデータ電圧(Vdata)を第1画素電極(Ep1)に印加する。第1スイッチ(ST1)のゲート電極は第1ゲートライン(GL1)に接続され、ソース電極はデータライン(DL1)に接続され、ドレーン電極は第1画素電極(Ep1)に接続される。第1共通電極(Ec1)は共通電圧(Vcom)に充電された共通ライン(CL)に接続される。第1ストレージキャパシター(Cst1)は絶縁層を間に挟んで第1画素電極(Ep1)と共通ライン(CL)の重畳に形成される。
【0050】
上部補助表示部(USP)は第2画素電極(Ep2)、この第2画素電極(Ep2)と対向し第2液晶キャパシター(Clc2)を構成する第2共通電極(Ec2)、及び第2ストレージキャパシター(Cst2)を備える。第2画素電極(Ep2)は第2スイッチ(ST2)を介してデータライン(DL1)に接続される。第2スイッチ(ST2)は第1スキャンパルス(SP1)に応答してターンオンされることでデータライン(DL1)上のデータ電圧(Vdata)を第2画素電極(Ep2)に印加する。第2スイッチ(ST2)のゲート電極は第1ゲートライン(GL1)に接続され、ソース電極はデータライン(DL1)に接続され、ドレーン電極は第2画素電極(Ep2)に接続される。第2共通電極(Ec2)は共通電圧(Vcom)で充電された共通ライン(CL)に接続される。第2ストレージキャパシター(Cst2)は絶縁層を間に挟んで第2画素電極(Ep2)と共通ライン(CL)の重畳で形成される。
【0051】
第2画素電極(Ep2)は第1放電制御スイッチ(DST1)を介して共通ライン(CL)に接続される。第1放電制御スイッチ(DST1)は第1直流制御電圧(LCV1)と第2直流制御電圧(LCV2)に選択的に応答して第2画素電極(Ep2)と共通ライン(CL)の間の電流パスをスイッチングする。第1放電制御スイッチ(DST1)のゲート電極は放電制御ライン(CONL)に接続され、ソース電極は第2画素電極(Ep2)に接続され、ドレーン電極は共通ライン(CL)に接続される。第1直流制御電圧(LCV1)が印加される時、第1放電制御スイッチ(DST1)はそのソース-ドレーンの間チャンネルを完全に遮断して第2画素電極(Ep2)と共通ライン(CL)の間の電流パスを遮断する。第2直流制御電圧(LCV2)が印加される時、第1放電制御スイッチ(DST1)はそのソース-ドレーン間のチャンネルを部分開放して第2画素電極(Ep2)と共通ライン(CL)の間の電流パスを部分的に導通させる。
【0052】
下部表示部(LDIS)は第2スキャンパルス(SP2)が印加される第2ゲートライン(GL2)と、第1及び第2制御電圧(LCV1、LCV2)が選択的に印加される放電制御ライン(CONL)を間に挟んで両側に配置された下部メイン表示部(LMP)と下部補助表示部(LSP)を含む。
【0053】
下部メイン表示部(LMP)は第3画素電極(Ep3)、この第3画素電極(Ep3)と対向して第3液晶キャパシター(Clc3)を構成する第3共通電極(Ec3)、及び第3ストレージ キャパシター(Cst3)を備える。第3画素電極(Ep3)は第3スイッチ(ST3)を介してデータライン(DL1)に接続される。第3スイッチ(ST3)は第2スキャンパルス(SP2)に応答してターンオンされることでデータライン(DL1)上のデータ電圧(Vdata)を第3画素電極(Ep3)に印加する。第3スイッチ(ST3)のゲート電極は第2ゲートライン(GL2)に接続されて、 ソース電極はデータライン(DL1)に接続され、ドレーン電極は第3画素電極(Ep3)に接続される。第3共通電極(Ec3)は共通電圧(Vcom)で充電された共通ライン(CL)に接続される。第3ストレージキャパシター(Cst3)は絶縁層を間に挟んで第3画素電極(Ep3)と共通ライン(CL)の重畳に形成される。
【0054】
下部補助表示部(LSP)は第4画素電極(Ep4)、この第4画素電極(Ep4)と対向して第4液晶キャパシター(Clc4)を構成する第4共通電極(Ec4)、及び第4ストレージ キャパシター(Cst4)を備える。第4画素電極(Ep4)は第4スイッチ(ST4)を介してデータライン(DL1)に接続される。第4スイッチ(ST4)は第2スキャンパルス(SP2)に応答してターンオンされることでデータライン(DL1)上のデータ電圧(Vdata)を第4画素電極(Ep4)に印加する。第4スイッチ(ST4)のゲート電極は第2ゲートライン(GL2)に接続され、ソース電極はデータライン(DL1)に接続され、ドレーン電極は第4画素電極(Ep4)に接続される。第4共通電極(Ec4)は共通電圧(Vcom)で充電された共通ライン(CL)に接続される。 第4ストレージ キャパシター(Cst4)は絶縁層を間に挟んで第4画素電極(Ep4)と共通ライン(CL)の重畳で形成される。
【0055】
第4画素電極(Ep4)は第2放電制御スイッチ(DST2)を介して共通ライン(CL)に接続される。第2放電制御スイッチ(DST2)は第1直流制御電圧(LCV1)と第2直流制御電圧(LCV2)に選択的に応答して第4画素電極(Ep4)と共通ライン(CL)の間の電流パスをスイッチングする。第2放電制御スイッチ(DST2)のゲート電極は放電制御ライン(CONL)に接続され、ソース電極は第4画素電極(Ep4)に接続され、ドレーン電極は共通ライン(CL)に接続される。第1直流制御電圧(LCV1)が印加される時、第2放電制御スイッチ(DST2)はそのソース-ドレーン間のチャンネルを完全に遮断し、第4画素電極(Ep4)と共通ライン(CL)の間の電流パスを遮断する。第2直流制御電圧(LCV2)が印加される時、第2放電制御スイッチ(DST2)はそのソース-ドレーンの間チャンネルを部分開放して第4画素電極(Ep4)と共通ライン(CL)の間の電流パスを部分的に導通させる。
【0056】
放電制御スイッチ(DST1、DST2)は第1乃至第4スイッチ(ST1〜ST4)と同一のチャンネル容量を有するように設計される。したがって、放電制御スイッチ(DST1、DST2)のオン状態はゲートハイ電圧(VGH)に比べて低いレベルの第2直流制御電圧(LCV2)が印加されるによって、完全オンレベルより低い不完全オンレベルとなるようになる。第2スイッチ(ST2)と第1放電制御スイッチ(DST1)が同時にオンされても、第1放電制御スイッチ(DST1)を介して放電する電流量は、第2スイッチ(ST2)を介して充電される電流量に比べて少ない。また、第4スイッチ(ST4)と第2放電制御スイッチ(DST2)が同時にオンされても、第2放電制御スイッチ(DST2)を介して放電する電流量は、第4スイッチ(ST4)を介して充電される電流量に比べて少ない。
【0057】
以下、接続構成を有するピクセル(PIX)の動作とともにその作用効果を説明する。
【0058】
先ず、2Dモード下での動作を以下に説明する。
【0059】
2Dモード下で放電制御スイッチ(DST1、DST2)は第1直流制御電圧(LCV1)に応答してT1乃至T3期間の間続いてターンオフ状態を維持する。
【0060】
T1期間中、ゲートハイ電圧(VGH)レベルに入力される第1スキャンパルス(SP1)に応答し第1及び第2スイッチ(ST1、ST2)は同時に完全オンレベルでターンオンされる。
【0061】
第1スイッチ(ST1)のターンオンによって上部メイン表示部(UMP)の第1画素電極(Ep1)には2D映像実現のためのデータ電圧(Vdata)が第1画素電圧(Vp1)に充電され、第2スイッチ(ST2)のターンオンによって上部補助表示部(USP)の第2画素電極(Ep2)にも同一に2D映像実現のための同一のデータ電圧(Vdata)が第2画素電圧(Vp2)で充電される。第1及び第2スイッチ(ST1、ST2)は同一に設計されるので、第2画素電圧(Vp2)は第1画素電圧(Vp1)と実質的に同一である。
【0062】
T2期間中、ゲートハイ電圧(VGH)レベルに入力される第2スキャンパルス(SP2)に応答し第3及び第4スイッチ(ST3、ST4)は同時に完全オンレベルでターンオンされる。
【0063】
第3スイッチ(ST3)のターンオンによって下部メイン表示部(LMP)の第3画素電極(Ep3)には2D映像実現のためのデータ電圧(Vdata)が第3画素電圧(Vp3)で充電され、第4スイッチ(ST4)のターンオンによって下部補助表示部(LSP)の第4画素電極(Ep4)にも同一に2D映像実現のための同一のデータ電圧(Vdata)が第4画素電圧(Vp4)で充電される。第3及び第4スイッチ(ST3、ST4)は同一に設計されるので、第4画素電圧(Vp4)は第3画素電圧(Vp3)と実質的に同一である。
【0064】
一方、T1期間に供給されるデータ電圧(Vdata)の階調値はT2期間に供給されるデータ電圧(Vdata)の階調値と比べて同一であるかまたは異なることがある。この実施の形態では同じ場合を説明する。T3期間の間第1乃至第4画素電圧(Vp1〜Vp4)は実質的に同一に維持される。
【0065】
T1乃至T3期間で第1乃至第4共通電極(Ec1〜Ec4)には共通電圧(Vcom)が印加されている。第1画素電圧(Vp1)と共通電圧(Vcom)の間電圧差と第2画素電圧(Vp2)と共通電圧(Vcom)の間電圧差、第3画素電圧(Vp3)と共通電圧(Vcom)の間電圧差、及び第4画素電圧(Vp4)と共通電圧(Vcom)の間電圧差は互いに同一に維持される。画素電極と共通電極の間電位差(V)と透過率(T)は図10のように互いに比例関係を有する。その結果、メイン表示部(UMP、LMP)と補助表示部(USP、LSP)は図11のように同一階調(D1)の2D映像を実現するようになる。ここで、補助表示部(USP、LSP)に表示される2Dイメージは2D映像の輝度を高める役割をする。
【0066】
次に3Dモード下での動作を以下に説明する。
【0067】
3Dモード下で放電制御スイッチ(DST1、DST2)は第2直流制御電圧(LCV2)に応答しT1乃至T3期間の間続いて不完全オンレベルのオン状態を維持する。
【0068】
T1期間中、ゲートハイ電圧(VGH)レベルで入力される第1スキャンパルス(SP1)に応答し第1及び第2スイッチ(ST1、ST2)は同時に完全オンレベルでターンオンされる。
【0069】
第1スイッチ(ST1)のターンオンによって上部メイン表示部(UMP)の第1画素電極(Ep1)には左目用3D映像実現のためのデータ電圧(Vdata)が第1画素電圧(Vp1)で充電され、第2スイッチ(ST2)のターンオンによって上部補助表示部(USP)の第2画素電極(Ep2)にも同様に左目用3D映像実現のための同一のデータ電圧(Vdata)が第2画素電圧(Vp2)で充電される。
【0070】
T1期間で、不完全オンレベルのオン状態を有する第1放電制御スイッチ(DST1)の等価抵抗に比べて、完全オンレベルのオン状態を有する第2スイッチ(ST2)の等価抵抗が大幅に小さい。その結果、第2画素電極(Ep2)に流入する充電電流は、第2画素電極(Ep2)から放出される放電電流に比べて大幅に多くなる。したがって、T1期間の間不完全オンレベルのオン状態を有する第1放電制御スイッチ(DST1)は第2画素電圧(Vp2)の充電特性にほとんど影響を与えなく、これによって第2画素電圧(Vp2)は第1画素電圧(Vp1)に類似のレベルで充電される。
【0071】
T2期間中、ゲートロー電圧(VGL)レベルで入力される第1スキャンパルス(SP1)に応答して第1及び第2スイッチ(ST1、ST2)は同時にターンオフされ、ゲートハイ電圧(VGH)レベルで入力される第2スキャンパルス(SP2)に応答して第3及び第4スイッチ(ST3、ST4)は同時に完全オンレベルでターンオンなる。
【0072】
T2期間で、上部メイン表示部(UMP)の第1画素電極(Ep1)に充電されていた第1画素電圧(Vp2)は一定レベルで維持されるのに対して、上部補助表示部(USP)の第2画素電極(Ep2)に充電されていた第2画素電圧(Vp2)は第1放電制御スイッチ(DST1)を介した放電電流によって共通電圧(Vcom)レベルまで徐々に放電する。
【0073】
一方、T2期間の間第3スイッチ(ST3)のターンオンによって下部メイン表示部(LMP)の第3画素電極(Ep3)には右目用3D映像実現のためのデータ電圧(Vdata)が第3画素電圧(Vp3)で充電され、第4スイッチ(ST4)のターンオンによって下部補助表示部(LSP)の第4画素電極(Ep4)にも同様に右目用3D映像実現のための同一のデータ電圧(Vdata)が第4画素電圧(Vp4)で充電される。
【0074】
T2期間で、不完全オンレベルのオン状態を有する第2放電制御スイッチ(DST2)の等価抵抗に比べて、完全オンレベルのオン状態を有する第4スイッチ(ST2)の等価抵抗が大幅に小さい。その結果、第4画素電極(Ep4)に流入する充電電流は、第4画素電極(Ep4)から放出される放電電流に比べて大幅に多くなる。したがって、T2期間の間不完全オンレベルのオン状態を有する第2放電制御スイッチ(DST2)は第4画素電圧(Vp4)の充電特性にほとんど影響を与えないで、これによって第4画素電圧(Vp4)は第3画素電圧(Vp3)に類似のレベルで充電される。
【0075】
T3期間中、ゲートロー電圧(VGL)レベルに入力される第2スキャンパルス(SP2)に応答して第3及び第4スイッチ(ST3、ST4)は同時にターンオフになる。
【0076】
T3期間で、下部メイン表示部(LMP)の第3画素電極(Ep3)に充電されていた第3画素電圧(Vp3)は一定レベルで維持されるのに対して、下部補助表示部(LSP)の第4画素電極(Ep4)に充電されていた第4画素電圧(Vp4)は第2放電制御スイッチ(DST2)を介した放電電流によって共通電圧(Vcom)レベルまで徐々に放電する。
【0077】
一方、T1期間に供給されるデータ電圧(Vdata)の階調値はT2期間に供給されるデータ電圧(Vdata)の階調値と比べて同一であるかまたは異なる値とすることができる。この実施の形態では同じ場合を説明する。
【0078】
T1乃至T3期間で第1乃至第4共通電極(Ec1〜Ec4)には共通電圧(Vcom)が印加されている。第1画素電圧(Vp1)と共通電圧(Vcom)の間電圧差と、第3画素電圧(Vp3)と共通電圧(Vcom)の間の電圧差は実質的に同一である。T3期間内で所定の時間が経過すると、第1画素電圧(Vp1)と共通電圧(Vcom)の間の電圧差と異なり、第2画素電圧(Vp2)と共通電圧(Vcom)の間の電圧差は実質的に“0”になる。そして、第3画素電圧(Vp3)と共通電圧(Vcom)の間の電圧の差と異なり、第4画素電圧(Vp4)と共通電圧(Vcom)の間の電圧差は実質的に“0”になる。その結果、図10のような電位差(V)−透過率(T)特性によって、メイン表示部(UMP、LMP)は図12のように特定階調の3D映像を表示するようになり、補助表示部(USP、LSP)は図12のようにブラック階調の映像を表示するようになる。補助表示部[USP、LSP]はアクティブブラックストライプで機能する。
【0079】
補助表示部(USP、LSP)に表示されるブラックイメージは図13のように垂直で隣合う3Dイメージ(すなわち、左目イメージ(L)と右目イメージ(R)) の間の表示間隔(D)を広げる役割を持つ。これによって、別途のブラックストライプパターンがなくてもクロストークが発生しない3D上下視野角が前記ブラックイメージを通じて広く確保されることができる。
【0080】
図14乃至図17は各ピクセル内で上部表示部(UDIS)と下部表示部(LDIS)にデータ電圧(Vdata)の階調値を互いに異ならせて印加する場合を示す。
【0081】
図14乃至図17では一つのデータラインに共通接続され垂直で隣合うように配置された2個のピクセル(PIX1、PIX2)の充放電波形と表示状態を示している。ピクセル(PIX1、PIX2)それぞれの接続構成は前述したものと実質的に同一である。
【0082】
第1ピクセル(PIX1)には第1スキャンパルス(SP1)が印加される第1ゲートラインと、第2スキャンパルス(SP2)が印加される第2ゲートラインが割り当てされる。そして、第2ピクセル(PIX2)には第3スキャンパルス(SP3)が印加される第3ゲートラインと、第4スキャンパルス(SP4)が印加される第4ゲートラインが割り当てされる。
【0083】
図14及び図15を参照すると、2Dモードで、第1ピクセル(PIX1)の上部表示部(UDIS)は第1スキャンパルス(SP1)に応答して第1階調値(D1)に対応する2Dイメージを表示し、第1ピクセル(PIX1)の下部表示部(LDIS)は第2スキャンパルス(SP2)に応答して第2階調値(D2)に対応する2Dイメージを表示する。そして、第2ピクセル(PIX2)の上部表示部(UDIS)は第3スキャンパルス(SP3)に応答して第3階調値(D3)に対応する2Dイメージを表示し、第2ピクセル(PIX2)の下部表示部(LDIS)は第4スキャンパルス(SP4)に応答して第4 階調値(D4)に対応する2Dイメージを表示する。これによると、2Dイメージの解像度が前述の実施の形態に比べて2倍に増加される効果がある。
【0084】
図16及び図17を参照すると、3Dモードで、第1ピクセル(PIX1)の上部表示部(UDIS)は第1スキャンパルス(SP1)と第2直流制御電圧(LCV2)に応答して第1階調値(L1)に対応する左目用3Dイメージとブラックイメージを表示し、第1ピクセル(PIX1)の下部表示部(LDIS)は第2スキャンパルス(SP2)と第2直流制御電圧(LCV2)に応答してブラックイメージと第2階調値(R2)に対応する右目用3Dイメージを表示する。そして、第2ピクセル(PIX2)の上部表示部(UDIS)は第3スキャンパルス(SP3)と第2直流制御電圧(LCV2)に応答して第3階調値(R3)に対応する右目用3Dイメージとブラックイメージを表示し、第2ピクセル(PIX2)の下部表示部(LDIS)は第4スキャンパルス(SP4)と第2直流制御電圧(LCV2)に応答してブラックイメージと第4階調値(L4)に対応する左目用3Dイメージを表示する。これによると、3Dイメージの解像度が前述の実施の形態に比べて2倍に増加される効果がある。
【0085】
以上説明した内容を通じて、当業者ならば本発明の技術思想を逸脱しない範囲で多様な変更及び修正が可能であることが分かる。したがって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるのではなく特許請求の範囲によって決められなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のピクセルを含み2Dモード及び3Dモードで動作する表示パネルと、
前記表示パネルからの光を第1偏光及び第2偏光の光で分割するパターンドリターダと、オフレベルで第1直流制御電圧を発生し前記オフレベルより高く完全オンレベルより低い不完全オンレベルで第2直流制御電圧を発生し、駆動モードによって前記第1直流制御電圧と第2直流制御電圧を選択的に出力する制御電圧発生部を備え、
前記ピクセルそれぞれはミラータイプで垂直配置された上部表示部及び下部表示部を備え、
前記上部表示部は互いに隣合う上部メイン表示部及び上部補助表示部を含み、前記下部表示部は互いに隣合う下部メイン表示部及び下部補助表示部を含み、前記下部メイン表示部は垂直方向に従って前記上部メイン表示部の下に配置され、前記上部メイン表示部と前記下部メイン表示部の間には前記上部補助表示部と前記下部補助表示部が隣合って配置されたことを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記2Dモードで、前記上部メイン表示部及び前記上部補助表示部は同一の2Dイメージを表示し、前記下部メイン表示部及び前記下部補助表示部は同一の2Dイメージを表示し、
前記 3Dモードで、前記上部メイン表示部及び前記下部メイン表示部は3Dイメージを表示し、前記上部補助表示部及び前記下部補助表示部はブラックイメージを表示することを特徴とする請求項1記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記上部表示部と前記下部表示部に印加されるデータ電圧の階調値は同一であることを特徴とする請求項1記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記上部表示部と前記下部表示部に印加されるデータ電圧の階調値は互いに異なるものを特徴とする請求項1記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記ピクセルそれぞれは、
第1スイッチを介してデータラインに接続された第1画素電極を有する上部メイン表示部と、
前記第1スイッチと同一のタイミングで駆動される第2スイッチを介して前記データラインに接続される第2画素電極を有すると共に前記駆動モードによって前記第2画素電極を共通電圧で充電された共通ラインに選択的に接続する第1放電制御スイッチを有する上部補助表示部と
第3スイッチを介して前記データラインに接続された第3画素電極を有する下部メイン表示部と、
前記第3スイッチと同一のタイミングで駆動される第4スイッチを介して前記データラインに接続される第4画素電極を有すると共に前記駆動モードによって前記第4画素電極を前記共通ラインに選択的に接続する第2放電制御スイッチを有する下部補助表示部を含むことを特徴とする請求項1記載の映像表示装置。
【請求項6】
前記第1及び第2放電制御スイッチは、前記2Dモードで前記第1直流制御電圧によってオフされ、前記3Dモードで前記第2直流制御電圧によって不完全オンされることを特徴とする請求項5記載の映像表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、前記第1直流制御電圧と第2直流制御電圧が選択的に印加される放電制御ラインをさらに備え、
前記第1放電制御スイッチは、前記放電制御ラインに接続されるゲート電極、前記第2画素電極に接続されるソース電極、及び前記共通ラインに接続されるドレーン電極を有し、
前記第2放電制御スイッチは、前記放電制御ラインに接続されるゲート電極、前記第4画素電極に接続されるソース電極、及び前記共通ラインに接続されるドレーン電極を有することを特徴とする請求項5記載の映像表示装置。
【請求項8】
前記第1放電制御スイッチは、
前記2Dモードで前記第2画素電極と前記共通ラインの間の電流パスを遮断し、
前記3Dモードで前記第2画素電極と前記共通ラインの間の電流パスを導通させて前記第2画素電極に充電された電圧を前記共通電圧レベルまで放電させることを特徴とする請求項5記載の映像表示装置。
【請求項9】
前記第2放電制御スイッチは、
前記2Dモードで前記第4画素電極と前記共通ラインの間の電流パスを遮断し、
前記3Dモードで前記第4画素電極と前記共通ラインの間の電流パスを導通させて前記第4画素電極に充電された電圧を前記共通電圧レベルまで放電させることを特徴とする請求項5記載の映像表示装置。
【請求項10】
前記第1スイッチと第2スイッチは第1ゲートラインに接続され、前記第1ゲートラインに印加される第1スキャンパルスによって同時にターンオン及びターンオフされ、
前記第3スイッチと第4スイッチは第2ゲートラインに接続され、前記第2ゲートラインに印加される第2スキャンパルスによって同時にターンオン及びターンオフされることを特徴とする請求項5記載の映像表示装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−20253(P2013−20253A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−152138(P2012−152138)
【出願日】平成24年7月6日(2012.7.6)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】