説明

有機電界発光表示装置

【課題】フレキシブル可能な基板を一方向に曲げる時、基板上に形成された薄膜トランジスターの電気的特性変化を最小化することができる有機電界発光表示装置を提供する。
【解決手段】フレキシブル可能な基板と、前記基板上に形成される薄膜トランジスターを含み、前記薄膜トランジスターは前記基板上に形成されて画素を駆動する画素薄膜トランジスターと、ドライバー回路を駆動するドライバー回路薄膜トランジスターを含み、前記画素薄膜トランジスターのチャンネル領域の長さ方向は前記基板が曲がる方向と所定角度を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機電界発光表示装置に関し、より具体的には、フレキシブル可能な基板を一方向に曲げる時、基板上に形成された薄膜トランジスターの電気的特性変化を最小化することができる有機電界発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、絶縁基板上に形成される半導体層を利用して、 薄膜トランジスターを構成する技術が注目されている。 薄膜トランジスターは集積回路や電気光学装置のような電子デバイスに応用され、特に、有機電界発光表示装置のスイッチング素子または駆動素子に利用されている。
【0003】
前記薄膜トランジスターを形成するために利用される硝子または石英などの絶縁基板は割れやすくて重く、大型化が容易でなく、これによって大量生産も容易ではない。
【0004】
このような短所を解決するために最近は、相対的に厚さの薄い基板、例えば、薄膜形態の金属基板またはフィルム形態のプラスチック基板上に薄膜トランジスターを形成する。前記薄膜形態の金属基板またはフィルム形態のプラスチック基板は、厚さが薄くて軽量ということに加えてフレキシブルが可能であるため、一般的なディスプレイ装置やショウインドーなどは勿論、円筒形状のディスプレイ装置にも利用することができる。
【0005】
しかし、フィルム形態のプラスチック基板は、耐熱性が弱くて温度変化にかなり敏感であるから、フィルム形態のプラスチック基板上に薄膜トランジスターを設ける場合には相対的に低い温度条件で薄膜トランジスターを製造しなければならない。これによって、フィルム形態のプラスチック基板上に薄膜トランジスターを形成する場合、 硝子基板上に薄膜トランジスターを形成する場合に比べて薄膜トランジスターの性能を落ちる可能性もある。
【0006】
したがって、前記短所を解消するため、薄膜形態の金属基板上に形成された薄膜トランジスターを含む有機電界発光表示装置を形成することが提案されている。
【0007】
薄膜形態の金属基板は、完全に曲がらないが水気や酸素の流入問題が全然なく、高温工程が可能であるため、金属基板を利用する場合には優秀なチャンネル移動度を持つ薄膜トランジスターを製作することができる。これにより、駆動回路を画素に同時に集積化するシステムオンパネル(system on panel :SOP)具現が可能であり、また、金属基板がフレキシブル可能であるから高解像度及び高性能の巻きディスプレイ具現が可能である。
【0008】
図1は、フレキシブル可能な基板上に形成された薄膜トランジスターを概略的に図示した模式図である。図1を参照すれば、図1にはフレキシブル可能な基板1上にチャンネル領域11を含む半導体層、ソース電極12、及びドレイン電極13を含む薄膜トランジスター10が形成されている。この時、薄膜トランジスター10のチャンネル領域11は、基板1が曲がる方向と水平を成すように形成される。
【0009】
しかし、前述したように、フレキシブル可能な基板に薄膜トランジスターを形成する場合、基板が曲がる方向によって薄膜トランジスターの構造(array)に変形(atrain)が発生するという短所を持っている。一般に、薄膜トランジスターを構成する半導体層に応力が加えられれば、電荷移動度と有效電荷質量などが影響を受け、これによって薄膜トランジスターの電気的特性が変わるようになる。
【0010】
より具体的には、基板が曲がる方向と薄膜トランジスターのチャンネル形成方向、 すなわち、電流が流れる方向が水平を成す場合、変形-誘導されたドレイン電流の変化が大きくなって薄膜トランジスターの電気的特性が変わるという問題点を持つ。
【0011】
一方、前記従来の有機電界発光表示装置に関する技術を記載した文献としては、下記特許文献1および2等がある。
【特許文献1】特開2003−45890号公報
【特許文献2】韓国特許公開第2004−0105359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は前記問題点を解消するために提案された発明であり、その目的はフレキシブル基板上に形成された薄膜トランジスターのチャンネル領域を基板が曲がる方向と所定の角度を成すように形成することで、薄膜トランジスターの電気的特性を最小化することができる有機電界発光表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を果たすための、本発明の有機電界発光表示装置は、フレキシブル可能な基板と、前記基板上に形成される薄膜トランジスターを含み、前記薄膜トランジスターは前記基板上に形成されて画素を駆動する画素薄膜トランジスターと、ドライバー回路を駆動するドライバー回路薄膜トランジスターを含み、前記画素薄膜トランジスターのチャンネル領域の長さ方向は前記基板が曲がる方向と所定角度を形成することを特徴とする。
【0014】
望ましくは、前記ドライバー薄膜トランジスターの少なくとも一つは前記画素薄膜トランジスターと所定角度を形成する。
【0015】
前記画素薄膜トランジスターはスイッチング薄膜トランジスターと駆動薄膜トランジスターを含む。
【0016】
前記スイッチング薄膜トランジスターのチャンネル領域の長さ方向は駆動薄膜トランジスターの長さ方向と相異なっている。
【0017】
前記駆動薄膜トランジスターは前記基板が曲がる方向と同じ方向に設けられる。前記画素薄膜トランジスターのチャンネル領域の長さ方向と前記基板が曲がる方向の間の角度範囲は45度〜90度以下である。
【0018】
前記基板は金属またはプラスチック材質で外力によって変形可能に形成される。
【0019】
前記金属はステンレススチールsus、チタンTiのうち一つを含む。前記半導体層は低温ポリシリコンを利用する。また、前記半導体層はGe、Ge化合物を利用する。
【0020】
前記薄膜トランジスター上に形成されて前記薄膜トランジスターと電気的に連結される発光素子OLEDをさらに含む。
【0021】
前記薄膜トランジスター上に形成されて前記薄膜トランジスターと電気的に連結される液晶素子LCDをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
以上、説明したように、本発明によれば、フレキシブル可能な基板に薄膜トランジスターを形成する時、基板が曲がる方向と薄膜トランジスターのチャンネル領域の形成方向が所定角度を成すように形成することで、チャンネル領域に流れる電流量の変化を著しく減らすことができる。これによって、薄膜トランジスターの電気的特性低下あるいは変化を最小化することができ、ひいてはディスプレイの性能及び解像度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。図2は本発明の実施形態による発光表示装置を現わす回路図である。図2を参照すれば、本発明の実施形態による有機電界発光表示装置は、走査線S1ないしSn及びデータ線D1ないしDmの交差領域に形成された画素24を含む画像表示部23と、走査線S1ないしSnを駆動するための走査駆動部21と、データ線D1ないしDmを駆動するためのデータ駆動部22と、走査駆動部21及びデータ駆動部22を制御するためのタイミング制御部25を具備する。
【0024】
タイミング制御部25は外部から供給される同期信号を利用してデータ駆動制御信号DCS及び走査駆動制御信号SCSを生成する。タイミング制御部25で生成されたデータ駆動制御信号DCSはデータ駆動部22に供給され、走査駆動制御信号SCSは走査駆動部21に供給される。そして、タイミング制御部25は外部から供給されるデータをデータ駆動部22に供給する。
【0025】
走査駆動部21はタイミング制御部25から走査駆動制御信号SCSの供給を受ける。走査駆動制御信号SCSの供給を受けた走査駆動部21は第1走査線S1ないし第n走査線Snに走査信号を順次供給する。そして、走査駆動制御信号SCSの供給を受けた走査駆動部21は第1発光制御線E1ないし第n発光制御線Enに発光制御信号を順次供給する。
【0026】
データ駆動部22はタイミング制御部25からデータ駆動制御信号DCSの供給を受ける。データ駆動制御信号DCSの供給を受けたデータ駆動部22は走査信号が供給される時ごとにデータ線D1ないしDmにデータ信号を供給する。各駆動部21、22にはこれらを駆動する薄膜トランジスター(一名、ドライバー回路薄膜トランジスター)が形成されている。
【0027】
画像表示部23は、第1電源ELVDD及び第2電源ELVSSの供給を受ける。画像表示部23に供給された第1電源ELVDD及び第2電源ELVSSはそれぞれの画素24に供給される。
【0028】
図3は、図2に図示された画素の第1実施形態を現わす図面である。図3では説明の便宜性のために第n走査線Sn及び第mデータ線Dmと接続された画素を図示する。
【0029】
図3を参照すれば、本発明の画素24は発光素子OLEDと、発光素子OLED、データ線Dm、 発光制御線En及び走査線Snに接続されて発光素子OLEDを発光させるための画素回路26を具備する。発光素子OLEDのアノード電極は画素回路26に接続されて、カソード電極は第2電源ELVSSに接続される。このような発光素子OLEDは画素回路26から供給される電流に対応される光を生成する。
【0030】
画素回路26は第1電源ELVDDと発光素子OLED の間に接続される第2画素薄膜トランジスターM2と、第2画素薄膜トランジスターM2、データ線Dm及び走査線Snの間に接続される第1トランジスターM1と、第2画素薄膜トランジスターM2のゲート電極と第1電源ELVDDの間に接続されるストリッジキャパシタCを具備する。
【0031】
第1画素薄膜トランジスターM1のゲート電極は走査線Snに接続され、第1電極はデータ線Dmに接続される。そして、第1画素薄膜トランジスターM1の第2電極はストリッジキャパシタCの一側及び第2画素薄膜トランジスターM2のゲート電極に接続される。このような、第1画素薄膜トランジスターM1は走査線Snから走査信号が供給される時ターンオンされてデータ線Dmから供給されるデータ信号をストリッジキャパシタCに供給する。この時、ストリッジキャパシタCにはデータ信号に対応される電圧が充電される。
【0032】
一方、第1電極はソース電極及びドレイン電極のうち、いずれか一つに設定され、 第2電極は第1電極と違う電極に設定される。例えば、第1電極がソース電極に設定されれば第2電極はドレイン電極に設定される。第2画素薄膜トランジスターM2のゲート電極はストリッジキャパシタCの一側に接続され、第1電極は第1電源ELVDDに接続される。そして、第2画素薄膜トランジスターM2の第2電極は発光素子OLEDに接続される。
【0033】
図4は図2に図示された画素の第2実施形態を図示する回路図である。
【0034】
図4を参照すれば、第2実施形態の画素構造は図3の第1実施形態の画素構造と同様に、発光素子OLEDと、発光素子OLED、データ線Dm、発光制御線En及び走査線Snに接続されて発光素子OLEDを発光させるための画素回路26を具備する。このため、画素回路26を成す各構成要素に対する具体的な説明は略する。但し、第2実施形態ではNMOS薄膜トランジスターを使用する。
【0035】
図5は一般的なシフトレジスターの構成を現わすブロック図である。
【0036】
図5に図示されたように本発明の実施形態によるシフトレジスターは、スタートパルスSP入力ラインに従属接続されると同時に、4相クロック信号CLK1ないしCLK4供給ラインのうち、3本のクロック信号供給ラインにそれぞれ接続されたn個のステージ(Stage1ないしStagen)を具備する。
【0037】
図5に図示されたシフトレジスターからn個のステージの出力ラインは画素アレイに含まれたn本のローラインROW1ないしROWnにそれぞれ接続される。各ステージは順次に位相が遅延される第1ないし第4クロック信号CLK1ないしCLK4のうち3本のクロック信号のみを入力するようになる。例えば、第1 ステージStage1に第1及び第3と第4クロック信号CLK1、CLK3、CLK4が入力される場合、第2ステージStage2には順次に一クロックほどずつ位相遅延された3個のクロック信号CLK2、CLK4、CLK1が入力されて第3ないし第n ステージにも同じ方式で続いて順次に一クロックほどずつ位相遅延された3個のクロック信号が入力される。
【0038】
スタートパルスSPが第1ステージに供給されれば、各ステージは一クロックほどずつシフトさせて出力ラインに供給し、第1ないし第n-1ステージStage1ないしStagenの出力信号(g1ないしgn-1)は次の段のステージにスタートパルスとして供給することで n本のローラインROW1ないしROWnを順次駆動するようになる。
【0039】
以下、フレキシブル可能な基板上に形成された薄膜トランジスターを図示した図面等を参照して本発明をさらに具体的に説明する。
【0040】
図6A及び図6Bはフレキシブル可能な基板上に形成された薄膜トランジスターを概略的に図示した模式図である。
【0041】
図6Aを参照すれば、薄膜トランジスター61はフレキシブル可能な基板60上に形成され、薄膜トランジスター61を成すチャンネル領域62が基板60が曲がる方向と所定の角度(おおよそ45゜)を成すように形成される。
【0042】
一方、前記説明と同様に、図6Bにはフレキシブル可能な基板60上に形成されたチャンネル領域64を持つ半導体層、ソース電極65、及びドレイン電極66を含む薄膜トランジスター63が形成されている。薄膜トランジスター63のチャンネル領域64は、基板60が曲がる方向と垂直を成すように形成される。より具体的には、チャンネル領域64に流れる電流の流れと基板60の曲がる方向とは垂直を成す。
【0043】
図7は図1と図6A及び図6Bに開示された薄膜トランジスターの電流の流れを図示したグラフである。
【0044】
図7のグラフを参照すれば、横軸は基板の変形力(strain)を現わし、縦軸は電流の変化量を現わす。
【0045】
グラフ(a)は基板1が曲がる方向とチャンネル領域11が水平を成すように形成された場合を現わす。グラフ(a)は基板1が曲がる方向とチャンネル形成、すなわち、チャンネル領域11の長さ方向が水平を成す場合を現わすが、この場合、基板1に加えられる力に比例して電流の変化量が増加することが分かる。
【0046】
グラフ(b)は基板60が曲がる方向とチャンネル領域62の長さ方向が所定角度約45度を成す場合を現わす。この場合も同様に基板60に加えられる力に比例して電流量が増加するが、基板1が曲がる方向とチャンネル領域11の長さ方向が水平を成す場合に比べてその変化量が著しく小さいということが分かる。
【0047】
一方、グラフ(c)は基板60が曲がる方向とチャンネル領域64の形成方向が垂直を成す場合を現わす。この場合には、基板640に加えられる力とチャンネル領域64に流れる電流変化量の変化がほとんどなく、実質的にほとんど同じ電流が流れる。
【0048】
結論的に、基板60が曲がる方向と薄膜トランジスター61、63のチャンネル方向62、64が所定角度を成すほど(図6b、図6c参照)、一番望ましくは基板60が曲がる方向とチャンネル領域の長さ方向64が垂直を成すほど電流の変化はほとんどない。
【0049】
図8ないし図12は本発明の実施形態による有機電界発光表示装置を概略的に図示した平面図である。
【0050】
まず、図8を参照すれば、本発明の有機電界発光表示装置は、駆動回路領域81と画像領域82が形成されたフレキシブル可能な基板80を含む。駆動回路領域81及び画像領域82それぞれには少なくとも一つの薄膜トランジスター83、84が形成され、画像領域82には薄膜トランジスター84と電気的に連結される少なくとも一つの発光素子(OLED;図示せず)が形成される。また、画像領域82には発光素子の代わりに薄膜トランジスター84と電気的に連結される少なくとも一つの液晶素子(LCD:liquid crystal device、図示せず)を形成することもできる。本実施形態で駆動回路領域81は画像領域82の上端に形成される。
【0051】
より具体的には、基板80はステンレススチール(sus)、チタンTiなどを含んで形成されたフレキシブル可能な金属薄膜形態である。基板80に形成された画像領域82と駆動回路領域81には少なくとも一つの薄膜トランジスター83、84がそれぞれ形成される。各薄膜トランジスター83、84は基板80上に形成された半導体層(図示せず)、半導体層上に形成されたゲート電極(図示せず)、ソース電極及びドレイン電極83b、84b; 83c、84cを含む。
【0052】
半導体層は低温ポリシリコン層を利用し、特に、Ge、Ge化合物を利用する。半導体層にはソース及びドレイン電極83b、84b; 83c、84cと電気的に連結される(図示せず)ソース及びドレイン領域と、ゲート電極下部に形成されたチャンネル領域83a、84aが形成される。各薄膜トランジスター83、84のチャンネル領域83a、84aは長さLと幅Wを持つ。
【0053】
本実施形態において、薄膜トランジスター83は駆動領域のドライバー回路を駆動するドライバー回路薄膜トランジスターであり、チャンネル領域83aの長さ方向Lは基板80が曲がる方向と水平を成す。
【0054】
一方、薄膜トランジスター84は画像領域の画素を駆動する画素薄膜トランジスターであり、チャンネル領域84aの長さ方向Lは基板80が曲がる方向と所定角度で、ほとんど垂直を成すように形成される。画素薄膜トランジスターのチャンネル領域の長さ方向と基板が曲がる方向の間の角度は45度から90度の範囲にあることが望ましい。
【0055】
画素を構成する画素薄膜トランジスターはスイッチング薄膜トランジスターと駆動薄膜トランジスターを含む。説明の便宜上、本実施形態では駆動領域81と画像領域82に一つの画素薄膜トランジスターを図示したが、各領域81、82には複数個の薄膜トランジスターを形成することができる。
【0056】
以下実施形態では、説明の重複を避けるため、図8に開示された構成要素と同じ構成要素のうち、一部構成要素に対する具体的な説明は略する。
【0057】
図9を参照すれば、フレキシブル可能な基板90には駆動回路領域91a、91bと画像領域92が形成され、駆動回路領域91a、91bは画像領域92の上部及び下部にそれぞれ形成されており、各駆動回路領域91a、91b及び画像領域92には薄膜トランジスター93、94、95が形成される。
【0058】
駆動回路領域91a、91b及び画像領域92に形成された薄膜トランジスター93、94、95は半導体層(図示せず)、ゲート電極(図示せず)、ソース電極93b、94b及びドレイン電極93c、94c、95cを含み、薄膜トランジスター93、94、95を構成するチャンネル領域93a、94a、95aは基板90が曲がる方向と所定角度を成すように形成する。この時、基板90が曲がる方向とチャンネル領域93a、94a、95aが垂直に近いほど電流変化が起きない。
【0059】
本実施形態で、画像領域92には二つの薄膜トランジスター94、95が形成される。 二つの薄膜トランジスター94、95のうち一つはスイッチング薄膜トランジスター94で、 他の一つは駆動薄膜トランジスター95である。スイッチング薄膜トランジスター94のチャンネル領域94aの長さ方向は基板90が曲がる方向と垂直を成し、駆動薄膜トランジスター95のチャンネル領域95aは基板90が曲がる方向と水平を成す。すなわち、スイッチング薄膜トランジスター94のチャンネル領域94aは駆動薄膜トランジスター95aのチャンネル領域の長さ方向と相異である。
【0060】
図10に開示された実施形態に開示されたフレキシブル可能な基板100には駆動回路領域110a、110bと画像領域120が形成され、本実施形態で駆動回路領域110aは画像領域120の左側部に形成され、駆動回路領域110bは画像領域120の上部に形成される。駆動回路領域110a、110b及び画像領域120それぞれには薄膜トランジスター130、140、150、160が形成されるが、薄膜トランジスター130、140、150、160のチャンネル領域130a 、140a、150a、160aは基板100が曲がる方向と所定角度を成すように形成される。
【0061】
本発明の実施形態おいて、駆動回路領域110aに形成された薄膜トランジスター130、 140のチャンネル領域130a、140aの長さ方向は基板が曲がる方向と水平を成す。そして、 本発明の実施形態おいて、画素回路領域120に形成された薄膜トランジスター150のチャンネル領域150aは基板100が曲がる方向と垂直を成すように形成され、薄膜トランジスター160のチャンネル領域160aは基板100が曲がる方向と水平を成す。
【0062】
より具体的には、駆動薄膜トランジスター160は基板100が曲がる方向と水平を成して、スイッチング薄膜トランジスター150は基板100が曲がる方向と垂直を成す。
【0063】
結論的に、前記実施形態に開示されたところによれば、薄膜トランジスターのチャンネル領域の長さ方向Lが基板が曲がる方向と垂直を成すように形成することで、フレキシブル可能な基板に応力が加えられて基板が曲がっても電流の流れには大きい影響を及ぼさない。また、基板に応力が加えられる場合、チャンネル領域の幅方向Wが相対的に広くなるから電流移動度をさらに高めることができる。
【0064】
前記実施形態では、画像領域のまわり方向に沿って少なくとも一領域のみに駆動領域が形成されていることが開示されているが、画像領域のまわり方向全領域にかけて駆動回路領域が形成されることが可能であることは勿論である。また、前記実施形態では画像領域と駆動回路領域が単一基板上に形成されていることが開示されているが、 これと違って、駆動回路領域が個別的に形成されて画像領域と電気的に連結されることが可能である。
【0065】
前記実施形態には有機電界発光表示装置を構成する発光素子または液晶素子が具体的に図示及び説明されていないが、一般的に有機電界発光表示装置には薄膜トランジスターと電気的に連結される発光素子または液晶素子などが形成される。
【0066】
本発明は添付された図面に図示された実施形態を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということを理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】フレキシブル可能な基板上に形成された薄膜トランジスターを概略的に図示した模式図である。
【図2】本発明の実施形態による発光表示装置を現わす回路図である。
【図3】図2に図示された画素の第1実施形態を図示する回路図である。
【図4】図2に図示された画素の第2実施形態を図示する回路図である。
【図5】図2の一般的なシフトレジスターの構成を現わすブロック図である。
【図6A】本発明によるフレキシブル可能な基板上に形成された薄膜トランジスターを概略的に図示した模式図である。
【図6B】本発明によるフレキシブル可能な基板上に形成された薄膜トランジスターを概略的に図示した模式図である。
【図7】図1と図6A及び図6Bに開示された薄膜トランジスターの電流の流れを図示したグラフである。
【図8】本発明の実施形態による平板表示装置を概略的に図示した平面図である。
【図9】本発明の実施形態による平板表示装置を概略的に図示した平面図である。
【図10】本発明の実施形態による平板表示装置を概略的に図示した平面図である。
【符号の説明】
【0068】
100、120、140 フレキシブル可能な基板
110、130、150 薄膜トランジスター
111、131、151、 チャンネル領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機電界発光表示装置において、
フレキシブル可能な基板と;
前記基板上に形成される薄膜トランジスターを含み、
前記薄膜トランジスターは、
前記基板上に形成されて画素を駆動する画素薄膜トランジスターと、
ドライバー回路を駆動するドライバー回路薄膜トランジスターを含み、
前記画素薄膜トランジスターのチャンネル領域の長さ方向は前記基板が曲がる方向と所定角度を形成することを特徴とする有機電界発光表示装置。
【請求項2】
前記ドライバー回路薄膜トランジスターの少なくとも一つは、
前記画素薄膜トランジスターと所定角度を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記画素薄膜トランジスターは、
スイッチング薄膜トランジスターと駆動薄膜トランジスターを含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記スイッチング薄膜トランジスターのチャンネル領域の長さ方向は、
駆動薄膜トランジスターのチャンネル領域の長さ方向と相異なっていることを特徴とする請求項3に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記駆動薄膜トランジスターは前記基板が曲がる方向と同じ方向に設けられることを特徴とする請求項3に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記画素薄膜トランジスターのチャンネル領域の長さ方向と前記基板が曲がる方向の間の角度範囲は、45度以上90度以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記基板は、
金属またはプラスチック材質で外力によって変形可能に形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記金属は、
ステンレススチール(sus)、チタン(Ti)のうち一つを含むことを特徴とする請求項7に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記半導体層は、
低温ポリシリコンを利用することを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記半導体層は、
Ge、Ge化合物を利用することを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記薄膜トランジスター上に形成されて前記薄膜トランジスターと電気的に連結される発光素子OLEDをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記薄膜トランジスター上に形成されて前記薄膜トランジスターと電気的に連結される液晶素子LCDをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−25620(P2007−25620A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337633(P2005−337633)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】